JP3569315B2 - 同期型半導体記憶装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、外部クロック信号に同期して外部制御信号、外部アドレス信号および入力データを含む外部信号を取込む同期型半導体記憶装置(シンクロナス・ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ:SDRAM)に関し、特に、高速でメモリセルデータのリフレッシュを行なうための構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
図13は、従来の同期型半導体記憶装置(以下、SDRAMと称す)の全体の構成を概略的に示す図である。図13において、SDRAMは、互いに独立にアドレス指定およびアクセスが可能な同じ構成を備える2つのメモリバンクBKAおよびBKBと、これら2つのメモリバンクBKAおよびBKBと外部データDQの入出力を行なうデータ入出力端子9と、メモリバンクBKAおよびBKB両者に対し共通に設けられ、外部アドレス信号ADから内部アドレス信号を生成するアドレスバッファ10と、外部クロック信号(入力バッファ回路によりバッファ処理された信号であってもよい)CLKと、チップセレクト信号/CS、ロウアドレスストローブ信号/RAS、コラムアドレスストローブ信号/CAS、およびライトイネーブル信号/WEとアドレスバッファ10からのバンクアドレス信号BAとに従ってメモリバンクBKAおよびBKBの一方を活性状態としかつ活性状態とされたメモリバンクの動作を制御する信号を発生するバンク制御回路8とを含む。
【0003】
メモリバンクBKAは、行および列のマトリックス状に配列される複数のメモリセル(ダイナミック型メモリセル)を有するメモリアレイ1aと、アドレスバッファ10からの行アドレス信号RAをラッチするXバッファ2aと、Xバッファ2aからの行アドレス信号をデコードし、メモリアレイ1aにおけるアドレス指定された行(ワード線)を選択状態とするXデコーダ3aと、アドレスバッファ10からの列アドレス信号CAをラッチするYバッファ4aと、Yバッファ4aからの列アドレス信号をデコードし、メモリアレイ1aにおけるアドレス指定された列(ビット線対)を選択する信号を発生するYデコーダ5aとを含む。
【0004】
メモリアレイ1aに対してはさらに、各列に対して設けられ、対応の列(ビット線対)上に読出されたメモリセルのデータの検知および増幅ならびにラッチを行なう複数のセンスアンプと、Yデコーダ5aからの列選択信号に従ってメモリアレイ1aの対応の列を選択して入出力回路7aへ結合するIOゲート回路とを含む。図13においては、複数のセンスアンプおよびIOゲートを1つのブロック6aで示す。入出力回路7aは、通常、複数の1ビットデータレジスタを含み、該クロック信号CLKに従ってこれらの複数の1ビットデータレジスタとデータ入出力端子9との間でデータの入出力を行なう。このデータ入出力動作については後に説明する。
【0005】
メモリバンクBKBは、メモリバンクBKAと同様、メモリアレイ1b、Xバッファ2b、Xデコーダ3b、Yバッファ4b、Yデコーダ5b、(センスアンプ+IOゲート)ブロック6b、および入出力回路7bを含む。これらの要素の構成は、メモリバンクBKAの対応の構成要素と同じである。
【0006】
バンク制御回路8は、外部クロック信号(クロック入力バッファ回路が出力するクロック信号であってもよいため、以下単にクロック信号と称す)CLKの立上がりエッジにおける外部制御信号/CS、/RAS、/CAS、および/WEの状態に従って、指定された動作モードを判別し、その判別結果に従って指定された動作モードに必要とされる内部制御信号を発生する。すなわち、このSDRAMにおいては、外部からの動作モードの指定はコマンド(外部制御信号/CS、/RAS、/CAS、および/WEの状態の組合わせ)により与えられる。バンク制御回路8は、また、アドレスバッファ10から与えられるバンクアドレス信号BAにより指定されたメモリバンクに対してのみこの内部制御信号を与える。図13においては、バンク制御回路8が発生する内部制御信号として、メモリバンクBKAの行選択に関連する動作を行なう行選択系回路(Xバッファ、Xデコーダ、およびセンスアンプ)を活性化する信号φARと、メモリバンクBKAにおける列選択に関連する動作およびデータ入出力に関連する動作を行なう列選択系回路(Yバッファ、Yデコーダ、および入出力回路)を制御する列選択系駆動信号φACと、メモリバンクBKBに対する行選択系駆動信号φBRと、メモリバンクBKBに対する列選択系駆動信号φBCを代表的に示す。この内部制御信号については後に詳細に説明する。
【0007】
アドレスバッファ10は、クロック信号CLKに従って外部アドレス信号ADを取込み内部アドレス信号およびバンクアドレス信号を生成するように示されているが、これはチップセレクト信号/CSの活性状態の時のみバンク制御回路8の制御とともにアドレス信号を取込むように構成されてもよい。次に動作について簡単に説明する。
【0008】
SDRAMにおいては、バンクアドレス信号BAが指定するメモリバンクにおいて複数のメモリセルが同時に選択状態とされる(8ビットデータを入出力する場合には、通常64ビットのメモリセルが選択状態とされる)。メモリサイクルの開始は、信号/CSおよび/RASをともにクロック信号CLKの立上がりエッジにおいてLレベルとすることにより指定される。このレベルではSDRAMはアクティブサイクルに入り、バンクアドレス信号BAにより指定されたメモリバンクにおいて行選択系回路が活性化され、このときに与えられた行アドレス信号RAに対応する行のメモリセルが選択され、この選択された1行のメモリセルデータがセンスアンプにより検知増幅される。データ書込モードであるかデータ読出モードであるかは、信号/CS、/CASおよび/WEにより決定される。データ読出が指定された場合には、アドレスバッファ10からの内部列アドレス信号CAに従って複数ビット(1つのデータ入出力端子に対して8ビット)のメモリセルが選択され、この選択された複数のメモリセルデータが入出力回路(7aまたは7b)に含まれる出力回路に同時に伝達される。次いで、クロック信号に同期して、この入出力回路(7aまたは7b)から順次データが読出される(ただし通常の読出動作モードのとき)。
【0009】
データ書込時においては、クロック信号CLKに従って、データ入出力端子9へ与えられた入力データが指定されたメモリバンク(BKAまたはBKB)の入出力回路(7aまたは7b)の入力回路へ順次伝達され、この入出力回路(7aまたは7b)に格納される入力データがそれぞれ所定のタイミングで選択されたメモリセルへ順次または同時に伝達されて書込まれる。
【0010】
図14は、図13に示すバンク制御回路の内部構成を概略的に示す図である。図14においては、このバンク制御回路8における行選択系駆動信号を発生する部分の構成を示す。図14において、バンク制御回路8は、外部制御信号/CS、/RAS、/CAS、および/WEとクロック信号CLKに従ってアクティブサイクルが指定されたか否かを判別するアクティブモード検出回路11と、クロック信号CLKとバンクアドレス信号BAとに従って、バンクBKAおよびBKBのいずれが指定されたかを判別するバンク検出回路12と、アクティブモード検出回路11とバンク検出回路12のそれぞれの出力に応答して、メモリバンクBKAおよびメモリバンクBKBに対する行選択系活性化信号/RASAN(φARに対応)および/RASBN(信号φBRに対応)を生成するバンク活性化回路13を含む。バンク活性化回路13からの行選択系活性化信号/RASANは、メモリバンクBKAのXバッファ2aおよびXデコーダ3aへ与えられる。バンク活性化回路13からの行選択系活性化信号/RASBNはメモリバンクBKBのXバッファ2bおよびXデコーダ3bへ与えられる。Xデコーダ3aからメモリバンクBKAに含まれるワード線(1行のメモリセルが接続される)を選択するワード線駆動信号WLAが発生される。Xデコーダ3bからメモリバンクBKBにおいて1行のメモリセル(ワード線)を選択するワード線選択信号WLBが発生される。
【0011】
なお、図14において、バンク活性化回路13からの行選択系活性化信号/RASAN(/RASBN)はXバッファ2a(2b)およびXデコーダ3a(3b)へともに与えられるように示される。しかしながら、実際には、Xバッファ2a(2b)およびXデコーダ3a(3b)の活性化タイミングは異なる。バンク活性化回路13は、このバンク検出回路12が検出した指定されたメモリバンクに対してのみこの行選択系活性化信号/RASANまたは/RASBNを活性状態とする。これにより、指定されたメモリバンクにおいてのみ行選択動作が行なわれる。なお、このバンク活性化回路13からの信号は、また対応のメモリバンクのセンスアンプへも与えられる。さらに、これらの行選択系活性化信号/RASANおよび/RASBNは、それぞれメモリバンクBKAおよびBKBにおけるメモリサイクル開始指示信号として機能し、この信号/RASANおよびRASBNが活性状態とされたときにおいてのみ列選択系回路がイネーブル状態とされる。
【0012】
図15は、メモリアレイ1aおよび1bに含まれるメモリセルの構成を示す図である。図15において、メモリセルMCは、情報を電荷の形態で格納するキャパシタCと、ワード線WL上の信号電位に応答して導通し、キャパシタCをビット線BL(または/BL)に接続するトランスファーゲートTGを含む。ビット線BLおよび/BLは対をなして配設され、ビット線対BLおよび/BLとワード線WLの交差部に対応して1つのメモリセルMCが配設される。図16においては、ワード線WLとビット線BLの交差部に対応して配置されるメモリセルMCを一例として示す。この配置の場合には、ビット線BLにメモリセルMCのデータが読出され、他方のビット線/BLは所定のプリチャージ電位(中間電位)を維持し、センスアンプに対する基準電位を与える。センスアンプは、このビット線BLおよび/BLの電位差を増幅することにより、メモリセルMCのデータの検知、増幅およびラッチを行なう。
【0013】
図15に示すように、メモリセルMCは、キャパシタCに電荷の形態で情報を格納する。したがってリーク電流などにより、キャパシタCの蓄積電荷が失われる状態が生じ、これを防止するために、周期的にメモリセルMCの記憶データを再書込する必要が生じる。すなわち、メモリセルMCの記憶データをビット線BL(または/BL)へ読出し、センスアンプを活性化してこの読出されたデータを増幅した後再びメモリセルMCへ書込む。このメモリセルMCのデータの再書込動作はリフレッシュと呼ばれる。
【0014】
図16は、従来のSDRAMにおけるリフレッシュに関連する部分の構成を示す図である。図16において、バンクA(BKA)に対して、メモリアレイ1aのリフレッシュされるべきメモリセル(1行を単位とするメモリセル)を指定するリフレッシュアドレスを発生するアドレス発生回路20aと、リフレッシュモード指定信号/ARに応答してアドレス発生回路20aからのリフレッシュアドレス信号とXバッファ2aからの内部アドレス信号の一方を選択するマルチプレクサ21aと、メモリバンクBKAのリフレッシュ動作時に活性状態とされるリフレッシュ行選択系活性信号/RASARとリフレッシュモード以外の動作時(以下、通常動作モードと称す)メモリバンクBKAが指定されたとき活性状態とされる行選択系駆動信号/RASANとを受け、一方が活性状態となると行選択系駆動信号/RASAを生成してXデコーダ3aおよびセンスアンプ回路6aaへ与えるゲート回路2aが設けられる。マルチプレクサ21aは、リフレッシュモード指定信号/ARが活性状態にありリフレッシュモードを指定しているときにはアドレス発生回路20aからのリフレッシュアドレス信号を選択してXデコーダ3aへ与える。センスアンプ回路6aaは、図13に示すブロック6aに含まれる。アドレス発生回路20aは、リフレッシュ行選択系活性信号/RASARに応答して活性化され、後に説明するリフレッシュアドレスカウンタからのリフレッシュアドレス信号Q0〜Q10を取込みリフレッシュアドレス信号を生成する。Xバッファ2aは、通常モード時にメモリバンクBKAが選択状態とされたときに活性状態とされる信号/RASANに応答して活性化される。
【0015】
メモリバンクBKBに対しても、メモリバンクBKAと同様に、信号/RASBRに応答してリフレッシュアドレス信号を発生するアドレス発生回路20bと、リフレッシュモード指定信号/ARに応答してXバッファ2bおよびアドレス発生回路20bの出力の一方を選択してXデコーダ3bへ与えるマルチプレクサ21bと、行選択系活性化信号/RASBRおよび/RASBNを受けてメモリバンクBKBの行選択系駆動信号/RASBを発生するゲート回路22bが設けられる。ゲート回路22bからの信号/RASBはXデコーダ3bおよびセンスアンプ回路6baに与えられる。なお、Xデコーダ(3aまたは3b)とセンスアンプ回路(6aaまたは6ba)の活性化タイミングは異なるが、図16においては、図面を簡略化するためにXデコーダ(3aまたは3b)およびセンスアンプ回路(6aaまたは6ba)は同じ信号を受けるように示される。次に動作について簡単に説明する。
【0016】
SDRAMのリフレッシュ方式は、JEDEC(ジョイント・エレクトロン・デバイス・エンジニアリング・カウンシル)で標準化されている。この標準化されたリフレッシュ方法においては、メモリバンクBKAおよびBKBが交互にリフレッシュされる。
【0017】
リフレッシュモードの指定は、外部制御信号/CS、/RAS、/CAS、および/WEをクロック信号CLKの立上がりにおいてすべてLレベルとすることにより行なわれる。このリフレッシュモード指定に従って、SDRAMにおいては、後に説明するリフレッシュモード検出回路からリフレッシュモード指定信号/ARが発生される(活性状態とされる)。活性状態のリフレッシュモード指定信号/ARに応答して、マルチプレクサ21aおよび21bは、アドレス発生回路20aおよび20bの出力信号を選択する状態に設定される。
【0018】
メモリバンクBKAのリフレッシュ動作時には、リフレッシュ行選択系活性化信号/RASARが活性状態とされ、アドレス発生回路20aがリフレッシュ行アドレス信号を発生する。メモリバンクBKBのためのリフレッシュ行選択系活性化信号/RASBRは非活性状態にあり、アドレス発生回路20bはリフレッシュアドレス信号を発生しない。またこのときゲート回路22aが、信号/RASARに応答して行選択系駆動信号/RASAを活性状態とする。これにより、アドレス発生回路20aからのリフレッシュ行アドレス信号に従ってメモリアレイ1a内の指定されたメモリセルデータがリフレッシュされる。メモリセルアレイ1aにおいて選択される行(ワード線)の数はこのメモリアレイ1aの構成により異なる。メモリアレイ1aが複数のブロックを有する場合には、これら複数のメモリブロックのうちの所定数のブロックにおいて同時にリフレッシュが実行される。このとき、通常動作モード時に発生される行選択系活性化信号/RASANおよび/RASBNはともに非活性状態にある。
【0019】
メモリバンクBKBのリフレッシュを行なう場合には、信号/RASBRが活性状態とされ、信号/RASARは非活性状態とされる。また信号/RASANおよび/RASBNは非活性状態にある。この場合には、ゲート回路22bがメモリバンクBKBに対する行選択系駆動信号/RASBを活性状態とし、アドレス発生回路20bから発生されたリフレッシュアドレス信号に従ってメモリアレイ1b内の指定されたメモリセルのデータのリフレッシュが実行される。
【0020】
図17は、図16に示すリフレッシュ行選択系活性化信号を発生する構成を概略的に示す図である。図17に示すリフレッシュ行選択系活性化信号発生回路は、図13に示すバンク制御回路8に含まれる。
【0021】
図17において、リフレッシュ行選択系活性化信号発生回路は、クロック信号CLKの立上がりエッジで、外部制御信号/RAS、/CAS、/WEおよび/CSがリフレッシュモードを指定する状態に設定されているか否かを判別するリフレッシュモード検出回路30と、リフレッシュモード検出回路30からのリフレッシュモード検出信号/ARに応答してそのカウント値が増分されるリフレッシュアドレスカウンタ32とを含む。このリフレッシュアドレスカウンタ32は、後に説明するように複数の1ビットカウンタを含み、最下位ビットのカウンタの出力がバンク指定信号BCとして用いられる。残りの上位ビットがリフレッシュ行アドレス信号Qとして用いられる。
【0022】
リフレッシュ行選択系活性化信号発生回路はさらに、リフレッシュモード検出回路30からのリフレッシュモード検出信号/ARとリフレッシュアドレスカウンタ32からのリフレッシュバンクアドレス信号BCとに従ってメモリバンクBKAに対するリフレッシュ行選択系活性化信号/RASARおよびメモリバンクBKBに対するリフレッシュ行選択系活性化信号/RASBRを発生するリフレッシュバンク活性回路34を含む。このリフレッシュバンク活性回路34は、リフレッシュアドレスカウンタ32からのリフレッシュバンクアドレス信号BCが指定するメモリバンクに対してのみリフレッシュ行選択系活性化信号を活性状態とする。
【0023】
リフレッシュモード検出回路30は、外部制御信号/RAS、/CAS、/WE、および/CSがクロック信号CLKの立上がり時にすべてLレベルに設定されたときにリフレッシュモードが指定されたと判定し、所定の時間幅を有するリフレッシュモード検出信号/ARを活性状態とする。リフレッシュアドレスカウンタ32は、以下にその構成について詳細に説明するが、リフレッシュモード検出信号/ARの非活性化に応答してそのカウント値を1増分する。リフレッシュアドレスカウンタ32の出力の最下位ビットをメモリバンク指定用の信号として利用することにより、メモリバンクBKAおよびBKBに対し交互にかつ同じ行アドレスのメモリセルをリフレッシュすることができる。
【0024】
図18(A)は、図17に示すリフレッシュアドレスカウンタ32の構成を概略的に示す図である。図18(A)においてはリフレッシュ行アドレス信号が11ビットQ0〜Q10を有する場合が一例として示される。図18において、リフレッシュアドレスカウンタ32は、リフレッシュ検出信号/ARの立上がりに応答してそのカウント値が増分される(出力ビットが反転する)1ビットカウンタ40と、この1ビットカウンタ40の出力信号(リフレッシュバンクアドレス信号BC)の変化に応答してそのカウント値が増分されるカスケード接続された1ビットカウンタ41−0〜41−10を含む。カスケード接続された1ビットカウンタ41−0〜41−10はリフレッシュ行アドレス信号ビットQ0〜Q10をそれぞれ出力する。これらの1ビットカウンタ41−0〜41−10は前段のカウンタの出力信号が立下がるとそのカウント値が1増分される(出力が反転する)。このような1ビットカウンタ40、41−0〜41−10の構成としては、非同期カウンタにおいて一般に用いられる1ビットカウンタの構成を利用することができる。図18(B)は、この図18(A)に示すリフレッシュアドレスカウンタの動作を示す信号波形図である。以下、図18(B)を参照してこの図18(A)に示すリフレッシュアドレスカウンタの動作について説明する。
【0025】
最下位ビットに設けられた1ビットカウンタ40は、リフレッシュモード検出信号/ARの立上がりに応答してその出力信号すなわちリフレッシュバンクアドレス信号BCを1増分する。リフレッシュモード検出信号/ARは活性化時にLレベルであり、リフレッシュサイクル期間を決定する。したがって、このリフレッシュモード検出信号/ARが立上がると1つのリフレッシュサイクルが完了し、1ビットカウンタ40からの出力信号すなわちリフレッシュバンクアドレス信号BCが1増分される(状態が変化する)。リフレッシュバンクアドレス信号BCがたとえば、0のときにバンクA(BKA)を指定し、1のときにバンクB(BKB)を指定する場合には、メモリバンクBKAおよびBKBが交互にリフレッシュされる。1ビットカウンタ41−0〜41−10は、それぞれ前段のカウンタの出力信号の立下がりに応答してそのカウント値が1増分される(出力状態が反転する)。バンクアドレス信号BCを発生する1ビットカウンタ40の出力信号が立下がるのは2つのリフレッシュサイクル完了時ごとである。すなわち、2つのリフレッシュサイクルごとに、この1ビットカウンタ41−0〜41−10からの出力信号(リフレッシュ行アドレス信号)Q0〜Q10が1増分される。これにより、メモリバンクBKAおよびBKBにおいて同じ行アドレスを有するメモリセルのリフレッシュが交互に実行される。図18(B)においては、最初の2つのリフレッシュサイクルにおいて、リフレッシュ行アドレス信号(000)に対するリフレッシュが実行され、次の2つのリフレッシュサイクルにおいて、リフレッシュ行アドレス信号(001)に対するメモリセルのリフレッシュが実行され、次いで(010)、(011)、…のリフレッシュ行アドレス信号に対応するメモリセルのリフレッシュが実行される状態が一例として示される。
【0026】
図19は、図17に示すリフレッシュバンク活性回路34の構成を示す図である。図19において、リフレッシュバンク活性回路34は、リフレッシュモード検出信号/ARとリフレッシュバンクアドレス信号BCを受けるNORゲート43aと、このNORゲート43aの出力を受けるインバータ44aを含む。インバータ44aからメモリバンクBKAに対するリフレッシュ行選択系活性化信号/RASARが出力される。
【0027】
リフレッシュバンク活性回路34は、さらにリフレッシュバンクアドレス信号BCを反転するインバータ回路45と、インバータ回路45の出力とリフレッシュモード検出信号/ARを受けるNORゲート43bと、NORゲート43bの出力を受けるインバータ44bを含む。インバータ44bからメモリバンクBKBに対するリフレッシュ行選択系活性化信号/RASBRが出力される。次に動作について簡単に説明する。
【0028】
リフレッシュモードが指定されないときには、リフレッシュモード検出信号/ARは非活性状態のHレベルにある。このときには、NORゲート43aおよび43bの出力信号はともにLレベルであり、したがってリフレッシュ行選択系活性化信号/RASARおよび/RASBRはともに非活性状態のHレベルにある。
【0029】
リフレッシュモードが指定されると、リフレッシュモード検出信号/ARがLレベルとなる。このときには、NORゲート43aおよび43bがインバータとして機能する。したがって、リフレッシュバンクアドレス信号BCが0すなわちLレベルの場合には、メモリバンクBKAに対するリフレッシュ行選択系活性化信号/RASARがLレベルとなり、一方、リフレッシュバンクアドレス信号BCが1(Hレベル)の場合にはメモリバンクBKBに対するリフレッシュ行選択系活性化信号/RASBRが活性状態のLレベルとされる。リフレッシュバンクアドレス信号BCに従って、リフレッシュ行選択系活性化信号/RASBRおよび/RASARの一方のみがリフレッシュサイクル時に活性状態とされる。
【0030】
図20は、図16に示すアドレス発生回路20aおよび20bの構成を概略的に示す図である。図20(A)において、アドレス発生回路20aは、リフレッシュアドレスカウンタ32からのリフレッシュアドレス信号Q(Q0〜Q10)の各ビットに対応して設けられるラッチ機能を備えるアドレス発生器50−0〜50−10を含む。アドレス発生器50−0〜50−10の各々は、リフレッシュ行選択系活性化信号/RASARに応答して、対応のリフレッシュ行アドレス信号ビットをラッチし、リフレッシュ行アドレス信号RAD0A〜RAD10aを生成する。図20(B)に示すアドレス発生回路20bも同様、リフレッシュアドレス信号ビットQ0〜Q10それぞれに対応して設けられるアドレス発生器50−0〜50−10を含む。このアドレス発生回路20bに含まれるアドレス発生器50−0〜50−10の各々は、リフレッシュ行選択系回路活性化信号/RASBRに応答して対応のリフレッシュ行アドレス信号ビットをラッチし、メモリバンクBKBに対するリフレッシュ行アドレス信号RAD0B〜RAD10Bを生成する。
【0031】
アドレス発生器50−0〜50−10の構成は、通常のDRAMに用いられているアドレスラッチの構成を利用することができ、この構成の一例を図21に示す。図21において、メモリバンクBKAに対するアドレス発生器の構成を示す。図21において、アドレス発生器50(50−0〜50〜10)は、リフレッシュ行選択系活性化信号/RASARの活性化に応答して所定の期間Lレベルとなるパルス信号を発生するワンショットパルス信号発生回路51と、このワンショットパルス発生回路51の出力を反転するインバータ52と、ワンショットパルス発生回路51およびインバータ52の出力に従って導通し、リフレッシュアドレスカウンタ32(図17参照)から与えられるリフレッシュ行アドレス信号ビットQi(i=0〜10)を通過させるトランスミッションゲート53と、このトランスミッションゲート53から与えられた信号をラッチする偶数段(図21においては2段)のインバータで構成されるラッチ回路54と、ラッチ回路54のラッチする信号とリフレッシュ行選択系活性化信号/RASARを受けるNORゲート55と、NORゲート55の出力を反転するインバータ56を含む。インバータ56からリフレッシュ行アドレス信号ビットRADiAが出力される。次に動作について簡単に説明する。
【0032】
リフレッシュ行選択系活性化信号/RASARが非活性状態のHレベルの場合には、NORゲート55の出力信号はラッチ回路54のラッチデータに係わらずLレベルとされ、リフレッシュ行アドレス信号ビットRADiAはHレベルとされる。リフレッシュ行選択系活性化信号/RASARが活性状態のLレベルに立下がると、ワンショットパルス発生回路51が所定の時間幅を有するLレベルのパルス信号を発生する。これによりトランスミッションゲート53が導通し、リフレッシュアドレスカウンタ32(図17参照)から与えられたリフレッシュ行アドレス信号ビットQiが内部へ取込まれ、ラッチ回路54によりラッチされる。所定時間が経過すると、このトランスミッションゲート53は非導通状態とされる。NORゲート55は、信号/RASARがLレベルにあるため、インバータとして機能し、したがって、インバータ56からは、このリフレッシュ行アドレス信号ビットQiに対応する信号RADiAが出力される。
【0033】
なお図21に示すアドレス発生器の構成は単なる一例であり、信号/RASARが非活性状態のHレベルのときには、リフレッシュ行アドレス信号RADiAがLレベルに設定される構成が利用されてもよい。この図21に示すアドレス発生器50は、メモリバンクBKAおよびBKBそれぞれに設けられたアドレス発生回路20aおよび20bにおいて利用される。
【0034】
【発明が解決しようとする課題】
図22は、リフレッシュサイクルが繰り返されるときの内部信号の波形を概略的に示す図である。以下、この図22を参照して、リフレッシュサイクルが繰り返されるときの動作について簡単に説明する。
【0035】
リフレッシュモードはクロック信号CLKの立上がりエッジで信号/CS、/RAS、/WE、および/CASをすべてLレベルに設定することにより指定される。このリフレッシュモードの指定に応答して、内部でリフレッシュモード検出信号/ARが所定期間活性状態のLレベルとされる。リフレッシュアドレスカウンタの出力信号がすべて0にリセットされている場合には、まずバンクBKAが指定され、バンクBKAに対するリフレッシュ行選択系活性化信号/RASARが活性状態のLレベルとされる。リフレッシュアドレスカウンタの出力するカウント値がすべて0であるため、リフレッシュ行アドレス信号RAD0A〜RAD2Aはすべて0であり、メモリバンクBKAにおける行アドレスAddが0のメモリセルに対するリフレッシュが実行される。所定時間が経過すると、リフレッシュモード検出信号/ARが非活性状態のHレベルとなり、リフレッシュアドレスカウンタから出力するリフレッシュバンクアドレス信号BCが増分される(状態が反転する)。またリフレッシュモード検出信号/ARの非活性化に応答して、リフレッシュ行選択系活性化信号/RASARが非活性状態とされる。
【0036】
次のサイクルにおいて再びリフレッシュモードが指定されると、リフレッシュモード検出信号/ARが活性状態とされ、リフレッシュバンクアドレス信号BCの値に従ってメモリバンクBKBに対する行選択系活性化信号/RASBRがLレベルの活性状態とされる。このとき、リフレッシュアドレスカウンタの最下位ビットが増分されているだけであり、上位ビットQ0〜Q2(Q10)が増分されていないため、メモリバンクBKBにおいて、行アドレスAddが0のメモリセルに対するリフレッシュが実行される。
【0037】
メモリバンクBKBに対するリフレッシュが完了すると、信号/ARが非活性状態とされ、リフレッシュバンクアドレス信号BCが増分され、メモリバンクBKAを指定する状態に設定される。このメモリバンク指定信号BCの立下がりに応答して行アドレス信号ビットQ0が増分され、1となる。
【0038】
次のサイクルでリフレッシュモードが指定されると、リフレッシュモード検出信号/ARが活性状態のLレベルとなり、0のリフレッシュバンクアドレス信号BCに従ってメモリバンクBKAに対するリフレッシュ行選択系活性化信号/RASARが活性状態のLレベルとされる。これにより、行アドレス発生器20aがそのときのリフレッシュアドレスカウンタからの出力信号ビットQ0〜Q2をラッチし、リフレッシュ行アドレス信号RAD0A〜RAD2Aを出力する。したがってこのサイクルにおいては、行アドレスAddが1のメモリセルに対しメモリバンクBKAにおいてリフレッシュが実行される。
【0039】
次のサイクルにおいて再びリフレッシュモードが指定されると、そのときにはメモリバンク指定信号BCが増分されて、メモリバンクBKB指定状態とされており、したがって、メモリバンクBKBにおいて行アドレスAddが1のメモリセルに対するリフレッシュが実行される。以降この動作が繰り返される。すなわちバンクBAKおよびBKBが交互にリフレッシュされている。2つのリフレッシュサイクルにわたって同じリフレッシュ行アドレス信号が発生される。
【0040】
なお、図22に示す波形図おいては、リフレッシュ行アドレスを明確にするために少し簡略化しているが、リフレッシュアドレス発生回路が出力されるリフレッシュアドレス信号RAD0A〜RAD10AおよびRAD0B〜RAD10Bは、対応のリフレッシュ行選択系活性化信号/RASARおよび/RASBRが非活性状態の場合に非活性状態のHレベルまたはLレベルに設定される(図20および図21参照)。また、図22において動作波形図を簡略化するために、3ビットのリフレッシュ行アドレス信号のみを代表的に示している。
【0041】
上述のように、JEDECで標準化されたリフレッシュ方式のように、メモリバンクBKAおよびBKBを交互にリフレッシュする場合、すべてのメモリセルをリフレッシュするためには、メモリバンクBKAおよびBKB両者を同時にリフレッシュする構成に比べて2倍の時間が必要となり、リフレッシュに要する時間が長くなるという問題が生じる。
【0042】
メモリセルデータを正確に保持するためには、メモリセルはすべて、所定時間内に一度リフレッシュする必要がある。したがって、すべてのメモリセルを所定時間内に一度リフレッシュするためには、リフレッシュ間隔を短くしてリフレッシュする必要が生じる。この場合、リフレッシュのために外部処理装置であるプロセサが待ち状態となるクロックサイクル数が増加し、SDRAMの利用効率が低下し、応じてシステム全体の性能が低下する。
【0043】
また、外部では、いずれのメモリバンクに対するリフレッシュが実行されているかは知ることができない(リフレッシュバンクアドレス信号は内部のカウンタにより発生されている)。一方のメモリバンクへのアクセス中に他方のメモリバンクにおいてリフレッシュを行なうといういわゆる「ヒドンリフレッシュ」方式は用いることはできないため、このような「ヒドンリフレッシュ方式」を用いたリフレッシュを行ない、実効的にリフレッシュに要する時間を短くすることはできない。また、当然このとき、メモリバンクBKAおよびBKBが外部から交互にアクセスされるいわゆるインタリーブ方式が利用されるとは限らないため、効率的にこのような「ヒドンリフレッシュ」方式を利用することはできない。
【0044】
また、リフレッシュされるメモリバンクは、メモリバンクBKAおよびBKBのいずれか一方のみであり、常にリフレッシュされるメモリバンクの数は固定されており、SDRAMが使用されるアクティブモード時(信号/CXSの活性化時)と単にデータを保持することが要求されるデータ保持モード時(信号/CSの非活性化時)のようなSDRAMの使用状況に応じてリフレッシュされるメモリバンクの数を変更することができず、このSDRAMの使用状況に応じて柔軟にリフレッシュされるメモリバンクの数を変更することはできないという問題があった。
【0045】
それゆえ、この発明の目的は、効率的にメモリセルデータのリフレッシュを行なうことのできるSDRAMを提供することである。
【0046】
この発明の他の目的は、すべてのメモリセルをリフレッシュするのに要する時間を短縮することのできるSDRAMを提供することである。
【0047】
この発明のさらに他の目的は、同時にリフレッシュされるメモリバンクの数を容易に変更することのできるSDRAMを提供することである。
【0048】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係るSDRAMは、各々が、行列状に配列される複数のメモリセルを有するメモリアレイと、前記メモリアレイのアドレス信号が指定する行の選択に関連する動作を行なう行選択系回路とを少なくとも含む複数のメモリバンクと、クロック信号に同期して取込まれた外部制御信号と外部アドレス信号とに従って、この外部アドレス信号に含まれるバンクアドレス信号が指定するメモリバンクの行選択系回路へバンクアドレス信号以外の外部アドレス信号から生成された内部アドレス信号を与えかつ該指定されたメモリバンクの行選択系回路を活性化する行選択系活性化信号を出力するバンク活性制御手段と、リフレッシュモードを指定する外部制御信号に応答して、リフレッシュされるべきメモリセルを指定するリフレッシュアドレスを発生して複数のメモリバンクの行選択系回路へ与えかつ複数のメモリバンクの行選択系回路を全て活性化するリフレッシュ行選択系活性化信号を出力するリフレッシュ制御手段と、各バンクに対応して設けられ、行選択系活性化信号とリフレッシュ行選択系活性化信号の一方の活性化に応答して、行選択系回路へ活性化信号を出力するゲート回路とを備える。
【0049】
請求項2に係るSDRAMは、各々が、行列状に配列される複数のメモリセルを有するメモリアレイと、このメモリアレイのアドレス信号が指定する行の選択に関連する動作を行なう行選択系回路とを少なくとも含む複数のメモリバンクと、外部クロック信号に同期して取込まれたアクセス要求信号、バンクアドレス信号、およびアドレス信号に従って、このバンクアドレス信号が指定するメモリバンクの行選択系回路に対する行選択系活性化信号を活性化しかつこのアドレス信号に対応する内部アドレス信号をこの指定されたメモリバンクの行選択系回路へ与えるバンク活性制御手段と、外部クロック信号に同期して取込まれたリフレッシュ指示信号に応答して、リフレッシュされるべきメモリセルを指定するリフレッシュアドレス信号を発生して複数のメモリバンクのうちの2以上の所定数のメモリバンクの行選択系回路へ与えかつそれら2以上の所定数のメモリバンクの行選択系回路に対する行選択系活性化信号を同時に活性化するリフレッシュ制御手段と、各メモリバンクに対応して設けられ、各々がバンク制御活性制御回路およびリフレッシュ制御手段からの対応の行選択活性化信号の一方の活性化に応答して対応の行選択系回路に対して活性状態の活性化信号を出力する複数のゲート回路とを備える。
【0050】
請求項3に係るSDRAMは、各々が、行列状に配列される複数のメモリセルを有するメモリアレイと、メモリアレイのアドレス信号が指定する行の選択に関連する動作を行なう行選択系回路とを少なくとも含む複数のメモリバンクと、外部クロック信号に同期して取込まれた外部制御信号と外部アドレス信号とに従って、この外部アドレス信号に含まれるバンクアドレス信号が指定するメモリバンクの行選択系回路へバンクアドレス信号以外の外部アドレス信号から生成された内部アドレス信号を与えかつ該バンクアドレス信号により指定されたメモリバンクの行選択系回路を活性化するバンク活性制御手段と、リフレッシュモードを指定する外部制御信号とリフレッシュされるべきバンク数を指定するリフレッシュバンク数指定信号とに応答して、複数のメモリバンクのうち、リフレッシュバンク数指定信号が示す数のメモリバンクの行選択系回路へリフレッシュされるべきメモリセルを指定するリフレッシュアドレス信号を与えかつこの行選択系回路を活性化するリフレッシュ活性化手段を含む。このリフレッシュ活性化手段は、メモリバンク数指定信号に従って、リフレッシュされるべきメモリバンクの行選択系回路を活性化するリフレッシュ行選択系活性化信号を発生するリフレッシュバンク活性化手段を含む。
【0051】
請求項4に係るSDRAMは、リフレッシュバンク活性化手段が、複数のメモリバンクのうち1つのメモリバンクを指定する第1のデコード信号を発生する第1のデコーダ手段と、複数のメモリバンクのうち2以上の所定数のメモリバンクを同時に指定する第2のデコード信号を発生する第2のデコーダ手段と、リフレッシュバンク数指定信号に従って、第1のデコード信号と第2のデコード信号の一方を選択する選択手段と、この選択手段により選択されたデコード信号に従って指定されたメモリバンクの行選択系回路を活性化する手段を含む。
【0052】
請求項5に係るSDRAMは、この第2のデコーダ手段が、複数のメモリバンクのうちの2以上全て未満のメモリバンクを同時に指定する第3のデコード信号を発生する手段と、複数のメモリバンク全てを同時に指定する第4のデコード信号を発生する手段とを含む。選択手段は、リフレッシュバンク数指定信号に従ってこれら第3および第4のデコード信号の一方を選択する手段を含む。
【0053】
【作用】
請求項1のSDRAMにおいては、複数のメモリブロックにおいて同時にリフレッシュが実行され、したがってすべてのメモリセルをリフレッシュするのに必要とされる時間を大幅に低減することができる。
【0054】
請求項2のSDRAMにおいては、複数のメモリバンクのうち2以上の所定数のメモリバンクにおいて同時にリフレッシュが実行されるため、すべてのメモリセルのリフレッシュに必要とされる時間を大幅に短縮することができる。また、2以上の所定数をメモリバンクすべての数未満とすることにより、すべてのメモリバンクを同時にリフレッシュする場合よりもリフレッシュ時の消費電流を低減することができ、システムが許容する消費電流条件を満足しつつすべてのメモリセルのリフレッシュに必要とされる時間を低減することができる。
【0055】
請求項3のSDRAMにおいては、メモリバンク数指定信号に応じて同時にリフレッシュが実行されるメモリバンクの数を設定することができ、使用条件(クロック信号周波数、動作モード(データ保持モード等))に応じてリフレッシュを受けるメモリバンクの数を適当な値に設定することができる。
【0056】
請求項4に係るSDRAMにおいては、リフレッシュが実行されるメモリバンクの数を選択手段により1と2以上の所定数との間で切換えることができ、SDRAMの動作状況(使用状況)に応じて適当な数に設定することができる。
【0057】
請求項5のSDRAMにおいては、2以上の所定数が複数のメモリバンクすべてと複数のメモリバンクの一部のメモリバンクのいずれかを示し、したがって複数のメモリバンクすべておよび複数のメモリバンクの一部のメモリバンクのいずれかにおいてリフレッシュを行なうことができ、SDRAMの使用状況に応じてより柔軟にリフレッシュされるメモリバンクの数を設定することができる。
【0058】
【実施例】
[実施例1]
図1は、この発明の第1の実施例であるSDRAMの要部の構成を示す図である。図1において、図16に示す従来のSDRAMの構成要素と対応する部分には同一の参照番号を付す。また、図1においてはノーマルモード時(リフレッシュモード以外のアクティブ動作モード)により発生される行選択系活性化信号/RASBNおよび/RASANを発生するバンク制御回路およびアドレスバッファは図面を簡略化するために示していない。これらは図16に示す構成と同様に設けられている。
【0059】
図1において、リフレッシュ制御回路は、リフレッシュモード検出回路30からのリフレッシュ検出信号/ARに応答してそのカウント値が増分されるリフレッシュカウンタ62と、リフレッシュモード検出回路30からのリフレッシュモード検出信号/ARに応答してこのリフレッシュカウンタ62からのリフレッシュアドレス信号Q0〜Q10をラッチしてリフレッシュ行アドレス信号RADを発生するアドレス発生回路61と、リフレッシュモード検出信号/ARに応答して、アドレス発生回路61からのリフレッシュ行アドレス信号RADを対応の行選択系回路60aおよび60bへ伝達するマルチプレクサ(MUX)21aおよび21bを含む。リフレッシュカウンタ62は、単にリフレッシュされる行アドレスを指定する信号を発生するだけであり、メモリバンクを指定するリフレッシュバンクアドレスは発生しない(この構成については後に説明する)。マルチプレクサ21aおよび21bはそれぞれ他方入力に対応のXバッファ2aおよび2bからの内部行アドレス信号RAAおよびRBBを受ける。マルチプレクサ21aおよび21bは、リフレッシュモード検出信号/ARが活性状態のLレベルのときのみこのXバッファ2aおよび2bからの内部行アドレス信号RAA、RBBに代えてアドレス発生回路61からのリフレッシュ行アドレス信号RADを通過させる。行選択系回路60aおよび60bは、Xデコーダおよびセンスアンプを含む。
【0060】
Xバッファ2aおよび2bからの内部行アドレス信号RAAおよびRBBは、メモリアレイが複数のメモリブロックを含む場合、このアレイブロックを指定する信号とアレイブロック内の行(ワード線)を指定する信号両者を含む。アドレス発生回路61から発生されるリフレッシュ行アドレス信号RADは、リフレッシュ態様に応じてその構成が異なる。すなわち、メモリアレイが複数のメモリブロックを含み、複数のメモリブロックにおいて所定数のメモリブロックに同時にリフレッシュが実行される場合、このリフレッシュ行アドレス信号は所定数のメモリブロックを指定するブロック指定信号と各メモリブロック内におけるワード線を指定する信号両者を含む。
【0061】
リフレッシュ制御回路はさらに、リフレッシュモード検出回路30からのリフレッシュモード検出信号/ARに応答して、メモリバンクBKAおよびBKB両者に対し行選択動作を活性化する行選択系活性化信号/RASRを発生するリフレッシュバンク活性化回路64と、リフレッシュバンク活性化回路64からのリフレッシュ行選択系活性化信号/RASRとノーマル時に発生される行選択系活性化信号/RASANを受けるゲート回路66aと、リフレッシュ行選択系活性化信号/RASRとノーマル時に発生される行選択系活性化信号/RASBNを受けるゲート回路66bを含む。
【0062】
リフレッシュバンク活性化回路64は、リフレッシュモード検出回路30からのリフレッシュモード検出信号/ARをバッファ処理してリフレッシュ行選択系活性化信号/RASRを生成する。この場合、リフレッシュ行選択系活性化信号/RASRに変えてリフレッシュモード検出信号/ARが直接利用されてもよい。
【0063】
ゲート回路66aは、行選択系活性化信号/RASRおよび/RASANの一方の活性化に応答して活性状態とされる行選択系駆動信号RASAをメモリバンクBKAに対して設けられた行選択系回路60aへ与える。ゲート回路66bは、信号/RASRおよび/RASBNの一方の活性化に応答しで活性状態とされる行選択系駆動信号/RASBを行選択系回路60bへ与える。ゲート回路66aおよび66bは、たとえばNAND回路により構成される。
【0064】
図1に示す構成においては、メモリバンクBKAおよびBKB両者に対し共通にリフレッシュ行アドレス信号を発生するアドレス発生器61が設けられる。次に動作について簡単に説明する。
【0065】
外部信号/CS、/RAS、/CAS、および/WEのクロック信号CLKの立上がりエッジにおける状態に従ってリフレッシュモード検出回路30がリフレッシュモードが指定されたことを検出し、リフレッシュモード検出信号/ARを活性状態のLレベルとする。これにより、リフレッシュカウンタ62からのリフレッシュカウント値Q0〜Q10がアドレス発生回路61において取込まれ、リフレッシュ行アドレス信号RADが発生される。リフレッシュモード検出信号/ARの活性化に応答して、マルチプレクサ21aおよび21bはアドレス発生回路61からのリフレッシュ行アドレス信号RADを選択して対応の行選択系回路60aおよび60bへ与える。リフレッシュバンク活性化回路64からのリフレッシュ行選択系活性化信号/RASRがこのリフレッシュモード検出信号/ARの活性化に応答して活性化され、応じてゲート回路66aおよび66bからの行選択系駆動信号/RASAおよび/RASBがともに活性状態とされる。これにより、行選択系回路60aおよび60bが行選択動作およびセンス動作を実行し、このリフレッシュ行アドレス信号RADが指定するメモリセルのリフレッシュが実行される。すなわちメモリバンクBKAおよびBKB両者において同時にリフレッシュが実行される。
【0066】
上述のように、メモリバンクBKAおよびBKB両者において同時にリフレッシュを実行することにより、すべてのメモリセルをリフレッシュするのに必要とされる時間を低減することができる(1/2とすることができる)。次に、各部の構成について説明する。
【0067】
図2(A)は、図1に示すリフレッシュカウンタ62の構成を概略的に示す図である。図2(A)においてリフレッシュカウンタ62は、カスケード接続された1ビットカウンタ70および71−1〜71−10を含む。初段の1ビットカウンタ70は、リフレッシュモード検出信号/ARを受ける。残りのカスケード接続された1ビットカウンタ71−1〜71−10は、前段の1ビットカウンタの出力信号を受ける。1ビットカウンタ70は、リフレッシュアドレス信号の最下位ビットQ0を出力し、1ビットカウンタ71−1〜71−10は、リフレッシュアドレス信号Q1〜Q10をそれぞれ出力する。1ビットカウンタ70は、リフレッシュモード検出信号/ARの立上がりに応答してそのカウント値を増分する(出力状態を反転する)。残りの1ビットカウンタ71−1〜71−10は、それぞれ入力信号の立下がりに応答してそのカウント値を増分する(出力状態を反転する)。1ビットカウンタ70は、アップエッジトリガ型のフリップフロップで構成することができ、1ビットカウンタ71−1〜71−10はダウンエッジ型フリップフロップで構成することができる。次にこの図2(A)に示すリフレッシュカウンタ62の動作をその動作波形図である図2(B)を参照して説明する。ただし、カウンタ62のカウント値Q1〜Q10はすべて0にリセットされているとする。
【0068】
リフレッシュモード検出信号/ARが活性状態のLレベルとされると、このときには、1ビットカウンタ70はカウント動作を行なわず、初期値を出力する。したがって、このリフレッシュサイクルにおいては行アドレス(000)に対するリフレッシュがメモリバンクBKAおよびBKB両者に対して実行される。このリフレッシュサイクルが完了するとリフレッシュモード検出信号/ARがHレベルに立上がる。このHレベルへのリフレッシュモード検出信号/ARの立上がりに応答して、1ビットカウンタ70がカウント動作を行ない、その出力信号Q0が1(Hレベル)となる。残りの1ビットカウンタ71−1〜71−10はそのときのカウント値を維持する。次にリフレッシュモード検出信号/ARがLレベルに立下がると、リフレッシュカウンタ62の出力は(001)となり、メモリバンクBKAおよびBKB両者においてこの行アドレス(001)のメモリセルのリフレッシュが実行される。このリフレッシュサイクルが完了すると、リフレッシュモード検出信号/ARがHレベルに立上がり、応じて1ビットカウンタ70の出力Q0がLレベルに立下がる。この1ビットカウンタ70の出力信号Q0の立下がりに応答して、次段の1ビットカウンタ71−1がカウント動作を行ない、その出力信号Q1が“1”に立上がる。この状態において、リフレッシュカウンタ61の出力は(010)となる。次いでリフレッシュモードが指定され、この行アドレス(010)に存在するメモリセルに対するリフレッシュが実行される。以降、リフレッシュサイクルの完了するごとに、リフレッシュカウンタ62のカウント値が1ずつ増分される。この図2(B)に示す信号波形図のビットQ0〜Q3の動作が、上位ビットのQ4〜Q10に対してまで行なわれ、メモリバンクBKAおよびBKBに対するすべてのメモリセルに対するリフレッシュが実行される。
【0069】
図3は、図1に示すアドレス発生回路61の構成を示す図である。図3において、アドレス発生回路61は、リフレッシュカウンタの出力信号Q0〜Q10にそれぞれ対応して設けられるアドレス発生器75−0〜75−10を含む。アドレス発生器75−0〜75−10はすべてリフレッシュモード検出信号/ARの活性化時にリフレッシュカウンタ62の出力信号Q0〜Q10を取込み、リフレッシュ行アドレス信号RAD0〜RAD10を出力する。この図3に示すアドレス発生器75−0〜75−10の構成は図21に示すアドレス発生器の構成と同じ構成であってもよい。リフレッシュモード検出信号/ARの活性化時(Lレベル)に与えられた信号をラッチして出力するとともに、リフレッシュモード検出信号/ARの非活性化時には出力信号を非活性状態にする構成であれば、任意の構成を利用することができる。
【0070】
図3に示すアドレス発生回路61の構成においては、単にリフレッシュモード検出信号/ARに従ってリフレッシュカウンタ62の出力信号Q0〜Q10のラッチおよび内部リフレッシュ行アドレス信号RAD0〜RAD10の発生が行なわれている。これにより、メモリバンクBKAおよびBKB両者に対し同時にリフレッシュ行アドレス信号を与えることができる。またメモリバンクBKAおよびBKB両者に対し共通にアドレス発生回路61を設けることができ、このメモリバンクBKAおよびBKBそれぞれに対しアドレス発生回路を設ける構成に比べてリフレッシュ制御回路の占有面積を低減することができる。
【0071】
図4は、この発明の第1の実施例であるSDRAMのリフレッシュサイクルを繰り返し実行した際の動作シーケンスを示す信号波形図である。図4に示すように、リフレッシュモード検出信号/ARは、クロック信号CLKの立上がりエッジで外部制御信号/CS,/RAS,/WE,/CASをすへでLレベルに設定することにより、活性状態のLレベルとされる。このリフレッシュモード検出信号/ARは所定の期間活性状態のLレベルとされる。このリフレッシュモード検出信号/ARが活性状態となる期間は、リフレッシュ動作が実行されるリフレッシュ期間を設定する。このリフレッシュモード検出信号/ARの活性化に応答して、リフレッシュバンク活性化回路64からのリフレッシュ行選択系活性化信号/RASR(図1参照)が活性状態のLレベルとされ、ゲート回路66aおよび66b(図1参照)からの行選択系駆動信号/RASAおよび/RASBがともに活性状態のLレベルとされる。行アドレス発生回路61からのアドレス信号に従ってメモリバンクBKAおよびBKBに対し同時にリフレッシュが実行される。リフレッシュサイクルごとにリフレッシュカウンタ62のカウント値が1増分される。したがって行アドレスAddが0から始まって各リフレッシュサイクルごとに行アドレスが1増分されてメモリバンクBKAおよびBKB両者に対しリフレッシュが実行される。
【0072】
なお、図4に示す信号波形図において、アドレス発生回路61から発生されるリフレッシュ行アドレス信号RAD0〜RAD2は、リフレッシュモード検出信号/ARの非活性化時においてもその状態を維持しているように示される(図21のNORゲートおよびインバータを省略すれば実現できる)。これは、リフレッシュモード検出信号/ARの非活性化時にはアドレス発生回路61が出力するリフレッシュ行アドレス信号RADは非活性状態とされる構成が利用されてもよい(図21に示す回路と同様の構成を利用することができる)。ここで、図4においては、図面を簡略化するために3ビットのカウンタ出力Q0〜Q2と3ビットリフレッシュ行アドレス信号RAD0〜RAD2のみを示しているが、これはそれぞれQ0〜Q10およびRAD0〜RAD10に拡張しても同様の動作が繰り返されるだけである。図4においては、これらの示していないカウンタ出力信号Q3〜Q10およびRAD3〜RAD10はすべて0であり変化しないため示していない。
【0073】
以上のように、この発明の第1の実施例に従えば、複数のメモリバンクにおいて同時にリフレッシュを実行するように構成したため、すべてのメモリセルをリフレッシュするのに必要とされる時間を大幅に短縮することができる。特に、バンク数が4以上に増加した場合、特にこのリフレッシュ時間短縮効果は顕著となる。
【0074】
[実施例2]
図5は、この発明の第2の実施例であるSDRAMの要部の構成を示す図である。図5に示す構成においては、同時にリフレッシュを受けるメモリバンクの数を指定するリフレッシュバンク数指定信号発生回路80と、このリフレッシュバンク数指定信号発生回路80からのバンク数指定信号BBRに従ってそのカウント動作が変更されるリフレッシュカウンタ82と、このリフレッシュカウンタ82からのメモリバンクアドレス信号BCとリフレッシュモード検出回路30からのリフレッシュモード検出信号/ARとリフレッシュバンク数指定信号発生回路80からのバンク数指定信号BBRとに従ってリフレッシュされるべきメモリバンクへリフレッシュ行選択系活性化信号/RASARおよび/RASBRを与えるリフレッシュバンク活性化回路84が設けられる。
【0075】
リフレッシュモード検出回路30は、図1に示すリフレッシュモード検出回路30と同じ構成を備え、外部制御信号(図5には示さず)に従ってリフレッシュモードが指定されたときにリフレッシュモード検出信号/ARを活性状態のLレベルとする。リフレッシュバンク数指定信号発生回路80は、同時にリフレッシュを受けるメモリバンクの数を1または複数個の所定の値に設定する。リフレッシュカウンタ82からのカウント値Q0〜Q10は、図1に示すアドレス発生回路61へ与えられる。リフレッシュカウンタ82の構成については後に説明する。
【0076】
リフレッシュバンク活性化回路84は、メモリバンクが2または4以上の複数個存在する場合、1つのメモリバンクずつリフレッシュを行なうか、2以上の所定数のメモリバンクに対し同時にリフレッシュを行なうかを示すリフレッシュバンク数指定信号BBRに従ってこのリフレッシュ行選択系活性化信号の発生態様を切換える。リフレッシュバンク数指定信号に応じてリフレッシュを受けるメモリバンクの数を切換えることにより、SDRAMの動作状況に応じて最適な数およびリフレッシュ間隔をもってメモリセルのリフレッシュを行なうことができる。たとえばSDRAMがアクセスを受けず、その記憶データを保持することが必要とされるだけの場合には、すべてのメモリセルがリフレッシュされる時間が長くなっても低消費電力性が要求される。このような場合には、1つのメモリバンクずつリフレッシュが実行される。SDRAMがアクセスされるノーマルサイクル時においては、外部プロセサのウェイトサイクル数低減のため複数のメモリバンクに対し同時にリフレッシュが実行される。このとき、SDRAMの動作周波数(クロック信号CLKの周波数)が高く高速動作が要求される場合には、すべてのメモリバンクを同時にリフレッシュし、クロック信号の周波数が比較的低い場合には所定数のメモリバンクを単位としてリフレッシュを行なう。これにより消費電力性および動作状況に応じて柔軟に対応してリフレッシュされるメモリバンクの数を設定することができる。以下具体的構成について説明する。
【0077】
図6は、図5に示すリフレッシュバンク活性化回路の具体的構成を示す図である。図6に示す構成においては、メモリバンクの数は2つであり、リフレッシュを受けるメモリバンクの数が1つの場合とすべての場合の2つの構成を選択的に実現することができる。
【0078】
図6において、リフレッシュバンク活性化回路84は、リフレッシュカウンタ82の最下位ビットとバンクアドレス信号BCを受けるインバータ91と、インバータ91の出力を受ける3状態インバータバッファ92aと、リフレッシュバンクアドレス信号BCを受ける3状態インバータバッファ92bと、電源電位VCC(論理1;Hレベル)を受ける3状態インバータバッファ93aおよび93bと、リフレッシュモード検出回路30からのリフレッシュモード検出信号/ARと3状態インバータバッファ92aおよび93aの出力とを受ける2入力NORゲート93nと、NORゲート93nの出力を受けるインバータ94aと、リフレッシュモード検出信号/ARと3状態インバータバッファ92bおよび93bの出力とを受けるNORゲート93mと、NORゲート93mの出力を受けるインバータ94bとを含む。インバータ94aからメモリバンクBKAに対するリフレッシュ行選択系活性化信号/RASARが出力される。インバータ94bからメモリバンクBKBに対するリフレッシュ行選択系活性化信号/RASBRが出力される。
【0079】
3状態インバータバッファ92aおよび92bは、バンク数指定信号BBRがLレベル、かつ反転信号/BBRがLレベルのときにインバータとして機能し、そうでない場合には出力ハイインピーダンス状態とされる。3状態インバータバッファ93aおよび93bは、3状態インバータバッファ92aおよび92bと相補的に動作状態とされる。
【0080】
図6には、図1に示す行選択系回路60aおよび60bへそれぞれ与えられる行選択系駆動信号/RASAおよび/RASBを発生するゲート回路66aおよび66bの構成も示される。ゲート回路66a、行選択系活性化信号/RASARおよび/RASANを受けるNANDゲート96aと、このNANDゲート96aの出力を受けるインバータ97aを含む。ゲート回路66bは、行選択系活性化信号/RASBRおよび/RASBNを受けるNANDゲート96bと、このNANDゲート96bの出力信号を受けるインバータ97bを含む。次にこのリフレッシュバンク活性化回路の動作について簡単に説明する。
【0081】
バンク数指定信号BBRはLレベルのときには、リフレッシュされるバンクの数を1に設定し、Hレベルのときには同時にリフレッシュされるメモリバンクの数を2に指定する。
【0082】
バンク数指定信号BBRは、外部からリフレッシュ時に特定のピン端子(たとえばリフレッシュ時に使用されないアドレス信号入力ピン)を介して与えられてもよく、特定の動作モードにより、専用のレジスタに設定される構成が利用されてもよい。信号BBRがLレベルのときには、3状態インバータバッファ93nおよび93mは出力ハイインピーダンス状態とされる。一方、3状態インバータバッファ92aおよび92bがインバータとして動作する。リフレッシュモード検出信号/ARがHレベルの場合には、行選択系活性化信号/RASARおよび/RASBRはともに非活性状態のHレベルである。リフレッシュモード検出信号ARが活性状態のLレベルとなると、NORゲート93nがインバータとして動作する。リフレッシュメモリバンクアドレス信号BCは2つのインバータ91および92aを介してNORゲート93nへ与えられ、また1つのインバータ92bを介してNOR93mへ与えられる。したがって、信号BBRがLレベルのときには、リフレッシュ行選択系活性化信号/RASARおよび/RASBRはバンクアドレス信号BCに従って一方のみが活性状態のLレベルとされる。すなわちリフレッシュバンクアドレス信号BCが0(Lレベルのとき)には行選択系活性化信号/RASARが活性状態のLレベルとなり、リフレッシュバンクアドレス信号BCがHレベルのときには、メモリバンクBKBに対するリフレッシュ行選択系活性化信号/RASBRが活性状態のLレベルとされる。リフレッシュモード時には信号/RASANおよび/RASBNはともにHレベルであり、したがって行選択系駆動信号/RASAおよび/RASBがゲート回路66aおよび66bを介してそれぞれリフレッシュ行選択系活性化信号/RASARおよび/RASBRにおいて活性状態とされる。これにより、リフレッシュバンクアドレス信号BCが指定するメモリバンクに対してリフレッシュが実行される。
【0083】
バンク数指定信号BBRがHレベルのときには、3状態インバータバッファ92aおよび92bが出力ハイインピーダンス状態とされ、3状態インバータバッファ93aおよび93bが動作状態とされる。このときには、NORゲート93nおよび93mへは電源電位VCCを反転した信号すなわちLレベルの信号が与えられる。したがって、リフレッシュモード検出信号/ARが活性状態のLレベルとなるとリフレッシュ行選択系活性化信号/RASARおよび/RASBRはともに同時に活性状態とされる。したがって、メモリバンクBKAおよびBKBに対し同時にリフレッシュが実行される。
【0084】
図7は、この図5に示すリフレッシュカウンタ82の構成を示す図である。図7(A)において、リフレッシュカウンタ82は、リフレッシュモード検出信号/ARの立上がりに応答してカウントアップ動作を行なうリフレッシュバンクアドレス信号BCを出力する1ビットカウンタ90と、バンク数指定信号BBRがLレベルのときに導通状態とされて1ビットカウンタ90の出力を伝達する3状態バッファ92と、3状態バッファ92と並列に設けられてバンク数指定信号BBRがHレベルのときに作動状態とされて、リフレッシュモード検出信号/ARを反転する3状態インバータバッファ93と、3状態インバータバッファ93および3状態バッファ92の出力信号の立下がりに応答してカウントアップ動作を行なうカスケード接続された1ビットカウンタ91−0〜91−10を含む。カスケード接続された1ビットカウンタ91−1〜91−10は、それぞれ前段の1ビットカウンタ91−0〜91−9(図示せず)の出力信号の立下がりに応答してカウントアップ動作を実行する。1ビットカウンタ91−0〜91−10からカウント値Q0〜Q10がそれぞれ出力される。次このリフレッシュカウンタの動作について簡単に説明する。
【0085】
図7(B)に示すように、バンク数指定信号BBRがLレベルのときには、3状態インバータバッファ93が出力ハイインピーダンス状態とされ、1ビットカウンタ90の出力はバッファ92を介して1ビットカウンタ91−0へ伝達される。この状態においてはリフレッシュモード検出信号/ARの立上がり(リフレッシュサイクル完了)に応答してリフレッシュバンクアドレス信号BCが変化し、1ビットカウンタ91−0の出力信号Q0は、このリフレッシュバンクアドレス信号BCの立下がりに応答してその状態が変化する。したがって、従来と同様、バンクBKAおよびBKBが交互にリフレッシュされる。
【0086】
図7(C)に示すように、バンク数指定信号BBRがHレベルの場合には、3状態バッファ92が出力ハイインピーダンス状態とされ、1ビットカウンタ90の出力は1ビットカウンタ91−0へは伝達されない。一方、3状態インバータバッファ93が動作状態とされ、リフレッシュモード検出信号/ARを反転して1ビットカウンタ91−0へ伝達する。すなわち、リフレッシュモード検出信号/ARの立上がり(リフレッシュサイクル完了)に応答して1ビットカウンタ91−0のカウント値Q0がカウントアップ(状態変化)される。したがって、カウント値Q0〜Q10からなる2進数は、このリフレッシュモード検出信号/ARの非活性化ごとに1増分される。すなわち、各リフレッシュサイクル完了時にリフレッシュアドレス信号が1変化する。次に全体の動作について説明する。
【0087】
図8は、バンクBKAおよびBKBを交互にリフレッシュするときの内部信号の波形を示す図である。この動作モード時においては、バンク数指定信号BBRはLレベルに設定される。リフレッシュモード検出信号/ARが立下がると、リフレッシュバンクアドレス信号BCに従って、まずメモリバンクBKAに対する行選択系駆動信号/RASAが活性状態のLレベルとされる。このときリフレッシュカウンタの出力Q0〜Q2(Q3ないしQ10も同様に変化するが、図示のサイクルにおいては、これらはすべて0であり、変化しないため示していない)は、すべて0であり、バンクBKAの行アドレスAddが0のメモリセルに対するリフレッシュが実行される。リフレッシュサイクルが完了すると、リフレッシュモード検出信号/ARが非活性状態のHレベルとなり、応じてリフレッシュバンクアドレス信号BCがHに立上がり、また行選択系駆動信号/RASAが非活性状態のHレベルとされる。
【0088】
次いでリフレッシュモード検出信号/ARが活性状態のLレベルとなると、今度はメモリバンクBKBに対する行選択系駆動信号/RASBが活性状態のLレベルとされる(リフレッシュバンクアドレス信号BCはHレベル「1」である)。このときも、リフレッシュカウンタのカウント値Q0〜Q2はまだ変化していないため、メモリバンクBKBの行アドレスAddが0のメモリセルに対するリフレッシュが実行される。
【0089】
このリフレッシュサイクルが完了すると、信号/ARの立上がりに応答して、メモリバンクアドレス信号BCがLレベルに立下がり、応じてリフレッシュカウンタのカウント値Q0がHレベル1に立上がる。
【0090】
次に新しくリフレッシュサイクルが指定されると、バンクBKAの行アドレスAddが1のメモリセルに対するリフレッシュ動作が実行される。次のリフレッシュサイクルにおいては、単にリフレッシュバンクアドレス信号BCが変化するだけであり、同様にメモリバンクBKBの行アドレスAddが1のメモリセルに対するリフレッシュが実行される。以降メモリバンクBKAおよびBKBが交互にリフレッシュされる。2つのリフレッシュサイクルごとにリフレッシュカウンタのカウント値Q0〜Q10が1増分される。
【0091】
図9は、メモリバンクBKAおよびBKBを同時にリフレッシュする際の内部信号の波形を示す図である。2つのメモリバンクを同時に指定する場合には、バンク数指定信号BBRはHレベルに指定される。この状態において、リフレッシュメモリバンクアドレス信号BCはリフレッシュサイクル完了時にその状態が変化する。このとき、また図7(C)に示すように、リフレッシュモード検出信号/ARの立上がりに応答してリフレッシュカウンタのカウント値Q0の状態が変化する。信号BBRがHレベルのときには、リフレッシュメモリバンクアドレス信号BCは無視されており、メモリバンクBKAおよびBKB両者に対する行選択系駆動信号/RASAおよび/RASBがともに同時に活性状態とされる。リフレッシュサイクル完了時にリフレッシュカウンタのカウント値Q0〜Q10の2進数が1増分されるため、各リフレッシュサイクル時ごとにリフレッシュアドレスが1増分されて別の行アドレスに対するリフレッシュがメモリバンクBKAおよびBKBに対して同時に実行される。
【0092】
上述のようにバンク数指定信号BBRにより、リフレッシュバンクアドレス信号の有効/無効を決定するとともに、リフレッシュアドレスカウンタのカウント動作を変更することにより、容易に所望の数のメモリバンクに対しリフレッシュを実行することができる。
【0093】
なお、図8および図9に示す波形図においては、メモリバンクAおよびメモリバンクBに対してそれぞれ別々にリフレッシュ行アドレス信号RADAおよびRADBが発生されるように示される。しかしながら1つのアドレス発生回路から2つのメモリバンクBKAおよびBKB両者に対し同時にリフレッシュアドレス信号が与えられても、メモリバンクBKAおよびBKBにおいて行選択系回路は対応の行選択系駆動信号/RASAまたは/RASBが活性状態のときにのみ動作するため、何ら問題は生じない。
【0094】
[変更例]
図10は、この発明の第2の実施例の変更例の構成を示す図である。図10においてはリフレッシュカウンタの構成を示す。図10において、リフレッシュカウンタ82は、リフレッシュモード検出信号/ARを受ける1ビットカウンタ95と、バンク数指定信号BBR1の活性化時に1ビットカウンタ95の出力を次段の1ビットカウンタ96−0へ伝達する3状態バッファ97と、バンク数指定信号BBR2の活性化時にリフレッシュモード検出信号/ARを反転して次段の1ビットカウンタ96−0へ伝達する3状態インバータバッファ98と、1ビットカウンタ96−0と1ビットカウンタ96−1の間に設けられる3状態バッファ100と、バンク数指定信号BBRの活性化時に動作し、リフレッシュモード検出信号/ARを反転して1ビットカウンタ96−1の入力部へ伝達する3状態インバータバッファ99と、バッファ100および99の出力を受けるようにカスケード接続される1ビットカウンタ96−1〜96−10を含む。
【0095】
1ビットカウンタ96−1〜96−10からリフレッシュ行アドレス信号Q1〜Q10が出力される。これら1ビットカウンタ96−0〜96−10はその入力に与えられる信号の立下がりに応答してカウンタ動作を行ないその出力状態を変化させる。3状態バッファ100は、バンク数指定信号BBR4の非活性化時に動作状態とされ、バンク数指定信号BBR4の活性化時には出力ハイインピーダンス状態とされる。バンク数指定信号BBR1は、リフレッシュされるメモリバンクの数が1であることを示し、バンク数指定信号BBR2は、リフレッシュされるメモリバンクの数が2であることを示し、バンク数指定信号BBR4は、リフレッシュされるメモリバンクの数が4であることを示す。ビットBCおよびQ0がバンクアドレスとして用いられ、ビットQ1〜Q10がリフレッシュアドレスとして用いられる。次に動作について簡単に説明する。
【0096】
バンク数指定信号BBR1が活性状態のときには、バッファ97が動作状態とされ、3状態インバータバッファ98および99が出力ハイインピーダンス状態とされる。このときまた3状態バッファ100は動作状態とされ、1ビットカウンタ96−0の出力信号を1ビットカウンタ96−1の入力部へ伝達する。この状態は、図7(B)に示す状態と同じであり、バンクアドレス信号BCがリフレッシュモード検出信号/ARの非活性化に応答してその状態が変化する。バンクアドレス信号BCがLレベルに立下がるごとにカウント値Q0〜Q10が増分される。バンクアドレス信号BCおよびカウント値Q0が4つのメモリバンクのうちの1つのメモリバンクを特定するために利用される。したがって、後に説明するように、この2ビットBC,Q0の値はリフレッシュサイクルごとに変化し、4つのメモリバンクが順次指定され、順次指定されたメモリバンクにおいてリフレッシュが実行される。4つのメモリバンクが順次すべて指定されたときに、1ビットカウンタ90−0の出力信号がLレベルに立下がり、応じて1ビットカウンタ96−1の出力信号Q1がHレベルに立上がる。すなわち4つのメモリバンクに対し順番に同じ行アドレスにおいてリフレッシュが実行される。
【0097】
バンク数指定信号BBR2が活性状態のときには3状態バッファ97が出力ハイインピーダンス状態とされ、また3状態インバータバッファ99は出力ハイインピーダンス状態とされる。3状態インバータバッファ98がリフレッシュモード検出信号/ARを反転して1ビットカウンタ96−0の入力部へ伝達する。このとき3状態バッファ100は動作状態にあり、1ビットカウンタ96−0の出力信号を1ビットカウンタ96−1の入力部へ伝達する。この状態は、図7(C)の状態に対応する。2つのメモリバンクが同時に指定される。このとき、バンクアドレス信号BCとカウント値ビットQ0は同じ変化を行なう(図9参照)。したがってこの2ビットの値の0および1に従って4つのメモリバンクのうちの2つのメモリバンクを同時に指定することができる。2つのリフレッシュサイクルごとに1ビットカウンタ96−1の出力信号Q1が変化する。これにより、2バンク単位でリフレッシュを実行することができる。
【0098】
バンク数指定信号BBR4が活性状態のときには、バッファ97、98および100はすべて出力ハイインピーダンス状態とされる。3状態インバータバッファ99がリフレッシュモード検出信号/ARを反転して1ビットカウンタ96−1の入力部へ伝達する。この状態においては、カウント値Q1〜Q10がリフレッシュサイクル完了に応答して1増分される。このバンク数指定信号BBR4の活性化時にはバンクアドレス信号BCおよびQ0は無視され、すべてのメモリバンクが同時に活性状態とされる。これにより、4つのメモリバンクを同時にリフレッシュすることができる。
【0099】
図11(A)はこのバンク数指定信号に従い各メモリバンク(4つ)に対する行選択系活性化信号を発生するための構成を示す図である。図11(A)において、リフレッシュバンク活性化回路84は、リフレッシュカウンタ82からの2ビットの信号BCおよびQ0を一時的に格納するレジスタ(これは特に設けられなくてもよい)101と、バンク数指定信号発生回路80からのバンク数指定信号BBR(BBR1、BBR2、およびBBR4)とレジスタ101からの2ビットの信号BCおよびQ0に従って各メモリバンクBKA〜BKDに対するリフレッシュ行選択系活性化信号/RASAR、/RASBR、/RASCR、および/RASDRを出力するデコード回路102を含む。
【0100】
図11(B)は図11(A)に示すデコード回路102の論理を一覧にして示す図である。図11(B)において、デコード回路102は、1ビットの信号BCおよびQ0が(0,0)、(1,0)、(0,1)、および(1,1)に従ってそれぞれメモリバンクBKA、メモリバンクBKB、メモリバンクBKC、およびメモリバンクBKDを活性状態とする。
【0101】
バンク数指定信号BBR2が活性状態のとき、デコード回路102は、2ビットのうちの信号(BC,Q0)の(0,0)および(1,1)にそれぞれ対応してメモリバンクBKA,BKBおよびメモリバンクBKC,BKDをそれぞれ活性状態とする。
【0102】
バンク数指定信号BBR4が活性状態のときには、デコード回路102は、メモリバンクBKA,BKB,BKC,およびBKDをすべて活性状態とする。
【0103】
図12は、図11に示すデコード回路102の構成を概略的に示す図である。図12(A)において、デコード回路102は、レジスタ101からの2ビットの信号BCおよびQ0をデコードし、出力信号線120aおよび120bの一方を選択状態(Hレベル)とするデコーダ110と、レジスタ120からの2ビット信号BCおよびQ0をデコードし、4本の出力信号線122a〜122dのうちの1本を選択状態(Hレベル)とするデコーダ112と、電源電圧VCC(Hレベル)を伝達する信号線124と、メモリバンクBKA〜BKDそれぞれに対応して設けられ、バンク数指定信号BBRに従ってデコーダ110の出力とデコーダ112の出力と電源電圧発生部111の出力のいずれかを選択するセレクタ114a,114b,114c,114dと、セレクタ114a〜114dそれぞれに対応して設けられ、リフレッシュモード検出信号ARの活性化時(Hレベル)のときに対応のセレクタ114a〜114dの出力を反転して対応のメモリバンクに対するリフレッシュ行選択系活性化信号/RASAR、/RASBR、/RASCR、および/RASDRをそれぞれ発生するNANDゲート116a、116b、116c、および116dを含む。
【0104】
セレクタ114aは、信号線120a、122a、および124上の信号を受ける。セレクタ114bは、信号線120a、122bおよび124上の信号を受ける。セレクタ114cは、信号線120b、122c、および124上の信号を受ける。セレクタ114dは、信号線120b、120d、および124上の信号を受ける。セレクタ114a〜114dは、この3ビットのバンク数指定信号BBR(BBR1〜BBR4)に従って3本の対応の信号線45上の信号電位のうちのいずれかを選択して出力する。
【0105】
図12(B)はセレクタ114a〜114dの構成を概略的に示す図である。図12(B)においては、1つのセレクタの構成のみを代表的に示す。セレクタ114a〜114dはそれぞれ同じ構成を備える。
【0106】
図12(B)において、セレクタ114(114a〜114d)は、信号線122(122a〜122dのいずれか)とバンク数指定信号BBR1を受けるANDゲート132aと、信号線120(120aまたは120b)上の信号とバンク数指定信号BBR2を受けるANDゲート132bと、信号線124上の信号とバンク数指定信号BBR4を受けるAND回路132cを含む。これらのANDゲート132a〜132cの出力信号は出力信号線135にワイヤードOR接続される。次に動作について簡単に説明する。
【0107】
図12(A)に示すデコーダ110は、2つのメモリバンクを同時に指定する。デコーダ112は、4つのメモリバンクのうちの1つを指定する。電源電圧発生部111は、4つのメモリバンクを同時に指定する信号を発生する。セレクタ114a〜114dは、バンク数指定信号に従って、3本の入力信号線のうちの1つを選択する。バンク数指定信号BBR1が活性状態のHレベルのとき、ANDゲート132bおよび132cの出力信号はLレベルとなる(バンク数指定信号BBR1、BBR2、およびBBR4が同時にHレベルとなることはなく常に1つのみが活性状態のHレベルとされる)。したがってこの場合には、デコーダ112の出力信号線122a〜122dの信号電位に従ってセレクタ114a〜114dのいずれかの出力信号がHレベルとされる。リフレッシュモード検出信号ARが活性状態のHレベルとされると、選択状態とされたセレクタ114a〜114dに対応するNANDゲート116a〜116dの出力信号のみがLレベルとされる。これにより1つのメモリバンクのみが活性状態とされる。
【0108】
バンク数指定信号BBR2が活性状態のHレベルとされたときには、AND回路132aおよび132cは出力信号がLレベルとされる。その場合には、デコーダ110の出力信号に従って2つのメモリバンクが同時に選択状態とされる。
【0109】
バンク数指定信号BBR4が選択状態とされたときには、信号線124上の電位はHレベルであり、セレクタ114a〜114dの出力信号はすべてHレベルとされる。したがってリフレッシュモード検出信号ARが活性状態のHレベルとなると、4つのメモリバンクBKA〜BKDに対するリフレッシュ行選択系活性化信号/RASAR〜/RASDRがすべて活性状態のLレベルとされる。
【0110】
なお、図12(B)に応じてセレクタ114の構成として、単にバンク数指定信号BBR1、BBR2、およびBBR4に対して対応の信号線を出力信号線135へ伝達するトランスファーゲート(またはトランスミッションゲート)が利用されてもよい。
【0111】
以上のように、この発明の第2の実施例に従えば、リフレッシュを受けるメモリバンクの数を任意の数に設定することができ、SDRAMの動作状況に応じてリフレッシュを受けるメモリバンクの数を設定することができ、SDRAMの動作状況に柔軟に対応するリフレッシュ方式を実現することができる。
【0112】
【発明の効果】
請求項1に係る発明に従えば、リフレッシュモードが指定されたとき複数のメモリバンクをすべて同時にリフレッシュを実行するように構成したため、すべてのメモリセルをリフレッシュするために必要とされる時間を大幅に低減することができ、リフレッシュ間隔を短くする必要がなく、外部処理装置のウェイトサイクル数が低減され、システム性能を改善することができる。
【0113】
請求項2に係る発明に従えば、複数のメモリバンクのうち、2以上の所定数のメモリバンクを同時にリフレッシュするように構成したため、リフレッシュ時における消費電流を大幅に増加させることなくすべてのメモリセルがリフレッシュされるのに必要とされる時間を低減することができる。
【0114】
請求項3に係る発明に従えば、リフレッシュを受けるメモリバンクの数を1個バンク数指定信号に従って設定することができるように構成したため、SDRAMの動作状況(使用状況)および適用分野に応じて最適なリフレッシュを受けるメモリバンクの数を設定することができ、動作環境に応じて最適なリフレッシュを受けるメモリバンクの数を設定することができる。
【0115】
請求項4に係る発明に従えば、リフレッシュを受けるメモリバンクの数が1または2以上の所定数のいずれかに設定するように構成したため、SDRAMの動作環境において柔軟に対応してリフレッシュを受けるメモリバンクの数を最適な数に設定することができる。
【0116】
請求項5に係る発明に従えば、リフレッシュをされるメモリバンクの数が、1個、2以上の所定数およびすべてのいずれかに設定することができるため、より柔軟にSDRAMの動作環境(使用状況)に応じて必要な数のメモリバンクのリフレッシュを実行することができ、動作環境(使用状況)に応じたリフレッシュ構成を柔軟に構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例である同期型半導体記憶装置の要部の構成を示す図である。
【図2】図1に示すリフレッシュカウンタの構成および動作波形を示す図である。
【図3】図1に示すアドレス発生回路の構成を概略的に示す図である。
【図4】この発明の第1の実施例である同期型半導体記憶装置の動作を示す信号波形図である。
【図5】この発明の第2の実施例である同期型半導体記憶装置の要部の構成を概略的に示す図である。
【図6】図5に示すリフレッシュバンク活性化回路の構成を具体的に示す図である。
【図7】図5に示すリフレッシュカウンタの構成および動作態様を概略的に示す図である。
【図8】この発明の第2の実施例である同期型半導体記憶装置におけるメモリバンクを交互にリフレッシュする際の動作を示す信号波形図である。
【図9】この発明の第2の実施例である同期型半導体記憶装置においてメモリバンクを同時にリフレッシュする際の動作波形を示す図である。
【図10】この発明の第2の実施例の変更例で用いられるリフレッシュカウンタの構成を示す図である。
【図11】この発明の第2の実施例の変更例において用いられるリフレッシュバンク活性化回路の構成およびその論理を示す図である。
【図12】図11に示すデコード回路の構成を示す図である。
【図13】従来の同期型半導体記憶装置の全体の構成を概略的に示す図である。
【図14】従来の同期型半導体記憶装置における行選択系活性化信号発生部の構成を概略的に示す図である。
【図15】従来の同期型半導体記憶装置に含まれるメモリセルの構成を概略的に示す図である。
【図16】従来の同期型半導体記憶装置におけるリフレッシュおよびノーマルモードにおける行選択系の構成を概略的に示す図である。
【図17】従来の同期型半導体記憶装置におけるリフレッシュ制御回路の構成を概略的に示す図である。
【図18】図17に示すリフレッシュアドレスカウンタの構成および動作を概略的に示す図である。
【図19】図17に示すリフレッシュバンク活性回路の構成を概略的に示す図である。
【図20】図16に示すアドレス発生回路の構成を概略的に示す図である。
【図21】図20に示すアドレス発生器の構成の一例を示す図である。
【図22】従来の同期型半導体記憶装置におけるリフレッシュモード時における動作を示す信号波形図である。
【符号の説明】
2a,2b Xバッファ、3a,3b Xデコーダ、6aa,6bb センスアンプ回路、8 バンク制御回路、11 アクティブモード検出回路、12 バンク検出回路、13 バンク活性化回路、30 リフレッシュモード検出回路、60a,60b 行選択系回路、61 アドレス発生回路、62 リフレッシュカウンタ、64 リフレッシュバンク活性化回路、66a,66b ゲート回路、85 リフレッシュバンク数指定信号発生回路、82 リフレッシュカウンタ、84 リフレッシュバンク活性化回路、102 デコーダ回路。
Claims (5)
- 外部から与えられる所定のパルス幅および周期を有する外部クロック信号に同期して、外部制御信号および外部アドレス信号を含む外部信号を取込む同期型半導体記憶装置であって、
各々が、行列状に配列される複数のメモリセルを有するメモリアレイと、前記メモリアレイのアドレス信号が指定する行の選択に関連する動作を行なう行選択系回路とを少なくとも含む複数のメモリバンクと、
前記外部制御信号と前記外部アドレス信号とに従って、前記外部アドレス信号に含まれるバンクアドレス信号が指定するメモリバンクの行選択系回路へ前記バンクアドレス信号以外の外部アドレス信号から生成された内部アドレス信号を与えかつ該指定されたメモリバンクの行選択系回路を活性化する行選択系活性化信号を出力するバンク活性制御手段と、
リフレッシュモードを指定する前記外部制御信号に応答して、リフレッシュされるべきメモリセルを指定するリフレッシュアドレスを発生して前記複数のメモリバンクの行選択系回路へ与えかつ前記複数のメモリバンクの行選択系回路を全て活性化するリフレッシュ行選択系活性化信号を出力するリフレッシュ制御手段と、
各前記バンクに対応して設けられ、前記行選択系活性化信号と前記リフレッシュ行選択系活性化信号の一方の活性化に応答して、前記行選択系回路へ活性化信号を出力するゲート回路とを備える、同期型半導体記憶装置。 - 各々が、行列状に配列される複数のメモリセルを有するメモリアレイと、前記メモリアレイのアドレス信号が指定する行の選択に関連する動作を行う行選択系回路とを少なくとも含む複数のメモリバンクと、
所定のパルス幅および周期を有する外部クロック信号に同期して取込まれたアクセス要求信号、バンクアドレス信号およびアドレス信号に従って、前記バンクアドレス信号が指定するメモリバンクの行選択系回路に対する行選択系活性化信号を活性化しかつ前記アドレス信号に対応する内部アドレス信号を該指定されたメモリバンクの行選択系回路へ与えるバンク活性制御手段と、
前記外部クロック信号に同期して取込まれたリフレッシュ指示信号に応答して、リフレッシュされるべきメモリセルを指定するリフレッシュアドレス信号を発生して前記複数のメモリバンクのうちの2以上の所定数のメモリバンクの行選択系回路へ与えかつ前記2以上の所定数のメモリバンクの行選択系回路に対する行選択系活性化信号を同時に活性化するリフレッシュ制御手段と、
各前記メモリバンクに対応して設けられ、各々が前記バンク制御活性制御回路および前記リフレッシュ制御手段からの対応の行選択活性化信号の一方の活性化に応答して対応の行選択系回路に対して活性状態の活性化信号を出力する複数のゲート回路とを備える、同期型半導体記憶装置。 - 外部から与えられる所定のパルス幅および周期を有する外部クロック信号に同期して、外部制御信号および外部アドレス信号を含む外部信号を取込む同期型半導体記憶装置であって、
各々が、行列状に配列される複数のメモリセルを有するメモリアレイと、前記メモリアレイのアドレス信号が指定する行の選択に関連する動作を行なう行選択系回路とを少なくとも含む複数のメモリバンクと、
前記外部制御信号と前記外部アドレス信号とに従って、前記外部アドレス信号に含まれるバンクアドレス信号が指定するメモリバンクの行選択系回路へ前記バンクアドレス信号以外の外部アドレス信号から生成された内部アドレス信号を与えかつ該指定されたメモリバンクの行選択系回路を活性化するバンク活性制御手段と、
リフレッシュモードを指定する前記外部制御信号とリフレッシュされるべきバンク数を指定するリフレッシュバンク数指定信号とに応答して、前記複数のメモリバンクのうち、前記リフレッシュバンク数指定信号が示す数のメモリバンクの行選択系回路へ、リフレッシュされるべきメモリセルを指定するリフレッシュアドレス信号を与えかつ該行選択系回路を活性化するリフレッシュ活性化手段とを備え、前記リフレッシュ活性化手段は、前記メモリバンク数指定信号に従って、リフレッシュされるべきメモリバンクの行選択系回路を活性化するリフレッシュ行選択系活性化信号を発生するリフレッシュバンク活性化手段を含む、同期型半導体記憶装置。 - 前記リフレッシュバンク活性化手段は、
前記複数のメモリバンクのうち1つのメモリバンクを指定する第1のデコード信号を発生する第1のデコーダ手段と、
前記複数のメモリバンクのうち2以上の所定数のメモリバンクを同時に指定する第2のデコード信号を発生する第2のデコーダ手段と、
前記リフレッシュバンク数指定信号に従って、前記第1のデコード信号と前記第2のデコード信号の一方を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択されたデコード信号に従って指定されたメモリバンクの行選択系回路を活性化する手段とを含む、請求項3記載の同期型半導体記憶装置。 - 前記第2のデコーダ手段は、前記複数のメモリバンクのうち前記複数よりも少ない数のメモリバンクを同時に指定する第3のデコード信号を発生する手段と、
前記複数のメモリバンクを同時に指定する第4のデコード信号を発生する手段とを備え、
前記選択手段は、前記リフレッシュバンク数指定信号に従って前記第3および第4のデコード信号の一方を選択する手段を含む、請求項4記載の同期型半導体記憶装置。
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