JP2009088550A - 保治具、及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

保治具、及び半導体装置の製造方法 Download PDF

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謙一 石黒
Tomoharu Shimada
智晴 島田
Sadao Nakajima
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Abstract

【課題】基板を保持する保治具、及び半導体装置の製造方法に関するもので、基板に加わる応力を小さくする。
【解決手段】平面視略円形に形成されてなる基板を熱処理する工程を含む半導体装置の製造方法において、熱処理時における基板のスリップ或いは反りを一層低減するため、外径が平面視略円形に形成された基板を支持する支持治具を有し、該支持治具上に前記基板を支持することにより該基板を保持する保治具であって、前記支持治具上の該基板を同心状に載置した場合、該基板の端縁から当該求心方向にむかって、該基板該の半径の略1/3に相当する距離を隔てた部分が丁度支持されように、該基板の中心から該基板外径の略2/3の部分で前記基板を支持するよう形成されていることを特徴とする。
【選択図】図10

Description

本発明は、基板を保持する保治具、及び半導体装置の製造方法に関する。
半導体デバイスの製造において、ウエハに対し酸化膜の形成やドーパントの拡散その他の熱処理を施す工程がある。近年、ウエハを熱処理するに当たっては、縦型の熱処理室が多用されている。この縦型の熱処理室にロードされる所謂ボートとしては、図11(a)に例示するように大略、鉛直方向に立設された3本(または4本)の支柱201の各々に所定ピッチ(間隔)で複数の支持部201aを形成してなるものが一般的であった。
このボート200は、図11(b)に示すように、同じ高さに形成された3組(または4組)の支持部201aにてウエハWを3点(または4点)支持することにより、これを安定して水平に保持しようとするものであった。ところが、この種のボートにあっては、ウエハを点支持するので、各支持点にかかる荷重が大きく、熱処理時においてウエハの当該支持点付近にスリップと称される結晶欠陥が生じ易くなると云う問題を生じていた。
スリップ発生のメカニズムは次の如くと考えられる。すなわち、初期温度500℃〜700℃に加熱された処理室内へ室温のウエハを挿入すると、ウエハの周辺部と中心部とで温度差が生じるため、該ウエハが弾性変形する。その変形の過程で、ウエハとボートの支持部とが当接するが、ボートはウエハよりも硬度の高い炭化珪素又は石英から構成されているので、ウエハの当接部に傷が発生する。この傷の部分には当該ウエハの自重が加わっているので、その後の昇温過程又は恒温の熱処理中にその傷から転位が発生し、ウエハにスリップが発生する。さらに、このスリップラインが成長すると、最終的にウエハが反ってしまう。
なお、ウエハにスリップ或いは反りが発生した場合、ウエハの平坦度が悪化する。そうすると、例えばその後の工程において、ウエハ上に塗布したレジスト膜を露光するときに、露光装置において焦点がズレてしまい、所定精度のパタンを転写できなくなると云った問題が発生することになる。
そこで、この問題を解消するものとして例えば特開平9−199438号公報に開示されてあるように、平面視リング状のホルダを使用する技術が提案されている。この技術は、ボートの支柱に所定ピッチで複数のリングホルダを設け、これらリングホルダの各々にウエハを載置できるようにしたものであり、ウエハの自重をリングホルダに分散させることができるので、3点(または4点)支持型のボートに比べてウエハの反りやスリップなどをある程度低減できると云う効果を奏するものであった。
一方、上記のようにリングホルダ等の座板を用いる場合は、この座板に対してウエハを着脱する必要があるので、その分工数が増えると云う課題がある。また、上記公報記載の技術では、ボートへウエハを移載するに当たって、該ボートにおける総てのリングホルダの中を通過するような突き上げ機構を別途用いる必要があり、その分装置全体が複雑大型化する課題もある。さらに、リングホルダ等の座板を用いながら、ウエハのスリップ或いは反りを一層低減できる技術が望まれていた。
本発明の目的は、座板を用いながら、該座板に対する基板の着脱を効率的に行うと共に
基板処理装置全体の大型化及び複雑化を防止する技術を提供することにある。また、本発明の目的は、座板を用いて熱処理時における基板のスリップ或いは反りを一層低減する技術を提供することにある。
本発明の第1の態様によれば、基板を処理する処理室と、前記処理室内の前記基板を加熱する加熱手段と、前記処理室内で前記基板を座板上に載置した状態で保持する保持具と、を備え、前記保持具が前記座板を着脱可能に支持する基板処理装置であって、前記座板を平面方向に投影して得る投影面積が、前記基板平坦面の面積よりも小さく、且つ前記座板が前記基板の裏面と面または線接触するように構成されていることを特徴とする基板処理装置が提供される。
本発明の第1の態様では、座板を平面方向に投影して得る投影面積が基板平坦面の面積よりも小さく構成されているので、該座板に対する基板の着脱を効率的に行うことができる。また、座板が基板の裏面と面または線接触するので、基板の自重が座板に広く分散する。これにより、基板のスリップ或いは反りが防止される。
本発明の具体的な態様によれば、第1の態様による基板処理装置において、前記座板上に前記基板が載置されたときに、当該基板の裏面における周縁を除く部分に前記座板が面または線接触するようにしたことを特徴とする基板処理装置が提供される。
ここで、周縁とは、前記基板の裏面上の領域であって、裏面視において当該基板の縁に沿って幅を有して構成される領域を指す。
本発明の具体的な態様による基板処理装置では、座板上に基板が載置されたときに、当該基板の裏面における周縁を除く部分に座板が面または線接触するので、基板裏面の周縁部分をすくい上げることにより、座板上に載置された基板を取得できる。一方、裏面の周縁部分が支持された状態で保持されている基板を、座板を用いて直接すくい上げることができる。これにより、保持されている基板を一旦取得して別の領域で座板上に載せると云った工程を省けるので、座板に対する基板の着脱を効率的に行える。また、保持具が座板を着脱可能に支持するので、突き上げ機構のような大掛りな装置を用いずに、座板と基板とを同時に保持具に移載できる。これにより、装置全体の大型化及び複雑化が防止される。
本発明のさらに具体的な態様によれば、上記何れかの態様による基板処理装置において、前記保持具が複数の前記基板の各々を前記座板上に載置した状態で鉛直方向に多段に保持するように構成され、これら複数の基板が一括してバッチ処理されるように構成されていることを特徴とする基板処理装置が提供される。
本発明の第2の態様によれば、基板を熱処理する熱処理工程を含む半導体装置の製造方法において、前記熱処理工程では、平面方向に投影して得る投影面積が前記基板平坦面の面積よりも小さく、且つ前記基板の裏面と面または線接触するよう形成されてなる座板を用い、この座板により前記基板を支持した状態で当該基板を熱処理することを特徴とする半導体装置の製造方法も提供される。
本発明の具体的な態様によれば、第2の態様による半導体装置の製造方法において、前記熱処理工程では、前記座板が前記基板の裏面における周縁を除く部分に面または線接触した状態で当該基板を支持することを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
本発明のさらに具体的な態様によれば、上記何れかの態様による製造方法において、前
記熱処理は、複数の前記基板を一括して熱処理するバッチ処理であることを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
ここで、前記座板は平面視において円形に形成するのが好ましい。また、前記座板は平面視においてリング状に形成するのが好ましい。更に、これらの場合において、前記座板はその外径が平面視略円形に形成された前記基板の外径の略2/3となるように形成するのが好ましい。
本発明の別の態様によれば、平面視略円形に形成されてなる基板を熱処理する工程を含む半導体装置の製造方法において、前記熱処理のときに、前記基板の端縁から当該求心方向にむかって、当該基板の半径の略1/3に相当する距離を隔てた部分を支持することにより、この基板を保持することを特徴とする半導体装置の製造方法も提供される。
本発明によれば、ホルダ等の座板を用いながら、該座板に対する基板の着脱を効率的に行うと共に基板処理装置全体の大型化及び複雑化を防止することが達成される。また、本発明によれば、座板を用いて熱処理時における基板のスリップ或いは反りを一層低減することが達成される。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。図1は、実施の形態による基板処理装置の構成を示す。この基板処理装置1は、半導体装置の製造に使用する縦型のバッチ式装置であり、その主要部は筐体2内に収められている。筐体2には、基板としてのウエハWを投入する為の投入部が設けられており、該投入部にはポッドステージ3が配置されている。
すなわち、この基板処理装置1においてウエハWの投入はウエハ用ポッドP1(図9参照)を用いて行う。ウエハ用ポッドP1には、所要枚数のウエハWを収納できる。ここでは、ウエハ用ポッドP1に収容できるウエハWの数を25枚とし、それらはウエハ用ポッドP1の中に多段に整列されて格納される。また、この基板処理装置1には、座板としてのバッファ冶具20(図3参照)も投入できるようになっている。バッファ冶具20の投入は、バッファ冶具用ポッドP2(図8参照)を用いて行う。バッファ冶具用ポッドP2にも所要枚数のバッファ冶具20を収納でき、それらはバッファ冶具用ポッドP2の中に多段に整列されて格納される。尚、これらポッドP1,P2は蓋を備えており、当該各ポッドP1,P2を基板処理装置1へ投入する際には、その蓋を閉じた状態でポッドステージ3にセットする。
筐体2内において、ポッドステージ3に対向した位置には、ポッド搬送装置4が配置されている。更に、ポッド搬送装置4の近傍には、ウエハ用ポッドP1を保管するポッド棚5、ウエハ用ポッドP1或いはバッファ冶具用ポッドP2の蓋を開けるポッドオープナ6、及びポッドオープナ6によって開蓋されたウエハ用ポッドP1に収容されているウエハWの枚数を検知する検出器7などが配置されている。
ポッド搬送装置4は、ポッドステージ3、ポッド棚5、及びポッドオープナ6の三者間で相互にウエハ用ポッドP1を移送する。具体的には、ポッド搬送装置4は、ポッドステージ3にセットされたウエハ用ポッドP1をポッド棚5へ格納したり、或いはポッド棚5に格納されているウエハ用ポッドP1をポッドオープナ6にセットする動作などを行う。
また、筐体2内には、ウエハ移載機8、ノッチアライナ9、保持具としてのボート10、処理炉12、及びガスボックス13なども所定位置に配されている。
ウエハ移載機8は、ポッドオープナ6、ノッチアライナ9、及びボート10の三者間で相互にウエハWを移載する動作などを行う。具体的には、ウエハ移載機8は、ポッドオープナ6によって開蓋されたウエハ用ポッドP1から複数のウエハWを取得し、取得したウエハWをノッチアライナ9にセットしたり、或いはノッチアライナ9によってノッチの揃えられた複数のウエハWを、バッファ冶具20を用いて取得し、取得したウエハWをバッファ冶具20と共にボート10に移載する動作などを行う。
また、ウエハ移載機8はアーム部81を備えており、このアーム部81によって、所定枚数のウエハW又はバッファ冶具20を一括して保持できるようになっている。ここでは、アーム部81が一度に保持できるウエハW又はバッファ冶具20の枚数を5枚としている。
ノッチアライナ9は、ノッチ合わせ部と、移載機構部とを備えている。これらノッチ合わせ部と移載機構部とは、互いに鉛直方向(図2中、上下方向)に相対変位するよう構成されてなる。ここでは、移載機構部のみが鉛直方向に変位するように構成されている。
ノッチ合わせ部は、アーム部81が一度に保持し得る枚数(ここでは5枚)のウエハWを一括してノッチ合わせする。具体的には、ノッチ合わせ部は、図2(a)に示す様に、縦方向(図2中、上下方向)に所定間隔を隔てて積層状に配設された5段の支持具91,91…と、各支持具91,91…によって支持された5つのターンテーブル92,92…と、各ターンテーブル92,92…にセットされたウエハWのノッチを検出するノッチセンサ93とを具備している。なお、ノッチセンサ93に代えてオリエンテーションフラット(オリフラ)を検出するセンサを備えてもよい。すなわち、ノッチ合わせ部は、オリフラ合わせ部であってもよい。
ノッチ合わせ部において、ターンテーブル92,92…の各々は、図示せぬモータ及び制御部などによって独立に回転するよう構成されてあり、ノッチセンサ93は各ターンテーブル92が回転する過程で、そのターンテーブル92にセットされているウエハWのノッチを光学的に検出し、ノッチを検出した場合は、当該ノッチを所定位置で停止させる制御信号を制御部へ出力する。この様にして、ノッチ合わせ部は、5段全てのウエハWのノッチを揃える。なお、各々のターンテーブル92は、ウエハWの周方向に配置された3つの係止部92a,92b,92cを備えており、ノッチ合わせに際してはウエハWの周縁がそれら3つの係止部92a,92b,92cによって係止される。
一方、移載機構部は、図示せぬエアシリンダなどによって鉛直方向(図2中、上下方向)に昇降可能に構成されている。具体的には、移載機構部は、5段に積まれたターンテーブル92,92…の周囲を取り囲む様に配設されたそれぞれ鉛直方向に延びる少なくとも3本の支柱94,94,94を有して成る。各々の支柱94には、当該長手方向に等間隔を隔てて5つのウエハ支持部94a…が設けられている。各ウエハ支持部94aは、ウエハWの裏面の周縁を支持するものであり、平面方向投影視において支柱94からウエハWの周縁部と重なる位置まで突出している。詳細には、同じ高さに設けられた3組のウエハ支持部94a…は、ウエハWを略水平に支持できるように配設されている。なお、移載機構部が昇降する際に、ウエハ支持部94a…と、ターンテーブル92…の係止部92a,92b,92cとは干渉しないようになっている。
ここでバッファ冶具20について説明する。バッファ冶具20は図3に示すように、平面視円形に形成された扁平な板状体からなる。このバッファ冶具20は、平面視においてウエハWの平坦面よりも小さい。すなわち、バッファ冶具20は、これを平面方向に投影して得る投影領域が、ウエハWを平面方向に投影して得る投影領域よりも小さくなるよう
に形成されている。具体的には、バッファ冶具20の外径は、ウエハWの外径の略2/3とされている。従って、バッファ冶具20は、このバッファ冶具20上にウエハWを同心的に載置したときに、ウエハWの裏面における周縁を除く部分に面接触する。
また、バッファ冶具20の縁には尖った箇所がないように形成されている。具体的には、バッファ冶具20の縁にはアールRを設けている。なお、バッファ冶具20の縁のエッジを面取りすることとしてもよい。以上のようなバッファ冶具20は例えば、単結晶若しくは多結晶のSi(シリコン)、SiC(シリコン炭化物)、又は石英などによって構成できる。
ボート10は、処理炉12内で1バッチ分のウエハWをそれぞれバッファ冶具20上に載置した状態で多段に保持するものであり、バッファ冶具20と同様に、単結晶若しくは多結晶のSi、SiC、又は石英等を用いて構成されている。具体的には、ボート10は大略、図4(a)に示すように、上下一対の端板101,102と、当該各端板101,102を繋ぐように鉛直方向に架け渡された少なくとも3本の支柱103,103,103とを備えてなる。支柱103…の各々には、その長手方向に所定間隔を隔てて、バッファ冶具20の裏面を支持する支持部103aが複数設けられている。
図4(b)に示すように、3本の支柱103,103,103における同じ高さに形成された3組の支持部103a,103a,103aは、バッファ冶具20を水平に支持できるように配されている。これら3組の支持部103a,103a,103aは、バッファ冶具20を着脱可能に支持する。すなわち、このボート10では、3組の支持部103a,103a,103aにてバッファ冶具20を支持し、そのバッファ冶具20上にウエハWを載置した状態で保持するようになっている。
図4(c)は、同じ高さに形成された3組の支持部103a,103a,103aによってバッファ冶具20及びウエハWが支持されている状態を平面方向からみた図である。同図に示すように、各々のウエハWは、その中心がバッファ冶具20の中心と略一致する状態で当該バッファ冶具20上に載置される。また、同図に示すように、この基板処理装置1では、バッファ冶具20上にウエハWが載置されたときに、当該ウエハWの裏面における周縁を除く部分にバッファ冶具20が面接触するようになっている。なお、図4(c)中、符号WaはウエハWの裏面における周縁を示している。ウエハWの裏面における周縁Waとは、同図に示すように、ウエハWの裏面上の領域であって、裏面視において当該ウエハWの縁に沿って幅を有して構成される円環状の領域を指す。
図5(a)は、図4(b)中の支持部103a周りを拡大した図である。同図に示すように、各々の支持部103aの先端部分には、バッファ冶具20の裏面周縁部と係合する係合手段としての段差103bが形成されている。この段差103bの深さdは、バッファ冶具20の厚みaよりも小さい。従って、支持部103aとウエハWとが直接接することはない。
また、前述したように、バッファ冶具20の周縁には、アール部Rが形成されているので、仮にウエハWが熱に起因して図5(b)中想像線(2点鎖線)で示す如く反って、当該ウエハWとアール部Rとが接触しても、このアール部Rで力が分散されるので、ウエハWが損傷することはない。また、ウエハWの反り具合の如何によらず、当該ウエハWとアール部Rとの接触角を一定にできるので、ウエハWの反り具合が変化する過程においても、ウエハWに極端な力がかかることは無く、ウエハWの損傷を回避できる。尚、図5(b)では、ウエハWの反り具合を誇張して示している。熱処理中にウエハWが反った場合においても、ウエハWと支持具103aとが直接接することはない。
処理炉(処理室)12は、図6に示すように、抵抗加熱ヒータ(加熱手段)121と、このヒータ121の内部に設けられ、処理炉12の温度を均一化すると共に汚染を低減する均熱管122と、この均熱管122の内部に設けられ、ウエハWを処理する反応管123と、ガスボックス13から反応管123内へウエハWを処理する為のガスを導入する導入管124と、ガスを排気するガス排気管125と、処理室の温度を検出する熱電対126と、複数のウエハWを搭載したボート10を支持すると共に炉口部を閉塞するシールキャップ127と、熱電対126の検出結果に基づいて抵抗加熱ヒータ121を制御し、処理室内の温度を制御する温度制御手段(図示せず)と、を備えて構成されている。
次に、前述したウエハ移載機8のアーム部81について詳細に説明する。アーム部81は、図7に示すようなアーム811を5段備えてなり、アーム部81全体として5つのバッファ冶具20及び/又はウエハWを一括して保持できる。図7(a)は、バッファ冶具20及びウエハWを保持しているアーム811を平面方向からみた状態を示す。図示のように、アーム部81は、各アーム811上にバッファ冶具20及びウエハWを載置した状態で保持する。
また、図7(b)は、アーム811の断面を示す。同図に示す様に、アーム811には、上下2段の段差811b,811cが形成されている。下段の段差811bは、バッファ冶具20が嵌まり得るように形成されている。この段差811bは、アーム811がバッファ冶具20を搬送する際に、バッファ冶具20がズレるのを防止する機能を果たす。一方、上段の段差811cは、ウエハWが嵌まり得るように形成されている。この段差811cは、アーム811がウエハWを搬送する際に、ウエハWがズレるのを防止する機能を果たす。すなわち、各アーム811は、バッファ冶具20又はウエハWの一方のみを保持して搬送することもできるし、ウエハWの載置されたバッファ冶具20を保持して搬送することもできる。尚、これら段差811b,811cの部分にはテーパを形成するのが好ましい。
以下、基板処理装置1の動作について説明する。
〔バッファ冶具ストック工程〕
ウエハWの投入に先立ちバッファ冶具20を空きのボート10にストックしておく。バッファ冶具20のストックは、次のようにして行う。先ず、人手或いは図示せぬ搬送装置により、ポッドステージ3にバッファ冶具用ポッドP2をセットする。なお、バッファ冶具用ポッドP2には、図8(a)に示すように複数のバッファ冶具20が所定間隔を隔てて多段に整列された状態で格納されている。
すると、カセットローダ4が、セットされたバッファ冶具用ポッドP2をポッドオープナ6にセットする。ポッドオープナ6は、セットされたバッファ冶具用ポッドP2の蓋を開ける。次いで、開蓋されたバッファ冶具用ポッドP2内におけるバッファ冶具20の下方にウエハ移載機8のアーム811が挿入する(図8(b)参照)。次いで、アーム811が上昇する(図8(c)参照)。これにより、アーム811によってバッファ冶具20が取得される(図8(d)参照)。なお、取得されたバッファ冶具20はアーム部81の段差811bに嵌まるので、移載或いは搬送の際にバッファ冶具20がズレることはない。次いで、ウエハ移載機8は、そのアーム811によって取得したバッファ冶具20を空きのボート10に移載する。
以上のような動作を、空きのボート10に所定枚数(例えば150枚)のバッファ冶具20がストックされるまで繰り返す。なお、バッファ冶具用ポッドP2を用いずに、人手によりバッファ冶具20を空きのボート10に搭載することもできる。
〔ウエハ投入工程〕
バッファ冶具20のストックが完了すると、人手或いは図示せぬ搬送装置などにより、ポッドステージ3に所定枚数のウエハWが格納されたウエハ用ポッドP1をセットする。なお、ウエハ用ポッドP1には、図9(a)に示すように複数のウエハWが所定間隔を隔てて多段に整列された状態で格納されている。
次いで、カセットローダ4は、セットされたウエハ用ポッドP1をポッド棚5にストックすると共に、ポッド棚5にストックされているウエハ用ポッドP1をポッドオープナ6にセットする。ポッドオープナ6は、セットされたウエハ用ポッドP1の蓋を開ける。次いで、検出器7は開蓋されたウエハ用ポッドP1に収容されているウエハWの枚数を検知する。
次いで、ウエハ移載機8は、検出器7の検出結果に応じた枚数(ここでは5枚とする。)のウエハWを、ポッドオープナ6にセットされているウエハ用ポッドP1から一括して抜き取って、抜き取ったウエハWをそれぞれノッチアライナ9のターンテーブル92…に移載する。なお、ウエハ移載機8によってウエハ用ポッドP1から抜き取られた5枚のウエハWはそれぞれアーム811に形成された段差811cに嵌まるので、搬送及び移載の際に当該ウエハWがズレることはない。
〔ノッチ合わせ工程〕
次いで、ノッチアライナ9は、ウエハWが載置されたターンテーブル92…を回転させながら、ノッチセンサ93によりノッチ位置を検出し、検出した情報を基にターンテーブル92を静止させて全てのウエハWのノッチ位置を同じ位置に整列させる。このとき、ノッチアライナ9において移載機構部のウエハ支持部94a…は、ターンテーブル92の下方で待機している(図2(a)参照)。
次いで、ノッチアライナ9の移載機構部が上昇する。これにより、同じ高さに配された3組のウエハ支持部94a,94a,94aによって、同一のウエハWがすくい上げられる。このとき、各ウエハWは、3組のウエハ支持部94a…によって、その裏面周縁部を支持されながら水平を保った状態で持ち上げられる(図2(b)参照)。
一方、ウエハ移載機8は、ウエハWのターンテーブル92…への移載が完了し、ノッチ合わせが行われている間、ボート10から、それに予めストックさせておおいたバッファ冶具20を5枚取り出して、ノッチアライナ9の前で待機する。このように、バッファ冶具20の取得をウエハWのノッチ合わせと並行して行うので、結果的にスループットを向上できる。
〔ウエハ移載工程〕
次いで、ノッチアライナ9の前で待機していたウエハ移載機8は、ノッチ合わせが完了した後、支持部94a,94a,94aによってすくい上げられたウエハWとターンテーブル92との間に、バッファ冶具20を保持したアーム811を挿入する(図2(c)参照)。
この状態で、ノッチアライナ9の移載機構部が下降する。これにより、ウエハ支持部94a…によってすくい上げられていた各々のウエハWが、それぞれバッファ冶具20の上に移載される(図2(d)参照)。
次いで、ウエハ移載機8は、アーム部81に保持している5枚のバッファ冶具20上にそれぞれノッチ合わせされたウエハWを取得すると、これら取得したウエハWをバッファ冶具20と共に、ボート10に移載する。
〔熱処理工程〕
このようにして、1バッチ分のウエハWの各々がバッファ冶具20上に載置された状態でボート10に移載されると、処理炉12を閉塞していた図示せぬ炉口ゲートバルブが開き、当該ボート10が処理炉12内にロードされる。すると、ガスボックス13により制御された処理ガスが、導入管124を経由して処理炉12内に導入され、各ウエハWが例えば800℃以上で成膜又は熱処理される。尚、処理ガスとしては、例えば、N(窒素)、Ar(アルゴン)、H(水素)、若しくはO(酸素)等が挙げられる。
このときバッファ冶具20とウエハWとが点接触ではなく線接触または面接触しているので、ウエハWの重みがバッファ冶具20の平坦面にわたって広く均等に分散される。これにより、熱処理工程において、ウエハWにスリップや反りなどが発生してしまうことが抑制されると共に、従来よりも高温でウエハWを熱処理できるようになる。
ウエハWの熱処理が終了すると、ボート10が処理炉12からアンロードされ、炉口ゲートバルブが閉まる。処理済ウエハWを搭載したボート10は全てのウエハWが冷えるまで所定位置で待機する。
(多ボート仕様の場合)
なお、基板処理装置1を所謂多ボート仕様とする場合は、一方のボートを用いてウエハが処理されている間に、上記と同様にして、次に熱処理する未処理ウエハWをそれぞれバッファ冶具20上に載置して他方のボートにセットする動作が並行して行われる。また、処理済ウエハWを搭載した一方のボートがアンロードされた後、未処理ウエハWを搭載した他方のボートが処理炉12にロードされ、同様にしてウエハWが熱処理される。このように、多ボート仕様の装置の場合は連続的にバッチ処理を行えるのでスループットを向上できる。
〔ウエハ排出工程〕
さて、熱処理工程の後に、待機していたボート10にてウエハWが所定温度にまで冷えると、ウエハ移載機8は当該ボート10から5枚のウエハWをそれぞれバッファ冶具20と共に取得して、ノッチアライナ9まで搬送する。そして、ノッチアライナ9にて、上記と逆の手順でバッファ冶具20から処理済みウエハWが取得される。すなわち、ウエハ移載機8は、処理済みウエハWの載置されたバッファ冶具20をウエハ支持部94a…の上方に配置させる(図2(d)参照)。この状態で、ノッチアライナ9の移載機構部が上昇する。これにより、バッファ冶具20上に載置されていた処理済みウエハWが、それぞれ3組のウエハ支持部94a…によってすくい上げられる(図2(c)参照)。
次いで、ウエハ移載機8は、保持しているバッファ冶具20を例えば空きのボート10などのバッファ領域に一旦搬送する。そして、再び支持部94a…の下方にアーム811を挿入させる。この状態で、支持部94a…が下降する。これにより、ウエハ支持部94a…によってすくい上げられていた処理済みウエハWがアーム811に移載される。次いで、ウエハ移載機8は受け取った処理済みウエハWを、ポッドオープナ6にセットされている空のウエハ用ポッドP1に格納する。処理済みウエハWが格納されたウエハ用ポッドP1は、ポッド搬送装置4によってポッド棚5やポッドステージ3に排出され、かくして当該処理が終了する。
なお、処理済みウエハWの排出は必ずしもノッチアライナ9を経由する必要はない。すなわち、熱処理工程の後において、待機していたボート10にてウエハWが所定温度にまで冷えると、ウエハ移載機8は当該ボート10から5枚のウエハWをそれぞれバッファ冶具20ごと取得して、直接ポッドオープナ6の位置まで搬送する。このとき、ポッドオープナ6には、空のウエハ用ポッドP1がセットされているものとする。
次いで、ウエハ移載機8は、ウエハWとバッファ冶具20とを保持したアーム811を、ウエハ用ポッドP1内における爪Nの上方に挿入する(図9(c)参照)。次いで、ウエハ移載機8がアーム811を下降させることにより、ウエハWのみが爪N1の上に載る(図9(b)参照)。このとき、バッファ冶具20の外径がウエハWの外形の略2/3とされているので、アーム811が下降する過程でバッファ冶具20と爪N1とが干渉し合うことはない。しかる後、ウエハ移載機8は、アーム811に載っているバッファ冶具20を空きのボート10に戻す。以上のような動作を繰り返すことにより、1バッチ分の処理済みウエハWを、ノッチアライナ9を経由せずにウエハ用ポッドP1に排出し当該処理を終了する。
この基板処理装置1によれは、次のような効果が得られる。
(1)ボート10がバッファ冶具20を着脱可能に支持するようにすると共に、バッファ冶具20に対するウエハWの着脱をノッチアライナ9にて行うようにしたので、従来必要であった突き上げ機構などを別途配置する必要がなくなる。これにより、装置全体の大型化及び複雑化が防止される。
(2)ウエハWをバッファ冶具20上に載置した状態で熱処理するので、ウエハWにおいて熱の極端に違う場所ができない。また、ウエハWの自重がバッファ冶具20に分散されるので、局所的に過重がかかる箇所がない。従って、ウエハWを比較的高温で熱処理しても、スリップ或いは反りの発生が抑制される。これにより、製造する半導体装置の歩留まり及び品質を向上できる。
(3)バッファ冶具20がウエハWの裏面における周縁を除く部分に面接触するようにしたので、バッファ冶具20上に載置されたウエハWをウエハ用ポッドP1に排出する際に、ウエハW裏面の周縁を支持するウエハ用ポッドP1の爪Nとバッファ冶具20とが干渉することはない。これにより、ノッチアライナ9を経由せずにウエハ用ポッドP1に排出できるので、その分工数を削減できる。
(4)従来バッファ冶具20にウエハWを載置するのに必要であった爪などを用いずに、複数のバッファ冶具20に対してウエハWを一括して着脱できるので、ボート10におけるウエハW(バッファ冶具20)のピッチを小さくできる。これにより、1バッチ分のウエハ枚数を増やせるので、スループットを向上できる。
(5)年々配線の微細化および高性能化の勢いが早まっており、それに伴いSi基板へ要求される品質等についても年々厳しくなっている。例えば基板表面および表層部分の無欠陥化、十分な金属不純物の捕獲能力など、このような特性を持つSi基板は水素やアルゴン雰囲気でSi基板を高温で処理することにより作成できる。この処理を、基板処理装置1を用いることにより、同時に多数の基板を処理することができるので、低コストで高品質の基板を提供できるようになる。
〔第2の実施の形態〕
第2の実施の形態による基板処理装置の構成は、ノッチアライナ9を具備しない点を除けば、第1の実施の形態と同様である。この基板処理装置は要するに、バッファ冶具20に対するウエハWの着脱を基板収納容器(カセット)としてのウエハ用ポッドP1にて行い、このウエハ用ポッドP1とボート10との間で、ウエハWがバッファ冶具20上に載置された状態で移送されるようにしたことを特徴とするものである。なお、ウエハWのノッチ合わせは事前に行っておくものとする。
この基板処理装置の動作は次の通りである。先ず、上記と同様にして所定枚数のバッフ
ァ冶具20を空きのボート10にストックした後、ポッドステージ3に所定枚数のウエハWが格納されたウエハ用ポッドP1をセットする。すると、カセットローダ4がセットされたウエハ用ポッドP1をポッド棚5にストックすると共に、ポッド棚5にストックされているウエハ用ポッドP1をポッドオープナ6にセットする。そして、ポッドオープナ6がセットされたウエハ用ポッドP1を開蓋し、開蓋されたウエハ用ポッドP1に収容されているウエハWの枚数が検出器7によって検出される。
次いで、検出器7によってウエハWの枚数が検知された後、ウエハ移載機8は、バッファ冶具20のみを保持しているボート10から当該バッファ冶具20を取得して、ポッドオープナ6の前で待機する。
次いで、ウエハ移載機8はバッファ冶具20を保持したアーム811を、ウエハ用ポッドP1内におけるウエハWの下方に挿入させる(図9(b)参照)。この状態でウエハ移載機8は、アーム811を上昇させることにより、バッファ冶具20上に未処理ウエハWを取得する(図9(c),(d)参照)。このとき、バッファ冶具20の外径がウエハWの外形の略2/3とされているので、アーム811が上昇する過程でバッファ冶具20と爪Nとが干渉し合うことはない。そして、ウエハ移載機8は、取得した未処理ウエハWをバッファ冶具20と共に、空きのボート10に移載する。
その後、上記と同様な熱処理工程を経て、処理炉からボート10がアンロードされ、炉口ゲートバルブが閉まる。そして、処理済ウエハWを搭載したボート10は全てのウエハWが冷えるまで所定位置で待機する。次いで、待機していたボート10にてウエハWが所定温度にまで冷えると、移載機8は当該ボート10から5枚のウエハWをそれぞれバッファ冶具20ごと取得して、ポッドオープナ6まで搬送する。そして、ポッドオープナ6に配置されている空きのウエハ用ポッドP1にて、上記と逆の手順でウエハWが排出される。
すなわち、ウエハ移載機8は、処理済みウエハWとバッファ冶具20とを保持したアーム811を、空きのウエハ用ポッドP1内における爪Nの上方に挿入する(図9(c)参照)。この状態で、移載機8のアーム811が下降する(図9(b)参照)。これにより、空きのウエハ用ポッドP1に処理済みウエハWが排出される(図9(a)参照)。しかる後、ウエハ移載機8は、アーム811に保持しているバッファ冶具20を空きのボート10に戻す。このような動作を繰り返すことにより、1バッチ分の処理済みウエハWをウエハ用ポッドP1に排出して当該処理を終了する。
この基板処理装置によれば、次のような効果が得られる。バッファ冶具20上にウエハWが載置されたときに、当該ウエハWの裏面における周縁を除く部分にバッファ冶具20が面または線接触するので、ウエハ用ポッドP1では、爪NがウエハW裏面の周縁部分を支持するようにアーム811が下降することにより、バッファ冶具20上に載置されたウエハWを排出できる。一方、ウエハ用ポッドP1において、裏面の周縁部分が爪Nにより支持された状態で保持されているウエハWを、バッファ冶具20を用いて直接すくい上げることができる。このようにして、バッファ冶具20に対するウエハWの着脱をウエハ用ポッドP1にて行える。従って、ウエハ用ポッドP1からウエハWを一旦取得して別の領域でバッファ冶具20上に載せると云った工程を省けるので、バッファ冶具に対するウエハWの着脱を効率的に行えると共に、装置全体を小型且つ簡素にできる。
〔第3の実施の形態〕
第3の実施の形態による基板処理装置では、座板として図10(a),(c),(d)に示すような平面視リング状に形成された扁平なバッファ冶具21を用いる点を除けば、第1又は第2の実施の形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。このリング状のバ
ッファ冶具21は要するに、ウエハWを載置したときに、該ウエハWの端縁から当該求心方向にむかって、該ウエハの半径の略1/3に相当する距離を隔てた位置を支持できるように構成したものである。
図10(a)は一実施例としてのバッファ冶具21を示す。このバッファ冶具21の表面には全周にわたって平面Sが形成されている。従って、このバッファ冶具21上にウエハWを載置した場合には、当該バッファ冶具21がウエハWの裏面に面または線接触する。さらに、このバッファ冶具21における外側の側面と平面Sとの境、及び内側の側面と平面Sとの境にはそれぞれアールRが形成されている。従って、仮にウエハWが反った場合であっても該ウエハWを傷めることはない。なお、アールRに代えてテーパを形成することとしてもよい。
なお、バッファ冶具21の形状は特に上記のものに限定されない。変形例を図10(c),(d)に示している。図10(c)に示すバッファ冶具21は、平面Sを形成せずに、その断面が円弧状となるように形成したものである。この断面におけるアールRの曲率は特に限定されない。図10(d)に示すバッファ冶具21は、図10(c)の場合よりも断面の曲率を大きく形成したものである。これら図10(c),(d)に示すバッファ冶具21上にウエハWを載置した場合には、バッファ冶具21がウエハWの裏面に線接触することになる。また、これらのバッファ冶具21は、断面が円弧状に形成されているので、仮にウエハWが反った場合であっても該ウエハWを傷めることはない。
さて、図10(b)は、上記何れかのバッファ冶具21上に、ウエハWを同心状に載置した状態を平面方向からみた図である。同図中、斜線部分がバッファ冶具21を示す。同図に示すように、このバッファ冶具21は、平面視略円形に形成されたウエハWの裏面における周縁Waを除く部分に面または線接触するように、その外径がウエハWの外径の略2/3となるように形成されている。詳細には、バッファ冶具21は、その内径がウエハWの外径の2/3より僅かに小さく、その外径がウエハWの外径の2/3より僅かに大きく形成されている。
従って、上記のように形成されたバッファ冶具21の上にウエハWを同心状に載置した場合、ウエハWの端縁から当該求心方向にむかって、該ウエハの半径の略1/3に相当する距離を隔てた部分(図10中の斜線部分)が丁度支持されることになるが、本発明者らの鋭意研究によれば、当該位置がウエハWに加わる応力の最も小さくなる位置であることが判明している。
本実施の形態によれば、第1又は第2の実施の形態による効果が得られるのは勿論のこと、平面視リング状のバッファ冶具21を用いながら、熱処理時においてウエハWに加わる応力を最小限にできるので、スリップ或いは反りの発生を一層確実に抑制できる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、バッファ冶具20の形状などは本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜に設計変更可能であり、例えば平面視において多角形をなすように形成してもよい。また、基板の具体例として半導体基板であるウエハWを挙げたが、該基板にはガラス基板も含まれる。また、基板のサイズも特に限定されないが、本発明は、例えば300mm以上の直径を有する大型の基板の熱処理に適用して好適である。
〔実施例1〕
50枚のシリコンウエハを、それぞれシリコンからなる平面視円形の扁平なバッファ冶具上に同心状に載置した状態で、炭化珪素からなるボートに多段に保持させ、該ボートを初期温度700℃に加熱された処理炉内へ挿入した。ここで、シリコンウエハとしてはφ
300mmのサイズのものを用い、バッファ冶具の外径はシリコンウエハの外径の2/3に相当するφ200mmとした。
処理炉内へボートを挿入した後、処理炉内の温度を700℃から昇温レート20℃/分で1000℃まで加熱した。続けて、処理炉内を1000℃から昇温レート2℃/分で1200℃まで加熱した。続けて、処理炉内の温度が1200℃に達すると、この温度を1時間保持した。次いで、処理炉内の温度を1200℃から降温レート2℃/分で1000℃まで降温させた。続けて、処理炉内の温度を1000℃から降温レート10℃/分で700℃まで降温させ、処理炉からボートを取り出した。その後、シリコンウエハの裏面を光学顕微鏡で測定したところ、傷及びスリップは全く観察されなかった。
〔実施例2〕
50枚の石英基板を、それぞれシリコンからなる平面視円形の扁平なバッファ冶具上に同心状に載置した状態で、炭化珪素からなるボートに多段に保持させ、該ボートを初期温度700℃に加熱された処理炉内へ挿入した。ここで、石英基板としてはφ300mm、厚み1mmのサイズのものを用い、バッファ冶具の外径は石英基板の外径の2/3に相当するφ200mmとした。
処理炉内へボートを挿入した後、処理炉内の温度を700℃から昇温レート20℃/分で1000℃まで加熱した。続けて、処理炉内を1000℃から昇温レート2℃/分で1100℃まで加熱した。続けて、処理炉内の温度が1100℃に達すると、この温度を2時間保持した。次いで、処理炉内の温度を1100℃から降温レート2℃/分で1000℃まで降温させた。続けて、処理炉内の温度を1000℃から降温レート10℃/分で700℃まで降温させ、処理炉からボートを取り出した。その後、石英基板の裏面を光学顕微鏡で測定したところ、傷は全く観察されなかった。
〔比較例1〕
50枚のシリコンウエハを、バッファ冶具を用いずに、炭化珪素からなるボートに多段に保持させ、該ボートを初期温度700℃に加熱された処理炉内へ挿入した。ここで、シリコンウエハとしてはφ300mmのサイズのものを用いた。
処理炉内へボートを挿入した後、処理炉内の温度を700℃から昇温レート20℃/分で1000℃まで加熱した。続けて、処理炉内を1000℃から昇温レート2℃/分で1200℃まで加熱した。続けて、処理炉内の温度が1200℃に達すると、この温度を1時間保持した。次いで、処理炉内の温度を1200℃から降温レート2℃/分で1000℃まで降温させた。続けて、処理炉内の温度を1000℃から降温レート10℃/分で700℃まで降温させ、処理炉からボートを取り出した。その後、シリコンウエハの裏面を光学顕微鏡で測定したところ、3〜40mmのスリップラインが観察された。
〔比較例2〕
50枚の石英基板を、バッファ冶具を用いずに、炭化珪素からなるボートに多段に保持させ、該ボートを初期温度700℃に加熱された処理炉内へ挿入した。ここで、石英基板としてはφ300mm、厚み1mmのサイズのものを用いた。
処理炉内へボートを挿入した後、処理炉内の温度を700℃から昇温レート20℃/分で1000℃まで加熱した。続けて、処理炉内を1000℃から昇温レート2℃/分で1100℃まで加熱した。続けて、処理炉内の温度が1100℃に達すると、この温度を2時間保持した。次いで、処理炉内の温度を1100℃から降温レート2℃/分で1000℃まで降温させた。続けて、処理炉内の温度を1000℃から降温レート10℃/分で700℃まで降温させ、処理炉からボートを取り出した。その後、石英基板の裏面を光学顕
微鏡で測定したところ、100〜300μmの傷が観察された。
実施の形態による基板処理装置を示す図である。 ノッチアライナにて行われるバッファ冶具とウエハとの着脱を説明する為の図である。 バッファ冶具を示す平面図である。 ボートを示す図であり、(a)はその断面概略図を示し、(b)はボートによってバッファ冶具及びウエハが保持されている様子を示し、(c)ボートによって保持されているバッファ冶具及びウエハを平面方向からみた図である。 ボートにおけるバッファ冶具の端部周りを拡大して示す図である。 熱処理炉を示す断面概略図である。 ウエハ移載機のアームを示す図であり、(a)はその平面図、(b),(c)はその断面図を示す。 バッファ冶具用ポッドを示す図である。 ウエハ用ポッドを示す図である。 別の実施の形態によるバッファ冶具を示す平面図である。 従来技術におけるボートを示す図である。
符号の説明
1 基板処理装置
10 ボート(保持具)
12 熱処理炉(処理室)
20 バッファ冶具(座板)
121 抵抗加熱ヒータ(加熱手段)
W ウエハ(基板)

Claims (2)

  1. 外径が平面視略円形に形成された基板を支持する支持治具を有し、該支持治具上に前記基板を支持することにより該基板を保持する保治具であって、
    前記支持治具は、前記基板の中心から該基板外径の略2/3の部分で前記基板を支持するよう形成されていることを特徴とする保治具。
  2. 平面視略円形に形成されてなる基板を熱処理する工程を含む半導体装置の製造方法において、
    前記熱処理のときに、前記基板の端縁から当該救心方向にむかって、当該基板の半径の略1/3に相当する距離を隔てた部分を支持することにより、この基板を保持することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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