JP2009095155A - モータの制御装置および制御方法 - Google Patents

モータの制御装置および制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】モータの駆動状態によらず駆動対象物をより正確に目標停止位置に停止させる技術を提供する。
【解決手段】モータの制御装置は、駆動対象物の位置に基づいてモータを制御するクローズドループ制御と、予め与えられた所定の条件に基づいてモータを制御するオープンループ制御との2つの制御モードでモータを駆動する。これらの制御モードは、駆動対象物が目標停止位置に到達する手前の特定位置と、目標停止位置と、の間のモード切替位置において、クローズドループ制御からオープンループ制御に切り替えられる。オープンループ制御では、クローズドループ制御中の特定位置においてモータが駆動対象物を目標位置方向に駆動するためのモータの駆動方向とは反対の逆駆動方向に駆動されている場合、モード切替位置と目標停止位置との間においてモータの逆駆動方向への駆動が継続される。
【選択図】図6

Description

この発明は、駆動対象物を駆動するモータの制御技術に関する。
インクジェットプリンタでは、印刷ヘッドが搭載されたキャリッジを主走査方向に駆動し、印刷ヘッドから吐出されるインクを印刷媒体上に着弾させることにより画像を形成する。そのため、キャリッジの速度を、キャリッジの位置に応じた目標速度に正確に制御することが求められる。そこで、キャリッジの位置を取得するためのエンコーダを設け、エンコーダの出力信号と、目標速度とを用いたPID制御を行うことにより、キャリッジを駆動するモータを制御することが行われている。
しかしながら、PID制御等のクローズドループ制御では、キャリッジが目標とする停止位置に近づいた場合、キャリッジを目標停止位置に停止させるのに要する時間が増加するおそれがある。そこで、キャリッジが目標停止位置よりも手前の所定位置に達してから、所定位置におけるキャリッジの速度に応じて決定される時間の経過後、PID制御によるモータへの通電を停止し、キャリッジを目標停止位置に停止させることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−251878号公報
しかしながら、PID制御によるモータへの通電を停止すると、モータの駆動状態によっては、モータの制動力が開放されることによりキャリッジが目標停止位置を超えて移動する場合がある。この問題は、種々の駆動対象物をモータにより駆動する場合一般に共通する。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、駆動対象物を駆動するモータの駆動状態によらず駆動対象物をより正確に目標停止位置に停止させる技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
駆動対象物を駆動するモータの制御装置であって、
前記駆動対象物の位置に基づいて前記モータを制御するクローズドループ制御部と、
予め与えられた所定の条件に基づいて前記モータを制御するオープンループ制御部と、
前記モータの制御モードを、前記クローズドループ制御部によるクローズドループ制御から前記オープンループ制御部によるオープンループ制御に切り替える制御モード切替部と、
を備え、
前記制御モード切替部は、前記駆動対象物が前記駆動対象物の目標停止位置に到達する手前の特定位置と前記目標停止位置との間のモード切替位置において前記モータの制御モードを前記クローズドループ制御から前記オープンループ制御に切り替え、
前記オープンループ制御部は、前記特定位置において前記モータが前記クローズドループ制御部により前記駆動対象物を前記目標位置方向に駆動するための前記モータの駆動方向とは反対の逆駆動方向に駆動されている場合、前記モード切替位置と前記目標停止位置との間において、前記モータの前記逆駆動方向への駆動を継続する、
モータの制御装置。
適用例1によれば、オープンループ制御部は、特定位置においてモータが逆駆動方向に駆動されている場合、モード切替位置と目標停止位置との間において、モータの逆駆動方向への駆動が継続される。そのため、モータが十分減速されるまでモータを継続して制動状態にすることができる。このようにモータの制動状態を継続することにより、モータが十分減速されていない状態においてモータの制動力が開放されて駆動対象物が目標停止位置を超えて移動することを抑制することができ、駆動対象物をより正確に目標停止位置に停止させることができる。
[適用例2]
適用例1記載のモータの制御装置であって、さらに、
前記特定位置における前記駆動対象物の速度を検出する速度検出部を備え、
前記オープンループ制御部は、前記速度検出部において検出された前記駆動対象物の速度に基づいて、前記逆駆動方向への前記モータの駆動量を決定する逆駆動量決定部を有する、モータの制御装置。
適用例2によれば、速度検出部において検出された駆動対象物の速度に基づいて、逆駆動方向へのモータの駆動量が決定される。そのため、逆駆動量をより正確に設定することができるので、駆動対象物をより正確に目標停止位置に停止させることができる。
[適用例3]
適用例2記載のモータの制御装置であって、
前記制御モード切替部は、前記モータへの通電状態に基づいて、前記モータが逆駆動方向に駆動されているか否かを判断する、モータの制御装置。
適用例3によれば、モータが逆駆動方向に駆動されているか否かは、モータへの通電状態に基づいて判断される。そのため、逆駆動方向に駆動されているか否かをより容易に判断することができる。
[適用例4]
適用例2または3記載のモータの制御装置であって、
前記オープンループ制御部は、前記モータを逆駆動方向に駆動する逆電流を前記モータに供給することにより前記逆駆動方向への駆動を継続する、モータの制御装置。
一般に、モータが発生するトルクは、モータに供給される電流値に比例する。そのため、適用例4のように、逆電流をモータに供給することによってモータを逆駆動方向に駆動することにより、逆駆動量の決定がより容易となる。
[適用例5]
適用例2ないし4のいずれか記載のモータの制御装置であって、
前記制御モード切替部は、前記速度検出部において検出された前記駆動対象物の速度に基づいて、前記モード切替位置を決定するモード切替位置決定部を有する、
モータの制御装置。
適用例5によれば、速度検出部において検出された駆動対象物の速度に基づいてモード切替位置が決定される。そのため、モード切替位置をより適切に設定することができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能である。例えば、モータの駆動装置および駆動方法、その駆動装置および方法を利用したプリンタ、そのプリンタの制御装置と制御方法、それらの装置および方法の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の態様で実現することができる。
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.実施例:
B.変形例:
A.実施例:
図1は、本発明の一実施例としてのプリンタ100を示す説明図である。プリンタ100は、複合機タイプのプリンタであり、光学的に画像を読み込むスキャナ110や、画像データの記録されたメモリカードMCを挿入するためのメモリカードスロット120、デジタルカメラ等の機器を接続するUSBインタフェース130等を備えている。プリンタ100は、スキャナ110によって取り込んだ画像や、メモリカードMCから読み込んだ画像、USBインタフェース130を介してデジタルカメラから読み込んだ画像等を印刷用紙Pに印刷することができる。また、プリンタ100は、プリンタケーブル等によって接続された図示していないパーソナルコンピュータから入力した画像の印刷も行うことができる。
プリンタ100は、印刷対象の画像の選択や、印刷用紙の種類、用紙サイズの設定など、印刷に関する種々の設定操作を行うための操作パネル140を備えている。操作パネル140の中央部には、液晶モニタ145が設けられている。液晶モニタ145には、メモリカードMC等から入力した画像の一覧や種々のグラフィカルユーザインタフェース(GUI)が表示される。
図2は、プリンタ100の内部構成を示す説明図である。プリンタ100は、プリンタ100の各部の動作を制御する制御ユニット150と、印刷用紙Pに印刷を行う印刷機構200と、を備えている。制御ユニット150には、図1に示すスキャナ110や、メモリカードスロット120、USBインタフェース130、操作パネル140、液晶モニタ145が接続されている。
制御ユニット150は、ヘッド駆動部300と、キャリッジモータ駆動部400と、紙送りモータ駆動部500と、を備えている。制御ユニット150は、図示しない中央処理装置(CPU)とメモリとを備えるコンピュータとして構成されている。これらの駆動部300,400,500は、制御ユニット150のCPUがメモリに格納されたプログラムを実行することにより制御される。このように、駆動部300,400,500が、CPUにより制御されることにより、プリンタ100が有する種々の機能が実現される。
印刷機構200は、紙送りモータ210によって印刷用紙Pを搬送する機構と、キャリッジモータ220によりキャリッジ250をプラテン212の軸方向に往復動させる機構と、キャリッジ250に搭載された印刷ヘッド252を駆動してインクを吐出してドットを形成する機構と、を備えている。
紙送りモータ210は、紙送りモータ駆動部500から供給される電流に応じて回転し、プラテン212の軸方向と垂直に印刷用紙Pを搬送する。なお、紙送りモータ210を駆動する紙送りモータ駆動部500の機能および構成は、後述するキャリッジモータ駆動部400の機能および構成とほぼ同じである。そのため、紙送りモータ駆動部500による紙送りモータ210の駆動制御の説明を省略する。
キャリッジ250は、プラテン212の軸方向と並行に設置された摺動軸230に移動自在に保持されている。キャリッジモータ220は、キャリッジモータ駆動部400から供給される電流に応じて回転し、駆動ベルト222を回転させる。駆動ベルト222が回転することにより、キャリッジ250は、プラテン212の軸方向と平行に、すなわち、主走査方向に往復運動する。
キャリッジ250には、キャリッジエンコーダ258が設けられている。キャリッジエンコーダ258は、キャリッジ250の主走査方向の位置を検出するためのリニアエンコーダである。キャリッジエンコーダ258は、プラテン212の軸方向と並行に設置された目盛板240と、キャリッジ250との相対位置の変化を2相(「A相」および「B相」と呼ばれる)のパルス信号として出力する。キャリッジエンコーダ258の出力パルスは、ヘッド駆動部300とキャリッジモータ駆動部400とに供給される。
キャリッジ250には、ブラック(K)インクが収容されたインクカートリッジ254と、シアン(C)、ライトシアン(LC)、マゼンタ(M)、ライトマゼンタ(LM)、イエロ(Y)の5種類のカラーインクが収容されたインクカートリッジ256と、が搭載されている。キャリッジ250は、これらの色に対応して計6種類の印刷ヘッド252を備えている。
インクカートリッジ254,256から印刷ヘッド252に供給されたインクは、図示しないピエゾ素子を駆動することにより印刷用紙Pに吐出される。ピエゾ素子を駆動するための駆動信号は、キャリッジエンコーダ258の出力パルスに基づいて、ヘッド駆動部300により生成される。ヘッド駆動部300が、駆動信号の電圧波形を制御することにより、印刷用紙Pには、小、中、大の3種類の大きさのドットが形成される。ただし、形成されるドットの種類は、3種類に限らず、1種類や2種類、あるいは4種類以上としてもよい。なお、本発明は、キャリッジモータ220等のモータの駆動制御に関するものであり、ドットの形成には影響しないので、具体的なドットの形成方法については、その説明を省略する。
図3は、本実施例におけるキャリッジモータ駆動部400の機能的な構成を示すブロック図である。キャリッジモータ駆動部400は、プロファイル設定部410と、PID制御部420と、モータドライバ430と、予測減速制御部440と、速度算出部450と、位置算出部460と、を備えている。
キャリッジエンコーダ258の出力パルスは、キャリッジモータ駆動部400の速度算出部450と位置算出部460に供給される。速度算出部450は、キャリッジエンコーダ258の出力パルスの時間間隔からキャリッジ250の移動速度vC(キャリッジ速度)を算出する。位置算出部460は、キャリッジ250の移動開始時点から、キャリッジエンコーダ258の出力パルス数を累算することにより、キャリッジ250の移動の始点からの距離pC(キャリッジ位置)を算出する。速度算出部450において算出されたキャリッジ速度vC(以下、「現在速度vC」とも呼ぶ)と、位置算出部460において算出されたキャリッジ位置pC(以下、「現在位置pC」とも呼ぶ)とは、PID制御部420と予測減速制御部440とのそれぞれに供給される。
プロファイル設定部410は、キャリッジ位置pCに対して目標となるキャリッジ250の目標速度vCTを規定するキャリッジ駆動プロファイルPRF(以下、単に「プロファイルPRF」とも呼ぶ)を、PID制御部420および予測減速制御部440に設定する。
PID制御部420は、プロファイル設定部410により設定されたプロファイルと、現在速度vCと、現在位置pCと、に基づいて、キャリッジモータ220に供給するモータ制御電流の目標値(電流目標値)Idtを算出する。具体的には、現在位置pCに対する目標速度vCTと現在速度vCとを比較し、現在速度vCが目標速度vCTとなるようにPID演算を行い電流目標値Idtを算出する。そして、算出した電流目標値Idtをモータドライバ430に供給する。なお、本実施例では、キャリッジ速度vCの制御にPID制御を用いているが、一般に、PI制御等の種々のフィードバック制御や、現在位置vCに応じて電流目標値Idtを決定するシーケンス制御を行ってキャリッジ速度vCを制御するものとしてもよい。
モータドライバ430は、フルブリッジ型のモータ駆動回路である。モータドライバ430は、キャリッジモータ220に供給される電流(モータ制御電流)Idが目標電流値Idtとなるように、キャリッジモータ220の端子に印加する電圧(端子間電圧)Vtを制御する。端子間電圧Vtの制御は、ブリッジを構成する図示しないスイッチング素子のオン・オフによるパルス幅変調(PWM)により行われる。具体的には、スイッチング素子のオン・オフ周期に対するオン時間の比率(デューティ比)を調整することによりキャリッジモータ220の端子間電圧Vtが制御される。このとき、キャリッジモータ220の端子間電圧Vtは、次の式(1)に示すように、電源電圧VsにPWM変調のデューティ比Dを乗じた値となる。このように、端子間電圧Vtを制御することにより、モータ制御電流Idが目標電流値Idに設定される。
Vt=Vs×D …(1)
このように、PID制御部420は、キャリッジ速度vCが現在位置pCに対する目標速度vCTとなるように電流目標値Idtを算出する。そして、モータドライバ430は、キャリッジモータ220に供給されるモータ制御電流Idが電流目標値Idtとなるように、キャリッジモータ220の端子間電圧Vtを制御する。これにより、キャリッジ250は、プロファイル設定部410で設定されたプロファイルにしたがって駆動される。なお、このようにPID制御部420を用いたキャリッジ250の駆動制御では、キャリッジ250の位置pCを検出し、その位置の検出結果に基づいてキャリッジモータ220に供給するモータ制御電流Idが制御される。このように、キャリッジ250の位置を検出し、その検出結果に基づいてキャリッジモータ220を制御する制御モードは、クローズドループ制御と呼ばれる。
予測減速制御部440は、プロファイル設定部410により設定されたプロファイルと、現在速度vCと、現在位置pCと、に基づいて、キャリッジ250を目標とする停止位置(目標停止位置)に停止させる。具体的には、キャリッジ250が目標停止位置の手前の特定の位置に到達した時点からPID制御部420に替わってキャリッジモータ220の駆動制御を行ない、キャリッジ250を目標停止位置に停止させる。なお、予測減速制御部440によるキャリッジモータ220の駆動制御方法については、後述する。
図4は、プロファイルにしたがってキャリッジ250が駆動される様子を示す説明図である。図4(a)は、キャリッジ250の駆動に使用されるプロファイルの例を示すグラフである。図4(b)は、キャリッジ250の位置に対してモータ制御電流Idが制御される様子を示すグラフである。図4(a)および図4(b)の横軸は、キャリッジ位置pCを表している。図4(a)の縦軸は、キャリッジ250の目標速度vCTを表しており、図4(b)の縦軸は、モータ制御電流Idを表している。なお、モータ制御電流Idの正方向は、キャリッジ250を移動方向に駆動するようにキャリッジモータ220を回転させる電流の方向(以下、「駆動電流方向」とも呼ぶ)である。
図4(a)のグラフにおいて、実線で示す第1のプロファイル(高速駆動プロファイル)と、破線で示す第2のプロファイル(低速駆動プロファイル)は、最高速度vC1,vC2が異なっている。なお、キャリッジ250の最高速度は、印刷条件により変更される。一般に、印刷の品質を高くする場合には、キャリッジ250の最高速度は低めに設定され、印刷速度を速くする場合には、最高速度は高めに設定される。図4(b)のグラフにおいて、実線は第1のプロファイルを使用した場合(高速駆動時)のモータ制御電流Idを表しており、破線は第2のプロファイルを使用した場合(低速駆動時)のモータ制御電流Idを表している。
図4(a)に示すプロファイルでは、位置pAから位置pFまでの区間(加速区間)において、キャリッジ250はの最高速度vC1,vC2まで加速される。加速区間においては、モータ制御電流Idを大きくして、キャリッジモータ220の発生トルクを大きくすることにより、キャリッジ250の加速が行われる。高速駆動プロファイルを使用した場合、キャリッジ250の加速度は、低速駆動プロファイルを使用した場合よりも大きくなる。そのため、図4(b)に示すように、加速区間pA〜pFにおいて、実線で示す高速駆動時のモータ制御電流Idは、破線で示す低速駆動時のモータ制御電流Idよりも大きくなる。
次いで、位置pFから位置pDまでの区間(定速区間)において、図4(a)に示すように、目標速度vCTは、最高速度vC1,vC2に保たれる。そのため、図4(b)に示すように、定速区間におけるモータ制御電流Idは、加速区間におけるモータ制御電流Idよりも小さくなる。また、高速駆動プロファイルにおける最高速度vC1は、低速駆動プロファイルにおける最高速度vC2よりも速い。そのため、図4(b)に示すように、定速区間pF〜pDにおいて、実線で示す高速駆動時のモータ制御電流Idは、破線で示す低速駆動時のモータ制御電流Idよりも大きくなる。
位置pDから目標停止位置pSまでの区間(減速区間)において、キャリッジ250は、目標停止位置pSでの速度が0となるように減速される。減速区間pD〜pSにおける減速度(負の加速度)が小さい低速駆動時には、モータ制御電流Idは、図4(b)の破線で示すように目標停止位置pSまで順次低減される。なお、この場合、キャリッジモータ220の減速に伴って発生する回生電流は、モータドライバ430が備えるフライホイールダイオード(図示しない)を介して、図示しない電源回路に戻される。一方、減速区間pD〜pSにおける減速度が大きい高速駆動時には、目標停止位置pSでキャリッジ250を停止させるため、低速駆動時よりも強い制動をかける必要がある。そのため、高速駆動時のモータ制御電流Idは、図4(b)の実線で示すように、破線で示す低速駆動時よりも急速に低減され、負値の電流(逆電流)が流される。そして、逆電流により発生するトルクによりキャリッジ250およびキャリッジモータ220に制動がかけられる。
なお、図4では、減速区間における減速度が異なっている例を示している。しかしながら、減速区間における減速度が同じであっても、キャリッジ250の重さが変化する場合には、減速区間におけるモータ制御電流Idの変化の様子が異なったものとなる。具体的には、モータ制御電流Idは、キャリッジ250が重い場合には、図4(b)の実線で示す高速駆動時と同様の変化を示し、キャリッジ250が軽い場合には、図4(b)の破線で示す低速駆動時と同様の変化を示す。なお、キャリッジ250の重さは、インクカートリッジ254,256(図2)に収容されたインクの残量によって変化する。
目標停止位置pSから所定の距離だけ手前の位置pMにおいて、予測減速制御部440による予測減速制御が開始される。この位置pMでは、予測減速制御部440が予測減速制御に使用するキャリッジ250の現在速度vCを取得する。そのため、本明細書において、位置pMを速度計測位置pMとも呼ぶ。図4(b)においてハッチングで示す速度計測位置pMと目標停止位置pSとの間の区間におけるモータ制御電流Idの制御については、後述する
図5は、予測減速制御の処理の流れを示すフローチャートである。図6は、予測減速制御が実行される際にモータ制御電流Idが制御される様子を示す説明図である。図6(a)および図6(b)は、キャリッジエンコーダ258の2相の出力パルスを示している。図6(c)のグラフは、キャリッジ250の移動にしたがってキャリッジモータ220の端子間電圧Vtが変化する様子を示している。図6(d)は、キャリッジ250の移動にしたがってモータ制御電流Idが変化する様子を示している。
図6(a)および図6(b)に示すように、A相の出力パルスと、B相の出力パルスとは、位相が1/4周期ずれている。本実施例では、A相およびB相の各出力パルスの立ち上がりと立ち下がりのパルス間隔(1/4周期)を、予測減速制御における位置の算出単位として用いている。なお、以下では、このパルス間隔を単位として、キャリッジ250の移動方向の距離をパルス数N(Nは、0以上の整数)で表す。
図6(c)のグラフにおいて、実線は高速駆動時の端子間電圧Vtを表しており、破線は低速駆動時の端子間電圧Vtを表している。端子間電圧Vtは、キャリッジモータ220の回転速度ωと、モータ制御電流Idと、キャリッジモータ220の逆起電力定数Keと、キャリッジモータ220の巻き線抵抗Rとから、次の式(2)により算出される。
Vt=Id×R+Ke×ω …(2)
上記の式(2)に示すように、端子間電圧Vtは、モータ制御電流Idと巻き線抵抗Rの積と、逆起電力定数Keと回転速度ωとの積(逆起電力E)と、の和で表される。なお、式(2)における、回転速度ωの正方向は、キャリッジ250を移動方向に駆動するためのキャリッジモータ220の回転方向(駆動方向)であり、端子間電圧Vtの正方向は、キャリッジモータ220を駆動方向に回転させる電圧の方向(駆動電圧方向)である。
図6(c)のグラフの一点鎖線と二点鎖線とは、それぞれ、高速駆動時と低速駆動時との、モータ制御電流Idと巻き線抵抗Rとの積(式(2)の右辺第1項)を表している。図6(c)に示すように、モータ制御電流Idと巻き線抵抗Rとの積と、端子間電圧Vtとの差、すなわち逆起電力E(Ke×ω)は、キャリッジモータ220の減速にしたがって減少する。そして、目標停止位置pSにおいてその差は0となる。
図6(d)のグラフにおいて、実線は、高速駆動時のモータ制御電流Idを表しており、破線は、低速駆動時のモータ制御電流Idを表している。上述のように、高速駆動時には、低速駆動時よりも制動力を高めるため、モータ制御電流Idは駆動電流方向(正方向)とは反対の方向(負方向)に流されている。
図4のステップS110において、予測減速制御部440は、キャリッジ250が速度計測位置pMに到達したか否かを判断する。キャリッジ250が速度計測位置pMに到達していないと判断された場合、制御はステップS110に戻される。そして、キャリッジ250が速度計測位置pMに到達するまで、ステップS110が繰り返し実行される。一方、キャリッジ250が速度計測位置pMに到達したと判断された場合、制御はステップS120に移される。
図6の例では、速度計測位置pMは、目標停止位置pSよりも7パルス手前の位置に設定されている。キャリッジ位置pCが、この速度計測位置pMよりも手前(図6の左側)の位置にある場合、図5のステップS110が繰り返し実行される。そして、キャリッジ位置pCが速度計測位置pMに到達した時点で図5のステップS120に制御が移される。
ステップS120において、予測減速制御部440は、キャリッジ250の現在速度を取得する。具体的には、キャリッジエンコーダ258(図3)の出力信号から速度算出部450が算出したキャリッジ250の現在速度vCを取得する。
ステップS130において、予測減速制御部440は、キャリッジモータ220の端子間電圧Vtを取得する。具体的には、ステップS120で取得したキャリッジの現在速度vCからキャリッジモータ220の回転速度ωを算出する。そして、上記の式(2)を用いて端子間電圧Vtを算出する。
ステップS140において、予測減速制御部440は、キャリッジモータ220が逆通電中か否かを判断する。逆通電中でないと判断された場合には、制御はステップS210に移され、逆通電中と判断された場合には、制御はステップS310に移される。逆通電中か否かは、ステップS130において算出された端子間電圧Vtの正負によって判断される。具体的には、端子間電圧Vtが正の場合には、逆通電中でないと判断され、端子間電圧Vtが負の場合には、逆通電中であると判断される。
図6(c)の破線で示すように、低速駆動時では、速度計測位置pMにおける端子間電圧Vtは正の値となっている。したがって、低速駆動時においては、ステップS140において、逆通電中ではないと判断され、制御はステップS210に移される。
ステップS210において、予測減速制御部440は、キャリッジ速度vCに応じてキャリッジモータ220の通電を停止するキャリッジ位置(通電停止位置pT)を決定する。具体的には、キャリッジ速度vCと、速度計測位置pMから通電停止位置pTまでのパルス数Nt(以下、「通電停止パルス数Nt」とも呼ぶ)と、の関係を規定するデータを参照して、通電停止パルス数Ntを決定する。キャリッジ速度vCと通電停止パルス数Ntとの関係は、通電停止後のキャリッジ250の移動距離(パルス数)を、キャリッジ速度vCを変えて測定し、その測定結果に基づいて実験的に決定することができる。
図7は、キャリッジ速度vCと、速度計測位置pMから通電停止位置pTまでの通電停止パルス数Ntと、の関係の一例を示す説明図である。図7の例では、キャリッジ速度vCの範囲を5つの閾値vTH1〜vTH5で分割し、閾値間の速度領域に対して通電停止パルス数Ntを与えている。図示するように、キャリッジ速度vCが閾値vTH1よりも遅い場合には、通電停止パルス数Ntとして5パルスが与えられる。通電停止パルス数Ntは、キャリッジ速度vCが遅くなるにしたがって少なくなる。そして、キャリッジ速度vCが閾値vTH5よりも速い場合には、通電停止パルス数Ntとしては0パルスが与えられる。
図5のステップS220において、予測減速制御部440は、ステップS210で決定した通電停止位置pTで、キャリッジモータ220への通電を停止する。具体的には、キャリッジ250が速度計測位置pMに到達した後、ステップS210で決定された通電停止パルス数Nt分のパルス信号が入力された時点で、キャリッジモータ220への通電が停止される。ステップS220における、通電の停止の後、ステップS410において他のアクチュエータ(例えば、紙送りモータ210)の駆動許可を発行する。
図6の例では、ステップS210(図5)において、通電停止パルス数Ntは3パルスに決定されている。そのため、図6(d)の破線で示すように、速度計測位置pMから3パルス後の通電停止位置pTにおいて、モータ制御電流Idは0に設定される。そして、通電停止位置pTから4パルス後の目標停止位置pSで、キャリッジ250は停止する。
このように、低速駆動時では、ステップS140において、逆通電中ではないと判断される。そして、速度計測位置pMから通電停止パルス数Nt分キャリッジ250が移動した通電停止位置pTで、キャリッジモータ220への通電が停止される。これにより、減速領域pD〜pSにおける減速度の小さい低速駆動時において、キャリッジ250を目標停止位置pSにより容易に停止させることができる。
一方、図6(c)の実線で示すように、高速駆動時では、速度計測位置pMにおける端子間電圧Vtは負の値となっている。したがって、高速駆動時においては、ステップS140において、逆通電中であると判断され、制御はステップS310に移される。
ステップS310において、予測減速制御部440は、キャリッジ速度に応じて逆通電量Sを算出する。ここで、逆通電量Sとは、キャリッジ250に通電される逆電流を速度計測位置pMから目標停止位置pSまでの区間で積分した積分値である。このとき、トルク定数Ktと、1パルスあたりのキャリッジモータ220の回転角度ΔΩと、を逆通電量Sに乗じた値W(=S×Kt×ΔΩ)は、速度計測位置pMから目標停止位置pSまでの区間において、逆電流によりキャリッジモータ220に与えられる負の仕事量となる。したがって、キャリッジ250を目標停止位置pSに停止させるためには、逆通電量Sを次の式(3)で与えるものとすればよい。
S=(J×ω2)/(Kt×ΔΩ) …(3)
上記の式(3)において、Jは、キャリッジ250を含めたキャリッジ駆動機構全体のキャリッジモータ220の回転軸から見た慣性モーメントを表し、ωは、速度計測位置pMにおけるキャリッジモータ220の回転速度を表している。したがって、式(3)は、速度計測位置pMから目標停止位置pSまでの区間において逆電流によりキャリッジモータ220から奪われるエネルギーW(=S×Kt×ΔΩ)が、速度計測位置pMにおけるキャリッジ駆動機構全体の慣性エネルギーに等しいことを表している。なお、この説明から判るように、予測減速制御部440は、逆通電量S(逆駆動量)を決定する「逆駆動量決定部」としての機能を有している。
ステップS320において、予測減速制御部440は、キャリッジ速度vCに応じてモータ制御電流IdのPID制御を停止するキャリッジ位置pP(PID制御停止位置)を決定する。具体的には、速度計測位置pMからPID制御停止位置pPまでのPID停止パルス数Npを決定する。PID停止パルス数Npの決定は、ステップS210と同様に、キャリッジ速度vCと、PID停止パルス数Npと、の関係を規定するデータを参照することにより決定される。
ステップS330において、予測減速制御部440は、ステップS320で決定したPID停止位置pPでモータ制御電流IdのPID制御を停止するとともに、キャリッジモータ220に係る制動力を維持するため、キャリッジモータ220への逆電流Irの通電(制動維持逆通電)を開始する。そして、キャリッジ位置pCが目標停止位置pSに到達すると、ステップS340において、制動維持逆通電が停止される。なお、PID制御停止位置pPから目標停止位置pSの間にキャリッジモータ220に通電される逆電流Irは、次の式(4)により算出される。
Figure 2009095155
上記の式(4)において、分母のNrは、PID制御停止位置pPから目標停止位置pSの間のパルス数(逆通電パルス数)を表している。分子の第2項は、速度計測位置pMからPID制御停止位置pPまでの間のモータ制御電流Idの積算値を表している。
図6の例では、ステップS310(図5)において、逆通電量Sとして図6(d)のハッチングが付された全領域(A1+A2)の面積が算出される。次いで、ステップS320において、PID停止パルス数Npが3パルスに決定される。そのため、速度計測位置pMから3パルス目標停止位置pS寄りの位置がPID制御停止位置pPとなる。
キャリッジ位置pCがPID制御停止位置pPに到達すると、ステップS330において、キャリッジモータ220の駆動制御は、PID制御部420(図2)に替わり予測減速制御部440(図2)により行われる。具体的には、モータドライバ430に設定される目標電流値は、PID制御部420が算出した目標電流値Idtから、予測減速制御部440が決定する逆電流Irに変更される。なお、逆電流Irは、上記の式(4)に示すように、左上から右下に向かうハッチングが付された領域A2の面積(逆通電量Sからモータ制御電流Idの積算値を減じた値)を、逆通電パルス数Nr(図6の例では4パルス)で除した値に設定される。
その後、逆通電パルス数Nr(=4パルス)分のパルス信号が入力されるまでの間、逆電流Irがキャリッジモータ220に供給され、キャリッジ位置pCが目標停止位置pSに到達すると、ステップS340(図5)において逆電流Irの供給が停止される。
このように、高速駆動時においては、ステップS140において、逆通電中であると判断される。そのため、速度計測位置pMからPID停止パルス数Np分キャリッジ250が移動したPID制御停止位置pPから、PID制御停止位置pPにおいて設定された逆電流Irのキャリッジモータ220への供給(制動維持逆通電)が開始される。そして、制動維持逆通電は、キャリッジ250が目標停止位置pSに到達するまで継続される。これにより、減速領域pD〜pSにおける減速度が大きい高速駆動時においても、制動力が開放されることによってキャリッジ250が目標停止位置pSを超えて移動することを抑制できるので、キャリッジ250を目標停止位置pSにより確実に停止させることができる。
上述のように、速度計測位置pMにおいて端子間電圧Vtが正の場合、すなわち、速度計測位置pMにおいてキャリッジモータ220が駆動方向とは反対の逆駆動方向に駆動されていない場合、目標停止位置pS側の通電停止位置pTにおいてキャリッジモータ220への通電が停止される。また、速度計測位置pMにおいて端子間電圧Vtが負の場合、すなわち、速度計測位置pMにおいてキャリッジモータ220が逆駆動方向に駆動されている場合、PID制御停止位置pPから目標停止位置pSまでの間、制動維持逆通電が継続され、キャリッジモータ220の逆駆動方向への駆動が継続される。
本実施例では、速度計測位置pMと目標停止位置pSとの間の位置pT,pPにおいて、モータ制御電流Idの制御モードが、PID制御から予め与えられた条件に基づいて制御を行うオープンループ制御に切り替えられる。一般に、オープンループ制御では、制御対象量の目標値と現在値との差が少ない場合、PID制御等のクローズドループ制御よりも、制御対象量を目標値に近付けるのに要する時間を短縮することができる。そのため、キャリッジ250をより速やかに目標停止位置に停止させるのに要する時間を短縮することができる。なお、予測減速制御部440は、通電停止位置pTにおいてキャリッジモータ220への通電を停止し、あるいは、PID制御停止位置pPにおいて制動維持逆通電を開始する。そのため、予測減速制御部440は、クローズドループ制御からオープンループ制御に制御モードを切り替える「制御モード切替部」としての機能と、オープンループ制御を行う「オープンループ制御部」としての有している。
また、速度計測位置pMにおいて、キャリッジモータ220の端子間電圧Vtが負の場合、すなわち、キャリッジモータ220が逆駆動方向に駆動されている場合、PID制御停止位置pTから目標停止位置pSとの間で、制動維持逆通電が継続される。そのため、キャリッジ250が目標停止位置pSに到達する前に制動力が開放されることによってキャリッジ250が目標停止位置pSを超えて移動することを抑制できるので、キャリッジ250を目標停止位置pSにより確実に停止させることができる。
さらに、モータドライバ430(図3)には、目標電流値を表す信号に加わるノイズにより不用意にキャリッジモータ220が動かないように、通常、目標電流値が0の付近でキャリッジモータ220の駆動を行わない不感帯が設けられる。一般に、キャリッジ位置pCが目標停止位置pSに近い場合、PID演算により算出される目標電流値Idtはその値が小さくなる。そのため、目標電流値Idtが不感帯内に入る場合には、キャリッジモータ220の駆動制御が正確に行われないおそれがある。これに対し、本実施例では、速度計測位置pMと目標停止位置pSとの間の位置pT,pPにおいて、キャリッジ250の駆動制御は、クローズドル−プ制御からオープンループ制御に切り替えられる。そのため、モータドライバ430の不感帯の影響を低減することができるので、キャリッジ250をより確実に目標停止位置pSに停止させることが可能となる。
B.変形例:
なお、この発明は上記実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
B1.変形例1:
上記実施例では、ステップS140(図5)で、速度計測位置pMにおいてキャリッジモータ220が逆通電中か否かを判断しているが、一般的には、速度計測位置pMにおいてキャリッジモータ220が逆駆動方向に駆動されているか否かが判断できればよい。例えば、キャリッジ250の加速度(キャリッジモータ220の角加速度)を検出してキャリッジモータ220が逆駆動方向に駆動されているか否かを判断しても良く、モータ制御電流Idの正負に応じて逆駆動方向に駆動されているか否かを判断しても良い。
ただし、キャリッジモータ220の端子間電圧Vtやモータ制御電流Idのように、キャリッジモータ220への通電状態に基づいて、キャリッジモータ220が逆駆動方向に駆動されているか否かを判断するのがより好ましい。このように通電状態に基づいて判断することにより、キャリッジモータ220が逆駆動方向に駆動されているか否かをより容易に判断することができる。通電状態は、モータ制御電流IdのようにPID制御部420により設定されるパラメータや、端子間電圧VtのようにPID制御部420により設定されるモータ制御電流Idとキャリッジモータ220の状態の検出結果に基づいて算出されるパラメータにより取得することができる。また、これらのパラメータVt,Idを別途計測して取得するものとしてもよい。
なお、モータ制御電流Idの正負に応じて逆駆動方向に駆動されているか否かを判断する場合、モータ制御電流Idが正の場合には逆駆動方向に駆動されていないと判断され、モータ制御電流Idが負の場合には逆駆動方向に駆動されていると判断することができる。このようにモータ制御電流Idにより、逆駆動方向に駆動されているか否かを判断する場合、キャリッジモータ220の端子間電圧Vtを算出するステップS130を省略することも可能である。
B2.変形例2:
上記実施例では、速度計測位置pMにおいてキャリッジモータ220が逆通電中であると判断された場合(図5のステップS140)、速度計測位置pMにおけるキャリッジ速度vCに基づいてPID制御停止位置pPが決定され(図5のステップS320)、PID制御停止位置pPにおいて、制動維持逆通電が開始される。しかしながら、制動維持逆通電が開始されるPID制御停止位置pPを、キャリッジ速度vCを使用することなく決定することも可能である。具体的には、速度計測位置pMにおけるキャリッジ速度vCにかかわらず、速度計測位置pMや、速度計測位置pMから固定的に定められたパルス数分だけ目標停止位置pS側の位置等において制動維持逆通電を開始するものとしてもよい。
B3.変形例3:
上記実施例では、速度計測位置pMにおいてキャリッジモータ220が逆通電中であると判断された場合(図5のステップS140)、速度計測位置pMにおけるキャリッジ速度vCに基づいて逆通電量Sが決定され(図5のステップS310)、決定された逆通電量Sに基づいて逆電流Irの値(逆駆動量)が決定される。しかしながら、逆電流Irを、速度計測位置pMにおけるキャリッジ速度vCにかかわらず固定的に定めることも可能である。この場合、固定的に定められた逆電流Irをキャリッジモータ220に供給した場合の、速度計測位置pMにおけるキャリッジ速度vCと、PID制御停止位置pPからの移動距離を実験的に求め、その結果に基づいてPID制御停止位置pPを決定すればよい。
B4.変形例4:
上記実施例では、速度計測位置pMにおいてキャリッジモータ220が逆通電中であると判断された場合(図5のステップS140)、PID制御停止位置pPから目標停止位置pSまで、制動維持逆通電が継続されている。しかしながら、制動維持逆通電は、必ずしも目標停止位置pSまで継続する必要はない。例えば、制動維持逆通電により、キャリッジ250(キャリッジモータ220)が十分減速され、モータの制動力が開放されてもキャリッジ250が目標停止位置pSを超えて移動しないと判断される場合には、キャリッジ250が目標停止位置pSに到達する前に制動維持逆通電を停止するものとしてもよい。
B5.変形例5:
上記実施例では、キャリッジエンコーダ258(図3)の出力パルスに基づいて、キャリッジモータ220の制御モードの切替を行っているが、他の信号を基準として、制御モードの切替を行うことも可能である。例えば、時間的な基準となるクロック信号に基づいてキャリッジモータ220の制御モードの切替を行うものとしてもよい。この場合、制御モードの切替は、通電停止位置pTやPID制御停止位置pPに換えて、キャリッジ250が速度計測位置pMに到達してからの時間(クロック数)に応じて行われる。
B6.変形例6:
上記実施例では、本発明を、プリンタ100(図2)のキャリッジ250やプラテン212の駆動に適用しているが、本発明は、モータであれば、プリンタ100に限らず任意の駆動対象物を駆動するモータに適用可能である。また、電磁的な回転モータに限らず、リニアモータや超音波モータ等の種々のモータの制御に適用することが出来る。
本発明の一実施例としてのプリンタ100を示す説明図。 プリンタ100の内部構成を示す説明図。 キャリッジモータ駆動部400の機能的な構成を示すブロック図。 キャリッジモータ220の制御によりキャリッジ250が駆動される様子を示す説明図。 予測減速制御の処理の流れを示すフローチャート。 予測減速制御が行われる際のモータ制御電流の変化の様子を示す説明図。 キャリッジ速度と通電停止位置までのパルス数との関係を示すグラフ。
符号の説明
100…プリンタ
110…スキャナ
120…メモリカードスロット
130…USBインタフェース
140…操作パネル
145…液晶モニタ
150…制御ユニット
200…印刷機構
210…紙送りモータ
212…プラテン
220…キャリッジモータ
222…駆動ベルト
230…摺動軸
240…目盛板
250…キャリッジ
252…印刷ヘッド
254,256…インクカートリッジ
254…インクカートリッジ
256…インクカートリッジ
258…キャリッジエンコーダ
300…ヘッド駆動部
400…キャリッジモータ駆動部
410…プロファイル設定部
420…PID制御部
430…モータドライバ
440…予測減速制御部
450…速度算出部
460…位置算出部
500…紙送りモータ駆動部
MC…メモリカード
P…印刷用紙

Claims (6)

  1. 駆動対象物を駆動するモータの制御装置であって、
    前記駆動対象物の位置に基づいて前記モータを制御するクローズドループ制御部と、
    予め与えられた所定の条件に基づいて前記モータを制御するオープンループ制御部と、
    前記モータの制御モードを、前記クローズドループ制御部によるクローズドループ制御から前記オープンループ制御部によるオープンループ制御に切り替える制御モード切替部と、
    を備え、
    前記制御モード切替部は、前記駆動対象物が前記駆動対象物の目標停止位置に到達する手前の特定位置と前記目標停止位置との間のモード切替位置において前記モータの制御モードを前記クローズドループ制御から前記オープンループ制御に切り替え、
    前記オープンループ制御部は、前記特定位置において前記モータが前記クローズドループ制御部により前記駆動対象物を前記目標位置方向に駆動するための前記モータの駆動方向とは反対の逆駆動方向に駆動されている場合、前記モード切替位置と前記目標停止位置との間において、前記モータの前記逆駆動方向への駆動を継続する、
    モータの制御装置。
  2. 請求項1記載のモータの制御装置であって、さらに、
    前記特定位置における前記駆動対象物の速度を検出する速度検出部を備え、
    前記オープンループ制御部は、前記速度検出部において検出された前記駆動対象物の速度に基づいて、前記逆駆動方向への前記モータの駆動量を決定する逆駆動量決定部を有する、モータの制御装置。
  3. 請求項2記載のモータの制御装置であって、
    前記制御モード切替部は、前記モータへの通電状態に基づいて、前記モータが逆駆動方向に駆動されているか否かを判断する、モータの制御装置。
  4. 請求項2または3記載のモータの制御装置であって、
    前記オープンループ制御部は、前記モータを逆駆動方向に駆動する逆電流を前記モータに供給することにより前記逆駆動方向への駆動を継続する、モータの制御装置。
  5. 請求項2ないし4のいずれか記載のモータの制御装置であって、
    前記制御モード切替部は、前記速度検出部において検出された前記駆動対象物の速度に基づいて、前記モード切替位置を決定するモード切替位置決定部を有する、
    モータの制御装置。
  6. 駆動対象物を駆動するモータの制御方法であって、
    (a)前記駆動対象物の位置に基づいて前記モータを制御する工程と、
    (b)予め与えられた所定の条件に基づいて前記モータを制御する工程と、
    (c)前記モータの制御モードを、前記工程(a)によるクローズドループ制御から前記工程(b)によるオープンループ制御に切り替える工程と、
    を備え、
    前記工程(c)は、前記駆動対象物が前記駆動対象物の目標停止位置に到達する手前の特定位置と前記目標停止位置との間のモード切替位置において前記モータの制御モードを前記クローズドループ制御から前記オープンループ制御に切り替える工程を含み、
    前記工程(b)は、前記特定位置において前記モータが前記工程(a)により前記駆動対象物を前記目標位置方向に駆動するための前記モータの駆動方向とは反対の逆駆動方向に駆動されている場合、前記モード切替位置と前記目標停止位置との間において、前記モータの前記逆駆動方向への駆動を継続する工程を含む、
    モータの制御方法。
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