JP2005113114A - ハロゲン含有ビニルポリマー用熱安定剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハロゲン含有ビニルポリマーを、例えば、分解および退色から安定化させる安定剤組成物を提供する。
【解決手段】この安定剤組成物には、亜鉛メルカプチドおよび潜在(ブロックされた)メルカプタンが含まれている。亜鉛メルカプチドは、2種の亜鉛メルカプトエステル、亜鉛メルカプトアルキルカルボン酸エステルの1つ以上より選ばれたものであり、潜在メルカプタンは、分解して遊離メルカプタンを遊離するチオエーテルである。
【選択図】なし

Description

本発明は、ハロゲン含有ビニルポリマー用安定剤組成物、安定化されたハロゲン含有ビニルポリマー組成物、およびそれから成形された物品、ならびにハロゲン含有ビニルポリマーの安定化方法に関する。
ハロゲン含有ビニルポリマー、例えば、ポリ(塩化ビニル)(PVC)、塩化ビニルおよび酢酸ビニルのコポリマー、ならびにポリ(塩化ビニリデン)は、種々の物品、例えば、パイプ、窓枠、外壁、ボトル、壁紙および包装フィルムを製作するために一般的に使用されている。ポリマー樹脂中に起こり得る色変化、特に、加工の最初の1〜10分間の間に起こるこれらの色変化および/または長期間の使用の間に起こる色変化を改善するために、ハロゲン含有ビニルポリマーに安定剤を添加するための多数の試みがなされてきた。加工の際の早期の退色を最小にするために、またポリマーが紫外線および風雨に曝される場合に、長期間色安定性を与えるために、潜在するまたはブロックされたメルカプタンが特に有効であることが見出されている。潜在メルカプタンの利点は、加工の間の遊離メルカプタンの放出が、他の安定剤(即ち、例えば、有機または金属安定剤)の効果を増大させることができることである。このような組合せ物の例は、米国特許第4,973,619号に開示されており、そこではブロックされたメルカプタンがカドミウムまたは亜鉛の脂肪酸塩と組み合わされている。この組合せ物は、その意図する目的のために適しているけれども、ハロゲン含有ビニルポリマー用の他の安定剤組合せ物についての需要がなお存在している。
米国特許第4,973,619号明細書
本発明によって取り組まれる課題は、従ってハロゲン含有ビニルポリマー用安定剤組成物、特に、加工または長期使用の間に、ハロゲン含有ビニルポリマーを分解および退色から保護する際により有効である安定剤組成物を提供することである。
第一の態様において、亜鉛メルカプチドおよび潜在メルカプタンを含む安定剤組成物であって、
亜鉛メルカプチドが、
式1の亜鉛メルカプトエステル:
Figure 2005113114
(式中、それぞれのRは、独立に、炭化水素基であり、そしてxは1または2である)
式2の亜鉛メルカプトエステル:
Figure 2005113114
[式中、a=0または1であり、b=1または2であり、
それぞれのR’は、独立に、メチルまたは−C(=O)OR”であり、そしてそれぞれのR”は、独立に、−[(CH{C(R)(R2★)}CHO)3★
(式中、それぞれのRは、独立に、−H、C1−18アルキルまたはC1−18ヒドロキシ置換アルキルであり、それぞれのR2★は、−OH、C1−18ヒドロキシ置換アルキルまたは−OC(=O)R4★であり、それぞれのR3★は、−HまたはC1−18アルキルであり、それぞれのR4★は、アルキルまたはアルケニルである)
であり、y=0または1であり、そしてz=1〜4である。但し、zが1より大きい場合、y=0である]
式3の亜鉛メルカプトアルキルカルボン酸エステル:
Figure 2005113114
(式中、R5★は、C1−18アルキル、C1−18アルケニルまたはC6−12アリール基であり、そしてq=1〜6である)
または1以上の上記の亜鉛メルカプチドを含む混合物であり、そして
潜在メルカプタンが、式(4):
Figure 2005113114
[式中、a=0または1であり、m=0または1であり、n=0または1であり、そしてy=1〜4であり(但し、y=1である場合、z=1〜4であり、そしてyが1よりも大きい場合、z=1である)、Rは、一価、二価、三価または四価の、C1−400アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アルカリール、アルアルキル、アルケニルアリール、アルアルケニル、ヒドロキシアルキル、ジヒドロキシアルキル、ヒドロキシ(ポリアルコキシ)アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、アルコキシ(ヒドロキシアルキル)、アルコキシ(アシルオキシアルキル)、アルコキシ(ポリアルコキシ)アルキル、アルコキシ(ポリアルコキシ)カルボニルアルキル、カルボキシアルキル、アシルオキシアルキル、アシルオキシ(ヒドロキシアルキル)、アシルオキシアルコキシアルキル、アシルオキシ(ポリアルコキシ)アルキル、ベンゾイルオキシ(ポリアルコキシ)アルキル、アルキレンビス−(アシルオキシアルキル)、アルコキシカルボニルアルキル、アルコキシカルボニルアルキレニル、ヒドロキシアルコキシカルボニルアルキル、ヒドロキシ(ポリアルコキシ)カルボニルアルキル、メルカプトアルキル、メルカプトアルケニル、メルカプトアルコキシカルボニルアルキル、メルカプトアルコキシカルボニルアルケニル、アルコキシカルボニル(アミド)アルキル、アルキルカルボニルオキシ(ポリアルコキシ)カルボニルアルキル、テトラヒドロピラニルオキシ(ポリアルコキシ)カルボニルアルキル、テトラヒドロピラニルオキシアルキル、ヒドロキシアリール、メルカプトアリールまたはカルボキシアリール基であり;R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、−H、−OH、−SH、アシル、C1−52アルキル、アルケニル、アリール、ハロアリール、アルカリール、アルアルキル、ヒドロキシアルキル、メルカプトアルキル、ヒドロキシアリール、アルコキシアリール、アルコキシヒドロキシアリールまたはメルカプトアリール基であり;Xは、アリール、ハロアリール、アルカリール、アルアルカリール、ヒドロキシアリール、ジヒドロキシアリール、シクロアルキルアリール、アリールシクロアルキルまたはヘテロ原子であり、RおよびRは、aが1であり、そしてmが1である場合、窒素としてのXと結合して複素環式部分を形成することができ、R、RおよびRの1個は、a=1およびm=0である場合、RおよびXと結合して、酸素および硫黄からなる群から選択されたヘテロ原子としてのXと共に複素環式部分を形成することができる。但し、Xがアルアルカリールであり、zが1または2であり、RおよびRが−OHである場合、a=1およびm=1であり、そして更にRが−OHまたは−SHである場合、z=1である]
を有する安定剤組成物が提供される。
第二の態様において、ハロゲン含有ビニルポリマーならびに上記の亜鉛メルカプチドならびに潜在メルカプタンおよび/または潜在メルカプタンの分解生成物を含む安定化ポリマー組成物が提供される。
第三の態様において、上記の安定剤組成物をポリマーに添加することを含む、ハロゲン含有ビニルポリマーの安定化方法が提供される。
第四の態様において、上記の安定化ポリマー組成物を含む物品が提供される。
開示された安定剤組成物は、驚くべきことに、潜在メルカプタンおよび脂肪酸の亜鉛塩の先行技術の組合せ物について観察されるものを超えた改良された安定化を示す。この安定剤組成物は、特に良好な初期色、即ち、初期加工の間の延長された白色度を示す。
本明細書で使用される場合、炭化水素基は、飽和または不飽和炭化水素を含めた基、即ち、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アリール、アルアルキル、アルアルカリール、アルアシクロアルキル、アルアルケニル、アルカリール、シクロアルカリールおよびアルケニルアリール基、ならびに上記の基の組み合わせである。この用語は、天然由来、例えば、トール油などから誘導される炭化水素の混合物を含むと特に意図される。更に、アルキル基および上記の基のアルキル部分は、他の方法で示されない限り、直鎖または分枝鎖であってよい。用語「オキシアルキレニル」は、ポリアルキレンエーテル分子の二価の基を意味する。接頭辞「ハロ」は、1以上のフッ素、塩素、臭素および/またはヨウ素基の存在を示す。また、本明細書で使用されるアシルオキシアルキル基は、アルコールのカルボン酸エステルに由来し、従って、式−ROC(=O)Rを有し(例えば、メルカプトプロパノールのステアリン酸エステルは、ステアロイルオキシプロピル基を有する);他方、アルコキシカルボニルアルキル基は、式−RC(=O)OR基を有する(例えば、3−メルカプトプロピオン酸ラウリルは、ドデシルオキシカルボニルエチル基を有する)。略語「phr」は、ハロゲン含有ビニルポリマー100重量部当たりの特定の成分の重量部を示す。
本発明の安定剤組成物中に使用するための多数の適切な亜鉛メルカプチドが知られており、これには、例えば、亜鉛メルカプトエステルおよび亜鉛メルカプトアルキルカルボン酸エステルが含まれる。代表的な亜鉛メルカプトエステルは、式1:
Figure 2005113114
(式中、それぞれのRは、独立に、炭化水素基であり、そしてxは1または2である)
の亜鉛メルカプトエステルである。適切な式1の亜鉛メルカプトエステルとしては、例えば、亜鉛ビス(2−エチルヘキシルチオグリコレート)、亜鉛ビス(オクチルメルカプトプロピオネート)、亜鉛ビス(オクタデシルチオグリコレート)、亜鉛ビス(オクタデシルメルカプトプロピオネート)、亜鉛ビス(エチルチオグリコレート)、および上記の亜鉛メルカプトエステルの1以上を含む混合物が挙げられる。
他の適切な亜鉛メルカプトエステルは、式2:
Figure 2005113114
[式中、a=0または1であり、b=1または2であり、それぞれのR’は、独立に、メチルまたは−C(=O)OR”であり、そしてそれぞれのR”は、独立に、−[(CH{C(R)(R2★)}CHO)3★](式中、それぞれのRは、独立に、−H、C1−18アルキルまたはC1−18ヒドロキシ置換アルキルであり、それぞれのR2★は、−OH、C1−18ヒドロキシ置換アルキルまたは−OC(=O)R4★であり、それぞれのR3★は、−H、C1−18アルキル、−C(O)R4★であり、それぞれのR4★は、炭化水素基、好ましくはC1−36アルキルまたはアルケニル基である)であり、y=0または1であり、そしてz=1〜4である。但し、zが1より大きい場合、y=0である]
の亜鉛メルカプトエステルである。
適切な式2の亜鉛メルカプトエステルとしては、例えば、多価アルコールもしくはエーテル、カルボキシレートまたは少なくとも1個のヒドロキシ官能基を有するエーテル−カルボキシレート、例えば、エチレングリコール、グリセロール、テトラエチレングリコール、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、グリコールエーテル、例えばテトラエチレングリコールモノブチルエーテルおよびジエチレングリコールモノエチルエーテル、グリコールモノカルボキシレート、例えばジエチレングリコールモノカプレートおよびエチレングリコールモノカプレート、グリセロールカルボキシレート、例えばグリセロールモノカプレートの亜鉛ビス(チオグリコレート)、亜鉛ビス(メルカプトプロピオネート)または亜鉛メルカプトスクシネートならびに上記の亜鉛メルカプトエステルの1以上を含む混合物が挙げられる。
他の適切な亜鉛メルカプトアルキルカルボン酸エステルは、式3:
Figure 2005113114
(式中、R5★は、C1−18アルキル、C1−18アルケニルまたはC6−12アリール基であり、そしてq=1〜6である)
の亜鉛メルカプトアルキルカルボン酸エステルである。1以上の上記式1および/または式2および/または式3の亜鉛メルカプチドを含む混合物を使用することもできる。好ましくは、q=1または2であり、そしてR5★は、C7−17アルキル基またはフェニル基である。
式3の亜鉛メルカプトアルキルカルボン酸エステルは「逆エステル」であり、これらは、メルカプト酸とアルコールとの代わりに、メルカプトアルキルアルコールとカルボン酸との反応の生成物であるためにこのように呼ばれる。適切な逆エステルとしては、例えば、亜鉛ビス(2−メルカプトエチルステアレート)、亜鉛(2−メルカプトエチルカプロエート)、亜鉛ビス(2−メルカプトエチルタレート)、亜鉛ビス(2−メルカプトカプリレート)および上記の逆エステルの1以上を含む混合物が挙げられる。1以上の上記式1および/または式2および/または式3の亜鉛メルカプチドを含む混合物を使用することもできる。
式1、2および3の亜鉛メルカプチドは、適切な塩化水素スカベンジャー、例えば、アンモニア、水酸化アンモニウムまたはアルカリ金属水酸化物もしくはそれらの炭酸塩の存在下での、対応するメルカプトエステルまたはメルカプトアルキルカルボン酸エステルと塩化亜鉛との反応によって調製することができる。代替的に、対応するメルカプトエステルまたはメルカプトアルキルカルボン酸エステルと酸化亜鉛との縮合を、100〜140℃で水を除去するために減圧下でまたは有機媒体、例えば、高沸点ナフサ、キシレンおよびパラフィンワックス中で実施することができる。亜鉛化合物とメルカプト化合物との比は、この反応を駆動するために十分なものであり、好ましくは化学量論的比である。大気圧がしばしば適しているが、この反応は50〜80℃、減圧下で充分に進行する。最高反応温度は、典型的に140〜150℃である。
メルカプトエステルおよび/またはメルカプトアルキルカルボン酸エステルの幾つかは、市販されているかまたはメルカプト酸およびヒドロキシル基含有化合物を、メタンスルホン酸またはp−トルエンスルホン酸のような適切な触媒およびトルエンまたはヘプタンのような共沸有機溶媒の存在下で加熱する方法によって製造することができる。代替的に、エステル化反応は、溶媒無しに減圧下で実施することができる。この反応は、酸価が約15以下に低下するまで続けられる。
好ましい亜鉛メルカプチドは、亜鉛ビス(2−エチルヘキシルチオグリコレート)、亜鉛ビス(2−エチルヘキシルβ−メルカプトプロピオネート)または1以上の上記の亜鉛メルカプチドを含む混合物である。亜鉛メルカプチドとして添加される亜鉛の量は、適用に依存して変化し、ハロゲン含有ビニルポリマー配合物、加工方法、意図する用途などの考慮に依存して、当業者によって容易に決定される。一般的に、亜鉛の適切な量は0.05phr〜1.5phrである。この範囲内で、0.01phr以上、好ましくは0.05phr以上、より好ましくは0.1phr以上の量を使用することができる。また、この範囲内で、1.5phr以下、好ましくは1.25phr以下、より好ましくは1.0phr以下を使用することができる。1.5phrより多いと、顕著に増強された効果には至らずおよび/または亜鉛焼け(zinc burn)として知られている突然の分解現象に至り、他方、0.005未満であると、所望のレベルの安定化が得られない。
用語「ブロックされたメルカプタン」および「潜在メルカプタン」は、本明細書において、互換可能に使用され、分解して遊離メルカプタンを遊離するチオエーテルを意味する。潜在メルカプタンの特別の置換基は、低温度、例えば室温で安定性を与えるが、ハロゲン含有ビニルポリマーを加工するために使用される、より高い温度で分解するように選択される。ブロッキング基はメルカプタンの不快な臭いを有効に遮蔽する。潜在メルカプタンは、式(4):
Figure 2005113114
[式中、a=0または1であり、m=0または1であり、n=0または1であり、そしてy=1〜4である(但し、y=1である場合、z=1〜4であり、そしてyが1よりも大きい場合、z=1である)]
である。
式4において、Rは、一価、二価、三価または四価の、C1−52アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アルカリール、アルアルキル、アルアルケニル、ヒドロキシアルキル、ジヒドロキシアルキル、ヒドロキシ(ポリアルコキシ)アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、アルコキシ(ヒドロキシアルキル)、アルコキシ(アシルオキシアルキル)、アルコキシ(ポリアルコキシ)アルキル、アルコキシ(ポリアルコキシ)カルボニルアルキル、カルボキシアルキル、アシルオキシアルキル、アシルオキシ(ヒドロキシアルキル)、アシルオキシアルコキシアルキル、アシルオキシ(ポリアルコキシ)アルキル、ベンゾイルオキシ(ポリアルコキシ)アルキル、アルキレンビス−(アシルオキシアルキル)、アルコキシカルボニルアルキル、アルコキシカルボニルアルキレニル、ヒドロキシアルコキシカルボニルアルキル、ヒドロキシ(ポリアルコキシ)カルボニルアルキル、メルカプトアルキル、メルカプトアルケニル、メルカプトアルコキシカルボニルアルキル、メルカプトアルコキシカルボニルアルケニル、アルコキシカルボニル(アミド)アルキル、アルキルカルボニルオキシ(ポリアルコキシ)カルボニルアルキル、テトラヒドロピラニルオキシ(ポリアルコキシ)カルボニルアルキル、テトラヒドロピラニルオキシアルキル、ヒドロキシアリール、メルカプトアリールまたはカルボキシアリール基である。
、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、−H、−OH、−SH、アセチル、一価もしくは二価のC1−36アルキル、アルケニル、アリール、ハロアリール、アルカリール、アルアルキル、ヒドロキシアルキル、メルカプトアルキル、ヒドロキシアリール、アルコキシアリール、アルコキシヒドロキシアリールまたはメルカプトアリール基である。
式4において、Xは、一価、二価、三価またはより高価のアリール、ハロアリール、アルカリール、アルアルカリール、ヒドロキシアリール、ジヒドロキシアリール、シクロアルキルアリール、アリールシクロアルキル基またはヘテロ原子である。更に、RおよびRは、一緒に、aが1であり、そしてmが1であるとき窒素としてのXと結合して複素環式部分を形成することができ、R、RおよびRのうちの1つは、a=1およびm=0である場合、RおよびXと結合して、酸素および硫黄からなる群から選択されたヘテロ原子としてのXと共に複素環式部分を形成することができる。上記のことは、Xがアルアルカリールであり、zが1または2であり、RおよびRが−OHである場合、a=1およびm=1であり、そして更にRが−OHまたは−SHである場合、z=1であるとの条件に従う。
好ましくは、上記の基のアルキル基およびアルキル部分、例えば、式4のヒドロキシアルキル、メルカプトアルキル、アルコキシアルキル基などのアルキル部分は、1〜20個の炭素原子を含有し、3個以下のエチレン性二重結合を有することができる。
潜在メルカプタンの例としては、例えば、それぞれ式(4)に関連して、下記の式を有する化合物が挙げられる。
Figure 2005113114
(式4において、a=1であり、m=1であり、n=0であり、y=1であり、z=1であり、Rは2−ヒドロキシエチルであり、Rは水素であり、Rはメチルであり、Xは窒素であり、そしてRおよびRは、一緒に、Xと結合して複素環式部分を形成している);
Figure 2005113114
(式4において、a=1であり、m=1であり、n=0であり、y=1であり、z=1であり、Rは2−ヒドロキシエチルであり、Rは水素であり、Rはメチルであり、Rはアセチルであり、Rはメチルであり、そしてXは窒素である);
Figure 2005113114
(式4において、a=1であり、m=0であり、n=0であり、y=1であり、z=1であり、Rは2−ヒドロキシエチルであり、Rは水素であり、Xは酸素であり、そしてRおよびRは、一緒に、Xと結合して複素環式部分を形成している);
Figure 2005113114
(式4において、a=1であり、m=0であり、n=1であり、y=1であり、z=1であり、Rは2−ヒドロキシエチルであり、R、RおよびRは水素であり、Xは酸素であり、そしてRおよびRは、一緒に、Xと結合して複素環式部分を形成している);
Figure 2005113114
(式4において、a=1であり、m=0であり、n=0であり、y=1であり、z=1であり、Rは2−テトラヒドロピラニルオキシエチルであり、Rは水素であり、Xは酸素であり、そしてRおよびRは、一緒に、Xと結合して複素環式部分を形成している);
Figure 2005113114
(式4において、a=1であり、m=0であり、n=0であり、y=1であり、z=1であり、Rは3−テトラヒドロピラニルオキシエチルであり、Rは水素であり、Xは酸素であり、そしてRおよびRは、一緒に、Xと結合して複素環式部分を形成している);
Figure 2005113114
(式4において、a=1であり、m=0であり、n=1であり、y=1であり、z=1であり、Rは2−テトラヒドロピラニルオキシエチルであり、R、RおよびRは水素であり、Xは酸素であり、そしてRおよびRは、一緒に、Xと結合して複素環式部分を形成している);
Figure 2005113114
(式4において、a=1であり、m=0であり、n=1であり、y=1であり、z=1であり、Rは3−テトラヒドロピラニルオキシエチルであり、R、RおよびRは水素であり、Xは酸素であり、そしてRおよびRは、一緒に、Xと結合して複素環式部分を形成している);
Figure 2005113114
(式4において、a=0であり、m=0であり、n=0であり、y=1であり、z=1であり、Rは2−ヒドロキシエチルであり、Rはメチルであり、Rは水素であり、そしてXはフェニルである);
Figure 2005113114
(式4において、a=0であり、m=0であり、n=1であり、y=1であり、z=1であり、Rは2−ヒドロキシエチルであり、R、R、RおよびRは水素であり、そしてXはフェニルである);
Figure 2005113114
(式4において、a=0であり、m=0であり、n=0であり、z=1であり、y=1であり、Rは2−ヒドロキシエチルであり、RおよびRは水素であり、そしてXはフェニルである);
Figure 2005113114
(式4において、a=1であり、m=0であり、n=0であり、y=1であり、z=1であり、Rは2−ヒドロキシエチルであり、RおよびRは水素であり、Rはm−ヒドロキシであり、そしてXはフェニルである);
Figure 2005113114
(式4において、a=0であり、m=0であり、n=0であり、y=1であり、z=1であり、Rは2−メルカプトエトキシカルボニルメチルであり、RおよびRは水素であり、そしてXはフェニルである);
Figure 2005113114
(式4において、a=1であり、m=0であり、n=1であり、y=1であり、z=1であり、Rは2−ヒドロキシエチルであり、R、RおよびRは水素であり、Rはメチルであり、Rはフェニルであり、そしてXは酸素である);
Figure 2005113114
(式4において、a=1であり、m=0であり、n=0であり、y=1であり、z=1であり、Rは水素であり、Rはプロピルであり、Xは酸素であり、そしてRおよびRは、一緒に、Xと結合して複素環式部分を形成している);
Figure 2005113114
(式4において、a=0であり、m=1であり、n=1であり、y=1であり、z=1であり、Rは3−ヒドロキシプロピルであり、R、R、RおよびRは水素であり、Rは2−(メチレンオキシメチレン)トリルであり、そしてXは酸素である);
Figure 2005113114
(式4において、a=1であり、m=0であり、n=1であり、y=1であり、z=1であり、Rは2−ヒドロキシエチルであり、R、R、RおよびRは水素であり、Rはブトキシメチレンであり、そしてXは酸素である);
Figure 2005113114
(式4において、a=1であり、m=0であり、n=0であり、y=1であり、z=1であり、Rは2−ヒドロキシエチルであり、Rは水素であり、Rはエチルであり、Rはo−ヒドロキシであり、そしてXはフェニルである);
Figure 2005113114
(式4において、a=1であり、m=0であり、n=1であり、y=1であり、z=1であり、Rは2−ヒドロキシエチルであり、R、RおよびRは水素であり、Rはメチルであり、Rはo−ヒドロキシであり、そしてXはフェニルである);
Figure 2005113114
(式4において、a=1であり、m=0であり、n=0であり、y=1であり、z=2であり、Rは2−ヒドロキシエチルであり、Rは水素であり、Rはエチルであり、Rはヒドロキシであり、そしてXはフェニルである);
Figure 2005113114
(式4において、a=0であり、m=0であり、n=0であり、y=1であり、z=2であり、Rは2−ヒドロキシエチルであり、RおよびRは水素であり、そしてXはテトラクロロフェニルである);
Figure 2005113114
(式4において、a=1であり、m=0であり、n=0であり、y=1であり、z=1であり、Rは2−ヒドロキシエチルであり、Rは水素であり、Rはエチルであり、Rはm−フェニルカルボニルであり、そしてXはo,p−ジヒドロキシフェニルである);
Figure 2005113114
(式4において、a=1であり、m=0であり、n=0であり、y=1であり、zは1であり、Rはノニルオキシエチルであり、Rは水素であり、Xは酸素であり、そしてRおよびRは結合して、Xと共に複素環を形成している);
Figure 2005113114
(式4において、a=1であり、m=0であり、n=0であり、y=1であり、z=1であり、Rは2−エチルヘキシルオキシカルボニルエチルであり、Rは水素であり、Xは酸素であり、そしてRおよびRは、一緒に、Xと結合して複素環式部分を形成している)。
潜在メルカプチドの好ましい種類としては、例えば、C4−16アルキルアルコール、例えば、2−エチルヘキサノール、オクタノールおよびドデカノールの2−S−(テトラヒドロピラニル)チオグリコール酸エステルならびにそのフラニル類似体が挙げられる。
潜在メルカプタンは、メルカプタン含有有機化合物をブロッキング基と反応させることによって生成させることができる。適切なメルカプタン含有有機化合物としては、例えば、アルキルメルカプタン、メルカプトエステル、メルカプトアルコール、メルカプト酸などが挙げられる。1〜約400個の炭素原子および1〜4個のメルカプト基を有するアルキルメルカプタンが適している。Rを含有するメルカプタン含有有機化合物は、以下の式によって示される構造を有する。
Figure 2005113114
式中、i=0〜6であり、j=0〜3であり、m=1〜2であり、n=2〜3であり、但し、m+n=4であり、
は、−H、C1−18アルキルまたはC1−36アリールであり、
およびR10は、それぞれ独立に、−H、−OH、−SH、C1−18アルキル、アリール、R16C(=O)O−またはR16OC(=O)−であり、
11は、シクロアルキル、シクロアルケニルまたはフェニルであり、
12は、−H、−OH、−SH、C1−18アルキル、C6−18アリール、R16C(=O)O−、R16OC(=O)−であり、但し、式MC2において、R11がフェニルであり、R12が−OHであり、そしてi=0である場合、−SH基は非隣接炭素原子上に存在し、
13は、−H、またはハロゲン、ヒドロキシ、メルカプトもしくはアルキル置換基を含有してよい二価の基であり、そしてR11がフェニルである場合、フェニルと組み合わさって、ナフタレン環を形成する二価の基であり、
14は、二価であり、そして−OC(=O)R17C(=O)O−、−OC(=O)CH=CHC(=O)O−または−C(=O)OR17OC(=O)−であり、
15は、C1−12アルキル、好ましくは−CH、−CHCH;C1−12ヒドロキシアルキル、好ましくはヒドロキシメチルまたは
Figure 2005113114
であり、
16は、−H、C1−24アルキル、C1−24アルケニル、C6−36アリール、C7−36アルアルキル、C7−36アルカリール、C1−16シクロアルキルまたはC1−36シクロアルケニルであり、そして
17は、C6−36アリーレン、C1−8アルキレニル、−(CHCHO)CHCH−(式中、b=1〜6である)または
Figure 2005113114
(式中、f=1または2である)
である。
好ましくは、このメルカプタン含有有機化合物は、式MC1(式中、Rは−Hであり、Rは−Hであり、R10は−OH、R16C(=O)O−またはR16OC(=O)−であり、そしてi=1である)に従った化合物;式MC2(式中、R11はフェニルであり、Rは−Hであり、R12は−Hであり、R13は−Hであり、j=1であり、そしてi=1である)に従った化合物;式MC3(式中、Rは−Hであり、R14は−OC(=O)CH=CHC(=O)O−であり、そしてi=1である)に従った化合物;式MC4(式中、Rは−Hであり、そしてi=1である)に従った化合物;および式MC5(式中、R15は−Cまたは
Figure 2005113114
であり、Rは−Hであり、そしてi=1である)に従った化合物;および式MC6(式中、Rは−Hであり、そしてi=1である)に従った化合物である。
式MC1の範囲内の適切なメルカプタン含有有機化合物としては、例えば、表1に示される化合物が挙げられる。
Figure 2005113114
式MC2の範囲内の適切なメルカプタン含有有機化合物としては、例えば、下記の化合物
Figure 2005113114
が挙げられる。
式MC3の範囲内の適切なメルカプタン含有有機化合物としては、例えば、表2に示される化合物が挙げられる。
Figure 2005113114
式MC4の範囲内の適切なメルカプタン含有有機化合物としては、例えば、下記の化合物
Figure 2005113114
が挙げられる。
式MC5の範囲内の適切なメルカプタン含有有機化合物としては、例えば、下記の化合物
Figure 2005113114
が挙げられる。
式MC6の範囲内の適切なメルカプタン含有有機化合物としては、例えば、下記の化合物
Figure 2005113114
が挙げられる。
潜在メルカプトエステルの形成のための適切なブロッキング化合物は、いくつかの基が電子欠損を共有する分子構造を有する安定化カルボカチオンを提供することができる化合物である。例えば、分極不飽和化合物、3,4−ジヒドロピラン、2−メトキシ−3,4−ジヒドロピラン、スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニルベンジル、インデン、2−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、酢酸ビニル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルジビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、エチレングリコールモノビニルエーテル、アリルフェニルエーテル、トランス−シンナムアルデヒド、N−メチル−N−ビニルアセトアミド、N−ビニルカプロラクタム、イソオイゲノールおよび2−プロペニルフェノールによって例示される。他の適切な化合物としては、例えば、3,4−ジヒドロ−2−メトキシ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−2−エトキシ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−2−フェノキシ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−2−ホルミル−2H−ピランおよび2,3−ジヒドロフランが挙げられる。3,4−ジヒドロ−2−ホルミル−2H−ピランは、高い温度および圧力でのアクロレインのディールス−アルダー二量化によって製造される。3,4−ジヒドロ−2−アルコキシ−2H−ピランおよび3,4−ジヒドロ−2−フェノキシ−2H−ピランは、触媒量の亜鉛塩、例えば、塩化亜鉛の存在下での、対応するビニルエーテルとアクロレインとの反応によって製造される。2位に置換基を有する種々の3,4−ジヒドロ−2H−ピランを、同様の反応によって製造することができる。1および2モルのアクロレインとアルキレン−またはポリアルキレングリコールのジビニルエーテルとの反応によって生成される生成物も、ブロッキング剤である。ジ−(3,4−ジヒドロピラニル)エーテルから製造される潜在メルカプタンも、ポリマー組成物中のキレート化剤としての能力を有する。メルカプタンとの縮合反応中に塩化水素として分離するレイビルハロゲン原子を有する化合物、例えば、塩化トリフェニルメチル、塩化ベンジルおよびビス(クロロメチル)ベンゼンも適している。このメルカプタンは、また、ブチルアルデヒドのようなアルデヒドまたはベンゼンジメタノールのようなベンジルアルコールとの縮合によって、ブロックされることができる。好ましいブロッキング剤としては、3,4−ジヒドロピラン(DHP)が挙げられる。
潜在メルカプタンを製造するための一つの適切な方法には、分極不飽和化合物の二重結合を切断して遊離メルカプタンのメルカプト基を付加することが含まれる(「方法A」)。例えば、そのままのまたは溶液中のブロッキング化合物を、窒素雰囲気下で、メルカプタン、酸触媒および任意に基反応を抑制するための小さいパーセンテージの酸化防止剤の攪拌した混合物に、温度を10〜70℃に維持しながら滴下により添加する。35〜70℃で1〜6時間加熱すると、生成物への転化を、ガスクロマトグラフィーおよびSH基についてのヨウ素滴定によってモニターすることができる。酸触媒を(例えば、アルカリ洗浄または触媒が固体の場合には濾過によって)除去する。得られた生成物を(例えば、硫酸マグネシウムによって)乾燥させ、濾過し、そして全ての溶媒を、減圧下、50℃未満で除去する。固相触媒を、使用し、次いで反応混合物から濾別し、そして次の合成で使用するために再生することができる。この方法は、メルカプトエタノールおよびN−ビニルカプロラクタムからのN−2−ヒドロキシエチルチオエチル−カプロラクタムの製造、メルカプトエチルデカノエート(メルカプトエチルカプロエート)および3,4−ジヒドロピランからの2−S−(テトラヒドロピラニル)チオエチルデカノエートの製造;インデンおよびメルカプトエタノールからの2H−ジヒドロインデニルチオ−エタノールの製造;ならびにメルカプトエタノールおよびシクロヘキシルジビニルエーテルからのビス(ヒドロキシエチルチオエチル)シクロヘキシルエーテルの製造について適している。同様の方法で、対応するシクロヘキシルエーテルから、対応するカプレート、オレエートおよびタレートエステルを製造することができる。
代替的に、遊離メルカプタンとレイビルハロゲン含有化合物との縮合を使用することができる。例えば、メタノール中のナトリウムメトキシドの溶液を、メルカプタンおよびハロゲン含有化合物の攪拌した混合物に、窒素雰囲気下で、50℃未満の温度を維持しながら滴下により添加する。任意に、この反応を塩基源の添加無しに進行させ、遊離した塩化水素を窒素ガス掃気によって除去し、外部酸除去剤を使用して中和する。50〜70℃の温度で2〜24時間加熱して、生成物の転化を前記のようにモニターし、単離する。
適切な潜在メルカプタンは、また、遊離メルカプタンとレイビルヒドロキシル含有化合物との反応によって製造することができる。例えば、そのままのまたは溶液中のヒドロキシ含有化合物を、メルカプタン、酸触媒および溶媒の攪拌した溶液に、窒素雰囲気下で45℃未満の温度を維持しながら添加する。45〜75℃で1〜10時間加熱して、生成物への転化を前記のようにしておよび/または典型的に60〜120℃での共沸蒸留を使用して生成した水の量をモニターすることによってモニターする。単離は前記のようにして実施することができる。この方法は、2−ヒドロキシベンジルアルコールおよびメルカプトエタノールからの1−(2−ヒドロキシフェニル)−1−S−(2−ヒドロキシエチルチオ)メタンを製造するために有用である。
遊離メルカプタンとグリシジルエーテルとの反応は、グリシジルエーテル(そのまままたは溶液中)を、メルカプタンおよび酸触媒の攪拌した混合物に、窒素雰囲気下で25〜60℃で添加することによって実施することができる。50〜75℃で1〜6時間加熱して、生成物への転化をモニターし、生成物を方法Aについて記載したようにして単離する。この方法は、メルカプトエタノールおよびグリシジルネオデカノエートからC19C(=O)OCHCH(OH)CHSCHCHOHを製造するために使用することができる。
潜在メルカプタンを製造するための遊離メルカプタンとアルデヒドとの反応は、アルデヒドを、メルカプタン、酸触媒および共沸溶媒の攪拌した溶液に窒素雰囲気下で添加し、そして反応水を除去するために、典型的に65〜120℃まで加熱、還流することによって実施することができる。反応の完結は、理論量の水が集められた後に達成される。代替的に、BF−エーテル化合物を、メルカプタン、アルデヒドおよびエーテルの攪拌した溶液に、還流条件下で滴下により添加し、1〜6時間還流させて、生成物への転化をガスクロマトグラフィーによってモニターする。生成物を方法Aのようにして単離することができる。
潜在メルカプタンの量は、適用に依存して変化し、ハロゲン含有ビニルポリマー配合物、加工方法、意図する用途などの考慮に依存して、当業者によって容易に決定される。一般的に、潜在メルカプタンの適切な量は、0.05phr〜4.0phrである。この範囲内で、0.05phr以上、好ましくは0.1phr以上、更に好ましくは0.2phr以上を使用することができる。また、この範囲内で、4.0phr以下、好ましくは2.0phr以下、更に好ましくは1.0phr以下を使用することができる。4.0より多いと効果を緩和することに至り、他方0.05未満であると、所望のレベルの安定化のをもたらさない。
任意に、安定剤としては、他の共安定剤、例えば、エポキシ化合物、金属安定剤、ホスファイト、ヒンダードターシャリーアミンを含む窒素含有安定剤、他の非金属安定剤、ポリオール、ハイドロタルク石、ゼオライト、ドーソン石および上記の共安定剤の1以上を含む組み合わせを挙げることができる。
適切なエポキシ化合物としては、例えば、エポキシ化油、例えば、大豆油、ラード油、オリーブ油、亜麻仁油、落花生油、ひまし油、トウモロコシ油、桐油、綿実油および上記のエポキシ化合物の1以上を含む混合物が挙げられる。他の適切なエポキシ化合物としては、例えば、エピクロルヒドリン/ビスフェノールA樹脂、ブトキシプロピレンオキシド、グリシジルエポキシステアレート、エポキシ化α−オレフィン、エポキシ化グリシジルソイエート、エポキシ化ブチルトルエート、グリシドール、ビニルシクロヘキセンジオキシド;レゾルシノール、ヒドロキノン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、グリセリン、ペンタエリスリトールおよびソルビトールのグリシジルエーテル;アリルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、シクロヘキサンオキシド、4−(2,3−エポキシプロポキシ)アセトフェノン、メシチルオキシドエポキシド、2−エチル−3−プロピルグリシドアミンならびに上記のエポキシ化合物の1以上を含む混合物が挙げられる。エポキシは、30phr以下の量で存在することができる。
適切なホスファイトとしては、例えば、トリアルキルホスファイト、例えば、トリオクチルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリドデシルホスファイト、トリ(テトラデシル)ホスファイト、トリシクロヘキシルホスファイト、トリステアリルホスファイト、ジステアリル−ペンタエリスリトールジホスファイトもしくはトリオレイルホスファイト;トリアリールホスファイト、例えば、トリフェニルホスファイト、トリクレジルホスファイトもしくはトリス−p−ノニルフェニルホスファイト;アルキルジアリールホスファイト、例えば、フェニルジデシルホスファイトもしくは(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ジドデシルホスファイト:ジアルキルアリールホスファイト;チオホスファイト、例えば、トリチオヘキシルホスファイト、トリチオオクチルホスファイト、トリチオラウリルホスファイトもしくはトリチオベンジルホスファイト;または上記のホスファイトの任意の1以上を含む混合物が挙げられる。ホスファイトは、例えば、0.01〜10、有利には0.05〜5、特に0.1〜3phrの量で使用することができる。
金属安定剤は、亜鉛塩以外の金属塩および有機金属塩であり、例えば、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、スズ、マグネシウム、コバルト、ニッケル、チタン、アンチモンまたはアルミニウムの、酸化物、水酸化物、硫化物、硫酸塩、ハロゲン化物、リン酸塩、石炭酸塩、過塩素酸塩、カルボン酸塩および炭酸塩が挙げられる。好ましい金属安定剤としては、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、カルシウムステアレート、カルシウム2−エチルヘキサノエート、カルシウムオクタノエート、カルシウムレシノレート、カルシウムミリステート、カルシウムパルミテート、バリウムラウレート、バリウムジ(ノニルフェノレート)、バリウムステアレート、アルミニウムステアレート、ハイドロタルク石および上記の金属塩の1以上を含む組み合わせが挙げられる。金属ベースの安定剤は、ハロゲン化ポリマーの全重量基準で、2重量%以下、好ましくは0.1〜1重量%の量で存在することができる。
好ましい有機金属安定剤としては、有機スズカルボキシレートおよびメルカプチドが挙げられる。適切な有機金属安定剤としては、例えば、ブチルスズトリスドデシルメルカプチド、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジドデシルメルカプチド、ジアンヒドリドトリスジブチルスタンナンジオール、カルボキシメルカプタールのジヒドロカルボンスズ塩および上記の有機金属安定剤の1以上を含む組み合わせが挙げられる。メルカプトアルキルカルボキシレートおよび/またはアルキルチオグリコレートの有機スズメルカプチドのモノスルフィドおよび/またはポリスルフィドならびに上記の1以上を含む組み合わせも、有機金属安定剤として適している。
適切な窒素含有安定剤としては、例えば、ジシアンジアミド、ヒンダードアミン、メラミン、尿素、ジメチルヒダントイン、グアニジン、チオ尿素、2−フェニルインドール、アミノクロトネート、N−アルキルおよびN−フェニル置換マレイミド、1,3−ジアルキル−6−アミノ−ウラシル誘導体、ピロロジアジンジオンおよび上記の窒素ベース安定剤の1以上を含む混合物が挙げられる。窒素ベース安定剤は、10phr以下の量で存在することができる。有用な立体的に障害を受けているアミンとしては、例えば、モノマー性、オリゴマー性またはポリマー性2,2,6,6−テトラメチルピペリジン化合物が挙げられる。ピペリジン部分の窒素は、例えば、水素、C〜C12アルキル、C〜CアルケニルまたはC〜C12アルアルキルによって置換されていてよい。ピペリジン部分のC−4炭素は、例えば、水素または酸素もしくは窒素含有基によって置換されることができる。適切な2,2,6,6−テトラメチルピペリジン化合物としては、例えば、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−ベンジル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ジ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)スクシネート、1−アセチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルアセテート、トリメリト酸トリ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)エステルなどが挙げられる。このピペリジンは、例えば、0.01〜1phrの量で使用することができる。
他の適切な非金属安定剤としては、例えば、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリル 3,3’−チオプロピオネート、ジベンジル−3,3’−チオジプロピオネート、ジシクロヘキシル−3,3’−チオジプロピオネート、ジオレイル−3,3’−チオジプロピオネート、ジデシル−3,3’−チオジプロピオネート、ジエチル−3,3’−チオジプロピオネート、3−メルカプトプロピオン酸のラウリルエステル、3−ラウリルメルカプトプロピオン酸のラウリルエステル、3−オクチルメルカプトプロピオン酸のフェニルエステルおよび上記の非金属安定剤の1以上を含む混合物が挙げられる。後者の非金属安定剤は、0.75phr以下、好ましくは0.01〜0.75phrの量で存在することができる。
適切なポリオールとしては、例えば、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ビストリメチロールプロパン、トリメチロールプロパン、イノサイト(inosite)、ポリビニルアルコール、ソルビトール、マンニトール、ラクトース、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、テトラメチロールシクロヘキサノール、テトラメチロールシクロピラノール、グリセロール、ジグリセロール、ポリグリセロール、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート(THEIC)または上記の少なくとも1種を含む混合物が挙げられる。好ましいポリオールとしては、例えば、ソルビトールおよびトリメチロールプロパンが挙げられる。ポリオールは、例えば、0.01〜20phr、有利には0.1phr〜10phrの量で使用することができる。
本明細書で使用される用語「ハロゲン含有ビニルポリマー」は、ハロゲンが炭素原子に直接結合しているハロゲン含有ポリマーを意味する。このハロゲン含有ポリマーとしては、例えば、約14〜約75重量%、例えば、約27重量%の塩素を有する塩素化ポリエチレン、塩素化天然および合成ゴム、ゴム塩化水素、塩素化ポリスチレン、塩素化ポリ(塩化ビニリデン)、塩素化ポリ(塩化ビニル)、ポリ(臭化ビニル)、ポリ(フッ化ビニル)、他の塩化ビニルポリマーならびに上記のポリマーの1以上を含む混合物が挙げられる。ポリ塩化ビニル(PVC)として知られている塩化ビニルポリマーは、塩化ビニルモノマー単独または好ましくは全モノマー重量基準で少なくとも約70重量%の塩化ビニルを含むモノマー反応物質の混合物から製造される。適切なコモノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、塩化ビニリデン、トリクロロエチレン、1−フルオロ−2−クロロエチレン、フマル酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、アクリル酸メチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、α−クロロアクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、スチレン、ビニルケトン、例えばビニルメチルケトンおよびビニルフェニルケトン、アクリロニトリル、クロロアクリロニトリル、二酢酸アリリデン、二酢酸クロロアリリデンならびにビニルエーテル、例えばビニルエチルエーテル、ビニルフェニルエーテル、1モルのアクロレインと1モルのエチレングリコールジビニルエーテルとの反応によって製造されたビニルエーテルならびに上記のコモノマーの1以上を含む混合物が挙げられる。適切なハロゲン含有ビニルコポリマーとしては、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル(87:13)、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸(86:13:1)、塩化ビニル−塩化ビニリデン(95:5)、塩化ビニル−フマル酸ジエチル(95:5)、塩化ビニル−アクリル酸2−エチルヘキシル(80:20)および上記のコポリマーの1以上を含む混合物が挙げられる。
硬質ハロゲン含有ビニルポリマー組成物は、可塑剤を含有しないものである。半硬質ハロゲン含有ビニルポリマー組成物には、ハロゲン含有ビニルポリマー100重量部当たり、可塑剤1〜25重量部が含有されている。軟質ハロゲン含有ビニルポリマー組成物には、ハロゲン含有ビニルポリマー100重量部当たり、可塑剤25〜100重量部が含有されている。適切な可塑剤としては、例えば、その中に8〜12個の炭素原子を有する1〜3個のアルキル基が存在するポリ酸のアルキルエステルが挙げられる。アルキルエステルの適切なアルキル基としては、例えば、n−オクチル、2−エチルヘキシル、デシル、ドデシルおよび上記のアルキル基の1以上を含む混合物が挙げられる。アルキルエステルのための適切なポリ酸としては、例えば、フタル酸、トリメリト酸、安息香酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、ホスフェートなどが挙げられる。ポリマー性可塑剤も適している。
任意に、ハロゲン含有ポリマー組成物としては、他の一般的な添加物、例えば、酸化防止剤、潤滑剤、充填材、顔料、耐衝撃性改良剤、発泡剤、加工助剤、染料、紫外線吸収剤、圧縮剤(densifying agents)、殺生物剤および上記の添加物の1以上を含む混合物が含まれてよい。上記の添加物の適切な量は、組成物の所望する最終特性および最終用途に依存して、当業者により容易に決定される。一般的に、それぞれの添加物は、0.01〜10phr、好ましくは0.1〜5phrの量で存在する。
適切な酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、p−アミノフェノール、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ビス[o−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]スルフィド、4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、3−ヒドロキシ−4−(フェニルカルボニル)フェノキシ酢酸のn−ドデシルエステル、t−ブチルフェノールおよび上記の酸化防止剤の1以上を含む混合物が挙げられる。
適切な潤滑剤としては、例えば、パラフィンワックス、脂肪酸の塩、低分子量ポリエチレン(即ち、ポリエチレンワックス)、脂肪酸アミド(即ち、ラウリンイミドおよびステアリンアミド)、ビスアミド(即ち、デカメチレン、ビスアミド)、脂肪酸エステル(例えば、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸グリセリル、亜麻仁油、パーム油、オレイン酸デシル、トウモロコシ油、綿実油など)および上記の潤滑剤の1以上を含む混合物が挙げられる。適切な充填材としては、例えば、焼成クレー、炭酸カルシウム、タルクおよび上記の充填材の1以上を含む混合物が挙げられる。適切な顔料としては、例えば、二酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄および上記の顔料の1以上を含む混合物が挙げられる。
一般的に、上記した熱安定剤組成物は、1以上の亜鉛メルカプチドおよび1以上の潜在メルカプタンの少なくとも1種を提供するように、配合されたワンパート(one−part)混合物として提供される。他の任意の添加物も、このワンパート混合物中に存在することができ、それぞれの成分の特定量は、ワンパート混合物の全重量基準で、0.1〜99.9重量パーセント、好ましくは1.0〜99.0重量パーセントで変化することができる。熱安定性に於ける相乗的改良をもたらすために有効な特定量は、当業者によって容易に決定される。
ハロゲン含有ビニルポリマー組成物は、低剪断または高剪断下でブレンドすることによって製造することができる。同様に、熱安定剤組成物は、ハロゲン含有ビニルポリマー組成物中に、その成分およびポリマーを、適切なミルもしくはミキサー内で混合することによりまたはポリマー全体への安定剤の均一な分布をもたらす他の方法により組み入れることができる。相溶性および物理的状態(即ち、液体または固体)に依存して、所望の性能特性を有する均一な安定化ポリマー組成物を形成するために、ブレンド物の成分を加熱することが必要である場合がある。
安定化されたハロゲン含有ビニルポリマー組成物は、物品を造形するための種々の技術、例えば、成形、押出および射出成形を使用することによって、種々の硬質物品、例えば、家外壁、窓枠およびパイプを成形するために使用することができる。
本明細書に記載した亜鉛メルカプチドおよび潜在メルカプタンを含む安定剤組成物は、相乗的に作用して、ハロゲン含有ビニルポリマーを、加工および長期使用の間の分解および退色から保護する。下記の限定されない実施例によって、本発明を更に示す。
熱安定性試験のためのPVC組成物を、高剪断下で、100重量部のPVC樹脂、顔料(0.2phr)、充填材(5.0phr 炭酸カルシウム)、離型剤(0.5〜2phr)、共安定剤(0.2phr トリスヒドロキシエチルイソシアネート)および潤滑剤(0.2〜2.0phr)を、表に示す安定剤組成物と一緒に混合することによって調製した。次いで、混合した組成物を、二本ロールミル内で390°F(199℃)で加熱し、サンプルを記載した時間間隔で取り出し、そしてチップに形成した。それぞれのチップの色変化(dEによって示される)および黄色度(YI)を、Hunter Labs(L,a,b)比色計を使用して測定した。実施例1〜4には、等モルの亜鉛金属が含有されている。
Figure 2005113114
表3中に記載されたデータからわかるように、潜在メルカプタンおよび亜鉛メルカプチドの組合せ物の使用(実施例2および4)によって、改良された初期色が得られる。

Claims (10)

  1. 安定剤組成物であって、
    亜鉛メルカプチド
    ここで亜鉛メルカプチドが、
    式1の亜鉛メルカプトエステル:
    Figure 2005113114
    (式中、それぞれのRは、独立に、炭化水素基であり、そしてxは1または2である)
    式2の亜鉛メルカプトエステル:
    Figure 2005113114
    [式中、a=0または1であり、b=1または2であり、
    それぞれのR’は、独立に、メチルまたは−C(=O)OR”であり、そして
    それぞれのR”は、独立に、−[(CH{C(R)(R2★)}CHO)3★
    (式中、それぞれのRは、独立に、−H、C1−18アルキルまたはC1−18ヒドロキシ置換アルキルであり、それぞれのR2★は、−OH、C1−18ヒドロキシ置換アルキルまたは−OC(=O)R4★であり、それぞれのR3★は、−HまたはC1−18アルキルであり、それぞれのR4★は、アルキルまたはアルケニルあり、y=0または1であり、そしてz=1〜4である。但し、zが1より大きい場合、y=0である)]
    式3の亜鉛メルカプトアルキルカルボン酸エステル:
    Figure 2005113114
    (式中、q=1〜6であり、そして
    5★は、C1−18アルキル、C1−18アルケニルまたはC6−12アリール基である)
    または1以上の上記の亜鉛メルカプチドを含む混合物であり、
    さらに
    式(4)の潜在メルカプタン:
    Figure 2005113114
    [式中、a=0または1であり、m=0または1であり、n=0または1であり、そしてy=1〜4であり(但し、y=1である場合、z=1〜4であり、そしてyが1よりも大きい場合、z=1である)、
    は、一価、二価、三価または四価の、C1−400アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アルカリール、アルアルキル、アルケニルアリール、アルアルケニル、ヒドロキシアルキル、ジヒドロキシアルキル、ヒドロキシ(ポリアルコキシ)アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、アルコキシ(ヒドロキシアルキル)、アルコキシ(アシルオキシアルキル)、アルコキシ(ポリアルコキシ)アルキル、アルコキシ(ポリアルコキシ)カルボニルアルキル、カルボキシアルキル、アシルオキシアルキル、アシルオキシ(ヒドロキシアルキル)、アシルオキシアルコキシアルキル、アシルオキシ(ポリアルコキシ)アルキル、ベンゾイルオキシ(ポリアルコキシ)アルキル、アルキレンビス−(アシルオキシアルキル)、アルコキシカルボニルアルキル、アルコキシカルボニルアルキレニル、ヒドロキシアルコキシカルボニルアルキル、ヒドロキシ(ポリアルコキシ)カルボニルアルキル、メルカプトアルキル、メルカプトアルケニル、メルカプトアルコキシカルボニルアルキル、メルカプトアルコキシカルボニルアルケニル、アルコキシカルボニル(アミド)アルキル、アルキルカルボニルオキシ(ポリアルコキシ)カルボニルアルキル、テトラヒドロピラニルオキシ(ポリアルコキシ)カルボニルアルキル、テトラヒドロピラニルオキシアルキル、ヒドロキシアリール、メルカプトアリールまたはカルボキシアリール基であり、
    、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、−H、−OH、−SH、アシル、C1−52アルキル、アルケニル、アリール、ハロアリール、アルカリール、アルアルキル、ヒドロキシアルキル、メルカプトアルキル、ヒドロキシアリール、アルコキシアリール、アルコキシヒドロキシアリールまたはメルカプトアリール基であり、
    Xは、C6−32アリール、ハロアリール、アルカリール、アルアルカリール、ヒドロキシアリール、ジヒドロキシアリール、シクロアルキルアリール、アリールシクロアルキルまたはヘテロ原子であり、
    およびRは、aが1であり、そしてmが1であるとき窒素としてのXと結合して複素環式部分を形成することができ、
    、RおよびRの1個は、a=1およびm=0である場合、RおよびXと結合して、酸素および硫黄からなる群から選択されたヘテロ原子としてのXと共に複素環式部分を形成することができる。
    但し、Xがアルアルカリールであり、zが1または2であり、RおよびRが−OHである場合、a=1およびm=1であり、そして更にRが−OHまたは−SHである場合、z=1である]
    を含む安定剤組成物。
  2. 亜鉛メルカプチドが0.05〜1.5部phrの亜鉛を与える、請求項1記載の安定剤組成物。
  3. 亜鉛メルカプチドが、亜鉛ビス(2−エチルヘキシルチオグリコレート)、亜鉛ビス(オクチルメルカプトプロピオネート)、亜鉛ビス(オクタデシルチオグリコレート)、亜鉛ビス(オクタデシルメルカプトプロピオネート)、亜鉛ビス(エチルチオグリコレート)、亜鉛ビス(2−メルカプトエチルステアレート)、亜鉛(2−メルカプトエチルカプロエート)、亜鉛ビス(2−メルカプトエチルタレート)、亜鉛ビス(2−メルカプトカプリレート)または上記の亜鉛メルカプチドの少なくとも1種を含む組合せである、請求項1記載の安定剤組成物。
  4. 0.05〜4phrの潜在メルカプタンを含む、請求項1記載の安定剤組成物。
  5. 潜在メルカプタンが、C4−16アルキルアルコールの2−S−(テトラヒドロピラニル)チオグリコール酸エステルまたはC4−16アルキルアルコールの2−S−(ジヒドロフラニル)チオグリコール酸エステルを含む、請求項1記載の安定剤組成物。
  6. 亜鉛メルカプチドが亜鉛ビス(2−エチルヘキシルチオグリコレート)を含み、そして潜在メルカプタンが、2−エチルヘキシルアルコールの2−S−(テトラヒドロピラニル)チオグリコール酸エステルを含む、請求項1記載の安定剤組成物。
  7. ハロゲン含有ビニルポリマーおよび安定剤組成物を含み、安定剤組成物が亜鉛メルカプチドならびに潜在メルカプタンおよび/またはその分解生成物を含む安定化ポリマー組成物であって、
    亜鉛メルカプチドが、
    式1の亜鉛メルカプトエステル:
    Figure 2005113114
    (式中、それぞれのRは、独立に、炭化水素基であり、そしてxは1または2である)
    式2の亜鉛メルカプトエステル:
    Figure 2005113114
    [式中、a=0または1であり、b=1または2であり、
    それぞれのR’は、独立に、メチルまたは−C(=O)OR”であり、そして
    それぞれのR”は、独立に、−[(CH{C(R)(R2★)}CHO)3★](式中、それぞれのRは、独立に、−H、C1−18アルキルまたはC1−18ヒドロキシ置換アルキルであり、それぞれのR2★は、−OH、C1−18ヒドロキシ置換アルキルまたは−OC(=O)R4★であり、それぞれのR3★は、−HまたはC1−18アルキルであり、それぞれのR4★は、アルキルまたはアルケニルであり、y=0または1であり、そしてz=1〜4である。但し、zが1より大きい場合、y=0である)]
    式3の亜鉛メルカプトアルキルカルボン酸エステル:
    Figure 2005113114
    (式中、q=1〜6であり、そして
    5★は、C1−18アルキル、C1−18アルケニルまたはC6−12アリール基である)
    または1以上の上記の亜鉛メルカプチドを含む混合物であり、
    さらに
    潜在メルカプタンが、式(4):
    Figure 2005113114
    [式中、a=0または1であり、m=0または1であり、n=0または1であり、そしてy=1〜4であり(但し、y=1である場合、z=1〜4であり、そしてyが1よりも大きい場合、z=1である)、
    は、C1−52アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アルカリール、アルアルキル、アルケニルアリール、アルアルケニル、ヒドロキシアルキル、ジヒドロキシアルキル、ヒドロキシ(ポリアルコキシ)アルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、アルコキシ(ヒドロキシアルキル)、アルコキシ(アシルオキシアルキル)、アルコキシ(ポリアルコキシ)アルキル、アルコキシ(ポリアルコキシ)カルボニルアルキル、カルボキシアルキル、アシルオキシアルキル、アシルオキシ(ヒドロキシアルキル)、アシルオキシアルコキシアルキル、アシルオキシ(ポリアルコキシ)アルキル、ベンゾイルオキシ(ポリアルコキシ)アルキル、アルキレンビス−(アシルオキシアルキル)、アルコキシカルボニルアルキル、アルコキシカルボニルアルキレニル、ヒドロキシアルコキシカルボニルアルキル、ヒドロキシ(ポリアルコキシ)カルボニルアルキル、メルカプトアルキル、メルカプトアルケニル、メルカプトアルコキシカルボニルアルキル、メルカプトアルコキシカルボニルアルケニル、アルコキシカルボニル(アミド)アルキル、アルキルカルボニルオキシ(ポリアルコキシ)カルボニルアルキル、テトラヒドロピラニルオキシ(ポリアルコキシ)カルボニルアルキル、テトラヒドロピラニルオキシアルキル、ヒドロキシアリール、メルカプトアリールまたはカルボキシアリール基であり、
    、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、−H、−OH、−SH、アシル、C1−52アルキル、アルケニル、アリール、ハロアリール、アルカリール、アルアルキル、ヒドロキシアルキル、メルカプトアルキル、ヒドロキシアリール、アルコキシアリール、アルコキシヒドロキシアリールまたはメルカプトアリール基であり、
    Xは、C6−32アリール、ハロアリール、アルカリール、アルアルカリール、ヒドロキシアリール、ジヒドロキシアリール、シクロアルキルアリール、アリールシクロアルキルまたはヘテロ原子であり、
    およびRは、aが1であり、そしてmが1であるとき窒素としてのXと結合して複素環式部分を形成することができ、
    、RおよびRの1個は、a=1およびm=0である場合、RおよびXと結合して、酸素および硫黄からなる群から選択されたヘテロ原子としてのXと共に複素環式部分を形成することができる。
    但し、Xがアルアルカリールであり、zが1または2であり、RおよびRが−OHである場合、a=1およびm=1であり、そして更にRが−OHまたは−SHである場合、z=1である]
    のものである安定化ポリマー組成物。
  8. ハロゲン含有ビニルポリマーに、請求項1から6のいずれか1項記載の安定剤組成物を添加することを含む、ハロゲン含有ビニルポリマーの安定化方法。
  9. 請求項1から6のいずれか1項記載の組成物および/または組成物の分解生成物を含む物品。
  10. 物品が、パイプ、窓枠、外壁、ボトル、壁紙または包装フィルムである、請求項9記載の物品。
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