JP2009076377A - Ledランプユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】LEDを光源とするLEDランプユニットを放熱性の高い構造とすることによりLED光源の温度上昇を抑制し、よってLEDの発光効率の低下が抑制されて所定の照射光量を確保することが可能となるLEDランプユニットを提供することにある。
【解決手段】LED光源2が実装されたLED実装基板3を載置したヒートシンク4、該ヒートシンク4が固定されたリフレクタ5、リフレクタ5に連接されたレンズホルダ6、リフレクタ5の下側の内周面から上側に向かって延設されたシャッタ7、レンズホルダ6に保持された投影レンズ8によって光学系を形成し、LED光源の点灯時に発生する熱の放熱に寄与するヒートシンク5をLEDランプユニット1の上部に配置するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明はLEDを光源とするLEDランプユニットに関する。
LEDは温度上昇によって発光効率が低下するという特性を有している。LEDの温度上昇の要因は、点灯時の自己発熱や高温環境下に晒された場合等が考えられる。
一方、LEDは各種ランプに比較して一般的に小型、低消費電力、長寿命等の利点を有しており、従来この利点を利用してハイマウントストップランプ、ストップアンドテールランプ、方向指示灯等の車両用灯具の光源として使用され、近年ではLEDを光源とする車両用前照灯の提案もなされている。
LEDを光源とする前照灯においては、例えば、前面レンズとハウジングによって灯室を形成し、その灯室内にLEDを光源とするLEDランプユニットを支持したものがある。この場合、LEDランプユニットは前照灯として必要な照射光量を確保するために光源となるLEDを大電力で駆動する必要があること、密閉された灯室内にあって使用環境温度が高いこと等によりLEDがジャンクション温度の限界値で使用されることが少なくない。
すると、LEDの自己発熱および環境温度(周囲温度)によってLED自体の温度が上昇し、その結果、LEDの発光効率が低下して灯具の照射光量が低減すると共に、配光性能の悪化によって極端な場合には灯具に要求される配光規格を満足しなくなる可能性を有している。
そこで、上記問題の発生を抑制する目的で、灯室内に支持するLEDランプユニットを図12に示すような構成にすることが提案されている。それは、LEDランプユニット50をプロジェクタタイプのユニット構造とするものであり、その構成部材は、楕円を基調とする反射面51を有する上側リフレクタ52、シェード53が一体に形成された下側リフレクタ54、所定の配光パターンを形成する投影レンズ55、LED光源56が実装されたLED実装基板57、取付面58と放熱部59で構成されたヒートシンク部材60からなっている。
そして、ヒートシンク部材60の取付面58上に絶縁性熱伝導フィルムを介してLED実装基板57が載置されると共に、該LED実装基板57を覆うように上側リフレクタ52と下側リフレクタ54も取り付けられ、上側リフレクタ52と下側リフレクタ54で形成された開口縁部に投影レンズ55が保持されている。
上記構成のLEDランプユニット50において、LED光源56に電力を供給して点灯させると、LED光源56から上側リフレクタ52の反射面51に向かって出射された光は反射面51で反射されてその反射光の一部が下側リフレクタ54に一体形成されたシェード53でカットオフ(遮光)され、シェード53を通過した残りの反射光が投影レンズ55内を導光されてカットオフラインを有する所定の配光パターンでLEDランプユニット50外に照射される。
このとき、LED光源56の点灯時に発生した熱は、LED実装基板57および絶縁性熱伝導フィルムを介してヒートシンク部材60の取付面58から放熱部59に伝導されて移動し、放熱部59からLEDランプユニット50外に放散されてLED光源56の温度上昇が抑制されるというものである(例えば、特許文献1参照。)。
また、図13に示すような構成の前照灯ユニット80も提案されている。それは、光軸Zに沿って前方から順次、投影レンズ81、シェード82、LED光源83が配設されると共に、LED光源83から出射された光を前方に反射させるリフレクタ84が該LED光源83を覆うように配設されている。
更に、水平板85aおよび垂直板85bからなるT字状の取付板85を備えており、水平板85aの両面の各面に夫々1個のLED86、87が取り付けられ、垂直板85bの前面および後面に放熱部材88が取り付けられてサブアッシ89が構成されている。
そして、LED86、87の点灯時に発生した熱は、取付板85の水平板85aに移動し、水平板85aを伝導されて垂直板85bに移動し、垂直板85bを伝導されて放熱部材88に移動し、放熱部材88から前照灯ユニット80外に放散されてLED86、87の温度上昇が抑制されるというものである(例えば、特許文献2参照。)
特開2007−109613号公報 特開2006−107875号公報
上記「特開2007−109613号公報」で提案されたLEDランプユニット50は、LED光源56がヒートシンク部材60を構成する取付面58と放熱部59、上側リフレクタ52、下側リフレクタ54および投影レンズ55で形成される密閉空間61内に位置する構造となっており、LED光源56の発熱がヒートシンク部材60の放熱部59からLEDランプユニット50外に放散されると同時に、ヒートシンク部材60の取付面58からLED光源56を内包する密閉空間61内にも放散される。
そのため、密閉空間61内にこもった熱がLED光源56の周囲温度を上昇させ、ヒートシンク部材60による放熱効果が低減してLED光源56の温度上昇の抑制が阻害されることになる。
また、上記「特開2006−107875号公報」で提案された前照灯ユニット80は、LED86、87で発生した熱が放熱部材88に伝導されるまでに熱伝導抵抗の高い水平板85aを伝導されるために放熱部材88に至るまでに熱伝導効率が悪く、そのため放熱効果が低減してLED86、87の温度上昇の抑制が阻害されることになる。
そこで、本発明は上記問題に鑑みて創案なされたもので、その目的とするところは、LEDを光源とするLEDランプユニットを放熱性の高い構造とすることによりLED光源の温度上昇を抑制し、よってLEDの発光効率の低下が抑制されて所定の照射光量を確保することが可能となるLEDランプユニットを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載された発明は、LED光源と、前記LED光源を載置したヒートシンクと、前記LED光源を覆うように配置されて該LED光源から出射された光を前方に向けて反射するリフレクタと、前記リフレクタからの反射光を前方に向けて集束させながら照射する投影レンズを備えたことを特徴とするものである。
また、本発明の請求項2に記載された発明は、請求項1において、前記LEDランプユニットは、前記リフレクタと前記投影レンズの間に、前記リフレクタからの反射光の一部を遮光してカットオフラインを形成するシャッタを備えており、前記ヒートシンクと前記シャッタは前記投影レンズの光軸を含む面に対して互いに異なる側に位置することを特徴とするものである。
また、本発明の請求項3に記載された発明は、請求項1または2のいずれか1項において、前記ヒートシンクは、前記LED光源を載置したベース部と複数の板状のプレートフィンまたは波状のコルゲートフィンからなるフィン部が一体化され、前記フィン部は前記ベース部の前記光軸を含む面と反対側に位置することを特徴とするものである。
また、本発明の請求項4に記載された発明は、請求項3において、前記フィン部は、前記ベース部に鋳造、ロウ付け、またはカシメのうちいずれかの方法で取り付けられることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項5に記載された発明は、請求項1〜4のいずれか1項において、前記LEDランプユニットは、該LEDランプユニットの前記ヒートシンク側を上側にして車両に搭載されることを特徴とするものである。
本発明のLEDランプユニットは、LED光源の点灯時に発生する熱を外部に放散するためのヒートシンクを設けると共に、LEDランプユニットを車両に搭載する際にヒートシンクが上側に位置するような構成とした。
その結果、LED光源から発生した熱が効率良く外部に放散されるため、高い放熱性能によってLED光源の温度上昇が抑制され、よってLED光源の発光効率の低下が抑制されて所定の照射光量を確保することが可能となるLEDランプユニットが実現できた。
以下、この発明の好適な実施形態を図1〜図11を参照しながら、詳細に説明する(同一部分については同じ符号を付す)。尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの実施形態に限られるものではない。
図1は本発明のLEDランプユニットに係わる実施例1の概略断面図である。以下の図は図面上の上方向を車両の上方向とし、図面上の下方向を車両の下方向とし、図面上の左方向を車両の前方方向とし、図面の右方向を車両の後方方向としたときの、LEDランプユニットの車両搭載状態(方向)を示している。
LEDランプユニット1はLED光源2、LED光源2が実装されたLED実装基板3、LED実装基板3が絶縁性熱伝導シート(図示せず)を介して載置されたヒートシンク4、ヒートシンク4が固定されたリフレクタ5、リフレクタ5に連接されたレンズホルダ6、リフレクタ5のレンズホルダ6側のヒートシンク4と反対側(下側)の内周面からヒートシンク4側(上側)に向かって延設されたシャッタ7、レンズホルダ6に保持された投影レンズ8を備えており、プロジェクタタイプのLEDランプユニット1を構成している。
そして、ヒートシンク4、リフレクタ5、レンズホルダ6および投影レンズ8で閉空間9が形成され、この閉空間9内にLED光源2から出射した光の光路を制御する光学系が構成される。
そのうち、LED光源2は青色光を発光する青色LED素子または紫外光を発光する紫外LED素子のそれぞれと蛍光体の組み合わせによって白色光あるいは白色光に近い色調の光を放出する光源である。
例えば、LED素子が青色LED素子の場合、青色光に励起されて青色の補色となる黄色光に波長変換する蛍光体を用いることにより、青色LED素子から出射された青色光の一部が蛍光体を励起することによって波長変換された黄色光と、青色LED素子から出射された青色光との加法混色によって白色に近い色調の光を生成することができる。
また、同様にLED素子が青色LED素子の場合、青色光に励起されて緑色光および赤色光にそれぞれ波長変換する2種類の蛍光体を混合したものを用いることにより、青色LED素子から出射された青色光の一部が蛍光体を励起することによって波長変換された緑色光および赤色光と、青色LED素子から出射された青色光との加法混色によって白色光を生成することもできる。
一方、LED素子が紫外LED素子の場合、紫外光に励起されて青色光、緑色光、および赤色光にそれぞれ波長変換する3種類の蛍光体を混合したものを用いることにより、紫外LED素子から出射された紫外光が蛍光体を励起することによって波長変換された青色光、緑色光、および赤色光の加法混色によって白色光を生成することもできる。
更に、LED素子から出射される光の色調と蛍光体のとを適宜に組み合わせることによって白色光以外の種々な色調の光を生成することができる。
ヒートシンク4はベース部4aとフィン部4bからなり、ベース部4aは一定の厚みからなる板状を呈しており、その平面がランプユニット1の照射軸Xと略平行に位置している。フィン部4bはベース部4aのLED実装基板3が載置された面と反対側の面に上方に向かって平行に並設された複数の板状のフィンを有しており、フィン部4bの両横端部4baはベース部4aに対して略垂直に延びており、ベース部4aと対向する側にある先端部4bbはベース部4aと略平行に延びている。また、ヒートシンク4は熱伝導性が良好な材料からなっており、例えばAl、Al合金、Cu、およびCu合金等のうちいずれかの金属からなっている。
但し、ヒートシンク4は鋳造やロウ付けやカシメ等の方法により製造され、ロウ付けやカシメ等の方法によってベース部4aにフィン部4bを後付けする場合は、フィン部4bをベース部4aと異なる材料でコルゲートフィンやプレートフィンとすることができる。
リフレクタ5は該リフレクタ5のレンズホルダ6側の内底面から上方に向かって延びるシャッタ7を有しており、上記ヒートシンク4と同様に、例えばAl、Al合金、Cu、およびCu合金等のうちいずれかの金属で形成することもできるし、樹脂材料で形成することもできる。いずれの場合もリフレクタ5は内周面を反射面とする3つの領域からなっている。
そのうち、第1のリフレクタ領域5aは、LED光源2を覆うように該LED光源2近傍を第1の焦点F1の位置とし、シャッタ7の上端部7a近傍を第2の焦点F2の位置とする楕円系面からなる内周面を有しており、該内周面は楕円系反射面5aaとなっている。第1の焦点F1および第2の焦点F2を含む長軸はこのランプユニット1の照射軸Xと略同一直線上に位置する。
第2のリフレクタ領域5bは、上記第1のリフレクタ領域5aと同様にLED光源2を覆うようにLED光源2近傍を第1の焦点F1の位置とし、第3のリフレクタ領域5cの内周面の第1の焦点F3近傍の位置を第2の焦点の位置とする楕円系面からなる内周面を有しており、該内周面は楕円系反射面5bbとなっている。
第3のリフレクタ領域5cは、第2のリフレクタ領域5bの内周面の第2の焦点F3近傍の位置を第1の焦点の位置とし、シャッタ7の上端部7a近傍を第2の焦点F2の位置とする楕円系面からなる内周面を有しており、該内周面は楕円系反射面5ccとなっている。
よって、シャッタ7は上記リフレクタ5の各楕円系反射面5aa、5bb、5ccと投影レンズ8の間に位置し、上端部7aがLEDランプユニット1からの照射ビームのカットオフラインを形成する。
レンズホルダ6は略円筒形状を呈しており、照射方向側の開口に投影レンズ8を保持している。
投影レンズ8は少なくとも照射方向に膨らんだ凸レンズからなっている。
上記構成のランプユニット1において、第1の焦点F1の位置にあるLED光源2が点灯して該LED光源2から第1のリフレクタ領域5aの楕円系反射面5aaの方向に向けて出射された光は、楕円系反射面5aaで反射されて反射光が第2の焦点F2の位置にある、シャッタ7の上端部7a方向に向かい、その一部はシャッタ7によって光路が遮られる。
一方、第1のリフレクタ領域5aの楕円系反射面5aaで反射された光のうちシャッタ7に遮られることのない反射光はレンズホルダ6内を伝搬されて投影レンズ8に至る。
また、第1の焦点F1の位置にあるLED光源2から第2のリフレクタ領域5bの楕円系反射面5bbの方向に向けて出射された光は、楕円系反射面5bbで反射されて反射光が第2の焦点F3の方向に向う。該第2の焦点F3は第3のリフレクタ5cの第1の焦点でもあり、焦点F3の方向に向かった反射光は第3のリフレクタ領域5cの楕円系反射面5ccで再度反射されて反射光が第2の焦点F2の位置にある、シャッタ7の上端部7a近傍方向に向かい、その一部はシャッタ7によって光路が遮られる。
一方、第3のリフレクタ領域5cの楕円系反射面5ccで反射された光のうちシャッタ7に遮られることのない反射光はレンズホルダ6内を伝搬されて投影レンズ8に至る。
このようにLED光源2から出射して楕円系反射面5aaで1回反射して投影レンズ8に至った光、およびLED光源2から出射して楕円系反射面5bbと楕円系反射面5ccで2回反射して投影レンズ8に至った光はいずれも投影レンズ8内を導光され、集束しながらカットオフラインを有する所定の配光パターンでLEDランプユニット1外に照射される。
それと同時に、LED光源2が点灯すると該LED光源2が発熱するが、この熱は図2に示すように、LED光源2が実装されたLED実装基板3および絶縁性熱伝導シートを介して該LED実装基板3が載置された、ヒートシンク4の板状のベース部4aに伝導されて移動し、ベース部4aに移動した熱は更にベース部4aの、LED実装基板3が載置された面と反対側の面に上方に向かって平行に並設された複数の板状のフィンからなるフィン部4bに伝導されて移動し、フィン部4bから外部に放散される。
このとき、ヒートシンク4のベース部4aおよびフィン部4bはいずれもLED光源2の上方に位置しているため、LED光源2で発生した熱は高い熱伝導効率で且つスムーズに順次ベース部4aおよびフィン部4bに伝導されて移動し、フィン部4bから上方に向かう対流の流れに沿ってLEDランプユニット1外に放散されると共に、LED光源2が収容された閉空間9内に放散されることはほとんどない。
その結果、高い放熱性能によってLED光源の温度上昇が抑制され、よってLED光源の発光効率の低下が抑制されて所定の照射光量を確保することが可能となる。
図3は実施例2の概略断面図である。実施例2は実施例1とヒートシンク4のフィン部4bの形状、ヒートシンク4の配置方向、およびリフレクタ5の形状が異なる。
具体的には、リフレクタ5のヒートシンク4を固定するリフレクタ固定部5dがランプユニット1の照射軸Xに対して後方に向かって下側に傾斜している。
よって、ヒートシンク4のベース部4aおよびベース部4aに載置されたLED実装基板3もLEDランプユニット1の照射軸Xに対して後方に向かって下側に傾斜している。
ヒートシンク4のフィン部4bは2分割されており、前方に位置するフィン部4cの長さに対して後方に位置するフィン部4dの長さが長くなっている。フィン部4c、4dからなるフィン部4bの両横端部4baはベース部4aに対して略垂直に延びており、ベース部4aと対向する側にあるフィン部4c、4dの先端部4cb、4dbはベース部4aと略平行に延びている。
また、ヒートシンク4、リフレクタ5、レンズホルダ6および投影レンズ8で囲まれた空間10がヒートシンク4とリフレクタ5の第3のリフレクタ領域5cとの隙間11によってランプユニット1の外部と繋がっている。
そこで、LED光源2で発生した熱は、LED光源2が実装されたLED実装基板3および絶縁性熱伝導シートを介して該LED実装基板3が載置された、ヒートシンク4の板状のベース部4aに伝導されて移動し、ベース部4aに移動した熱は更にベース部4aの、LED実装基板3が載置された面と反対側の面に上方に向かって平行に並設された複数の板状のフィンからなるフィン部4c、4dに伝導されて移動し、フィン部4c、4dから外部に放散される。
このとき、下方にLED実装基板3が位置するフィン部4cおよび下方にリフレクタ5のリフレクタ固定部5dとの接続部が位置するフィン4dが共に上方に向かって後方に傾斜しており、且つフィン部4cよりもフィン部4dの方が各フィンの面積が大きくなっている。
そこで、LED光源2で発生してヒートシンク4のベース部4aに移動した熱は、フィン部4cおよびフィン部4dに伝導されて移動するが、移動する熱量はフィン4cよりも熱容量が大きいフィン部4dの方が多く、フィン部4cからフィン部4dに向かう熱の流れが形成される。
また、ヒートシンク4のベース部4aが傾斜していることにより、ヒートシンク4のフィン部4c側から外部に放散された熱がフィン部4d側に向かい、フィン部4dのフィン部4c側と反対側から上方に向かう対流も形成される。
よって、LEDランプユニット1から遠い位置にあるフィン部4dから上方に向かう対流が形成され、対流の流路にない、ヒートシンク4とリフレクタ5の第3のリフレクタ領域5cで形成された隙間11からヒートシンク4、リフレクタ5、レンズホルダ6および投影レンズ8で囲まれた空間10に侵入する熱は少なく、空間10内に位置するLED光源2の放熱効果を低下させることはほとんどない。
その結果、上記実施例1と同様に、高い放熱性能によってLED光源の温度上昇が抑制され、よってLED光源の発光効率の低下が抑制されて所定の照射光量を確保することが可能となる。
特に、実施例2の構成を採った場合において、LEDランプユニット1は、LED光源2から直上に照射される発光強度の強い光を第2のリフレクタ領域5bと第3のリフレクタ領域5cとによる2回反射で照射することができる。そのため、実施例1のLEDランプユニット1と比較して、より効率よくLED光源2からの光を利用することが可能となる。
なお、上記実施例1および実施例2において、LEDランプユニット1はすれ違い用ビームに用いる車両用前照灯であるため、焦点F2付近にシャッタ7を設けていたが、本発明ではこれに限定されない。すなわち、光源からの光を遮光する必要のない走行用ビームを形成するためにLEDランプユニット1を用いる場合には、焦点F2付近にシャッタ7を設けない。このように構成することにより、LEDランプユニット1からはリフレクタ5からの光がそのまま投影レンズ8を介して照射される。
以下に、本発明のLEDランプユニットの放熱効果のシミュレーションおよびその結果について説明する。
本発明の代表として上述の実施例1のLEDランプユニットの構成を採用し、比較例として図4に示す構成のLEDランプユニットを採用した。比較例は実施例1と同様に、LED光源2、LED光源2が実装されたLED実装基板3、LED実装基板3が絶縁性熱伝導シート(図示せず)を介して載置されたヒートシンク4、ヒートシンク4が固定されたリフレクタ5、リフレクタ5に連接されたレンズホルダ6、リフレクタ5のレンズホルダ6側のヒートシンク4側(下側)の内周面からヒートシンク4と反対側(上側)に向かって延設されたシャッタ7、レンズホルダ6に保持された投影レンズ8を備えたプロジェクタタイプのLEDランプユニット1である。
実施例1と比較例の違いはヒートシンク4の位置が異なり、実施例1のヒートシンク4がLEDランプユニット1の照射軸Xに対して上側に位置するのに対し、比較例は照射軸Xの下側に位置する。つまり、比較例は実施例1を上下反転させてシャッタ7をリフレクタ5の下側の内周面に設けた構成となっている。
シミュレーションの設定条件は、実施例1および比較例ともにヒートシンク4のベース部4aの寸法を60mm×60mm、フィン部4bの各フィンの高さを30mm、LED光源2に供給する電力を10W、周囲温度を60℃とした。
図5〜図10はシミュレーション結果を表したものであり、図5は比較例において、ヒートシンク4のベース部4aのLED実装基板3が載置された面における等温度線を示しており、図6は同様の面の、Y方向(短手方向)に所定の間隔で設定されたX方向(長手方向)に平行な複数の直線の各直線上の温度分布を表わしたものであり、図7は同様の面の、X方向(長手方向)に所定の間隔で設定されたY方向(短手方向)に平行な複数の直線の各直線上の温度分布を表わしたものである。
図8は実施例1において、ヒートシンク4のベース部4aのLED実装基板3が載置された面における等温度線を示しており、図9は同様の面の、Y方向(短手方向)に所定の間隔で設定されたX方向(長手方向)に平行な複数の直線の各直線上の温度分布を表わしたものであり、図10は同様の面の、X方向(長手方向)に所定の間隔で設定されたY方向(短手方向)方向に平行な複数の直線の各直線上の温度分布を表わしたものである。
図6および図7より、比較例はLED光源2の直下位置の温度が112℃であり、図9および図10より、実施例1はLED光源2の直下位置の温度が106℃であり、同一条件下においては、実施例1のLED光源2の直下位置における温度が比較例に対して6℃程度低下することが確認された。
ところで、比較例および実施例1で使用したLED光源は図11で示すような発光光束の温度依存性を有しており、LED光源の温度が50℃のときの発光光束を100%としたときの106℃のときの相対発光光束は約85%、112℃のときの相対発光光束は約83%となっており、106℃のときの相対発光光束は112℃のときよりも約2%増加することになる。
従って、LED光源2の温度が、ヒートシンク4のベース部4aのLED実装基板3が載置された面のLED光源2の直下位置の温度に限りなく近いと仮定すると、比較例に対してLED光源の温度を約6℃低減した実施例1の放熱効果は発光光束の2%の向上に寄与することがわかる。
また、LED光源は材料によっては温度が10℃上昇すると寿命が半減するという特性のものもあり、本発明によってLED光源の温度上昇を6℃抑制できることは長寿命化による信頼性の向上にも繋がるものである。
以上説明したように、本発明のLEDランプユニットは車両に搭載したときに、LED光源を載置したヒートシンクがLEDランプユニットの上部に位置するように配置し、LED光源で発生した熱を効率良くヒートシンクで放熱するようにした。
その結果、高い放熱性能によってLED光源の温度上昇が抑制され、よってLED光源の発光効率の低下が抑制されて所定の照射光量を確保することが可能となる、という優れた効果を奏するものである。
本発明に係わる実施例1の概略断面図である。 本発明に係わる実施例1の概略部分断面図である。 本発明に係わる実施例2の概略断面図である。 比較例の概略断面図である。 比較例の等温度線図である。 比較例の温度分布図である。 同じく、比較例の温度分布図である。 実施例1の等温度線図である。 実施例1の温度分布図である。 同じく、実施例1の温度分布図である。 LED光源の発光光束の温度依存性を示すグラフである。 従来例の概略断面図である。 他の従来例の概略断面図である。
符号の説明
1 LEDランプユニット
2 LED光源
3 LED実装基板
4 ヒートシンク
4a ベース部
4b フィン部
4ba 横端部
4bb 先端部
4c フィン部
4cb 先端部
4d フィン部
4db 先端部
5 リフレクタ
5a 第1のリフレクタ領域
5aa 楕円系反射面
5b 第2のリフレクタ領域
5bb 楕円系反射面
5c 第3のリフレクタ領域
5cc 楕円系反射面
5d リフレクタ固定部
6 レンズホルダ
7 シャッタ
7a 上端部
8 投影レンズ
9 閉空間
10 空間
11 隙間

Claims (5)

  1. LED光源と、前記LED光源を載置したヒートシンクと、前記LED光源を覆うように配置されて該LED光源から出射された光を前方に向けて反射するリフレクタと、前記リフレクタからの反射光を前方に向けて集束させながら照射する投影レンズを備えたことを特徴とするLEDランプユニット。
  2. 前記LEDランプユニットは、前記リフレクタと前記投影レンズの間に、前記リフレクタからの反射光の一部を遮光してカットオフラインを形成するシャッタを備えており、前記ヒートシンクと前記シャッタは前記投影レンズの光軸を含む面に対して互いに異なる側に位置することを特徴とする請求項1に記載のLEDランプユニット。
  3. 前記ヒートシンクは、前記LED光源を載置したベース部と複数の板状のプレートフィンまたは波状のコルゲートフィンからなるフィン部が一体化され、前記フィン部は前記ベース部の前記光軸を含む面と反対側に位置することを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載のLEDランプユニット。
  4. 前記フィン部は、前記ベース部に鋳造、ロウ付け、またはカシメのうちいずれかの方法で取り付けられることを特徴とする請求項3に記載のLEDランプユニット。
  5. 前記LEDランプユニットは、該LEDランプユニットの前記ヒートシンク側を上側にして車両に搭載されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のLEDランプユニット。
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