JP2009084509A - ハードディスク用基板用の洗浄剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、被研磨基板を、シリカ微粒子を含有する研磨液組成物で研磨した後、水で濯いで得られる被洗浄基板に対して好適に用いられ、優れた洗浄性を呈するハードディスク用基板用の洗浄剤組成物、およびそれを用いたHD用基板の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のHD用基板用の洗浄剤組成物は、下記式(1)で表される非イオン性界面活性剤、水溶性アミン化合物、及び水を含有する。R1は、炭素数8〜18のアルキル基,炭素数8〜18のアルケニル基,炭素数8〜18のアシル基、又は炭素数14〜18のアルキルフェニル基であり、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基、m及びnはそれぞれEO及びPOの平均付加モル数であり、m=1〜20,n=0〜20を表す数であり、EOとPOの配列はブロックでもランダムでもよい。
1−O−(EO)m(PO)n−H (1)
【選択図】なし

Description

本発明は、ハードディスク用基板用の洗浄剤組成物、このハードディスク用基板用の洗浄剤組成物を用いたハードディスク用基板の製造方法に関する。
HD(ハードディスク)用基板の製造過程では、被研磨基板に対して行われる最後の研磨の際、通常、シリカ微粒子を研磨材として含む研磨液組成物(通常、酸性の研磨液)が用いられる。また、HD用基板の製造過程では、被研磨基板の研磨後に洗浄効率を上げるため、研磨後基板を水で濯ぐ工程がある。この水との接触により研磨後基板に残留しているシリカ微粒子が凝集し、その後の洗浄工程でのシリカ微粒子の除去を困難にしている。
ところで、特許文献1には、半導体基板の製造過程において、研磨後基板を純水で洗浄するとシリカ微粒子が凝集するため、研磨直後の研磨後基板には純水を接触させず、特定のアミン系洗浄剤で洗浄する洗浄方法が開示されている。
特開平11−191544号公報
一方、HDの急速な高密度化の流れにより、HD用基板に対する要求も厳しくなっており、わずかなシリカ微粒子の残留でもHD用基板の品質や歩留まりを下げる原因となっている。このような背景下、研磨直後の研磨後基板が水で濯がれてから洗浄剤組成物を用いた洗浄がされる場合に、当該洗浄において優れた洗浄性を呈する洗浄剤組成物はいまだ得られていない。
本発明は、被研磨基板を、シリカ微粒子を含有する研磨液組成物で研磨した後、水で濯いで得られる被洗浄基板に対して好適に用いられ、優れた洗浄性を呈するHD用基板用の洗浄剤組成物、およびそれを用いたHD用基板の製造方法を提供する。
本発明のHD用基板用の洗浄剤組成物は、下記式(1)で表される非イオン性界面活性剤、水溶性アミン化合物、及び水を含有する。
1−O−(EO)m(PO)n−H (1)
1は、炭素数8〜18のアルキル基,炭素数8〜18のアルケニル基,炭素数8〜18のアシル基、又は炭素数14〜18のアルキルフェニル基であり、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基、m及びnはそれぞれEO及びPOの平均付加モル数であり、m=1〜20,n=0〜20を表す数であり、EOとPOの配列はブロックでもランダムでもよい。
本発明のHD用基板の製造方法は、被研磨基板を、シリカ微粒子を含有する研磨液組成物で研磨した後、水で濯いで、被洗浄基板を得る工程と、前記被洗浄基板を本発明の洗浄剤組成物を用いて洗浄する工程とを含む。
本発明によれば、被研磨基板をシリカ微粒子を含有する研磨液組成物で研磨した後、水で濯いで得られる被洗浄基板に対して好適に用いられ、優れた洗浄性を呈するHD用基板用の洗浄剤組成物、およびそれを用いたHD用基板の製造方法を提供できる。
洗浄剤組成物の構成成分として用いられることがある非イオン性界面活性剤は、有機物の除去には優れるが、シリカ微粒子を凝集させてしまう難点がある。ところが、本発明者らにより、特定の非イオン性界面活性剤と水溶性アミン化合物とを併用することによって、意外にも、被研磨基板をシリカ微粒子を含有する研磨液組成物で研磨した後、水で濯いで得られる被洗浄基板に対して、有機物のみならずシリカ微粒子の洗浄性が優れたHD用基板用の洗浄剤組成物(以下、単に「洗浄剤組成物」とも呼ぶ。)が得られることを見出した。また、この洗浄剤組成物を用いてHD用基板を製造することにより、清浄度の高いHD用基板の製造が可能となった。
本発明のHD用基板用の洗浄剤組成物は、非イオン性界面活性剤(成分A)、水溶性アミン化合物(成分B)、及び水(成分C)とを含有する。
《成分A》
本発明の洗浄剤組成物に含まれる非イオン性界面活性剤(成分A)としては、下記の式(1)で表される非イオン性界面活性剤が用いられる。本発明の洗浄剤組成物はこれらの非イオン性界面活性剤を含むことで、洗浄性、排水処理性、及び環境保全性のいずもが優れている。
1−O−(EO)m(PO)n−H (1)
式(1)中、R1は炭素数8〜18のアルキル基、炭素数8〜18のアルケニル基、炭素数8〜18のアシル基、又は炭素数14〜18のアルキルフェニル基である。EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基である。m及びnは、それぞれEO及びPOの平均付加モル数である。mは1〜20の数、nは0〜20の数を表す。EOとPOの配列はブロックでもランダムでもよい。
1は、洗浄剤組成物の洗浄性をより向上させる観点から、炭素数8〜14のアルキル基、炭素数8〜14のアルケニル基、炭素数8〜14のアシル基、又は炭素数14〜16のアルキルフェニル基であるとより好ましく、洗浄性の向上と、排水処理性の向上、及び環境保全性の向上とをより良好に両立させる観点から、炭素数8〜14のアルキル基がより好ましい。
(EO)m(PO)nは、オキシエチレン基単独で構成されていてもよいが、オキシエチレン基とオキシプロピレン基とから構成されていてもよい。(EO)m(PO)nが、オキシエチレン基とオキシプロピレン基とから構成される場合、EOとPOの配列はブロックでもランダムでもよい。EOとPOの配列がブロックである場合、EOのブロックの数、POのブロックの数は、各平均付加モル数が上記範囲内にある限り、それぞれ1個であってもよいが2個以上であってもよい。また、EOからなるブロックの数が2個以上である場合、各ブロックにおけるEOの繰り返し数は、相互に同じであってもよいが、異なっていてもよい。POのブロックの数が2個以上である場合も、各ブロックにおけるPOの繰り返し数は、相互に同じであってもよいが、異なっていてもよい。
EOとPOの配列がブロックまたはランダムである場合、EOとPOとのモル比〔MEO/MPO〕が9.5/0.5〜5/5であると、油分の溶解性と高い水溶性とを両立させることができる点で好ましい。また、mは、水溶性及び低泡性の両立の観点から、好ましくは1〜15、より好ましくは1〜10である。nは、水溶性及び低泡性の両立の観点から、好ましくは1〜15、より好ましくは1〜10であり、m+nは、好ましくは1〜30、より好ましくは1〜20である。
式(1)で示される化合物としては、具体的には、2−エチルヘキサノール、オクタノール、デカノール、イソデシルアルコール、トリデシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等のアルコール類;オクチルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール等のフェノール類;これらの化合物に、オキシエチレン基及び/又はオキシプロピレン基が付加された化合物等が挙げられる。式(1)で示される化合物は、単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いても良い。
成分Aの非イオン性界面活性剤としては、具体的には以下のものが好ましく使用される。即ち、Cj2j+1−O−(EO)p−H、Cj2j+1−O−(EO)q(PO)r−H(ただし、EOとPOがブロック付加したもの)、Cj2j+1−O−(PO)q(EO)r−H(ただし、EOとPOがブロック付加したもの)、Cj2j+1−O−(EO)s(PO)t(EO)u−H(ただし、EOとPOがブロック付加したもの)、Cj2j+1−O−(EO)q(PO)r−H(ただし、EOとPOがランダム付加したもの)等が好ましく使用される。ただし、これらの式中、EOはオキシエチレン基(C24O)、POはオキシプロピレン基(C36O)、jは8〜18の数、p、q、r、s、t及びuは、それぞれEO又はPOの平均付加モル数であり、pは1〜20の数、qは1〜20の数、rは1〜20の数、sは1〜10の数、tは1〜10の数、uは1〜10の数である。
洗浄剤組成物中における非イオン性界面活性剤の含有量は、良好な洗浄性と良好なすすぎ性とを両立させる観点から、0.5〜20重量%であると好ましく、1〜10重量%がより好ましく、2〜5重量%がさらに好ましい。
《成分B》
洗浄剤組成物に含まれる水溶性アミン化合物(成分B)としては、例えば、アルカノールアミン、1級アミン、2級アミン、および3級アミンからなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
アルカノールアミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、メチルプロパノールアミン、メチルジプロパノールアミン、アミノエチルエタノールアミン等のヒドロキシアルキルアミンが挙げられる。1級アミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、1,3−プロパンジアミン等が挙げられる。2級アミンとしては、ピペリジン、ピペラジン、シクロヘキシルアミン等が挙げられ、3級アミンとしては、トリエチルアミン等が挙げられる。これらの水溶性アミン化合物は単独で用いても良く、二種以上を混合して用いても良い。また、これらの水溶性アミン化合物のなかでも、製品安定性の向上及び環境保全性の向上の観点から、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、メチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、モノプロパノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、およびピペリジンからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性アミン化合物が好ましく、モノエタノールアミン及びメチルジエタノールアミンがより好ましく、モノエタノールアミンがさらに好ましい。
洗浄剤組成物中における水溶性アミン化合物の含有量は、洗浄剤組成物の安定性および取り扱い性を向上させ、かつ、廃液処理性等を向上させて環境へ配慮を行う観点から、0.1〜40重量%であると好ましいが、研磨液組成物由来のシリカ微粒子の凝集を効果的に抑制しながら高い洗浄性は発揮させる観点から、0.5〜40重量%が好ましく、1〜40重量%がより好ましい。
洗浄剤組成物中における非イオン性界面活性剤とアミン化合物の含有量比(非イオン性界面活性剤/アミン化合物)は、有機物汚れに対する高い洗浄性を確保し、かつ、洗浄時における研磨液組成物由来のシリカ粒子の凝集を効果的に抑制させる観点から、0.1〜50であると好ましく、0.1〜10であるとより好ましく、0.1〜5であるとさらに好ましい。
《成分C》
洗浄剤組成物に含まれる水(成分C)は、溶媒としての役割を果たすことができるものであれば特に制限はなく、例えば、超純水、純水、イオン交換水、または蒸留水等を挙げることができるが、超純水、純水、またはイオン交換水が好ましく、超純水がより好ましく使用される。なお、純水及び超純水は、例えば、水道水を活性炭に通し、イオン交換処理し、さらに蒸留したものを、必要に応じて所定の紫外線殺菌灯を照射、又はフィルターに通すことにより得ることができる。例えば、25℃での電気伝導率は、多くの場合、純水で1μS/cm以下であり、超純水で0.1μS/cm以下を示す。なお、洗浄剤組成物は、溶媒として上記水に加えて水系溶媒(例えば、エタノール等のアルコール)をさらに含んでいてもよいが、洗浄剤組成物に含まれる溶媒は水のみからなると好ましい。
洗浄剤組成物中における水の含有量は、50〜95重量%であるが、洗浄剤組成物の安定性および取り扱い性を向上させ、かつ、廃液処理性等を向上させて環境へ配慮を行う観点、60〜95重量%が好ましく、70〜95重量%がより好ましい。
《任意成分》
本発明の洗浄剤組成物には、成分A,B、C以外に、シリコン系の消泡剤、EDTA等のようなキレート剤(成分D)、水溶性高分子(成分E)、曇点上昇剤(成分F)、水溶性アミン化合物以外のアルカリ剤(成分G)、アルコール類、防腐剤、酸化防止剤等が含まれていてもよい。
《成分D》
洗浄剤組成物には、金属イオンに対する洗浄性を向上させる観点から、キレート剤(成分D)が含まれていると好ましい。キレート剤としては、グルコン酸、グルコヘプトン酸などのアルドン酸類;エチレンジアミン四酢酸などのアミノカルボン酸類;クエン酸、リンゴ酸などのヒドロキシカルボン酸類;アミノトリメチレンホスホン酸、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸などのホスホン酸類;およびこれらのアルカリ金属塩、低級アミン塩、アンモニウム塩、アルカノールアンモニウム塩が挙げられる。より好ましくは、グルコン酸ナトリウム、グルコヘプトン酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、またはヒドロキシエチリデンジホスホン酸ナトリウムである。これらのキレート剤は、単独でまたは2種以上を混合して用いてもよい。
キレート剤の含有量は、金属イオンに対する洗浄性を向上させる観点から、1〜10重量%であると好ましく、1〜5重量%であるとさらに好ましい。
《成分E》
洗浄剤組成物には、シリカ微粒子等の無機微粒子の分散性を向上させる観点から、水溶性高分子(成分E)が含まれていてもよく、水溶性高分子としては、カルボン酸系共重合体が好ましい。
カルボン酸系共重合体としては、アクリル酸、メタクリル酸、及びマレイン酸からなる群より選ばれる1以上の化合物由来の構成単位(A1)を含む水溶性高分子が挙げられる。水溶性高分子には、全構成単位中、構成単位(A1)が好ましくは20モル%以上含まれるが、良好な洗浄性と良好なすすぎ性とを両立させる観点から、80モル%以上含まれているとより好ましく、90モル%を越えて含まれているとさらに好ましい。
水溶性高分子としては、具体的には、アクリル酸共重合体、メタクリル酸共重合体、マレイン酸共重合体、アクリル酸/メタクリル酸の共重合体、アクリル酸/マレイン酸の共重合体、メタクリル酸/メタクリル酸ジメチルアミノエステルの共重合体、メタクリル酸/アクリル酸メチルエステルの共重合体等が挙げられる。
水溶性高分子が、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸由来の構成単位(A2)含む場合、アクリル酸由来の構成単位A1のモル%と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸由来の構成単位A2のモル%の合計は、シリカ微粒子等の無機微粒子の分散性を向上させる観点から、水溶性高分子の全構成単位中の90モル%以上であると好ましい。
構成単位A1と構成単位A2とのモル比(MA1/MA2)は、シリカ微粒子等の無機微粒子の分散性を向上させる観点から、(20/80)〜(98/2)であると好ましく、(50/50)〜(95/5)であるとより好ましく、91/9〜95/5であるとより好ましい。
モル比(MA1/MA2)が91/9〜95/5の水溶性高分子(成分e)は、成分Eのうち、90重量%以上、より好ましくは100重量%含まれていると好ましい。
《成分e》
成分eは、アクリル酸、メタクリル酸及びマレイン酸からなる群より選ばれる1又は2以上の化合物由来の構成単位A1を、全構成単位中好ましくは20モル%以上含有し、かつ、構成単位A1と2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸由来の構成単位A2とを91/9〜95/5のモル比(MA1/MA2)で含有する共重合体である。洗浄剤組成物に、この共重合体が含まれていると、すすぎ性を維持しつつ、ゼータ電位の向上に伴う分散性が良好な状態で、被洗浄基板の洗浄ができるという優れた効果が奏される。
成分eの全構成単位中における構成単位A1と構成単位A2の合計含有量は、成分eの共重合体の水溶性を高め、また、無機微粒子の凝集防止と成分eの水溶性の低下による微粒子除去性の悪化防止とを両立する観点から、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上である。
かかる割合(モル比)でA1とA2とを含有する成分eの共重合体は、微粒子に対して適度な電荷を付与し得るため、微粒子の凝集防止に有効であると考えられる。
成分Eの共重合体の重量平均分子量は、凝集の発現により微粒子除去性が低下するのを防ぎ、充分な微粒子除去性を得る観点から、500〜150,000が好ましく、1000〜100,000がより好ましく、1000〜50,000がさらに好ましい。成分Eの共重合体の重量平均分子量は、例えば、下記条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって求めることができる。
(GPC条件)
カラム:G4000PWXL+G2500PWXL(東ソ−(株)製)
溶離液:0.2Mリン酸バッファ−/CH3CN=9/1(容量比)
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出:RI
サンプルサイズ:0.2mg/mL
標準物質:ポリエチレングリコール換算
成分Eは上記共重合体の塩であってもよい。かかる塩としては、特に限定されないが、具体的にはナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;分子量300以下の含窒素系化合物による塩が好ましい。分子量300以下の含窒素系化合物としては、例えば、アンモニア、アルキルアミン又はポリアルキルポリアミンにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等が付加されたモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、メチルプロパノールアミン、モノブタノールアミン、アミノエチルエタノールアミン等のアミノアルコール類;テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、コリン等の四級アンモニウム塩等が挙げられる。
洗浄剤組成物中における、水溶性高分子の含有量は、充分な微粒子の除去性、良好な分散安定性及び良好な排水処理性を発揮させる観点から、0.001〜30重量%が好ましく、0.01〜20重量%がより好ましく、0.1〜10重量%がさらに好ましく、1〜10重量%がさらにより好ましい。
《成分F》
成分Fは、例えば、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ジメチルベンゼンスルホン酸、ヒドロキシベンゼンスルホン酸およびこれらの塩からなる群から選ばれる一種以上の化合物である。これらの化合物は、そのメカニズムについては明らかではないが、洗浄剤組成物中において曇点上昇剤として作用し、洗浄剤組成物の保存安定性の向上に寄与するものと推測される。
ここで、曇点(℃)とは、洗浄性組成物の温度を上げていったとき、上記洗浄性組成物が白濁し始める温度のことである。洗浄性組成物の温度が上昇して水分子の運動が活発になると、洗浄性組成物中の界面活性剤の親水基部分と水分子との水素結合が切れて、界面活性剤は溶解性を失い、上記水溶液は白濁し、変質して、洗浄性組成物の洗浄性が劣化する。洗浄剤組成物中のアルカリ剤の含有量が多いほど、上記洗浄性の劣化の程度は顕著となる。
洗浄剤組成物の曇点は、下記のようにして得ることができる。(1)まず、30ccの試験管に洗浄剤組成物を10cm3入れる。(2)温浴槽に試験管を入れ、ガラス棒状の温度計を用いて手動で洗浄剤組成物を攪拌しながら、洗浄剤組成物の温度を1℃/5秒の速度で上げる。(3)攪拌しても濁る状態になったところで洗浄剤組成物の温度を読み取る。(4)試験管を温浴槽から取り出し、25℃の雰囲気下で、攪拌棒で攪拌しながら、温度を徐々に下げる。(5)洗浄剤組成物が透明になった温度を読み取る。(6)(2)〜(5)を2回繰り返し、(3)で読み取った温度の平均値を曇点とする。
成分Fの含有量は、曇点上昇効果をより十分に得て、比較的高温下での保存安定性をより高める観点から、1〜30重量%であると好ましく、2〜20重量%であるとより好ましい。
トルエンスルホン酸としては、例えば、p−トルエンスルホン酸が挙げられ、ジメチルベンゼンスルホン酸としては、例えば、2,4−ジメチルベンゼンスルホン酸等が挙げられる。ヒドロキシベンゼンスルホン酸としては、例えば、p−ヒドロキシベンゼンスルホン酸等が挙げられる。
成分Fは、水溶性であることが好ましく、塩であることが好ましい。塩を形成させるための対イオンは、特に限定されないが、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属のイオン、アンモニウムイオン、アルキルアンモニウムイオン等から1種以上を用いることが好ましく、ナトリウムのイオン及び/又はカリウムのイオンがより好ましく、ナトリウムのイオンが更に好ましい。
《成分G》
洗浄剤組成物には、必要に応じて水溶性アミン化合物以外のアルカリ剤が含まれていてもよい。アルカリ剤としては、例えば、アンモニア、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムからなる群より選ばれる一種以上が挙げられるが、洗浄性を高める観点から、水酸化カリウムが好ましい。
本発明の洗浄剤組成物の25℃におけるpHは、シリカ微粒子等の無機微粒子の分散性を向上させる観点から、9以上であると好ましく、9〜14であると好ましい。洗浄対象である被洗浄基板の表面が金属表面である場合、洗浄剤組成物のpHは9〜12であるとより好ましく、ガラス表面である場合、洗浄剤組成物のpHは11〜14であるとより好ましい。なお、上記のpHは、25℃における界面活性剤組成物のpHであり、pHメータ(東亜電波工業株式会社、HM−30G)を用いて測定できる。
本発明の洗浄剤組成物の曇点は、保存安定性を高める観点から、50℃以上であると好ましく、60℃以上であるとより好ましく、65℃以上であるとさらに好ましい。本発明の洗浄剤組成物は、常に低温で貯蔵されるとはかぎらず、例えば、日本国内で生産された場合は、国内輸送を経て船などにより海外に輸出され、海外の倉庫で保存されることもある。輸出国が、例えば、東南アジアである場合、洗浄剤組成物の温度が50℃以上、更には60℃以上になることもある。本発明の洗浄剤組成物は、このような保存環境を経ても、変質により洗浄性が劣化することが抑制される。
本発明の洗浄剤組成物はそのまま、または必要に応じて希釈してから用いられる。希釈倍率は、洗浄効率を考慮すると、好ましくは10〜500倍、より好ましくは20〜200倍、更に好ましくは50〜100倍である。希釈用の水は、成分Cと同様のものでよい。
(洗浄剤組成物の調製方法)
本発明の洗浄剤組成物の調製方法は、何ら制限されず、成分(A)、成分(B)、成分(C)、および、必要に応じて任意成分を混合することによって調製できる。
(HD用基板の製造方法)
本発明のHD用基板の製造方法は、被研磨基板を、シリカ微粒子等の研磨材を含有する研磨液組成物を用いて研磨した後、水で濯いで、被洗浄基板を得る工程と、この工程後に被洗浄基板を本発明の洗浄剤組成物で洗浄する工程とを含む。
HD用基板としては、例えば、アルミニウム基板等の金属基板上にNi−P層が形成された円形基板、又は化学強化ガラスからなる円形基板等が挙げられる。これらのHD用基板上に、スパッタ等の方法により、例えば、磁気記録領域を有し、金属薄膜を含む磁性層が形成されることによって、HDが得られる。上記金属薄膜を構成する金属材料としては、例えば、クロム、タンタル、または白金等とコバルトとの合金である、コバルト合金等が挙げられる。
HD用基板の製造過程には、HD用基板の両主面の表面平滑性を向上させるために、例えば、アルミナ微粒子やシリカ微粒子等の無機微粒子からなる研磨材と、この研磨材の分散溶媒(例えば水)とを含む研磨液組成物を用いて被研磨基板の両主面を研磨する研磨工程が含まれる。この研磨工程を経た被研磨基板(研磨後基板)の両主面には、研磨液組成物由来の汚れ(無機微粒子、有機物など)や装置や研磨パッドなどの設備由来の金属イオンや有機物等が付着している。本発明の洗浄剤組成物は、これらの汚れに対して優れた洗浄性を呈するので、本発明のHD用基板の製造方法によれば、清浄度の高いHD用基板を製造できる。
研磨液組成物中の研磨材の具体例としては、コロイダルシリカ及びヒュームドシリカ等が挙げられ、これらは単独で使用してもよいし、必要に応じて併用してもよい。研磨材の平均一次粒子径は、0.01〜3μmが好ましく、より好ましくは0.02〜3μm、さらに好ましくは0.03〜3μmである。また、一次粒子が凝集して二次粒子を形成している場合、その平均二次粒子径は、0.02〜3μmが好ましく、より好ましくは0.05〜3μm、さらに好ましくは0.1〜3μmである。
研磨液組成物中の研磨材の含有量は、0.05〜40重量%が好ましく、より好ましくは0.2〜30重量%、さらに好ましくは1〜25重量%である。
研磨液組成物には、酸を含むものが一般的に用いられ、酸としては、無機酸及び有機酸の双方が使用できる。無機酸としては、硝酸、亜硝酸、硫酸、亜硫酸、アミド硫酸、リン酸、ポリリン酸及びホスホン酸等が挙げられる。有機酸としては、グリコール酸、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、ホスホノヒドロキシ酢酸、ヒドロキシエチリデン−1、1−ジホスホン酸、ホスホノブタントリカルボン酸及びエチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸等が挙げられる。
本発明の研磨液組成物中の酸の含有量は、0.05〜10重量%が好ましく、より好ましくは0.08〜7.5重量%、さらに好ましくは0.1〜5重量%である。
研磨液組成物は、さらに酸化剤を含むこともある。酸化剤としては、過酸化物、金属のペルオキソ酸又はその塩及び酸素酸又はその塩等が挙げられる。
研磨液組成物中における酸化剤の含有量は、0.002〜20重量%が好ましく、より好ましくは0.005〜10重量%、さらに好ましくは0.01〜5重量%である。
研磨液組成物中の媒体としては、水が使用でき、水としては、蒸留水、イオン交換水、純水及び超純水等が挙げられる。研磨液組成物中の媒体の含有量は、55〜99.8重量%が好ましく、より好ましくは75〜99.3重量%、さらに好ましくは90〜98.8重量%である。
研磨液組成物のpHは、被研磨基板の材質等に応じて適宜決定できるが、被研磨基板の洗浄が容易になり、加工機械の腐食を防止し、作業者がより安全に作業でき、かつ、保存安定性が高まることから、1〜12が好ましく、より好ましくは1.2〜11、さらに好ましくは1.4〜10である。被研磨基板が金属材料である場合は、研磨速度向上の観点から、pHは、7未満が好ましく、より好ましくは6以下、さらに好ましくは5以下、特に好ましくは4以下である。
研磨液組成物は、さらに、殺菌剤、抗菌剤、増粘剤、分散剤、防錆剤、塩基性物質及びpH調整剤等を含んでもよい。これらの成分の研磨液組成物中の含有量は、研磨特性の観点から、10重量%以下が好ましく、より好ましくは8重量%以下、さらに好ましくは6重量%以下である。
被研磨基板の研磨は、例えば、研磨対象物と研磨パッドとの間に、上記研磨液組成物を供給し、被研磨基板と研磨パッドとが接した状態で、被研磨基板に所定の圧力(荷重)をかけながら、研磨パッドを被研磨基板に対して相対運動させることにより行える。なお、上記研磨は、従来公知の研磨装置により行うことができる。
研磨液組成物は、そのまま使用してもよいし、濃縮液であれば希釈して使用すればよい。濃縮液を希釈する場合、その希釈倍率は、特に制限されず、濃縮液における各成分の濃度(研磨材の含有量等)や研磨条件等に応じて適宜決定できる。
研磨パッドは、特に制限されず、従来公知のものが使用できる。研磨パッドの材質としては、有機高分子等が挙げられ、有機高分子としては、ポリウレタン等が挙げられる。研磨パッドの形状は、不織布状が好ましい。
研磨荷重は、研磨時に被研磨基板の研磨面に加えられる定盤の圧力を意味する。本発明の製造方法における研磨荷重は、ロールオフを効果的に抑制しながら生産性を向上させるために、3〜50kPaが好ましく、より好ましくは5〜40kPa、さらに好ましくは7〜30kPaである。研磨荷重の調整は、定盤や被研磨基板等への空気圧や重りの負荷によって行うことができる。
研磨液組成物の供給速度は、コスト低減と研磨速度の向上の両立の観点から、被研磨基板1cm2あたり0.01〜0.25mL/min分が好ましく、より好ましくは0.025〜0.2mL/min、さらに好ましくは0.05〜0.15mL/minである。
研磨後基板に対する水を用いた濯ぎ方法は、例えば、研磨装置を用い上記研磨液組成物に代えて水を供給する方法、超音波洗浄装置の水浴槽内で接触させる方法、水をスプレー状に射出して接触させる方法(シャワー方式)などが挙げられるが、なかでも、pHが低い研磨液組成物と研磨後基板とが長時間接触することにより生じる研磨後基板の過剰エッチングを防ぐ観点から、研磨装置を用い上記研磨液組成物に代えて水を供給する方法が好ましい。
濯ぎに用いられる水は、不要な不純物を研磨後基板に付着させないという理由から、超純水または純水のうちの少なくとも1種の水であると好ましい。
水を用いた濯ぎ方法が、例えば、研磨装置を用い上記研磨液組成物に代えて水を供給する方法である場合、上記研磨パッドにより研磨後基板に所定の圧力(荷重)をかけ、かつ、研磨パッドを上記研磨後基板に対して相対運動させながら、水を供給すると、余分な研磨液組成物を効率的に除去でき、好ましい。
濯ぎに用いられる水の量は、研磨液組成物由来の酸をできるだけ除去し、かつ、過度の研磨後基板の腐食を抑制するという理由から、研磨後基板の単位面積当たり、好ましくは20〜80mL/cm2、より好ましくは25〜80mL/cm2、さらに好ましくは30〜80mL/cm2である。
研磨液組成物による研磨後、水で濯がれることにより得られた被洗浄基板を本発明の洗浄剤組成物で洗浄する工程では、例えば、(a)被洗浄基板(洗浄対象)を洗浄剤組成物に浸漬するか、および/または、(b)洗浄剤組成物を射出して、被洗浄基板の洗浄対象の表面上に洗浄剤組成物が供給される。
(a)において、被洗浄基板の洗浄剤組成物への浸漬条件としては、特に制限はないが、例えば、洗浄剤組成物の温度は、安全性および操業性の観点から20〜100℃であると好ましく、浸漬時間は、洗浄性と生産効率の観点から10秒〜30分間であると好ましい。また、シリカ微粒子等の無機微粒子の除去性および無機微粒子の分散性を高める観点から、洗浄剤組成物には超音波振動が付与されていると好ましい。超音波の周波数としては、好ましくは20〜2000kHzであり、より好ましくは100〜2000kHzであり、さらに好ましくは1000〜2000kHzである。
(b)では、無機微粒子の洗浄性や油分の溶解性を促進させる観点から、超音波振動が与えられている洗浄剤組成物を射出して、洗浄対象の表面に洗浄剤組成物を接触させて洗浄するか、又は、洗浄剤組成物を洗浄対象の表面上に射出により供給し、洗浄剤組成物が供給された表面を洗浄用ブラシでこすることにより洗浄と好ましい。さらには、超音波振動が与えられている洗浄剤組成物を射出により上記表面に供給し、かつ、洗浄剤組成物が供給された表面を洗浄用ブラシでこすることにより洗浄すると好ましい。
洗浄剤組成物を洗浄対象の表面に供給する手段としては、スプレ−ノズル等の公知の手段を用いることができる。また、洗浄用ブラシとしては、特に制限はなく、例えばナイロンブラシやPVAスポンジブラシ等の公知のものを使用することができる。超音波の周波数としては、(a)で例示されるものと同様であればよい。
上記洗浄は、上記(a)及び/又は上記(b)に加えて、揺動洗浄、スピンナー等の回転を利用した洗浄、およびパドル洗浄等の、公知の洗浄方法のうちの少なくとも1つの方法で行ってもよい。
上記被洗浄基板の洗浄工程では、洗浄対象である被洗浄基板を一枚ずつ洗浄してもよいが、複数枚の被洗浄基板を一度にまとめて洗浄してもよい。また、洗浄の際に用いる洗浄槽の数は1つでも複数でも良い。
1.洗浄剤組成物の調製
表1および表2に記載の組成となるように各成分を配合及び混合することにより、実施例1〜41及び比較例1〜8の洗浄剤組成物を得た。尚、表1および表2中に記載の水溶性高分子は、具体的には、アクリル酸/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(92モル%/8モル%)の共重合化合物のNa塩(重量平均分子量:12000(ポリエチレングリコール換算)あり、キレート剤は、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸である。
また、表1および表2に記載のエマルゲンLS−110(化学名ポリオキシエチレンプロピレン高級アルコール系エーテル、花王(株)製)は、非イオン性界面活性剤C12-14−O−(EO)10(PO)1.5−Hであり、C12−O−(EO)10(PO)1.5−Hと、C13−O−(EO)10(PO)1.5−Hと、C14−O−(EO)10(PO)1.5−Hとの混合物である。
また、表2に記載された「48%KOH」は、市販の水酸化カリウム水溶液(KOH濃度48重量%)を意味する。
得られた洗浄剤組成物を使用して以下の洗浄性試験を行った。
2.洗浄性試験
2−1.シリカ微粒子の凝集性試験
9gの洗浄剤組成物が入った20mlのスクリュー管に、1gのコロイダルシリカスラリー(品番:メモリード2P−2000、花王(株)製)を添加し、得られた混合液を全体が均一になるまで振り混ぜた。目視により混合液の状態を下記の3段階で評価した。混合液の白濁は、シリカが凝集していることを意味し、そのような状態にある洗浄剤組成物のシリカ微粒子に対する洗浄性は悪い。結果は表1および表2に示している。
レベル3:混合液が透明である。
レベル2:混合液越しに見た向こうが見える程度に白濁している。
レベル1:混合液越しに見た向こうが見えない程度に白濁している。
2−2.有機物汚れに対する洗浄性試験(洗浄対象の濡れ性の評価)
<被洗浄基板の調製>
Ni−Pメッキされたアルミニウム合金からなる基板(外径:95mmφ、内径:25mmφ、厚さ:1.27mm、表面粗さ(Ra):1nm,10枚)の表面を下記研磨液組成物を供給しながら両面加工機により下記設定条件で研磨し、ついで、研磨液組成物に代えて純水を供給し、研磨後基板を純水により下記条件で濯いで、被洗浄基板(洗浄対象)を得た。
<研磨条件>
研磨機:両面9B研磨機(スピ−ドファム(株)製)
研磨パッド:スエードタイプ(厚さ:0.9mm、平均開孔径:30μm、フジボウ(株)製)
研磨液組成物:コロイダルシリカスラリー(品番:メモリード2P-2000、花王(株)製)
本研磨:荷重 100g/cm2、時間 300秒、研磨液組成物流量 100mL/min
<濯ぎ条件>
純水の電気伝導度:0.71μS/cm
荷重 :30g/cm2
時間 :20秒
純水供給量: 約2L/min
<接触角の測定>
被洗浄基板に、洗浄剤組成物を水で100倍に希釈して得た希釈液を0.002ml/cm3滴下した。希釈液の滴下20秒後に、接触角測定器(型番CA−S350、協和界面科学株式会社製)を用い、被洗浄基板に対する洗浄剤組成物の接触角を測定した(図1参照)。なお、有機物が付着した被洗浄基板に対する接触角が低いと、有機物に対する浸透性が高いことを示すので、「接触角」の測定により有機物の洗浄性を評価できる。評価は下記の2段階でおこなった。結果は表1および表2に示している。
レベル2:接触角が35°未満の場合
レベル1:接触角が35°以上の場合
2−3.被洗浄基板に対する実際に即した洗浄性試験(実洗浄性試験)
上記(2−2.有機物汚れに対する洗浄性試験)と同様にして被洗浄基板を用意し、該被洗浄基板を用いて洗浄剤組成物のシリカ微粒子に対する洗浄性を評価した。
<洗浄剤組成物による洗浄方法>
被洗浄基板を洗浄装置(3段式:1段目ロールブラシ−2段目ロールブラシ−3段目超音波シャワー)にて以下の条件で洗浄した。
(1)洗浄:洗浄装置にセットされた被洗浄基板を搬送待機箇所へセットし、次いで、1枚の被洗浄基板を洗浄装置の1段目のロールブラシが在る箇所へ搬送し、被洗浄基板の両主面の各々に、回転しているロールブラシを押し当て、洗浄剤組成物を水で100倍に希釈して得た希釈液を被洗浄基板の両主面の各々に射出しながら20秒間洗浄した。上記希釈液の供給量は70g/20秒とした。
(2)すすぎ:上記希釈液による洗浄後の被洗浄基板を、洗浄装置の2段目のロールブラシが在る箇所へ搬送し、次いで、上記(1)の洗浄の際と同様に、被洗浄基板の両主面の各々に、回転しているロールブラシを押し当て、常温の超純水を被洗浄基板の両主面の各々に射出しながら20秒間すすぎを行った。その後、被洗浄基板を3段目の超音波シャワーへ搬送し、950kHzの超音波が付与された常温の超純水を被洗浄基板の両主面の各々に射出しながら20秒間すすぎを行った。950kHzの超音波が付与された常温の超純水の供給量は300g/20秒とした。
(3)乾燥:スピンチャックに保持されたすすぎ後の洗浄後基板を、高速回転(3000rpmで)させて液切り乾燥を1分間行った。
<シリカ微粒子の洗浄性評価>
上記(1)〜(3)を経た洗浄後基板の表面におけるシリカ微粒子の残存数を以下の方法で調べることにより、洗浄剤組成物の洗浄性を評価した。結果を表1および表2に示している。
走査電子顕微鏡を用いて1000倍(視野範囲:約100μm角)の倍率下で、乾燥後の基板を観察し、観察視野内で観察される基板表面に残存する微粒子の数を数えた。この観察を5枚の基板について、基板の両主面でランダムにそれぞれ10点、合計100点(10点×2×5枚=100点)実施した。観察された100点における全微粒子個数及び下記評価基準に基づき、微粒子の洗浄性を4段階で評価した。
<シリカ微粒子の洗浄性評価基準>
レベル4:全微粒子個数が0個である。
レベル3:全微粒子個数が1〜2個である。
レベル2:全微粒子個数が3〜10個である。
レベル1:全微粒子個数が11個以上である。
表1および表2に記載の実洗浄試験の結果より、実施例の洗浄剤組成物の希釈液は、比較例の洗浄剤組成物の希釈液よりも、シリカ微粒子に対する洗浄性が優れていることが確認できた。また、実施例の洗浄剤組成物の希釈液は、特定の非イオン性界面活性剤と水溶性アミン化合物を含むことにより、比較例の洗浄剤組成物の希釈液よりも、シリカ微粒子に対する洗浄性と有機物汚れに対する洗浄性の両方が優れていることが確認できた。
Figure 2009084509
Figure 2009084509
本発明の洗浄剤組成物をそのまま、または、必要に応じて希釈して、被洗浄基板の表面の洗浄に用いることにより、清浄度の高いHD用基板を得ることができる。よって、本発明は、製品の歩留まり向上に寄与し得る。
図1は、被洗浄基板に対する洗浄剤組成物の接触角を示す略図
符号の説明
A:接触角
B:洗浄剤組成物
C:被洗浄基板

Claims (7)

  1. 下記式(1)で表される非イオン性界面活性剤、水溶性アミン化合物、及び水を含有するハードディスク用基板用の洗浄剤組成物。
    1−O−(EO)m(PO)n−H (1)
    1は、炭素数8〜18のアルキル基,炭素数8〜18のアルケニル基,炭素数8〜18のアシル基、又は炭素数14〜18のアルキルフェニル基であり、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基、m及びnはそれぞれEO及びPOの平均付加モル数であり、m=1〜20,n=0〜20を表す数であり、EOとPOの配列はブロックでもランダムでもよい。
  2. 前記非イオン性界面活性剤と前記アミン化合物の含有量比(前記非イオン性界面活性剤/前記アミン化合物)が0.1〜50である請求項1記載のハードディスク用基板用の洗浄剤組成物。
  3. さらに、水溶性高分子を含有する請求項1又は2に記載のハードディスク用基板用の洗浄剤組成物。
  4. さらに、キレート剤を含有する請求項1〜3のいずれかに記載のハードディスク用基板用の洗浄剤組成物。
  5. さらに、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ジメチルベンゼンスルホン酸、ヒドロキシベンゼンスルホン酸およびこれらの塩からなる群から選ばれる一種以上の化合物を含有する請求項1〜4のいずれかに記載のハードディスク用基板用の洗浄剤組成物。
  6. pHが9以上である請求項1〜5のいずれかに記載のハードディスク用基板用の洗浄剤組成物。
  7. 被研磨基板を、シリカ微粒子を含有する研磨液組成物で研磨した後、水で濯いで、被洗浄基板を得る工程と、
    前記被洗浄基板を請求項1〜6のいずれかの項に記載の洗浄剤組成物を用いて洗浄する工程とを含むハードディスク用基板の製造方法。
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