(第1実施例)
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。本発明の遊技機をパチンコ遊技機(以下、単に遊技機という)に適用した実施例を図1〜図14に示す。
図1は、本実施例の遊技機1の正面図である。図1に示すように、遊技機1の前面部は、本体枠2、中枠3、前面枠4、上皿部5、下皿部6、施錠装置9、遊技盤20等を備えている。なお、図1では遊技盤20の詳細な図示を省略している。また、中枠3は前面枠4等が前面側に配置されているため、図1においては明示されていない。
本体枠2は木製の板状体を略長方形の枠状に組立てたものであり、遊技機1の外枠を構成している。中枠3はプラスチック製であり、本体枠2の内側にはめ込まれて設置されており、外枠2に対して開閉可能に左端で軸支されている。中枠3は、上側2/3程度を占める枠体部と下側1/3程度を占める下板部とから構成されている。枠体部の前面側には遊技盤20と前面枠4とが重なるように設けられており、下板部の前面側には上皿部5と下皿部6が設けられている。下板部には、遊技球を遊技盤20に発射する発射手段を構成する発射装置ユニット(図示略)、遊技球を発射装置ユニットに供給する球送り装置(図示略)が設けられている。
前面枠4は、中枠3の前面側に配置され、中枠3の左端で開閉可能に支持されている。前面枠4はプラスチック製であり、奥側に配置される遊技盤20の盤面を視認可能にするために、円形状の開口部4aが形成されている。前面枠4の裏面には、開口部4aに対応したガラス板等の透明板を備える略長方形状の透明板枠(図示略)が装着されている。前面枠4における遊技盤20の周囲には、LED等のランプ類(図示略)が設けられている。これらのランプ類は、遊技効果を高めるためにゲーム進行に応じて点灯・消灯あるいは点滅する。
上皿部5は、前面枠4の下側に設けられ、中枠3の左端に開閉可能に支持されている。上皿部5は、皿外縁部5aと、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口5bと、上皿部5の遊技球を下皿部6に排出する球抜きボタン5cとを備えている。皿外縁部5aの上面には、演出ボタン5d(外部操作手段)や球貸ボタン5e等が設けられている。
下皿部6は、上皿部5の下方に設けられている。下皿部6の略中央には、遊技機1の内部から下皿部6に遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。下皿部6の左端には灰皿7が設けられている。下皿部6の右端には、遊技者が発射装置ユニット(図示略)を操作するための発射ハンドル8が設けられている。発射ハンドル8には、遊技者が触れていることを検出する接触検知手段としてのタッチスイッチ8aが設けられている。発射ハンドル8の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ8bが配置されている。
施錠装置9は、中枠3の右端中央に設けられており、前面枠4を閉じた場合にこれを施錠するためのものである。
また、遊技機1には、遊技状態に応じた効果音等を発生させるためのスピーカ10a〜10dが設けられている。スピーカ10a〜10dは、遊技機1の上部に設けられた上部スピーカ10a、10bと遊技機1の下部に設けられた下部スピーカ10c、10dとからなる。さらに、遊技機1の左側には、プリペイドカードユニット13(CRユニット)が装着されている。
次に、本実施例の遊技盤20の表面構造について説明する。図2は遊技盤20の正面図である。遊技盤20は、略長方形の木製の板状体であって中枠3に着脱可能に取り付けられているとともに、裏機構盤(図示略)によりその背面側が覆われている。
図2に示すように、遊技盤20には、遊技盤20の表面(盤面)に設けられた外レール22と内レール23とにより略円形状の遊技領域21が形成されている。遊技領域21内には、中央装置24、普通図柄作動ゲート27、大入賞装置(特別電動役物)33、始動口28、左入賞口34、35、右入賞口36、37、第1装飾部材50、第2装飾部材60等の遊技装置が配設されている。また、遊技領域21には各遊技装置との位置バランスを考慮して多数の障害釘が配設されている。
中央装置(センター役物)24は遊技領域21の略中央部に配置され、演出表示装置25を備えている。本実施例では、演出表示装置25として大型の液晶表示装置を用いており、演出表示装置25の表示領域では各種演出表示が行われる。
大入賞装置33は遊技領域21における中央装置24の下方に配置されている。第1装飾装置50は遊技領域21における大入賞装置33の左側に配置され、第2装飾装置60は遊技領域21における大入賞装置33の右側に配置されており、装飾装置50、60はいわゆるサイド飾りを構成している。また、第1装飾装置50には左入賞口34、35が一体化されており、第2装飾装置60には右入賞口36、37が一体化されている。
普通図柄作動ゲート27は、中央装置24の左側に設けられている。普通図柄作動ゲート27の内部には、遊技球の通過を検知する普通図柄作動ゲート検知スイッチ27s(図4参照)が設けられている。遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過することで、普通図柄が変動開始する。
始動口28は、中央装置24の中央位置の下方に設けられている。始動口28は、遊技盤20の盤面上を流下する遊技球を受け入れる遊技球受入口が形成された2つの入球口を上下方向に並べて配置したもので、上側に設けられた第1始動口28aと下側に設けられた第2始動口28bとから構成されている。
第1始動口28aは、遊技球受入口の大きさが変化せず遊技球の入球可能性が一定の固定始動口として構成された通常始動口となっており、遊技球の入球が常時可能となっている。一方、第2始動口28bはいわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部を備えており、この一対の翼片部の上端間隙が遊技球受入口となっている。この一対の翼片部は、各々左右方向に傾動することで開閉動作を行うものとされており、この開閉動作により、第2始動口28bは一対の翼片部の遊技球受入口の大きさが変化する可変始動口として構成されている。第2始動口28bは、翼片部が開動作することで入球可能性が高い状態となり、翼片部が閉動作することで入球可能性が低い状態となる。普通図柄が当り図柄の組合せで停止表示された場合には、一対の翼片部が開動作して第2始動口28bの遊技球受入口が拡大され、第2始動口28bは普通電動役物として機能する。
始動口28の内部には、遊技球の入球を検知する始動口入球検知スイッチ28s(図4参照)と、翼片部を作動させるための始動口ソレノイド28c(図4参照)とが備えられている。この一対の翼片部が左右に開動作した場合には、第2始動口28bの遊技球受入口の大きさが通常時より拡大され、第2始動口28bは遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となる。一方、一対の翼片部が立設された場合には、第2始動口28bの遊技球受入口の大きさが遊技球の直径より僅かに大きい(遊技球1個が通過可能な)通常の大きさとされ、第2始動口28bは遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態(閉鎖状態)となる。遊技球が始動口28a、28bに入球することで、後述の特別図柄が変動開始する。
大入賞装置33は、始動口28の下方に配設されている。ここで、大入賞装置33は、帯状に開口された大入賞口33aと、この大入賞口33aを開放・閉鎖する開閉板33bと、この開閉板33bを開閉するための大入賞口ソレノイド33c(図4参照)と、遊技球の入球を検知する入球検知スイッチ33s(図4参照)とから主に構成されている。
大入賞装置33の左斜め上方と右斜め上方には、左入賞口34〜37が設けられている。これらの内部には、それぞれ入賞口入球検知スイッチ(図示せず)が設けられている。
第1装飾部材50には、複数のLEDが設けられており、これらのLEDの組合せにより、普通図柄表示部51、普図保留表示部52、特別図柄保留表示部53が構成されている。同様に第2装飾部材60には、複数のLEDが設けられており、これらのLEDの組合せにより、特別図柄表示部61が構成されている。
普通図柄表示部51は、1個のLEDから構成されており、このLEDにより普通図柄の表示が行われる。普通図柄表示部51では、普通図柄の変動表示及び停止表示が行われる。普通図柄表示部51では、普通図柄作動ゲート27を遊技球が通過することにより普通図柄が変動開始し、所定時間経過後に普通図柄が当り普通図柄の表示態様あるいは外れ普通図柄の表示態様で停止表示される。そして、普通図柄が予め設定された当り普通図柄の表示態様で停止表示すると、第2始動口28bが所定時間(例えば0.1秒)だけ開放される。
本実施例では、普通図柄当否判定用乱数が用意されており、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過した際に、第2始動口28bを作動させるか否かの普通図柄当否判定に用いられる。普通図柄当否判定用乱数には、予め当り値が設定されており、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過したタイミングで取得された普通図柄当否判定用乱数が当り値と一致する場合に当りと判定される。そして、当りと判定された場合には、普通図柄表示部51で停止表示される普通図柄は、当り普通図柄の表示態様に決定される。一方、外れと判定された場合には、普通図柄表示部51で停止表示される普通図柄は外れ普通図柄の表示態様に決定される。なお、普通図柄当否判定および普通図柄の停止図柄の決定は、後述の主制御基板200のCPU200aによって行われる。
ここで、普通図柄の保留について説明する。普図保留表示部52には普通図柄保留数が表示され、普通図柄作動ゲート27を通過した遊技球の数を最大保留数(本実施例では4個)まで保留可能となっている。そして、次回の普通図柄当否判定が行われ普通図柄の変動表示が開始する毎に、未始動回数(保留数)が消化され、普通図柄保留数が1個ずつ減少する。普図保留表示部52は2つのLEDからなり、2個のLEDの消灯、点灯、および点滅を組み合わせることで、4個を上限として保留数を表示することができる。普通図柄の保留および保留消化は、後述の主制御基板200のCPU200aによって行われる。普通図柄の保留に伴って、普通図柄当否判定用乱数が主制御基板200のRAMの所定領域に記憶される。
次に、特別図柄について説明する。特別図柄は特別図柄当否判定の結果を示す抽選図柄として機能する。抽選図柄表示部としての特別図柄表示部61は、7個のLEDから構成されており、これらのLEDにより特別図柄が表示される。特別図柄表示部61を構成する各LEDは、点灯および消灯が可能となっており、これら各LEDの点灯および消灯の組合せにより特別図柄の複数の表示態様を表示できる。そして、7個のLEDで表示される特別図柄の組合わせのうち、特定の組合せが当り特別図柄(大当り図柄)の組合せとして設定されており、当り特別図柄以外の組合せが外れ特別図柄(外れ図柄)と設定されている。本実施例では、特別図柄の変動表示を各LEDが点灯と消灯を繰り返す点滅表示で行うものとしている。特別図柄表示部61では、始動口28に遊技球が入球することにより特別図柄が変動開始し、所定時間経過後に特別図柄が大当り図柄の組合せあるいは外れ図柄の組合せで停止表示される。なお、特別図柄の表示制御は主制御基板200のCPU200aによって行われ、主制御基板200のCPU200aが本発明の抽選図柄表示制御手段に相当している。また、特別図柄表示部61が本発明の抽選図柄表示部に相当している。
ここで、特別図柄の保留について説明する。特別図柄保留表示部53は2つのLEDからなり、2個のLEDの消灯、点灯、および点滅を組み合わせることで、4個を上限として保留数を表示することができる。
始動口28に入球した遊技球数は、特別図柄保留数として最大保留数(本実施例では4個)に達するまで保留可能となっており、次回の特別図柄当否判定が行われ特別図柄の変動表示が開始する毎に、未始動回数(保留数)が消化され、特別図柄保留数が1個ずつ減少する。なお、特別図柄の保留および保留消化は、後述の主制御基板200のCPU200aによって行われる。
本実施例では、遊技球が始動口28に入球した際に、特別遊技(大当り遊技)を開始させるか否かの特別図柄当否判定に用いられる特別図柄当否判定用乱数が用意されている。特別図柄の保留に伴って、特別図柄当否判定用乱数が主制御基板200のRAMの所定領域に記憶される。
これらの特別図柄当否判定用乱数には、予め当否判定用の当り値が設定されており、遊技球が始動口28に入球したタイミングで取得された特別図柄当否判定用乱数が当り値と一致する場合に大当りと判定される。そして、特別図柄当否判定の結果が大当りの場合には、特別図柄表示部61で停止表示される特別図柄は大当り図柄の組合せに決定され、一方、特別図柄当否判定が外れの場合には、特別図柄表示部61で停止表示される特別図柄が外れ図柄の組合せに決定される。
また、特別図柄当否判定、特別図柄の変動態様の決定、特別図柄の停止図柄の決定は、後述の主制御基板200のCPU200aによって行われるように構成されている。
特別図柄表示部61に大当り図柄が停止表示されることで開始される特別遊技中(大当り遊技中)は、大入賞装置33が作動し、大入賞口33aへの遊技球の入球に応じて、所定数の賞球(例えば、1個の入球に対して15個の賞球)が払い出される。具体的には、特別遊技(大当り遊技中)の開始により、大当り遊技実行手段としての主制御基板200のCPU200aが、大入賞装置(特別電動役物)33を連続して作動させ、大入賞口33aを連続して開放状態とする。大入賞装置33の作動開始により、大入賞口33aが開放して遊技球受入状態となる。この遊技球受入状態は、所定の終了条件成立により終了し、開放していた大入賞口33aが閉鎖状態となる。所定の終了条件として、遊技球受入状態の開始後における大入賞口33aの開放時間が所定時間(本実施例では30秒)に達したとき、もしくは遊技球受入状態の開始後、大入賞口33aに入球した遊技球数が所定数(本実施例では10個)に達したときとすることができる。
この遊技球受入状態の開始から終了までを1ラウンドとした場合、特別遊技は、所定数のラウンドが行われることで終了する。大入賞装置33では、遊技球受入状態が終了してから所定時間(例えば2秒)が経過した後に、大入賞口33aが開放して再び遊技球受入状態となり、次のラウンドが開始する。このような開始から終了までを1ラウンドとする遊技球受入状態は、所定の継続ラウンド数(本実施例では15ラウンド)が終了するまで繰り返し継続される。
本実施例の遊技機では、特別遊技(大当り遊技)の終了後、変動時間短縮機能や開放時間延長機能、確率変動機能が作動する特定遊技(いわゆる時短遊技および確変遊技)が開始される。特別図柄当否判定には、複数種類の大当りが設定されており、特別図柄当否判定の結果が通常大当り(特別図柄の停止図柄が通常大当り図柄)の場合には、特別遊技終了後、時短遊技が開始され、特別図柄当否判定の結果が確変大当り(特別図柄の停止図柄が確変大当り図柄)の場合には、特別遊技終了後、確変遊技が開始される。
特別図柄当否判定が通常大当り(特別図柄の停止図柄が通常大当り図柄)の場合には、特別遊技(大当り遊技)の終了後、変動時間短縮機能および第2始動口28bの開放時間を延長させる開放時間延長機能が作動開始し、時短遊技が開始される。変動時間短縮機能および開放時間延長機能は、主制御基板200のCPU200aの制御により作動または停止されるものであり、変動時間短縮機能には、普通図柄変動時間を短縮させる普通図柄変動時間短縮機能と、特別図柄変動時間を短縮させる特別図柄変動時間短縮機能とが含まれている。変動時間短縮機能および開放時間延長機能は、特別遊技終了後、次回の特別遊技が開始されるまでの間、または特別図柄の変動回数が所定回数(本例では100回)に到達するまで作動する。
特別図柄当否判定が確変大当り(特別図柄の停止図柄が確変大当り図柄)の場合には、特別遊技(大当り遊技)の終了後、確率変動機能が作動開始し、確変遊技が開始される。確変遊技は、主制御基板200のCPU200aの制御により実現されるものであり、この確変遊技では、上記変動時間短縮機能および開放時間延長機能に加え、特別図柄当否判定の確率、すなわち特別図柄が大当り図柄で停止表示する確率を変更(向上)させる確率変動機能が作動する通常確変状態と、上記変動時間短縮機能および開放時間延長機能が作動せず、確率変動機能のみが作動する潜伏確変状態とが設定されている。確率変動機能は、特別遊技終了後、次回の特別遊技が開始されるまで作動する。
次に、演出表示装置25で表示される演出図柄について説明する。演出表示装置25の表示領域には、演出図柄を表示する演出図柄表示部25aが設けられている。演出図柄表示部25aの演出図柄は特別図柄表示部61の特別図柄に連動して表示される。
演出図柄表示部25aは、右図柄が表示される右図柄表示領域、中図柄が表示される中図柄表示領域、左図柄が表示される左図柄表示領域からなる3つの図柄表示領域から構成されている。各図柄表示領域は、これらの表示領域の配置方向と略直交する向き、この場合、上下方向(縦方向)に図柄変動方向が設定されている。各図柄表示領域は、「1」〜「9」からなる図柄をそれぞれ表示可能となっている。
演出図柄は、特別図柄の変動表示開始により変動表示を開始し、特別図柄が何れかの図柄で停止表示されると、演出図柄は特別図柄の停止図柄に応じた図柄で停止表示される。演出図柄では、3桁同一の偶数図柄の表示態様が特別図柄の通常大当り図柄に対応し、3桁同一の奇数図柄の表示態様が特別図柄の確変大当り図柄に対応し、それら以外の図柄の表示態様が特別図柄の外れ図柄に対応している。演出図柄の変動態様および停止図柄の決定は、主制御基板200のCPU200aから送信されるコマンドに基づいてサブ制御基板260のCPU260aによって行われるように構成されている。
本実施例の遊技機1は、演出図柄を用いたリーチ表示を行うことができるように構成されている。リーチ表示とは、演出図柄の変動表示中に、最終停止図柄となる演出図柄以外の演出図柄が、大当り図柄の組合せと一致した状態で停止している状態(大当り図柄を構成する図柄で停止表示した状態)のように、全ての演出図柄が停止表示される前で大当り可能性が継続している状態において行われる演出表示のことを指す。例えば、演出図柄が左図柄、右図柄、中図柄の順に停止し、これら表示図柄がすべて同一図柄で揃った場合に大当りとなるものとする。このとき、最終停止図柄である中図柄以外の左図柄及び右図柄が同一図柄で停止している状態をリーチ状態という。演出図柄によるリーチ表示は、特別図柄当否判定で当り判定となった場合(当りリーチ)と、特別図柄当否判定で外れ判定となった場合においてリーチ表示を行うと決定された場合(外れリーチ)に行われる。
本実施例では、特別遊技が実行されていない通常遊技中に、特別図柄の変動表示中に演出効果を高めるための図柄変動演出が行われる。図柄変動演出は、演出表示装置25における演出図柄を用いた演出表示(変動表示)を主体として実行されるもので、上述の演出図柄を用いたリーチ演出も図柄変動演出に含まれる。また、本実施例の図柄変動演出では、演出図柄の変動表示やリーチ演出に付随して楽曲演奏が実行され、スピーカ10a〜10dから楽曲が出力される。そして、本実施例では、図柄変動演出を、予め定められた複数の演出パターンの中から特定の演出パターンを選択し、その選択された演出パターンに従って行うものとしている。具体的には、複数の演出パターンから選択された特定の演出パターンに従って、演出表示装置25で演出図柄を用いた特定の演出表示が行われるとともに、スピーカ10a〜10dから特定の楽曲の出力される。なお、本実施例では、図柄変動演出で用いられる各演出パターンの演出時間の長さは同一となっている。図柄変動演出の演出パターンは、サブ制御基板260のROMに記憶されており、サブ制御基板260のROMが本発明の第1演出パターン記憶手段に相当し、図柄変動演出の演出パターンが本発明の第1演出パターンに相当している。
本実施例では、図柄変動演出で実行される演出パターンの決定は乱数抽選により行われるように構成されており、演出パターン選択用の図柄変動演出選択乱数と、それぞれの演出パターンと乱数範囲とが関連付けられた図柄変動演出選択テーブルが用意されている。図柄変動演出選択テーブルでは、各演出パターンに対応する乱数範囲により各演出パターンの選択率が規定されている。例えば、演出表示A(リーチ演出A)が実行されるとともに楽曲Aが演奏される演出パターンA、演出表示B(リーチ演出B)が実行されるとともに楽曲Bが演奏される演出パターンB、演出表示C(リーチ演出C)が実行されるとともに楽曲Cが演奏される演出パターンCの3種類の演出パターンが用意されており、図柄変動演出選択乱数の乱数範囲が0〜99であるとする。そして、演出パターンAに対して乱数範囲0〜29、演出パターンBに対して乱数範囲30〜59、演出パターンCに対して乱数範囲60〜99が割り付けられている場合には、演出パターンAの選択率は30%、演出パターンBの選択率は30%、演出パターンCの選択率は40%となる。なお、図柄変動演出選択テーブルは、サブ制御基板260のRAMに記憶されており、図柄変動演出選択テーブルが本発明の選択率規定手段に相当している。
また、特別図柄当否判定の結果に応じて異なる図柄変動演出選択テーブルが用意されており、特別図柄当否判定の結果が大当りの場合には、大当り用図柄変動演出選択テーブルが用いられ、特別図柄当否判定の結果が外れの場合には、外れ用図柄変動演出選択テーブルが用いられる。大当り用図柄変動演出選択テーブルと外れ用図柄変動演出選択テーブルでは、各演出パターンに割り付けられる乱数範囲が異なっており、各演出パターンの選択率が異なっている。
なお、図柄変動演出の実行、図柄変動演出選択テーブルを用いた乱数抽選による演出パターンの選択などは、サブ制御基板260のCPU260aの制御により実行され、サブ制御基板260のCPU260aが本発明の第1演出パターン選択手段および第1演出実行手段に相当している。
本実施例では、特別遊技中(大当り遊技中)に所定の大当り演出パターンにしたがって大当り演出が実行される。大当り演出で用いられる大当り演出パターンは、図柄変動演出の演出パターンと関連性を有しており、図柄変動演出の演出パターンと共通の内容になっている。具体的には、本実施例の大当り演出パターンは、図柄変動演出の演出パターンAに対応し、楽曲Aが演奏されるとともに楽曲Aに合わせた動画Aが演出表示装置25の表示される大当り演出パターンA、図柄変動演出の演出パターンBに対応し、楽曲Bが演奏されるとともに楽曲Bに合わせた動画Bが演出表示装置25の表示される大当り演出パターンB、図柄変動演出の演出パターンCに対応し、楽曲Cが演奏されるとともに楽曲Cに合わせた動画Cが演出表示装置25の表示される大当り演出パターンCが用意されている。なお、大当り演出パターンAに含まれる動画Aは、図柄変動演出の演出パターンAに含まれる演出表示Aにも用いられ、同様に、動画Bは演出パターンBに含まれる演出表示B,動画Cは演出パターンCに含まれる演出表示Cにもそれぞれ用いられる。大当り演出パターンは、サブ制御基板260のROMに記憶されており、サブ制御基板260のROMが本発明の第2演出パターン記憶手段に相当し、大当り演出パターンが本発明の第2演出パターンに相当している。
大当り演出では、複数の大当り演出パターンA〜Cから特定の大当り演出パターンが選択されるが、図柄変動演出のような乱数抽選ではなく、遊技者による大当り演出パターンの選択が行われる。遊技者による大当り演出パターンの選択は、特別遊技中の大当り演出選択ラウンドで行われる。本実施例では、大当り演出選択ラウンドが1ラウンド目と8ラウンド目に設定され、大当り演出パターンの選択を特別遊技中に2回実行可能となっている。
図3は、大当り演出選択ラウンドで演出表示装置25の表示領域に表示される大当り演出選択画面を示している。大当り演出選択画面では、選択可能な複数種類の大当り演出パターンが表示される。図3に示す例では、大当り演出パターンA〜Cで演奏される楽曲のタイトルが表示される。大当り演出選択画面で、遊技者が演出ボタン5dを操作することで、複数の大当り演出パターンの中から所望の大当り演出パターンを選択することができる。遊技者による大当り演出パターンの選択後、大当り演出選択ラウンドの次回以降のラウンド(本実施例では2〜7ラウンドと9〜15ラウンド)で選択された大当り演出パターンが実行(選択された楽曲が演奏)される。
また、遊技者の大当り演出選択結果に基づいて、図柄変動演出で用いられる図柄変動演出選択テーブルの選択率書換処理が行われる。本実施例では、特別図柄当否判定結果が大当りの場合に用いられる大当り用図柄変動演出選択テーブルのみに対して選択率書換処理が行われる。選択率書換処理では、大当り用図柄変動演出選択テーブルにおける各演出パターンに対応する乱数範囲が変更され、大当り演出選択処理で遊技者が選択した大当り演出パターンに対応する演出パターンの選択率が高くなり(例えばプラス5%)、遊技者が選択しなかった大当り演出パターンに対応する演出パターンの選択率が低くなる(例えばマイナス5%)ように行われる。さらに、遊技の進行に伴って選択率書換処理が多数回行われ、特定の演出パターンの選択率が0%や100%になることを防ぐために、所定のタイミングで大当り用図柄変動演出選択テーブルの選択率を予め設定された初期値に戻す選択率初期化処理が行われる。なお、大当り演出の実行、大当り演出パターンの選択処理、図柄変動演出選択テーブルの選択率書換処理、選択率初期化処理は、サブ制御基板260のCPU260aの制御により実行され、サブ制御基板260のCPU260aが本発明の第2演出パターン選択手段、第2演出実行手段、選択率書換手段、選択率初期化手段に相当している。
次に、本実施例の遊技機1の電子制御装置について、図4に基づいて説明する。図4は、電子制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図4に示すように、電子制御装置は、主制御基板200と、その主制御基板200に接続された副制御基板230、260、280とを含んで構成されている。副制御基板は、払出制御基板(賞球制御基板)230、サブ制御基板260及び演出表示制御基板280から構成される。
各制御基板200、230、260、280には、図示しない主電源から電源が供給されている。また、電源立上げ時には、システムリセット信号が各制御基板200、230、260、280に送信される。なお、本実施例の遊技機1は、電源断時に主制御基板200及び払出制御基板230に作動電圧を供給する図示しないバックアップ電源部(図示略)を備えており、電源断時にも主制御基板200及び払出制御基板230のRAMデータが保持される。
主制御基板200は、遊技の進行を司る主制御手段を構成するものであり、各副制御基板230、260に処理内容を指示する指令信号(コマンドデータ)を送信し、各副制御基板230、260、280は指令信号に基づいて各種制御を行うように構成されている。
主制御基板200のCPU200aは、CPUコア、内蔵RAM(以下、単にRAMともいう)、内蔵ROM(以下、単にROMともいう)等を備えており、ROMに格納された制御プログラムにより、RAMをワークエリアとして遊技機1全体の作動制御(遊技の基本進行制御)を司る。また、主制御基板200は、CPU200aが主体となって、ROMに格納された当否判定プログラムにより特別図柄の当否判定を行う当否判定手段を構成している。また、主制御基板200のCPU200aは、特別図柄当否判定を実行する際に、ROMに格納された特別図柄の変動パターンテーブルから特定の変動パターンを決定する。なお、本実施例の主制御基板200のCPU200aの制御周期は4msに設定されている。
主制御基板200には、盤面入力中継基板201と盤面出力中継基板202とが接続されている。盤面入力中継基板201には、普通図柄作動ゲート検知スイッチ27s、始動口入賞検知スイッチ28s、大入賞口入球検知スイッチ33sが接続されており、これらの信号が主制御基板200に入力するように構成されている。盤面出力中継基板202には、普通図柄表示部51、特別図柄表示部61、始動口ソレノイド28c、大入賞口ソレノイド33cが接続されており、主制御基板200からの制御信号が出力される。
払出制御基板230は、主制御基板200のCPU200aと同様の構成を有するCPUを備えている。払出制御基板230には、発射制御基板250、CRユニット13等が接続されている。主制御基板200から払出制御基板230には、賞球払出を指示する賞球指示信号、遊技開始許可を指示する遊技開始許可信号、各種発射制御コマンド等のコマンドが送信される。各種発射制御コマンドには、球送り許可・禁止、発射許可・禁止、遊技開始許可等が含まれている。
サブ制御基板260には、CPU260aや図示しないROM、RAM、入出力ポート等を有する演算回路構成要素とサウンドジェネレータが設けられており、入出力ポートにおいて主制御基板200に接続されている。サブ制御基板260は、各種ランプ類による装飾表示、スピーカ10a〜10dから出力される効果音、演出表示装置25による図柄表示等を用いた演出制御を司るように構成されている。
主制御基板200からサブ制御基板260には、遊技の進行状況を示す主制御コマンド(変動パターンを指定するコマンド、当否判定結果を示すコマンド、大当り遊技のラウンド数を指定するコマンドなど)が送信される。サブ制御基板260から演出表示制御基板280には、主制御コマンドに基づき特定される遊技進行状況に即した演出表示を指示する各種演出表示制御コマンドが送信される。
サブ制御基板260には、演出表示制御基板280が接続されている。演出表示制御基板280には、CPU、RAM、ROM、入出力ポート、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)等を有する演算回路構成要素(図示略)が設けられ、入出力ポートにおいてサブ制御基板260に接続されている。サブ制御基板260のROMには、図柄変動演出および大当り演出に用いられる楽曲の音声データが記憶されており、サブ制御基板260のRAMには、大当り用図柄変動演出選択テーブルと外れ用図柄変動演出選択テーブルが記憶されている。
演出表示制御基板280には演出表示装置25が接続されている。演出表示制御基板280は、CPUがROMに格納された制御プログラムに従ってRAMをワークエリアとして演出表示装置25の表示制御を行うように構成されている。演出表示制御基板280のROMには、演出表示装置25で表示される演出用図柄の画像データが格納されている。
サブ制御基板260には、装飾駆動基板261を介して各種LED・ランプ262が接続されている。各種LED・ランプ262は、遊技効果を高めるためのものであり、これらのランプ類はゲームの進行に対応して点灯・消灯又は点滅し、遊技効果を高めている。また、サブ制御基板260にはアンプ基板263が接続されている。アンプ基板263にはスピーカ10a〜10dが接続されている。スピーカ10a〜10dからは、遊技の進行に対応して各種の楽曲や音声等が出力される。さらに、サブ制御基板260には、演出ボタン基板264を介して演出ボタン5dが接続されている。サブ制御基板260のCPUは、主制御基板200や演出ボタン5dからの各種指令に基づいて、各種LED・ランプの点灯・点滅パターンの選択・実行処理や、スピーカ10a〜10dから出力される効果音データの選択・出力処理や、演出表示装置25での演出表示のパターンの選択・実行処理等を行う。
次に、本実施例の遊技機1の作動を図5〜図9のフローチャートに基づいて説明する。図5は、主制御基板200のCPUがROMに格納されたプログラムに基づいてCPU200aが実行するメインジョブの一例を示している。図5に示すメインジョブは、電源投入処理S100を実行した後、遊技開始処理S200、普通図柄遊技処理S300、普通電動役物遊技処理S400、特別図柄遊技処理S500、特別電動役物遊技処理S600の各ステップが、タイマリセットされる毎に繰り返し実行される。電源断発生処理S700は、停電等によって電源断が発生した場合に、使用レジスタやスタックポインタの保存、払出モータの停止等が行われ、システムリセットが発生した場合に電源投入処理S100に移るようになっている。
電源投入処理S100は、電源投入時と電源断発生後の復電時に行われるものであり、電源投入時にはRAM初期化処理等が行われ、電源断復帰時には電源断時の遊技状態に復帰させるための復帰設定等が行われ。遊技開始処理S200では、各種スイッチ状態の検出、各種乱数の更新、賞球制御等が行われる。
普通図柄遊技処理S300では、まず、普通図柄の当否判定を行って、普通図柄表示部51(図2参照)にて普通図柄を当り図柄で停止表示させるか、外れ図柄で停止表示させるかを決定する。次に、普通図柄の変動表示時間を設定した後、普通図柄の変動表示を開始する。そして、変動表示時間が経過すると、決定しておいた図柄で普通図柄を停止表示させ、普通図柄の当り図柄が停止表示された場合には、普通電動役物の作動を開始させる(第2始動口28bを開放状態とする)。普通図柄遊技処理では、以上のようにして、普通図柄の変動表示および停止表示を行い、普通図柄が当り図柄で停止表示された場合には、第2始動口28bを作動させる処理を行う。第2始動口28bが作動すると、一対の翼片部が左右に開動作して、第2始動口28bが開放状態となる。
普通電動役物遊技処理S400では、第2始動口28bを開放状態に維持する開放時間が経過したか否かを判定し、開放時間が経過していない場合には、第2始動口28bに規定入賞数の入賞があったか否かを判定する。開放状態にある第2始動口28bに規定入賞数の入賞があったと判定されるか、開放状態にある第2始動口28bの開放時間が経過していると判定された場合には、一対の翼片部が閉動作して、第2始動口28bは通常状態となる。
次に、特別図柄遊技処理S500を図6(a)、図6(b)のフローチャートに基づいて説明する。まず、始動口28に入賞したか否かを判定し(S501)、始動口28に入賞したと判定された場合には(S501:YES)、特別図柄表示部61(図2参照)の作動保留数が4未満であるか否かを判定する(S502)。この結果、特別図柄保留数が4未満であると判定された場合には(S502:YES)、特別図柄当否判定用の乱数を記憶する(S503)。
次に、特別遊技中であるか否かを判定する(S504)。この結果、特別遊技中(大当り遊技中)であると判定された場合には(S504:YES)、そのままリターンし、特別遊技中でないと判定された場合には(S504:NO)、特別図柄が変動中であるか否かを判定する(S505)。この結果、特別図柄が変動中であると判定された場合には(S505:YES)、後述のS513の処理に移行し、特別図柄が変動中でないと判定された場合には(S505:NO)、特別図柄の停止表示時間中であるか否かを判定する(S506)。特別図柄の停止表示時間中であると判定された場合には(S506:YES)、後述のS516の処理に移行し、特別図柄の停止表示時間中でないと判定された場合には(S506:NO)、特別図柄保留数がゼロであるか否かを判定する(S507)。
この結果、特別図柄保留数がゼロであると判定された場合には(S507:YES)、そのままリターンし、特別図柄保留数がゼロでないと判定された場合には(S507:NO)、確率変動機能が作動中であるか否かを判定する(S508)。この結果、確率変動機能が作動中であると判定された場合には(S508:YES)、確率変動時の当否判定を行い(S509)、確率変動機能が作動中でないと判定された場合には(S508:NO)、非確率変動時の当否判定を行う(S510)。
次に、特別図柄の変動パターンの決定処理を行う(S511)。この特別図柄変動パターンは、特別図柄の変動時間や、その変動に連動して行われる演出図柄による演出表示でのリーチ演出の有無を規定するものである。特別図柄当否判定の結果が確変大当りである場合には、確変大当り用の停止図柄と変動パターンを決定し、特別図柄当否判定の結果が通常大当りである場合には、通常大当り用の停止図柄と変動パターンを決定し、特別図柄当否判定の結果が特定大当りである場合には、特定大当り用の停止図柄と変動パターンを決定する。それら以外の場合には、特別図柄当否判定の結果が外れであり、リーチ演出の有無に応じて外れ停止図柄とその変動パターンを決定する。
次に、第2装飾部材60に設けられた特別図柄表示部61における特別図柄の変動表示を開始するとともに、サブ制御基板260に演出パターン指定コマンドおよび特別図柄停止情報指定コマンドを出力し、演出表示装置25における演出図柄の変動を開始する(S512)。演出パターン指定コマンドは、S511で決定された変動パターンを指定するコマンドである。また、特別図柄停止情報指定コマンドは、特別図柄の停止図柄(特別図柄当否判定の結果)を指定するコマンドである。そして、上記S505で特別図柄が変動中であると判定された場合には(S505:YES)、特別図柄の変動時間が経過しているか否かを判定する(S513)。この結果、特別図柄の変動時間が経過していないと判定された場合には(S513:NO)、そのままリターンし、特別図柄の変動時間が経過していると判定された場合には(S513:YES)、特別図柄の変動を停止し(S514)、特別図柄の停止図柄表示時間を設定する(S515)。
次に、特別図柄の停止図柄表示時間が経過したか否かを判定する(S516)。この結果、特別図柄の停止図柄表示時間が経過していないと判定された場合には(S516:NO)、そのままリターンし、特別図柄の停止図柄表示時間が経過していると判定された場合には(S516:YES)、特別図柄の停止図柄が大当り図柄の組合せであるか否かを判定する(S517)。この結果、特別図柄の停止図柄が大当り図柄の組合せであると判定された場合には(S517:YES)、特別遊技(大当り遊技)を開始させる(S518)。
次に、確率変動機能が作動中であるか否かを判定し(S520)、確率変動機能が作動中であると判定された場合は(S520:YES)、特別遊技の開始に伴って、確率変動機能を作動停止させ(S521)、変動時間短縮機能を作動停止させ(S522)、開放時間延長機能を作動停止させる(S523)。
上記S517で特別図柄の停止図柄が大当り図柄の組合せでないと判定された場合には(S517:NO)、変動時間短縮機能が作動中であるか否かを判定する(S524)。この結果、変動時間短縮機能作動中でないと判定された場合は(S524:NO)、そのままリターンし、変動時間短縮機能作動中であると判定された場合は(S524:YES)、特別図柄の変動回数を計数し(S525)、変動回数が予め設定された変動回数(本例では100回)に到達したか否かを判定する(S526)。この結果、変動回数が予め設定された変動回数(100回)に到達していないと判定された場合には(S526:NO)、そのままリターンし、変動回数が予め設定された変動回数(100回)に到達したと判定された場合には(S526:YES)、変動時間短縮機能を作動停止させるとともに(S522)、開放時間延長機能を作動停止させる(S523)。
上記S520で確率変動機能が作動中でないと判定された場合は(S520:NO)、変動時間短縮機能が作動中であるか否かを判定する(S527)。この結果、変動時間短縮機能が作動中でないと判定された場合は(S527:NO)、そのままリターンし、変動時間短縮機能が作動中であると判定された場合は(S527:YES)、特別遊技の開始に伴って変動時間短縮機能を作動停止させるとともに(S522)、開放時間延長機能を作動停止させる(S523)。
次に、特別電動役物遊技処理S600について図7のフローチャートに基づいて説明する。まず、特別遊技中(大当り遊技中)であるか否かを判定し(S601)、特別遊技中でないと判定された場合には(S601:NO)、そのままリターンし、特別遊技中であると判定された場合には(S601:YES)、大入賞口33aが開放中であるか否かを判定する(S602)。この結果、大入賞口33aが開放中であると判定された場合には(S602:YES)、大入賞口33aの開放時間が経過したか否かを判定し(S603)、大入賞口33aの開放時間が経過していないと判定された場合には(S603:NO)、大入賞口33aに最大入賞数の遊技球が入賞したか否かを判定する(S604)。
この結果、大入賞口33aに最大入賞数の遊技球が入賞していないと判定された場合には(S604:NO)、そのままリターンし、大入賞口33aに最大入賞数の遊技球が入賞していると判定された場合(S604:YES)または大入賞口33aの開放時間が経過していると判定された場合には(S603:YES)、大入賞口33aを閉鎖する(S605)。
上記S602で、大入賞口33aが開放中でないと判定された場合には(S602:NO)、特別遊技のラウンド数が所定回数に達したか否かを判定する(S606)。この結果、特別遊技のラウンド数が所定回数に達していないと判定された場合には(S606:NO)、大入賞口33aの閉鎖時間(インターバル時間)が経過しているか否かを判定し(S607)、大入賞口33aの閉鎖時間が経過していないと判定された場合には(S607:NO)、そのままリターンし、大入賞口33aの閉鎖時間が経過していると判定された場合には(S607:YES)、大入賞口33aを開放させる(S608)。
上記S606で、特別遊技のラウンド数が所定回数に達していると判定された場合には(S606:YES)、特別遊技を終了する(S609)。そして、特別遊技の開始契機となった特別図柄当否判定の結果(大当り図柄の種類)が確変大当りか否かを判定する(S610)。この結果、特別図柄当否判定の結果が確変大当りであると判定された場合には(S610:YES)、確率変動機能を作動開始させ(S611)、変動時間短縮機能を作動開始させ(S612)、開放時間延長機能を作動開始させる(S613)。
上記S610で、特別図柄当否判定の結果が確変大当りでないと判定された場合には(S610:NO)、変動時間短縮機能を作動開始させ(S612)、開放時間延長機能を作動開始させる(S613)。
次に、サブ制御基板260のCPU260aが実行する図柄変動表示制御処理を図8〜図10に基づいて説明する。図8は、サブ制御基板260のCPU260aが制御プログラムにしたがって実行する図柄変動表示制御処理の流れを示すフローチャートである。
まず、主制御基板200のCPU200aから送信される演出パターン指定コマンドを受信したか否かを判定する(S800)。演出パターン指定コマンドは、上述の特別図柄変動パターン決定処理S511で設定された特別図柄の変動パターンを指定するコマンドであり、特別図柄の変動パターンに関する情報を含んでいる。サブ制御基板260のCPU260aは、演出パターン指定コマンドから特別図柄の変動表示時間や特別図柄が変動開始されたことを認識することができる。
この結果、演出パターン指定コマンドを受信していないと判定された場合には(S800:NO)、演出パターン指定コマンドを受信するまで待機状態となり、演出パターン指定コマンドを受信したと判定された場合には(S800:YES)、主制御基板200のCPU200aから送信される特別図柄停止情報指定コマンドを受信したか否かを判定する(S801)。特別図柄停止情報指定コマンドは、特別図柄の停止図柄(大当り図柄または外れ図柄)を指定するコマンドであり、サブ制御基板260のCPU260aは、特別図柄停止情報指定コマンドから特別図柄当否判定の結果を認識することができる。
この結果、特別図柄停止情報指定コマンドを受信していないと判定された場合には(S801:NO)、特別図柄停止情報指定コマンドを受信するまで待機状態となり、特別図柄停止情報指定コマンドを受信したと判定された場合には(S801:YES)、特別図柄当否判定の結果が大当りであるか否かを判定する(S802)。
この結果、特別図柄当否判定の結果が大当りであると判定された場合には(S802:YES)、大当り図柄変動演出処理を実行する(S803)。ここで、大当り図柄変動演出処理を図9のフローチャートに基づいて説明する。
まず、図柄変動演出選択乱数を取得する(S803a)。次に、特別図柄当否判定の結果が大当りであることから、大当り用図柄変動演出選択テーブルを選択し、大当り用図柄変動演出選択テーブルに設定された複数の演出パターンから図柄変動演出選択乱数を用いて特定の演出パターン(当り演出パターン)を選択する(S803b)。そして、選択された演出パターンにしたがって大当り図柄変動演出(演出図柄を用いた演出表示および楽曲の演奏)を実行する(S803c)。
次に、主制御基板200のCPU200aから演出図柄の変動停止を指示する演出停止コマンドを受信したか否かを判定する(S803d)。この結果、演出停止コマンドを受信していないと判定された場合には(S803d:NO)、演出停止コマンドを受信するまで大当り図柄変動演出を継続し、演出停止コマンドを受信したと判定された場合には(S803d:YES)、大当り図柄変動演出を終了させ(S803e)、演出図柄を大当り図柄で停止表示させる。
次に、図8に戻り、S802の判定処理で特別図柄当否判定の結果が大当りでない、つまり外れであると判定された場合には(S802:NO)、外れ演出においてリーチ演出を行うか否かを判定する(S804)。この結果、リーチ演出を行うと判定された場合には(S804:YES)、リーチ有り外れ図柄変動演出処理を実行する(S805)。ここで、リーチ有り外れ図柄変動演出処理を図10のフローチャートに基づいて説明する。
まず、図柄変動演出選択乱数を取得する(S805a)。次に、特別図柄当否判定の結果が外れであることから、リーチ有り外れ用図柄変動演出選択テーブルを選択し、外れ用図柄変動演出選択テーブルに設定された複数の演出パターンから図柄変動演出選択乱数を用いて特定の演出パターン(リーチ有り外れ演出パターン)を選択する(S805b)。そして、選択された演出パターンにしたがってリーチ有り外れ図柄変動演出を実行する(S805c)。
次に、主制御基板200のCPU200aから演出図柄の変動停止を指示する演出停止コマンドを受信したか否かを判定する(S805d)。この結果、演出停止コマンドを受信していないと判定された場合には(S805d:NO)、演出停止コマンドを受信するまでリーチ有り外れ図柄変動演出を継続し、演出停止コマンドを受信したと判定された場合には(S805d:YES)、リーチ有り外れ図柄変動演出を終了させ(S805e)、演出図柄を外れ図柄で停止表示させる。
次に、図8に戻り、S804の判定処理で、リーチ演出を行わないと判定された場合には(S804:NO)、リーチ無し外れ図柄変動演出処理を実行する(S806)。リーチ無し外れ図柄変動演出処理では、図柄変動演出のうち楽曲の演奏が行われず、演出図柄の変動表示を開始し、その後演出図柄を外れ図柄で停止表示させる。
次に、サブ制御基板260のCPU260aが実行する大当り遊技演出処理を図11、図12に基づいて説明する。図11は、サブ制御基板260のCPU260aが制御プログラムにしたがって実行する大当り遊技演出処理の流れを示すフローチャートである。
まず、主制御基板200のCPU200aから送信される大当り開始画面指定コマンドを受信したか否かを判定する(S900)。大当り開始画面指定コマンドは、特別遊技(大当り遊技)の開始時に演出表示装置25の表示領域に表示される大当り開始画面を指定するコマンドであり、このコマンドに基づいてサブ制御基板260のCPU260aは特別遊技の開始時であることを認識できる。
この結果、大当り開始画面指定コマンドを受信した、すなわち特別遊技の開始時であると判定された場合には(S900:YES)、大当り遊技中であることを示す大当り遊技フラグを設定し(S901)、演出表示装置25の表示領域に大当り開始画面を表示し(S902)、大当り用図柄変動演出選択テーブルの選択率を初期化する(S903)。これにより、後述するS909e、S909h、S909jの選択率書換処理で変更された選択率が初期化される。本実施例では、特別遊技を開始する毎に選択率が初期化されるので、遊技の進行に伴って選択率書換処理が多数回行われることにより特定の演出パターンの選択率が0%または100%になることを防ぐことができ、「特定の演出パターンが出現しない」あるいは「特定の演出パターンのみが出現する」といった事態を回避できる。
S900の判定処理で大当り開始画面指定コマンドを受信していない、すなわち特別遊技の開始時でないと判定された場合には(S900:NO)、S901〜S903を実行することなくS904の処理に移行する。
次に、大当り遊技フラグが設定されているか否かを判定する(S904)。この結果、大当り遊技フラグが設定されていない、すなわち特別遊技中でないと判定された場合には(S904:NO)、そのままリターンする。一方、大当り遊技フラグが設定されている、すなわち特別遊技中であると判定された場合には(S904:YES)、主制御基板200のCPU200aから送信されるラウンド指定コマンドを受信したか否かを判定する(S905)。ラウンド指定コマンドは、特別遊技中における各ラウンドの画面を指定するコマンドであり、特別遊技の各ラウンドが開始される毎に送信される。
この結果、ラウンド指定コマンドを受信していない、すなわちラウンド開始時でないと判定された場合には(S905:NO)、そのままリターンする。一方、ラウンド指定コマンドを受信した、すなわちラウンド開始時であると判定された場合には(S905:YES)、直前のラウンドで大当り演出パターンを選択(楽曲を選択)する大当り選択演出処理が実行されたか否かを判定する(S906)。本実施例では、1ラウンド目と8ラウンド目に大当り演出選択が実行される。
この結果、直前のラウンドで大当り選択演出処理が実行された、すなわち2ラウンド目または9ラウンド目であると判定された場合には(S906:YES)、選択された大当り演出パターンを実行(選択された楽曲を演奏)する(S907)。一方、直前のラウンドで大当り選択演出処理が実行されていない、すなわち2ラウンド目または9ラウンド目以外であると判定された場合には(S906:NO)、S907の処理を実行することなく、S908の処理に移行する。
次に、大当り演出選択処理を実行する大当り演出選択タイミングであるか否かを判定する(S908)。この結果、大当り演出選択タイミングである、すなわち1ラウンド目または8ラウンド目であると判定された場合には(S908:YES)、大当り演出パターンを遊技者に選択させる大当り演出選択処理を実行する(S909)。
ここで、大当り演出選択処理を図12のフローチャートに基づいて説明する。まず、演出表示装置25の表示領域に大当り演出選択画面(図3参照)を表示する(S909a)。次に、遊技者による演出ボタン5dの選択操作信号を受信したか否かを判定する(S909b)。この結果、選択操作信号を受信していないと判定された場合には(S909b:NO)、選択可能時間が経過したか否かを判定し(S909c)、選択可能時間が経過するまでS909bの選択操作信号の受信判定処理を行い、選択可能時間が経過した場合には、S909fの処理に移行する。
S909bの判定処理で選択操作信号を受信した、すなわちいずれかの大当り演出パターンが選択されたと判定された場合には(S909b:YES)、大当り演出パターンAが選択されたか否かを判定する(S909d)。この結果、大当り演出パターンAが選択されたと判定された場合には(S909d:YES)、大当り用図柄変動演出選択テーブルの演出パターンAの選択率を向上させ、演出パターンB、Cの選択率を低下させる選択率書換処理を行う(S909e)。そして、実行する大当り演出を大当り演出パターンAに決定する(S909f)。
S909dの判定処理で大当り演出パターンAが選択されていないと判定された場合には(S909d:NO)、大当り演出パターンBが選択されたか否かを判定する(S909g)。この結果、大当り演出パターンBが選択されたと判定された場合には(S909g:YES)、大当り用図柄変動演出選択テーブルの演出パターンBの選択率を向上させ、演出パターンA、Cの選択率を低下させる選択率書換処理を行う(S909h)。そして、実行する大当り演出を大当り演出パターンBに決定する(S909i)。
S909gの判定処理で大当り演出パターンBが選択されていないと判定された場合には(S909g:NO)、大当り演出パターンCが選択されたと判断できるので、大当り用図柄変動演出選択テーブルの演出パターンCの選択率を向上させ、演出パターンA、Bの選択率を低下させる選択率書換処理を行う(S909j)。そして、実行する大当り演出を大当り演出パターンCに決定する(S909k)。
S909cの判定処理で、選択可能時間が経過したと判定された場合には(S909g:NO)、遊技者による大当り演出パターンが選択が行われなかったので、選択率書換処理は行わず、実行する大当り演出を大当り演出パターンAに決定する(S909f)。
図11に戻り、S908の判定処理で大当り演出選択タイミングでないと判定された場合には(S908:NO)、演出表示装置25の表示領域にラウンド指定コマンドで指定されたラウンド画面を表示する(S910)。
次に、主制御基板200のCPU200aから送信される大当り終了画面指定コマンドを受信したか否かを判定する(S911)。この結果、大当り終了画面指定コマンドを受信していないと判定された場合には(S911:NO)、特別遊技中であると判断できるので、そのままリターンする。一方、大当り終了画面指定コマンドを受信したと判定された場合には(S911:YES)、大当り遊技フラグをクリアし(S912)、演出表示装置25の表示領域に特別遊技が終了することを示す大当り遊技終了画面を表示する(S913)。
次に、遊技者による大当り演出パターンの選択と大当り用図柄変動演出選択テーブルの選択率の書き換えについて説明する。この選択率の書き換えは、予め設定される書換条件に基づいて行われるもので、本実施例では、大当り演出パターンが1回選択される毎に、その選択結果に応じて図柄変動演出選択テーブルにおける各演出パターンの選択率を5%単位で上昇又は低下させるものとしている。また、本実施例では、特別遊技中に大当り演出パターンの選択を2回できるものとしており、大当り演出パターンA〜Cの選択パターンは、大当り演出パターンAが2回選択され、大当り演出パターンB,Cが選択されない選択パターン1と、大当り演出パターンBが2回選択され、大当り演出パターンA,Cが選択されない選択パターン2と、大当り演出パターンCが2回選択され、大当り演出パターンA,Bが選択されない選択パターン3と、大当り演出パターンA,Bが1回ずつ選択され、大当り演出パターンCが選択されない選択パターン4と、大当り演出パターンA,Cが1回ずつ選択され、大当り演出パターンBが選択されない選択パターン5と、大当り演出パターンB,Cが1回ずつ選択され、大当り演出パターンAが選択されない選択パターン6の6種類の選択パターンが考えられる。以下では、これらのうち選択パターン1、4について具体的に説明する。
図13は、選択パターン1における各ラウンドの演出内容と大当り用図柄変動演出選択テーブルの選択率の変化を示し、図14は、選択パターン4における各ラウンドの演出内容と大当り用図柄変動演出選択テーブルの選択率の変化を示している。大当り用図柄変動演出選択テーブルの選択率の初期値は、演出パターンA:30%、演出パターンB:30%、演出パターンC:40%とする。
図13(a)に示すように、選択パターン1では、1ラウンド目と8ラウンド目における大当り演出選択処理S909で大当り演出パターンAが選択され、2〜7ラウンドと9〜15ラウンドで大当り演出パターンA(楽曲Aの演奏)が実行される。そして、図13(b)に示すように、演出パターンAは2回選択されることで選択率が10%上昇して30%→40%となり、1回も選択されなかった演出パターンBは選択率が5%減少して30%→25%となり、1回も選択されなかった演出パターンCは選択率が5%減少して40%→35%となる。
また、図14(a)に示すように、選択パターン4では、1ラウンド目に大当り演出パターンAが選択され、2〜7ラウンドで大当り演出パターンA(楽曲Aの演奏)が実行され、8ラウンド目に大当り演出パターンBが選択され、9〜15ラウンドで大当り演出パターンB(楽曲Bの演奏)が実行される。そして、図14(b)に示すように、演出パターンAは1回選択されることで選択率が5%上昇して30→35%となり、演出パターンBは1回選択されることで選択率が5%上昇して30→35%となり、1回も選択されなかった演出パターンCは選択率が10%減少して40→30%となる。
なお、図13(b)および図14(b)に例示した、大当り用図柄変動演出選択テーブルの選択率の変化(書き換え)は、そのテーブルで各演出パターンに割り付けられる乱数範囲を書き換えることで実現される。
以上説明したように、特別遊技中に大当り演出パターンを遊技者に選択させ、この選択結果に基づいて大当り用図柄変動演出選択テーブルの選択率を書換えることで、特別遊技終了後に行われる図柄変動演出において、遊技者が選択した大当り演出パターンに対応する演出パターンの選択率を向上させることができる。これにより、通常遊技中に行われる図柄変動演出に遊技者の好みを反映させることができる。
また、特別図柄当否判定結果が大当りの場合に用いられる大当り用図柄変動演出選択テーブルの選択率を書換えることで、遊技者が好む演出パターンが出現したときに、大当りが発生する可能性が高くなる。これにより、遊技者が好む演出パターンの大当り発生に対する信頼度を向上させることができ、興趣を向上させることができる。
また、図柄変動演出選択テーブルの選択率を書換えることで、予め選択率が異なる図柄変動演出選択テーブルを多数用意する必要がなく、単一の図柄変動演出テーブルであっても、そのテーブルに設定される選択率を変化させ、特定の演出パターンの出現率を変化させることができる。
(第2実施例)
次に、本発明の第2実施例について説明する。上述した第1実施例では、図柄変動演出選択テーブルにおける各演出パターンの選択率書換処理(図12,13,14参照)によって「特定の演出パターンが出現しない」あるいは「特定の演出パターンのみが出現する」といった事態の発生を回避するために、特別遊技(大当り遊技)が開始される度に、図柄変動演出選択テーブルにおける各演出パターンの選択率初期化を行うものとして説明した。しかしながら、この選択率初期化は、特別遊技開始時に追加して他の所定時期にも行ってもよく、あるいは特別遊技開始時に替わる他の所定時期に行うようにしてもい。そこで、本発明の第2実施例として、上述した第1実施例とは別のタイミングで、図柄変動演出選択テーブルにおける演出パターンの選択率初期化を行うものを例示する。以下、本発明の第2実施例について、図15を用いて説明する。
図15は、本第2実施例のサブ制御基板260のCPU260aが制御プログラムにしたがって実行するデモ演出制御処理の流れを示すフローチャートである。
図15に示すように、まず、図柄変動が停止しているか否かを判定する(S1000)。この結果、図柄変動が停止していないと判定された場合には(S1000:NO)、そのままリターンする。一方、図柄変動が停止していると判定された場合には(S1000:YES)、主制御基板200のCPU200aから送信されるデモ画面指定コマンドを受信したか否かを判定する(S1001)。デモ画面指定コマンドは、特別図柄保留数がゼロになった場合に、主制御基板200のCPU200aからサブ制御基板260のCPU260aに送信される。
この結果、デモ画面指定コマンドを受信したと判定された場合には(S1001:YES)、デモ演出フラグを設定する(S1002)。デモ演出フラグは、デモ画面指定コマンドを受信した場合に設定され、演出パターン指定コマンドや保留数指定コマンド等の図柄変動開始を示すコマンドを受信するとクリアされる。一方、デモ画面指定コマンドを受信していないと判定された場合には(S1001:NO)、S1002の処理を実行することなく、S1003の処理に移行する。
次に、デモ演出フラグが設定されているか否かを判定する(S1003)。この結果、デモ演出フラグが設定されていないと判定された場合には(S1003:NO)、そのままリターンし、デモ演出フラグが設定されていると判定された場合には(S1003:YES)、デモ演出開始時期であるか否かを判定する(S1004)。デモ演出開始時期であるか否かは、デモ演出フラグが設定された時点から計時開始するデモ演出開始時期監視タイマがタイムアウト(例えば120秒経過)になったか否かで判定できる。デモ演出開始時期監視タイマがタイムアウトすることでデモ演出が開始され、その後、図柄変動停止状態が続く限り、デモ演出が終了する毎にデモ演出開始時期監視タイマによる計時が開始される。
この結果、デモ演出開始時期でないと判定された場合には(S1004:NO)、そのままリターンし、デモ演出開始時期であると判定された場合には(S1004:YES)、大当り用図柄変動演出選択テーブルの選択率を初期化する(S1005)。この選択率の初期化は、大当り用図柄変動演出選択テーブルにおいて各演出パターンに対応する乱数範囲を初期設定状態とすることによって行われる(図13(b),図14(b)参照)。
そして、選択率の初期化処理を行った後、デモ演出を開始する(S1006)。デモ演出では、例えば演出表示装置25の表示領域にて遊技機の機種名やメーカー名などを遊技者に報知する演出を行うことができる。
以上の構成により、遊技者による遊技が所定時間行われなくなったときに、図柄変動演出選択テーブルの選択率が初期化される。これにより、遊技の進行に伴って選択率書換処理が多数回行われることで特定の演出パターンの出現率が0%や100%になることを防ぐことができる。また、デモ演出が行われる場合には、遊技者が遊技を止めたと想定できるので、他の遊技者による遊技が開始されるまでに、前の遊技者の好みが反映された設定をクリアすることができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、大当り用図柄変動演出選択テーブルの選択率初期化を、上記第1実施例では大当り遊技が開始される毎に実行し、上記第2実施例ではデモ演出が開始される毎に実行したが、これらと異なるタイミングで大当り用図柄変動演出選択テーブルの選択率初期化を実行してもよい。例えば、球貸ボタン5eが操作された場合にも遊技者が変わったことを推定できるので、球貸ボタン5eが操作された場合に大当り用図柄変動演出選択テーブルの選択率を初期化してもよい。
また、上記実施例では、図柄変動演出および大当り演出で複数の楽曲から選択された特定の楽曲や、その楽曲に合わせた動画の表示を行うように構成したが、これに限らず、複数パターンの内容を有する演出であればよく、例えば複数の異なるキャラクタから選択された特定のキャラクタを用いて演出を行うように構成してもよい。
また、上記実施例では、遊技者による大当り演出選択が行われる毎に大当り用図柄変動演出選択テーブルの選択率書換処理を行うように構成したが(S909e、S909h、S909j)、これに限らず、異なるタイミングで選択率書換処理を行うように構成してもよい。例えば、大当り終了画面指定コマンドを受信した場合に(S911:YES)、選択率書換処理を行ってもよい。この場合には、大当り遊技中に行われた遊技者による選択結果を記憶しておき、大当り遊技終了時にまとめて選択率書換処理を行う。
また、上記実施例では、遊技者の選択結果に基づいて大当り用図柄変動演出選択テーブルのみに対して選択率書換処理を行うように構成したが、これに限らず、遊技者の選択結果に基づいて外れ用図柄変動演出選択テーブルに対して選択率書換処理を行ってもよい。外れ用図柄変動演出選択テーブルの選択率書換処理は、大当り演出選択処理で遊技者が選択した大当り演出パターンに対応する演出パターンの選択率を低下させ、遊技者が選択しなかった大当り演出パターンに対応する演出パターンの選択率を上昇させればよい。これにより、特別図柄当否判定結果が外れの場合には、遊技者が好む演出パターンが出現する確率が低くなる。これにより、遊技者が好む演出パターンの大当り発生に対する信頼度をより向上させることができる。
また、上記実施例では、選択率書換処理における書換条件として、遊技者により大当り演出パターンが1回選択される毎に、その選択結果に応じて図柄変動演出選択テーブルにおける各演出パターンの選択率を5%単位で上昇又は低下させるものを例示した。この選択率書換条件は、上記実施例に限定されるものではなく、遊技者が選択できる大当り演出パターンの数(大当り演出パターン数)や、遊技者が大当り演出パターンの選択を行うことができる回数(大当り演出パターン選択可能回数)などに応じて、予め任意に設定することができる。
1…遊技機、25…演出表示装置、28…始動口、33…大入賞装置、33a…大入賞口、61…特別図柄表示部(抽選図柄表示部)、200…主制御基板(大当り遊技実行手段、当否判定手段、抽選図柄表示制御手段)、260…サブ制御基板(第1演出パターン記憶手段、選択率規定手段、第1演出パターン選択手段、第1演出実行手段、第2演出パターン記憶手段、第2演出パターン選択手段、第2演出実行手段、選択率書換手段、選択率初期化手段)。