JP2002052041A - 使い捨て吸収性物品およびその製造方法 - Google Patents

使い捨て吸収性物品およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】身体接触部へのフィット性を向上させる。 【解決手段】線対称をなす左右一対の吸収性シートパー
ツA,Bから構成される。各吸収性シートパーツA,B
は透液性トップシート2と不透液性バックシート4との
間に吸収コア3を配し、周縁の全体において透液性トッ
プシート2と不透液性バックシート4とをヒートシール
やホットメルト接着剤や熱収縮性接着剤等により接着し
て形成される。特に各吸収性シートパーツA,Bにおけ
る、対応する吸収性パーツとの接合端縁E1の男性性器
相当部EXが、弧状に張り出した形にそれぞれ立体裁断
されており、これら吸収性シートパーツA,B相互を、
製品幅方向中心線において対称をなす端縁E1,E1に
おいて接合することにより、男性性器の膨らみ形状に沿
う立体形状の吸収性ポケット部8が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙おむつや生理用
ナプキン等の、身体の所定部位に接して使用される使い
捨て吸収性物品およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、従来のこの種の使い捨て
吸収性物品は、透液性トップシートと不透液性バックシ
ートとの間に吸収コアを配してなる吸収要素や、製品外
形をなす外形シートから構成されており、これら面パー
ツはいずれも平面的なものである。そのため、これをそ
のまま立体的な身体の所定部位にフィットさせることは
できない。
【0003】よって、従来は、適所に糸ゴム等の弾性伸
縮部材を配置して吸収性物品を装着部の身体表面形状
(臀部の膨らみ、臀裂、男性性器)に沿うように強制的
に撓ませたり、部分的に収縮させたりすることにより立
体形状にしていた。さらに身体表面と吸収性物品との空
隙をなくすために、いわゆる立体ギャザー(カフス)を
設けることも行われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の吸収性物品においては、身体表面に対するフィッ
ト性に問題点が残されていた。
【0005】すなわち従来の吸収性物品では、平面的な
面パーツを、複雑な凹凸や曲面のある立体的な身体表面
形状に沿うように、強制的に変形させているため、身体
表面形状に沿えない部分に皺等の空隙を生じ、当該部分
が身体の動きに追随できずズレを生じたり、着用者に違
和感を覚えさせたりするという問題点があった。
【0006】特に吸収要素は、その吸収コアが折り目無
く綺麗に撓みにくいため、皺等の空隙を生じ易い。かか
る空隙を生じた場合、前述の問題点のほかにも吸収性能
が阻害されるという問題点が発生する。
【0007】そこで、本発明の主たる課題は、吸収性物
品の身体表面へのフィット性を向上させることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明のうち、請求項1記載の発明は、身体の所定部位に接
して使用される使い捨て吸収性物品であって、少なくと
も一部分が、立体裁断およびその接合により身体接触部
に沿う立体形状に形成された、ことを特徴とする使い捨
て吸収性物品である。
【0009】請求項2記載の発明は、複数のシートパー
ツの端縁相互が接合されて形成された、身体の所定部位
に接して使用される使い捨て吸収性物品であって、前記
シートパーツにおける接合端縁の少なくとも一部が立体
裁断され、且つ対応するシートパーツの接合端縁と接合
されることにより、当該接合部分に身体接触部に沿う立
体形状部分が形成された、ことを特徴とする使い捨て吸
収性物品である。
【0010】請求項3記載の発明は、単数のシートによ
り又は複数のシートの端縁相互を接合することにより形
成された、身体の所定部位に接して使用される使い捨て
吸収性物品であって、前記シートの少なくとも一部に立
体裁断により切欠部が形成され且つこの切欠部の端縁相
互が接合されることにより、当該接合部分に身体接触部
に沿う立体形状部分が形成された、ことを特徴とする使
い捨て吸収性物品である。
【0011】請求項4記載の発明は、前記シートが、透
液性トップシートと不透液性バックシートとの間に吸収
コアを配してなる吸収性シート、吸収性を有しない非吸
収性シートおよび弾性伸縮部材が配置固定された弾性伸
縮シートの少なくとも一種とされた、請求項2または3
記載の使い捨て吸収性物品である。
【0012】請求項5記載の発明は、前記接合部が、製
品前後方向に沿って形成された、請求項1〜4のいずれ
か1項に記載の使い捨て吸収性物品である。
【0013】請求項6記載の発明は、前記接合部が、製
品前後方向に沿って且つ製品幅方向に間隔をおいて複数
形成された、請求項1〜5のいずれか1項に記載の使い
捨て吸収性物品である。
【0014】請求項7記載の発明は、排尿器官および排
便器官の少なくとも一方に相当する部分が、前記立体裁
断およびその接合によりポケット状をなすように形成さ
れた、請求項1〜6のいずれか1項に記載の使い捨て吸
収性物品である。
【0015】請求項8記載の発明は、身体の所定部位に
接して使用される使い捨て吸収性物品を製造する方法で
あって、少なくとも一部分を、立体裁断およびその接合
により身体接触部に沿う立体形状に形成する、ことを特
徴とする使い捨て吸収性物品の製造方法である。
【0016】請求項9記載の発明は、身体の所定部位に
接して使用される使い捨て吸収性物品を製造する方法で
あって、少なくとも一部が立体裁断された接合端縁を有
する複数のシートパーツを製造するとともに、これら複
数のシートパーツの端縁相互を接合することによって、
当該接合部分に身体接触部に沿う立体形状部分が形成さ
れた使い捨て吸収性物品を製造する、ことを特徴とする
使い捨て吸収性物品の製造方法である。
【0017】請求項10記載の発明は、身体の所定部位
に接して使用される使い捨て吸収性物品を製造する方法
であって、少なくとも一部が立体裁断により形成された
切欠部を有するシートを製造するとともに、このシート
における切欠部の端縁相互を接合することによって、当
該接合部分に身体接触部に沿う立体形状部分が形成され
た使い捨て吸収性物品を製造する、ことを特徴とする使
い捨て吸収性物品の製造方法である。
【0018】<作用>本発明によれば、立体裁断(例え
ば直線でない曲線状又は屈曲線状の裁断であって接合し
製品となったときに身体接触部表面に沿う立体形状とな
るもの)およびその接合により、弾性伸縮部材による変
形を利用せずに、身体接触部に沿う立体形状に形成する
ことができ、吸収性物品の身体表面へのフィット性を向
上させることができる。またそれによって、横漏れ等の
漏れ防止能力が向上する、および体型に合った製品を製
造できる等の利点がもたらされる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て添付図面を参照しつつ詳説する。 <第1の吸収性物品例>図1〜図4は、いわゆる失禁パ
ッドに本発明を適用した例1を示している。本例の失禁
パッド1は、線対称をなす左右一対の吸収性シートパー
ツA,Bから構成される。各吸収性シートパーツA,B
は全体的には略矩形とされ、不織布などからなり着用者
の肌に直接触れる透液性トップシート2とポリエチレン
プラスチックフィルムなどからなる不透液性バックシー
ト4との間に綿状パルプ等からなりある程度の剛性を有
する吸収コア3を配し、周縁の全体において透液性トッ
プシート2と不透液性バックシート4とをヒートシール
やホットメルト接着剤や熱収縮性接着剤等により接着し
て形成されている。これら接着剤等の接着手段は、図4
に*で示されている(以下の例に同じ)。
【0020】そして、図1と図3との対比からも明らか
なように、これら吸収性シートパーツA,B相互が、製
品幅方向中心線において対称をなす端縁E1,E1にお
いて透液性トップシート2,2がわ面を合わせるように
接合されている。よって、パーツ相互の接合部7は、製
品前後方向に沿ってかつ製品外側に突出するように形成
される。
【0021】特徴的には、各吸収性シートパーツA,B
において、対応する吸収性パーツとの接合端縁E1の男
性性器相当部EXが、接合後においてポケット部(凹
部)8が形成されるように、弧状に張り出した形にそれ
ぞれ立体裁断されている。もちろん、接合端縁Eの他の
部位または全体を立体裁断により接合後に身体接触部に
沿う立体形状となるように形成することもできる。
【0022】さらに図示するように本発明では、各パー
ツの脚周り端縁(非接合端縁)E2,E2に沿って脚周
りギャザーG,Gを設けることもできる。本例の脚周り
ギャザーG,Gは、図4に示されるように、各シート状
パーツA,Bの脚周り端縁部E2,E2から使用面側に
突出するようにそれぞれ形成されており、実質的に幅方
向に連続したギャザーシート5と、たとえば糸ゴムから
なる弾性伸縮部材6(図示例では一本とされているが複
数本であっても良い)とにより構成されている。
【0023】より詳細には、本例の脚周りギャザーGに
おいては、ギャザーシート5の基端部5P(製品幅方向
一端部)が吸収性シートパーツの脚周り端縁部E2にホ
ットメルト接着等により接着固定される一方、他端側が
自由とされ、この自由端側先端部が折り返され、折り返
し部分5Tに弾性伸縮部材6Aが挟まれホットメルト接
着剤などにより固着されており、また特に長手方向前後
端部においては、起立部相当部(起立部の延長部)5
F,5Bが、物品の中央側に向かう状態で物品に、具体
的には脚周り端縁部E2のみならず透液性トップシート
2表面に固定されている。なお、各ギャザーシート5
は、透液性でなく不透液性もしくは疎水性であるのが望
ましい。また透液性シートに対してシリコン処理などに
より液体をはじく性質となるようにしたものも用いるこ
とができる。図示例では、比較的に簡素なギャザーを取
付けているが、他の公知のギャザーを取付けることもで
きる。
【0024】さらに図示するように、本発明では、各パ
ーツの脚周り端縁E2,E2における透液性トップシー
ト2と不透液性バックシート4との間に、脚周りに沿っ
て弾性伸縮部材6B,6Bを配置固定することもでき
る。また、他の部位にも弾性伸縮部材を配置することは
可能である。なお、この脚周り弾性伸縮部材6A,6B
により、脚周り端縁が長手方向に若干収縮されるもの
の、これら脚周り弾性伸縮部材6A,6Bの有無に関係
なく、立体裁断部は身体表面に沿う立体形状になること
はいうまでもない。
【0025】かくして、本形態においては、男性性器相
当部に、男性性器の膨らみ形状に沿う立体形状の吸収性
ポケット部8が形成されているため、この吸収性ポケッ
ト部8に男性性器が圧迫されることなく収容される。よ
って、フィット性が良好となり、皺等の空隙やズレが生
じ難いとともに、着用者に違和感を覚えさせ難くなる。
またそのため、特に吸収性ポケット部8において吸収性
能が阻害され難く、集中的に尿を受け入れ吸収できるこ
ともあいまって、漏れが生じ難くいパッドとなる利点も
ある。
【0026】<第2の吸収性物品例>図5〜図10は、
着用に際して側縁部(腰脇部)相互を止着テープにより
止着する、いわゆるテープ止着紙おむつに本発明を適用
した例10を示している。なお、図中FDは前身頃を示
し、BKが後身頃を示している。
【0027】本例の紙おむつ10は、図8の分解状態と
他の図との対比からも判るように、臀裂部を通る製品幅
方向中心線、臀部膨らみ頂上部を通り製品幅方向中心線
と平行な各線において分割された、左右一対の中央部吸
収性シートパーツA,A’と、その両側の左右一対の側
端部吸収性シートパーツB,B’とから構成されてい
る。よって、本例の場合、接合部7,7…は、製品前後
方向に沿って且つ製品幅方向に間隔をおいて複数形成さ
れる。
【0028】各シートパーツの長手方向(製品前後方
向)に沿う両端縁は、隣接シートパーツの対応する端縁
と線対称をなすように形成されている。具体的には、図
8に示されるように、各中央部吸収性シートパーツA,
A’における製品幅方向中心線に沿う端縁E3相互が線
対称をなすように形成されており、また各中央部吸収性
シートパーツA,A’における臀部膨らみ頂上部を通り
製品幅方向中心線と平行な各線に沿う端縁E4,E4
と、対応する側端部吸収性シートパーツB,B’の中央
側端縁E5,E5とが線対称をなすように形成されてい
る。そして、図5と図8との対比からも判るように、各
中央部吸収性シートパーツA,A’相互が、製品幅方向
中心線に沿う端縁E3,E3において透液性トップシー
ト2,2がわ面を合わせるように接合される一方で、各
中央部吸収性シートパーツA,A’における臀部膨らみ
頂上部を通り製品幅方向中心線に平行な各線に沿う端縁
E4,E4と対応する側端部吸収性シートパーツB,
B’の中央側端縁E5,E5とが、透液性トップシート
2,2がわ面を合わせるように接合される。
【0029】特に、各中央部吸収性シートパーツA,
A’における製品幅方向中心線に沿う端縁E3,E3に
おいては、男性性器相当部EXが、接合後においてポケ
ット部(凹部)8Aが形成されるように、弧状に張り出
した形にそれぞれ立体裁断により形成されている。
【0030】また、各中央部吸収性シートパーツA,
A’における臀部膨らみ頂上部を通り製品幅方向中心線
に平行な各線に沿う端縁E4,E4と、各側端部吸収性
シートパーツB,B’における同じく臀部膨らみ頂上部
を通り製品幅方向中心線に平行な各線に沿う端縁E5,
E5とにおいては、臀部膨らみに相当する部分EY,E
Yが、接合後において臀膨らみ部(凹部)8B,8Bが
形成されるように、弧状に張り出した形にそれぞれ立体
裁断により形成されている。
【0031】他方、本例においては、特に図9に詳細に
示されるように、各側端部吸収性シートパーツの脚周り
端縁(非接合端縁)E6,E6に沿って、前述第1の物
品例と同様の脚周りギャザーG,Gが設けらており、ま
た各側端部吸収性シートパーツの脚周り端縁E6,E6
における透液性トップシート2と不透液性バックシート
4との間に、脚周りに沿って弾性伸縮部材6B,6Bが
配置固定されている。
【0032】また、図6に示されるように、前身頃FD
における下腹部相当部表面に止着受けシート9Aが配置
固定されるとともに、後身頃BKにおける側端部に止着
テープ9B,9Bが取付けられており、おむつ10は、
使用形状にされた後に、後身頃両側端部の止着テープ9
B,9Bを前身頃FDの止着受けシート9Aに貼り付け
ることにより身体に装着される。止着テープ9Bとして
は止着面に粘着剤や多数の微小フックが取付けられたも
のを用いるこができ、前者の場合の止着受けシートとし
ては粘着剤が接着される合成樹脂等のフィルムを用いる
ことができ、後者の場合の止着受けシートとしては微小
フックが引っ掛かる多数の微小リングが表面に形成され
たシートを用いることができる。
【0033】かくして、本形態の紙おむつ10において
は、図6および図7からも判るように、男性性器相当部
に前述第1の例と同様な男性性器の膨らみ形状に沿う立
体形状の吸収性ポケット部8Aが形成されるとともに、
各臀部の膨らみに相当する部分にその膨ら形状に沿う立
体形状の臀膨らみ部8B,8Bがそれぞれ形成され、ま
た臀裂部に相当する臀膨らみ部8B,8B間中央に、中
央部吸収性シートパーツA,A’の接合部7により臀裂
部形状に沿う立体形状の谷部8Cが形成され、おむつ装
着部の身体表面全体に対して略理想的にフィットする紙
おむつとなる。よって、前述第1の例と同様の利点のほ
か、例えば服の下に着用しても嵩張ることなく、外側か
らおむつの着用の有無が判り難い等の利点ももたらされ
る。
【0034】<第3の吸収性物品例>図10〜図14
は、いわゆるパンツ型紙おむつに本発明を適用した例2
0を示している。
【0035】本例のパンツ型紙おむつ20は、図13の
分解状態と他の図との対比からも判るように、臀裂部を
通る製品幅方向中心線、臀部膨らみ頂上部を通り製品幅
方向中心線と平行な各線、および腰脇部の前後各線にお
いて分割された、左右一対の中央部吸収性シートパーツ
A,A’と、その両側の左右一対の側端部吸収性シート
パーツC,C’と、一方の側端部吸収性シートパーツC
と他方C’とを腰脇部相当個所において繋ぐ、左右一対
の腰脇部弾性伸縮シートパーツD,D’とから構成され
ている。なお、この弾性伸縮シートパーツD,D’とし
ては、シート材上またはシート材間に、複数の糸ゴム等
の弾性伸縮部材6Cを製品前後方向に沿って且つ相互に
平行に配置固定してなるものである。
【0036】各シートパーツの長手方向(製品前後方
向)に沿う両端縁は、隣接シートパーツの対応する端縁
と線対称をなすように形成されている。具体的には、図
13に示すように、各中央部吸収性シートパーツA,
A’における製品幅方向中心線に沿う端縁E3相互が線
対称をなすように形成され、各中央部吸収性シートパー
ツA,A’における臀部膨らみ頂上部を通り製品幅方向
中心線と平行な各線に沿う端縁E4,E4と、対応する
側端部吸収性シートパーツB,B’の中央側端縁E5,
E5とが線対称をなすように形成され、側端部吸収性シ
ートパーツB,B’の各腰脇部側端縁E7,E7…と、
対応する腰脇部弾性伸縮シートパーツD,D’の両端縁
E8,E8…とが線対象をなすように形成されている。
【0037】そして、図10と図13との対比からも明
らかなように、各中央部吸収性シートパーツA,A’相
互が、製品幅方向中心線に沿う端縁E3,E3において
透液性トップシート2,2がわ面を合わせるように接合
され、各中央部吸収性シートパーツA,A’における臀
部膨らみ頂上部を通り製品幅方向中心線に平行な各線に
沿う端縁E4,E4と対応する側端部吸収性シートパー
ツB,B’の中央側端縁E5,E5とが、透液性トップ
シート2,2がわ面を合わせるようにそれぞれ接合さ
れ、側端部吸収性シートパーツB,B’の各腰脇部側端
縁E7,E7…と、対応する腰脇部弾性伸縮シートパー
ツD,D’の両端縁E8,E8…とが透液性トップシー
ト2,2がわ面を合わせるように接合される。各接合部
は符号7で示されている。
【0038】本例においても、各中央部吸収性シートパ
ーツA,A’における製品幅方向中心線に沿う端縁E
3,E3における男性性器相当部EXが、接合後におい
てポケット部(凹部)8Aが形成されるように、弧状に
張り出した形にそれぞれ立体裁断されており、また、各
中央部吸収性シートパーツA,A’における臀部膨らみ
頂上部を通り製品幅方向中心線に平行な各線に沿う端縁
E4,E4と、各側端部吸収性シートパーツB,B’に
おける同じく臀部膨らみ頂上部を通り製品幅方向中心線
に平行な各線に沿う端縁E5,E5とにおいては、臀部
膨らみに相当する部分EY,EYが、接合後において臀
膨らみ部(凹部)8Bが形成されるように、弧状に張り
出した形にそれぞれ立体裁断されている。さらに、第2
の例と同様に、脚周り相当個所に、脚周りギャザーG,
Gおよび脚周り弾性伸縮部材6,6が設けられている。
【0039】かくして図11および図12に示すよう
に、腰脇部が弾性伸縮シートパーツDから形成され、予
めおむつ形状とされている以外は、前述の第2の例と同
様に、男性性器相当部に前述第1の例と同様な男性性器
の膨らみ形状に沿う立体形状の吸収性ポケット部8Aが
形成されるとともに、各臀部の膨らみに相当する部分に
その膨ら形状に沿う立体形状の臀膨らみ部8B,8Bが
それぞれ形成され、また臀裂部に相当する臀膨らみ部8
B,8B間中央に、中央部吸収性シートパーツA,A’
の接合部により臀裂部形状に沿う立体形状の谷部8Cが
形成され、おむつ装着部の身体表面全体に対して略理想
的にフィットする紙おむつ20となる。
【0040】なお、本第3の例からも理解されるよう
に、本発明では、一部のシートパーツとして弾性伸縮パ
ーツや非吸収性パーツを用いることができる。
【0041】<第4の吸収性物品例>上記例は、複数の
シートパーツを端縁接合することにより立体形状に形成
しているが、単数のシートであっても少なくとも一部に
立体裁断により切欠部を形成し且つこの切欠部の端縁相
互を接合して、当該接合部分に身体接触部に沿う立体形
状部分を形成した吸収性物品とすることもできる。
【0042】これを失禁パッドに適用した具体例が図1
5〜図19に示されている。図15および図16に示す
例では、男性性器相当個所において、製品前側端縁から
後側に向けて次第に切欠幅が狭くなるとともに製品前後
方向に沿う幅方向中心線において線対称をなす略人字状
の切欠部31が立体裁断により形成された吸収性シート
Sを用いている。この吸収性シートS1も、図15に示
すように、透液性トップシート2と不透液性バックシー
ト4との間に吸収コア3を配し、切欠部を含めた周縁の
全体において透液性トップシート2と不透液性バックシ
ート4とをヒートシールやホットメルト接着剤や熱収縮
性接着剤等により接着して形成されている。かかる吸収
性シートS1の切欠端縁31A,31A相互を、透液性
トップシート2,2がわ面を合わせるように接合するこ
とにより、図16に示すように男性性器相当個所に立体
ポケット部8Aが形成された失禁パッド30となる。な
お、32,32は、シートS1の側端縁における脚周り
相当個所の接合されない弧状切欠部位を示しており、G
は、脚周りギャザーを示している。
【0043】また、図17〜図19に示す例では、さら
に臀部膨らみ個所にそれぞれ相当する部位に対して後側
端縁から略人字状の切欠部42,42がそれぞれ立体裁
断により形成されるとともに、臀裂部に相当する部位に
も略人字状の切欠部43が立体裁断により形成された吸
収性シートS2を用いている。そして臀裂部に相当する
部位の切欠部43における切欠端縁43A,43A相
互、臀膨らみ部に相当する部位の切欠部42における切
欠端縁42A,42A相互、および男性性器相当個所の
切欠部31における切欠端縁31A,31A相互が、透
液性トップシート2,2がわ面を合わせるように接合さ
れる。よって、その接合部は製品外側に突出する。
【0044】その結果、図18および図19に示すよう
に、男性性器相当部に前述第1の例と同様な男性性器の
膨らみ形状に沿う立体形状の吸収性ポケット部8Aが形
成されるだけでなく、各臀部の膨らみに相当する部分に
その膨ら形状に沿う立体形状の臀膨らみ部8B,8Bが
それぞれ形成され、また臀裂部に相当する臀膨らみ部8
B,8B間中央に、臀裂部形状に沿う立体形状の谷部8
Cが形成され、装着部の身体表面全体に対して略理想的
にフィットする失禁パッド40となる。このように、複
数のシートパーツを端縁接合せずとも、単数のシートの
所定部位に切欠を形成することによって、所定部位を立
体形状に形成することができる。
【0045】なお、図示例のように端縁から切り込みを
入れるように切り欠くことのほか、図20に示すよう
に、シートS3の周縁を除いた部分をくり貫くように切
り欠くこともでき、この切欠部51の切欠端縁51A,
51A相互を接合することにより、当該接合部7を部分
的に製品内側に膨出させた吸収性物品50を得ることが
できる。
【0046】また図示しないが、この立体裁断切欠を前
述の複数シートパーツの端縁接合形態に組み合わせて、
立体形状の吸収性物品を形成することもできる。
【0047】<製造方法例>製造に際しては、各シート
パーツ(半製品)を組立てた後、パーツ相互を接合する
のが好ましい。例えば前述の第1の例に係る失禁パッド
1を製造する場合、図21に示すように、不透液性バッ
クシート4、吸収コア3および透液性トップシート2を
各パーツの形状に裁断し、これらを積層し周縁全体を接
着することにより、各吸収性シートパーツA,A’を製
造した後、これら吸収性シートパーツA,A’相互を接
合することにより製品1を得ることができる。なお、こ
の各シートパーツの組立てとパーツ相互の接合とは、製
造ラインで同時的に行っても良いし、別ラインで別工程
として行っても良い。
【0048】また、前述第4の例のように立体裁断切欠
を利用した吸収性物品30を製造する場合には、図22
に示すように、予め立体裁断により切欠が形成された不
透液性バックシート4、吸収コア3および透液性トップ
シート2を順に積層し、周縁全体を接着することにより
切欠を有する吸収性シートS1(半製品)を製造してか
ら、切欠端縁相互を接合するのが好ましい。
【0049】なお、脚周りギャザーを設ける場合には、
適宜の段階で(例えば吸収性シートS1を製造した後に
端縁相互を接合する前に)、図示しない弾性伸縮部材が
取付けられたギャザーシートをシートの所定位置に取付
ける。
【0050】<その他> (イ)上記例では、接合部を製品前後方向に沿うように
形成しているが、本発明においては、製品幅方向等の他
の方向もしくは任意の曲線に沿って接合部を形成するこ
ともできる。またこれらの各種接合部を組合せることも
できる。
【0051】(ロ)また、上記例の接合部7は製品外側
に突出するように接合されているが、図23に示すよう
に不透液性バックシート4,4相互が合わさるように接
合し、製品内側に突出させることもできる。またこれら
の場合において製品外側または内側に突出する部分を折
り畳み、接着等により製品外側または内側表面に固定す
ることもできる。図24には、製品外側で突出部分を折
り畳み固定した例が示されている。
【0052】(ハ)さらに、上記例では、吸収性シート
パーツの平面方向全体にわたり吸収コアが配されている
が、一部にだけ、例えば排尿器官相当部から排便器官相
当部までの領域にだけ吸収コアが存在するように構成す
ることもできる。また、平面方向全体にわたり吸収コア
が存在する吸収性シートパーツを連結して物品を形成す
る場合において、排尿器官相当部から排便器官相当部ま
での領域にだけ吸収性シートパーツを用い、他の部分を
非吸収性パーツや弾性伸縮パーツにより形成することも
できる。
【0053】(ニ)吸収コアとしては、前述の綿状パル
プを主体とするもののほか、特に高分子高吸収性材料を
主体とするものが好ましい。すなわち上記例では、パー
ツ相互または切欠端縁相互の接合部は谷部となるので、
ここに排泄物が集まり易いとともに、当該接合部には吸
収体が存在していない。そのため、吸収コアによる吸収
速度が遅かったり吸収量が少ないと、当該接合部から排
泄物が漏れるおそれがある。そこで、吸収コアの少なく
とも接合部近傍に高吸収性材料を主体とする材料を用い
ることにより、当該接合部における吸収性能が高まり、
排泄物漏れのおそれが少なくなる。また、この問題点を
解決するために、吸収パーツ相互または切欠端縁相互の
接合部に、別の吸収性シートパーツを被せたりすること
もできる。
【0054】(ホ)上記例では接合される端縁相互が線
対称とされているが、本発明では非対称に形成すること
もできる。
【0055】(ヘ)上記例では、吸収性物品における身
体表面に沿う面を形成する面部分を立体形成している
が、他の部分例えばギャザーを立体裁断およびその接合
により形成することもできる。
【0056】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、吸収性
物品の身体表面へのフィット性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の吸収性物品例の斜視図である。
【図2】第1の吸収性物品例の斜視図である。
【図3】第1の吸収性物品例の分解図である。
【図4】図1のI−I’断面図である。
【図5】第2の吸収性物品例の展開状態の斜視図であ
る。
【図6】第2の吸収性物品例の使用状態の斜視図であ
る。
【図7】第2の吸収性物品例の使用状態の斜視図であ
る。
【図8】第2の吸収性物品例の分解図である。
【図9】図5のII−II’断面図である。
【図10】第3の吸収性物品例の展開状態の斜視図であ
る。
【図11】第3の吸収性物品例の製品状態の斜視図であ
る。
【図12】第3の吸収性物品例の製品状態の斜視図であ
る。
【図13】第3の吸収性物品例の分解図である。
【図14】図10のIV−IV’断面図である。
【図15】第4の吸収性物品例に用いる吸収性シートの
平面図である。
【図16】第4の吸収性物品例の斜視図である。
【図17】第4の吸収性物品例に用いる吸収性シートの
平面図である。
【図18】第4の吸収性物品例の斜視図である。
【図19】第4の吸収性物品例の斜視図である。
【図20】第4の例の変形例の説明図である。
【図21】製造方法例を示す説明図である。
【図22】製造方法例を示す説明図である。
【図23】接合部の変形例を示す要部断面図である。
【図24】接合部の変形例を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1…吸収性物品(失禁パッド)、2…透液性トップシー
ト、3…吸収コア、4…不透液性バックシート、5…ギ
ャザーシート、G…脚周りギャザー、6A〜6C…弾性
伸縮部材、7…接合部、8…ポケット部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61F 13/472 Fターム(参考) 3B029 BD01 BD14 BF02 4C003 DA00 GA01 4C098 AA09 CC10 CC11 CC12 CC14 CC38 CE05 CE08 DD10 DD12 DD22 DD25

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】身体の所定部位に接して使用される使い捨
    て吸収性物品であって、 少なくとも一部分が、立体裁断およびその接合により身
    体接触部に沿う立体形状に形成された、ことを特徴とす
    る使い捨て吸収性物品。
  2. 【請求項2】複数のシートパーツの端縁相互が接合され
    て形成された、身体の所定部位に接して使用される使い
    捨て吸収性物品であって、 前記シートパーツにおける接合端縁の少なくとも一部が
    立体裁断され、且つ対応するシートパーツの接合端縁と
    接合されることにより、当該接合部分に身体接触部に沿
    う立体形状部分が形成された、ことを特徴とする使い捨
    て吸収性物品。
  3. 【請求項3】単数のシートにより又は複数のシートの端
    縁相互を接合することにより形成された、身体の所定部
    位に接して使用される使い捨て吸収性物品であって、 前記シートの少なくとも一部に立体裁断により切欠部が
    形成され且つこの切欠部の端縁相互が接合されることに
    より、当該接合部分に身体接触部に沿う立体形状部分が
    形成された、ことを特徴とする使い捨て吸収性物品。
  4. 【請求項4】前記シートが、透液性トップシートと不透
    液性バックシートとの間に吸収コアを配してなる吸収性
    シート、吸収性を有しない非吸収性シートおよび弾性伸
    縮部材が配置固定された弾性伸縮シートの少なくとも一
    種とされた、請求項2または3記載の使い捨て吸収性物
    品。
  5. 【請求項5】前記接合部が、製品前後方向に沿って形成
    された、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使い捨て
    吸収性物品。
  6. 【請求項6】前記接合部が、製品前後方向に沿って且つ
    製品幅方向に間隔をおいて複数形成された、請求項1〜
    5のいずれか1項に記載の使い捨て吸収性物品。
  7. 【請求項7】排尿器官および排便器官の少なくとも一方
    に相当する部分が、前記立体裁断およびその接合により
    ポケット状をなすように形成された、請求項1〜6のい
    ずれか1項に記載の使い捨て吸収性物品。
  8. 【請求項8】身体の所定部位に接して使用される使い捨
    て吸収性物品を製造する方法であって、 少なくとも一部分を、立体裁断およびその接合により身
    体接触部に沿う立体形状に形成する、ことを特徴とする
    使い捨て吸収性物品の製造方法。
  9. 【請求項9】身体の所定部位に接して使用される使い捨
    て吸収性物品を製造する方法であって、 少なくとも一部が立体裁断された接合端縁を有する複数
    のシートパーツを製造するとともに、これら複数のシー
    トパーツの端縁相互を接合することによって、当該接合
    部分に身体接触部に沿う立体形状部分が形成された使い
    捨て吸収性物品を製造する、ことを特徴とする使い捨て
    吸収性物品の製造方法。
  10. 【請求項10】身体の所定部位に接して使用される使い
    捨て吸収性物品を製造する方法であって、 少なくとも一部が立体裁断により形成された切欠部を有
    するシートを製造するとともに、このシートにおける切
    欠部の端縁相互を接合することによって、当該接合部分
    に身体接触部に沿う立体形状部分が形成された使い捨て
    吸収性物品を製造する、ことを特徴とする使い捨て吸収
    性物品の製造方法。
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