JP2009088190A - 実装基板およびledモジュール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】バンプ方式のチップ実装領域34,36を有するプリント配線板16であって、チップ実装領域34,36にランド34P,34N,36P,36Nを有する絶縁基板12と、各ランド34P,34N,36P,36N上に形成され、板状をした複数個のメッキバンプ40とを有し、メッキバンプ40の各々は、電解メッキによって形成されたものであり、当該電解メッキによって形成される際に絶縁基板12とは反対側の主面の中央部が絶縁基板12側に凹まない程度に、その主面を小さくした。
【選択図】図3
Description
照明用にあっては、特に、近年の高輝度化に伴い、LEDの駆動電流が増大しており、このため、LEDの放熱対策が急がれている。LEDの放熱が十分でないと、寿命が短くなったり、発光効率が低下したりするからである。
現在、LEDチップの実装に用いられるバンプの主流は、スタッドバンプである。接合面積を増大させるためには、その径を大きくすればよいのであるが、現在、φ100[μm]が限界であると言われている。そこで、スタッドバンプを出来るだけ密接に配置し、単位面積当たりのバンプ個数を増やしてバンプ全体での接合面積を増大させることが考えられるが、キャピラリを使って一つずつ形成する方法を採る関係上、形成済みのバンプとキャピラリ先端部とが干渉しない位置でないと次のバンプ(隣接するバンプ)が形成できないため、バンプ間の間隔を詰めるのにも限界がある。
本願発明は、上記した課題に鑑み、放熱性を一層改善できる実装基板、および当該実装基板にLEDチップが実装されてなるLEDモジュールを提供することを目的とする。
さらに、前記絶縁基板上のランドは、複数の孤立した小電極に分割された構成であり、前記メッキバンプの各々は、各小電極上に形成された第10〜第11族に属する金属の層からなることを特徴とする。
また、前記LEDチップの電極と接合されているメッキバンプ間の間隙に、当該LEDチップからの光を反射する性質を有する導電性粒子を含むペーストが充填されていることを特徴とする。
<実施の形態1>
図1は、実施の形態1に係るLEDモジュール10の概略構成を示す斜視図であり、図2は、LEDモジュール10の回路図である。なお、図1を含む全ての図において、各部材間の縮尺は統一していない。
プリント配線板16には、ベアチップ形態の発光ダイオード(以下、「LEDチップ」と言う。)が複数個(本例では12個)、所定の実装領域にフリップチップ実装されている。12個のLEDチップD1〜D12は、導体パターン14によって、図2に示すように、3個ずつが直列に接続されて4つのLED列を成し4つのLED列が並列に接続される、いわゆる3直4並列に接続されている。LEDチップD1〜D12には、例えば、青色発光するものを用いることができる。
また、導体パターン14は、上記3直4並列に接続されたLEDチップD1〜D12に電力を供給する外部電源が接続される給電端子として、アノード端子20とカソード端子22を有している。外部電源には、定電流電源100(図2)が用いられる。
図3(a)は、2個分のLEDチップ(例えば、LEDチップD2,D3)の実装領域34,36を表している。なお、他のLEDチップの実装領域も、基本的には、LEDチップD2,D3の実装領域と同様の構成であるので、ここでは、LEDチップD2,D3の実装領域を代表に説明することとする。
また、隣接する実装領域34,36における、一方のP電極ランド34Pと他方のN電極ランド36Nとを電気的に接続する導体配線38が形成されている。
各電極ランド34P,36P,34N,36N上には、LEDチップD2,D3の対応する電極を接合するためのメッキバンプ40が複数個形成されている。メッキバンプ40は、正方形の板状をしており、金(Au)からなる。その1辺の長さは数10[μm]である。なお、メッキバンプ40の大きさ等についての詳細は後述する。
メッキバンプ40は、電極ランド34P上に、例えば、銅層41を介して形成されている。メッキバンプ40は、公知の電解メッキ法によって形成されているのであるが、銅層41は、その際に下地電極(陰極)となったものである。下地電極の材質は、銅(Cu)に限らず、チタン(Ti)やニッケル(Ni)でも構わない。
メッキバンプ40を、1辺が数10[μm]の正方形といった小面積のものにし、これを1電極当たりの接合に複数個(1実装領域当たり複数個)用いたことにより、LEDチップの発光中におけるLEDチップから絶縁基板12側への熱伝導性が改善されているのであるが、このことについては、次の実施の形態2において、いっしょに説明することとする。
<実施の形態2>
実施の形態1では、LEDチップの一の電極に対して設けられたランドを、一体的に形成された一の導体パターン(p電極ランド34P,36P、n電極ランド34N,36N)で構成したが、実施の形態2では、LEDチップの一の電極に相当するランドを、複数の孤立した小電極に分割された構成とした。
LEDチップD1〜D12、ツェナーダイオード24などの素子や、各素子間の電気的な接続関係は、実施の形態1と同じなので、それらの説明については省略する。
図4(a)に示すように、第1絶縁層44上面における、LEDチップD2,D3に対応する実装領域50,52各々は、一点鎖線で示すp側電極接合領域50P,52Pとn側電極接合領域50N,52Nとからなる。
第1電極層44と第2電極層46との間には、LEDチップD2とLEDチップD3とを直列に接続するための導体配線58,60,62が形成されている。図4(a)では、図4(b)に現れている3つの導体配線58,60,62の内、導体配線60のみを破線で表している。
LEDチップD2,D3は、実施の形態1の場合と同様、超音波接合によるフリップチップ方式によって、プリント配線板42に実装されている。
メッキバンプ54は、実施の形態1の場合と同様、1辺が数10[μm]の正方形といった小面積のものであり、これを1電極当たりの接合に複数個用いている(1実装領域当たり複数個用いている)。
実施の形態2のタイプのプリント配線板において、先ず、本願の発明者は、放熱性の改善を期待して、p側電極と接合するバンプとしてp側電極接合領域(50P,52P)の全部を覆うメッキバンプを形成し、n側電極と接合するバンプとしてn側電極接合領域(50N,52N)の全部を覆うメッキバンプを形成し、これにLEDチップを実装して、放熱性等に関する実験を実施した。以下、このバンプを「全面メッキバンプ」と称する。なお、この場合のランドは、当該全面メッキバンプに相当する面積を有する一の導体パターンで構成した。
この全面メッキバンプを備えたプリント配線版にLEDチップを実装し、各LEDチップに350[mA]の電流を流して発光させた場合と700[mA]の電流を流して発光させた場合におけるジャンクション温度(Tj)を測定した。また、1個当たりのLEDチップのプリント配線板に対する接合強度をせん断強度で評価した。せん断強度は、一のLEDチップに対し、プリント配線板の主面と平行にかけた荷重を増大させていった際に、LEDチップがプリント配線板から脱落するまでの最大荷重[g・重]で評価した。
実験結果を図6に示す。
図6においてNo.1がスタッドバンプの場合であり、No.2が全面メッキバンプの場合である。
図6中、「相対投影面積」は、LEDチップ実装前の一実装領域当たり、全面メッキバンプの絶縁基板への投影面積を100[%]としたときの、各種バンプにおける全バンプの絶縁基板への投影面積の相対値を示す。なお、全面メッキバンプの実投影面積は、図5(a)におけるp側電極接合領域50P(52P)とn側電極接合領域50N(52N)との面積の合計(以下、「総接合領域面積」と言う。)である。換言すると、「相対投影面積」は、総接合領域面積に対する各種バンプにおける全バンプの絶縁基板への投影面積の割合である。
図6中、Tj(350mA)は、各LEDチップに350[mA]の電流を流して点灯させた場合における点灯開始から60[分]後におけるジャンクション温度であり、Tj(700mA)は、各LEDチップに700[mA]の電流を流して点灯させた場合における、同じく点灯開始から60[分]後におけるジャンクション温度である。このジャンクション温度(Tj)が低い程、バンプを介して絶縁基板側へと良好に放熱がなされているといえる。
これは、以下の理由によると考えられる。
全面メッキバンプは、前述したように電解メッキ法によって形成されるのであるが、その際、下地電極(陰極)の電解液における露出部分の内、その縁部により多くの電流が流れ、この電流密度の高い縁部およびその近傍により多くの金(Au)が析出する。その結果、例えば、方形のメッキバンプの場合、その上面は、中央部が凹み、縁部が方形の枠状に盛り上がった形状となる。
このような形状をした全面メッキバンプ200にLEDチップを超音波接合によってフリップチップ実装した場合、縁部200Aの頂部と凹部200Bの底部との高低差が解消するほどには、縁部200Aが塑性変形をせず、その結果、LEDチップの電極と全面メッキバンプ200の中央部との間で空隙が生じる。空隙が生じる為、LEDチップの対応する電極は、全面メッキバンプ200上面とその全面では接合されないので、期待した程の放熱性が得られないのである。このことは、図6に示すように、全面メッキバンプ200(No.2)の相対投影面積「100」に対し、実接合面積が「55」となっていることからも明らかである。
本願の発明者らは、正方形をしたメッキバンプであって、図6のNo.3,4,5に示すように、その一辺の長さが60[μm]、40[μm]、20[μm]のメッキバンプが本図に示す配置間隔で実装領域50(52)に形成されたプリント配線板を用意し、実験を行った。ここで、No.3,4,5のメッキバンプに関し、その一辺の長さでバンプサイズを表すものとする。なお、各メッキバンプの厚みは、1[μm]である。なお、メッキバンプの厚みは、1[μm]〜5[μm]の範囲で実験し、この範囲においては、実験結果に同様の傾向が認められている。
しかしながら、バンプサイズ40[μm](No.4)、20[μm](No.5)では、スタッドバンプ(No.1)と比較して放熱性が改善されていることが分かる。バンプサイズ40[μm](No.4)、20[μm](No.5)について、LEDチップ実装前のものの断面を観察したところ、その上面は略平坦であり、少なくとも中央部が絶縁基板側に凹んでいないことが認められている。
上面が略平坦になるのは、電解メッキの際に流れる電流の密度が被メッキ面全体に均一になるためであるが、これは、メッキバンプ上面の面積に拠るものと考えられる。したがって、図6に示す実験結果から、バンプサイズが40[μm]以下、すなわち、相対投影面積が1600[μm2]以下であれば、メッキバンプの上面が略平坦となり、スタッドバンプを用いた場合よりも放熱性が改善されることとなる。
次に、実施の形態2に係るプリント配線板42における、メッキバンプ40の形成工程について、図7を参照しながら説明する。図7では、プリント配線板42の各構成部分となる素材部分には100番台の符号付し、その下2桁にはプリント配線板42の対応する構成部分に付した番号を用いることとする。なお、ここでは、メッキバンプ40の形成についてのみ説明し、インナービアホール56(図4(b))その他の構成要素についての説明および図示は省略する。
銅箔155の上面全面にレジスト膜155を形成した[工程B]後、フォトマスク212を介してレジスト膜155を露光し[工程C]、レジスト膜155の一部を除去する[工程D]。レジスト膜155の除去された箇所がメッキバンプ40の形成予定領域である。
電解メッキ工程が終了すると、レジスト膜210を除去した[工程F]後、金(Au)層140が積層されていない銅箔155部分をエッチングによって選択的に除去することにより[工程G]、絶縁基板48上、複数の孤立した小電極55上に形成された金(Au)層からなるメッキバンプ40が出来上がることとなる。
したがって、プリント配線板の構成を実施の形態2のものとすることにより、実施の形態1のような、(金メッキ付き)ランド34P(図3(c))の上に、バンプ40を形成する場合と比較して、プリント配線板の製造工程が簡略化できるといった利点がある。
(1)実施の形態1,2では、メッキバンプの形状を正方形としたが、メッキバンプの形状はこれに限らず、長方形、円形、楕円形、三角形、多角形でも構わない。
また、1つの実装領域に異なる形状のメッキバンプを混在させることとしても構わない。
(2)実施の形態1,2のLEDモジュールにおいて、メッキバンプ間に、LEDチップからの光を反射する性質を有する導電性粒子、例えば、銀(Ag)粒子を含むペースト(銀ペースト)を充填することとしても良い。こうすることで、LEDチップから発せられ絶縁基板側へ向かう光が当該ペーストで反射されることとなり、LEDモジュールにおける光の取り出し効率が改善される。
(3)上記実施の形態において、プリント配線板への実装対象は、LEDチップであったが、実装対象はこれに限らず、その他の半導体素子、例えば、レーザダイオード、フォトダイオード、スーパールミネッセンスダイオード(SLD)、CPUチップ、サイリスタ、メモリ等であっても構わない。これらのパワーデバイスは、駆動中に相当程度発熱し、その放熱性を確保することが重要となるからである。
(4)上記の例では、発光ダイオードとして12個のLEDチップD1〜D12を用いたが、LEDモジュールを構成するLEDチップの個数は、これに限定されるものではなく、任意の個数を採り得る。
また、一列のLED列のみとしても構わない。あるいは、N個(Nは、2以上の整数)のLEDチップを全て並列に接続することとしてもよい。
16,42 プリント配線板
12,48 絶縁基板
40,54 メッキバンプ
55 小電極
D1〜D12 LEDチップ
Claims (5)
- バンプ方式のチップ実装領域を少なくとも一つ有する実装基板であって、
前記チップ実装領域にランドを有する絶縁基板と、
前記ランド上に形成され、板状をした複数個のメッキバンプと、
を有し、
前記メッキバンプの各々は、電解メッキによって形成されたものであり、当該電解メッキによって形成される際に前記絶縁基板とは反対側の主面の中央部が前記絶縁基板側に凹まない程度に、その主面が小さいことを特徴とする実装基板。 - 前記メッキバンプの各々における前記主面の前記絶縁基板への投影面積が、1600[μm2]以下であることを特徴とする請求項1に記載の実装基板。
- 前記絶縁基板上のランドは、複数の孤立した小電極に分割された構成であり、
前記メッキバンプの各々は、各小電極上に形成された第10〜第11族に属する金属の層からなることを特徴とする請求項1または2に記載の実装基板。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の実装基板と、
LEDチップと、
を有し、
当該LEDチップが前記メッキバンプに接合されていることを特徴とするLEDモジュール。 - 前記LEDチップの電極と接合されているメッキバンプ間の間隙に、当該LEDチップからの光を反射する性質を有する導電性粒子を含むペーストが充填されていることを特徴とする請求項4に記載のLEDモジュール。
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