JP2009091226A - 窒化物単結晶の製造方法 - Google Patents

窒化物単結晶の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】種結晶基板上に窒化物単結晶を育成する時に、窒化物単結晶の品質を保持しつつ、窒化物単結晶の到達膜厚を向上させることである。
【解決手段】育成容器内でフラックスおよびIII族原料を含む融液に種結晶基板を浸漬し、窒素含有雰囲気下で、この種結晶基板上に窒化物単結晶を育成する。融液を加熱して未飽和状態で保持することによって、融液中に窒素を溶解させる。次いで融液を過飽和状態とし、種結晶基板上に窒化物単結晶を成長させる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、窒化物単結晶の製造方法に関するものである。
窒化ガリウム系III-V 窒化物は、優れた青色発光素子として注目を集めており、発光ダイオードや半導体レーザーダイオード用材料として実用化されている。フラックスを用いたIII
族窒化物単結晶の育成方法が、各機関より報告されている。
特許文献1では、III族窒化物結晶の表面をフラックス中でメルトバックさせることによって、結晶表面をエッチングし、表面に残留する加工歪みや加工欠陥を除去する。次いで、III族窒化物単結晶をフラックス法によって育成する。
特開2005−72572
特許文献2では、育成温度よりも低い温度でフラックスの温度を保持する前処理工程を設け、次いでIII族窒化物単結晶を育成する。育成温度よりも低温の前処理工程を設けることによって、種結晶膜の表面のメルトバックを抑制する。
特開2006−131454
非特許文献1に、フラックス法における、いわゆる温度サイクル法が開示されている。この温度サイクル法を提案し、説明した文献が非特許文献2である。温度サイクル法は第158頁に詳述されている。これによると、種結晶を用いないフラックス法では、フラックスを準安定温度領域で徐冷することによって、多数の核を自発核発生させるが、微結晶ないし雑晶が多数生成しやすいという問題がある。これを防止するために、まず液相温度TLを超える温度で完全に窒素を溶解させ、次いでTLより下の温度まで徐冷することで、核をフラックス中にメルトバックさせて数を減らす。これを繰り返すことによって、適当な個数の核を残し、次いで各核上で成長を開始させる。ただし、結晶が核上で成長する段階で温度を上下させると(温度サイクル)、結晶品質が著しく低下するので、温度サイクルは、自発核発生段階で核の個数をコントロールする段階だけで使用するべきであると明記されている。
「結晶成長ハンドブック」 出版社「共立出版株式会社」発行 1995 年 第286頁 ‘’Journal of Crystal Growth’’ 12 (1972) pages 153 to 161, ‘’STABLEGROWTH RATES AND TEMPERATURE PROGRAMMING IN FLUX GROWTH’’
特許文献3に、Naフラックス法における、いわゆる温度サイクル法が開示されている。ここでも、種結晶を用いず、核発生制御するために昇温と降温を行うことが記載されている。
特開2002−201100
例えばGaN、AlN単結晶を高い生産性で育成することが求められる。特許文献1、2記載の方法は、単に種結晶膜のフラックス中へのメルトバックを防止したり、あるいは促進したりすることを開示しており、育成する単結晶の品質向上を目的としている。従って、GaNなどの単結晶の品質を保持しながら生産性を向上させることはできない。
非特許文献1、2記載の方法は、種結晶膜上にフラックス法で窒化物単結晶を育成する方法ではなく、フラックス中に自発核発生させ、その核の個数を減らすために温度サイクル法を利用する方法である。しかし、核上に単結晶を育成する育成段階では、温度サイクルを利用すると結晶品質が劣化するので、温度サイクル法は使用するべきではないと記載されている。特許文献3記載の方法も、種結晶膜上にフラックス法で窒化物単結晶を育成する方法ではなく、フラックス中に自発核発生させ、その核の個数を減らすために温度サイクル法を利用する方法である。
特許文献4においては、例えばGaN単結晶を種結晶基板表面にフラックス法で育成するのに際して、室温から昇温するときに、最初に920℃で保持して窒素をフラックス中に充分に溶解させ、次いで890℃で保持することでGaN単結晶を成長させる。この方法は、初期における窒素溶解を促進することによって、GaNの結晶成長の開始時刻を早めるものである。しかし、この方法でも、GaNの育成が開始されてから後の生産性を向上させることは記載されていない。
特願2007−79010
良質な単結晶の生産性の限界について、更に述べる。フラックス法でAlN単結晶を育成するのに際して、得られる結晶の厚さは例えば約10μmである。Al原料は、AlN結晶で厚さ5mm相当量添加しているが、そのうち10/5000 = 0.2%しか結晶成長に使われていない。残りの99.8%のAl原料は、自発核生成によって晶出するAlN微結晶となってしまう。このため、単結晶の到達膜厚が薄く、品質の向上も困難である
本発明の課題は、種結晶基板上に窒化物単結晶を育成する時に、窒化物単結晶の品質を保持しつつ、窒化物単結晶の到達膜厚を向上させることである。
本発明は、育成容器内でフラックスおよびIII族原料を含む融液に種結晶基板を浸漬し、窒素含有雰囲気下で、この種結晶基板上に窒化物単結晶を育成する方法であって、
前記窒化物単結晶を成長させる成長工程;
前記窒素分圧を低下させることによって、自発核発生したIII族窒化物の前記融液への溶解を促進させる結晶溶解工程;および
前記窒素分圧を上昇させることによって結晶を成長させる再成長工程
を備えていることを特徴とする。
以下、図1、図2を参照しつつ、本発明を更に説明する。
本発明者は、窒化物単結晶を育成している途中で、一旦、窒素分圧を低下させ、融液中の窒素濃度を低下させて溶質を未飽和状態にし、融液に晶出した微結晶をメルトバックさせ、再び結晶成長させる方法を考案した。
すなわち、図1に示すように、同じ温度であっても、圧力が高いと、融液中で微結晶核が生成し、かつ結晶核上に単結晶が液相エピタキシャル(LPE)成長する。一方、圧力が低下すると、融液は未飽和状態となり、融液中の微結晶は融液中へとメルトバックする。圧力がこの間の領域では、核生成は抑制され、単結晶の液相エピタキシャル成長は継続することがある。
ここで、図2に示すように、まず核生成が生じ、結晶成長が始まる窒素分圧で操炉する(成長工程A)。この時点では、融液中の金属原料のうち大部分は核生成、即ちAlN微結晶の生成に消費され、微結晶上への単結晶の成長に消費される金属量はごく僅かである。この時点での温度および圧力は、図1に示す「LPE及び核生成領域」にあたる。
次いで、炉内を降温せずに保持したまま、窒素分圧を低下させる(核溶解工程B)。これによって、図1に示す「結晶分解領域」となり、融液が窒素未飽和となり、融液内に多数生成した微結晶が融液へとメルトバック、融液に金属原料が供給される。
ここで、融液中への微結晶のメルトバックが生じたときに、同時に成長工程Aで生成した単結晶も融液へとメルトバックすると、次の再成長工程Cでは再び微結晶の成長から始まることになる。この場合には、単結晶膜厚の増加および生産性の向上は期待できないはずである。しかし、本発明者が実際に検討してみると、核生成した微結晶のメルトバックは非常に進み、微結晶数は非常に減少する一方、種結晶上に生成した単結晶のメルトバックの速度は遅く、次の再成長工程Cのときにも残留していることが判明した。これによって、単結晶の到達膜厚の多大な増加が実現できることがわかった。
この理由は明らかではない。しかし、融液中の微結晶の方が、種結晶上に成長した単結晶よりも比表面積が大きいため、単位体積当たりのメルトバック量が多くなったものと考えることができる。
次いで、温度を保持したままで圧力を上昇させ、図1における「LPE及び核生成領域」に戻す(再成長工程C)。これによって、融液中に再び核生成によって微結晶が多数生成するのと共に、種結晶上での単結晶成長が再度開始される。
なお、核溶解工程D、再成長工程Eを、それぞれ、更に一回または二回以上,反復することが可能である。
なお、種結晶上に単結晶を育成する段階で、同一窒素分圧で温度を上昇させることによっても、結晶分解領域に移行させることは可能である。しかし、窒素分圧は例えば0MPaにするか、あるいは充分に小さくすることによって、結晶分解領域を容易に作り出すことができる。この操作には、対象である特定の融液の液相線を厳密に知る必要はない。
一方、液相温度は融液の組成や対流によって異なる。しかも、結晶成長が進むと、融液中に残留する金属量が減少するので、液相温度がシフトしてくる。このため、実際の製造プロセスにおいて、どの度高温にすれば結晶が溶解するのかを厳密に知ることは非常に難しい。従って、経験値から温度を定めることになるが、当然、融液の状態や組成のバラツキおよびシフトによって、正確な制御は困難であり、不良品が混入する原因となる。
しかも、融液の度度を上げて結晶分解領域に移行する場合、装置内が高温になるため、坩堝や圧力容器等が、より高温にさらされることになる。しかも、昇温降温時の系内温度不均一から、各部分に熱膨張差が生じ、これによって生じる熱膨張差によって、結晶や坩堝が破損することがある。本発明の方法では、温度は一定であり,あるいは温度変化は少なくできるので、このような破損や欠陥を防止できる。
特許文献1の方法では、III族窒化物結晶の表面をフラックス中でメルトバックさせているが、その後の温度、圧力スケジュールは記載されていない。特許文献2記載の方法では、育成温度よりも低い温度でフラックスの温度を保持する前処理工程を設け、次いでIII族窒化物単結晶を育成している。
非特許文献1、2では、温度を上下させているが、これは種結晶を用いないフラックス法であることを前提として、フラックスを準安定温度領域で徐冷することによって、多数の核を自発核発生させる方法である。そして、温度を上下させることで、適当な個数の核を残すための自発核発生のプロセスである。しかし、種結晶を使用しないフラックス法において、結晶が核上で成長する段階で温度を上下させると、結晶品質が著しく低下すると明記されている。種結晶を使用しないフラックス法において、結晶が核上で成長する段階で圧力を上下させることも記載されていない。
本発明では、窒素溶解度の高い窒素分圧P1および温度T1まで昇温し、ここで保持する(A:成長工程)。この温度T1および窒素分圧P1は、融液の組成によって決定する。
次いで、温度をそのまま保持し,あるいは若干変化させた状態で、窒素分圧をP0に低下させる(核溶解工程B)。この際、P0は、融液中での結晶のメルトバックが生ずる最高圧力PWよりも充分に小さくする。
次いで、再び窒素分圧を上昇させ、単結晶を再成長させる(再成長工程C)。このときの圧力P2は、P1と同様に、単結晶の成長が促進される圧力を選択する。
次いで、再び窒素分圧をP0に低下させ、融液内の微結晶を溶解させる(核溶解工程D)。この際、P0は、融液中での結晶のメルトバックが生ずる最高圧力PWよりも充分に小さくする。
次いで、上記と同様の再成長工程Eおよび核溶解工程を、一回または二回以上繰り返すこともできる。
本発明では、成長工程、再成長工程における圧力P1、P2、P3は、融液の組成および温度によって定まるので、特に限定されるものではない。しかし、これらの圧力は、融液内での核生成開始圧力PW以上である。PWは、融液の組成および温度によって変動し、当業者が測定できるものである。
このため、成長工程、再成長工程における窒素分圧は適宜決定すべきものであるが、一例では、種結晶基板上の窒化物単結晶の成長を促進するという観点からは、0.06MPa以上が好ましく、0.07MPa以上が更に好ましい。また、窒素分圧が高いと核生成が乱雑化する傾向があるので、この観点からは、窒素分圧は10MPa以下とすることが好ましく、6MPa以下とすることが更に好ましい。
本発明では、核溶解工程における窒素分圧P0は、融液内での核生成開始圧力PW未満とする。ここで、PWは、融液の組成および温度によって変動し、当業者が測定できるものである。このため、P0も融液組成および温度によって変動する。
このため、核溶解工程における窒素分圧は適宜決定すべきものであるが、一例では、核溶解を促進するという観点からは、0.05MPa以下が好ましく、0.03MPa以下が更に好ましい。この窒素分圧の下限は特になく、0MPaであってよい。このように、最初から低い窒素分圧を設定することによって、組成の変動や温度の変動に依存せず、核溶解を確実に促進することができる。
成長工程、再成長工程における各温度も適宜選択するものである。例えば、Naフラックスを用い、GaN単結晶を育成する場合は850−1000°Cが好ましい。Sn−Mgフラックスを用い、AlN単結晶を育成する場合は1000−1500℃が好ましい。
各溶解工程における温度は、成長工程、再成長工程における温度と同じであってよく、異なっていても良い。ただし、各溶解工程における温度が、成長工程、再成長工程における温度と異なる場合には、両者の差を小さくすることで、本発明の前記利点を一層顕著にできる。この観点からは、各溶解工程における温度と、成長工程、再成長工程における温度との差は、300℃以下とすることが好ましく、200℃以下とすることが更に好ましい。
成長工程、再成長工程における保持時間は特に限定されないが、単結晶成長を促進するという観点からは、5時間以上とすることが好ましい。
また、各溶解工程における保持時間は特に限定されないが、微結晶の溶解を促進するという観点からは、1時間以上が好ましく、5時間以上が更に好ましい。また、種結晶上に成長した単結晶の溶解を抑制するという観点からは、各溶解工程における保持時間は、200時間以下が好ましく、150時間以下が更に好ましい。
本発明の単結晶育成装置において、原料混合物を加熱して融液を生成させるための装置は特に限定されない。この装置は熱間等方圧プレス装置であってよいし、それ以外の雰囲気加圧型加熱炉であってもよい。
融液を生成するためのフラックスは特に限定されないが、アルカリ金属およびアルカリ土類金属からなる群より選ばれた一種以上の金属またはその合金を含むことが好ましい。この金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムが例示でき、リチウム、ナトリウム、カルシウムが特に好ましく、ナトリウムが最も好ましい。また、鉄、コバルト、ニッケル、銅、炭素、錫、マンガンを含んでもよい。
反応を行なうための育成容器の材質は特に限定されず、目的とする加熱および加圧条件において耐久性のある材料であればよい。こうした材料としては、金属タンタル、タングステン、モリブデンなどの高融点金属、アルミナ、サファイア、イットリアなどの酸化物、窒化アルミニウム、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ホウ素などの窒化物セラミックス、タングステンカーバイド、タンタルカーバイドなどの高融点金属の炭化物、p−BN(パイロリティックBN)、p−Gr(パイロリティックグラファイト)などの熱分解生成体が挙げられる。
発熱体の材質は特に限定されないが、鉄- クロム- アルミ系、ニッケル- クロム系などの合金発熱体、白金、モリブデン、タンタル、タングステンなどの高融点金属発熱体、炭化珪素、モリブデンシリサイト、カーボンなどの非金属発熱体を例示できる。
本発明を利用し、少なくともナトリウム金属、あるいは錫、銅を含むフラックスを使用して窒化ガリウム単結晶や窒化アルミニウム単結晶を育成できる。このフラックスには、ガリウム原料物質やアルミニウム原料物質を溶解させる。ガリウム原料物質としては、ガリウム単体金属、ガリウム合金、ガリウム化合物を適用できるが、ガリウム単体金属が取扱いの上からも好適である。アルミニウム原料物質としては、アルミニウム単体金属、アルミニウム合金、アルミニウム化合物を適用できるが、アルミニウム単体金属が取扱いの上からも好適である。
このフラックスには、ナトリウム、あるいは錫、銅以外の物質、例えばリチウム、ストロンチウム、マグネシウム、カルシウム、炭素を含有させることができる。ガリウム原料物質やアルミニウム原料物質と、ナトリウムなどのフラックス原料物質との使用割合は、適宜であってよいが、一般的には、ナトリウム過剰量を用いることが考慮される。もちろん、このことは限定的ではない。
雰囲気は窒素のみからなっていてよいし、アンモニア等の窒素原子含有ガスであってもよい。あるいは、雰囲気中には、窒素原子含有ガス以外のガスを含有していてよい。このガスは限定されないが、不活性ガスが好ましく、アルゴン、ヘリウム、ネオンが特に好ましい。
窒素含有雰囲気の全圧は特に限定されないが、0.01〜10MPaが好ましい。
結晶をエピタキシャル成長させるための育成用基板の材質は限定されないが、サファイア、AlNテンプレート、GaNテンプレート、シリコン単結晶、SiC単結晶、MgO単結晶、スピネル(MgAl)、LiAlO、LiGaO2、LaAlO,LaGaO,NdGaO等のペロブスカイト型複合酸化物を例示できる。また組成式〔A1−y(Sr1−xBax)y〕〔(Al1−zGaz)1−u・Du〕O(Aは、希土類元素である;Dは、ニオブおよびタンタルからなる群より選ばれた一種以上の元素である;y=0.3〜0.98;x=0〜1;z=0〜1;u=0.15〜0.49;x+z=0.1〜2)の立方晶系のペロブスカイト構造複合酸化物も使用できる。また、SCAM(ScAlMgO)も使用できる。
(実施例1)
図2に示す圧力スケジュールに従い、AlN単結晶を育成した。
具体的には、金属錫17g、金属Al3g、添加物として金属Mg1gを真空グローブボックス内で秤量し、図3に示すように、内径17mmのアルミナるつぼ7に入れた。種結晶として、縦13mm×横18mmのAlNテンプレート基板9を用い、ルツボ7内に斜めに立てかけた。5は、秤量した原料である。
図4に示すように、ルツボ7を矢印Dのように圧力容器1内に収容した。次いで、図5に模式的に示すように、発熱体2を上下方向に設置し、発熱体2を発熱させ、気体タンク8、圧力制御装置4、配管10を通して、雰囲気制御用容器3内の圧力容器1へと窒素含有雰囲気を流し、加熱および加圧する。これによって、ルツボ7内で混合原料5が溶解し、融液を生成する。
次いで、図2の圧力スケジュールに従い、AlN単結晶を育成した。具体的には、窒素分圧0.3MPa、温度1260℃で64時間保持した(成長工程A)。次いで、窒素ガスをArガスで置換し、窒素分圧を0.003MPaに減圧し、7時間保持した(核溶解工程B)。次いで、Arガスを窒素ガスで置換して窒素分圧を0.3MPaに昇圧し、14時間保持した(再成長工程C)。再度、窒素ガスをArガスで置換して窒素分圧を0.003MPaに減圧し、8時間保持した(核溶解工程D)。次いで、Arガスを窒素ガスで置換して窒素分圧を0.3MPaに昇圧し、24時間保持した(再成長工程E)。次いで、室温まで冷却した。
その後、塩酸にて錫を処理し、育成した結晶を取り出した。得られたAlN単結晶の厚さは20μmであった(図6参照)。この写真を図7に示す。また、融液中のAlN微結晶の重量は、融液中に含まれる原料のアルニミウム重量の約50%であった。
(比較例1)
実施例1と同様にしてAlN単結晶を育成した。ただし、実施例1において、圧力のハンチングを行わなかった。その代わりに、窒素分圧0.3MPa、温度1260℃で102時間保持した。得られたAlN単結晶の厚さは10μmであった(図6参照。)また、融液中のAlN微結晶の重量は、融液中に含まれる原料のアルニミウム重量のほぼ100%であった。
このように、結晶育成中に圧力ハンチングを付加することにより、AlN微結晶の発生に消費されるAl原料比率を低減し、種結晶成長に消費されるAl原料比率を向上し、AlN結晶を厚膜化することができた。
(実施例2)
実施例1と同様にして、図2の圧力スケジュールに従い、AlN単結晶を育成した。ただ、し温度および圧力を若干変更した。
具体的には、窒素分圧0.2MPa、温度1300℃で64時間保持した(成長工程A)。次いで、窒素ガスをArガスで置換し、窒素分圧を0.0MPaに減圧し、7時間保持した(核溶解工程B)。次いで、Arガスを窒素ガスで置換して窒素分圧を0.2MPaに昇圧し、14時間保持した(再成長工程C)。再度、窒素ガスをArガスで置換して窒素分圧を0.0MPaに減圧し、8時間保持した(核溶解工程D)。次いで、Arガスを窒素ガスで置換して窒素分圧を0.2MPaに昇圧し、24時間保持した(再成長工程E)。次いで、室温まで冷却した。
この結果、得られたAlN単結晶の膜厚は20μmであった。坩堝の破損は観測されなかった。
(実施例3)
実施例2と同様にプロセスを実施した。次いで、前記の再成長工程Eの直後に、再度、窒素ガスをArガスで置換して窒素分圧を0.0MPaに減圧し、8時間保持した(核溶解工程F)。次いで、Arガスを窒素ガスで置換して窒素分圧を0.2MPaに昇圧し、24時間保持した(再成長工程G)。次いで、室温まで冷却した。
この結果、得られたAlN単結晶の膜厚は29μmであった。坩堝の破損は観測されなかった。
(実施例4)
実施例3と同様にプロセスを実施した。ただし、最後の再成長工程Gの直後に、再度、窒素ガスをArガスで置換して窒素分圧を0.0MPaに減圧し、8時間保持した(核溶解工程H)。次いで、Arガスを窒素ガスで置換して窒素分圧を0.2MPaに昇圧し、24時間保持した(再成長工程I)。次いで、室温まで冷却した。
この結果、得られたAlN単結晶の膜厚は42μmであった。坩堝の破損は観測されなかった。
(比較例2)
実施例2と同様にしてAlN単結晶を育成した。ただし、実施例2において、圧力のハンチングを行わなかった。その代わりに、窒素分圧を0.2MPaとし、温度をハンチングさせてAlN単結晶を育成した。具体的には、まず温度1300℃で64時間保持した(成長工程)。次いで、圧力を変化させず、温度を1350℃に昇温し、1350℃で7時間保持した(窒素溶解工程)。次いで、温度を1300℃に降下させ、1300℃で14時間保持した(再成長工程)。次いで、温度を1350℃に昇温し、1350℃で8時間保持した(窒素溶解工程)。次いで、温度を1300℃に降下させ、1300℃で24時間保持した(二回目の再成長工程)。次いで、温度を1350℃に昇温し、1350℃で8時間保持した(窒素溶解工程)。次いで、温度を1300℃に降下させ、1300℃で24時間保持した(三回目の再成長工程)。次いで、室温に冷却した。
この結果、得られたAlN単結晶の膜厚は10μmであった。坩堝は破損しなかった。
(比較例3)
比較例2において、成長工程、再成長工程における温度を1350℃から1400℃に変更した。他は比較例2と同様にして結晶育成を行った。この結果,坩堝に破損が見られた。
窒素圧力、温度および各領域の関係を示す模式図である。 本発明方法の圧力スケジュールの一例を示すグラフである。 ルツボ7内に種結晶基板9および融液原料5を収容した状態を示す模式図である。 ルツボ7を圧力容器1内に収容する段階を示す模式図である。 本発明方法を実施するのに適した装置を示す模式図である。 本発明例の実施例と比較例の実施条件と結果の一覧表である。 実施例1で得られたAlN膜を示す写真である。
符号の説明
1 圧力容器 4 圧力制御装置 5 フラックスおよびIII族原料を含む融液 7 ルツボ 8 気体タンク 9 種結晶 10 配管 A 成長工程 B、D 核溶解工程 C、E 再成長工程

Claims (4)

  1. 育成容器内でフラックスおよびIII族原料を含む融液に種結晶基板を浸漬し、窒素含有雰囲気下で種結晶基板上に窒化物単結晶を成長させる成長工程;
    前記窒素分圧を低下させることによって、自発核発生したIII族窒化物結晶の前記融液への溶解を促進させる結晶溶解工程;および
    前記窒素分圧を上昇させることによって前記種結晶基板上に前記窒化物単結晶を成長させる再成長工程
    を備えていることを特徴とする、窒化物単結晶の育成方法。
  2. 前記結晶溶解工程および前記再成長工程を複数回実施することを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 前記窒化物単結晶がGaN単結晶であることを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
  4. 前記窒化物単結晶がAlN単結晶であることを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
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