JP2009105061A - 非水二次電池用電極材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】非水二次電池の放電容量やサイクル特性を維持したうえで安全性をより高めることのできる電極材料、およびこれを用いてなる非水二次電池を提供する。
【解決手段】活物質をAlとOを含む被覆化合物からなる被覆材で被覆してなる非水二次電池用電極材料であって、被覆材の試料をマジック角の回りに回転させて測定した固体NMRの27Alのピークが(1)、(2)を満たす電極材料、及びこれを用いてなる非水二次電池。
(1)α−アルミナの主ピーク位置を0ppmとしたとき、−3〜+5ppmに1本の主ピーク(主ピークA)を持ち、(50〜100ppmの主ピーク強度)<(主ピークA強度)×0.2。
(2)((主ピークAの第一回転サイドバンド強度)/(主ピークA強度))/((α−アルミナ主ピークの第一回転サイドバンド強度)/(α−アルミナの主ピーク強度))≧9。
【選択図】なし
【解決手段】活物質をAlとOを含む被覆化合物からなる被覆材で被覆してなる非水二次電池用電極材料であって、被覆材の試料をマジック角の回りに回転させて測定した固体NMRの27Alのピークが(1)、(2)を満たす電極材料、及びこれを用いてなる非水二次電池。
(1)α−アルミナの主ピーク位置を0ppmとしたとき、−3〜+5ppmに1本の主ピーク(主ピークA)を持ち、(50〜100ppmの主ピーク強度)<(主ピークA強度)×0.2。
(2)((主ピークAの第一回転サイドバンド強度)/(主ピークA強度))/((α−アルミナ主ピークの第一回転サイドバンド強度)/(α−アルミナの主ピーク強度))≧9。
【選択図】なし
Description
本発明は、非水二次電池用電極材料およびこれを用いた非水二次電池に関する。
電子機器のポータブル化、コードレス化の急速な進行に伴い、従来の二次電池より小型で軽量、大容量を実現できる非水二次電池の開発が進められている。その中でリチウム二次電池は、既に携帯電話やノートパソコン等の電源として実用化されており、さらに電気自動車用の電源として大型化、高出力化が検討されている。しかし、非水二次電池には、可燃性の有機溶媒に塩を溶解した非水電解質溶液や、可燃性のポリマー電解質が用いられるため、高い放電容量と良好なサイクル特性(充電と放電を繰り返した後においても放電容量の低下が少ないこと)を維持したうえで、より安全性を高めた電極材料の開発が切望されている。
活物質を加熱したときの発熱量を低下させるために、例えば、非特許文献1に開示されているように、正極に用いられる電極材料用の活物質であるニッケル酸リチウムのニッケルの一部をアルミニウムで置換してLiAl1/4Ni3/4O2とするといった活物質となる化合物の組成の検討が行われてきたが、放電容量の低下やサイクル特性の低下が生じるという問題があった。
ジャーナル・オブ・エレクトロケミカル・ソサエティ第142巻(1995年)第4033〜4038頁
本発明の目的は、非水二次電池の放電容量やサイクル特性を維持したうえで安全性をより高めることのできる電極材料、およびこれを用いてなる非水二次電池を提供することにある。
本発明者らは、電極材料について鋭意検討を行った結果、アルミニウムと酸素を含む化合物からなり、固体核磁気共鳴スペクトルのピークが特定の条件を満たす被覆材で活物質の表面の一部または全部を被覆してなる電極材料を用いると、非水二次電池の容量やサイクル特性を維持したうえで、安全性を高めることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、非水二次電池用活物質を被覆材で被覆してなる電極材料であって、該被覆材が少なくともアルミニウムと酸素を含む化合物からなり、該被覆材の試料をマジック角の回りに回転させて測定した場合における固体核磁気共鳴スペクトル(以下MAS−NMRスペクトルと呼ぶことがある。)のアルミニウム27に由来するピークが以下の(1)および(2)に示す条件を満たすことを特徴とする電極材料を提供する。
(1)α−アルミナの主ピーク位置を0ppmとしたとき、−3〜+5ppmの位置に1本の主ピークを持ち(主ピークAと称する。)、かつ、50〜100ppmの位置の主ピーク(主ピークBと称する。)の強度が主ピークAの強度の20%未満であるかまたは主ピークBが存在しない。
(2)第一回転サイドバンドと主ピークとの間隔が50ppm以上100ppm以下となるように試料を回転しながら測定した場合、主ピークAの高磁場側の第一回転サイドバンドの強度を主ピークAの強度で除した値(以下Rとすることがある。)が、α−アルミナを前記測定と同一の磁場、同一の回転数で測定して得られる主ピークの高磁場側の第一回転サイドバンドの強度をα−アルミナの主ピークの強度で除した値(以下rとすることがある。)の9倍以上である。
(1)α−アルミナの主ピーク位置を0ppmとしたとき、−3〜+5ppmの位置に1本の主ピークを持ち(主ピークAと称する。)、かつ、50〜100ppmの位置の主ピーク(主ピークBと称する。)の強度が主ピークAの強度の20%未満であるかまたは主ピークBが存在しない。
(2)第一回転サイドバンドと主ピークとの間隔が50ppm以上100ppm以下となるように試料を回転しながら測定した場合、主ピークAの高磁場側の第一回転サイドバンドの強度を主ピークAの強度で除した値(以下Rとすることがある。)が、α−アルミナを前記測定と同一の磁場、同一の回転数で測定して得られる主ピークの高磁場側の第一回転サイドバンドの強度をα−アルミナの主ピークの強度で除した値(以下rとすることがある。)の9倍以上である。
また、本発明は、アルミニウムおよびアルカリ金属の両者以外の全金属のアルミニウムに対する光電子分光法で求めたモル比が2.0以下である上記に記載の電極材料を提供する。
また本発明は、上記いずれかに記載の非水二次電池用電極材料を用いてなる非水二次電池を提供する。
さらに本発明は、非水二次電池用活物質の粒子を金属AlまたはAlを含む化合物で被覆処理した後、熱処理を行う上記いずれかに記載の非水二次電池用電極材料の製造方法を提供する。
また本発明は、上記いずれかに記載の非水二次電池用電極材料を用いてなる非水二次電池を提供する。
さらに本発明は、非水二次電池用活物質の粒子を金属AlまたはAlを含む化合物で被覆処理した後、熱処理を行う上記いずれかに記載の非水二次電池用電極材料の製造方法を提供する。
本発明の非水二次電池用電極材料を非水二次電池に用いると、容量やサイクル特性を維持したうえで安全性をより高めた非水二次電池を得ることができ、工業的に極めて有用である。
次に、本発明を詳細に説明する。
本発明の電極材料において、活物質の被覆材はアルミニウムと酸素を含む被覆化合物からなる。被覆材がアルミニウムを含まない化合物からなる場合は、理由は明らかではないが、被覆材を被覆した活物質からなる電極材料を用いて製造した電池の安全性が向上しない。
本発明の電極材料において、活物質の被覆材はアルミニウムと酸素を含む被覆化合物からなる。被覆材がアルミニウムを含まない化合物からなる場合は、理由は明らかではないが、被覆材を被覆した活物質からなる電極材料を用いて製造した電池の安全性が向上しない。
本発明の電極材料における被覆材は、その試料の固体核磁気共鳴スペクトルを、試料をマジック角の回りに高速回転させて測定した場合におけるアルミニウム27(原子量が27であるアルミニウムの同位体)に由来するピークが下記(1)および(2)に示す条件を満たすものである。
(1)α−アルミナの主ピーク位置を0ppmとしたとき、−3〜+5ppmの位置に1本の主ピーク(主ピークA)を持ち、かつ、50〜100ppmの位置に存在する主ピーク(主ピークB)の強度が主ピークAの強度の20%未満であるかまたは主ピークBが存在しない。
(2)第一回転サイドバンドと主ピークとの間隔が50ppm以上100ppm以下となるように試料を回転しながら測定した場合、主ピークAの高磁場側の第一回転サイドバンドの強度を主ピークAの強度で除した値(R)が、α−アルミナを前記測定と同一の磁場、同一の回転数で測定して得られる主ピークの高磁場側の第一回転サイドバンドの強度をα−アルミナの主ピークの強度で除した値(r)の9倍以上である。
(1)α−アルミナの主ピーク位置を0ppmとしたとき、−3〜+5ppmの位置に1本の主ピーク(主ピークA)を持ち、かつ、50〜100ppmの位置に存在する主ピーク(主ピークB)の強度が主ピークAの強度の20%未満であるかまたは主ピークBが存在しない。
(2)第一回転サイドバンドと主ピークとの間隔が50ppm以上100ppm以下となるように試料を回転しながら測定した場合、主ピークAの高磁場側の第一回転サイドバンドの強度を主ピークAの強度で除した値(R)が、α−アルミナを前記測定と同一の磁場、同一の回転数で測定して得られる主ピークの高磁場側の第一回転サイドバンドの強度をα−アルミナの主ピークの強度で除した値(r)の9倍以上である。
本発明の電極材料における被覆材は、以下に示すアルミニウム27の特徴的なMAS−NMRスペクトルを与える。これについて詳しく説明する。
本発明の被覆材のMAS−NMRスペクトルの測定においては、試料をマジック角の回りに回転させて測定を行う。測定の際に、回転数によらず同じスペクトル位置に検出されるMAS−NMRピークのことを主ピークという。スペクトルにおける主ピークの位置は、測定に用いる静磁場の大きさによらず一定の値を示すことが知られている。本発明の被覆材が与えるアルミニウム27のMAS−NMRスペクトルは、α−アルミナの主ピーク位置を基準としたときに、−3〜+5ppmの位置に1本の主ピーク(主ピークA)を持ち、かつ、50〜100ppmの位置の主ピーク(主ピークB)の強度が主ピークAの強度の20%未満であることが必要である。これ以外の主ピークが存在する場合の強度については、主ピークAの強度の10%未満であることが好ましく、他の主ピークが存在しないことがさらに好ましい。
本発明の被覆材のMAS−NMRスペクトルの測定においては、試料をマジック角の回りに回転させて測定を行う。測定の際に、回転数によらず同じスペクトル位置に検出されるMAS−NMRピークのことを主ピークという。スペクトルにおける主ピークの位置は、測定に用いる静磁場の大きさによらず一定の値を示すことが知られている。本発明の被覆材が与えるアルミニウム27のMAS−NMRスペクトルは、α−アルミナの主ピーク位置を基準としたときに、−3〜+5ppmの位置に1本の主ピーク(主ピークA)を持ち、かつ、50〜100ppmの位置の主ピーク(主ピークB)の強度が主ピークAの強度の20%未満であることが必要である。これ以外の主ピークが存在する場合の強度については、主ピークAの強度の10%未満であることが好ましく、他の主ピークが存在しないことがさらに好ましい。
ここに、MAS−NMRピークの強度は、スペクトルのベースラインを基準としたときのピークの頂点の高さとする。NMRピークの強度を正確に測定するためには、十分な積算と、ベースライン補正によるベースラインの平滑化を行うことが好ましい。ベースラインの補正方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、一次ないし六次のスプライン関数を用いることができるが、特に限定されない。
主ピークの強度比の測定においては、主ピークBと後述する主ピークAの回転サイドバンドが重ならない条件で測定することが望ましい。すなわち、静磁場として、例えば、7.05テスラの磁場を用いる場合においては、試料の回転数を毎秒10,000回転以上とすることが好ましい。
次に、回転サイドバンドとは、MAS−NMRスペクトルにおいて、主ピークの両側に回転数に比例した間隔で観測される一群のMAS−NMRピークのことであり、なかでも、第1回転サイドバンドとは主ピークの両隣、すなわち主ピークから試料の回転数に比例した間隔だけ離れたピークのうち主ピークに最も近いピークのことをいう。主ピークと第一回転サイドバンドの強度比は、測定に用いる磁場の大きさや試料回転数、温度によって異なるが、同一組成・同一状態の固体であれば、同一磁場、同一試料回転数、同一温度において、一定の値を示すことが知られている。
本発明の被覆材が与えるアルミニウム27のMAS−NMRスペクトルは、第一回転サイドバンドと主ピークとの間隔が50ppm以上100ppm以下となるように試料を回転しながら測定した場合、主ピークAの強度と主ピークAの高磁場側の第一回転サイドバンドの強度の比(R)が、同一の磁場、同一の回転数で測定し、上と同様に求めたα−アルミナのスペクトルにおける主ピークの強度と主ピークの高磁場側の第一回転サイドバンドの強度の比(r)の9倍以上(すなわちR/r≧9)である。静磁場として7.05テスラの磁場を用いる場合において、回転サイドバンドが上述の位置に観測される条件としては、試料を毎秒5000回転〜6000回転(5〜6kHz)する測定条件が例示される。
ここで、比較に用いるα−アルミナは、純度99.99%以上、BET法による比表面積値が2ないし10m2/gでα−アルミナの結晶構造のみを有する粒子であれば、製法によらず用いることができる。なかでも、平均粒径が0.2ないし2μmの粒子が好ましく用いることができる。
本発明の電極材料における被覆材のアルミニウム27のMAS−NMRスペクトルは、被覆材を活物質から単離して測定することも可能であるが、活物質にアルミニウムが含まれない場合、あるいは、仮に含まれていたとしても、常磁性、あるいは強磁性を有する物質(Ni、Co、Mn等)が活物質内に多量に共存する場合は、後述の比較例1で示すように、活物質内に存在するアルミニウム27のNMRピークは線幅が非常に広くなり、本発明において用いる測定方法ではピークが検出されなくなる。したがって、被覆材で活物質の表面の全部または一部が被覆されてなる電極材料を試料としてアルミニウム27のMAS−NMRの測定を行なっても、被覆材のスペクトルを得ることができる。
本発明の電極材料における被覆材は、被覆後においてアルカリ金属元素および/または遷移金属元素を含んでいることが好ましい。アルカリ金属元素には、Li、Na、Kが例示されるが、Liが好ましい。また、遷移金族元素とは、不完全に満たされたd殻をもつ原子またはそのような陽イオンを生ずる元素のことをいい、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、AgおよびZnが例示されるが、本発明の電極材料における被覆材は、このうちの1種または2種以上を含んでいてもよく、Mn、CoおよびNiのうちいずれか2種以上を含んでいる場合が好ましい。
本発明の電極材料における被覆材の光電子分光法で求めたアルミニウムおよびアルカリ金属の両者以外の全金属のアルミニウムに対するモル比が2.0以下であることが、加熱した場合の活物質の発熱量が少なくなるので好ましく、0.5以下であることがさらに好ましい。
光電子分光法で求めたアルミニウムおよびアルカリ金属の両者以外の全金属のアルミニウムに対するモル比とは、アルミニウムおよびアルカリ金属の両者以外の全金属の光電子強度の総和の、Al2Sの光電子強度に対する比である。光電子強度の測定には公知の方法を用いることができ、必要に応じて波形分離することにより求めることもできる。
光電子分光スペクトルは、表面近傍の組成を反映するので、アルミニウムおよびアルカリ金属の両者以外の全金属のアルミニウムに対するモル比が2.0以下とは、被覆後の被覆材にアルミニウムとアルカリ金属の両者以外が少ないことを示す。光電子分光スペクトルは、活物質の被覆材による被覆率の影響を受けるが、次のようにして、被覆材の組成を評価することが可能である。試料として被覆材で表面の全部が被覆された活物質を用いた場合の光電子分光スペクトルへの該活物質からの寄与は、光電子分光スペクトルが物質のごく表面の状態のみを反映することから、ほとんど無視できる。したがって、被覆材で表面の全部が被覆された非水二次電池用活物質の、光電子分光法で求めたアルミニウムおよびアルカリ金属の両者以外の全金属のアルミニウムに対するモル比は、被覆材の該モル比とほぼ一致する。
一方、被覆材で表面の一部が被覆された活物質を用いた場合の光電子分光スペクトルへの該活物質からの寄与は、該活物質の該被覆材による被覆率(以下、Xとする。)に依存する。被覆材で表面の一部が被覆された活物質の光電子分光法で求めたアルミニウムおよびアルカリ金属の両者以外の全金属のアルミニウムに対するモル比の実測値Yは、該被覆材のアルミニウムおよびアルカリ金属の両者以外の全金属のアルミニウムに対するモル比Y0、および該活物質のアルミニウムおよびアルカリ金属の両者以外の全金属のアルミニウムに対するモル比Y1と次の式で表わされる関係がある。
Y = X×Y0+(1−X)×Y1(ただし、0<X<1である。)
Y = X×Y0+(1−X)×Y1(ただし、0<X<1である。)
活物質に含まれるアルミニウムが少ない場合、特に、Y1が2.0より大きい場合は、実測されるYが2.0以下であるときはXによらずY0は2.0以下である。したがって、上述のように活物質に含まれるアルミニウムが少なくY1が2.0より大きい条件では、試料として被覆材で表面の全部または一部が被覆された活物質を試料としてアルミニウムおよびアルカリ金属の両者以外の全金属のアルミニウムに対する光電子分光法で求めたモル比の実測値が2.0以下であると、被覆の度合いによらず該被覆材の光電子分光法で求めたアルミニウムおよびアルカリ金属以外の全金属のアルミニウムに対するモル比は2.0以下となり好ましい。さらに、Y1が0.5より大きい場合は、被覆材で表面の全部または一部が被覆された活物質を試料として電子分光法で求めたアルミニウムおよびアルカリ金属の両者以外の全金属のアルミニウムに対するモル比の実測値Yが0.5以下であると、被覆の度合いによらず被覆材のアルミニウムおよびアルカリ金属の両者以外の全金属のアルミニウムに対する光電子分光法で求めたモル比は0.5以下となり、より好ましい。
本発明で用いる活物質は、アルカリ金属イオンをドープ・脱ドープ可能な化合物である。
アルカリ金属イオンをドープ・脱ドープ可能な化合物としては、Liおよび遷移金属を含む酸化物、硫化物等の複合カルコゲン化合物や、Naと遷移金属とを含む酸化物、硫化物等の複合カルコゲン化合物が例示される。これらのうち、リチウム二次電池の活物質として用いられる化合物としては、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、Niおよび/またはCoおよび/またはMnとLiとを含むα−NaFeO2型の結晶構造を有する化合物、LiとMnとを含むスピネル型の結晶構造を有する複合酸化物、LiおよびMnを含むスピネル型の結晶構造を有する複合酸化物の一部を他元素で置換したもの、LixMnO2、LixTi2O4やLi4/3Ti5/3O4等のリチウムとチタンの複合酸化物、LixV2O4やLixV2O5およびLixV6O13等のリチウムとバナジウムの複合酸化物、LixCr3O8等のリチウムとクロムの複合酸化物、LixFe5O8等のリチウムと鉄の複合酸化物等、Liおよび遷移金属を含む複合酸化物が好ましく、Niおよび/またはCoおよび/またはMnとLiとを含むα−NaFeO2型の結晶構造を有する化合物、LiとMnとを含むスピネル型の結晶構造を有する複合酸化物が、さらに好ましい。
アルカリ金属イオンをドープ・脱ドープ可能な化合物の粒子を製造する方法については特に制限はなく、アルカリ金属イオンをドープ・脱ドープ可能な化合物粒子の構成元素を含む原料化合物を混合した後焼成する等、公知の方法を用いることができる。
アルカリ金属イオンをドープ・脱ドープ可能な化合物としては、Liおよび遷移金属を含む酸化物、硫化物等の複合カルコゲン化合物や、Naと遷移金属とを含む酸化物、硫化物等の複合カルコゲン化合物が例示される。これらのうち、リチウム二次電池の活物質として用いられる化合物としては、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、Niおよび/またはCoおよび/またはMnとLiとを含むα−NaFeO2型の結晶構造を有する化合物、LiとMnとを含むスピネル型の結晶構造を有する複合酸化物、LiおよびMnを含むスピネル型の結晶構造を有する複合酸化物の一部を他元素で置換したもの、LixMnO2、LixTi2O4やLi4/3Ti5/3O4等のリチウムとチタンの複合酸化物、LixV2O4やLixV2O5およびLixV6O13等のリチウムとバナジウムの複合酸化物、LixCr3O8等のリチウムとクロムの複合酸化物、LixFe5O8等のリチウムと鉄の複合酸化物等、Liおよび遷移金属を含む複合酸化物が好ましく、Niおよび/またはCoおよび/またはMnとLiとを含むα−NaFeO2型の結晶構造を有する化合物、LiとMnとを含むスピネル型の結晶構造を有する複合酸化物が、さらに好ましい。
アルカリ金属イオンをドープ・脱ドープ可能な化合物の粒子を製造する方法については特に制限はなく、アルカリ金属イオンをドープ・脱ドープ可能な化合物粒子の構成元素を含む原料化合物を混合した後焼成する等、公知の方法を用いることができる。
本発明の電極材料の製造方法については、活物質を金属AlまたはAlを含む化合物で被覆処理した後、熱処理を行う方法を用いることができる。ここで、Alを含む化合物としては、Alの酸化物、水酸化物、オキシ水酸化物、硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩、酢酸塩、塩化物、有機金属化合物、アルコキシドを例示することができるが、これらに限定されない。
被覆処理の方法としては、Alを含む化合物を水や有機溶媒に溶解させ、該溶液中に被覆したい化合物粒子を分散させた後乾燥する方法、Alを含む化合物を被覆したい活物質粉末とともに水や有機溶媒に分散させた後乾燥する方法、活物質表面にCVDや蒸着等で金属AlやAlを含む化合物を付着させる方法、金属AlやAlを含む微粒子を活物質とともに混合する方法も例示することができる。
これらのうちで、Alを含む微粒子を活物質と混合する方法が市販の材料を用いることができるため工業的には好ましい。混合方法としては特に限定されるものではなく、ミル等の混合機を用いて乾式混合する方法や、水、アルコールなど(ただし限定されない)の懸濁液を用いて湿式混合する方法など、公知の方法を用いることができるが、工業的には乾式混合が好ましい。
Alを含む微粒子としては分散性に優れたものが好ましく、塩化アルミニウム等のアルミニウム化合物の熱分解で得られる遷移アルミナの微粒子が、乾式での分散性にも優れているため、特に好ましい。
Alを含む微粒子としては分散性に優れたものが好ましく、塩化アルミニウム等のアルミニウム化合物の熱分解で得られる遷移アルミナの微粒子が、乾式での分散性にも優れているため、特に好ましい。
熱処理とは、例えば、金属AlまたはAlを含む化合物を反応させるための焼成や、脱水のための乾燥、相転移させたり結晶性を向上させたりするための加熱等であり、複数の工程を含んでもよい。
熱処理の雰囲気は、大気の他、酸素、窒素、二酸化炭素、水蒸気、窒素酸化物、塩化水素、硫化水素、またはそれらの混合ガス中、あるいは減圧下が例示されるが、特にこれらに限定されるものではなく、被覆に用いた金属AlまたはAlを含む化合物に応じて選ぶことができる。
熱処理の雰囲気は、大気の他、酸素、窒素、二酸化炭素、水蒸気、窒素酸化物、塩化水素、硫化水素、またはそれらの混合ガス中、あるいは減圧下が例示されるが、特にこれらに限定されるものではなく、被覆に用いた金属AlまたはAlを含む化合物に応じて選ぶことができる。
本発明の電極材料は、非水二次電池用の電極材料であり、正極のみならず負極にも用いることができる。以下にリチウム二次電池の正極に用いる場合を例として、電池を作製する際の好適な構成について説明する。
本発明の実施態様の一つであるリチウム二次電池の正極は、本発明の電極材料を含み、さらに導電材としての炭素質材料、バインダーとしての熱可塑性樹脂などを含む正極合剤を正極集電体に担持させて製造することができる。
該炭素質材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス類、カーボンブラックなどが挙げられる。導電材として、それぞれ単独で用いてもよいし、例えば人造黒鉛とカーボンブラックとを混合して用いるといった複合導電材系を選択してもよい。
バインダーとして用いられる該熱可塑性樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFということがある。)、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEということがある。)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン・フッ化ビニリデン系共重合体、六フッ化プロピレン・フッ化ビニリデン系共重合体、四フッ化エチレン・パーフルオロビニルエーテル系共重合体などが挙げられる。これらをそれぞれ単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。
また、バインダーとしてフッ素系樹脂とポリオレフィン系樹脂とを、正極合剤中の該フッ素樹脂の割合が1〜10重量%であり、該ポリオレフィン系樹脂の割合が0.1〜2重量%となるように、本発明の正極活物質と組み合わせて用いると、集電体との結着性に優れ、また加熱試験に代表されるような外部加熱に対する安全性をさらに向上できるので好ましい。
正極集電体としては、Al、Ni、ステンレスなどを用いることができるが、薄膜に加工しやすく、安価であるという点でAlが好ましい。該正極集電体に正極合剤を担持させる方法としては、加圧成型する方法、または溶媒などを用いてペースト化し、集電体上に塗布乾燥後プレスするなどして固着する方法が挙げられる。
本発明の実施態様の一つであるリチウム二次電池の負極としては、例えばリチウム金属、リチウム合金またはリチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な材料などを用いることができる。リチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス類、カーボンブラック、熱分解炭素類、炭素繊維、有機高分子化合物焼成体などの炭素質材料;正極よりも低い電位でリチウムイオンのドープ・脱ドープが行える酸化物、硫化物等のカルコゲン化合物が挙げられる。
また、液体の電解質と組み合わせて用いる場合において、ポリエチレンカーボネートを含有した負極を用いると、サイクル特性と大電流放電特性が向上するので好ましい。
炭素質材料の形状は、例えば天然黒鉛のような薄片状、メソカーボンマイクロビーズのような球状、黒鉛化炭素繊維のような繊維状、または微粉末の凝集体などのいずれでもよく、必要に応じてバインダーとしての熱可塑性樹脂を添加することができる。熱可塑性樹脂としては、PVDF、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられる。
負極として用いられる酸化物、硫化物等のカルコゲン化合物としては、例えば周期律表の第13、14、15族の元素の酸化物などが挙げられる。これらについても、必要に応じて導電材としての炭素質材料、バインダーとしての熱可塑性樹脂を添加することができる。
負極集電体としては、Cu、Ni、ステンレスなどを用いることができるが、特にリチウム二次電池においてはリチウムと合金を作り難く、かつ薄膜に加工しやすいという点でCuが好ましい。該負極集電体に負極活物質を含む合剤を担持させる方法としては、加圧成型する方法、または溶媒などを用いてペースト化し、集電体上に塗布乾燥後プレスするなどして固着する方法が挙げられる。
本発明の実施態様の一つであるリチウム二次電池で用いるセパレータとしては、例えばフッ素系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂;ナイロン、芳香族アラミドなどの不織布、織布などを用いることができる。該セパレータの厚みは電池の体積エネルギー密度が上がり、内部抵抗が小さくなるという点で、機械的強度が保たれる限り薄い程よく、10〜200μm程度が好ましい。
本発明の実施態様の一つであるリチウム二次電池で用いる電解質としては、例えばリチウム塩を有機溶媒に溶解させた非水電解質溶液、または固体電解質のいずれかから選ばれる公知のものを用いることができる。リチウム塩としては、LiClO4、LiPF6、LiAsF6、LiSbF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO2)2、LiC(CF3SO2)3、Li2B10Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウム塩、LiAlCl4などのうち一種あるいは二種以上の混合物が挙げられる。
本発明の実施態様の一つであるリチウム二次電池で用いる有機溶媒としては、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,2−ジ(メトキシカルボニルオキシ)エタンなどのカーボネート類;1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン、ペンタフルオロプロピルメチルエーテル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルジフルオロメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル類;ギ酸メチル、酢酸メチル、γ−ブチロラクトンなどのエステル類;アセトニトリル、ブチロニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;3−メチル−2−オキサゾリドンなどのカーバメート類;スルホラン、ジメチルスルホキシド、1,3−プロパンサルトンなどの含硫黄化合物、または上記の有機溶媒にさらにフッ素置換基を導入したものを用いることができるが、通常はこれらのうちの二種以上を混合して用いる。中でもカーボネート類を含む混合溶媒が好ましく、環状カーボネートと非環状カーボネート、または環状カーボネートとエーテル類の混合溶媒がさらに好ましい。
環状カーボネートと非環状カーボネートの混合溶媒としては、動作温度範囲が広く、負荷特性に優れ、かつ負極の活物質として天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛材料を用いた場合でも難分解性であるという点で、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネートおよびエチルメチルカーボネートを含む混合溶媒が好ましい。
また、アルカリ金属イオンをドープ・脱ドープ可能な化合物粒子がリチウムとニッケルおよび/またはコバルトおよび/またはMnを含むα−NaFeO2型の結晶構造である場合は、特に優れた安全性向上効果が得られる点で、LiPF6等のフッ素を含むリチウム塩および/またはフッ素置換基を有する有機溶媒を含む電解質を用いることが好ましい。ペンタフルオロプロピルメチルエーテル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルジフルオロメチルエーテル等のフッ素置換基を有するエーテル類とジメチルカーボネートとを含む混合溶媒は、大電流放電特性にも優れており、さらに好ましい。
固体電解質としては、例えばポリエチレンオキサイド系、ポリオルガノシロキサン鎖もしくはポリオキシアルキレン鎖の少なくとも一種以上を含む高分子化合物などの高分子電解質を用いることができる。また、高分子に非水電解質溶液を保持させた、いわゆるゲルタイプのものを用いることもできる。さらに安全性を高めるとの観点から、Li2S−SiS2、Li2S−GeS2、Li2S−P2S5、Li2S−B2S3などの硫化物系電解質、またはLi2S−SiS2−Li3PO4、Li2S−SiS2−Li2SO4などの硫化物を含む無機化合物系電解質を用いることもできる。
なお、本発明の非水二次電池の形状は特に限定されず、ペーパー型、コイン型、円筒型、角型などのいずれであってもよい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、特に断らない限り、充放電試験用の電極と平板型電池の作製、アルミニウム27のMAS−NMRスペクトルの測定、および光電子分光測定は下記の方法によった。
(1)充放電試験用の電極と平板型電池の作製
アルカリ金属イオンをドープ・脱ドープ可能な化合物と導電材アセチレンブラックの混合物に、バインダーとしてPVDFの1−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPということがある。)溶液を、電極材料または活物質:導電材:バインダー=86:10:4(重量比)の組成となるように加えて混練することによりペーストとし、集電体となる#100ステンレスメッシュに該ペーストを塗布して150℃で8時間真空乾燥を行い、電極を得た。
アルカリ金属イオンをドープ・脱ドープ可能な化合物と導電材アセチレンブラックの混合物に、バインダーとしてPVDFの1−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPということがある。)溶液を、電極材料または活物質:導電材:バインダー=86:10:4(重量比)の組成となるように加えて混練することによりペーストとし、集電体となる#100ステンレスメッシュに該ペーストを塗布して150℃で8時間真空乾燥を行い、電極を得た。
得られた電極に、電解液としてエチレンカーボネート(以下、ECということがある。)とジメチルカーボネート(以下、DMCということがある。)とエチルメチルカーボネート(以下、EMCということがある。)との30:35:35混合液にLiPF6を1モル/リットルとなるように溶解したもの(以下、LiPF6/EC+DMC+EMCと表すことがある。)、セパレータとしてポリプロピレン多孔質膜を、また対極(負極)として金属リチウムを組み合わせて平板型電池を作製した。
(2)アルミニウム27のMAS−NMRスペクトルの測定
測定は、ケマグネティックス社製CMX−300型装置(以下、条件1とする)、あるいはブルカー社製ASX−300型装置(以下、条件2とする)を用い、室温において行った。
条件1では、0.1gの試料を外径4mmの測定用試料管につめ、装置に挿入し毎秒5000〜15000回転(5〜15kHz)で回転させながら測定を行った。アルミニウム27−NMRの測定中心周波数は78.21MHzであり、スペクトルの測定幅は263kHzに設定した。測定のためのパルス幅は4マイクロ秒とした。これは約45度パルスに相当する。積算は4096回行い、積算の繰り返し時間は3秒とした。条件2では、0.1gないし0.7gの試料を外径7mmの測定用試料管につめ、装置に挿入し毎秒5000〜6000回転で回転させながら測定を行った。アルミニウム27−NMRの観測中心周波数は78.15MHzであり、スペクトルの測定幅は500kHzに設定した。測定のためのパルス幅は3マイクロ秒とした。これは約45度パルスに相当する。積算は8192回行い、積算の繰り返し時間は5秒とした。なお、昭和電工製、UA−5055(商品名)をα−アルミナ標準物質として測定に用いた。
測定は、ケマグネティックス社製CMX−300型装置(以下、条件1とする)、あるいはブルカー社製ASX−300型装置(以下、条件2とする)を用い、室温において行った。
条件1では、0.1gの試料を外径4mmの測定用試料管につめ、装置に挿入し毎秒5000〜15000回転(5〜15kHz)で回転させながら測定を行った。アルミニウム27−NMRの測定中心周波数は78.21MHzであり、スペクトルの測定幅は263kHzに設定した。測定のためのパルス幅は4マイクロ秒とした。これは約45度パルスに相当する。積算は4096回行い、積算の繰り返し時間は3秒とした。条件2では、0.1gないし0.7gの試料を外径7mmの測定用試料管につめ、装置に挿入し毎秒5000〜6000回転で回転させながら測定を行った。アルミニウム27−NMRの観測中心周波数は78.15MHzであり、スペクトルの測定幅は500kHzに設定した。測定のためのパルス幅は3マイクロ秒とした。これは約45度パルスに相当する。積算は8192回行い、積算の繰り返し時間は5秒とした。なお、昭和電工製、UA−5055(商品名)をα−アルミナ標準物質として測定に用いた。
(3)光電子分光測定
SSI社製SSX−100型装置を用いて、下記の条件により測定した。
X線:AlKα線(1486.6eV)
X線スポット:600μm
帯電防止法:中和電子銃、Niメッシュ使用
SSI社製SSX−100型装置を用いて、下記の条件により測定した。
X線:AlKα線(1486.6eV)
X線スポット:600μm
帯電防止法:中和電子銃、Niメッシュ使用
比較例1
(1)電極材料の粒子の合成
まずイオン交換水に水酸化リチウムを溶解させてpHが約11になるように調整し、次いで水酸化アルミニウムを加えて分散させた。次に硝酸リチウムを溶解させ、続いて塩基性炭酸ニッケルと塩基性炭酸コバルトをそれぞれ加えて混合した後、流通管型ミル中で粉砕した。各元素の混合比率は、モル比で下記の組成となるようにした。
Li:Al:Co:Ni=1.03:0.05:0.10:0.85
得られたスラリーを、ロータリーアトマイザー付きのスプレードライヤーで乾燥し、金属化合物の混合粉体を得た。熱風の供給温度は約245℃、乾燥機の出口における熱風の温度は約145℃であった。得られた金属化合物の混合粉体をアルミナ炉芯管を使用した管状炉に入れて、酸素気流中において720℃で15時間保持して焼成することで、非水二次電池の活物質となる粉末状の化合物の粒子(以下、化合物粒子C1とよぶ)を得た。得られた化合物粒子C1は、粉末X線回折によりα−NaFeO2型構造を有することが確認された。
(1)電極材料の粒子の合成
まずイオン交換水に水酸化リチウムを溶解させてpHが約11になるように調整し、次いで水酸化アルミニウムを加えて分散させた。次に硝酸リチウムを溶解させ、続いて塩基性炭酸ニッケルと塩基性炭酸コバルトをそれぞれ加えて混合した後、流通管型ミル中で粉砕した。各元素の混合比率は、モル比で下記の組成となるようにした。
Li:Al:Co:Ni=1.03:0.05:0.10:0.85
得られたスラリーを、ロータリーアトマイザー付きのスプレードライヤーで乾燥し、金属化合物の混合粉体を得た。熱風の供給温度は約245℃、乾燥機の出口における熱風の温度は約145℃であった。得られた金属化合物の混合粉体をアルミナ炉芯管を使用した管状炉に入れて、酸素気流中において720℃で15時間保持して焼成することで、非水二次電池の活物質となる粉末状の化合物の粒子(以下、化合物粒子C1とよぶ)を得た。得られた化合物粒子C1は、粉末X線回折によりα−NaFeO2型構造を有することが確認された。
(2)リチウム二次電池の正極に用いた場合の充放電性能評価
得られた化合物粒子C1を用いて平板型電池を作製し、以下の条件で定電流定電圧充電、定電流放電による充放電試験を実施した。
充電最大電圧4.3V、充電時間8時間、充電電流0.5mA/cm2
放電最小電圧3.0V、放電電流0.5mA/cm2
10および20サイクル目の放電容量は、それぞれ181および176mAh/gと高容量で良好なサイクル特性を示した。
得られた化合物粒子C1を用いて平板型電池を作製し、以下の条件で定電流定電圧充電、定電流放電による充放電試験を実施した。
充電最大電圧4.3V、充電時間8時間、充電電流0.5mA/cm2
放電最小電圧3.0V、放電電流0.5mA/cm2
10および20サイクル目の放電容量は、それぞれ181および176mAh/gと高容量で良好なサイクル特性を示した。
(3)安全性の評価
深い充電状態において加熱された場合の反応挙動を調べることにより安全性を評価するため、以下の手順で密閉型DSC測定を行った。まず化合物粒子C1を電極材料として用いて金属リチウムと組み合わせて平板型電池を作製し、充電電圧4.3V、充電時間20時間、充電電流0.4mA/cm2の条件で定電流定電圧充電を行った。次にアルゴン雰囲気のグローブボックス中で電池を分解し、正極を取り出してDMCで洗浄、乾燥した後、集電体から正極合剤を掻き取って試料となる充電正極合剤を得た。続いてステンレス製の密封セルに充電正極合剤0.8mgを秤取し、さらに非水電解質溶液としてエチレンカーボネートとビニレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネートの12:3:20:65混合液にLiPF6を1モル/リットルとなるように溶解したもの(以下、LiPF6/EC+VC+DMC+EMCと表すことがある。)を充電正極合剤が濡れるように1.5マイクロリットル注入し、治具を用いて密封した。
続いてセイコー電子工業株式会社製DSC220型DSC装置に上記試料を密封したステンレス製セルをセットし、10℃/分の昇温速度で測定を行った。このとき得られた発熱ピークから、充電正極合剤重量と電解液重量の和を基準とした総発熱量を求め、安全性の指標とした。化合物粒子C1を用いた場合は590mJ/mgであった。
深い充電状態において加熱された場合の反応挙動を調べることにより安全性を評価するため、以下の手順で密閉型DSC測定を行った。まず化合物粒子C1を電極材料として用いて金属リチウムと組み合わせて平板型電池を作製し、充電電圧4.3V、充電時間20時間、充電電流0.4mA/cm2の条件で定電流定電圧充電を行った。次にアルゴン雰囲気のグローブボックス中で電池を分解し、正極を取り出してDMCで洗浄、乾燥した後、集電体から正極合剤を掻き取って試料となる充電正極合剤を得た。続いてステンレス製の密封セルに充電正極合剤0.8mgを秤取し、さらに非水電解質溶液としてエチレンカーボネートとビニレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネートの12:3:20:65混合液にLiPF6を1モル/リットルとなるように溶解したもの(以下、LiPF6/EC+VC+DMC+EMCと表すことがある。)を充電正極合剤が濡れるように1.5マイクロリットル注入し、治具を用いて密封した。
続いてセイコー電子工業株式会社製DSC220型DSC装置に上記試料を密封したステンレス製セルをセットし、10℃/分の昇温速度で測定を行った。このとき得られた発熱ピークから、充電正極合剤重量と電解液重量の和を基準とした総発熱量を求め、安全性の指標とした。化合物粒子C1を用いた場合は590mJ/mgであった。
(4)アルミニウム27のMAS−NMRスペクトルの測定
条件2による測定の結果を表2に示す。この試料では主ピークAが観測されなかった。
(5)光電子分光法で求めたモル比
光電子分光法で求めたアルミニウムおよびアルカリ金属以外の全金属、即ちニッケルとコバルトのアルミニウムに対するモル比(Ni+Co)/Alは6.7であった。
条件2による測定の結果を表2に示す。この試料では主ピークAが観測されなかった。
(5)光電子分光法で求めたモル比
光電子分光法で求めたアルミニウムおよびアルカリ金属以外の全金属、即ちニッケルとコバルトのアルミニウムに対するモル比(Ni+Co)/Alは6.7であった。
実施例1
(1)電極材料の粒子の合成
まずイオン交換水に硝酸リチウムを溶解させ、続いて塩基性炭酸ニッケルと塩基性炭酸コバルトをそれぞれ加えて充分に混合した後、流通管型ミル中で粉砕した。各元素の混合比率は、モル比で下記の組成となるようにした。
Li:Co:Ni=1.03:0.10:0.90
得られたスラリーを、ロータリーアトマイザー付きのスプレードライヤーで乾燥し、金属化合物の混合粉体を得た。熱風の供給温度は約250℃、乾燥機の出口における熱風の温度は約150℃であった。得られた金属化合物の混合粉体をアルミナ炉芯管を使用した管状炉に入れて、酸素気流中において720℃で15時間保持して焼成することで、非水二次電池の活物質となる粉末状の化合物の粒子(以下、化合物粒子P1とよぶ)を得た。得られた化合物粒子P1は、粉末X線回折によりα−NaFeO2型構造を有することが確認された。
次に、化合物粒子P1と遷移アルミナ微粒子をモル比でNi:Al=0.90:0.07となるように秤取してナイロン被覆鋼球を用いたボールミルにより混合した後、得られた混合粉体をアルミナ炉芯管を使用した管状炉に入れて、酸素気流中において690℃で1時間焼成することで、非水二次電池用活物質被覆材で被覆された化合物粒子、すなわち非水二次電池用電極材料である粉末(以下、粒子E1とよぶ)を得た。得られた粒子E1は、粉末X線回折によりα−NaFeO2型構造を維持していることが確認された。なお、被覆材は量が少ないので、X線回折では検出されなかった。
(1)電極材料の粒子の合成
まずイオン交換水に硝酸リチウムを溶解させ、続いて塩基性炭酸ニッケルと塩基性炭酸コバルトをそれぞれ加えて充分に混合した後、流通管型ミル中で粉砕した。各元素の混合比率は、モル比で下記の組成となるようにした。
Li:Co:Ni=1.03:0.10:0.90
得られたスラリーを、ロータリーアトマイザー付きのスプレードライヤーで乾燥し、金属化合物の混合粉体を得た。熱風の供給温度は約250℃、乾燥機の出口における熱風の温度は約150℃であった。得られた金属化合物の混合粉体をアルミナ炉芯管を使用した管状炉に入れて、酸素気流中において720℃で15時間保持して焼成することで、非水二次電池の活物質となる粉末状の化合物の粒子(以下、化合物粒子P1とよぶ)を得た。得られた化合物粒子P1は、粉末X線回折によりα−NaFeO2型構造を有することが確認された。
次に、化合物粒子P1と遷移アルミナ微粒子をモル比でNi:Al=0.90:0.07となるように秤取してナイロン被覆鋼球を用いたボールミルにより混合した後、得られた混合粉体をアルミナ炉芯管を使用した管状炉に入れて、酸素気流中において690℃で1時間焼成することで、非水二次電池用活物質被覆材で被覆された化合物粒子、すなわち非水二次電池用電極材料である粉末(以下、粒子E1とよぶ)を得た。得られた粒子E1は、粉末X線回折によりα−NaFeO2型構造を維持していることが確認された。なお、被覆材は量が少ないので、X線回折では検出されなかった。
(2)リチウム二次電池の正極に用いた場合の充放電性能評価
得られた粒子E1を用いて平板型電池を作製し、比較例1と同様の条件で定電流定電圧充電、定電流放電による充放電試験を実施した。
10および20サイクル目の放電容量は、それぞれ176および173mAh/gと、比較例1に比べてわずかに容量が低下したものの、高容量で良好なサイクル特性を示した。
得られた粒子E1を用いて平板型電池を作製し、比較例1と同様の条件で定電流定電圧充電、定電流放電による充放電試験を実施した。
10および20サイクル目の放電容量は、それぞれ176および173mAh/gと、比較例1に比べてわずかに容量が低下したものの、高容量で良好なサイクル特性を示した。
(3)安全性の評価
化合物粒子C1のかわりに粒子E1を用いた以外は比較例1と同様にして密閉型DSC測定を行った。充電正極合剤重量と電解液重量の和を基準とした総発熱量は440mJ/mgとC1を用いた場合よりも減少しており、安全性が向上していることがわかった。
化合物粒子C1のかわりに粒子E1を用いた以外は比較例1と同様にして密閉型DSC測定を行った。充電正極合剤重量と電解液重量の和を基準とした総発熱量は440mJ/mgとC1を用いた場合よりも減少しており、安全性が向上していることがわかった。
(4)アルミニウム27のMAS−NMRスペクトルの測定
条件1および条件2による測定の結果をそれぞれ表1および表2に示す。この試料では主ピークAが化学シフト−1ppmの位置に観測されたが、主ピークBは観測されなかった。またR/rは11.1であった。
(5)光電子分光法で求めたモル比
光電子分光法で求めたアルミニウムおよびアルカリ金属以外の全金属、即ちニッケルとコバルトのアルミニウムに対するモル比(Ni+Co)/Alは0.4であった。
条件1および条件2による測定の結果をそれぞれ表1および表2に示す。この試料では主ピークAが化学シフト−1ppmの位置に観測されたが、主ピークBは観測されなかった。またR/rは11.1であった。
(5)光電子分光法で求めたモル比
光電子分光法で求めたアルミニウムおよびアルカリ金属以外の全金属、即ちニッケルとコバルトのアルミニウムに対するモル比(Ni+Co)/Alは0.4であった。
比較例2
(1)電極材料の合成
化合物粒子P1と遷移アルミナ微粒子をモル比でNi:Al=0.90:0.06となるように秤取し、ナイロン被覆鋼球を用いずに容器を回転させる方法で混合した後、得られた混合粉体をアルミナ炉芯管を使用した管状炉に入れて、酸素気流中において720℃で1時間保持して焼成することで、非水二次電池用活物質被覆材で被覆された化合物粒子、すなわち非水二次電池用電極材料である粉末(以下、粒子C2とよぶ。)を得た。得られた粒子C2は、粉末X線回折によりα−NaFeO2型構造を維持していることが確認された。
(1)電極材料の合成
化合物粒子P1と遷移アルミナ微粒子をモル比でNi:Al=0.90:0.06となるように秤取し、ナイロン被覆鋼球を用いずに容器を回転させる方法で混合した後、得られた混合粉体をアルミナ炉芯管を使用した管状炉に入れて、酸素気流中において720℃で1時間保持して焼成することで、非水二次電池用活物質被覆材で被覆された化合物粒子、すなわち非水二次電池用電極材料である粉末(以下、粒子C2とよぶ。)を得た。得られた粒子C2は、粉末X線回折によりα−NaFeO2型構造を維持していることが確認された。
(2)リチウム二次電池の正極に用いた場合の充放電性能評価
得られた粒子C2を用いて平板型電池を作製し、比較例1と同様の条件で定電流定電圧充電、定電流放電による充放電試験を実施した。
10および20サイクル目の放電容量は、それぞれ182および178mAh/gと、比較例1とほぼ同等の特性を示した。
得られた粒子C2を用いて平板型電池を作製し、比較例1と同様の条件で定電流定電圧充電、定電流放電による充放電試験を実施した。
10および20サイクル目の放電容量は、それぞれ182および178mAh/gと、比較例1とほぼ同等の特性を示した。
(3)安全性の評価
化合物粒子C1のかわりに粒子C2を用いた以外は比較例1と同様にして密閉型DSC測定を行った。充電正極合剤重量と電解液重量の和を基準とした総発熱量は580mJ/mgであり、化合物粒子C1とほぼ同じ安全性であった。
化合物粒子C1のかわりに粒子C2を用いた以外は比較例1と同様にして密閉型DSC測定を行った。充電正極合剤重量と電解液重量の和を基準とした総発熱量は580mJ/mgであり、化合物粒子C1とほぼ同じ安全性であった。
(4)アルミニウム27のMAS−NMRスペクトルの測定
条件1による測定の結果を表1に示す。この試料では主ピークAが化学シフト1ppmの位置に、また主ピークBが化学シフト58ppmの位置に、それぞれ観測された。また主ピークAの強度を100としたときの主ピークBの相対強度は95であった。
条件1による測定の結果を表1に示す。この試料では主ピークAが化学シフト1ppmの位置に、また主ピークBが化学シフト58ppmの位置に、それぞれ観測された。また主ピークAの強度を100としたときの主ピークBの相対強度は95であった。
比較例3
(1)電極材料の作製
化合物粒子P1とα−LiAlO2微粒子(住友化学工業株式会社製、BET比表面積37m2/g)をモル比でNi:Al=0.90:0.07となるように秤取し、ナイロン被覆鋼球を用いずに容器を回転させる方法で混合することでα−LiAlO2微粒子をP1に付着させ、非水二次電池用電極材料となる粒子(以下、粒子C3とする。)を得た。得られた粒子C3は、粉末X線回折によりα−NaFeO2型構造を有することが確認された。
(2)リチウム二次電池の正極に用いた場合の充放電性能評価
得られた粒子C3を用いて平板型電池を作製し、比較例1と同様の条件で定電流定電圧充電、定電流放電による充放電試験を実施した。
10および20サイクル目の放電容量は、それぞれ196および190mAh/gと、比較例1よりも大きな値を示した。
(3)安全性の評価
化合物粒子C1のかわりに粒子C3を用いた以外は比較例1と同様にして密閉型DSC測定を行った。充電正極合剤重量と電解液重量の和を基準とした総発熱量は610mJ/mgであり、化合物粒子C1を用いた場合に比べ、安全性は向上していなかった。
(4)アルミニウム27のMAS−NMRスペクトルの測定
条件2による測定の結果を表2に示す。この試料ではR/rは7.7であった。
(1)電極材料の作製
化合物粒子P1とα−LiAlO2微粒子(住友化学工業株式会社製、BET比表面積37m2/g)をモル比でNi:Al=0.90:0.07となるように秤取し、ナイロン被覆鋼球を用いずに容器を回転させる方法で混合することでα−LiAlO2微粒子をP1に付着させ、非水二次電池用電極材料となる粒子(以下、粒子C3とする。)を得た。得られた粒子C3は、粉末X線回折によりα−NaFeO2型構造を有することが確認された。
(2)リチウム二次電池の正極に用いた場合の充放電性能評価
得られた粒子C3を用いて平板型電池を作製し、比較例1と同様の条件で定電流定電圧充電、定電流放電による充放電試験を実施した。
10および20サイクル目の放電容量は、それぞれ196および190mAh/gと、比較例1よりも大きな値を示した。
(3)安全性の評価
化合物粒子C1のかわりに粒子C3を用いた以外は比較例1と同様にして密閉型DSC測定を行った。充電正極合剤重量と電解液重量の和を基準とした総発熱量は610mJ/mgであり、化合物粒子C1を用いた場合に比べ、安全性は向上していなかった。
(4)アルミニウム27のMAS−NMRスペクトルの測定
条件2による測定の結果を表2に示す。この試料ではR/rは7.7であった。
アルミニウム27のMAS−NMRスペクトルから得られた主ピークAと主ピークBの強度比に関する測定結果を表1に示す。
アルミニウム27のMAS−NMRスペクトルから得られた主ピークAと主ピークAの第一回転サイドバンドの強度比に関する測定結果を表2に示す。
Claims (9)
- 非水二次電池用活物質を被覆材で被覆してなる電極材料であって、該被覆材が少なくともアルミニウムと酸素を含む被覆化合物からなり、該被覆材の試料をマジック角の回りに高速回転させて測定した場合における固体核磁気共鳴スペクトルのアルミニウム27に由来するピークが以下の(1)および(2)に示す条件を満たすことを特徴とする非水二次電池用電極材料。
(1)α−アルミナの主ピーク位置を0ppmとしたとき、−3〜+5ppmの位置に1本の主ピークを持ち(主ピークAと称する。)、かつ、50〜100ppmの位置の主ピーク(主ピークBと称する。)の強度が主ピークAの強度の20%未満であるかまたは主ピークBが存在しない。
(2)第一回転サイドバンドと主ピークとの間隔が50ppm以上100ppm以下となるように試料を回転しながら測定した場合、主ピークAの高磁場側の第一回転サイドバンドの強度を主ピークAの強度で除した値が、α−アルミナを前記測定と同一の磁場、同一の回転数で測定して得られる主ピークの高磁場側の第一回転サイドバンドの強度をα−アルミナの主ピークの強度で除した値の9倍以上である。 - 被覆化合物が、アルカリ金属元素および/または遷移金属元素も含む請求項1記載の電極材料。
- アルカリ金属元素がLiである請求項2に記載の電極材料。
- 遷移金属元素がTi、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、AgおよびZnからなる群から選ばれる1種類以上の元素である請求項2に記載の電極材料。
- アルミニウムおよびアルカリ金属の両者以外の全金属のアルミニウムに対する光電子分光法で求めたモル比が2.0以下である請求項1〜4のいずれかに記載の電極材料。
- 活物質が、Liを含み、さらにNiおよび/またはCoおよび/またはMnを含むα−NaFeO2型の結晶構造を有する複合酸化物である請求項1〜5のいずれかに記載の電極材料。
- 活物質が、LiとMnとを含みスピネル型の結晶構造を有する複合酸化物である請求項1〜5のいずれかに記載の電極材料。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の非水二次電池用電極材料を用いてなることを特徴とする非水二次電池。
- 非水二次電池用活物質の粒子を金属AlまたはAlを含む化合物で被覆処理した後、熱処理を行うことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の非水二次電池用電極材料の製造方法。
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