JP4945713B2 - 冷却装置 - Google Patents

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この発明は、熱交換器と蒸発器との間の温度勾配を利用して、冷媒を自然循環させるサーモサイフォンを二次回路として採用した冷却装置に関するものである。
冷媒回路内に温度勾配を設けることで冷媒に密度差を形成し、密度の不均一によって重力の作用下に生じる自然対流を利用して熱伝達を行なうサーモサイフォンと呼ばれる熱輸送機構がある。このようなサーモサイフォンは、例えば冷蔵庫等の貯蔵設備や空調設備等の冷却機構として用いられている(例えば、特許文献1参照)。
図7に例示するように、サーモサイフォンを利用した冷却回路80は、凝縮器82と、この凝縮器82の下方に配置した蒸発器84と、凝縮器82から蒸発器84へ液化冷媒を導く液配管86と、蒸発器84から凝縮器82へ気化冷媒を導くガス配管88とから構成される。冷却回路80では、強制的または自然冷却された凝縮器82で気化冷媒から熱を奪って液化し、この液化冷媒を液配管86を介して重力の作用下に蒸発器84へ流下させる。また冷却回路80では、蒸発器84の周囲雰囲気から熱を奪うことで蒸発器84に流入した液化冷媒を気化させる。そして、気化冷媒は、蒸発器84で液化冷媒から相変化して体積が膨張することにより比重が減少するので、上方に向けて流動して、ガス配管88を介して凝縮器82に還流される。また、蒸発器84では液化冷媒の蒸発により圧力が上昇する一方、凝縮器82では気化冷媒の凝縮により圧力が降下するので、冷却回路80には微少な圧力差が生じる。すなわち、冷却回路80では、前述した冷媒の比重差と、蒸発器84および凝縮器82の間の圧力差との二種類の推進力によって冷媒が自然循環される。そして、冷却回路80では、一方向(循環方向)へ自然対流による冷媒の循環サイクルが構築されることで、蒸発器84で所要の冷却作用を発揮するようになっている。
ところで、前記蒸発器84は、周囲雰囲気との接触面積をかせぐために管路を蛇行させた蒸発管85で構成される。蒸発管85では、比重差により上方へ流動する気化冷媒に対して作用する外力が存在しない場合、気化冷媒は圧力損失が少ない方向へ押し出される。ここで、蒸発管85において気化冷媒が液配管86側に向けて流動すると、液配管86を蒸発器84へ向けて重力落下する液化冷媒の流下方向に対し逆向きとなり、液化冷媒の流下を阻害するから、冷媒の循環速度が低下して冷却能力を低下させてしまう問題を生じる。すなわち、冷却回路80では、冷媒の自然循環を維持するために、冷媒の循環方向と蒸発器84における気化冷媒の流動方向を一致させる必要がある。
そこで、図7に示す如く、蒸発器84では、液配管86の下端に接続する蒸発管85の流入端85aを、蒸発器84の下部に配置する一方、ガス配管88の下端に接続する蒸発管85の流出端85bを、蒸発器84の上部に配置している。また、蒸発管85の管路を、全体として流出端85b側に向かう上り勾配となるように形成することで、比重が低下した気化冷媒が上方に流動する作用を利用して、蒸発管85に沿って気化冷媒を案内してガス配管88に導くように構成される。このように、比重差を利用して気化冷媒を流動させる都合上、従来の蒸発器84では、蒸発管85の流出端85bを流入端85aより上方に位置させて、管路を冷媒の循環方向前側に向けて全体として上り勾配となるように形成することが必須であると考えられていた。
前記蒸発器84では、蒸発管85の流入端85aが管路における傾斜下端となっているから、液配管86を介して到来した液化冷媒は流入端85a側に集約される。また、蒸発管85において、蒸発管85の流出端85b側まで自然に拡散することはなく、冷媒量の増加に伴って、液配管86に形成されるヘッドによる押出し力により流出端85b側に冷媒が次第に満たされる。例えば、冷却回路80の冷媒量が少ないと、蒸発管85の流入端85a側だけで液化冷媒が蒸発(ドライアウト)するから、周囲雰囲気と液化冷媒とが熱交換する範囲(伝熱面積)が狭く、蒸発器84は充分な冷却能力を発揮することができない(図8(a)参照)。そこで、蒸発器84では、蒸発管85の流入端85a側から流出端85b側まで液化冷媒が満たされるように冷却回路80の冷媒量を設定して、流出端85b近傍でも液化冷媒を蒸発させることで、蒸発管85の全体に亘って伝熱面積を確保するようにしている(図8(b)参照)。なお、図8(b)の場合の冷媒量が適正とされるが、適正量を越えて冷媒が過剰に充填されたときであっても(図8(c)参照)、蒸発管85に満たされた液化冷媒の湿り度が増大して熱伝導率が向上するから、蒸発器84は見かけ上所要の冷却能力を発揮する。
特開2004−85151号公報
前述した蒸発器84では、伝熱面積を確保するために蒸発管85の流入端85a側から流出端85b側に亘る全体に液化冷媒を満たす必要があり、冷却回路80に循環させる冷媒量が多くなってしまう不都合がある。冷却回路80を循環する冷媒量の増大に伴って、装置を停止したときの冷却回路80の圧力が上昇するため、冷却回路80に要求される耐圧性能が高くなるので、設備の重厚化に繋がり、コストの増大を招いていた。また、冷却回路80に大型の膨張タンクを追加すること等により当該回路80の内容積を増やして圧力上昇に対応することも考えられるが、設備の大型化に繋がり、これもコスト上昇の一因となる。
すなわち本発明は、従来の技術に係る冷却装置に内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、回路内の冷媒量を低減し得る冷却装置を提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明の冷却装置は、
気化冷媒を凝縮して液化冷媒とする熱交換部と、この熱交換部の下方に配置され、液化冷媒を蒸発させて気化冷媒とする蒸発器とを、液配管およびガス配管で接続し、液化冷媒を熱交換部から蒸発器へ液配管を介して流下させると共に、気化冷媒を蒸発器から熱交換部へガス配管を介して流通させる自然循環サイクルを形成し、前記蒸発器に延在する冷媒経路は、前記液配管の下端に接続する流入端を、該蒸発器の上部に配置すると共に、前記ガス配管の下端に接続する流出端を、該蒸発器の下部に配置した冷却装置において、
前記熱交換部は、複数のプレートを離間させて並列に対向配置し、対向するプレートの間に複数の冷媒流路が並列に形成され、該熱交換部の下部には、一次回路の冷媒配管に接続する一次流入路が設けられ、
前記熱交換部の上部には、一次回路の冷媒配管に接続する一次流出路が設けられ、該熱交換部の上部には、二次回路に接続する二次流入路が設けられ、該熱交換部の下部には、二次回路に接続する二次流出路が設けられ、
前記一次流入路および一次流出路が連通する1つおきの流路により一次熱交換部が構成され、
前記二次流入路および二次流出路は、前記一次流入路および一次流出路が開口する流路とは互い違いに並んだ流路に対し開口するようになっており、二次流入路および二次流出路が連通する1つおきの流路により二次熱交換部が構成され、
前記二次熱交換部では、対向するプレートの間の冷媒流路が狭小に設定されて、液相二次冷媒の粘着力や表面張力が作用して、二次回路側の冷媒流路の下部が液相二次冷媒で塞がれた液封を生じるように構成したことを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、蒸発器に延在する冷媒経路は、流入端を蒸発器の上部に設けると共に、流出端を蒸発器の下部に設けることで、流入端を流出端より上方に位置させた状態で、冷媒の循環方向前側に向かって落差が設けられる。すなわち、冷媒経路に流入した液化冷媒が、この落差による重力の作用下に管路に沿って流出端側へ誘導されて自然に拡散するから、伝熱面積を広く確保することができる。このように、冷媒経路に液化冷媒を満たさなくても伝熱面積を確保し得るので、二次回路内の冷媒量を低減し得る。そして、二次回路の冷媒量を低減することで、一次回路を運転停止した際の二次回路の圧力上昇を抑えることができ、二次回路に要求される耐圧性能が低くなるから、設備の重厚化を回避し得る。例えば、二次回路に膨張タンクを設ける場合であっても、膨張タンクの内容積を小さくし得るから、設備の大型化を回避できると共に、コストの上昇を最小限に抑えることができる。
本発明に係る冷却装置によれば、冷媒の循環方向前側に向かって設けた落差による重力の作用下に、流入端から冷媒経路に流入した液化冷媒が経路に沿って流出端側へ誘導されて自然に拡散するから、伝熱面積を広く確保でき、必要とされる冷媒量を低減することが可能となる。そして、二次回路の冷媒量が少なくなることで、冷却装置全体として小型化およびコストの削減を図り得る。
次に、本発明に係る冷却装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。実施例では、店舗等の業務用途に用いられ、野菜や肉等の物品を多量に収納し得る大型の冷蔵庫を例に挙げ、この冷蔵庫を、サーモサイフォンを二次側の回路に用いた所謂二次ループ冷凍回路の冷却装置で冷却する場合について説明する。
図1に示すように、実施例に係る冷蔵庫10は、収納室(閉鎖空間)14を内部画成した断熱構造の箱体12と、この箱体12の上方に設けられ、金属パネル18により外壁を構成したキャビネット16とを備えている。箱体12には、前側に開放して物品の出し入れ口となる開口部12aが収納室14に連通して開設される。また箱体12の前部には、断熱扉22が図示しないヒンジにより回動可能に配設され、断熱扉22を開放することで開口部12aを介して収納室14に対する物品の出し入れが許容されると共に、断熱扉22を閉成することで収納室14を密閉し得るようになっている。
前記キャビネット16の内部には、収納室14を冷却するための冷却装置32の一部および該冷却装置32を制御する制御用電装箱Cが配設される機械室(開放空間)20が画成される(図2参照)。機械室20の底部には、箱体12の天板12bに載置されて、該機械室20に配設する機器の共通基板となる台板(隔壁)24が設置されている。そして、キャビネット16の外壁をなす金属パネル18には、機械室20に連通する空気流通孔(図示せず)が適宜部位に開設され、この空気流通孔を介して機械室20内の雰囲気と外気とが入替わるようになっている。
前記収納室14の上部には、箱体12における天板12bの下面から所定間隔離間して冷却ダクト26が配設され、この冷却ダクト26と、箱体12の天板12bに開設した切欠口12cを介して収納室14側に臨む台板24との間に冷却室28が画成される。この冷却室28は、冷却ダクト26の底部前側に形成した吸込口26aおよび後側に形成した冷気吹出口26bを介して収納室14に連通して、閉鎖空間としての収納室14の一部を構成している。吸込口26aには送風ファン30が配設され、該送風ファン30を駆動することで、吸込口26aから収納室14の空気を冷却室28に取込み、冷気吹出口26bから冷却室28の冷気が収納室14に送出される。天板12bの切欠口12cは、台板24で気密的に塞がれて、収納室14(冷却室28)と機械室20とは、台板24で区切られて互いに独立した空間となっている(図1参照)。
図3に示す如く、冷却装置32は、冷媒を強制循環する機械圧縮式の一次回路34と、冷媒が自然対流するサーモサイフォンからなる二次回路44との2系統の回路を、熱交換器HEを介して熱交換するように接続(カスケード接続)した二次ループ冷凍回路が採用される。熱交換器HEは、一次回路34を構成する一次熱交換部36と、この一次熱交換部36と別系統に形成されて、二次回路44を構成する二次熱交換部(熱交換部)46とを備え、熱交換器HEは機械室20の側方後側に位置して台板24上に配設されている(図2参照)。すなわち、一次回路34および二次回路44には、独立した冷媒循環経路が夫々形成され、二次回路44を循環する二次冷媒(冷媒)としては、毒性、可燃性および腐食性を有していない安全性の高い二酸化炭素が採用される。これに対し、一次回路34を循環する一次冷媒としては、蒸発熱や飽和圧等の冷媒としての特性に優れているメタンやプロパン等のCH系の冷媒またはアンモニアなどが採用され、実施例ではプロパンが用いられている。
前記一次回路34は、気相一次冷媒を圧縮する圧縮機CMと、圧縮した一次冷媒を液化する凝縮器CDと、液相一次冷媒の圧力を低下させる膨張弁EVと、液相一次冷媒を気化する熱交換器HEの一次熱交換部36とを冷媒配管38で接続して構成される(図3参照)。圧縮機CMおよび凝縮器CDは、機械室20において台板24上に共通的に配設され、凝縮器CDを強制冷却する凝縮器ファンFMも、該凝縮器CDに対向して台板24上に配設されている。ここで、凝縮器CDは、キャビネット16の前面をなす金属パネル(フロントパネル)18に近接して機械室20の前側に配置され、該凝縮器CDの後側に凝縮器ファンFMが配置される。また圧縮機CMは、凝縮器ファンFMの後側に配置される(図2参照)。このように機械室20では、凝縮器CD,凝縮器ファンFMおよび圧縮機CMが、機械室20において凝縮器ファンFMにより生起される空気の流通方向に沿って一直線上に並んで配設される。すなわち、凝縮器ファンFMの駆動によりフロントパネル18に開設した空気流通孔から外気が機械室20に取込まれ、この外気が機械室20の前側から後側に流通して凝縮器CDおよび圧縮機CMと熱交換するようになっている。一次回路34では、圧縮機CMによる一次冷媒の圧縮により、圧縮機CM、凝縮器CD、膨張弁EV、熱交換器HEの一次熱交換部36および圧縮機CMの順に、一次冷媒が強制循環され、各機器の作用下に一次熱交換部36において所要の冷却を行なうようになっている(図3参照)。なお、前述した制御用電装箱Cは、機械室20において凝縮器ファンFMによる空気の流れを阻害しない位置(実施例では機械室20の側部)で台板24上に配設されている。
前記二次回路44は、気相二次冷媒(気化冷媒)を液化する熱交換器HEの二次熱交換部46と、液相二次冷媒(液化冷媒)を気化する蒸発器EPとを備えている(図3参照)。また、二次回路44は、二次熱交換部46と蒸発器EPとを接続する配管として、二次熱交換部46から蒸発器EPへ重力の作用下に液相二次冷媒を導く液配管48と、蒸発器EPから二次熱交換部46へ気相二次冷媒を導くガス配管50とを有している。前述した如く、二次回路44の二次熱交換部46は、機械室20に配設される一方、蒸発器EPは、当該機械室20の下方に位置する冷却室28に配設され、台板24を挟んで二次熱交換部46より下方に蒸発器EPが配置される。ここで蒸発器EPは、台板24の下面に固定されて、台板24と一体的に取扱い可能とされる。なお、蒸発器EPの下方に位置する冷却ダクト26は、蒸発器EPから滴下する除霜水等を受容する露受皿としても機能する。
前記液配管48は、上端を二次熱交換部46の下部に接続して台板24を貫通して配管され、冷却室28に臨む下端が蒸発器EPに接続される。ガス配管50は、上端を二次熱交換部46の上部に接続して台板24を貫通して配管され、冷却室28に臨む下端が蒸発器EPに接続される。そして、二次回路44には、強制冷却される一次熱交換部36との熱交換により冷却される二次熱交換部46と蒸発器EPとの間に温度勾配が形成され、二次冷媒が二次熱交換部46、液配管48、蒸発器EPおよびガス配管50を自然循環して二次熱交換部46に再び戻る冷媒循環サイクルが形成される。なお、液配管48およびガス配管50における台板24の貫通部位は、シール等により気密的に封止されている。
前記二次回路44は、二次冷媒として常温では液化しない二酸化炭素を採用しているので、冷却装置32の停止時に二次冷媒の圧力上昇を抑制するための膨張タンク54を備えている(図3参照)。この膨張タンク54は、ガス配管50の途中に接続され、膨張タンク54に、蒸発器EPにおいて熱伝達に関わる二次冷媒以外に、ある程度の二次冷媒が貯留される。また、膨張タンク54は、機械室20において圧縮機CMの後側に、凝縮器CDおよび凝縮器ファンFMと前後方向に並んで台板24上に配置される。すなわち、膨張タンク54は、凝縮器ファンFMにより生起される空気の流通方向前側であって、凝縮器CDおよび圧縮機CMからの排熱の流通経路に位置している(図2参照)。
前記蒸発器EPは、管路を蛇行させた蒸発管(冷媒経路)52を有し、液配管48の下端に接続する蒸発管52の流入端52aが、蒸発器EPの上部に配置されると共に、ガス配管50の下端に接続する蒸発管52の流出端52bが、蒸発器EPの下部に配置されている(図3参照)。蒸発器EPでは、蒸発管52の流入端52aが流出端52bより上方に位置するように構成される。また蒸発管52の管路は、流入端52aと流出端52bとの上下位置の間で延在して、蒸発管52に流入した液相二次冷媒を、管路に沿って重力の作用下に流出端52b側まで拡散させるように導くようになっている。より具体的には、蒸発管52は、傾斜する直線部分が上下の関係で葛折り状態で折り重なると共に、屈曲部分が横方向に離間した蛇行形状に管路が形成され、この管路が流入端52a側から流出端52b側に向かうにつれて下り勾配となるよう構成されている。
図4に示すように、熱交換器HEとしては、所謂プレート式の熱交換器が採用される。熱交換器HEは、上下方向に延在する複数のプレート60を所要間隔離間して並列に対向配置し、対向するプレート60,60の間に、冷媒が流通する複数の流路60a,60bが並列に形成される。熱交換器HEの下部には、一次回路34における膨張弁EVに連通した冷媒配管38に接続する一次流入路64が設けられ、熱交換器HEの上部には、一次回路34における圧縮機CMに連通した冷媒配管38に接続する一次流出路66が設けられる。更に、熱交換器HEの上部には、二次回路44のガス配管50に接続する二次流入路68が設けられ、熱交換器HEの下部には、二次回路44の液配管48に接続する二次流出路70が設けられる。
前記一次流入路64は、熱交換器HEにおいて横方向に並列する複数の流路60aに対して1つおきに開口すると共に、一次流出路66は、一次流入路64が開口する流路60aに対応して開口するように形成される。そして、一次流入路64および一次流出路66が連通する1つおきの流路60aにより一次熱交換部36が構成され、圧縮機CMの負圧作用下に、一次熱交換部36を構成する各流路60aを下方から上方へ向けて一次冷媒が流通される。一方、二次流入路68および二次流出路70は、前述した一次流入路64および一次流出路66が開口する流路60aとは互い違いに並んだ流路60bに対し開口するようになっている(図4参照)。二次流入路68および二次流出路70が連通する1つおきの流路60bにより二次熱交換部46が構成され、重力の作用下に二次熱交換部46を構成する各流路60bを上方から下方へ向けて二次冷媒が流通される。すなわち、熱交換器HEでは、並列する流路60a,60bに一次冷媒および二次冷媒を交互に流通させて、各プレート60を介して一次冷媒と二次冷媒とを熱交換するよう構成される。なお、熱交換器HEは、断熱材58で外周を覆われ、一次熱交換部36を流通する一次冷媒と、二次熱交換部46を流通する二次冷媒との熱交換の促進が図られている(図4参照)。
前記二次熱交換部46では、対向するプレート60,60の間の流路60bが、例えば1mm程度の狭小な関係に設定されて、液相二次冷媒の粘着力や表面張力等が作用して、二次回路44側の流路60bの下部が液相二次冷媒で塞がれる所謂液封が生じるように構成されている(図4参照)。実施例では、二次熱交換部46の各流路60bに生じる液封部62が、気相二次冷媒に対する抵抗部となる。
前記二次回路44では、蒸発器EPにおける蒸発管52の流入端52aから流入した液相二次冷媒が、管路に案内されて蒸発管52の流出端52b近傍に到達し得る量であって、飽和状態の液相二次冷媒が当該流出端52b近傍でも蒸発する程度に、二次冷媒量が規定される(図5参照)。なお、二次冷媒量は、必要とされる冷却能力、二次回路44の容量、二次冷媒の循環速度またはその他の要素を勘案して適宜設定される。
〔実施例の作用〕
次に、実施例に係る冷却装置の作用について説明する。冷却装置32では、冷却運転を開始すると、一次回路34および二次回路44の夫々で冷媒の循環が開始される。先ず、一次回路34について説明すると、圧縮機CDおよび凝縮器ファンFMが駆動され、圧縮機CMで気相一次冷媒が圧縮されて、この一次冷媒を冷媒配管38を介して凝縮器CDに供給して、凝縮器ファンFMによる強制冷却により凝縮液化することで液相とする。液相一次冷媒は、膨張手段EVで減圧され、熱交換器HEの一次熱交換部36において二次熱交換部46を流通する二次冷媒から熱を奪って(吸熱)一挙に膨張気化する。このように一次回路34は、熱交換器HEにおいて、一次熱交換部36により二次熱交換部46を強制冷却するように機能している。そして、一次熱交換部36で蒸発した気相一次冷媒は、冷媒配管38を経て圧縮機CMに帰還する強制循環サイクルを繰返す。
前記二次回路44では、二次熱交換部46が一次熱交換部36により冷却されているから、二次熱交換部46で気相二次冷媒が放熱して凝縮し、気相から液相に状態変化することで比重が増加することから、重力の作用下に二次熱交換部46の各流路60bに沿って液相二次冷媒が流下する。二次回路44では、二次熱交換部46を機械室20に配置する一方、蒸発器EPを機械室20の下方に位置する冷却室28に配設することで、二次熱交換部46と蒸発器EPとの間に落差を設けてある。すなわち、液相二次冷媒を、二次熱交換部46の下部に接続した液配管48を介して、蒸発器EPへ向けて重力の作用下に自然流下させることができる。液相二次冷媒は、蒸発器EPの蒸発管52を流通する過程で該蒸発器EPの周囲雰囲気から熱を奪って蒸発して気相に移行する。気相二次冷媒は、ガス配管50を介して蒸発器EPから二次熱交換部46へ還流し、二次回路44ではポンプやモータ等の動力を用いることなく、簡単な構成で二次冷媒が自然循環するサイクルが繰返される。
前記送風ファン30により吸込口26aから冷却室28に吸引された収納室14の空気を、冷却された蒸発器EPに吹付けることで、蒸発器EPと熱交換した空気が冷気となる。そして冷気を、冷却室28から冷気吹出口40を介して収納室14に送出することで、収納室14が冷却される。冷気は、収納室14の内部を循環して、吸込口26aを介して再び冷却室28内に戻るサイクルを反復する。
ここで、蒸発器EPでの二次冷媒の挙動について更に説明する。蒸発器EPに延在する蒸発管52は、流入端52aを蒸発器EPの上部に設けると共に、流出端52bを蒸発器EPの下部に設けることで、流入端52aを流出端52bより上方に位置させて、流入端52aと流出端52bとの間に落差が設けられる。しかも、蒸発管52は、流出端52bと流入端52aとの間において、直線部分が上下の関係で折り重なった蛇行形状とすると共に、流入端52a側から流出端52b側に向かうにつれて下方傾斜するように管路を形成している。すなわち、蒸発管52は、全体として二次回路における二次冷媒の循環方向前側に向けて下り勾配となっているから、流入端52aから蒸発管52に流入した液相二次冷媒を、重力の作用下に管路に沿って流出端52b側に誘導しつつ蒸発させることができる。従って、蒸発器EPにおいて、蒸発管52の流入端52a近傍で液相二次冷媒が留まって当該流入端52a近傍で優先的に蒸発するのではなく、二次冷媒が管路に沿って流出端52b側に自然に拡散するから、伝熱面積を広く確保することができる。
前記蒸発管52を流通する液相二次冷媒の流速が遅い場合に、二次冷媒は蒸発管52の管底に集約された状態で流通する(図6(a)参照)。この場合、蒸発管52を流通する二次冷媒は、該蒸発管52の内底部としか接触していないので、伝熱面積が狭くなる難点がある。しかるに、実施例の蒸発管52における管路は二次冷媒の循環方向前側に傾いているから、蒸発管52の流入端52a近傍では二次冷媒の流速が遅いために、管底に集約された状態での流れが優先的に現われるものの、流出端52b側に向かうにつれて二次冷媒の流速が次第に速くなる。これにより、蒸発管52には、液相二次冷媒が蒸発管52の内面全体に亘って環状に流通する環状流が優先的に現われる(図6(b)参照)。従って、液相二次冷媒が蒸発管52の全周に接触するから、伝熱面積をより広く確保することが可能である。更に、蒸発管52が傾斜しているので、除霜水等の蒸発管52から滴下する水を流出端52bに集約して滴下させることができる。
前記蒸発器EPでは、液相二次冷媒が蒸発管52の流出端52b近傍に到達して、飽和状態の液相二次冷媒が流出端52b近傍でも蒸発するように、二次回路44の二次冷媒量が規定される(図5参照)。このとき、蒸発器EPにおいて、液相二次冷媒は蒸発管52の管路に沿って自然に流下するから、液相二次冷媒で蒸発管52を満たさなくても、二次冷媒を蒸発管52の流出端近傍まで到達させることができる。すなわち、二次回路44において、必要とされる二次冷媒量を少なくすることができる。
例えば、二次冷媒量が極端に少ない場合は、液相二次冷媒が蒸発管52の流出端52b近傍に至る前に蒸発してしまうから、蒸発器EP全体として冷却作用を得られず、所要の冷却能力を発揮することができない。また、二次冷媒量が過剰な場合は、蒸発管52全体に液相二次冷媒が満たされ、ガス配管50に気相二次冷媒の流通を妨げるヘッドが発生するため、気相二次冷媒が蒸発管52に滞留する。このとき、蒸発管52では、ガス配管50のヘッドによって気相二次冷媒の循環が滞る局面と、蒸発管52における内圧の上昇によって、ガス配管50に形成されたヘッドが急激に押し上げられて、一時的に気相二次冷媒の循環が再開する局面とが繰返される。気相二次冷媒の循環が滞っている局面においては、気相二次冷媒の循環が正常になされている局面に比べて、蒸発管52に気相二次冷媒が多く滞留することで、熱伝導率の大きな液相二次冷媒による伝熱面積が減少するから、蒸発器EPの冷却能力が低下してしまう。このように、蒸発器EPにおける二次冷媒が過剰な場合に生ずる冷却能力の低下は、ガス配管50のヘッドによる冷媒循環量の減少と、蒸発管52における滞留する気相二次冷媒の増加による熱伝導率の減少とが、主な原因である。すなわち、蒸発器EPは、二次冷媒量が少なくても多くても所要の冷却能力を得ることができず、適正な量の二次冷媒を充填することが肝要とされる。実施例に係る蒸発器EPの構成によれば、二次冷媒の適正量は、蒸発管52を流下しつつ蒸発する液相二次冷媒における蒸発位置の最下部(蒸発管52の流出端52b近傍)との関係で一義的に決定される極値を有し、容易に求めることができる。
前記蒸発器EPの蒸発管52において、液相二次冷媒が蒸発して得られた気相二次冷媒は体積膨張により比重が減少するから、上方へ向けて流動する。蒸発管52は、流入端52a側が流出端52b側に比べて高くなっているので、気相二次冷媒は、流入端52a側に逆流しようとする。しかし、二次熱交換部46における各流路60aの下部に、液相二次冷媒による液封部62が形成されるから、流動が妨げられた気相二次冷媒は蒸発管52に滞留し、蒸発管52内部の内圧を上昇させる。蒸発管52における内圧の上昇に伴い、蒸発管52内部の冷媒は唯一の圧力開放部である流出端52bに向かって押し出されるように内力が働く。すなわち、気相二次冷媒は、蒸発器EPからガス配管50に向けて押し出されるから、蒸発管52の管路形状に抗して、二次回路44における正常な循環方向へ自然循環させることができる。ここで、液封部62では、気相二次冷媒の流通を阻むものの、液封部62の上方で凝縮して流下する液相二次冷媒は、液封部62を順次形成すると共に、液封部62を形成していた液相二次冷媒が重力の作用下に順次流下する。よって、液相二次冷媒の流通を、液封部62が阻害することはない。
前記二次熱交換部46では、気相二次冷媒が一次熱交換部36との熱交換により凝縮して、体積が減少することで該二次熱交換部46の内部の圧力が低下するから、ガス配管50に二次熱交換部46へ向かう吸引力が作用している。前述した如く、蒸発管52には、液相二次冷媒が全体に満たされる構成ではなく、蒸発管52の流出端52bおよびガス配管50が液相二次冷媒で封止されず開放しているから、ガス配管50にかかる吸引力を蒸発管52に対しても作用させることができる。よって、二次熱交換部46による吸引力を有効に利用して、気相二次冷媒を二次熱交換部46に還流させることができる。
前記冷却装置32における運転開始初期の段階では、二次熱交換部46に液封部62が形成されていない場合がある。この場合、蒸発器EPで蒸発した気相二次冷媒に対して、循環方向に外力が加わっていないから、液配管48を介して二次熱交換部46の下部に気相二次冷媒が逆流することも考えられる。ここで、液配管48を介して二次熱交換部46の下部に到来した気相二次冷媒は、一次熱交換部36により二次熱交換部46が既に冷却されているから、二次熱交換部46における各流路60bの下部で直ちに液化する。そして、この液相二次冷媒および正常な循環により二次熱交換部46で液化して流下してきた液相二次冷媒により、液封部62が二次熱交換部46における流路60bの下部に形成される。この液封部62により気相二次冷媒の逆流が阻まれると共に、気相二次冷媒に対し循環方向に向けて外力が働くから、気相二次冷媒は二次回路44において正常な循環方向へ循環される。
前記二次回路44によれば、液相二次冷媒が重力の作用下に蒸発管52を循環方向前側へ自然流下する構成であるから、少量の二次冷媒で広く伝熱面積を確保することができる。すなわち、二次回路44の二次冷媒量を低減し得るから、二次回路44自体を小型化することが可能となる。また、二次冷媒量が少なくなることで、冷却装置32を長期間に亘って停止する際に要する圧力最大値を低く抑えることができるので、二次回路44に求められる耐圧強度を低く設定することが可能となり、コストダウンを図り得ると共に設計の自由度を向上し得る。特に、二次冷媒として実施例の二酸化炭素の如く常温で蒸発するものを用いる場合は、二次回路44における内部圧力の最大値を低く抑えることができる。また、膨張タンク54の容量も削減でき、膨張タンク54の小型化、機械室20のスペースの有効活用およびコストダウンを図り得る。更に、既設設備であっても、熱交換器HEとしてプレート式熱交換器を用いていれば、実施例に係る蒸発器EPとするだけで、実施例の蒸発器EPによる二次冷媒の充填量の削減等の前述した優れた作用を享受し得る。なお、前述した如く二次冷媒の最大圧力値を抑制し得るので、ガス配管50に圧力逃がし弁(図示せず)を設ける場合であっても、圧力逃がし弁の設定値を低くし得る。
前記冷却装置32は、一次回路34と二次回路44とを熱交換器HEで接続し、この熱交換器HEにおいて、一次回路34の一次冷媒と二次回路44の二次冷媒とが蒸発および凝縮作用下に熱交換を行なう。すなわち、顕熱のみによる熱交換と比べて、非常に高い熱伝達率を持つので、一次回路34と二次回路44との間の伝熱面積を小さくすることができる。また、一次冷媒および二次冷媒は共に、潜熱により熱の輸送を行なうため、比較的少量で、多くの熱量を伝達することができるから、熱交換器HEにおける熱交換量を低下させる事なく、一次回路34および二次回路44の内容積を小さくする事が可能となる。従って、一次回路34の一次冷媒量および二次回路44の二次冷媒量を何れも低減でき、コストダウンや、一次回路34および二次回路44の小型化による冷却装置32の省スペース化を図り得る。
前記一次回路34に必要とされる一次冷媒量が少ないから、法令等で規定された冷媒の使用上限量を回避することができ、一次冷媒として使用する冷媒の種類についての選択肢の幅が広がる。また機械室20は、凝縮器CDおよび圧縮機CMを空冷する都合上、空気が入替えられる開放された空間とされる。このような機械室20に一次回路34を配設してあるから、一次冷媒が万が一漏出したとしても、機械室20に留まるおそれはない。また、機械室20は、台板24により閉鎖空間である収納室14と気密的に区切られているから、漏出した一次冷媒が収納室14に流入することはなく、収納室14に収納した物品に由来するアンモニアや硫化水素等の腐食性ガスが、機械室20に流入することもない。しかも、冷却装置32を一次回路34と二次回路44との二次ループで構成することで、二次回路44の冷却能力が高くなるから、蒸発熱や飽和圧等の冷媒としての特性に劣るものの、安全性に優れている二酸化炭素等を二次冷媒として選択することが可能となる。すなわち、二次回路44では、蒸発器EPが収納室14(冷却室28)に臨むが、例えば二次冷媒が収納室14に漏出したとしても、使用者に対する安全を担保し得る。
前記冷却装置32は、一次回路34の圧縮機CM、凝縮器CD、凝縮器ファンFMおよび熱交換器HEと、二次回路44の蒸発器EPおよび膨張タンク54とを台板24に共通的に配設する構成であるから、台板24を介して冷却装置32全体を一体的に取扱うことができる。すなわち、冷却装置32を冷蔵庫10に対して一体的に取付けまたは取外しを行なうことができ、メンテナンス性に優れ、修理等の保守作業も行ない易い。
前記一次回路34および二次回路44は、熱交換器HEの一次熱交換部36と二次熱交換部46とで熱的に接続されているが、冷媒の循環経路として互いに独立している。冷却装置32を停止(圧縮機CM:停止)した際に、一次回路34には凝縮器CDから高温の液相一次冷媒が一次熱交換部36に流入する。これにより熱交換器HEは昇温されるものの、二次回路44は独立しているから、蒸発器EPは昇温されることはなく、冷却装置32を停止した際の収納室14の温度上昇が緩やかになる。すなわち、冷却装置32により収納室14を所要の設定温度まで冷却することで、冷却装置32を停止した後、冷却装置32を再度駆動するまでの時間を長くすることができる。よって、冷却装置32の稼働率が低下するので、消費電力量の削減に繋がる。
前記膨張タンク54は、機械室20において凝縮器CD、凝縮器ファンFMおよび圧縮機CDと一直線上であって、凝縮器ファンFMによる空気流通方向の前側に配置される。このため、凝縮器ファンFMの駆動によりキャビネット16の前側から機械室20に取込んで凝縮器CDおよび圧縮機CMと熱交換して昇温した空気が、膨張タンク54に吹付けられるから、膨張タンク54は、一次回路34の排熱を利用して昇温される。ここで、膨張タンク54に滞留する二次冷媒の量は、圧力および温度に応じて変化する値であり、この圧力は、一次回路34において運転条件等で規定される蒸発温度に依存するので変化させることができない。そこで、膨張タンク54を一次回路34の排熱により昇温することで、膨張タンク54内の二次冷媒密度が低下するので、膨張タンク54に滞留する二次冷媒の量を減少させることができる。膨張タンク54に滞留する二次冷媒の量を減少させると、二次回路44における二次冷媒量を低減できるメリットがある。
(変更例)
本発明は、実施例の構成に限定されず、以下の如く変更することも可能である。
(1)蒸発器の蒸発管としては、外周に半径方向へ延出するフィンを設けた所謂フィンチューブや、外周に半径方向へ延出するフィンを螺旋状に設けた所謂スパイラルフィンチューブを採用してもよい。また、蒸発管の管路としては、流入端で複数(2系統)の系統に分岐されて、これら複数系統の分岐蒸発管が、循環方向前側に向けて下り勾配となるように蛇行状に延在し、流出端で再びまとめられる構成も採用し得る。
(2)実施例では、蒸発管の管路を流入端側から流出端側に向かうにつれて下方傾斜するように形成したが、全体として流出端側への重力作用下に液化冷媒を拡散し得るのであれば、管路の一部に流出端側に向けて上方傾斜する部位あるいは水平に延在する部位を設けてもよい。
(3)実施例の蒸発管は、流入端と流出端との上下位置の間で延在するように管路を形成したが、少なくとも流出端より上方に延在させればよい。
(4)実施例では、気相二次冷媒の逆流を防ぐ手段として、プレート式熱交換器における二次熱交換部の流路に形成される液封部を利用したが、これに限定されず、熱交換器の内部における液配管との接続部近傍から液配管の間に、気相二次冷媒に対し流通抵抗となる抗力を設ければよい。例えば、熱交換器の内底部または液配管の途中に液相二次冷媒を貯留する構成として、この貯留部に溜る二次冷媒のヘッド(水頭)を抵抗部としてもよい。更には、液配管に流れ抵抗が大きくなる手段や、絞り部あるいはトラップ等を設ける配管形状としたり、あるいは液配管に介挿した逆止弁等も抵抗部として用いることができる。これら種々の態様の抵抗部を単体で用いるだけでなく、実施例および変更例の構成を組合わせて抵抗部として機能させてもよい。
(5)実施例に係るサーモサイフォンは、空調設備等の冷却回路にも適用可能である。
(6)実施例の蒸発器は、蒸発管が延在する構成であるが、箱体の内部を壁で区切ることで冷媒経路を形成したタイプの蒸発管であってもよい。
(7)実施例では、機械室に配設する機器の共通基板となる台板により、機械室と収納室との間で空気の流通がないように収納室と機械室とを区切る構成であるが、機械室と収納室とを箱体の天板で区切る構成であってもよい。
(8)実施例では、冷蔵庫の冷却装置として本願発明に係るサーモサイフォンを採用する場合について説明したが、冷凍庫、冷凍・冷蔵庫、ショーケースおよびプレハブ庫等の所謂貯蔵庫に対しても適用し得る。
(9)実施例では、冷却装置の一次回路として機械圧縮式の冷凍回路を採用したが、吸収式やその他の冷凍回路も採用することができる。
(10)実施例の熱交換器として、一次回路の第1熱交換部と二次回路の第2熱交換部と備えたプレート式熱交換器を用いたが、第1熱交換部と第2熱交換部とを別体で構成したり、他の方式の熱交換器であってもよい。
(11)実施例では、一次回路において液化冷媒を減圧する手段として膨張弁を用いたが、これに限られず、キャピラリーチューブまたはその他の減圧手段を採用し得る。
本発明の好適な実施例に係る冷却装置により冷却される冷蔵庫を示す側断面図である。 実施例の冷蔵庫における機械室を示す平断面図である。 実施例の冷却装置を示す概略回路図である。 実施例の熱交換器を示す側断面図である。 実施例の蒸発器を示す模式図である。 実施例の蒸発管の断面図であって、(a)は図3のA−A線断面を示し、(b)は図3のB−B線断面を示す。 従来のサーモサイフォンを示す概略回路図である。 従来のサーモサイフォンにおける蒸発器を示す模式図であって、(a)は冷媒量が少ない場合を示し、(b)は冷媒量が適正である場合を示し、(c)は冷媒量が過剰である場合を示す。
符号の説明
14 収納室(閉鎖空間),20 機械室(開放空間),24 台板(隔壁),34 一次回路
44 二次回路,46 二次熱交換部(熱交換部),48 液配管,50 ガス配管
52 蒸発管(冷媒経路),52a 流入端,52b 流出端,54 膨張タンク
62 液封部(抵抗部,液封された部位),EP 蒸発器

Claims (1)

  1. 気化冷媒を凝縮して液化冷媒とする熱交換部(46)と、この熱交換部(46)の下方に配置され、液化冷媒を蒸発させて気化冷媒とする蒸発器(EP)とを、液配管(48)およびガス配管(50)で接続し、液化冷媒を熱交換部(46)から蒸発器(EP)へ液配管(48)を介して流下させると共に、気化冷媒を蒸発器(EP)から熱交換部(46)へガス配管(50)を介して流通させる自然循環サイクルを形成し、前記蒸発器(EP)に延在する冷媒経路(52)は、前記液配管(48)の下端に接続する流入端(52a)を、該蒸発器(EP)の上部に配置すると共に、前記ガス配管(50)の下端に接続する流出端(52b)を、該蒸発器(EP)の下部に配置した冷却装置において、
    前記熱交換部(46)は、複数のプレート(60)を離間させて並列に対向配置し、対向するプレート(60,60)の間に複数の冷媒流路(60a,60b)が並列に形成され、該熱交換部(46)の下部には、一次回路(34)の冷媒配管(38)に接続する一次流入路(64)が設けられ、
    前記熱交換部(46)の上部には、一次回路(34)の冷媒配管(38)に接続する一次流出路(66)が設けられ、該熱交換部(46)の上部には、二次回路(44)に接続する二次流入路(68)が設けられ、該熱交換部(46)の下部には、二次回路(44)に接続する二次流出路(70)が設けられ、
    前記一次流入路(64)および一次流出路(66)が連通する1つおきの流路(60a)により一次熱交換部(36)が構成され、
    前記二次流入路(68)および二次流出路(70)は、前記一次流入路(64)および一次流出路(66)が開口する流路(60a)とは互い違いに並んだ流路(60b)に対し開口するようになっており、二次流入路(68)および二次流出路(70)が連通する1つおきの流路(60b)により二次熱交換部(46)が構成され、
    前記二次熱交換部(46)では、対向するプレート(60,60)の間の冷媒流路(60b)が狭小に設定されて、液相二次冷媒の粘着力や表面張力が作用して、二次回路(44)側の冷媒流路(60b)の下部が液相二次冷媒で塞がれた液封を生じるように構成した
    ことを特徴とする冷却装置。
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