JP2009081407A - 発光ダイオードの製造方法及び発光ダイオード、並びにランプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板21上に複数の化合物半導体層11を形成する積層工程と、化合物半導体層11の間に平坦化用レジスト層23を埋め込む平坦化工程と、シード層2を形成するシード層形成工程と、分離用レジスト層22によって一部が分断されてなるメッキ層1を形成するとともに仮貼付基板24を貼り付けるメッキ工程と、基板21を剥離して平坦化用レジスト層23及び分離用レジスト層22を除去する除去工程と、n型半導体層8上にn型電極層を形成する電極形成工程と、仮貼付基板24を除去する仮貼付基板除去工程と、メッキ層1を切断するダイシング工程とを備えている。
【選択図】図6
Description
しかしながら、上記のような特許文献1に記載の方法では、分割された各素子がバラバラに散らばった状態となってしまい、作業効率ひいては生産効率が低下する虞がある。
しかしながら、特許文献2に記載のダイオードの製造方法のようにレーザスクライブでダイシングを行う場合、切断する箇所の導電性基板の厚さを60μm以下の薄肉に形成する必要がある。このため、サファイア基板の除去後のウェーハが撓み易くなり、取り扱いが難しいという問題がある。また、ウェーハの撓みによるストレスのため、エピタキシャル層にダメージが生じてしまい、リークを起こし易くなるという問題がある。
しかしながら、上記特許文献1の発光ダイオードの製造方法では、ウェーハをダイシングして分割した後、各素子がダイシング用テーブル上に散らばった状態となる場合があるため、管理に多大な手間を要する。このため、製造効率が低下するとともに、分割後の管理を適切に行なわなかった場合には素子を傷めてしまい、ひいては歩留まりが低下する虞があった。また、上記特許文献2の発光ダイオードの製造方法では、上述したように、導電性基板が薄くハンドリング時に撓み易いため、エピタキシャルにダメージが生じ、リークを起こし易いという問題があった。
[1] 基板上に、n型半導体層、発光層、p型半導体層を順次積層した後、分離溝を形成し、さらにp型電極層を順次積層して複数の化合物半導体層を形成する積層工程と、前記複数の化合物半導体層の各々の間の前記分離溝に、平坦化用レジスト層を埋め込むように形成する平坦化工程と、前記複数の化合物半導体層及び前記平坦化用レジスト層の上にシード層を形成するシード層形成工程と、前記シード層上に、前記平坦化用レジスト層に沿う分離用レジスト層を包含し、該分離用レジスト層によって一部が分断されてなるメッキ層を形成するとともに、該メッキ層に仮貼付基板を貼り付けるメッキ工程と、前記基板を前記複数の化合物半導体層及び前記平坦化用レジスト層から剥離して、前記複数の化合物半導体層に備えられる前記n型半導体層の光取出面を露出させるとともに、平坦化用レジスト層及び分離用レジスト層を除去する除去工程と、前記複数の化合物半導体層に備えられるn型半導体層上にn型電極層を形成する電極形成工程と、前記仮貼付基板を除去する仮貼付基板除去工程と、前記メッキ層の内、前記分離用レジスト層によって分断された部分に沿って、前記メッキ層を切断するダイシング工程と、を具備してなることを特徴とする発光ダイオードの製造方法。
[2] 前記メッキ工程において、前記シード層上に分離用レジスト層を形成し、前記メッキ層を前記分離用レジスト層よりも厚く形成することにより、前記分離用レジスト層によって一部が分断されてなるメッキ層を形成することを特徴とする前項[1]に記載の発光ダイオードの製造方法。
[3] 前記メッキ工程において、前記シード層上に第1メッキ層を形成した後、該第1メッキ層上に分離用レジスト層を形成するとともに、該分離用レジスト層と同じ厚さ寸法の第2メッキ層を形成することにより、前記分離用レジスト層によって一部が分断されてなるメッキ層を形成することを特徴とする前項[1]に記載の発光ダイオードの製造方法。
[4] 前記除去工程は、前記メッキ層に包含される前記分離用レジスト層を除去することにより、前記メッキ層の内、前記分離用レジスト層によって分断された部分に分断溝を形成することを特徴とする前項[1]〜[3]の何れか1項に記載の発光ダイオードの製造方法。
[5] 前記除去工程と前記電極形成工程との間において、前記複数の化合物半導体層の周囲面に、保護用の絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程を設けることを特徴とする前項[1]〜[4]の何れか1項に記載の発光ダイオードの製造方法。
[6] 前記絶縁膜形成工程と前記電極形成工程との間において、前記n型半導体層の前記光取出面を粗面化する粗面化工程を設けることを特徴とする前項[5]に記載の発光ダイオードの製造方法。
[7] 前項[1]〜[6]の何れか1項に記載の製造方法で得られる発光ダイオード。
[8] 前項[7]に記載の発光ダイオードが用いられてなるランプ。
図1に示す例の発光ダイオードAは、基体となるメッキ層1と、メッキ層1上に配置されたシード層2と、シード層2の上に配置された化合物半導体層11と、化合物半導体層11上に配置されたn型電極層9と、から概略構成されている。
このn型電極層9は、後述するように、光取出面11aをプラズマで処理した後にCr膜9a、Ti膜9b及びAu膜9cを順次積層することによって形成され、これによりアニール処理を施すことなくn型半導体層8との間でオーミック接触が得られるようになっている。
本実施形態におけるシード層2aの材質は、後述のメッキ層1の材質をCuとした場合には、同じCuを用いることが、密着性が良好となる点から好ましい。
反射性p型電極層5は、シード層2を介してメッキ層1と電気的に接続されており、これによりメッキ層1が反射性p型電極層5の取出電極となっている。また、反射性p型電極層5及びメッキ層1と、n型電極層9とは、化合物半導体層11の厚み方向において反対側に配置された関係になっている。これにより本実施形態の発光ダイオードAは、所謂上下電極構造の発光ダイオードとなっている。
また、反射性p型電極層5は、図1に示すように、化合物半導体層11に接するオーミックコンタクト層5cと、オーミックコンタクト層5cに接する反射層5bと、反射層5bに接する相互拡散防止層5aとから構成されている。反射層5bを備えることによって反射性p型電極層5は、発光層7から発した光を光取出面11a側に反射させる反射層となっている。
この反射性p型電極層5は、後述するように、オーミックコンタクト層5cを、RFスパッタリング法を用いて積層し、反射層5b及び相互拡散防止層5aは例えばDCスパッタリング法を用いて積層することによって形成され、これによりアニール処理を施すことなくp型半導体層6との間でオーミック接触が得られるようになっている。
下地層はAlXGa1―XN層(0≦x≦1、好ましくは0≦x≦0.5、さらに好ましくは0≦x≦0.1)から構成されることが好ましい。その膜厚は0.1μm以上、好ましくは0.5μm以上、さらに好ましくは1μm以上である。この膜厚以上にした方が結晶性の良好なAlXGa1―XN層が得られやすい。
下地層にはn型不純物を1×1017〜1×1019/cm3の範囲内であればドープしても良いが、アンドープ(<1×1017/cm3)の方が良好な結晶性の維持という点で好ましい。n型不純物としては、特に限定されないが、例えば、Si、GeおよびSn等が挙げられ、好ましくはSiおよびGeであり、より好ましくはSiである。
nコンタクト層を構成するGaN系半導体は、下地層と同一組成であることが好ましく、nコンタクト層と下地層との合計の膜厚を1〜20μm、好ましくは2〜15μm、さらに好ましくは3〜12μmの範囲に設定することが好ましい。nコンタクト層と下地層との合計の膜厚が上記範囲にあると、半導体の結晶性が良好に維持される。
nクラッド層の膜厚は、特に限定されないが、好ましくは0.005〜0.5μmであり、より好ましくは0.005〜0.1μmである。nクラッド層のn型ドーパント濃度は1×1017〜1×1020/cm3が好ましく、より好ましくは1×1018〜1×1019/cm3である。ドーパント濃度がこの範囲であると、良好な結晶性の維持および素子の動作電圧低減の点で好ましい。
また、発光層7は、上記のような単一量子井戸(SQW)構造の他に、上記Ga1−sInsNを井戸層として、この井戸層よりバンドギャップエネルギーが大きいAlcGa1−cN(0≦c<0.3)障壁層とからなる多重量子井戸(MQW)構造としてもよい。また、井戸層および障壁層には、不純物をドープしてもよい。
pクラッド層としては、発光層7のバンドギャップエネルギーより大きくなる組成であり、発光層7へのキャリアの閉じ込めができるものであれば特に限定されないが、好ましくは、AldGa1−dN(0<d≦0.4、好ましくは0.1≦d≦0.3)のものが挙げられる。pクラッド層が、このようなAlGaNからなると、発光層7へのキャリアの閉じ込めの点で好ましい。pクラッド層の膜厚は、特に限定されないが、好ましくは1〜400nmであり、より好ましくは5〜100nmである。pクラッド層のp型ドーパント濃度は、1×1018〜1×1021/cm3が好ましく、より好ましくは1×1019〜1×1020/cm3である。p型ドーパント濃度が上記範囲であると、結晶性を低下させることなく良好なp型結晶が得られる。
次に、図2〜図14を参照して、発光ダイオードAの製造方法について説明する。本実施形態の発光ダイオードAの製造方法は、基板21上に複数の化合物半導体層11を形成する積層工程と、複数の化合物半導体層11の各々の間の分離溝12に平坦化用レジスト層23を埋め込むように形成する平坦化工程と、複数の化合物半導体層11及び平坦化用レジスト層23の上にシード層2を形成するシード層形成工程と、シード層2上に、平坦化用レジスト層23に沿う分離用レジスト層22を包含し、該分離用レジスト層22によって一部が分断されてなるメッキ層1を形成するとともに、該メッキ層1に仮貼付基板24を貼り付けるメッキ工程と、基板21を複数の化合物半導体層11及び平坦化用レジスト層23から剥離して、複数の化合物半導体層11に備えられるn型半導体層8の光取出面11aを露出させるとともに、平坦化用レジスト層23及び分離用レジスト層22を除去する除去工程と、複数の化合物半導体層11に備えられるn型半導体層8上にn型電極層9を形成する電極形成工程と、仮貼付基板24を除去する仮貼付基板除去工程と、メッキ層1の内、分離用レジスト層22によって分断された部分に沿って、メッキ層1を切断するダイシング工程と、から概略構成されている。
また、本実施形態で説明する例では、前記除去工程と前記電極形成工程との間において、複数の化合物半導体層11の各側面(周囲面)11bに、保護用の絶縁膜10を形成する絶縁膜形成工程が設けられている。またさらに、本例では、前記絶縁膜形成工程と前記電極形成工程との間において、n型半導体層8の光取出面11aを粗面化する粗面化工程が設けられている。
以下、本実施形態の発光ダイオードの製造方法の一例について、図面を参照しつつ各工程を説明する。
積層工程では、図2(a)〜図2(c)に示すように、基板21上に、n型半導体層8、発光層7、p型半導体層6及び反射性p型電極層5を順次積層して複数の化合物半導体層11を形成する。
n型半導体層8にはn型ドーパントとしてSi等をドープさせることが望ましく、p型半導体層6にはp型ドーパントとしてMg等をドープさせることが望ましい。
また、基板21上に化合物半導体層11を構成するn型半導体層8、発光層7及びp型半導体層6の各々を形成する際には、あらかじめ基板21上にバッファ層を形成することが望ましい。すなわち、基板21としてサファイア基板を用い、n型半導体層8としてGaNを形成する場合には、基板21とn型半導体層8との格子定数が10%以上も異なる。この場合に、バッファ層として、基板21とn型半導体層8との中間の格子定数を有するAlNやAlGaNなどを用いることで、n型半導体層8を構成するGaNの結晶性を向上させることができる。
また、MOCVD法では、キャリアガスとして水素(H2)または窒素(N2)、III族原料であるGa源としてトリメチルガリウム(TMG)またはトリエチルガリウム(TEG)、Al源としてトリメチルアルミニウム(TMA)またはトリエチルアルミニウム(TEA)、In源としてトリメチルインジウム(TMI)またはトリエチルインジウム(TEI)、V族原料であるN源としてアンモニア(NH3)、ヒドラジン(N2H4)などが用いられる。また、ドーパントとしては、n型にはSi原料としてモノシラン(SiH4)またはジシラン(Si2H6)を、Ge原料としてゲルマンガス(GeH4)や、テトラメチルゲルマニウム((CH3)4Ge)やテトラエチルゲルマニウム((C2H5)4Ge)等の有機ゲルマニウム化合物を利用できる。
MBE法では、元素状のゲルマニウムもドーピング源として利用できる。p型にはMg原料としては例えばビスシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)またはビスエチルシクロペンタジエニルマグネシウム(EtCp2Mg)を用いればよい。
次に、平坦化工程では、図3に示すように、基板21上において、複数の化合物半導体層11の各々の間の分離溝12に、平坦化用レジスト層23を埋め込むように形成する。
次に、シード層形成工程では、図4に示すように、複数の化合物半導体層11及び平坦化用レジスト層23の上にシード層2を形成する。
次に、メッキ工程では、図5(a)〜図5(c)に示すように、シード層2上に、平坦化用レジスト層23に沿う分離用レジスト層22を包含し、該分離用レジスト層22によって一部が分断されてなるメッキ層1を形成するとともに、該メッキ層1に仮貼付基板24を貼り付ける。
次に、図5(b)に示すように、シード層2及び分離用レジスト層22を覆うようにメッキ層1を形成する。メッキ層1の形成は、シード層2に電流を印加しつつ電気メッキ法で行うとよい。この際、メッキ層1の厚みを、200〜350μm程度として分離用レジスト層22の高さよりも厚く形成することにより、図示するような、分離用レジスト層22によって一部が分断されてなるメッキ層1を形成することができる。
そして、図5(c)に示すように、メッキ層1に仮貼付基板24を、熱発泡テープ25を用いて貼り付ける。
次に、除去工程では、図6(a)〜図6(c)に示すように、基板21及び図示略のバッファ層を、複数の化合物半導体層11及び前記平坦化用レジスト層23から剥離して、複数の化合物半導体層11に備えられるn型半導体層8の光取出面11aを露出させるとともに、平坦化用レジスト層23及び分離用レジスト層22を除去する。
図示略のバッファ層及び基板21を取り除く方法としては、研磨法、エッチング法、レーザリフトオフ法など公知の技術を何ら制限なく用いることが出来るが、本例では生産性の観点からレーザリフトオフ法を用いることが好ましい。
また、平坦化用レジスト層23及び分離用レジスト層22の除去には、溶剤(NMP等)のジェット噴霧による方法を用いることが好ましい。
次に、図6(c)に示すように、複数の化合物半導体層11の各々の間に埋め込まれた平坦化用レジスト層23と、分離用レジスト層22の上のシード層2と、分離用レジスト層22を、溶剤(NMP等)のジェット噴霧によって一度に除去する。また、メッキ層1において分離用レジスト層22によって分断された部分には、分断溝1bが形成される。この際、メッキ層1の厚さ及び分離用レジスト層22の高さを上記範囲とし、メッキ層1における分断溝1bの底部で残存した部分を、例えば、50〜60μm程度とすることにより、後述のダイシング工程において、レーザスクライブを用いた切断が容易になる。
次に、絶縁膜形成工程では、図7に示すように、複数に分割された化合物半導体層11の各側面(周囲面)11bに、保護用の絶縁膜10を形成する。
具体的には、図7に示すように、CVD法やスパッタ法等の手段によって、SiO2からなる絶縁膜10を、各化合物半導体層11の側面11bと、各化合物半導体層11の光取り出し面11aの外周部分を覆うように形成する。化合物半導体層11の全体に絶縁膜10を形成し、光取出面11aの中央部以外の部分にレジストを形成し、ドライエッチングすることで、目的の絶縁膜10を形成できる。
次に、粗面化工程では、n型半導体層8の光取出面11aを粗面化する。
具体的には、詳細な図示を省略するが、加熱KOH溶液に浸漬して、光取出面11aの中央の絶縁膜10に被覆されずに露出している部分の、n型半導体層8を構成する図示略の下地層を除去するとともに、n型半導体層8の光取出面11aを粗面化する。
下地層の除去及び粗面化には、PEC(photo electrochemical etch)を使用することもできる。また、下地層の除去及び光取出面11aの粗面化にはドライエッチングを適用することもできる。
尚、上記の下地層の除去操作は、下地層がアンドープ層である場合に必要な操作であって、下地層にSi等がドープされている場合には下地層の除去操作は不要である。
電極形成工程では、図8に示すように、n型半導体層8の光取出面11aを、n型半導体層8中のドーパント元素と同一の元素を含有するエッチングガスによりドライエッチングしてから、光取出面11aにn型電極層9を形成する。
具体的には、メッキ層1及び化合物半導体層11等を含むメッキ基板をプラズマドライエッチング装置のチャンバに収納し、n型半導体層8中のドーパント元素と同一の元素を含有するエッチングガスからなる反応ガスをチャンバ内に供給し、化合物半導体層11の上方においてプラズマを発生させ、エッチングガスを含むプラズマを光取出面11aに暴露させる。
また、反応ガスを導入した際のチャンバ内の圧力は、例えば0.2〜2Paの範囲にすることが好ましく、エッチングガスの流量は15sccm〜50sccmの範囲が好ましく、プラズマのパワーは120W程度が好ましく、バイアスは50W程度が好ましく、処理時間は150秒程度がよい。
このようなエッチング処理を行うことによって、n型半導体層8の表面近傍にエッチングガスに含まれるSiが打ち込まれて、表面近傍のSi濃度が高められると考えられる。
上記の如く、n型半導体層8の表面をプラズマで処理してから、Cr膜またはTi膜等を積層することによって、n型電極層9を構成するCr膜またはTi膜とn型半導体層8とをオーミック接触させることができる。この場合、n型電極層9の形成後のアニールを必要としない。むしろ、アニールすることによって電気特性を悪化させてしまうことがあり、また、反射膜のAg合金がマイグレーションを起こし、反射率が低下するので好ましくない。
次に、仮貼付基板除去工程では、図9に示すように、仮貼付基板24をメッキ層1から剥離、除去する。
具体的には、図9に示すように、メッキ層1に仮貼付基板24を貼着している熱発泡テープ25を加熱することで貼着力を低下させることにより、仮貼付基板24をメッキ層1から引き剥がして除去する。
次に、ダイシング工程では、図10〜図11に示すように、メッキ層1の内、分離用レジスト層22(図6(b)等参照)によって分断された部分に沿って、メッキ層1を切断する。
具体的には、図10に示すように、メッキ層1において、前記除去工程において分離用レジスト層22が除去されることによって形成された分断溝1bの底部で残存した部分に沿って、例えば、レーザスクライブ法を用いてレーザを照射して切断する。この際、メッキ層1における分断溝1b底部の残存部分が60μm以下であれば、この部分をレーザ照射によって容易に切断することができる。また、この際、メッキ層1のレーザによる切断面は、メッキ層1を構成する銅が溶融した状態となる。
その後、上記方法で切断された分断溝1bの底部は、各々の切断面同士が溶融銅によって再溶着する。
これにより、メッキ層1全体が再溶着された状態となるため、分断された素子が飛び散ること無くウェーハ全体で保持される。一方、上記のように再溶着した銅は強度面で脆いので、微弱な機械的応力を印加することにより、容易にブレークして切断、分割することができ、複数のダイオードAが得られる。
このようなダイシング工程を行なうことにより、図11(図1も参照)に示すような、複数の発光ダイオードAが得られる。
以下、本発明の発光ダイオードの製造方法の他の例について、図面を参照しつつ各工程を説明する。なお、本例においては、上述したような本実施形態の製造方法の一例と共通する構成については共通の符号を付与するとともに共通の図面を用いて説明し、また、各例において共通する工程については、図面やその詳しい説明を省略する。
また、本例では、積層工程及びシード層形成工程については、上記製造方法の一例と共通であるので、上記したメッキ工程以降の工程を中心に説明する。
次に、図12(b)に示すように、第1メッキ層16上に、分離用レジスト層22を形成する。この際、分離用レジスト層22を、例えば、高さ寸法が100〜250μm程度、幅が数十μm程度になるように形成する。
次に、図12(c)に示すように、第1メッキ層16及び分離用レジスト層22を覆うように第2メッキ層17を形成することにより、分離用レジスト層22を包含するメッキ層15を形成する。このような各メッキ層の形成処理は、上記製造方法の一例と同様、シード層2に電流を印加しつつ電気メッキ法で行うことができる。
そして、図12(d)に示すように、メッキ層1に仮貼付基板24を、熱発泡テープ25を用いて貼り付ける。
次に、図13(c)に示すように、平坦化用レジスト層23及び分離用レジスト層22を、溶解除去もしくはアッシング除去の何れかの方法を用いて除去する。また、この際、メッキ層15に包含される分離用レジスト層22の除去は、仮貼付基板24を一時剥離して行なう。この際、メッキ層15において分離用レジスト層22によって分断された部分には、分断溝15bが形成される。このようにして、平坦化用レジスト層23及び分離用レジスト層22を除去した後、図13(d)に示すように、再度、メッキ層15に仮貼付基板24を貼り付ける。
また、メッキ層1において、分離用レジスト層22の除去によって形成される分断溝1bの底部の残存部分に沿って、レーザスクライブによってメッキ層1を切断するダイシング工程が備えられているので、メッキ層1のレーザによる切断面が溶融状態となった後、各々の切断面同士が溶融銅によって再溶着し、分断された素子が飛び散ること無くウェーハ全体で保持される。一方、再溶着した銅は脆いので、容易にブレークして切断、分割することができ、また、ダイシング用のテーブル上に粘着テープを貼り付け、この上にウェーハを設置することにより、再溶着した複数の素子を容易に分割して複数のダイオードAとして取り出すことができるので、素子分割時の管理を容易になる。従って、素子特性に優れた発光ダイオードAを高効率で製造することが可能となる。
以上説明したような、本発明に係る発光ダイオードの製造方法によって得られる、図1に示すような上下電極型の発光ダイオードAと蛍光体とを組み合わせることにより、当業者周知の手段を用いてランプを構成することができる。従来より、発光素子と蛍光体と組み合わせることによって発光色を変える技術が知られており、本発明では、このような技術を何ら制限されることなく採用することが可能である。
例えば、蛍光体を適正に選定することにより、発光素子より長波長の発光を得ることも可能となり、また、発光素子自体の発光波長と蛍光体によって変換された波長とを混ぜることにより、白色発光を呈するランプとすることもできる。
また、ランプとしては、一般用途の砲弾型、携帯のバックライト用途のサイドビュー型、表示器に用いられるトップビュー型等、何れの用途にも用いることができる。
上述のような本発明のランプ80は、本発明に係る発光ダイオードの製造方法によって得られる発光ダイオードAが用いられてなるものなので、発光特性等に優れたものとなる。
Claims (8)
- 基板上に、n型半導体層、発光層、p型半導体層を順次積層した後、分離溝を形成し、さらに反射性p型電極層を積層して複数の化合物半導体層を形成する積層工程と、
前記複数の化合物半導体層の各々の間の前記分離溝に、平坦化用レジスト層を埋め込むように形成する平坦化工程と、
前記複数の化合物半導体層及び前記平坦化用レジスト層の上にシード層を形成するシード層形成工程と、
前記シード層上に、前記平坦化用レジスト層に沿う分離用レジスト層を包含し、該分離用レジスト層によって一部が分断されてなるメッキ層を形成するとともに、該メッキ層に仮貼付基板を貼り付けるメッキ工程と、
前記基板を前記複数の化合物半導体層及び前記平坦化用レジスト層から剥離して、前記複数の化合物半導体層に備えられる前記n型半導体層の光取出面を露出させるとともに、平坦化用レジスト層及び分離用レジスト層を除去する除去工程と、
前記複数の化合物半導体層に備えられるn型半導体層上にn型電極層を形成する電極形成工程と、
前記仮貼付基板を除去する仮貼付基板除去工程と、
前記メッキ層の内、前記分離用レジスト層によって分断された部分に沿って、前記メッキ層を切断するダイシング工程と、
を具備してなることを特徴とする発光ダイオードの製造方法。 - 前記メッキ工程において、前記シード層上に分離用レジスト層を形成し、前記メッキ層を前記分離用レジスト層よりも厚く形成することにより、前記分離用レジスト層によって一部が分断されてなるメッキ層を形成することを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオードの製造方法。
- 前記メッキ工程において、前記シード層上に第1メッキ層を形成した後、該第1メッキ層上に分離用レジスト層を形成するとともに、該分離用レジスト層と同じ厚さ寸法の第2メッキ層を形成することにより、前記分離用レジスト層によって一部が分断されてなるメッキ層を形成することを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオードの製造方法。
- 前記除去工程は、前記メッキ層に包含される前記分離用レジスト層を除去することにより、前記メッキ層の内、前記分離用レジスト層によって分断された部分に分断溝を形成することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の発光ダイオードの製造方法。
- 前記除去工程と前記電極形成工程との間において、前記複数の化合物半導体層の周囲面に、保護用の絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程を設けることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の発光ダイオードの製造方法。
- 前記絶縁膜形成工程と前記電極形成工程との間において、前記n型半導体層の前記光取出面を粗面化する粗面化工程を設けることを特徴とする請求項5に記載の発光ダイオードの製造方法。
- 請求項1〜6の何れか1項に記載の製造方法で得られる発光ダイオード。
- 請求項7に記載の発光ダイオードが用いられてなるランプ。
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