JP2009082288A - 男性用尿吸収パッド及びパッド対応下着 - Google Patents

Abstract

【課題】 着用時に圧迫感がない履き心地であり、放尿の際の横漏れを確実に防止し、しかも着用時のシルエットが自然で見栄えのよい男性用の尿吸収パッド及びパッド対応下着に関する。
【解決手段】下着の股部内側に尿吸収パッドを設け、且つ同パッドの前身部に立体的な膨らみ部（ダーツ）を設けたことにより、陰茎が立体的な膨らみ部内で安定保持され、更にクロッチ部に凸状部を設けたことにより、ふぐりの位置も安定化し、排尿位置が略定位置に向いて固定されるため、尿吸収パッドからの尿の漏れ出しがなくなり、また装着時のシルエットが自然な男性用尿吸収パッド及びパッド対応下着が得られる。
【選択図】図１

Description

本発明は、尿吸収パッドの前身部に立体的な膨らみ部を設け、且つクロッチ部に凸状部を設けることで、陰茎の位置を固定されて放尿の方向が安定化し、外漏れを防止するとともに、着用時のシルエットが良好な男性用尿吸収パッド及びパッド対応下着の構造に関する。

尿吸収パッドは、主に排尿障害（尿失禁）用の尿専用の吸収目的のパッドである。排尿障害の原因としては、事故や手術の後遺症、あるいは病気の影響というケースもあるが、男性では年齢５５歳以上に多くみられる。またその症状には差があり、軽いものとしては、力んだ際に少量の尿失禁をしてしまう、所謂尿漏れがある。軽い尿漏れの場合でも、通常の下着では吸収しきることは出来ないことが多く、その場合ズボン等にその染みが外側からみえる為、パンツ等の下に尿吸収パッドを肌に当て使用することが多い。

従来、尿吸収パッドとしては略長方形かつ平面状のものが多いが、男性の場合は陰茎やふぐりがあるため、そのような平面形状では圧迫感を感じるだけでなく、陰茎の位置が定まらず放尿時に横漏れを起しやすい。そのため、様々な立体状の尿吸収パッドが提案されている。例えば、特許文献１では、略Ｃ字形状の吸収性物品の外縁部を接合した構成であり、使用時に左右に開いた場合に立体状を構成する発明を開示されている。しかしながら、パッド装着時に立体形状が好ましいパッド前部以外も立体形状であるため、履き心地やフィット性が悪くなる恐れがあった。
また、必要とはいえ尿吸収パッドを装着しなければならないことについて使用者としては心理的負担を感じる場合が多く、その心理的負担を減らすためには着用時のシルエット（外観）が自然で見栄えよいことも求められている。

特開２００４−２６７３５６号公報

本発明はこのような点に鑑みなされたもので、着用時に圧迫感がない履き心地であり、放尿の際の横漏れを確実に防止し、しかも着用時のシルエットが自然で見栄えのよい男性用の尿吸収パッドを提供することを目的とするとともに、前記尿吸収パッドを固定し、装着するのに適したブリーフ等の男性用の下着を提供することを目的とする。

本発明は、尿吸収パッドの前身部に立体的な膨らみ（ダーツ）部を設けると共に、クロッチ部に凸状部を設けることで、立体的な膨らみ部内に陰茎が包含されて納まり感が良く、しかもふぐりの部位が凸状部の位置に掛止、固定されるために、陰茎の位置が立体的な膨らみ部内で位置決め、安定化され、放尿が常に立体的な膨らみ部内で行われ、また前記凸状部での尿の吸収量を多くすることで尿の後身側への流れが阻止され、下着本体への外漏れが防止され、更に着用時のシルエットに優れ、着用感の良好な尿吸収パッドに関する。

また本発明は、下着の股部内側に前身部、クロッチ部及び後身部からなる防水性生地を設け、且つ前身部或いは後身部或いは前身部及び後身部双方における先端で幅方向の端縁部に袋状部を設け、前記の尿吸収パッドの前身部及び／または後身部の先端部を夫々前記袋状部内に挿入し、保持されるように構成するパッド対応下着の構造に関する。

本発明により、尿吸収パッドの前身部の立体的な膨らみ部は陰茎やふぐりを圧迫感なく包み、陰茎の排尿口が立体的な膨らみ部（略三角錐状）の頂部に向いて安定的に位置決められ、またクロッチ部の凸状部でふぐりが掛止、位置が安定化されて陰茎の位置がより安定化され、且つ尿の流れが同凸状部で確実に吸収、遮断されるので、尿の横漏れや後身側への流れを阻止する。更に同パッドの前身部の立体的な膨らみ部は、着用時の履き心地やシルエット、外観など機能性に優れた着用感の良好な男性用の尿吸収パッドが得られる。
また防水性生地の前身部或いは後身部或いは前身部及び後身部双方における先端で幅方向の端縁部に袋状部に尿吸収パッドを合わせて取り付ける構成にすることで、同パッドが毎回適正な位置に固定されるパッド対応下着が得られるのである。

本発明は、尿吸収パッドの前身部に立体的な膨らみ部を設け、且つクロッチ部に凸状部を設けて放尿する部位を安定化し、更に下着本体への尿漏れを防止するようにした着用感の良好な尿吸収パッド及びパッド付き下着の構造に関するもので、以下図例に基づいて説明する。

１は男性用パンツで、３は身生地、５は前身頃、６は股部、７は後身頃、２０は瓢箪状や適宜の長方形状などで形成された尿吸収パッドで、同パッド２０において、２１は前身部、２２はクロッチ部、２３は後身部で、同前身部２１にはダーツ部の形成による舟形状（略円錐形状）の膨らみ部２９を形成するようにしてある。尚、舟形状の膨らみ部２９を形成する際、前身部２１に予め設けた略三角形状の切除部２７を適宜に縫着若しくは溶着などの手段により固着２８し、ダーツ部が形成されることにより、即ち舟形状の膨らみ部２９が形成され、３８は同膨らみ部２９の頂部である。

従って舟形状（略円錐形状）の立体的な膨らみ部２９内に陰茎が、圧迫なく、安定的に収納、保持されることにより、陰茎の収まり感がよく、更に舟形状の膨らみ部２９は、滑らかで、自然な曲線で形成されており、着用時は優美なシルエット感が発揮され、履き心地に富んだ下着が得られるのである。また舟形状の壁面両側が、立壁状に形成された自然な膨らみ部２９内において、排尿された尿は、膨らみ部２９の側方へ流れ出ることなく、尿吸収パッド２０側に確実に吸着されることにより、着用者に安心感が与えられる。

また５０はクロッチ部２２に設けた凸状部で、同凸状部５０を介してふぐりが、安定的に確実に掛止されるようにしてあり、更に陰茎が前記膨らみ部２９内で安定的に保持され、位置決めされることにより、排尿される部位がずれることなく、膨らみ部２９の頂部３８近辺に向かって略定位置に排尿されるので、尿吸収パッドからの漏れがし難く、安心感が得られるのである。また排尿された尿が、凸状部５０の部位にて、吸収、遮断されることにより、尿が、尿吸収パッドの外側や尿吸収パッド２０の後身部２３の部位まで漏れ出すことがなく、安心して着用することができるのである。

７０は略長方形状の防水性生地で、尿吸収パッド２０において尿が漏れ出たとき、尿がパンツ１の身生地３側に流れ出るのを遮断するようにしたものである。また７５、７６、７７は夫々防水性生地７０の前身部、クロッチ部及び後身部であり、同防水性生地７０は、前身７５及び後身７７の先端で幅方向の端縁部を、パンツ１の股部内面側に縫着や熱接着等の手段で固定する。同防水性生地７０の前身７５及び／或いは後身７７の先端で幅方向の端縁部には袋状部７２、７２を設けてあり、尿吸収パッド２０を装着する際に、同パッド２０の前後の先端部を同袋状部７２、７２内に挿入し保持するとともに、同パッド２０が適正な位置に装着されるようにしてある。

また防水性生地７０の大きさは、尿吸収パッド２０の外形よりも大きめに形成してあり、尿吸収パッド２０から尿が漏れ出たときでも、パンツ１の身生地３を濡らさぬようカバーしている。また防水性生地７０の素材としては、例えばポリエステル系繊維やナイロン繊維などの合成繊維による編織物生地に対して周知の撥水処理加工を施した生地を用いる。

尿吸収パッド２０が布製の場合の実施例を記載する。

本発明の尿吸収パッド２０の構成として、まず肌に接する面は、吸湿性及び速乾性が高い被覆用生地３０からなり、尿漏れがあった後でも表面がさらっとした感触を保つようにしてある。同被覆用生地３０としては、ポリエステル系繊維やナイロン繊維のトリコットパイル生地を使用する。また肌側とは逆の面には、吸収した尿が吸収パッドの外側に染み出さないようにする防水性素材３２を設ける。防水素材３２としては、ポリエステル繊維の天竺編地に撥水加工を施した布を用いて縫着や熱接着する方法や、またはポリウレタンの防水シートをラミネートする方法が用いられる。そして被覆用生地３０と防水性素材３２との間に不織布３１を設けて尿を吸収、保持する。不織布３１としては、吸水性が高く乾きやすい、セルロース系やポリエステル系の中綿が用いられる。

また凸状部５０の構成としては、例えば綿糸や、ポリエステル系繊維、ナイロン繊維などの天然繊維若しくは合成繊維による吸湿性の被覆用生地５１、５３間に吸水性の不織布５２を介在させ、且つ凸状部５０を適宜の縫着や熱接着などの手段を介して尿吸収パッド２０に固着５５するようにしてある。但し、被覆用生地５３が無い場合も可能である。また、凸状部５０を別に製作して尿吸収パッド２０に固着せず、当該部分の不織布３１の量を増やして凸状部５０を構成することも可能である。

前記尿吸収パッド２０をパンツ１に装着する場合、防水性生地７０に設けた袋状部７２、７２に、同パッド２０の前後の先端部を同袋状部７２、７２内に挿入し保持するが、さらに安定に装着するために、同パッド２０の裏面側の適宜の位置に周知の面状ファスナー８０を固着しておき、更に防水性生地７０の股部側内面に、面状ファスナー８０に対応する位置に面状ファスナー９０を固着しておき、それぞれを圧着して留めることで、尿吸収パッド２０を防水性生地７０の股部側内面に着脱自在に装着することも可能である。

面状ファスナーを設ける位置については、図９及び図１０に、尿吸収パッド２０の前身２１及び後身２３のそれぞれ裏面側に面状ファスナー８０、８０、また防水性生地７０の前身７５及び後身７７の股部側内面に面状ファスナー９０、９０を設けた例を図示する。

上記実施例では、繰り返し使用可能な布製パッドについて記載したが、使い捨ての紙製パッドについても適用が可能である。また下着としては、男子用パンツ以外に、ブリーフや猿股類など各種の広範囲の商品に適用することが可能である。

本発明において股部側内面に尿吸収パッドを装着したパンツを裏返した状態の前身側概略正面図である。 本発明において股部側内面に尿吸収パッドを装着したパンツを裏返した状態の後身側概略背面図である。 本発明における尿吸収パッドの概略平面図である。 本発明における尿吸収パッドにダーツ形成用の切除部を設けた状態の概略平面図である。 図４におけるＸ−Ｘ断面図である。 本発明における尿吸収パッドの概略斜視図である。 本発明における尿吸収パッドを防水性生地に係止、保持した状態の概略斜視図である。 本発明における防水性生地について、面状ファスナーを設けた実施例の場合の概略平面図である。 本発明における尿吸収パッドを防水性生地に係止、保持した状態の概略平面図である。 尿吸収パッドと防水性生地を面状ファスナーで係止した場合の図９におけるＹ−Ｙ断面図である。

符号の説明

１ 男性用パンツ
３ 身生地
２０ 尿吸収パッド
２７ 切除部
２９ 膨らみ部
５０ 掛止用凸状部
７０ 防水性生地
７２ 袋状部
８０ 面状ファスナー
９０ 面状ファスナー

Claims (5)

1. 前身部、クロッチ部及び後身部からなり、同前身部にダーツ状の膨らみ部を設けたことを特徴とする尿吸収パッド。
2. 尿吸収パッドの部材において、前身部の先端側中央部分に略三角形状の切除部を設け、同三角形状の切除部端縁を相互に接合または係合して、ダーツ状の膨らみ部を形成したことを特徴とする請求項１に記載の尿吸収パッド。
3. クロッチ部の長手方向（股部の身丈方向）の中心部で、且つ幅方向に横長状の凸状部を設けたことを特徴とする請求項１から２に記載の尿吸収パッド。
4. 下着の股部内側に前身部、クロッチ部及び後身部からなる防水性生地を設け、且つ前身部或いは後身部、或いは前身部及び後身部双方における先端で幅方向の端縁部に袋状部を設け、尿吸収パッドの前身部及び／または後身部の先端部を夫々前記袋状部内に挿入し、保持されるように構成したことを特徴とする尿吸収パッド対応下着。
5. 前記下着が男性用のパンツ、ブリーフ、トランクス、または猿股類であることを特徴とする請求項４に記載の尿吸収パッド対応下着。

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