JP2009089817A - 薬液注入装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】注入ヘッドに装着されたシリンジに充填されている薬液の種類を直感的に認識できるようにする。
【解決手段】薬液注入装置は、充填されている薬液の種類を含むデータが記録されたデータキャリア240を備えたシリンジ200C、200Pが装着された注入ヘッド110を有する。注入ヘッド110には、装着されたシリンジ200C、200Pのデータキャリアからデータを読み出すリーダと、複数色の色を発光可能なマルチカラーLED114とを有する。薬液注入装置は、リーダでデータキャリア240からデータを読み出し、読み出したデータキャリア240に記録されている薬液の種類に応じて異なる色でマルチカラーLED114を発光させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、シリンジに充填された薬液を被験者に注入する薬液注入装置に関する。
医療用の画像診断装置としては、CT(Computed Tomography)スキャナ、MRI(Magnetic
Resonance Imaging)装置、PET(Positron Emission Tomography)装置、アンギオ装置、およびMRA(MR Angio)装置などがある。これらの装置を使用する際は、被験者に造影剤や生理食塩水などの薬液を注入することが多い。
通常、薬液はシリンジに充填されている。シリンジは一般に、薬液を収容したシリンダと、シリンダ内にその軸方向に移動可能に挿入されたピストンとを有する。シリンダには延長チューブを介して注入針が接続される。この注入針を被験者の血管に穿刺し、その状態でピストンをシリンダに押し込むことで、シリンジ内の薬液を被験者に注入することができる。
被験者への薬液の注入は、薬液注入装置を用いて自動的に行なうのが一般的である。薬液注入装置は、シリンジが着脱自在に装着される注入ヘッドを有している。注入ヘッドは、装着されたシリンジのピストンをシリンダ内に押し込むピストン駆動機構を備えており、ピストン駆動機構のこの動作によって薬液がシリンジから押し出される。
薬液注入時におけるピストン駆動機構の動作は非常にゆっくりとした動作であるため、一見しただけではピストン駆動機構が動作しているのか停止しているのかを操作者が認識するのが困難な場合がある。そこで特許文献1には、注入ヘッドにLED(発光ダイオード)を設け、注入ヘッドの動作状態に応じてLEDを点灯させたり点滅させたりすることによって、注入ヘッドの動作状態を容易に確認できるようにした薬液注入装置が開示されている。
また、薬液としては造影剤や生理食塩水が一般に用いられるが、これらはいずれも透明であるため、シリンジの外観が類似している場合は適切でない薬液が充填されているシリンジを注入ヘッドに装着してしまうおそれがある。そこで特許文献2には、シリンジや充填されている薬液に関するデータなどを記録したRFIDチップをシリンジに装着するとともに、RFIDリーダを注入ヘッドに設け、シリンジを注入ヘッドに装着することによってRFIDリーダRFIDチップから読み出したデータの一部をディスプレイに表示したり、RFIDチップから読み出したデータに対応して注入ヘッドを動作させたりするようにした薬液注入装置が開示されている。
特開2003−116990号公報 WO2005/084732A1
上述のように、特許文献1に記載の薬液注入装置では、LEDの点灯や点滅動作を制御することによって注入ヘッドの動作状態を操作者に知らせているが、このことはシリンジに充填されている薬液が造影剤であるか生理食塩水であるかとは無関係である。そのため、不適正な薬液が充填されたシリンジが注入ヘッドに搭載された場合であっても、薬液注入装置はそのことを検知することができない。
これに対して特許文献2に記載の薬液注入装置では、RFIDチップをシリンジに設け、RFIDチップに記録されているデータの一部、特に薬液に関するデータがディスプレイに表示されるので、注入ヘッドに搭載されたシリンジに充填されている薬液が適正な薬液であるかどうかを確認することができる。しかし、それらの情報は、通常は文字情報として表示されるので、例えば薬液が造影剤であるか生理食塩水であるかなどは一見しただけでは認識しにくく、不適切な薬液が充填されたシリンジが装着された場合に、それを見逃してしまうおそれがあった。
本発明は、注入ヘッドに装着されたシリンジに充填されている薬液の種類を直感的に認識できる薬液注入装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明の薬液注入装置は、充填されている薬液の種類を含むデータが記録されたデータキャリアを備えたシリンジが装着される注入ヘッドを有し、注入ヘッドに装着されたシリンジを操作することによって薬液を注入する薬液注入装置である。そして本発明の薬液注入装置は、注入ヘッドに装着されたシリンジのデータキャリアからデータを読み出すリーダと、注入ヘッドに設けられた、複数色の色を発光可能な発光装置と、を有し、リーダでデータキャリアからデータを読み出し、読み出したデータキャリアに記録されている薬液の種類に応じて異なる色で発光装置を発光させることを特徴とする。
本発明の薬液注入装置では、データキャリアが設けられたシリンジが注入ヘッドに装着されると、データキャリアに記録されているデータがリーダによって読み出される。データキャリアには薬液の種類についてのデータが含まれており、薬液注入装置は、例えば造影剤か生理食塩水かといった薬液の種類に応じて発光装置を異なる色で発光させる。
本発明において、発光装置は、注入ヘッドにシリンジを装着した状態でシリンジを通して発光装置からの発光を視認できる位置に配置されていることが好ましい。
また、本発明において、発光装置は、LED、特にマルチカラーLEDであることが好ましい。
本発明の薬液注入装置は、シリンジを操作するための駆動機構をさらに有し、駆動機構の動作に応じて発光装置の駆動を制御してもよい。この場合、駆動機構の動作中に発光装置を点滅させたり、駆動機構の動作が終了したら発光装置の発光色をさらに別の色に変更したりすることができる。
さらに、本発明の薬液注入装置では、薬液の注入動作に先立ち、シリンジ内に充填されている薬液の量がゼロである結果が得られた場合に、発光装置をさらに別の色で発光させてもよい。
本発明によれば、シリンジに充填されている薬液の種類に応じて発光装置が異なる色で発光するので、操作者は、シリンジに充填されている薬液の種類を、シリンジを注入ヘッドに装着しただけで直感的に認識することができる。さらに、発光装置を、注入ヘッドにシリンジを装着した状態でシリンジを通して発光装置からの発光を視認できる位置に配置すれば、発光装置の発光によりシリンジ全体から発光しているように見え、薬液の種類の認識性をより向上させることができる。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1を参照すると、薬液注入装置100と、透視撮像装置であるCT装置300とを有する、本発明の一実施形態による薬液注入システム1000が示される。CT装置300と薬液注入装置100とは、相互間で情報の送受信を行なえるように、互いに接続されている。
CT装置300は、撮像動作を実行するスキャナ301と、スキャナ301の動作を制御する撮像制御ユニット302とを有している。なお、図1では、薬液注入システム1000の全ての構成要素が同じ室内に配されているように示されているが、実際に被験者の透視画像を撮像する際は、撮像制御ユニット302は、スキャナ301および薬液注入装置100とは別室に配される。
薬液注入装置100は、例えば図2に示すように、スタンド111の上部にアーム112を介して装着された注入ヘッド110と、注入ヘッド110とケーブル102で接続された注入制御ユニット101と、を有している。注入制御ユニット101は、メイン操作パネル103、表示手段と入力手段とを兼ねたタッチパネル104、およびケーブル108で接続された、補助的な入力手段であるハンドユニット107等を備えている。
注入ヘッド110は、図3に示すように、ヘッド本体113の上面にシリンジ保持部として2つの凹部113aが形成されており、この凹部113aに2つのシリンジ200Cおよび200Pが保持される。シリンジ200C、200Pは、シリンダ210とピストン220を有しており、凹部113aに保持されるのはシリンダ210である。各シリンジ200C、200Pには異なる薬液が充填されており、例えば、一方のシリンジ200Cには、薬液として造影剤が充填され、もう一方のシリンジ200Pには生理食塩水が充填されている。ヘッド本体113に装着された2つのシリンジ200C、200Pの先端には、中間部で1本に合流し先端に注入針(不図示)が接続される連結チューブ230が接続される。
注入ヘッド110には、凹部113aに保持されたシリンジ200C、200Pから薬液を注入するためにピストン220をシリンジ210に押し込むように動作される2つのピストン駆動機構130が、各凹部113aに対応して設けられている。各ピストン駆動機構130は、互いに独立して駆動される。
ピストン駆動機構130は、図4に示すように、凹部113aの長手方向に沿って進退移動可能に設けられたロッド131と、ロッド131の先端に設けられたピストン押圧部132とを有する。ロッド131の駆動源としてはドライバによって駆動されるモータ(不図示)が用いられ、このモータの回転が動力伝達機構(不図示)によって直線運動に変換され、これによってロッド131を進退移動させることができる。動力伝達機構としては、例えば、ボールねじ機構を用いることができる。これらドライバ、モータおよび動力伝達機構もピストン駆動機構130に含まれる。
ピストン押圧部132は、シリンジのピストン220の末端に設けられたピストンフランジ220aを把持しながらシリンダ210に向けて押し込む部分であり、ピストンフランジ220aを把持するための一対のフィンガ133が設けられている。フィンガ133は、ピストンフランジ220aに対する係合およびその解除を行なうことができるように開閉可能にピストン押圧部132に設けられている。
注入ヘッド110の、シリンジ200P、200Cを保持するための機構、およびピストン駆動機構130については、この種の注入装置に一般に用いられる公知の機構を採用することができる。
再び図3を参照すると、注入ヘッド110は、各凹部113aの内周面に配置されたマルチカラーLED(発光ダイオード)114をさらに有している。マルチカラーLED114は、青色に発光する青色LEDチップ、緑色に発光する緑色LEDチップおよび赤色に発光する赤色LEDチップを1つにパッケージングしたものであり、各LEDチップを単独で駆動したり、複数のLEDチップを組み合わせて駆動したりすることで、任意の色で発光させることができる。
上記のようにマルチカラーLED114を凹部113aに配置することで、シリンジ200P、200Cを注入ヘッド110に保持させると、各シリンジ200P、200Cのシリンダ210はマルチカラーLED114上に位置する。シリンダ210および薬液は通常透明であるので、この状態でマルチカラーLED114を発光させることにより、シリンダ210を通してマルチカラーLED114からの発光を視認することができる。
また、各シリンジ200P、200Cは、シリンダ210の外周面にデータキャリア240を有している。データキャリア240としては、ICタグ、バーコード、および二次元コードなどを用いることができ、中でも、比較的大容量のデータを記録できるICタグを好ましく用いることができる。ICタグは、無線ICタグ、非接触ICタグ、非接触ICチップ、非接触データキャリアなどとも呼ばれ、RF−ID(Radio Frequency-Identification)技術を利用するデバイスである。本発明においては、ICタグは、無線等の非接触の通信媒体を用いてデータ通信を行ない、固体識別符号などの情報を追記または書き換え可能に記録するメモリ付き集積回路を有する媒体を意味する。
データキャリア240には、それが設けられているシリンジ200P、200Cに関するデータおよび充填されている薬液に関するデータが記録されている。シリンジ200P、200Cに関するデータとしては、耐圧、容量およびロット番号などが挙げられる。薬液に関するデータとしては、薬液の品名、ロット番号、使用期限および充填量などが挙げられる。充填されている薬液が造影剤の場合、単位量あたりのヨード量が、薬液に関するデータに含まれていてもよい。
なお、シリンジを、どこで薬液を充填するかによって分類すると、空のシリンジに医療現場で薬液を充填する後充填タイプと、製造者がシリンジに薬液を充填した状態で医療現場に納入するプレフィルドタイプとに分けることができる。後充填タイプのシリンジの場合は、データキャリア240へのデータの記録は医療現場で行なう。プレフィルドタイプのシリンジの場合は、データキャリア204へのデータの記録は製造者が行なう。また、プレフィルドタイプのシリンジで、かつ充填されているのが造影剤である場合、データキャリア204に記録されるデータは、シリンジの品名、1本あたりのヨード量、単位量当りのヨード量、ロット番号、使用期限および耐圧であってもよい。
データキャリア240は、シリンダ210の外周面に、粘着テープによって貼り付けられていてもよいし、接着剤によって接着されていてもよい。あるいは、データキャリア240をシリンダ210に埋め込むこともできる。
一方、注入ヘッド110には、注入ヘッド110に装着されたシリンジ200C、200Pのデータキャリア240に記録されているデータを読み出すためのリーダ135(図5参照)が内蔵されている。ここでいうリーダは、データキャリア240に記録されているデータを少なくとも読み出す機能を有していればよく、例えばデータキャリア240がICタグなど追記可能なキャリアである場合は、データキャリア240へデータを記録するライタとしての機能をさらに有していてもよい。
図5に、薬液注入装置100を機能的に表したブロック図を示す。なお、図5に示す各ブロックは、図1〜図3で説明した構成の少なくとも一部、または少なくとも一部の組合せとして存在しており、ハードウェアとして構成されていてもよいし、論理回路として構成されていてもよい。
図5に示すように、注入制御ユニット101は、表示部141、入力部142、注入条件決定部143、データベース144および制御部145を有している。
制御部145は、薬液注入装置100の動作全般を、後述する動作手順を含むシーケンスに従って動作するように、注入制御ユニット101および注入ヘッド110の各部を制御する。
入力部141は、図2に示したメイン操作パネル103およびタッチパネル104に相当し、操作者による薬液注入装置100に関する様々な設定、薬液の注入量の決定、薬液の注入プロトコルの決定、薬液の注入条件の決定に必要なデータなどの入力を受け付ける。表示部142は、図2に示したタッチパネル104に相当し、薬液注入装置100の設定用の画面、データ入力用の画面、および動作状態を表す画面などが表示される。
注入条件決定部143は、入力部141から入力されたデータの少なくとも一部を用いて、被験者に注入する薬液の量および注入速度などの注入条件を決定する。あるいは、薬液の注入量および注入速度が入力部141に直接入力される場合は、入力された注入量および注入速度をそのまま注入条件として用いる。被験者への薬液の注入量および注入速度は、良好な画像を撮像するのに最適な値が、被験者の体重、身長、性別、年齢などの被験者因子、薬液の成分、物性などの薬液因子、および撮像部位、撮像時間、薬液の注入プロトコルなどの撮像因子によって異なる。
例えば、薬液が造影剤である場合、良好な画像を得るために重要な因子の1つが、ヨードの注入総量である。造影剤は、その種類によってヨード含有濃度が異なっており、違う種類の造影剤では、同じ量であってもそれに含まれるヨード量は異なる。
そこで、撮像部位ごとの係数データ、薬液の種類ごとの有効成分データ(例えば造影剤においては、造影剤の種類ごとのヨード含有濃度データ)、および被験者の体重、身長といった身体情報に対応した薬剤の注入総量データなどが、データベース144に格納されている。
注入条件決定部143は、データベース144を参照しつつ、こういった各種因子を考慮して予め決められた計算式に当てはめることなどによって、薬液の注入条件を決定する。注入条件決定部143での薬液の注入条件の決定手順は、従来の薬液注入装置における薬液の注入条件の決定手順と同じでよいので、ここでは、具体的な計算式および計算手法などの説明は省略する。
注入ヘッド110は、前述したように2つのピストン駆動機構130を有し、それらに対応してリーダ135およびマルチカラーLED114を備えている。リーダ135は、シリンジ200C、200Pに設けられたデータキャリア240から読み出したデータを制御部145へ送る。制御部145に送られたデータの一部は、薬液の注入条件の決定に利用されたり、表示部141に表示されたりする。ピストン駆動機構130は、制御部145から送られた制御データに従ってロッド131(図4参照)の動作を制御する。マルチカラーLED114も、制御部145からの指令に従って動作が制御される。
なお、注入ヘッド110は、注入制御ユニット101に設けられた表示部141および入力部142とは別の表示部138および入力部137を有することもできる。本形態では、表示部138および入力部137としてそれぞれ、図3に示すようにディスプレイパネル115および複数の操作ボタン116を有している。ディスプレイパネル115をタッチパネルとして表示部および入力部を兼用してもよい。
次に、上述した薬液注入装置100の動作について説明する。
まず、操作者は、造影剤が充填されたシリンジ200Cおよび生理食塩水が充填されたシリンジ200Pを、注入ヘッド110の凹部113aにそれぞれセットする。次いで、操作者は、注入ヘッド110の入力部137より所定の操作を行ない、ロッド131が前進するように各ピストン駆動機構130を駆動させる。これにより、フィンガ133がピストンフランジ220aに係合し、ピストン220がピストン駆動機構130に把持される。ピストン駆動機構130のこの動作を初期動作という。各シリンジ200C、200Pには延長チューブ230が連結されており、延長チューブ230の先端に、被験者の血管内に穿刺される注入針が接続されることによって、シリンジ200C、200Pが被験者と接続される。
シリンジ200C、200Pが注入ヘッド110にセットされると、各シリンジ200C、200Pに設けられているデータキャリア240に記録されているデータがリーダ135によって読み出される。読み出されたデータは制御部145へ送られ、その一部は注入条件決定部143での注入条件決定に利用されるとともに表示部141に表示される。
制御部145へ送られるデータは、シリンジ200C、200Pに充填されている薬液の種類、具体的には、薬液が造影剤であるか生理食塩水であるかについてのデータを含んでいる。制御部145は、薬液の種類についてのデータに応じて、シリンジ200C、200Pに対応する位置の各マルチカラーLED114を発光させる。
マルチカラーLED114は、薬液の種類に応じたマルチカラーLED114の発光状態の違いを視覚的に認識できるように発光されれば、その具体的な制御方法は任意である。本形態では、例えば、薬液が造影剤の場合は緑色、生理食塩水の場合は青色というように、薬液の種類に応じてマルチカラーLED114の発光色を変化させている。
さらに制御部145は、薬液の注入条件設定用の画面を表示部141に表示させる。注入条件設定用の画面では、撮像部位や被験者の身体情報などを受け付ける画面が表示される。操作者は、この画面に従って必要なデータを入力部142から入力する。入力部142から入力されたデータは、制御部145を介して、リーダ135から読み出されたデータの一部とともに、注入条件決定部143に送られる。注入条件決定部143では、これらのデータに基づいて薬液の注入条件を決定する。注入条件の決定に際しては、必要に応じてデータベース144を参照する。
薬液の注入条件が決定すると、制御部145は、決定した注入条件に従って、ピストン駆動機構130の制御データを作成する。注入条件の決定後、操作者が注入動作開始のための所定の操作を行なうと、制御部145で作成された制御データに従ってピストン駆動機構130が動作され、これによって被験者に薬液が注入される。
薬液注入装置100による薬液の注入に連動してCT装置300が動作される。これによって、造影剤が注入された被験者の透視画像が撮像される。
以上説明したように本形態では、注入ヘッド110に装着されたシリンジ200C、200Pに充填されている薬液が造影剤であるか生理食塩水であるかに応じて、そのシリンジ200C、200Pに対応する位置にあるマルチカラーLED114の発光色を変化させている。このことによって、操作者は、注入ヘッド110に装着されているシリンジ200C、200Pに充填されている薬液が造影剤であるか生理食塩水であるかを直感的に認識することができる。
しかも、本形態では、2つのマルチカラーLED114を、注入ヘッド110に装着されたシリンジ200C、200Pのシリンダ210を通して視認できる位置に配置している。これにより、マルチカラーLED114を発光させたとき、シリンダ210の円筒形状に起因してシリンダ210全体が発光しているように見えるので、シリンジ200C、200PとマルチカラーLED114の発光色との対応を操作者に誤りなく認識させることができる。
以上、本発明について代表的な実施形態を例に挙げて説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることができる。
上述した実施形態では、装着されたシリンジ200C、200Pに充填されている薬剤の種類に応じてマルチカラーLED114の発光色を変化させる例を示した。このことに加えてさらに、ピストン駆動機構130の動作に応じてマルチカラーLED114の動作を制御したり、リーダ135によるデータキャリア240の読み出し結果に応じてマルチカラーLED114の動作を制御したりすることもできる。
その例としては、ピストン駆動機構130の動作が終了し、薬液の注入が終了したら、注入が終了したシリンジ200C、200Pに対応するマルチカラーLED114の発光色を例えば白色といった、薬液の種類に対応した発光色とは別の色に変更すること、薬液の注入動作中は、動作中のシリンジ200C、200Pに対応するマルチカラーLED114を点滅させること、薬液の注入動作に先立ってリーダ135でデータキャリア240を読み出した結果が、シリンジ200C、200Pへの薬液の充填量がゼロであるという結果であった場合は、そのシリンジ200C、200Pに対応するマルチカラーLED114を、赤色など薬液の種対に対応した発光色とは別の色に発光させること、シリンジ200C、200Pを注入ヘッド110に装着してもリーダ135が読み出し結果を取得できない場合は、そのリーダ135に対応するマルチカラーLED114を赤色に発光させることなどが挙げられる。これらは単独で実行してもよいし、2以上を組み合わせて実行してもよい。
なお、データキャリア240がバーコードや二次元コードなどデータの追記も書き換えもできない場合、使用済みのシリンジ200C、200Pを誤って注入ヘッド110に装着しても薬液の充填量がゼロであるという読み出し結果を得ることはできない。使用済みのシリンジ200C、200Pでは、ピストン220はシリンダ210内に最も押し込まれた位置にあるので、前述した初期動作においてピストン駆動機構130がピストン220を把持するためには薬液が充填されているシリンジ200C、200Pよりも多くの距離を移動する。そこで、ピストン駆動機構130の移動量を検知するセンサ(不図示)を設け、シリンジ200C、200Pへの薬液の充填量がゼロであるかどうかの情報を、このセンサによって検知された、ピストン駆動機構130の初期動作におけるピストン駆動機構130の移動量から得ることもできる。
また、上述した実施形態では、発光装置としてマルチカラーLED114を注入ヘッド110に搭載した例を示したが、例えば、青色LED、緑色LEDおよび赤色LEDといった単色LEDの組をシリンジ200C、200Pに対応して搭載し、これら各LEDの動作を制御することによって、マルチカラーLED114を搭載した場合と同じ発光状態を得ることもできる。各組でのLEDの数および発光色は任意である。
本発明における発光装置は、上述したマルチカラーLED114および単色LEDに限定されるものではなく、その他にもエレクトロルミネッセンス(EL)など、任意の発光装置を用いることができる。
注入ヘッド110での発光装置の位置は、発光装置による発光を、操作者が各シリンジ200C、200Pに対応付けて認識できる位置であれば、上述した位置に限定されず任意である。シリンジ200C、200Pに設けられるデータキャリア240の位置および注入ヘッド110に設けられるリーダ135の位置についても、互いの位置関係が、シリンジ200C、200Pを注入ヘッド110に装着したときにリーダ135がデータキャリア240を読み出すことのできる位置関係であれば任意である。
また、上述した実施形態では、注入ヘッド110に2本の薬液シリンジ200P、200Cが装着される例を示したが、注入ヘッド110に装着できる薬液シリンジの数は、1本でもよいし3本以上であってもよい。その場合、凹部113a、ン駆動機構130、発光装置およびリーダ135等は、装着される薬液シリンジの数および位置に対応して設けられる。また、注入ヘッド110に装着できる薬液シリンジのサイズも任意であり、凹部113aのサイズやロッド131のストローク等は、装着すべき薬液シリンジのサイズに適合するように設定される。複数の薬液シリンジを装着する場合、各薬液シリンジのサイズは互いに異なるものであってもよい。
さらに、上述した実施形態では、CT装置300に適用した薬液注入装置100について説明したが、本発明は、透視撮像装置がMRI装置、PET装置、アンギオ装置、あるいはMRA装置であっても適用することができる。
本発明が適用される薬液注入システムの一例の斜視図である。 図1に示す薬液注入装置の斜視図である。 図2に示す注入ヘッドを、それに装着されるシリンジとともに示す斜視図である。 図3に示す注入ヘッドの、ピストン駆動機構近傍の平面図である。 図2に示す薬液注入装置をその機能で表したブロック図である。
符号の説明
100 薬液注入装置
101 注入制御ユニット
110 注入ヘッド
114 マルチカラーLED
130 ピストン駆動機構
135 リーダ
141 表示部
142 入力部
143 注入条件決定部
145 制御部
200C、200P シリンジ
210 シリンダ
220 ピストン
240 データキャリア

Claims (9)

  1. 充填されている薬液の種類を含むデータが記録されたデータキャリアを備えたシリンジが装着される注入ヘッドを有し、該注入ヘッドに装着されたシリンジを操作することによって前記薬液を注入する薬液注入装置であって、
    前記注入ヘッドに装着された前記シリンジのデータキャリアからデータを読み出すリーダと、
    前記注入ヘッドに設けられた、複数色の色を発光可能な発光装置と、を有し、
    前記リーダで前記データキャリアからデータを読み出し、読み出した前記データキャリアに記録されている薬液の種類に応じて異なる色で前記発光装置を発光させることを特徴とする薬液注入装置。
  2. 前記薬液の種類は造影剤および生理食塩水である請求項1に記載の薬液注入装置。
  3. 前記発光装置は、前記注入ヘッドにシリンジを装着した状態でシリンジを通して前記発光装置からの発光を視認できる位置に配置されている請求項1または2に記載の薬液注入装置。
  4. 前記発光装置はLEDである請求項1から3のいずれか1項に記載の薬液注入装置。
  5. 前記LEDは、マルチカラーLEDである請求項4に記載の薬液注入装置。
  6. 前記シリンジを操作するための駆動機構をさらに有し、
    前記駆動機構の動作に応じて前記発光装置の駆動を制御する請求項1から5のいずれか1項に記載の薬液注入装置。
  7. 前記駆動機構の動作中に前記発光装置を点滅させる請求項6に記載の薬液注入装置。
  8. 前記駆動機構の動作が終了したら、前記発光装置の発光色をさらに別の色に変更する請求項6または7に記載の薬液注入装置。
  9. 薬液の注入動作に先立ち、シリンジ内に充填されている薬液の量がゼロである結果が得られた場合は、前記発光装置をさらに別の色で発光させる請求項1から8のいずれか1項に記載の薬液注入装置。
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