JP2009090089A - クッションパッド - Google Patents
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Abstract
【課題】表皮材の溝部への引き込み作業効率が良いクッションパッドを提供する。
【解決手段】クッションパッド本体3に表皮材5の一部分を収容する溝部6が形成されている。表皮材5の裏面に係止具10が取り付けられている。クッションパッド本体3の溝部6の底面6aの裏側に係止板11が埋設されている。係止板11には、係止具10が係止される開口12が設けられている。開口12を介して溝部6の底面6aからクッションパッド本体3の裏面にまで貫通する挿通孔13が設けられている。表皮材5を被装着面4に被せ、係止具10を挿通孔13に挿入し、次いで係止具10を押して、係止具10の先端側の引掛部10bを開口12内に押し込む。引掛部10bは、先端側ほど縮径する形状となっており、弾性的に縮径方向に変形して開口12内に入り込み、開口12を通過すると、弾性的に元形状に復元して該開口12の縁部に引っ掛かる。
【選択図】図2
【解決手段】クッションパッド本体3に表皮材5の一部分を収容する溝部6が形成されている。表皮材5の裏面に係止具10が取り付けられている。クッションパッド本体3の溝部6の底面6aの裏側に係止板11が埋設されている。係止板11には、係止具10が係止される開口12が設けられている。開口12を介して溝部6の底面6aからクッションパッド本体3の裏面にまで貫通する挿通孔13が設けられている。表皮材5を被装着面4に被せ、係止具10を挿通孔13に挿入し、次いで係止具10を押して、係止具10の先端側の引掛部10bを開口12内に押し込む。引掛部10bは、先端側ほど縮径する形状となっており、弾性的に縮径方向に変形して開口12内に入り込み、開口12を通過すると、弾性的に元形状に復元して該開口12の縁部に引っ掛かる。
【選択図】図2
Description
本発明は自動車等に用いられるクッションパッドに係り、特に表皮材の溝部への引き込み構造を改良したクッションパッドに関する。
自動車用のシートや家屋内に配置されるクッションパッドは、ポリウレタンフォーム等よりなるクッションパッド本体と、このクッションパッド本体の被装着面に装着された表皮材とから成る。クッションパッド本体には溝部が形成され、表皮材の裏面側の複数の係止具を係止させるワイヤーが、溝部の底面の裏側に溝部に沿って埋設されている。そして前記複数の係止具をワイヤーに係止させて、表皮材の一部分を溝部内に収容し、これにより装飾効果を高める等の利点を得ている。
従来、表皮材の裏面に袋状の布が縫い込まれるとともに、この袋状の布にワイヤーが挿通され、このワイヤーと、前記クッションパッド内のワイヤーとをホグリングを介して連結することで、表皮材の一部分をクッションパッドの溝部内に収容していた。ホグリングは専用の工具に内蔵されており、作業者が前記工具の把持部を把持し、工具のホグリング押出し部を溝部内に挿入した状態で工具の操作部を操作して、両ワイヤー同士を連結している(ホグリング等については特許文献1参照)。
上記従来の構造によれば、ホグリングを内蔵した専用の工具が重いために、作業者の負担が大きかった。このような問題点を解決するものとして、下記特許文献2のシートカバー止着構造がある。
この特許文献2のシートカバー止着構造では、シートカバー(表皮材)の引き込み箇所の裏側にクリップを接続しておくと共に、クッションパッドの溝部にクッションパッド裏面にまで達する孔を設けておく。上記クリップを該孔に挿通させ、クッションパッドの裏側においてクリップ先端を留め部材に係止させる。
特開平7−163769
特開2003−974
上記特開2003−974の表皮材引き込み構造では、留め部材がクッションパッドと別体である。そのため、クリップを留め部材に係止させるに際しては、クッションパッド裏面側において留め部材を保持しておき、孔に差し込んだクリップの先端と留め部材とを係合させるようにしており、作業効率が良くない。
本発明は、このような問題点を解決し、表皮材の溝部への引き込み作業効率が良いクッションパッドを提供することを目的とする。
請求項1のクッションパッドは、表皮材がクッションパッド本体の被装着面に装着されたクッションパッドであって、前記表皮材の一部分を収容する溝部が該クッションパッド本体に形成されており、前記表皮材の裏面側に接続された係止具を係止させる開口を有した係止板が、該クッションパッド本体の裏側に該溝部に沿って設けられており、前記係止具を挿通させる挿通孔が該溝部から該係止板の該開口に達するように貫通しており、前記係止具は、該挿通孔及び該開口を通って前記係止板に係止されているクッションパッドにおいて、該係止板が前記クッションパッド本体と一体成形されていることを特徴とするものである。なお、この一体成形とは、クッションパッド本体を金型内で発泡成形するに際し、係止板を該金型内に配置しておくことにより、発泡成形されたクッションパッド本体と係止板とを一体化させることをいう。
請求項2のクッションパッドは、請求項1において、前記係止具の先端側に、前記開口を通過して、該開口の縁部に係合する引掛部が設けられていることを特徴とするものである。
請求項3のクッションパッドは、請求項1又は2において、前記係止板に前記開口が複数個設けられており、少なくとも一部の開口は、該係止板をクッションパッド本体成形用金型に保持させる保持ピン挿通用開口と兼用されていることを特徴とするものである。
請求項4のクッションパッドは、請求項1ないし3のいずれか1項において、前記クッションパッドはシートクッション用クッションパッドであることを特徴とするものである。
請求項5のクッションパッドは、請求項1ないし3のいずれか1項において、前記クッションパッドはシートバック用クッションパッドであることを特徴とするものである。
請求項6のクッションパッドは、請求項5において、前記係止板は、乗員の腰部当接面の裏面側を覆うように配置されていることを特徴とするものである。
請求項7のクッションパッドは、請求項1ないし6のいずれか1項において、前記挿通孔の係止具挿入方向の入口側がテーパ形となっていることを特徴とするものである。
請求項8のクッションパッドは、請求項1ないし7のいずれか1項において、前記開口の係止具挿入方向の入口側がテーパ形となっていることを特徴とするものである。
本発明のクッションパッドにあっては、表皮材をクッションパッド本体に装着するに際して、表皮材に接続された係止具を挿通孔に差し込み、この係止具の先端を係止板の開口に係止させる。本発明では、この係止板がクッションパッド本体と一体成形されているので、上記の溝部への引き込み作業に際しては、係止具を孔に差し込み、次いで係止具を押して係止具を係止板の開口に押し込むだけでよい。このように、所謂ワンタッチにて表皮材を溝部に引き込んでクッションパッド本体に装着することができる。
請求項2のクッションパッドにあっては、係止具を係止板の開口に容易に押し込み、且つ押し込み後にあっては係止具を係止板にしっかりと係止させることができる。
請求項3のクッションパッドにあっては、係止板に設ける孔の数が少なくて足りるようになる。
請求項4,5の通り、本発明のクッションパッドはシートクッション及びシートバックのいずれにも用いることができる。
シートバックに用いる場合、請求項6の通り、係止板のサイズ及び配置位置を乗員腰部当接面の裏面側を覆うものとしてもよい。このようにすれば、乗員の腰部をサポートし、運転時の疲労を軽減することができる。
請求項7,8のように、挿通孔又は開口の係止具挿入方向の入口側をテーパ形とすることにより、係止具をこれらに差し込み易くなり、作業効率が向上する。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施の形態は、自動車用シートのシートバック用クッションパッドへの本発明の適用例を示している。ただし、本発明は、このシートのシートクッション用クッションパッドへも適用可能である。また、本発明は、自動車用シートのシートバック用及びシートクッション用以外の種々の用途のクッションパッドへも適用可能である。
[第1実施形態]
第1図〜第8図は第1実施形態を示している。第1図は第1実施形態に係るクッションパッドとしてのシートバックを備えた自動車用シートの斜視図、第2図は第1図のII−II線に沿う断面図、第3図は係止具の斜視図、第4図は係止板の正面図、第5図は係止具係止前のクッションパッド本体の溝部付近の断面図、第6図は係止具係止後のクッションパッド本体の溝部付近の断面図、第7図はこのクッションパッド本体成形用金型の断面図、第8図はこの金型の溝部成形部付近の断面図である。
第1図〜第8図は第1実施形態を示している。第1図は第1実施形態に係るクッションパッドとしてのシートバックを備えた自動車用シートの斜視図、第2図は第1図のII−II線に沿う断面図、第3図は係止具の斜視図、第4図は係止板の正面図、第5図は係止具係止前のクッションパッド本体の溝部付近の断面図、第6図は係止具係止後のクッションパッド本体の溝部付近の断面図、第7図はこのクッションパッド本体成形用金型の断面図、第8図はこの金型の溝部成形部付近の断面図である。
第1図に示すように、自動車用シートSは、シートクッション1とシートバック2とを備えている。第2図の通り、シートバック2は、ウレタンフォームから成るクッションパッド本体3と、クッションパッド本体3の前面側の被装着面4(第5図参照)に装着された表皮材5等とで構成されている。なお、図示は省略するが、シートクッション1も、このシートバック2とほぼ同様の構成となっている。
第2図に示すように、クッションパッド本体3の被装着面4には、それぞれ、表皮材5の一部分を収容する長い溝部6が形成されている。表皮材5のうち、この溝部6と重なる部分の裏面には、この表皮材5を溝部6内に引っ張り込んで係止するための係止具10が取り付けられている。この係止具10は、溝部6に沿って所定の間隔にて複数個設けられている。
クッションパッド本体3の溝部6の底面6a(第5図)の裏側には、この係止具10を係止させる係止板11が埋設されている。この係止板11には、係止具10が係止される開口12が設けられている。この開口12は、該係止具10と対応する位置関係にて、溝部6に沿って該係止具10と同数個設けられている。
第2図に示すように、係止板11は、この実施の形態では、クッションパッド本体3の裏面のうち該クッションパッド本体3の上下方向の中間付近から該クッションパッド本体3の下端付近までを覆うサイズ及び配置となっている。即ち、この実施の形態では、該係止板11は、クッションパッド本体3のうち、シートSに着座した乗員の腰部が当接する面(乗員腰部当接面)の裏側を覆っている。
この実施の形態では、溝部6は、このクッションパッド本体3の前面の上下方向の中間付近に配置されており、係止板11の上縁部がこの溝部6の裏側に重なっている。第4図に示すように、各開口12は、この係止板11の上縁に沿って配列されている。
溝部6の底面6aには、これらの開口12にそれぞれ係止具10を挿通させるための挿通孔13が設けられている。各挿通孔13は、各開口12を介して溝部6の底面6aからクッションパッド本体3の裏面にまで貫通している。
なお、この実施の形態では、クッションパッド本体3の裏側にも、このクッションパッド本体3の表面を覆うカバー材14が設けられている。このカバー材14は不織布等よりなるが、カバー材14の材質はこれに限定されない。このカバー材14は、係止板11の裏面も覆っている。第5図の通り、各挿通孔13は、このカバー材14をも貫通してクッションパッド本体3の裏側に露呈している。
係止板11とカバー材14とは、クッションパッド本体3と一体成形されている。符号15は、クッションパッド本体成形用金型20(第7図)内にこの係止板11を保持するための保持ピン30(第7,8図)が挿通される保持ピン挿通孔を示している。第4図の通り、該保持ピン挿通孔15は、係止板11の下縁の左右両端側のコーナー部付近にのみ設けられているが、この実施の形態では、第8図の通り、各開口12にも保持ピン30が挿通され、この開口12に挿通された保持ピン30によって係止板11の上縁側が金型20に保持されるように構成されている。即ち、この実施の形態では、係止具10を係止させるための開口12が保持ピン挿通孔も兼ねている。
クッションパッド本体3の成形方法については、後で詳しく述べる。
第3図に示すように、係止具10は、この実施の形態では、挿通孔13に挿通される軸部10aと、該軸部10aの挿通方向先端側に設けられた引掛部10bと、該軸部10aの挿通方向後端側の側周面から側方へ突設されたフランジ部10cとを有している。
第3図の通り、該引掛部10bは、先端側ほど縮径する略傘形の形状となっている。第5図に示すように、この引掛部10bは、挿通方向先端側の外径が係止板11の各開口12の内径よりも小径となっており、且つ該挿通方向後端側の外径は各開口12の内径よりも大径となっている。軸部10aの径は、各開口12の内径と同等かそれよりも小径となっている。
係止具10は、少なくともこの引掛部10bが径方向に弾性変形可能なものとなっている。係止具10が開口12に差し込まれた場合、引掛部10bが弾性的に縮径方向に変形して該開口12内に入り込み、引掛部10bが開口12を通過すると、該引掛部10bが弾性的に元形状に復元(即ち拡径)して該開口12の縁部に引っ掛かる。これにより、係止具10が開口12から抜け出し不能となる。
この実施の形態では、第3図に示すように、フランジ部10cにミシン目状に複数の小孔10dが設けられており、係止具10は、このフランジ部10cが表皮材5の裏面に重ね合わされて、該小孔10dを介して縫糸等よりなるシーム16により表皮材5に縫着されている。
符号17は、表皮材5のうち溝部6内に引き込まれたときに互いに対面する部分同士を縫合したシームを示している。
表皮材5をクッションパッド本体3に装着する場合には、第5図及び第6図に示すように、表皮材5を被装着面4に被せ、各係止具10を溝部6内の各挿通孔13に挿入し、次いで各係止具10を押して、各係止具10の先端側の引掛部10bを各開口12内に押し込む。この際、前述のように、該引掛部10bは弾性的に縮径方向に変形して開口12内に入り込み、開口12を通過すると、弾性的に元形状に復元して該開口12の縁部に引っ掛かる。これにより、各係止具10が各開口12に係止される。
この結果、表皮材5は、溝部6に重なった部分が溝部6内に引き込まれてクッションパッド本体3に装着され、第2図の如く前面に溝部6が形成されたシートバック2が構成される。
以上のように、このシートバック2にあっては、係止板11がクッションパッド本体3と一体成形されているので、表皮材5の溝部6への引き込み作業に際しては、各係止具10を各挿通孔13に差し込み、次いで各係止具10を押して各々の先端側の引掛部10bを係止板11の各開口12に押し込むだけでよい。これにより、所謂ワンタッチにて表皮材5を溝部6に引き込んでクッションパッド本体3に装着することができる。
この実施の形態では、該引掛部10bは、先端側ほど縮径する形状であり、開口12に差し込まれるときには弾性的に縮径方向に変形し、該開口12を通過すると弾性的に元形状に復元して該開口12に引っ掛かるように構成されているので、係止具10を開口12に容易に押し込み、且つ押し込み後にあっては係止具10を係止板11にしっかりと係止させることができる。
この実施の形態では、係止板11は、クッションパッド本体3の乗員腰部当接面の裏面側を覆うものとなっている。そのため、このシートバック2にあっては、該係止板11によって乗員の腰部をサポートし、乗員の運転時の疲労を軽減することができる。
[クッションパッド本体3の成形方法]
次に、第7,8図を参照してこのシートバック2のクッションパッド本体3の成形方法について説明する。なお、第7図においては、カバー材14の図示が省略されている。
次に、第7,8図を参照してこのシートバック2のクッションパッド本体3の成形方法について説明する。なお、第7図においては、カバー材14の図示が省略されている。
第7図に示すように、クッションパッド本体成形用金型20は、上型21、下型22及び中子23を有する。クッションパッド本体3は、この金型20内において被装着面4が下型22のキャビティ面22aに沿う姿勢にて成形される。中子23は、上型21のキャビティ面21aに接合されている。この中子23に沿ってクッションパッド本体3の裏面が形成される。
中子23のキャビティ面23aからは、係止板11を保持するための複数の保持ピン30が突設されている。係止板11は、この中子23のキャビティ面23aのうち、クッションパッド本体3の乗員腰部当接面の裏側面に沿う領域に重ね合わされ、各開口12及び各保持ピン挿通孔15にそれぞれ保持ピン30が挿通されることにより、中子23に保持される。
カバー材14も、この中子23のキャビティ面23aに重ね合わされて該中子23に保持される。カバー材14にも、係止板11の各開口12及び各保持ピン挿通孔15とそれぞれ重なり合う位置関係にて保持ピン挿通孔(符号略)が設けられており、これらの保持ピン挿通孔にそれぞれ保持ピン30が挿通される。第8図の通り、カバー材14は係止板11に先立って中子23のキャビティ面23aに重ね合わされる。
なお、このカバー材14の中子23への保持方法は任意である。例えば、カバー材14の繊維素材中に鉄粉等の磁性粉を混入させるなどしてカバー材14に磁性を付与し、中子23に設けたマグネットによってこのカバー材14を中子23に保持するようにしてもよい。これ以外の方法によりカバー材14を中子23に保持するようにしてもよい。
下型22のキャビティ面22aからは、クッションパッド本体3の前面に溝部6を形成するための凸条31が突設されている。第8図に示すように、この凸条31の先端面は平坦面となっており、この凸条31の先端面に沿って溝部6の底面6aが形成される。
中子23付き上型21と下型22とを型締めしたときには、中子23から突設された保持ピン30のうち、係止板11の各開口12に挿通された保持ピン30の先端面がそれぞれ該凸条31の先端面に対峙する。また、この型締め時における各保持ピン30と凸条31との先端面同士の間隔は、ウレタン発泡時にこれらの間にウレタン樹脂が入り込まない大きさ(例えば0.5mm以下)とされている。即ち、この実施の形態では、係止板11の各開口12に挿通された保持ピン30により、溝部6の底面6aからクッションパッド本体3の裏面にまで貫通する各挿通孔13が形成される。
クッションパッド本体3を成形する場合、まず、カバー材14を中子23のキャビティ面23aに重ね合わせて中子23に保持させる。次いで、このカバー材14の上から係止板11を重ね合わせ、この係止板11の各開口12及び保持ピン挿通孔15にそれぞれ保持ピン30を挿通してこの係止板11を中子23に保持させる。
次に、下型22内にウレタン原料を供給し、中子23付き上型21と下型22とを型締めし、その後、このウレタン原料を加熱して発泡させる。
ウレタン原料が硬化した後、型開きし、脱型することにより、係止板11及びカバー材14が一体成形されたクッションパッド本体3が得られる。凸条31が存在していた部分が溝部6となり、各開口12に挿通された保持ピン30が存在していた部分が各挿通孔13となる。
この実施の形態では、上記のように、保持ピン30を係止板11の係止具係止用開口12に挿通して係止板11の上縁側を中子23に保持するように構成されている。また、この開口12に挿通された保持ピン30により、溝部6の底面6aからクッションパッド本体3の裏面にまで貫通する挿通孔13が形成される。即ち、この実施の形態では、係止板11の係止具係止用開口12が保持ピン挿通用開口を兼ねており、且つこの開口12に挿通された保持ピン30が挿通孔13を形成するピンを兼ねている。従って、この実施の形態にあっては、係止板11に設けられる孔の数、並びに中子23に設けられるピンの数がそれぞれ少なくても足りる。
なお、図示は省略するが、本発明においては、凸条31の先端面から係止板11の各開口12に向って挿通孔13を形成するためのピンが突設され、保持ピン30は係止板11を保持する機能のみを有したものとされてもよい。また、係止板11の上縁側にも、各開口12とは別に保持ピン挿通孔15が設けられ、各開口12は係止具10を係止する機能のみを有したものとされてもよい。
クッションパッド本体成形用金型の構成は図示のものに限定されない。例えば、この実施の形態では、クッションパッド本体成形用金型20は上型21、下型22及び中子23からなるが、成形されるクッションパッド本体3の形状によっては、中子23は省略されてもよく、あるいは2個以上の中子が用いられてもよい。
[第2実施形態(係止板の他の形状例)]
上記の実施の形態では、係止板11はクッションパッド本体3の乗員腰部当接面の裏面側を覆うサイズ及び配置となっているが、本発明においては、係止板は、溝部6付近の裏面側のみを覆うサイズ及び配置であってもよい。第9図はこのように構成された係止板を備えたシートバックの断面図であり、第10図はこの係止板の正面図である。
上記の実施の形態では、係止板11はクッションパッド本体3の乗員腰部当接面の裏面側を覆うサイズ及び配置となっているが、本発明においては、係止板は、溝部6付近の裏面側のみを覆うサイズ及び配置であってもよい。第9図はこのように構成された係止板を備えたシートバックの断面図であり、第10図はこの係止板の正面図である。
第9,10図のシートバック2Aにおいては、係止板11Aは、細長い帯板状のものであり、その長手方向を溝部6の延在方向として、該溝部6付近の裏面側に配置されている。即ち、この係止板11Aは、溝部6付近の裏面側のみを覆うサイズ及び配置となっている。
この実施の形態では、係止板11Aに設けられた各開口12が、係止具10を係止するための開口と、保持ピン30を挿通するための開口とを兼ねるものとなっている。即ち、この係止板11Aには、保持ピン30が挿通される機能のみを有した保持ピン挿通孔15は設けられていない。ただし、この実施の形態でも、該係止板11Aに、保持ピン30が挿通される機能のみを有した保持ピン挿通孔15が設けられてもよい。
この実施の形態のその他の構成は、前述の第1〜6図の実施の形態と同様である。
なお、図示は省略するが、本発明においては、係止板は、乗員腰部当接面の裏面側以外の部分を覆うサイズ及び配置とされてもよい。例えば、係止板は、クッションパッド本体3の裏面全体を覆うものであってもよい。
あるいは、係止板は、個々の挿通孔13の周縁部のみを覆うサイズ及び配置であってもよい。
[第3実施形態(係止具の他の形状例)]
上記の実施の形態では、係止具10の軸部10aの後端側の側周面から側方へフランジ部10cが突設されており、このフランジ部10cが表皮材5の裏面に重ね合わされてシーム16により該表皮材5に縫着されているが、係止具の表皮材5への取付構造はこれに限定されない。第11図は係止具の別の形状例を示す、クッション本体の溝部付近の断面図である。
上記の実施の形態では、係止具10の軸部10aの後端側の側周面から側方へフランジ部10cが突設されており、このフランジ部10cが表皮材5の裏面に重ね合わされてシーム16により該表皮材5に縫着されているが、係止具の表皮材5への取付構造はこれに限定されない。第11図は係止具の別の形状例を示す、クッション本体の溝部付近の断面図である。
この実施の形態の係止具10Aにおいては、軸部10aの挿通方向後端側に平板状の縫着部10eが設けられている。この縫着部10eは、板面の延在方向を該軸部10aの軸心線方向と略平行方向として形成されている。この縫着部10eの板面には、軸部10aの軸心線方向と交叉方向にミシン目状に配列された複数の小孔(図示略)が設けられている。
この実施の形態では、第11図のように、表皮材5の溝部6を挟んだ一方の縁部と他方の縁部とがそれぞれ縫着部10eの両板面に重ね合わされ、前記ミシン目状の小孔を介してシーム18により該縫着部10eと一体に縫い合わされている。
この実施の形態のその他の構成は、前述の第1〜6図の実施の形態と同様である。
本発明では、係止具を挿通孔13や開口12に差し込み易くするために、挿通孔13や開口12の差し込み方向入口側の縁部をテーパ形としてもよい。
第12図及び第13図はそれぞれかかる実施の形態を示す断面図であり、前記第5図と同様に係止具10の挿入時における溝部付近の断面を示している。
第12図では、挿通孔13の入口側をテーパ部13aとしている。第13図では、挿通孔13が第12図よりも大径とされ、開口12の入口側にテーパ部12aが設けられている。この第13図では、挿通孔13の内径は、係止具10の引掛部10b部分の最大径よりも大きなものとなっている。また、挿通孔13の内径は、テーパ部12aの最も入口側の最大口径と略同一又はそれ以上となっている。
第12,13図のその他の構成は第5図と同一であり、同一符号は同一部分を示している。
これらの第12,13図の実施の形態によると、係止具10を挿通孔13や開口12に容易に差し込むことができるので、表皮材5の取付作業効率が向上する。
なお、図示は省略するが、挿通孔13の入口側にテーパ部を設けると共に、開口12の入口側にもテーパ部を設けるように構成してもよい。
なお、本発明においては、縫糸等よりなるシームにて係止具を表皮材に縫着する以外にも、例えば接着や溶着等により係止具を表皮材に結合してもよい。これ以外の結合手段により係止具を表皮材に結合してもよい。
上記の実施の形態はいずれも本発明の一例を示すものであり、本発明は上記の各実施の形態に限定されない。本発明は、前述の通り、自動車用シートのシートバック用クッションパッド以外の種々の用途のクッションパッドにも適用可能である。
2 シートバック
3 クッションパッド本体
4 被装着面
5 表皮材
6 溝部
10 係止具
10a 軸部
10b 引掛部
11,11A 係止板
12 開口
12a テーパ部
13 挿通孔
13a テーパ部
20 クッションパッド本体成形用金型
21 上型
22 下型
23 中子
30 保持ピン
31 凸条
3 クッションパッド本体
4 被装着面
5 表皮材
6 溝部
10 係止具
10a 軸部
10b 引掛部
11,11A 係止板
12 開口
12a テーパ部
13 挿通孔
13a テーパ部
20 クッションパッド本体成形用金型
21 上型
22 下型
23 中子
30 保持ピン
31 凸条
Claims (8)
- 表皮材がクッションパッド本体の被装着面に装着されたクッションパッドであって、
前記表皮材の一部分を収容する溝部が該クッションパッド本体に形成されており、
前記表皮材の裏面側に接続された係止具を係止させる開口を有した係止板が、該クッションパッド本体の裏側に該溝部に沿って設けられており、
前記係止具を挿通させる挿通孔が該溝部から該係止板の該開口に達するように貫通しており、
前記係止具は、該挿通孔及び該開口を通って前記係止板に係止されているクッションパッドにおいて、
該係止板が前記クッションパッド本体と一体成形されていることを特徴とするクッションパッド。 - 請求項1において、前記係止具の先端側に、前記開口を通過して、該開口の縁部に係合する引掛部が設けられていることを特徴とするクッションパッド。
- 請求項1又は2において、前記係止板に前記開口が複数個設けられており、
少なくとも一部の開口は、該係止板をクッションパッド本体成形用金型に保持させる保持ピン挿通用開口と兼用されていることを特徴とするクッションパッド。 - 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記クッションパッドはシートクッション用クッションパッドであることを特徴とするクッションパッド。
- 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記クッションパッドはシートバック用クッションパッドであることを特徴とするクッションパッド。
- 請求項5において、前記係止板は、乗員の腰部当接面の裏面側を覆うように配置されていることを特徴とするクッションパッド。
- 請求項1ないし6のいずれか1項において、前記挿通孔の係止具挿入方向の入口側がテーパ形となっていることを特徴とするクッションパッド。
- 請求項1ないし7のいずれか1項において、前記開口の係止具挿入方向の入口側がテーパ形となっていることを特徴とするクッションパッド。
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2008
- 2008-01-10 JP JP2008003403A patent/JP2009090089A/ja active Pending
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JP2016112179A (ja) * | 2014-12-15 | 2016-06-23 | テイ・エス テック株式会社 | シート |
CN106476662A (zh) * | 2015-08-28 | 2017-03-08 | Nfa有限公司分部希望全球有限公司 | 用于垫衬物夹子的列条 |
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