本発明の最良の実施の形態について説明する。図1は、本発明の好適な一実施の形態の動作を説明するためのタイミング図である。図1において、CLKは、外部からメモリに供給される同期用のクロック信号、/ADVは、図示されないCPU(又はコントローラ)側からメモリに供給される信号であり、出力されたアドレスが有効であることを示すアドレスバリッド信号(Lowレベルでアクティブ)、/CSは、メモリに供給されるチップ選択信号、Wordはメモリのセルアレイの選択ワード線を示している。なお、信号CLK、/ADVは、上記非特許文献1等に説明されるSRAMの信号に準拠している。アドレス入力(/ADVがLowレベル)からデータ入力/出力が遅れ(例えば2クロック後とされる)、リード動作とライト動作を交互に行った場合でも、データバスにデッドサイクルがなく、動作の効率化が図られ、高速化に対応可能とされている。
図1において、時点t2でのクロック信号CLKの立ち上がりに基づき、リフレッシュ対象のワード線が選択される。この実施の形態において、リフレッシュ対象のワード線の選択期間は1クロックサイクルよりも長いものとする。選択されたワード線は、いずれも不図示のリフレッシュアドレス生成回路から、Xデコーダに供給されてデコードされたものである。なお、時刻t3のクロック信号の立ち上がりに関する信号/ADV、/CSのtS、tHは、信号/ADV、/CSをクロック信号CLKの立ち上がりエッジでサンプルするレジスタのセットアップタイムとホールドタイムである。
図1に示す例では、次のクロックサイクルの開始時点t3で、リフレッシュ動作中の場合、時刻t3からのアクティブサイクル(リード/ライト)を一クロックサイクル分遅らせ、次の時刻t4のクロック信号の立ち上がりに基づき、セルアレイでのアクセス動作(リード/ライト動作)を開始するように制御している。すなわち、セルアレイでのリード/ライト対象のワード線の選択期間を規定するワンショットパルス信号(ロウイネーブル信号)は、時刻t3から1クロックサイクル遅れた時刻t4のクロック信号の立ち上がりに基づき、生成される。
この制御は、リード/ライト対象のワード線を活性化させるロウイネーブル信号を生成するための信号と、該信号をレジスタで少なくとも1クロック分遅延させた信号とを入力する選択回路を設け、リフレッシュ動作を制御する制御信号がリフレッシュを示すときに、レジスタからの遅延出力を選択し、リフレッシュ中でない場合には、遅延させない信号を出力するように構成してもよい。あるいは、リード/ライト要求をサンプルするレジスタへのクロックをゲーテッドクロックとして供給することでも実現される。すなわち、リフレッシュ動作中は、リード/ライト要求の取り込みを行うためのレジスタにクロックを供給せず、リフレッシュ以外の期間には、クロックを供給する構成としてもよい。
リフレッシュ対象のワード線の選択期間の長さ(パルス幅)によっては、1クロックサイクル以上、リード/ライト動作の開始を遅延させる構成としてもよい。すなわち、図1において、リード/ライト対象の選択ワード線を、時刻t5以降のクロックの立ち上がりに基づき、高電位とする構成としてもよい。なお、この実施の形態では、セルアレイ内部でのリード/ライトの開始が1クロックサイクル以上遅れるため、アクセス時間は少なくとも1クロックサイクル増えるものの、外部との間でのリフレッシュ制御(待機)等を必要とせず、SRAMインタフェース互換を保ち、システム設計を簡易化している。
図2は、本発明の別の実施の形態の動作波形の一例を示す図である。図2を参照すると、時点t2のクロック信号の立ち上がりに基づき、セルアレイのリフレッシュが行われる予定のところ、該時点t2で始まるクロックサイクル中に、信号/ADVがLowレベルまたは信号/CSがLowレベルに遷移した場合、次の時刻t3でのクロック信号の立ち上がりに基づき、リード/ライト要求が活性状態(アクティブ)となる可能性がある。このため、本実施の形態では、リフレッシュ要求をキャンセルする。すなわち、図2に破線で示すように、リフレッシュ対象のワード線は選択されない。本実施の形態によれば、フレッシュ対象のワード線を活性化させるワンショットパルス信号の生成は中止されるため、該ワンショッパルス信号等が次のクロックサイクルにまで食い込むことが回避され、リード/ライト動作のアクセス時間の遅れを低減することができる。
上記した制御は、アドレスバリッド信号/ADVとチップ選択信号/CSを入力し、/ADV、/CSがHighレベルのときには、リフレッシュ対象のワード線を活性化する信号を出力し、アドレスバリッド信号/ADV、チップ選択信号/CSがLowレベルのとき、リフレッシュ対象のワード線を活性化する信号を活性化させないように制御する回路によって実現することができる。この実施の形態では、時点t3のクロック信号CLKの立ち上がりに応答してアクティブ(Active)サイクルとなってRead/Writeが開始されるが、アクティブ(Active)サイクルを規定するアドレスバリッド信号/ADV又はチップ選択信号/CSのセットアップ時間tsに従来技術で実行されていたリフレッシュ動作を、アドレスバリッド信号/ADV又はチップ選択信号/CSの信号の立ち下がりを利用して、リフレッシュ動作を制御するものである。この実施の形態では、前記した実施の形態において上記セットアップ時間ts内にスタートさせていたリフレッシュの開始を抑止するものである。
図3は、本発明の別の実施の形態の動作波形を示す図である。図3を参照すると、時点tで開始するクロックサイクルでリフレッシュ(リフレッシュ動作は1クロックサイクルよりも長い)が行われ、時刻t4で始まるクロックサイクルでリード/ライト要求が入力されている。本実施の形態では、時刻t3のクロック信号CLKの立ち上がりによりリフレッシュ動作が行われ、次の時刻t4のクロック信号CLKの立ち上がりに基づき、リフレッシュ対象の選択ワード線を強制的に低電位として非選択とすることで、リフレッシュを停止する。すなわち、リフレッシュ期間の後端側がカットされ、短縮された状態でリフレッシュが行われる。
そして、時刻t4のクロック信号CLKの立ち上がりに基づき、リード/ライト対象のワード線が選択される。短縮されたリフレッシュ対象のワード線の選択期間と、リード/ライト対象のワード線が選択期間は互いに重ならない。また、直前のクロックサイクルでリフレッシュが行われている場合でも、リード/ライト対象のワード線の選択は、該リフレッシュが行われない状態と同様にして実行される。すなわちリフレッシュによる遅延は生じない。
リフレッシュ期間を短縮する構成とした場合、リフレッシュ対象のワード線に接続するメモリセルの保持データをビット線を介して読み出すセンスアンプにおいてビット線電位を十分に増幅する前に、リフレッシュ動作が停止される場合がある。この場合、選択されたメモリセルの蓄積容量にリストアされる電圧(例えば図4のメモリセルの蓄積容量Cの端子間電圧)が、正規のリフレッシュ期間でリフトアされる電圧よりも低くなる場合があり、蓄積容量に蓄積される電荷量が減るため、リーク電流によるセルのデータ保持期間が短縮する。
よって、本実施の形態では、リフレッシュ動作時間を短縮したサイクル以降、リフレッシュ間隔を規定するリフレッシュタイマーのタイムアウト期間を短縮する制御を行う。ワード線がWord#0〜Word#NのN+1本の構成において、リフレッシュを短縮したサイクルのワード線がWord#3である場合、リフレッシュタイマーの期間を短縮したリフレッシュは、Word#4以降Word#N、Word#0、Word#1、Word#2、もとのWord#3に戻るまで行われ、Word#3で通常のリフレッシュが行われた場合、リフレッシュの短縮を解除する。以下本発明を、具体的な実施例に則して詳細に説明する。
図4は、本発明の一実施例のメモリ装置の全体の構成を模式的に示す図である。図4を参照すると、メモリセルアレイ100は、複数本ワード線、複数本のビット線の交差部にDRAMセルをマトリクス状に備えている。さらに、Xアドレスに基づきワード線を選択するXデコーダ101と、Yアドレスに基づきYスイッチを選択するYデコーダ102と、ビット線からのセルデータの読み出し及び書き込みを行うセンスアンプ及びビット線のプリチャージを行うセンスアンプ/プリチャージ回路103が設けられている。なお、図1には、簡単のため、メモリセルアレイ100において、ワード線WLとビット線BLの交差部に、セルトランジスタTrと蓄積容量Cを備えた1つのメモリセル(1トランジスタ1容量構成)が模式的に示されている。
入力されたアドレス信号(Yアドレス、Xアドレス)は、それぞれレジスタ111、112(アドレスレジスタ)に供給され、内部クロック信号Kでサンプルされる。レジスタ111、112の出力は、後述するラッチコントロールクロック信号LCKに同期してレイトライトレジスタ123、124でサンプルされる。レジスタ111及び112と、レイトライトレジスタ123及び124は、それぞれ、Yアドレス及びXアドレスのビット幅に等しいアクセスアドレスを保持するためのレジスタを内蔵している。内部クロック信号Kは、メモリ装置に外部から供給されるクロック信号CLKに基づきメモリ装置内部で生成されるクロック信号である。
レイトライトレジスタ123から出力されるYアドレスは、メモリアクセス用YアドレスYADDとしてYプリデコーダ135に入力される。Yプリデコーダ135は、Yアドレスを複数列(ブロック)を単位としてカラムスイッチ(Yスイッチ)を選択する信号を生成し、Yデコーダ102に供給する。Yデコーダ102は、Yプリデコーダ135からの信号をデコードし1つのカラムスイッチを選択するためのカラム選択信号を生成し、ライト・リードバス(WRB)とセンスアンプとを接続する。
レイトライトレジスタ124から出力されるXアドレスは、メモリアクセス用XアドレスEXADDとして、マルチプレクサ133に入力される。マルチプレクサ133は、入力される選択制御信号に基づき、リフレッシュアドレスカウンタ131からの行アドレスRFADDと、メモリアクセス用XアドレスEXADDの一方を切替選択して、Xプリデコーダ136に供給する。Xプリデコーダ136は、複数本(ブロック)を単位としてデコードし、複数のサブブロックに属する全ワード線の中から1本のワード線を選択して駆動する。なお、メモリセルアレイ100が複数ブロック構成をとらない場合等において、Xプリデコーダ136、Yプリデコーダ135は省略してもよい。
レジスタ113は、ライトイネーブル端子/WEから入力される信号(ライトイネーブル信号/WE)を、内部クロック信号Kの立ち上がりエッジでサンプルする。ライトイネーブル信号/WEは、Lowレベルでライト、Highレベルでリードを表す。
レジスタ114は、アウトプットイネーブル端子/OEから入力される信号(アウトプットイネーブル信号/OE)を内部クロック信号Kの立ち上がりエッジでサンプルする。アウトプットイネーブル信号/OEが、Lowレベルのとき、セルからの読み出しデータの出力が許可される。
レジスタ115は、チップ選択(セレクト)端子/CSから入力される信号(チップ選択信号/CS)を内部クロック信号Kの立ち上がりエッジでサンプルする。チップ選択信号/CSは、Lowレベルで活性化状態、Highレベルで非活性化状態を示す。
レジスタ116は、アドレスバリッド端子/ADVから入力される信号(アドレスバリッド信号/ADV)を内部クロック信号Kの立ち上がりエッジでサンプルする。
レジスタ113によって内部クロック信号Kに基づきサンプルされたライトイネーブル信号/WEと、レジスタ115によって内部クロック信号Kに基づきサンプルされたチップ選択信号/CSを入力するNOR回路117から、ライトイネーブル信号WEが出力される。入力されたライトイネーブル信号/WEが活性化状態(Lowレベル)であり、且つ、入力されたチップ選択信号/CSが活性化状態(Lowレベル)のとき、NOR回路117から、活性化状態(Highレベル)のライトイネーブル信号WEが出力される。
レジスタ114によって内部クロック信号Kに基づきサンプルされたアウトプットイネーブル信号/OEと、レジスタ115によって内部クロック信号Kに基づきサンプルされたチップ選択信号/CSを入力するNOR回路118から、アウトプットイネーブル信号OEが出力される。入力されたアウトプットイネーブル信号/OEが活性化状態(Lowレベル)であり、且つ、入力されたチップ選択信号/CSが活性化状態(Lowレベル)のとき、NOR回路118から、活性化状態(Highレベル)のアウトプットイネーブル信号WEが出力される。
リード/ライト動作の制御を行うリード/ライト(R/W)コントロール回路125は、ライトイネーブル信号WEと、アウトプットイネーブル信号OEと、チップ選択信号/CSをレジスタ115でサンプルした信号のインバータ119による反転信号(チップイネーブル信号)CEと、アドレスバリッド信号(/ADV)をレジスタ116でサンプルした信号のインバータ121による反転信号ADVとを入力し、入力された信号をデコードし、リードアクセスであるかライトアクセスであるかを判別する。リード/ライトコントロール回路125は、リフレッシュコントロール・パルス発生回路126からのラッチコントロールクロック信号LCKを入力し、ラッチコントロールクロック信号LCKに同期して、データの書き込み、及び、読み出しをそれぞれ指示する制御信号WEK、及びREKを出力する。
データI/Oコントロール回路128は、データ入力/出力レジスタ(Din/Dout Reg)130を制御する。データI/Oコントロール回路128は、出力イネーブル信号OEと、データの書き込み及び読み出しを指示する制御信号WEK、及びREKに基づき、データ取り込み用内部クロック信号DCKとデータ書き込み用内部クロック信号WEINTをデータ入力/出力レジスタ130に出力する。
さらに、本実施例においては、レジスタ115の出力端子と端子/CSとに2つの入力端子が接続されたNAND回路120が設けられており、NAND回路120から出力される信号CAは、リフレッシュコントロール・パルス発生回路126に供給される。NAND回路120は、レジスタ115の出力信号と信号/CSがともにHighレベル(非活性状態)のときLowレベルを出力し、レジスタ115の出力信号と信号/CSの一方又は両方がLowレベルのときHighレベルを出力する。NAND回路120は、非同期信号(端子/CSからの信号)と同期信号(レジスタ115の出力)の一方の信号の活性化状態への変化を検出したとき、出力信号の値を遷移させる。
レジスタ116の出力端子と端子/ADVとに2つの入力端子が接続されたNAND回路122が設けられており、NAND回路122からの出力AAは、リフレッシュコントロールパルス発生回路126に供給される。NAND回路122は、レジスタ116の出力信号と信号/ADVともにHighレベル(非活性状態)のときLowレベルを出力し、レジスタ115の出力信号と信号/CSの一方又は両方がLowレベル(活性状態)のときHighレベルを出力する。NAND回路122も、非同期信号(端子/ADVからの信号)と同期信号(レジスタ116の出力)の一方の活性化状態への変化を検出したとき、出力信号の値を遷移させる。
タイマー(リフレッシュタイマー)127は、セルリークによりDRAMセルでデータの蓄積電荷量が所定値以下となる前にDRAMセルをリフレッシュする動作を起動させるためのトリガーを与えるタイマーである。この実施例において、タイマー127は、レジスタ115からの出力を受け、信号/CSがHighレベルのとき(例えばスタンバイ時等の非選択時)、タイマー周期を長くし、信号/CSがLowレベルのチップ選択時(アクティブ時)、タイマー周期を短くする制御を行う。タイムアウト時、リフレッシュ要求トリガー信号を出力する。タイマー127は、公知の回路構成が用いられる。タイマー127は、例えば発振器をなすリングオシレータと、リングオシレータの出力を分周するカウンタを備え、カウンタから出力されるオーバフロー信号に基づきリフレッシュ要求トリガー信号(例えばワンショットパルス又はエッジ信号)を出力する回路を備えている。リングオシレータは、奇数段の縦続接続されたインバータの最終段の出力を初段の入力に帰還する構成とされ、電源とインバータ間に電流値可変型の電流源を有し、インバータに流す電流を可変させることで、発振周波数が可変される。なお、タイマー127に、公知のダミーセルのリークを検出するセルリークモニタ回路を備え、リークに応じてタイマー127の出力期間を可変に調整するようにしてもよい。
リフレッシュコントロール・パルス発生回路126は、リフレッシュコントロール回路と、Xデコーダの動作タイミングを規定するパルス信号を出力するパルス発生回路を一つにまとめた回路である。リフレッシュコントロール・パルス発生回路126は、信号CAがHighレベル、及び信号AAがHighレベルに遷移したとき(リード/ライト・アクセスアドレスが有効)、ラッチコントロールクロック信号LCKを生成し、ラッチコントロールクロック信号LCKを、リード/ライトコントロール回路125、レイトライトレジスタ123、124へ供給する。
また、リフレッシュコントロール・パルス発生回路126は、信号CAがHighレベル、及び信号AAがHighレベルに遷移したとき(リード/ライト・アクセスアドレスが有効)、ノーマル動作時のリード/ライト対象のワード線の選択期間を規定するワンショットパルス信号であるロウイネーブルノーマル信号RENを生成する。
また、リフレッシュコントロール・パルス発生回路126は、タイマー127からのリフレッシュ要求トリガー信号を受け、リフレッシュ対象のワード線の選択期間を規定するワンショットパルス信号であるロウイネーブルリフレッシュ信号RERFを出力するとともに、カウントアップ信号をリフレッシュアドレスカウンタ131に出力する。
リフレッシュアドレスカウンタ131は、リフレッシュコントロール・パルス発生回路126からのカウントアップ信号を受けて、カウント値を順次カウントアップし、リフレッシュアドレスRFADDとしてマルチプレクサ133に出力する。なお、リフレッシュアドレスカウンタ131は、XアドレスXADD(行アドレス)と同一のビット幅を有している。
レイトライトレジスタ124の出力EXADD(実行アドレス)とリフレッシュアドレスカウンタ131からのリフレッシュアドレスRFADDを入力とするマルチプレクサ133は、リード/ライト動作時は、実行アドレスEXADDを選択し、リフレッシュ時には、リフレッシュアドレスRFADDを選択出力する。
マルチプレクサ制御回路132は、リフレッシュコントロール・パルス発生回路126から出力されるロウイネーブルノーマル信号RENとロウイネーブルリフレッシュ信号RERFとを入力し、マルチプレクサ133に対して、実行アドレスEXADDとリフレッシュアドレスRFADDを選択するための選択制御信号を出力するとともに、Xプリデコーダ136に、ワンショットパルス信号(ロウイネーブルノーマル信号REN、又はロウイネーブルリフレッシュ信号RERF)を供給する。
Xプリデコーダ136は、デコードされた信号を、供給されるワンショットパルス信号で規定される時間、出力する。
SE/PEコントロール回路134は、リフレッシュコントロール・パルス発生回路126からのワンショットパルス信号(ロウイネーブル信号)REN、RERFを受け、センスアンプ、プリチャージ回路をそれぞれ活性化する信号(図示されないセンスアンプ活性化信号、プリチャージ制御信号)を生成して出力し、センスアンプとプリチャージ回路がそれぞれ活性化される。SE/PEコントロール回路134のプリチャージ回路は活性化されると、ビット線を所定の電位(例えば電源電位の1/2)にプリチャージする。SE/PEコントロール回路134のセンスアンプは活性化されると、アクセスアドレスで特定されるメモリセルが接続されたビット線電位をセンス・増幅してライト/リードバスWRBに出力し、あるいは、ライト/リードバスWRBに供給された書き込みデータをビット線経由で選択されたメモリセルに書き込む。
アドレスヒットコントロール回路129は、二つの連続するアクセスアドレスが一致するか否か判定し、ライトアクセスのアドレスと次のサイクルのリードアクセスのアドレスが一致している場合、データ入力レジスタ130に保持され、未だメモリセルに書き込まれていない書き込みデータを読み出しデータとして出力する制御を行う。より詳細には、書き込み要求があった場合、該サイクルで書き込みデータは一旦データ入力(Din)レジスタ130に取り込まれ、次に書き込み要求のあったサイクルでデータ入力レジスタに取り込まれた書き込みデータがメモリセルアレイ100に書き込まれる。すなわち、直前の書き込み要求の際に与えられた書き込みデータが、データ入力レジスタ130からライト/リードバスWRBに出力される。これに対して、読み出し動作の場合、アドレスヒットコントロール回路129においてアドレスがミスヒットであれば、データ出力(Dout)レジスタ130には、ライト/リードバスWRB上の読み出しデータが取り込まれる。アドレスヒットコントロール回路129においてアドレスがヒットした場合、データ入力レジスタ130に保持され、未だメモリセルに書き込まれていない書き込みデータがデータ出力レジスタ130に設定し、読み出しデータとして出力される。
図5は、図4に示したリフレッシュコントロール・パルス発生回路126の構成の一例を示す図である。図5を参照すると、このリフレッシュコントロール・パルス発生回路には、CA信号、AA信号のHighレベルヘの立ち上がりを受けてワンショットパルスを生成するワンショットパルス発生回路201と、ワンショットパルス発生回路201から出力されるワンショットパルスをセット端子に受けてセットされるSRフリップフロップ203と、SRフリップフロップ203の出力を反転するインバータ205と、インバータ205の出力を内部クロック信号Kでサンプルするレジスタ206と、レジスタ206の出力の立ち下がり遷移を受けてワンショットパルス信号(ラッチタイミングコントロール信号)LCKを生成するアクティブパルス発生回路207とが設けられており、SRフリップフロップ203は、アクティブパルス発生回路207からのパルス信号(ラッチタイミングコントロール信号)LCKをリセット端子に受けてリセットされる。
さらに、タイマー127からのリフレッシュ要求トリガー信号を内部クロック信号Kでサンプルするリフレッシュ要求トリガー回路202と、リフレッシュ要求トリガー回路202からから出力されるHighレベル信号をセット端子に受けてセットされるSRフリップフロップ204と、SRフリップフロップ204の出力信号と、インバータ205の出力信号とを入力とするNAND回路209と、NAND回路209の出力信号の立ち下がりを受けてリフレッシュパルスを生成するリフレッシュパルス発生回路210と、レジスタ206からの出力信号を遅延させる遅延回路208と、リフレッシュパルス発生回路210からの出力信号と、遅延回路208からの出力を入力とし、リフレッシュ対象のワード線の選択期間を規定するロウイネーブルリフレッシュ信号RERFを出力するAND回路211と、遅延回路208の出力を入力とし、リード/ライト対象のワード線の選択期間を規定するロウイネーブルノーマル信号RENを生成するR/Wパルス発生回路212とが設けられている。以下、図5の回路動作について説明する。
CA信号、又はAA信号がLowレベル(信号/ADVがHighレベルであることは、アクセスアドレスが有効でない、信号/CSがHighレベルであることはチップが非選択であることを表す)のとき、SRフリップフロップ203の出力はLowレベルとされ、インバータ205を介してNAND回路209の一の入力端にはHighレベルが入力される。
タイマー127からリフレッシュ要求トリガー信号が入力されると、リフレッシュ要求トリガー回路202でトリガー信号(例えばワンショットパルス信号)を生成し、SRフリップフロップ204の出力がHighレベルにセットされる。SRフリップフロップ204の出力のHighレベルへの変化を受けて、NAND回路209(一の入力端にはインバータ205からHighレベルが供給されている)の出力は、HighレベルからLowレベルに立ち下がり、リフレッシュパルス発生回路210は、NAND回路209の出力の立ち下がり遷移のエッジをトリガーとしてワンショットパルスを生成する。リフレッシュパルス発生回路210からのワンショットパルスは、遅延回路208の出力信号(この場合、Highレベル)を一の入力端に入力とするAND回路211の他の入力端に入力され、AND回路211から、リフレッシュ対象のワード線の選択期間を規定するワンショットパルス(ロウイネーブルリフレッシュ信号RERF)が出力される。この場合(アクセスアドレスが非有効であるか、チップが非選択の場合)、リード/ライト用のロウイネーブルノーマル信号RENはLowレベル固定である。すなわち、アクセスアドレスが非有効であるか、チップが非選択の場合、リフレッシュアドレスカウンタ131からのリフレッシュアドレスによるリフレッシュ動作が行われる。なお、リフレッシュ用のワード線の選択期間は1クロックサイクルよりも長いものとする。
一方、例えば図2に示すように、リフレッシュ要求が行われたクロックサイクルの開始時刻t2の後、次のクロックサイクルの開始時刻t3の前の期間内に、信号/ADV、/CSがLowレベルに遷移し、CA信号及びAA信号がHighレベル(/ADV、/CSがLowレベル)へ遷移したとき、ワンショットパルス発生回路201からのワンショットパルスをセット端子に受けて、SRフリップフロップ203の出力はHighレベルにセットされ、インバータ205の出力はLowレベルとなる。
このとき、一の入力端子にインバータ205の出力(Lowレベル)を入力するNAND回路209の出力は、SRフリップフロップ204の出力値によらずHighレベル固定となり、リフレッシュパルス発生回路210は、リフレッシュ要求トリガー信号により、SRフリップフロップ204がセットされても、ワンショットパルスを生成しない。この制御は、図2を参照して説明した実施の形態に対応する。すなわち、上記図2に示した制御は、図5において、リフレッシュ要求トリガー信号に基づき、ワンショットパルス信号を出力するリフレッシュパルス発生回路210の前段に設けられたNAND回路209によって主に行われる。
レジスタ206は、インバータ205の出力信号(Lowレベル)を、時刻t3のクロック信号CLKの立ち上がりに対応する内部クロック信号Kの立ち上がりでサンプルする。
レジスタ206の出力は、遅延回路208にて、所定時間遅延され、リード/ライトパルス発生回路212は、遅延回路208から出力される信号の立ち下がりを受けてワンショットパルスを生成し、リード/ライト用のロウイネーブルノーマル信号RENとして出力する。
レジスタ206の出力のHighレベルからLowレベルへの遷移を受けてアクティブパルス発生回路207は、ワンショットパルス信号(ラッチコントロールクロック信号)LCKを出力する。このラッチコントロールクロック信号は、図4のレイトライトレジスタ123、124に、アドレス信号のレイトライト用のラッチタイミング信号として供給される。アクティブパルス発生回路207からのパルス信号LCKの立ち上がりをリセット端子に受けてSRフリップフロップ203、204はリセットされ、SRフリップフロップ203の出力はHighレベルからLowレベルに立ち下がる。SRフリップフロップ203の出力信号の立ち下がりを受けて、インバータ205の出力は、LowレベルからHighレベルに立ち上がる。
この実施例では、リフレッシュ要求がなされたクロックサイクル内で信号/ADV、/CSがLowレベルに遷移した場合、リフレッシュ用のワンショットパルスを生成しない構成としている。さらに、リード/ライトパルス発生回路212は、遅延回路208から出力される信号の立ち下がりを受けてワンショットパルスを生成しており、AND回路211により、ロウイネーブルノーマル信号RENとロウイネーブルノーマルリフレッシュ信号RERFとが重なることを保証している。
なお、CA信号とAA信号のHighレベルへの遷移に基づきワンショットパルス発生回路201の出力は非同期で行われ、SRフリップフロップ203のHighレベルへの遷移のタイミング(図2のts)が、レジスタ206のセットアップタイム(データを正しくサンプルするために内部クロック信号Kの立ち上がりエッジの前にデータ信号が確定している時間)よりも短い場合、レジスタ206では、SRフリップフロップ203のHighレベルへの遷移、したがってインバータ205のHighレベルからLowレベルへの遷移を、時刻t3のクロック信号CLKに対応する内部クロック信号Kの立ち上がりでサンプルすることができない場合がある。この場合、内部クロック信号Kを遅延させてレジスタ206でサンプルする構成としてもよい。なお、図5の遅延回路208の遅延量は、例えば図2の時刻t3のクロック信号CLKの立ち上がりから、選択ワード線を活性化させるワンショットパルス(REN)を生成するまでの時間に設定される。
なお、図5において、図2における信号/CS、/AVDのLowレベルへの遷移のタイミングによっては、CA信号とAA信号がHighレベルへ遷移しインバータ205の出力がLowレベルへ遷移するまでの遅延等により、NAND回路209の出力をHighレベル固定とすることができず、SRフリップフロップ204の遷移により、リフレッシュパルス発生回路210でワンショットパルスが生成される可能性もある。この場合、図2における時刻t3のタイミングでレジスタ206の出力はLowレベルに遷移し、遅延回路208により遅延時間の後に、AND回路211の一の入力端はLowレベルとされ、ロウイネーブルリフレッシュ信号RERFはLowレベルに設定される。
次に、図1に示した実施の形態の制御について説明する。図6及び図7は、図5に示した回路の追加部分(破線で示す)を示している。図5に示したリフレッシュコントロール・パルス発生回路126において、例えば図6に示すように、レジスタ206のクロック入力端子に、内部クロック信号KとAND回路211から出力されるロウイネーブルリフレッシュ信号RERFの反転信号を入力とするAND回路301を備え、RERF信号がHighレベルの時に、内部クロック信号Kのレジスタ206への伝達を抑止し、RERF信号がLowレベルの時に、内部クロック信号Kをレジスタ206に供給する構成としてもよい。なお、本実施例において、図5のNAND回路209を設けずに、SRフリップフロップ204の出力をリフレッシュパルス発生回路210に入力する構成としてもよい。
図1に示すように、リフレッシュ要求がなされたクロックサイクルの次のクロックサイクルの開始時刻t3にRERF信号はHighレベルとされ、レジスタ206には、内部クロック信号Kは供給されず、レジスタ206は、SRフリップフロップ203のHighレベル信号(したがってインバータ205の出力のLowレベル)をサンプルせず、RERF信号がLowレベルとなったのちの時刻t4のクロック信号に対応する内部クロック信号Kがレジスタ206に供給され、レジスタ206は、インバータ205の出力のLowレベルをサンプルし、その出力をHighレベルからLowレベルに遷移させ、遅延回路208を介して遅延させた信号の立ち下がりエッジに基づきRENが出力される。すなわち、リード/ライト動作は1クロックサイクル遅れて開始される。
あるいは、図7に示すように、内部クロック信号Kでデータをサンプルするレジスタ206−1、206−2を2段備え、一段目のレジスタ206−1の出力と、2段目のレジスタ206−2の出力を入力するセレクタ302を備え、セレクタ302の出力を、アクティブパルス発生回路207と遅延回路208に供給する構成としてもよい。
セレクタ302は、リフレッシュ動作実行中を示す信号(例えばSRフリップフロップ204の出力)を選択信号とし、リフレッシュ実行中に、アクティブサイクルが開示された場合、2段目のレジスタ206−2の出力を選択して出力する。なお、本実施例において、図5のNAND回路209は設けらず、SRフリップフロップ204の出力がリフレッシュパルス発生回路210に入力される。
図8は、図5に示した回路構成の修正部分(破線で囲む)を示す図である。図3に示した制御は、リフレッシュコントロール・パルス発生回路126において、図8に示すように、AND回路211の後段に、例えばSRフリップフロップ303を備え、SRフリップフロップ303は、AND回路211の出力のHighレベルによってHighレベルにセットされ、レジスタ206の出力(Lowレベルへの立ち下がり)をインバータ304で反転した信号がHighレベルのときリセットされる構成とされる。図3の時刻t4のクロック信号の立ち上がりによるレジスタ206の出力信号のLowレベルへの立ち下がりで、SRフリップフロップ303はリセットされる。すなわち、ロウイネーブルリフレッシュ信号RERFは、図3の時刻t4のクロック信号の立ち上がりで強制的にLowレベルとされ、リフレッシュ動作時間が短縮される。そして、レジスタ206の出力のLowレベルへの立ち下がりを遅延回路208で遅延させた信号に基づき、ロウイネーブルノーマル信号RENが出力され、リード/ライト用のワード線が選択される。この場合、遅延回路208は、図3のリフレッシュ用のワード線が選択状態から非選択状態とされ、リード/ライト用のワード線を選択状態とする間の時間を規定する。
本実施例では、図3を参照して既に説明したように、リフレッシュ動作時間を短縮したクロックサイクル以降、図4のタイマー127を制御して、リフレッシュ間隔を規定するリフレッシュ要求トリガー信号の出力間隔を短縮する制御を行う。この場合、図4のタイマー127には、レジスタ115でサンプルされたチップ選択信号/CSとは別に、リフレッシュ動作を短縮したことを示す信号(不図示)が入力される。タイマー127では、例えば発振器をなすリングオシレータのインバータに供給する駆動電流を増やすことで発振周波数を上げ、リフレッシュ要求トリガー信号の出力間隔を短縮する。リフレッシュ要求トリガー信号の出力間隔を短縮は、例えばリフレッシュが行アドレス分を一巡するまで行われる。あるいは、タイマー127では、発振器の出力を分周するカウンタにおいて、リフレッシュ要求トリガー信号を取り出すビットを例えばMSBから1つ下の桁のビットに変えることで、リフレッシュ要求トリガー信号の出力間隔は、1/2に短縮される。なお、本実施例において、図5のNAND回路209を省き、SRフリップフロップ204の出力信号をリフレッシュパルス発生回路210に入力する構成としてもよい。
次に本発明のさらに別の実施例を説明する。図10及び図11は、内部クロック信号Kにより、入力信号INをサンプル出力するレジスタの回路構成の一公知例を示す図である。図11は、図10のレジスタの動作を説明するためのタイミング図である。図10に示したレジスタは、図4の各種レジスタ111〜116に用いられる公知のエッジ・トリガー型のレジスタである。すなわち、このレジスタは、2段のラッチ回路からなり、内部クロック信号Kをゲートに入力するpチャネルMOSトランジスタと内部クロック信号Kの相補信号/Kをゲートに入力するnチャネルMOSトランジスタからなる第1のトランスファゲート401(「CMOSトランスファゲート」ともいう)と、入力と出力が相互に接続されたインバータ402、403よりなる第1のフリップフロップと、内部クロック信号Kの相補信号/Kをゲートに入力するpチャネルMOSトランジスタと内部クロック信号Kをゲートに入力するnチャネルMOSトランジスタからなる第2のトランスファゲート404と、入力と出力が相互に接続されたインバータ405、406よりなる第2のフリップフロップから構成されている。その動作として、内部クロック信号KがLowレベルのとき、第1、第2のトランスファゲート401、404はそれぞれオン、オフし、出力端子OUTには第2のフリップフロップの保持値が出力され、内部クロック信号KがHighレベルのとき、第1、第2のトランスファゲート401、404はそれぞれオフ、オンし、出力端子OUTには、インバータ402の出力をインバータ405で反転した値が出力され、この出力値は第2のフリップフロップに保持される。図10に示した回路構成において、トランスファゲート401、404、インバータ402、403、405、406を構成するトランジスタの閾値電圧Vthは通常の閾値とされる。なお、インバータ403、406は、データを保持するためのものであるため、駆動用のインバータ404と比べて、電流駆動能力(したがってゲート幅W、あるいはW/L比、ただし、Lゲート長)は小さくてよい。インバータ403、406は、「Weak Inverter」とも呼ばれる。図11では、図10に示したレジスタにおいて、内部クロック信号Kの立ち上がりエッジから、出力信号OUTの遷移までの伝搬遅延時間がtpdで示されている。
ところで、この伝搬遅延時間tpdの短縮を図るには、tpdのパス、例えば図10におけるトランスファゲート404とインバータ405の伝搬経路を高速化する必要がある。そして、同期式半導体記憶装置において、クロック信号CLK、内部クロック信号のパス、ROW系、データ出力の高速化が必要とされる。すなわち、図4のレジスタ111、112の高速化が必要とされる。
図12(A)は、同期式半導体記憶装置の高速化を実現する本実施例のレジスタ111、112(図4参照)の構成の一例を示す図である。なお、図4のレジスタ111、112には、図12(A)に示した構成が、入力アドレス信号の本数分並列に設けられている。図12(A)を参照すると、このレジスタは、内部クロック信号Kをゲートに入力するpチャネルMOSトランジスタと内部クロック信号Kの相補信号/Kをゲートに入力するnチャネルMOSトランジスタからなる第1のトランスファゲート501と、入力と出力が相互に接続されたインバータ502、503よりなる第1のフリップフロップと、内部クロック信号Kの相補信号/Kをゲートに入力するpチャネルMOSトランジスタと内部クロック信号Kをゲートに入力するnチャネルMOSトランジスタからなる第2のトランスファゲート508と、入力と出力が相互に接続されたインバータ513、514よりなる第2のフリップフロップを備え、第1のフリップフロップ(502、503)と第2のトランスファゲート508との間に第1のクロックドインバータを有し、第2のトランスファゲート508と出力端子OUTとの間に、インバータ502と並列に、第2のクロックドインバータを有している。
第1のクロックドインバータは、ソースが電源VDDに接続され、ゲートに制御信号Pの相補信号/Pが入力されるpチャネルMOSトランジスタ504と、ソースが接地され、ゲートに制御信号Pが入力されるnチャネルMOSトランジスタ507と、pチャネルMOSトランジスタ504のドレインにソースが接続されたpチャネルMOSトランジスタ505と、nチャネルMOSトランジスタ507のドレインにソースが接続されたnチャネルMOSトランジスタ506を備え、pチャネルMOSトランジスタ505とnチャネルMOSトランジスタ506のゲートは共通接続され、第1のフリップフロップの出力(インバータ502の出力)に接続され、pチャネルMOSトランジスタ505とnチャネルMOSトランジスタ506のドレインは共通接続され、第2のトランスファゲート508に接続されている。第2のクロックドインバータは、ソースが電源VDDに接続され、ゲートに制御信号Pの相補信号/Pが入力されるpチャネルMOSトランジスタ509と、ソースが接地され、ゲートに制御信号Pが入力されるnチャネルMOSトランジスタ512と、pチャネルMOSトランジスタ509のドレインにソースが接続されたpチャネルMOSトランジスタ510と、nチャネルMOSトランジスタ512のドレインにソースが接続されたnチャネルMOSトランジスタ511を備え、pチャネルMOSトランジスタ510とnチャネルMOSトランジスタ511のゲートは共通接続され、第2のトランスファゲート508の出力に接続され、pチャネルMOSトランジスタ510とnチャネルMOSトランジスタ511のドレインは共通接続され、出力端子OUTに接続されている。
本実施例において、第1のクロックドインバータを構成するpチャネルMOSトランジスタ505とnチャネルMOSトランジスタ506、第2のトランスファゲート508を構成するpチャネルMOSトランジスタとnチャネルMOSトランジスタ、及び、第2のクロックドインバータを構成するpチャネルMOSトランジスタ510とnチャネルMOSトランジスタ512は、低閾値のトランジスタで構成されている。なお、pチャネルMOSトランジスタについてその閾値の高低は、閾値の絶対値の大小に対応している。
制御信号Pは、半導体記憶装置がアクティブ状態(例えばチップ選択信号が活性状態)のとき活性化され、スタンバイ時には、低閾値のトランジスタによるリークを遮断するため、非活性状態とされる。半導体記憶装置がアクティブ状態のとき(制御信号PはHigh、制御信号/PはLowとされる)、第1、第2のクロックドインバータがオン状態とされ、内部クロック信号KのHighレベル時、第2のトランスファゲート508がオンし、活性状態の第2のクロックドインバータは、第1のクロックドインバータの出力を反転した出力を出力端子OUTに出力し、内部クロック信号KのLowレベル時、第1のトランスファゲート501はオン、第2のトランスファゲート508はオフとされ、入力信号INがインバータ502で反転され第1のクロックドインバータに供給される。なお、インバータ513、514は、データ保持用として用いられており、インバータ513、514を構成するMOSトランジスタの電流駆動能力(ゲート幅W、あるいはW/L比、ただし、Lゲート長)は小さくてよい。
制御信号PがLowレベル、制御信号/PがHighレベルのとき、第1、第2のクロックドインバータにおけるトランジスタ504、507、509、512はオフし、第1及び第2のクロックドインバータは非活性状態(オフ状態)とされる。第1のクロックドインバータにおいて、電源VDDと低閾値トランジスタ505の間、グランドと低閾値トランジスタ506の間にそれぞれ設けられたスイッチ用のトランジスタ504、507がオフし、第2のクロックドインバータにおいて、電源VDDと低閾値トランジスタ510の間、グランドと低閾値トランジスタ511の間にそれぞれ設けられたスイッチ用のトランジスタ509、512がいずれもオフ状態であるため、低閾値トランジスタ505、506、510、511、及び低閾値のトランスファゲート508によるリーク電流はカットされる。
チップ選択信号/CS及びアドレスバリッド信号/ADVから制御信号Pを生成する場合、クロック信号CLK(したがって内部クロック信号K)が入力される前(遷移の前)に、制御信号Pの活性化が行われる。制御信号Pが活性化されているとき、図12(A)において、図10に示したtpdに対応するパスには、トランスファゲート508、pチャネルMOSトランジスタ510とnチャネルMOSトランジスタ511からなり、低閾値のトランジスタのみで動作するため、内部クロック信号Kの立ち上がりから出力端子OUTの出力信号の遷移までの伝搬遅延時間tpdを短縮することができる。
このように、本実施例のレジスタにおいては、所定の信号伝搬経路を低閾値のトランジスタで構成することで、動作速度を向上するとともに、低閾値のトランジスタが挿入される電流パス内には、低閾値のトランジスタと直列に通常閾値のスイッチ用トランジスタを設けることで、消費電力の増大を抑止している。これに対して、通常閾値のスイッチ用トランジスタを設けずに低閾値のトランジスタのみで構成した場合、伝搬遅延時間tpdは短縮するものの、リーク電流が増大し、消費電力の低減は困難となる。
図12(B)は、制御信号Pを生成する制御信号生成回路の構成の一例を示している。図12(B)に示す例では、制御信号生成回路515には、例えばチップ選択信号/CSとアドレスバリッド信号/ADVとが入力されており、これらの入力信号の論理演算結果が制御信号Pとして出力される。制御信号生成回路515をNANDゲートで構成した場合、チップ選択信号/CSとアドレスバリッド信号/ADVのいずれかがLowレベルのとき、制御信号PはHighレベル(信号/PはLowレベル)とされ、図12(A)のスイッチ用のトランジスタ504と507、509と512はいずれもオンし、第1及び第2のクロックドインバータは活性状態とされる。一方、チップ選択信号/CSとアドレスバリッド信号/ADVがともにHighレベル(非活性)のとき、制御信号PはLowレベル(信号/PはHighレベル)とされ、図12(A)のスイッチ用のトランジスタ504と507、509と512はいずれもオフし、第1及び第2のクロックドインバータは非活性状態とされる。なお、制御信号Pを生成するための信号としては、チップ選択信号/CSとアドレスバリッド信号/ADV等に限定されるものでなく、制御信号生成回路515の論理構成も、スタンバイ時に、クロックドインバータをオフする制御を行うものであれば、任意とされる。
以上、本発明を上記実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例の構成にのみ限定されず、本発明の範囲内で当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。