JP2009093820A - リチウムイオン二次電池用負極板の製造方法 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用負極板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】カルボキシメチルセルロースナトリウム塩を用いる場合、強酸性の活物質材料を併せて用いると、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩がゲル化物を生じる。この場合、練合においてシェア不足が引き起こされることで練りが不十分となり、電池特性が悪化する。また、塗工を行なう際には、ゲル化物が起点となる塗工スジが発生し工程不良・発熱や発火などの電池負不良が増大する。
【解決手段】本発明の請求項に記載のリチウムイオンを吸蔵・放出する炭素材料と高分子材料を用い、前記炭素材料の酸性度に応じて調整し、pHを7.0〜11.0として、ペーストを作成する練合工程を設けることを特徴とする。
【選択図】無し

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用負極板の製造方法に係り、特に、ペーストの製造工程における練合工程に関する。
近年、電子機器や通信機器の小型化および軽量化が急速に進んでおり、これらの駆動用電源として用いられる二次電池に対しても小型化および計量化が要求されている。このため、従来のアルカリ蓄電池に代わり、高エネルギー密度で高電圧を有する非水電解液二次電池、代表的にはリチウムイオン二次電池が提案されている。
非水電解液二次電池の正極板は、Li−Mn系複合酸化物、Li−Co系複合酸化物、Li−Ni系複合酸化物などが提案され、それらの一部が実用化に至っている。
また、これらの複合酸化物の特性を改良すべく、さらに種々の元素置換を試みた、Li−Mn−Ni系複合酸化物、Li−Co−Al系複合酸化物、Li−Mg−Co系複合酸化物なども提案されている。これらの複合酸化物を正極活物質として用い、そのような正極活物質と結着剤(バインダー)とを適当な湿潤剤(溶剤)に分散または溶解させてペースト状の塗工組成物を調整し、当該塗工組成物を金属箔からなる集電体上に塗工して正極活物質を形成することにより作成される。
正極板では、集電体であるアルミの腐食を防ぐ目的で、炭酸ガスの導入を行う例が紹介されている(例えば、特許文献1および2参照)。
一方、非水電解液二次電池の負極板は、充電時に正極活物質層から放出されるリチウムイオン等の陽イオンを吸蔵できるカーボン等の炭素質材料を負極活物質として用い、そのような負極活物質と高分子材料とを適当な湿潤剤(溶剤)に分散または溶解させてペースト状の塗工組成物を調製し、当該塗工組成物を金属箔からなる集電体上に塗工して負極活物質層を形成することにより作製される。
そして、正極板と負極板それぞれに電流を取り出すための端子を取り付け、両極板に間に短絡を防止するためのセパレータを挟んで巻取り、非水電解質溶液を満たした容器に密封することにより二次電池が組み立てられる。
この負極板に使用される炭素材料は、千数百度以下の温度で熱処理された黒鉛構造が「未発達の「非晶質系」と呼ばれるものと、黒鉛構造が発達した「黒鉛系」のものとに大別され、それぞれに特徴を有している。しかし、初期サイクルにおける充放電効率の高さ、電位平坦性等から、実際の電池において黒鉛系の方が有利との見方が一般的である。
そして、結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、メチルセルロース(MC)、カルボキメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリエチレン(PE)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンブタジエンラテックス(SBR)、等が、単独で、或いは組み合わせて使用されてきた。
負極では、集電体の腐食が発生しにくいこともあり、正極のような事例は報告されていない。
特開平08−069791号公報 特開平11−204108号公報
しかしながら、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩を用いる場合、強酸性の活物質材料を併せて用いると、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩がゲル化物を生じる。これはカルボキシメチルセルロースナトリウム塩に酸を加えた場合、Na塩の一部がH型に変わることにより溶解性が低下することによると推測される。あるグレードの活物質が酸性を示すことは、活物質製造工程に含まれる酸処理工程に起因する。
一方で、酸性では無く、つまり中性からアルカリ性の領域にある活物質を用いる場合には、ゲル化物は生じない。
なお、強アルカリの材料を用いると、酸素による解重合が発生しペースト粘度の低下が発生するため、好ましくない。
ゲル化物が発生した場合、練合初期段階での固練り工程時において、十分な混合分散ができずにシェア不足が発生し、いわゆる練りが不十分となる。その結果、電池特性が悪化するなどの致命的な不具合を発生させる要因となる。
また、塗工を行なう際には、ゲル化物が起点となる塗工スジや塗膜欠陥が発生し、多大な工程不良を発生させる一因となる。
なお、固練り工程とは、粉体である負極板用活物質とカルボキシメチルセルロースナトリウム塩と溶媒とを混合して練合を行なう際の初期段階を意味し、溶媒をさらに追加してペースト状態に仕上げる希釈工程の前の段階を言う。この時点における負極板用活物質とカルボキシメチルセルロースナトリウム塩は流動性のない固まりの状態にある。この段階で十分なシェアを付与して均質な混合分散を行なう必要があり、不十分だと均質な混合分散が行なわれず、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩のゲル化物を発生させる要因となる。
特に、固練り工程時における混合分散物のpHが酸性領域にあると前記ゲル化物が発生し易く、品質や生産性を著しく損なうと言った課題があった。
本発明は、酸性領域にある炭素材料を用いてもゲル化物を発生させず、練合時のシェア不足を発生させることのない、リチウムイオン二次電池用負極板の製造方法を提供するものであり、その結果、塗工時の塗工スジや塗膜欠陥を発生させることなく、品質的にも優れ安定して製造し得る活物質層用塗工組成物を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明は、リチウムイオンを吸蔵・放出する炭素材料と、結着剤及び溶媒を混合してペーストを調製する練合工程と、前記練合工程で調製したペーストを集電体上に塗布、乾燥させて合剤層を形成し、連続する帯状の電極シートに仕上げる塗布工程と、前記合剤層を所定の厚みまでプレスする圧延工程と、前記圧延工程で所定の厚みにプレスされた電極シートを所定の幅に裁断するスリット工程からなるリチウムイオン二次電池用負極板の製造方法において、前記練合工程は、練合初期段階である固練り工程とその後の希釈工程からなり、前記固練り工程時のpHが7〜11に制御されていることを特長とするものである。
上記本発明により、練合時に酸性度の強い炭素材料を用いてもゲル化物を発生させず、
練合時のシェア不足を発生させることのない、リチウムイオン二次電池用負極板の製造方法を提供するものであり、その結果、塗工時の塗工スジや塗膜欠陥を発生させることなく、安定して製造し得る活物質層用塗工組成物を提供することを可能とするものである。
また、このとき、このpHの制御には、弱塩基性を示す水溶液を用いることが、好ましく、さらに、弱塩基性を示す水溶液は炭酸ナトリウム水溶液であるのが、好ましい。
本発明によると、練合時に酸性度の強い炭素材料を用いてもゲル化物を発生させず、また練合時のシェア不足を防止することが可能となるため、良好なリチウムイオン二次電池用負極板ペーストの作製ができ、その結果、塗工時の塗工スジや塗膜欠陥を発生させることなく、安定して製造し得る負極活物質層用塗工組成物を提供することが可能となる。
以下、本発明のリチウムイオン二次電池用負極板の製造方法について詳細に説明する。
(負極板の構成)
本発明のリチウムイオン二次電池用負極板は、集電体の一面側又は両面に、少なくとも炭素材料からなる負極活物質と、水系結着剤を含む負極合材層から形成される。負極板の集電体としては、電解銅箔や圧延銅箔等の銅箔が好ましく用いられる。集電体の厚さは通常、5〜50μm程度とする。炭素材料は特に制限されるものではなく、例えば、天然黒鉛、球状あるいは繊維状の人造黒鉛、コークス等の易黒鉛化性炭素、フェノール樹脂焼成体等の難黒鉛化性炭素等を用いることができる。
負極活物質は、塗工層中に均一に分散させるために、1〜100μmの範囲の粒径を有し、且つ平均粒径が3〜30μmの粉体であることが好ましい。なお、これらの1種を単独であるいは2種以上を混合して用いてもよい。
ここで、人造黒鉛は、例えば、易黒鉛化性炭素を2800℃以上の高温で熱処理して製造することができる。この場合の原料となる易黒鉛化性炭素には、コークス、ピッチ類を400℃前後で加熱する過程で得られる光学異方性の小球体(メソカーボンマイクロビーズ:MCMB)等がある。
負極活物質材料どうし、および負極活物質材料と集電体との結着を良好なものとし、かつ水に容易に溶解し得るという観点から、結着剤と水溶性高分子とを含んだ複合結着剤の態様を採用する。
また、水溶性高分子は、負極活物質である粉末状の炭素材料に吸着し、その炭素粒子を負極合材中に分散させる役割を果たすとともに、炭素粒子間および炭素粒子と集電体とを結着させる役割を果たすものである。ここで、水溶性高分子の負極合材中の含有割合は、特に限定されるものではない。しかし、負極活物質材料に吸着して作用するという観点から、水溶性高分子の含有割合は、負極活物質材料の含有量を考慮して決定されることが望ましい。
具体的には、負極合材中の水溶性高分子材料の含有割合を、負極活物質を100重量部とした場合、2.0重量部以下、好ましくは1.0重量部以下とすることが望ましい。2.0重量部を超えると、水溶性高分子が過剰となり、それが炭素粒子の表面に吸着して過剰な被膜を形成する。その結果、リチウムイオンの移動が妨げられ、さらには、炭素材料の電気絶縁性が大きくなるために、負極を構成した場合に電気抵抗が大きくなってしまうからである。ただし、0.5重量部未満であると、以下の不具合が発生する可能性がある
。不具合とは、炭素材料と集電体との密着性が悪く、極板製造工程で合材層が集電体から剥がれ落ちる可能性、ペースト状の負極合材を集電体に塗布するときに、良好な流動性が得られなくなり、塗布することが困難となる可能性、またペーストの沈降が発生する可能性である。
ここで、本実施の形態では、水溶性高分子材料は、セルロースエーテル系の樹脂を用いる。セルロースエーテル系樹脂は、人体に毒性を示すことはなく、生体系に対しても無害であるという利点があることから、これを用いるのが望ましい。
さらに、セルロースエーテル系樹脂は、付加する官能基によって種々のものを用いることができ、例えば、セルロースエーテルのナトリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられるが、溶媒である水との親和性が高く、かつ負極活物質材料との親和性も良好であるという理由から、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩を本実施の形態では選択する。
また、本実施の形態で用いられるカルボキシメチルセルロースナトリウム塩の中では、水に溶解し易いという理由から、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩を選択することが最も望ましい。
次に、結着剤は、ペースト状の負極合材を集電体に塗布、乾燥した後における負極活物質材料どうし、および負極活物質材料と集電体との密着性に寄与するものである。特に、集電体表面に接着し、被膜を形成することにより負極活物質材料を集電体に結着させる役割を果たす。この場合、結着剤の負極合材中の含有割合は、特に限定されるものではない。
特に、負極活物質である炭素材料と集電体との密着性をより向上させるという観点から、結着剤の負極合材中の含有割合は、負極活物質を100重量部とした場合、0.5重量部以上とすることが望ましい。0.5重量部未満であると、炭素材料と集電体との密着性が悪く、負極作製時や使用時に炭素材料が剥離する恐れがあるからである。一方、結着剤が過剰に含まれる場合には、それが集電体の表面に接着して過剰な被膜を形成する。その結果、炭素材料の電気絶縁性が大きくなり、負極を形成した場合に電気抵抗が大きくなってしまう。このことを考慮した場合には、結着剤の負極合材中の含有割合を1.0重量部以下とすることが望ましい。
ここで、結着剤は、スチレンブタジエンゴムラテックス、ニトリルブタジエンゴムラテックス、メチルメタクリレートブタジエンゴムラテックス、クロロプレンゴムラテックス、カルボキシ変性スチレンブタジエンゴムラテックスのいずれか1種以上を用いることができる。なかでも、集電体との密着性、および電解液に対する耐性を考慮すると、メチルメタクリレートブタジエンゴムラテックスを選択することが望ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極板は、上述した負極活物質と水系結着剤とを含む負極合材から形成されるものであり、その形成方法等は、特に限定するものではない。負極活物質となる炭素材料に水系結着剤を混合し、溶媒として水を加えてペースト状にした負極合剤を、銅等の金属箔集電体の表面に塗布、乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成することができる。
溶媒として加える水の配合割合は、特に制限されるものではない。水の配合割合により、ペースト状の負極合材の粘度を調整することができるため、集電体表面への塗布方法によってその割合を適宜調整すればよい。
(負極板及び正極板の形成方法)
負極及び正極活物質、導電材、通常結着材、及び他の配合成分を適切な溶剤中にいれ、プラネタリーミキサー等の分散機により混合分散して、ペースト状に調製する。
負極及び正極活物質層用塗工組成物の塗工方法・塗膜形成のための塗布回数は、特に限定されないが、スライドダイコート、コンマダイレクトコート、コンマリバースコート等のように、厚い塗工層を形成できる方法が適している。ただし、塗工重量によっては、グラビアコートやグラビアリバースコート等により塗布してもよい。
乾燥工程における熱源としては、熱風、赤外線、遠赤外線、マイクロ波、高周波、或いはそれらを組み合わせて利用できる。乾燥工程において集電体をサポート又はプレスする金属ローラーや金属シートを加熱して放出させた熱によって乾燥してもよい。また、乾燥後、電子線または放射線を照射することにより、結着材を架橋反応させて活物質層を得ることもできる。塗布と乾燥は、複数回繰り返してもよい。
更に、得られた負極及び正極合材層をプレス加工することにより、活物質層の密度、集電体に対する密着性、均質性を向上させることができる。
プレス加工は、例えば、金属ロール、弾性ロール、加熱ロールまたはシートプレス機等を用いて行う。本発明においてプレス温度は、活物質層の塗工膜を乾燥させる温度よりも低い温度とする限り、室温で行っても良いし又はロール本体を加温して実施しても良い。
ロールプレスは、ロングシート状の極板を連続的にプレス加工できるので好ましい。ロールプレスには、定位プレス、又は定圧プレスの手法がある。プレスのライン速度は通常、5〜75m/min.とする。ロールプレスの圧力を線圧で管理する場合、加圧ロールの直径に応じて調節するが、通常は線圧を0.5kgf/cm〜1tf/cmとする。
プレス回数は、密度アップの目的や、均質性を向上させる目的で数回に分けてもよい。
負極及び正極活物質層の塗工量は通常、20〜350g/m2とし、その厚さは、乾燥、プレス後に通常10〜200μm、好ましくは50〜190μmの範囲にする。負極活物質層の密度は、塗工後は1.0g/cc程度であるが、プレス後は1.5g/cc以上(通常は1.5〜1.75g/cc程度)まで増大する。従って、プレス加工を支障なく行い体積エネルギー密度を向上させることにより、電池の高容量化を図ることが出来る。
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
(実施例1)
等酸点3.6、平均粒経20μmの負極活物質(以下、カーボンと呼ぶ)を100重量部、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩1重量部を練合機(市販品 プラネタリーミキサー)に投入し、弱塩基性のアルカリ性水溶液である炭酸ナトリウム水溶液を適量投入して、練合初期段階である固練り状態にして混合分散を行なった。この時、前記固練り状態の混合分散物のpHが7.0から11.0となるように炭酸ナトリウム水溶液の濃度を調整し投入した。実質のpH測定値はpH7.2であった。
その後、結着剤(SMB)1重量部を練合機に投入し、最終仕上がりペーストの固形分率が52%、粘度が5000〜7000mPa・s(25℃、20rpm(測定装置:東機産業株式会社社製、B型粘度計)となるように炭酸ナトリウム水溶液をさらに加えてペーストを作製した。
ここで、カーボンの等酸点は予め測定しおき、そのカーボンの酸性度を特定しておいた。等酸点測定には日本ルフト株式会社製DT1200を用いた。
そして、特定したカーボンの酸性度に応じて、固練り状態時の混合分散物のpHが7.0から11.0となるように炭酸ナトリウム水溶液の濃度を理論計算して、濃度調整を行なったものを溶媒として用いた。
(実施例2)
等酸点5.2のカーボンを用いた以外は実施例1と全く同様にして固練り状態にして混合分散を行った。この時の混合分散物の実質pHはpH9.0であった。
その後も実施例1と全く同様にして、結着剤(SMB)1重量部を練合機に投入し、最終仕上がりペーストの固形分率が52%、粘度が5000〜7000mPa・sとなるように炭酸ナトリウム水溶液をさらに加えてペーストを作製した。
(実施例3)
等酸点の測定値が観測出来ないもの、つまり中性からアルカリ性の領域にあるカーボンを用いた以外は実施例1と全く同様にして固練り状態にして混合分散を行った。この時の混合分散物の実質pHはpH7.5であった。
その後も実施例1と全く同様にして、結着剤(SMB)1重量部を練合機に投入し、最終仕上がりペーストの固形分率が52%、粘度が5000〜7000mPa・sとなるように炭酸ナトリウム水溶液をさらに加えてペーストを作製した。
(比較例1)
実施例1と全く同様の等酸点3.6のカーボンを用い、溶媒として純水を用いた以外は実施例1と全く同様にして固練り状態にして混合分散を行った。この時の混合分散物の実質pHはpH6.0であった。
その後も実施例1と全く同様にして、結着剤(SMB)1重量部を練合機に投入し、最終仕上がりペーストの固形分率が52%、粘度が5000〜7000mPa・sとなるように純水をさらに加えてペーストを作製した。
(比較例2)
実施例2と全く同様の等酸点5.2のカーボンを用い、溶媒として純水を用いた以外は実施例1と全く同様にして固練り状態にして混合分散を行った。この時の混合分散物の実質pHはpH5.5であった。
その後も実施例1と全く同様にして、結着剤(SMB)1重量部を練合機に投入し、最終仕上がりペーストの固形分率が52%、粘度が5000〜7000mPa・sとなるように純水をさらに加えてペーストを作製した。
その後、厚さ10μmの銅箔の両面に実施例、比較例で作製したペーストを、ダイコーターを用いて塗着量が約120.0g/m2となるように塗工、乾燥し、ロールプレスにより所定の寸法まで圧延を施し、さらに所定の寸法に切断して負極板を得た。
このようにして得られた負極板及び前記実施例、比較例で得られたペーストの評価を以下のように行なった。
(評価)
<ペースト>
市販されているグラインド・メーターを用いて、得られたペーストのゲル化物を確認した。
ゲル化物の大きさは30μm以下を「○」、30μm以上の大きなゲル化物は「×」と評価した。
<塗工面質(ピンホール)>
実施例、比較例で得られたそれぞれ負極板を任意の位置で幅5cm×長き20cm=100cm2の大きさに5枚切出し、目視にて負極板表面上(両面)のピンホール数の確認を行った。ピンホールはφ1mm以上の大きさのものを欠陥としピンホール数1とカウントした。この作業を切出した5枚全てに実施し、5枚全てのピンホール数が10個以下のものを「○」、10個以上のものを×」と評価した。
<塗工面質(塗工すじ)>
実施例、比較例で得られたそれぞれ負極板を任意の位置で幅5cm、長さ20mの大きさに5枚切出し、目視にて負極板表面上(両面)の塗工すじ数の確認を行った。塗工すじは幅1mm以上、長さ1mm以上の連続した塗工すじをすじ有りと判断し「×」と評価した、この作業を切出した5枚全てに実施し、5枚全ての内、塗工すじ数がゼロ本の負極板のものを「○」、1本以上のものを×」と評価した。
最後に、総合評価として、すべての項目が「○」のものを「○」、それ以外のものを「×」として評価し、それを、(表1)にまとめた。
Figure 2009093820
本発明によると酸性度の強い負極活物質を用いても、練合初期段階である固練り工程時のpHを、中和状態から弱アルカリ状態に制御して固練りを実施することにより、ゲル化物を抑制した良好なペーストを得ることが可能であり、前記ペーストを用いて作製した負極板の塗工面質も品質的に安定していることが表1から明らかである。
本発明の実施例では、固練り時のpHは7.2から9.0に制御された範疇でしか確認できていないが、中和状態から弱アルカリ状態に制御して固練りを実施すれば、本発明と同様の効果が得られるものと推測できる。すなわち、固練り工程時のpHを7.0から11.0の範疇であれば、全く同様の効果が得られる。
pHが11.0を超えてアルカリ度が強い状態で固練りを行なうと、酸素による解重合が発生しペースト粘度の著しい低下が発生するため好ましくないことが筆者らの研究で判明している。
これらの結果から、練合工程での練合初期段階である固練り時の混合分散物のpHを7.0から11.0に制御することにより、ゲル化物を抑制した良好なペーストを得ることができ、前記ペーストを用いて作製した負極板は品質的にも安定していると言える。
そして、本発明により作製された負極板を用いたリチウムイオン二次電池は、特性および安全性に優れており、且つ安定して製造し得る負極活物質層用塗工組成物を提供することができる。
(他の実施形態の許容)
以上、本発明のリチウムイオン二次電用負極およびそれを用いたリチウムイオン二次電池の実施形態について説明したが、上述した実施形態は一実施形態にすぎず、本発明の非水電解液二次電池用負極およびそれを用いた非水電解液二次電池は、上記実施形態を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の形態で実施することができる。
本発明にかかる非水電解質二次電池は、電池特性、実用性、生産性に優れたポータブル用電源等として有用である。

Claims (3)

  1. リチウムイオンを吸蔵・放出する炭素材料と、結着剤及び溶媒を混合してペーストを調製する練合工程と、前記練合工程で調製したペーストを集電体上に塗布、乾燥させて合剤層を形成し、連続する帯状の電極シートに仕上げる塗布工程と、前記合剤層を所定の厚みまでプレスする圧延工程と、前記圧延工程で所定の厚みにプレスされた電極シートを所定の幅に裁断するスリット工程からなるリチウムイオン二次電池用負極板の製造方法において、前記練合工程は、練合初期段階である固練り工程とその後の希釈工程からなり、前記固練り工程時のpHが7〜11に制御されていることを特長とするリチウムイオン二次電池用負極板の製造方法。
  2. 前記pHの制御には、弱塩基性を示す水溶液を用いることを特徴とする請求項1記載のリチウムイオン二次電池用負極板の製造方法。
  3. 前記弱塩基性を示す水溶液は炭酸ナトリウム水溶液を用いることを特徴とする請求項2記載のリチウムイオン二次電池用負極板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009170287A (ja) * 2008-01-17 2009-07-30 Mitsubishi Chemicals Corp 非水系電解液二次電池用電極及びそれを用いた非水系電解液二次電池

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