JP2009100672A - 生鮮食品用吸水シート - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は生鮮食品等の解凍が良好状態で行え、且つ、それらの食品の日持ち向上に貢献出来ると共に安価に製造することが出来る生鮮食品用吸水シートを提供することを目的とする。
【解決手段】吸水性樹脂1と粉わさび2が混合された内容物を、透水性を有した袋体3の内部に封入した構造とする。また内容物として、100重量部の吸水性樹脂1と、0.005〜20重量部の粉わさび2とから成すものとしても良く、内容物を袋体3内部で複数に区切って封入する分包タイプに形成すると良い。
【選択図】図2
Description
本発明は魚介類や食肉などの生鮮食品用吸水シートに関する。
一般に、魚介類や食肉などの生鮮食品は、スーパーマーケットや生鮮食品市場等で冷凍された状態で販売されていることが多くあるが、冷凍された魚介類や食肉などの生鮮食品を解凍してから販売する場合も多くある。この生鮮食品を解凍する際、特に魚介類や食肉などが解凍されると、ドリップと呼ばれる血などの液汁が流れ出る。このドリップが前記生鮮食品に接触すると、生鮮食品の接触部分だけが変色して、見栄えが悪く新鮮度が悪くなる。又、この生鮮食品を食べると、水っぽくなり易く、食感や味が低下し易かった。一方、前記冷凍された魚介類や食肉などの生鮮食品を購入して食べる場合、冷凍品を解凍すると、上記同様にドリップが流れ出て、それが生鮮食品にいつまでも接触していると、生鮮食品の接触部分だけが変色し、この生鮮食品を食べると、水っぽくなり、食感や味が低下したものとなる。この時には一般に、布巾,さらし,キッチンペーパー等でドリップをその都度吸収するが、布巾等でドリップを吸収させると、布巾全体に血の色が滲み、見た目が悪く且つドリップの臭いも滲み込むため、不快になり易かった。
このため、魚介類や食肉などの生鮮食品と共にその下に吸水シートやドリップ吸収シートを敷いたものが販売されている。このドリップ吸収シートとしては、例えば、特開平11−243850号がある。これは、非透水性の裏面材上に吸収体を、この吸収体上には透水性の表面材をそれぞれ重ねたシートであって、前記シートの中央部に染色水を5ml/3minの割合で滴下したとき、滴下後10分後の該シート上の染色部分が120cm2以下であるドリップ吸収シートであり、吸収体に二酸化珪素を混合したものである。また前記吸収体としては、麻や綿或いはパルプ等の天然繊維,レ―ヨンやアセテート等の再生繊維,合成繊維等の集合体から成るものを用い、例えばパルプ繊維にポリエチレンチップを混合させているが、厚肉化が抑制されるために繊維をある程度の量以下にしている。この目的は、生鮮食品等の冷凍や解凍に使用され、良好な状態で解凍することが可能となるものである。しかしながら、魚介類や食肉などの生鮮食品のドリップを吸収すると共にドリップの拡散を防止するだけのものであった。
他方、生鮮食品のドリップを吸収する以外の役目を兼務した吸水シートとしては、例えば、特開平11−285368号があり、これは生鮮食品等の食品の日持ち向上に用いられる抗菌性吸水シートであり、その構造は、吸水性シート状部材に、抗菌性及び揮発性を有する油状抗菌剤を包接したサイクロデキストリン包接物と抗菌性及び揮発性を有する油状抗菌剤を吸着したデキストリン吸着物とが天然樹脂をバインダーと共に含有されているものである。しかしながら、前記サイクロデキストリンは高価であり、製造コストが高いものとなっていた。尚、従来に於いては、揮発性の抗菌剤や酸化防止剤を不織布や紙などにコーティング或いは担持するためには、高価なサイクロデキストリンなどに包摂しなければならなかった。
特開平11−243850号公報
特開平11−285368号公報
本発明は生鮮食品等の解凍が良好状態で行え、且つ、それらの食品の日持ち向上に貢献出来ると共に安価に製造することが出来る生鮮食品用吸水シートを提供することを目的とする。
本発明は上記現状に鑑み成されたものであり、つまり、吸水性樹脂と粉わさびが混合された内容物を、透水性を有した袋体の内部に封入した構造とする。また内容物として、100重量部の吸水性樹脂と、0.005〜20重量部の粉わさびとから成すものとしても良く、内容物を袋体内部で複数に区切って封入する分包タイプに形成すると良い。又、前記袋体として不織布や紙或いはポーラス加工したプラスチックフィルムを用いるのが好ましいが、袋体の片面が非透水性を有したプラスチックフィルムと成し、他面が透水性を有した不織布やポーラス加工したプラスチックフィルムと成しても良い。
請求項1のように吸水性樹脂(1)と粉わさび(2)が混合された内容物を、透水性を有した袋体(3)の内部に封入することにより、吸水性樹脂(1)によって食品のドリップ(刺身の汁や溶解した時の汁など)を吸収する高い吸水力が可能となり、また通気性のある袋体(3)に粉わさび(2)が入れられても、粉わさび(2)からは揮発性の物質が発生しないので封入及び保存性は良いものとなる。一方、粉わさび(2)は使用時にドリップなどの水分が吸収されて始めてわさびの効能である揮発性の物質を発生させて、わさびの効能である抗菌作用や酸化防止作用が働き、それによって鮮度保持効果が得られる。このように高い吸水力を有した吸水性樹脂(1)と安価な粉わさび(2)が混合されているため、生鮮食品等の解凍が良好状態で行え、且つ、それらの食品の日持ち向上に貢献出来ると共に安価に製造することが出来るものとなるのである。
請求項2のように内容物として、100重量部の吸水性樹脂(1)と、それに対して0.005〜20重量部の粉わさび(2)とから成すことにより、流れ出るドリップが略完全に吸収することが可能となるため、従来の如き生鮮食品にドリップが接触し続けることはなくなり、生鮮食品の変色や新鮮度の低下を抑制することが可能になると共に従来の如き水っぽさや食感の低下が防げるものとなり、見た目が良く且つドリップの臭いも殆どしないものとなる。
請求項3に示すように内容物を袋体(3)内部で複数に区切って分包タイプに封入することにより、生鮮食品のドリップの出具合に合せた分包個数を入れておくことが可能となる。従って、生鮮食品と一緒に入れる容量を小さくすることができ、生鮮食品用吸水シートのコストが安くなるため、生鮮食品の販売価格も従来よりも安くでき、販売促進に貢献できるものとなる。
請求項4に示すように袋体(3)として不織布や紙或いはポーラス加工したプラスチックフィルムを使用することで、コストダウンが可能になる。
請求項5のように袋体(3)の片面が非透水性を有したプラスチックフィルムと成し、他面が透水性を有した不織布やポーラス加工したプラスチックフィルムと成すことにより、前記片面に印刷することが可能となるため、宣伝や商品名或いは色彩などを印刷すれば、目立つ商品に仕上げることができる。また注意事項などを鮮明に印刷することが出来る。
図1、図2は本発明の実施形態を示す図であり、これについて説明する。(1)は吸水性樹脂であり、該吸水性樹脂(1)としては、吸水させると膨張してゲル化するものが好ましく、保冷材用の一般的な吸水性樹脂を用いれば良い。例えば、アクリル酸系の化合物,天然増粘剤,カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC)等によるセルロース系の水溶性高分子物質を主成分としたものなどである。(2)は市販されている粉わさびであり、該粉わさび(2)の混合量としては、100重量部の吸水性樹脂(1)に対して、0.005〜20重量部とするのが良いが、特には0.01〜5重量部が好ましい。尚、前記粉わさび(2)の混合量を0.005重量部以下になると、わさびの効能が小さくなり、20重量部以上に成ると、コストアップになり易く且つわさびの揮発物が多くなって食品に品質的な影響を及ぼす恐れが出てくる。(3)は透水性を有した袋体であり、該袋体(3)は吸水性樹脂(1)と粉わさび(2)が混合された内容物を封入するためのものであり、特に内容物を袋体(3)内部で複数に区切られた分包タイプとして封入したものとするのが好ましい。また前記袋体(3)の材質としては不織布や紙或いはポーラス加工したプラスチックフィルムを用いるのが良いが、袋体(3)の片面を非透水性のプラスチックフィルムとし、他面を透水性の不織布やポーラス加工したプラスチックフィルムとするのが好ましい。このプラスチックフィルムとしは、ナイロンポリプロピレンやナイロンエチレンを用いると良い。
次に本発明品の作り方について説明する。先ず始めに粉わさび(2)の混合量は、100重量部の吸水性樹脂(1)に対して、0.03重量部と成し、その混合物と袋体(3)を用意する。この時の袋体(3)としては、ナイロンエチレンのプラスチックフィルムを用いると良いが、片面を非透水性のものを使用し、他面を透水性のものを使用すると共に、非透水性の片面に印刷されたものを用意する。次に袋体(3)に所定量の内容物を入れ、熱圧着などの方法によって封入する。この時、袋体(3)に内容物を封入するだけでなく、図1に示すように袋体(3)内部を複数に区切った分包タイプとして内容物を封入したものとしても良い。このように粉わさび(2)は簡単に吸水性樹脂(1)と混合でき、且つ、袋体(3)に単に封入してもわさび効果が失われる恐れがないものとなるため、従来の如き高価なサイクロデキストリンを使用する必要がなくなり、製造コストが安価なものとなるのである。
本発明の作用を図3に基づき説明する。先ず始めに、冷凍された生鮮食品と一緒に図3(a)に示す本発明品をトレーなどに入れておく。この時、生鮮食品の下に敷いてもその付近においても良い。その後、冷凍された生鮮食品が解凍されて行くに従い、生鮮食品のドリップが流れ出る。このドリップは袋体(3)の内容物である吸水性樹脂(1)によって殆ど吸収されると共に粉わさび(2)によっても吸収される。すると、吸水性樹脂(1)はドリップを吸収するに従って徐々に膨張する[図3(b)参照]。又、粉わさび(2)はドリップを吸収するに従って元の練りわさび状態に戻り、揮発性の成分を発生させる。この発生した揮発性の成分は雰囲気として生鮮食品を包み込むため、生鮮食品に対して、わさび効能である抗菌作用や酸化防止作用が働き、それによって生鮮食品には鮮度保持効果が得られるものとなる。この時、吸水性樹脂(1)には高い吸水力があり、生鮮食品のドリップは極めて短時間で略完全に吸収できるため、従来の如きドリップがいつまでも生鮮食品に接触して変色することがなくなり、且つ、生鮮食品が水っぽくなる恐れや食感及び味の低下の恐れもないものとなる。更に粉わさび(2)によるわさび効能は、吸水性樹脂(1)が吸水して膨張すると、吸水性樹脂(1)と混合された粉わさび(2)又は吸水した粉わさび(2)が前記吸水性樹脂(1)によって包み込まれた状態になるため、吸水性樹脂(1)の内部側に混合された粉わさび(2)が吸水して揮発成分を発散させても、この粉わさび(2)の周囲が吸水性樹脂(1)に接触して発散する面積が小さくなり、外部に直ぐに出ず徐々に揮発性成分が発散されるものとなり、わさびの効能有効期間が長いものとなる。従って、生鮮食品の日持ちが向上されるものとなるのである。尚、前記吸水性樹脂(1)は図3(c)に示すように数倍から数十倍になるまでドリップを吸収して膨張する。
1 吸水性樹脂
2 粉わさび
3 袋体
2 粉わさび
3 袋体
Claims (5)
- 吸水性樹脂(1)と粉わさび(2)が混合された内容物を、透水性を有した袋体(3)の内部に封入したことを特徴とする生鮮食品用吸水シート。
- 前記内容物が、100重量部の吸水性樹脂(1)と、0.005〜20重量部の粉わさび(2)とから成された請求項1記載の生鮮食品用吸水シート。
- 前記内容物が、前記袋体(3)内部で複数に区切られて封入された請求項1又は2記載の生鮮食品用吸水シート。
- 前記袋体(3)が、不織布や紙或いはポーラス加工したプラスチックフィルムである請求項1又は3記載の生鮮食品用吸水シート。
- 前記袋体(3)の片面が非透水性を有したプラスチックフィルムであり、他面が透水性を有した不織布やポーラス加工したプラスチックフィルムである請求項1又は3記載の生鮮食品用吸水シート。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2007274765A JP2009100672A (ja) | 2007-10-23 | 2007-10-23 | 生鮮食品用吸水シート |
Applications Claiming Priority (1)
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ID=40703155
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JP (1) | JP2009100672A (ja) |
Citations (3)
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JPH02307528A (ja) * | 1989-05-19 | 1990-12-20 | Dainippon Printing Co Ltd | 吸水シートの製造方法 |
JPH03226475A (ja) * | 1990-02-01 | 1991-10-07 | Shinji Ito | 包装シート |
JPH04112741A (ja) * | 1990-08-31 | 1992-04-14 | Toyo Ink Mfg Co Ltd | 鮮度保持用包装材料 |
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2007
- 2007-10-23 JP JP2007274765A patent/JP2009100672A/ja active Pending
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