JPH11310721A - 熱安定化されたハロゲン含有ポリマ―組成物 - Google Patents

熱安定化されたハロゲン含有ポリマ―組成物

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JPH11310721A
JPH11310721A JP11083700A JP8370099A JPH11310721A JP H11310721 A JPH11310721 A JP H11310721A JP 11083700 A JP11083700 A JP 11083700A JP 8370099 A JP8370099 A JP 8370099A JP H11310721 A JPH11310721 A JP H11310721A
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alkyl
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    • C08K5/37Thiols

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハロゲン含有組成物用の優れた熱安定剤を提
供すること。 【解決手段】 潜伏性メルカプタン含有熱安定剤を含む
軟質、半硬質及び硬質塩化ビニルポリマー組成物はメル
カプタンに通常関係する不快な臭気を実質的に生じず、
遊離メルカプタンを含む潜伏性(すなわちブロックト)
メルカプタンの分解生成物により加工中に保護される。
そのように放出される遊離メルカプタンはポリマー組成
物中のカルボン酸亜鉛及び有機錫カルボキシレート並び
にメルカプチドのような金属系熱安定剤の活性を高め
る。他の分解生成物は電子欠乏が幾つかの基により共有
される分子構造により安定化されたブロッキング部分の
カルボカチオンを含むと考えられる。潜伏性メルカプタ
ンは2-S-(テトラヒドロピラニル)チオアルカノール、
それらのカルボン酸エステル、2-S-(テトラヒドロピラ
ニル)チオグリコール酸及びそれらのエステルからなる
群から選ばれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通常熱劣化しやす
いハロゲン含有ポリマー組成物の熱安定化されたもので
あって、高温での組成物の加工中に生じる潜伏性メルカ
プタンの分解生成物とハロゲン含有ポリマーとを含むハ
ロゲン含有ポリマー組成物に関する。前記分解生成物は
高温での組成物の加工中に形成され、遊離メルカプタン
を含む。遊離メルカプタンは、ポリマー組成物中の有機
錫カルボキシレート及びメルカプチドのような金属系熱
安定剤の活性を高める。本発明は、特に、非常に低レベ
ルの金属系熱安定剤又は特定のルイス酸との組み合わせ
で2−S−(ヒドロキシアルキルチオ)テトラヒドロピ
ラン、5−S−(ヒドロキシアルキルチオ)テトラヒド
ロフラン及びこれらのカルボン酸エステルからなる群か
ら選ばれる潜伏性メルカプタンによる塩化ビニルポリマ
ー組成物及びそれから製造される製品の熱安定化に関す
る。前記潜伏性メルカプタンは、以下で2−S−(テト
ラヒドロピラニル)チオアルカノール、2−S−(テト
ラヒドロピラニル)チオアルキルカルボキシレート及び
それらのフラニル同族体、すなわち5−S−(テトラヒ
ドロフラニル)チオアルカノール及び5−S−(テトラ
ヒドロフラニル)チオアルキルカルボキシレートとも呼
ぶ。
【0002】本発明は、また、そのような熱安定化され
た塩化ビニルポリマー組成物から製造される硬質管及び
窓用形材、軟質フィルム、並びに半硬質管のような製品
に関する。
【0003】
【従来の技術】種々の有機ポリマーについて、ポリマー
の加工中及び形成されたポリマー生成物のある環境への
暴露中に、その物理的特性が低下すること及び変色が起
こることは良く知られている。ハロゲン含有ポリマー
は、通常、自動酸化を通じて熱劣化しやすい。そのよう
なポリマーの主な例には、ハロゲン原子が炭素原子に直
接結合しているビニルポリマー及びビニリデンポリマー
がある。ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニルのコ
ポリマー、及びポリ(塩化ビニリデン)(自己粘着性透
明食品ラップの主樹脂)は、管、窓枠、サイディング
材、ボトル、壁張り材料、包装用フィルム等の製造中に
それらが分解しないような安定化を必要とする最も良く
知られているポリマーである。そのようなポリマーは高
温で加工されると、最初の5〜10分間以内に望ましく
ない変色を往々にして起こし、加工のその後の段階でも
その変色は続く。往々にして変色に伴って起こる曇り発
現は透明な製品が必要な場合に特に望ましくない。その
ようなポリマーへの熱安定剤の添加は、ポリマーの広範
な利用にとって絶対的に欠かせないものとなっている。
より有効な熱安定剤を開発することに多大な研究がなさ
れてきた結果、有機錫化合物と混合金属配合物の2つの
主な種類が明らかになった。有機錫系熱安定剤が、硬質
PVCに対して最も有効で広く使用されている安定剤で
ある。アルキル錫メルカプチドと遊離メルカプタンの相
乗作用を発揮する組み合わせが、押出中の硬質PVCに
対して特に有効な熱安定剤である。しかしながら、メル
カプタン相乗剤の側の幾つかの欠点のために、そのよう
な組み合わせは十分に満足のいくものではなく、軟質P
VC中には通常使用されない。多くのメルカプタンが室
温でも不快な臭気を放ち、その臭気はPVC加工温度で
はさらにひどくなる。メルカプタンの酸化安定性はたい
てい非常に乏しい。遊離メルカプタンの酸化は相乗作用
を減損する。強い相乗作用を発揮する組み合わせが軟質
PVC産業界に特に歓迎されるであろう。また、幾つか
のポリマーから製造される製品の用途のために、多くの
ポリマー組成物は殺生物剤及び熱安定剤の存在を必要と
するが、そのような組成物における有機錫メルカプチド
とメルカプタンの組み合わせの使用は、多くの場合に使
用されるOBPA(10,10’−オキシビスフェノキ
サルシン)のような殺生物剤を失活させる遊離メルカプ
タンの傾向により往々にして失敗に終わる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】亜鉛塩は、一般的に、
ハロゲン含有ポリマー用の熱安定剤としては有機錫系安
定剤よりも十分さに劣るものと長い間みなされており、
実際に、ジンクバーン(zinc burn )として知られてい
る突発的分解でその名が知られている。米国特許第3,
660,331号明細書において、Ludwigは特定のチオ
エーテル及びテトラヒドロピランのチオエステルによる
ハロゲン化ビニル樹脂の安定化を教示している。しかし
ながら、より優れた熱安定剤組成物が依然として必要と
されている。本発明のチオエーテル/低レベル金属安定
剤の組み合わせはこの必要性を満足する。
【0005】
【課題を解決するための手段】2−S−(テトラヒドロ
ピラニル)チオアルカノール、それらのカルボキシレー
ト及びそれらのフラニル同族体のハロゲン含有ポリマー
における熱安定剤としての活性は、非常に低レベルの金
属系安定剤又はルイス酸と併用された場合にその硫黄含
有率から予測されるものよりも予想外に高いことが見い
だされた。亜鉛塩はハロゲン含有ポリマー用熱安定剤と
してのそれらの機能の点で潜伏性メルカプタンの相乗剤
として特に有用である。ルイス酸である塩化亜鉛はその
ような相乗剤として非常に魅力のあるものである。
【0006】従って、本発明の目的は、メルカプタンの
相乗作用と改良された酸化安定性を有する熱安定剤組成
物を提供することである。
【0007】本発明のもう1つの目的は、相乗作用を発
揮する量の金属系安定剤又はルイス酸と組み合わされた
2−S−(テトラヒドロピラニル)チオアルカノール、
それらのカルボキシレート及びそれらのフラニル同族体
により熱安定化されたハロゲン含有ポリマー組成物を提
供することである。
【0008】本発明のもう1つの目的は、相乗作用を発
揮する量の金属系安定剤又はルイス酸と組み合わされた
2−S−(テトラヒドロピラニル)チオアルカノール、
それらのカルボキシレート及びそれらのフラニル同族体
により熱安定化されたPVC組成物及び製品を提供する
ことである。
【0009】本発明の関連する目的は、本発明の熱安定
剤組成物により硬質、半硬質及び軟質PVC樹脂組成物
を安定化させることである。
【0010】本発明のもう1つの目的は、メルカプタン
に通常関係する不快な臭気を実質的に放たない潜伏性メ
ルカプタン含有熱安定剤組成物を提供することである。
【0011】本発明のもう1つの目的は、相乗作用を発
揮する量の亜鉛塩と組み合わされた2−S−(テトラヒ
ドロピラニル)チオアルキルカルボキシレート、そのフ
ラニル同族体又はそれらの混合物により熱安定化された
軟質PVC組成物及び製品を提供することである。
【0012】以下の記載から明らかになるであろう本発
明のこれらの目的及び他の目的は、2−S−(テトラヒ
ドロピラニル)チオアルカノール、それらのカルボキシ
レート、これらの一方若しくは両方のフラニル同族体又
は前記アルカノール及びエステルのうちの2種以上の混
合物と、相乗作用を発揮する量の金属系熱安定剤若しく
はルイス酸又は前記金属系熱安定剤とルイス酸の混合物
とをハロゲン含有ポリマー組成物に加え、潜伏性メルカ
プタンが分解して遊離メルカプタンを遊離する高温で組
成物を加工することにより達成される。「潜伏性メルカ
プタン」及び「ブロックトメルカプタン」なる用語は本
明細書において互換的に用いる。
【0013】ブロックトメルカプタンの他の生成物には
その一員として、電子欠乏が幾つかの基により共有され
る分子構造により安定化されたブロッキング部分のカル
ボカチオンが含まれると考えられる。共鳴安定化及び隣
接基安定化はカルボカチオンが安定化されうる可能な機
構のうちの2つの機構である。カルボカチオンは、ハロ
ゲン含有ポリマーの熱間加工初期の安定化合物の形成に
おける中間体として作用する。そのような機構及び結果
として生成するカルボカチオンは活性遊離メルカプタン
の遊離を促すものと考えられるが、本発明は、本発明の
作用を説明するという前述の試みに決して限定されな
い。当業者は後述するブロックトメルカプタンの構造に
おいて可能な共鳴安定化及び隣接基安定化を認識するで
あろうし、これらの構造により表される他のブロックト
メルカプタンにおいて他の機構が働いてそのようなブロ
ックトメルカプタンを含むポリマー組成物の加工中の熱
的及び/又は化学的崩壊により活性遊離メルカプタンも
遊離することを理解するであろう。本発明の目的に対
し、高温での組成物の加工中に分解して遊離メルカプタ
ンを遊離するチオエーテルを示すために「ブロックトメ
ルカプタン」及び「潜伏性メルカプタン」なる用語を互
換的に用いる。
【0014】
【発明の実施の形態】本明細書で用いる「ハロゲン含有
有機ポリマー」なる用語は、ハロゲンが炭素原子に直接
結合しているハロゲン含有ポリマー又は樹脂を意味す
る。本発明に従って安定化させることのできるハロゲン
含有ポリマーには、14〜75重量%、例えば27重量
%の塩素を含む塩素化ポリエチレン、塩素化された天然
及び合成ゴム、塩酸ゴム、塩素化ポリスチレン、塩素化
ポリ塩化ビニル、ポリ臭化ビニル、ポリフッ化ビニル及
び塩化ビニルポリマーが包含される。塩化ビニルポリマ
ーは、塩化ビニルのみからなる複数のモノマーから製造
されるか又は全モノマー重量を基準にして好ましくは少
なくとも約70重量%の塩化ビニルを含むモノマー混合
物から製造される。コポリマーの例には、塩化ビニル
と、酢酸ビニル;酪酸ビニル;安息香酸ビニル;塩化ビ
ニリデン;フマル酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、他
のフマル酸アルキル及びマレイン酸アルキル;プロピオ
ン酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸2−エチル
ヘキシル、アクリル酸ブチル及び他のアクリル酸アルキ
ル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸ブチル及び他のメタクリル酸アルキル;メチルα
−クロロアクリレート;スチレン;トリクロロエチレ
ン;ビニルメチルケトン及びビニルフェニルケトンのよ
うなビニルケトン;1−フルオロ−2−クロロエチレ
ン;アクリロニトリル;クロロアクリロニトリル;アリ
リデンジアセテート、クロロアリリデンジアセテート;
並びにビニルエチルエーテル、ビニルクロロエチルエー
テル、ビニルフェニルエーテル、及び1モルのアクロレ
インと1モルのエチレングリコールジビニルエーテルと
の反応により生成するビニルエーテルのようなビニルエ
ーテルのような共重合性エチレン系不飽和物質約1〜約
30%とから製造されるものが包含される。典型的なコ
ポリマーには、塩化ビニル−酢酸ビニル(96:4、V
YNWとして市販されている)、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル(87:13)、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレ
イン酸(86:13:1);塩化ビニル−塩化ビニリデ
ン(95:5);塩化ビニル−フマル酸ジエチル(9
5:5)、及び塩化ビニル−アクリル酸2−エチルヘキ
シル(80:20)が包含される。
【0015】本明細書において「PVC組成物」なる用
語は、ハロゲンが炭素原子に直接結合しているハロゲン
含有ビニルポリマーを含む組成物を意味する。硬質PV
C組成物は可塑剤を含まないものである。半硬質PVC
組成物は、ハロゲン含有ビニルポリマー100重量部当
たり1〜約25部の可塑剤を含むものである。軟質PV
C組成物は、塩化ビニルポリマー100重量部当たり約
25〜約100部含む。炭素数8〜12のアルキル基が
1〜3個存在するカルボン酸のアルキルエステルが可塑
剤の代表的なものである。アルキル基は、n−オクチル
基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基又はド
デシル基であることができる。適切なエステルには、フ
タル酸エステル、トリメリット酸エステル、安息香酸エ
ステル、アジピン酸エステル、グルタル酸エステル及び
セバシン酸エステルが包含される。可塑剤は、ペンタエ
リトリトール又はそれらのエステルであってもよい。ポ
リマー可塑剤も適する。
【0016】本明細書においてヒドロカルビル基は1〜
20個の炭素原子を含み、アルキル、シクロアルキル、
アリール、アリーレン、アルカリール、アラルキル、又
は3個以下のエチレン二重結合を有するアラルケニル若
しくはアルケニル基であることができ、これらの基はヒ
ドロキシヒドロカルビル基のヒドロカルビル部分を構成
する。本明細書において、一価基は他の基との結合に利
用できる原子価を1つだけ有するが、二価基は2つの他
の基と結合することができる。「アルキル」なる用語は
一価の直鎖又は分枝炭化水素基を意味し、「アルキレニ
ル」なる用語は二価、三価及び四価の直鎖又は分枝炭化
水素基を意味し、「オキシアルキレニル」なる用語は、
2〜4個のそのような基を含むポリアルコキシ鎖を有す
るポリアルキレンエーテル分子の二価基を意味する。た
だし、アルキレン部分は2又は3個の炭素原子を有す
る。
【0017】また、本明細書において、アシルオキシア
ルキル基はアルキルアルコールのカルボン酸エステルに
由来するものであるため、下記式1中のR1 基は、メル
カプトプロパノールのステアリン酸エステルの場合にス
テアロイルオキシプロピル基であり、同様に、メルカプ
トプロパノールのタル油酸エステルの1つであるメルカ
プトプロパノールのオレイン酸エステルのR1 基はオレ
イルオキシプロピル基である。一方、ラウリル−3−メ
ルカプトプロピオネートのR1 基はドデシルオキシカル
ボニルプロピルである。
【0018】「実質的に」なる表現は、概して、完全に
全てではないにしても完全に全てとの差が取るに足らな
い程度であることを意味する。
【0019】本発明の安定剤組成物は、当該安定剤組成
物の全重量を基準にして約87.5重量%〜約98.5
重量%、好ましくは約93.5重量%〜約97.5重量
%の2−S−(テトラヒドロピラニル)チオアルカノー
ル、2−S−(テトラヒドロフラニル)チオアルカノー
ル、これらの一方若しくは両方のカルボン酸エステル、
又は前記アルカノール及びエステルのうちの2種以上の
混合物と、金属系安定剤又はルイス酸を含むその残りと
から本質的になる。本発明の安定剤組成物は、当該技術
分野で既に知られている安定剤組成物と比較した場合
に、熱及び紫外線の劣化作用に対抗する優れた安定化作
用を硬質及び軟質PVC樹脂の両方に対して与えること
に特に適する。本発明の安定剤組成物は、容器内での振
盪又は攪拌のような均質混合物を生じる任意の都合良い
手法でその成分をブレンドすることにより調製すること
ができる。同様に、本発明の安定剤組成物の構成成分と
ポリマー組成物の構成成分とを、例えば適切な粉砕機若
しくは混合機内で又は樹脂組成物全体にわたって安定剤
の均一な分布をもたらす他の任意の周知方法によって、
半硬質及び軟質PVC樹脂中に本発明の安定剤組成物を
均質混合することができる。
【0020】本発明の利点の1つは、メルカプタンの不
快な臭気がブロッキング基によりマスクされ、その結果
として、処理される組成物が通常の加工中、例えば押出
中に加熱された場合に、遊離メルカプタンが分解生成物
として放出されるであろうということを認識している作
業者の気分をほとんど又は全く害しないことにより、生
成する潜伏性メルカプタンをPVC組成物等に加えられ
ることである。
【0021】ブロッキング化合物は好ましくは電子欠乏
が幾つかの基により共有される分子構造を有する安定な
カルボカチオンを与えることができるものである。共鳴
安定化及び隣接基安定化はカルボカチオンが安定化され
うる可能な機構のうちの2つの機構である。
【0022】本発明の目的に適するブロックトメルカプ
タンは式1:
【0023】
【化3】
【0024】(式中、aは1、mは0、nは0又は1、
yは1又は2、zは1であり、R1 はヒドロキシアルキ
ル基、ヒドロキシ(ポリアルコキシ)アルキル基、アシ
ロキシアルキル基、アシロキシ(ヒドロキシアルキル)
基、アシロキシ(アルコキシアルキル)基、アルキレン
ビス(アシロキシアルキル)基、ヒドロキシ(ポリアル
コキシ)アシルアルキル基、アシロキシ(ポリアルコキ
シ)アルキル基、オキシ[ビス(アルコキシアシルアル
キル)]基、オキシ[ビス(ポリアルコキシアシルアル
キル]基、ベンゾイルオキシ(ポリアルコキシ)アルキ
ル基又はベンゾイルオキシ(ポリアルコキシ)アシルア
ルキル基であって、アルキル部分が2〜20個の炭素原
子を有し、アシロキシ部分が2〜22個の炭素原子を有
するものであり、R2 、R3 、R4 及びR5 は水素であ
り、R3 又はR5 がR7 及びOと結合してアルコキシ
(C1 〜C4 )、アリールオキシ(C6 〜C10)、アル
カリールオキシ(C7 〜C14)又はホルミル置換基を持
つ又は持たない4又は5個の環炭素を有する複素環式部
分を形成している)により表される。
【0025】本発明において有用なメルカプタンは周知
のメルカプトアルカノール及びメルカプトカルボン酸並
びにメルカプトアルカノール及びメルカプトカルボン酸
のエステルである。限定するわけではないが、これらの
化合物には下記の化合物が含まれる:
【0026】
【化4】
【0027】
【化5】
【0028】(式中、R10及びR19は独立にOH、−O
(C=O)R17、−(C=O)OR17、−SH、アリー
ル、C1 〜C18アルキル及び−Hであり;R11は−H、
アリール又はC1 〜C18アルキルであり;R17は−H、
アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、アルカ
リール、シクロアルキル又はシクロアルケニルであり;
iは0又は1〜6の整数である)。
【0029】本発明の潜伏性メルカプタンの調製におけ
る中間体として好ましいメルカプタン含有有機化合物
は、式(MC1)により表される化合物であって、R11
が−H、R19が−H、R10が−O(C=O)R17又は−
(C=O)OR17、iが1であるもの、並びに式(MC
3)により表される化合物であって、R11が−Hであ
り、iが1であるものである。
【0030】上記式により表されるメルカプタン含有化
合物の例には、限定するわけではないが、次の化合物が
含まれる:
【0031】
【化6】
【0032】概して、分極した不飽和化合物の二重結合
に遊離メルカプタンのメルカプト基を交差付加させるこ
とを含む本発明において有用な潜伏性メルカプタンを調
製する手順は次の通りである:メルカプタン、酸触媒及
び任意にわずかな百分率の遊離基反応を抑制するための
酸化防止剤を含む窒素雰囲気下で攪拌された混合物に、
温度を10〜70℃の間に保ちながら、前記の分極した
不飽和化合物をニート又は溶液の形態で滴下添加する。
次に、混合物又は溶液を35〜70℃で1〜6時間加熱
し、ガスクロマトグラフィー及びSHについてのヨウ素
滴定により生成物への転化をモニターする。アルカリ洗
浄により酸触媒を除去し、得られた生成物を硫酸マグネ
シウムにより乾燥させ、濾過する。必要であれば、50
℃未満で溶剤を減圧除去し、潜伏性メルカプタンを得
る。固相触媒を使用することもでき、固相触媒は反応混
合物から濾過により分離され、その後の合成のために再
生される。この場合には、洗浄工程は省略される。
【0033】分極した不飽和化合物は、3,4−ジヒド
ロピラン;3,4−ジヒドロ−2−メトキシ−2H−ピ
ラン;3,4−ジヒドロ−2−エトキシ−2H−ピラ
ン;3,4−ジヒドロ−2−フェノキシ−2H−ピラ
ン;3,4−ジヒドロ−2−ホルミル−2H−ピラン;
及び2,3−ジヒドロフランにより例示される。3,4
−ジヒドロ−2−ホルミル−2H−ピランは、高温高圧
でのアクロレインのディールス−アルダー(Diels-Alde
r )二量化により調製される。3,4−ジヒドロ−2−
アルコキシ−2H−ピラン及び3,4−ジヒドロ−2−
フェノキシ−2H−ピランは、触媒量の亜鉛塩、例えば
塩化亜鉛の存在下での対応するビニルエーテルとアクロ
レインの反応により調製される。2位に置換基を有する
種々の3,4−ジヒドロ−2H−ピランを同様な反応に
より調製できる。アルキレングリコール又はポリアルキ
レングリコールのジビニルエーテルとの1及び2モルの
アクロレインの反応により形成される生成物もブロッキ
ング剤である。ジ(3,4−ジヒドロピラニル)エーテ
ルから調製される潜伏性メルカプタンも、本発明のポリ
マー組成物においてキレート化剤となる可能性を有す
る。ジビニルエーテル1モル当たり1モルのアクロレイ
ンの反応の場合に、結果として得られるモノマーのビニ
ルエーテル基は、塩化ビニルコポリマーへの生成物の混
入と、それに続くピラン環の二重結合へのメルカプタン
の交差付加とを可能にし、ポリマーの一体安定剤(inte
gral stabilizer )である潜伏性メルカプタンを生成す
る。1モルのアクロレインと1モルのジビニルエーテル
との反応は、生成するモノマーのビニルエーテル基がそ
の生成物と種々のエチレン系不飽和化合物の1種以上と
の反応を可能にして高分子潜伏性メルカプタンを形成す
るメルカプタン/テトラヒドロピラン付加物型の単量体
潜伏性メルカプタンの形成も可能にする。アクロレイン
とクロロエチルビニルエーテルの反応から得られる生成
物は、さらに誘導体化することのできる置換3,4−ジ
ヒドロピランを与える。ピラン環の二重結合へのメルカ
プタンの交差付加は、亜鉛塩触媒の存在下で行うことが
でき、本発明の安定剤組成物を生じる。
【0034】2−S−テトラヒドロピラニルチオエタノ
ールが前記手順により3,4−ジヒドロピランから調製
される場合に、下記式(それぞれ式1に関係する)によ
り表される副生成物も得られる:式 2.
【0035】
【化7】
【0036】(aが1、mが0、nが0、yが1、zが
1であり、Xが酸素であり、R5 とR 7 が結合して−C
2 −CH2 −CH2 −CH2 −を形成しており、R4
が水素であり、R1 がヒドロキシエチルであるもの) 3.
【0037】
【化8】
【0038】(aが1、mが0、nが1、yが1、zが
1であり、Xが酸素であり、R3 とR 7 が結合して−C
2 −CH2 −CH2 −を形成しており、R4 及びR5
が水素であり、R1 がヒドロキシエチルであるもの) 4.
【0039】
【化9】
【0040】(aが1、mが0、nが1、yが1、zが
1であり、Xが酸素であり、R5 とR 7 が結合して−C
2 −CH2 −CH2 −CH2 −を形成しており、R4
が水素であり、R1 が2−エトキシテトラヒドロピラニ
ルであるもの) 5.
【0041】
【化10】
【0042】(aが1、mが0、nが0、yが1、zが
1であり、Xが酸素であり、R5 とR 7 が結合して−C
2 −CH2 −CH2 −CH2 −を形成しており、R4
が水素であり、R1 が3−エトキシテトラヒドロピラニ
ルであるもの) 6.
【0043】
【化11】
【0044】(aが1、mが0、nが1、yが1、zが
1であり、Xが酸素であり、R3 とR 7 が結合して−C
2 −CH2 −CH2 −を形成しており、R2 、R4
びR5が水素であり、R1 が2−エトキシテトラヒドロ
ピラニルであるもの) 7.
【0045】
【化12】
【0046】(aが1、mが0、nが1、yが1、zが
1であり、Xが酸素であり、R3 とR 7 が結合して−C
2 −CH2 −CH2 −を形成しており、R2 、R4
びR5は水素であり、R1 が3−エトキシテトラヒドロ
ピラニルであるもの)。
【0047】2,3−ジヒドロフランがメルカプトエタ
ノールと反応する場合に同族体副生成物が予想される
が、主生成物は下記構造式: 8.
【0048】
【化13】
【0049】により表される5−S−テトラヒドロフラ
ニルチオエタノールである。
【0050】上記手順において3,4−ジヒドロピラン
の代わりに3,4−ジヒドロ−2−アルコキシ−ピラ
ン、3,4−ジヒドロ−2−フェノキシ−ピラン又は
3,4−ジヒドロ−2−ホルミル−ピランが使用される
場合には、次の生成物が形成される。
【0051】
【化14】
【0052】本発明に対して潜伏性メルカプタンとして
適する2−S−(テトラヒドロピラニル)チオアルカノ
ールの例には、限定するわけではないが、2−S−(テ
トラヒドロピラニル)チオエタノール、2−S−(テト
ラヒドロピラニル)チオプロパノール及び2−S−(テ
トラヒドロピラニル)チオブタノールが含まれる。本発
明の目的に適するカルボキシレートは、上記手順に従っ
てメルカプトエチルカプレートと3,4−ジヒドロピラ
ンとの反応により調製される、式1に関係する下記式:
【0053】
【化15】
【0054】(aが1、mが0、nが0、yが1、zが
1であり、Xが酸素であり、R5 とR 7 が結合して−C
2 −CH2 −CH2 −CH2 −を形成しており、R4
が水素であり、R1 がデカノイルオキシエチルである)
により表される2−S−(テトラヒドロピラニル)チオ
エチルカプレート(2−S−(2−デカノイルオキシエ
チルチオ)テトラヒドロピランとも呼ばれる)により例
示される。
【0055】軟質PVC組成物の安定化に特に有用であ
る前述の化合物の同族体には、2−S−(テトラヒドロ
ピラニル)チオアルキルカルボキシレート及びそれらの
フラニル同族体であって、エチル部分がプロピル、ブチ
ル、ヘキシル及びこれらの系列に含まれるドデシルまで
のその他のものであり、かつ前記化合物のカプリン酸基
が他の脂肪酸基(飽和及び不飽和)又は樹脂酸基(炭素
数22以下のもの)により置換されているものが含まれ
る。前記酸は、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、
ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジ
ン酸、ベヘン酸、オレイン酸及びリノール酸自体、又は
アビエチン酸及びピマル酸とともにタル油酸中に見いだ
されるものにより例示される。メルカプトアルキルカル
ボキシレート部分は、例えば、メルカプトエチルラウレ
ート、メルカプトエチルオレエート、メルカプトエチル
ヘキサノエート、メルカプトエチルオクタノエート、メ
ルカプトエチルミリステート、メルカプトエチルパルミ
テート、メルカプトエチルステアレート、並びにこれら
それぞれのメルカプトプロピル同族体、メルカプトブチ
ル同族体及びメルカプトオクチル同族体により例示され
る。これらのエステルは、酸性触媒の存在下でメルカプ
トアルカノールのヒドロキシル基と所望のカルボン酸と
を反応させるとともに形成された水を除去する常法によ
り調製される。
【0056】2−S−(テトラヒドロピラニル)チオア
ルカノール、それらのカルボキシレート及びこれらのフ
ラニル同族体は、望ましい熱劣化抵抗性をハロゲン含有
有機ポリマーに付与するのに十分な量で本発明において
使用される。使用される安定剤組成物の正確な量は、使
用される個々のハロゲン含有有機ポリマー、ポリマーが
経験するであろう温度及び他の安定化作用のある化合物
の可能な存在等(これらに限定されない)の幾つかの因
子に依存する。概して、ハロゲン含有有機ポリマーが経
験する条件が厳しくなればなるほど、劣化に耐える期間
がより長いことが必要となり、必要な安定剤組成物の量
がますます増える。一般的に、PVC樹脂100重量部
当たり約0.20重量部程度の少量の潜伏性メルカプタ
ンが有効であろう。使用できる潜伏性メルカプタンの量
に厳密な上限はないが、PVC樹脂100重量部当たり
約3.0部以下の量が好ましい。
【0057】2−S−(テトラヒドロピラニル)メルカ
プトアルキルカルボキシレートは、本発明に従って活性
化された場合に、ドデカンチオールのようなアルキルメ
ルカプタンから誘導されたテトラヒドロピラニルブロッ
クトメルカプタンよりも、軟質PVC組成物において熱
安定剤としての活性がより高い。このことは、そのよう
に安定化されたPVC組成物の改良された保色性及び動
的熱安定性から分かる。より高い活性は、エステル含有
潜伏性メルカプタンと可塑化されたPVCの良好な相溶
性からもたらされるものであろう。対応する同族体のフ
ラン系潜伏性メルカプタンの相溶性は同様である。
【0058】金属系安定剤は、本発明の目的に対して、
金属塩安定剤、有機金属安定剤であると定義される。本
発明の目的に対して、金属塩は、酸化物、水酸化物、硫
化物、硫酸塩、塩化物、臭化物、フッ化物、ヨウ化物、
リン酸塩、フェナート、過塩素酸塩、カルボン酸塩及び
炭酸塩を包含すると定義される。金属塩安定剤は、塩
酸、硫酸、フェノール類、芳香族カルボン酸、脂肪酸、
エポキシ化脂肪酸、オキサル酸、酢酸及び炭酸の、亜鉛
塩、バリウム塩、ストロンチウム塩、カルシウム塩、錫
塩、マグネシウム塩、コバルト塩、ニッケル塩、チタン
塩、アンチモン塩及びアルミニウム塩により例示され
る。概して、ステアリン酸カルシウム、2−エチルヘキ
サン酸カルシウム、オクタン酸カルシウム、オレイン酸
カルシウム、リシノール酸カルシウム、ミリスチン酸カ
ルシウム、パルミチン酸カルシウム、ラウリン酸カルシ
ウム、ラウリン酸バリウム、ステアリン酸バリウム、バ
リウムジ(ノニルフェノレート)、ステアリン酸マグネ
シウム、オクタン酸亜鉛(又はカプリル酸亜鉛)、2−
エチルヘキサン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸
亜鉛、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫酸亜鉛、臭
化亜鉛、並びに第I族及び第II族金属石鹸に加えてス
テアリン酸錫、ステアリン酸アルミニウム及びハイドロ
タルサイトが適切な塩の例である。金属系安定剤の相乗
作用を発揮する量は、ハロゲン含有樹脂の約0.01か
ら0.5重量%未満、好ましくは0.02〜0.4重量
%、より好ましくは0.03〜0.1重量%である。亜
鉛塩は熱間加工される樹脂に動的安定性だけでなく、他
の金属塩と比較した場合に特に0.03〜0.1%のよ
うな非常に低濃度でより優れた保色性も提供するために
かなり好ましい。
【0059】前記ルイス酸は、三フッ化ホウ素、塩化ア
ルミニウム、塩化亜鉛及びメチル錫三塩化物により例示
される。したがって、前記金属塩と本発明において有用
なルイス酸の間には若干の重複がある。本発明の目的に
適するルイス酸の相乗作用を発揮する量はハロゲン含有
樹脂の約0.005から0.5重量%未満、好ましくは
約0.01〜約0.1重量%、より好ましくは約0.0
3〜約0.1重量%である。前記ルイス酸及び金属系安
定剤を組み合わせて使用することができる。
【0060】常用の有機金属安定剤には、有機錫カルボ
キシレート及びメルカプチドが含まれる。そのような物
質には、ブチル錫トリスドデシルメルカプチド、ジブチ
ル錫ジラウレート、ジブチル錫ジドデシルメルカプチ
ド、トリスジブチルスタンナンジオール二無水物、Hech
enbleikner等の米国特許第3,078,290号明細書
に記載されているもののようなカルボキシメルカプター
ルの二炭化水素錫塩が含まれる。Salyerの米国特許第
2,985,617号明細書に記載されている塩化ビニ
ル樹脂安定剤のいずれも含まれる。
【0061】カルボキシレート及び/又はメルカプトア
ルキルカルボキシレート並びにアルキルチオグリコレー
トの有機錫メルカプチドのモノスルフィド及び/又はポ
リスルフィドも、ハロゲン含有ポリマーが加工中に35
0°F(177℃)に加熱される際の劣化抵抗性を向上
させるための本発明の組成物において金属系安定剤とし
て適する。これらのスルフィドは、アルカリ金属モノ又
はポリスルフィドをゆっくり加えながら、水及び水酸化
アンモニウム中で約30℃(86°F)に化学量論的量
のカルボン酸のメルカプトアルキルエステル又はアルキ
ルメルカプトカルボキシレートと、式:
【0062】
【化16】
【0063】(式中、R’は1〜12個の炭素原子を有
するアルキル基であり、Halは35〜127の原子量
を有するハロゲン、好ましくは塩素であり、zは1〜3
の任意の数である)により表される有機錫塩化物とを加
熱し、次いでその反応混合物から生成物を分離する前に
反応混合物を約45℃にさらに加熱することにより調製
できる。
【0064】代わりに、モノアルキル又はジアルキル錫
スルフィドと有機錫メルカプチドとを混合することによ
り及び安定剤の技術分野で周知の他の手法によりスルフ
ィドを調製することができる。
【0065】カルボン酸のメルカプトアルキルエステル
のスルフィドは、式IIにより表される1種以上のアル
キル錫ハロゲン化物、式IIIにより表される1種以上
のメルカプチド、並びに1種以上のアルキル錫モノ若し
くはポリスルフィド又はそれらのオリゴマーの平衡混合
物により特徴付けられる。前記アルキル錫モノ及びポリ
スルフィドは式IV:
【0066】
【化17】
【0067】(式中、R* は1〜12個の炭素原子を有
するアルキル基であり、R1*は水素、ヒドロカルビル
基、ヒドロキシヒドロカルビル基又はR2*C(=O)O
3*(式中、R2*はアルキレン、ヒドロキシアルキレ
ン、フェニレン又は−CH=CH−であり、R3*は水
素、ヒドロカルビル基、ヒドロキシヒドロカルビル基又
はアルキルカルボキシアルキレン基である)、Zは2〜
20個の炭素原子を有するアルキレン又はヒドロキシア
ルキレン基であり、mは1〜3の整数であり、nは2〜
3であり、Zの価数はm+1である)により表される。
【0068】式IVは、線状構造をもつもの及び環状ト
リマー並びにアダマンチル環を表すものである:
【0069】
【化18】
【0070】(式中、R4*及びR5*は独立に1〜12個
の炭素原子を有するアルキル基であり、かつSnに結合
しており、xは2又は3であり、yは2又は3であり、
p及びqは2〜20、好ましくは2〜4であり、M及び
Nは0〜10、好ましくは0〜4であるが、M≠N=0
であり、(4−x)=(4−y)の場合にp=qであ
り、(4−x)≠(4−y)の場合にp≠qであること
を条件とする)。
【0071】前述の方法により調製されるスルフィドの
構造が非常に複雑であることが理解されるであろう。反
応は、幾つかのそれぞれ異なるが関連する生成物同士を
含む平衡混合物を生じるものであると考えられる。化学
分野における通常の知識を有する者によって理解される
ように、平衡混合物は本質的に出発物質に加えてそれら
の間の任意反応の生成物を含む。化学文献及び特許文献
には、特定の条件下で、有機錫化合物のそれぞれ異なる
種類に属するもの同士が互いに反応し、混合される前と
は異なる基の組み合わせに複数の錫原子の一部が結合し
ている1つ以上の錫原子を含む生成物を生じることを示
す多数の例が含まれている。従って、スルフィドは、ビ
ス[モノオルガノ錫)−ビス(チオアルキルカルボキシ
レート)]モノスルフィド及びポリスルフィド、ビス
[(ジオルガノ錫)−モノ(チオアルキルカルボキシレ
ート)]モノスルフィド及びポリスルフィド、並びにこ
れらのモノ及びポリスルフィドに混じって平衡反応中に
生成する生成物(モノアルキル錫トリス(チオアルキル
カルボキシレート)、ジアルキル錫ビス(チオアルキル
カルボキシレート、モノ及びジオルガノ錫モノ及びポリ
スルフィド並びにこれらのオリゴマーを包含する))に
加えて出発物質自体も包含するものと考えられる。同様
にメルカプトカルボン酸のアルキルエステルのスルフィ
ドもビス[モノオルガノ錫)−ビス(アルキルメルカプ
トカルボキシレート)]モノスルフィド及びポリスルフ
ィド、ビス[(ジオルガノ錫)−モノ(アルキルメルカ
プトカルボキシレート)]モノスルフィド及びポリスル
フィド、並びにこれらのモノ及びポリスルフィドに混じ
って平衡反応中に生成する生成物(モノアルキル錫トリ
ス(アルキルメルカプトカルボキシレート)、ジアルキ
ル錫ビス(アルキルメルカプトカルボキシレート)、モ
ノ及びジオルガノ錫モノ及びポリスルフィド並びにこれ
らのオリゴマーを包含する)を包含するものと考えられ
る。
【0072】前記ポリスルフィドは、結合し合った2〜
10個の硫黄原子を有する化合物同士の混合物を包含す
る。2〜4個の硫黄原子を有するモノスルフィド及びポ
リスルフィドの混合物が好ましい。
【0073】本発明のPVC組成物中に常用の非金属安
定剤及び酸化防止剤を含めることもできる。例えば、樹
脂の重量を基準にして0.01〜0.75%の硫黄含有
化合物、例えば、ジラウリルチオジプロピオネート、ジ
ステアリル3,3’−チオジプロピオネート、ジシクロ
ヘキシル−3,3−チオジプロピオネート、ジオレイル
−3,3’−チオジプロピオネート、ジベンジル−3,
3’−チオジプロピオネート、ジデシル−3,3’−チ
オジプロピオネート、ジベンジル−3,3’−チオジプ
ロピオネート、ジエチル−3,3’−チオプロピオネー
ト、3−メチルメルカプトプロピオン酸のラウリルエス
テル、3−ブチルメルカプトプロピオン酸のラウリルエ
ステル、3−ラウリルメルカプトプロピオン酸のラウリ
ルエステル、及び3−オクチルメルカプトプロピオン酸
のフェニルエステルを含めることができる。
【0074】本発明の安定剤組成物に加えて、本発明の
PVC組成物は、軟質PVCに関して述べた可塑剤、並
びに顔料、充填剤、発泡剤、染料、紫外線吸収剤、酸化
防止剤、強化剤(densifying agent)、殺生物剤等を含
むことができる。
【0075】PVC樹脂の0.01〜10重量%、好ま
しくは0.1〜5重量%の量の酸化防止剤を含めること
ができる。フェノール系酸化防止剤が特に適切であり、
そのようなフェノール系酸化防止剤は、2,6−ジ−t
−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソ
ール、没食子酸プロピル、4,4’−チオビス(6−t
−ブチル−m−クレゾール)、4,4’−シクロヘキシ
リデンジフェノール、2,5−ジ−t−アミルヒドロキ
ノン、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−m
−クレゾール)、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、
2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチ
ルフェノール)、2,6−ブチル−4−デシルオキシフ
ェノール、2−t−ブチル−4−ドデシルオキシフェノ
ール、2−t−ブチル−4−ドデシルオキシフェノー
ル、2−t−ブチル−4−オクタデシルオキシフェノー
ル、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジ−t−ブチ
ルフェノール)、p−アミノフェノール、N−ラウリル
オキシ−p−アミノフェノール、4,4’−チオビス
(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ビス[o
−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノー
ル]スルフィド、4−アセチル−β−レソルシル酸、A
段階p−t−ブチルフェノールホルムアルデヒド樹脂、
4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、
3−ヒドロキシ−4−(フェニルカルボニル)フェニル
パルミテート、3−ヒドロキシ−4−(フェニルカルボ
ニル)フェノキシ酢酸のn−ドデシルエステル、及びt
−ブチルフェノールにより例示される。
【0076】本発明のPVC組成物中の塩化ビニルポリ
マーの重量を基準にして0.01〜30重量%のエポキ
シ化合物が使用されてもよい。そのようなエポキシ化合
物の例には、エポキシ化ダイズ油、エポキシ化ラード
油、エポキシ化オリーブ油、エポキシ化アマニ油、エポ
キシ化ヒマシ油、エポキシ化ピーナッツ油、エポキシ化
トウモロコシ油、エポキシ化キリ油、エポキシ化綿実
油、エピクロロヒドリン/ビスフェノールA樹脂、フェ
ノキシプロピレンオキシド、ブトキシプロピレンオキシ
ド、エポキシ化ネオペンチレンオレエート、グリシジル
エポキシステアレート、エポキシ化α−オレフィン、エ
ポキシ化グリシジルソイエート、ジシクロペンタジエン
ジオキシド、エポキシ化ブチルトルエート、スチレンオ
キシド、ジペンテンジオキシド、グリシドール、ビニル
シクロヘキセンジオキシド、レソルシノールのグリシジ
ルエーテル、ヒドロキノンのグリシドールエーテル、
1,5−ジヒドロキシナフタレンのグリシジルエーテ
ル、エポキシ化アマニ油脂肪酸、アリルグリシジルエー
テル、ブチルグリシジルエーテル、シクロヘキサンオキ
シド、4−(2,3−エポキシプロポキシ)アセトフェ
ノン、メシチルオキシドエポキシド、2−エチル−3−
プロピルグリシドアミド、グリセリンのグリシジルエー
テル、ペンタエリトリトール及びソルビトール、並びに
3,4−エポキシシクロヘキサン−1,1−ジメタノー
ルビス−9,10−エポキシステアレートが包含され
る。
【0077】同様に、塩化ビニルポリマーの0.01〜
10重量%、好ましくは0.1〜5重量%の量で有機ホ
スファイトを使用することができる。この有機ホスファ
イトは、アリール基、アルキル基、アラルキル基及びア
ルカリール基を任意の組み合わせで合計1〜3個含む。
「トリアルキルアリール」なる用語は、任意の取り合わ
せのアルキル基、アリール基、アルカリール基及びアラ
ルキル基を含むアルキルホスファイト、アリールホスフ
ァイト、アルカリールホスファイト及びアラルキルホス
ファイトを包括する用語である。その例には、トリフェ
ニルホスファイト、トリクレシルホスファイト、トリ
(ジメチルフェニル)ホスファイト、トリブチルホスフ
ァイト、トリオクチルホスファイト、トリドデシルホス
ファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジオクチ
ルフェニルホスファイト、トリ(オクチルフェニル)ホ
スファイト、トリ(ノニルフェニル)ホスファイト、ト
リベンジルホスファイト、ブチルジクレシルホスファイ
ト、オクチルジ(オクチルフェニル)ホスファイト、ト
リ(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリトリルホ
スファイト、トリ(2−シクロヘキシルフェニル)ホス
ファイト、トリ−α−ナフチルホスファイト、トリ(フ
ェニルフェニル)ホスファイト及びトリ(2−フェニル
エチル)ホスファイトがある。
【0078】同様に、塩化ビニルポリマーの0.01〜
10重量%の塩化ビニル樹脂用のポリオール安定剤を含
めることができる。例えば、グリセロール、ソルビトー
ル、ペンタエリトリトール、マンニトール、並びにジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエ
チレングリコール、トリプロピレングリコール等のよう
なポリエーテルを含めることができる。
【0079】ジシアンジアミド、メラミン、ウレア、ホ
ルモグアナミン、ジメチルヒダントイン、グアニジン、
チオウレア、2−フェニルインドール、アミノクロトネ
ート、N−置換マレイミド、ウラシル、Ciba Specialty
Chemicals Holding Inc. によるドイツ国特許出願公開
第19,741,778号明細書に記載されている1,
3−ジアルキル−6−アミノ−ウラシル誘導体及びオー
ストラリア特許出願公開第AU−A−48232/96
号明細書に記載されているピロロジアジンジオン等のよ
うな窒素含有安定剤を0.1〜10重量%の量で含める
こともできる。
【0080】特に興味のあるものは式:
【0081】
【化19】
【0082】により表されるピロロジアジンジオンであ
る。本発明での使用が着想される化合物の例には、前記
オーストラリア特許出願に記載されているNO. 103, 11
1, 123,129及び131 号により例示される1H−ピロロ
[2,3−d]ピリミジン−2,4−(3H,7H)−
ジオンが包含される。これらは次の置換基を有する: No. 103 1,3,6−トリメチル; No. 111 1,3,6,7−テトラメチル; No. 123 なし; No. 129 1,3−ジエチル、6−メチル; No. 131 1,3−ジ−n−ブチル、6−メチル
【0083】前記化合物は、S. Senda及びK. Hirota に
よるChem. Pharm. Bill., 22(7), 1459-1467 (1974) に
記載されている方法によるか、又は沈殿物が形成される
までの約65℃の水中での対応するアミノウラシルとモ
ル過剰量のクロロアセトアルデヒド及び酢酸アンモニウ
ムとの反応若しくは水中での12時間の還流によりモル
過剰量のアセトキシアセトン及び酢酸アンモニウムとの
反応により調製することができる。ドイツ国特許出願公
開第19,741,778号明細書及びオーストラリア
特許出願公開第AU−A−48232/96号明細書は
引用によりここにふくまれていることにする。
【0084】低分子量ポリエチレン、すなわちポリエチ
レンワックス、脂肪酸アミド、例えばラウラミド及びス
テアラミド、ビスアミド、例えばデカメチレンビスアミ
ド、及び脂肪酸エステル、例えばブチルステアレート、
グリセリルステアレート、アマニ油、パーム油、デシル
オレエート、トウモロコシ油、綿実油、水素化綿実油、
ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、鉱油、モンタ
ンワックス、酸化ポリエチレン等のような常用の滑剤を
含めることもできる。以下の実施例により本発明に係る
ブロックトメルカプタンの調製、本発明に係る安定剤の
調製、及び前記ブロックトメルカプタン及び安定剤組成
物の利点をさらに説明する。
【0085】
【実施例】窒素雰囲気と35℃未満の温度を保ちながら
酸触媒の存在下で45分間にわたって42.0グラム
(0.50モル)の3,4−ジヒドロピランを112.
2グラム(0.50当量)のメルカプトエチルカプレー
ト(SH14.7%)に加え、次に50℃に加熱し、そ
の温度を1.5時間保つことにより調製された2−S−
(デカノイルオキシエチルチオ)テトラヒドロピラン又
は2−S−(テトラヒドロピラニル)チオエチルカプレ
ートの分子構造を 1H−NMR分光分析法を用いて決定
した。溶液を冷却後、10%炭酸水素ナトリウム水溶液
200ml二部で溶液を洗浄し、続いて200mlの水
で洗浄した。MgSO4 により有機層を乾燥させると、
0.100Nのヨウ素イソプロパノール溶液により滴定
することにより決定した場合にSH含有率が0.5%未
満である黄色液体が得られた。その 1H−NMR(CD
Cl3 ,δ)スペクトル:2.3(2H,t,−C(=
O)−C 2 −CH2 ),2.8(2H,m,−S−C
2 −CH2 −),4.2(2H,m,−S−CH2
2 −O−),4.9(1H,m,−O−C(−S−
CH2 −)−CH2 −CH2 −)。この実施例の潜伏性
メルカプタンを0.13phr含むPVC組成物の全色
変化(total color change)(d
E)を1分間隔でハンタ(Hunter)比色計を使用して白
色タイル標準に対して測定した。1分間で全色変化は
4.2であり、5分間で8.4であった。
【0086】実施例2 窒素ブランケット下25〜35℃の温度で0.93グラ
ムのメタンスルホン酸(70%活性)を含む760.0
0グラム(2.00当量)の2−メルカプトエチルタレ
ートに172.45グラム(2.05当量)の3,4−
ジヒドロ(2H)ピランを45分間にわたって滴下添加
し、35〜40℃で2時間加熱することにより2−S−
テトラヒドロピラニル)チオエチルタレートを調製し
た。溶液を冷却後、3グラムのNoriteカーボンブラック
を入れ、生成物を減圧濾過すると、0.100Nのヨウ
素イソプロパノール溶液により滴定することにより決定
した場合にSH含有率が0.4%未満である黄色液体9
32gが得られた。その 1H−NMR(CDCl3
δ)スペクトル:2.3(2H,t,−C(=O)−C
2 −CH2 −),2.8(2H,m,−S−C 2
CH2 −),4.3(2H,m,−CC(=O)−O−
2 ),4.9(1H,m,−O−C(−S−CH
2 −)−CH2 −CH2 −)。生成物(エーテル中1
%)のGCによって、保持時間26.3分に1つの主生
成物のピークが示された(50〜300℃;10℃/
分;スプリットフローインジェクター/FID)。
【0087】実施例3〜11 次の成分: 成分 量 PVC樹脂(k=70) 100.0部 ジオクチルフタレート 40.0phr エポキシ化ダイズ油 5.0phr ステアリン酸 0.2phr 2−S−(テトラヒドロピラニルチオエチルタレート) 2.0phr 金属と同レベルの金属カルボン酸塩 表I参照 を含む汎用軟質PVC組成物を350°Fで標準的な水
平2本ロール機(ロール速度30R/40R)により加
工し、最長60分間で5分間おきに小片を採取した。そ
れらの小片の色特性をハンタLab比色計(L,a,
b)を使用して測定し、黄色度指数を表IIでの比較の
ための測定値として選んだ。組成物の動的熱安定性(D
TS)は、200℃/80rpmで、No. 6 ローラーブ
レード及び電気ヘッドを備えたブレベンダープラスチコ
ーダー(Brabender Plasti-Corder )PL-2000 により測
定した。DTS(表IIIに示す)は、加工中にトルク
曲線の急峻な立ち上がりが観察される前の、分単位の時
間で記録した。
【0088】表中のデータが示しているように、全ての
組成物が良好な動的安定性を示したが、カルボン酸亜鉛
を含むものは動的安定性も保色性も優れていた。
【0089】
【表1】
【0090】
【表2】
【0091】
【表3】
【0092】実施例12〜15 この実施例において、メルカプトアルキルエステルと可
塑化された塩化ビニル樹脂の相溶性とそれらの安定化力
の間の関係を示す。次の成分: 成分 量 PVC樹脂(k=70) 100.0部 ジオクチルフタレート 40.0phr エポキシ化ダイズ油 5.0phr ステアリン酸 0.2phr オクタン酸亜鉛(Zn18%) 0.05phr 2−S−(テトラヒドロピラニルチオエチルカルボキシレート) 表IV参照 を含む汎用軟質PVC組成物を350°Fで標準的な水
平2本ロール機(ロール速度30R/40R)により加
工し、最長60分間で5分間おきに小片を採取した。そ
れらの小片の色特性をハンタLab比色計(L,a,
b)を使用して測定し、黄色度指数を表Vでの比較のた
めの測定値として選んだ。
【0093】
【表4】
【0094】
【表5】
【0095】実施例16〜17及び比較例1 実施例12〜15の汎用軟質PCVの配合を表VIに示
されているように変性させ、結果として得られた組成物
を350°Fで標準的な水平2本ロール機(ロール速度
30R/40R)により加工し、最長60分間で5分間
おきに小片を採取した。それらの小片の色特性をハンタ
Lab比色計(L,a,b)を使用して測定し、黄色度
指数を表VIIでの比較のための測定値として選んだ。
200℃/80rpmで、電気ヘッドを備えたブレベン
ダープラスチコーダーPL-2000 (ロールタイプ6)によ
っても組成物を加工し、それらの動的熱安定性(DT
S)を測定した。DTS(表VIIIに示す)は、加工
中にトルク曲線の急峻な立ち上がりが観察される前の、
分単位の時間で記録した。
【0096】
【表6】
【0097】
【表7】
【0098】
【表8】
【0099】実施例18 この実施例は、潜伏性メルカプタンとの相乗作用を発揮
する塩化亜鉛のようなルイス酸の使用を示すものであ
る。次の成分: 成分 量 PVC樹脂(k=70) 100.0部 ジオクチルフタレート 40.0phr エポキシ化ダイズ油 5.0phr ステアリン酸 0.2phr を含む汎用軟質PVC組成物を表IXのように変性さ
せ、結果として得られた組成物を350°Fで標準的な
水平2本ロール機(ロール速度30R/40R)により
加工し、最長60分間で5分間おきに小片を採取した。
それらの小片の色特性をハンタLab比色計(L,a,
b)を使用して測定し、黄色度指数を表Vでの比較のた
めの測定値として選んだ。
【0100】
【表9】
【0101】
【表10】
【0102】実施例19〜20及び比較例2 軟質PVC組成物中の2−S−(テトラヒドロピラニ
ル)チオアルキルカルボキシレートに及ぼす非常に低レ
ベルの金属系安定剤の驚くべき効果が示されたが、硬質
PVCにおけるそのような低レベルの金属系安定剤との
2−S−(テトラヒドロピラニル)チオアルカノールの
良好な相溶性により発揮される役割を以下の実施例で示
す。次の成分: 成分 量 PVC樹脂(k=65) 100.0部 炭酸カルシウム 5.00phr 二酸化チタン 1.0phr ステアリン酸カルシウム 0.6phr パラフィンワックス 1.2phr 酸化ポリエチレン 0.15phr を含む常用の硬質PVC組成物を表XIに示されている
ように変性させ、結果として得られた組成物を390°
Fで標準的な水平2本ロール機(ロール速度30R/4
0R)により加工し、最長12分間で1分間おきに小片
を採取した。それらの小片の色特性をハンタLab比色
計(L,a,b)を使用して測定し、黄色度指数を表X
IIでの比較のための測定値として選んだ。前述の通り
であるが190℃で測定したDTSを表XIIIに示
す。
【0103】
【表11】
【0104】
【表12】
【0105】
【表13】
【0106】実施例21〜22及び比較例3〜4 本発明に係る潜伏性メルカプタンに及ぼすルイス酸及び
金属系安定剤の単独で使用した場合及び組み合わせて使
用した場合の活性化効果をこの例で示す。次の成分: 成分 量 PVC樹脂(k=65) 100.0部 炭酸カルシウム 5.00phr 二酸化チタン 1.0phr ステアリン酸カルシウム 0.6phr パラフィンワックス 1.2phr 酸化ポリエチレン 0.15phr を含む常用の硬質PVC組成物を表XIに示されている
ように変性させ、結果として得られた組成物を390°
Fで標準的な水平2本ロール機(ロール速度30R/4
0R)により加工し、最長11分間で1分間おきに小片
を採取した。それらの小片の色特性をハンタLab比色
計(L,a,b)を使用して測定し、黄色度指数を表X
Vでの比較のための測定値として選んだ。
【0107】
【表14】
【0108】
【表15】
【0109】実施例32 中間体の調製 736.16グラム(8モル)のチオグリコール酸、8
48.96グラム(8モル)のジエチレングリコール及
び1.3グラムのp−トルエンスルホン酸の混合物を、
機械的攪拌機、温度計及び真空濃縮器を備えた反応器内
で、400トル(Torr)の圧力で80℃に加熱し
た。2.5時間にわたって圧力を120トルに降下させ
る前に還流温度を1時間保ち、エステル化により形成さ
れた水を除去した。0.5時間にわたって20トルまで
圧力をさらに降下させると温度が120℃に上昇した。
除去された水の全重量は140.92グラムであった。
生成物は、12の酸価と16.75重量%のSH含有率
を有していた。収量は1421.12グラムであった。
生成物はチオグリコール酸のジエチレングリコールモノ
及びジエステル(すなわちヒドロキシエチルオキシエチ
ルメルカプトアセテート及びエチルオキシエチルジ−メ
ルカプトアセテート)の混合物であり、満足のゆくもの
であった。
【0110】付加物の調製 このようにして得られた中間体1421g(7.89当
量)に6.38グラムのAMBERLYST 15イオン交換樹脂を
加え、次に窒素ブランケット下、40〜50℃の温度で
135分間にわたって708.21グラム(8.42当
量)の3,4−ジヒドロ(2H)ピラン(DHP)を滴
下添加した。加熱を40〜50℃で2.25時間続けた
後の%SHは5.36であった。0.5時間の間に別に
300.21グラム(約3.5モル)のDHPを加え、
反応混合物を約55℃に0.5時間保つと%SHは3.
32に減少した。窒素下で一晩(約14時間)静置した
後、生成物のSH含有率は2.68%であった。
【0111】生成物は、2−S−(テトラヒドロピラニ
ル)ヒドロキシエチルオキシエチルチオグリコレート
(R1 がヒドロキシエトキシエトキシアセチルメチルで
あるもの)及びビス[2−S−(テトラヒドロピラニ
ル)エチルオキシエチル]チオグリコレート(yが2で
あり、R1 がオキシ[ビス(エトキシアセチルメチ
ル)]であるもの)を含む混合物であった。
【0112】実施例24 中間体の調製 98.23グラム(1.07モル)のチオグリコール
酸、160.06グラム(1.07モル)のトリエチレ
ングリコール及び0.2グラムのp−トルエンスルホン
酸の混合物を、機械的攪拌機、温度計及び真空濃縮器を
備えた反応器内で、250トルの圧力で100℃に加熱
した。1.5時間にわたって圧力を10トルに降下させ
る前に還流温度を25分間保ち、エステル化により形成
された水を除去した。生成物はチオグリコール酸のトリ
エチレングリコールモノエステル(全重量の約57%)
とチオグリコール酸のトリエチレングリコールジエステ
ル(約20%)を含み、満足のゆくものであった。
【0113】付加物の調製 チオグリコール酸のトリエチレングリコールモノ及びジ
エステルのこのようにして調製された混合物100グラ
ム(SH0.42当量)とともに0.2グラムのAMBERL
YST 15イオン交換樹脂を0℃に冷却し、39.18グラ
ム(0.462モル)のDHPを30分間にわたって滴
下添加することによって、(2−S−テトラヒドロピラ
ニル)ヒドロキシエチルオキシエチルオキシエチルチオ
グリコレート及びビス(2−S−テトラヒドロピラニ
ル)エチルオキシエチルオキシエチルジ−チオグリコレ
ートを含む混合物を調製した。混合物を0℃に1時間保
ち、次に室温(約22℃)まで徐々に加熱し、その温度
を2時間保った。生成物の収量は139.2グラムであ
り、SH含有率は3.5%であった。
【0114】実施例25 中間体の調製 92.0グラム(1モル)のチオグリコール酸、21
2.21グラム(2モル)のジエチレングリコール及び
0.24グラムのp−トルエンスルホン酸の混合物を、
機械的攪拌機、温度計及び真空濃縮器を備えた反応器内
で、200トルの圧力で100℃に加熱した。1.9時
間にわたって圧力を10トルに降下させる前に還流温度
を0.5時間保ち、エステル化により形成された水を除
去した。ある時間にわたって1トルまで圧力をさらに降
下させると温度が110℃に上昇した。その温度を3時
間保った。チオグリコール酸のジエチレングリコールモ
ノエステルは生成物の85.9%を構成し、ジエステル
は生成物の重量の14.1%を構成していた。生成物の
SH含有率は満足のゆく19.49重量%であった。
【0115】付加物の調製 このようにして調製された中間体70グラム(0.41
2当量)と0.15グラムのAMBERLYST 15イオン交換樹
脂の混合物を0.5℃未満に冷却し、36.52グラム
(0.434モル)のDHPを約7分間にわたって滴下
添加し、その3時間後に室温(約22℃)に加熱した。
【0116】実施例26〜28及び比較例5及び6 次の成分: 成分 量 PVC樹脂(k=65) 100.0部 炭酸カルシウム 5.00phr 二酸化チタン 1.0phr ステアリン酸カルシウム 0.6* phr パラフィンワックス 1.2phr 酸化ポリエチレン 0.15phr (* 比較例4及び実施例28では0.45) を含む常用の硬質PVC組成物を表XVIに示されてい
るように変性させ、結果として得られた組成物を390
°Fで標準的な水平2本ロール機(ロール速度30R/
40R)により加工し、最長12分間で1分間おきに小
片を採取した。それらの小片の色特性をハンタLab比
色計(L,a,b)を使用して測定し、黄色度指数を表
XVIIでの比較のための測定値として選んだ。前述の
通りであるが190℃で測定したDTSを表XVIII
に示す。
【0117】
【表16】
【0118】
【表17】
【0119】
【表18】
【0120】実施例29及び比較例7 以下の例は、塩化亜鉛と本発明に係る潜伏性メルカプタ
ン(式3〜7により表される副生成物とともに式2によ
り表されるもの)の均質ブレンドを含む半硬質PVC組
成物の熱安定性と、市販のCd/Ba/Zn/ホスファ
イト安定剤を含む半硬質PVC組成物の熱安定性とを比
較したものである。
【0121】窒素ブランケット下30℃で攪拌しながら
乾燥アセトン50ml中に無水塩化亜鉛16.0グラム
を含む溶液を333.2グラムの潜伏性メルカプタンに
滴下添加し、次いで溶液を15mmHgの減圧下55℃
で1時間加熱することによりアセトンを除去することに
よって、塩化亜鉛と潜伏性メルカプタンの均質ブレンド
を調製した。残留液体の濾過によって、亜鉛含有率2.
1重量%の光沢のある透明均質生成物が得られた。
【0122】次の成分: 成分 量 PVC樹脂(k=70) 100.0部 ジイソデシルフタレート 27.0phr エポキシ化ダイズ油 3.0phr 炭酸カルシウム 30.0phr ステアリン酸 0.5phr を含む常用の半分硬質PVC組成物を表XIXに示され
ているように変性させ、結果として得られた組成物を3
50°Fで標準的な水平2本ロール機(ロール速度30
R/40R)により加工し、最長60分間で5分間おき
に小片を採取した。それらの小片の色特性をハンタLa
b比色計(L,a,b)を使用して測定し、黄色度指数
を表XXでの比較のための測定値として選んだ。
【0123】
【表19】
【0124】
【表20】
【0125】電気ヘッドとNo. 6 ローラーブレードを有
するBRABENDER PL-2000 レオメーターにより200℃で
トルクレオメトリー曲線の急峻な立ち上がりとして記録
されたDTSを表XXIに示す。
【0126】
【表21】
【0127】本発明の軟質PVC組成物の特定の用途に
応じる安定剤を調製するための本発明の潜伏性メルカプ
タンとのカルボン酸亜鉛又は塩化亜鉛の種々の組み合わ
せにおける硫黄に対する亜鉛の好ましい比を表22に示
す:
【0128】
【表22】
【0129】ポリマーを成形品に成形するための周知の
常用の技術のいずれかによって、本発明の安定化された
組成物から、本発明により着想される製品、例えば包装
用フィルム、管材料、硬質管及び窓用形材のような製品
が形成される。
【0130】本発明の幾つかの態様をかなり詳細に説明
したが、本明細書に記載の通りの本発明の範囲から逸脱
せずに、これらの態様に種々の変更及び改良を加えるこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ポール ブライアン アダムス アメリカ合衆国,オハイオ 45011,イン ディアン スプリングス,プレザント リ ッジ ドライブ 2959 (72)発明者 ジーン ケリー ノーリス アメリカ合衆国,オハイオ 45249,シン シナティ,シックスス アベニュ 11930

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン含有ポリマーと、ブロックトメ
    ルカプタンの分解生成物と、前記ポリマーの重量を基準
    にして0.005%〜0.5%の相乗剤とを含むポリマ
    ー組成物であって、前記ブロックトメルカプタンの分解
    生成物が高温での当該組成物の加工中に生じるものであ
    り、前記ブロックトメルカプタンが下記構造式: 【化1】 (式中、aは1、mは0、nは0又は1、yは1又は
    2、zは1であり、R1 はヒドロキシアルキル基、ヒド
    ロキシ(ポリアルコキシ)アルキル基、ヒドロキシ(ポ
    リアルコキシ)アシルアルキル基、アシロキシアルキル
    基、アシロキシ(ヒドロキシアルキル)基、アシロキシ
    (アルコキシアルキル)基、アシロキシ(ポリアルコキ
    シ)アルキル基、アシロキシ(ポリアルコキシ)アシル
    アルキル基、オキシ[ビス(アルコキシアシルアルキ
    ル)]基、オキシ[ビス(ポリアルコキシアシルアルキ
    ル)]基、ベンゾイルオキシ(ポリアルコキシ)アルキ
    ル基、ベンゾイルオキシ(ポリアルコキシ)アシルアル
    キル基又はアルキレンビス(アシロキシアルキル)基で
    あって、アルキル部分が2〜20個の炭素原子を有し、
    アシロキシ部分が2〜22個の炭素原子を有するもので
    あり、R2 、R3 、R4 及びR5 は水素であり、R3
    はR5 がR7 及びOと結合して複素環式部分を形成して
    いる)により表され、前記相乗剤が金属系熱安定剤、ル
    イス酸及びこれらの混合物からなる群から選ばれるもの
    である、ポリマー組成物。
  2. 【請求項2】 前記金属系熱安定剤がカルボン酸亜鉛で
    ある請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 前記アルキル部分がエチルである請求項
    1記載の組成物。
  4. 【請求項4】 前記相乗剤が塩化亜鉛である請求項1記
    載の組成物。
  5. 【請求項5】 前記ハロゲン含有ポリマーが軟質PVC
    組成物であり、R1がアシロキシアルキル基である請求
    項1記載の組成物。
  6. 【請求項6】 前記相乗剤がルイス酸である請求項5記
    載の組成物。
  7. 【請求項7】 前記アルキル部分がエチルである請求項
    5記載の組成物。
  8. 【請求項8】 前記ルイス酸が塩化亜鉛である請求項6
    記載の組成物。
  9. 【請求項9】 前記ハロゲン含有ポリマーが硬質PVC
    であり、R1 がヒドロキシアルキル基である請求項1記
    載の組成物。
  10. 【請求項10】 前記相乗剤が金属系安定剤である請求
    項9記載の組成物。
  11. 【請求項11】 前記相乗剤がルイス酸である請求項9
    記載の組成物。
  12. 【請求項12】 前記アルキル部分がエチルである請求
    項9記載の組成物。
  13. 【請求項13】 前記金属系安定剤がカルボン酸亜鉛で
    ある請求項10記載の組成物。
  14. 【請求項14】 前記ルイス酸が塩化亜鉛である請求項
    11記載の組成物。
  15. 【請求項15】 前記アルキル部分がエチルである請求
    項13記載の組成物。
  16. 【請求項16】 前記アルキル部分がエチルである請求
    項15記載の組成物。
  17. 【請求項17】 87.5重量%〜98.5重量%の構
    造式: 【化2】 (式中、aは1、mは0、nは0又は1、yは1又は
    2、zは1であり、R1 はヒドロキシアルキル基、ヒド
    ロキシ(ポリアルコキシ)アルキル基、ヒドロキシ(ポ
    リアルコキシ)アシルアルキル基、アシロキシアルキル
    基、アシロキシ(ヒドロキシアルキル)基、アシロキシ
    (アルコキシアルキル)基、アシロキシ(ポリアルコキ
    シ)アルキル基、アシロキシ(ポリアルコキシ)アシル
    アルキル基、オキシ[ビス(アルコキシアシルアルキ
    ル)]基、オキシ[ビス(ポリアルコキシアシルアルキ
    ル]基、ベンゾイルオキシ(ポリアルコキシ)アルキル
    基、ベンゾイルオキシ(ポリアルコキシ)アシルアルキ
    ル基又はアルキレンビス(アシロキシアルキル)基であ
    って、アルキル部分が2〜20個の炭素原子を有し、ア
    シロキシ部分が2〜22個の炭素原子を有するものであ
    り、R2 、R3 、R4 及びR5 は水素であり、R3 又は
    5 がR7 及びOと結合して複素環式部分を形成してい
    る)により表されるブロックトメルカプタンを含む安定
    剤組成物であって、前記ブロックトメルカプタンの残り
    が金属系安定剤、ルイス酸及びこれらの混合物からなる
    群から選ばれる相乗剤を含む組成物。
  18. 【請求項18】 前記金属系熱安定剤が有機金属化合物
    である請求項17記載の組成物。
  19. 【請求項19】 前記金属系熱安定剤がカルボン酸亜鉛
    である請求項18記載の組成物。
  20. 【請求項20】 前記アルキル部分がエチルである請求
    項18記載の組成物。
  21. 【請求項21】 前記相乗剤がルイス酸である請求項1
    8記載の組成物。
  22. 【請求項22】 前記ルイス酸が塩化亜鉛である請求項
    21記載の組成物。
  23. 【請求項23】 前記アルキル部分がエチルである請求
    項22記載の組成物。
  24. 【請求項24】 前記アルキル部分がエチルである請求
    項19記載の組成物。
  25. 【請求項25】 前記ブロックトメルカプタンが全重量
    の93.5%〜97.5%を構成する請求項17記載の
    安定剤組成物。
  26. 【請求項26】 透明均質液体であることをさらに特徴
    とする請求項21記載の組成物。
  27. 【請求項27】 前記ハロゲン含有ポリマーが硬質PV
    Cであり、R1 がヒドロキシ(ポリアルコキシ)アシル
    アルキル基である請求項1記載の組成物。
  28. 【請求項28】 前記相乗剤がルイス酸である請求項2
    7記載の組成物。
  29. 【請求項29】 前記相乗剤が金属系安定剤である請求
    項27記載の組成物。
  30. 【請求項30】 前記アルキル部分がエチルである請求
    項28記載の組成物。
  31. 【請求項31】 前記金属系安定剤がカルボン酸亜鉛で
    ある請求項29記載の組成物。
  32. 【請求項32】 前記ルイス酸が塩化亜鉛である請求項
    28記載の組成物。
  33. 【請求項33】 前記アルキル部分がエチルである請求
    項31記載の組成物。
  34. 【請求項34】 前記アルキル部分がエチルである請求
    項32記載の組成物。
  35. 【請求項35】 ハロゲン含有ポリマーを安定化するた
    めの組成物の製造方法であって、触媒量の塩化亜鉛の存
    在下でアクロレインとビニルエーテルとを反応させて
    3,4−ジヒドロ−2−置換−2H−ピランを形成させ
    ること、及び前記ピランとメルカプタンとを反応させる
    ことによりメルカプタンのスルフヒドリル基を前記ピラ
    ンの二重結合に交差付加させて塩化亜鉛との混合物の形
    態にある潜伏性メルカプタンを形成させることを含む方
    法。
JP11083700A 1998-03-26 1999-03-26 熱安定化されたハロゲン含有ポリマ―組成物 Pending JPH11310721A (ja)

Applications Claiming Priority (4)

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