JP2009084263A - メルカプトアルカンカルボン酸エステル亜鉛塩およびその製造方法、潤滑油添加剤、および潤滑油組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】潤滑油用として用いることで、従来の硫黄系添加剤に比べて、優れた極圧性(耐荷重性能)と耐摩耗性を有するとともに、非鉄金属に対する腐食性が低い化合物を提供する。
【解決手段】下記式(1)で示されることを特徴とするメルカプトアルカンカルボン酸エステル亜鉛塩。
Zn(−Sx−A−COOR1)2 (1)
(式中、R1は、酸素原子、硫黄原子、または窒素原子を含んでいてもよい炭素数1〜30のヒドロカルビル基、Aは、CR2R3で表される基であり、R2およびR3はそれぞれ独立に以下(a)〜(d)に示すいずれかの原子または基を意味する。xは1または2を示す。
(a)水素
(b)酸素原子、硫黄原子または窒素原子を含んでいてもよい炭素数1〜24のヒドロカルビル基
(c)COOR1
(d)B−COOR1、
(ここで、Bは炭素数1〜8のヒドロカルビル基))
【選択図】なし
【解決手段】下記式(1)で示されることを特徴とするメルカプトアルカンカルボン酸エステル亜鉛塩。
Zn(−Sx−A−COOR1)2 (1)
(式中、R1は、酸素原子、硫黄原子、または窒素原子を含んでいてもよい炭素数1〜30のヒドロカルビル基、Aは、CR2R3で表される基であり、R2およびR3はそれぞれ独立に以下(a)〜(d)に示すいずれかの原子または基を意味する。xは1または2を示す。
(a)水素
(b)酸素原子、硫黄原子または窒素原子を含んでいてもよい炭素数1〜24のヒドロカルビル基
(c)COOR1
(d)B−COOR1、
(ここで、Bは炭素数1〜8のヒドロカルビル基))
【選択図】なし
Description
本発明は、潤滑油添加剤および潤滑油組成物に関する。さらに詳しくは、本発明は、極圧作用や耐摩耗作用に優れる特定構造の亜鉛化合物からなる潤滑油添加剤、およびそれを含有する潤滑油組成物に関する。
内燃機関や、自動変速機、緩衝器、パワーステアリングなどの駆動系機器などには、その作動を円滑にするために潤滑油が用いられている。一方、これらの機器を高出力・高荷重のもとで運転すると潤滑性能が不足して潤滑面が摩耗し、遂には焼付きを起こすことが知られている。したがって、極圧添加剤や耐摩耗剤などを配合した潤滑油が用いられている。しかしながら、従来の極圧添加剤は、他の添加剤との相互作用により、充分な焼付き防止効果が発揮されなかったり、金属を腐食したり、耐摩耗性に劣るなど、必ずしも充分に満足しうるものではなかった。
また、切削加工、研削加工あるいは塑性加工等の金属加工に用いられる金属加工油としては、鉱油や合成系炭化水素油に、アルコール類、脂肪酸エステル類、脂肪酸等の油性剤や極圧添加剤を配合することによって調製され、加工性を向上させることが試みられている。しかし、このような金属加工油には、生産性の向上や省エネルギーの観点から、加工性をさらに向上させることができる新たな加工油が要望されている。同時に、従来から極圧添加剤として幅広く使用されてきた塩素系極圧添加剤は、人体にかぶれを生じさせたり、対象金属に錆を発生させるなど、作業環境を悪化させる原因をなしているため、その使用を控える傾向にある。そこで、上記のような要望に応えた金属加工油として、基油に活性イオウを含有する硫化オレフィンと過塩基性スルホネートを添加した油剤が市販されている。このような市販の金属加工油は、耐溶着性が良好で、工具の異常摩耗(例えば欠けなど)や加工面のむしれを防止できる性能を有している。しかし、比較的低負荷の摩擦が繰り返される加工では、活性硫黄による工具の腐食摩耗が進行し、工具の交換あるいは再研磨までの期間が短くなるため、生産能率を阻害する場合が多かった。逆に、始めから異常摩耗が問題にならない金属加工では、むしろ生産能率の低下を招くこともしばしばであった。
次に、作動油は、例えば油圧機器や装置などの油圧システムにおける動力伝達、力の制御、緩衝などの作動に用いられる動力伝達流体であり、摺動部分の潤滑の機能も果たしている。このような作動油においては、特に荷重焼付防止性及び耐摩耗性に優れることが不可欠な基本的性能であり、したがって、鉱油や合成油などの基油に、極圧添加剤や摩耗防止剤などを配合することによって、上記性能が付与されている。しかしながら、従来の極圧添加剤は、荷重焼付防止効果は充分であっても、耐摩耗性が不充分であったり、腐食摩耗を発生させたりするなど、必ずしも充分に満足しうるものではなかった。
さらに、ギヤ油、特に自動車用ギヤ油は、近年積載量の増加、あるいは高速道路網の発達による長距離輸送などの運転条件の過酷化や、更油間隔の延長などに伴い、耐摩耗性及び酸化安定性の向上が望まれている。
さらに、ギヤ油、特に自動車用ギヤ油は、近年積載量の増加、あるいは高速道路網の発達による長距離輸送などの運転条件の過酷化や、更油間隔の延長などに伴い、耐摩耗性及び酸化安定性の向上が望まれている。
そこで、上述した各用途に用いられる極圧添加剤として、特定の硫黄系極圧添加剤がよく用いられている。この硫黄系極圧添加剤は、分子内に硫黄原子を有し、基油に溶解又は均一に分散して極圧効果を発揮するものである。例えば、硫化油脂、硫化脂肪酸、硫化エステル、ポリスルフィド、硫化オレフィン、チオカーバメート類、チオテルペン類、ジアルキルチオジプロピオネート類などを極圧添加剤または耐摩耗添加剤として配合することが試みられている。しかしながら、これらの硫黄系添加剤は、金属を腐食したり、他の添加剤との相互作用により、焼付き防止効果が充分に発揮されなかったり、あるいは耐摩耗性が不充分であるなどの問題を有し、必ずしも満足し得るものではなかった。
これに対して、最近、硫黄系極圧添加剤として、下記式で示される化合物が開示されている(特許文献1参照)。
R4OOC−A2−Sy−A3−COOR5
(式中、R4およびR5は、それぞれ炭素数1〜20の炭化水素基、A2およびA3は、それぞれ炭素数0〜20の炭化水素基、yは1〜6の整数を示す。)
この化合物を基油に添加することで、優れた極圧性および耐摩耗性を示す潤滑油組成物
が得られることが開示されている。
これに対して、最近、硫黄系極圧添加剤として、下記式で示される化合物が開示されている(特許文献1参照)。
R4OOC−A2−Sy−A3−COOR5
(式中、R4およびR5は、それぞれ炭素数1〜20の炭化水素基、A2およびA3は、それぞれ炭素数0〜20の炭化水素基、yは1〜6の整数を示す。)
この化合物を基油に添加することで、優れた極圧性および耐摩耗性を示す潤滑油組成物
が得られることが開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示された化合物は、モノクロロ酢酸エステルなどの塩素化エステルと多硫化ナトリウムとを反応させて製造されることから、モノスルフィド、ジスルフィド及びトリスルフィド以上のポリスルフィドからなる混合物となることを避けられず、腐食性が問題となる。また、A2およびA3で表される二価の炭化水素基については、炭素数が記載されているのみで、その構造についてはなんら説明がなされておらず、どのような構造のものが好ましいかは全く不明である。
そこで本発明は、潤滑油用として用いることで、従来の硫黄系添加剤に比べて、優れた極圧性(耐荷重性能)と耐摩耗性を有するとともに、非鉄金属に対する腐食性が低い化合物、この化合物を含む潤滑油添加剤、該添加剤を含む潤滑油組成物および前記した化合物の製造方法を提供することを目的とする。
そこで本発明は、潤滑油用として用いることで、従来の硫黄系添加剤に比べて、優れた極圧性(耐荷重性能)と耐摩耗性を有するとともに、非鉄金属に対する腐食性が低い化合物、この化合物を含む潤滑油添加剤、該添加剤を含む潤滑油組成物および前記した化合物の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決すべく、本発明は、以下のような特定の亜鉛塩、潤滑油添加剤および潤滑油組成物を提供するものである。
[1]下記式(1)で示されることを特徴とするメルカプトアルカンカルボン酸エステル亜鉛塩。
Zn(−Sx−A−COOR1)2 (1)
(式中、R1は、酸素原子、硫黄原子、または窒素原子を含んでいてもよい炭素数1〜30のヒドロカルビル基、Aは、CR2R3で表される基であり、R2およびR3はそれぞれ独立に以下(a)〜(d)に示すいずれかの原子または基を意味する。xは1または2を示す。ただし、式中の2〜6個のR1は、同一でも異なっていてもよく、A、BおよびSxについても同様である。
(a)水素
(b)酸素原子、硫黄原子または窒素原子を含んでいてもよい炭素数1〜24のヒドロカルビル基
(c)COOR1
(d)B−COOR1
(ここで、Bは酸素原子、硫黄原子または窒素原子を含んでいてもよい炭素数1〜8のヒドロカルビル基))
[2]前記[1]に記載のメルカプトアルカンカルボン酸エステル亜鉛塩において、
xが1であることを特徴とするメルカプトアルカンカルボン酸エステル亜鉛塩。
[3]前記[1]または[2]に記載のメルカプトアルカンカルボン酸エステル亜鉛塩を含有することを特徴とする潤滑油添加剤。
[4]潤滑油基油と、前記[3]に記載の潤滑油添加剤とを含むことを特徴とする潤滑油組成物。
[5]前記[4]に記載の潤滑油組成物において、組成物全量基準で、メルカプトアルカンカルボン酸エステル亜鉛塩の含有量が0.01〜50質量%であることを特徴とする潤滑油組成物。
[6]下記式(2)で示されるメルカプトアルカンカルボン酸エステルと、亜鉛化合物とを反応させることを特徴とするメルカプトアルカンカルボン酸エステル亜鉛塩の製造方法。
R1OOC−A−SH (2)
(式中、R1は、酸素原子、硫黄原子、または窒素原子を含んでいてもよい炭素数1〜30のヒドロカルビル基、Aは、CR2R3で表される基であり、R2およびR3はそれぞれ独立に以下(a)〜(d)に示すいずれかの原子または基を意味する。ただし、式中のR1は、複数個の場合は同一でも異なっていてもよい。
(a)水素
(b)酸素原子、硫黄原子または窒素原子を含んでいてもよい炭素数1〜24のヒドロカルビル基
(c)COOR1
(d)B−COOR1
(ここで、Bは酸素原子、硫黄原子または窒素原子を含んでいてもよい炭素数1〜8のヒドロカルビル基))
[1]下記式(1)で示されることを特徴とするメルカプトアルカンカルボン酸エステル亜鉛塩。
Zn(−Sx−A−COOR1)2 (1)
(式中、R1は、酸素原子、硫黄原子、または窒素原子を含んでいてもよい炭素数1〜30のヒドロカルビル基、Aは、CR2R3で表される基であり、R2およびR3はそれぞれ独立に以下(a)〜(d)に示すいずれかの原子または基を意味する。xは1または2を示す。ただし、式中の2〜6個のR1は、同一でも異なっていてもよく、A、BおよびSxについても同様である。
(a)水素
(b)酸素原子、硫黄原子または窒素原子を含んでいてもよい炭素数1〜24のヒドロカルビル基
(c)COOR1
(d)B−COOR1
(ここで、Bは酸素原子、硫黄原子または窒素原子を含んでいてもよい炭素数1〜8のヒドロカルビル基))
[2]前記[1]に記載のメルカプトアルカンカルボン酸エステル亜鉛塩において、
xが1であることを特徴とするメルカプトアルカンカルボン酸エステル亜鉛塩。
[3]前記[1]または[2]に記載のメルカプトアルカンカルボン酸エステル亜鉛塩を含有することを特徴とする潤滑油添加剤。
[4]潤滑油基油と、前記[3]に記載の潤滑油添加剤とを含むことを特徴とする潤滑油組成物。
[5]前記[4]に記載の潤滑油組成物において、組成物全量基準で、メルカプトアルカンカルボン酸エステル亜鉛塩の含有量が0.01〜50質量%であることを特徴とする潤滑油組成物。
[6]下記式(2)で示されるメルカプトアルカンカルボン酸エステルと、亜鉛化合物とを反応させることを特徴とするメルカプトアルカンカルボン酸エステル亜鉛塩の製造方法。
R1OOC−A−SH (2)
(式中、R1は、酸素原子、硫黄原子、または窒素原子を含んでいてもよい炭素数1〜30のヒドロカルビル基、Aは、CR2R3で表される基であり、R2およびR3はそれぞれ独立に以下(a)〜(d)に示すいずれかの原子または基を意味する。ただし、式中のR1は、複数個の場合は同一でも異なっていてもよい。
(a)水素
(b)酸素原子、硫黄原子または窒素原子を含んでいてもよい炭素数1〜24のヒドロカルビル基
(c)COOR1
(d)B−COOR1
(ここで、Bは酸素原子、硫黄原子または窒素原子を含んでいてもよい炭素数1〜8のヒドロカルビル基))
本発明のメルカプトアルカンカルボン酸エステル亜鉛塩によれば、潤滑油添加剤として用いた場合、優れた極圧性(耐荷重性能)と耐摩耗性を発揮する上、非鉄金属に対する腐食性が低い。それ故、このメルカプトアルカンカルボン酸エステル亜鉛塩を適当な基油に配合することにより、上述の性能を発揮し得る潤滑油組成物として好適に提供できる。
本発明のメルカプトアルカンカルボン酸エステル亜鉛塩は、下記式(1)の構造を有している。
Zn(−Sx−A−COOR1)2 (1)
ここで、式中、R1は、酸素原子、硫黄原子、または窒素原子を含んでいてもよい炭素数1〜30のヒドロカルビル基である。このヒドロカルビル基の炭素数は、好ましくは2〜20であり、より好ましくは4〜18、さらに好ましくは6〜18である。R1の炭素数を1以上とすることにより、潤滑油基油に対する充分な溶解性を有し、炭素数を30以下とすることにより、優れた極圧性(耐荷重性能)と耐摩耗性を有する化合物となる。
該ヒドロカルビル基は直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、また、酸素原子、硫黄原子、又は窒素原子を含んでいてもよい。なお、式中の複数のR1は、同一でも異なっていてもよい。
Zn(−Sx−A−COOR1)2 (1)
ここで、式中、R1は、酸素原子、硫黄原子、または窒素原子を含んでいてもよい炭素数1〜30のヒドロカルビル基である。このヒドロカルビル基の炭素数は、好ましくは2〜20であり、より好ましくは4〜18、さらに好ましくは6〜18である。R1の炭素数を1以上とすることにより、潤滑油基油に対する充分な溶解性を有し、炭素数を30以下とすることにより、優れた極圧性(耐荷重性能)と耐摩耗性を有する化合物となる。
該ヒドロカルビル基は直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、また、酸素原子、硫黄原子、又は窒素原子を含んでいてもよい。なお、式中の複数のR1は、同一でも異なっていてもよい。
次に、Aは、CR2R3で示される基であって、R2およびR3はそれぞれ独立に以下(a)〜(d)に示すいずれかの原子または基を意味する。xは1または2を示す。ただし、式中の2〜6個のR1は、同一でも異なっていてもよく、A、BおよびSxについても同様である。
(a)水素
(b)酸素原子、硫黄原子または窒素原子を含んでいてもよい炭素数1〜24のヒドロカルビル基
(c)COOR1
(d)B−COOR1
(ここで、Bは酸素原子、硫黄原子または窒素原子を含んでいてもよい炭素数1〜8のヒドロカルビル基である。))
(a)水素
(b)酸素原子、硫黄原子または窒素原子を含んでいてもよい炭素数1〜24のヒドロカルビル基
(c)COOR1
(d)B−COOR1
(ここで、Bは酸素原子、硫黄原子または窒素原子を含んでいてもよい炭素数1〜8のヒドロカルビル基である。))
Aの炭素数は、少ない方が優れた極圧性(耐荷重性能)と耐摩耗性を有するうえ、炭素数が少ないと容易に製造でき、コスト面でも有利である。具体的には、炭素数は24以下が好ましい。
Aとして具体的には、メチレン基、エチリデン基、プロピリデン基等が挙げられる。なお、式中の2つのAは、同一でも異なっていてもよい。
また、xは1または2である。式中の2つのSxは同一でも異なっていてもよい。ただし、化合物の安定性の観点より、xは1であることが好ましい。
Aとして具体的には、メチレン基、エチリデン基、プロピリデン基等が挙げられる。なお、式中の2つのAは、同一でも異なっていてもよい。
また、xは1または2である。式中の2つのSxは同一でも異なっていてもよい。ただし、化合物の安定性の観点より、xは1であることが好ましい。
ここで、前記した式(1)で示されるメルカプトアルカンカルボン酸エステル亜鉛塩の具体例としては、メルカプトメタンカルボン酸メチル、メルカプトメタンカルボン酸エチル、メルカプトメタンカルボン酸n−プロピル、メルカプトメタンカルボン酸イソプロピル、メルカプトメタンカルボン酸n−ブチル、メルカプトメタンカルボン酸n−オクチル、メルカプトメタンカルボン酸2−エチルヘキシル、メルカプトメタンカルボン酸ドデシル、メルカプトメタンカルボン酸ヘキサデシル、メルカプトメタンカルボン酸オクタデシル、メルカプトエタンカルボン酸メチル、メルカプトエタンカルボン酸エチル、メルカプトエタンカルボン酸n−プロピル、メルカプトエタンカルボン酸イソプロピル、メルカプトエタンカルボン酸n−ブチル、メルカプトエタンカルボン酸n−オクチル、メルカプトエタンカルボン酸2−エチルヘキシル、メルカプトエタンカルボン酸ドデシル、メルカプトエタンカルボン酸ヘキサデシル、メルカプトエタンカルボン酸オクタデシル、メルカプトプロパンカルボン酸メチル、メルカプトプロパンカルボン酸エチル、メルカプトプロパンカルボン酸n−プロピル、メルカプトプロパンカルボン酸イソプロピル、メルカプトプロパンカルボン酸n−ブチル、メルカプトプロパンカルボン酸n−オクチル、メルカプトプロパンカルボン酸2−エチルヘキシル、メルカプトプロパンカルボン酸ドデシル、メルカプトプロパンカルボン酸ヘキサデシル、メルカプトプロパンカルボン酸オクタデシル、メルカプトリンゴ酸ジメチル、メルカプトリンゴ酸ジエチル、メルカプトリンゴ酸ジn−プロピル、メルカプトリンゴ酸ジイソプロピル、メルカプトリンゴ酸ジn−ブチル、メルカプトリンゴ酸ジn−オクチル、メルカプトリンゴ酸ジ2−エチルヘキシル、メルカプトリンゴ酸ジドデシル、メルカプトリンゴ酸ジヘキサデシル、およびメルカプトリンゴ酸ジオクタデシルなどの亜鉛塩を挙げることができる。
本発明のメルカプトアルカンカルボン酸エステル亜鉛塩は、例えば、原料として、下記式(2)で示されるメルカプトアルカンカルボン酸エステルを用い、亜鉛含有化合物と反応させることで製造できる。
R1OOC−A−SH (2)
(式中、R1は酸素原子、硫黄原子、または窒素原子を含んでいてもよい炭素数1〜30のヒドロカルビル基、AはCR2R3で示される基であり、R2およびR3は、それぞれ独立に以下(a)〜(d)に示すいずれかの原子または基を意味する。ただし、式中のR1は、複数個の場合は同一でも異なっていてもよい。
(a)水素
(b)酸素原子、硫黄原子または窒素原子を含んでいてもよい炭素数1〜24のヒドロカルビル基
(c)COOR1
(d)B−COOR1
(ここで、Bは酸素原子、硫黄原子または窒素原子を含んでいてもよい炭素数1〜8のヒドロカルビル基である。))
R1OOC−A−SH (2)
(式中、R1は酸素原子、硫黄原子、または窒素原子を含んでいてもよい炭素数1〜30のヒドロカルビル基、AはCR2R3で示される基であり、R2およびR3は、それぞれ独立に以下(a)〜(d)に示すいずれかの原子または基を意味する。ただし、式中のR1は、複数個の場合は同一でも異なっていてもよい。
(a)水素
(b)酸素原子、硫黄原子または窒素原子を含んでいてもよい炭素数1〜24のヒドロカルビル基
(c)COOR1
(d)B−COOR1
(ここで、Bは酸素原子、硫黄原子または窒素原子を含んでいてもよい炭素数1〜8のヒドロカルビル基である。))
具体的には、亜鉛含有化合物として、例えば、亜鉛酸化物、有機亜鉛化合物、亜鉛酸素酸塩、ハロゲン化亜鉛、亜鉛錯体、金属亜鉛などが好ましく、具体的には、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、炭酸亜鉛、ジメチル亜鉛、ジフェニル亜鉛、酢酸亜鉛、脂肪酸亜鉛などが挙げられる。
これらのメルカプトアルカンカルボン酸エステル亜鉛塩は、極圧添加剤として、潤滑性(耐荷重性能)および耐摩耗性に優れており、潤滑油組成物に好ましく使用できる。
これらのメルカプトアルカンカルボン酸エステル亜鉛塩は、極圧添加剤として、潤滑性(耐荷重性能)および耐摩耗性に優れており、潤滑油組成物に好ましく使用できる。
本発明の潤滑油添加剤においては、前記した式(1)で示されるメルカプトアルカンカルボン酸エステル亜鉛塩を一種含んでいてもよく、二種以上含んでいてもよい。
次に、本発明の潤滑油組成物は、(A)潤滑油基油と、(B)前述のメルカプトアルカンカルボン酸エステル亜鉛塩を含む潤滑油用添加剤を含有するものである。
次に、本発明の潤滑油組成物は、(A)潤滑油基油と、(B)前述のメルカプトアルカンカルボン酸エステル亜鉛塩を含む潤滑油用添加剤を含有するものである。
本発明の潤滑油組成物において、(A)成分として用いられる潤滑油基油としては特に制限はなく、該組成物の使用目的や使用条件などに応じて鉱油や合成油の中から適宜選択すればよい。ここで、鉱油としては、例えばパラフィン基系原油、中間基系原油またはナフテン基系原油を常圧蒸留するか、常圧蒸留の残渣油を減圧蒸留して得られる留出油が好適に用いられる。あるいは、これらを常法に従って精製することによって得られる精製油、具体的には溶剤精製油、水添精製油、脱ロウ処理油、白土処理油などを用いてもよい。また、合成油としては、例えば低分子量ポリブテン、低分子量ポリプロピレン、炭素数8〜14のα−オレフィンオリゴマーおよびこれらの水素化物、さらにはポリオールエステル(トリメチロールプロパンの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステルなど)や二塩基酸エステル、芳香族ポリカルボン酸エステル、およびリン酸エステルなどのエステル系化合物、アルキルベンゼン、アルキルナフタレンなどのアルキルアロマ系化合物、ポリアルキレングリコールなどのポリグリコール油、シリコーン油などが挙げられる。これらの基油は、一種を用いてもよく、二種以上を適宜組み合せて用いてもよい。
本発明の潤滑油組成物における(B)成分の潤滑油添加剤の含有量は、該組成物の使用目的や使用条件などに応じて適宜選定されるが、組成物全量基準で0.01〜50質量%の範囲が好ましい。また、自動車用潤滑油や作動油として用いる場合は、0.01〜30質量%の範囲が好ましく、より好ましくは0.01〜10質量%の範囲である。金属加工油として用いる場合、本発明の潤滑油添加剤単独でも使用することができるが、基油に0.1〜60質量%の範囲で混合することが好ましく、0.1〜30質量%の範囲がより好ましい。潤滑油添加剤の含有量が上記した下限値以上とすることで、極圧性(耐荷重性能)および耐摩耗性を十分に発揮することができる。一方、上記した上限値以下であっても極圧性(耐荷重性能)と耐摩耗性を十分に発揮することが可能である。
本発明の潤滑油組成物は、上述した特定の亜鉛塩を潤滑油添加剤として含んでいるので、潤滑性(耐荷重性能)と耐摩耗性に優れる。それ故、例えば内燃機関や、自動変速機、緩衝器、パワーステアリングなどの駆動系機器、ギヤなどに用いられる自動車用潤滑油、切削加工、研削加工、塑性加工などの金属加工に用いられる金属加工油、油圧機器や装置などの油圧システムにおける動力伝達、力の制御、緩衝などの作動に用いる動力伝達流体である作動油などとして好適に用いられる。
本発明の潤滑油組成物においては、使用目的に応じ、各種添加剤、例えば他の摩擦調整剤(油性剤、他の極圧添加剤)や耐摩耗剤、無灰系分散剤、金属系清浄剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、防錆剤、金属腐食防止剤、消泡剤、界面活性剤、酸化防止剤などを適宜含有させることができる。
他の摩擦調整剤や耐摩耗剤としては、例えば硫化オレフィン、ジアルキルポリスルフィド、ジアリールアルキルポリスルフィド、ジアリールポリスルフィドなどの硫黄系化合物、リン酸エステル、チオリン酸エステル、亜リン酸エステル、アルキルハイドロゲンホスファイト、リン酸エステルアミン塩、亜リン酸エステルアミン塩などのリン系化合物、塩素化油脂、塩素化パラフィン、塩素化脂肪酸エステル、塩素化脂肪酸などの塩素系化合物、アルキル若しくはアルケニルマレイン酸エステル、アルキル若しくはアルケニルコハク酸エステルなどのエステル系化合物、アルキル若しくはアルケニルマレイン酸、アルキル若しくはアルケニルコハク酸などの有機酸系化合物、ナフテン酸塩、ジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)、ジチオカルバミン酸亜鉛(ZnDTC)、硫化オキシモリブデンオルガノホスホロジチオエート(MoDTP)、硫化オキシモリブデンジチオカルバメート(MoDTC)などの有機金属系化合物などが挙げられる。配合量は、組成物全量基準で0.01〜3質量%の範囲が好ましく、より好ましくは0.1〜1.5質量%の範囲である。
他の摩擦調整剤や耐摩耗剤としては、例えば硫化オレフィン、ジアルキルポリスルフィド、ジアリールアルキルポリスルフィド、ジアリールポリスルフィドなどの硫黄系化合物、リン酸エステル、チオリン酸エステル、亜リン酸エステル、アルキルハイドロゲンホスファイト、リン酸エステルアミン塩、亜リン酸エステルアミン塩などのリン系化合物、塩素化油脂、塩素化パラフィン、塩素化脂肪酸エステル、塩素化脂肪酸などの塩素系化合物、アルキル若しくはアルケニルマレイン酸エステル、アルキル若しくはアルケニルコハク酸エステルなどのエステル系化合物、アルキル若しくはアルケニルマレイン酸、アルキル若しくはアルケニルコハク酸などの有機酸系化合物、ナフテン酸塩、ジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)、ジチオカルバミン酸亜鉛(ZnDTC)、硫化オキシモリブデンオルガノホスホロジチオエート(MoDTP)、硫化オキシモリブデンジチオカルバメート(MoDTC)などの有機金属系化合物などが挙げられる。配合量は、組成物全量基準で0.01〜3質量%の範囲が好ましく、より好ましくは0.1〜1.5質量%の範囲である。
無灰系分散剤としては、例えばコハク酸イミド類、ホウ素含有コハク酸イミド類、ベンジルアミン類、ホウ素含有ベンジルアミン類、コハク酸エステル類、脂肪酸あるいはコハク酸で代表される一価又は二価のカルボン酸のアミド類などが挙げられ、金属系清浄剤としては、例えば中性金属スルホネート、中性金属フェネート、中性金属サリチレート、中性金属ホスホネート、塩基性スルホネート、塩基性フェネート、塩基性サリチレート、塩基性ホスホネート、過塩基性スルホネート、過塩基性フェネート、過塩基性サリチレート、過塩基性ホスホネートなどが挙げられる。配合量は、組成物全量基準で0.1〜20質量%の範囲が好ましい。
粘度指数向上剤としては、例えば、ポリメタクリレート、分散型ポリメタクリレート、オレフィン系共重合体(例えば、エチレン−プロピレン共重合体など)、分散型オレフィン系共重合体、スチレン系共重合体(例えば、スチレン−ジエン水素化共重合体など)などが挙げられる。配合量は、組成物全量基準で0.1〜20質量%の範囲が好ましい。
流動点降下剤としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化パラフィンとナフタレンとの縮合物、塩素化パラフィンとフェノールとの縮合物、ポリメタクリレート、ポリアルキルスチレン等が挙げられ、特に、ポリメタクリレートが好ましく用いられる。配合量は、組成物全量基準で0.01〜5質量%の範囲が好ましい。
流動点降下剤としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化パラフィンとナフタレンとの縮合物、塩素化パラフィンとフェノールとの縮合物、ポリメタクリレート、ポリアルキルスチレン等が挙げられ、特に、ポリメタクリレートが好ましく用いられる。配合量は、組成物全量基準で0.01〜5質量%の範囲が好ましい。
防錆剤としては、例えば、脂肪酸、アルケニルコハク酸やその部分エステル、脂肪酸セッケン、アルキルスルホン酸塩、多価アルコール脂肪酸エステル、脂肪酸アミン、酸化パラフィン、アルキルポリオキシエチレンエーテル等が挙げられる。配合量は、組成物全量基準で0.01〜3質量%の範囲が好ましい。
金属腐食防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、ベンズイミダゾール系、ベンゾチアゾール系、チアジアゾール系などが挙げられる。配合量は、組成物全量基準で0.01〜3質量%の範囲が好ましい。
消泡剤としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、ポリアクリレート、フルオロシリコーン、フルオロアルキルエーテル等が挙げられる。配合量は、組成物全量基準で0.005〜0.1質量%の範囲が好ましい。
金属腐食防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、ベンズイミダゾール系、ベンゾチアゾール系、チアジアゾール系などが挙げられる。配合量は、組成物全量基準で0.01〜3質量%の範囲が好ましい。
消泡剤としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、ポリアクリレート、フルオロシリコーン、フルオロアルキルエーテル等が挙げられる。配合量は、組成物全量基準で0.005〜0.1質量%の範囲が好ましい。
界面活性剤としては、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、および両性界面活性剤などが挙げられる。アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルファオレフィンスルホン酸塩等がある。カチオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩などの四級アンモニウム塩等がある。非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルなどのエーテルが挙げられる。配合量は、組成物全量基準で0.01〜10質量%の範囲が好ましい。
酸化防止剤としては、例えば、アルキル化ジフェニルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、アルキル化−ナフチルアミンなどのアミン系酸化防止剤、2,6−ジ−t−ブチルクレゾール、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)などのフェノール系酸化防止剤などを挙げることができる。配合量は、組成物全量基準で0.05〜7質量%の範囲が好ましい。
酸化防止剤としては、例えば、アルキル化ジフェニルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、アルキル化−ナフチルアミンなどのアミン系酸化防止剤、2,6−ジ−t−ブチルクレゾール、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)などのフェノール系酸化防止剤などを挙げることができる。配合量は、組成物全量基準で0.05〜7質量%の範囲が好ましい。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。具体的には、所定の基油に下記の製造例で得られた各潤滑油添加剤を配合して潤滑油組成物を調製し、耐荷重性能、耐摩耗性および腐食性を評価した。測定方法は以下の通りである。
(1)耐荷重性能および耐摩耗性
下記の条件で往復動摩擦摩耗試験(キャメロンプリント社製TE77)を行った。
振動数20Hz、振幅15mm、油温80℃にて、各300秒間保持しながら、荷重を段階的に上げていき[40、80、120、160、200、240N]、1800秒間試験を行い、各荷重における摩擦係数を求めると共に、試験終了後に摩擦痕径を測定した。摩擦係数より耐荷重性能が評価でき、摩擦痕径より耐摩耗性が評価できる。
(2)腐食性
JIS K−2513「石油製品銅板腐食試験方法」に従って、試験温度100℃、試
験時間3時間、および試験管法により腐食性の試験を行い、「銅板腐食標準」に従って銅板の変色状態を観察し、細分記号1a〜4cで腐食性を評価した。なお、細分記号の数字の小さいほど腐食性が小さく、アルファベット順に腐食性が順次大きくなる。
(1)耐荷重性能および耐摩耗性
下記の条件で往復動摩擦摩耗試験(キャメロンプリント社製TE77)を行った。
振動数20Hz、振幅15mm、油温80℃にて、各300秒間保持しながら、荷重を段階的に上げていき[40、80、120、160、200、240N]、1800秒間試験を行い、各荷重における摩擦係数を求めると共に、試験終了後に摩擦痕径を測定した。摩擦係数より耐荷重性能が評価でき、摩擦痕径より耐摩耗性が評価できる。
(2)腐食性
JIS K−2513「石油製品銅板腐食試験方法」に従って、試験温度100℃、試
験時間3時間、および試験管法により腐食性の試験を行い、「銅板腐食標準」に従って銅板の変色状態を観察し、細分記号1a〜4cで腐食性を評価した。なお、細分記号の数字の小さいほど腐食性が小さく、アルファベット順に腐食性が順次大きくなる。
〔製造例1〕
200mlのフラスコに、酢酸亜鉛二水和物11.0g(0.05mol)、水55ml、酢酸5mlを入れ、60℃に加温し、酢酸亜鉛二水和物を溶解した。次いで、メルカプト酢酸2−エチルヘキシル20.4g(0.1mol)をトルエン200mlに溶解して添加し、110℃に昇温して酢酸及び水を除去しながら3時間反応した。
ロータリーエバポレーターで水、酢酸及びトルエンを留去し、再度トルエン100mlを加えロータリーエバポレーターで留去した。これを酢酸臭がほぼなくなるまで繰り返した(4回)。その後、油温80℃、真空ポンプ減圧乾燥した。得られた目的物(メルカプト酢酸2−エチルヘキシル亜鉛塩)の収量は23g(定量的)であった。図1に本化合物の1H−NMRスペクトルを、図2に本化合物のIRスペクトルを示す。1H−NMR及びIRの測定条件は以下の通りである。
測定装置:日本電子製FTNMR JNM−AL400
測定条件:CDCl3溶媒
測定装置:島津製作所製FTIR−8300
測定条件:KBr結晶板
200mlのフラスコに、酢酸亜鉛二水和物11.0g(0.05mol)、水55ml、酢酸5mlを入れ、60℃に加温し、酢酸亜鉛二水和物を溶解した。次いで、メルカプト酢酸2−エチルヘキシル20.4g(0.1mol)をトルエン200mlに溶解して添加し、110℃に昇温して酢酸及び水を除去しながら3時間反応した。
ロータリーエバポレーターで水、酢酸及びトルエンを留去し、再度トルエン100mlを加えロータリーエバポレーターで留去した。これを酢酸臭がほぼなくなるまで繰り返した(4回)。その後、油温80℃、真空ポンプ減圧乾燥した。得られた目的物(メルカプト酢酸2−エチルヘキシル亜鉛塩)の収量は23g(定量的)であった。図1に本化合物の1H−NMRスペクトルを、図2に本化合物のIRスペクトルを示す。1H−NMR及びIRの測定条件は以下の通りである。
測定装置:日本電子製FTNMR JNM−AL400
測定条件:CDCl3溶媒
測定装置:島津製作所製FTIR−8300
測定条件:KBr結晶板
〔製造例2〕
メルカプト酢酸2−エチルヘキシルの代わりにメルカプト酢酸イソオクチル20.4g(0.1mol)を使用した以外は、製造例1と同様に反応を行った。得られた目的物の収量は23gであった。図3に本化合物の1H−NMRスペクトルを、図4に本化合物のIRスペクトルを示す。測定条件は製造例1と同じである。
メルカプト酢酸2−エチルヘキシルの代わりにメルカプト酢酸イソオクチル20.4g(0.1mol)を使用した以外は、製造例1と同様に反応を行った。得られた目的物の収量は23gであった。図3に本化合物の1H−NMRスペクトルを、図4に本化合物のIRスペクトルを示す。測定条件は製造例1と同じである。
〔製造例3〕
メルカプト酢酸2−エチルヘキシルの代わりにメルカプト乳酸2−エチルヘキシル21.8g(0.1mol)を使用した以外は、製造例1と同様に反応を行った。得られた目的物の収量は24gであった。図5に本化合物の1H−NMRスペクトルを、図6に本化合物のIRスペクトルを示す。測定条件は製造例1と同じである。
メルカプト酢酸2−エチルヘキシルの代わりにメルカプト乳酸2−エチルヘキシル21.8g(0.1mol)を使用した以外は、製造例1と同様に反応を行った。得られた目的物の収量は24gであった。図5に本化合物の1H−NMRスペクトルを、図6に本化合物のIRスペクトルを示す。測定条件は製造例1と同じである。
〔製造例4〕
メルカプト酢酸2−エチルヘキシルの代わりにメルカプトリンゴ酸n−オクチル37.4g(0.1mol)を使用した以外は、製造例1と同様に反応を行った。得られた目的物の収量は38gであった。図7に本化合物の1H−NMRスペクトルを、図8に本化合物のIRスペクトルを示す。測定条件は製造例1と同じである。
メルカプト酢酸2−エチルヘキシルの代わりにメルカプトリンゴ酸n−オクチル37.4g(0.1mol)を使用した以外は、製造例1と同様に反応を行った。得られた目的物の収量は38gであった。図7に本化合物の1H−NMRスペクトルを、図8に本化合物のIRスペクトルを示す。測定条件は製造例1と同じである。
〔製造例5〕
メルカプト酢酸2−エチルヘキシルの代わりにメルカプトリンゴ酸ブチル26.2g(0.1mol)を使用した以外は、製造例1と同様に反応を行った。得られた目的物の収量は24gであった。図9に本化合物の1H−NMRスペクトルを、図10に本化合物のIRスペクトルを示す。測定条件は製造例1と同じである。
メルカプト酢酸2−エチルヘキシルの代わりにメルカプトリンゴ酸ブチル26.2g(0.1mol)を使用した以外は、製造例1と同様に反応を行った。得られた目的物の収量は24gであった。図9に本化合物の1H−NMRスペクトルを、図10に本化合物のIRスペクトルを示す。測定条件は製造例1と同じである。
〔製造例6〕
メルカプト酢酸2−エチルヘキシルの代わりにメルカプト酢酸オクタデシル34.4g(0.1mol)を使用した以外は、製造例1と同様に反応を行った。得られた目的物の収量は38gであった。図11に本化合物の1H−NMRスペクトルを、図12に本化合物のIRスペクトルを示す。測定条件は製造例1と同じである。
メルカプト酢酸2−エチルヘキシルの代わりにメルカプト酢酸オクタデシル34.4g(0.1mol)を使用した以外は、製造例1と同様に反応を行った。得られた目的物の収量は38gであった。図11に本化合物の1H−NMRスペクトルを、図12に本化合物のIRスペクトルを示す。測定条件は製造例1と同じである。
〔製造例7〕
酢酸亜鉛二水和物の代わりに酸化亜鉛4.1g(0.05mol)を使用した以外は、製造例1と同様に反応を行った。得られた目的物の収量は23gであった。
酢酸亜鉛二水和物の代わりに酸化亜鉛4.1g(0.05mol)を使用した以外は、製造例1と同様に反応を行った。得られた目的物の収量は23gであった。
〔比較製造例1〕
攪拌器、加熱還流器を付けた500mlのフラスコに硫化ナトリウム9水和物26.4g、硫黄3.52g、95%エタノール150mlを加え、80℃の油浴で5時間加熱・攪拌した。室温まで冷却後、クロロ酢酸n−ブチル30.12gを少量ずつ加え、室温で2時間攪拌した。反応液を分液ロートに移し、トルエン500mlに溶解後、10回水洗した。減圧下にトルエンを留去し、ビス(n−ブトキシカルボニルメチル)ポリスルフィド26gを得た。
攪拌器、加熱還流器を付けた500mlのフラスコに硫化ナトリウム9水和物26.4g、硫黄3.52g、95%エタノール150mlを加え、80℃の油浴で5時間加熱・攪拌した。室温まで冷却後、クロロ酢酸n−ブチル30.12gを少量ずつ加え、室温で2時間攪拌した。反応液を分液ロートに移し、トルエン500mlに溶解後、10回水洗した。減圧下にトルエンを留去し、ビス(n−ブトキシカルボニルメチル)ポリスルフィド26gを得た。
〔比較製造例2〕
ディーン・スターク脱水器を取り付けた500mlのフラスコに2,2’−チオジグリコール酸45.1g、2−エチルヘキサノール101.6g、p−トルエンスルホン酸1水和物2.0gを加え、5時間加熱、還流した。冷却後、反応液を分液ロートに移し、炭酸水素ナトリウム水溶液で2回洗浄後、5回水洗した。減圧下にトルエンを留去し、ビス(2−エチルヘキシルオキシカルボニルメチル)スルフィド120gを得た。
ディーン・スターク脱水器を取り付けた500mlのフラスコに2,2’−チオジグリコール酸45.1g、2−エチルヘキサノール101.6g、p−トルエンスルホン酸1水和物2.0gを加え、5時間加熱、還流した。冷却後、反応液を分液ロートに移し、炭酸水素ナトリウム水溶液で2回洗浄後、5回水洗した。減圧下にトルエンを留去し、ビス(2−エチルヘキシルオキシカルボニルメチル)スルフィド120gを得た。
〔実施例1〜7〕
製造例1〜7で得られた化合物を、500ニュートラル留分の鉱油(100℃動粘度10.9mm2/s)に対し、組成物全量に基づき1質量%になるように添加して潤滑油組成物を調製し、上述した各評価を行った。配合組成および評価結果を表1に示す。
製造例1〜7で得られた化合物を、500ニュートラル留分の鉱油(100℃動粘度10.9mm2/s)に対し、組成物全量に基づき1質量%になるように添加して潤滑油組成物を調製し、上述した各評価を行った。配合組成および評価結果を表1に示す。
〔比較例1、2〕
比較製造例1および2で得られた化合物を用いて潤滑油組成物を調製した以外は、実施例1〜7と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
比較製造例1および2で得られた化合物を用いて潤滑油組成物を調製した以外は、実施例1〜7と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
〔比較例3〕
市販のジアルキルジチオリン酸亜鉛を用いた以外は、実施例1〜7と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
市販のジアルキルジチオリン酸亜鉛を用いた以外は、実施例1〜7と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
〔比較例4〕
500ニュートラル留分の鉱油P500Nを用い、添加剤を添加しないで(基油のみ)、実施例1〜7と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
500ニュートラル留分の鉱油P500Nを用い、添加剤を添加しないで(基油のみ)、実施例1〜7と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
〔評価結果〕
各実施例から明らかなように、本発明の亜鉛塩を潤滑油添加剤として用いた潤滑油組成物は、各荷重下の摩擦係数が小さいとともに、摩耗痕径も小さく、耐荷重性能および耐摩耗性能が極めて優れていることがわかる。さらに、本発明の潤滑油組成物は耐腐食性にも優れている。一方、比較例1では、耐荷重性能および耐摩耗性は十分であるものの耐腐食性が極めて劣っている。また、比較例2〜4では、耐腐食性は十分であるが、耐荷重性能および耐摩耗性に劣っている。
各実施例から明らかなように、本発明の亜鉛塩を潤滑油添加剤として用いた潤滑油組成物は、各荷重下の摩擦係数が小さいとともに、摩耗痕径も小さく、耐荷重性能および耐摩耗性能が極めて優れていることがわかる。さらに、本発明の潤滑油組成物は耐腐食性にも優れている。一方、比較例1では、耐荷重性能および耐摩耗性は十分であるものの耐腐食性が極めて劣っている。また、比較例2〜4では、耐腐食性は十分であるが、耐荷重性能および耐摩耗性に劣っている。
本発明のメルカプトアルカンカルボン酸エステル亜鉛塩は、潤滑油添加剤として利用できる。
Claims (6)
- 下記式(1)で示されることを特徴とするメルカプトアルカンカルボン酸エステル亜鉛塩。
Zn(−Sx−A−COOR1)2 (1)
(式中、R1は、酸素原子、硫黄原子、または窒素原子を含んでいてもよい炭素数1〜30のヒドロカルビル基、Aは、CR2R3で表される基であり、R2およびR3はそれぞれ独立に以下(a)〜(d)に示すいずれかの原子または基を意味する。xは1または2を示す。ただし、式中の2〜6個のR1は、同一でも異なっていてもよく、A、BおよびSxについても同様である。
(a)水素
(b)酸素原子、硫黄原子または窒素原子を含んでいてもよい炭素数1〜24のヒドロカルビル基
(c)COOR1
(d)B−COOR1
(ここで、Bは酸素原子、硫黄原子または窒素原子を含んでいてもよい炭素数1〜8のヒドロカルビル基である。)) - 請求項1に記載のメルカプトアルカンカルボン酸エステル亜鉛塩において、
xが1であることを特徴とするメルカプトアルカンカルボン酸エステル亜鉛塩。 - 請求項1または請求項2に記載のメルカプトアルカンカルボン酸エステル亜鉛塩を含有することを特徴とする潤滑油添加剤。
- 潤滑油基油と、請求項3に記載の潤滑油添加剤とを含むことを特徴とする潤滑油組成物。
- 請求項4に記載の潤滑油組成物において、
組成物全量基準で、メルカプトアルカンカルボン酸エステル亜鉛塩の含有量が0.01〜50質量%であることを特徴とする潤滑油組成物。 - 下記式(2)で示されるメルカプトアルカンカルボン酸エステルと、亜鉛化合物とを反応させることを特徴とするメルカプトアルカンカルボン酸エステル亜鉛塩の製造方法。
R1OOC−A−SH (2)
(式中、R1は、酸素原子、硫黄原子、または窒素原子を含んでいてもよい炭素数1〜30のヒドロカルビル基、Aは、CR2R3で表される基であり、R2およびR3はそれぞれ独立に以下(a)〜(d)に示すいずれかの原子または基を意味する。ただし、式中のR1は、複数個の場合は同一でも異なっていてもよい。
(a)水素
(b)酸素原子、硫黄原子または窒素原子を含んでいてもよい炭素数1〜24のヒドロカルビル基
(c)COOR1
(d)B−COOR1
(ここで、Bは酸素原子、硫黄原子または窒素原子を含んでいてもよい炭素数1〜8のヒドロカルビル基である。))
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JPN6013006386; Institute of Petroleum Review Vol.20, No.230, 1966, p.46-54 * |
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