JP2009080443A - ポリアミド樹脂、ポジ型感光性樹脂組成物、硬化膜、保護膜、絶縁膜およびそれを用いた半導体装置、表示体装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン構造および3,3’−ジアミノ−4,4’−ビフェニルジオール構造を有するポリアミド樹脂(A)100重量部と、感光剤(B)1〜50重量部とを、含むポジ型感光性樹脂組成物を適用することにより、上記課題である高感度、高解像度、および耐リフロー性を同時に満たすポジ型感光性樹脂組成物を提供することが可能となるものである。
【選択図】なし
Description
ここでポリベンゾオキサゾール樹脂やポリイミド樹脂を用いた場合のプロセスを簡略化するために、感光材のジアゾキノン化合物をこれらの樹脂と組み合わせたポジ型感光性樹脂組成物も使用されている(例えば、特許文献1参照)。
これらポジ型感光性樹脂を実際のプロセスに用いた場合、問題となるのは露光特性であり、その中でも特に重要なのは露光時間である。つまり、スループット向上のため、短時間で露光できる高感度であるポジ型感光性樹脂が望まれている。また、半導体の小型化に伴い微細パターンの形成が必要となるために高解像度であるポジ型感光性樹脂が望まれている。
さらに、近年において、半田リフローによる表面実装への移行等により、半導体素子への熱履歴を極力低減することが強く望まれており、耐リフロー性に優れたポリベンゾオキサゾール樹脂やポリイミド樹脂が必要とされている。
ところが、これまでのポリベンゾオキサゾール樹脂やポリイミド樹脂を使用したポジ型感光性樹脂組成物では、高感度、高解像度、および耐リフロー性を同時に満たすことは困難であった。
(2)一般式(1)中のY1およびY3が下記式(2)からなる群より選ばれるものである、(1)に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
(3)一般式(1)で示されるポリアミド樹脂の一方の末端のアミノ基に、アルケニル基またはアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基、または環式化合物基を含む酸無水物を反応させ、前記一般式(1)で示されるポリアミド樹脂の末端に不飽和基を導入したものである、(1)または(2)に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
(4)一般式(1)で示されるポリアミド樹脂の側鎖および他方の末端の少なくとも一方に窒素含有環状化合物を含む酸無水物を反応させ、前記一般式(1)で示されるポリアミド樹脂に窒素含有環状化合物を導入したものである、(3)に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
(5)さらに、フェノール性水酸基を有する化合物(C)を含むものである、(1)ないし(4)のいずれかに記載の記載のポジ型感光性樹脂組成物。
(6)前記フェノール性水酸基を有する化合物(C)が、下記式(3)より選ばれてなる(5)に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
(8)(7)に記載の硬化膜で構成されていることを特徴とする保護膜。
(9)(7)に記載の硬化膜で構成されていることを特徴とする絶縁膜
(10)(7)に記載の硬化膜を有することを特徴とする半導体装置。
(11)(7)に記載の硬化膜を有することを特徴とする表示体装置。
記硬化膜を有していることを特徴とするものである。
ポジ型感光性樹脂組成物の高感度化、高解像度化、耐リフロー性の全てを満たすことが可能となる。
。(式(4)において、R1およびR20は省略)
ドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンおよび3,3’−ジアミノ−4−4’−ビフェニルジオールと、カルボン酸誘導体とを、反応して得られるポリアミド樹脂であるが、ポジ型感光性樹脂組成物の各種基材対する密着性や硬化後の機械的特性を調整する目的で、他のジアミンを併用しても良く、例えば、下記一般式(7)で示されるポリアミド樹脂を挙げることができる。
b=100で、aが60以上100以下、bが0以上40以下であり、好ましくは、aが70以上100以下、bが0以上30以下である。上記範囲とすることで、ポジ型感光性樹脂組成物の高感度化、高解像度化、耐リフロー性と密着性、機械的特性のバランスを保つことが可能となる。
前記感光剤としては、例えばフェノール化合物と1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸または1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸とのエステルが挙げられる。具体的には、式(14)〜式(19)に示すエステル化合物を挙げることができる。これらは2種以上用いても良い。なお、式(14)〜(19)中のQは、水素原子または1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニル基または1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニル基を示す。
又は2種類以上組み合わせて用いてもよい。
本発明の硬化膜は、例えば下記の工程を経て得ることができる。
上述したポジ型感光性組成物を支持体(例えばシリコンウエハー、セラミック基板、アルミ基板等)に塗布する(塗布工程)。塗布量は、半導体素子上に塗布する場合、硬化後の膜の厚さが、例えば0.1〜30μmになるよう塗布する。膜の厚さが前記下限値を下回ると半導体素子の保護(表面)膜としての機能を十分に発揮することが困難となる場合があり、前記上限値を越えると微細な加工パターンを得ることが困難となる場合がある。塗布方法としては、スピンナーを用いた回転塗布、スプレーコーターを用いた噴霧塗布、浸漬、印刷、ロールコーティング等を挙げることができる。
するが、ポジ型感光性樹脂組成物の現像メカニズムは、下記の通りである。
未露光部ではジアゾキノン化合物がポリアミド樹脂と作用し、溶解抑止効果を発現して、アルカリ水溶液に難溶となる。一方、露光部ではジアゾキノン化合物が化学変化を起こし、アルカリ水溶液に可溶となる。この露光部と未露光部との溶解性の差を利用し、露光部を溶解除去することにより未露光部のみの塗膜パターンの作製が可能となるものである。現像工程で使用される現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第1アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン等の第2アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第3アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第4級アンモニウム塩等のアルカリ類の水溶液およびこれにメタノール、エタノール等のアルコール類の水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加した水溶液を好適に使用することができる。現像方法としては、例えばスプレー、パドル、浸漬、超音波等の方式が可能である。
加熱処理温度は、特に限定されないが、150〜380℃が好ましく、特に280〜380℃が好ましい。
≪実施例1≫
[ポリアミド樹脂の合成]
ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸22.98g(0.089モル)と1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール24.05g(0.178モル)とを反応
させて得られたジカルボン酸誘導体の混合物43.83g(0.089モル)とヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン3.66g(0.010モル)と3,3’−ジアミノ−4,4’−ビフェニルジオール19.46g(0.090モル)とを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、N−メチル−2−ピロリドン261.18gを加えて溶解させた。その後オイルバスを用いて75℃にて12時間反応させた。次にN−メチル−2−ピロリドン32.82gに溶解させた3,6−エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物6.57g(0.040モル)を加え、さらに12時間攪拌して反応を終了した。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/イソプロパノール=3/1(容積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、目的のポリアミド樹脂(A−1)を得た。
1−[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン51重量部(0.12モル)と1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロリド72.5重量部(0.27モル)をテトラヒドロフラン450mlに溶解し、トリエチルアミン28.3重量部(0.28モル)を滴下する。室温で20時間反応させた後、析出したトリエチルアミンの塩酸塩を濾別除去し、イオン交換水10Lに投入し、沈殿物を得た。この沈殿物を凝集し、室温で48時間真空乾燥させた。これを感光剤(B−1)とする。
合成したポリアミド樹脂(A−1)10g、合成した感光剤(B−1)2gをγ―ブチロラクトン70gに溶解した後、0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過し、ポジ型感光性樹脂組成物を得た。
実施例1のポリアミド樹脂の合成において、ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンの添加量を10.99g(0.030モル)に、3,3’−ジアミノ−4,4’−ビフェニルジオールの添加量を15.14g(0.070モル)に変更してポリアミド樹脂を合成した(A−2)。また、ポリアミド樹脂の合成以外は、実施例1と同様に、感光剤の合成、ポジ型感光性樹脂組成物の作製を行った。
実施例1のポジ型感光性樹脂樹脂組成物の作製において、さらにフェノール化合物(C−1)0.5gを添加した以外は、実施例1と同様に、感光剤の合成、ポジ型感光性樹脂組成物の作製を行った。
実施例1のポリアミド樹脂の合成において、ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンの添加量を18.31g(0.050モル)に、3,3’−ジアミノ−4,4’−ビフェニルジオールの添加量を10.81g(0.050モル)に変更してポリアミド樹脂を合成した(A−3)。また、ポリアミド樹脂の合成以外は、実施例1と同様に、感光剤の合成、ポジ型感光性樹脂組成物の作製を行った。
実施例1のポリアミド樹脂の合成において、ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンの添加量を36.63g(0.100モル)に、3,3’−ジアミノ−4,4’−ビフェニルジオールを無添加に変更してポリアミド樹脂を合成した(A−4)。ポリアミド樹脂の合成以外は、実施例1と同様に、感光剤の合成、ポジ型感光性樹脂組成物を作製を行った。
1.現像性
各実施例および比較例で得られたポジ型感光性樹脂組成物を、シリコンウエハー上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で4分乾燥し、膜厚約10μmの塗膜を得た。この塗膜に凸版印刷(株)製マスク(テストチャートNo.1:幅0.88〜50μmの残しパターン及び抜きパターンが描かれている)を通して、(株)ニコン製g線ステッパNSR―1505G3Aを用いて、露光量を100mJ/cm2から10mJ/cm2ステップで増やして露光を行った。次に1.50%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に100秒浸漬することによって露光部を溶解除去した後、純水で30秒間リンスした。その結果、露光量300mJ/cm2で照射した部分より
パターンが形成されていることが確認できた。(感度は300mJ/cm2)。また、パ
ターンを観察して露光量300mJ/cm2でのラインの連続パターンのうち良好に開口したラインの最小の幅は3μmであった。(解像度は3μm)。
上記パターン加工したシリコンウエハーをクリーンオーブンにて酸素濃度1,000ppm以下で、150℃/30分、320℃/30分で硬化を行った。次に、このウエハーにタムラ化研(株)製フラックス、BF−30をスピンナーで500rpm/5秒+1,000rpm/30秒間の条件で塗布した。リフロー炉で140〜160℃/100秒(プレヒート)、250℃/10秒の条件で立て続けに連続2回通した。次に、40℃に加熱したキシレンで10分洗浄した後、イソプロピルアルコールでリンスして乾燥させた。フラックスを除去した膜表面を金属顕微鏡で観察した(評価は、n=10で行った)。各符号は、以下の通りである。
◎:全てのサンプルが、全面にシワが無かった。
○:7〜9個のサンプルにおいて、全面にシワが無かった。
△:シワが一部に有った。
×:シワが全面に有った。
また、実施例1,2、および3で得られたポジ型感光性樹脂組成物の硬化膜は、耐リフロー性に優れていることが確認された。
Claims (11)
- 一般式(1)で示されるポリアミド樹脂の一方の末端のアミノ基に、アルケニル基またはアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基、または環式化合物基を含む酸無水物を反応させ、前記一般式(1)で示されるポリアミド樹脂の末端に不飽和基を導入したものである、請求項1または2に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 一般式(1)で示されるポリアミド樹脂の側鎖および他方の末端の少なくとも一方に窒素含有環状化合物を含む酸無水物を反応させ、前記一般式(1)で示されるポリアミド樹脂に窒素含有環状化合物を導入したものである、請求項1または2に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- さらに、フェノール性水酸基を有する化合物(C)を含むものである、請求項1ないし4のいずれかに記載の記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 請求項1ないし6いずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物の硬化物で構成されていることを特徴とする硬化膜。
- 請求項7に記載の硬化膜で構成されていることを特徴とする保護膜。
- 請求項7に記載の硬化膜で構成されていることを特徴とする絶縁膜
- 請求項7に記載の硬化膜を有することを特徴とする半導体装置。
- 請求項7に記載の硬化膜を有することを特徴とする表示体装置。
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