以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。なお、以下では、特別図柄の変動表示の終了に伴い大当り図柄が停止表示され、これを契機に大当り遊技が開始されるタイプ(いわゆるセブン機タイプ)のパチンコ遊技機(以下、単に遊技機という)に本発明を適用した実施例について説明する。
図1は、本実施例の遊技機1の正面図である。図1に示すように、遊技機1は、遊技枠2と遊技盤20等を備えている。図1では遊技盤20の詳細な図示を省略している。遊技枠2は、外枠3、中枠4、前面枠5、上皿部6、下皿部7等から構成される。中枠4は、前面枠5が前面側に配置されているため、図1においては明示されていない。
外枠3は木製の板状体を略長方形の枠状に組立てたものである。外枠3は、パチンコホールの島設備に設けられた設置部位に固定されると共に遊技機本体を支持するためのものである。この外枠3は、略矩形状の枠状体によって構成される外枠本体3aと、外枠本体3aの前面下部を覆う前板部3bとを備えている。
中枠4はプラスチック製で遊技機1の本体枠を構成するもので、外枠3の内側にはめ込まれて設置されており、外枠3に対して開閉可能に左端で軸支されている。この中枠4は、上側2/3程度を占める枠体部と下側1/3程度を占める下板部とから構成されている。枠体部の前面側には遊技盤20と前面枠5とが重なるように設けられている。前面枠5における下方側には、上皿部6と下皿部7が一体的に設けられている。下板部には、遊技球を遊技盤20に発射する発射手段を構成する発射装置12(図5参照)、遊技球を発射装置12に供給する球送り装置(図示略)が設けられている。前面枠5の右側下方には、前面枠5を閉じた場合にこれを施錠するための施錠装置5bが設けられている。
前面枠5は、中枠4の前面側に配置され、中枠4の左端で開閉可能に支持されている。前面枠5はプラスチック製であり、その奥側に配置される遊技盤20の盤面を視認可能にするための開口部5aが形成されている。前面枠5の裏面には、開口部5aに対応したガラス板等の透明板を備える略長方形状の透明板枠(図示略)が装着されている。
前面枠5における開口部5aの周囲には、LED等を用いた枠ランプ部5cが設けられている。枠ランプ部5cは、遊技効果を高めるために遊技の進行に応じて点灯・消灯あるいは点滅する。
上皿部6は、前面枠5における開口部5aの下側に設けられている。上皿部6には、賞球あるいは貸球として払い出される遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。上皿部6の上面のうち、中央には演出ボタン8、右側にはCR操作部9がそれぞれ設けられている。演出ボタン8は、中ボタン8aと、中ボタン8aの左側に設けられた左ボタン8bと、中ボタン8aの右側に設けられた右ボタン8cとからなる。
CR操作部9は、遊技機1の左側に設けられたプリペイドカードユニット13(CRユニット)を操作するために用いられるもので、プリペイドカードの返却を要求する返却ボタン9aと、プリペイドカードの残り度数を表示する度数表示部9bと、遊技球の貸し出しを要求する球貸ボタン9cとを備えている。
下皿部7は、前面枠5における上皿部6の下方に設けられている。下皿部7の略中央には、遊技機1の内部から下皿部7に遊技球を排出するための排出口7aが設けられている。下皿部7の右端には、遊技者が発射装置12を操作するための発射ハンドル10が設けられている。発射ハンドル10には、遊技者が触れていることを検知する接触検知手段としてのタッチスイッチ10aが設けられている。発射ハンドル10の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ10bが配置されている。
また、遊技機1には、遊技状態に応じた効果音等を発生させるためのスピーカ11a〜11dが設けられている。スピーカ11a〜11dは、前面枠5の上部に設けられた上部スピーカ11a、11bと、前面枠5の下方の前板部2bに設けられた下部スピーカ11c、11dとからなる。
次に、本実施例の遊技盤20の表面構造について説明する。図2は遊技盤20の正面図である。遊技盤20は、略長方形の木製の板状体であって中枠3に着脱可能に取り付けられているとともに、裏機構盤(図示略)によりその背面側が覆われている。
図2に示すように、遊技盤20には、遊技盤20の表面(盤面)に設けられた外レール22と内レール23とにより、略円形状の遊技領域21が形成されている。遊技領域21内には、中央装置24、普通図柄作動ゲート27、始動口28、大入賞装置33、左入賞口34,35、右入賞口36,37、第1装飾部材50、第2装飾部材60等の遊技装置が配設されている。また、遊技領域21には各遊技装置との位置バランスを考慮して多数の障害釘が配設されている。
中央装置(センター役物)24は遊技領域21の略中央部に配置され、演出表示装置25を備えている。本実施例では、演出表示装置25として液晶表示装置を用いており、演出表示装置25の表示領域Vでは各種演出表示が行われる。中央装置24は遊技領域21の略中央部に配置されているので、遊技領域21の左側を狙って遊技球を発射する「左打ち」を行った場合には、遊技球は中央装置24の左方を流下することができる。また、中央装置24の上側は、外レール22に沿って遊技球が通過可能となっており、遊技領域21の右側を狙って遊技球を発射する「右打ち」を行った場合には、遊技球は中央装置24の上側を通過して演出表示装置25の右方を流下することができる。
大入賞装置33は遊技領域21における中央装置24の下方に配置されている。第1装飾装置50は遊技領域21における大入賞装置33の左側に配置され、第2装飾装置60は遊技領域21における大入賞装置33の右側に配置されており、装飾装置50,60はいわゆるサイド飾りを構成している。また、第1装飾装置50には左入賞口34,35が一体化されており、第2装飾装置60には右入賞口36,37が一体化されている。
普通図柄作動ゲート27は、中央装置24の左側に設けられている。普通図柄作動ゲート27の内部には、遊技盤上を流下する遊技球の通過を検知する普通図柄作動ゲート検知スイッチ27s(図5参照)が設けられている。遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過することで、普通図柄が変動表示を開始する。
始動口28は、遊技盤20の盤面上を流下する遊技球を受け入れる遊技球受入口が形成された2つの入球口によって構成されるもので、そのうちの1つの入球口を第1始動口28aとし、他の1つの入球口を第2始動口28bとしている。第1始動口28aは、遊技領域21における中央装置24の下方に設けられ、第2始動口28bは、遊技領域21における中央装置24の右側に設けられている。つまり、第1始動口28aは遊技領域21の中央下部に設けられ、第2始動口28bは遊技領域21の右側に設けられている。なお、遊技領域21の「中央下部」、「右側」とは、遊技領域21の中心を基準とした位置を示している。
第1始動口28aは、遊技球受入口の大きさが変化せず遊技球の入球可能性が一定とされる固定式の始動口として構成されており、遊技球の入球が常時可能となっている。一方、第2始動口28bはいわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部を備えており、この一対の翼片部の上端間隙が遊技球受入口となっている。この一対の翼片部は、各々左右方向に傾動することで開閉動作を行うものとされており、この開閉動作により、第2始動口28bは一対の翼片部の遊技球受入口の大きさが変化する可変式の始動口として構成されている。第2始動口28bは、一対の翼片部が開動作することで入球可能性が高い開放状態となり、一対の翼片部が閉動作することで入球可能性が低い通常状態(入球不能な閉鎖状態を含む)となる。普通図柄が当り図柄の組合せで停止表示された場合には、一対の翼片部が開動作して第2始動口28bの遊技球受入口が拡大され、第2始動口28bは普通電動役物として機能する。
始動口28の内部には、第1始動口28aへの遊技球の入球を検知する始動口入球検知スイッチ28s(図5参照)と、第2始動口28bへの遊技球の入球を検知する始動口入球検知スイッチ28t(図5参照)と、一対の翼片部を作動させるための始動口ソレノイド28c(図5参照)とが備えられている。この一対の翼片部が立設された場合には、第2始動口28bの遊技球受入口の大きさが遊技球の直径より僅かに大きい(遊技球1個が通過可能な)通常の大きさとされ、第2始動口28bは遊技球の入球可能性が小さくなる(または入球不能となる)閉鎖状態(第1の態様)となる。一方、一対の翼片部が左右に開動作した場合には、第2始動口28bの遊技球受入口の大きさが通常時より拡大され、第2始動口28bは遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態(第2の態様)となる。遊技球が始動口28a、28bのいずれかに入球することで、後述の特別図柄が変動表示を開始する。
大入賞装置33は、第1始動口28aの下方に配設されている。ここで、大入賞装置33は、帯状に開口された大入賞口33aと、この大入賞口33aを開放・閉鎖する開閉板33bと、この開閉板33bを作動させるための大入賞口ソレノイド33c(図5参照)と、遊技球の入球を検知する大入賞口入球検知スイッチ33s(図5参照)とから主に構成されている。
大入賞装置33の左斜め上方と右斜め上方には、左入賞口34,35と右入賞口36,37が設けられている。これら入賞口の内部には、それぞれ入賞口入球検知スイッチ(図示せず)が設けられている。
第1装飾部材50には、複数のLEDが設けられており、これらのLEDの組合せにより、普通図柄表示装置51、普図保留表示部52、第1特別図柄保留表示部53、第2特別図柄保留表示部54が構成されている。同様に第2装飾部材60には、複数のLEDが設けられており、これらのLEDの組合せにより、第1特別図柄表示部61および第2特別図柄表示部62が構成されている。
普通図柄表示装置51は、1個のLEDから構成されており、このLEDにより普通図柄の表示が行われる。普通図柄表示装置51では、普通図柄の変動表示及び停止表示が行われる。普通図柄表示装置51では、普通図柄作動ゲート27を遊技球が通過することにより普通図柄が変動表示を開始し、所定時間経過後に普通図柄が当りあるいは外れの表示態様で停止表示される普通図柄の図柄変動遊技が行われる。そして、普通図柄が予め設定された当りの表示態様で停止表示されると、第2始動口28bが所定の開放パターンにしたがって開放される。第2始動口28bの開放パターンは複数種類設定されている。第2始動口28bの開放時間を延長させる開放時間延長機能の非作動時(通常時)には、第1開放時間(例えば0.5秒)が設定された第1開放パターン(短時間開放パターン)がセットされ、開放時間延長機能の作動時には第1開放時間より長い第2開放時間(例えば4秒)が設定された第2開放パターン(長時間開放パターン)がセットされる。なお、開放時間延長機能については後述する。
上述のように、第1始動口28aは遊技領域21の中央下部に設けられているため、開放時間延長機能の非作動時には、遊技球の発射方法(発射態様)を「左打ち」とすることで、第1始動口28aに遊技球を効率的に入球させることができる。また、第2始動口28bは遊技領域21の右側下部に設けられているため、開放時間延長機能の作動時には、遊技球の発射方法(発射態様)を「右打ち」とすることで、第2開放パターンで開放される第2始動口28bに遊技球を効率的に入球させることができる。
本実施例では、普通図柄当否判定値が用意されており、この普通図柄当否判定値は、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過した際に取得され、第2始動口28bを作動させるか否か(開放状態とするか否か)の普通図柄当否判定に用いられる。普通図柄当否判定値には「当り値」が予め設定されており、取得された普通図柄当否判定値が当り値と一致する場合に当りと判定される。そして、普通図柄当否判定で当りと判定された場合には、普通図柄表示装置51で停止表示される普通図柄は、当り普通図柄の表示態様に決定される。一方、外れと判定された場合(取得された普通図柄当否判定値が当り値と一致しない場
合)には、普通図柄表示装置51で停止表示される普通図柄は外れ普通図柄の表示態様に決定される。なお、普通図柄当否判定値としては、カウンタICによる乱数カウンタを用いたハードウェア乱数やソフトウェアによる乱数カウンタを用いたソフトウェア乱数を用いて生成することができる。
ここで、普通図柄の保留について説明する。普図保留表示部52には普通図柄保留数が表示され、普通図柄作動ゲート27を通過した遊技球の数を最大保留数(本実施例では4個)まで保留可能となっている。そして、次回の普通図柄当否判定が行われ普通図柄の変動表示が開始する毎に、未始動回数(保留数)が消化され、普通図柄保留数が1個ずつ減少する。普図保留表示部52は2つのLEDからなり、2個のLEDの消灯、点灯、および点滅を組み合わせることで、4個を上限として保留数を表示することができる。普通図柄の保留に伴って、普通図柄当否判定値が主制御部200のRAMの所定領域に記憶される。
なお、普通図柄当否判定、普通図柄の停止図柄の決定、普通図柄の変動パターンの設定、普通図柄の保留記憶および保留消化は、後述の主制御部200によって行われる。
次に、特別図柄について説明する。本実施例では、第1特別図柄および第2特別図柄の2つの特別図柄が設けられており、それに伴い、第1特別図柄を表示する第1特別図柄表示部61と、第2特別図柄を表示する第2特別図柄表示部62とが設けられている。なお、以下の説明において「特別図柄」と記載する場合、特段の理がない限り、その記載は「第1特別図柄」および「第2特別図柄」の双方を指すものとする。また、以下の説明において「特別図柄保留数」と記載する場合、特段の理がない限り、その記載は「第1特別図柄保留数」および「第2特別図柄保留数」の双方を指すものとする。
各特別図柄表示部61,62は、それぞれ7個のLEDから構成されており、これらのLEDにより、それぞれ特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)が表示される。この各特別図柄表示部61,62を構成する各LEDは、点灯および消灯が可能となっており、これら各LEDの点灯および消灯の組合せにより、それぞれの特別図柄について複数の表示態様を表示できる。そして、第1特別図柄表示部61および第2特別図柄表示部62において、それぞれ7個のLEDの点灯および消灯の組合せで表示される特別図柄の組合せのうち特定の組合せが大当り図柄として設定されており、その大当り図柄以外の組合せが外れ図柄として設定されている。本実施例では、特別図柄の変動表示を各LEDが点灯と消灯を繰り返す点滅表示で行うものとしている。
第1始動口28aへの遊技球の入球に基づいて、第1特別図柄表示部61で第1特別図柄の変動表示が開始され、所定時間経過後に第1特別図柄が大当り図柄あるいは外れ図柄のいずれかで停止表示される第1特別図柄の図柄変動遊技が行われる。また、第2始動口28bへの遊技球の入球に基づいて、第2特別図柄表示部62で第2特別図柄の変動表示が開始され、所定時間経過後に第2特別図柄が大当り図柄あるいは外れ図柄のいずれかで停止表示される第2特別図柄の図柄変動遊技が行われる。
本実施例では、遊技球が第1始動口28aに入球した際に取得される第1特別図柄用判定値(入球情報)と、遊技球が第2始動口28bに入球した際に取得される第2特別図柄用判定値(入球情報)とが設けられている。第1特別図柄用判定値には、大当り遊技を実行するか否かの第1特別図柄当否判定に用いられる第1特別図柄当否判定値と、第1特別図柄の停止図柄を決定する大当り図柄判定に用いられる第1図柄判定値と、リーチ演出を行うか否かを決定するリーチ判定に用いられる第1リーチ判定値とが含まれている。同様に、第2特別図柄用判定値には、大当り遊技を実行するか否かの第2特別図柄当否判定に用いられる第2特別図柄当否判定値と、第2特別図柄の停止図柄を決定する大当り図柄判定に用いられる第2図柄判定値と、リーチ演出を行うか否かを決定するリーチ判定に用いられる第2リーチ判定値とが含まれている。
第1始動口28aへの遊技球の入球に基づいて、第1特別図柄当否判定値と第1図柄判定値と第1リーチ判定値が取得され、この取得された各判定値は、主制御部200のRAMの所定領域(第1保留記憶領域)に保留(第1特別図柄保留)として記憶される。また、第2始動口28bへの遊技球の入球に基づいて、第2特別図柄当否判定値と第2図柄判定値と第2リーチ判定値が取得され、この取得された各判定値は、主制御部200のRAMの所定領域(第2保留記憶領域)に保留(第2特別図柄保留)として記憶される。なお、特別図柄用判定値(特別図柄当否判定値、図柄判定値、リーチ判定値)としては、カウンタICによる乱数カウンタを用いたハードウェア乱数やソフトウェアによる乱数カウンタを用いたソフトウェア乱数を用いて生成することができる。
ここで、特別図柄の保留について説明する。第1特別図柄保留表示部53と第2特別図柄保留表示部54はそれぞれ2つのLEDからなり、2個のLEDの消灯、点灯、および点滅を組み合わせることで、それぞれ4個を上限として保留数を表示することができる。つまり、特別図柄保留表示部53,54には、始動口28(第1始動口28a、第2始動口28b)への遊技球の入球によって取得される特別図柄用判定値(入球情報)が主制御部200のRAMの所定領域(保留記憶領域)に記憶されていることを示す記憶情報(保留情報)が表示される。この記憶情報の表示は、いわゆる「保留表示」に該当する。
第1特別図柄保留表示部53で表示される第1特別図柄保留数は、第1始動口28aへの遊技球の入球が発生する度に取得されて主制御部200のRAMの所定領域(第1保留記憶領域)に記憶される第1特別図柄用判定値(第1特別図柄当否判定値、第1図柄判定値、第1リーチ判定値)の個数(記憶数)に相当する。本実施例では、第1始動口28aへの遊技球の入球に基づいて、第1特別図柄当否判定値とともに第1図柄判定値および第1リーチ判定値も取得されるので、第1特別図柄保留数は、第1図柄判定値および第1リーチ判定値の記憶個数にも相当する。そして、第1特別図柄保留数は、第1特別図柄当否判定が行われ第1特別図柄の変動表示が開始される毎に消化され、1個ずつ減少する。
第2特別図柄保留表示部54で表示される第2特別図柄保留数は、第2始動口28bへの遊技球の入球が発生する度に取得されて主制御部200のRAMの所定領域(第2保留記憶領域)に記憶される第2特別図柄用判定値(第2特別図柄当否判定値、第2図柄判定値、第2リーチ判定値)の個数(記憶数)に相当する。本実施例では、第2始動口28bへの遊技球の入球に基づいて、第2特別図柄当否判定値とともに第2図柄判定値および第2リーチ判定値も取得されるので、第2特別図柄保留数は、第2図柄判定値および第2リーチ判定値の記憶個数にも相当する。そして、第2特別図柄保留数は、第2特別図柄当否判定が行われ第2特別図柄の変動表示が開始される毎に消化され、1個ずつ減少する。第1、第2特別図柄の保留記憶および保留消化は、後述の主制御部200によって行われる。
特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)が停止表示して図柄変動遊技が終了すると、次の図柄変動遊技が実行可能な状態となる。そして、特別図柄保留が1個以上存在することで、特別図柄の図柄変動遊技の実行条件(図柄変動開始条件)が成立し、最先に記憶された特別図柄保留(記憶情報)に基づいて特別図柄の変動表示が行われる。
本実施例の遊技機1では、第2特別図柄の図柄変動遊技を第1特別図柄の図柄変動遊技より優先的に実行する第2特別図柄優先変動処理が行われるように構成されている。つまり、第1特別図柄保留数と第2特別図柄保留数の双方が「1以上」である場合には、第1特別図柄より第2特別図柄が優先的に変動表示を開始し、第2特別図柄の保留が優先的に消化される。そして、第1特別図柄保留数が「1以上」で、かつ、第2特別図柄保留数が「ゼロ」となった場合に、第1特別図柄の変動表示が実行される。
特別図柄当否判定値には、当否判定用の当り値(大当り値)が設定されており、遊技球が第1始動口28aまたは第2始動口28bに入球したタイミングで取得された特別図柄当否判定値が大当り値と一致する場合に「大当り」となり、一致しない場合に「外れ」となる。第1特別図柄当否判定は第1特別図柄が変動表示を開始する際に行われ、第2特別図柄当否判定は第2特別図柄が変動表示を開始する際に行われる。また、複数の特別図柄当否判定値が主制御部200のRAMに記憶されている場合には、最先に記憶された特別図柄当否判定値に基づいて特別図柄当否判定が実行される。
第1特別図柄当否判定で大当りと判定された場合には、第1特別図柄表示部61で停止表示される第1特別図柄が大当りを示す表示態様(当り態様)である大当り図柄(特定の態様)に決定される。一方、第1特別図柄当否判定で外れと判定された場合には、第1特別図柄表示部61で停止表示される第1特別図柄が外れを示す表示態様(外れ態様)である外れ図柄(非特別態様)に決定される。同様に、第2特別図柄当否判定で大当りと判定された場合には、第2特別図柄表示部62で停止表示される第2特別図柄が大当りを示す表示態様(当り態様)である大当り図柄(特定の態様)に決定され、第2特別図柄当否判定で外れと判定された場合には、第2特別図柄表示部62で停止表示される第2特別図柄が外れを示す表示態様(外れ態様)である外れ図柄(非特別態様)に決定される。
特別図柄は、所定の変動パターンにしたがって変動表示するように構成されている。この変動パターンは、特別図柄の変動時間や、その変動におけるリーチ演出の有無(演出内容)を規定するものである。特別図柄の変動パターンは、特別図柄当否判定が実行される際に、複数の変動パターンが格納された変動パターンテーブルから変動パターン判定値を用いた変動パターン判定により決定される。
特別図柄の変動パターンテーブルは複数用意されており、それぞれ遊技状態(特別図柄の変動モード)に応じて選択される。また、遊技状態に応じて選択される各変動パターンテーブルには、特別図柄当否判定の結果が大当りの場合に選択される大当り変動パターンテーブルと、特別図柄当否判定の結果が外れの場合に選択される外れ変動パターンテーブルとが含まれている。外れ変動パターンテーブルに格納される外れ変動パターンには、リーチ変動を伴わない「通常外れ変動パターン(リーチなし外れ変動パターン)」と、リーチ変動を伴う「リーチあり外れ変動パターン」とがある。通常外れ変動パターンは、リーチあり外れ変動パターンに比べ特別図柄の変動時間が短い変動パターンとして構成されており、リーチあり外れ変動パターンは、通常外れ変動パターンに比べ特別図柄の変動時間が長い変動パターンとして構成されている。なお、リーチ変動の有無は、始動口28への遊技球入球時に取得されるリーチ判定値を用いたリーチ判定によって決定される。
なお、第1特別図柄当否判定、第2特別図柄当否判定、第1特別図柄の変動態様(変動パターン)の決定、第2特別図柄の変動態様(変動パターン)の決定、第1特別図柄の停止図柄の決定、第2特別図柄の停止図柄の決定、第1特別図柄の変動表示および停止表示、第2特別図柄の変動表示および停止表示、第2特別図柄の優先変動は、後述の主制御部200によって行われるように構成されている。
次に、大当り遊技について説明する。第1特別図柄表示部61または第2特別図柄表示部62で停止表示された特別図柄が前述した大当り図柄(特別態様)であった場合(特別図柄当否判定の結果が大当りだった場合)に、主制御部200は遊技者に相対的に有利な大当り遊技(特定遊技)を開始する。大当り遊技は、大当り遊技フラグをONに設定することで開始するもので、大入賞装置33を作動させる、換言すると大入賞口33aを複数回開閉させることで、大入賞口33aへの遊技球の入球に関して遊技者に利益(賞球)を付与するものである。大当り遊技は、後述の主制御部200による大当り遊技処理が繰り返し実行されることによって実現される。
大当り遊技中は、大入賞装置33が作動し、大入賞口33aへの遊技球の入球に応じて、所定数の賞球(本実施例では15個)が払い出される。つまり、大入賞口33a内に配設される大入賞口入球検知スイッチ33sが遊技球の通過を検知することで、賞球が払い出される。
そして、大当り遊技の開始により、大入賞装置33を連続して作動させ、大入賞口33aを開放状態(入球可能状態)と閉鎖状態(入球不能状態)とに切り替える大入賞口開閉動作が複数回連続して行われる。この開放状態は、所定の終了条件成立により終了し、開放していた大入賞口33aが閉鎖状態となる。所定の終了条件として、大入賞口33aの開放時間が規定時間(本実施例では30秒)に達したとき、もしくは開放状態の大入賞口33aに入球した遊技球数が規定数(本実施例では10個)に達したときとすることができる。大入賞口33aが開放状態となる遊技を「ラウンド遊技」とした場合、1回の大当り遊技で継続可能なラウンド数が設定されている。大入賞口33aが閉鎖状態となってラウンド遊技が終了すると、所定のインターバル時間(本実施例では2秒)の経過後、大入賞口33aが開放状態となって次回のラウンド遊技が開始される。
本実施例の遊技機1では、大当り遊技の終了後、100%の確率で変動時間短縮機能、開放時間延長機能および確率変動機能の各機能が作動する確変状態が開始される。変動時間短縮機能、開放時間延長機能、確率変動機能の各機能は、それぞれ変動短縮フラグ、開放延長フラグ、確変フラグをONに設定することで作動する。確変状態は、後述の主制御部200の制御により実現される。なお、「確変状態」は、特別図柄の図柄変動遊技を有利に進行させることができる「有利状態」の一部として位置付けられる。
変動時間短縮機能には、普通図柄の変動時間を短縮させる普図変動時間短縮機能と、特別図柄の変動時間を短縮させる特図変動時間短縮機能とが含まれている。開放時間延長機能の作動により、第2始動口28bの開放時間が、第1開放時間(例えば0.5秒)であったのが第2開放時間(例えば4秒)に延長される。これにより、第2始動口28bへの遊技球入球頻度が、通常時(開放延長機能非作動時)に比べて高くなる。このように、変動時間短縮機能の作動によって特別図柄の変動時間が短縮することと、開放時間延長機能の作動によって第2始動口28bの開放時間が延長されることで、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動頻度が高くなる。また、確率変動機能の作動により、特別図柄当否判定用の大当り値が増加して、特別図柄当否判定の結果が大当りとなる確率が向上する。具体的には、通常確率当否判定テーブルと、通常確率当否判定テーブルよりも大当り値の数(種類)が増加した高確率当否判定テーブルを用意する。そして、通常遊技中(確率変動機能非作動時)には、通常確率当否判定テーブルを用いて当否判定を行い、確変状態中(確率変動機能作動時)には、高確率当否判定テーブルを用いて当否判定を行う。
本実施例では、変動時間短縮機能、開放時間延長機能、確率変動機能は、大当り遊技終了後、次の大当り遊技が開始されることなく特別図柄の変動回数が所定回数(本実施例では「100回」)に到達すると、その作動を終了して通常状態に移行する。このように本実施例の遊技機は、次回の特別遊技の開始が確保(約束)されていない「回数切り確変状態」を行ういわゆるST機として構成されている。
本実施例の遊技機1では、第1特別図柄表示部61または第2特別図柄表示部62を用いて行われる特別図柄の図柄変動遊技に対応して、演出表示装置25にて図柄変動演出が行われる。図柄変動演出としては、例えば第1特別図柄表示部61での第1特別図柄または第2特別図柄表示部62での第2特別図柄の変動表示に合わせて、数字からなる演出図柄を変動表示させる変動表示演出や、演出図柄の変動表示中に行われるリーチ演出などが挙げられる。図柄変動演出の演出内容(演出パターン)は複数種類存在し、これら演出用の表示データ(画像データ)は演出表示制御部280のROMに記憶されている。
ここで、後述のサブ制御部260および演出表示制御部280の制御下で実現される図柄変動演出について説明する。図3は、演出表示装置25の正面図である。図3に示すように、演出表示装置25の表示領域Vには演出図柄を変動表示する演出図柄表示部Vaが設けられている。図柄変動演出では、演出図柄が第1特別図柄表示部61での第1特別図柄または第2特別図柄表示部62での第2特別図柄の変動表示および停止表示に連動して表示される。つまり、演出表示装置25は、第1特別図柄および第2特別図柄表示部62と同様に図柄表示装置として機能するものである。また、演出表示装置25の表示領域Vのうち、演出図柄が変動表示する演出図柄表示部Va、及び演出図柄表示部Vaを除く表示部は、文字、図形、記号、キャラクタ(キャラクタ絵柄)等を含む種々の背景画像が表示される背景表示部Vb(キャラクタ表示部)となっている。すなわち、本実施例では、背景表示部Vbと演出図柄表示部Vaとは、表示領域V上において、一部の表示領域又は全部の表示領域が重複している。尚、演出図柄表示部Vaと背景表示部Vbとを重複しないように完全に区画して設けてもよい。この演出図柄表示部Vaおよび背景表示部Vbによって図柄変動演出画面が構成される。前述のように、演出表示装置25は、遊技盤20(遊技領域21)の中央に配置されているので、遊技者は通常、演出表示装置25の表示領域Vでの表示内容(特に演出図柄)に注目して遊技を行うこととなる。
本実施例では、演出図柄25a〜25cとして「1」〜「9」からなる3桁の数字図柄を用いており、演出図柄表示部Vaには、左図柄25a、中図柄25b、右図柄25cの3個の図柄が表示される。演出図柄表示部Vaは、各図柄表示部の配置方向と略直交する向き、この場合、上下方向(縦方向)に図柄変動方向が設定されている。
演出図柄は、第1特別図柄または第2特別図柄が変動表示を開始することにより変動表示を開始し、第1特別図柄または第2特別図柄が停止表示されると、演出図柄は第1特別図柄または第2特別図柄の停止図柄に応じた態様で停止表示される。演出図柄では、3桁同一の図柄組合せが特別図柄の大当り図柄に対応する特定態様(当り態様)となり、それ以外の図柄組合せが特別図柄の外れ図柄に対応する非特定態様(外れ態様)となる。
演出図柄の変動態様(変動パターン)および停止図柄の決定は、主制御部200から送信される変動パターン指定コマンドおよび特別図柄情報指定コマンドに基づいてサブ制御部260によって行われるように構成されている。ここで、主制御部200からサブ制御部260に向けて送信される変動パターン指定コマンドは、特別図柄の変動パターンを示すもので、具体的には、特別図柄の変動時間や、リーチ演出の有無等の演出内容を示している。主制御部200は、特別図柄の当否判定結果に応じて特別図柄の変動パターンをランダムに決定する。そして、主制御部200により決定された特別図柄の変動パターンに基づき、サブ制御部260が、演出図柄表示部Vaに表示される演出図柄25a,25b,25cの演出パターンを決定する。また、主制御部200からサブ制御部260に向けて送信される特別図柄情報指定コマンドは特別図柄の停止図柄を示すもので、主制御部200は、特別図柄の当否判定結果に応じて特別図柄の停止図柄をランダムに決定する。そして、主制御部200により決定された特別図柄の停止図柄を示す特別図柄情報指定コマンドに基づき、サブ制御部260が、演出図柄表示部Vaで停止表示される演出図柄25a,25b,25cの停止図柄を決定する。
演出表示装置25の表示領域Vでは、特別図柄変動遊技と大当り遊技の何れも実行されていない待機状態中に、デモ画面を表示するデモ演出が行われる。本実施例では、特別図柄変動遊技や大当り遊技が行われておらず、かつ、特別図柄保留数がゼロである状態が「待機状態」であり、「特別図柄変動遊技や大当り遊技が行われず、かつ、特別図柄保留数がゼロである場合」に、待機状態中であると判定する。本実施例では、待機状態中になったと判定されてから所定時間(本実施例では「10秒」)が経過した時点からデモ演出を開始するように構成されている。なお、待機状態中になったと判定されてからの所定時間の計時およびデモ演出の実行はサブ制御部260の制御処理によって行われる。
本実施例では、確変状態中に特別図柄変動遊技を進行させる際に実行される図柄変動演出の演出モードが複数種類設けられており、これらの中から設定された特定の演出モードにしたがって図柄変動演出が実行される。本実施例では、確変状態中の図柄変動演出の演出モードとして、4種類の演出モードA〜Dが設けられている。これらの演出モードA〜Dは、図柄変動演出の内容(例えば演出図柄の装飾、背景画像、リーチ演出、音声等)がそれぞれ異なっている。本実施例では、演出モードAは「春」を連想させる図柄変動演出が行われる「春モード」として構成され、演出モードBは「夏」を連想させる図柄変動演出が行われる「夏モード」として構成され、演出モードCは「秋」を連想させる図柄変動演出が行われる「秋モード」として構成され、演出モードDは「冬」を連想させる図柄変動演出が行われる「冬モード」として構成されている。
本実施例では、確変状態の演出モードの初期値として演出モードA(春モード)が設定されており、確変状態の開始後に他の演出モードB〜Dに遊技者が任意で変更することが可能となっている。なお、確変状態における演出モードA〜Dの変更は、サブ制御部260の制御処理によって行われる。
演出モードA〜Dの変更は、確変状態中に遊技者が第2演出ボタン9、左ボタン10、右ボタン11を操作することによって行うことができる。本実施例の遊技機1では、演出モードA〜Dの変更を決定した場合に、実行中の特別図柄変動遊技では演出モードが変更されず、新たに開始される特別図柄変動遊技にて演出モードが変更される。このため、確変状態における最終回(本実施例では100回目)の特別図柄変動遊技の開始後は演出モードA〜D変更することができず、演出モードA〜Dの変更を決定することが可能な演出モード変更可能期間は、確変状態における最終回(本実施例では100回目)の特別図柄変動遊技が開始されるまで(すなわち確変状態における99回目の特別図柄遊技が終了するまで)となっている。本実施例の演出モード変更可能期間には、確変状態の1回目から99回目までの特別図柄変動遊技中および特別図柄変動遊技が実行されていない待機状態中が含まれており、デモ演出中においても演出モードの変更の決定が可能となっている。そして、演出モード変更可能期間は、第2演出ボタン9、左ボタン10、右ボタン11の操作が有効となるボタン操作有効期間となっている。
以下、確変状態中に演出モードA〜Dを変更する手順を図3に基づいて説明する。図3(a)〜図3(c)は図柄変動画面の表示中に演出モードA〜Dを変更する手順を示し、図3(d)〜図3(f)はデモ画面の表示中に演出モードA〜Dを変更する手順を示している。図3(a)〜図3(c)に示す図柄変動画面では、演出表示装置25の背景表示部Vbに、演出モードを示すモード表示部25d、確率変動機能の残り作動回数を示す残り回数表示部25e、演出モードを変更するための表示が行われるモード選択決定部25fが設けられている。また、図3(d)〜図3(f)に示すデモ画面では、演出表示装置25の表示領域Vにモード選択決定部25fのみが設けられている。なお、図3(a)〜図3(c)の図柄変動画面は特別図柄変動遊技中および待機状態中におけるデモ演出が開始するまで表示され、図3(d)〜図3(f)のデモ画面はデモ演出中に表示される。
まず、図柄変動画面表示中に演出モードA〜Dを変更する手順を図3(a)〜図3(c)に基づいて説明する。図3(a)は、設定されている演出モードにしたがって図柄変動演出が行われている場合の通常表示である。図3(a)の通常表示では、遊技者に第2演出ボタン9の操作を促すために、モード選択決定部25fに第2演出ボタン9と左ボタン10と右ボタン11の意匠を模した図柄が表示されている。図3(a)の通常表示中に第2演出ボタン9に対する押下操作(第1の操作)が行われることで、図3(b)のモード選択表示に移行し、演出モードを変更するための候補となる演出モード(以下、「変更候補演出モード」という)を選択することが可能な選択可能状態が発生する。図3(a)の通常表示から図3(b)のモード選択表示に移行した際には、現在設定されている演出モードが変更候補演出モードの初期値として設定される。
なお、確変状態中の最終回(本実施例では100回目)の特別図柄変動遊技が実行されている期間は演出モードの選択が可能な期間ではないので、図3(a)の通常表示ではモード選択決定部25fが表示されない。また、確変状態中の最終回の特別図柄変動遊技が実行されている期間はボタン操作有効期間ではなく、第2演出ボタン9が操作されても図3(b)のモード選択表示に移行しない。
図3(b)に示すモード選択表示では、モード選択決定部25fに変更候補演出モードを示すモード選択用図柄が表示される。本実施例のモード選択用図柄は、変更候補演出モードに対応する文字画像となっており、演出モードA(春モード)に対応するモード選択用図柄は「春」の文字、演出モードB(夏モード)に対応するモード選択用図柄は「夏」の文字、演出モードC(秋モード)に対応するモード選択用図柄は「秋」の文字、演出モードD(冬モード)に対応するモード選択用図柄は「冬」の文字となっている。
図3(b)に示すモード選択表示のモード選択決定部25fでは、モード選択用図柄の左側と右側に矢印図柄が表示されている。そして、モード選択表示中に左ボタン10または右ボタン11に対する押下操作が行われることで、選択候補演出モードが変更され、モード選択決定部25fのモード選択用図柄が切り替わる。図3(b)に示す例では、変更候補演出モードが演出モードAとなっており、この状態で左ボタン10が操作された場合には、変更候補演出モードが「演出モードA(春モード)」→「演出モードB(夏モード)」→「演出モードC(秋モード)」→「演出モードD(冬モード)」の順に切り替わるとともに、モード選択決定部25fのモード選択用図柄が「春」→「夏」→「秋」→「冬」の順に切り替わる。また、図3(b)の状態で右ボタン11が操作された場合には、変更候補演出モードが「演出モードA」→「演出モードD」→「演出モードC」→「演出モードB」の順に切り替わるとともに、モード選択決定部25fのモード選択用図柄が「春」→「冬」→「秋」→「夏」の順に切り替わる。
図3(b)のモード選択表示中(選択可能状態中)に第2演出ボタン9に対する押下操作(第2の操作)が行われることで、モード選択決定部25fに示されている変更候補演出モードが変更すべき演出モード(以下、「変更決定演出モード」という)として決定される。そして、変更決定演出モードがサブ制御部260のRAMの所定領域に記憶され、選択可能状態が終了し、図3(c)に示すモード決定表示に移行する。これにより、選択可能状態中に左ボタン10または右ボタン11による選択操作で希望する変更候補演出モードを選択し、第2演出ボタン9による決定操作で変更決定演出モードを決定することができる。
本実施例では、選択可能状態中(モード選択表示中)に第2演出ボタン9に対する操作(第2の操作)が行われる前に新たな特別図柄変動遊技が開始した場合には、新たな特別図柄変動遊技においても選択可能状態が継続する。つまり、選択可能状態中に新たな特別図柄変動遊技が開始した場合には、演出図柄表示部Vaで新たな演出図柄の変動表示が開始し、残り回数表示部25eで表示される確率変動機能の残り作動回数が「1」減算されるが、モード表示部25dおよびモード選択決定部25fの表示は変化しない。なお、本実施例では、選択可能状態は1回の特別図柄変動遊技の終了に伴い終了されるものでなく、複数回の特別図柄変動遊技に渡って(跨って)継続することが可能となっている。
また、図3(b)のモード選択表示中において、左ボタン10または右ボタン11が最後に操作されてから、第2演出ボタン9が操作されることなく所定時間(本実施例では20秒)が経過した場合には、図3(a)の通常表示に移行し、選択可能状態が終了する。この場合には、変更決定演出モードが決定されておらず、演出モードの変更が行われない。
また、選択可能状態中(モード選択表示中)に第2演出ボタン9に対する操作(第2の操作)が行われる前に確変状態の最終回(本実施例では100回目)の特別図柄変動遊技が開始した場合には、演出モードの選択が可能な期間が終了して選択可能状態が終了し、図3(a)の通常表示に移行する。上述のように、確変状態の最終回の特別図柄変動遊技における通常表示では、モード選択決定部25fは表示されない。
図3(c)のモード決定表示では、モード選択決定部25fに変更決定演出モードを示すモード決定用図柄が表示される。モード決定用図柄は、図3(b)のモード選択画面で表示されるモード選択用図柄(文字画像)とは異なる種類の図柄となっている。本実施例のモード決定用図柄は、変更決定演出モードに対応する図形画像となっており、演出モードA(春モード)に対応するモード決定用図柄は「桜の図形」、演出モードB(夏モード)に対応するモード決定用図柄は「スイカの図形」、演出モードC(秋モード)に対応するモード決定用図柄は「紅葉の図形」、演出モードD(冬モード)に対応するモード決定用図柄は「雪だるまの図形」となっている。図3(c)に示す例では、モード選択決定部25fのモード決定用図柄として「スイカの図形」が表示されており、演出モードB(夏モード)が変更決定演出モードとして決定されていることを示している。
図3(c)のモード決定表示に移行した時点では、確変状態の演出モードの変更は行われず、図3(c)のモード決定表示が表示されている状態で、次回の特別図柄変動遊技が開始することで、演出モードがサブ制御部260のRAMの所定領域に記憶された変更決定演出モードに変更される。なお、図3(c)のモード決定表示が表示された状態で、次回の特別図柄変動遊技が開始するまでに、第2演出ボタン9が再度押下操作された場合には、図3(b)のモード選択表示に移行し、選択可能状態が再開する。この場合には、サブ制御部260のRAMの所定領域に記憶された変更決定演出モードがクリアされる(演出モードの変更決定のキャンセル)。
次に、デモ演出中に演出モードA〜Dを変更する手順を図3(d)〜図3(f)に基づいて説明する。図3(d)はデモ演出中に演出表示装置25で表示される通常表示を示し、図3(e)はデモ演出中のモード選択表示を示し、図3(f)はデモ演出中のモード決定表示を示している。図3(d)〜図3(f)に示すデモ画面は、演出表示装置25の表示領域Vの中央付近にモード選択決定部25fのみが大きく表示されている。つまり、デモ演出中は演出図柄を表示する必要がないので、演出表示装置25の表示領域Vの全体を使って演出モードの変更を行うことができる。
図3(d)に示す通常表示では、モード選択決定部25fに第2演出ボタン9と左ボタン10と右ボタン11の意匠を模した図柄が大きく表示されている。また、図3(e)に示すモード選択表示では、モード選択決定部25fに複数の演出モードA〜Dのそれぞれに対応するモード選択用図柄(文字画像)が表示されている。また、図3(e)に示す例では、演出モードA(春モード)が変更候補演出モードとなっており、これに対応するモード選択用図柄に斜線が付されることで強調表示されている。また、図3(f)に示すモード決定表示では、モード選択決定部25fの表示がモード決定用図柄(図形画像)に変更される。図3(f)のモード決定表示では、変更決定演出モードに対応するモード決定用図柄のみが表示され、他の部分は空白となっている。
上述のように、特別図柄変動遊技が終了して待機状態となってから所定時間(本実施例では「10秒」)が経過した時点からデモ演出が開始される。このため、図3(a)の図柄変動画面の通常表示中にデモ演出が開始した場合には、図3(d)のデモ画面の通常表示に移行する。そして、図3(d)のデモ画面の通常表示中に特別図柄変動遊技が開始した場合には、図3(a)の図柄変動画面の通常表示に移行する。
また、図3(b)の図柄変動画面のモード選択表示中にデモ演出が開始した場合には、図3(e)のデモ画面のモード選択表示に移行し、選択可能状態が継続する。そして、図3(e)のデモ画面のモード選択表示中に特別図柄変動遊技が開始した場合には、図3(b)に示す図柄変動画面のモード選択表示に移行し、選択可能状態が継続する。
また、図3(c)の図柄変動画面のモード決定表示中にデモ演出が開始した場合には、図3(f)のデモ画面のモード決定表示に移行する。そして、図3(e)のデモ画面のモード選択表示中に特別図柄変動遊技が開始した場合には、変更決定演出モードにしたがって演出モードが変更され、変更後の演出モードにしたがって図柄変動演出が開始されるので、図3(c)の図柄変動画面のモード決定表示には移行しない。
上述のように、本実施例の確変状態は、大当り遊技終了後、特別図柄の変動回数が所定回数(100回)に到達することで終了する回数切り確変状態として構成されている。そして、確変状態が終了するまでに特別図柄が大当り図柄で停止表示すれば、大当り遊技が実行され、その大当り遊技終了後に再び確変状態が発生する(大当り遊技中は通常状態とされる)。このため、本実施例の遊技機1は、確変状態中に特別図柄が大当り図柄で停止表示すると、大当り遊技を挟んで確変状態を連続的に発生させることができ、この連続的に確変状態が発生する一連の期間が「遊技者にとって有利な有利期間」となる。
本実施例では、確変状態中に特別図柄が大当り図柄で停止表示して大当り遊技が実行されると、当該大当り遊技に関する大当り履歴情報が、そのときの図柄変動演出の演出モードと関連づけて記憶される。詳細は後述するが、本実施例では、大当り履歴情報として、有利期間が発生してから終了するまでに選択された各演出モードでの大当り発生回数(大当り遊技の実行回数)が記憶される。
そして、本実施例では、確変状態が終了して通常状態に移行するときに(有利期間が終了するときに)、複数の演出モードで大当り履歴情報が記憶されていれば、記憶されている大当り履歴情報に基づいて特定演出を実行するように構成されている。本実施例の特定演出では、複数の演出モードのそれぞれでの大当り発生回数が示される(図4)。特定演出は、演出表示装置25の表示領域Vを用いて行うことができる。例えば、図4に示すように、確変状態中に春モードおよび夏モードで図柄変動演出が実行され、春モードのときに大当りが2回発生し、夏モードのときに大当りが1回発生した場合には、演出表示装置25の表示領域Vで「春モードの大当り発生回数2回」、「夏モードの大当り発生回数1回」のような履歴表示がなされる。また、本実施例の特定演出では、上述の履歴表示に加え、大当り発生回数が最も多かった演出モードの種類を特定し、この演出モードを強調する強調表示がなされる。図4では、春モードでの大当り発生回数が最も多いため、春モードの表示領域が強調表示されている。
なお、大当り履歴情報の記憶処理や特定演出の実行処理は、サブ制御部260のCPU260bの制御によって行われ、大当り履歴情報はサブ制御部260のRAMに記憶される。
次に、本実施例の遊技機1の電子制御装置について、図5に基づいて説明する。図5は、電子制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図5に示すように、電子制御装置は、主制御部200と、その主制御部200に接続された副制御部230、260、280とを含んで構成されている。副制御部は、払出制御部(賞球制御部)230、サブ制御部260及び演出表示制御部280から構成される。主制御部200は主制御基板200aを備え、副制御部230、260及び280は周辺制御基板として払出制御基板230a、サブ制御基板260a及び演出表示制御基板280aをそれぞれ備えている。これらの各制御基板や、その他の基板(電源基板、中継基板、駆動基板、装飾基板、アンプ基板、演出ボタン基板など)は、遊技機1の裏面側に配置される。
各制御部200、230、260、280には、図示しない主電源から電源が供給されている。また、電源立上げ時には、システムリセット信号が各制御部200、230、260、280に送信される。なお、本実施例の遊技機1は、電源断時に主制御部200及び払出制御部230に作動電圧を供給する図示しないバックアップ電源部(図示略)を備えており、電源断時にも主制御部200及び払出制御部230のRAMデータが保持される。
主制御部200は、遊技の進行を司る主制御手段を構成するものであり、各副制御部230、260に処理内容を指示する指令信号(コマンドデータ)を送信し、各副制御部230、260、280は指令信号に基づいて各種制御を行うように構成されている。
主制御部200を構成する主制御基板200aのCPU200bは、CPUコア、内蔵RAM(以下、単にRAMともいう)、内蔵ROM(以下、単にROMともいう)等を備えており、ROMに格納された制御プログラムにより、RAMをワークエリアとして遊技機1全体の作動制御(遊技の基本進行制御)を司る。また、主制御部200は、CPU200bが主体となって、ROMに格納された当否判定プログラムにより特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の当否判定を行う当否判定手段を構成している。また、主制御部200のCPU200bは、特別図柄当否判定を実行する際に、ROMに格納された特別図柄の変動パターンテーブルから特定の変動パターンを決定する。なお、本実施例の主制御部200のCPU200bの制御周期は4msに設定されている。
主制御部200には、盤面入力中継基板201と盤面出力中継基板202とが接続されている。盤面入力中継基板201には、普通図柄作動ゲート検知スイッチ27s、始動口入球検知スイッチ28s,28t、大入賞口入球検知スイッチ33sが接続されており、これらの信号が主制御部200に入力するように構成されている。盤面出力中継基板202には、普通図柄表示装置51、特別図柄表示部61,62、始動口ソレノイド28c、大入賞口ソレノイド33cが接続されており、主制御部200からの制御信号が出力される。
払出制御部230を構成する払出制御基板230aは、主制御部200のCPU200bと同様の構成を有するCPU230bを備えている。払出制御部230には、発射制御部250、CRユニット13等が接続されている。主制御部200から払出制御部230には、賞球払出を指示する賞球指示コマンド、遊技開始許可を指示する遊技開始許可信号、各種発射制御コマンド等のコマンドが送信される。各種発射制御コマンドには、球送り許可・禁止、発射許可・禁止、遊技開始許可等が含まれている。払出制御基板230aのCPU230bは、主制御部200からの賞球指示コマンドを受信すると、そのコマンドが示す賞球数に基づいて、遊技機1の裏面側に設けられた図示しない遊技球払出装置の払出モータを回転駆動することにより、指定された賞球数分の遊技球の払い出し(賞球払出)を行う。この遊技球の払い出し(賞球払出)は、遊技機1の裏面側上部に設けられた図示しない遊技球タンクに貯留された遊技球を、図示しない遊技球レールを介して遊技球払出装置に供給し、その供給された遊技球を遊技球払出装置の払出モータの回転駆動により排出することで、行われる。
サブ制御部260は、遊技の進行に伴って実行される各種演出を制御するサブ制御手段を構成しており、サブ制御基板260aにはCPU260bや図示しないROM、RAM、入出力ポート等を有する演算回路構成要素とサウンドジェネレータが設けられており、入出力ポートにおいて主制御部200に接続されている。サブ制御部260は、各種ランプ類による装飾表示、スピーカ11a〜11dから出力される効果音、演出表示装置25による演出図柄の表示等を用いた演出制御を司るように構成されている。
主制御部200からサブ制御部260には、特別図柄の変動表示に関連する各種図柄制御コマンド(変動パターン指定コマンド、特別図柄情報指定コマンド、図柄停止コマンドなど)、各種ランプ制御コマンド及び各種音声制御コマンドが送信される。主制御部200から演出表示制御部280には、サブ制御部260を介して、演出図柄の表示制御を指示する各種図柄制御制御コマンドが送信される。そして、サブ制御部260には演出表示制御部280が接続されており、サブ制御部260から演出表示制御部280には、主制御部200からの各種図柄制御コマンドに応じた演出図柄の表示(図柄変動演出)を実現するための演出表示制御を指示する各種演出表示制御コマンドが同時に送信される。
演出表示制御部280の演出表示制御基板280aには、CPU280b、RAM、ROM、入出力ポート、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)等を有する演算回路構成要素(図示略)が設けられ、入出力ポートにおいてサブ制御部260に接続されており、演出表示制御部280には演出表示装置25が接続されている。また、演出表示制御基板280aには、図示しない画像ROMが設けられており、その画像ROMには、演出表示装置25で表示される演出用図柄の画像データ(前述した変動演出に関する画像データなど)が複数格納されている。
その他、サブ制御部260には、装飾駆動基板261を介して各種LED・ランプ262とアンプ基板263が接続されている。各種LED・ランプ262には、枠ランプ部5cが含まれている。アンプ基板263には、遊技の進行に対応して各種サウンド、音声等を出力するスピーカ11a〜11dが接続されている。さらに、サブ制御部260には、演出ボタン基板264を介して演出ボタン8(中ボタン8a,左ボタン8b,右ボタン8c)が接続されている。サブ制御部260は、主制御部200や演出ボタン8(中ボタン8a,左ボタン8b,右ボタン8c)からの各種指令(変動パターン指定コマンドの受信、演出ボタン操作信号の入力など)に基づいて、各種LED・ランプの点灯・点滅パターンの選択・実行処理や、スピーカ11a〜11dから出力される効果音データの選択・出力処理や、演出表示装置25での図柄変動演出の実行パターン(演出パターン)の選択処理や、その実行パターンに基づく図柄変動演出の実行処理等を行う。
次に、本実施例の遊技機1の作動をフローチャートに基づいて説明する。図6は、主制御部200の制御下で行われるメインジョブの一例である。図6に示すメインジョブは、主制御基板200aに実装されたCPU200bが、図示しないROM(CPU200bの内蔵ROMまたは主制御基板200aに実装されるROM)に格納されたプログラムに従って実行するもので、電源投入処理(S100)の後、遊技開始処理(S200)、普通図柄遊技処理(S300)、普通電動役物遊技処理(S400)、特別図柄遊技処理(S500)、大当り遊技処理(S600)の各処理が、タイマリセットされる毎に繰り返し実行される。電源断発生処理(S50)は、停電等によって電源断が発生した場合に、使用レジスタやスタックポインタの保存、払出モータの停止等が行われ、システムリセットが発生した場合に電源投入処理(S100)に移るようになっている。
電源投入処理(S100)は、電源投入時と電源断発生後の復電時に行われるものであり、電源投入時にはRAM初期化処理等が行われ、電源断復帰時には電源断時の遊技状態に復帰させるための復帰設定等が行われる。遊技開始処理(S200)では、各種スイッチ状態の検知、各種判定値(乱数カウンタ)の更新、賞球払出制御等が行われる。
普通図柄遊技処理(S300)では、まず、普通図柄当否判定を行って、普通図柄表示装置51(図2参照)にて普通図柄を当り普通図柄の表示態様で停止表示させるか、外れ普通図柄の表示態様で停止表示させるかを決定する。ここで、前述したように、本実施例における普通図柄当否判定は、始動口28bの開放時間を延長させる開放時間延長機能(および変動時間短縮機能)の作動状態に応じて、当りとなる確率が異なっており、開放時間延長機能(および変動時間短縮機能)の作動時の方が、開放時間延長機能(および変動時間短縮機能)の非作動時に比べ当りとなる確率が高くなっている。
次に、普通図柄当否判定の結果が得られたら、普通図柄の変動時間を設定し、その変動時間に従って普通図柄の変動表示を開始する。そして、変動時間が経過すると、決定しておいた表示態様で普通図柄を停止表示させ、普通図柄が当り普通図柄の表示態様で停止表示された場合には、普通電動役物の作動を開始させる(第2始動口28bを開放状態とする)。普通図柄遊技処理では、以上のようにして、普通図柄の変動表示および停止表示を行い、普通図柄が当り普通図柄の表示態様で停止表示された場合には、第2始動口28bを作動させる処理を行う。第2始動口28bが作動すると、一対の翼片部が左右に開動作して、第2始動口28bが開放状態となる。
普通電動役物遊技処理(S400)では、第2始動口28bを開放状態に維持する開放時間が経過したか否かを判定し、開放時間が経過していない場合には、第2始動口28bに規定数の入球があったか否かを判定する。開放状態にある第2始動口28bに規定数の入球があったと判定されるか、開放状態にある第2始動口28bの開放時間が経過していると判定された場合には、一対の翼片部が閉動作して、第2始動口28bは通常状態(閉鎖状態)となる。
次に、特別図柄遊技処理(S500)を図7〜図11のフローチャートに基づいて説明する。まず、図7(a)に示すように、始動口入賞処理を行う(S501)。ここで、始動口入賞処理(S501)について図8のフローチャートに基づいて説明する。
まず、第1始動口28aに遊技球が入球したか否かを判定し(S501a)、第1始動口28aに遊技球が入球していないと判定された場合には(S501a:NO)、S501dの処理に移行する。一方、第1始動口28aに遊技球が入球したと判定された場合には(S501a:YES)、第1特別図柄保留数が4未満であるか否かを判定する(S501b)。この結果、第1特別図柄保留数が4未満でない(4以上である)と判定された場合には(S501b:NO)、S501dの処理に移行し、第1特別図柄保留数が4未満であると判定された場合には(S501b:YES)、第1特別図柄用判定値を取得してRAMの所定領域に記憶する(S501c)。第1特別図柄用判定値は、第1特別図柄当否判定値、第1図柄判定値、第1リーチ判定値などからなる。これにより、第1特別図柄保留数が1増加する。
次に、第2始動口28bに遊技球が入球したか否かを判定し(S501d)、第2始動口28bに遊技球が入球していないと判定された場合には(S501d:NO)。始動口入賞処理を終了する。一方、第2始動口28bに遊技球が入球したと判定された場合には(S501d:YES)、第2特別図柄保留数が4未満であるか否かを判定する(S501e)。この結果、第2特別図柄保留数が4未満でない(4以上である)と判定された場合には(S501e:NO)、始動口入賞処理を終了し、第2特別図柄保留数が4未満であると判定された場合には(S501e:YES)、第2特別図柄用判定値を取得してRAMの所定領域に記憶する(S501f)。第2特別図柄用判定値は、第2特別図柄当否判定値、第2図柄判定値、第2リーチ判定値などからなる。これにより、第2特別図柄保留数が1増加する。
次に、図7(a)に戻り、大当り遊技中であるか否か(大当り遊技フラグがONであるか否か)を判定する(S502)。この結果、大当り遊技中である(大当り遊技フラグがONである)と判定された場合には(S502:YES)、特別図柄遊技処理を終了し、大当り遊技中でない(大当り遊技フラグがOFFである)と判定された場合には(S502:NO)、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)が変動中であるか否かを判定する(S503)。
この結果、特別図柄が変動中であると判定された場合には(S503:YES)、後述のS510の処理に移行し、特別図柄が変動中でないと判定された場合には(S503:NO)、特別図柄の停止表示時間中であるか否かを判定する(S504)。ここで、特別図柄の停止表示時間とは、停止表示された特別図柄を確定させる時間のことであり、本実施例では、特別図柄の停止表示時間を「0.6秒」としている。そして、特別図柄の停止表示時間中であると判定された場合には(S504:YES)、後述のS515の処理に移行し、特別図柄の停止表示時間中でないと判定された場合には(S504:NO)、第2特別図柄保留数がゼロであるか否かを判定する(S506)。この結果、第2特別図柄保留数がゼロであると判定された場合には(S506:YES)、第1特別図柄保留数がゼロであるか否かを判定する(S507)。
そして、第1特別図柄保留数がゼロでないと判定された場合には(S507:NO)、第1特別図柄変動表示処理を行う(S508)。また、S506の判定処理で第2特別図柄保留数がゼロでないと判定された場合には(S506:NO)、第2特別図柄変動表示処理を行う(S509)。つまり、S506の判定処理で第2特別図柄保留数がゼロでないと判定された場合には(S506:NO)、第1特別図柄保留数がゼロでなくても(1以上であっても)第2特別図柄の変動表示処理が実行される。これにより、第2特別図柄の変動表示が第1特別図柄よりも優先して行われることとなり、S506の判定処理によって第2特別図柄の優先変動機能が実現される。
ここで、第1特別図柄変動表示処理(S508)と第2特別図柄変動表示処理(S509)を図9のフローチャートに基づいて説明する。第1特別図柄変動表示処理と第2特別図柄変動表示処理は同一内容の処理である。すなわち、図9における「特別図柄」が、第1特別図柄変動表示処理では「第1特別図柄」となり、第2特別図柄変動表示処理では「第2特別図柄」となるだけで、その他は同一である。以下では、第1特別図柄変動表示処理(S508)について説明し、第2特別図柄変動表示処理(S509)の説明を省略する。
まず、主制御部200のRAMの所定領域(保留記憶領域)に記憶されている特別図柄当否判定値(始動口28への遊技球入球時に取得された当否判定値)を読み出し(S508a)、特別図柄当否判定を行う(S508b)。特別図柄当否判定では、確率変動機能が作動中(確変遊技中)の場合には、高確率当否判定テーブルを用いて、判定結果が大当りとなる確率を高くした状態(高確率状態)で当否判定を行い、確率変動機能が作動中でない(通常遊技中)と判定された場合には、通常確率当否判定テーブルを用いて、判定結果が大当りとなる確率を低くした状態(低確率状態)で当否判定を行う。
次に、特別図柄当否判定(S508b)の結果が大当りであるか否かを判定する(S508c)。この結果、大当りであると判定された場合には(S508c:YES)、大当り時変動パターンテーブル設定処理を行う(S508d)。一方、大当りでないと判定された場合には(S508c:NO)、外れ時変動パターンテーブル設定処理を行う(S508e)。
次に、変動パターン乱数を取得するとともに、主制御部200のRAMの所定領域に記憶されている図柄決定用乱数(始動口28への遊技球入球時に取得された特別図柄決定用乱数)を読み出す(S508f)。
次に、特別図柄の変動パターンと停止図柄を決定する(S508g)。特別図柄の変動パターンは、S508hで取得した変動パターン乱数を用いて、S508dまたはS508eの処理で設定した変動パターンテーブルから特定の変動パターンを選択する。なお、S508d、S508eの処理で設定される各変動パターンテーブルには、変動パターン乱数の値と変動パターンとが関連付けられており、S508fで取得した変動パターン乱数の値に対応する変動パターンが、今回使用する変動パターンとして決定される。また、特別図柄の停止図柄は、特別図柄当否判定の結果が大当りの場合には、S508fで読み出した特別図柄決定用乱数を用いて、主制御部200の所定領域に記憶されている図柄決定テーブルに設定された大当り図柄に決定し、特別図柄当否判定の結果が外れの場合には、外れ図柄に決定する。図柄決定テーブルについても、変動パターンテーブルと同様に、特別図柄決定用乱数の値と各大当り図柄とが関連付けられており、S508fで読み出した特別図柄決定用乱数の値に対応する大当り図柄が、今回停止表示する大当り図柄として決定される。
次に、S508gの処理で決定された停止図柄および変動パターンに従って、第1特別図柄表示部61または第2特別図柄表示部62で特別図柄の変動表示を開始し(S508h)、特別図柄保留数を1減算し(S508i)、サブ制御部260に図柄変動開始時コマンドを送信する(S508j)。「図柄変動開始時コマンド」には、変動パターン指定コマンド、特別図柄情報指定コマンド、保留数指定コマンドが含まれる。変動パターン指定コマンドは、S508gの処理で決定された特別図柄の変動パターンを指定するコマンドであり、特別図柄情報指定コマンドは、同じくS508gの処理で決定された特別図柄の停止図柄を指定するコマンドである。保留数指定コマンドは、特別図柄の変動表示開始後の特別図柄保留数を指定するコマンドである。この図柄変動開始時コマンドをサブ制御部260に送信すると、これらコマンドを受信したサブ制御部260および演出表示制御部280の制御下で図柄変動演出(演出図柄の変動表示)が開始される。以上までが、特別図柄の変動表示を開始する際の処理である。
次に、図7(a)に戻り、上記S503で特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)が変動中であると判定された場合には(S503:YES)、変動中の特別図柄の変動表示時間が経過しているか否かを判定する(S510)。この結果、特別図柄の変動表示時間が経過していないと判定された場合には(S510:NO)、特別図柄遊技処理を終了し、特別図柄の変動表示時間が経過していると判定された場合には(S510:YES)、特別図柄の変動表示を停止し(S511)、特別図柄の変動表示が停止したことを示す図柄停止コマンドをサブ制御部260に送信し(S512)、特別図柄の停止表示時間を設定する(S513)。
次に、特別図柄の停止図柄表示時間が経過したか否かを判定する(S514)。この結果、特別図柄の停止図柄表示時間が経過していないと判定された場合には(S514:NO)、特別図柄遊技処理を終了し、特別図柄の停止図柄表示時間が経過していると判定された場合には(S514:YES)、第1特別図柄表示部61または第2特別図柄表示部62に停止表示された特別図柄の停止図柄が大当り図柄である否かを判定する(図7(b)のS515)。
この結果、特別図柄の停止図柄が大当り図柄であると判定された場合には(S515:YES)、大当り遊技開始時の遊技状態を主制御部200のRAMの所定領域に記憶する(S516)。「大当り遊技開始時の遊技状態」には、その時点で停止表示された大当り図柄の種類やその時点での遊技状態フラグ(確変フラグ、変動短縮フラグ、開放延長フラグ)の設定状態が含まれている。
次に、大当り遊技フラグをONに設定する(S517)。これにより、大当り遊技が開始される。そして、大当り遊技が開始したことを示す大当り遊技開始コマンドをサブ制御部260に送信する(S518)。大当り遊技開始コマンドは大当り遊技の種類に応じて設けられており、このコマンドをサブ制御部260が受信すると、大当り遊技の種類に応じた大当り遊技開始演出(ファンファーレ演出)が行われる。次に、確変フラグがONに設定されているか否かを判定する(S519)。この結果、確変フラグがONに設定されていないと判定された場合には(S519:NO)、S521の判定処理に移行し、確変フラグがONに設定されていると判定された場合には(S519:YES)、確変フラグをOFFに設定する(S520)。これにより、大当り遊技の開始に伴い、確率変動機能が作動を停止する。
次に、変動短縮フラグがONに設定されているか否かを判定する(S521)。この結果、変動短縮フラグがONに設定されていないと判定された場合には(S521:NO)、特別図柄遊技処理を終了し、変動短縮フラグがONに設定されていると判定された場合には(S521:YES)、変動短縮フラグをOFFに設定し(S522)、開放延長フラグをOFFに設定する(S523)。これにより、大当り遊技の開始に伴い、変動時間短縮機能および開放時間延長機能が作動を停止する。
次に、上記S515の判定処理で、第1特別図柄表示部61または第2特別図柄表示部62に停止表示された特別図柄の停止図柄が大当り図柄でないと判定された場合(外れ図柄の場合)には(S515:NO)、変動短縮フラグがONであるか否かを判定する(S524)。この結果、変動短縮フラグがONでないと判定された場合には(S524:NO)、特別図柄遊技処理を終了する。一方、変動短縮フラグがONであると判定された場合には(S524:YES)、確変カウンタから「1」を減算する(S525)。
そして、S525で「1」を減算した確変カウンタが「ゼロ」であるか否かを判定する(S526)。この結果、確変カウンタが「ゼロ」でないと判定された場合には(S526:NO)、特別図柄遊技処理を終了し、確変カウンタが「ゼロ」であると判定された場合には(S526:YES)、変動短縮フラグをOFFに設定し(S527)、さらに開放延長フラグをOFFに設定する(S528)。
これにより、変動時間短縮機能および開放時間延長機能が作動を停止する。そして、変動時間短縮機能および開放時間延長機能が作動しない遊技状態であることを示す遊技状態指定コマンドを、サブ制御部260に送信する(S529)。この遊技状態指定コマンドを受けたサブ制御部260では、変動時間短縮機能および開放時間延長機能が非作動の状態(通常状態)である旨を示す文字やキャラクタや背景等を演出表示装置25の表示領域Vに表示する処理を行う。
次に、大当り遊技処理(S600)について図10のフローチャートに基づいて説明する。まず、大当り遊技中であるか否か(大当り遊技フラグがONであるか否か)を判定する(S601)。この結果、大当り遊技中でない(大当り遊技フラグがOFFである)と判定された場合には(S601:NO)、大当り遊技処理を終了し、大当り遊技中である(大当り遊技フラグがONである)と判定された場合には(S601:YES)、大入賞口33aが開放中であるか否かを判定する(S602)。この結果、大入賞口33aが開放中であると判定された場合には(S602:YES)、大入賞口33aの開放時間が経過したか否かを判定し(S603)、大入賞口33aの開放時間が経過していないと判定された場合には(S603:NO)、大入賞口33aに規定入賞数の入賞があったか否か(規定数の遊技球が入球したか否か)を判定する(S604)。
この結果、大入賞口33aに規定入賞数が入賞していないと判定された場合には(S604:NO)、大当り遊技処理を終了し、大入賞口33aに規定入賞数が入賞していると判定された場合(S604:YES)または大入賞口33aの開放時間が経過していると判定された場合には(S603:YES)、大入賞口33aを閉鎖する(S605)。
また、上記S602の判定処理で、大入賞口33aが開放中でないと判定された場合には(S602:NO)、大当り遊技の終了条件が成立したか否かを判定する(S606)。S606の判定処理では、継続可能なラウンド数(15ラウンドまたは2ラウンド)に達したか否かを判定する。
この結果、大当り遊技終了条件が成立していないと判定された場合には(S606:NO)、大入賞口33aの閉鎖時間(インターバル時間)が経過しているか否かを判定し(S607)、大入賞口33aの閉鎖時間が経過していないと判定された場合には(S607:NO)、大当り遊技処理を終了し、大入賞口33aの閉鎖時間が経過していると判定された場合には(S607:YES)、大入賞口33aを開放する(S608)。
上記S606の判定処理で、大当り遊技終了条件が成立していると判定された場合には(S606:YES)、大当り遊技終了時処理を行う(S609)。ここで、大当り遊技終了時処理(S609)について図11のフローチャートに基づいて説明する。
まず、大当り遊技フラグをOFFにセットする(S609a)。これにより、大当り遊技が終了する。そして、大当り遊技が終了したことを示す大当り遊技終了コマンドをサブ制御部260に送信する(S609b)。
次に、確変フラグをONにセットし(S609c)、変動短縮フラグをONにセットし(S609d)、開放延長フラグをONにセットし(S609e)、確変カウンタに「100」をセットする(S609f)。これにより、大当り遊技の終了に伴って確率変動機能、変動時間短縮機能および開放時間延長機能が作動を開始する。そして、確率変動機能、変動時間短縮機能、開放時間延長機能の作動状態を示す遊技状態指定コマンドをサブ制御部260に送信する(S609g)。
次に、サブ制御部260が実行する演出制御処理を図12に基づいて説明する。図12は、サブ制御部260の制御下で行われる演出制御処理の一例である。図12に示す演出制御処理は、サブ制御基板260aに実装されたCPU260bが、図示しないROM(CPU260bの内蔵ROMまたはサブ制御基板260aに実装されるROM)に格納されたプログラムに基づいて実行するもので、CPU260bのタイマ割込みが発生する毎(本実施例では4ms毎)に、始動入賞演出処理(S700)、図柄変動演出処理(S800)、大当り遊技演出処理(S900)、演出モード設定処理(S1000)、特定演出処理(S1100)の各処理が繰り返し実行される。
始動入賞演出処理(S700)では、始動口28(第1始動口28a、第2始動口28b)に遊技球が入球した場合に、演出表示装置25における保留表示演出の更新やスピーカ14a〜14dからの効果音出力が行われる。
次に、図柄変動演出処理(S800)を図13のフローチャートに基づいて説明する。まず、特別図柄が変動中であるか否かを判定する(S801)。この結果、特別図柄が変動中であると判定された場合には(S801:YES)、後述のS811の処理に移行する。一方、特別図柄が変動中でないと判定された場合には(S801:YES)、上記S508j、S509jの処理(図9参照)で、主制御部200から送信される図柄変動開始時コマンド(変動パターン指定コマンドおよび停止情報指定コマンド)を受信したか否かを判定する(S802)。
この結果、図柄変動開始時コマンドを受信していないと判定された場合には(S802:NO)、図柄変動演出処理を終了する。一方、図柄変動開始時コマンドを受信したと判定された場合には(S802:YES)、確率変動機能が作動中であるか否かを判定する(S803)。この結果、確率変動機能が作動中でないと判定された場合には(S803:NO)、S805の判定処理に移行し、確率変動機能が作動中であると判定された場合には(S803:YES)、演出モード設定処理を行う(S804)。ここで、演出モード設定処理を図14のフローチャートに基づいて説明する。
まず、確率変動機能の作動開始時であるか否かを判定する(S804a)。この結果、確率変動機能の作動開始時であると判定された場合には(S804a:YES)、演出モードの初期設定を行う(S804b)。本実施例では、S804aの処理において、確変状態の演出モードとして演出モードA(春モード)を初期設定する。一方、確率変動機能の作動開始時でないと判定された場合には(S804a:NO)、モード決定フラグがONに設定されているか否かを判定する(S804c)。「モード決定フラグ」は、遊技者が変更を希望する演出モードである変更決定演出モードが決定されていることを示すフラグである。
この結果、モード決定フラグがONに設定されていないと判定された場合には(S804c:NO)、演出モード設定処理を終了する。一方、モード決定フラグがONに設定されていると判定された場合には(S804c:YES)、サブ制御部260のRAMの所定領域に記憶された変更決定演出モードにしたがって演出モードを変更し(S804d)、モード決定フラグをOFFに設定する(S804e)。
次に、図13に戻り、特別図柄当否判定の結果が大当りであるか否かを判定する(S805)。特別図柄当否判定の結果は、変動パターン指定コマンドで指定される変動パターンの種類もしくは停止情報指定コマンドで指定される特別図柄の停止図柄の種類により判定することができる。
この結果、特別図柄当否判定の結果が大当りであると判定された場合には(S805:YES)、設定されている演出モードに対応する大当り時演出パターンテーブルを選択する(S806)。一方、特別図柄当否判定の結果が大当りでないと判定された場合には(S805:NO)、設定されている演出モードに対応する外れ時演出パターンテーブルを選択する(S807)。本実施例では、「大当り時演出パターンテーブル」と「外れ時演出パターンテーブル」として、上述した演出モードA〜Dの各々と個別に対応するテーブルが設けられており、具体的には、演出モードAに対応付けて「大当り時演出パターンテーブルA」および「外れ時演出パターンテーブルA」が設けられ、演出モードBに対応付けて「大当り時演出パターンテーブルB」および「外れ時演出パターンテーブルB」が設けられ、演出モードCに対応付けて「大当り時演出パターンテーブルC」および「外れ時演出パターンテーブルC」が設けられ、演出モードDに対応付けて「大当り時演出パターンテーブルD」および「外れ時演出パターンテーブルD」が設けられている。尚、これら演出パターンテーブルA〜Dには、各々異なる演出図柄の演出実行態様(演出表示パターンなど)が設定されている。
次に、S806またはS807の何れかの処理で選択された演出パターンテーブルを用いて、演出表示装置25の表示領域Vで実行する図柄変動演出の演出表示パターン(変動パターン)を決定し(S808)、特別図柄当否判定の結果に応じて演出図柄の停止図柄を設定する(S809)。そして、演出表示装置25の表示領域Vで演出図柄の変動表示を開始して図柄変動演出表示を開始する(S810)。
このS810の処理による「図柄変動演出表示」は、S808の処理で決定された演出表示パターンを指定するコマンド(演出表示パターン指定コマンド)およびS809の処理で設定された停止図柄を指定するコマンド(停止図柄指定コマンド)をサブ制御部260が演出表示制御部280に向けて送信し、それらコマンドを演出表示制御部280が受信することによって、演出表示制御部280の制御下で実現される。
次に、上記S512の処理(図7(a)参照)で主制御部200から送信される図柄停止コマンドを受信したか否かを判定する(S811)。この結果、図柄停止コマンドを受信していないと判定された場合には(S811:NO)、図柄変動演出処理を終了し、図柄停止コマンドを受信していると判定された場合には(S811:YES)、演出表示装置25の表示領域にて変動表示している演出図柄をS809で設定した停止図柄(疑似図柄)で停止表示させ、図柄変動演出表示を終了する(S812)。このS812の処理による「図柄変動演出表示の終了」は、主制御部200からの図柄停止コマンドを受信したサブ制御部260が、図柄変動演出表示の終了(演出図柄の停止図柄の確定表示)を指定するコマンド(演出停止コマンド)を演出表示制御部280に向けて送信し、そのコマンドを演出表示制御部280が受信することによって、演出表示制御部280の制御下で実現される。なお、「図柄変動演出表示の終了」に際しては、主制御部200から送信される図柄停止コマンドをサブ制御部260を介して演出表示制御部280に転送することとしてもよい。
次に、サブ制御部260が実行する演出モード選択決定処理(S1000)を図15に基づいて説明する。まず、確変状態中の演出モードA〜Dの変更が可能な演出モード変更可能期間中であるか否かを判定する(S1001)。上述のように、演出モード変更可能期間は、確変状態を開始してから最終回(本実施例では100回目)の特別図柄変動遊技が開始されるまで(確変状態を開始してから99回目の特別図柄変動遊技が終了するまで)となっている。
S1001の判定処理の結果、演出モード変更可能期間中であると判定された場合には(S1001:YES)、モード決定フラグがONに設定されているか否かを判定する(S1002)。
この判定処理の結果、モード決定フラグがONに設定されていないと判定されて場合には(S1002:NO)、モード選択フラグがONに設定されているか否かを判定する(S1003)。「モード選択フラグ」は、選択可能状態中であることを示すフラグであり、図3(b)または図3(e)のモード選択画面が表示されている場合にONに設定される。
S1003の判定処理の結果、モード選択フラグがONに設定されていないと判定されて場合には(S1003:NO)、演出表示装置25の表示領域Vで通常表示を行う(S1004)。S1004の処理では、特別図柄変動遊技中は図3(a)の通常表示を行い、デモ演出中は図3(d)の通常画面の表示を行う。
次に、演出表示装置25に通常画面が表示された状態で、第2演出ボタン9が操作されたか否かを判定する(S1005)。この結果、第2演出ボタン9が操作されていないと判定された場合には(S1005:NO)、演出モード選択決定処理を終了する。一方、第2演出ボタン9が操作されていると判定された場合には(S1005:YES)、モード選択フラグをONに設定し(S1006)、演出表示装置25の表示領域Vにモード選択表示を行う(S1007)。S1007の処理では、特別図柄変動遊技中は図3(b)のモード選択表示を行う、デモ演出中は図3(e)のモード選択表示を行う。これにより、選択可能状態が発生する。
次に、演出表示装置25にモード選択表示がされた状態で、左ボタン10または右ボタン11の操作があったか否かを判定する(S1008)。この結果、左ボタン10または右ボタン11の何れの操作もないと判定された場合には(S1008:NO)、S1010の処理に移行する。一方、左ボタン10または右ボタン11の操作があったと判定された場合には(S1008:YES)、変更候補演出モードを変更する(S1009)。
次に、演出表示装置25にモード選択表示がされた状態で、第2演出ボタン9の操作があったか否かを判定する(S1010)。この結果、第2演出ボタン9の操作がなかったと判定された場合には(S1010:NO)、演出モード選択決定処理を終了する。一方、第2演出ボタン9の操作があったと判定された場合には(S1010:YES)、モード選択フラグをOFFに設定し(S1011)、モード決定フラグをONに設定する(S1012)。これにより、選択可能状態が終了する。
そして、変更候補演出モードを変更決定演出モードとしてサブ制御部260のRAMの所定領域に記憶し(S1013)、演出表示装置25の表示領域Vにモード決定表示を行う(S1014)。S1014の処理では、特別図柄変動遊技中は図3(c)のモード決定表示を行い、デモ演出中は図3(f)のモード決定表示を行う。
次に、S1003の判定処理で、モード選択フラグがONに設定されていると判定された場合には(S1003:YES)、左ボタン10または右ボタン11が最後に操作されてから所定時間(本実施例では20秒)が経過したか否かを判定する(S1015)。この結果、所定時間が経過していないと判定された場合には(S1015:NO)、選択可能状態が継続するので、演出表示装置25の表示領域Vにモード選択表示を継続して行う(S1007)。このとき、図3(b)の図柄変動画面のモード選択表示中にデモ演出が開始された場合には、図3(e)のデモ画面のモード選択表示に移行する。また、図3(e)のデモ画面のモード選表示中に特別図柄変動遊技が開始された場合には、図3(b)の図柄変動画面のモード選択表示に移行する。
S1015の判定処理で、所定時間が経過したと判定された場合には(S1015:YES)、モード選択フラグをOFFに設定し(S1016)、演出表示装置25の表示領域Vに通常画面を表示する(S1004)。
次に、S1002の判定処理で、モード決定フラグがONに設定されていると判定された場合には(S1002:YES)、第2演出ボタン9の操作があったか否かを判定する(S1017)。この結果、第2演出ボタン9の操作がなかったと判定された場合には(S1017:NO)、演出表示装置25の表示領域Vのモード決定表示を継続する(S1014)。このとき、図3(c)の図柄変動画面のモード決定表示中にデモ演出が開始された場合には、図3(f)のデモ画面のモード決定表示に移行する。
S1017の判定処理で、第2演出ボタン9の操作があったと判定された場合には(S1017:YES)、モード決定フラグをOFFに設定し(S1018)、モード選択フラグをONに設定し(S1019)、演出表示装置25の表示領域Vにモード選択表示を行う(S1007)。
次に、S1001の判定処理で、演出モード変動可能期間中でないと判定された場合には(S1001:NO)、モード選択フラグがONに設定されているか否かを判定する(S1020)。この結果、モード選択フラグがONに設定されていないと判定された場合には(S1020:NO)、演出モード選択決定処理を終了する。一方、モード選択フラグがONに設定されていると判定された場合には(S1020:YES)、モード選択画面の表示中に確変状態の最終回(本実施例では100回目)の特別図柄変動遊技が開始したと判断できるので、モード選択フラグをOFFに設定し(S1021)、演出表示装置25の表示領域Vで通常表示を行う(S1022)。
次に、サブ制御部260が実行する特定演出処理(S1100)を図16に基づいて説明する。まず、S518の処理(図7(b))で主制御部200が送信する大当り遊技開始コマンドを受信したか否かを判定する(S1101)。この結果、大当り遊技開始コマンドを受信していないと判定された場合には(S1101:NO)、S1104の処理に移行する。一方、大当り遊技開始コマンドを受信したと判定された場合には(S1101:YES)、そのときの遊技状態が確変状態であるか否かを判定する(S1102)。
この結果、確変状態でないと判定された場合には(S1102:NO)、S1104の処理に移行する。一方、確変状態であると判定された場合には(S1102:YES)、今回実行される大当り遊技に関する大当り履歴情報を現在設定されている演出モードと関連づけてサブ制御部260のRAMに記憶する(S1103)。具体的には、本実施例の遊技機1は、確変状態中に大当り開始コマンドを受信することに基づいて、「有利期間の中の大当りの発生回数の総数」をサブ制御部260がカウント(計数)し、「大当り開始コマンドを受信したときに選択されていた演出モード」を参照して、「各演出モードでの大当りの発生回数」や「大当りの発生回数の最も多かった演出モード」を特定するように構成されており、特定した情報を大当り履歴情報として記憶するように構成されている。
次に、確変状態から通常状態に移行する特定の条件(特定条件)が成立したか否かを判定する(S1104)。本実施例のの遊技機は、確変状態中に大当りが発生することなく、特別図柄の変動回数が所定回数(100回)に到達すると、確変状態から通常状態に移行するため、特定条件として、「確変状態中に大当りが発生することなく、特別図柄の変動回数が所定回数(100回)に到達すること」が設定されている。なお、本実施例の遊技機は、大当り遊技の開始によっても、変動時間短縮機能、開放時間延長機能、確率変動機能の各機能を作動停止して確変状態が終了するものであり、大当り遊技の開始により通常状態に移行する。しかしながら、大当り遊技の終了後には、再度確変状態が発生して有利期間が継続されるため、本実施例では、「大当り遊技の開始による通常状態への移行」は特定条件に設定されていない。
S1104の判定処理の結果、特定条件が成立していないと判定された場合には(S1104:NO)、特定演出処理を終了する。一方、特定条件が成立したと判定された場合には(S1104:YES)、複数の演出モードで図柄変動演出が実行されたか否かを判定する(S1105)。
この結果、複数の演出モードで図柄変動演出が実行されていないと判定された場合には(S1105:NO)、特定演出処理を終了する。一方、複数の演出モードで図柄変動演出が実行されたと判定された場合には(S1105:YES)、RAMに記憶されている大当り履歴情報に基づいて特定演出を実行する(S1106)。本実施例では、特定演出として、前述したように「演出モード毎の大当り発生回数を示唆する演出(履歴表示)」と、「大当り発生回数の最も多かった演出モードを示唆する演出(強調表示)」とを行う。
以上説明した本実施例によれば、確変状態が終了して通常状態に移行する際に、確変状態中(有利期間中)の各演出モードでの大当り遊技に関する大当り履歴情報に基づいて特定演出を行っている。これにより、遊技者は演出モード毎の大当り履歴情報を認識することができ、「どの演出モードで大当りが発生したか」や「一番大当り発生回数が多かった演出モードはどれか」といったことを認識することが可能となる。さらに、確変状態の終了時に特定演出を実行することで、確変状態が終了する際の遊技者の満足感を高める(あるいは確変状態の終了による残念感を軽減する)といった効果も奏することができる。
また、本実施例では、確変状態中の図柄変動演出の演出モードを遊技者が選択可能に構成されている。このため、次回の確変状態で演出モードを選択する際に、特定演出に結果に基づいて「どの演出モードを選択するか」といった楽しみを持たせることもできる。さらに、確変状態中における演出モードの選択数が多いほど、特定演出の演出パターンが多様化することから、「特定演出の演出パターンを意識させて、確変状態中の演出モードの選択を行わせる」といった新たなゲーム性を提供することができる。
ここで、本実施例と各手段との対応について説明しておくと、「第1特別図柄」および「第2特別図柄」が「識別情報」に対応し、「第1特別図柄表示部61」および「第2特別図柄表示部62」が「識別情報表示手段」に対応し、「大当り図柄」が「特定結果」に対応し、「大当り遊技」が「特定遊技」に対応し、「大当り遊技を挟んで確変状態が連続的に発生する一連の期間」が「有利状態」に対応し、「大当り履歴情報」が「特定遊技に関する履歴情報」に対応し、主制御部200のCPU200bが「有利状態発生手段」に対応し、「図柄変動演出」が「有利状態中に行われる演出」に対応し、「図柄変動演出の演出パターン」が「演出実行態様」に対応し、サブ制御部260のRAMが「履歴情報記憶手段」に対応し、サブ制御部260のROMが「実行態様記憶手段」に対応し、サブ制御部260のCPU260bが「実行態様設定手段」、「特定手段」に対応し、サブ制御部260のCPU260bおよび演出表示制御部280のCPU280bが「特定演出実行手段」に対応している。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、上記実施例では、有利状態中(確変状態中)に特別図柄が大当り図柄で停止表示して大当り遊技が実行されると、当該大当り遊技に関する大当り履歴情報として、各演出モードでの大当り遊技の実行回数を記憶するように構成したが、これに限らず、大当り遊技の実行回数以外の情報を大当り履歴情報として記憶するように構成してもよい。例えば、大当り履歴情報を各演出モードで実行された大当り遊技での合計獲得賞球数(大当り遊技で得られた利益の大きさ)とすることができる。また、複数種類の大当り遊技を実行可能な構成であれば、大当り履歴情報を各演出モードで実行された大当り遊技の種類とすることができる。複数種類の大当り遊技としては、ラウンド数や大入賞口の開放時間が異なる大当り遊技を例示することができる。
また、上記実施例では、大当り遊技開始コマンドを受けることに基づいて大当り履歴情報を記憶する構成としたが、これに限らず、別のコマンドや時期に基づいて大当り履歴情報を記憶する構成としてもよい。たとえば、「大当り遊技の終了時に送信される大当り遊技終了コマンドを受けることに基づいて大当り履歴情報を記憶する構成」や「大当り遊技が実行されることに対応する特別図柄情報指定コマンドを受けることに基づいて大当り履歴情報を記憶する構成」等が例示することができる。
また、上記実施例では、大当り遊技終了後に特別図柄の変動回数に基づいて確変状態が終了するST機として構成したが、これに限らず、「大当り遊技の終了後に確率変動機能の作動を伴わない通常大当り」を設け、その通常大当りの発生による確変状態の終了により、有利期間が終了する構成としてもよい。この場合、確変状態は、「確率変動機能の作動を伴う確変大当り」が発生すると、該確変大当りに伴う大当り遊技中に一旦通常状態に移行するものの、大当り遊技終了後に再度確変状態に移行させて、有利期間が継続することとなる。一方、「確率変動機能の作動を伴わない通常大当り」が発生すると、該通常大当りに伴う大当り遊技中に通常状態に移行し、その大当り遊技終了後に通常状態を継続させて、有利期間が終了することとなる。
また、上記実施例では、確変状態を有利状態とした構成について説明したが、有利状態は特別図柄の図柄変動遊技を有利に進行させることができる状態であればよく、確率変動機能が作動せず、開放時間延長機能および変動時間短縮機能が作動する状態(電サポ状態)を有利状態としてもよい。
また、上記実施例では、図柄変動演出の演出モードとして、「春モード」、「夏モード」、「秋モード」および「冬モード」からなる4つの演出モードを設けたが、これに限らず、図柄変動演出の演出モードが少なくとも2つ以上設けられていればよい。
また、上記実施例では、特定演出として、確変遊技が開始してから通常遊技に移行するまでの1回の連続確変状態中に実行された大当り遊技に関する大当り履歴情報に基づく特定演出を実行したが、これに限らず、複数回の連続確変状態中に実行された大当り遊技に関する大当り履歴情報に基づく演出を実行するように構成してもよい。これにより、大当り履歴情報を次回の連続確変状態に持ち越すことが可能となり、特定演出にて複数回の連続確変状態中の大当り履歴情報を参照することができる。例えば一日単位で大当り履歴情報を次回の連続確変状態に持ち越し可能とすることができ、特定演出にてその日の大当り履歴情報が参照できるようにすることができる。
また、上記実施例の構成において、設定可能な演出モードのすべてで大当りが発生した場合に、次回の確変状態の開始時に図柄変動演出の演出モードとして特別な演出モードを選択可能とするように構成してもよい。例えば、遊技開始時に図柄変動演出の演出モードとして「春モード」および「夏モード」からなる2つの演出モードを選択可能としておき、これらの演出モードのそれぞれで大当りが発生した場合に、選択可能な演出モードに「秋モード」と「冬モード」を追加するように構成することができる。
また、上記実施例の構成において、設定可能な演出モード(上記実施例では「春モード」、「夏モード」、「秋モード」、「冬モード」からなる4つの演出モード)のすべてで大当りが発生して大当り履歴情報が記憶された場合には、確変状態の終了時に通常と異なる特別な態様で特定演出を実行してもよい。例えば、上記実施例の構成において、最初の確変状態の開始時に「『春モード』、『夏モード』、『秋モード』、『冬モード』のすべてで大当りを発生させろ!」といったメッセージを表示し、これらの演出モードのすべてで大当りを発生させることができた場合に、特定演出を特別な態様で実行することができる。これにより、与えられたミッション(すべての演出モードで大当りを発生させること)をクリアしたことで、特定演出を特別な態様で実行させることができたような印象を与えることができる。
また、上記実施例では、連続的に発生する確変状態の終了時(有利期間の終了時)に特定演出を行うように構成したが、これに加えて、有利期間が終了する前の所定時期(中間段階)において、そのとき記憶されている大当り履歴情報に基づく中間特定演出を実行してもよい。これにより、有利期間が終了する前においても、演出モード毎の大当り履歴情報を認識することができる。なお、中間特定演出で示される内容は、簡易的な内容(例えば大当り発生回数のみ)を表示する演出とし、有利期間の終了時に実行する特定演出にて詳細な内容(例えば大当り発生回数および合計獲得賞球数)を示すようにすることができる。このような構成においては、「サブ制御部260のCPU260b」が「中間演出実行手段」に対応する。
また、上記実施例では、確変状態中(有利状態中)に複数の演出モードで図柄変動演出が実行された場合に特定演出を実行するように構成したが、確変状態中(有利状態中)に1種類の演出モードでのみ図柄変動演出が実行された場合に、この1種類の演出モードでの大当り履歴情報に基づいて特定演出を実行するように構成してもよい。この場合には、特定演出によって、その1種類の演出モードにおける大当り履歴情報を認識することができ、次回の確変状態で当該演出モードを選択するか、あるいは他の演出モードを選択するかといった楽しみを持たせることもできる。
また、上記実施例では、確変状態中に大当りが発生した場合に、大当り発生時の演出モードでの大当り履歴情報を示す特定演出を実行するように構成したが、これに限らず、確変状態中に大当りが発生しなかった演出モードに対して特定演出を実行するように構成してもよい。つまり、特定の演出モードで大当りが発生しなかった場合には、当該演出モードでの大当り発生回数が0回であることを示せばよい。この場合は、大当り履歴情報に大当りが発生しなかったという情報が含まれることとなる。
また、上記実施例では、図柄変動演出の演出モードを遊技者が選択可能に構成したが、これに限らず、遊技機側で図柄変動演出の演出モードを設定するように構成してもよい。
また、上記実施例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を「貸球」や「賞球」として利用し、遊技盤に設けられた各種入賞口(第1始動口、第2始動口、大入賞口等)への遊技球の入球に応じて所定数の賞球を払い出すことによって、遊技上の利益(遊技価値)を遊技者に付与する遊技機(パチンコ機)に本発明を適用した例を説明したが、「賞球の払い出し」とは異なる形態で遊技上の利益を付与するタイプの遊技機にも、本発明を適用することができる。
例えば、各種入賞口への遊技球の入球が発生することで、その入球に対応する利益の量(遊技価値の大きさ)を示すデータを主制御部あるいは払出制御部のRAMに記憶することによって、遊技上の利益(遊技価値)を遊技者に付与するタイプの遊技機にも本発明を適用することができ、この場合にも、上記実施例と同様の効果を得ることができる。なお、遊技上の利益(遊技価値)をデータ化して遊技者に付与するタイプの遊技機としては、遊技機に内蔵された複数個の遊技球を循環させて使用する遊技機、具体的には、各種入賞口あるいはアウト口を経て遊技盤の裏面に排出された遊技球を、再度、発射位置に戻して発射するように構成された遊技機(いわゆる封入式遊技機)を例示できる。