JP2010259724A - 体液吸収パッド - Google Patents

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Abstract

【課題】体液の吸収量を十分に確保でき、かつ表面のドライ感を保つことができる体液吸収パッドを提供する。
【解決手段】体液吸収パッド1では、浸透布2の裏側に複数層の吸収保水層4が設けられており、体液の吸収量が十分に確保される。また、体液吸収パッド1では、吸収保水層4が上部吸収保水層11及び底部吸収保水層21を備える。そして、上部吸収保水層11のスリット14及びスリット18を貫いて浸透布2と底部吸収保水層21とが縫着されて浸透布2の凹部2dが形成されると共に、浸透布2と底部吸収保水層21と縫着部分Sの中央部に相当する縫着部分Saの縫い幅が、閂縫いによって他の部分の縫い幅よりも広くなっている。これにより、凹部2dに誘導された体液が縫い幅の広い縫着部分Saを伝わって肌側から遠い底部吸収保水層21に素早く流れ込むので、パッド表面のドライ感が維持される。
【選択図】図3

Description

本発明は、失禁時の尿や生理時の経血などの体液が外部に漏れるのを抑えるための体液吸収パッドに関する。
従来、体液吸収パッドが取付けられた下着として、例えば特許文献1に記載の失禁用パンツがある。この失禁用パンツは、ラミネート生地、吸水性部材、吸収性生地、及びネット生地の積層体の周縁を撥水性テープで縫着してなる尿吸収パッドを備えており、尿吸収パッドの周縁を部分的にパンツ身生地に縫着した構造となっている。また、このような尿吸収パッドにおいて、吸収層を複数層にわたって立体的に配置したものがある。これにより、漏れた尿の吸収力の強化が図られている。
登録実用新案第2535469号公報
しかしながら、従来の体液吸収パッドでは、複数層の吸収層が立体的に配置されているにもかかわらず、最表層の浸透布から浸透した体液が肌側に近い吸収層で広がりやすいという問題があった。そのため、体液の保水量が十分となっていても、パッド表面のドライ感が損なわれてしまうという問題があった。
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、体液の吸収量を十分に確保でき、かつ表面のドライ感を保つことができる体液吸収パッドを提供することを目的とする。
上記課題の解決のため、本発明に係る体液吸収パッドは、着用状態において着用者の股部に対応する部分にあてがわれ、着用者の体液が外部に漏れるのを抑えるための体液吸収パッドであって、着用者の尿道口に対応する位置に体液の注入口となる凹部が形成され、凹部において肌側から裏側に体液を浸透させる浸透布と、浸透布の裏側に設けられ、浸透布に周縁部が縫着されることによって袋部を形成する防水性の裏当布と、袋部の内部において浸透布の裏側に複数層にわたって設けられ、凹部から浸透した体液を吸収して保水する吸収保水層とを備え、吸収保水層は、浸透布に周縁部が縫着され、凹部に対応する位置に第1のスリットが形成された上部吸収保水層と、第1のスリットを塞ぐように前記上部吸収保水層の裏側に縫着された底部吸収保水層とを含み、凹部は、第1のスリットを貫いて浸透布と底部吸収保水層とが縫着されることによって形成され、当該縫着部分の一部の縫い幅が他の部分の縫い幅よりも広くなっていることを特徴としている。
この体液吸収パッドでは、浸透布と裏当布との縫着によって袋部を形成し、この袋部の内部において浸透布の裏側に複数層にわたって吸収保水層を設けている。このような複数層の吸収保水層により、体液の吸収量が十分に確保される。また、この体液吸収パッドでは、吸収保水層が上部吸収保水層及び底部吸収保水層によって構成されている。そして、上部吸収保水層の第1のスリットを貫いて浸透布と底部吸収保水層とが縫着されることによって浸透布の凹部が形成されると共に、浸透布と底部吸収保水層と縫着部分の一部の縫い幅が他の部分の縫い幅よりも広くなっている。これにより、凹部に誘導された体液が縫い幅の広い縫着部分を伝わって肌側から遠い底部吸収保水層に素早く流れ込むので、パッド表面のドライ感が維持される。
また、縫着部分の一部は、閂縫いによって形成されていることが好ましい。閂縫いにより、縫着部分の一部の縫い幅を好適に確保できる。
また、上部吸収保水層には、第1のスリットを挟むように上部吸収保水層の前後方向に延在する一対の第2のスリットが形成され、第2のスリットは、第1のスリットに向かって凸となる湾曲形状をなしており、底部吸収保水層は、一対の第2のスリット間に配置されていることが好ましい。この場合、着用者が様々な姿勢をとった場合でも、浸透布の凹部から底部吸収保水層に至る部分の形状が保持される。また、底部吸収保水層の形状が保持されることで、底部吸収保水層に溜まった体液が上部吸収保水層側に拡散することを抑制できる。これにより、パッド表面のドライ感がより確実に維持される。さらに、両面テープや面ファスナー等で固定しなくてもズレが生じにくいという効果も有する。
また、上部吸収保水層の肌側において、第1のスリットよりも着用者の臀部側となる位置には、舌片状の層が縫着されていることが好ましい。体液吸収パッドの臀部側の部分には、着用者が座った際などに圧力がかかり易い。したがって、上述した舌片状の層を設けることにより、臀部側に当たる部分にかかる圧力を緩和できるので、底部吸収保水層に溜まった体液が上部吸収保水層側に拡散することを効果的に抑制できる。
本発明によれば、体液の吸収量を十分に確保でき、かつ表面のドライ感を保つことができる。
本発明の第1実施形態に係る体液吸収パッドを肌側から見た平面図である。 図1に示した体液吸収パッドを裏側から見た平面図である。 図1及び図2に示した体液吸収パッドの分解斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る体液吸収パッドを肌側から見た平面図である。 図4に示した体液吸収パッドを裏側から見た平面図である。 図4及び図5に示した体液吸収パッドの分解斜視図である。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る体液吸収パッドの好適な実施形態について詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る体液吸収パッドを肌側から見た平面図である。また、図2は、図1に示した体液吸収パッドを裏側から見た平面図であり、図3は、体液吸収パッドの内部構成を示す分解斜視図である。図1〜図3に示すように、体液吸収パッド1は、浸透布2と、裏当布3と、吸収保水層4とを備えている。浸透布2の周縁部には、裏当布3の周縁部が撥水糸で縫着されて袋部Pが形成され、この袋部Pの内部に吸収保水層4が収容されている。
浸透布2は、例えばポリエステルを主体とし、抗菌性及び防臭性を有する繊維が裏面に混織されたメッシュ状の布地によって形成されている。この浸透布2の表側は着用者の股部にあてがわれる部分であり、裏側は袋部Pの内側上面を構成している。
浸透布2は、着用者の股部に対応する長さ寸法及び幅寸法を有している。浸透布2の周縁部のうち、恥骨側に当てられる前縁部2aは、凸状に湾曲して形成され、臀部側に当てられる後縁部2bは、前縁部2aよりも大きな径で凸状に湾曲して形成されている。また、脇縁部2c,2cは、それぞれ凹状に湾曲して形成されている。
この浸透布2には、着用者の尿道口に対応する位置に体液の注入口となる凹部2dが形成されている。凹部2dは、浸透布2の前後方向に数cm程度で細長く延在しており、浸透布2は、主としてこの凹部2dから失禁時の尿や生理時の経血を裏側に通すようになっている。
裏当布3は、例えばポリエステルからなる布地により形成され、浸透布2と略同等の形状を有している。裏当布3の上面側は、袋部Pの内側下面を構成しており、例えばポリウレタンフィルムがラミネートされて防水性が付与されている。このラミネート加工によって防水性と同時に通気性が確保されており、着用時のムレ防止が図られている。
一方、吸収保水層4は、例えばポリエステル38%、アクリル28%、レーヨン19%、ナイロン10%からなる生地によって複数層に形成されている。この吸収保水層4は、図3に示すように、浸透布2側から順に、上部吸収保水層11と、底部吸収保水層21とが積層されて構成されている。より具体的には、上部吸収保水層11は、上部吸収保水層11の基部をなす基部層12と、浸透布2と基部層12との間に配置された立体形成層13とによる2層構成となっている。
基部層12は、浸透布2と類似した形状を有しており、基部層12の前縁部12aは、浸透布2の前縁部2aと略同形状で凸状に湾曲して形成され、基部層12の後縁部12bは、浸透布2の後縁部2bと略同形状で凸状に湾曲して形成されている。一方、基部層12の脇縁部12c,12cは、浸透布2の脇縁部2c,2cとは異なり、展開状態において凹状の湾曲とはなっておらず、前縁部12aと後縁部12bとの間で略直線状となっている。
この基部層12には、浸透布2の凹部2dの形成位置に対応してスリット(第1のスリット)14が形成されている。また、スリット14の両脇には、スリット14を挟むように脇縁部12c,12cに沿って上部吸収保水層11の前後方向に延在する一対のスリット(第2のスリット)15,15が形成されている。
スリット15,15は、スリット14側に向かって凸となるような湾曲形状をなしており、スリット15,15の内側辺15a,15aの曲率が外側辺15b,15bの曲率よりも大きくなっていることにより、略三日月形状となっている。
また、基部層12の肌側面において、スリット15,15間の生地部分16には、スリット14よりも着用者の臀部側となる位置に舌片状の層17が配置されている。この舌片状の層17の前縁部17aは、基部層12の幅方向に直線状に延び、脇縁部17b,17bは、スリット15,15の内側辺15a,15aに沿うように凹状に湾曲して形成されている。
また、舌片状の層17の後縁部17cは、スリット15,15の後端同士を結ぶように、基部層12の後縁部12bと略同形状で凸状に湾曲して形成されている。舌片状の層17は、前縁部17aのみが撥水糸によって基部層12におけるスリット15,15間の生地部分16に縫着され、後縁部17cは生地部分16に対してフリーになっている。
立体形成層13は、基部層12におけるスリット15,15間の生地部分16にフィットする形状を有している。この立体形成層13にも、浸透布2の凹部2dの形成位置に対応して、スリット14と略同形状のスリット18が形成されている。立体形成層13の前縁部13aは、スリット15,15の前端同士を結ぶようなラインで、基部層12の前縁部12aと略同形状で凸状に湾曲して形成され、立体形成層13の後縁部13bは、スリット15,15の後端同士を結ぶようなラインで、基部層12の後縁部12bと略同形状で凸状に湾曲して形成されている。
また、立体形成層13の脇縁部13c,13cは、基部層12におけるスリット15,15の内側辺15a,15aと略同形状で凹状に湾曲して形成され、撥水糸によってスリット15,15の内側辺15a,15aに縫着されている。これにより、基部層12に設けられた舌片状の層17は、基部層12と立体形成層13とによって覆われた状態となっている。
また、立体形成層13の幅寸法は、基部層12におけるスリット15,15間の生地部分16の幅寸法よりも大きく設定されている。したがって、脇縁部13cを第2のスリット15の内側辺15aに縫着することにより、立体形成層13におけるスリット18周りの生地部分は、基部層12に対して僅かに浮き上がることとなる。
なお、立体形成層13の脇縁部13cと、第2のスリット15の内側辺15aとの縫着には、例えば片落とし千鳥縫いが用いられる。これにより、立体形成層13の高さを高くでき、空間を広く確保できるので、体液の注入口となる凹部2dのべたつきや水溜りの発生を抑制できる。
以上のような上部吸収保水層11は、基部層12の前縁部12a、後縁部12b、及び脇縁部12c,12cが、撥水糸によって浸透布2の前縁部2a、後縁部2b、及び脇縁部2c,2cにそれぞれ縫着されることによって浸透布2に固定されている。このとき、基部層12の幅寸法は、脇縁部12cが凹状となっていない分、浸透布2の幅寸法よりも大きくなっている。したがって、基部層12の周縁部を浸透布2の周縁部に縫着することにより、基部層12におけるスリット15,15間の生地部分16は、脇縁部12cに対して上下方向に位置ずれすることとなる。
一方、上述したように、立体形成層13におけるスリット18周りの生地部分は、基部層12に対して僅かに浮き上がった状態となっている。したがって、この浮き上がったスリット18周りの生地部分は、浸透布2の裏側面に密着し、浸透布2における凹部2d周りに膨らみ構造を形成している。
底部吸収保水層21は、上部吸収保水層11の基部層12に隣接する容量形成層22と、吸収保水層4の最下層となる注入層23とによる2層構成となっている。容量形成層22は、上部吸収保水層11の基部層12におけるスリット15,15間の生地部分16にフィットする形状を有し、上部吸収保水層11の基部層12の裏側に配置されている。容量形成層22の前縁部22aは、スリット15,15の前端同士を結ぶようなラインで凸状に湾曲して形成され、容量形成層22の後縁部22bは、スリット15,15の後端同士を結ぶようなラインで凸状に湾曲して形成されている。
なお、容量形成層22の後縁部22bは、底部吸収保水層21の後方に向かって凹となる左右の辺が中央で交わって先鋭化されている。これにより、体液吸収パッド1の着用状態における臀部のフィット感が良好なものとなる。また、容量形成層22の脇縁部22c,22cは、上部吸収保水層11の基部層12におけるスリット15,15の内側辺15a,15aと略同形状で凹状に湾曲して形成されている。
この容量形成層22は、撥水糸によって前縁部22aの中央部分及び脇縁部22cの後端部分が上部吸収保水層11の基部層12に閂縫いで縫着されることにより、上部吸収保水層11の基部層12におけるスリット15,15間の生地部分16の裏側に固定されている。また、容量形成層22の中央部分は、上部吸収保水層11の基部層12におけるスリット14、及び立体形成層13におけるスリット18を貫くようにして、吸水糸によって例えば閂縫いにて浸透布2に縫着されている。つまり、この容量形成層22は、閂縫いのみによって上部吸収保水層11に縫着されている。そして、基部層12及び立体形成層13のスリット前後部のみが浸透布2と本縫いで縫着されている。
注入層23は、上部吸収保水層11の基部層12におけるスリット15,15間の生地部分16の最小幅と略等幅の帯状をなし、容量形成層22の裏側に配置されている。注入層23の前縁部23a及び後縁部23bは、撥水糸によって容量形成層22に縫着されている。
また、注入層23の中央部分は、上部吸収保水層11の基部層12におけるスリット14、及び立体形成層13におけるスリット18を貫くようにして、吸水糸によって容量形成層22と共に浸透布2に縫着されている。この注入層23と浸透布2との縫着部分Saは、例えば閂縫いによって、縫着部分Sの中央部に重ねて数mm程度形成されており、縫着部分Sの縫い幅に対して数倍程度の縫い幅となっている。
また、底部吸収保水層21においては、注入層23、容量形成層22の前縁部23a、22a、及び後縁部23b、22bでの縫着は、注入層23及び容量形成層22を撓ませた状態で行われる。その後、縫着部分Saにおいて縫着することにより、注入層23及び容量形成層22は、前後及び中央で縫着され、2つのアーチを有する形状となっている。このアーチ空間により、注入層23と容量形成層22、及び容量形成層と基部層12がそれぞれ面として接しないため、注入層の体液が容量形成層22及び基部層12に伝わりにくくなり、保水力がアップする。
以上説明したように、体液吸収パッド1では、浸透布2と裏当布3との縫着によって袋部Pが形成され、この袋部Pの内部において浸透布2の裏側に複数層にわたって吸収保水層4が設けられている。このような複数層の吸収保水層4により、体液の吸収量が十分に確保される。
また、体液吸収パッド1では、吸収保水層4が上部吸収保水層11及び底部吸収保水層21によって構成されている。そして、上部吸収保水層11のスリット14及びスリット18を貫いて浸透布2と底部吸収保水層21とが縫着されることによって浸透布2の凹部2dが形成されると共に、浸透布2と底部吸収保水層21と縫着部分Sの中央部に相当する縫着部分Saの縫い幅が、閂縫いによって他の部分の縫い幅よりも広くなっている。これにより、凹部2dに誘導された体液が縫い幅の広い縫着部分Saを伝わって肌側から遠い底部吸収保水層21に素早く流れ込むので、パッド表面のドライ感が維持される。
本実施形態では、底部吸収保水層21が容量形成層22及び注入層23からなり、容量形成層22と浸透布2との縫着によって浸透布2の凹部2dが形成され、注入層23と浸透布2との閂縫いによって縫い幅の広い縫着部分Saが形成されている。これにより、凹部2dから浸透した体液が、吸収保水層4の最下層となる注入層23に始めに流れ込み、注入層23から順に上層に広がるようになるので、パッド表面のドライ感がより長期間にわたって維持される。
また、上部吸収保水層11の基部層12には、スリット14を挟むように上部吸収保水層11の前後方向に延在する一対のスリット15,15が形成され、スリット15,15は、スリット14側に向かって凸となる湾曲形状をなしている。そして、底部吸収保水層21の容量形成層22及び注入層23は、この一対のスリット15,15の間の位置に配置されている。
このような構成により、基部層12におけるスリット15,15間の生地部分16の変形がスリット15,15によって緩和される。このため、着用者が様々な姿勢をとった場合でも、生地部分16に取り付けられた上部吸収保水層11の立体形成層13、及び底部吸収保水層21の容量形成層22・注入層23が変形しにくくなり、浸透布2の凹部2dから底部吸収保水層21に至る体液の伝達経路が保持される。したがって、底部吸収保水層21に溜まった体液が上部吸収保水層11側にすぐに拡散してしまうことを抑制でき、パッド表面のドライ感がより確実に維持される。さらに、両面テープや面ファスナー等で固定しなくてもズレが生じにくいという効果も有する。
また、上部吸収保水層11の肌側において、スリット14よりも着用者の臀部側となる位置には、舌片状の層17が縫着されている。体液吸収パッド1の臀部側の部分には、着用者が座った際などに圧力がかかり易い。したがって、この舌片状の層17を設けることにより、臀部側の部分にかかる圧力を緩和できるので、底部吸収保水層21に溜まった体液が上部吸収保水層11側にすぐに拡散してしまうことを一層効果的に抑制できる。
[第2実施形態]
続いて、本発明の第2実施形態について説明する。図4は、本発明の第2実施形態に係る体液吸収パッドを肌側から見た平面図である。また、図5は、図4に示した体液吸収パッドを裏側から見た平面図であり、図6は、体液吸収パッドの内部構成を示す分解斜視図である。
第2実施形態に係る体液吸収パッド31は、第1実施形態に係る体液吸収パッド1に比べて体液の吸収量を大容量化したものである。体液吸収パッド31は、各構成要素の長さ寸法及び幅寸法が体液吸収パッド1よりも大きくなっているほか、上部吸収保水層11の基部層12と立体形成層13との間に中間層41が設けられている点、上部吸収保水層11の最下層に更なる基部層51が設けられている点、底部吸収保水層21の容量形成層52の形状が容量形成層22と異なる点、及び基部層12と基部層51のスリットが立体形成層13及び中間層41のスリットより長さが短く、かつ幅が広くなっている点で第1実施形態と相違する。なお、寸法の相違はあるが、第1実施形態と機能が共通する構成要素には、説明の便宜上、同様の符号を付す。
中間層41は、上部吸収保水層11の基部層12におけるスリット15,15間の生地部分16にフィットする形状を有し、基部層12の肌側に配置されている。この中間層41には、浸透布2の凹部2dの形成位置に対応して、スリット42が形成されている。中間層41の前縁部41aは、スリット15,15の前端同士を結ぶようなラインで凸状に湾曲して形成され、中間層41の後縁部41bは、スリット15,15の後端同士を結ぶようなラインで凸状に湾曲して形成されている。また、中間層41の脇縁部41c,41cは、スリット15,15の内側辺15a,15aに沿うように凹状に湾曲して形成されている。
体液吸収パッド31では、この中間層41の肌側面において、スリット42よりも着用者の臀部側となる位置に舌片状の層17が配置されている。上部吸収保水層11の立体形成層13は、舌片状の層17を覆うように中間層41の肌側面に配置され、立体形成層13の脇縁部13c,13cは、撥水糸によって中間層41の脇縁部41c,41cに縫着されている。立体形成層13の脇縁部13c,13cと中間層41の脇縁部41c,41cとの縫着には、第1実施形態における立体形成層13の脇縁部13c,13cとスリット15,15の内側辺15a,15aとの縫着と同様に、例えば片落とし千鳥縫いが用いられる。
基部層51は、基部層12の裏側に隣接して配置されている。基部層51の前縁部51aは、基部層12の前縁部12aよりも内側で直線状に形成され、基部層51の後縁部51bは、基部層12の後縁部12bよりも内側で直線状に形成されている。基部層51の脇縁部51c,51cは、展開状態において、浸透布2の脇縁部2c,2cと略同形状で凹状に湾曲して形成されている。このように、基部層51の前縁部51a、後縁部51bが直線状となっているのは、洗濯時(特に二層式洗濯機による)の水抵抗を緩和する上下方向の流路を形成するためである。
この基部層51には、浸透布2の凹部2dの形成位置に対応して、スリット54が形成されている。また、スリット54の両脇には、このスリット54を挟むように脇縁部51c,51cに沿って上部吸収保水層11の前後方向に延在する一対のスリット55,55が形成されている。スリット55,55は、スリット54側に向かって凸となるような湾曲形状をなしており、スリット55,55の内側辺55a,55aの曲率が外側辺55b,55bの曲率よりも大きくなっていることにより、略三日月形状となっている。
底部吸収保水層21の容量形成層52は、前縁部51a及び脇縁部51c,51cの形状は第1実施形態と同様であるが、後縁部41bが二股に分岐した状態となっており、基部層51の裏側に配置されている。左右の分岐部分57,57は、基部層51におけるスリット55,55の内側辺55a,55aに沿ってスリット55,55の後端付近まで伸びており、分岐部分57,57の先端は、撥水糸によって基部層51に縫着されている。
体液吸収パッド31では、基部層51の中央部分が、上部吸収保水層11における立体形成層13のスリット18、中間層41のスリット42、及び上部吸収保水層11における基部層12のスリット14を貫くようにして、吸水糸によって浸透布2に縫着されている。基部層51と浸透布2との縫着部分Sは、前後方向に数cm程度にわたっており、これにより、上述した浸透布2の凹部2dが形成されている。
また、底部吸収保水層21における注入層23の中央部分は、上部吸収保水層11における立体形成層13のスリット18、中間層41のスリット42、基部層12のスリット14、及び基部層51のスリット54を貫くようにして、吸水糸によって容量形成層52と共に浸透布2に縫着されている。この注入層23と浸透布2との縫着部分Saは、例えば閂縫いによって、縫着部分Sの中央部に重ねて数mm程度形成されており、縫着部分Sの縫い幅に対して数倍程度の縫い幅となっている。
このような体液吸収パッド31においても、第1実施形態と同様に、複数層の吸収保水層4によって体液の吸収量を十分に確保できる。体液吸収パッド31では、吸収保水層4に中間層41及び基部層51を更に設けることにより、体液の吸収量の更なる向上を実現できる。また、浸透布2の凹部2dに誘導された体液が縫い幅の広い縫着部分Saを伝わって肌側から遠い底部吸収保水層21に素早く流れ込むので、パッド表面のドライ感が維持される。
さらに、体液吸収パッド31では、底部吸収保水層21の容量形成層52における後縁部52bを左右に分岐させている。これにより、第1実施形態に比較して大寸法である体液吸収パッド31の着用状態における臀部のフィット感が好適に維持される。
1,31…体液吸収パッド、2…浸透布、2d…凹部、3…裏当布、4…吸収保水層、11…上部吸収保水層、14…スリット(第1のスリット)、15…スリット(第2のスリット)、17…舌片状の層、21…底部吸収保水層、S,Sa…縫着部分、P…袋部。

Claims (4)

  1. 着用状態において着用者の股部に対応する部分にあてがわれ、前記着用者の体液が外部に漏れるのを抑えるための体液吸収パッドであって、
    前記着用者の尿道口に対応する位置に体液の注入口となる凹部が形成され、前記凹部において肌側から裏側に体液を浸透させる浸透布と、
    前記浸透布の裏側に設けられ、前記浸透布に周縁部が縫着されることによって袋部を形成する防水性の裏当布と、
    前記袋部の内部において前記浸透布の裏側に複数層にわたって設けられ、前記凹部から浸透した体液を吸収して保水する吸収保水層とを備え、
    前記吸収保水層は、
    前記浸透布に周縁部が縫着され、前記凹部に対応する位置に第1のスリットが形成された上部吸収保水層と、
    前記第1のスリットを塞ぐように前記上部吸収保水層の裏側に縫着された底部吸収保水層とを含み、
    前記凹部は、前記第1のスリットを貫いて前記浸透布と前記底部吸収保水層とが縫着されることによって形成され、当該縫着部分の一部の縫い幅が他の部分の縫い幅よりも広くなっていることを特徴とする体液吸収パッド。
  2. 前記縫着部分の一部は、閂縫いによって形成されていることを特徴とする請求項1記載の体液吸収パッド。
  3. 前記上部吸収保水層には、前記第1のスリットを挟むように前記上部吸収保水層の前後方向に延在する一対の第2のスリットが形成され、
    前記第2のスリットは、前記第1のスリットに向かって凸となる湾曲形状をなしており、
    前記底部吸収保水層は、前記一対の第2のスリット間に配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載の体液吸収パッド。
  4. 前記上部吸収保水層の肌側において、前記第1のスリットよりも前記着用者の臀部側となる位置には、舌片状の層が縫着されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の体液吸収パッド。
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