JP2009092702A - レンズ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】組み立て作業が容易であり、レンズ保持枠を精度良く移動させることができるレンズ装置を提供する。
【解決手段】レンズ装置10は、筐体36に横方向に固定された固定ガイドバー60に沿ってスライド自在に支持されるスライダ54と、筐体36に縦方向に固定された固定ガイドバー90に沿ってスライド自在に支持されるスライダ84と、スライダ54に縦方向に取り付けられた移動ガイドバー52とスライダ84に横方向に取り付けられた移動ガイドバー82とに沿ってスライド自在に支持されるレンズ保持枠50を備える。レンズ保持枠50は、異なる二方向に開口された凹状の二つのガイド部86、87を備え、このガイド部86、87に移動ガイドバー82が差し込まれて係合される。
【選択図】 図6

Description

本発明はレンズ装置に係り、特に携帯用の映像撮影装置に設けられ、像ブレ補正装置を有するレンズ装置に関する。
像ブレ補正装置は、補正レンズが撮影光軸に直交する面内で移動自在に支持されており、カメラに振動が加わった際に、その振動を打ち消す方向に補正レンズをアクチュエータで移動させることによって像ブレを補正している。例えば、特許文献1に記載の像ブレ補正装置は、補正レンズの固定枠がピッチ方向に移動自在となるように第1保持枠に保持され、この第1保持枠がヨー方向に移動自在となるように第2保持枠に保持されている。そして、固定枠に取り付けたピッチコイルや、第1保持枠に取り付けたヨーコイルによって、補正レンズがピッチ方向或いはヨー方向に移動され、像ブレが補正されている。
しかし、特許文献1の像ブレ補正装置は、第2保持枠の上に第1保持枠が取り付けられているため、第2保持枠を移動する際に第1保持枠も移動し、レンズの移動速度が遅く、高精度の像ブレ補正を行うことができない。
この問題を解消するため、特許文献2の像ブレ補正装置は、筐体(本体)に対して独立してスライドする二つのスライダを備え、このスライダを別々にレンズ保持枠に係合させている。すなわち、特許文献2は、レンズ保持枠に二本の移動ガイドバーが異なる方向に取り付けられており、この二本の移動ガイドバーにそれぞれスライダが係合される。この二つのスライダは、筐体に固定された二本の固定ガイドバーに別々に支持されており、固定ガイドバーに沿ってスライドすることができる。したがって、特許文献2の像ブレ補正装置は、レンズ保持枠が二方向に独立して移動するので、レンズ保持枠を迅速に移動させることができ、高精度の像ブレ補正を行うことができる。
特許2641172号公報 特開2006−215095号公報
ところで、特許文献2のレンズ装置は、スライダに丸孔が貫通して形成されており、この丸孔に移動ガイドバーを挿通することによって、スライダが移動ガイドバーに沿ってスライド自在に支持される。このような構成のレンズ装置を組み立てる際、スライダとレンズ保持枠を保持した状態で、丸孔に移動ガイドバーを挿通しなければならず、作業が非常に煩雑であるという問題があった。この問題は、丸孔の径を移動ガイドバーの径に対して大きくしたり、丸孔を凹状の溝に変更したりすることによって、解消することができるが、その場合には、スライダとレンズ保持枠との間にガタつきが発生し、レンズ保持枠を精度良く移動させることができないという問題が発生する。
本発明はこのような事情に鑑みて成されたもので、組み立て作業が容易であり、レンズ保持枠を精度良く移動させることができるレンズ装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は前記目的を達成するために、筐体に横方向に固定された第1の固定軸に沿ってスライド自在に支持される第1のスライダと、前記筐体に縦方向に固定された第2の固定軸に沿ってスライド自在に支持される第2のスライダと、前記第1のスライダに縦方向に取り付けられた第1の移動軸に沿ってスライド自在に支持されるとともに前記第2のスライダに横方向に取り付けられた第2の移動軸に沿ってスライド自在に支持されるレンズ保持枠とを備え、前記第1、第2のスライダを前記筐体に対してスライドさせることによって、前記レンズ保持枠が光軸と直交する面内で移動するレンズ装置において、前記レンズ保持枠は、異なる二方向に開口された凹状の二つの係合部を備え、該二つの係合部に前記第1又は第2の移動軸が差し込まれて係合されることを特徴とする。
本発明によれば、二つの凹状の係合部を移動軸に係合させる構成なので、過拘束の発生を防止でき、レンズ保持枠をスムーズに移動させることができる。また、本発明によれば、二つの凹状の係合部が異なる二方向に開口されているので、レンズ保持枠が移動軸に沿ってスライドする状態を保ちつつ、スライダのスライド操作時にその力をレンズ保持枠に確実に伝達することができる。さらに、本発明によれば、二つの凹状の係合部を移動軸に係合させるだけなので、レンズ保持枠の組み付け作業を容易に行うことができる。なお、本発明において、縦方向、横方向は、光軸に直交し、且つ、異なる二方向であれば良く、縦方向と横方向が逆であってもよい。
請求項2に記載の発明は請求項1の発明において、前記係合部は、凹状の開口部が拡がって形成されることを特徴とする。本発明によれば、係合部の凹状の先端部が拡がって形成されるので、二つの係合部に容易に移動軸を差し込んで係合させることができ、たとえば、スライダに固定された移動軸にレンズ保持枠を取り付けることができる。
請求項3に記載の発明は請求項1又は2の発明において、前記凹状の係合部の内側の両側面には、前記第1又は第2の移動軸に直交する方向に連続して突出形成された凸条部が設けられることを特徴とする。
本発明によれば、移動軸が両側の凸条部に接触されるので、移動軸と係合部との接触面積が常に一定になる。したがって、レンズ保持枠を移動軸に対して常に安定して摺動させることができ、レンズ保持枠の動きを安定させることができる。
本発明によれば、レンズ保持枠の二つの凹状の係合部が異なる二方向に開口され、この二つの凹状の係合部に移動軸が差し込まれて係合されるので、レンズ保持枠を縦方向、横方向に確実に操作することができ、且つ、レンズ装置の組み立て作業を容易に行うことができる。
以下添付図面に従って、本発明に係るレンズ装置の好ましい実施の形態について詳説する。
図1には、実施の形態に係るレンズ装置10の側断面図が示されている。このレンズ装置10は、撮影光軸前方側(被写体側)から撮影光軸後方(撮像側)に向って第1レンズ群12、第2レンズ群14、第3レンズ群16、及び第4レンズ群18から構成されており、これらの第1乃至第4レンズ群12〜18を通過した被写体光は、色分解光学系を構成する色分解プリズム20を介して色分解プリズム20のR、G、Bの各出射端に設けられた撮像素子22、24、26に結像される。なお、このレンズ装置10が装備されるカメラ本体(不図示)には、撮像素子22、24、26から得られた撮像信号に所要の処理(ホワイトバランス、γ補正等)を施して所定形式の映像信号を生成する信号処理回路(不図示)等が搭載されている。
第1レンズ群12はいわゆる前玉レンズであり、第2レンズ群14は焦点距離を変更するバリエータレンズ、第3レンズ群16は手振れ等に起因する振動を打ち消す方向に駆動される防振レンズ、第4レンズ群18は焦点を調整するフォーカスレンズである。
これらの第1乃至第4レンズ群12〜18は、レンズ鏡胴本体11内に保持されている。また、レンズ鏡胴本体11内には、光軸と平行な一対のガイドバー28(一方は不図示)が挿通配置されており、この一対のガイドバー28に第2レンズ群14の保持枠32及び第4レンズ群18の保持枠34がそれぞれスライド移動自在に支持されるとともに、第3レンズ群16の筐体36が一対のガイドバー28に固定されている。なお、筐体36をレンズ鏡胴本体11に直接固定してもよい。
第2レンズ群14には、ねじ送り装置を構成するナット(不図示)が設けられ、このナットに、同じくねじ送り装置を構成する送りねじ(不図示)が螺合連結されている。この送りねじは、光軸と平行に配設されるとともに、その端部がズーム用ステッピングモータ(不図示)の出力軸に連結されている。ズーム用ステッピングモータのズームドライバ回路(不図示)にカメラ本体側からズーム信号が出力されると、ズーム用ステッピングモータはその信号に対応した方向に送りねじを回転駆動する。これによって、第2レンズ群14が一対のガイドバー28に沿って光軸方向に前後移動され、所望の焦点距離に調整される。
第4レンズ群18にも同様に、ねじ送り装置を構成するナット(不図示)が設けられ、このナットに、同じくねじ送り装置を構成する送りねじ(不図示)が螺合連結されている。この送りねじは、光軸と平行に配設されるとともに、その端部がフォーカス用ステッピングモータ(不図示)の出力軸に連結されている。フォーカス用ステッピングモータのフォーカスドライバ回路(不図示)にカメラ本体側からフォーカス信号が出力されると、フォーカス用ステッピングモータはその信号に対応した方向に送りねじを回転駆動する。これによって、第4レンズ群18が一対のガイドバー28に沿って光軸方向に前後移動され、焦点が合わされる。
次に、防振機構の構造について説明する。
図2は、防振レンズ16を装備した筐体36を後方から見た斜視図であり、図3は、図2に示した筐体36からアクチュエータを除いた斜視図である。また、図4は、図3の筐体36を光軸L方向に見た図であり、図5は、図4からレンズ保持枠50を取り外した状態を示している。また、図6は、防振機構の主要部のみを示す斜視図である。
これらの図に示す第3レンズ群(ここでは便宜上、防振レンズと称する)16は、レンズ保持枠50に保持され、このレンズ保持枠50は撮影光軸Lに直交する面内で、異なる二方向に移動自在に支持される。ここで、防振レンズ16の移動方向をX方向(図2〜図5の横方向)、Y方向(図2〜図5の縦方向)とする。また、防振レンズ16をX方向に移動させる機構をX移動機構、Y方向に移動させる機構をY移動機構と称する。
まず、X移動機構について説明する。
図5に示すように、筐体36には固定ガイドバー60が取り付けられている。固定ガイドバー60は、X方向に配置され、その両端部が筐体36に固定されている。固定ガイドバー60には、L状に形成されたスライダ54の上辺部が係合される。スライダ54の上辺部にはX方向にガイド孔(不図示)が形成されており、このガイド孔に固定ガイドバー60が挿通されることによって、スライダ54がX方向にスライド自在に支持される。
スライダ54の左辺部には、移動ガイドバー52が取り付けられている。移動ガイドバー52は、Y方向に配置され、スライダ54の嵌合部55、55に嵌め込まれることによって、スライダ54に固定されている。図4に示すように、移動ガイドバー52には、レンズ保持枠50のガイド部56、56が係合されている。レンズ保持枠50のガイド部56、56は、スライダ54の嵌合部55、55の外側(すなわち、図4の上側及び下側)に配置されており、このガイド部56、56には角孔(不図示)がY方向に形成されている。この角孔に円柱状の移動ガイドバー52が挿通されることによって、レンズ保持枠50がスライダ54に係合される。これにより、レンズ保持枠50は、移動ガイドバー52に沿ってY方向にスライドすることができ、かつ、X方向にはスライダ54と一体で移動するように構成される。図2に示すように、移動ガイドバー52の下端部52Aは、筐体36の下面に形成されたX方向の長孔36Aに係合されており、これによって、スライダ54が光軸L方向に振れることが防止される。
前述したスライダ54の上辺部には、図2に示すように、平面状のモータコイル(商品名「ファインパターンコイル」(登録商標))62が固定され、このモータコイル62の下面にフレキシブルプリント基板(以下、フレキと称する)64の出力端が接着固定される。モータコイル62は、防振レンズ16の外側周辺でX方向に配設されており、また、フレキ64にはホール素子等の位置センサ66が位置決めされて固着されている。
フレキ64は、モータコイル62からX方向に引き出され、筐体36の側面開口68を介して筐体36の外部に引き出される。外部に引き出されたフレキ64は、U状に湾曲されて筐体36の上面に貼り合わされた後、折り返されて重ねられ、さらにレンズ鏡胴本体11(図1参照)の所定の位置からレンズ鏡胴本体11の外部に引き出される。引き出されたフレキ64は、電源供給や防振レンズ16の動作制御を行うユニットに接続される。なお、筐体36の側面開口68は、図3に示すようにスリット70を介して筐体36の端面に連通されており、このスリット70にフレキ64を通すことによってフレキ64が側面開口68の内部に配置される。
モータコイル62の外側には、マグネット72がモータコイル62に対向して配置される。マグネット72は、二つのマグネット片72A、72BをX方向に配置することによって矩形の板状に形成されており、S極とN極がX方向に並ぶように、かつ、その上面と下面においてもS極とN極が異なるように構成される。前述した位置センサ66は、マグネット72のX方向の中央部(すなわち、マグネット片72A、72Bの境界部)に対向して配置され、磁場の変化を検出し、その検出した信号を、フレキ64を介して前記ユニットに出力する。
マグネット72の外側には、ヨークとなる金属板(不図示)が設けられる。金属板は、マグネット72の磁力によってマグネット72に吸着される。また、金属板は、マグネット72よりも大きな矩形状に形成されており、その四つの縁部がマグネット72から突出した状態で取り付けられる。筐体36の外面には、金属板の大きさの凹部が形成され、さらにその内側にマグネット72の大きさの開口74が貫通して形成されており、筐体36の凹部に金属板が収納されるとともに開口74にマグネット72が収納される。
モータコイル62の内側には、ヨークとなる金属板76がモータコイル62に対向してX方向に配置される。この金属板76は、その一端が前記スリット70に差し込まれ、その他端が筐体36に形成された溝78に差し込まれることにより筐体36に固定される。
上記の如く構成されたX移動機構は、マグネット72及び2枚の金属板(一方は不図示)76によって形成される磁界内にモータコイル62が配設されるので、モータコイル62に通電することによって、モータコイル62及びそれを支持するスライダ54がX方向に力を受ける。したがって、スライダ54及びレンズ保持枠50がX方向に移動され、よって、防振レンズ16がX方向に移動される。以上がX移動機構の構造である。
次に、Y移動機構について説明する。
図5に示すように、筐体36には固定ガイドバー90が取り付けられている。固定ガイドバー90は、Y方向に配置され、その両端部が筐体36に固定されている。固定ガイドバー90には、L状に形成されたスライダ84の上辺部が係合される。スライダ84の上辺部にはY方向にガイド孔(不図示)が形成されており、このガイド孔に固定ガイドバー90が挿通されることによって、スライダ84がY方向にスライド自在に支持される。
スライダ84の下辺部には、移動ガイドバー82が取り付けられている。移動ガイドバー82は、X方向に配置され、スライダ84の嵌合部85、85に嵌め込まれることによって、スライダ84に固定されている。図4に示すように、移動ガイドバー82には、レンズ保持枠50のガイド部86、87が係合されている。レンズ保持枠50のガイド部86は、スライダ84の嵌合部85、85の間に配置されるとともに、X軸に直交する断面が、光軸Lの一方側に開口された凹状に形成されている。一方、ガイド部87は、嵌合部85、85の外側に配置されるとともに、X軸に直交する断面が、外側(図の下側)に開口された凹状に形成されている。これらのガイド部86、87に移動ガイドバー82が差し込まれることによって、レンズ保持枠50がスライダ84に係合される。これにより、レンズ保持枠50は、移動ガイドバー82に沿ってX方向にスライドすることができ、かつ、Y方向にはスライダ84と一体で移動するように構成される。
図6に示すように、スライダ84にはガイド部83が設けられている。ガイド部83は、スライダ84の下辺部の先端部(左端部)に設けられ、且つ、先端側(左側)が開口された凹状に形成されている。このガイド部83には、ガイドバー88が差し込まれ、摺動自在に係合される。ガイドバー88は、Y方向に配置されるとともに、その端部が筐体36(図5参照)に固定されている。これにより、スライダ84が光軸L方向に振れる(または倒れる)ことをガイドバー88によって防止することができる。
前述したスライダ84の右辺部には、図2に示すように、平面状のモータコイル(商品名「ファインパターンコイル」(登録商標))92が固定され、このモータコイル92の左面にフレキシブルプリント基板(以下、フレキと称する)94の出力端が接着固定される。モータコイル92は、防振レンズ16の外側周辺でY方向に配設されており、また、フレキ94にホール素子等の位置センサ96が位置決めされて固着されている。
フレキ94は、モータコイル92からY方向に引き出され、筐体36の側面開口98を介して筐体36の外部に引き出される。外部に引き出されたフレキ94は、U状に湾曲されて筐体の外側面に貼り合わされた後、折り返されて重ねられ、さらに筐体36の上面でフレキ64に重ねられた後、レンズ鏡胴本体11(図1参照)の所定の位置からレンズ鏡胴本体11の外部に引き出される。引き出されたフレキ94は、電源供給や防振レンズ16の動作制御を行うユニットに接続される。なお、筐体36の側面開口98は、スリット100を介して筐体36の端面に連通されており、このスリット100にフレキ94を通すことによってフレキ94が側面開口98の内部に配置される。
モータコイル92の外側には、マグネット102がモータコイル92に対向して配置される。マグネット102は、二つのマグネット片102A、102BをY方向に配置することによって矩形の板状に形成されており、S極とN極がY方向に並ぶように、かつ、その右面と左面においてもS極とN極が異なるように構成される。前述した位置センサ96は、マグネット102のY方向の中央部(すなわち、マグネット片102A、102Bの境界部)に対向して配置され、磁場の変化を検出し、その検出した信号を、フレキ94を介して前記ユニットに出力する。
マグネット102の外側には、ヨークとなる金属板(不図示)が設けられる。金属板は、マグネット102の磁力によってマグネット102に吸着される。また、金属板は、マグネット102よりも大きな矩形状に形成されており、その四つの縁部がマグネット102から突出した状態で取り付けられる。筐体36の外面には、金属板の大きさの凹部が形成され、さらにその内側にマグネット102の大きさの開口104が貫通して形成されており、この筐体36の凹部に金属板が収納されるとともに、開口104にマグネット102が収納される。
モータコイル92の内側には、ヨークとなる金属板106がモータコイル92に対向してY方向に配置される。この金属板106は、その一端が前記スリット100に差し込まれ、その他端が筐体36に形成された溝108に差し込まれることにより筐体36に固定される。
上記の如く構成されたY移動機構は、マグネット102及び2枚の金属板(一方は不図示)106によって形成される磁界内にモータコイル92が配設されるので、モータコイル92に通電することによって、モータコイル92及びそれを支持するスライダ84がY方向に力を受ける。したがって、スライダ84及びレンズ保持枠50がY方向に移動され、よって、防振レンズ16がY方向に移動される。以上が防振機構の構造である。
次に、本発明の特徴部分であるレンズ保持枠50のガイド部86、87について図7〜図9に従って説明する。図7はガイド部86、87を示す斜視図であり、図8、図9はそれぞれガイド部86、87をX方向に見た図である。
図8に示すように、レンズ保持枠50のガイド部86は、X方向に見た際に凹状に形成されており、光軸Lの一方側(図7、図8の下側)に開口されている。凹状のガイド部86の内側の両側面には凸条部86A、86Aが設けられる。凸条部86A、86Aは、光軸L方向に連続して突出形成されており、その断面形状は、円弧状に盛り上がった蒲鉾状になっている。凹状のガイド部86には、図8に二点鎖線で示す如く移動ガイドバー82が差し込まれ、凸条部86A、86Aに移動ガイドバー82が当接される。したがって、移動ガイドバー82は常に、両側の凸条部86A、86Aに点接触される。よって、移動ガイドバー82とガイド部86との接触面積が常に一定なので、移動ガイドバー82に沿ってレンズ保持枠50を移動させる際に、動作を安定させることができる。
また、ガイド部86は、その開口部が拡がるように形成されている。すなわち、ガイド部86は、平行に形成された側面86X、86Xと、開口側になるほど間隔が拡がるように形成された開口側の側面86Y、86Yとを備えている。したがって、移動ガイドバー82を凹状のガイド部86に差し込む際、側面86Y、86Yがガイドとなり、移動ガイドバー82を側面86X、86Xの間にスムーズに差し込むことができる。
一方、図9に示すように、レンズ保持枠50のガイド部87は、X方向に見た際に凹状に形成されており、Y方向で且つレンズ保持枠50に対して外向き(図7、図9の右向き)に開口されている。凹状のガイド部87の内側の両側面には凸条部87A、87Aが設けられる。凸条部87A、87Aは、Y方向に連続して形成されており、その断面形状は、円弧状に盛り上がった蒲鉾状になっている。凹状のガイド部87には、図9に二点鎖線で示す如く移動ガイドバー82が差し込まれ、凸条部87A、87Aに移動ガイドバー82が当接される。したがって、移動ガイドバー82は常に、両側の凸条部87A、87Aに点接触される。よって、移動ガイドバー82とガイド部87との接触面積が常に一定なので、移動ガイドバー82に沿ってレンズ保持枠50を移動させる際に、動作を安定させることができる。
また、ガイド部87は、その開口部が拡がるように形成されている。すなわち、ガイド部87は、平行に形成された側面87X、87Xと、開口側になるほど間隔が拡がるように形成された開口側の側面87Y、87Yとを備えている。したがって、移動ガイドバー82を凹状のガイド部87に差し込む際、側面87Y、87Yがガイドとなり、移動ガイドバー82を側面87X、87Xの間にスムーズに差し込むことができる。
上記の如く構成されたレンズ保持枠50は、以下のようにしてスライダ84に組み付けられる。
まず、図10に示すようにスライダ84に移動ガイドバー82とモータコイル92を取り付けてスライダ84のアッセンブリを組み立てる。その際、移動ガイドバー82は、スライダ84の嵌合部85、85に嵌め込んだ後、接着剤によって固定する。
次いで、スライダ84に固定された移動ガイドバー82に、レンズ保持枠50のガイド部87、ガイド部86を順に係合させる。その際、図10に示すように、レンズ保持枠50をスライダ84に対して斜めに立てた状態で(具体的にはガイド部86が移動ガイドバー82の上方に配置されるように)、ガイド部87を移動ガイドバー82に係合させる。そして、ガイド部87を移動ガイドバー82に係合させた後、レンズ保持枠50を倒すことによって、ガイド部86を移動ガイドバー82に係合させる。これにより、図11に示すように、移動ガイドバー82にレンズ保持枠50を係合させることができる。
このように本実施の形態のレンズ装置10は、レンズ保持枠50のガイド部86、87を凹状に形成したので、移動ガイドバー82をスライダ84に固定した後にレンズ保持枠50をスライダ84に組み付けることができる。したがって、たとえばスライダ84に丸孔を形成して移動ガイドバー82を挿通させる場合のようにスライダ84、レンズ保持枠50、移動ガイドバー82を同時に扱う必要がなく、レンズ保持枠50をスライダ84に簡単に組み付けることができる。また、本実施の形態によれば、移動ガイドバー82をスライダ84に予め接着剤で固定しておくことができるので、レンズ保持枠50を組み付ける際に接着剤を塗る必要がない。したがって、接着剤がレンズ保持枠50などの部材に付着することを防止できる。
また、本実施の形態では、ガイド部86、87の凹状の開口部を先広がり形状としたので、ガイド部86、87を移動ガイドバー82に容易に係合させることができる。
また、本実施の形態は、ガイド部86、87が凹状に形成されているので、移動ガイドバー82とレンズ保持枠50との間に過剰な拘束力が働くことがなく、レンズ保持枠50をスムーズに移動させることができる。
さらに、本実施の形態は、ガイド部86、87が異なる方向に開口されているので、ガイド部86、87を移動ガイドバー82に係合させた際、レンズ保持枠50をX方向、Y方向の両方向に確実に移動させることができる。すなわち、レンズ保持枠50をX移動機構によりX方向に移動させた場合には、ガイド部86、87がガイドとなって移動ガイドバー82に沿って確実にX方向に移動させることができ、スライダ84をY移動機構によりY方向に移動させた際には、ガイド部86によってレンズ保持枠50に駆動力を伝達することができ、レンズ保持枠50を確実にY方向に移動させることができる。
なお、上述した実施の形態では、移動ガイドバー82とガイド部86、87との係合機構に本発明を適用したが、移動ガイドバー52とガイド部56、56との係合機構に本発明を適用してもよい。すなわち、ガイド部56、56を異なる方向に開口した凹状に形成し、このガイド部56、56に移動ガイドバー52を係合させてもよい。
また、上述した実施形態は、凸条部86Aや凸条部87Aを断面円弧状に盛り上がった蒲鉾状に形成したが、凸条部86A、87Aの形状はこれに限定するものではなく、たとえば断面が三角形状であってもよい。
実施の形態に係るレンズ装置を示す側断面図 防振レンズを装備した筐体を後方から見た斜視図 図2の筐体からアクチュエータを除いた斜視図 図3の防振機構を光軸方向に見た図 図4の防振機構からレンズ保持枠を除いた図 筐体を除く防振機構の主要部品を示す斜視図 レンズ保持枠のガイド部を示す斜視図 図7のガイド部86をX方向に見た図 図7のガイド部87をX方向に見た図 レンズ保持枠の取付方法を示す説明図 レンズ保持枠の取付状態を示す斜視図
符号の説明
10…レンズ装置、11…レンズ鏡胴本体、12…第1レンズ群、14…第2レンズ群、16…第3レンズ群、18…第4レンズ群、50…レンズ保持枠、52…移動ガイドバー(移動軸に相当)、54…スライダ、56…ガイド部、60…固定ガイドバー(固定軸に相当)、82…移動ガイドバー(移動軸に相当)、83…ガイド部、84…スライダ、86…ガイド部(係合部に相当)、86A…凸条部、87…ガイド部(係合部に相当)、87…凸条部、88…ガイドバー、90…固定ガイドバー(固定軸に相当)

Claims (3)

  1. 筐体に横方向に固定された第1の固定軸に沿ってスライド自在に支持される第1のスライダと、前記筐体に縦方向に固定された第2の固定軸に沿ってスライド自在に支持される第2のスライダと、前記第1のスライダに縦方向に取り付けられた第1の移動軸に沿ってスライド自在に支持されるとともに前記第2のスライダに横方向に取り付けられた第2の移動軸に沿ってスライド自在に支持されるレンズ保持枠とを備え、前記第1、第2のスライダを前記筐体に対してスライドさせることによって、前記レンズ保持枠が光軸と直交する面内で移動するレンズ装置において、
    前記レンズ保持枠は、異なる二方向に開口された凹状の二つの係合部を備え、該二つの係合部に前記第1又は第2の移動軸が差し込まれて係合されることを特徴とするレンズ装置。
  2. 前記係合部は、凹状の開口部が拡がって形成されることを特徴とする請求項1に記載のレンズ装置。
  3. 前記凹状の係合部の内側の両側面には、前記第1又は第2の移動軸に直交する方向に連続して突出形成された凸条部が設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載のレンズ装置。
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