JP2009095932A - バリ取り加工用保護膜の形成方法 - Google Patents

バリ取り加工用保護膜の形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】精密部品(ワーク)Bのバリ取り加工のためのワークBへの保護膜形成を低廉で且つ確実に行なう方法を提供する。
【解決手段】適宜な脆弱性を備えたシート材AをワークBの上面に貼着した後、網コンベア11で搬送すると共に、搬送途中で上方から高圧噴射水Cを吹きつけて、シート材Aの貼着面と非貼着面との境界(ワークの縁部)に大きな剪断応力を作用させ、非貼着部分のシート材Aを分離して、ワーク上面の上に保護膜を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、カップブラシ等によるバリ取り加工に際してワークの表面を保護する保護膜の形成方法に関するものである。
バリ取り加工は、砥粒入りブラシや硬質ブラシで形成されるカップブラシを高速回転させ、ワークのバリ部分を前記カップブラシに当接して、バリを削り取るようにしているものである。
前記のようなバリ取り加工において、鏡面仕上の材料、塗装鋼板等のワークに関しては、ブラシが通過した個所のワーク表面に傷を付けてしまうので、表面に保護膜を形成して加工処理を行っていた。
また特定の形状のワークについては、保護膜を使用せずに対処する手段が提案されている。例えば特許文献1(特開平11−309656号公報)においては、円形部材を回転させながらブラシを傾斜状態で当接する手法が開示されており、特許文献2(特開2005−118909号公報)には、外周面と端面に開口する切溝を備えた円板状のワークにおいて、回転ブラシを軸心線まわりを回転させながら軸心線方向に振動させ、ブラシをワーク面に当接させてバリ取りを行なうことが開示されている。
特開平11−309656号公報。 特開2005−118909号公報。
前記のカップブラシの当接制御でバリ取り加工を行う場合には、ワーク形状が特定のものに限られ、種々の形状のワークには対応できず、また部分的に仕上表面を傷付ける場合もある。
このため、従前のバリ取り加工においては、仕上表面に対して保護膜を形成し、バリ取り加工後に保護膜を除去するようにしている。そして保護膜形成手段は、ワックスやポリビニールアルコール等の樹脂剤を塗布して形成する手段や、マスキングシートを貼着して形成する手段が採用されている。
しかし塗付形成手段は、端面への塗布剤の垂れが生じてしまい、バリ取り箇所が保護される結果となり、特にこの液垂れが完全に防止される塗布は、手作業では困難であり、厳密な動作を行なう塗付装置が必要であり、明らかに高価な装置となってしまう。またシート貼着による形成手段は、表面側の縁取り作業(シート切断作業)が手作業となる。
そこで本発明は、バリ取り加工のためのワークへの保護膜形成を低廉で且つ確実に行なう新規な手法を提案したものである。
本発明に係るバリ取り加工用保護膜の形成方法は、適宜な脆弱性を備えたシート材をワーク上面に貼着した後、網コンベアで搬送すると共に、搬送途中で上方から高圧噴射水を吹きつけて、非貼着部分のシート材を分離してなることを特徴とするものである。
而して高圧噴射水は、貼着面ではワークが噴射力を受け止め反射されるが、非貼着面ではそのまま押し込まれることになり、貼着面と非貼着面との境界(ワークの縁部)に大きな剪断応力が働き、当該境界でシート材が切断される。この保護膜が貼着されたワークを従前のブラシ形のバリ取り加工機でバリ取りを実施すると、突出バリが切削されると共に、仕上表面は保護膜に保護されているので傷付くことがなく、バリ取り加工終了後に保護膜を剥離する。
また本発明(請求項2)に係るバリ取り加工用保護膜の形成方法は、前記方法において、特に網コンベアに順次ワークを供給すると共に、コンベア搬送途中のワークに、裏面に接着剤が塗布されたシート材を重ね合わせて貼着してなるもので、保護膜形成が連続的且つ簡易な装置で実現することが出来るものである。
本発明(請求項3)は、更に高圧噴射水を線状に噴射して、コンベアを横断する水カーテンとしてなるもので、少ない動力で、高圧噴射の効果を得ることができる。
本発明方法は上記のとおりで、ワークの上面に、縁部が正確に切り揃えられた保護膜を簡単に、且つ安価な装置で形成することが出来たもので、バリ取り加工において、特殊な装置を必要とすることなく、仕上表面を傷付けることなく、バリ取り加工の作業能率を高めることができたものである。
次に本発明方法の実施形態をその実施装置に基づいて説明する。実施装置は搬送機構1とシート材貼着機構2と、切断機構3で構成される。
搬送機構1は、網コンベア11と駆動部12で構成されるもので、搬送途中に前記シート材貼着機構2と、切断機構3を配置してなるものである。
シート材貼着機構2は、シート材Aの供給部(図示せず)と貼着部で構成され、網コンベア11に配置したガイドローラ21と圧着ローラ22とを備え、搬送されるワークBの上面にシート材Aを押圧貼着するものである。
切断機構3は、所定の出力のポンプ部31と噴射部32で構成され、噴射部32は、細溝形状の噴射口を備え、網コンベア11を横断する高圧噴射水Cによる水カーテンが形成されるようにしたものである。
シート材Aは、可撓性を備えてローラによるガイドによって所定位置に供給される材質で、且つ高圧噴射水Cの圧力(剪段力)によって容易に切断される適宜な脆弱性を備えている材質で形成したもので、例えばアルミ箔の裏面に接着剤を塗付したアルミ箔シートや、或いはアルミ箔の裏面に薄い樹脂フィルムを積層し、更にフィルム裏面に接着剤を塗布してなる積層シート等を採用するもので、高圧噴射水Cの圧力と相まって所定の作用が発揮されるものであれば良い。またワークBは板状体で所望の打ち抜き加工を施した種々の部品が対象である。
而して本発明方法は、ワークBを順次網コンベア11に供給し、網コンベア11で搬送する。この搬送途中でシート材貼着機構2に至ると、シート材Aを上方から被せ、同時に圧着ローラ22でシート材AをワークBの上面(表面)に押し付けて接着させる。
更に網コンベア11が進行し切断機構3に至ると、ワークB及びワークBの上面を覆ったシート材Aが、噴射部(高圧噴射水のカーテン)32を通過すると、高圧噴射水Cは、シート材AにおけるワークBに貼着されている面(貼着面)ではワークB自体が噴射力を受け止めて反射されるが、非貼着面ではそのまま押し込まれることになる。
従って貼着面と非貼着面との境界(ワークBの縁部)に大きな剪断応力が作用し、当該境界でシート材Aが切断される。この結果ワークBにはシート材Aによる保護膜Dが形成される。
更に必要に応じてワークBの裏面にも同様の手段で保護膜Dを貼着形成し、所定のバリ取り加工を施すものである。
バリ取り加工は従前と同様でも、また先の特許文献1,2に記載された装置によっても可能である。例えば図3に例示するようにプレス打ち抜き加工で形成したワークBの表面に突出したバリaの切削は、仕上面bの保護膜Dと接するカップブラシEを回転させて突出バリaの箇所を移動させると、突出バリaは保護膜Dと共に除去され、仕上面b上の保護膜Dは浅い傷を受けるが、仕上面b自体は綺麗なまま維持されることになる。
また図5,6で例示されるようにレーザ加工で打ち抜き加工を行った場合には、ワークBの端面にバリcが生ずる。このような場合でも、ワークBの表裏に保護膜Dを形成し、回転カップブラシEで当該端面を切削すると、表裏の仕上面bを傷付けることなく、端面バリcの切削除去が為されるものである。
本発明方法の実施装置の説明図。 本発明方法を実施したワークの斜視図。 バリ取り加工対象(突出バリ)のワークの一部拡大図。 バリ取り加工(突出バリ)の説明図。 バリ取り加工対象(端面バリ)のワークの一部拡大図。 バリ取り加工(端面バリ)の説明図。
符号の説明
1 搬送機構
11 網コンベア
12 駆動部
2 シート材貼着機構
21 ガイドローラ
22 圧着ローラ
3 切断機構
31 ポンプ部
32 噴射部
A シート材
B ワーク
C 高圧噴射水
D 保護膜
E カップブラシ
a 突出バリ
b 仕上面
c 端面バリ

Claims (4)

  1. 適宜な脆弱性を備えたシート材をワーク上面に貼着した後、網コンベアで搬送すると共に、搬送途中で上方から高圧噴射水を吹きつけて、非貼着部分のシート材を分離してなることを特徴とするバリ取り加工用保護膜の形成方法。
  2. 網コンベアに順次ワークを供給すると共に、コンベア搬送途中のワークに、裏面に接着剤が塗布されたシート材を重ね合わせて貼着してなる請求項1記載のバリ取り加工用保護膜の形成方法。
  3. 高圧噴射水を線状に噴射して、コンベアを横断する水カーテンとしてなる請求項1又は2記載の何れかのバリ取り加工用保護膜の形成方法。
  4. シート材がアルミ箔シート或いはアルミ箔と樹脂シートの積層シートである請求項1乃至3記載の何れかのバリ取り加工用保護膜の形成方法。
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