JP2009101905A - 空気抜き管 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】空気抜き管1,2は、上甲板30を貫通して上方へ延びる垂直部1a,2aと、垂直部1a,2aの先端から略水平方向に延びる水平部1b,2bと、水平部1b,2bの先端に上向きに形成された開口部1c,2cとを有する。空気抜き管1の垂直部1aの位置は、油タンク20の船長方向における船体後側Rの端部近傍であり、かつ水平部1bは、垂直部1aの先端から船体前方に向けて延設されており、空気抜き管2の垂直部2aの位置は、油タンク20の船長方向における船体前側Fの端部近傍であり、かつ水平部2bは、垂直部2aの先端から船体後方に向けて延設されている。
【選択図】図1
Description
図15乃至図20を参照して、従来例に係る油タンクの空気抜き管について説明する。なお、以後の文中及び図面において、“F”は船体前側を、“R”は船体後側を、“C”は船幅方向における船体中央側を、“S”は船幅方向における船体側方側を示すものとする。
図16は、船舶100の居住区200付近を示す拡大側面図である。また、図17は、船舶100の居住区200付近を示す拡大平面図である。また、図18は、図15のA−A拡大断面図である。
また、図18に示すように、上甲板30は、船幅方向における船体中央側Cから船体側方側Sに向けて若干下向きに傾斜するキャンバが付けられている。従って、上甲板30の下側に位置する油タンク20の天井部分も船体中央側Cから船体側方側Sに向けて若干下向きに傾斜している。さらに、油タンク20の底面部分も船体中央側Cから船体側方側Sに向けて下向きに傾斜しており、その結果、油タンク20の横断面は略三角形状になっている。
なお、この空気抜き管101,102の開口高さは、設置した箇所の上甲板より760mm以上の高さにしなければならない(船級規則)。
以上により、油補給時には空気抜き管101,102から空気を逃がすことにより、またタンクより燃料油を取り出す際には空気を取り入れることにより、タンクの加圧・負圧を防いでいる。
図20は、船体が前後方向に傾斜したときの油タンク20の様子を示す縦断面図である。図20(a)は、船体前側Fが低くなるように傾斜した様子を示しており、このとき油タンク20内の燃料油40の液面が動揺し、空気抜き管101の開口部よりも高くなった瞬間に、燃料油40がタンク外に漏洩・噴出する。同様に、図20(b)は、船体後側Rが低くなるように傾斜した様子を示しており、このとき油タンク20内の燃料油40の液面が動揺し、空気抜き管102の開口部よりも高くなった瞬間に、燃料油40がタンク外に漏洩・噴出する。こうして船体が前後方向の動揺を繰り返すことにより、燃料油40が上甲板30を汚したり、海上に流れて海洋汚染の要因となったりする恐れがある。
しかしながら、特許文献1に記載された発明においては、燃料漏れの防止効果を高めるために、エアベント管の立ち上がり部や連結部の配置に改善の余地がある。また、エアベント管を船体の右舷から左舷まで延設する構成では、延設距離が長くなるため、タンカー等の大型船舶には適用しにくい。
ここで、「油タンクの前後左右いずれかの端部近傍」とは、油タンクを上方からみたときに、油タンクの周縁部に相当する位置のことである。この位置は、船舶が前後左右いずれかの方向に傾斜したときに、油タンク内の他の部位よりも高くなって油タンク内の残存空気が集められていく位置である。
なお、船舶が傾斜していない元々の水平状態において、油タンクの天井部分に傾斜面(段差を含む)が存在する場合には、傾斜した天井部分の最も高い位置(以下、「頂部」という。)に残存空気が集められている。従って、油タンクの天井部分に傾斜面が存在する場合には、垂直部を頂部に設けることが好ましい。
ここで、「油タンクの船長方向における船体後側の端部近傍」とは、油タンクを上方からみたときに、油タンクの後端縁部に相当する位置のことである。この位置は、船体前側が低くなるように傾斜したときに、油タンク内の他の部位よりも高くなって油タンク内の残存空気が集められていく位置である。
ここで、「油タンクの船長方向における船体前側の端部近傍」とは、油タンクを上方からみたときに、油タンクの前端縁部に相当する位置のことである。この位置は、船体後側が低くなるように傾斜したときに、油タンク内の他の部位よりも高くなって油タンク内の残存空気が集められていく位置である。
ここで、「油タンクの船幅方向における船体中央側の端部近傍」とは、油タンクを上方からみたときに、油タンクの船体中央側縁部に相当する位置のことである。この位置は、船体側方側が低くなるように傾斜したときに、油タンク内の他の部位よりも高くなって油タンク内の残存空気が集められていく位置である。
従って、垂直部が油タンク内の他の部位よりも高くなるような方向に船体が傾斜した場合には、垂直部には油タンク内の残存空気が集められていき、タンク内の油は垂直部とは反対側に集められていくため、空気抜き管から油が漏洩・噴出することはない。
一方、垂直部が油タンク内の他の部位よりも低くなるような方向に船体が傾斜した場合には、垂直部にはタンク内の油が集められていくが、垂直部に集められた油は水平部の途中に留まるため、空気抜き管から油が漏洩・噴出することはない。
従って、船体前側が低くなるように傾斜した場合には、垂直部には油タンク内の残存空気が集められていき、タンク内の油は船体前側に集められていくため、空気抜き管から油が漏洩・噴出することはない。
一方、船体後側が低くなるように傾斜した場合には、垂直部にはタンク内の油が集められていくが、垂直部に集められた油は船体前方に向けて延設された水平部の途中に留まるため、空気抜き管から油が漏洩・噴出することはない。
従って、船体後側が低くなるように傾斜した場合には、垂直部には油タンク内の残存空気が集められていき、タンク内の油は船体後側に集められていくため、空気抜き管から油が漏洩・噴出することはない。
一方、船体前側が低くなるように傾斜した場合には、垂直部にはタンク内の油が集められていくが、垂直部に集められた油は船体後方に向けて延設された水平部の途中に留まるため、空気抜き管から油が漏洩・噴出することはない。
従って、船体側方側が低くなるように傾斜した場合には、垂直部には油タンク内の残存空気が集められていき、タンク内の油は船体側方側に集められていくため、空気抜き管から油が漏洩・噴出することはない。
一方、船体中央側が低くなるように傾斜した場合には、垂直部にはタンク内の油が集められていくが、垂直部に集められた油は船体側方に向けて延設された水平部の途中に留まるため、空気抜き管から油が漏洩・噴出することはない。
従って、船体が動揺して水平部に油が浸入して残留した状態で船体が水平状態に戻ったとしても、油は傾斜に沿ってタンク内に戻るため、水平部に残留した油がタンク外に漏洩・噴出することはない。
従って、船体前側が低くなるように傾斜した場合には、一方の空気抜き管の垂直部には油タンク内の残存空気が集められていき、タンク内の油は船体前側に集められていくため、一方の空気抜き管から油が漏洩・噴出することはない。また、他方の空気抜き管の垂直部にはタンク内の油が集められていくが、垂直部に集められた油は船体後方に向けて延設された水平部の途中に留まるため、他方の空気抜き管から油が漏洩・噴出することはない。
反対に、船体後側が低くなるように傾斜した場合には、他方の空気抜き管の垂直部には油タンク内の残存空気が集められていき、タンク内の油は船体後側に集められていくため、他方の空気抜き管から油が漏洩・噴出することはない。また、一方の空気抜き管の垂直部にはタンク内の油が集められていくが、垂直部に集められた油は船体前方に向けて延設された水平部の途中に留まるため、一方の空気抜き管から油が漏洩・噴出することはない。
次に、本発明の実施形態1に係る空気抜き管について説明する。実施形態1は、船舶の油タンクに、船体の前後方向に沿って2本の空気抜き管を設けたものである。
図1は、実施形態1に係る空気抜き管を示す縦断面図である。また、図2は、実施形態1に係る空気抜き管を示す平面図である。なお、以後の実施形態においては、従来例で説明した、図15乃至図18に示すばら積み貨物船等の船舶100の油タンク20に設けられる空気抜き管について説明する。従って、従来例と同じ部分には同じ記号を付し、説明を省略する。
油タンク20には2本の空気抜き管1,2が設けられている。燃料油40が油タンク20に貯留されるに従い、タンク内の空気は空気抜き管1,2から排出されるようになっている。またタンクより燃料油40を取り出す際には、空気抜き管1,2から空気を取り入れるようになっている。このようにしてタンクの加圧・負圧を防いでいる。
垂直部1aは、油タンク20の船長方向における船体後側Rの端部近傍に設けられている。ここで、「油タンク20の船長方向における船体後側Rの端部近傍」とは、図2に示すように、油タンク20を上方からみたときに、油タンク20の後端縁部に相当する位置のことである。この位置は、船体前側Fが低くなるように傾斜したときに、油タンク20内の他の部位よりも高くなって油タンク20内の残存空気が集められていく位置である。
水平部1bは、垂直部1aの先端から船体前方へ向けて延設されている。また、水平部1bは、垂直部1a側の端部から開口部1c側の端部に向けて上向きに傾斜している。なお、水平部1bはこのように傾斜させることなく、垂直部1b側から開口部1c側まで同じ高さに配置してもよいが、後述するように油をタンク内に戻すために傾斜を付けることが好ましい。
開口部1cは、水平部1bの先端に上向きに開口するように形成されている。
垂直部2aは、油タンク20の船長方向における船体前側Fの端部近傍に設けられている。ここで、「油タンク20の船長方向における船体前側Fの端部近傍」とは、図2に示すように、油タンク20を上方からみたときに、油タンク20の前端縁部に相当する位置のことである。この位置は、船体後側Rが低くなるように傾斜したときに、油タンク20内の他の部位よりも高くなって油タンク20内の残存空気が集められていく位置である。
水平部2bは、垂直部2aの先端から船体後方へ向けて延設されている。また、水平部2bは、垂直部2a側の端部から開口部2c側の端部に向けて上向きに傾斜している。なお、水平部2bはこのように傾斜させることなく、垂直部2b側から開口部2c側まで同じ高さに配置してもよいが、後述するように油をタンク内に戻すために傾斜を付けることが好ましい。
開口部2cは、水平部2bの先端に上向きに開口するように形成されている。
なお、開口部1c,2cの上甲板30からの開口高さは、760mm以上である(船級規則)。
図3(a)に示すように、船体前側Fが低くなるように傾斜した場合には、一方の空気抜き管1の垂直部1aには油タンク20内の残存空気が集められていき、タンク内の燃料油40は船体前側Fに集められていくため、一方の空気抜き管1から油が漏洩・噴出することはない。また、他方の空気抜き管2の垂直部2aにはタンク内の燃料油40が集められていくが、垂直部2aに集められた油は船体後方に向けて延設された水平部2bの途中に留まるため、他方の空気抜き管2から油が漏洩・噴出することはない。
反対に、図3(b)に示すように、船体後側Rが低くなるように傾斜した場合には、他方の空気抜き管2の垂直部2aには油タンク20内の残存空気が集められていき、タンク内の燃料油40は船体後側Rに集められていくため、他方の空気抜き管2から油が漏洩・噴出することはない。また、一方の空気抜き管1の垂直部1aにはタンク内の燃料油40が集められていくが、垂直部1aに集められた油は船体前方Fに向けて延設された水平部1bの途中に留まるため、一方の空気抜き管1から油が漏洩・噴出することはない。
このように、実施形態1に係る空気抜き管1,2によれば、船体が前後方向に傾斜しても燃料油40が漏洩・噴出するのを確実に防止することができる。
従って、船体が動揺して水平部1b,2bに油が浸入して残留した状態で船体が水平状態に戻ったとしても、傾斜に沿ってタンク内に戻るため、水平部1b,2bに残留した油がタンク外に漏洩・噴出することはない。
図4は、実施形態1に係る空気抜き管の変形例1を示す縦断面図である。図4における空気抜き管3,4は、図1における空気抜き管1,2と比較して、水平部の長さが異なっている。空気抜き管3の水平部3bは、垂直部3aの先端から船体前方Fに向けて、油タンク20の全長の約3/4の長さまで延設されている。同様に、空気抜き管4の水平部4bは、垂直部4aの先端から船体後方Rに向けて、油タンク20の全長の約3/4の長さまで延設されている。
図5に示すように、変形例1における空気抜き管3,4によれば、図1に示す空気抜き管1,2と同様に、船体が前後方向に傾斜しても燃料油40が漏洩・噴出するのを確実に防止することができる。
図7に示すように、変形例2における空気抜き管5,6によれば、図1に示す空気抜き管1,2と同様に、船体が前後方向に傾斜しても燃料油40が漏洩・噴出するのを確実に防止することができる。
次に、本発明の実施形態2に係る空気抜き管について説明する。実施形態2は、船舶の油タンクに、船体の前後方向に沿って1本の空気抜き管を設けたものである。
図8は、実施形態2に係る空気抜き管を示す縦断面図である。図8に示すように、油タンク20には1本の空気抜き管7が設けられている。ここで油タンク20の長さ、幅はいずれも7m未満であり、空気抜き管は1本設ければよい(船級規則)。燃料油40が油タンク20に貯留されるに従い、タンク内の空気は空気抜き管7から排出されるようになっている。またタンクより燃料油40を取り出す際には、空気抜き管7から空気を取り入れるようになっている。このようにしてタンクの加圧・負圧を防いでいる。
垂直部7aは、油タンク20の船長方向における船体後側Rの端部近傍に設けられている。ここで、「油タンク20の船長方向における船体後側Rの端部近傍」とは、油タンク20を上方からみたときに、油タンク20の後端縁部に相当する位置のことである。この位置は、船体前側Fが低くなるように傾斜したときに、油タンク20内の他の部位よりも高くなって油タンク20内の残存空気が集められていく位置である。
水平部7bは、垂直部7aの先端から船体前方へ向けて延設されている。また、水平部7bは、垂直部7a側の端部から開口部7c側の端部に向けて上向きに傾斜している。なお、水平部7bはこのように傾斜させることなく、垂直部7b側から開口部7c側まで同じ高さに配置してもよいが、油をタンク内に戻すために傾斜を付けることが好ましい。
開口部7cは、水平部7bの先端に上向きに開口するように形成されている。
図9(a)に示すように、船体前側Fが低くなるように傾斜した場合には、空気抜き管7の垂直部7aには油タンク20内の残存空気が集められていき、タンク内の燃料油40は船体前側Fに集められていくため、空気抜き管7から油が漏洩・噴出することはない。
反対に、図9(b)に示すように、船体後側Rが低くなるように傾斜した場合には、空気抜き管7の垂直部7aにはタンク内の燃料油40が集められていくが、垂直部7aに集められた油は船体前方Fに向けて延設された水平部7bの途中に留まるため、空気抜き管7から油が漏洩・噴出することはない。
このように、実施形態2に係る空気抜き管7によれば、船体が前後方向に傾斜しても燃料油40が漏洩・噴出するのを確実に防止することができる。
次に、本発明の実施形態3に係る空気抜き管について説明する。実施形態3は、船舶の油タンクに、船体の船幅方向に沿って2本の空気抜き管を設けたものである。
図10は、実施形態3に係る空気抜き管を示す横断面図である。また、図11は、実施形態3に係る空気抜き管を示す平面図である。
油タンク20には2本の空気抜き管8,9が設けられている。燃料油40が油タンク20に貯留されるに従い、タンク内の空気は空気抜き管8,9から排出されるようになっている。またタンクより燃料油40を取り出す際には、空気抜き管8,9から空気を取り入れるようになっている。このようにしてタンクの加圧・負圧を防いでいる。なお、図10においては、空気抜き管8,9が重なっているため、1本の空気抜き管のみが記載されている。
垂直部8aは、油タンク20の船幅方向における船体中央側Cの端部近傍に設けられている。ここで、「油タンク20の船幅方向における船体中央側Cの端部近傍」とは、図11に示すように、油タンク20を上方からみたときに、油タンク20の船体中央側縁部に相当する位置のことである。この位置は、船体側方側Sが低くなるように傾斜したときに、油タンク20内の他の部位よりも高くなって油タンク内の残存空気が集められていく位置である。なお、本実施形態においては、上甲板30に、船幅方向における船体中央側Cから船体側方側Sに向けて若干下向きに傾斜するキャンバが付けられているため、垂直部8aの位置は、船体が水平状態のときにおいても、油タンク20内の他の部位よりも高くなっている。このように、船舶が傾斜していない元々の水平状態において、油タンク20の天井部分にキャンバによる傾斜面が存在する場合には、傾斜した天井部分の最も高い位置(頂部)に残存空気が集められている。従って、油タンク20の天井部分にキャンバによる傾斜面が存在する場合には、垂直部8aを頂部に設けることが好ましい。
水平部8bは、垂直部8aの先端から船体側方へ向けて延設されている。また、水平部8bは、垂直部8a側の端部から開口部8c側の端部に向けて上向きに傾斜している。なお、水平部8bはこのように傾斜させることなく、垂直部8b側から開口部8c側まで同じ高さに配置してもよいが、油をタンク内に戻すために傾斜を付けることが好ましい。
開口部8cは、水平部8bの先端に上向きに開口するように形成されている。
空気抜き管9も空気抜き管8と同様に形成されている。
図12(a)に示すように、船体側方側Sが低くなるように傾斜した場合には、空気抜き管8の垂直部8aには油タンク20内の残存空気が集められていき、タンク内の油は船体側方側Sに集められていくため、空気抜き管8から油が漏洩・噴出することはない。
一方、図12(b)に示すように、船体中央側Cが低くなるように傾斜した場合には、垂直部8aにはタンク内の油が集められていくが、垂直部8aに集められた油は船体側方に向けて延設された水平部8bの途中に留まるため、空気抜き管8から油が漏洩・噴出することはない。
空気抜き管9についても同様である。
このように、実施形態3に係る空気抜き管8,9によれば、船体が左右方向に傾斜しても燃料油40が漏洩・噴出するのを確実に防止することができる。
次に、本発明の実施形態4に係る空気抜き管について説明する。
図13は、実施形態4に係る空気抜き管を示す平面図である。図13に示す油タンク20には、空気抜き管10,11が設けられている。
空気抜き管10の垂直部10aは、油タンク20の船長方向における船体後側Rの端部近傍であるとともに、油タンク20の船幅方向における船体中央側Cの端部近傍である位置に設けられている。この位置は、船体前側Fが低くなるように傾斜したときに、油タンク20内の他の部位よりも高くなって油タンク20内の残存空気が集められていく位置であるとともに、船体側方側Sが低くなるように傾斜したときに、油タンク20内の他の部位よりも高くなって油タンク内の残存空気が集められていく位置でもある。
さらに、水平部10bは、垂直部10aの先端から船体前方へ向けて延設されるとともに、垂直部10aの先端から船体側方へ向けて延設されている。すなわち、水平部10bは、垂直部10aの先端から船体前方かつ船体側方へ向けて延設されている。
さらに、水平部11bは、垂直部11aの先端から船体後方へ向けて延設されるとともに、垂直部11aの先端から船体側方へ向けて延設されている。すなわち、水平部11bは、垂直部11aの先端から船体後方かつ船体側方へ向けて延設されている。
そして、空気抜き管10と空気抜き管11は、途中で交差するように配置されている。
船体前側Fが低くなるように傾斜した場合には、一方の空気抜き管10の垂直部10aには油タンク20内の残存空気が集められていき、タンク内の燃料油40は船体前側Fに集められていくため、一方の空気抜き管10から油が漏洩・噴出することはない。また、他方の空気抜き管11の垂直部11aにはタンク内の燃料油40が集められていくが、垂直部11aに集められた油は船体後方に向けて延設された水平部11bの途中に留まるため、他方の空気抜き管11から油が漏洩・噴出することはない。
反対に、船体後側Rが低くなるように傾斜した場合には、他方の空気抜き管11の垂直部11aには油タンク20内の残存空気が集められていき、タンク内の燃料油40は船体後側Rに集められていくため、他方の空気抜き管11から油が漏洩・噴出することはない。また、一方の空気抜き管10の垂直部10aにはタンク内の燃料油40が集められていくが、垂直部10aに集められた油は船体前方に向けて延設された水平部10bの途中に留まるため、一方の空気抜き管10から油が漏洩・噴出することはない。
一方、船体中央側Cが低くなるように傾斜した場合には、垂直部10aにはタンク内の油が集められていくが、垂直部10aに集められた油は船体側方に向けて延設された水平部10bの途中に留まるため、空気抜き管10から油が漏洩・噴出することはない。
空気抜き管11についても同様である。
図14(a)は、船側及びタンク前・後端部まで延設せずに途中までとし、空気抜き管12と空気抜き管13が交差しないようにしたものである。
図14(b)は、空気抜き管14,15の水平部14b,15bを、垂直部14a,15aの先端から、はじめに船体前後方向に延設したのち、直角に折曲して船体側方に延設したものである。
図14(c)は、空気抜き管16,17の水平部16b,17bを、垂直部16a,17aの先端から、はじめに船体側方に延設したのち、直角に折曲して船体前後方向に延設したものである。
さらに、水平部を途中で折曲させる構成とすれば、油が浸入した場合の進行方向を変化させて油の流速を弱めることができるため好ましい。
また、油タンクに貯留される油は、燃料油に限定されず、機械潤滑油等のその他の油類であってもよい。
また、油タンクの付近にスライド式のハッチカバーが存在し、ハッチカバーの移動範囲と空気抜き管の設置位置が重複する場合には、空気抜き管の垂直部、水平部、開口部の高さが、ハッチカバーの下面の高さよりも低くなるように配置することで、ハッチカバーの移動を妨げることなく、効果的に油の漏洩・噴出を防止することができる。
また、船舶が傾斜していない元々の水平状態において、油タンクの天井部分に傾斜面(段差を含む)が存在する場合には、傾斜した天井部分の最も高い位置(頂部)に残存空気が集められている。従って、油タンクの天井部分に傾斜面が存在する場合には、垂直部を頂部に設けることが好ましい。
2 空気抜き管
3 空気抜き管
4 空気抜き管
5 空気抜き管
6 空気抜き管
7 空気抜き管
8 空気抜き管
9 空気抜き管
10 空気抜き管
11 空気抜き管
12 空気抜き管
13 空気抜き管
14 空気抜き管
15 空気抜き管
16 空気抜き管
17 空気抜き管
20 油タンク
30 上甲板
40 燃料油
50 ハッチカバー
100 船舶
101 空気抜き管
102 空気抜き管
200 居住区
a 垂直部
b 水平部
c 開口部
Claims (6)
- 船舶の上甲板の下側に位置する油タンクに設けられた空気抜き管であって、
前記上甲板を貫通して上方へ延びる垂直部と、前記垂直部の先端から略水平方向に延びる水平部と、前記水平部の先端に上向きに形成された開口部とを有し、
前記垂直部の位置は、前記油タンクの前後左右いずれかの端部近傍であることを特徴とする空気抜き管。 - 前記垂直部の位置は、前記油タンクの船長方向における船体後側の端部近傍であり、
前記水平部は、前記垂直部の先端から船体前方に向けて延設されていることを特徴とする請求項1に記載の空気抜き管。 - 前記垂直部の位置は、前記油タンクの船長方向における船体前側の端部近傍であり、
前記水平部は、前記垂直部の先端から船体後方に向けて延設されていることを特徴とする請求項1に記載の空気抜き管。 - 前記垂直部の位置は、前記油タンクの船幅方向における船体中央側の端部近傍であり、
前記水平部は、前記垂直部の先端から船体側方に向けて延設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか一つに記載の空気抜き管。 - 前記水平部は、前記垂直部側の端部から前記開口部側の端部に向けて上向きに傾斜していることを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちいずれか一つに記載の空気抜き管。
- 船舶の上甲板の下側に位置する油タンクに設けられた2本の空気抜き管であって、
それぞれの空気抜き管は、前記上甲板を貫通して上方へ延びる垂直部と、前記垂直部の先端から略水平方向に延びる水平部と、前記水平部の先端に上向きに形成された開口部とを有し、
一方の空気抜き管の垂直部の位置は、前記油タンクの船長方向における船体後側の端部近傍であり、かつ前記一方の空気抜き管の水平部は、前記一方の空気抜き管の垂直部の先端から船体前方に向けて延設されており、
他方の空気抜き管の垂直部の位置は、前記油タンクの船長方向における船体前側の端部近傍であり、かつ前記他方の空気抜き管の水平部は、前記他方の空気抜き管の垂直部の先端から船体後方に向けて延設されていることを特徴とする空気抜き管。
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- 2007-10-24 JP JP2007276225A patent/JP4562201B2/ja active Active
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