JP2009092283A - 空気調和機及び空気調和機の風向制御方法及びアクチュエータの制御方法 - Google Patents

空気調和機及び空気調和機の風向制御方法及びアクチュエータの制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】空気調和機の風向設定の煩わしさを改善するとともに高精度に気流を制御することで快適性を向上すること。
【解決手段】制御装置15は、空調対象空間の複数のエリア区画に0か1の2値のいずれかを設定し、空調の目標となるエリア区画を決定する目標エリア決定部21と、目標となるエリア区画に向けて、風向制御用ステッピングモーターのうち少なくとも一方を制御する際に、左右風向制御用ステッピングモーターは、二次元状に展開しているエリア区画群の中で奥行き方向に各エリア区画の論理和を各列毎に算出して得られる奥行き方向一次元データに基づき制御動作を行い、上下風向制御用ステッピングモーターは、エリア区画群の中で左右方向に各エリア区画の論理和を各行毎に算出して得られる左右方向一次元データに基づき制御動作を行うエリア風向制御部22と、を備える。
【選択図】図7

Description

この発明は、空気調和機および空気調和機の風向制御方法に関するものであり、特に室内が複数のエリアに区分され、その複数エリアの中で、特定のエリアに向けて風向を制御する方法に関するものである。更に、その応用として、機器や装置において最終的な機械的仕事に変換する機械要素であるアクチュエータの制御方法についても言及する。
従来の空気調和機では、使用者が所望する場所に空気調和機の吹出し気流を向ける場合、使用者が気流の状態を確かめながら、あるいは、気流の状態を想定しながら上下風向角度、左右風向角度を設定しなければならなかった。
また別の従来の空気調和機では、上述の課題を改善するために、空調対象とする室内空間が複数のエリアに区分されている中で、特定のエリアに向けて風向を制御する操作方法が開示されている。但し、この場合の風向制御方法は、特定のエリアを狙う場合の風向を予め一義的に定義しておき、目標とするエリアの全出現パターンについてこのように風向をどのように向けるかを予め決定してあるテーブルを参照することで実現していた(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−147120号公報(第5−7頁、第10図−第19図)
従来の空気調和機の風向制御方法では、使用者が空調したい場所に向けて考えながら風向を設定する必要があり、吹出し気流の流れを想定しながら設定しなければならないという煩わしさがあるという課題があった。
また、これを改善するため、風向を個別に設定するのではなく、室内のあるエリアを空調したいというように空調エリアを指定する(例えば、特許文献1の例)か、あるいは、空気調和機が自動的に空調エリアを判断し、内部的に空調目標エリアを設定するものがあった。しかし、このような空調したいエリアを指定する方法においては、使用者の操作性は改善されるものの、特定された空調エリアに対し風向を制御する際には、目標とするエリアの発生パターン毎に風向制御装置の設定値を予め決めておく方法しかなかった。
この方法の場合、空調エリアの区画数が小規模な場合には大きな問題はないが、空気調和機の吹出し気流をより高精度に制御するためにエリア区画数を大きくすると目標とするエリアの発生パターンが指数関数的に増大してしまうという課題があった。具体的にはエリア区画数が4エリアの場合には、二項係数による組み合わせの計算から目標とするエリア区画の発生パターン総数は16通り、同様にエリア区画数が6エリアの場合には64通り、エリア区画数が9エリアの場合には512通り、エリア区画数が15エリアの場合には32,768通りというように、エリア区画数が大きくなるに従って飛躍的に増大してしまう。エリア区画数が例えば上記したような15エリアの場合には、目標とするエリア区画の発生パターン全てについてどのように風向を決定するかを対応付けてテーブル化しようとしても、設定する際に人為的な誤りが発生する確率が極めて高くなり、ソフトウェアの品質が損なわれるという課題があった。また、そのテーブルをソフトウェアとして作成する際に貴重なマイコンの容量を圧迫するという課題があった。さらに、テーブルが大規模なために製品の開発に膨大な開発負荷・評価期間を要するという課題があった。
また、空気調和機の風向制御に限らず、機器や装置において、それらの作用空間が多数のエリアに区画され、この中から特定のエリア区画を目標として最終的な機械的仕事に変換する機械要素であるアクチュエータを動作させる場合であっても、作用空間のエリア区画数が大きい場合には、上記と同様な課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、使用者による風向設定の煩わしさを改善するとともに高精度に気流を制御することで快適性を向上することができ、またエリア区画数が大きくなっても貴重なマイコン容量を浪費せずに、ソフトウェアの品質を高度に保ちつつ、空気調和機の開発効率を向上することができる空気調和機及び空気調和機の風向制御方法を提供することを目的とする。更に、アクチュエータの制御方法を提供することを目的とする。
この発明に係る空気調和機は、
空気調和機本体と、
この本体の室内へ空気を吹出す吹出し口に設けられ、吹出し気流を上下方向に整流する上下風向制御板と、
上下風向制御板の角度を調節する上下風向制御用ステッピングモーターと、
本体の室内へ空気を吹出す吹出し口に設けられ、吹出し気流を左右方向に整流する左右風向制御板と、
左右風向制御板の角度を調節する左右風向制御用ステッピングモーターと、
少なくとも上下風向制御用ステッピングモーターと左右風向制御用ステッピングモーターとを制御する制御装置とを備え、
制御装置は、
当該空気調和機が設置された室内空間を区分する複数のエリア区画を二次元状に展開して成るエリア区画群の各エリア区画に0か1の2値のいずれかを設定し、エリア区画群の中で空調の目標とするエリア区画を決定する目標エリア決定部と、
空調の目標とするエリア区画に向けて、上下風向制御用ステッピングモーターと左右風向制御用ステッピングモーターとのうち、少なくともいずれか一方を制御する際に、左右風向制御用ステッピングモーターは、エリア区画群の中で奥行き方向に各エリア区画の論理和を各列毎に算出して得られる奥行き方向一次元データに基づき制御動作を行い、上下風向制御用ステッピングモーターは、エリア区画群の中で左右方向に各エリア区画の論理和を各行毎に算出して得られる左右方向一次元データに基づき制御動作を行うエリア風向制御部と、を具備するものである。
この発明の空気調和機は、空気調和機の風向を制御する際に目標とする空調エリア区画へ向けて空気調和機の吹出し気流を整流するような構成にしてあるので、空気調和機の使用者が空気調和機の吹出し気流を考えながら風向を設定する煩わしさがなくなるという効果を有する。また、ある特定の空調目標エリア区画に向けて空気調和機の風向を制御する際に、目標エリア区画の発生パターン毎にどのように風向を向けるのかを予め決定しておく風向テーブルを用いなくとも、それと同等の風向制御が実現できるように構成したので、貴重なマイコン容量を浪費せずに済むという効果を有する。
実施の形態1.
図1乃至図27は実施の形態1を示す図で、図1は空気調和機の断面図、図2は空気調和機の風向制御に関わる駆動部分の構造を示す風向制御駆動部構造図、図3は空気調和機の概観斜視図、図4は空気調和機の左右風向制御板の図示を省略した正面図、図5は空気調和機の上下風向制御板の図示を省略した正面図、図6は空気調和機本体が壁上部に取り付けられた部屋を示す図で、室内空間が15のエリア区画に分割された状態で空気調和機が認識していることを示す図、図7は空気調和機の制御装置を構成するマイクロコンピュータを示すブロック図、図8は空気調和機が室内空間を15のエリア区画に分割された状態で認識していることを真上から見た状態を示す図、図9は空気調和機の認識している15の二次元状のエリア区画から成るエリア区画群において、エリア区画A2とエリア区画E2の2つのエリア区画に人体が検出されたときに空気調和機が認識している状態を示す図、図10は空気調和機のエリア区画A2とエリア区画E2の2つのエリア区画に人体が検出されたときに左右風向制御用ステッピングモーターを駆動させる際の設定値を決める奥行き方向一次元データの作成状況を示す図、図11は空気調和機の左右風向制御板の動作を決定する左右風向設定表を示す図、図12は空気調和機の認識している15の二次元状のエリア区画から成るエリア区画群を左右方向に3つの領域に分割した状態を示す図、図13は空気調和機のエリア区画A2とエリア区画E2の2つのエリア区画に人体が検出されたときに上下風向制御用ステッピングモーターを駆動させる際の設定値を決める左右方向一次元データの作成状況を示す図、図14は空気調和機の上下風向制御板(左)6aと上下風向制御板(右)6bの動作を決めるための上下風向制御板(左)−(右)動作決定表を示す図、図15は空気調和機の上下風向制御板の動作を決定する上下風向設定表を示す図、図16は空気調和機のエリア区画A2とエリア区画E2の2つのエリア区画に人体が検出されたときの風向動作を示す斜視図、図17は空気調和機のエリア区画A2とエリア区画E2の2つのエリア区画に人体が検出されたときの左右風向制御板の図示を省略した正面図、図18は空気調和機のエリア区画A2とエリア区画E2の2つのエリア区画に人体が検出されたときの上下風向制御板の図示を省略した正面図、図19は空気調和機の空気調和機本体が壁上部に取り付けられた部屋を示す図で、エリア区画A2とエリア区画E2の2つのエリア区画に人体が検出されたときの空気調和機の風向動作状態を示す図、図20は空気調和機のエリア区画E1とエリア区画E3の2つのエリア区画に人体が検出されたときの風向動作を示す斜視図、図21は空気調和機のエリア区画E1とエリア区画E3の2つのエリア区画に人体が検出されたときの左右風向制御板の図示を省略した正面図、図22は空気調和機のエリア区画E1とエリア区画E3の2つのエリア区画に人体が検出されたときの上下風向制御板の図示を省略した正面図、図23は空気調和機の空気調和機本体が壁上部に取り付けられた部屋を示す図でエリア区画E1とエリア区画E3の2つのエリア区画に人体が検出されたときの空気調和機の風向動作状態を示す図、図24は空気調和機のエリア区画A1とエリア区画A3の2つのエリア区画に人体が検出されたときの風向動作を示す斜視図、図25は空気調和機のエリア区画A1とエリア区画A3の2つのエリア区画に人体が検出されたときの左右風向制御板の図示を省略した正面図、図26は空気調和機のエリア区画A1とエリア区画A3の2つのエリア区画に人体が検出されたときの上下風向制御板の図示を省略した正面図、図27は空気調和機の空気調和機本体が壁上部に取り付けられた部屋を示す図でエリア区画A1とエリア区画A3の2つのエリア区画に人体が検出されたときの空気調和機の風向動作状態を示す図である。
図1に示すように、空気調和機本体1はその内部に空気調和機本体1内部に空気を吸込み吹出す室内送風機2、吸込み空気に含まれている粉塵等を取り除くプレフィルター8、第1の室内熱交換器5a、第2の室内熱交換器5b、第3の室内熱交換器5c、第4の室内熱交換器5dを収納している。
空気調和機本体1の上面には室内空気を吸い込む吸込み口3が設けられる。空気調和機本体1の下方に設けられ、空気調和機本体1の左右方向即ち長手方向に延在する吹出し口4には、上下風向制御板6及び左右風向制御板7が備え付けられている。
室内送風機2は、室内ファンモーター(図示せず)により回転駆動される。これにより室内空気が吸込み口3から空気調和機本体1内に吸い込まれ、プレフィルター8により粉塵等が除去された室内空気が第1の室内熱交換器5a、第2の室内熱交換器5b、第3の室内熱交換器5c、第4の室内熱交換器5dを通過する際に熱交換され調和空気となる。
熱交換された調和空気はその後室内送風機2を通過し、吹出し口4に配置された左右風向制御板7及び上下風向制御板6により上下左右方向に整流され空気調和機本体1から室内空間へ吹出される。
また、本実施の形態1においては、空気温度を調節することができる空気調和機を例として取りあげているために吸込み空気の熱交換を行う第1の室内熱交換器5a、第2の室内熱交換器5b、第3の室内熱交換器5c、第4の室内熱交換器5dを収納している。但し、本発明は吹出し空気流の風向制御方法についての発明であるから、熱交換器を搭載することを必要とはしない、例えば空気清浄機のように熱交換器を搭載しない空気調和機においても適用可能であることは言うまでもない。
また、図2に示すように、上下風向制御板6及び左右風向制御板7は、各々左右に分割されており独立して動作することができる。上下風向制御板6は、上下風向制御板(左)6a及び上下風向制御板(右)6bから構成されている。上下風向制御板(左)6aは、上下風向制御板(左)リンク棒9aにより上下風向(左)制御用ステッピングモーター10aと連結されている。上下風向(左)制御用ステッピングモーター10aが回転駆動することで上下風向制御板(左)6aの角度が変化し、これにより空気調和機本体1から吹出される左側半分の気流の上下風向角度を調節して整流することができる。
同様に上下風向制御板(右)6bは、上下風向制御板(右)リンク棒9bにより上下風向(右)制御用ステッピングモーター10bと連結されている。上下風向(右)制御用ステッピングモーター10bが回転駆動することで上下風向制御板(右)6bの角度が変化し、これにより空気調和機本体1から吹出される右側半分の気流の上下風向角度を調節して整流することができる。
左右風向制御板7は、左右風向制御板(左)7a及び左右風向制御板(右)7bから構成されている。左右風向制御板(左)7aは、複数枚の風向制御板から構成されるが、左右風向制御板(左)リンク棒11aにより複数枚の風向制御板が連結され全て同じ動作を行う。左右風向制御板(左)リンク棒11aの先には左右風向(左)制御用ステッピングモーター12aが連結され、左右風向(左)制御用ステッピングモーター12aが回転駆動することで左右風向制御板(左)7aの角度が変化し、これにより空気調和機本体1から吹出される左側半分の気流の左右風向角度を調節して整流することができる。
同様に左右風向制御板(右)7bも複数枚の風向制御板から構成されるが、左右風向制御板(右)リンク棒11bにより複数枚の風向制御板が連結され全て同じ動作を行う。左右風向制御板(右)リンク棒11bの先には左右風向(右)制御用ステッピングモーター12bが連結され、左右風向(右)制御用ステッピングモーター12bが回転駆動することで左右風向制御板(右)7bの角度が変化し、これにより空気調和機本体1から吹出される右側半分の気流の左右風向角度を調節して整流することができる。
さらに、図3に示すように空気調和機本体1には、室内空間において人体が存在する位置を検出するための人体検知センサ14と、空気調和機の運転状態を使用者に知らせるための本体表示部13が備え付けられている。
本実施の形態1においては、動作を分かりやすくするために人体を検出した位置に向けて吹出し空気流を向けるという動作を例に挙げて説明するために人体検知センサ14を備えて、これを用いて空調する(空気調和する)エリア区画を指定している。なお、人体検知センサ14は人体から放射される赤外線を検知して人体を検出するような赤外線検出型センサでもよいし、画像を直接撮影してその撮影画像から人体を抽出するようなセンサであってもよく、特にその種類を限定するものではない。そもそも本発明は吹出し空気流の風向制御方法についての発明であるから、人体検知センサ14を搭載することは必須ではなく、例えばリモコンにより使用者が空調したいエリアを指定するような空気調和機においても適用可能である。本発明においては、空調するエリア区画の指定方法を限定するものではなく、上記した人体検知センサ14や使用者のリモコン操作に限らず他の方法によって空調するエリア区画が指定されてもよい。
また、図3乃至図5は空気調和機本体1が停止している状態を示す図である。図3は空気調和機本体1を立体的に見た斜視図である。図4は上下風向制御板(左)6a及び上下風向制御板(右)6bの動作状態を分かりやすくするために左右風向制御板7の図示を省略してある。図5は左右風向制御板(左)7a及び左右風向制御板(右)7bの動作状態を分かりやすくするために上下風向制御板6の図示を省略してある。
図6は空気調和機本体1が設置された部屋(室内)を示している。そして、その部屋の室内空間を奥行き方向3×左右方向5の15のエリア区画に分割した状態として空気調和機本体1が認識している状態を示している。ここで部屋の空間の奥行き方向とは、空気調和機本体1の長手方向に直交する方向を指し、左右方向とは、空気調和機本体1の長手方向に平行な方向を指す。この空気調和機では、室内空間を15のエリア区画に区分し、これら15のエリア区画を二次元状に展開してエリア区画群が構成されている。エリア区画群の15の各エリア区画は二次元状であり、このエリア区画群は、奥行き方向に3行、左右方向に5列の15の二次元状のエリア区画から構成されている。
空気調和機本体1に最も近い手前の行(以下、第1行)は、A1、B1、C1、D1、E1の5つのエリア区画から構成される。
空気調和機本体1から最も離れて位置する行(以下、第3行)は、A3、B3、C3、D3、E3の5つのエリア区画からなる。
第1行と第3行の間に位置する第2行は、A2、B2、C2、D2,E2の5つのエリア区画からなる。
A、B、C、D、Eは、この部屋の空間における列を示している。例えば、第A列というのは、A1、A2、A3の3つのエリア区画から構成されることを意味する。
空気調和機本体1を基準にすると、第A列は空気調和機本体1に向って最も左に位置する列、第C列は空気調和機本体1の正面に位置する列、第E列は空気調和機本体1に対し最も右に位置する列、第B列は第A列と第C列の中間に位置する列、第D列は第C列と第E列の中間に位置する列ということになる。
また、本実施の形態1においてはエリア区画群のエリア区画数を15としているが、この区画数は本発明が特に限定するものではなくその数については任意である。原理的にはエリア区画総数を多くすればするほど空気調和機から吹出される気流をよりきめ細かく高精度に制御することが可能となるので使用者にとって快適性がより向上することとなる。
ここで、本実施の形態1における空気調和機の空気調和機本体1内部に搭載されている制御装置15内に内蔵されたマイクロコンピュータ(以下、マイコン)の回路構成について図7を用いて説明する。図7において、制御装置15は、入力部16、CPU17、メモリ18、出力部19から構成される。
さらに、CPU17内部には人体検出判断部20、目標エリア決定部21、エリア風向制御部22が内蔵されている。
入力部16は、人体検知センサ14からの入力信号を受ける入力回路である。ここでは、人体検知センサ14以外の入力は省略しているが、当然のことながらこれに限定するものではなく、リモコン信号、室温検出センサ等の人体検知センサ14以外の信号入力があってもよい。
CPU17は、メモリ18に記憶されている内容を参照して各種の演算処理や風向判断等の様々な決定が行われる部分である。入力部16を通して入力された人体検知信号は、先ずCPU17内の人体検出判断部20に入力される。
ここでメモリ18は使用者が入力した空気調和機の運転の設定状態、また各種のプログラム、風向設定表等の動作定数等が記憶されている部分である。上記した15の二次元状のエリア区画から成るエリア区画群もこのメモリに予め設定されている。
CPU17の人体検出判断部20では、入力された人体検知信号に基づいて図6にて説明した15の二次元状のエリア区画から成るエリア区画群のどのエリア区画に人体が検出されたかを判断する。本発明は人体検出の方法に関するものではないのでその詳しい方法については説明を省略する。
目標エリア決定部21では、人体検出判断部20にて判断された人体を検出したエリア区画の結果を受けて、図6にて説明した15の二次元状のエリア区画から成るエリア区画群のどのエリア区画に向けて吹出し空気流を向けるかを決定する。即ち、空調の目標とするエリア区画を決定する。
エリア風向制御部22では、目標エリア決定部21にて決定された目標エリア区画に向けて空気調和機本体1からの吹出し気流を整流するために、上下風向(左)制御用ステッピングモーター10a、上下風向(右)制御用ステッピングモーター10b、左右風向(左)制御用ステッピングモーター12a、左右風向(右)制御用ステッピングモーター12bの各ステッピングモーターをどのように制御するかを決定し出力部19へその結果を引き渡す。
出力部19には、上下風向(左)制御用ステッピングモーター10a、上下風向(右)制御用ステッピングモーター10b、左右風向(左)制御用ステッピングモーター12a、左右風向(右)制御用ステッピングモーター12bが接続されている。各ステッピングモーターは、エリア風向制御部22により決定された動作内容に基づいて動作する。
各ステッピングモーターには、夫々上下風向制御板(左)6a、上下風向制御板(右)6b、左右風向制御板(左)7a、左右風向制御板(右)7bが連結されている。そして、各ステッピングモーターの動作回転量に応じて各々の風向制御板の角度が変更され、最終的に空気調和機本体1から目標とするエリア区画に向けて整流された気流が吹出される。
図7には本実施の形態1を説明するにあたって必要最小限の要素についてのみ記載しているが、これに限定するものではなく空気調和機の動作として必要な他の要素が搭載されていても本発明の趣旨を何ら損なうものではない。
次に本実施の形態1の空気調和機の動作について図8乃至図27を用いて説明する。
以上のように構成された空気調和機において、図6に示す空気調和機の認識する室内空間の15の二次元状のエリア区画から成るエリア区画群を図示すると図8のようになる。ここで、例えば、人体検出判断部20が、人体検出位置(この実施例においては人体検知センサ14により人の存在が検知された位置)がA2とE2の2つのエリア区画であると判断すると、目標エリア決定部21の判断結果は図9に示すようになる。即ち、A2とE2のエリア区画に“1”、それ以外の残りの13のエリア区画には“0”という値が設定されることとなる。
即ち、目標エリア決定部21は、メモリ18に予め記憶されているエリア区画群の各エリア区画に対して、空調の目標とするエリア区画には値“1”を設定し、目標としないエリア区画には値“0”を設定し、全てのエリア区画各々について“0”か“1”の2値のうちのどちらかの値のみを設定するように動作することで判断結果を出力する。なお、エリア区画群は上記のように予めメモリ18に設定されているものを使用してもよいが、制御装置15が、空気調和機が運転される度にエリア区画群を生成するようにしてもよい。
次にエリア風向制御部22では、目標エリア決定部21で決定された空調の目標エリア区画に向けて空気調和機本体1からの吹出し気流を整流するための上下風向制御板6、左右風向制御板7の設定角度、及び各風向制御板を決定した設定角度にするために必要な各ステッピングモーターの回転駆動量を決定する。
先ず、左右風向制御板7の設定角度を決定する方法を説明する。
エリア風向制御部22では、左右風向制御板7の設定角度を決定するために、図9の空調の目標とするエリア区画の設定状態を基に、図10に示す演算処理を行い左右風向制御板の動作を決定するためのデータを算出する。
このデータの算出方法は、エリア区画群の中で奥行き方向に各エリア区画の論理和を各列毎に算出することでなされる。ここで論理和とは、0か1の2値のうちどちらかの値のみをとる複数の数値群の中で、その数値群全てが0であれば0の結果を返し、その数値群の中の少なくともいずれか一つでも1であれば1の結果を返す演算処理を行う関数のことである。例えば、第A列を構成する3つのエリア区画A1、A2、A3に着目すると、A1=0、A2=1、A3=0の値となっている。従って第A列を構成する3つのエリア区画の値の論理和の演算結果は、A2が1の値であるから1という結果になる。
同様に第B列を構成する3つのエリア区画B1、B2、B3の値の論理和の演算結果は、3つのエリア区画の値が全て0であるから0となる。
以下第C列、第D列、第E列について同様の演算処理を行うと、最終的に図10の破線囲い内に示す結果となる。この破線囲い内のデータ値群を、図9に示すような2次元状に展開しているデータ群を図10に示すように奥行き方向に演算処理して一次元のデータ状態にすることから、奥行き方向一次元データ23と定義する。
次にエリア風向制御部22は、メモリ18に記憶格納されている図11に示す左右風向設定表を参照して、算出した奥行き方向一次元データ23の結果と合致するものをこの表の中から抽出して左右風向制御板7の最終的な設定角度を決定する。
図11の左右風向設定表は、奥行き方向一次元データ23の各列毎の値に応じて、左右風向制御板(左)7a及び左右風向制御板(右)7bの設定角度が規定されている一覧表であり、メモリ18に記憶格納されているものである。
図11に示す表において、番号2番から番号32番のように目標とするエリア区画が存在する場合、即ち少なくともいずれか一つの列に1の値がある場合にはその目標とするエリア区画へ向けて吹出し気流を整流するような風向角度が設定されているが、番号1番のように目標とするエリア区画がどこにも存在しない場合、即ちいずれの列も値が0である場合には、番号32番の全ての列に目標とするエリア区画が存在する場合、即ちすべての列の値が1である場合と同じように室内全体を空調できるような風向角度に設定してある。
また、番号22番のように3ヶ所以上の列で目標エリア区画が発生した場合(1の値である列が3列以上ある場合)にはそれらの中間を狙うような風向角度が設定されているが、目標とするエリア区画が存在する各列へ向けて交互に吹出し気流を整流するように左右方向にスイング動作を行わせるように設定してもよい。即ち、番号22番では第A列から第E列の順に1、0、1、0、1となっているから、左右風向制御板(左)7aは第A列と第C列へ向けて交互に吹出し気流を整流するようにスイング動作をさせ、左右風向制御板(右)7bを第C列と第E列へ向けて交互に吹出し気流を整流するようにスイング動作をさせるのである。
図10に示すように奥行き方向一次元データ23は第A列から第E列の順に、1、0、0、0、1という結果になっているので、図11の左右風向設定表では番号18番の行に記載されている内容に合致する。
番号18番では、左右風向制御板(左)7aの設定角度は左向き、左右風向制御板(右)7bの設定角度は右向きとなっており、メモリ18に予め記憶格納されている各設定角度に必要なステッピングモーターの回転駆動量に基づいて各々の結果に応じたステッピングモーターの回転駆動量を決定しこの結果を出力部19へ引き渡す。
出力部19では、エリア風向制御部22から引き渡された各々の左右風向制御用ステッピングモーターの回転駆動量に基づき、左右風向(左)制御用ステッピングモーター12a及び左右風向(右)制御用ステッピングモーター12bを回転駆動する。この結果、左右風向制御板(左)7a及び左右風向制御板(右)7bが目標とするエリア区画に向けて気流を整流することとなる設定角度に設定される。
次に上下風向制御板6の設定角度を決定する方法を説明する。
エリア風向制御部22は、上下風向制御板6の設定角度を決定するために、図8に示すエリア区画群の各エリア区画の配置状態を、先ず図12に示すように左領域、中央領域、右領域に分類する。
即ち、左領域は第A列と第B列の6つのエリア区画A1、A2、A3、B1、B2、B3から構成されている。中央領域は第C列の3つのエリア区画C1、C2、C3から構成されている。右領域は第D列と第E列の6つのエリア区画D1、D2、D3、E1、E2、E3から構成されている。
次にエリア風向制御部22は、各領域毎に左右方向に各エリア区画の論理和を各行毎に算出する。即ち目標エリア決定部21によりA2とE2のエリア区画が目標エリアと決定されているので、図13に示すように左領域では第1行の2つのエリア区画A1とB1はともに値が“0”であるからその論理和の演算結果は0となる。
同様に第2行の2つのエリア区画A2とB2は、A2=1、B2=0でありA2が“1”であるからその論理和の演算結果は1となる。
第3行の2つのエリア区画A3とB3はともに“0”であるからその論理和の演算結果は0となる。その結果、左領域の演算処理結果は、第1行から第3行の順に0、1、0、即ち図13の左側の破線囲い内の結果になる。この囲い内のデータ値群を、左領域内で各エリア区画のデータを各行毎に左右方向に演算処理して一次元のデータ状態にすることから、左右方向一次元データ(左領域)24と定義する。
同様にして右領域については、図13の右側の破線囲い内に示すような左右方向一次元データ(右領域)25が演算結果として得られる。
中央領域については、列が第C列の一つしかないので、第C列の3つのエリア区画C1、C2、C3のデータがそのまま左右方向一次元データ(中央領域)ということになる。
続いてエリア風向制御部22は、左領域、中央領域、右領域の3つの領域について、各々の領域内のすべてのエリア区画について論理和をとる演算処理を行い、各々の領域に目標とすべきエリア区画が存在するかどうかを判別する。
例えば、図13に示すように左領域内にはエリア区画A2が1であるから左領域は1、同様に中央領域は目標とするエリア区画が存在しないので0、右領域は1というように判別する。
エリア風向制御部22は、この判別結果に合致するものをメモリ18に記憶格納されている図14に示す上下風向制御板(左)−(右)動作決定表の中から抽出して各々の上下風向制御板6が担当する領域を決定する。図14は目標とするエリア区画が左領域、中央領域、右領域の各領域の中に存在しているかどうかを分類し、その分類毎に上下風向制御板(左)6a及び上下風向制御板(右)6bの動作を決定する上下風向制御板(左)−(右)動作決定表である。
この表中で右領域とは、右領域に存在する目標とするエリア区画へ向けて吹出す気流の整流を担当するという意味であり、即ち右領域の左右方向一次元データ(右領域)25を使用するという意味である。同様に左領域とは、左領域に存在する目標とするエリア区画へ向けて吹出す気流の整流を担当するという意味であり、即ち左領域の左右方向一次元データ(左領域)24を使用するという意味である。中央領域とは、中央領域に存在する目標とするエリア区画へ向けて吹出す気流の整流を担当するという意味であり、即ち中央領域の左右方向一次元データを使用するという意味である。
また左+中央領域とは、左領域と中央領域に存在する目標とするエリア区画へ向けて吹出す気流の整流を担当するという意味であり、即ち左領域の左右方向一次元データ(左領域)24と中央領域の左右方向一次元データとを行に沿って論理和演算処理を行った結果得られる左右方向一次元データを使用するという意味である。
同様に右+中央領域とは、右領域と中央領域に存在する目標とするエリア区画へ向けて吹出す気流の整流を担当するという意味であり、即ち右領域の左右方向一次元データ(右領域)25と中央領域の左右方向一次元データを行に沿って論理和演算処理を行った結果得られる左右方向一次元データを使用するという意味である。
また、図14に示す番号2番から番号8番のように、いずれかの領域に目標とするエリア区画が存在する場合(いずれかの欄に1の値がある場合)は、その領域が担当領域となるように設定されているが、番号1番のように目標とするエリア区画がいずれの領域にも存在しない場合(すべての欄が0の値である場合)には、番号8番の全ての領域に目標とするエリア区画が存在する場合(すべての欄が1の値である場合)のように室内領域全体を担当できるように設定されている。
いま、左領域=1、中央領域=0、右領域=1の結果であるので、図14の表の番号6番の行に記載されている内容がこれに合致する。番号6番では、上下風向制御板(左)6aは担当が左領域、上下風向制御板(右)6bは担当が右領域と指定されている。従って、上下風向制御板(左)6aは左領域の左右方向一次元データ(左領域)24を使用し、上下風向制御板(右)6bは右領域の左右方向一次元データ(右領域)25を使用する。
次にエリア風向制御部22は、各々の上下風向制御板6が使用する左右方向一次元データと合致するものをメモリ18に記憶格納されている図15に示す上下風向設定表から抽出し各々の上下風向制御板6の最終的な設定角度を決定する。
図15の上下風向設定表は左右方向一次元データの各行毎の値に応じて、上下風向制御板6の設定角度が規定されている一覧表であり、上下風向制御板(左)6a、上下風向制御板(右)6bの両方の上下風向制御板6について適用される表である。
表中の上下風向1番から上下風向5番とは、ここでは上下風向1番は水平方向に吹出す設定角度であり上下風向5番は最も下吹き角度となる設定角度であり、上下風向2番から上下風向3番はその番号順に上下風向1番と上下風向5番の間に設定される設定角度として記載している。
また、図15に示す表において、番号2番から番号8番のようにいずれかの行に目標とするエリア区画が存在する場合、即ち少なくともいずれかの行に1の値がある場合にはその行へ向けて吹出し気流を整流するような風向角度が設定されているが、番号1番のようにどの行においても目標とするエリア区画が存在しない場合、即ち全ての行が0の値である場合には、番号8番の全ての行に目標とするエリア区画が存在する場合、即ち全ての行が1の値である場合のように室内全体を空調するような風向角度が設定されている。
また、番号6番のように2ヶ所以上の行で目標とするエリア区画が存在する場合、即ち1の値である行が2行以上ある場合にはそれらの中間を狙うような風向角度が設定されているが、目標とするエリア区画が存在する各行へ向けて交互に吹出し気流を整流するように上下方向にスイング動作を行わせるように設定してもよい。即ち、番号6番では第1行から第3行の順に1、0、1となっているから、上下風向制御板6を第1行と第3行へ向けて交互に吹出し気流を整流するようにスイング動作をさせるのである。
いま、上下風向制御板(左)6aは左領域の左右方向一次元データ(左領域)24を使用し、左右方向一次元データ(左領域)24は第1行から第3行の順で0、1、0となっているから図15の表中の番号3番に合致する。番号3番には上下風向制御板6の設定角度は上下風向3番と指定されているので、上下風向制御板(左)6aは最終的にこの上下風向3番の設定角度に設定される。
同様にして上下風向制御板(右)6bは右領域の左右方向一次元データ(右領域)25を使用し、その値は0、1、0であるから図15の表中の番号3番に指定されている上下風向3番の設定角度に設定される。
設定角度が決定されるとエリア風向制御部22は、メモリ18に予め記憶格納されている各設定角度に必要なステッピングモーターの回転駆動量に基いて各々の結果に応じたステッピングモーターの回転駆動量を決定しこの結果を出力部19へ引き渡す。
出力部19ではエリア風向制御部22から引き渡された各々の上下風向制御用ステッピングモーターの回転駆動量に基き、上下風向(左)制御用ステッピングモーター10a及び上下風向(右)制御用ステッピングモーター10bを回転駆動する。この結果上下風向制御板(左)6a及び上下風向制御板(右)6bが目標とするエリア区画に向けて気流を整流することとなる設定角度に設定される。
因みに、図12乃至図14に示すように二次元状に展開している複数のエリア区画を左領域、中央領域、右領域の複数の領域に分類し、図14に示す判断処理によって最終的な上下風向制御板(左)6a及び上下風向制御板(右)6bの設定角度を決定するようにしているのは、上下風向制御板6が複数存在しているため、例えば目標エリア区画が1ヶ所の場合には全上下風向制御板6にてそのエリア区画を狙うように動作させ、あるいは異なる2ヶ所が目標エリア区画となった場合には各々の上下風向制御板6によって吹き分けを行うというような動作ができるようにするためである。
以上のような処理を経て最終的に上下風向制御板(左)6aおよび上下風向制御板(右)6bと左右風向制御板(左)7a及び左右風向制御板(右)7bとの全ての風向制御板の設定角度が決定される。この風向動作状態を斜視図で示したものが図16である。左右風向制御板7の図示を省略したものが図17である。上下風向制御板6の図示を省略したものが図18である。
これら3つの図に図示されているように、上下風向制御板(左)6aおよび上下風向制御板(右)6bは、ともに水平吹きと下吹きの中間に位置するような角度に設定される。左右風向制御板(左)7a及び左右風向制御板(右)7bは各々空気調和機本体1の中心から外側へ向って位置する設定角度に設定される。その結果空気調和機本体1から吹出される気流は図示した矢印のようにやや下方向外側へ向かって吹出すこととなる。
図19はこれを室内空間において図示したものである。図19より、人体位置が検出された、即ち目標とするA2とE2の2つのエリア区画に向けて吹出し気流が整流されていることが分かる。
図20乃至図23は、同様にしてE1とE3の2つのエリア区画に人体位置が検出された場合の結果を図示している。この場合上下風向制御板(左)6a及び上下風向制御板(右)6bは図14の上下風向制御板(左)−(右)動作決定表の番号2番の指定にしたがって、共に右領域の左右方向一次元データ(右領域)25をそのまま使用し双方とも同じ上下風向角度に設定して空気調和機本体1からの吹き出し気流を整流してもよいが、エリア風向制御部22の上下風向制御板(左)−(右)動作決定表を用いた判断処理の後に次に示す簡単な判断処理をもう一階層追加することで、よりきめ細かい気流制御を行うことが可能となり快適性をさらに向上させることができる。
その簡単な判断処理とは、全ての目標エリア区画が一つの領域内にのみ存在しそれ以外の領域には存在しない場合、目標とするエリア区画が存在する領域と同じ側の上下風向制御板6は空気調和機本体1に近い側の目標エリア区画へ向けて吹き出し気流を整流するように動作させ、目標とするエリア区画が存在する領域と反対側の上下風向制御板6は空気調和機本体1から遠い側の目標エリア区画へ向けて吹き出し気流を整流するように動作させるものである。
E1とE3の2つのエリア区画に人体位置が検出された場合、目標とするエリア区画E1とE3は全て右領域側に存在するエリア区画であり、その他の領域即ち中央領域と左領域には目標とするエリア区画は存在しない。
また、目標とするエリア区画が存在する右領域と同じ側の上下風向制御板6とは上下風向制御板(右)6bであり、したがって上下風向制御板(右)6bは空気調和機本体1に近い側の目標エリア区画であるE1へ向けて吹き出し気流を整流するように制御される。
一方目標とするエリア区画が存在する右領域と反対側の上下風向制御板6とは上下風向制御板(左)6aであり、したがって上下風向制御板(左)6aは空気調和機本体1から遠い側の目標エリア区画であるE3へ向けて吹き出し気流を整流するように制御される。
即ちエリア風向制御部22は、左右方向一次元データ(右領域)25にのみ着目し、左右方向一次元データ(右領域)25は第1行から第3行の順に1、0、1という値となっているので上下風向制御板(右)6bには第1行から第3行の順に1、0、0という仮の左右方向一次元データを割り当て、上下風向制御板(左)6aには第1行から第3行の順に0、0、1という仮の左右方向一次元データを割り当てる。そしてこれらの仮の左右方向一次元データを図15の上下風向設定表に照らし合わせて各々の上下風向角度を設定するのである。
図15の上下風向設定表によれば、第1行から第3行の順に1、0、0というデータ値群は番号5番に合致する。番号5番は、上下風向制御板6の設定角度を上下風向5番にすると指定されているので上下風向制御板(右)6bは上下風向5番に設定される。
同様に第1行から第3行の順に0、0、1というデータ値群は番号2番に合致する。番号2番は、上下風向制御板6の設定角度を上下風向1番にすると指定されているので上下風向制御板(左)6aは上下風向1番に設定されることとなる。
以上の処理の結果、最終的に図20乃至図23に図示した空気調和機本体1からの吹き出し気流を示す矢印のように、空気調和機本体1からの吹き出し気流の右側半分は、上下風向制御板(右)6bと左右風向制御板(右)7bによりエリア区画E1へ向けて整流される。
空気調和機本体1からの吹き出し気流の左側半分は、上下風向制御板(左)6aと左右風向制御板(左)7aによりエリア区画E3へ向けて整流され、目標とするE1とE3の2つのエリア区画に向けて吹出し気流が適切に吹き分けて整流されていることが分かる。
また、このケースの場合、各上下風向制御板6が担当するエリア区画を奥行き方向で分けて分担させているが、目標とするエリア区画が隣り合わせで並んでいるケースのように、場合によっては左右方向に担当するエリア区画を分けて分担させてもよい。
同様に図24乃至図27はA1とA3の2つのエリア区画に人体位置が検出された場合の結果を図示している。この場合、左領域にのみ目標とするエリア区画が存在しそれ以外の領域には目標とするエリア区画が存在しないので、左領域と同じ側の上下風向制御板(左)6aはエリア区画A1ヘ向けて、左領域と反対側の上下風向制御板(右)6bはエリア区画A3へ向けて整流するように風向角度が設定される。その結果、最終的に図24乃至図27に図示した空気調和機本体1からの吹き出し気流を示す矢印のように、空気調和機本体1からの吹き出し気流の左側半分は上下風向制御板(左)6aと左右風向制御板(左)7aによりエリア区画A1へ向けて整流される。空気調和機本体1からの吹き出し気流の右側半分は、上下風向制御板(右)6bと左右風向制御板(右)7bによりエリア区画A3へ向けて整流される。従って、目標とするA1とA3の2つのエリア区画に向けて吹出し気流が適切に吹き分けて整流されていることが分かる。
また、図示しないが目標とするエリア区画が複数存在し、なおかつそれらが離れて存在しているような複雑な配置状況であったとしても、それらの重心へ向けて整流するような動作となるので、適度な冗長性を持たせることができ快適性を損なわないようにすることができる。
例えば、エリア区画A2、B1、D2、E3の4つのエリア区画が目標エリア区画であった場合、上下風向制御板(左)6aは図14及び図15の表によると上下風向4番に設定され、同様に上下風向制御板(右)6bは上下風向2番に設定される。左右風向制御板(左)7a及び左右風向制御板(右)7bも同様に図11の表によると左右風向制御板(左)7aが左中向きに設定され、左右風向制御板(右)7bが右中向きに設定されることとなり、総合的に空気調和機本体から吹出される気流の左半分はA2とB1のエリア区画の重心へ向けて整流される。同様に吹出し気流の右半分はD2とE3のエリア区画の重心へ向けて整流されることとなる。その結果、どの目標エリア区画にも気流が行き届くようにすることができるので各目標エリア区画に存在する使用者への快適性が損なわれることがない。
なお、この実施例においては上下風向制御板(左)6a、上下風向制御板(右)6bがそれぞれ1枚で構成されているが、それぞれを吹出し口4の上下に分かれ互いが前後にずれて配置される2枚から成るようにしてもよい。上下風向制御板6を上下風向制御板(左)6aが2枚、上下風向制御板(右)6bが2枚の計4枚で構成するということである。さらに、このように4枚から構成した上下風向制御板6において、上下風向制御板6の4枚それぞれを独立して動作できるように、即ち、4つの上下風向制御用ステッピングモーター10を具備し、上下風向制御板6の4枚それぞれが互いに異なる上下風向制御用ステッピングモーター10に連結され、4枚が独立して制御されるように構成すれば、目標エリア区画に向けたよりきめ細かな風向制御が可能となる。
以上のように本実施の形態1では、空気調和機が設置された室内空間を区画する複数のエリア区画を二次元状に展開して成るエリア区画群の各エリア区画に対して、目標エリア決定部21が空調の目標とするエリア区画ではない場合には0、空調の目標とするエリア区画の場合には1というように2値のいずれかを設定し、空調の目標とするエリア区画を決定するようにしたので、空気調和機の使用者が空気調和機の吹出し気流の状態を考え、あるいは想定しながら風向設定をすることが不要となり操作性が大幅に改善されるという効果を有する。本実施の形態1ではこの目標エリア決定部21への入力データの例を人体検知センサ14の出力結果として挙げてきた。
また、エリア風向制御部22が空調の目標とするエリア区画に向けて各風向制御板をどのように設定すべきかを判断するようにしているので、目標エリア区画の発生パターンに応じた風向設定について全てを網羅した膨大な風向設定テーブルを使用せずにエリア区画数が15のエリア区画のように大規模なエリア区画数においても精度よく吹出し気流を制御することができ快適性を向上することができるという効果を有する。
さらに詳しく説明すると、目標エリア区画の発生パターンに応じた風向設定について全てを網羅した風向設定テーブルを作成して動作させようとすると、A1が目標エリア区画となった場合の各風向設定、A2が目標エリア区画となったときの各風向設定、A1とA2が目標エリア区画となった場合の風向設定、A1とA2とA3が目標エリア区画となった場合の風向設定というように目標エリア区画の全発生パターンについて各風向制御板の風向設定を規定したテーブルを作成することになり、エリア区画総数が15エリア区画の場合にはその総数は32,768通りであるので、32,768通り分の風向設定を規定しておかなければならなかった。本実施の形態1ではこの膨大な風向設定テーブルを使用しないで精度よく吹出し気流を制御することができるということになる。
なお、図11の左右風向設定表、図15の上下風向設定表、図14の上下風向制御板(左)−(右)動作決定表は、冷房運転モード用、暖房運転モード用、あるいは、目標エリア区画へ向けて整流する風あてモード用、目標エリア区画へ向けて気流がやや避けるように整流する風よけモード用のように複数種類用意してもよい。この場合には各々の運転モードに応じたよりきめ細かな気流制御が可能となり快適性がさらに向上される。そして目標とするエリア区画に対して空気調和機から吹き出される気流を向けるようにしているので空調する必要のないエリア区画に気流が吹くことがなく、無駄な空調エネルギーを浪費しないようにすることができるという省エネ効果も有する。
また、目標エリア区画の発生パターンに応じた風向設定について全てを網羅した膨大な風向設定テーブルを必要とせずに動作させるようにしているため、エリア区画数が大規模になっても風向を設定する際の人為的な誤りを排除することができるので空気調和機のソフトウェアの品質を高めることができるとともに、空気調和機の開発に膨大な開発負荷・評価期間を要することがなくなる。そのため空気調和機の開発を効率的に行うことができ開発期間を縮減することができるという効果を有する。
また、目標エリア区画の発生パターンに応じた風向設定について全てを網羅した膨大な風向設定テーブルを必要とせずに動作させるようにしているため、風向設定テーブルを格納するためのマイコンの容量を大幅に減少させることができ、貴重なマイコンの容量を浪費させず、使用マイコンのコストを削減することができるという効果を有する。
また、空気調和機本体1から吹出される気流を整流するための風向制御板を上下風向制御板6、左右風向制御板7の双方について、吹出し気流の左半分の整流を担う左側風向制御板即ち上下風向制御板(左)6a及び左右風向制御板(左)7a、吹出し気流の右半分の整流を担う右側風向制御板即ち上下風向制御板(右)6b及び左右風向制御板(右)7bとに分割して左右方向にも独立して整流できるような構成とし、さらに図12に示されているようにエリア区画群を左右方向に3つの領域に分割して図14の上下風向制御板(左)−(右)動作決定表によりどのような目標エリア区画の発生状況においても適切な風向動作を行えることができるような構成にしているので、目標とする空調エリア区画が離れて存在するような配置状況にあっても各々の目標エリア区画に向けてより高精度に適切な整流を行うことができ快適性が損なわれることがないという効果を有する。
また一方で、目標エリア区画が複雑な配置状況にあったとしても、それらの重心に向って整流されるような適度な冗長性も持ち合わせているため快適性が損なわれることがないという効果を有する。
さらに、図20乃至図23で説明したようにエリア風向制御部22に上記した簡単な判断処理を追加することで、目標とするエリア区画の様々な配置状況に応じてよりきめ細かく適切な気流の整流が可能となるという汎用性も合わせ持つという効果を有する。
実施の形態2.
以上の実施の形態1では、目標エリア決定部21への入力データを人体検知センサ14の出力結果にするようにしたものであるが、次に空気調和機の使用者がリモコンにより所望する空調エリアを設定するような場合の実施の形態2を説明する。
図28、図29は実施の形態2を示す図で、図28は空気調和機の制御装置を構成するマイクロコンピュータを示すブロック図、図29は空気調和機のリモコンを示す図である。
なお、空気調和機の基本的構成は実施の形態1と同様であるので説明は省略する。また、実施の形態1と同一または相当部分には同じ符号を付し説明を省略する。
図28では、実施の形態1の図7における人体検知センサ14がリモコン26に、また図7における人体検出判断部20がリモコン受信内容解析部27に置き換わっただけである。その他の構成要素については実施の形態1の図7と同一でありその動作内容・効果において変わりはない。
図29に示すように、リモコン26の操作設定部には使用者が所望する空調エリアを選択するためのエリア設定部28を備える。
エリア設定部28は、空調エリアを全体として設定するためのエリア設定ボタン(全体設定)29a、空調エリアを空気調和機に対して左手前領域として設定するためのエリア設定ボタン(左前設定)29b、空調エリアを空気調和機に対して左奥領域として設定するためのエリア設定ボタン(左奥設定)29c、空調エリアを空気調和機に対して右手前領域として設定するためのエリア設定ボタン(右前設定)29d、空調エリアを空気調和機に対して右奥領域として設定するためのエリア設定ボタン(右奥設定)29eの5つの設定ボタンから構成されている。
これらのボタンは、各々一つだけを設定することも可能であるし、各々を同時に設定することもできる機能を有する設定ボタンである。使用者が各ボタンを一度押せば設定、もう一度押せば設定解除となる。また各々のエリア設定ボタンには使用者が直感的に設定空調エリアを想起できるように図29のボタン上に図示されているような図柄が印刷されている。この図柄はボタン上ではなく、ボタンの近傍に印刷されていてもよい。
次に以上のように構成された実施の形態2の空気調和機の動作について説明する。
使用者が図29に示すようなリモコン26のエリア設定部28を操作して所望する空調エリアを設定すると、図28に示すようにリモコン26からの信号が制御装置15の入力部16に受信されリモコン受信内容解析部27に伝達される。
リモコン26から入力部16への信号伝達手段は赤外線のように無線方式で伝達してもよいし、リモコン26が空気調和機本体1とリード線により接続され直接伝達するような有線方式での伝達手段でもよい。
リモコン受信内容解析部27は受信したリモコン信号を解析し、その信号の中で空調エリア設定に関する信号部分を抽出してその内容を目標エリア決定部21へ出力する。リモコン信号の中には空調エリア設定に関する以外の信号も含まれるが、例えば風量設定などのようにその設定内容に基づき空気調和機が動作するのは自明のことであり本発明に直接関係するものではないのでここでは説明を省略する。
そして目標エリア決定部21は、入力された空調エリア設定情報に基づき実施の形態1で説明したように15のエリア区画から成るエリア区画群の各エリア区画について、目標とするエリア区画には1、目標としないエリア区画には0というようにデータ設定をすることで目標エリア区画の判断結果を出力する。
これは、実施の形態1において人体検出判断部20が決定判断して目標エリア決定部21に出力した人体検出エリア区画情報が、本実施の形態2においてはリモコン受信内容解析部27が解析出力した空調エリア設定状態の情報に置き代わっただけである。従って目標エリア決定部21以降の動作内容に関しては実施の形態1と全く同一に動作する。
以上のように、本実施の形態2では、空気調和機の使用者が空調したい領域を自ら設定できるようにしているので、実施の形態1の効果に加えて、人体検知センサのような高価な部品を使用しなくとも、使用者が空気調和機からの吹出し気流の状態を考え、想起しながら各風向設定を行う煩わしさが排除され、使用者が所望する空調エリアを設定することができ、その設定に応じた適切な吹出し気流を確実に実現することができるという効果を有する。
実施の形態3.
以上の実施の形態1、2では、空気調和機本体1からの吹出し気流を左半分の整流、右半分の整流を各々独立して制御できるように上下風向制御板6及び左右風向制御板7を左側と右側とに分割されているような構成の空気調和機のものであるが、次に上下風向制御板6及び左右風向制御板7が左側と右側とに分割されていない空気調和機を実施の形態3として説明する。
図30乃至図40は実施の形態3を示す図で、図30は風向制御に関わる駆動部分の構造を示す風向制御駆動部構造図、図31は空気調和機のエリア区画A3に人体が検出されたときに左右風向制御用ステッピングモーターを駆動させる際の設定値を決める奥行き方向一次元データと上下風向制御用ステッピングモーターを駆動させる際の設定値を決める左右方向一次元データの作成状況を示す図、図32は空気調和機の左右風向制御板の動作を決定する左右風向設定表を示す図、図33は空気調和機のエリア区画A3に人体が検出されたときの風向動作を示す斜視図、図34は空気調和機のエリア区画A3に人体が検出されたときの左右風向制御板の図示を省略した正面図、図35は空気調和機のエリア区画A3に人体が検出されたときの上下風向制御板の図示を省略した正面図、図36は空気調和機の空気調和機本体が壁上部に取り付けられた部屋を示す図で、エリア区画A3に人体が検出されたときの空気調和機の風向動作状態を示す図、図37は空気調和機のエリア区画E1に人体が検出されたときの風向動作を示す斜視図、図38は空気調和機のエリア区画E1に人体が検出されたときの左右風向制御板の図示を省略した正面図、図39は空気調和機のエリア区画E1に人体が検出されたときの上下風向制御板の図示を省略した正面図、図40は空気調和機の空気調和機本体が壁上部に取り付けられた部屋を示す図で、エリア区画E1に人体が検出されたときの空気調和機の風向動作状態を示す図である。
図30に示すように、上下風向制御板6は左右方向に分割されておらず1枚で構成されている。上下風向制御板6は、上下風向制御板リンク棒9により上下風向制御用ステッピングモーター10に連結されている。上下風向制御用ステッピングモーター10が回転駆動することで上下風向制御板6の角度が変化し、これにより空気調和機本体1から吹出される気流の上下風向角度を調節することができる。
また左右風向制御板7は、複数枚の風向制御板から構成されるが、複数枚の風向制御板は左右風向制御板リンク棒11により連結されている。左右風向制御板リンク棒11は左右方向に分割されておらず1つのリンク棒からなっているので左右風向制御板7は全て同じ動作を行う。左右風向制御板リンク棒11の先には左右風向制御用ステッピングモーター12が連結され、左右風向制御用ステッピングモーター12が回転駆動することで左右風向制御板7の角度が変化し、これにより空気調和機本体1から吹出される気流の左右風向角度を調節することができる。なお、本実施の形態3の空気調和機のこれ以外の基本的構成は実施の形態1と同様であるので説明は省略する。また、実施の形態1と同一または相当部分には同じ符号を付し説明を省略する。
また、本実施の形態3における空気調和機の空気調和機本体1内部に搭載されている制御装置15に内蔵されたマイコンの回路構成については、実施の形態1では図7に示しているように、上下風向制御板及びその風向角度を変更するための上下風向制御用ステッピングモーターが左半分気流整流用と右半分気流整流用とに左右に分かれて2組搭載されているが、本実施の形態3では分かれておらず1組で構成されている点、同様に実施の形態1では左右風向制御板及びその風向角度を変更するための左右風向制御用ステッピングモーターが左半分気流整流用と右半分気流整流用とに左右に分かれて2組搭載されているが、本実施の形態3では分かれておらず1組で構成されている点が異なるだけであり、その他の構成については実施の形態1と同じ構成である。
次に以上のように構成された実施の形態3の空気調和機の動作について説明する。
例えば、A3(第A列、第3行)のエリア区画が目標とするエリア区画である場合、目標エリア決定部21は、図31に示すようにA3のエリア区画に“1”、それ以外のエリア区画には“0”という値を設定してエリア風向制御部22へ目標エリアの存在状況の結果を出力をする。
エリア風向制御部22は、このデータが入力されると上下風向制御板6の風向角度を決定するための左右方向一次元データ30と、左右風向制御板7の風向角度を決定するための奥行き方向一次元データ23を算出する。
この際、図31に示すように奥行き方向一次元データ23は、実施の形態1の空気調和機と同じ方法で算出され、図31の下側の破線囲い内に示す算出結果となる。
上下風向制御板6の風向角度を決定するための左右方向一次元データ30については、本実施の形態3の空気調和機においては、上下風向制御板6は左右に分割されておらず一枚で構成されているので、実施の形態1の空気調和機で左領域、中央領域、右領域のようにエリア区画群を複数の領域に分割して風向動作を考慮する必要はなく、全体で一つの左右方向一次元データ30を算出するだけでよい。複数の領域に分割されていないだけでエリア区画の論理和を各行毎に算出する算出方法については実施の形態1と同様である。したがって本実施の形態3の場合の左右方向一次元データ30は図31の右側の破線囲い内に示す算出結果となる。
次に左右風向制御板7の設定角度を決定する方法を説明する。
エリア風向制御部22は、左右風向制御板7が使用する奥行き方向一次元データ23と合致するものをメモリ18に格納されている左右風向設定表から抽出して左右風向制御板7の最終的な設定角度を決定する。
ここで左右風向設定表は実施の形態1の空気調和機においては図11に示すものが使用されていたが、本実施の形態3の空気調和機においては、左右風向制御板7が左右に分割されていないので図32に示す左右風向設定表が使用される。
A3(第A列、第3行)のエリア区画が目標とするエリア区画である場合、奥行き方向一次元データ23は図31に示すように第A列から第E列の順に1、0、0、0、0という結果になっているので図32の左右風向設定表の番号17番の行に記載されている内容に合致する。
番号17番では、左右風向制御板7の設定角度は左向きとなっており、エリア風向制御部22はメモリ18に予め記憶格納されているこの設定角度に必要なステッピングモーターの回転駆動量を決定しこの結果を出力部19へ引き渡す。
出力部19ではこのステッピングモーターの回転駆動量に基き左右風向制御用ステッピングモーター12を回転駆動し、この結果左右風向制御板7が目標とするエリア区画に向けて気流を整流することとなる設定角度に設定される。
因みに、図32において、目標とするエリア区画が単一の列上にのみ存在する場合は直接その列に向かうように設定されているが、複数列に同時に存在する場合には、本実施の形態3の空気調和機においては左右風向制御板が左右に分割されていないために吹き分けることができない。このためこのような場合には各列間を交互に吹くような左右方向スイング動作を行うように設定されている。
次に上下風向制御板6の設定角度を決定する方法を説明する。
エリア風向制御部22は、上下風向制御板6が使用する左右方向一次元データ30と合致するものをメモリ18に格納されている上下風向設定表から抽出して上下風向制御板6の最終的な設定角度を決定する。
ここで上下風向設定表は本実施の形態3においても、実施の形態1と同じ図15と同じものが適用できるし、左右風向制御板7の動作において説明したようにスイング動作を取り入れた上下風向設定表を使用してもよいが、ここでは実施の形態1と同じ図15を使用することとする。
また、実施の形態1においては上下風向制御板6が複数で構成されているために、図14の上下風向制御板(左)−(右)動作決定表を介してその後に図15の上下風向設定表により最終的な上下風向制御板6の設定角度を決定しているが、本実施の形態3の空気調和機においては上下風向制御板6は左右に分割されておらず一枚で構成されているので、図14の上下風向制御板(左)−(右)動作決定表を使用せずに直接図15の上下風向設定表により設定角度が決定される。
A3(第A列、第3行)のエリア区画が目標とするエリア区画である場合、左右方向一次元データ30は図31に示すように第1行から第3行の順に0、0、1というデータ値になっているので、図15の上下風向設定表の番号2番の行に記載されている内容に合致する。番号2番では上下風向制御板6の設定角度は上下風向1番となっており、エリア風向制御部22はメモリ18に予め記憶格納されているこの設定角度に必要なステッピングモーターの回転駆動量を決定しこの結果を出力部19へ引き渡す。
出力部19では、このステッピングモーターの回転駆動量に基き上下風向制御用ステッピングモーター10を回転駆動しこの結果上下風向制御板6が目標とするエリア区画に向けて気流を整流することとなる設定角度に設定される。
以上のような処理を経て最終的に上下風向制御板6と左右風向制御板7の全ての風向制御板の設定角度が設定される。この風向動作状態を斜視図で示したものが図33である。左右風向制御板7の図示を省略したものが図34である。上下風向制御板6の図示を省略したものが図35である。
これら3つの図に図示されているように、上下風向制御板6は水平吹き方向に位置する角度に設定される。左右風向制御板7は左方向に位置する角度に設定される。その結果、空気調和機本体1から吹出される気流は図示した矢印のように水平方向かつ左方向へ向って吹出すこととなる。
図36はこれを室内空間において図示したもので、空気調和機本体1から左遠方方向に位置する目標とするA3のエリア区画に向けて吹出し気流が適切に整流されていることが分かる。
図37乃至図40は同様にしてE1のエリア区画が目標とするエリア区画となった場合の結果を図示している。この場合、エリア風向制御部22の判断結果により上下風向制御板6は下吹き方向、左右風向制御板7は右方向に位置する設定角度に設定されるため、図示したように下吹き方向かつ右方向へ向って吹出すこととなり、空気調和機本体1の右方近辺に位置する目標とするE1のエリア区画へ向けて吹出し気流が整流されていることが分かる。
以上のように、本実施の形態3では、上下風向制御板6と左右風向制御板7を左右に分割せずに各々一組で構成するようにしているので、実施の形態1の効果に加えて、構造を簡略化することができ、製造コストを低減することができるという効果を有する。
なお、以上の実施の形態1乃至3に示す空気調和機では、吹出し口4が空気調和機本体1の左右方向に延在していたが、空気調和機本体1が、その長手方向が上下方向となる縦型に構成され、吹出し口4も上下方向に延在する形態であっても、本発明の風向制御が適用でき、同様な効果が得られる。
また、以上の実施の形態1乃至3は、空気調和機の風向制御に関するものであったが、所定の空間を対象域としてその空間に向かって送風し、その風向を制御することは空気調和機に限って行われるものでなく、そのような送風を行う送風機構を有する他の機器、例えばファンヒータ等の暖房専用機器、空気清浄機、除湿機、加湿器等に対しても本発明が有効に適用できることは言うまでもない。
さらに、上記はいずれも風向制御を対象としているが、本発明は制御の対象を風向のみと限定することなく、機器や装置において、複数のエリア区画の中から特定のエリア区画に向けて制御駆動モーター等のアクチュエータ(制御アクチュエータ)を制御する場合にも適用できる。ここでアクチュエータとは、機器や装置において最終的な機械的仕事に変換する機械要素を意味するものであり、上記の実施の形態1乃至3に示す空気調和機の風向制御おいては、上下風向制御用ステッピングモーター10(上下風向(左)制御用ステッピングモーター10a、上下風向(右)制御用ステッピングモーター10b)および左右風向制御用ステッピングモーター12(左右風向(左)制御用ステッピングモーター12a、左右風向(右)制御用ステッピングモーター12b)がアクチュエータ(制御アクチュエータ)である。
複数の制御アクチュエータを備えた機器や装置の作用対象空間を複数のエリア区画に区分し、これらのエリア区画を二次元状に展開したエリア区画群を生成する。エリア区画群が予め機器や装置に設定されていて、その予め設定されていたエリア区画群を使用してもよい。エリア区画群の二次元状の各エリア区画に0か1の2値のいずれかを設定して、作用の目標とするエリア区画を決定する。そしてその目標とするエリア区画に向けて、複数の制御アクチュエータを制御する際に、これらの制御アクチュエータを、エリア区画群のX軸方向に関与するX軸系統制御アクチュエータと、エリア区画群のY軸方向に関与するY軸系統制御アクチュエータとに分け、X軸系統制御アクチュエータは、エリア区画群の中でY軸方向に各エリア区画の論理和を各列毎に算出して得られるY軸方向一次元データに基づいて制御動作を行い、Y軸系統制御アクチュエータは、エリア区画群の中でX軸方向に各エリア区画の論理和を各行毎に算出して得られるX軸方向一次元データに基づいて制御動作を行うようにするのである。
風向制御でないものへの適用例としては、例えば照明装置による照射方向制御がある。天井から照明する舞台を二次元状に捉え、その舞台を複数のエリア区画に分割して、これらの中から一つもしくは複数の任意に特定されるエリア区画に向けて照射する際に、限られた数の照明器具を駆動モーター等の制御アクチュエータにより動かす場合に適用することで、実施の形態1乃至3に示した空気調和機の風向制御と同様な効果が得られる。
また、貨物倉庫内に貨物を搬送する搬送装置が、倉庫内の特定のエリア区画に貨物を搬送して載置する際に、ロボットやコンベア等の限られた搬送機器を駆動する制御アクチュエータへも適用できる。
なお、実施の形態1乃至3においてはX軸系統制御アクチュエータに左右風向制御用ステッピングモーター12(左右風向(左)制御用ステッピングモーター12a、左右風向(右)制御用ステッピングモーター12b)が相当し、Y軸系統制御アクチュエータには上下風向制御用ステッピングモーター10(上下風向(左)制御用ステッピングモーター10a、上下風向(右)制御用ステッピングモーター10b)が相当して制御動作していたことになる。X軸が左右方向であり、Y軸が奥行き方向である。
また、風向制御以外に適用する場合においても、Y軸系統制御アクチュエータが複数搭載されていれば、X軸方向一次元データを、二次元状に展開しているエリア区画群を少なくとも2領域以上の領域に分類し、各々の領域のX軸方向一次元データが複数のY軸系統制御アクチュエータの各々に関連付けられて制御するように動作させる制御方法も同様に適用可能であり同様な効果を得ることができる。
また上記とは逆に、X軸系統制御アクチュエータが複数搭載されていれば、Y軸方向一次元データを、二次元状に展開しているエリア区画群を少なくとも2領域以上の領域に分類し、各々の領域のY軸方向一次元データが複数のY軸系統制御アクチュエータの各々に関連付けられて制御するように動作させてもよい。
実施の形態1を示す図で、空気調和機の断面図。 実施の形態1を示す図で、空気調和機の風向制御に関わる駆動部分の構造を示す風向制御駆動部構造図。 実施の形態1を示す図で、空気調和機の概観斜視図。 実施の形態1を示す図で、空気調和機の左右風向制御板の図示を省略した正面図。 実施の形態1を示す図で、空気調和機の上下風向制御板の図示を省略した正面図。 実施の形態1を示す図で、空気調和機本体が壁上部に取り付けられた部屋を示す図で、室内空間が15のエリア区画に分割された状態で空気調和機が認識していることを示す図。 実施の形態1を示す図で、空気調和機の制御装置を構成するマイクロコンピュータを示すブロック図。 実施の形態1を示す図で、空気調和機が室内空間を15のエリア区画に分割された状態で認識していることを真上から見た状態を示す図。 実施の形態1を示す図で、空気調和機の認識している15の二次元状のエリア区画から成るエリア区画群において、エリア区画A2とエリア区画E2の2つのエリア区画に人体が検出されたときに空気調和機が認識している状態を示す図。 実施の形態1を示す図で、空気調和機のエリア区画A2とエリア区画E2の2つのエリア区画に人体が検出されたときに左右風向制御用ステッピングモーターを駆動させる際の設定値を決める奥行き方向一次元データの作成状況を示す図。 実施の形態1を示す図で、空気調和機の左右風向制御板の動作を決定する左右風向設定表を示す図。 実施の形態1を示す図で、空気調和機の認識している15の二次元状のエリア区画から成るエリア区画群を左右方向に3つの領域に分割した状態を示す図。 実施の形態1を示す図で、空気調和機のエリア区画A2とエリア区画E2の2つのエリア区画に人体が検出されたときに上下風向制御用ステッピングモーターを駆動させる際の設定値を決める左右方向一次元データの作成状況を示す図。 実施の形態1を示す図で、空気調和機の上下風向制御板(左)6aと上下風向制御板(右)6bの動作を決めるための上下風向制御板(左)−(右)動作決定表を示す図。 実施の形態1を示す図で、空気調和機の上下風向制御板の動作を決定する上下風向設定表を示す図。 実施の形態1を示す図で、空気調和機のエリア区画A2とエリア区画E2の2つのエリア区画に人体が検出されたときの風向動作を示す斜視図。 実施の形態1を示す図で、空気調和機のエリア区画A2とエリア区画E2の2つのエリア区画に人体が検出されたときの左右風向制御板の図示を省略した正面図。 実施の形態1を示す図で、空気調和機のエリア区画A2とエリア区画E2の2つのエリア区画に人体が検出されたときの上下風向制御板の図示を省略した正面図。 実施の形態1を示す図で、空気調和機の空気調和機本体が壁上部に取り付けられた部屋を示す図で、エリア区画A2とエリア区画E2の2つのエリア区画に人体が検出されたときの空気調和機の風向動作状態を示す図。 実施の形態1を示す図で、空気調和機のエリア区画E1とエリア区画E3の2つのエリア区画に人体が検出されたときの風向動作を示す斜視図。 実施の形態1を示す図で、空気調和機のエリア区画E1とエリア区画E3の2つのエリア区画に人体が検出されたときの正面図で左右風向制御板の図示を省略した図。 実施の形態1を示す図で、空気調和機のエリア区画E1とエリア区画E3の2つのエリア区画に人体が検出されたときの正面図で上下風向制御板の図示を省略した図。 実施の形態1を示す図で、空気調和機の空気調和機本体が壁上部に取り付けられた部屋を示す図でエリア区画E1とエリア区画E3の2つのエリア区画に人体が検出されたときの空気調和機の風向動作状態を示す図。 実施の形態1を示す図で、空気調和機のエリア区画A1とエリア区画A3の2つのエリア区画に人体が検出されたときの風向動作を示す斜視図。 実施の形態1を示す図で、空気調和機のエリア区画A1とエリア区画A3の2つのエリア区画に人体が検出されたときの左右風向制御板の図示を省略した正面図。 実施の形態1を示す図で、空気調和機のエリア区画A1とエリア区画A3の2つのエリア区画に人体が検出されたときの上下風向制御板の図示を省略した正面図。 実施の形態1を示す図で、空気調和機の空気調和機本体が壁上部に取り付けられた部屋を示す図でエリア区画A1とエリア区画A3の2つのエリア区画に人体が検出されたときの空気調和機の風向動作状態を示す図。 実施の形態2を示す図で、空気調和機の制御装置を構成するマイクロコンピュータを示すブロック図。 実施の形態2を示す図で、空気調和機のリモコンを示す図。 実施の形態3を示す図で、風向制御に関わる駆動部分の構造を示す風向制御駆動部構造図。 実施の形態3を示す図で、空気調和機のエリア区画A3に人体が検出されたときに左右風向制御用ステッピングモーターを駆動させる際の設定値を決める奥行き方向一次元データと上下風向制御用ステッピングモーターを駆動させる際の設定値を決める左右方向一次元データの作成状況を示す図。 実施の形態3を示す図で、空気調和機の左右風向制御板の動作を決定する左右風向設定表を示す図。 実施の形態3を示す図で、空気調和機のエリア区画A3に人体が検出されたときの風向動作を示す斜視図。 実施の形態3を示す図で、空気調和機のエリア区画A3に人体が検出されたときの左右風向制御板の図示を省略した正面図。 実施の形態3を示す図で、空気調和機のエリア区画A3に人体が検出されたときの上下風向制御板の図示を省略した正面図。 実施の形態3を示す図で、空気調和機の空気調和機本体が壁上部に取り付けられた部屋を示す図で、エリア区画A3に人体が検出されたときの空気調和機の風向動作状態を示す図。 実施の形態3を示す図で、空気調和機のエリア区画E1に人体が検出されたときの風向動作を示す斜視図。 実施の形態3を示す図で、空気調和機のエリア区画E1に人体が検出されたときの左右風向制御板の図示を省略した正面図。 実施の形態3を示す図で、空気調和機のエリア区画E1に人体が検出されたときの上下風向制御板の図示を省略した正面図。 実施の形態3を示す図で、空気調和機の空気調和機本体が壁上部に取り付けられた部屋を示す図で、エリア区画E1に人体が検出されたときの空気調和機の風向動作状態を示す図。
符号の説明
1 空気調和機本体、2 室内送風機、3 吸込み口、4 吹出し口、5a 第1の室内熱交換器、5b 第2の室内熱交換器、5c 第3の室内熱交換器、5d 第4の室内熱交換器、6 上下風向制御板、6a 上下風向制御板(左)、6b 上下風向制御板(右)、7 左右風向制御板、7a 左右風向制御板(左)、7b 左右風向制御板(右)、8 プレフィルター、9 上下風向制御板リンク棒、9a 上下風向制御板(左)リンク棒、9b 上下風向制御板(右)リンク棒、10 上下風向制御用ステッピングモーター、10a 上下風向(左)制御用ステッピングモーター、10b 上下風向(右)制御用ステッピングモーター、11 左右風向制御板リンク棒、11a 左右風向制御板(左)リンク棒、11b 左右風向制御板(右)リンク棒、12 左右風向制御用ステッピングモーター、12a 左右風向(左)制御用ステッピングモーター、12b 左右風向(右)制御用ステッピングモーター、13 本体表示部、14 人体検知センサ、15 制御装置、16 入力部、17 CPU、18 メモリ、19 出力部、20 人体検出判断部、21 目標エリア決定部、22 エリア風向制御部、23 奥行き方向一次元データ、24 左右方向一次元データ(左領域)、25 左右方向一次元データ(右領域)、26 リモコン、27 リモコン受信内容解析部、28 エリア設定部、29a エリア設定ボタン(全体設定)、29b エリア設定ボタン(左前設定)、29c エリア設定ボタン(左奥設定)、29d エリア設定ボタン(右前設定)、29e エリア設定ボタン(右奥設定)、30 左右方向一次元データ。

Claims (4)

  1. 空気調和機本体と、
    この本体の室内へ空気を吹出す吹出し口に設けられ、吹出し気流を上下方向に整流する上下風向制御板と、
    前記上下風向制御板の角度を調節する上下風向制御用ステッピングモーターと、
    前記本体の室内へ空気を吹出す吹出し口に設けられ、吹出し気流を左右方向に整流する左右風向制御板と、
    前記左右風向制御板の角度を調節する左右風向制御用ステッピングモーターと、
    少なくとも前記上下風向制御用ステッピングモーターと前記左右風向制御用ステッピングモーターとを制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    当該空気調和機が設置された室内空間を区分する複数のエリア区画を二次元状に展開して成るエリア区画群の各エリア区画に0か1の2値のいずれかを設定し、前記エリア区画群の中で空調の目標とするエリア区画を決定する目標エリア決定部と、
    前記空調の目標とするエリア区画に向けて、前記上下風向制御用ステッピングモーターと前記左右風向制御用ステッピングモーターとのうち、少なくともいずれか一方を制御する際に、前記左右風向制御用ステッピングモーターは、前記エリア区画群の中で奥行き方向に各エリア区画の論理和を各列毎に算出して得られる奥行き方向一次元データに基づき制御動作を行い、前記上下風向制御用ステッピングモーターは、前記エリア区画群の中で左右方向に各エリア区画の論理和を各行毎に算出して得られる左右方向一次元データに基づき制御動作を行うエリア風向制御部と、
    を具備することを特徴とする空気調和機。
  2. 前記上下風向制御板及び前記上下風向制御用ステッピングモーターを複数搭載し、
    前記制御装置は、
    前記左右方向一次元データを、二次元状に展開している前記エリア区画群を少なくとも2領域以上の領域に分類し、各々の領域の左右方向一次元データが各々の上下風向制御用ステッピングモーターに関連付けられた前記エリア風向制御部を有することを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
  3. 空気調和機本体と、この本体の室内へ空気を吹出す吹出し口に設けられ、吹出し気流を上下方向に整流する上下風向制御板と、前記上下風向制御板の角度を調節する上下風向制御用ステッピングモーターと、前記本体の室内へ空気を吹出す吹出し口に設けられ、吹出し気流を左右方向に整流する左右風向制御板と、前記左右風向制御板の角度を調節する左右風向制御用ステッピングモーターとを備えた空気調和機の風向制御方法において、
    当該空気調和機が設置された室内空間を区分する複数のエリア区画を二次元状に展開して成るエリア区画群の各エリア区画に0か1の2値のいずれかを設定して空調の目標とするエリア区画を決定し、
    前記空調の目標とするエリア区画に向けて、前記上下風向制御用ステッピングモーターと前記左右風向制御用ステッピングモーターとのうち、少なくともいずれか一方を制御する際に、前記左右風向制御用ステッピングモーターは、前記エリア区画群の中で奥行き方向に各エリア区画の論理和を各列毎に算出して得られる奥行き方向一次元データに基づき制御動作を行い、前記上下風向制御用ステッピングモーターは、前記エリア区画群の中で左右方向に各エリア区画の論理和を各行毎に算出して得られる左右方向一次元データに基づき制御動作を行うことを特徴とする空気調和機の風向制御方法。
  4. 複数の制御アクチュエータを制御するアクチュエータの制御方法において、
    複数のエリア区画を二次元状に展開して成るエリア区画群の各エリア区画に0か1の2値のいずれかを設定して目標とするエリア区画を決定し、
    前記目標とするエリア区画に向けて、複数の制御アクチュエータを制御する際に、前記制御アクチュエータを、前記エリア区画群のX軸方向に関与するX軸系統制御アクチュエータと、前記エリア区画群のY軸方向に関与するY軸系統制御アクチュエータとに分け、
    前記X軸系統制御アクチュエータは、前記エリア区画群の中でY軸方向に各エリア区画の論理和を各列毎に算出して得られるY軸方向一次元データに基づき制御動作を行い、
    前記Y軸系統制御アクチュエータは、前記エリア区画群の中でX軸方向に各エリア区画の論理和を各行毎に算出して得られるX軸方向一次元データに基づき制御動作を行うことを特徴とするアクチュエータの制御方法。
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