JP7424248B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、トルクコンバータ及び変速装置を備える車両に適用される車両の制御装置に関する。
特許文献1には、ベルト式無段変速機構と、発進用ギヤ機構とを備える車両の変速装置の一例が記載されている。この変速装置は、内燃機関から駆動輪へのトルク伝達経路として、ベルト式無段変速機構を含む第1経路、又は、発進用ギヤ機構を含む第2経路を選択する選択部を備えている。すなわち、選択部が第1経路を選択している場合には、内燃機関の出力トルクがトルクコンバータ及びベルト式無段変速機構を介して駆動輪に入力される。一方、選択部が第2経路を選択している場合には、内燃機関の出力トルクがトルクコンバータ及び発進用ギヤ機構を介して駆動輪に入力される。
特開2015-105708号公報
上記のような変速装置にあっては、車両が減速しているときに、選択部が選択する経路を第1経路から第2経路に切り替える切り替え処理が実行されることがある。切り替え処理の実行中では、内燃機関の出力トルクが、ベルト式無段変速機構及び発進用ギヤ機構の何れにも伝達されない期間が生じる。当該期間では、内燃機関の負荷が低下するため、内燃機関のクランク軸の回転速度である機関回転速度の吹き上がりが発生するおそれがある。
上記課題を解決するための車両の制御装置は、内燃機関と、前記内燃機関から出力されるトルクである機関トルクが入力されるトルクコンバータと、前記トルクコンバータを通じて入力された前記機関トルクを駆動輪に向けて出力する変速装置と、を備える車両に適用される。前記変速装置は、入力プーリ、出力プーリ、前記入力プーリ及び前記出力プーリの双方に巻き掛けられている無端回転部材を有し、入力された前記機関トルクが前記入力プーリ、前記無端回転部材、前記出力プーリの順に伝達されるものであり、変速比を無段階で調整可能に構成されている無段階変速機構と、前記無段階変速機構とは並列に配置されており、入力されたトルクを前記駆動輪に向けて出力するものであり、変速比が所定の変速比で固定されている変速比固定機構と、前記内燃機関から前記駆動輪へのトルク伝達経路として、前記無段階変速機構を含む一方で前記変速比固定機構を含まない第1経路、又は、前記無段階変速機構を含まない一方で前記変速比固定機構を含む第2経路を選択する選択部と、を有している。この制御装置は、前記車両が減速しているときに、前記選択部が選択する経路を前記第1経路から前記第2経路に切り替えさせる切り替え処理を実行する切替制御部と、前記変速装置の入力軸の回転速度を前記内燃機関のクランク軸の回転速度で割った値を速度比として導出する速度比導出部と、所定の制御サイクル毎に、前記トルクコンバータの容量係数を前記速度比に基づいて導出する容量係数導出部と、前記容量係数が大きいほど値が大きくなるように、前記トルクコンバータの負荷トルクを導出するトルコン負荷トルク導出部と、前記負荷トルクを基に前記内燃機関を制御する機関制御部と、を備えている。前記容量係数導出部は、車両が減速している場合、前記切り替え処理が実行されていないときには、前記速度比が高いほど値が小さくなるように導出された係数候補値と、前記容量係数の前回値とのうちの大きい方を基に、前記容量係数を導出し、前記切り替え処理が実行されているときには、前記係数候補値を前記容量係数として導出する。
上記構成によれば、車両が減速している状況下で切り替え処理が実行される。切り替え処理では、トルク伝達経路が、無段階変速機構を含む第1経路から変速比固定機構を含む第2経路に切り替えられる。切り替え処理の実行中では、無段階変速機構及び変速比固定機構の何れにも機関トルクが伝達されない期間が生じる。当該期間では内燃機関の負荷が小さくなる。そのため、切り替え処理の実行中では、トルクコンバータの容量係数が、容量係数の前回値を加味することなく導出される。無段階変速機構及び変速比固定機構の何れにも機関トルクが伝達されない期間では、速度比が高くなるため、容量係数が小さくなる。このように導出された容量係数を基にトルクコンバータの負荷トルクが導出される。すなわち、容量係数の前回値を加味して容量係数を導出する場合と比較し、小さい値を負荷トルクとして導出できるようになる。そして、当該負荷トルクを基に内燃機関が制御される。その結果、切り替え処理の実行中において、機関回転速度が吹き上がることを抑制できる。
車両の制御装置の機能構成と、同制御装置を備える車両の駆動系の概略構成とを示す図。 同制御装置の変速制御部が実行する一連の処理を説明するフローチャート。 同変速制御部が実行する一連の処理を説明するフローチャート。 トルクコンバータの容量係数と速度比との関係を示すマップ。 車両の減速中に切り替え処理が実行される場合のタイミングチャート。
以下、車両の制御装置の一実施形態を図1~図5に従って説明する。
図1には、本実施形態の制御装置100を備える車両の駆動系の概略構成が図示されている。車両は、内燃機関10及び動力伝達装置200を備えている。内燃機関10から出力されるトルクである機関トルクTQeが、動力伝達装置200を介して駆動輪80に伝達される。
動力伝達装置200は、内燃機関10から機関トルクTQeが入力されるトルクコンバータ20と、トルクコンバータ20を介して機関トルクTQeが入力される変速装置300とを備えている。また、動力伝達装置200は、変速装置300の出力軸60からトルクが入力される減速ギヤ70と、減速ギヤ70からトルクが伝達されるディファレンシャル機構75とを備えている。
トルクコンバータ20は、内燃機関10のクランク軸11に接続されているポンプインペラ21と、変速装置300の入力軸23に接続されているタービンインペラ22を有している。
変速装置300は、変速比を無段階で調整できるように構成されている無段階変速機構40と、変速比が所定の変速比で固定されている変速比固定機構50とを有している。無段階変速機構40には、入力軸23が接続されている。変速比固定機構50は、無段階変速機構40に対して並列に配置されている。詳しくは後述するが、トルクコンバータ20を介して入力軸23に入力されたトルクは、無段階変速機構40及び変速比固定機構50の一方の機構に入力される。そして、一方の機構から出力軸60を介して減速ギヤ70にトルクが出力される。
変速装置300は、入力軸23に接続されている切り替え機構30を備えている。切り替え機構30は、ダブルピニオン型の遊星歯車機構を含んでいる。すなわち、切り替え機構30は、入力要素としてのキャリヤ30c、出力要素としてのサンギヤ30s及び反力要素としてのリングギヤ30rを有している。キャリヤ30cは、サンギヤ30sと噛み合うピニオンギヤを有しており、入力軸23と一体回転可能である。リングギヤ30rには、ブレーキ機構B1が設けられている。サンギヤ30sは、入力軸23と同軸であって入力軸23に対して相対回転可能に設けられている小径ギヤ32に接続されている。キャリヤ30c及びサンギヤ30sは、第1クラッチ機構C1を介して選択的に接続されている。
無段階変速機構40は、入力軸23に連結されている入力プーリ42と、出力軸60と同軸の回転軸48に接続されている出力プーリ44と、入力プーリ42及び出力プーリ44に巻き掛けられている伝動ベルト46とを備えている。入力軸23から無段階変速機構40に入力されたトルクは、入力プーリ42、伝動ベルト46、出力プーリ44の順に伝達される。そして、入力プーリ42の有効径や出力プーリ44の有効径を調整することにより、変速比を可変させることができる。なお、本実施形態では、伝動ベルト46が、「無端回転部材」の一例である。
出力プーリ44と出力軸60との間には第2クラッチ機構C2が設けられている。この第2クラッチ機構C2が係合されると、出力プーリ44と出力軸60との間でトルク伝達が行われる。一方、第2クラッチ機構C2が解放されると、出力プーリ44と出力軸60の間のトルク伝達が切断される。
変速比固定機構50は、上記小径ギヤ32と、カウンタ軸52と、カウンタ軸52と一体回転する大径ギヤ51とを有している。大径ギヤ51は、小径ギヤ32と噛み合っている。変速比固定機構50は、カウンタ軸52と同軸であってカウンタ軸52に対して相対回転可能である遊転ギヤ58を有している。また、変速比固定機構50は、出力軸60と一体回転する出力ギヤ62を有している。出力ギヤ62は、遊転ギヤ58と噛み合っている。
変速比固定機構50は、周知のシンクロメッシュ機構S1を備えている。シンクロメッシュ機構S1は、大径ギヤ51と遊転ギヤ58との間に配置されている。シンクロメッシュ機構S1は、カウンタ軸52と遊転ギヤ58との間のトルク伝達を断接するとともに、切断されていたトルク伝達を接続する際にはカウンタ軸52の回転速度と遊転ギヤ58の回転速度との同期を行う。なお、以下では、カウンタ軸52と遊転ギヤ58との間でトルクが伝達される状態を「シンクロメッシュ機構S1の係合」といい、カウンタ軸52と遊転ギヤ58との間のトルク伝達が切断された状態を「シンクロメッシュ機構S1の解放」という。
上記シンクロメッシュ機構S1は、シンクロナイザハブ53と、環状のスリーブ54と、環状のシンクロナイザリング55とを備えている。
シンクロナイザハブ53は、カウンタ軸52と一体回転するようになっている。シンクロナイザハブ53の外周には、スプラインが形成されている。
スリーブ54は、シンクロナイザハブ53の外周に配設されている。スリーブ54の内周には、シンクロナイザハブ53のスプラインに噛み合うスプラインが形成されている。スリーブ54は、カウンタ軸52の軸方向に移動可能になっている。
遊転ギヤ58には、シンクロナイザハブ53側に向かって縮径するテーパにて構成されているコーン面Cと、スリーブ54のスプラインに噛み合うスプライン58sとが設けられている。
シンクロナイザリング55は、環状であってカウンタ軸52と同軸に配置されている。シンクロナイザリング55は、シンクロナイザハブ53と遊転ギヤ58との間に位置している。シンクロナイザリング55は、遊転ギヤ58のコーン面Cに押し付けられるテーパ面Tと、スリーブ54のスプラインと噛み合うスプラインとを有している。
変速比固定機構50は、カウンタ軸52の軸方向にスリーブ54を移動させる移動機構を備えている。この移動機構は、スリーブ54の外周に係合しているシフトフォーク90と、シフトフォーク90を上記軸方向に移動させるフォークシャフト91と、フォークシャフト91を移動させる油圧式のアクチュエータ92とを有している。このアクチュエータ92によってフォークシャフト91の移動量が調整されることによりスリーブ54の位置が制御される。
アクチュエータ92、上述した第1クラッチ機構C1、第2クラッチ機構C2及びブレーキ機構B1は、それらを油圧制御する油圧回路400に接続されている。なお、油圧回路400は、制御装置100によって制御される。
本実施形態において、変速装置300は、内燃機関10から駆動輪80へのトルク伝達経路として、無段階変速機構40を含む一方で変速比固定機構50を含まない第1経路と、無段階変速機構40を含まない一方で変速比固定機構50を含む第2経路を有している。すなわち、第2経路を選択する場合には、第1クラッチ機構C1及びシンクロメッシュ機構S1が係合される一方で、第2クラッチ機構C2及びブレーキ機構B1が解放される。これにより、変速比固定機構50を介したトルク伝達によって、車両を前進させることができる。第1経路を選択する場合には、第2クラッチ機構C2が係合される一方で、第1クラッチ機構C1及びブレーキ機構B1が解放される。これにより、無段階変速機構40を介したトルク伝達によって、車両を前進させることができる。したがって、本実施形態では、第1クラッチ機構C1、第2クラッチ機構C2、ブレーキ機構B1及びシンクロメッシュ機構S1により、トルク伝達経路として、第1経路又は第2経路を選択する「選択部」が構成される。
なお、車両が低速で走行するときには、トルク伝達経路として第2経路が選択される。一方、車両が高速で走行するときには、トルク伝達経路として第1経路が選択される。そのため、車両が減速しているときには、選択部が選択する経路が第1経路から第2経路に切り替えられることがある。
制御装置100には、各種のセンサから検出信号が入力される。センサとしては、例えば、クランク角センサ501、入力軸センサ502、出力軸センサ503、アクセル開度センサ504及び車速センサ505を挙げることができる。クランク角センサ501は、クランク軸11の回転速度である機関回転速度NEに応じた検出信号を制御装置100に出力する。入力軸センサ502は、変速装置300の入力軸23の回転速度Ninpに応じた検出信号を制御装置100に出力する。出力軸センサ503は、変速装置300の出力軸60の回転速度Noutに応じた検出信号を制御装置100に出力する。アクセル開度センサ504は、運転者によるアクセルペダルの操作量であるアクセル開度ACCを検出し、検出結果に応じた検出信号を出力する。車速センサ505は、車両の移動速度である車速VSを検出し、検出結果に応じた検出信号を出力する。そして、制御装置100は、各種のセンサ501~505から入力された検出信号を基に、内燃機関10及び変速装置300を制御する。
制御装置100は、以下(a)~(c)の何れかの構成であればよい。
(a)制御装置100は、コンピュータプログラムに従って各種処理を実行する一つ以上のプロセッサを備えている。プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROMなどのメモリを含んでいる。メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード又は指令を格納している。メモリ、すなわちコンピュータ可読媒体は、汎用又は専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含んでいる。
(b)制御装置100は、各種処理を実行する一つ以上の専用のハードウェア回路を備えている。専用のハードウェア回路としては、例えば、特定用途向け集積回路、すなわちASIC又はFPGAを挙げることができる。なお、ASICは、「Application Specific Integrated Circuit」の略記であり、FPGAは、「Field Programmable Gate Array」の略記である。
(c)制御装置100は、各種処理の一部をコンピュータプログラムに従って実行するプロセッサと、各種処理のうちの残りの処理を実行する専用のハードウェア回路とを備えている。
制御装置100は、機能部として、機関制御部110と、変速制御部120とを有している。
機関制御部110は、内燃機関10の運転を制御する。すなわち、機関制御部110は、吸気通路に設けられているスロットルバルブの開度の制御を通じて燃焼室への吸入空気量を調整する。また、機関制御部110は、燃料噴射弁の燃料噴射の制御を通じて燃焼室への燃料供給量を調整する。これにより、機関制御部110は、機関回転速度NE及び機関トルクTQeを制御できる。
例えば、機関制御部110は、アクセル開度ACCを基に、要求機関トルクTQeRを導出する。そして、機関制御部110は、要求機関トルクTQeRと補正トルクTQeCとの和を機関トルク目標値TQeTrとして設定し、機関トルク目標値TQeTrを基に内燃機関10の運転を制御する。
補正トルクTQeCは、内燃機関10の負荷が大きいほど大きい値に設定されるものである。例えば、補正トルクTQeCは、オルタネータ負荷トルクTQalt及びトルコン負荷トルクTQtcなどを基に導出されるトルクである。オルタネータ負荷トルクTQaltは、機関駆動式のオルタネータで消費されるトルクの推定値である。トルコン負荷トルクTQtcは、トルクコンバータ20で消費されるトルクの推定値である。そして、オルタネータ負荷トルクTQaltが大きいほど、補正トルクTQeCは大きくなる。また、トルコン負荷トルクTQtcが大きいほど、補正トルクTQeCが大きくなる。
変速制御部120は、油圧回路400を制御することにより、変速装置300を作動させる。変速制御部120は、機能部として、切替制御部121と、速度比導出部122と、容量係数導出部123と、トルコン負荷トルク導出部124とを含んでいる。
切替制御部121は、車両が減速しているときに、上記トルク伝達経路を上記第1経路から上記第2経路に切り替えさせる切り替え処理を実行する。
速度比導出部122は、入力軸23の回転速度Ninpを機関回転速度NEで割った値を速度比SRとして導出する。
容量係数導出部123は、所定の制御サイクル毎に、トルクコンバータ20の容量係数CCを速度比SRに基づいて導出する。容量係数CCの導出処理については後述する。
トルコン負荷トルク導出部124は、容量係数CCを基に、トルコン負荷トルクTQtcを導出する。トルコン負荷トルクTQtcの導出処理については後述する。
次に、図2を参照し、車両が減速されていることを条件に変速制御部120が実行する一連の処理について説明する。変速制御部120は、車両が減速されている場合、一連の処理を繰り返し実行する。
まずはじめに、ステップS11において、変速制御部120は、上記のトルク伝達経路として第1経路が選択されているか否かを判定する。すなわち、変速制御部120は、無段階変速機構40を介したトルク伝達が行われているか否かを判定する。第1経路が選択されていない場合(S11:NO)、変速比固定機構50を介したトルク伝達が行われているため、変速制御部120は、一連の処理を一旦終了する。
一方、第1経路が選択されている場合(S11:YES)、無段階変速機構40を介したトルク伝達が行われているため、変速制御部120は、処理をステップS12に移行する。ステップS12において、変速制御部120は、第1経路から第2経路へのトルク伝達経路の切り替え条件が成立しているか否かを判定する。例えば、車速VSが低速判定値VSTh以下である場合は、切り替え条件が成立していると見なす。一方、車速VSが低速判定値VSThよりも高い場合は、切り替え条件が成立していないと見なす。すなわち、低速判定値VSThは、車両が低速走行しているか否かの判断基準である。
切り替え条件が成立しているとの判定がなされていない場合(S12:NO)、変速制御部120は、一連の処理を一旦終了する。この場合、無段階変速機構40を介したトルク伝達が継続される。
一方、切り替え条件が成立しているとの判定がなされている場合(S12:YES)、変速制御部120は、処理をステップS13に移行する。ステップS13において、変速制御部120の切替制御部121は、切り替え処理を実行する。すなわち、切替制御部121は、切り替え処理において、第1クラッチ機構C1、第2クラッチ機構C2、ブレーキ機構B1及びシンクロメッシュ機構S1を作動させることにより、トルク伝達経路を第1経路から第2経路に切り替えさせる。トルク伝達経路の切り替え中は、無段階変速機構40及び変速比固定機構50の何れにもトルクが入力されない。しかし、切り替えが完了すると、変速比固定機構50にトルクが入力されるようになる。そして、切り替え処理が完了すると、変速制御部120は、一連の処理を一旦終了する。
次に、図3及び図4を参照し、車両の減速中にトルコン負荷トルクTQtcを導出する際に変速制御部120が実行する一連の処理について説明する。変速制御部120は、車両が減速されている場合、一連の処理を繰り返し実行する。
図3に示すように、はじめのステップS21において、変速制御部120は、係数Nを「1」インクリメントする。次のステップS22において、変速制御部120の速度比導出部122は、速度比SRを導出する。すなわち、速度比導出部122は、機関回転速度NEの最新値と、入力軸23の回転速度Ninpの最新値とを基に、速度比SRを導出する。速度比SRの導出が完了すると、変速制御部120の容量係数導出部123は、容量係数CCの導出処理を実行する。
すなわち、ステップS23において、容量係数導出部123は、容量係数CCの候補値である係数候補値CC1を速度比SRに基づいて導出する。すなわち、容量係数導出部123は、速度比SRが高いほど値が小さくなるように係数候補値CC1を導出する。本実施形態では、容量係数導出部123は、係数候補値CC1の導出に際して図4に示すマップを用いる。
図4に示すマップは、容量係数CCと速度比SRとの関係を表している。すなわち、速度比SRが「1」である場合、容量係数CCが「0」となる。そして、速度比SRが「1」よりも低い場合、速度比SRが低いほど容量係数CCが大きくなる。
図3に戻り、係数候補値CC1の導出が完了すると、容量係数導出部123は、処理をステップS24に移行する。ステップS24において、容量係数導出部123は、切り替え処理が実行中であるか否かを判定する。切り替え処理が実行中である場合、無段階変速機構40及び変速比固定機構50の何れにもトルクが入力されておらず、内燃機関10の負荷が小さくなっている可能性がある。
切り替え処理が実行中ではない場合(S24:NO)、容量係数導出部123は、処理をステップS25に移行する。ステップS25において、容量係数導出部123は、係数候補値CC1と容量係数の前回値CC(N-1)とのうちの大きい方を基に、容量係数の最新値CC(N)を導出する。本実施形態では、容量係数導出部123は、係数候補値CC1と容量係数の前回値CC(N-1)とのうちの大きい方を容量係数の最新値CC(N)として導出する。容量係数の前回値CC(N-1)は、図3に示す一連の処理が前回に実行されたときに導出された容量係数CCである。そして、容量係数の最新値CC(N)を導出すると、容量係数導出部123は、導出処理を終了する。その後、変速制御部120は、処理をステップS27に移行する。
その一方で、ステップS24において、切り替え処理が実行中である場合(YES)、容量係数導出部123は、処理をステップS26に移行する。ステップS26において、容量係数導出部123は、係数候補値CC1を容量係数の最新値CC(N)として導出する。容量係数の最新値CC(N)を導出すると、容量係数導出部123は、導出処理を終了する。その後、変速制御部120は、処理をステップS27に移行する。
ステップS27において、変速制御部120のトルコン負荷トルク導出部124は、トルコン負荷トルクTQtcを導出する。すなわち、トルコン負荷トルク導出部124は、容量係数CCが小さいほど値が小さくなるようにトルコン負荷トルクTQtcを導出する。例えば、トルコン負荷トルク導出部124は、以下の関係式を用いてトルコン負荷トルクTQtcを導出できる。
トルコン負荷トルクTQtcの導出が完了すると、変速制御部120は、一連の処理を一旦終了する。
次に、図5を参照し、本実施形態の作用及び効果について説明する。前提として、トルク伝達経路として第1経路が選択されているものとする。
運転者によるブレーキ操作などによって車両が減速していると、車速VSが低下するとともに、変速装置300の入力軸23の回転速度Ninpも小さくなる。図5に示す例では、機関回転速度NEの減少速度よりも回転速度Ninpの減少速度のほうが大きいため、速度比SRが徐々に低くなる。そして、タイミングt11で第1経路から第2経路へのトルク伝達経路の切り替え条件が成立する。すなわち、タイミングt11からタイミングt12までの期間で、切り替え処理が実行される。
ここで、切り替え処理の実行中でも容量係数の前回値CC(N-1)を考慮して容量係数の最新値CC(N)を導出する比較例について説明する。図5において、比較例の場合における、機関回転速度NEの推移、容量係数CCの推移及びトルコン負荷トルクTQtcの推移が破線で示されている。
すなわち、比較例では、容量係数の最新値CC(N)として、容量係数の前回値CC(N-1)未満の値が導出されない。その結果、無段階変速機構40及び変速比固定機構50の何れにもトルクが入力されておらず、内燃機関10の負荷が低下している期間であっても、トルコン負荷トルクTQtcが減少されない。この場合、補正トルクTQeCも減少されないため、機関トルク目標値TQeTrも減少されない。すなわち、トルクコンバータ20で実際に消費されるトルクは減少しているにも拘わらず、機関トルクTQeが減少されない。そのため、機関回転速度NEが上昇する。すると、速度比SRが低くなるため、容量係数CCが大きくなり、ひいてはトルコン負荷トルクTQtcが増大される。その結果、機関回転速度NEの吹き上がりが発生してしまう。
これに対し、本実施形態では、切り替え処理の実行期間中において、容量係数の前回値CC(N-1)を考慮することなく、容量係数の最新値CC(N)が導出される。すなわち、容量係数の最新値CC(N)が前回値CC(N-1)を下回ることが許容される。その結果、切り替え処理の実行期間中に速度比SRが高くなると、図5に実線で示すように容量係数CCが減少する。また、上記関係式で導出されるトルコン負荷トルクTQtcもまた減少する。すなわち、トルクコンバータ20で実際に消費されるトルクの減少に応じて、トルコン負荷トルクTQtcが減少される。すると、補正トルクTQeC及び機関トルク目標値TQeTrもまた減少される。こうした機関トルク目標値TQeTrを基に内燃機関10の運転が制御されるため、切り替え処理の実行期間中における機関回転速度NEの急上昇が抑制される。したがって、本実施形態では、切り替え処理の実行中において、機関回転速度NEが吹き上がることを抑制できる。
なお、タイミングt12で切り替え処理が終了されると、変速比固定機構50を介したトルク伝達が行われるようになる。そのため、タイミング12以降も車両が減速する場合には、容量係数の前回値CC(N-1)を考慮した容量係数の最新値CC(N)の導出が再開される。
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・車両の減速中において切り替え処理が実行されていない場合、係数候補値CC1と容量係数の前回値CC(N-1)とのうちの大きい方を基に容量係数の最新値CC(N)を導出するのであれば、上記実施形態で説明した手法とは異なる手法で容量係数の最新値CC(N)を導出してもよい。例えば、係数候補値CC1と容量係数の前回値CC(N-1)とのうちの大きい方の値と所定の補正ゲインとの積を、容量係数の最新値CC(N)として導出するようにしてもよい。
・無端回転部材は、ベルトではなくチェーンであってもよい。
10…内燃機関
11…クランク軸
20…トルクコンバータ
23…入力軸
40…無段階変速機構
42…入力プーリ
44…出力プーリ
46…伝動ベルト
50…変速比固定機構
80…駆動輪
100…制御装置
110…機関制御部
121…切替制御部
122…速度比導出部
123…容量係数導出部
124…トルコン負荷トルク導出部
300…変速装置
B1…ブレーキ機構
C1…第1クラッチ機構
C2…第2クラッチ機構
S1…シンクロメッシュ機構

Claims (1)

  1. 内燃機関と、前記内燃機関から出力されるトルクである機関トルクが入力されるトルクコンバータと、前記トルクコンバータを通じて入力された前記機関トルクを駆動輪に向けて出力する変速装置と、を備える車両に適用され、
    前記変速装置は、
    入力プーリ、出力プーリ、前記入力プーリ及び前記出力プーリの双方に巻き掛けられている無端回転部材を有し、入力された前記機関トルクが前記入力プーリ、前記無端回転部材、前記出力プーリの順に伝達されるものであり、変速比を無段階で調整可能に構成されている無段階変速機構と、
    前記無段階変速機構とは並列に配置されており、変速比が所定の変速比で固定されている変速比固定機構と、
    前記内燃機関から前記駆動輪へのトルク伝達経路として、前記無段階変速機構を含む一方で前記変速比固定機構を含まない第1経路、又は、前記無段階変速機構を含まない一方で前記変速比固定機構を含む第2経路を選択する選択部と、を有するものであり、
    前記車両が減速しているときに、前記選択部が選択する経路を前記第1経路から前記第2経路に切り替えさせる切り替え処理を実行する切替制御部と、
    前記変速装置の入力軸の回転速度を前記内燃機関のクランク軸の回転速度で割った値を速度比として導出する速度比導出部と、
    所定の制御サイクル毎に、前記トルクコンバータの容量係数を前記速度比に基づいて導出する容量係数導出部と、
    前記容量係数が大きいほど値が大きくなるように、前記トルクコンバータの負荷トルクを導出するトルコン負荷トルク導出部と、
    前記負荷トルクを基に前記内燃機関を制御する機関制御部と、を備え、
    前記容量係数導出部は、
    車両が減速している場合、
    前記切り替え処理が実行されていないときには、前記速度比が高いほど値が小さくなるように導出された係数候補値と、前記容量係数の前回値とのうちの大きい方を基に、前記容量係数を導出し、
    前記切り替え処理が実行されているときには、前記係数候補値を前記容量係数として導出する
    車両の制御装置。
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