JP2009074354A - 排水配管構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐火性能を満足しながら、施工コストを低減できる排水配管構造を提供することを目的としている。
【解決手段】本体部の上下に立管接続部が設けられ、本体部の側面に横枝管接続部が設けられた金属製排水集合継手が、下端部を防火区画の下方に突出するように防火区画を貫通して設置される排水配管構造であって、
少なくとも前記排水集合継手の立管接続部に接続される立管材のうち、少なくとも下部立管接続部から耐火性能確保必要長さ部分が耐火熱膨張性樹脂組成物からなる管状をした耐火膨張層を少なくとも備え、加熱により管内径が小径化して閉塞する耐火熱膨張性樹脂配管材で形成され、横枝管接続部に横枝管接続部に非耐火性樹脂管が接続されていることを特徴としている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、多層建築物などに用いられる排水配管構造に関する。
従来より、複層からなる建築物における上層及び下層を仕切る床や、隣接する空間を仕切る壁など、様々な区画に対し、配管手段を貫通させる構造が存在している(特許文献1)。そうした区画貫通部が防火区画の場合には、区画によって仕切られた一方の空間で火災が発生した場合、火炎が他方の空間へと侵入しないような構造が必要となる。
すなわち、給水管、配電管、その他の管が耐火構造の床若しくは壁を貫通する場合においては、当該管と準耐火構造の防火区画とのすき間をモルタルその他の不燃材料で埋めなければならない、給水管、配電管、その他の管の貫通する部分及び当該貫通する部分からそれぞれ両側に1m以内の距離にある部分を不燃材料で造ることとされている(建築基準法施行令参照)。
したがって、多層建築物の各階を仕切る防火区画である床スラブの貫通部においては、金属製の集合継手を用いるとともに、この集合継手の上下の立管接続部や横枝管接続部に接続される立管およぶ横枝管には、耐火性能に優れた樹脂ライニング鋼管、耐火二層管(樹脂管の周囲に繊維補強モルタル層を設けたもの)、金属管等が使用されている。
しかしながら、金属管、耐火二層管および樹脂ライニング鋼管の場合、塩化ビニル樹脂管などの樹脂のみからなる管に比べて、重量が大きく施工性に問題があるとともに、コストが割高になるという問題がある。
特開平10−195947号公報
本発明は、上記事情に鑑みて、耐火性能を満足しながら、施工コストを低減できる排水配管構造を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明にかかる排水配管構造は、本体部の上下に立管接続部が設けられ、本体部の側面に横枝管接続部が設けられた金属製排水集合継手が、下端部を防火区画の下方に突出するように防火区画を貫通して設置される排水配管構造であって、
少なくとも前記排水集合継手の立管接続部に接続される立管材のうち、少なくとも下部立管接続部から耐火性能確保必要長さ部分が耐火熱膨張性樹脂組成物からなる管状をした耐火膨張層を少なくとも備え、加熱により管内径が小径化して閉塞する耐火熱膨張性樹脂配管材で形成され、横枝管接続部に非耐火性樹脂管が接続されていることを特徴としている。
本発明において、下部立管接続部から耐火性能確保必要長さ部分までの間とは、管径や耐火熱膨張性樹脂配管材の種類、床スラブ等の防火区画の厚さによっても異なるが、防火区画の下端面から1m程度の長さである。
本発明の上記耐火熱膨張性樹脂配管材を構成する樹脂組成物の主成分樹脂としては、特に限定されないが、自己消火性を備えるポリ塩化ビニル系樹脂が好ましい。
上記ポリ塩化ビニル系樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル単独重合体;塩化ビニルモノマーと、該塩化ビニルモノマーと共重合可能な不飽和結合を有するモノマーとの共重合体;塩化ビニル以外の(共)重合体に塩化ビニルをグラフト共重合したグラフト共重合体等が挙げられ、これらは単独で使用されてもよく、2種以上が併用されてもよい。又、必要に応じて上記ポリ塩化ビニル系樹脂を塩素化してもよい。
上記塩化ビニルモノマーと共重合可能な不飽和結合を有するモノマーとしては、特に限定されず、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等のα−オレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;ブチルビニルエーテル、セチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル類;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のN−置換マレイミド類などが挙げられ、これらは単独で使用されてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記塩化ビニルをグラフト共重合する重合体としては、塩化ビニルをグラフト共重合するものであれば、特に限定されず、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−ブチルアクリレート−一酸化炭素共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリウレタン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレンなどが挙げられ、これらは単独で使用されてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ポリ塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、特に限定されるものではないが、小さくなると成形体の物性低下が起こり、大きくなると溶融粘度が高くなって成形が困難になるので、400〜1600が好ましく、600〜1400が、特に好ましい。尚、上記平均重合度とは、ポリ塩化ビニル系樹脂をテトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、濾過により不溶成分を除去した後、濾液中のTHFを乾燥除去して得た樹脂を試料とし、JIS K−6721「塩化ビニル樹脂試験方法」に準拠して測定した平均重合度を意味する。
上記ポリ塩化ビニル系樹脂の重合方法は、特に限定されず、従来公知の任意の重合方法が採用されてよく、例えば、塊状重合方法、溶液重合方法、乳化重合方法、懸濁重合方法等が挙げられる。
上記ポリ塩化ビニル系樹脂の塩素化方法としては、特に限定されず、従来公知の塩素化方法が採用されてよく、例えば、熱塩素化方法、光塩素化方法等が挙げられる。
上記ポリ塩化ビニル系樹脂はいずれも、樹脂組成物としての耐火性能を阻害しない範囲で、架橋、変性して用いてもよい。この場合、予め架橋、変性した樹脂を用いてもよく、添加剤等を配合する際に、同時に架橋、変性してもよいし、あるいは樹脂に前記成分を配合した後に架橋、変性してもよい。上記樹脂の架橋方法についても、特に限定はなく、ポリ塩化ビニル系樹脂の通常の架橋方法、例えば、各種架橋剤、過酸化物を使用する架橋、電子線照射による架橋、水架橋性材料を使用した方法等が挙げられる。
本発明の耐火熱膨張性樹脂パイプは、火炎等によって加熱されると耐火膨張層が膨張して、管内を閉塞あるいは閉塞に近い状態にすることができるものであれば、特に限定されず、耐火膨張層のみの単層のものでも、耐火膨張層の内外面に耐火膨張層の耐火性能を阻害しない範囲で膨張黒鉛を含まない樹脂組成物からなる樹脂層を設けた複層構造とするようにしても構わないが、内面平滑性を考慮すると、耐火膨張層の内面に膨張黒鉛を含まない樹脂組成物からなる樹脂層を設けることが好ましい。
なお、上記単層構造品の場合、耐火膨張層を形成する耐火熱膨張性樹脂組成物としては、特に限定されないが、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、熱膨張性黒鉛を1〜10重量部の割合で含むものが好ましく、1〜8重量部の割合で含むものがより好ましく、2〜7重量部の割合で含むものがさらに好ましい。すなわち、熱膨張性黒鉛が1重量部未満であると、燃焼時に、十分な熱膨張性が得られず、所望の耐火性が得られない恐れがあり、10重量部を超えると、加熱により熱膨張しすぎて、その形状を保持できずに残渣が脱落し、耐火性が低下してしまう恐れがある。
一方、複層構造品の場合、耐火膨張層を形成する耐火熱膨張性樹脂組成物としては、特に限定されないが、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、熱膨張性黒鉛を1〜15重量部の割合で含むものが好ましく、1〜12重量部の割合で含むものがより好ましく、2〜10重量部の割合で含むものがさらに好ましい。すなわち、熱膨張性黒鉛を熱膨張性黒鉛が1重量部未満であると、燃焼時に、十分な熱膨張性が得られず、所望の耐火性が得られないし、15重量部を超えると、加熱により熱膨張しすぎて、その形状を保持できずに残渣が脱落し、耐火性が低下してしまう恐れがある。
上記のような複層構造品の場合、耐火管状の内面を被覆する被覆層の厚みは、0.2〜2.0mmであることが好ましい。
すなわち、耐火膨張層の内面を被覆する被覆層の厚みが0.2mm未満であると、内面平滑効果が不十分となり、2.0mmを超えると耐火性が低下する恐れがある。
本発明で用いられる熱膨張性黒鉛は、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等の強酸化剤とで、黒鉛の層間に無機酸を挿入する酸処理をした後、pH調整して得られる炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物であって、pH1.5〜4.0に調整された熱膨張性黒鉛、および、1.3倍膨張温度が180℃〜240℃の熱膨張性黒鉛を用いることが好ましい。
すなわち、熱膨張性黒鉛のpHが1.5未満であると、酸性が強すぎて、成形装置の腐食などを引き起こしやすく、pHが4.0を超えると、ポリ塩化ビニル系樹脂の炭化促進効果が薄れ、十分な耐火性能が得られなくなる恐れがある。
上記熱膨張性黒鉛のpH調整方法は、特に限定されないが、通常、上記のように、原料黒鉛の層間に無機酸を挿入する酸処理をした状態では、pH1以下になっているため、例えば、酸処理後の黒鉛を水で洗浄して、黒鉛の表面に残存する酸を除去した後、乾燥させる方法が挙げられる。すなわち、熱膨張性黒鉛のpHを上昇させるには、水洗と乾燥とを繰り返せばよい。
一方、熱膨張性黒鉛の1.3倍膨張温度が180℃未満であると、成形中に熱膨張性黒鉛が膨張してしまうことがあり、管の外観不良を引き起こす上、燃焼時の耐火性が低下してしまう恐れがあり、熱膨張性黒鉛の1.3倍膨張温度が240℃を超えると、成形中に熱膨張性黒鉛の膨張が開始してしまう恐れはないものの、燃焼時において、ポリ塩化ビニル系樹脂の熱分解(発泡)が進行し、ポリ塩化ビニル系樹脂の柔軟性が低下してしまった後に、熱膨張性黒鉛が膨張するため、ポリ塩化ビニル系樹脂が、熱膨張性黒鉛の膨張に耐え切れなくなり、バラバラに崩壊してしまう恐れがある。
なお、1.3倍膨張温度とは、加熱炉内を一定温度にして、熱膨張性黒鉛の試料を30分加熱した後の熱膨張性黒鉛の膨張倍率が、1.3以上になる温度を意味する。また、膨張倍率は、加熱後の試料の体積を加熱前の試料の体積で除することで求められる。
上記熱膨張性黒鉛の粒径は、特に限定されないが、好ましくは100〜400μmであり、さらに好ましくは120〜350μmである。すなわち、粒径が細かくなりすぎると、耐火性樹脂組成物の膨張率が低下してしまう恐れがある。一方、粒径が大きくなりすぎると、加熱により組織が熱膨張しすぎて、その形状を保持できずに残渣が脱落し、耐火性が低下してしまうし、耐火性樹脂組成物を配管材としたときの引張強度や扁平強度などの物性が低下してしまい、管材として必要な機械的強度が得られなくなってしまう恐れがある。
また、耐火膨張層を形成する耐火熱膨張性樹脂組成物には、本発明の目的を阻害しない範囲で、必要に応じて安定剤、無機充填剤、難燃剤、滑剤、加工助剤、衝撃改質剤、耐熱向上剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、顔料、可塑剤、熱可塑性エラストマーなどの添加剤が添加されていてもよい。
上記安定剤としては、特に限定されないが、鉛系安定剤、有機スズ安定剤、高級脂肪酸金属塩等が挙げられ、これらが単独であるいは複合して用いられる。
鉛系安定剤としては、例えば、鉛白、塩基性亜硫酸鉛、三塩基性硫酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、二塩基性フタル酸鉛、三塩基性マレイン酸鉛、シリカゲル共沈ケイ酸鉛、二塩基性ステアリン酸鉛、ステアリン酸鉛、ナフテン酸鉛が挙げられる。
また、有機スズ系安定剤としては、例えば、ジブチル錫メルカプト、ジオクチル錫メルカプト、ジメチル錫メルカプトなどのメルカプチド類;ジブチル錫マレート、ジブチル錫マレートポリマー、ジオクチル錫マレート、ジオクチル錫マレートポリマーなどのマレート類;ジブチル錫メルカプトジブチル錫ラウレート、ジブチル錫ラウレートポリマーなどのカルボキシレート類が挙げられる。
高級脂肪酸金属塩(金属石ケン)としては、例えば、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、リシノール酸カルシウム、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸バリウム、ラウリン酸バリウム、リシノール酸バリウム、ステアリン酸カドミウム、ラウリン酸カドミウム、リシノール酸カドミウム、ナフテン酸カドミウム、2−エチルヘキソイン酸カドミウム、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、リシノール酸亜鉛、2−エチルヘキソイン酸亜鉛、ステアリン酸鉛、二塩基性ステアリン酸鉛、ナフテン酸鉛が挙げられる。
上記安定剤の配合割合は、特に限定されないが、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、0.3〜5.0重量部とすることが好ましい。
すなわち、安定剤の配合割合が0.3重量部未満であると、成形時におけるポリ塩化ビニル系樹脂の熱安定性が確保されにくく、成形中に炭化物が出やすくなってしまう恐れがあり、5.0重量部を超えると、燃焼時におけるポリ塩化ビニル系樹脂の炭化促進を阻害して十分な耐火性能が得られなくなる恐れがある。
無機充填剤としては、特に限定されず、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト類、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーンナイト、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、脱水汚泥等が候補に挙げられ、これらのうち、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸バリウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、酸化鉄等の塩基性無機充填剤を用いることが好ましい。
これらは、単独でも、2種以上を混合して用いてもよい。
また、無機充填剤の配合割合は、特に限定されないが、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対して0.3〜50重量部の割合とすることが好ましく、2〜5重量部の割合とすることがより好ましい。すなわち、無機充填剤が0.3重量部未満であると、燃焼時に、骨材的な働きがなされず、その形状を保持できずに残渣が脱落して、耐火性が低下してしまう恐れがあり、50重量部を超えると、組成物全体に対するポリ塩化ビニル系樹脂の割合が低くなるため、引張強度が低下してしまう恐れがある。
特に、熱膨張性黒鉛として、pHを1.5〜4.0に調整されたものを用いる場合には、上記塩基性無機充填剤をポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対して0.3〜5.0重量部の割合で配合することが好ましい。すなわち、塩基性無機充填剤の配合割合がポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対して0.3重量部未満であると、成形時におけるポリ塩化ビニル系樹脂の熱安定性が確保されず、成形中に炭化物が出やすくなってしまい、塩基性化合物が5.0重量部を超えると、燃焼時におけるポリ塩化ビニル系樹脂の炭化促進を阻害することとなり、耐火性能の著しい向上が見られなくなる恐れがある。
上記難燃剤としては、燃焼時の難燃性を高めるためのものであれば特に限定されず、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物、ハイドロタルサイト、二酸化アンチモン、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等の酸化アンチモン、三酸化モリブデン、二硫化モリブデン、アンモニウムモリブデート等のモリブデン化合物、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロムエタン、テトラブロムエタン、テトラブロムエタン等の臭素系化合物、トリフェニルフォスフェート、アンモニウムポリフォスフェート等のリン系化合物、ホウ酸カルシウム、ホウ酸亜鉛などが挙げられるが、ポリ塩化ビニルの燃焼抑制効果としては、三酸化アンチモンが特に好ましい。アンチモン化合物は、ハロゲン系化合物の存在下では、高温条件のもとで、ハロゲン化アンチモン化合物を作り、燃焼サイクルを抑制させる効果が非常に強く、相乗効果が著しいからである。
難燃剤を併用することにより、燃焼時において、熱膨張性黒鉛の膨張による断熱効果と難燃剤による燃焼遅延効果が相乗効果を発揮して、より効率的に耐火性能を向上させることができる。難燃剤の添加部数は、特に限定されないが、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、1重量部以上20重量部以下、添加されていることが好ましい。難燃剤が1重量部未満であると、十分な相乗効果が得られにくいし、難燃剤が20重量部を超えて添加されると、成形性や物性が著しく低下してしまう恐れがあるからである。
上記熱安定化助剤としては特に限定されず、例えば、エポキシ化大豆油、リン酸エステル、ポリオール、ハイドロタルサイト、ゼオライト等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記滑剤としては、内部滑剤、外部滑剤が挙げられる。
内部滑剤は、成形加工時の溶融樹脂の流動粘度を下げ、摩擦発熱を防止する目的で使用される。上記内部滑剤としては特に限定されず、例えば、ブチルステアレート、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、エポキシ大豆油、グリセリンモノステアレート、ステアリン酸、ビスアミド等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記外部滑剤は、成形加工時の溶融樹脂と金属面との滑り効果を上げる目的で使用される。外部滑剤としては特に限定されず、例えば、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、エステルワックス、モンタン酸ワックスなどが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記加工助剤としては特に限定されず、例えば重量平均分子量10万〜200万のアルキルアクリレート−アルキルメタクリレート共重合体等のアクリル系加工助剤などが挙げられる。上記アクリル系加工助剤としては特に限定されず、例えば、n−ブチルアクリレート−メチルメタクリレート共重合体、2−エチルヘキシルアクリレート−メチルメタクリレート−ブチルメタクリレート共重合体等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記衝撃改質剤としては特に限定されず、例えばメタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS)、塩素化ポリエチレン、アクリルゴムなどが挙げられる。
上記耐熱向上剤としては特に限定されず、例えばα−メチルスチレン系、N−フェニルマレイミド系樹脂等が挙げられる。
上記酸化防止剤としては特に限定されず、例えば、フェノール系抗酸化剤などが挙げられる。
上記光安定剤としては特に限定されず、例えば、ヒンダードアミン系等の光安定剤等が挙げられる。
上記紫外線吸収剤としては特に限定されず、例えば、サリチル酸エステル系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収剤などが挙げられる。
上記顔料としては特に限定されず、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、スレン系、染料レーキ系等の有機顔料;酸化物系、クロム酸モリブデン系、硫化物・セレン化物系、フェロシアニン化物系などの無機顔料などが挙げられる。
また、上記ポリ塩化ビニル系樹脂組成物には可塑剤が添加されていてもよいが、成形品の耐熱性や耐火性を低下させることがあるため、多量に使用することはあまり好ましくない。上記可塑剤としては特に限定されず、例えば、ジブチルフタレート、ジ-2-エチルヘキシルフタレート、ジ-2-エチルヘキシルアジペート等が挙げられる。
上記熱可塑性エラストマーとしては特に限定されず、例えば、アクリルニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体(EVACO)、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体や塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体等の塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらの熱可塑性エラストマーは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
上記非耐火性樹脂管としては、特に限定されないが、例えば、厚肉塩化ビニル樹脂管(VP)、薄肉塩化ビニル樹脂管(VU)、リサイクル塩化ビニル樹脂3層管(RF−VP)などの塩化ビニル樹脂系の管が好ましい。
排水集合継手は、通常鋳鉄製のものが用いられ、下側の立管接続部に接続された立管材の外周面に食い込むように作用して立管材の抜け落ちを防止する係止金具を備えていることが好ましい。
本発明にかかる 以上のように、本体部の上下に立管接続部が設けられ、本体部の側面に横枝管接続部が設けられた金属製排水集合継手が、下端部を防火区画の下方に突出するように防火区画を貫通して設置される排水配管構造であって、少なくとも前記排水集合継手の立管接続部に接続される立管材のうち、少なくとも下部立管接続部から耐火性能確保必要長さ部分が耐火熱膨張性樹脂組成物からなる管状をした耐火膨張層を少なくとも備え、加熱により管内径が小径化して閉塞する耐火熱膨張性樹脂配管材で形成され、横枝管接続部に横枝管接続部に非耐火性樹脂管が接続されているので、耐火性能を満足しながら、施工コストを低減できる。すなわち、火災が発生し、耐火熱膨張性樹脂配管材が火炎に炙られると、耐火熱膨張性樹脂配管材を構成する樹脂組成物が軟化するとともに、耐火膨張層に含まれる熱膨張性黒鉛が熱膨張して、樹脂ライニング層全体が管内径方向に膨張し管内面が閉塞状態になり、上方の排水集合継手内には火炎はもとより、熱気も入り込まない。
したがって、本発明の排水配管構造のように、横枝管接続部に接続される横枝管として非耐火性である安価な塩化ビニル樹脂管を用いることができるようになり、施工コストを低減できる。
そして、耐火熱膨張性樹脂配管材として、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、熱膨張性黒鉛を1〜10重量部の割合で含む耐火熱膨張性樹脂組成物からなる耐火膨張層のみの単層構造品を用いれば、ベース樹脂として、自己消火性を有するポリ塩化ビニル系樹脂が用いられているため、燃焼速度の遅延が効果的に行われ、燃焼時の火炎の伝播速度を抑えることができる。その上、ポリ塩化ビニル系樹脂は、燃焼初期に発泡する性質があるため、熱膨張性黒鉛が膨張しやすいという利点がある。
また、熱膨張性黒鉛は、それ自体が燃えにくく、かつ、熱により膨張して断熱効果が発現するので、燃焼速度の遅延がさらに効果的に行われる。
一方、耐火熱膨張性樹脂配管材として、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、熱膨張性黒鉛を1〜15重量部の割合で含む耐火熱膨張性樹脂組成物からなる耐火膨張層と、この耐火膨張層の内外面を覆うように設けられる熱膨張性黒鉛非含有のポリ塩化ビニル系樹脂組成物からなる被覆層とを備える複層構造品を用いるようにすれば、ベース樹脂として、自己消火性を有するポリ塩化ビニル系樹脂が用いられているため、燃焼速度の遅延が効果的に行われ、燃焼時の火炎の伝播速度を抑えることができる。その上、ポリ塩化ビニル系樹脂は、燃焼初期に発泡する性質があるため、熱膨張性黒鉛が膨張しやすいという利点がある。
また、熱膨張性黒鉛は、それ自体が燃えにくく、かつ、熱により膨張して断熱効果が発現するので、燃焼速度の遅延がさらに効果的に行われる。
しかも、パイプの成形性に優れており、例えば、射出成形や押出成形などによって、高い寸法精度で連続的に生産できる上、パイプの内外面を滑らかな状態にすることができ、製品としての外観および排水性能に優れたものとすることができる。
さらに、排水集合継手が、下側の立管接続部に接続された立管材の外周面に食い込むように作用して立管材の抜け落ちを防止する係止金具を備えている構成とすれば、耐火熱膨張性樹脂配管材が燃焼により炭化が進んでも耐火熱膨張性樹脂配管材の抜け落ちを防止して耐火効果を長時間維持させることができる。
以下に、本発明を、その実施の形態をあらわす図面を参照しつつ詳しく説明する。
図1は、本発明にかかる排水配管構造の第1の実施の形態をあらわしている。
図1に示すように、この排水配管構造Aは、排水集合継手2と、立管の一部となる耐火熱膨張性樹脂配管材としての片ソケット形の管継手1aと、立管の残部となる熱膨張性黒鉛非含有の塩化ビニル樹脂管などの非耐火性樹脂管10と、横枝管となる熱膨張性黒鉛非含有の塩化ビニル樹脂管などの非耐火性樹脂管3とから構成されている。
なお、管継手1aと非耐火性樹脂管10とは、特に限定されないが、通常接着剤によって接着されるが、施工時に接着するようにしても構わないし、前もって工場出荷時に接着するようにしても構わない。
管継手1aは、図2に示すように、耐火膨張層12aと内外面被覆層12b、12cからなる3層構造をしている。
耐火膨張層12aは、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、pHが1.5〜4.0に調整された熱膨張性黒鉛が1〜15重量部、安定剤が0.3〜5.0重量部の割合で配合されている耐火熱膨張樹脂組成物で形成されている。
内面被覆層12b及び外面被覆層12cは、熱膨張性黒鉛非含有のポリ塩化ビニル系樹脂組成物によって形成されている。
排水集合継手2は、鋳鉄で形成されていて、本体部21と、上部立管接続部22と、下部立管接続部23と、3つの横枝管接続部24とを備えている。
本体部21は、上部が大径部21aとなっていて、この大径部21aの側面に横枝管接続部24が突設され、大径部21aの天井部から上部立管接続部22が突設されている。
本体部21の大径部21aの下方は下端に向かってほぼ立管1の内径とほぼ同じ内径になるまで徐々に縮径し下端に直管部を有する縮径部21bとなっていて、縮径部21b内面に旋回羽根21cが設けられている。縮径部21bの下端に下部立管接続部23が連接されている。
そして、施工方法は、例えば、排水集合継手2を下部立管接続部23が防火区画であるコンクリート製の床スラブ4の下側になるように設置するとともに、下部立管接続部23の締め付けリング25の締め付けを緩めた状態で下側の階に配管された立管1の管継手1aの上端部を下部立管接続部23内に挿入したのち、図3に示すように締め付けリング25のボルト26を締め込んで管継手1aの上端部をパッキン6によりしっかりと排水集合継手2に固定する。
なお、下部立管接続部23のパッキン6としては、図4に示すように、ゴム製本体61に金属製の係止リング62が装着されたものなど、ゴム弾性による把持だけでなく、管継手1aの締め付けリング25による締め付けによってゴム製本体61が管継手1aの壁面に圧接されると同時に管継手1aの壁面に食い込むように作用し、管継手1aに下方への脱落を防止するような係止機構を備えたものを用いることが好ましい。すなわち、図4に示すように、パッキン6は、リング状をしたゴム製本体61と、図4(a)に示すように,一部が切り欠かれた略C字形をするとともに、図4(b)に示すように、その内径側から外径側に向かってゴム製本体61の端面から離れていくようなテーパを備え、C字の開口端および中間位置の3点に設けられた孔62aにゴム製本体61の端面から突設された係止突起61aが嵌合している。そして、このパッキン6は、締め付けリング25による締め付けにより、ゴム製本体61によって下部立管接続部23に管継手1aを水密に固定できるとともに、係止リング62によって管継手1aの抜け止めを図ることができる。
つぎに、貫通孔41の排水集合継手2との隙間にモルタル5を充填固化させたのち、上部立管接続部22に上側の階の立管1の下端部、すなわち、非耐火性樹脂管10の下端部を接続し、横枝管接続部24に非耐火性樹脂管3を接続する。
これらの作業を次々に上層階に向かって繰り返し行う。
この排水配管構造Aは、上記のように排水集合継手2の下部立管接続部23に接続される立管1の上端部が管継手1aで構成されているので、下の階に火災が発生して立管1が火炎に曝されると、立管1の下側の非耐火性樹脂管10は、焼け落ちるが、上部側の管継手1aは耐火膨張層12a内の熱膨張性黒鉛の働きによって管内側に向かって膨張し、管内が閉塞状態になる。したがって、上階に火災による熱気が排水集合継手2内に流れ込みにくく、上記のように横枝管として非耐火性樹脂管3を用いることができ、施工コストを低減できる。しかも、立管1の下端側も非耐火性樹脂管10で形成されているので、立管のコストも低減できる。また、排水集合継手2以外はすべて樹脂製の配管材を用いることができるので、軽量で施工性にも優れている。
図5は、本発明にかかる排水配管構造の第2の実施の形態をあらわしている。
図5に示すように、この排水配管構造Bは、立管1の管継手1aより下側が非耐火性樹脂管10に代えて耐火二層管11が用いられている以外は、上記の排水配管構造Aと同様になっている。なお、図5中、11aは樹脂層、11bは繊維強化モルタル層である。
この排水配管構造Bは、上記のように、立管1の管継手1aより下側が耐火二層管11になっているので、施工性は若干悪くなるものの、より耐火性能が向上する。
図6は、本発明にかかる排水配管構造の第3の実施の形態をあらわしている。
図6に示すように、この排水配管構造Cは、立管1の管継手1aに代えて、管継手1aと同じ3層構造をした耐火熱膨張性樹脂パイプ1bを用いるとともに、下側の非耐火性樹脂管10と耐火熱膨張性樹脂パイプ1bとを非耐火性樹脂製ソケット15によって接続した以外は、上記の排水配管構造Aと同様になっている。
この排水配管構造Cは、上記のように、管継手1aに代えて耐火熱膨張性樹脂パイプ1bを用いるようにしたので、部品点数は多くなるものの、管継手1aに比べ耐火熱膨張性樹脂パイプ1bの方が生産性がよいため、材料コストを低減できる。
本発明にかかる排水配管構造には、図4に示すパッキン6に代えて、図7〜図9に示すようなパッキン7を使用してもよい。
すなわち、このパッキン7は、ゴム製本体71と、3つの係止金具としての係止ロール72とを備えている。
ゴム製本体71は、図9に示すように、下部立管接続部23に嵌合する継手嵌合部73と、締め付けリング25に嵌合する締め付けリング嵌合部74とを備えている。
継手嵌合部73は、ゴム製本体71の中央部に設けられた厚肉環状部73aと、厚肉環状部73aの一側に連接された薄肉環状部73bとを備えている。
厚肉環状部73aは、薄肉環状部73b側の端部外周面が薄肉環状部73b側に向かって徐々に縮径するテーパ面73cになっている。
薄肉環状部73bは、その先端(使用状態において上端)に管継手1aの管端を受ける鍔部73dが内側に向かってリング状に設けられている。
締め付けリング嵌合部74は、厚肉環状部73aの他側に連接されていて、先端部(使用状態において下端部)外周面が、先端(使用状態において下端)に向かって徐々に縮径するテーパ面74aになっている。
また、締め付けリング嵌合部74には、図7〜図9に示すように、ゴム製本体71の中心軸を中心に120度ピッチで3つの係止ロール嵌合孔74bが穿設されている。
3つの係止ロール72は、その直径が締め付けリング嵌合部74の厚みより大きく、図10に示すように、周囲にローレット溝を備えるステンレス鋼等の金属材料で形成された筒状をしていて、図7〜図9に示すように、その一部が締め付けリング嵌合部74の内外に突出するように、係止ロール嵌合孔74bに挿入され、接着剤を介して締め付けリング嵌合部74に固定されている。
すなわち、このパッキン7は、締め付けリング25の締め込みによって各係止ロール72の締め付けリング嵌合部74から外側に突出した部分が締め付けリング25の内壁面によって管軸方向に押圧される。そして、各係止ロール72の締め付けリング嵌合部74から内側に突出した部分が管継手1aの外壁面に圧接される。
したがって、管継手1aの抜け止めを図ることができる。
本発明は、上記の実施の形態に限定されない。例えば、上記の実施の形態では、集合継手は、締め付けリングの締め込むことによって樹脂ライニングを固定するようになっていたが、上部立管接続部は、ゴム輪付きの受口構造となっていても構わない。
上記の実施の形態では、立管の上端のみが部分が耐火熱膨張性樹脂配管材で形成されていたが、立管全体を耐火熱膨張性樹脂配管材としても構わない。
立管を構成する耐火熱膨張性樹脂配管材および非耐火性樹脂管の内面には排水性能を向上させるためのラセン溝あるいは突条を設けたものを用いるようにしても構わない。
以下に、本発明の具体的な実施例を説明する。
(実施例1〜実施例31、比較例1)
以下の表1〜表5に示す組成の単層構造の外径114mm、厚さ6.6mm、呼び径100Aのパイプを、一般的に用いられる押出成形機による押出成形によって得た。
なお、表1〜表5に示す実施例おいて、各層を構成する樹脂組成物の配合材料としては、以下のものを使用した。
塩化ビニル樹脂 ・・・徳山積水工業社製、商品名TS1000R
ステアリン酸鉛 ・・・水澤化学社製、商品名StabinexNC18
オクチル錫メルカプト ・・・三共有機社製、ONE-100F
Ca/Zn系複合安定剤 ・・・堺化学社製、商品名NWP-6000
滑剤 ・・・三井化学社製、商品名ハイワックス4202E
炭酸カルシウム(無機充填剤) ・・・白石カルシウム社製、商品名ホワイトンSB
水酸化マグネシウム(無機充填剤) ・・・協和化学工業社製、商品名KISUMA5A
ハイドロタルサイト ・・・協和化学工業社製、商品名DHT-4A
エポキシ化大豆油 ・・・ADEKA社製、商品名アデカサイザー O130P
熱膨張性黒鉛 ・・・東ソー社製、品番GREP-EG
(実施例32〜実施例80)
以下の表6〜13に示す組成の耐火膨張層の内外面の少なくともいずれかに被覆層を備える複層構造の外径114mm、厚さ6.6mm、呼び径100Aのパイプを、一般的に用いられる押出成形機による共押出成形によって得た。
なお、表6〜13に示す実施例おいて、各層を構成する樹脂組成物の配合材料としては、以下のものを使用した。
塩化ビニル樹脂 ・・・大洋塩ビ社製、商品名TH1000
鉛系安定剤 ・・・堺化学社製、商品名SL-1000
滑剤 ・・・三井化学社製、商品名ハイワックス4202E
炭酸カルシウム(無機充填剤) ・・・白石カルシウム社製、商品名ホワイトンSB
水酸化マグネシウム(無機充填剤) ・・・協和化学工業社製、商品名KISUMA5A
ハイドロタルサイト ・・・協和化学工業社製、商品名DHT-4A
エポキシ化大豆油 ・・・ADEKA社製、商品名アデカサイザー O130P
熱膨張性黒鉛 ・・・東ソー社製、商品名GREP-EG
上記実施例1〜80および比較例1において作製したパイプについて、それぞれ以下に示す耐火性評価および物性評価を行い、その結果を表1〜表8に併せて示した。また、複層構造のものにおいては、各層の厚みおよび厚み比も示した。
(耐火性評価)
図11に示す耐火試験炉Xにより、耐火試験(平成12年6月1日に施行された改正建築基準法の耐火性能試験の評価方法,ISO834-1に従う)を実施した。
床材Yは、100mm厚さのPC(プレキャストコンクリート)パネルを用いた。試験用パイプPは、床材Yに設けられた区画貫通部Rに貫通させ、加熱室Z内に300mm露出させ、床材Yの外部に800mm露出させた。
なお、加熱室Zの側壁にはバーナーV,Vが設置されている。また、試験用配管材Pの先端部近傍に温度測定用の熱電対Qが設置されている。
加熱開始後、区画貫通部Rと試験用配管材Pとの隙間から煙が出るまでの時間(発煙時間)を測定した。消防法の令8区画の判定基準に従って、発煙時間を調べた。
(物性評価)
上記(実施例1)〜(実施例80)および(比較例1)で得られたパイプから任意にダンベル試験片を切り出し、得られた試験片について、JISK7113に準拠して引張試験(評価温度23℃)を行った。なお、管としての実用的な性能を満たしているかを判定するため、23℃で引張強度が45(MPa)以上のものを◎(優秀)、30(MPa)以上のものを○(合格)、30(MPa)未満のものを×(不合格)とした。
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本発明にかかる排水配管構造の第1の実施の形態をあらわす断面図である。 図1の排水配管構造に用いた管継手の層構成を説明する断面図である。 図1の排水配管構造の排水集合継手の下部立管接続部の拡大断面図である。 排水集合継手の下部立管接続部に用いられるパッキンの好適な例を説明する図であって、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)のI−I線断面図である。 本発明にかかる排水配管構造の第2の実施の形態をあらわす断面図である。 本発明にかかる排水配管構造の第3の実施の形態をあらわす断面図である。 本発明にかかる排水配管構造に用いるパッキンの他の例をあらわす斜視図である。 図7のパッキンの断面図である。 図7のパッキンの使用状態を説明する断面図である。 図7のパッキンの係止ロールの斜視図である。 実施例で得たパイプの耐火試験の方法を説明する図である。
符号の説明
A,B,C 排水配管構造
1 立管
1a 管継手(耐火熱膨張性樹脂配管材)
10 非耐火性樹脂管(立管1の残部)
11 耐火二層管(立管1の残部)
12a 耐火膨張層
12b 内面被覆層
12c 外面被覆層
2 排水集合継手
21 本体部
22 上部立管接続部
23 下部立管接続部
24 横枝管接続部
3 非耐火性樹脂管
4 床スラブ(防火区画)
6,7 パッキン
62 係止金具
72 係止ロール(係止金具)

Claims (4)

  1. 本体部の上下に立管接続部が設けられ、本体部の側面に横枝管接続部が設けられた金属製排水集合継手が、下端部を防火区画の下方に突出するように防火区画を貫通して設置される排水配管構造であって、
    少なくとも前記排水集合継手の立管接続部に接続される立管材のうち、少なくとも下部立管接続部から耐火性能確保必要長さ部分が耐火熱膨張性樹脂組成物からなる管状をした耐火膨張層を少なくとも備え、加熱により管内径が小径化して閉塞する耐火熱膨張性樹脂配管材で形成され、横枝管接続部に非耐火性樹脂管が接続されていることを特徴とする排水配管構造。
  2. 耐火熱膨張性樹脂配管材が、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、熱膨張性黒鉛を1〜10重量部の割合で含む耐火熱膨張性樹脂組成物からなる耐火膨張層の単層構造である請求項1に記載の排水配管構造。
  3. 耐火熱膨張性樹脂配管材が、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、熱膨張性黒鉛を1〜15重量部の割合で含む耐火熱膨張性樹脂組成物からなる耐火膨張層と、この耐火膨張層の内外面を覆うように設けられる熱膨張性黒鉛非含有のポリ塩化ビニル系樹脂組成物からなる被覆層とからなる3層構造である請求項1に記載の排水配管構造
  4. 排水集合継手が、下側の立管接続部に接続された立管材の外周面に食い込むように作用して立管材の抜け落ちを防止する係止金具を備えている請求項1〜請求項3のいずれかに記載の排水配管構造。
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