JP2009085453A - 冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】プレート式熱交換器での熱交換効率を低下することなく一次冷媒の使用量を削減すると共に、該プレート式熱交換器の高さ寸法を抑制する。
【解決手段】一次冷媒を機械的に強制循環する一次回路は、プレート式熱交換器HEに形成されて凝縮した一次冷媒が蒸発する一次熱交換部36を備え、二次冷媒を自然循環する二次回路は、プレート式熱交換器HEに形成されて二次冷媒を凝縮する二次熱交換部46を備える。そして、プレート式熱交換器HEでは、凝縮器および一次熱交換部36を接続する一次液配管38と二次熱交換部46および蒸発器を接続する二次液配管48とを一方の同一端側に接続すると共に、圧縮機および一次熱交換部36を接続する一次ガス配管40と二次熱交換部46および蒸発器を接続する二次ガス配管50とを他方の同一端側に接続して、該プレート式熱交換器HEを水平面に対して傾斜する姿勢で配置した。
【選択図】図4

Description

本発明は、冷却装置に関し、更に詳細には、一次冷媒を機械的に強制循環する一次回路と二次冷媒を自然循環する二次回路と、一次冷媒および二次冷媒の熱交換を行なう熱交換器とを備える冷却装置に関するものである。
一次冷媒を機械的に強制循環させる一次回路と、二次冷媒が自然循環する二次回路とを備え、一次冷媒と二次冷媒との間で熱交換するよう構成した冷却装置がある(例えば特許文献1参照)。このような冷却装置90の一次回路94は、図17に示すように、気相一次冷媒を圧縮する圧縮機CMと、圧縮した一次冷媒を液化する凝縮器CDと、液相一次冷媒の圧力を低下させる膨張弁EVと、プレート式熱交換器110に設けられて液相一次冷媒を気化する一次熱交換部96とを配管98で接続して構成されると共に、二次回路104は、プレート式熱交換器110に設けられて気相二次冷媒を液化する二次熱交換部106と、液相二次冷媒を気化する蒸発器EPとを別の配管108で接続して構成されて、プレート式熱交換器110において一次冷媒と二次冷媒とが熱交換することで、最終的に二次回路104の蒸発器EPを冷却するようになっている。そして、このような冷却装置90を備えた冷凍機器では、一次回路94の構成部材CM,CD,EVおよびプレート式熱交換器110を、外気に晒された開放空間に配設すると共に、台板112を介して開放空間の下方に画成した閉鎖空間に二次回路104を構成する蒸発器EPを配設して、閉鎖空間内を冷却するよう構成される。
特開2002−48484号公報
ところで、前記プレート式熱交換器110では、前記一次冷媒と二次冷媒との間の熱交換効率を向上するため、該プレート式熱交換器110の外周囲を断熱材HIで覆うよう構成される。すなわち、プレート式熱交換器110を断熱材HIで覆うことにより、一次冷媒の蒸発により冷却されるプレート式熱交換器110の熱損失を防止すると共に、結露や凍結といった不具合を防ぐようになっている。また、プレート式熱交換器110で熱交換する二次冷媒も冷温となるため、前述と同様に、二次回路を構成する配管108の外周囲を断熱材HIで覆って、熱損失や、結露、凍結を防止している。このように、従来の冷却装置では、低温となるプレート式熱交換器110や二次回路の配管108を断熱材で覆う必要があり、製造工程が増加して製造コストが嵩む原因となっていた。
そこで、本発明は、熱交換器における熱損失等の不具合を防止し得ると共に、製造コストを低減し得る冷却装置を提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本発明に係る冷却装置は、
一次冷媒を機械的に強制循環する一次回路と、二次冷媒を自然循環する二次回路と、一次冷媒および二次冷媒の間で熱交換する熱交換器とを備え、前記一次回路を配設する開放空間と、前記二次回路を配設する閉鎖空間とを断熱壁部により区切るよう構成された冷却装置において、
前記熱交換器を前記断熱壁部内に埋め込むよう配設したことを要旨とする。
すなわち、開放空間と閉鎖空間とを区切る断熱壁部に熱交換器を埋め込むことで、熱交換器の熱損失を防止して一次冷媒と二次冷媒との熱交換効率の向上を図ることができ、また部品点数削減によるコスト低減や、製造工程の簡略化が図られる。また、熱交換器において二次熱交換部に接続する配管も、低温域となる閉鎖空間に配設し得るから、これら配管を断熱する断熱材を設ける必要がなく、コスト低減を図り得る。
請求項2に係る冷却装置は、前記熱交換器は、複数のプレートを所要間隔離間するように並列に対向配置し、対向するプレートの間に形成される流路に、前記一次冷媒および二次冷媒が交互に流通させるよう構成されることを要旨とする。
前記熱交換器として、所謂プレート式熱交換器を用いることで、プレートの数を変えることにより熱交換器の容量を簡単に変更できる。
請求項3に係る冷却装置は、前記熱交換器は、外管と、前記外管の内部に挿通された内管とから構成され、前記外管および内管に、前記一次冷媒および二次冷媒を対向流となるよう流通させるよう構成されることを要旨とする。
前記熱交換器として、外管内に内管を挿通した所謂二重管式熱交換器を用いることで、熱交換器自体の構成を簡単にでき、コスト低減が図られる。
請求項4に係る冷却装置は、前記断熱壁部は、前記開放空間に開口して前記熱交換器を収納可能な収納部と、前記収納部の開口部を閉成する断熱蓋体とを有し、
前記収納部の内壁面と断熱蓋体との間に、冷媒の消炎距離以下の間隔に設定された隙間を介在させたことを要旨とする。
従って、前記収納部内の熱交換器から冷媒が漏出した場合であっても、漏出した冷媒が閉鎖空間内に侵入するのを阻止して、隙間を介して開放空間側に放散し得る。また、前記隙間は、冷媒の消炎距離以下に設定されているから、冷媒として可燃性冷媒を用いた場合に、該収納部内で冷媒が発火することはない。
請求項5に係る冷却装置は、前記断熱蓋体と熱交換器との間に、冷媒の消炎距離以下の間隔に設定された隙間を介在させたことを要旨とする。
このように、断熱蓋体と熱交換器との間にも、一次冷媒の消炎距離以下の間隔に設定された隙間を介在させることで、熱交換器から冷媒が漏出した場合には、冷媒を速やかに開放空間へ放散し得る。また、この断熱蓋体と熱交換器との間の隙間を、冷媒の消炎距離以下に設定することで、前述と同様に、冷媒として可燃性冷媒を用いた場合に、該収納部内で冷媒が発火することはない。
すなわち、本発明によれば、熱交換器での熱損失等の不具合を防止し得ると共に製造コストを低減し得る。
次に、本発明に係る冷却装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。実施例では、店舗等の業務用途に用いられ、野菜や肉等の物品を多量に収納し得る大型の縦型冷蔵庫に設けられる冷却装置を例に挙げて説明する。なお、従来技術において説明した部材・構成と同一の部材・構成に関しては、同一の符号を付してある。
図1に示すように、実施例1に係る縦型冷蔵庫10は、収納室(閉鎖空間)14を内部画成した断熱構造の箱体12と、この箱体12の上方に設けられ、金属パネル18により外壁を構成したキャビネット16とを備えている。箱体12には、前側に開放して物品の出し入れ口となる開口部12aが収納室14に連通して開設される。また箱体12の前部には、断熱扉22が図示しないヒンジにより回動可能に配設され、断熱扉22を開放することで開口部12aを介して収納室14に対する物品の出し入れが許容されると共に、断熱扉22を閉成することで収納室14を密閉し得るようになっている。
前記キャビネット16の内部には、収納室14を冷却するための冷却装置32の一部および該冷却装置32を制御する制御用電装箱(図示せず)が配設される機械室(開放空間)20が画成される(図2参照)。機械室20の底部には、箱体12の天板12bに載置されて、該機械室20に配設する機器の共通基板となる台板(断熱壁部)24が設置されている。そして、キャビネット16の外壁をなす金属パネル18には、機械室20に連通する空気流通孔(図示せず)が適宜部位に開設され、この空気流通孔を介して機械室20内の雰囲気と外気とが入替わるようになっている。
前記収納室14の上部には、箱体12における天板12bの下面から所定間隔離間して冷却ダクト26が配設され、この冷却ダクト26と、箱体12の天板12bに開設した切欠口12cを介して収納室14側に臨む台板24との間に冷却室28が画成される。この冷却室28は、冷却ダクト26の底部前側に形成した吸込口26aおよび後側に形成した冷気吹出口26bを介して収納室14に連通して、閉鎖空間としての収納室14の一部を構成している。吸込口26aには送風ファン30が配設され、該送風ファン30を駆動することで、吸込口26aから収納室14の空気を冷却室28に取込み、冷気吹出口26bから冷却室28の冷気が収納室14に送出される。天板12bの切欠口12cは、台板24で気密的に塞がれて、収納室14(冷却室28)と機械室20とは、台板24で区切られて互いに独立した空間となっている(図1参照)。
図2に示す如く、冷却装置32は、一次冷媒を強制循環する機械圧縮式の一次回路34と、二次冷媒が自然対流するサーモサイフォンからなる二次回路44との2系統の回路を、傾斜配置されたプレート式熱交換器(熱交換器)HEを介して接続(カスケード接続)した二次ループ冷凍回路が採用される。プレート式熱交換器HEは、一次回路34を構成する一次熱交換部36と、この一次熱交換部36とは別系統に形成されて、二次回路44を構成する二次熱交換部46とを備え、収納室14と機械室20とを区画する台板24内に配設されている(図1参照)。すなわち、一次回路34および二次回路44には、独立した冷媒循環経路が夫々形成されている。また、一次回路34を循環する一次冷媒としては、蒸発熱や飽和圧等の冷媒としての特性に優れているブタンやプロパン等のHC系の冷媒またはアンモニアなどが採用され、二次回路44を循環する二次冷媒としては、毒性、可燃性および腐食性を有していない安全性の高い二酸化炭素が採用される。
(一次回路)
前記一次回路34は、気相一次冷媒を圧縮する圧縮機CMと、圧縮した一次冷媒を液化する凝縮器CDと、液相一次冷媒の圧力を低下させる膨張弁EVと、前記プレート式熱交換器HEに設けられて液相一次冷媒を蒸発させる一次熱交換部36とを備える。そして、一次回路34においては、凝縮器CD,膨張弁EVおよび一次熱交換部36を、液相一次冷媒が流通する一次液配管38で接続し、一次熱交換部36,圧縮機CMおよび凝縮器CDを、気相一次冷媒が流通する一次ガス配管40で接続している(図2参照)。すなわち、一次回路34では、圧縮機CMによる一次冷媒の圧縮により、圧縮機CM、凝縮器CD、膨張弁EV、一次熱交換部36(プレート式熱交換器HE)および圧縮機CMの順に一次冷媒が強制循環し、一次熱交換部36において液相一次冷媒が気化することでプレート式熱交換器HEを冷却する(図3参照)。
また、前記圧縮機CMおよび凝縮器CDは、機械室20において台板24上に共通的に配設され、凝縮器CDを強制冷却する凝縮器ファンFMも、該凝縮器CDに対向して台板24上に配設される。すなわち、凝縮器ファンFMの駆動によりパネル18に開設した空気流通孔から外気が機械室20に取込まれて、凝縮器CDおよび圧縮機CMと熱交換するようになっている。なお、前述した制御用電装箱は、機械室20において凝縮器ファンFMによる空気の流れを阻害しない位置(実施例1では機械室20の側部)で台板24上に配設されている。
(二次回路)
前記二次回路44は、前記プレート式熱交換器HEに設けられて気相二次冷媒を液化する二次熱交換部46と、液相二次冷媒を気化する蒸発器EPとを備えている(図2参照)。そして、二次回路44は、二次熱交換部46と蒸発器EPとを接続する配管として、二次熱交換部46から蒸発器EPへ重力の作用下に液相二次冷媒を導く二次液配管48と、蒸発器EPから二次熱交換部46へ気相二次冷媒を導く二次ガス配管50とを有している。ここで、蒸発器EPは台板24の下方に画成される冷却室28に配設されて、台板24内に配設される二次熱交換部46(プレート式熱交換器HE)より下方に蒸発器EPが位置するよう構成されている。すなわち、蒸発器EPが二次熱交換部46(プレート式熱交換器HE)より下方に配置された二次回路44では、前記一次回路34における圧縮機CMの動作により強制冷却されるプレート式熱交換器HE(二次熱交換部46)において凝縮された液相二次冷媒が重力作用下に蒸発器EPへ流下し、流下した液相二次冷媒が蒸発器EPにおいて冷却室28(機械室20)内の空気と熱交換して蒸発することで二次熱交換部46に再び戻る冷媒循環サイクルを構成している。なお、前記二次回路44には、二次ガス配管50の途中に膨張タンク54が接続されており、冷却装置32の停止時に常温では液化しない二次冷媒の圧力上昇を抑制するようになっている(図2参照)。
ここで、前記蒸発器EPは、管路を蛇行させた蒸発管(冷媒経路)52を有し、前記二次液配管48に接続する蒸発管52の流入端52aが、蒸発器EPの上部に設けられると共に、前記二次ガス配管50に接続する蒸発管52の流出端52bが、蒸発器EPの下部に設けられている(図2参照)。すなわち、前記蒸発器EPは、蒸発管52の流入端52aが流出端52bより上方に位置するようになっている。また蒸発管52は、流入端52aと流出端52bとの上下幅の間に延在するよう形成され、蒸発管52に流入した液相二次冷媒を、重力の作用下に流出端52b側まで拡散させるように導くようになっている。より具体的には、蒸発管52は、傾斜する直線部分が上下の関係で葛折り状態で折り重なると共に、屈曲部分が横方向に離間した蛇行形状に管路が形成され、この管路が流入端52a側から流出端52b側に向かうにつれて下り勾配となるよう構成されている。
(プレート式熱交換器HE)
前記プレート式熱交換器HEは、図3に示すように、複数のプレート60を所要間隔離間するように並列に対向配置して構成され、対向するプレート60,60の間に、前記一次回路34の一次熱交換部36を構成する第1の流路60aと、前記二次回路44の二次熱交換部46を構成する第2の流路60bとが並列に複数形成される。ここで、前記第1の流路60aと、第2の流路60bとは、前記プレート60の重ね合わせ方向に交互に位置するよう独立して形成されて、前記一次液配管38および一次ガス配管40の夫々が各第1の流路60aに連通するよう構成されると共に、前記二次液配管48および二次ガス配管50の夫々が各第2の流路60bに連通するよう構成される。すなわち、プレート式熱交換器HEでは、隣接する第1および第2の流路60a,60bに一次冷媒および二次冷媒を独立して流通させることで、各プレート60を介して一次冷媒および二次冷媒間で熱交換を図るようになっている。
ここで、図3に示すように、前記プレート式熱交換器HEは、前記第1および第2の流路60a,60bが水平面に対して所要の傾斜角θで交叉するよう前記台板24内に配設される(図4参照)。そして、プレート式熱交換器HEにおける機械室20に対向する面側(傾斜上面側)に前記一次液配管38および一次ガス配管40を接続し、プレート式熱交換器HEにおける収納室14に対向する面側(傾斜下面側)に前記二次液配管48および二次ガス配管50を接続するよう構成されている。また、前記一次液配管38および二次液配管48は、前記プレート式熱交換器HEの同一端部側(図3または図4では傾斜下端部側)で各対応の熱交換部36,46に接続されると共に、前記一次ガス配管40および二次ガス配管50は、プレート式熱交換器HEにおける一次液配管38および二次液配管48から離間する端部側(図3または図4では傾斜上端部側)で各対応の熱交換部36,46に接続されている。
なお、以下の説明では、前記プレート式熱交換器HEにおける液配管38,48を接続した端部側を基準として、プレート式熱交換器HEと水平面とがなす角を傾斜角θとして表わすものとする。また、一次液配管38および二次液配管48から一次ガス配管40および二次ガス配管50へ向けてプレート式熱交換器HEが上方傾斜する場合における傾斜角θを正の値とし、該プレート式熱交換器HEが下方傾斜する場合における傾斜角θを負の値とする。
ここで、前記プレート式熱交換器HEは、傾斜角θが−4°<θ≦45°の範囲となるよう前記台板24に配設される。前記傾斜角45°<θに設定した場合には、傾斜配設したプレート式熱交換器HEの高さ寸法が大きくなり過ぎ、該プレート式熱交換器HEの台板24内への配設が困難となる。また、前記プレート式熱交換器HEの傾斜角θを−4°<θに設定することで、前記二次回路44の二次熱交換部46において二次冷媒を二次ガス配管50から二次液配管48へ自然循環させて所要の冷凍能力を発揮し得る一方で、該傾斜角θをθ≦−4°に設定した場合には、二次熱交換部46において二次冷媒が二次液配管48から二次ガス配管50へ循環して冷凍能力の低下を招来する。なお、二次熱交換部46にける二次ガス配管50から二次液配管48への二次冷媒の循環を正循環と指称し、二次液配管48から二次ガス配管50への二次冷媒の循環を逆循環と指称する。また、前記二次熱交換部46で二次冷媒を正循環させつつ、プレート式熱交換器HEを台板24内に配設するには、傾斜角θを−4°<θ≦8°に設定するのが好適である。傾斜角θを8°<θに設定すると、収納室14と機械室20との断熱を図るのに必要な厚み寸法以上に台板24が厚くなる。
また、前記プレート式熱交換器HEは、前記第2の流路60bにおいて対向するプレート60,60の間が例えば1mm程度の狭小な関係に設定されて、液相二次冷媒の粘性力や表面張力等が作用して、二次回路44側の第2の流路60b(二次熱交換部46)の下部が液相二次冷媒で塞がれる所謂液封が生じるように構成されている(図3参照)。実施例1では、液相二次冷媒の流通により二次熱交換部46の第2の流路60bに生じる液封部62(図3参照)が、気相二次冷媒に対する抵抗部として機能し、蒸発器EPで蒸発した気相二次冷媒が逆流するのを防止している。
次に、前述したプレート式熱交換器HEを水平面に対して傾斜角θとなるよう配設する配設方法につき説明する。実施例1では、図8に示すように、前記台板24の外面を構成する外郭部材24a,24aと、前記プレート式熱交換器HEの傾斜上端側との間に突起部25を設けて、該外郭部材24aに対してプレート式熱交換器HEが所定の傾斜角θで位置決めされるよう構成されている。ここで、前記突起部25は、前記台板24の外郭部材24a,24aまたはプレート式熱交換器HEの何れかに設けられる。また、前記突起部25は、発泡スチロール等の断熱性能を有する部材により形成される。なお、前記外郭部材24a,24aには、プレート式熱交換器HEに接続する各配管38,48,40,50を挿通する通孔(図示せず)が対応的に開設されており、目地材(図示せず)により各配管38,48,40,50と通孔との隙間を封止される。
そして、プレート式熱交換器HEを台板24の外郭部材24aに対して傾斜させた状態で、各外郭部材24aの外側を所定の発泡治具72,72で固定すると共に、プレート式熱交換器HEに接続する一次液配管38および一次ガス配管40を第1拘束治具74で固定し、また二次液配管48および二次ガス配管50の夫々を第2拘束治具76で固定する。この状態で、前記外郭部材24a,24a間に発泡材を充填して硬化させ、発泡材が硬化した後に各治具72,74,76の夫々を取り外すことにより、台板24内にプレート式熱交換器HEが傾斜状態で配設される。その後、前記縦型冷蔵庫10における箱体12の天板12bに、前記台板24を水平に設置することにより、台板24内に配設された前記プレート式熱交換器HEが水平面に対して傾斜角θで傾斜するようになっている。
〔実施例1の作用〕
次に、実施例1に係る冷却装置の作用について説明する。
先ず、プレート式熱交換器HEが4°≦θ≦45°の傾斜角θで配設された場合について説明する。冷却装置32では、冷却運転を開始すると、一次回路34および二次回路44の夫々で冷媒の循環が開始される。このとき、一次回路34では、圧縮機CDおよび凝縮器ファンFMが駆動され、圧縮機CMで圧縮された気相一次冷媒が一次ガス配管40を介して凝縮器CDに供給され、凝縮器ファンFMによる強制冷却により凝縮液化することで液相一次冷媒が得られる。この液相一次冷媒は、一次液配管38を介して膨張手段EVで減圧され、プレート式熱交換器HEの一次熱交換部36において二次熱交換部46を流通する二次冷媒から熱を奪って(吸熱)一挙に膨張気化する。すなわち、一次回路34は、プレート式熱交換器HE(二次熱交換部46)を強制冷却するように機能する。そして、一次熱交換部36で蒸発した気相一次冷媒は、一次ガス配管40を経て圧縮機CMに帰還する強制循環サイクルを繰返す。
一方、前記二次回路44では、一次回路34を循環する一次冷媒により二次熱交換部46(プレート式熱交換器HE)が冷却されているから、該二次熱交換部46においては気相二次冷媒が凝縮して液相二次冷媒に相変化する。ここで、プレート式熱交換器HEを4°≦θ≦45°の傾斜角θで傾斜させた状態では、二次熱交換部46(プレート式熱交換器HE)における二次液配管48の接続部位が二次ガス配管50の接続部位より下方に位置している。すなわち、二次液配管48の接続部位と二次ガス配管50の接続部位との間に生ずる高低差(ヘッド差)により、気相から液相に変化することで比重が増加した液相二次冷媒が二次熱交換部46の第2の流路60bに沿って重力の作用下に自然流下する。更に、二次回路44では、二次熱交換部46を台板24内に配置する一方、蒸発器EPを台板24の下方に位置する冷却室28に配設することで、二次熱交換部46と蒸発器EPとの間に落差を設けてある。このため、二次熱交換部46に接続した二次液配管48を介して、液相二次冷媒が蒸発器EPへ向けて重力の作用下に自然流下する。液相二次冷媒は、蒸発器EPの蒸発管52を流通する過程で冷却室28内の空気と熱交換して蒸発し、気相二次冷媒に状態変化する。そして、気相二次冷媒は、二次ガス配管50を介して蒸発器EPから二次熱交換部46へ還流し、二次回路44ではポンプやモータ等の動力を用いることなく、簡単な構成で二次冷媒が自然循環するサイクルが繰返される。
そして、前記送風ファン30により吸込口26aから冷却室28に吸引された収納室14の空気を、冷却された蒸発器EPに吹付けて蒸発器EPと熱交換し、蒸発器EPと熱交換した冷気を冷却室28から冷気吹出口26bを介して収納室14に送出することで、収納室14が冷却される。更に、収納室14を冷却して温度上昇した空気が吸込口26aを介して再び冷却室28内に戻るサイクルを反復することで、収納室14内が所定温度まで冷却される。
このように、前記冷却装置32では、一次回路34と二次回路44とをプレート式熱交換器HEで接続したことで、このプレート式熱交換器HEの一次熱交換部36および二次熱交換部46において、一次回路34の一次冷媒と二次回路44の二次冷媒とが蒸発および凝縮作用下に熱交換を行なう。すなわち、実施例1のプレート式熱交換器HEでは、一次熱交換部36の一次冷媒と二次熱交換部46の二次冷媒との間で、相互の潜熱を利用して熱交換するよう構成され、顕熱による熱交換と比べて効率的な熱交換を行なうことができる。
ここで、前記プレート式熱交換器HEを傾斜配置したことで、プレート式熱交換器HEを直立状態で設置する場合に較べて、一次液配管38と一次ガス配管40との高低差を小さくでき、重力に逆らって流通しつつ蒸発する一次冷媒の密度の上昇割合が抑えられる。このため、プレート式熱交換器HEを直立状態で設置する形態に較べて、一次回路34での一次冷媒の使用量を減少することができる。前記一次回路34に必要とされる一次冷媒量を減少することで、法令等で規定された冷媒の使用上限量を上回るのを回避することができ、また一次冷媒として使用する冷媒の種類についての選択肢の幅が広がる。
また、前記プレート式熱交換器HEを傾斜配置する場合には、二次液配管48と二次ガス配管50との高低差も小さくなるため、重力作用による二次冷媒の流通量が低下する。このため、熱伝達率の低い顕熱による熱交換を行なう形態では、一次冷媒と二次冷媒との間の熱交換効率の低下を招来して冷却能力が低下する要因となるため、通常は採用し得ない。これに対して、実施例1に係る冷却装置32は、一次回路34と二次回路44とをプレート式熱交換器HEで接続し、この熱交換器HEにおいて一次回路34の一次冷媒と二次回路44の二次冷媒とを蒸発および凝縮作用下に熱交換を行なうよう構成されている。すなわち、顕熱に比べて非常に高い熱伝達率を持つ潜熱同士による熱交換がプレート式熱交換器HEで行なわれるから、プレート式熱交換器HEを傾斜配置することにより二次冷媒の重力による自然流下量が減少したとしても、熱交換器HEにおける熱交換量が低下するのを防止でき、冷却装置32の冷却能力を損なうことはない。
次に、プレート式熱交換器HEが−4°<θ<4°の傾斜角θで配設された場合について説明する。この場合であっても一次回路34側における一次冷媒の流通過程は、プレート式熱交換器HEを4°≦θ≦45°の傾斜角θで配設する場合と同様である。すなわち、プレート式熱交換器HEを直立状態で設置する場合に較べて、一次液配管38と一次ガス配管40との高低差を小さくできるから、一次冷媒の使用量低減が図られる。
一方で、プレート式熱交換器HEを、傾斜角θが−4°<θ<4°の範囲となるまで傾斜させると、二次熱交換部46における二次液配管48の接続部位と二次ガス配管50の接続部位との間に生ずる高低差(ヘッド差)が小さくなり、重力作用による二次冷媒の循環方向が決定し得なくなることから、冷却装置32の冷凍能力が低下することも考えられる。ここで、プレート式熱交換器HEを傾斜角θが−4°<θ<4°の範囲となるまで傾斜させた状態では、前記一次冷媒は蒸発を伴って状態変化することから、一次熱交換部36は、気相一次冷媒の流出側の温度に較べて液相一次冷媒の流入側の温度が低くなる(図5(a)参照)。すなわち、二次熱交換部46では、二次ガス配管50側の温度に較べて二次液配管48側の温度の方が低くなる。一方、二次熱交換部46においては、気相二次冷媒が凝縮して液相二次冷媒に相変化することから、凝縮作用の高い低温側(すなわち二次液配管48側)に液相二次冷媒が集約され(冷媒集約作用)、二次液配管48を介して液相二次冷媒を蒸発器EPへ流下させ得る。このように、プレート式熱交換器HEを傾斜角θが−4°<θ<4°の範囲となるまで傾斜させて設置したとしても、二次熱交換部46における冷媒集約作用により、二次冷媒が正循環するよう循環方向を決定づけ得るから、冷却装置32の冷凍能力を維持し得る(図5(a)参照)。なお、プレート式熱交換器HEの傾斜角θをθ≦−4°となるまでプレート式熱交換器HEを傾斜させると、二次熱交換部46の温度差による二次液配管48側への液相二次冷媒の集約作用より、ヘッド差に起因して液相二次冷媒が二次液配管48側から二次ガス配管50側へ流下する重力作用が上回るようになり、循環方向の逆転を招来する可能性が高くなる。
ところで、収納室14(冷却室28)の冷却が充分に進行して、収納室14(冷却室28)内の空気と二次冷媒との間の熱交換量が減少すると、一次冷媒と二次冷媒との間の熱交換量も減少する(すなわち冷凍負荷が減少する)。冷凍負荷が減少すると、液相一次冷媒が一次熱交換部36の流出側(一次ガス配管40側)まで飽和状態となる。この場合一次熱交換部36での圧力損失の影響により温度グライドが生ずるため、一次熱交換部36の流出側(一次ガス配管40側)の温度が流入側(一次液配管38側)の温度より低くなり温度勾配の逆転減少が現れる(図5(b)参照)。この場合には、二次回路44における二次冷媒は、凝縮作用の高い低温側(すなわち二次ガス配管50側)に集約されることになるため、二次冷媒の循環方向が逆転する。
ここで、実施例1に係るプレート式熱交換器HEでは、一次回路34における一次液配管38と二次回路44における二次液配管48とを同一端部側に設けると共に、一次回路34における一次ガス配管40と二次回路44における二次ガス配管50とを同一端部側に設けるよう構成してあるから、通常の運転時には、プレート式熱交換器HEにおける一次冷媒と二次冷媒とは対向流をなし、一次冷媒と二次冷媒との間で効率的な熱交換が行なわれる。一方で、冷却装置32の冷凍負荷が減少して二次冷媒の流通方向が逆転した場合には、プレート式熱交換器HEにおける一次冷媒と二次冷媒とは平行流をなすため、対向流よりも流体間の温度差が増大して一次冷媒と二次冷媒との間の熱交換効率が低下する。すなわち、実施例1に係る冷却装置32では、収納室14内が冷却されて冷却装置32の冷却能力が過剰になる状況では、二次冷媒の循環方向が逆転することで自動的に冷却能力を抑制し得る。従って、収納室14の温度に応じて冷却装置32の冷凍能力を制御する電磁弁等の特別な部品を設ける必要がなく、部品点数の削減によるコスト低減を図り得ると共に、故障等の不具合が発生し難くなることから、冷却装置32の動作に対する信頼性が向上する。
ところで、実施例1に係る冷却装置32の二次回路44では、蒸発器EPにおける蒸発管52の流入端52a(二次液配管48との接続部)を蒸発器EPの上部に設けると共に、流出端52b(二次ガス配管50との接続部)を蒸発器EPの下部に設けることで、流入端52aを流出端52bより上方に位置させて、流入端52aと流出端52bとの間に落差が生ずるよう構成されている。しかも、蒸発管52は、流出端52bと流入端52aとの間において、直線部分が上下の関係で折り重なった蛇行形状とすると共に、流入端52a側から流出端52b側に向かうにつれて下方傾斜するように管路を形成している。すなわち、蒸発管52は、二次冷媒が正循環する状況においては、全体として二次冷媒の循環方向前側に向けて下り勾配となるから、流入端52a(二次液配管48)から蒸発管52に流入した液相二次冷媒を、重力の作用下に管路に沿って流出端52b(二次ガス配管50)側に誘導しつつ蒸発させることができる。従って、冷却装置32の通常運転時には、蒸発器EPにおいて、蒸発管52の流入端52a近傍で液相二次冷媒が留まって当該流入端52a近傍で優先的に蒸発するのではなく、二次冷媒が管路に沿って流出端52b側に自然に拡散することにより、伝熱面積を広く確保して蒸発器EPの熱交換効率を向上し得る(図6参照)。
一方で、冷却装置32の冷凍負荷が減少して二次冷媒の流通方向が逆転した場合には、液相二次冷媒は二次ガス配管50側(すなわち流出端52b側)から前記蒸発器EPに流入し、蒸発器EPで蒸発した気相二次冷媒は二次液配管48(すなわち流入端52a側)から流出する。すなわち、二次冷媒の流通方向が逆転すると、蒸発器EPでは、二次回路における二次冷媒の循環方向前側に向けて上り勾配となるから、蒸発管52に流入した液相二次冷媒は、重力作用により蒸発管52の流出端52b近傍に留まって優先的に蒸発し、通常運転時とは反対に伝熱面積が小さくなるため、蒸発器EPの熱交換効率が低下する(図7参照)。すなわち、実施例1に係る冷却装置32では、収納室14内が冷却されて冷却装置32の冷却能力が過剰になる状況では、一次冷媒および二次冷媒間での熱交換効率を低下するだけでなく、蒸発器EPでの熱交換効率をも低下させて自動的に冷却能力を抑制し得る。
また、実施例1に係るプレート式熱交換器HEでは、前記台板24の外郭部材24a,24aまたはプレート式熱交換器HEに突起部25を設けて、当該プレート式熱交換器HEを外郭部材24a上に配設することにより、所定の傾斜角θでプレート式熱交換器HEを傾斜させ、この状態で外郭部材24a,24aの間に発泡材を充填・硬化するよう構成されている。すなわち、前記突起部25を設けるだけでプレート式熱交換器HEを傾斜角θで傾斜させ得るから、プレート式熱交換器HEの位置決めを簡潔に行ない得る。また、外郭部材24a,24aの間に発泡材を充填するに先立って、プレート式熱交換器HEに接続する一次液配管38および一次ガス配管40を第1拘束治具74で固定すると共に、二次液配管48および二次ガス配管50の夫々を第2拘束治具76で固定するよう構成してあるから、発泡材の充填・硬化時にプレート式熱交換器HEが位置ズレするのを防止でき、プレート式熱交換器HEを所定の傾斜角θで確実に保持することが可能となる。
また、収納室14と機械室20とを断熱する台板24内にプレート式熱交換器HEを埋め込むよう構成することで、該プレート式熱交換器HEの熱損失を防止して一次冷媒と二次冷媒との熱交換効率の向上を図ることができるから、プレート式熱交換器HEの外周を別途設けた断熱材で覆う必要がなく、部品点数削減によるコスト低減と共に、製造工程の簡略化が図られる。特に、収納室14と機械室20との断熱を図る台板24には、断熱性能の高い発泡材が利用されることから、プレート式熱交換器HEに別途断熱材を取り付ける場合に比して断熱性能の向上が図られ、熱損失の低減を効果的に図り得る利点もある。
また、プレート式熱交換器HEを台板24に埋め込むことにより、前記収納室14(冷却室28)とプレート式熱交換器HEとを接続する二次液配管48および二次ガス配管50の夫々を低温域にのみ配管することができ、プレート式熱交換器HEを機械室20に配設して二次液配管48および二次ガス配管50を機械室20内に配管する従来の構成に較べて熱損失の大幅な低減を図り得る。また、二次液配管48および二次ガス配管50は低温域(冷却室28)にのみ配管されるから、これら配管48,50を断熱する断熱材を設ける必要がなく、コスト低減を図り得る利点もある。更に、前記プレート式熱交換器HEが台板24の発泡材で支持されることで、該プレート式熱交換器HEを支持する支持部材を別途設ける必要がなく、構造の簡略化や部品点数削減によるコスト低減を図り得る。
更に、プレート式熱交換器HEを台板24内に埋め込むことで、機械室20に空きスペースを確保でき、機械室20に配設される凝縮器CD、凝縮器ファンFM、圧縮機CD、膨張タンク54、その他部材の配置の自由度が向上する。また、実施例1に係る冷却装置32では、凝縮器ファンFMの駆動によりキャビネット16の前側から機械室20に取込まれて凝縮器CDおよび圧縮機CMと熱交換した空気が膨張タンク54に吹付けられて、膨張タンク54が昇温する。ここで、膨張タンク54に滞留する二次冷媒の量は、圧力および温度に応じて変化する値であり、この圧力は、一次回路34において運転条件等で決定される蒸発温度に依存するので変化させることができない。そこで、膨張タンク54を一次回路34の排熱により昇温することで、膨張タンク54内の二次冷媒密度が低下するので、膨張タンク54に滞留する二次冷媒の量を減少させることができる。膨張タンク54に滞留する二次冷媒の量を減少させると、二次回路44における二次冷媒量を低減できるメリットがある。
次に、実施例2に係る冷却装置につき説明する。但し、実施例2に係る冷却装置は、実施例1で説明した冷却装置32と基本的に同一構成であり、同一の機能を有する部材・構成には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
実施例2に係る冷却装置32では、一次回路34の一次液配管38における凝縮器CDと一次熱交換部36との間に設けられる膨張弁EVとして、流通する液相一次冷媒の温度を検知して絞り度を変更可能な温度検知型の膨張弁が設けられている。具体的には、前記膨張弁EVは、一次液配管38を流通する液相一次冷媒の温度が所定温度以上に上昇した場合に、絞り度を小さくして一次熱交換部36へ流通する液相一次冷媒量を減少するよう調整する。
すなわち、前述したようにプレート式熱交換器HEを−4°<θ<4°の傾斜角θで配設した状態においては、収納室14(冷却室28)内の空気と二次冷媒との間の熱交換量が減少して冷凍負荷が減少すると、液相一次冷媒が一次熱交換部36の流出側(一次ガス配管40側)まで飽和状態となり、一次熱交換部36での圧力損失の影響により温度グライドが生ずる。実施例2に係る冷却装置32では、一次熱交換部36において温度グライドが生じ、液相一次冷媒が所定温度に昇温すると、前記一次熱交換部36へ流通する液相一次冷媒量を減少するよう前記膨張弁EVが絞り度を調整する。すなわち、前記膨張弁EVにより一次熱交換部36へ流通する液相一次冷媒量が減少することで、一次熱交換部36における温度グライドの発生が防止でき、一次熱交換部36における流入側(一次液配管38側)の温度が、流出側(一次ガス配管40側)の温度より低温に維持される。このため、二次回路44では、凝縮作用の高い低温側(すなわち二次液配管48側)に液相二次冷媒を集約し得るから、二次冷媒の循環方向の逆転現象を防止し得る。また、前記プレート式熱交換器HEにおける一次熱交換部36を流通する一次冷媒量が減少することにより、一次冷媒と二次冷媒との間の熱交換量が減少するから、収納室14内が冷却されて冷却装置32の冷却能力が過剰になる状況では、二次冷媒の循環方向を逆転することなく自動的に冷却能力を抑制し得る。
このように、実施例2に係る冷却装置32では、温度検知型の膨張弁EVを設けることにより、プレート式熱交換器HEを−4°<θ<4°の傾斜角θで配設した状態においても二次冷媒の自然循環方向を一定に維持し得ると共に、冷却装置32の冷却能力の制御が可能となる。また、実施例2では、一次回路34に温度検知型の膨張弁EVを設けるようにしたが、プレート式熱交換器HEにおける一次熱交換部36の容量を大きくしたり、一次回路34を流通する一次冷媒量を減少することによっても、冷凍負荷が減少する局面において一次熱交換部36の温度勾配を一定に維持することができ、二次回路44における二次冷媒の循環方向を一定に保ち得る。
次に、実施例3に係る冷却装置につき説明する。但し、実施例3に係る冷却装置は、実施例1で説明した冷却装置32と基本的に同一構成であり、同一の機能を有する部材・構成には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
実施例3では、プレート式熱交換器HEを水平面に対して傾斜角θとなるよう配設する別の製造方法につき説明する。実施例3に係る冷却装置32では、図9に示すように、台板24を構成する外郭部材24aに、水平面に対する傾斜角度がθとなる傾斜面80が形成されており、この傾斜面80に前記プレート式熱交換器HEを設置することで、プレート式熱交換器HEが水平面に対して傾斜角θで位置決めされるようになっている。そして、プレート式熱交換器HEを台板24の外郭部材24aに対して傾斜させた状態で、各外郭部材24aの外側を所定の発泡治具72,72で固定すると共に、プレート式熱交換器HEに接続する一次液配管38および一次ガス配管40を第1拘束治具74で固定し、また二次液配管48および二次ガス配管50の夫々を第2拘束治具76で固定する。この状態で、前記外郭部材24a,24a間に発泡材を充填して硬化させ、発泡材が硬化した後に各治具72,74,76の夫々を取り外すことにより、台板24内にプレート式熱交換器HEが傾斜状態で配設される。その後、前記縦型冷蔵庫10における箱体12の天板12bに、前記台板24を水平に設置することにより、台板24内に配設された前記プレート式熱交換器HEが水平面に対して傾斜角θで傾斜するよう構成される。
すなわち、実施例3に係る冷却装置32では、前記台板24の外郭部材24aに傾斜面80を設けて、当該プレート式熱交換器HEを傾斜面80上に配設することにより、所定の傾斜角θでプレート式熱交換器HEを傾斜させ得るから、プレート式熱交換器HEの位置決めを簡潔に行ない得る。また、前述と同様に、外郭部材24a,24aの間に発泡材を充填するに先立って、プレート式熱交換器HEに接続する一次液配管38および一次ガス配管40を第1拘束治具74で固定すると共に、二次液配管48および二次ガス配管50の夫々を第2拘束治具76で固定するよう構成してあるから、発泡材の充填・硬化時にプレート式熱交換器HEが位置ズレするのを防止でき、プレート式熱交換器HEを所定の傾斜角θで確実に保持することが可能となる。
次に、実施例4に係る冷却装置につき説明する。但し、実施例4に係る冷却装置は、実施例1で説明した冷却装置32と基本的に同一構成であり、同一の機能を有する部材・構成には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
実施例4では、プレート式熱交換器HEを水平面に対して傾斜角θとなるよう配設する更に別の製造方法につき説明する。実施例4に係る冷却装置32では、図10に示すように、台板24を構成する外郭部材24aに対して前記プレート式熱交換器HE(一次熱交換部36および二次熱交換部46)が平行になるよう設置される。そして、各外郭部材24aの外側を所定の発泡治具72,72で固定すると共に、プレート式熱交換器HEに接続する一次液配管38および一次ガス配管40を第1拘束治具74で固定し、また二次液配管48および二次ガス配管50の夫々を第2拘束治具76で固定する。この状態で、前記外郭部材24a,24a間に発泡材を充填して硬化させ、発泡材が硬化した後に各治具72,74,76の夫々を取り外すことにより、台板24と平行になる姿勢でプレート式熱交換器HEが配設される。その後、前記縦型冷蔵庫10における箱体12の天板12bに、前記台板24を傾斜角θで傾斜するよう設置することにより、台板24内に配設された前記プレート式熱交換器HEが水平面に対して傾斜角θで傾斜するよう構成される。
ここで、外郭部材24aを水平面に対して傾斜角θで傾斜するよう台板24を箱体12に設置するには、図11(a)に示すように、箱体12における前記台板24を設置する部位に高低差を設けることで、該箱体12に台板24を設置した際に、箱体12の高低差により台板24を傾斜角θで傾斜させることができる。また、図11(b)に示すように、台板24の一端部に下方に垂下する支持部82を形成すれば、台板24を箱体12に設置した際に、支持部82により台板24を傾斜角θで傾斜させることが可能となる。
このように、実施例4に係る冷却装置32では、プレート式熱交換器HEを平行に埋め込んだ台板24を、水平面に対して傾斜角θで傾斜するよう箱体12に配設することにより、プレート式熱交換器HEも水平面に対して傾斜角θで傾斜させ得る。すなわち、プレート式熱交換器HEを台板24に配設する際に、該プレート式熱交換器HE自体の傾斜角θを調整する必要がないから、製造工程の簡略化を図り得る。また台板24の傾斜により水平面に対するプレート式熱交換器HEの傾斜角θを調整し得るから、台板24内にプレート式熱交換器HEを傾斜配設する構成に較べて、プレート式熱交換器HEの傾斜角θの調整を容易に行ない得る利点がある。また、前述と同様に、外郭部材24a,24aの間に発泡材を充填するに先立って、プレート式熱交換器HEに接続する一次液配管38および一次ガス配管40を第1拘束治具74で固定すると共に、二次液配管48および二次ガス配管50の夫々を第2拘束治具76で固定するよう構成してあるから、発泡材の充填・硬化時にプレート式熱交換器HEが位置ズレするのを防止できる。
次に、実施例5に係る冷却装置につき説明する。但し、実施例5に係る冷却装置は、実施例1で説明した冷却装置32と基本的に同一構成であり、同一の機能を有する部材・構成には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。また、実施例5では冷却装置を横型冷蔵庫に設置する場合を例にして説明する。
図12(a)に示すように、実施例5に係る横型冷蔵庫120は、収納室(閉鎖空間)14を内部画成した断熱構造の箱体12を横長に形成すると共に、この箱体12の側方に、機械室(開放空間)20を画成するキャビネット16が設けられている。すなわち、実施例5に係る横型冷蔵庫120では、一次回路34と二次回路44とが左右に並ぶよう配置される。そして、前記一次回路34の一次熱交換部36および二次回路44の二次熱交換部46を設けたプレート式熱交換器HEが、前記収納室14と機械室16とを区画する箱体12の横壁部124内に埋め込むよう配設されている(図12(b)参照)。このとき、前記一次回路34における一次液配管38および二次回路44における二次液配管48がプレート式熱交換器HEの下端部に接続されると共に、一次ガス配管40および二次ガス配管50が上端部に接続される。なお、図12(b)では、プレート式熱交換器HEを直立状態で配設した例を示してあるが、該プレート式熱交換器HEを水平面に対して傾斜させるよう横壁部124内に配設することも可能である。
このように、横型冷蔵庫120における横壁部124にプレート式熱交換器HEを埋め込むよう配設した場合であっても、実施例1と同様にプレート式熱交換器HEの熱損失を防止して一次冷媒と二次冷媒との熱交換効率の向上を図ることができ、また部品点数削減によるコスト低減や、製造工程の簡略化が図られる。また、二次液配管48や二次ガス配管50に関しても、実施例1と同様に、低温域(収納室14)にのみ配管されるから、これら配管48,50を断熱する断熱材を設ける必要がなく、コスト低減を図り得る利点もある。
次に、実施例6に係る冷却装置につき説明する。但し、実施例6に係る冷却装置は、実施例1で説明した冷却装置32と基本的に同一構成であり、同一の機能を有する部材・構成には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
実施例6に係る冷却装置32では、一次冷媒と二次冷媒との間で熱交換を行なう熱交換器として、外管130と、該外管130内に挿通された内管132とから構成された二重管式熱交換器HE’が用いられている。前記二重管式熱交換器HE’は、図13に示すように、渦巻き状に巻回した外管130の内側に3本の内管132を挿通するよう構成され、該外管130内を前記一次冷媒が流通すると共に、各内管132内を前記二次冷媒が流通するよう構成される。すなわち、凝縮器CDで凝縮した一次冷媒が蒸発する一次熱交換部として前記外管130が機能し、該外管130で蒸発した一次冷媒との熱交換により二次冷媒を凝縮する二次熱交換部として前記各内管132が機能する。なお、外管130内に挿通する内管132の数は、3本に限られるものではなく、1本または2本以上の複数の内管132を外管130内に挿通してもよい。
そして、前記各内管132と蒸発器EPとを接続する二次液配管48が、前記外管130に対して一次液配管38の接続端側に接続されると共に、該各内管132と蒸発器EPとを接続する二次ガス配管50が、該外管130における前記一次ガス配管40の接続端側に接続され、外管130内を流通する一次冷媒と内管132内を流通する二次冷媒とが対向流となるよう構成されている。また、実施例6に係る二重管式熱交換器HE’は、前述した実施例1と同様に、収納室14と機械室20とを断熱する台板24内に埋め込むよう構成され、該二重管式熱交換器HE’の熱損失を防止して一次冷媒と二次冷媒との熱交換効率の向上を図るようになっている。従って、二重管式熱交換器HE’の外周を別途設けた断熱材で覆う必要がなく、部品点数削減によるコスト低減と共に、製造工程の簡略化が図られる。特に、収納室14と機械室20との断熱を図る台板24には、断熱性能の高い発泡材が利用されることから、二重管式熱交換器HE’に別途断熱材を取り付ける場合に比して断熱性能の向上が図られ、熱損失の低減を効果的に図り得る利点もある。また、前述したプレート式熱交換器HEに比べて構成の簡単な二重管式熱交換器HE’を用いることで、コスト低減が図られる。
また、前記二重管式熱交換器HE’を台板24内に固定する構成として、前述の実施例1〜5と同様に、台板24の外郭部材24a,24aの間に発泡材を充填するに先立って、二重管式熱交換器HE’に接続する一次液配管38および一次ガス配管40を第1拘束治具74で固定すると共に、二次液配管48および二次ガス配管50の夫々を第2拘束治具76で固定することで、発泡材の充填・硬化時に二重管式熱交換器HE’が位置ズレするのを防止でき、二重管式熱交換器HE’を所定位置で確実に保持することが可能となる。
次に、実施例7に係る冷却装置につき説明する。但し、実施例7に係る冷却装置は、実施例1で説明した冷却装置32と基本的に同一構成であり、同一の機能を有する部材・構成には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図14に示すように、前記収納室14と機械室16とを区画する台板224の台板本体224aには、該機械室16に開口して前記プレート式熱交換器HEを収納可能な収納部226が形成されており、該収納部226の開口部226aを、断熱蓋体228により閉成することで、該プレート式熱交換器HEが台板224内に埋め込まれるよう構成されている。なお、前記断熱蓋体228は、前記台板本体224aと同一の発泡材を断熱蓋体228の外郭体(図示せず)に充填・硬化することで形成される。
図14に示すように、前記断熱蓋体228は、前記台板本体224aにおける収納部226を画成する内壁面224bと断熱蓋体228との間、および前記プレート式熱交換器HEと断熱蓋体228との間に、プレート式熱交換器HE内を循環する冷媒の消炎距離以下の間隔に設定された隙間Sが介在する状態で固定される。また、同様に、前記収納部226に収納したプレート式熱交換器HEの外周と、前記収納部226を画成する内壁面224bとの間にも隙間Sが介在するように、該プレート式熱交換器HEが収納部226に設置されている。なお、前記隙間Sの間隔は、例えば一次冷媒としてブタンを採用する場合には、1.8mm以下に設定され、一次冷媒としてプロパンを採用する場合には1.7mm以下に設定される。
一方で、前記台板224を貫通した二次液配管48および二次ガス配管50の周囲に生ずる隙間はパッキン230により気密的に閉成される。このパッキン230の取り付け構造としては、例えば、図14に示すように、前記プレート式熱交換器HEと前記二次液配管48および二次ガス配管50との接続端部に取り付けたパッキン230を、前記台板224(台板本体224a)に密着させるよう構成される。また、パッキン230の取り付け構造の別例として、図15(a)に示すように、二次液配管48および二次ガス配管50に取り付けたパッキン230を、台板本体224a内に埋め込むよう構成してもよく、また図15(b)に示すように、プレート式熱交換器HEおよび台板本体224aの対向面の全面に、シート状に形成したパッキン230が密着するよう構成してもよい。すなわち、台板224を貫通した二次液配管48および二次ガス配管50の周囲に生ずる隙間をパッキン230で密閉することで、台板224により収納室14と収納部226とが気密的に隔絶される。
このように、前記プレート式熱交換器HEが設置された収納部226は、台板本体224aの内壁面224bと断熱蓋体228との間、およびプレート式熱交換器HEと断熱蓋体228との間に形成した隙間Sを介して機械室16に連通する一方、収納室14とは気密的に隔離される。従って、前記収納部226内のプレート式熱交換器HEから冷媒が漏出した場合であっても、漏出した冷媒が収納室14に侵入するのを阻止して、前記隙間Sを介して機械室16側に放散し得る。また、前記隙間Sは、冷媒の消炎距離以下に設定されているから、冷媒(実施例7では一次冷媒)として可燃性の冷媒を用いた場合に、該収納部226内で冷媒が発火することはない。更に、前記隙間Sは、前記プレート式熱交換器HEの略全周囲に形成されているから、冷媒が漏出した場合には、該冷媒を速やかに機械室16へ放出することができる。
更に、実施例7では、台板224(台板本体224a)に形成した収納部226にプレート式熱交換器HEを設置した後に、該収納部226の開口部226aを断熱蓋体228で閉成することにより、台板224内にプレート式熱交換器HEが埋め込まれるよう構成したから、実施例1等のように台板24の外郭部材24aの間にプレート式熱交換器HEを配置した状態で発泡材を充填して硬化させる構成に比べて、プレート式熱交換器HEを容易に台板224内に埋め込むことが可能となる。また、プレート式熱交換器HEを傾斜配置する場合には、台板224(台板本体224a)に形成した収納部226にプレート式熱交換器HEを設置することで、プレート式熱交換器HEの角度調節を容易になし得る利点がある。
次に、実施例8に係る冷却装置につき説明する。但し、実施例8に係る冷却装置は、実施例1で説明した冷却装置32と基本的に同一構成であり、同一の機能を有する部材・構成には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図16に示すように、前記収納室14と機械室16とを区画する台板324の台板本体324aには、機械室16側に突出する台座部325が形成されており、該台座部325に、該機械室16に開口して前記プレート式熱交換器HEを収納可能な収納部326を形成するよう構成される。そして、前記収納部326の開口部326aを、断熱蓋体328により閉成することで、該プレート式熱交換器HEが台板324内に埋め込まれるよう構成されている。ここで、前述した実施例7と同様に、前記断熱蓋体328は、前記台座部325における収納部326を画成する内壁面325aと断熱蓋体328との間、および前記プレート式熱交換器HEと断熱蓋体328との間に、プレート式熱交換器HE内を循環する冷媒の消炎距離以下の間隔に設定された隙間Sが介在する状態で固定される。
また、前記プレート式熱交換器HEに接続する二次液配管48および二次ガス配管50の夫々は、前記収納部326を画成する内底面325bから台座部325の側部に貫通するよう設けられている。すなわち、前記二次液配管48および二次ガス配管50は、前記収納部326から機械室16内に一旦導出された後に、前記台板本体324aを貫通して収納室14側の蒸発器EPに接続される。
そして、台板本体324aを貫通した二次液配管48および二次ガス配管50の周囲に生ずる隙間をパッキン330により気密的に閉成するようになっている。このパッキン330の取り付け構造としては、前記二次液配管48および二次ガス配管50との接続端部に取り付けたパッキン330を、前記台板324(台板本体324a)に密着させるよう構成される。なお、前述と同様に、二次液配管48および二次ガス配管50に取り付けたパッキン330を、台板本体324a内に埋め込むよう構成してもよい。
このように、前記プレート式熱交換器HEが設置された収納部326は、台座部325の内壁面325aと断熱蓋体328との間、およびプレート式熱交換器HEと断熱蓋体228との間に形成した隙間Sを介して機械室16に連通する。従って、前記収納部326内のプレート式熱交換器HEから冷媒が漏出した場合であっても、漏出した冷媒が収納室14に侵入するのは阻止され、前記隙間Sを介して機械室16側に放散し得る。また、前記隙間Sは、冷媒の消炎距離以下に設定されているから、冷媒として可燃性冷媒を用いた場合に、該収納部326内で冷媒が発火することはない。更に、実施例8では、台板324(台座部325)に形成した収納部326にプレート式熱交換器HEを設置した後に、該収納部326の開口部326aを断熱蓋体328で閉成することにより、台板324内にプレート式熱交換器HEが埋め込まれるよう構成したから、実施例1等のように台板24の外郭部材24aの間にプレート式熱交換器HEを配置した状態で発泡材を充填して硬化させる構成に比べて、プレート式熱交換器HEを容易に台板324内に埋め込むことが可能となる。また、プレート式熱交換器HEを傾斜配置する場合には、台板324(台座部325)に形成した収納部326にプレート式熱交換器HEを設置することで、プレート式熱交換器HEの角度調節を容易になし得る。
また、前記プレート式熱交換器HEに接続する二次液配管48および二次ガス配管50を、前記台座部325の収納部326から機械室16へ一旦導出した後に、前記台板本体324aを貫通して収納室14側の蒸発器EPに接続しているから、該二次液配管48および二次ガス配管50と、台座部325内に充填された発泡材との間に生ずる微少な隙間(図示せず)を介しても、前記収納部326が機械室16に連通する。従って、プレート式熱交換器HEから冷媒の漏出が発生したとしても、該冷媒が収納室14に侵入することはない。また、二次液配管48および二次ガス配管50を、台座部325から機械室16内に一旦導出した後に、前記台板本体324aを貫通して収納室14側の蒸発器EPに接続するよう構成したことで、該二次液配管48および二次ガス配管50と台板本体324aとを密閉するパッキン330が機械室16に露出する。従って、パッキン330が経年的に劣化したとしても、該パッキン330を容易に交換し得る利点がある。
(変更例)
本発明に係る冷却装置としては、前述した各実施例のものに限られるものではなく、種々の変更が可能である。
各実施例では、断熱壁部を構成する外郭部材に傾斜面を設けたり、該外郭部材またはプレート式熱交換器に設けた突起部により、プレート式熱交換器を傾斜状態で配置するよう構成したが、プレート式熱交換器の各配管を位置決め固定する治具のみにより、プレート式熱交換器を傾斜状態で位置決めすることもできる。
また、蒸発器の蒸発管としては、外周に半径方向へ延出するフィンを設けた所謂フィンチューブや、外周に半径方向へ延出するフィンを螺旋状に設けた所謂スパイラルフィンチューブを採用してもよい。また、蒸発管の管路としては、流入端で複数(2系統)の系統に分岐されて、これら複数系統の分岐蒸発管が、循環方向前側に向けて下り勾配となるように蛇行状に延在し、流出端で再びまとめられる構成も採用し得る。
各実施例では、蒸発管を流入端側から流出端側に向かうにつれて下方傾斜するように形成したが、全体として流出端側への重力作用下に液化冷媒を拡散し得るのであれば、管路の一部に流出端側に向けて上方傾斜する部位あるいは水平に延在する部位を設けてもよい。
各実施例では、二次回路における蒸発器において、二次液配管に接続する流入端を二次ガス配管に接続する流出端より上部に位置するよう構成したが、これに限られるものではなく、二次液配管に接続する流入端を二次ガス配管に接続する流出端より下部に位置するよう構成することも可能である。
各実施例では、気相二次冷媒の逆流を防ぐ手段として、プレート式熱交換器における二次熱交換部の流路に形成される液封部を利用したが、これに限定されず、熱交換器の内部における二次液配管との接続部近傍から二次液配管の間に、気相二次冷媒に対し流通抵抗となる抗力を設ければよい。例えば、熱交換器の内底部または二次液配管の途中に液相二次冷媒を貯留する構成として、この貯留部に溜る二次冷媒のヘッド(水頭)を抵抗部としてもよい。更には、二次液配管に流れ抵抗が大きくなる手段や、絞り部あるいはトラップ等を設ける配管形状としたり、あるいは二次液配管に介挿した逆止弁等も抵抗部として用いることができる。これら種々の態様の抵抗部を単体で用いるだけでなく、実施例1および変更例の構成を組合わせて抵抗部として機能させてもよい。
各実施例では、機械室に配設する機器の共通基板となる台板により、機械室と収納室との間で空気の流通がないように収納室と機械室とを区切る構成であるが、機械室と収納室とを箱体の天板で区切る構成であってもよい。
各実施例では、冷却装置を冷蔵庫に採用する場合を例にして説明したが、冷凍庫、冷凍・冷蔵庫、ショーケースおよびプレハブ庫等の所謂貯蔵庫、その他空調機器等にも適用可能である。
本発明の好適な実施例1に係る冷却装置により冷却される冷蔵庫を示す側断面図である。 実施例1に係る冷却装置を示す概略回路図である。 実施例1に係るプレート式熱交換器の断面図である。 実施例1に係るプレート式熱交換器の設置状態を示す概略説明図である。 実施例1に係るプレート式熱交換器における温度勾配と二次冷媒の流通方向との関係を示す概略説明図であって、(a)は二次冷媒が正循環する状態を示し、(b)は二次冷媒が逆循環する状態を示す。 図2に示す蒸発器のA−A線断面図であって、二次冷媒が正循環する状態を示す。 図2に示す蒸発器のB−B線断面図であって、二次冷媒が逆循環する状態を示す。 実施例1に係るプレート式熱交換器の配設方法を示す概略説明図である。 実施例3に係るプレート式熱交換器の配設方法を示す概略説明図である。 実施例4に係るプレート式熱交換器の配設方法を示す概略説明図である。 実施例4に係るプレート式熱交換器を配設した台板を傾斜して配設する配設方法を示す概略説明図であって、(a)は箱体構造により傾斜させる構造を示し、(b)は台板構造により台板を傾斜させる構造を示す。 (a)は、実施例5に係る冷却装置により冷却される横型冷蔵庫を示す側断面図であり、(b)は実施例5に係る冷却装置を示す概略回路図である。 実施例6に係る二重管式熱交換器を模式的に示した説明図である。 実施例7に係る冷却装置におけるプレート式熱交換器を、台板の収納部に設置した状態で示す概略説明図である。 実施例7に係るパッキンの取付構造を示す概略説明図であって、(a)はパッキンを台板内に埋め込んだ状態を示し、(b)はプレート式熱交換器および台板本体の対向面の全面にパッキンを密着させた状態を示す。 実施例8に係るプレート式熱交換器を、台板の台座部に形成した収納部に設置した状態で示す概略説明図である。 従来技術に係る冷却装置を模式的に示した説明図である。
符号の説明
14 収納室(閉鎖空間),20 機械室(開放空間),24 台板(断熱壁部)
34 一次回路,36 一次熱交換部,44 二次回路,46 二次熱交換部
124 横壁部(断熱壁部),224 台板(断熱壁部),224b 内壁面
226 収納部,226a 開口部,228 断熱蓋体,324 台板(断熱壁部)
325a 内壁面,326 収納部,326a 開口部,328 断熱蓋体
HE プレート式熱交換器(熱交換器),HE’ 二重管式熱交換器(熱交換器)
S 隙間

Claims (5)

  1. 一次冷媒を機械的に強制循環する一次回路(34)と、二次冷媒を自然循環する二次回路(44)と、一次冷媒および二次冷媒の間で熱交換する熱交換器(HE,HE’)とを備え、前記一次回路(34)を配設する開放空間(20)と、前記二次回路(44)を配設する閉鎖空間(14)とを断熱壁部(24,124,224,324)により区切るよう構成された冷却装置において、
    前記熱交換器(HE,HE’)を前記断熱壁部(24,124,224,324)内に埋め込むよう配設した
    ことを特徴とする冷却装置。
  2. 前記熱交換器(HE)は、複数のプレート(60)を所要間隔離間するように並列に対向配置し、対向するプレート(60,60)の間に形成される流路(60a,60b)に、前記一次冷媒および二次冷媒が交互に流通させるよう構成される請求項1記載の冷却装置。
  3. 前記熱交換器(HE’)は、外管(130)と、前記外管(130)の内部に挿通された内管(132)とから構成され、前記外管(130)および内管(132)に、前記一次冷媒および二次冷媒を対向流となるよう流通させるよう構成される請求項1記載の冷却装置。
  4. 前記断熱壁部(24,124,224,324)は、前記開放空間(20)に開口して前記熱交換器(HE,HE’)を収納可能な収納部(226,326)と、前記収納部(226,326)の開口部(226a,326a)を閉成する断熱蓋体(228,328)とを有し、
    前記収納部(226,326)の内壁面(224b,325a)と断熱蓋体(228,328)との間に、冷媒の消炎距離以下の間隔に設定された隙間(S)を介在させた請求項1〜3の何れか一項に記載の冷却装置。
  5. 前記断熱蓋体(228,328)と熱交換器(HE,HE’)との間に、冷媒の消炎距離以下の間隔に設定された隙間(S)を介在させた請求項4記載の冷却装置。
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