JP2009097617A - ベルト式無段変速機の制御装置および制御方法 - Google Patents

ベルト式無段変速機の制御装置および制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ショックを抑制するとともに、レスポンスの悪化を抑制することができるベルト式無段変速機の制御装置および制御方法を提供すること。
【解決手段】変速比γを無段階に変更するベルト式無段変速機の制御方法において、エンジンが発生するエンジントルクTeを算出し(ステップST1〜ST2)、エンジントルクTeの立ち上がり時間Δtを算出し(ステップST3〜ST4)、エンジントルクTeに基づいて駆動系捩り剛性Kを算出し(ステップST5)、駆動系捩り剛性Kに基づいて駆動系捩り固有振動数fを算出し(ステップST6〜ST7)、立ち上がり時間Δtと駆動系捩り固有振動数fとに基づいて、捩り振動が発生する場合(ステップST8肯定)は、変速比γを変更する(ステップST9)。
【選択図】 図5

Description

本発明は、ベルト式無段変速機の制御装置および制御方法に関し、特に駆動源が発生するエンジントルクの立ち上がりに変速比を変更するベルト式無段変速機の制御装置および制御方法に関するものである。
一般に、車両には、駆動源、例えばエンジンが発生するエンジントルクを車両の走行状態に応じた最適の条件で路面に伝達するために、エンジンの出力側に変速機が設けられている。変速機には、変速比を無段階(連続的)に変更する無段変速機と、変速比を段階的(不連続)に変更する有段変速機とがある。ここで、無段変速機には、金属製の金属ベルトを用いたベルト式無段変速機がある。
車両が発進する際や加速する際には、エンジントルクがエンジンの運転状況に応じた要求トルクとなるまで増加する。要求トルクとなるまでエンジントルクが増加、すなわちエンジントルクの立ち上がり時に、ショックが発生する場合がある。これは、エンジントルクが駆動系、すなわちエンジンから車輪までにおいて、エンジントルクを伝達する回転部材の捩り振動に起因するものである。
そこで、エンジントルクの立ち上がり時に、ショックを抑制する技術が開示されている。例えば、車両が発進時や加速時に、スロットルバルブを開くことを遅らせることで、エンジントルクのなまし制御を実行して、ショックを抑制するものがある。また、特許文献1に示すように、惰行時再加速の際に、エンジントルクを減少指示することで、クラッチ接続時におけるショックを低減するものもある。
特開平5−209545号公報
しかしながら、上記従来技術では、エンジントルクの発生を遅らせたり、エンジントルクを減少させたりするため、車両の運転者のアクセルペダルの操作に対して、車両の反応が遅れる、すなわちレスポンスが悪化するという虞があった。
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ショックを抑制するとともに、レスポンスの悪化を抑制することができるベルト式無段変速機の制御装置および制御方法を提供することを目的とするものである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明では、変速比を無段階に変更するベルト式無段変速機の制御装置において、駆動源が発生するエンジントルクを算出するトルク算出手段と、前記エンジントルクの立ち上がり時間を算出する立ち上がり時間算出手段と、前記エンジントルクに基づいて駆動系捩り剛性を算出する駆動系捩り剛性算出手段と、少なくとも前記駆動系捩り剛性に基づいて駆動系捩り固有振動数を算出する駆動系捩り固有振動数算出手段と、を備え、前記立ち上がり時間と前記駆動系捩り固有振動数とに基づいて、捩り振動が発生する場合は、前記変速比を変更することを特徴とする。
また、本発明では、変速比を無段階に変更するベルト式無段変速機の制御方法において、駆動源が発生するエンジントルクを算出する手順と、前記エンジントルクの立ち上がり時間を算出する手順と、前記エンジントルクに基づいて駆動系捩り剛性を算出する手順と、少なくとも前記駆動系捩り剛性に基づいて駆動系捩り固有振動数を算出する手順と、前記立ち上がり時間と前記駆動系捩り固有振動数とに基づいて、捩り振動が発生する場合は、前記変速比を変更する手順と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、捩り振動を発生する場合には、変速比を変更することで、エンジントルクの増加量を変更し、立ち上がり時間を変更する。捩り振動は、立ち上がり時間に起因するものであるので、変速比を変更することで、立ち上がり時間を捩り振動を発生しない時間とすることができる。従って、ショックを抑制することができる。また、変速比を変更することでエンジントルクの立ち上がり時間が変化するがエンジントルクは、増加量が変更するのみで初期から増加する。従って、レスポンスの悪化を抑制することができる。
本発明にかかるベルト式無段変速機の制御装置および制御方法は、ショックを抑制するとともに、レスポンスの悪化を抑制することができるという効果を奏する。
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施の形態により、本発明が限定されるものではない。また、下記の実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
[実施の形態]
図1は、駆動系の構成例を示す図である。図2は、制御装置の構成例を示す図である。図3は、エンジントルクと立ち上がり時間との関係を示す図である。図4は、捩り剛性マップを示す図である。実施の形態にかかるベルト式無段変速機1が搭載される図示しない車両の駆動系は、図1に示すように、トルクコンバータ110、前後進切替機構120、入力されたエンジン100の駆動力を変速比に応じて変換するベルト式無段変速機1、動力伝達機構130、ディファレンシャルギヤ140、ドライブシャフト150を介して、エンジン100が発生するエンジントルクを車輪160に伝達する。なお、図1は、ベルト式無段変速機1の変速比が最大、すなわち最大変速比における図である。
エンジン100が発生するエンジントルクは、図示しないフライホイールなどが連結されたクランクシャフト101を介してトルクコンバータ110に伝達される。トルクコンバータ110は、発進機構であるとともに、ダンパ機構である。トルクコンバータ110は、エンジントルクを所定のトルク比で前後進切替機構120に伝達するものである。前後進切替機構120は、伝達されたエンジントルクの車輪160、160への伝達方向を切り替えるものであり、これによりベルト式無段変速機1が搭載された車両が前進あるいは後進をする。前後進切替機構120により伝達方向が決定されたエンジントルクは、ベルト式無段変速機1に伝達される。なお、トルクコンバータ110の制御、例えばロックアップのON/OFF制御および前後進切替機構120の制御、すなわちエンジントルクの伝達方向の切替制御は、油圧制御回路6から供給される油圧が用いられる。これらの制御を行うための油圧制御回路6の油圧制御は、制御装置5により行われる。
ベルト式無段変速機1で変速比に応じて変換されたエンジントルクは、ベルト式無段変速機1の後述するセカンダリプーリ3のセカンダリプーリ軸31を介して動力伝達機構130に伝達される。動力伝達機構130は、上記セカンダリプーリ軸31と連結される図示しないリダクションドライブギヤを有し、ベルト式無段変速機1とディファレンシャルギヤ140とを連結するものである。動力伝達機構130に伝達されたエンジントルクは、ディファレンシャルギヤ140に伝達され、ディファレンシャルギヤ140と車輪160,160とを連結するドライブシャフト150,150を介して、車輪160,160に伝達される。
ベルト式無段変速機1は、図1および図2に示すように、プライマリプーリ2と、セカンダリプーリ3と、ベルト4と、制御装置5と、油圧制御回路6とにより構成されている。なお、7は、エンジン100の運転制御を行うECU(Engine Control Unit)である。ECU7は、エンジン100が搭載された車両の各所に取り付けられたセンサから入力された各種入力信号と、図示しない記憶部に記憶されている各種マップとに基づいてエンジン100の運転制御、例えば図示しない燃料噴射弁の噴射制御、エンジン100の吸入空気量を制御する図示しないスロットルバルブのスロットル開度制御、点火プラグの点火制御などを行うものである。ECU7の構成は、既に公知のものであるため説明を省略する。ECU7は、例えばCANなどで制御装置5と接続されており、制御装置5とデータのやり取りを行うことができる。また、8は、エンジン100のエンジン回転数Neを検出する回転数センサである。回転数センサ8は、ECU7を介して制御装置5に接続されており、検出されたエンジン回転数Neを制御装置5に出力するものである。また、9は、図示しないスロットルバルブのスロットル開度を検出するスロットルセンサである。スロットルセンサ9は、ECU7を介して制御装置5に接続されており、検出されたスロットル開度Sを制御装置5に出力するものである。また、10は、パーキングギヤである。
プライマリプーリ2は、一方のプーリであり、前後進切替機構120を介して伝達されたエンジントルクをベルト4により、他方のプーリであるセカンダリプーリ3に伝達するものである。プライマリプーリ2は、図1に示すように、プライマリプーリ軸21と、プライマリ固定シーブ22と、プライマリ可動シーブ23と、プライマリプーリ2にベルト挟圧力を発生させることでベルト式無段変速機1の変速比を変更するプライマリ油圧室24とにより構成されている。
プライマリプーリ軸21は、軸受部材25,26により回転可能に支持されている。また、プライマリプーリ軸21は、内部に図示しない作動油通路を有している。作動油通路は、油圧制御回路6に接続されており、油圧制御回路6からプライマリ油圧室24に供給される作動油が流入する。
プライマリ固定シーブ22は、プライマリ可動シーブ23と対向する位置に、プライマリプーリ軸21と一体回転するように設けられている。ここでは、プライマリ固定シーブ22は、プライマリプーリ軸21の外周から径方向外側に突出する環状部として形成されている。つまり、実施の形態では、プライマリ固定シーブ22は、プライマリプーリ軸21の外周に一体的に設けられている。なお、プライマリ固定シーブ22は、プライマリプーリ軸21と別体であっても良い。
プライマリ可動シーブ23は、例えばスプライン嵌合により、プライマリプーリ軸21に対して軸方向に移動可能で、プライマリプーリ軸21と一体回転可能に支持されている。
プライマリ固定シーブ22とプライマリ可動シーブ23との間、すなわちプライマリ固定シーブ22のプライマリ可動シーブ23に対向する面と、プライマリ可動シーブ23のプライマリ固定シーブ22と対向する面との間で、V字形状のプライマリ溝27が形成されている。プライマリ溝27には、無端であるベルト4が巻き掛けられている。つまり、ベルト4は、プライマリ固定シーブ22とプライマリ可動シーブ23との間に挟み込まれている。
プライマリ油圧室24は、プライマリ可動シーブ23のプライマリ固定シーブ22と対向する面と反対側の背面23aと、プライマリプーリ軸21に固定されたリング形状のプライマリピストン28とに構成されている。プライマリ可動シーブ23の背面23aには、軸方向の一方向に突出、すなわちプライマリ固定シーブ側に突出する円筒形状の突出部23bが形成されている。突出部23bとプライマリピストン28との間には、例えばシールリングなどの図示しないプライマリ油圧室用シール部材が設けられている。つまり、プライマリ油圧室24を構成するプライマリ可動シーブ23の背面23aとプライマリピストン28とは、シール部材によりシールされている。なお、軸受部材26およびプライマリピストン28は、ロックナット29により、プライマリプーリ軸21に対して固定されている。
プライマリ油圧室24には、プライマリプーリ軸21の図示しない作動油通路に流入した作動油が供給される。つまり、油圧制御回路6は、プライマリ油圧室24に作動油を供給し、プライマリ油圧室24の油圧により、プライマリ可動シーブ23を軸方向に摺動させ、プライマリ可動シーブ23をプライマリ固定シーブ22に対して接近あるいは離隔させるものである。プライマリ油圧室24は、プライマリ油圧室24に供給される作動油により、プライマリ可動シーブ23を軸方向におけるプライマリ固定シーブ側に押圧する可動シーブ押圧力をプライマリ可動シーブ23に作用させることで、プライマリ溝27に巻き掛けられるベルト4に対するベルト挟圧力を発生させる。つまり、プライマリプーリ2は、プライマリ油圧室24の油圧によりベルト4に対してベルト挟圧力を発生させ、発生したベルト挟圧力により、プライマリ可動シーブ23のプライマリ固定シーブ22に対する軸方向位置を変更するものである。これにより、プライマリ油圧室24は、例えばベルト式無段変速機1の変速比γを変更させる機能を有するものである。
セカンダリプーリ3は、図1に示すように、他方のプーリであり、ベルト4によりプライマリプーリ2に伝達されたエンジントルクを図示しないリダクションドライブギヤに伝達し、動力伝達機構130、ディファレンシャルギヤ140、ドライブシャフト150,150を介して車輪160,160に伝達するものである。セカンダリプーリ3は、セカンダリプーリ軸31と、セカンダリ固定シーブ32と、セカンダリ可動シーブ33と、セカンダリプーリ3にベルト挟圧力を発生させることで、ベルト4の張力を調整するセカンダリ油圧室34とにより構成されている。
セカンダリプーリ軸31は、軸受部材35,36により回転可能に支持されている。また、セカンダリプーリ軸31は、内部に図示しない作動油通路を有している。作動油通路は、油圧制御回路6に接続されており、油圧制御回路6からセカンダリ油圧室34に供給される作動油が流入する。
セカンダリ固定シーブ32は、セカンダリ可動シーブ33と対向する位置に、セカンダリプーリ軸31と一体回転するように設けられている。ここでは、セカンダリ固定シーブ32は、セカンダリプーリ軸31の外周から径方向外側に突出する環状部として形成されている。つまり、実施の形態では、セカンダリ固定シーブ32は、セカンダリプーリ軸31の外周に一体的に設けられている。なお、セカンダリ固定シーブ32は、セカンダリプーリ軸31と別体であっても良い。
セカンダリ可動シーブ33は、例えばスプライン嵌合により、セカンダリプーリ軸31に対して軸方向に移動可能で、セカンダリプーリ軸31と一体回転可能に支持されている。
セカンダリ固定シーブ32とセカンダリ可動シーブ33との間、すなわちセカンダリ固定シーブ32のセカンダリ可動シーブ33に対向する面と、セカンダリ可動シーブ33のセカンダリ固定シーブ32と対向する面との間で、V字形状のセカンダリ溝37が形成されている。セカンダリ溝37には、無端であるベルト4が巻き掛けられている。つまり、ベルト4は、セカンダリ固定シーブ32とセカンダリ可動シーブ33との間に挟み込まれている。
セカンダリ油圧室34は、セカンダリ可動シーブ33のセカンダリ固定シーブ32と対向する面と反対側の背面33aと、セカンダリプーリ軸31に固定されたリング形状のセカンダリピストン38とにより構成されている。セカンダリ可動シーブ33の背面33aには、軸方向の一方向に突出、すなわちセカンダリ固定シーブ側に突出する円筒形状の突出部33bが形成されている。突出部33bとセカンダリピストン38との間には、例えばシールリングなどの図示しないセカンダリ油圧室用シール部材が設けられている。つまり、セカンダリ油圧室34を構成するセカンダリ可動シーブ33の背面33aとセカンダリピストン38とは、シール部材によりシールされている。なお、軸受部材35およびセカンダリピストン38は、ロックナット39aにより、セカンダリプーリ軸31に対して固定されている。また、軸受部材36およびパーキングギヤ10は、ロックナット39bにより、セカンダリプーリ軸31に対して固定されている。
セカンダリ油圧室34には、セカンダリプーリ軸31の図示しない作動油通路に流入した作動油が供給される。つまり、油圧制御回路6は、セカンダリ油圧室34に作動油を供給し、セカンダリ油圧室34の油圧により、セカンダリ可動シーブ33を軸方向に摺動させ、セカンダリ可動シーブ33をセカンダリ固定シーブ32に対して接近あるいは離隔させるものである。セカンダリ油圧室34は、セカンダリ油圧室34に供給される作動油により、セカンダリ可動シーブ33を軸方向におけるセカンダリ固定シーブ側に押圧する可動シーブ押圧力をセカンダリ可動シーブ33に作用させることで、セカンダリ溝37に巻き掛けられるベルト4に対するベルト挟圧力を発生させる。つまり、セカンダリプーリ3は、セカンダリ油圧室34の油圧によりベルト4に対してベルト挟圧力を発生させ、発生したベルト挟圧力により、セカンダリ可動シーブ33のセカンダリ固定シーブ32に対する軸方向位置を変更するものである。これにより、セカンダリ油圧室34は、例えば、ベルト4の張力を制御することで、ベルト4のプライマリプーリ2およびセカンダリプーリ3に対する接触半径を一定に維持する機能の一部を担うものである。
ベルト4は、入力側である駆動源からプライマリプーリ2に入力された駆動力、すなわちエンジントルクをセカンダリプーリ3に伝達するものである。ベルト4は、図1に示すように、プライマリプーリ2のプライマリ溝27とセカンダリプーリ3のセカンダリ溝37との間に巻き掛けられている。また、ベルト4は、多数の金属製のベルトエレメントと複数本のスチールリングで構成された無端ベルトである。
制御装置5は、ベルト式無段変速機1の駆動を制御、特に変速比γを制御するものである。制御装置5は、油圧制御回路6と接続されており、油圧制御回路6の油圧制御を行うことで、プライマリ油圧室24の油圧およびセカンダリ油圧室34の油圧を調整する。従って、制御装置5は、プライマリプーリ2におけるベルト挟圧力およびセカンダリプーリ3におけるベルト挟圧力を調整し、プライマリプーリ2の回転数である入力軸回転数と、セカンダリプーリ3の回転数である出力軸回転数との比である変速比γを制御するものである。ここで、制御装置5は、図示しない入力軸回転数センサにより検出された入力軸回転数と、図示しない出力軸回転数センサにより検出された出力軸回転数との比から検出された実際の変速比γに基づいて、エンジン100の運転状態に応じて決定された目標変速比γoに対するフィードバック制御が行われる。また、制御装置5は、ECU7と接続されており、ECU7からエンジン100に供給される燃料の燃料供給量や、エンジン100に空気を導入する図示しない吸気経路の圧力、上記回転数センサ8により検出されたエンジン回転数Ne、上記スロットルセンサ9により検出されたスロットル開度Sなどが入力される。
制御装置5は、図2に示すように、上記入力信号や出力信号の入出力を行う入出力部(I/O)51と、処理部52と、後述するエンジントルクTeと駆動系捩り剛性Kとに基づいた捩り剛性マップなどの各種マップなどを格納する記憶部53とにより構成されている。処理部52は、少なくともトルク算出部54と、立ち上がり時間算出部55と、駆動系捩り剛性算出部56と、駆動系捩り固有振動数算出部57と、捩り振動判定部58と、変速比制御部59とを有している。処理部52は、ベルト式無段変速機1の制御方法に基づくプログラムをメモリにロードして実行することにより、ベルト式無段変速機1の制御方法を実現させるものであっても良い。
トルク算出部54は、トルク算出手段であり、エンジン100が発生するエンジントルクTeを算出するものである。トルク算出部54は、回転数センサ8により検出されたエンジン回転数Neとスロットルセンサ9により検出されたスロットル開度Sとに基づいて、エンジントルクTeを算出するものである。トルク算出部54は、例えば、上記エンジン回転数Neと、スロットル開度Sと、記憶部53により予め記憶されているエンジン回転数Neとスロットル開度SとエンジントルクTeとに基づいたエンジントルクマップとに基づいてエンジントルクTeを算出する。
立ち上がり時間算出部55は、立ち上がり時間算出手段であり、エンジン100が発生するエンジントルクTeの立ち上がり時間Δtを算出するものである。ここで、図3に示すように、エンジン回転数Neとスロットル開度Sとに基づいてエンジン100が発生するエンジントルクTeを所定のエンジントルクTe1まで増加させる場合は、単位時間当たりのエンジントルクTeの増加量が図示しないスロットルバルブの開く速度、すなわちスロットル開速度ΔSに応じて変化する。つまり、エンジン100が発生するエンジントルクTeを所定のエンジントルクTe1まで増加させる時間、すなわち立ち上がり時間Δtは、スロットル開速度ΔSに応じて変化する。そこで、立ち上がり時間算出部55は、スロットルセンサ9により今回検出されたスロットル開度Sとスロットルセンサ9により前回検出され、記憶部53に記憶されていたスロットル開度Sn−1とに基づいてスロットル開速度ΔSを算出し、上記トルク算出部54により算出されたエンジントルクTeと算出されたスロットル開速度ΔSとに基づいて、立ち上がり時間Δtを算出する。
駆動系捩り剛性算出部56は、駆動系捩り剛性算出手段であり、上記トルク算出部54により算出されたエンジントルクTeに基づいて駆動系捩り剛性Kを算出するものである。エンジントルクTeと駆動系捩り剛性Kとの関係は、エンジントルクTeの増加に応じて駆動系捩り剛性Kが増加するものである。しかし、エンジントルクTeに対する駆動系捩り剛性Kの増加量は、一定ではなく、エンジントルクTeに応じて変化するものである。例えば、図4に示すように、任意のエンジントルクTe2を境界点として、駆動系捩り剛性Kの増加量が増加している。駆動系捩り剛性算出部56は、例えば、上記エンジントルクTeと、記憶部53により予め記憶されているエンジントルクTeと駆動系捩り剛性Kとに基づいた同図に示す捩り剛性マップとに基づいて駆動系捩り剛性Kを算出する。
駆動系捩り固有振動数算出部57は、駆動系捩り固有振動数算出部であり、駆動系捩り剛性算出部56により算出された駆動系捩り剛性Kに基づいて駆動系捩り固有振動数fを算出するものである。駆動系捩り固有振動数算出部57は、例えば、駆動系捩り剛性Kと、図示しない車両の駆動系諸元であるエンジンイナーシャIと、トランスミッションイナーシャIと、ギヤ比(エンジンから車輪160までのギヤ比)iと、下記の式(1)とから、駆動系捩り固有振動数fを算出するものである。
Figure 2009097617
捩り振動判定部58は、上記立ち上がり時間算出部55により算出された立ち上がり時間Δtと上記駆動系捩り固有振動数算出部57により算出された駆動系捩り固有振動数fとに基づいて、捩り振動が発生するか否かを判定するものである。捩り振動判定部58は、立ち上がり時間Δtと駆動系捩り固有振動数fとが捩り振動が発生する条件式f=n/Δtを満たすか否かを判定する。ここで、nは、整数である。上記条件式を満たす場合は、立ち上がり時間Δtが捩り振動を発生し、ショックを発生する時間であることとなる。
変速比制御部59は、変速比γを制御するものである。変速比制御部59は、上記捩り振動判定部58により捩り振動が発生すると判定された場合に、ベルト式無段変速機1の変速比γを変更するものである。ここで、変速比γを変更すると、変更前と変更後とでエンジントルクTeの増加量が変化する。つまり、変速比制御部59は、変速比γを変更することで、エンジントルクTeの増加量を変更して、立ち上がり時間Δtを捩り振動が発生しないものとすることができる。
次に、実施の形態にかかるベルト式無段変速機1の制御方法について説明する。図5は、ベルト式無段変速機の制御方法を示すフロー図である。なお、ベルト式無段変速機1の制御方法、制御周期ごとに繰り返し実行されるものである。
まず、同図に示すように、制御装置5の処理部52は、エンジン回転数Neおよびスロットル開度Sを取得する(ステップST1)。ここでは、処理部52は、回転数センサ8により検出されたエンジン回転数Neおよびスロットルセンサ9により検出されたスロットル開度Sを取得する。
次に、処理部52のトルク算出部54は、エンジントルクTeを算出する(ステップST2)。ここでは、トルク算出部54は、取得されたエンジン回転数Neと、取得されたスロットル開度Sと、記憶部53により予め記憶されているエンジン回転数Neとスロットル開度SとエンジントルクTeとに基づいたエンジントルクマップとに基づいてエンジントルクTeを算出する。
次に、処理部52の立ち上がり時間算出部55は、スロットル開速度Δsを算出する(ステップST3)。ここでは、立ち上がり時間算出部55は、スロットルセンサ9により今回検出されたスロットル開度Sとスロットルセンサ9により前回検出され、記憶部53に記憶されていたスロットル開度Sn−1とに基づいてスロットル開速度ΔSを算出する。
次に、処理部52の立ち上がり時間算出部55は、立ち上がり時間Δtを算出する(ステップST4)。ここでは、立ち上がり時間算出部55は、上記トルク算出部54により算出されたエンジントルクTeと算出したスロットル開速度ΔSとに基づいて、立ち上がり時間Δtを算出する。
次に、処理部52の駆動系捩り剛性算出部56は、駆動系捩り剛性Kを算出する(ステップST5)。ここでは、駆動系捩り剛性算出部56は、上記トルク算出部54により算出されたエンジントルクTeと、記憶部53により予め記憶されているエンジントルクTeと駆動系捩り剛性Kとに基づいた図4に示す捩り剛性マップとに基づいて駆動系捩り剛性Kを算出する。
次に、処理部52の駆動系捩り固有振動数算出部57は、駆動系諸元を取得する(ステップST6)。ここでは、駆動系捩り固有振動数算出部57は、記憶部53により予め記憶されている駆動系諸元、例えば図示しないフライホイールの慣性モーメント、ドライブシャフト捩り剛性などを取得する。
次に、処理部52の駆動系捩り固有振動数算出部57は、駆動系捩り固有振動数fを算出する(ステップST7)。ここでは、駆動系捩り固有振動数算出部57は、上記駆動系捩り剛性算出部56により算出された駆動系捩り剛性Kと、駆動系諸元とに基づいて、駆動系捩り固有振動数fを算出する。
次に、処理部52の捩り振動判定部58は、捩り振動が発生するか否かを判定する(ステップST8)。ここでは、捩り振動判定部58は、上記立ち上がり時間算出部55により算出された立ち上がり時間Δtと上記駆動系捩り固有振動数算出部57により算出された駆動系捩り固有振動数fとに基づいて、立ち上がり時間Δtが捩り振動を発生する時間であるか否かを判定するものである。具体的には、捩り振動が発生する条件式f=n/Δtを満たすか否かを判定する。
次に、処理部52の変速比制御部59は、捩り振動が発生すると判定される(ステップST8肯定)と、変速比γを変更する(ステップST9)。ここでは、変速比制御部59は、立ち上がり時間Δtが捩り振動を発生する時間である場合に、現在の目標変速比γoを立ち上がり時間Δtを捩り振動を発生しない時間となるように変更する。従って、変速比γが変更され、エンジントルクTeの立ち上がり時におけるエンジントルクTeの増加量を変更し、立ち上がり時間Δtを変更する。なお、処理部52の変速比制御部59は、捩り振動が発生しないと判定される(ステップST8否定)と、現在の変速比γを維持し、次に制御周期に移行する。
以上のように、立ち上がり時間Δtが捩り振動を発生する時間である場合には、変速比γを変更することで、立ち上がり時間Δtを捩り振動を発生しない時間とする。従って、ショックを抑制することができる。また、変速比γを変更することでエンジントルクTeの立ち上がり時間Δtが変化するがエンジントルクTeは、増加量が変更するのみで初期から増加する。従って、レスポンスの悪化を抑制することができる。
以上のように、本発明にかかるベルト式無段変速機の制御装置および制御方法は、捩り振動が発生する駆動系を構成するベルト式無段変速機の制御装置および制御方法に有用であり、特に、ショックを抑制するとともに、レスポンスの悪化を抑制するのに適している。
駆動系の構成例を示す図である。 制御装置の構成例を示す図である。 エンジントルクと立ち上がり時間との関係を示す図である。 捩り剛性マップを示す図である。 ベルト式無段変速機の制御方法を示すフロー図である。
符号の説明
1 ベルト式無段変速機
2 プライマリプーリ
3 セカンダリプーリ(他方のプーリ)
4 ベルト
5 制御装置
51 入出力部
52 処理部
53 記憶部
54 トルク算出部(トルク算出手段)
55 立ち上がり時間算出部(立ち上がり時間算出手段)
56 駆動系捩り剛性算出部(駆動系捩り剛性算出手段)
57 駆動系捩り固有振動数算出部(駆動系捩り固有振動数算出手段)
58 捩り振動判定部
6 油圧制御回路
7 ECU
8 回転数センサ
9 スロットルセンサ
10 パーキングギヤ
100 エンジン
101 クランクシャフト
110 トルクコンバータ
120 前後進切替機構
130 動力伝達機構
140 ディファレンシャルギヤ
150 ドライブシャフト
160 車輪

Claims (2)

  1. 変速比を無段階に変更するベルト式無段変速機の制御装置において、
    エンジンが発生するエンジントルクを算出するトルク算出手段と、
    前記エンジントルクの立ち上がり時間を算出する立ち上がり時間算出手段と、
    前記エンジントルクに基づいて駆動系捩り剛性を算出する駆動系捩り剛性算出手段と、
    少なくとも前記駆動系捩り剛性に基づいて駆動系捩り固有振動数を算出する駆動系捩り固有振動数算出手段と、
    を備え、前記立ち上がり時間と前記駆動系捩り固有振動数とに基づいて、捩り振動が発生する場合は、前記変速比を変更することを特徴とするベルト式無段変速機の制御装置。
  2. 変速比を無段階に変更するベルト式無段変速機の制御方法において、
    駆動源が発生するエンジントルクを算出する手順と、
    前記エンジントルクの立ち上がり時間を算出する手順と、
    前記エンジントルクに基づいて駆動系捩り剛性を算出する手順と、
    少なくとも前記駆動系捩り剛性に基づいて駆動系捩り固有振動数を算出する手順と、
    前記立ち上がり時間と前記駆動系捩り固有振動数とに基づいて、捩り振動が発生する場合は、前記変速比を変更する手順と、
    を含むことを特徴とするベルト式無段変速機の制御方法。
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