JP2016215983A - 乗物用シート - Google Patents

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栄 奥山
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栄 奥山
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【課題】装飾部材が設けられる乗物用シートの製造を容易にすること。【解決手段】パッド10と、前記パッド10を覆うシートカバー20と、前記シートカバー20の裏面側に設けられた、前記パッド10と前記シートカバー20を繋ぐ接続部材30と、前記シートカバー20の表面側に設けられる装飾部材40(例えばボタン形状を有するもの)と、を備え、前記接続部材30には、前記装飾部材40が固定される装飾固定部32が形成されている乗物用シート1とする。【選択図】図2

Description

本発明は、装飾部材が設けられる乗物用シートに関する。
乗物用シートの表面には、装飾性を高めるため、ボタン等の装飾部材が設けられることがある(例えば、下記特許文献1等参照)。
特開2014−88008号公報
上記装飾部材をシート本体に固定するための固定構造は種々考えられるが、装飾部材を取り付ける専用の工程が発生する、装飾部材の種類が変わることにより固定構造を変更せざるを得なくなる等、装飾部材付きシートとすることによる種々の問題が生じ得る。
本発明が解決しようとする課題は、装飾部材が設けられる乗物用シートの製造を容易にすることである。
上記課題を解決するために本発明にかかる乗物用シートのシートカバーは、 パッドと、前記パッドを覆うシートカバーと、前記シートカバーの裏面側に設けられる、前記パッドと前記シートカバーを繋ぐ接続部材と、前記シートカバーの表面側に設けられる装飾部材と、を備え、前記接続部材には、前記装飾部材が固定される装飾固定部が形成されていることを特徴とする。
前記接続部材の前記装飾固定部および前記装飾部材のいずれか一方が前記シートカバーを貫き、前記接続部材の前記装飾固定部と前記装飾部材の間に前記シートカバーを挟みこむことにより、当該シートカバーに前記接続部材と前記装飾部材が固定されているとよい。
前記シートカバーは、第一カバー構成体と第二カバー構成体が縫合された縫合箇所を含み、前記接続部材の前記装飾固定部および前記装飾部材のいずれか一方が、前記シートカバーにおける前記第一カバー構成体と前記第二カバー構成体の縫合箇所を貫くように設けられているとよい。
前記第一カバー構成体と前記第二カバー構成体の縫合箇所の一部である特定縫合箇所は、その他の部分よりも外側に位置するよう設定されており、前記接続部材の前記装飾固定部および前記装飾部材のいずれか一方が、前記特定縫合箇所を貫くように設けられているとよい。
前記パッドに固定された係合部材を備え、前記接続部材が有する被係合部が前記係合部材に係合されているとよい。
複数の前記装飾固定部が形成された前記接続部材を有し、当該接続部材に形成された複数の前記装飾固定部の形態が同じであるとよい。
ある前記接続部材に形成された前記装飾固定部の形態と、当該ある接続部材とは異なる別の前記接続部材に形成された前記装飾固定部の形態が同じであるとよい。
本発明にかかる乗物用シートは、パッドとシートカバーを繋ぐための接続部材に、装飾部材を固定するための装飾固定部が設けられているから、装飾部材の固定が容易である。具体的には、例えば、シートカバー、接続部材および装飾部材によって構成されるカバーユニットを予め作製しておくことができる(シートカバーに対し装飾部材を固定しておくことができる)から、製造が容易になる。また、装飾固定部は、パッドとシートカバーを繋ぐための接続部材に形成されるものであるから、装飾部材を固定するための部材を別途用意する必要がない。
接続部材の装飾固定部および装飾部材のいずれか一方がシートカバーを貫いた状態で装飾固定部に対し装飾部材が固定される構造とすることで、シートカバーに対する接続部材および装飾部材の位置ずれが防止される。また、シートカバーに対する接続部材および装飾部材の固定を一度に行うことができる。
接続部材の装飾固定部および装飾部材のいずれか一方が、シートカバーにおける第一カバー構成体と第二カバー構成体の縫合箇所を貫いた状態で装飾固定部に対し装飾部材が固定される構造とすることで、装飾部材が第一カバー構成体と第二カバー構成体の境界部分に入り込む装飾性の高い装飾態様を構築することができる。
第一カバー構成体と第二カバー構成体の縫合箇所の一部である特定縫合箇所が、その他の部分よりも外側に位置するよう設定され、接続部材の装飾固定部および装飾部材のいずれか一方が、特定縫合箇所を貫くように設けられていれば、第一カバー構成体と第二カバー構成体を平面状に広げたときにできる窪みの内側に装飾部材が入り込む構造となる。したがって、装飾部材が乗員に強く当たることによって座り心地が低下してしまうの(異物感)を抑制することができる。
接続部材が有する被係合部がパッドに固定された係合部材に係合される構造とすることで、シートカバー(シートカバー、接続部材および装飾部材によって構成されるカバーユニット)をパッドに接続する作業が容易になる。
一の接続部材に複数の装飾固定部を形成すること(一の接続部材に複数の装飾部材が固定されたものとすること)ができる。この場合、各装飾固定部の形態を同じにすれば、装飾部材の種類や数、取付位置等が変わっても装飾部材の取付作業が大きく変化しない等の利点がある。
ある接続部材に形成される装飾固定部と、それとは異なる接続部材に形成される装飾固定部の形態を同じにすれば、装飾部材の種類や数、取付位置等が変わっても装飾部材の取付作業が大きく変化しない等の利点がある。
本発明の一実施形態にかかる乗物用シートの外観図である。 本発明の一実施形態にかかる乗物用シートの分解図(シートの一部分のみの分解図)である。 図1に示すA−A線断面を模式的に示した図である。 (a)は第一カバー構成体と第二カバー構成体の縫合箇所を示した図であり、(b)は縫合した第一カバー構成体と第二カバー構成体を互いに離れる方向に広げた状態を示した図である。 (a)は第一カバー構成体と第二カバー構成体の縫合箇所を示した図であり、(b)は縫合した第一カバー構成体と第二カバー構成体を互いに離れる方向に広げた状態を示した図であって、両カバー構成体の端縁が縫合ラインに沿う形状とされたもの(図4とは異なる例)を示した図である。 (a)は第一カバー構成体と第二カバー構成体における特定縫合箇所に対応する位置に装飾部材を押し当てた状態における断面を模式的に示した図であり、(b)は装飾部材に対し接続部材を固定した状態における断面を模式的に示した図であり、(c)は接続部材の被係合部を係合部材の係合部に係合させた状態における断面を模式的に示した図である。なお、(a)〜(c)の左側は、第一カバー構成体と第二カバー構成体の境界に直交する面で切断した断面を示したものであり、右側は第一カバー構成体と第二カバー構成体の境界に沿う面で切断した断面を示したものである。 複数の装飾固定部が形成された接続部材の外観図である。 (a)は種々の装飾部材を示した図であり、(b)は二つの装飾固定部に一つの装飾部材((a)の右側に示した装飾部材)が固定される例を示した図である。 被係合部の長手方向に直交するように装飾固定部が形成された接続部材の外観図である。 装飾部材(被固定突起)の変形例を示した図である。 接続部材に被固定突起が形成された例を示した図である。 シートカバーに被固定突起を通すための挿通孔が形成された例を示した図である。 接続部材の変形例を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、特に明示した場合を除き、以下の説明における前後方向とは乗物用シート1が搭載された乗物の進行・後退方向(図示されるY方向)をいうものとし、上下方向とは乗物の上下方向(図示されるZ方向)をいうものとし、幅方向とは前後方向および上下方向に直交する方向(図示されるX方向)をいうものとする。
乗物用シート1のシートバック2(背もたれ部)に適用された本発明を説明する。なお、以下で説明する構成は、乗物用シート1のシートクッション3(座部)、ヘッドレスト4、アームレスト、オットマン(足のせ台)等に適用することも可能である(シートクッション3、アームレスト、オットマン等の場合、以下の説明における前後方向は上下方向に置換される)。また、特に明示した場合を除き、以下の説明における各部材等の位置は、シートバック2が原位置に位置する状態(起立した状態)での位置をいうものとする。
図1〜図3に示す本発明の一実施形態にかかる乗物用シート1は、パッド10、シートカバー20、接続部材30、および装飾部材40を備える。以下、各構成について詳細に説明する。
パッド10は発泡体で形成されたクッション材である。図2、図3に示すように、本実施形態におけるパッド10には、シート構成体(詳細は後述)の縫い代が入り込む溝11が形成されている。シート構成体の縫合箇所の位置によるが、多くの場合、当該溝11は上下方向や幅方向に沿うように形成される。パッド10には、接続部材30の被係合部31(詳細は後述)が係合する係合部材50が固定されている。パッド10に対する係合部材50の固定構造はどのようなものであってもよい。本実施形態における係合部材50は、インサート成形によって係合部材50がパッド10に固定されている。係合部材50は、パッド10内に埋め込まれた部分である埋込部51およびパッド10外に露出する部分である係合部52を有する。係合部52は、パッド10に形成された溝11内に位置する。本実施形態における係合部52は、二股状に分岐した部分を有する。係合部52は、当該分岐した部分が互いに間隔を広げる方向に弾性変形することができる。係合部52は、接続部材30の被係合部31が係合する部分であるため、被係合部31の形状(大きさ)等に合わせた形状(大きさ)としてもよいし、被係合部31を複数個所で支持することができるよう複数設けてもよい。
図1〜図3に示すように、シートカバー20は、パッド10を覆う部材である。少なくとも、乗物に設置された状態において、乗員が容易に視認できる箇所は当該シートカバー20に覆われる。シートカバー20の表面は、シート表面を構成するものとなるため、皮材や布材によって構成される。詳細を省略するが、当該皮在や布材の裏面側(後側)にクッション材(スラブ層等とも称さされる)が設けられていてもよい。
本実施形態におけるシートカバー20は、複数のカバー構成体(少なくとも上記皮材や布材を有するシート状の部材)が縫合されてなる。以下、パッド10のある部分を覆うカバー構成体を第一カバー構成体21と、当該カバー構成体に縫合されるものであって、パッド10の他の部分を覆うカバー構成体を第二カバー構成体22と称する。ただし、シートカバー20は、これら第一カバー構成体21および第二カバー構成体22以外のカバー構成体を有するものであってもよい。
第一カバー構成体21と第二カバー構成体22は、その表面同士を対向させる(接触させる)ようにして端部が縫合される。そして、当該縫合箇所を支点として互いに離れる方向に引っ張られた状態とされることにより、シート状の構造物を構築することになる。第一カバー構成体21と第二カバー構成体22の縫合箇所の形状(縫合ライン)は、装飾部材40が取り付けられることを踏まえて、以下のように設定されている。
図4(a)は、端縁を揃えるようにして重ね合された両カバー構成体を示した図である。通常、両カバー構成体は、揃えられた端縁に沿う直線状に縫合されていくところ、本実施形態における縫合箇所は、その一部(以下、特定縫合箇所23と称する)が、他の部分(以下、通常縫合箇所24と称する)に比して端縁側に位置するように設定されている。したがって、図4(b)に示すように両カバー構成体を広げた状態でみれば、特定縫合箇所23は、通常縫合箇所24よりも奥まった箇所に位置することになるから、特定縫合箇所23が設定された部分が窪み25となる。後述するように、当該窪み25内に装飾部材40が入り込むこととなるから、特定縫合箇所23は装飾部材40が設置される箇所に形成される。また、特定縫合箇所23の大きさは、設置する装飾部材40の大きさに合わせて設定される。
また、図5(a)に示すように、第一カバー構成体21と第二カバー構成体22の形状を、予め第一カバー構成体21と第二カバー構成体22の縫合箇所(縫合ライン)に沿うように設定してもよい。つまり、第一カバー構成体21と第二カバー構成体22における、特定縫合箇所23となる部分に相当する端縁が、通常縫合箇所24となる部分に相当する端縁よりも外側に膨らんだ形状としてもよい。第一カバー構成体21と第二カバー構成体22をミシンによって縫合する際、両カバー構成体の端縁を当てるガイドが設けられる場合には、端縁から所定距離離れた位置が縫合されることとなるから、当該端縁の形状を縫合ラインに沿う形状(平行な形状)とすることで、縫合ラインの形状(仕上がり)を安定したものとすることができる。また、縫合作業が容易になる。このようなシートカバー20の構成としても、図5(b)に示すように両カバー構成体を広げた状態とすれば、特定縫合箇所23が設定された部分に窪み25が形成されることとなる。
図4に示したシートカバー20、図5に示したシートカバー20のいずれも、特定縫合箇所23が、通常縫合箇所24よりも外側(パッド10を覆う部材として機能する部分側を内側、その反対側を外側とする)に形成されている点で共通する。
図2、図3に示すように、接続部材30は、シートカバー20とパッド10とを繋ぐために用いられる部材である。接続部材30は、例えば、POM、ナイロンなどの合成樹脂材料により形成することができる。本実施形態における接続部材30は、細長い棒状の部材であって、詳細を後述するように、装飾部材40との協働によりシートカバー20の裏面側(後側)に固定されることとなる。接続部材30(詳細を後述する被係合部31)の長手方向は、パッド10に形成された溝11の長手方向に沿う。かかる接続部材30は、被係合部31および装飾固定部32を有する。被係合部31は、上述した係合部材50の係合部52に係合される部分である。本実施形態における被係合部31は、断面でみて、先細の「矢尻」形状を呈する部分である。被係合部31を係合部52に押しつけることにより、係合部52を構成する二股状の部分が広がり、当該二股状の部分の間に被係合部31が入り込む。被係合部31が入り込むと、係合部52の弾性変形量が小さくなり、被係合部31の入り口部分が狭められた状態となる。これにより、被係合部31が係合部52から容易に外れてしまうことのない状態となる。
装飾固定部32は、装飾部材40が固定される部分である。装飾固定部32は、接続部材30における上記被係合部31が形成された箇所の反対側(被係合部31の「矢尻」の向きの反対側)に形成されている。本実施形態における装飾固定部32は、貫通孔である固定孔321が形成された板状の部分である。本実施形態では、二つの固定孔321が形成されている。
装飾部材40は、シートカバー20の表面側(前側)に設けられた部材であって、シート表面を装飾するための部材である。装飾部材40は、例えば、POM、ナイロンなどの合成樹脂材料により形成することができる。その装飾のための形態(本体部41の形態)はどのようなものであってもよい。本実施形態における装飾部材40の本体部41は「ボタン」形状を呈するものである。装飾部材40(本体部41)には、装飾のための表面処理が施されていてもよい。表面処理としては、材着、塗装、めっき処理、布帛・合成皮革・天然皮革等の材料で表面を覆う手法が例示できる。装飾部材40の本体部41の後側には、装飾部材40を装飾固定部32に固定するための被固定突起42が設けられている。被固定突起42は、上記固定孔321に通すことができる大きさ(太さ)に形成されている。本実施形態では、二つの被固定突起42が設けられている。当該被固定突起42間の間隔は、上記装飾固定部32における二つの固定孔321の間隔と同じである。
このような各構成を備える乗物用シート1の製造方法について、一部上記説明と重複するが、以下詳細に説明する。本実施形態にかかる乗物用シート1を製造する工程は、大きく分けて、1)カバーユニットを得る工程と、2)得られたカバーユニットをパッド10に接続する工程を含む。なお、その他の工程はどのようなものであってもよいため、説明を省略する。
1)カバーユニットを得る工程
第一カバー構成体21と第二カバー構成体22を、上述した特定縫合箇所23と通常縫合箇所24が存在するように縫合する(図4、図5参照)。そして、特定縫合箇所23が存在する箇所の表面側に装飾部材40を押しつける。装飾部材40の後側には、被係合突起が形成されているため、各被係合突起は特定縫合箇所23の縫い目間を通る。つまり、各被係合突起は、シートカバー20を貫くようにして先端側の一部がシートカバー20の裏面側(後側)に露出した状態となる(図6(a)参照)。
シートカバー20の裏面側で露出した被係合突起の先端部分は、接続部材30の装飾固定部32に形成された固定孔321に通される。二つの被係合突起の間隔は、二つの固定孔321の間隔と同じであるから、両被係合突起を対応する固定孔321に通す。その後、装飾固定部32の後側に位置する被係合突起の最先端部分を溶融させる(熱溶着させる)ことにより、被係合突起の溶融した部分が固定孔321の周縁部分に引っ掛かった状態となる。つまり、装飾部材40が装飾固定部32に固定された状態となる(図6(b)参照)。
これにより、接続部材30と、接続部材30の装飾固定部32に固定された装飾部材40との間にシートカバー20が挟み込まれた状態となる。つまり、シートカバー20の所定位置における裏面側に接続部材30が、表面側に装飾部材40が固定されたカバーユニットが得られる。
2)上記1)で得られたカバーユニットをパッドに接続する工程
得られたカバーユニットをパッド10に接続する。具体的には、シートカバー20に固定された接続部材30の被係合部31をパッド10に固定された係合部材50の係合部52に係合する(図6(c)参照)。被係合部31と係合部52の係合については上述した通りである。
両者を係合させると、第一カバー構成体21と第二カバー構成体22の縫い代部分(縫合箇所から各カバー構成体の端縁までの部分)は、パッド10に形成された溝11内に入り込む。また、被係合部31を係合部52に係合させることにより、被係合部31が形成された接続部材30がパッド10側に引っ張られる。接続部材30の装飾固定部32には装飾部材40が固定されているため、装飾部材40がパッド10側に引っ張られる。これにより、装飾部材40は、上記特定縫合箇所23を形成することによって発生する第一カバー構成体21と第二カバー構成体22の間の窪み25内に入り込む。シートカバー20(第一カバー構成体21と第二カバー構成体22)は可撓性を有するものであるため、パッド10側に引っ張られた装飾部材40になじむよう変形する。これにより、装飾部材40があたかもシートカバー20に縫い付けられたかのような態様となり、意匠性に優れたものとなる。
このような上記1)工程および2)工程を含む製造工程を経て、本実施形態にかかる乗物用シート1が得られる。以上説明したように、本実施形態にかかる乗物用シート1は、パッド10とシートカバー20を繋ぐための接続部材30に、装飾部材40を固定するための装飾固定部32が設けられているものであるから、装飾部材40の固定が容易である。すなわち、上記1)工程によって、シートカバー20、接続部材30および装飾部材40によって構成されるカバーユニットを予め作製しておくことができる(シートカバー20に対し装飾部材40を固定しておくことができる)から、その後の工程においては当該カバーユニットをパッド10に接続するだけでよく、製造が容易になる。また、装飾固定部32は、パッド10とシートカバー20を繋ぐための接続部材30に形成されるものであるから、装飾部材40を固定するための部材を別途用意する必要がない。
また、装飾部材40の被係合突起がシートカバー20を貫いた状態で装飾固定部32に固定される構造であるから、シートカバー20に対する接続部材30および装飾部材40の位置ずれが防止される。また、シートカバー20に対する接続部材30および装飾部材40の固定を一度に行うことができる。
また、第一カバー構成体21と第二カバー構成体22の縫合箇所に上記特定縫合箇所23を設けることにより、装飾部材40は両カバー構成体を平面状に広げたときにできる窪み25の内側に入り込む。したがって、装飾部材40が乗員に強く当たることによって座り心地が低下してしまうのを抑制することができる。
また、カバーユニットとパッド10の接続は、接続部材30が有する被係合部31をパッドに固定された係合部材50の係合部52に係合するだけでよく、接続作業が容易である。
以下、上記実施形態にかかる乗物用シート1を変形、改良等した具体例について、上記乗物用シート1と異なる点を中心に説明する。なお、以下で説明するいずれか一つの例を適用した乗物用シートとしてもよいし、複数の例を適用した乗物用シートとしてもよい。
・第一具体例
図7に示すように、一の接続部材30には、複数の装飾固定部32を形成することができる。複数の装飾部材40を比較的近い位置に配置する場合には有効である。この場合、一つの接続部材30に形成される複数の装飾固定部32の形態を同じにすることが望ましい。なお、ここでいう「装飾固定部32の形態が同じ」であるとは、装飾部材40を固定するために必要な部分の形態が同じ、ということである(以下同じ)。したがって、上記実施形態に則して言えば、固定孔321の形状およびその間隔が同じであるということである。
このように、一の接続部材30に形成される複数の装飾固定部32の形態が同じであれば、各装飾固定部32に対する装飾部材40の固定構造が同じになるということであるから、シートの種類等に応じて、装飾部材40の種類を変化させることが容易になる。つまり、例えば図8(a)に示すように、装飾部材40に形成される被固定突起42の形状や間隔等、装飾固定部32に固定するための構造は同じであるが、装飾部分(本体部41a〜41c)の態様が異なる様々な装飾部材40(40a〜40c)を用意しておくことで、装飾部材40の種類を変化させることが容易になる。また、シートの種類等に応じて、使用する装飾固定部32を変化させること、すなわち装飾部材40の位置を変化させることが容易になる。また、あるシートでは、複数の装飾固定部32のそれぞれに一つずつ装飾部材40を固定する一方、別の種類のシートでは、複数の装飾固定部32のうちの一つを利用して一つの装飾部材40を固定する、といったように装飾部材40の数を変化させることも容易である。また、例えば図8(b)に示すように複数の装飾固定部32を利用して固定箇所が複数設定された比較的大きな(複数の装飾固定部32が並ぶ方向に長い)装飾部材40(40c)を固定することもできる。このように、本例によれば、装飾部材40の種類や数、取付位置等が変わっても取付作業が大きく変化しない、デザインの幅を広げる際のコストが抑えられる、といった利点がある。
・第二具体例
一の乗物用シートに複数の接続部材30が設けられる場合、各接続部材30に形成される装飾固定部32の形態を同じにするとよい。なお、複数の接続部材30の全てが、装飾固定部32が形成されたものとする必要はない。つまり、装飾部材40を固定するために利用されない接続部材30(シートカバー20とパッド10を繋げるためにのみ用いられる接続部材30)が存在していてもよい。
このように、ある接続部材30に形成される装飾固定部32と、それとは別の接続部材30に形成される装飾固定部32の形態が同じであれば、各装飾固定部32に対する装飾部材40の固定構造が同じになるということであるから、上記第一具体例と同様に、シートの種類等に応じて、装飾部材40の種類や数、取付位置等を変化させることが容易になる(装飾部材40の種類や数、取付位置等が変わっても取付作業が大きく変化しない、デザインの幅を広げる際のコストが抑えられるといった利点がある。)。
・第三具体例
上記実施形態のように、被係合部31の長手方向に沿うように(当該方向に固定孔321が並ぶように)装飾固定部32を形成することもできるし、図9に示すように、被係合部31の長手方向に直交するように(当該方向に固定孔321が並ぶように)装飾固定部32を形成することもできる。また、斜め方向に(当該方向に固定孔321が並ぶように)装飾固定部32を形成することもできる。このように、装飾固定部32の向きを変化させれば、それに固定される装飾部材40の向きを種々変化させることができる。すなわち、装飾部材40の形状や模様等が方向性のあるもの(円形かつ単色のような方向性の無いもの以外の装飾部材40)であれば、その向きを容易に種々変化させることができるという点で本例は有効である。なお、上記「装飾固定部32の形態が同じ」とは、装飾固定部32の向きの違いは考慮しないものとする。つまり、固定孔321の形状および間隔等が同じであれば、形態が同じである装飾固定部32に該当するものとする。
・第四具体例
上記実施形態では、装飾部材40の被固定突起42が、接続部材30の装飾固定部32に熱溶着されることによって装飾部材40が装飾固定部32に固定されることを説明したが、当該固定構造は一例である。例えば、図10に示すように、「矢尻」状の先端部分の大きさが弾性変形によって変化する被固定突起42aとし、当該被固定突起42aを弾性変形させることで、被固定突起42aの「矢尻」状の部分を、装飾固定部32の固定孔321の周縁部に引っ掛けることができる構造としてもよい。
・第五具体例
上記実施形態および上記第四具体例における装飾固定部32に対する装飾部材40の固定構造は、装飾部材40の被固定突起42が装飾固定部32に固定されるものであることを説明したが、その逆であってもよい。つまり、図11に示すように、装飾固定部32に装飾部材40側に向かって突出する被固定突起32aを設け、当該被固定突起32aが装飾部材40に形成された固定孔40aの周縁部に引っ掛けられる構造としてもよい。かかる構造においても、装飾固定部32がシートカバー20を貫いた状態にあるため、シートカバー20に対する装飾部材40や接続部材30の位置ずれが防止される。
・第六具体例
上記実施形態では、装飾部材40の被固定突起42が、シートカバー20を構成する第一カバー構成体21と第二カバー構成体22を縫合した縫い目の隙間に通されていることを説明したが、装飾部材40の被固定突起42を通すための貫通孔(挿通孔26)がシートカバー20に形成された構造としてもよい。つまり、図12に示すように、カバー構成体同士が縫合された部分以外の箇所に装飾部材40を設けるのであれば、被固定突起42を通すための挿通孔26がシートカバー20に形成された構造としてもよい。なお、上記第五具体例のように、装飾固定部32に被固定突起42が設けられる場合についても、本例の技術思想を適用することができる。
・第七具体例
接続部材30は、図13に示すような構造とすることができる。具体的には、接続部材30を、被係合部31を含む第一の部分30aと、装飾固定部32を含む第二の部分30bと、第一の部分30aと第二の部分30bを繋ぐ中継部30cとを有するものとすることができる。つまり、被係合部31が形成される部分と装飾固定部32が形成される部分とを別々に形成することができる。このようにすれば、被係合部31および装飾固定部32のいずれか一方の形状や大きさを変更する場合であっても、他方が形成された部材をそのまま利用することが可能となる(部材の汎用性が向上する)。
この場合、中継部30cは、可撓性のある材料(例えば布帛)によって形成されることが望ましい。中継部30cが可撓性のある材料で形成されていれば、着座時に接続部材30が乗員に強く当たることによって座り心地が低下してしまうの(異物感)を抑制することができる。また、中継部30cの長さを変更することで、装飾部材40の深さ(シート表面における沈み込み具合)を調整することができる(第一の部分30aや第二の部分30bの形状、大きさ等を変更する必要がない)。
中継部30cに対する第二の部分30bの接続構造はどのようなものであってもよい。例えば、図13(b)に示すように、第二の部分30bに形成される突起301bを、中継部30cに形成された貫通孔に通した上で、当該突起301bの先端部分を溶融させる(熱溶着させる)ことで、両者を接続してもよい。また、図13(c)に示すような、接続具35(例えば、雄部材351およびそれに係合可能な雌部材352からなる一組の接続具35)を用いて両者を接続してもよい。中継部30cに対する第一の部分30b(被係合部31)の接続構造もどのようなものであってもよい。例えば、インサート成形によって両者を一体化すればよい。
以上、本発明の実施形態およびその変形例、改良例について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態およびその変形例、改良例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
例えば、上記実施形態およびその変形例、改良例にかかる乗物用シートが搭載される対象となる乗物は、自動車、鉄道車両や航空機等、どのような乗物であってもよい。
また、上記実施形態およびその変形例、改良例にかかる乗物用シートは、接続部材30がパッド10に固定された係合部材50に係合されることで、シートカバー20がパッド10に接続される(接続部材30および係合部材50を介して接続される)ことを説明したが、当該接続構造は一例である。例えば、パッド10に埋設された部材と、接続部材30とが、紐状の部材によって結び付けられることによってシートカバー20がパッド10に接続される構造(いわゆるホグリングによってシートカバー20がパッド10に接続される構造)を採用してもよい。
1 乗物用シート
10 パッド
20 シートカバー
21 第一カバー構成体
22 第二カバー構成体
23 特定縫合箇所
24 通常縫合箇所
25 挿通孔
30 接続部材
31 被係合部
32 装飾固定部
321 固定孔
40 装飾部材
41 本体部
42 被固定突起
50 係合部材
52 係合部

Claims (7)

  1. パッドと、
    前記パッドを覆うシートカバーと、
    前記シートカバーの裏面側に設けられる、前記パッドと前記シートカバーを繋ぐ接続部材と、
    前記シートカバーの表面側に設けられる装飾部材と、
    を備え、
    前記接続部材には、前記装飾部材が固定される装飾固定部が形成されていることを特徴とする乗物用シート。
  2. 前記接続部材の前記装飾固定部および前記装飾部材のいずれか一方が前記シートカバーを貫き、
    前記接続部材の前記装飾固定部と前記装飾部材の間に前記シートカバーを挟みこむことにより、当該シートカバーに前記接続部材と前記装飾部材が固定されていることを特徴とする請求項1に記載の乗物用シート。
  3. 前記シートカバーは、第一カバー構成体と第二カバー構成体が縫合された縫合箇所を含み、
    前記接続部材の前記装飾固定部および前記装飾部材のいずれか一方が、前記シートカバーにおける前記第一カバー構成体と前記第二カバー構成体の縫合箇所を貫くように設けられていることを特徴とする請求項2に記載の乗物用シート。
  4. 前記第一カバー構成体と前記第二カバー構成体の縫合箇所の一部である特定縫合箇所は、その他の部分よりも外側に位置するよう設定されており、
    前記接続部材の前記装飾固定部および前記装飾部材のいずれか一方が、前記特定縫合箇所を貫くように設けられていることを特徴とする請求項3に記載の乗物用シート。
  5. 前記パッドに固定された係合部材を備え、
    前記接続部材が有する被係合部が前記係合部材に係合されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の乗物用シート。
  6. 複数の前記装飾固定部が形成された前記接続部材を有し、当該接続部材に形成された複数の前記装飾固定部の形態が同じであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の乗物用シート。
  7. ある前記接続部材に形成された前記装飾固定部の形態と、当該ある接続部材とは異なる別の前記接続部材に形成された前記装飾固定部の形態が同じであることを特徴する請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の乗物用シート。
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