JP2009084509A - ハードディスク用基板用の洗浄剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のHD用基板用の洗浄剤組成物は、下記式(1)で表される非イオン性界面活性剤、水溶性アミン化合物、及び水を含有する。R1は、炭素数8〜18のアルキル基,炭素数8〜18のアルケニル基,炭素数8〜18のアシル基、又は炭素数14〜18のアルキルフェニル基であり、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基、m及びnはそれぞれEO及びPOの平均付加モル数であり、m=1〜20,n=0〜20を表す数であり、EOとPOの配列はブロックでもランダムでもよい。
R1−O−(EO)m(PO)n−H (1)
【選択図】なし
Description
R1−O−(EO)m(PO)n−H (1)
R1は、炭素数8〜18のアルキル基,炭素数8〜18のアルケニル基,炭素数8〜18のアシル基、又は炭素数14〜18のアルキルフェニル基であり、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基、m及びnはそれぞれEO及びPOの平均付加モル数であり、m=1〜20,n=0〜20を表す数であり、EOとPOの配列はブロックでもランダムでもよい。
本発明の洗浄剤組成物に含まれる非イオン性界面活性剤(成分A)としては、下記の式(1)で表される非イオン性界面活性剤が用いられる。本発明の洗浄剤組成物はこれらの非イオン性界面活性剤を含むことで、洗浄性、排水処理性、及び環境保全性のいずもが優れている。
R1−O−(EO)m(PO)n−H (1)
洗浄剤組成物に含まれる水溶性アミン化合物(成分B)としては、例えば、アルカノールアミン、1級アミン、2級アミン、および3級アミンからなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
洗浄剤組成物に含まれる水(成分C)は、溶媒としての役割を果たすことができるものであれば特に制限はなく、例えば、超純水、純水、イオン交換水、または蒸留水等を挙げることができるが、超純水、純水、またはイオン交換水が好ましく、超純水がより好ましく使用される。なお、純水及び超純水は、例えば、水道水を活性炭に通し、イオン交換処理し、さらに蒸留したものを、必要に応じて所定の紫外線殺菌灯を照射、又はフィルターに通すことにより得ることができる。例えば、25℃での電気伝導率は、多くの場合、純水で1μS/cm以下であり、超純水で0.1μS/cm以下を示す。なお、洗浄剤組成物は、溶媒として上記水に加えて水系溶媒(例えば、エタノール等のアルコール)をさらに含んでいてもよいが、洗浄剤組成物に含まれる溶媒は水のみからなると好ましい。
本発明の洗浄剤組成物には、成分A,B、C以外に、シリコン系の消泡剤、EDTA等のようなキレート剤(成分D)、水溶性高分子(成分E)、曇点上昇剤(成分F)、水溶性アミン化合物以外のアルカリ剤(成分G)、アルコール類、防腐剤、酸化防止剤等が含まれていてもよい。
洗浄剤組成物には、金属イオンに対する洗浄性を向上させる観点から、キレート剤(成分D)が含まれていると好ましい。キレート剤としては、グルコン酸、グルコヘプトン酸などのアルドン酸類;エチレンジアミン四酢酸などのアミノカルボン酸類;クエン酸、リンゴ酸などのヒドロキシカルボン酸類;アミノトリメチレンホスホン酸、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸などのホスホン酸類;およびこれらのアルカリ金属塩、低級アミン塩、アンモニウム塩、アルカノールアンモニウム塩が挙げられる。より好ましくは、グルコン酸ナトリウム、グルコヘプトン酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、またはヒドロキシエチリデンジホスホン酸ナトリウムである。これらのキレート剤は、単独でまたは2種以上を混合して用いてもよい。
洗浄剤組成物には、シリカ微粒子等の無機微粒子の分散性を向上させる観点から、水溶性高分子(成分E)が含まれていてもよく、水溶性高分子としては、カルボン酸系共重合体が好ましい。
成分eは、アクリル酸、メタクリル酸及びマレイン酸からなる群より選ばれる1又は2以上の化合物由来の構成単位A1を、全構成単位中好ましくは20モル%以上含有し、かつ、構成単位A1と2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸由来の構成単位A2とを91/9〜95/5のモル比(MA1/MA2)で含有する共重合体である。洗浄剤組成物に、この共重合体が含まれていると、すすぎ性を維持しつつ、ゼータ電位の向上に伴う分散性が良好な状態で、被洗浄基板の洗浄ができるという優れた効果が奏される。
カラム:G4000PWXL+G2500PWXL(東ソ−(株)製)
溶離液:0.2Mリン酸バッファ−/CH3CN=9/1(容量比)
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出:RI
サンプルサイズ:0.2mg/mL
標準物質:ポリエチレングリコール換算
成分Fは、例えば、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ジメチルベンゼンスルホン酸、ヒドロキシベンゼンスルホン酸およびこれらの塩からなる群から選ばれる一種以上の化合物である。これらの化合物は、そのメカニズムについては明らかではないが、洗浄剤組成物中において曇点上昇剤として作用し、洗浄剤組成物の保存安定性の向上に寄与するものと推測される。
洗浄剤組成物には、必要に応じて水溶性アミン化合物以外のアルカリ剤が含まれていてもよい。アルカリ剤としては、例えば、アンモニア、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムからなる群より選ばれる一種以上が挙げられるが、洗浄性を高める観点から、水酸化カリウムが好ましい。
本発明の洗浄剤組成物の調製方法は、何ら制限されず、成分(A)、成分(B)、成分(C)、および、必要に応じて任意成分を混合することによって調製できる。
本発明のHD用基板の製造方法は、被研磨基板を、シリカ微粒子等の研磨材を含有する研磨液組成物を用いて研磨した後、水で濯いで、被洗浄基板を得る工程と、この工程後に被洗浄基板を本発明の洗浄剤組成物で洗浄する工程とを含む。
表1および表2に記載の組成となるように各成分を配合及び混合することにより、実施例1〜41及び比較例1〜8の洗浄剤組成物を得た。尚、表1および表2中に記載の水溶性高分子は、具体的には、アクリル酸/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(92モル%/8モル%)の共重合化合物のNa塩(重量平均分子量:12000(ポリエチレングリコール換算)あり、キレート剤は、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸である。
2−1.シリカ微粒子の凝集性試験
9gの洗浄剤組成物が入った20mlのスクリュー管に、1gのコロイダルシリカスラリー(品番:メモリード2P−2000、花王(株)製)を添加し、得られた混合液を全体が均一になるまで振り混ぜた。目視により混合液の状態を下記の3段階で評価した。混合液の白濁は、シリカが凝集していることを意味し、そのような状態にある洗浄剤組成物のシリカ微粒子に対する洗浄性は悪い。結果は表1および表2に示している。
レベル3:混合液が透明である。
レベル2:混合液越しに見た向こうが見える程度に白濁している。
レベル1:混合液越しに見た向こうが見えない程度に白濁している。
<被洗浄基板の調製>
Ni−Pメッキされたアルミニウム合金からなる基板(外径:95mmφ、内径:25mmφ、厚さ:1.27mm、表面粗さ(Ra):1nm,10枚)の表面を下記研磨液組成物を供給しながら両面加工機により下記設定条件で研磨し、ついで、研磨液組成物に代えて純水を供給し、研磨後基板を純水により下記条件で濯いで、被洗浄基板(洗浄対象)を得た。
研磨機:両面9B研磨機(スピ−ドファム(株)製)
研磨パッド:スエードタイプ(厚さ:0.9mm、平均開孔径:30μm、フジボウ(株)製)
研磨液組成物:コロイダルシリカスラリー(品番:メモリード2P-2000、花王(株)製)
本研磨:荷重 100g/cm2、時間 300秒、研磨液組成物流量 100mL/min
純水の電気伝導度:0.71μS/cm
荷重 :30g/cm2
時間 :20秒
純水供給量: 約2L/min
被洗浄基板に、洗浄剤組成物を水で100倍に希釈して得た希釈液を0.002ml/cm3滴下した。希釈液の滴下20秒後に、接触角測定器(型番CA−S350、協和界面科学株式会社製)を用い、被洗浄基板に対する洗浄剤組成物の接触角を測定した(図1参照)。なお、有機物が付着した被洗浄基板に対する接触角が低いと、有機物に対する浸透性が高いことを示すので、「接触角」の測定により有機物の洗浄性を評価できる。評価は下記の2段階でおこなった。結果は表1および表2に示している。
レベル2:接触角が35°未満の場合
レベル1:接触角が35°以上の場合
上記(2−2.有機物汚れに対する洗浄性試験)と同様にして被洗浄基板を用意し、該被洗浄基板を用いて洗浄剤組成物のシリカ微粒子に対する洗浄性を評価した。
被洗浄基板を洗浄装置(3段式:1段目ロールブラシ−2段目ロールブラシ−3段目超音波シャワー)にて以下の条件で洗浄した。
(1)洗浄:洗浄装置にセットされた被洗浄基板を搬送待機箇所へセットし、次いで、1枚の被洗浄基板を洗浄装置の1段目のロールブラシが在る箇所へ搬送し、被洗浄基板の両主面の各々に、回転しているロールブラシを押し当て、洗浄剤組成物を水で100倍に希釈して得た希釈液を被洗浄基板の両主面の各々に射出しながら20秒間洗浄した。上記希釈液の供給量は70g/20秒とした。
(2)すすぎ:上記希釈液による洗浄後の被洗浄基板を、洗浄装置の2段目のロールブラシが在る箇所へ搬送し、次いで、上記(1)の洗浄の際と同様に、被洗浄基板の両主面の各々に、回転しているロールブラシを押し当て、常温の超純水を被洗浄基板の両主面の各々に射出しながら20秒間すすぎを行った。その後、被洗浄基板を3段目の超音波シャワーへ搬送し、950kHzの超音波が付与された常温の超純水を被洗浄基板の両主面の各々に射出しながら20秒間すすぎを行った。950kHzの超音波が付与された常温の超純水の供給量は300g/20秒とした。
(3)乾燥:スピンチャックに保持されたすすぎ後の洗浄後基板を、高速回転(3000rpmで)させて液切り乾燥を1分間行った。
上記(1)〜(3)を経た洗浄後基板の表面におけるシリカ微粒子の残存数を以下の方法で調べることにより、洗浄剤組成物の洗浄性を評価した。結果を表1および表2に示している。
レベル4:全微粒子個数が0個である。
レベル3:全微粒子個数が1〜2個である。
レベル2:全微粒子個数が3〜10個である。
レベル1:全微粒子個数が11個以上である。
B:洗浄剤組成物
C:被洗浄基板
Claims (7)
- 下記式(1)で表される非イオン性界面活性剤、水溶性アミン化合物、及び水を含有するハードディスク用基板用の洗浄剤組成物。
R1−O−(EO)m(PO)n−H (1)
R1は、炭素数8〜18のアルキル基,炭素数8〜18のアルケニル基,炭素数8〜18のアシル基、又は炭素数14〜18のアルキルフェニル基であり、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基、m及びnはそれぞれEO及びPOの平均付加モル数であり、m=1〜20,n=0〜20を表す数であり、EOとPOの配列はブロックでもランダムでもよい。 - 前記非イオン性界面活性剤と前記アミン化合物の含有量比(前記非イオン性界面活性剤/前記アミン化合物)が0.1〜50である請求項1記載のハードディスク用基板用の洗浄剤組成物。
- さらに、水溶性高分子を含有する請求項1又は2に記載のハードディスク用基板用の洗浄剤組成物。
- さらに、キレート剤を含有する請求項1〜3のいずれかに記載のハードディスク用基板用の洗浄剤組成物。
- さらに、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ジメチルベンゼンスルホン酸、ヒドロキシベンゼンスルホン酸およびこれらの塩からなる群から選ばれる一種以上の化合物を含有する請求項1〜4のいずれかに記載のハードディスク用基板用の洗浄剤組成物。
- pHが9以上である請求項1〜5のいずれかに記載のハードディスク用基板用の洗浄剤組成物。
- 被研磨基板を、シリカ微粒子を含有する研磨液組成物で研磨した後、水で濯いで、被洗浄基板を得る工程と、
前記被洗浄基板を請求項1〜6のいずれかの項に記載の洗浄剤組成物を用いて洗浄する工程とを含むハードディスク用基板の製造方法。
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