JP2009084548A - 記録用インク、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及びインク記録物 - Google Patents

記録用インク、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及びインク記録物 Download PDF

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Abstract

【課題】普通紙に対する画像品質及び高速印字対応に優れ、かつ保存安定性及び吐出安定性が良好であり、裏抜け及びコックリングが生じ難い記録用インク等の提供。
【解決手段】少なくとも水、水溶性有機溶剤、界面活性剤、及び着色剤を含有し、着色剤がカーボンブラックを含む水不溶性ビニルポリマー粒子の水分散体を含有し、かつ該着色剤の体積平均粒径が40nm〜100nmであり、記録用インクを40℃に加熱したプレート上で5分間乾燥処理してせん断速度100/sでせん断をかけた際の前記記録用インクの粘度(A)と、乾燥処理を行わずせん断速度100/sでせん断をかけた際の記録用インクの粘度(B)とが、次式、A/B≦3を満たし、記録用インクを乾燥させて初期質量の70%の質量になった時の粘度(C)と、初期質量の60%になった時の粘度(D)との比(C/D)が、1/4以上である記録用インクとする。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録用として好適な記録用インク、並びに該記録用インクを用いたインクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及びインク記録物に関する。
インクジェットプリンタは、普通紙への印字が可能で、カラー化が容易であり、かつ小型で価格も安価で、しかもランニングコストが低いなどの理由から、近年、急速に普及してきている。
このようなインクジェットプリンタに用いられる記録用インクに要求される特性としては、一般に、高画質を達成するための色調、画像濃度、滲み等;信頼性を達成するためのインク中の着色剤の溶解乃至分散安定性、保存安定性、吐出安定性等;記録画像の保存性を確保するための耐水性、耐光性等;高速化を達成するためのインクの速乾性などが挙げられ、これらの要求を満たすように様々な提案がなされてきている。
前記記録用インクの着色剤としては、その発色性の良さや信頼性の高さ等の点から、当初は染料インクが主体であったが、近年では、記録画像に耐光性及び耐水性を持たせるためにカーボンブラック等の顔料を用いたインクにも注目が集まっている。
また、印字品質の高画像化及び高速印字を達成するために、最近ではインクを小滴化する傾向にあり、そのためにノズル径も小径化される方向にある。
しかしながら、着色剤として顔料を使用し、かつノズル径の小径化されたプリンタでの吐出安定性を確保することは極めて困難であり、インクの他の特性と両立させる試みがこれまで数多くなされているが、充分満足できる対応はなされていないのが現状である。
これまでは、プリンタの信頼性の向上を図るため、粘度の上昇を極力抑える方向でインクが設計されている。例えば、特許文献1では、インクの2倍濃縮時の粘度変化を10倍以内、かつ粒径変化を3倍以内にすることにより、顔料の凝集がインクの広がりを抑制することを防ぎ、白抜けを防止できるとしているが、このインクでは普通紙上で高画質画像を形成することは困難である。
また、特許文献2では、インク中の揮発成分を蒸発した後の残留分が液体であり、かつその粘度が初期粘度の10倍以内であるインクが開示されているが、このインクは染料インクであり、信頼性は高いものの、やはり普通紙での画質が劣るものである。
また、特許文献3及び特許文献4では、極めて良好な吐出安定性を保証するインクジェット記録方法として、自己分散型顔料を含むインクジェット記録用インク組成物を用いるインクジェット記録方法が開示されているが、本発明が目指す良好な吐出安定性を得るには至っていない。
また、特許文献5では、インクの水分蒸発に伴う粘度上昇率(mPa・s/%)が、全インク質量に対する水分蒸発量が30質量%までは5.0以下であり、かつ、水分蒸発量が30質量%〜45質量%の間に粘度上昇率が50を超える点を持つように処方されたインクが提案されている。確かにインク乾燥性が良く普通紙上で高速印字及び高品位な印字品質を示す。しかし、この提案では、インク乾燥性が早いため吐出安定性に劣り、かつノズルキャップなしで放置される場合のような異常な条件においては、正常な噴射状態に回復することが困難で、耐目詰まり性に劣るものである。
また、特許文献6では、60℃で100時間保管した後のせん断速度1400/sでのインク粘度の変化が0.3mPa・s以下であるインクが開示されているが、本発明のカビニルポリマーと、カーボンブラックとを含むカーボンブラック水分散体からなる着色剤とは異なるものである。
したがって高速かつ高品位な画像品質を確保するためには粘度の高い記録用インクを使用する必要があるが、このような粘度の高い記録用インクは信頼性を確保することが難しく、未だ十分に使いこなせていないのが現状である。
特開2002−337449号公報 特開2000−95983号公報 特開2006−239915号公報 特開2006−307130号公報 特開2006−16412号公報 特開平11−228891号公報
本発明は、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、普通紙に対する画像品質及び高速印字対応に優れ、かつ保存安定性及び吐出安定性が良好であり、裏抜け及びコックリングが生じ難い記録用インク、並びに該記録用インクを用いたインクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及びインク記録物を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては以下の通りである。即ち、
<1> 少なくとも水、水溶性有機溶剤、界面活性剤、及び着色剤を含有する記録用インクであって、
前記着色剤がカーボンブラックを含む水不溶性ビニルポリマー粒子の水分散体を含有し、かつ該着色剤の体積平均粒径が40nm〜100nmであり、
前記記録用インクを40℃に加熱したプレート上で5分間乾燥処理してせん断速度100/sでせん断をかけた際の前記記録用インクの粘度(A)と、前記乾燥処理を行わずせん断速度100/sでせん断をかけた際の前記記録用インクの粘度(B)とが、次式、A/B≦3を満たし、
前記記録用インクを乾燥させて初期質量の70%の質量になった時の粘度(C)と、初期質量の60%になった時の粘度(D)との比(C/D)が、1/4以上であることを特徴とする記録用インクである。
<2> 記録用インクの25℃での粘度が、5mPa・s〜20mPa・sである前記<1>に記載の記録用インクである。
<3> 水溶性有機溶剤が、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、テトラエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、及びN−ヒドロキシエチル−2−ピロリドンから選択される少なくとも1種である前記<1>から<2>のいずれかに記載の記録用インクである。
<4> 界面活性剤が、フッ素系界面活性剤を含有する前記<1>から<3>のいずれかに記載の記録用インクである。
<5> 前記<1>から<4>のいずれかに記載の記録用インクを容器中に収容してなることを特徴とするインクカートリッジである。
<6> 前記<1>から<4>のいずれかに記載の記録用インクに刺激を印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とするインクジェット記録方法である。
<7> 刺激が、熱、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種である前記<6>に記載のインクジェット記録方法である。
<8> インク付着量が1.5g/m〜15g/mである前記<6>から<7>のいずれかに記載のインクジェット記録方法である。
<9> 前記<1>から<4>のいずれかに記載の記録用インクに刺激を印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔手段を少なくとも有することを特徴とするインクジェット記録装置である。
<10> 刺激が、熱、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種である前記<9>に記載のインクジェット記録装置である。
<11> 記録媒体の記録面を反転させて両面印刷可能とする反転手段を有する前記<9>から<10>のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
<12> 記録用インクを飛翔させるヘッドが、インク吐出面に撥水加工処理を施したノズルプレートを有する前記<9>から<11>のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
<13> 撥水加工が、PTFE−Ni共析加工、フッ素樹脂加工、及びシリコーン樹脂加工から選択されるいずれかである前記<12>に記載のインクジェット記録装置である。
<14> 無端状の搬送ベルトと、該搬送ベルト表面を帯電させて記録媒体を保持しながら搬送する搬送手段を有する前記<9>から<13>のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
<15> 記録ヘッド上にインクを供給するためのサブタンクを有し、該サブタンクにインクカートリッジから供給チューブを介してインクが補充される前記<9>から<14>のいずれかに記載のインクジェット記録装置である。
<16> 記録媒体上に、前記<1>から<4>のいずれかに記載の記録用インクを用いて形成された画像を有してなることを特徴とするインク記録物である。
<17> ベタ部の画像濃度が2.0以上であり、かつ入射角60°での光沢度が50以上である前記<16>に記載のインク記録物である。
本発明の記録用インクは、少なくとも水、水溶性有機溶剤、界面活性剤、及び着色剤を含有する記録用インクであって、
前記着色剤がカーボンブラックを含む水不溶性ビニルポリマー粒子の水分散体を含有し、かつ該着色剤の体積平均粒径が40nm〜100nmであり、
前記記録用インクを40℃に加熱したプレート上で5分間乾燥処理してせん断速度100/sでせん断をかけた際の前記記録用インクの粘度(A)と、前記乾燥処理を行わずせん断速度100/sでせん断をかけた際の前記記録用インクの粘度(B)とが、次式、A/B≦3を満たし、
前記記録用インクを乾燥させて初期質量の70%の質量になった時の粘度(C)と、初期質量の60%になった時の粘度(D)との比(C/D)が、1/4以上である。
本発明の記録用インクにおいては、前記着色剤がカーボンブラックを含む水不溶性ビニルポリマー粒子の水分散体を含有し、かつ該着色剤の体積平均粒径が40nm〜100nmであり、
前記記録用インクを40℃に加熱したプレート上で5分間乾燥処理してせん断速度100/sでせん断をかけた際の前記記録用インクの粘度(A)と、前記乾燥処理を行わずせん断速度100/sでせん断をかけた際の前記記録用インクの粘度(B)とが、次式、A/B≦3を満たし、
前記記録用インクを乾燥させて初期質量の70%の質量になった時の粘度(C)と、初期質量の60%になった時の粘度(D)との比(C/D)が、1/4以上であるので、水分蒸発時の粘度挙動が適正化され、インクの安定性が向上し、普通紙に対する画像品質及び高速印字対応に優れ、かつ保存安定性及び吐出安定性が良好となる。
本発明のインクカートリッジは、本発明の前記記録用インクを容器中に収容してなる。該インクカートリッジは、インクジェット記録方式によるプリンタ等に好適に使用される。該インクカートリッジに収容されたインクを用いて記録を行うと、印字時のヘッドの目詰まりがなく吐出安定性及びインクの保存安定性に優れ、耐水性、耐光性等の画像堅牢性に優れた画像が得られ、専用記録紙だけでなく普通紙においても良好な色調の高品位画像が得られる。
本発明のインクジェット記録装置は、本発明の前記記録用インクにエネルギーを印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔手段を少なくとも有してなる。該インクジェット記録装置においては、前記インク飛翔手段が、本発明の前記記録用インクにエネルギーを印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を記録する。その結果、印字時のヘッドの目詰まりがなく吐出安定性に優れ、耐水性、耐光性等の画像堅牢性に優れた画像が得られ、専用記録紙だけでなく普通紙においても良好な色調の高品位画像が得られる。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明の前記記録用インクにエネルギーを印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも含んでなる。該インクジェット記録方法においては、前記インク飛翔工程において、本発明の前記記録用インクにエネルギーを印加し、該記録用インクを飛翔させて画像が記録される。その結果、印字時のヘッドの目詰まりがなく吐出安定性に優れ、耐水性、耐光性等の画像堅牢性に優れた画像が得られ、専用記録紙だけでなく普通紙においても良好な色調の高品位画像が得られる。
本発明のインク記録物は、記録媒体上に本発明の前記記録用インクを用いて形成された画像を有してなる。本発明のインク記録物においては、印字時のヘッドの目詰まりがなく吐出安定性に優れ、耐水性、耐光性等の画像堅牢性に優れた画像が得られ、専用記録紙だけでなく普通紙においても良好な色調の高品位画像が前記記録媒体に保持される。
本発明によると、従来における諸問題を解決することができ、普通紙に対する画像品質及び高速印字対応に優れ、かつ保存安定性及び吐出安定性が良好であり、裏抜け及びコックリングが生じ難い記録用インク、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及びインク記録物を提供することができる。
(記録用インク)
本発明の記録用インクは、少なくとも水、水溶性有機溶剤、界面活性剤、及び着色剤を含有してなり、炭素数7〜11のジオール化合物、樹脂エマルジョン、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
本発明においては、前記記録用インクを40℃に加熱したプレート上で5分間乾燥処理してせん断速度100/sでせん断をかけた際の前記記録用インクの粘度(A)と、前記乾燥処理を行わずせん断速度100/sでせん断をかけた際の前記記録用インクの粘度(B)とが、次式、A/B≦3を満たし、A/B≦2が好ましく、A/B≦1.5がより好ましい。前記(A/B)が3を超えると、吐出安定性が低下してしまうことがある。
前記記録用インクをせん断速度100/sから100,000/sまでせん断速度を変えてせん断をかけた際の粘度は、JIS Z8803「液体の粘度−測定方法」に基づき、例えば円錐平板型回転粘度計(コーン・プレート タイプ)(Physica MCR301、Anton Paar社製)により測定することができる。
前記記録用インクを乾燥させて初期質量の70%の質量になった時の粘度(C)と、初期質量の60%になった時の粘度(D)との比(C/D)が1/4以上であり、0.3以上が好ましい。前記比(C/D)が1/4未満であると、記録用インクの吐出安定性が悪く、短期及び長期の信頼性確保が困難となることがある。
また、前記記録用インクの25℃での粘度は、5mPa・s〜20mPa・sが好ましく、6mPa・s〜15mPa・sがより好ましい。前記粘度が、5mPa・s未満であると、インク滴の形状、高速のインク吐出周波数特性が不良となることがあり、20mPa・sを超えると、吐出安定性の確保が困難となることがある。
前記記録用インクの粘度は、例えばR550形粘度計(東機産業株式会社製)により、25℃で測定することができる。
−着色剤−
前記着色剤としては、カーボンブラックを含む水不溶性ビニルポリマー粒子の水分散体が用いられる。
なお、前記ビニルポリマーは、カーボンブラックを含んでいればよく、カーボンブラック表面の少なくとも一部を被覆(付着)していてもよい。
前記ビニルポリマーとしては、直鎖状であり、カーボンブラックを包含し、水不溶性であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アリールアルキル基又はアリール基を含むアクリレート由来の構成単位を有するものが好適であり、塩生成基含有モノマー、スチレン系マクロマー、疎水性モノマー、(メタ)アクリロニトリル、ヒドロキシ基を有するものなどを用いることもできる。また、炭素数1〜22、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリレート類、スチレン以外の芳香環含有モノマー、片末端に重合性官能基を有するシリコーン系マクロマー、アルキルメタクリレート系マクロマーに由来する構成単位を含んでいてもよい。
前記カーボンブラックとしては、特に制限はなく、公知のカーボンブラックの製造方法で製造されたものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、チャンネル法、オイルファーネス法、ファーネス法、アセチレンブラック法、サーマルブラック法等で製造されたものを用いることができる。
前記着色剤としてのカーボンブラックの体積平均粒径は、40nm〜100nmであり、60nm〜80nmが好ましい。前記体積平均粒径が、40nm未満であると、分散安定性を確保することが困難であり、印字した場合でも、画像の精細性は得られても、均一な画像が得られずムラが生じることがあり、100nmを超えると、吐出安定性の低下が生じることがある。
前記カーボンブラックは、BET法による比表面積が50m/g〜300m/gであるものが好ましい。
前記カーボンブラックは、DBP吸油量が50ml/100g〜300ml/100gであることが好ましく、100ml/100g〜300ml/100gであることがより好ましい。前記DBP吸油量は、カーボンブラックにDBP(ジブチルフタレート)を滴下しカーボンの空隙に進入させ、カーボンブラック100g当たりの隙間を埋めるのに必要なDBP量より求めることができる。
前記カーボンブラックとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば、#2700、#2650、#2600、#2450B、#2400B、#2350、#230、#1000、#990、#980、#970、#960、#950、#900、#850、#750B、MCF88、#650B、MA600、MA77、MA7、MA8、MA11、MA100、MA100R、MA100S、MA220、MA230、MA200RB、MA14、#52、#50、#47、#45、#45L、#44、#40、#33、#32、#30、#25、#20、#10、#5、#95、#85、CF9、#260(いずれも、三菱化学株式会社製);Raven700、Raven5750、Raven5250、Raven5000、Raven3500、Raven1255(いずれも、コロンビア社製);Regal400R、Regal330R、Regal660R、MogulL、Monarch700、Monarch800、Monarch880、Monarch900、Monarch1000、Monarch1100、Monarch1300、Monarch1400(いずれも、キャボット社製);カラーブラックFW1、カラーブラックFW2、カラーブラックFW2V、カラーブラックFW18、カラーブラックFW200、カラーブラックS150、カラーブラックS160、カラーブラックS170、プリンテックス35、プリンテックスU、プリンテックスV、プリンテックス140U、プリンテックス140V、スペシャルブラック6、スペシャルブラック5、スペシャルブラック4A、スペシャルブラック4(いずれも、デグッサ社製);トーカブラック#8500、トーカブラック#8300、トーカブラック#7550、トーカブラック#7400、トーカブラック#7360、トーカブラック#7350、トーカブラック#7270、トーカブラック#7100(いずれも、東海カーボン株式会社製);シヨウブラックN110、シヨウブラックN220、シヨウブラックN234、シヨウブラックN339、シヨウブラックN330、シヨウブラックN326、シヨウブラックN330T、シヨウブラックMAF、シヨウブラックN550(いずれも、キャボットジャパン社製)、などが挙げられる。
前記着色剤としてのカーボンブラック水分散体の前記記録用インクにおける含有量は、固形分で、0.5質量%〜20質量%が好ましく、1質量%〜10質量%がより好ましい。
また、前記着色剤としては、上記カーボンブラックと共に、シアン、マゼンタ、イエローの各顔料を用いることができ、これによりカラーインクとすることができる。これらの中でも、色材を含有させたポリマー微粒子の水分散物が好適に用いられる。
ここで、前記「色材を含有させた」とは、ポリマー微粒子中に色材を封入した状態及びポリマー微粒子の表面に色材を吸着させた状態の何れか又は双方を意味する。この場合、本発明のインクに配合される色材はすべてポリマー微粒子に封入又は吸着されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、該色材がエマルジョン中に分散していてもよい。前記色材としては、水不溶性又は水難溶性であって、前記ポリマーによって吸着され得る色材であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
ここで、前記「水不溶性又は水難溶性」とは、20℃で水100質量部に対し色材が10質量部以上溶解しないことを意味する。また、「溶解する」とは、目視で水溶液表層又は下層に色材の分離や沈降が認められないことを意味する。
前記色材を含有させたポリマー微粒子に使用されるポリマーは、例えば前記カーボンブラックを包含する水不溶性ビニルポリマーとして使用されているものが挙げられる。
前記色材を含有させたポリマー微粒子(着色微粒子)の体積平均粒径は、インク中において0.01μm〜0.16μmが好ましい。前記体積平均粒径が、0.01μm未満であると、微粒子が流動しやすいための文字滲みが大きくなったり、耐光性が劣ってしまうことがあり、0.16μmを超えると、ノズルが目詰まりやすくなったり、発色性が悪くなってしまうことがある。
前記色材の色としては、カラー用のものが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記カラー用のものとしては、イエローインク用では、例えばC.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG)、3、12(ジスアゾイエローAAA)、13、14、17、23、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83(ジスアゾイエローHR)、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、128、138、150、153、などが挙げられる。
マゼンタインク用では、例えば、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22(ブリリアントファーストスカーレット)、23、31、38、48:2(パーマネントレッド2B(Ba))、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3(パーマネントレッド2B(Sr))、48:4(パーマネントレッド2B(Mn))、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81(ローダミン6Gレーキ)、83、88、92、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(ジメチルキナクリドン)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219、などが挙げられる。
シアン用では、例えば、C.I.ピグメントブルー1、2、15(銅フタロシアニンブルーR)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルーG)、15:4、15:6(フタロシアニンブルーE)、16、17:1、56、60、63、などが挙げられる。
また、中間色としてはレッド、グリーン、ブルー用として、C.I.ピグメントレッド177、194、224;C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントバイオレット3,19,23,37;C.I.ピグメントグリーン7、36、などが挙げられる。
−水溶性有機溶剤−
前記水溶性有機溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、溶解性と水分蒸発による噴射特性不良の防止に対して優れた効果が得られる点から、例えばグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、テトラエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、グリセリン、2−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドンが特に好ましい。
本発明の目的及び効果を損なわない範囲で使用してもよいその他の水溶性有機溶剤としては、例えば、ポリプロピレングリコール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類;1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム等の含窒素複素環化合物;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;モノエタノ−ルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類;ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物類;プロピレンカーボネート、炭酸エチレンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記水溶性有機溶剤の前記記録用インクにおける含有量は、10質量%〜40質量%が好ましく、25質量%〜35質量%がより好ましい。前記含有量が、10質量%未満であると、インクの保存安定性、及び吐出安定性が悪くなり、ノズルの目詰まりが起こりやすくなり、40質量%を超えると、乾燥性が悪くなり、文字の滲みや色境界の滲みが発生し、画像品質が低下することになる。
−炭素数7〜11のジオール化合物−
本発明の記録用インクは、浸透性の向上を目的として、炭素数7〜11のジオール化合物を用いることができる。前記炭素数が、7未満であると、十分な浸透性が得られず、両面印刷時に記録媒体を汚したり、記録媒体上でのインクの広がりが不十分で画素の埋まりが悪くなるため、文字品位や画像濃度の低下が生じることがあり、11を超えると保存安定性が低下することがある。
前記ジオール化合物としては、例えば、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールなどが好適である。
前記ジオール化合物の前記記録用インクにおける含有量は、0.1質量%〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。前記含有量が、0.1質量%未満であると、インクの紙への浸透性が劣り、搬送時にコロで擦られて汚れが発生したり、両面印字のため記録媒体の記録面を反転させる際に搬送ベルトにインクを付着させて汚れが発生したり、高速印字や両面印字に対応できないことがある。一方、前記含有量が、20質量%を超えると、印字ドット径が大きくなり、文字の線幅が広くなったり、画像鮮明度が低下してしまうことがある。
−界面活性剤−
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤、などが挙げられる。これらの中でも、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤が特に好ましい。
前記アニオン系界面活性剤としては、例えばアルキルアリル、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキルアリールエーテルリン酸塩、アルキルアリールエーテル硫酸塩、アルキルアリールエーテルエステル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンオレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、エーテルカルボキシレート、スルホコハク酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル、脂肪酸塩、高級脂肪酸とアミノ酸の縮合物、ナフテン酸塩、などが挙げられる。
前記カチオン系界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、脂肪族アミン塩、ベンザルコニウム塩、第4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩等が挙げられる。
前記ノニオン系界面活性剤としては、例えばアセチレングリコール系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、などが挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、イミダゾリニウムベタイン等のイミダゾリン誘導体;ジメチルアルキルラウリルベタイン、アルキルグリシン、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、下記一般式(I)〜(III)で表される化合物が好適に挙げられる。
Figure 2009084548

ただし、前記一般式(I)中、mは、0〜10の整数を表す。nは、1〜40の整数を表す。
Figure 2009084548
前記一般式(II)において、Rfはフッ素含有基を表し、特にパーフルオロアルキル基が好ましい。
前記パーフルオロアルキル基としては、炭素数が1〜10のものが好ましく、1〜3のものがより好ましく、例えば、−C2n−1(ただし、nは1〜10の整数を表す)などが挙げられる。該パーフルオロアルキル基としては、例えば、−CF、−CFCF、−C、−C、などが挙げられ、これらの中でも、−CF、−CFCFが特に好ましい。
m、n、及びpは、それぞれ整数を表し、nは1〜4、mは6〜25、pは1〜4が好ましい。
Figure 2009084548
前記一般式(III)において、Rfは、フッ素含有基を表し、上記一般式(II)と同様のパーフルオロアルキル基が好ましく、例えば、CF、CFCF、C、Cなどが好適に挙げられる。
はカチオン基を表し、例えば、第4級アンモニウム基;ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属イオン;トリエチルアミン、トリエタノールアミン、などが挙げられ、これらの中でも第4級アンモニウム基が特に好ましい。
はアニオン基を表し、例えば、COO、SO3−、SO4−、PO4―、などが挙げられる。qは、1〜6が好ましい。
前記フッ素系界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
該市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF−470、F1405、F−474(いずれも、大日本インキ化学工業株式会社製);ゾニールTBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR(いずれも、デュポン社製);FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、株式会社ネオス製);PF−151N(オムノバ社製)などが挙げられる。これらの中でも、信頼性と発色性の向上に関して良好な点から、ゾニールFS−300、FSN、FSN−100、FSO(いずれも、デュポン社製)が特に好ましい。
前記界面活性剤の前記記録用インクにおける含有量は、0.01質量%〜5.0質量%が好ましく、0.5質量%〜3質量%がより好ましい。前記含有量が、0.01質量%未満であると、添加した効果はなく、5.0質量%を超えると、記録媒体への浸透性が必要以上に高くなり、画像濃度の低下や裏抜けの発生といった問題が発生することがある。
−樹脂エマルジョン−
前記記録用インク中には、画像定着性向上のために樹脂エマルジョンを添加することが好ましい。ここで、前記樹脂エマルジョンとは、樹脂微粒子を連続相としての水中に分散したものであり、必要に応じて界面活性剤のような分散剤を含有してもよい。分散相成分としての樹脂微粒子の含有量(樹脂エマルジョン中の樹脂微粒子の含有量)は、一般的には10質量%〜70質量%程度が好ましい。
前記樹脂微粒子の粒径は、インクジェット記録に使用することを考慮すると、体積平均粒径で10nm〜1,000nmが好ましく、20nm〜300nmがより好ましい。
前記分散相の樹脂微粒子成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、アクリル−シリコーン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、定着性が良好である点からアクリル−シリコーン樹脂が特に好ましい。
前記アクリル−シリコーン樹脂は、アクリル系モノマーとシラン化合物を乳化剤の存在下、重合して得られ、加水分解性シリル基を含まないことが好ましい。前記シリル基は、加水分解してシラノール基となり、該シラノール基は脱水縮合してシロキサン結合が生じる。シリコーン樹脂におけるシロキサン結合は結合エネルギーが高いため、シロキサン結合を含む塗膜は耐擦過性や耐溶剤性に優れている。なお、前記加水分解性シリル基が残存していると、記録用インクとしたときの保存性が悪化することがある。また、シリコーン変性アクリル樹脂は熱安定性に優れており、熱エネルギーを印加してインクを飛翔させる手段を取る場合、コゲーションの発生がなく安定した吐出が可能となる。
前記樹脂エマルジョンとしては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
該市販品としては、例えば、例えば、マイクロジェルE−100、E−2002、E−5002(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ペイント株式会社製);ボンコート5454(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製);ジョンクリル775(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、ジョンソンポリマー株式会社製);SAE1014(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ゼオン株式会社製);サイビノールSK−200(アクリル系樹脂エマルジョン、サイデン化学株式会社製);プライマルAC−22、AC−61(アクリル系樹脂エマルジョン、ローム・アンド・ハース社製);ナノクリルSBCX−2821、3689(アクリル−シリコーン系樹脂エマルジョン、東洋インキ製造株式会社製);#3070(メタクリル酸メチル重合体樹脂エマルジョン、御国色素株式会社製);ペスレジンA210(ポリエステル樹脂エマルジョン、高松油脂株式会社製)、などが挙げられる。
前記樹脂エマルジョンの前記記録用インクにおける含有量は、固形分で0.1質量%〜30質量%が好ましく、1質量%〜20質量%がより好ましく、5質量%〜15質量%が更に好ましい。前記含有量が、0.1質量%未満であると、十分な定着性が得えられないことがあり、30質量%を超えると、保存安定性が悪化したり、吐出性が低下することがある。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、必要に応じて適宜選択することができ、例えば、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤、などが挙げられる。
前記pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響をおよぼさずにpHを7以上に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて任意の物質を使用することができる。
前記pH調製剤としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物;水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、などが挙げられる。
前記防腐防黴剤としては、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、などが挙げられる。
前記防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト、などが挙げられる。
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、りん系酸化防止剤、などが挙げられる。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、などが挙げられる。
本発明の記録用インクは、水、カーボンブラック分散体、水溶性有機溶剤、界面活性剤、好ましくは樹脂エマルジョン、浸透剤、更に必要に応じてその他の成分を混合攪拌して製造することができる。攪拌混合は通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行うことができる。
本発明の記録用インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、固形分量、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
前記記録用インク中の固形分量は3質量%〜30質量%が好ましく、6質量%〜15質量%がより好ましい。前記固形分量が、6質量%未満であると、印字後十分な画像濃度を得ることができないことがある。ここで、本発明におけるインク中の固形分量とは、主として水不溶の着色剤と樹脂微粒子を意味する。
前記インクの表面張力としては、20℃で、25mN/m〜55mN/mが好ましい。前記表面張力が、25mN/m未満であると、記録媒体上での滲みが顕著になり、安定した噴射が得られないことがあり、55mN/mを超えると、記録媒体へのインク浸透が十分に起らず、乾燥時間の長時間化を招くことがある。
前記インクのpHとしては、例えば、7〜10が好ましい。
本発明の記録用インクは、各種分野において好適に使用することができ、インクジェット記録方式による画像記録装置(プリンタ等)において好適に使用することができ、例えば、印字又は印字前後に記録用紙及び前記記録用インクを50℃〜200℃で加熱し、印字定着を促進する機能を有するもののプリンタ等に使用することもでき、以下の本発明のインクカートリッジ、インク記録物、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法に特に好適に使用することができる。
(インクカートリッジ)
本発明のインクカートリッジは、本発明の前記記録用インクを容器中に収容してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材等を有してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、目的に応じてその形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で形成されたインク袋などを少なくとも有するもの、などが好適に挙げられる。
次に、インクカートリッジについて、図1及び図2を参照して説明する。ここで、図1は、本発明のインクカートリッジの一例を示す図であり、図2は図1のインクカートリッジのケース(外装)も含めた図である。
インクカートリッジ200は、図1に示すように、インク注入口242からインク袋241内に充填され、排気した後、該インク注入口242は融着により閉じられる。使用時には、ゴム部材からなるインク排出口243に装置本体の針を刺して装置に供給される。
インク袋241は、透気性のないアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。このインク袋241は、図2に示すように、通常、プラスチック製のカートリッジケース244内に収容され、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いられるようになっている。
本発明のインクカートリッジは、本発明の前記記録用インク(インクセット)を収容し、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いることができ、また、後述する本発明のインクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いるのが特に好ましい。
(インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法)
本発明のインクジェット記録装置は、インク飛翔手段を少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、刺激発生手段、制御手段等を有してなる。
本発明のインクジェット記録方法は、インク飛翔工程を少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、刺激発生工程、制御工程等を含む。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインクジェット記録装置により好適に実施することができ、前記インク飛翔工程は前記インク飛翔手段により好適に行うことができる。また、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に行うことができる。
−インク飛翔工程及びインク飛翔手段−
前記インク飛翔工程は、前記本発明の記録用インクに、刺激を印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を記録する工程である。
前記インク飛翔手段は、前記本発明の記録用インクに、刺激を印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を記録する手段である。該インク飛翔手段としては、特に制限はなく、例えば、インク吐出用の各種のノズル、などが挙げられる。
本発明においては、該インクジェットヘッドの液室部、流体抵抗部、振動板、及びノズル部材の少なくとも一部がシリコン及びニッケルの少なくともいずれかを含む材料から形成されることが好ましい。
また、インクジェットノズルのノズル径は、30μm以下が好ましく、1μm〜20μmが好ましい。
記録用インクを飛翔させるヘッドが、インク吐出面に撥水加工処理を施したノズルプレートを有することが好ましく、該撥水加工が、PTFE−Ni共析加工、フッ素樹脂加工、及びシリコーン樹脂加工から選ばれるいずれかであることが好ましい。
また、インクジェットヘッド上にインクを供給するためのサブタンクを有し、該サブタンクにインクカートリッジから供給チューブを介してインクが補充されるように構成することが好ましい。
前記刺激は、例えば、前記刺激発生手段により発生させることができ、該刺激としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、熱(温度)、圧力、振動、光、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱、圧力が好適に挙げられる。
なお、前記刺激発生手段としては、例えば、加熱装置、加圧装置、圧電素子、振動発生装置、超音波発振器、ライト、などが挙げられ、具体的には、例えば、圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータ等、などが挙げられる。
前記記録用インクの飛翔の態様としては、特に制限はなく、前記刺激の種類等応じて異なり、例えば、前記刺激が「熱」の場合、記録ヘッド内の前記記録用インクに対し、記録信号に対応した熱エネルギーを例えばサーマルヘッド等を用いて付与し、該熱エネルギーにより前記記録用インクに気泡を発生させ、該気泡の圧力により、該記録ヘッドのノズル孔から該記録用インクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。また、前記刺激が「圧力」の場合、例えば記録ヘッド内のインク流路内にある圧力室と呼ばれる位置に接着された圧電素子に電圧を印加することにより、圧電素子が撓み、圧力室の容積が縮小して、前記記録ヘッドのノズル孔から該記録用インクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。
前記飛翔させる前記記録用インクの液滴は、その大きさとしては、例えば、3pl〜40plとするのが好ましく、その吐出噴射の速さとしては5m/s〜20m/sとするのが好ましく、その駆動周波数としては1kHz以上とするのが好ましく、その解像度としては300dpi以上とするのが好ましい。
前記インクジェット記録方法によるインク付着量は、1.5g/m〜15g/mが好ましい。前記インク付着量が、1.5g/m未満であると、十分な画像濃度を得ることができないことがあり、15g/mを超えると、十分な定着性が得られないことがある。
前記記録媒体の記録面を反転させて両面印刷可能とする反転手段を有することが好ましい。該反転手段としては、静電気力を有する搬送ベルト、空気吸引により記録媒体を保持する手段、搬送ローラと拍車との組み合わせなどが挙げられる。
無端状の搬送ベルトと、該搬送ベルト表面を帯電させて記録媒体を保持しながら搬送する搬送手段を有することが好ましい。この場合、帯電ローラに±1.2kV〜±2.6kVのACバイアスを加えて搬送ベルトを帯電させることが特に好ましい。
なお、前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
本発明のインクジェット記録装置により本発明のインクジェット記録方法を実施する一の態様について、図面を参照しながら説明する。図3に示すインクジェット記録装置は、装置本体101と、装置本体101に装着した用紙を装填するための給紙トレイ102と、装置本体101に装着され画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ103と、インクカートリッジ装填部104とを有する。インクカートリッジ装填部104の上面には、操作キーや表示器などの操作部105が配置されている。インクカートリッジ装填部104は、インクカートリッジ201の脱着を行うための開閉可能な前カバー115を有している。
装置本体101内には、図4及び図5に示すように、図示を省略している左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド131とステー132とでキャリッジ133を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータ(不図示)によって図5で矢示方向に移動走査する。
キャリッジ133には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色の記録用インク滴を吐出する4個のインクジェット記録用ヘッドからなる記録ヘッド134を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド134を構成するインクジェット記録用ヘッドとしては、圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータ等を記録用インクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用できる。
また、キャリッジ133には、記録ヘッド134に各色のインクを供給するための各色のサブタンク135を搭載している。サブタンク135には、図示しない記録用インク供給チューブを介して、インクカートリッジ装填部105に装填された本発明のインクカートリッジ201から本発明の前記記録用インクが供給されて補充される。
一方、給紙トレイ103の用紙積載部(圧板)141上に積載した用紙142を給紙するための給紙部として、用紙積載部141から用紙142を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ143)、及び給紙コロ43に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド144を備え、この分離パッド144は給紙コロ143側に付勢されている。
この給紙部から給紙された用紙142を記録ヘッド134の下方側で搬送するための搬送部として、用紙142を静電吸着して搬送するための搬送ベルト151と、給紙部からガイド145を介して送られる用紙142を搬送ベルト151との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ152と、略鉛直上方に送られる用紙142を略90°方向転換させて搬送ベルト151上に倣わせるための搬送ガイド153と、押さえ部材154で搬送ベルト151側に付勢された先端加圧コロ155とが備えられ、また、搬送ベルト151表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ156が備えられている。
搬送ベルト151は、無端状ベルトであり、搬送ローラ157とテンションローラ158との間に張架されて、ベルト搬送方向に周回可能である。この搬送ベルト151は、例えば、抵抗制御を行っていない厚さ40μm程度の樹脂、例えば、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体(ETFE)で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。搬送ベルト151の裏側には、記録ヘッド134による印写領域に対応してガイド部材161が配置されている。なお、記録ヘッド134で記録された用紙142を排紙するための排紙部として、搬送ベルト151から用紙142を分離するための分離爪171と、排紙ローラ172及び排紙コロ173とが備えられており、排紙ローラ172の下方に排紙トレイ103が配されている。
装置本体101の背面部には、両面給紙ユニット181が着脱自在に装着されている。両面給紙ユニット181は、搬送ベルト151の逆方向回転で戻される用紙142を取り込んで反転させて再度カウンタローラ152と搬送ベルト151との間に給紙する。なお、両面給紙ユニット181の上面には手差し給紙部182が設けられている。
記録終了信号又は用紙142の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙142を排紙トレイ103に排紙する。
そして、サブタンク135内の記録用インクの残量ニアーエンドが検知されると、インクカートリッジ1から所要量の記録用インクがサブタンク135に補給される。
このインクジェット記録装置においては、本発明のインクカートリッジ201中の記録用インクを使い切ったときには、インクカートリッジ201における筐体を分解して内部のインク袋だけを交換することができる。また、インクカートリッジ201は、縦置きで前面装填構成としても、安定した記録用インクの供給を行うことができる。したがって、装置本体101の上方が塞がって設置されているような場合、例えば、ラック内に収納したり、あるいは装置本体101の上面に物が置かれているような場合でも、インクカートリッジ201の交換を容易に行うことができる。
なお、ここでは、キャリッジが走査するシリアル型(シャトル型)インクジェット記録装置に適用した例で説明したが、ライン型ヘッドを備えたライン型インクジェット記録装置にも同様に適用することができる。
また、本発明のインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法は、インクジェット記録方式による各種記録に適用することができ、例えば、インクジェット記録用プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、などに特に好適に適用することができる。
以下、本発明を適用したインクジェットヘッドについて示す。
図6は本発明の一実施形態に係るインクジェットヘッドの要素拡大図であり、図7は同インクジェットヘッドのチャンネル間方向の要部拡大断面図である。
前記インクジェットヘッドは、インク供給口(不図示)と共通液室1bとなる彫り込みを形成したフレーム10と、流体抵抗部2a、加圧液室2bとなる彫り込みとノズル3aに連通する連通口2cを形成した流路板20と、ノズル3aを形成するノズル板と、凸部6a、ダイヤフラム部6b及びインク流入口6cを有する振動板60と、該振動板60に接着層70を介して接合された積層圧電素子50と、該積層圧電素子50を固定しているベース40を備えている。
ベース40はチタン酸バリウム系セラミックからなり、積層圧電素子50を2列配置して接合している。
前記積層圧電素子50は、厚さ10〜50μm/1層のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の圧電層と、厚さ数μm/1層の銀・パラジウム(AgPd)からなる内部電極層とを交互に積層している。内部電極層は両端で外部電極に接続する。該積層圧電素子50はハーフカットのダイシング加工により櫛歯上に分割され、1つ毎に駆動部5fと支持部5g(非駆動部)として使用する。外部電極の外側はハーフカットのダイシング加工で分割されるように、切り欠き等の加工により長さを制限しており、これらは複数の個別電極となる。他方はダイシングでは分割されずに導通しており共通電極となる。
駆動部の個別電極にはFPC 80が半田接合されている。また、共通電極は積層圧電素子の端部に電極層を設けて回し込んでFPC 80のGnd電極に接合している。FPC 80には図示しないドライバICが実装されており、これにより駆動部5fへの駆動電圧印加を制御している。
振動板60は、薄膜のダイヤフラム部6bと、このダイヤフラム部6bの中央部に形成した駆動部5fとなる積層圧電素子50と接合する島状凸部(アイランド部)6aと、支持部に接合する梁を含む厚膜部と、インク流入口6cとなる開口を電鋳工法によるNiメッキ膜を2層重ねて形成している。ダイヤフラム部の厚さは3μm、幅は35μm(片側)である。
この振動板60の島状凸部6aと積層圧電素子50の可動部5f、振動板60とフレーム10の結合は、ギャップ材を含んだ接着層70をパターニングして接着している。
流路板20はシリコン単結晶基板を用いて、流体抵抗部2a、加圧液室2bとなる彫り込み、及びノズル3aに対する位置に連通口2cとなる貫通口をエッチング工法でパターニングした。
エッチングで残された部分が加圧液室2bの隔壁2dとなる。また、このヘッドではエッチング幅を狭くする部分を設けて、これを流体抵抗部2aとした。
ノズルプレート30は、金属材料、例えば、電鋳工法によるNiメッキ膜等で形成したもので、インク滴を飛翔させるための微細な吐出口であるノズル3aを多数形成している。このノズル3aの内部形状(内側形状)は、ホーン形状(略円柱形状又は略円錘台形状でもよい)に形成している。また、このノズル3aの径はインク滴出口側の直径で20μm〜35μmである。また各列のノズルピッチは150dpiとした。
ノズルプレート30のインク吐出面(ノズル表面側)は、図示しない撥水性の表面処理を施した撥水処理層3bを設けている。PTFE−Ni共析メッキやフッ素樹脂の電着塗装、蒸発性のあるフッ素樹脂(例えば、フッ化ピッチなど)を蒸着コートしたもの、シリコーン系樹脂及びフッ素系樹脂の溶剤塗布後の焼き付け等、インク物性に応じて選定した撥水処理膜を設けて、インクの滴形状、飛翔特性を安定化し、高品位の画像品質を得られるようにしている。また、これらの中でも、例えば、フッ素系樹脂としては、色々な材料が知られているが、変性パーフルオロポリオキセタン(ダイキン工業株式会社製、商品名:オプツールDSX)を厚みが30Å〜100Å(3nm〜10nm)となるように蒸着することで良好な撥水性を得ることができる。
インク供給口と共通液室1bとなる彫り込みを形成するフレーム10は樹脂成形で作製している。
このように構成したインクジェットヘッドにおいては、記録信号に応じて駆動部5fに駆動波形(10V〜50Vのパルス電圧)を印加することによって、駆動部5fに積層方向の変位が生起し、振動板30を介して加圧液室2bが加圧されて圧力が上昇し、ノズル3aからインク滴が吐出される。その後、インク滴吐出の終了に伴い、加圧液室2b内のインク圧力が低減し、インクの流れの慣性と駆動パルスの放電過程によって加圧液室2b内に負圧が発生してインク充填行程へ移行する。このとき、インクタンクから供給されたインクは共通液室1bに流入し、共通液室1bからインク流入口6cを経て流体抵抗部2aを通り、加圧液室2b内に充填される。
流体抵抗部2aは、吐出後の残留圧力振動の減衰に効果が有る反面、表面張力による再充填(リフィル)に対して抵抗になる。流体抵抗部を適宜に選択することで、残留圧力の減衰とリフィル時間のバランスが取れ、次のインク滴吐出動作に移行するまでの時間(駆動周期)を短くできる。
(インク記録物)
本発明のインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法により記録されたインク記録物は、本発明のインク記録物である。本発明のインク記録物は、記録媒体上に本発明の前記記録用インクを用いて形成された画像を有してなる。
前記記録媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、普通紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記インク記録物は、ベタ部の画像濃度が2.0以上であり、かつ入射角60°での光沢度が50以上であることが好ましい。
前記インク記録物は、高画質で滲みがなく、経時安定性に優れ、各種の印字乃至画像の記録された資料等として各種用途に好適に使用することができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(合成例1)
−ビニルポリマーの合成−
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えた1Lフラスコ内を十分に窒素ガスで置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー(東亜合成株式会社製、商品名:AS−6)4.0g及びメルカプトエタノール0.4gを仕込み、65℃に昇温した。次にスチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー(東亜合成株式会社製、商品名:AS−6)36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスジメチルバレロニトリル2.4g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を2.5時間かけてフラスコ内に滴下した。滴下終了後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけてフラスコ内に滴下した。65℃で1時間熟成した後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。反応終了後、フラスコ内に、メチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50質量%のポリマー溶液800gを得た。
(合成例2)
−グラフトポリマーの合成−
攪拌装置、滴下装置、温度センサ、及び上部に窒素導入装置を有する環流装置を取り付けた反応容器を有する自動重合反応装置(重合試験機DSL−2AS型、轟産業株式会社製)の反応容器内にメチルエチルケトン(MEK)550質量部を仕込み、攪拌しながら反応容器内を窒素置換した。反応容器内を窒素雰囲気に保ちながら80℃に昇温させた後、滴下装置よりメタクリル酸2−ヒドロキシエチル75.0質量部、メタクリル酸77.0質量部、スチレン80.0質量部、メタクリル酸ブチル150.0質量部、アクリル酸ブチル98.0質量部、メタクリル酸メチル20.0質量部、及び「パーブチル(登録商標)O」(有効成分:ペルオキシ2−エチルヘキサン酸t−ブチル、日本油脂株式会社製)40.0質量部の混合液を4時間かけて滴下した。滴下終了後、更に同温度で15時間反応を継続させて、酸価100mgKOH/g、質量平均分子量21,000、ガラス転移温度(Tg)(計算値)31℃のアニオン性基含有スチレン−アクリル系共重合体AのMEK溶液を得た。反応終了後、MEKの一部を減圧留去し、不揮発分を50%に調整した共重合体A溶液を得た。
(調製例1)
合成例1で作製したポリマー溶液28g、カーボンブラック(MONARCH880、Cabot社製)26g、1mol/Lの水酸化カリウム溶液13.6g、メチルエチルケトン20g、及びイオン交換水30gを十分に攪拌した後、三本ロールミルを用いて混練した。得られたペーストをイオン交換水200gに投入し、十分に攪拌した後、エバポレーターを用いてメチルエチルケトン、及び水を留去し、ビニルポリマーで分散された固形分が20質量%のカーボンブラック水分散体を得た。
得られたカーボンブラック水分散体の体積平均粒径は、粒度分布測定装置(マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)で測定したところ、70nmであった。
また、調製例1と同様にして、体積平均粒径50nmのカーボンブラック水分散体、体積平均粒径90nmのカーボンブラック水分散体、体積平均粒径20nmのカーボンブラック水分散体、体積平均粒径150nmのカーボンブラック水分散体をそれぞれ調製した。
(調製例2)
カーボンブラック(トーカブラック#7240、東海カーボン株式会社製)150gを濃度2mol/Lの過硫酸ナトリウム水溶液3L中に添加し、60℃の温度で10時間攪拌して酸化処理した。酸化したカーボンブラックは限外濾過を行い、残塩分を取り除いた。その後、水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを8に調整し、余剰の塩類除去するため、更に限外濾過を行った。得られた水溶液に精製水を加えて固形分が20質量%となるように調整した。
得られたカーボンブラック水分散体の体積平均粒径は、粒度分布測定装置(マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)で測定したところ、70nmであった。
(調製例3)
冷却用ジャケットを備えた混合槽に、カーボンブラック(#960、三菱化学株式会社製)1,000gと、合成例2で合成した共重合体A溶液800質量部、20質量%水酸化ナトリウム水溶液143質量部、メチルエチルケトン(MEK)100質量部、及び水1957質量部を仕込み、攪拌し、混合した。混合液を直径0.3mmのジルコニアビーズを充填した分散装置(SCミルSC100/32型、三井鉱山株式会社製)に通し、循環方式(分散装置より出た分散液を混合槽に戻す方式)により6時間分散した。分散装置の回転数は2,700回転/分とし、冷却用ジャケットには冷水を通して分散液温度が40℃以下に保たれるようにした。分散終了後、混合槽より分散原液を抜き採った。次いで、水10,000質量部で混合槽、及び分散装置流路を洗浄し、分散原液と合わせて希釈分散液を得た。ガラス製蒸留装置に希釈分散液を入れ、メチルエチルケトン(MEK)の全量と水の一部を留去した。室温まで放冷後、攪拌しながら10質量%塩酸を滴下してpH4.5に調整した後、固形分をヌッチェ式濾過装置で濾過し、水洗した。次に、ケーキを容器に採り、20質量%水酸化カリウム水溶液200質量部を加えた後、ディスパ(TKホモディスパ20型、特殊機化工業株式会社製)にて分散した。更に、水を加えて不揮発分を調整して、不揮発分20%のカーボンブラックが水酸化カリウムで中和されたカルボキシル基含有スチレン−アクリル系共重合体で被覆された複合粒子として水性媒体中に分散したカーボンブラック水分散体を得た。
得られたカーボンブラック水分散体の体積平均粒径は、粒度分布測定装置(マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)で測定したところ、123nmであった。
(調製例4)
調製例1において、カーボンブラック(MONARCH880、Cabot社製)を、銅フタロシアニン顔料に変更した以外は、調製例1と同様にして、青色のポリマー微粒子分散体を調製した。
得られたポリマー微粒子について、粒度分布測定装置(マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)で測定した平均粒子径(D50%)は93nmであった。
(調製例5)
−ジメチルキナクリドン顔料含有ポリマー微粒子分散体の調製−
調製例1において、カーボンブラック(MONARCH880、Cabot社製)を、C.I.ピグメントレッド122に変更した以外は、調製例1と同様にして、赤紫色のポリマー微粒子分散体を調製した。
得られたポリマー微粒子について、粒度分布測定装置(マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)で測定した平均粒子径(D50%)は127nmであった。
(調製例6)
−モノアゾ黄色顔料含有ポリマー微粒子分散体の調製−
調製例1において、カーボンブラック(MONARCH880、Cabot社製)を、C.I.ピグメントイエロー74に変更した以外は、調製例1と同様にして、黄色のポリマー微粒子分散体を調製した。
得られたポリマー微粒子について、粒度分布測定装置(マイクロトラックUPA、日機装株式会社製)で測定した平均粒子径(D50%)は76nmであった。
(実施例1)
−インクセット1の作製−
下記組成のインクを調製し、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行うことで、黒インク1、シアンインク1、マゼンタインク1、及びイエローインク1からなるインクセット1を作製した。
<黒インク1の組成>
・調製例1で得られた体積平均粒径70nmのカーボンブラック水分散体・・・4.0質量%(固形分)
・3−メチル−1,3−ブタンジオール・・・28.0質量%
・グリセリン・・・13.0質量%
・2−ピロリドン・・・2.0質量%
・下記構造式で表される界面活性剤・・・1.0質量%
Figure 2009084548
ただし、前記構造式中、RfはCFCF、mは2、nは4、pは4を表す。
・イオン交換水・・・45.0質量%
<シアンインク組成>
・調製例4の銅フタロシアニン顔料含有ポリマー微粒子分散体・・・15.0質量%(固形分)
・3−メチル−1,3−ブタンジオール・・・23.0質量%
・グリセリン・・・8.0質量%
・下記構造式で表される界面活性剤・・・1.0質量%
Figure 2009084548
ただし、前記構造式中、RfはCFCF、mは2、nは4、pは4を表す。
・イオン交換水・・・53.0質量%
<マゼンタインク組成>
・調製例5のジメチルキナクリドン顔料含有ポリマー微粒子分散体・・・15.0質量%(固形分)
・3−メチル−1,3−ブタンジオール・・・23.0質量%
・グリセリン・・・8.0質量%
・下記構造式で表される界面活性剤・・・1.0質量%
Figure 2009084548
ただし、前記構造式中、RfはCFCF、mは2、nは4、pは4を表す。
・イオン交換水・・・53.0質量%
<イエローインク組成>
・調製例6のモノアゾ黄色顔料含有ポリマー微粒子分散体・・・15.0質量%(固形分)
・3−メチル−1,3−ブタンジオール・・・23.0質量%
・グリセリン・・・8.0質量%
・下記構造式で表される界面活性剤・・・1.0質量%
Figure 2009084548
ただし、前記構造式中、RfはCFCF、mは2、nは4、pは4を表す。
・イオン交換水・・・53.0質量%
(実施例2)
−インクセット2の作製−
実施例1の黒インク組成において、調製例1のカーボンブラック水分散体を、体積平均粒径50nmのカーボンブラック水分散体に変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例2のインクセット2を作製した。
(実施例3)
−インクセット3の作製−
実施例1の黒インク組成において、調製例1のカーボンブラック水分散体を、体積平均粒径90nmのカーボンブラック水分散体に変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例3のインクセット3を作製した。
(比較例1)
−インクセット4の作製−
実施例1の黒インク組成において、調製例1のカーボンブラック水分散体を、体積平均粒径20nmのカーボンブラック水分散体に変えた以外は、実施例1と同様にして、比較例1のインクセット4を作製した。
(比較例2)
−インクセット5の作製−
実施例1の黒インク組成において、調製例1のカーボンブラック水分散体を、体積平均粒径150nmのカーボンブラック水分散体に変えた以外は、実施例1と同様にして、比較例2のインクセット5を作製した。
(比較例3)
−インクセット6の作製−
実施例1の黒インク組成において、カーボンブラック水分散体を、調製例2の体積平均粒径70nmのカーボンブラック水分散体に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例3のインクセット6を作製した。
(比較例4)
−インクセット7の作製−
実施例1の黒インク組成において、調製例1で得られたカーボンブラック水分散体を、調製例3で得られたカーボンブラック水分散体に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例4のインクセット7を作製した。
(比較例5)
−インクセット8の作製−
特開平11−228891号公報の実施例1に記載の黒インクを追試し、実施例1の黒インク1を、特開平11−228891号公報の実施例1の黒インクに変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例5のインクセット8を作製した。
次に、実施例1〜3及び比較例1〜5の各インクセットについて、以下のようにして、諸特性を評価した。結果を表1及び表2に示す。
<粘弾性測定装置による粘度の測定>
調製した各インクセットの各黒インクの一定量を40℃に加熱したプレート上にて5分間乾燥処理した後、粘弾性測定装置(Physica MCR301、Anton Paar社製)にて、せん断速度100/s時の粘度(A)を測定した。
一方、乾燥処理を行わなかった以外は、同様にして、乾燥処理なしでのせん断速度100/s時の粘度(B)を測定した。
<水分蒸発に伴う粘度変化の測定>
調製した各インクセットの各黒インクの一定量を25℃、10%RHの環境中に放置し、一定時間放置後のインク質量変化を測定し、その時点でのインクの粘度(25℃)を測定した。粘度は粘度計(RL−500、東機産業株式会社製)を用いて測定した。インクの初期質量の70%の質量となった時の粘度(C)、及び60%の質量となった時の粘度(D)をそれぞれ測定した。
また、各インクセットの各黒インクの一定量を25℃での粘度を測定した。
<画像濃度>
図3〜図5に示すインクジェットプリンタに、調製した各インクセットを充填して、普通紙光(Type6200紙、株式会社NBSリコー製)に解像度1200dpiでCYMKの4色を併用したコンポジットブラックのベタ印字を行った。印字乾燥後、反射型カラー分光測色濃度計(X−Rite社製)を用いて画像濃度を測定した。なお、このときのインク付着量は9.5g/mであった。
<乾燥目詰まり性の評価>
図3〜図5に示すインクジェットプリンタに、調製した各インクセットを充填してインク吐出を確認した後、ノズル面のキャップをすることなく室温にて放置し、吐出を再開した際に画像乱れを生じるまでの放置時間を測定し、以下の基準で評価した。
〔判定基準〕
◎:9時間以上
○:6時間以上9時間未満
△:2時間以上6時間未満
×:2時間以内
<吐出安定性の評価>
乾燥目詰まり性の評価と同様にしてインク吐出を確認した後、30℃環境下にてベタ及び罫線パターンの連続印字を1,000枚行うことにより実施し、印字後にドット抜け、インクの飛び散り、曲がりなどによる乱れの程度を以下の基準に基づいて判定した。
〔評価基準〕
◎:ドット抜け、及び曲がりなし
○:曲がりあり
△:ドット抜けあり
×:吐出せず
<裏抜け>
図3〜図5に示すインクジェットプリンタに、調整したインクを充填して、記録媒体(普通紙、Xerox 4024紙、富士ゼロックスオフィスサプライ株式会社製)に解像度1200dpiでCYMKの4色を併用したコンポジットブラックのベタ印字を行った。印字乾燥後、反射型カラー分光測色濃度計(X−Rite社製)を用いて測定した濃度が1.0となるようにベタ画像を形成した。この画像を裏面から目視観察し、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:裏面から目視観察した際に、ベタ画像と白地部分の境界が完全に不明確(裏面からは、ベタ画像が認識できない)で、両面印字に使用しても支障のないレベルである。
○:裏面から目視観察した際に、ベタ画像と白地部分の境界がほとんど不明確(裏面からは、ほとんどベタ画像が認識できない)で両面印字に使用しても支障のないレベルである。
△:裏面から目視観察した際に、ベタ画像の着色剤が裏面までは抜けていないが、ベタ画像と白地部分の境界がやや不明確(裏面からは、ややベタ画像が認識できる)で、両面印字に使用しても支障の無いレベルである。
×:裏面から目視観察した際に、ベタ画像の着色剤が裏面まで抜けており(裏面からでも、ベタ画像が認識できる)、両面印字に使用できないレベルである。
<コックリングの発生>
コックリングの発生の確認は、Microsoft Word2000(Microsoft社製)を用いて、全体をベタ画像で埋めるようなチャートを作成し、出力後の紙のカール具合にて、下記基準により評価を行った。
〔評価基準〕
○:以後の排紙に問題ない。
×:両端が巻き上がり、排紙に干渉する。
Figure 2009084548
Figure 2009084548
表1及び表2の結果より、実施例1〜3のインクは、比較例1〜5のインクに比べて、いずれも普通紙に対する画像濃度に優れ、目詰まり信頼性、吐出安定性が良好であり、裏抜け及びコックリングが生じ難いものであることが分かった。
本発明の記録用インクは、普通紙に対する画像品質及び高速印字対応に優れ、かつ保存安定性及び吐出安定性が良好であり、裏抜け及びコックリングが生じ難いので、インクカートリッジ、インク記録物、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法に好適に用いることができる。
本発明のインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法は、インクジェット記録方式による各種記録に適用することができ、例えば、インクジェット記録用プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、などに特に好適に適用することができる。
図1は、本発明のインクカートリッジの一例を示す概略図である。 図2は、図1のインクカートリッジのケースも含めた概略図である。 図3は、インクジェット記録装置のインクカートリッジ装填部のカバーを開いた状態の斜視説明図である。 図4は、インクジェット記録装置の全体構成を説明する概略構成図である。 図5は、本発明のインクジェットヘッドの一例を示す概略拡大図である。 図6は、本発明のインクジェットヘッドの他の一例を示す要素概略拡大図である。 図7は、図6のインクジェットヘッドの要部拡大概略断面図である。
符号の説明
10 フレーム
20 流路板
30 ノズルプレート
40 ベース
50 積層圧電素子
60 振動板
70 接着層
80 FPC
101 装置本体
102 給紙トレイ
103 排紙トレイ
104 インクカートリッジ装填部
111 上カバー
112 前面
115 前カバー
131 ガイドロッド
132 ステー
133 キャリッジ
134 記録ヘッド
135 サブタンク
141 用紙載置部
142 用紙
144 分離パッド
151 搬送ベルト
152 再度カウンタローラ
156 帯電ローラ
157 搬送ローラ
158 デンションローラ
171 分離爪
172 排紙ローラ
173 排紙コロ
181 両面給紙ユニット
200 インクカートリッジ
201 インクカートリッジ
241 インク袋
242 インク注入口
243 インク排出口
244 カートリッジ外装

Claims (11)

  1. 少なくとも水、水溶性有機溶剤、界面活性剤、及び着色剤を含有する記録用インクであって、
    前記着色剤がカーボンブラックを含む水不溶性ビニルポリマー粒子の水分散体を含有し、かつ該着色剤の体積平均粒径が40nm〜100nmであり、
    前記記録用インクを40℃に加熱したプレート上で5分間乾燥処理してせん断速度100/sでせん断をかけた際の前記記録用インクの粘度(A)と、前記乾燥処理を行わずせん断速度100/sでせん断をかけた際の前記記録用インクの粘度(B)とが、次式、A/B≦3を満たし、
    前記記録用インクを乾燥させて初期質量の70%の質量になった時の粘度(C)と、初期質量の60%になった時の粘度(D)との比(C/D)が、1/4以上であることを特徴とする記録用インク。
  2. 記録用インクの25℃での粘度が、5mPa・s〜20mPa・sである請求項1に記載の記録用インク。
  3. 水溶性有機溶剤が、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、テトラエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、及びN−ヒドロキシエチル−2−ピロリドンから選択される少なくとも1種である請求項1から2のいずれかに記載の記録用インク。
  4. 界面活性剤が、フッ素系界面活性剤を含有する請求項1から3のいずれかに記載の記録用インク。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の記録用インクを容器中に収容してなることを特徴とするインクカートリッジ。
  6. 請求項1から4のいずれかに記載の記録用インクに刺激を印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
  7. 刺激が、熱、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種である請求項6に記載のインクジェット記録方法。
  8. インク付着量が1.5g/m〜15g/mである請求項6から7のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  9. 請求項1から4のいずれかに記載の記録用インクに刺激を印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔手段を少なくとも有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  10. 刺激が、熱、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種である請求項9に記載のインクジェット記録装置。
  11. 記録媒体上に、請求項1から4のいずれかに記載の記録用インクを用いて形成された画像を有してなることを特徴とするインク記録物。
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