JP2008225260A - レンズ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガイドバーに沿って撮影光軸方向に移動自在に支持された移動レンズのレンズ保持枠であって、樹脂成型品のレンズ保持枠を円滑に移動させることができるレンズ装置を提供する。
【解決手段】樹脂成型品のレンズ保持枠35のホルダ部35に形成されたガイド孔43、45を連結するように、ホルダ部35の空隙部41内に、自己潤滑性のある黄銅製の直管状ブシュ47を取り付ける。このブシュ47は、位置決め用バー49によって撮影光軸Lと平行になるようにレンズ保持枠34のガイド孔43、45に予め固定される。このように固定されたブシュ47にガイドバー28を嵌挿すると、ブシュ47とガイドバー28との相対的な平行度が高くなっているため、また、レンズ保持枠34の撮影光軸L方向の移動は、実質的にガイドバー28に依存しているため、レンズ保持枠34はガイドバー28に沿って撮影光軸L方向に円滑に移動する。
【選択図】 図6
【解決手段】樹脂成型品のレンズ保持枠35のホルダ部35に形成されたガイド孔43、45を連結するように、ホルダ部35の空隙部41内に、自己潤滑性のある黄銅製の直管状ブシュ47を取り付ける。このブシュ47は、位置決め用バー49によって撮影光軸Lと平行になるようにレンズ保持枠34のガイド孔43、45に予め固定される。このように固定されたブシュ47にガイドバー28を嵌挿すると、ブシュ47とガイドバー28との相対的な平行度が高くなっているため、また、レンズ保持枠34の撮影光軸L方向の移動は、実質的にガイドバー28に依存しているため、レンズ保持枠34はガイドバー28に沿って撮影光軸L方向に円滑に移動する。
【選択図】 図6
Description
本発明はレンズ装置に係り、特に移動レンズを保持するレンズ保持枠が樹脂成型品であって、このレンズ保持枠をガイドバーに沿って光軸方向に移動させる構造のレンズ装置に関する。
レンズ装置の軽量化にともない、レンズ装置の構成部品は樹脂成型品が主流となってきており、例えばレンズを保持するレンズ保持枠も樹脂成型品であるものが多い。
ところで、レンズ装置を構成するレンズには、フォーカスレンズ等のように撮影光軸方向に移動することによりその機能を果たすレンズがある、その移動機構として、特許文献1の如く、撮影光軸と平行に配設されたガイドバーに、フォーカスレンズを保持した樹脂成型品のレンズ保持枠を移動自在に支持し、このガイドバーに沿ってレンズ保持枠を撮影光軸方向に移動させる機構のものが知られている。樹脂成型品のレンズ保持枠には、撮影光軸に対して平行になるようにガイド孔が形成されており、このガイド孔にガイドバーが挿入されてレンズ保持枠が撮影光軸方向に移動自在に支持される。
特開2003−337271号公報
しかしながら、樹脂成型品のレンズ保持枠は、金型で射出成型等により製造されるものなので、高精度に製造することは困難であり、よって、レンズ保持枠のガイド孔も撮影光軸に対して高い平行度で製造することは困難である。したがって、撮影光軸に対して平行度の低いガイド孔をガイドとして移動レンズを移動させた場合、その移動域においてガイド孔とガイドバーとの摩擦抵抗が高くなる部分が発生することは否めず、これによって、移動レンズが移動全範囲において円滑に移動することができなくなり、レンズ装置の光学性能が低下するという問題があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、ガイドバーに沿って撮影光軸方向に移動自在に支持された移動レンズのレンズ保持枠であって、樹脂成型品のレンズ保持枠を円滑に移動させることができるレンズ装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、前記目的を達成するために、レンズが樹脂成型品のレンズ保持枠に保持され、該レンズ保持枠に形成されたガイド孔に挿通されたガイドバーに沿って撮影光軸方向に移動自在に支持された移動レンズを有するレンズ装置において、前記レンズ保持枠のガイド孔には、撮影光軸と平行な金属製のブシュが取り付けられ、該ブシュに前記ガイドバーが嵌挿されていることを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、ガイドバーが挿入されるレンズ保持枠のガイド孔に金属製のブシュを取り付け、このブシュにガイドバーを嵌挿させてレンズ保持枠を撮影光軸方向に移動自在に支持させた。このブシュは、位置決め治具によって撮影光軸と平行にレンズ保持枠のガイド孔に予め固定されているため、ブシュとガイドバーとの相対的な平行度が高くなる。これによって、レンズ保持枠が樹脂成型品であってもレンズ保持枠は撮影光軸方向に円滑に移動する。ブシュとしては自己潤滑性のある黄銅製が好ましい。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記レンズ装置は、第1レンズ群、第2レンズ群、第3レンズ群、及び第4レンズ群からなる4群構成のレンズ装置であって、前記第1レンズ群は前玉レンズであり、第2レンズ群は撮影光軸方向に移動されるバリエータレンズであり、前記第3レンズ群は防振レンズであり、前記第4レンズ群は前記移動レンズであってフォーカスレンズであることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、4群レンズ構成のレンズ装置において、請求項1に記載の発明を適用した場合の好適なレンズ装置が示されている。このレンズ装置は光軸方向前方から後方に向けて、前玉レンズである第1レンズ群、焦点距離を変更するバリエータレンズである第2レンズ群、防振レンズである第3レンズ群、及び請求項1の移動レンズであってフォーカスレンズである第4レンズ群が配置されて構成されている。このような4群レンズ構成のレンズ装置において、フォーカスレンズの移動精度は、そのレンズ装置の光学的性能を大きく左右する要件である。よって、フォーカスレンズを撮影光軸方向に、請求項1の金属製のブシュを介して移動自在に案内する請求項2に記載の4群レンズ構成のレンズ装置によれば、フォーカスレンズのレンズ保持枠として樹脂成型品を用いても高い光学性能を得ることができる。
本発明に係るレンズ装置によれば、移動レンズのレンズ保持枠に形成されたガイド孔に、撮影光軸と平行な金属製のブシュを取り付け、このブシュにガイドバーを嵌挿させたので、レンズ保持枠が樹脂成型品であっても、レンズ保持枠は撮影光軸方向に円滑に移動する。
以下添付図面に従って、本発明に係るレンズ装置の好ましい実施の形態について詳説する。
図1には、実施の形態に係るレンズ装置10の側断面図が示されている。このレンズ装置10は、撮影光軸前方側(被写体側)から撮影光軸後方(撮像側)に向って第1レンズ群12、第2レンズ群14、第3レンズ群16、及び第4レンズ群18から構成されており、これらの第1乃至第4レンズ群12〜18を通過した被写体光は、色分解光学系を構成する色分解プリズム20を介して色分解プリズム20のR、G、Bの各出射端に設けられた撮像素子22、24、26に結像される。なお、このレンズ装置10が装備されるカメラ本体(不図示)には、撮像素子22、24、26から得られた撮像信号に所要の処理(ホワイトバランス、γ補正等)を施して所定形式の映像信号を生成する信号処理回路(不図示)等が搭載されている。
第1レンズ群12はいわゆる前玉レンズであり、第2レンズ群14は焦点距離を変更するバリエータレンズ、第3レンズ群16は手振れ等に起因する振動を打ち消す方向に駆動される防振レンズ、第4レンズ群18は焦点を調整するフォーカスレンズである。
これらの第1乃至第4レンズ群12〜18は、レンズ鏡胴本体11内に保持されている。また、レンズ鏡胴本体11内には、光軸と平行な一対のガイドバー28、30(図4、図5参照)が挿通配置されており、このガイドバー28、30に第2レンズ群14の保持枠32及び第4レンズ群18の保持枠34がそれぞれスライド移動自在に支持されるとともに、第3レンズ群16の筐体36がガイドバー28、30に固定されている。なお、筐体36をレンズ鏡胴本体11に直接固定してもよい。
第2レンズ群14には、ねじ送り装置を構成するナット(不図示)が設けられ、このナットに、同じくねじ送り装置を構成する送りねじ(不図示)が螺合連結されている。この送りねじは、光軸と平行に配設されるとともに、その端部がズーム用ステッピングモータ(不図示)の出力軸に連結されている。ズーム用ステッピングモータのズームドライバ回路(不図示)にカメラ本体側からズーム信号が出力されると、ズーム用ステッピングモータはその信号に対応した方向に送りねじを回転駆動する。これによって、第2レンズ群14がガイドバー28、30に沿って光軸方向に前後移動され、所望の焦点距離に調整される。
第4レンズ群18にも同様に、ねじ送り装置を構成するナット(不図示)が設けられ、このナットに、同じくねじ送り装置を構成する送りねじ(不図示)が螺合連結されている。この送りねじは、光軸と平行に配設されるとともに、その端部がフォーカス用ステッピングモータ(不図示)の出力軸に連結されている。フォーカス用ステッピングモータのフォーカスドライバ回路(不図示)にカメラ本体側からフォーカス信号が出力されると、フォーカス用ステッピングモータはその信号に対応した方向に送りねじを回転駆動する。これによって、第4レンズ群18がガイドバー28、30に沿って光軸方向に前後移動され、焦点が合わされる。
次に、防振機構の構造について説明する。
図2は、防振レンズ16を装備した筐体36を後方から見た斜視図であり、図3は、図2に示した筐体36からアクチュエータを除いた斜視図である。
これらの図に示すように、第3レンズ群(ここでは便宜上、防振レンズと称する)16は、レンズ保持枠50に保持され、このレンズ保持枠50は撮影光軸Lに直交する面内で、異なる二方向に移動自在に支持される。以下、防振レンズ16の移動方向をX方向(図2、図3の横方向)、Y方向(図2、図3の縦方向)とする。また、防振レンズ16をX方向に移動させる機構をX移動機構、Y方向に移動させる機構をY移動機構と称する。
まず、X移動機構について説明する。
レンズ保持枠50には、移動ガイドバー52が固定される。移動ガイドバー52は、Y方向に配設され、この移動ガイドバー52にスライダ54が係合される。スライダ54は、上辺部と左辺部から成るL字状に形成され、左辺部には二つのガイド部56、56が光軸方向に突出して形成される。各ガイド部56にはガイド孔(不図示)がY方向に形成され、これらのガイド孔に移動ガイドバー52が挿通される。これにより、スライダ54が移動ガイドバー52に沿ってY方向にスライド自在に係合される。したがって、レンズ保持枠50はスライダ54によってY方向にスライド自在に支持される。また、レンズ保持枠50はX方向の動きがスライダ54に規制され、スライダ54をX方向に移動した際にレンズ保持枠50もX方向に移動される。
なお、移動ガイドバー52の図中下端部52Aは、筐体36に形成されたX方向の長孔58に係合されており、これによって、レンズ保持枠50の倒れ(光軸方向に対する傾き)が防止される。
スライダ54の上辺部には、X方向のガイド孔(不図示)が形成されており、このガイド孔に固定ガイドバー60が挿通される。固定ガイドバー60は、X方向に配設され、その両端部は筐体36に固定される。これにより、スライダ54は、固定ガイドバー60に沿ってX方向にスライド自在に支持される。スライダ54をX方向にスライドさせることによって、スライダ54の左辺部に移動ガイドバー52を介して係合されたレンズ保持枠50がX方向にスライドされる。
また、スライダ54の上辺部には、平面状のモータコイル(商品名「ファインパターンコイル」(登録商標))62が固定され、このモータコイル62の下面にフレキシブルプリント基板(以下、フレキと称する)64の出力端が接着固定される。モータコイル62は防振レンズ16の外側周辺でX方向に配設されており、また、フレキ64にホール素子等の位置センサ66が位置決めされて固着されている。
フレキ64は、モータコイル62からX方向に引き出され、筐体36の側面開口68を介して筐体36の外部に引き出される。外部に引き出されたフレキ64は、外側に屈曲され、さらにV状(またはU状)の屈曲部が形成された後、レンズ鏡胴本体11(図1参照)の所定の位置からレンズ鏡胴本体11の外部に引き出される。引き出されたフレキ64は、電源供給や防振レンズ16の動作制御を行うユニットに接続される。なお、筐体36の側面開口68は、スリット70を介して筐体36の端面に連通されており、このスリット70にフレキ64を通すことによってフレキ64が側面開口68の内部に配置される。
モータコイル62の外側には、マグネット72がモータコイル62に対向して配置される。マグネット72は、矩形の板状に形成され、S極72AとN極72BがX方向に並ぶように配設される。前述した位置センサ66はマグネット72のS極72AとN極72Bとの境界部に対向して配置され、磁場の変化を検出し、その検出した信号を、フレキ64を介して前記ユニットに出力する。
マグネット72の外側には、ヨークとなる金属板(不図示)が設けられる。金属板は、マグネット72の磁力によってマグネット72に吸着される。また、金属板は、マグネット72よりも大きな矩形状に形成されており、その縁部がマグネット72から突出した状態で取り付けられる。筐体36の外面には、金属板の大きさの凹部が形成され、さらにその内側にマグネット72の大きさの開口74が形成されており、この筐体36の凹部に金属板が収納され、開口74にマグネット72が収納される。
モータコイル62の内側には、ヨークとなる金属板76がモータコイル62に対向してX方向に配置される。この金属板76は、その一端が前記スリット70に差し込まれ、その他端が筐体36に形成された溝78に差し込まれることにより筐体36に固定される。
上記の如く構成されたX移動機構は、マグネット72及び2枚の金属板(一方は不図示)76によって形成される磁界内にモータコイル62が配設されるので、モータコイル62に通電することによって、モータコイル62及びそれを支持するスライダ54がX方向に力を受ける。したがって、スライダ54及びレンズ保持枠50がX方向に移動され、よって、防振レンズ16がX方向に移動される。以上が防振機構の構造である。
次に、Y移動機構について説明する。
レンズ保持枠50には、移動ガイドバー82が固定される。移動ガイドバー82は、X方向に配設され、この移動ガイドバー82にスライダ84が係合される。スライダ84は、下辺部と右辺部から成るL字状に形成され、下辺部には二つのガイド部86、86が光軸方向に突出して形成される。各ガイド部86にはガイド孔(不図示)がX方向に形成され、これらのガイド孔に移動ガイドバー82が挿通される。これにより、スライダ84が移動ガイドバー82に沿ってX方向にスライド自在に係合される。したがって、レンズ保持枠50はスライダ84によってX方向にスライド自在に支持される。また、レンズ保持枠50はY方向の動きがスライダ84に規制され、スライダ84をY方向に移動した際にレンズ保持枠50もY方向に移動される。
スライダ84の右辺部には、Y方向のガイド孔(不図示)が形成されており、このガイド孔に固定ガイドバー90が挿通される。固定ガイドバー90は、Y方向に配設され、その両端部は筐体36に固定される。これにより、スライダ84は、固定ガイドバー90に沿ってY方向にスライド自在に支持される。スライダ84をY方向にスライドさせることによって、スライダ84の下辺部に移動ガイドバー82を介して係合されたレンズ保持枠50がY方向にスライドされる。
また、スライダ84の右辺部には、平面状のモータコイル(商品名「ファインパターンコイル」(登録商標))92が固定され、このモータコイル92の左面にフレキシブルプリント基板(以下、フレキと称する)94の出力端が接着固定される。モータコイル92は防振レンズ16の外側周辺でY方向に配設されており、また、フレキ94にホール素子等の位置センサ96が位置決めされて固着されている。
フレキ94は、モータコイル92からY方向に引き出され、筐体36の側面開口98を介して筐体36の外部に引き出される。外部に引き出されたフレキ94は、外側に屈曲され、さらにV状(またはU状)の屈曲部が形成された後、レンズ鏡胴本体11(図1参照)の所定の位置からレンズ鏡胴本体11の外部に引き出される。引き出されたフレキ94は、電源供給や防振レンズ16の動作制御を行うユニットに接続される。なお、筐体36の側面開口98は、スリット100を介して筐体36の端面に連通されており、このスリット100にフレキ94を通すことによってフレキ94が側面開口98の内部に配置される。
モータコイル92の外側には、マグネット102がモータコイル92に対向して配置される。マグネット102は、矩形の板状に形成され、S極102AとN極102BがY方向に並ぶように配設される。前述した位置センサ96はマグネット102のS極102AとN極102Bとの境界部に対向して配置され、磁場の変化を検出し、その検出した信号を、フレキ94を介して前記ユニットに出力する。
マグネット102の外側には、ヨークとなる金属板(不図示)が設けられる。金属板は、マグネット102の磁力によってマグネット102に吸着される。また、金属板は、マグネット102よりも大きな矩形状に形成されており、その縁部がマグネット102から突出した状態で取り付けられる。筐体36の外面には、金属板の大きさの凹部が形成され、さらにその内側にマグネット102の大きさの開口104が形成されており、この筐体36の凹部に金属板が収納され、開口104にマグネット102が収納される。
モータコイル92の内側には、ヨークとなる金属板106がモータコイル92に対向してY方向に配置される。この金属板106は、その一端が前記スリット100に差し込まれ、その他端が筐体36に形成された溝108に差し込まれることにより筐体36に固定される。
上記の如く構成されたY移動機構は、マグネット102及び2枚の金属板(一方は不図示)106によって形成される磁界内にモータコイル92が配設されるので、モータコイル92に通電することによって、モータコイル92及びそれを支持するスライダ84がY方向に力を受ける。したがって、スライダ84及びレンズ保持枠50がY方向に移動され、よって、防振レンズ16がY方向に移動される。以上が防振機構の構造である。
図4、図5には、ガイドバー28、30に沿って撮影光軸L方向に移動自在に支持された第4レンズ群(ここでは便宜上、フォーカスレンズと称する)18を保持するレンズ保持枠34が示されている。このレンズ保持枠34は、遮光性を有する黒色の樹脂材料からなる樹脂成型品であり、射出成型等によって製作されている。
図4に示すようにレンズ保持枠34には、ガイドバー28に係合するホルダ部35が一体に形成され、また、図5に示すようにガイドバー30に係合する突出部37が一体に形成されている。この突出部37には溝39が形成されており、この溝39の内壁面にはガイドバー30を線接触で挟持する一対の突起39A、39Aが形成されている。
一方、図4に示したホルダ部35は、図6の如く撮影光軸L方向に沿った平面視矩形の空隙部41を有し、その前端部にはガイド孔43が形成され、その後端部にも図4の如くガイド孔45が形成されている。これらのガイド孔43、45にガイドバー28が挿入されるため、これらのガイド孔43、45の中心軸は設計上合致するように、また、合致した中心軸は撮影光軸Lと平行になるように設計されている。しかしながら、レンズ保持枠34が樹脂成型品であるために、撮影光軸Lに対する前記中心軸の平行度は精度が低いものである。
そこで、これらのガイド孔43、45を連結するように、ホルダ部35の空隙部41内に、自己潤滑性のある黄銅製(金属製)の直管状ブシュ47が取り付けられている。
このブシュ47は、図6に示す位置決め用バー49によって撮影光軸Lと平行になるようにレンズ保持枠34のガイド孔43、45に予め固定される。すなわち、ブシュ47をガイド孔43、45に挿入した後、このブシュ47に位置決め用バー49を挿入する。この挿入動作によってブシュ47が、撮影光軸Lと平行になるようにその向きがガイド孔43、45内で矯正される。この後、ブシュ47をガイド孔43、45に接着剤によって接着し、接着後、ブシュ47から位置決め用バー49を引き抜く。
このように接着固定されたブシュ47にガイドバー28を嵌挿すると、ブシュ47とガイドバー28との相対的な平行度が高くなっているため、また、レンズ保持枠34の撮影光軸L方向の移動は、実質的にガイドバー28に依存しているため、レンズ保持枠34がガイドバー28に沿って撮影光軸L方向に円滑に移動するようになる。よって、レンズ保持枠34が樹脂成型品であっても、レンズ保持枠34はガイドバー28に沿って問題なく円滑に移動する。
一方で、実施の形態の4群レンズ構成のレンズ装置10において、撮影光軸Lの後方側に配置されたフォーカスレンズ18の移動精度は、そのレンズ装置10の光学的性能を大きく左右する要件である。よって、フォーカスレンズ18を撮影光軸L方向に、金属製のブシュを介して移動自在に案内する4群レンズ構成のレンズ装置10によれば、フォーカスレンズ18のレンズ保持枠34として樹脂成型品を用いても高い光学性能を得ることができる。
10…レンズ装置、11…レンズ鏡胴本体、12…第1レンズ群、14…第2レンズ群、16…第3レンズ群、18…第4レンズ群、20…色分解プリズム、22、24、26…撮像素子、28、30…ガイドバー、32、34、50…レンズ保持枠、35…ホルダ部、37…突出部、39…溝、41…空隙部、43、45…ガイド孔、47…ブシュ、49…位置決め用バー、62、92…平面状モータコイル、72、102…マグネット
Claims (2)
- レンズが樹脂成型品のレンズ保持枠に保持され、該レンズ保持枠に形成されたガイド孔に挿通されたガイドバーに沿って撮影光軸方向に移動自在に支持された移動レンズを有するレンズ装置において、
前記レンズ保持枠のガイド孔には、撮影光軸と平行な金属製のブシュが取り付けられ、該ブシュに前記ガイドバーが嵌挿されていることを特徴とするレンズ装置。 - 前記レンズ装置は、第1レンズ群、第2レンズ群、第3レンズ群、及び第4レンズ群からなる4群構成のレンズ装置であって、
前記第1レンズ群は前玉レンズであり、第2レンズ群は撮影光軸方向に移動されるバリエータレンズであり、前記第3レンズ群は防振レンズであり、前記第4レンズ群は前記移動レンズであってフォーカスレンズであることを特徴とする請求項1に記載のレンズ装置。
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