JP2009073078A - 光ナノインプリント用硬化性組成物およびそれを用いた液晶表示装置用部材 - Google Patents
光ナノインプリント用硬化性組成物およびそれを用いた液晶表示装置用部材 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】シルセスキオキサン化合物、重合性単量体、光重合開始剤および界面活性剤を含む光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物であって、前記シルセスキオキサン化合物が少なくとも1種の反応性基を有する光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物。
【選択図】なし
Description
これに対し、微細なパターン形成を低コストで行うための技術として提案されたナノインプリントリソグラフィが提案された。例えば、特許文献1、特許文献3にはシリコーンウエハをスタンパとして用い、25ナノメートル以下の微細構造を転写により形成するナノインプリント技術が開示されている。
また、特許文献4には、半導体マイクロリソグラフィ分野に適用されるナノインプリントを使ったコンポジット組成物が開示されている。一方、微細モールド作製技術やモールドの耐久性、モールドの作製コスト、モールドの樹脂からの剥離性、インプリント均一性やアライメント精度、検査技術など半導体集積回路作製にナノインプリントリソグラフィを適用するための検討が活発化し始めた。
LCD基板やPDP基板大型化や高精細化の動向に伴い、薄膜トランジスタ(TFT)や電極板の製造時に使用する従来のフォトリソグラフィ法に代わる安価なリソグラフィとして光ナノインプリントリソグラフィが、近年注目されている。そのため、従来のフォトリソグラフィ法で用いられるエッチングフォトレジストに代わる光硬化性レジストの開発が必要になってきている。
更にLCDなどの構造部材として、特許文献5、特許文献6に記載される透明保護膜材料、あるいは特許文献6に記載されるスペーサなどに対する光ナノインプリントリソグラフィの応用も検討され始めている。このような構造部材用のレジストは、前記エッチングレジストとは異なり、最終的にディスプレイ内に残るため、永久レジスト、あるいは永久膜と言われる。
次に、カラーフィルタ用透明永久膜について説明する。一般に液晶ディスプレイにおいては、ガラス基板上に、酸化クロムやカーボンブラック含有レジストを用いたブラックマトリックスを形成し、引き続きR、G、Bのカラーフィルタ層を前面に形成する。このカラーフィルタ上に光硬化性樹脂などを塗布し、電極引き出し部などをフォトリソグラフィにより除去、更にポストベイクによる加熱処理により、保護膜(永久膜)を形成する。カラーフィルタ用永久膜は、カラーフィルタ層間の段差を低減し、また透明電極であるITOのスパッタ製膜時の高温処理耐性の向上を可能としている。
従来、カラーフィルタ用透明永久膜としては、シロキサンポリマー、シリコーンポリイミド、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂を用いて透明永久膜を形成していた(特許文献7、特許文献8)。
薄膜トランジスタ上、あるいはカラーフィルタ上に設けられる永久膜の形成においては、塗布膜の均一性、基板密着性、少なくとも200℃を超える加熱処理後の高い光透過性、平坦化特性、耐溶剤性、耐擦傷性等の特性が要求される。
スペーサには、外部圧力に対する高い機械的特性、硬度、現像性、パターン精度、密着性等の性能が要求される。
光ナノインプリント法は、熱ナノインプリント法に対して、(1)加熱/冷却プロセスが不要であり、高スループットが見込まれる、(2)液状組成物を使用するため低加圧でのインプリントが可能である、(3)熱膨張による寸法変化がない、(4)モールドが透明でありアライメントが容易である、(5)硬化後、頑強な三次元架橋体が得られるなどの主な優位点が挙げられる。特にアライメント精度が要求されるような半導体微細加工用途やフラットパネルディスプレイ分野の微細加工用途には適している。
光ナノインプリント法に関しては、モールドと光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物の剥離性が重要であり、モールドやモールドの表面処理、具体的には、水素化シルセスキオキサンやフッソ化エチレンプロピレン共重合体モールドを使って付着問題を解決する試みなどがこれまでになされてきた。
このように光ナノインプリントで用いられる組成物に関し、粘度に関する要望の記載はあるものの、各用途に適合させるための材料の設計指針についての報告例は、これまでになかった。
組成物が記載されている非特許文献11、12の組成物においては、低粘度のものもあるが、いずれも光硬化してパターンを形成し、引き続き加熱処理された場合の硬化膜の透過率が低く(着色する)、また硬度も不十分であり、永久膜として実用に耐えるものではない。組成物は知られていない。
また、非特許文献13、14の組成物においても、低粘度のものもあるが、いずれも光硬化してパターンを形成し、引き続き加熱処理された場合の硬化膜の透過率が低く、すなわち、着色してしまい、また硬度も不十分である。特に、永久膜として実用に耐える組成物は知られていない。
(1)塗布膜の均一性
(2)加熱処理後の透明性
(3)耐擦傷性
の付与が重要である。
また、液晶表示装置用部材の中に用いられる永久膜の中には、上記(1)〜(3)の性能以外に、機械的特性の1つとして(4)高弾性回復率の付与が重要である。
同時に、光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物としては、上記(1)〜(4)の点に加えて、下記(5)、(6)の観点を考慮する必要があり、組成物設計の技術的難易度が一層高くなる。
(5)モールドの凹部へのレジストの流動性を確保し、無溶剤もしくは少量の溶剤使用下での低粘度化が必要となること
(6)光硬化後、モールドと容易に剥離させ、モールドへの付着が生じないこと
検討した結果、ポリシロキサンを組成物中に含有させることにより、(4)高弾性回復率が得られる組成物を設計できることが可能となった。
ポリシロキサンを含有する硬化性組成物としてはナノインプリント用途では非特許文献15、および特許文献25で報告されている。但し、これらの文献で報告されている組成物は両者とも粘度が高く、大型基板を用いてナノインプリント方法で構造体を形成させる場合、モールドの凹部へのレジストの流動性低下による、パターン精度の低下の他に、基板内(中央と端)での厚みムラが問題になり、この問題に関しては上記非特許文献15、特許文献25では開示されていない。
また、ポリシロキサンを含有する硬化性組成物として、特許文献26においてスタンパ方式による光学物品作成用組成物が報告されている。スタンパ方式では一般にスタンパ押し圧は高く、粘度が高い組成物を用いても構造体形成が可能であるが、光ナノインプリント用途ではパターン精度が低下する問題と基板面内での厚みムラの問題がある。
ナノインプリント用の光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物については、種々の材料が開示されているものの、これまでインクジェット用組成物や光磁気ディスク用保護膜の用途で知られている組成物、あるいはエッチングレジストとして用いられる光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物については、永久膜に用いられる光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物と、材料に共通部分はあるものの、高温の加熱処理、機械的強度の観点などで大きく異なり、インクジェット、光磁気ディスク用保護膜、エッチングレジスト用途で適用する光硬化性樹脂をそのまま永久膜用のレジストとして適用すると、透明性、機械的強度、耐溶剤性などでなかなか実用性に耐えるものが得られない。
(1)シルセスキオキサン化合物、重合性単量体、光重合開始剤および界面活性剤を含む光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物であって、前記シルセスキオキサン化合物が、少なくとも1種の反応性基を有することを特徴とする光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物。
(2)少なくとも1種の反応性基を有するシルセスキオキサン化合物、重合性単量体および光重合開始剤を含む光ナノインプリントリソグラフィ用組成物であって、該組成物の粘度が3〜18mPa・sの範囲である光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物。
(3)更に酸化防止剤を含むことを特徴とする、(1)または(2)に記載の光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物。
(4)組成物中のシルセスキオキサン化合物の含有量が1〜40質量%であることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物。
(5)(1)〜(4)のいずれか1項に記載の光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物を硬化させてなる硬化物。
(6)(5)に記載の硬化物を用いた液晶表示装置用部材。
(7)(1)〜(4)のいずれか1項に記載の光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物を、光照射および加熱を複数回行うことにより硬化させることを含む、硬化物の製造方法。
(8)(1)〜(4)のいずれか1項に記載の光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物を、光照射および加熱を複数回行うことにより硬化させることを含む、液晶表示装置用部材の製造方法。
なお、本発明で言うナノインプリントとは、およそ数μmから数十nmのサイズのパターン転写をいい、ナノオーダのものに限定されるものではない。
(1)室温での溶液流動性に優れるため、モールド凹部のキャビティ内に該組成物が流れ込みやすく、大気が取り込まれにくいためバブル欠陥を引き起こすことがなく、モールド凸部、凹部のいずれにおいても光硬化後に残渣が残りにくい。
(2)硬化後の硬化膜は機械的性質に優れ、塗膜と基板の密着性に優れ、塗膜とモールドの剥離性に優れるため、モールドを引き剥がす際にパターン崩れや塗膜表面に糸引きが生じて表面荒れを引き起こすことがないため良好なパターンを形成できる。
(3)塗布均一性に優れるため、大型基板への塗布・微細加工分野などに適する。
(4)光透過性、残膜性、耐擦傷性などの機械特性、耐溶剤性が高いので、各種の永久膜としてとして好適に用いることができる、等の特徴を有するものとすることができる。
本発明の組成物の粘度について説明する。本発明における粘度は特に述べない限り、25℃における粘度をいう。本発明の組成物は、25℃における粘度が、通常、3〜18mPa・sであり、好ましくは5〜15mPa・sであり、より好ましくは7〜12mPa・sである。本発明の組成物の粘度を3mPa・s以上とすることにより、基板塗布適性の問題や膜の機械的強度の低下が生じにくい傾向にある。具体的には、粘度を3mPa・s以上とすることによって、組成物の塗布の際に面上ムラを生じたり、塗布時に基板から組成物が流れ出たりするのを抑止できる傾向にあり、好ましい。一方、本発明の組成物の粘度を18mPa・s以下とすることにより、微細な凹凸パターンを有するモールドを組成物に密着させた場合でも、モールドの凹部のキャビティ内にも組成物が流れ込み、大気が取り込まれにくくなるため、バブル欠陥を引き起こしにくくなり、モールド凸部において光硬化後に残渣が残りにくくなり好ましい。
本発明の組成物は、シルセルオキサン化合物を含む。シルセルオキサン化合物とは、ポリシロキサン化合物の一種であって、ケイ素原子が3つの酸素原子と結合しているT単位を含むポリシロキサン化合物である。
本発明で用いるシルセルオキサン化合物としては、重量平均分子量は、好ましくは500〜30000であり、より好ましくは700〜10000である。重量平均分子量を500以上とすることにより、硬化膜の機械特性が向上する傾向にあり、30000以下とすることにより、粘度を18mPa・s以下に抑えやすくなり、パターン精度が向上する傾向にある。
本発明で用いるシルセスキオキサン化合物は粘度および分子量を調整する目的で、T単位以外の原料となるモノクロロシラン、ジクロロシラン、モノアルコキシシラン、ジアルコキシシランを原料として用いることができる。T単位の原料となるトリアルコキシシランもしくはトリハロシランの含有量は50質量%以上が好ましく、さらに好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上である。
シルセスキオキサン化合物は、例えば、トリアルコキシシランやトリハロシランを加水分解・縮合することにより容易に合成することができる。その際、かご型構造、梯子型構造、ランダム構造が生成する。本発明に用いるシルセスキオキサン化合物としては、いずれの構造のものも用いることができるが、かご型構造を有するシルセスキオキサン化合物が好ましい。かご型構造のものを採用することにより、低粘度化でき、硬化膜の機械特性を向上させられるという利点がある。
本発明に用いるシルセスキオキサン化合物は、反応性基を有する。反応性基を有することにより、組成物中の架橋構造と結合し、硬化膜の機械特性を向上させることができる。反応性基としては、ラジカル重合およびカチオン重合に活性な重合性基の他に、ハロゲン置換アルキル、イソシアネート基、およびメルカプト基など熱により反応する基が挙げられるが、好ましくはラジカル重合およびカチオン重合に活性な重合性官能基が挙げられる。ここで、シルセスキオキサン化合物が有する反応性基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、ビニルエーテル基、オキセタニル基、オキシラン基が挙げられ、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、およびビニルエーテル基が好ましく、(メタ)アクリロイル基およびビニル基がより好ましい。
また、これら反応性基は複数以上の組合せで用いても良い。本発明に用いるシルセスキオキサン化合物の粘度、分子量および本発明の硬化膜の物性を調整する目的で、反応性基を有さないトリアルコキシシランおよびトリハロシランを組み合わせて用いてもよい。
反応性基を有さないトリアルコキシシランとしてはメチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−デシルトリメトキシシランが挙げられる。また、トリハロシランの具体例としては、アリルトリクロロシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリクロロシラン、3−グリシドキシプロピルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、3−(エチルオキセタニルメチルオキシ)プロピルトリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、が挙げられる。
シルセスキオキサン化合物の合成方法は、例えば、日本ゴム協会紙 第80巻 第8号47頁(2007年)、有機ケイ素ポリマーの合成と応用 シーエムシー出版 1989年、有機ケイ素ポリマーの最新技術 シーエムシー出版 1996年に記載の方法を用いることができる。
また、市販のポリシロキサンとしてはHybrid Plastics社の商品名 POSSに記載の種々のかご型シルセスキオキサン誘導体、アルドリッチ社 シルセスキオキサン関連試薬カタログに記載の商品名 POSS のシルセスキオキサン誘導体等が挙げられる。
本発明で用いられる重合性単量体の主な機能としては、組成物の粘度調整や、硬化膜の機械特性を目的に適宜選択される。組成物の粘度調整の観点からは、シルセスキオキサン化合物は粘度が高い為に、低粘度の重合性単量体の使用が必須となる。パターン精度を向上させるためには組成物の粘度が、通常、18mPa・S以下であることが必要であり、その目的では、できうる限り低粘度の重合性単量体を用いることが好ましい。重合性単量体の粘度は、分子量、分子間相互作用等と関連があり、低粘度には低分子量、低分子間相互作用が必要である。
本発明で用いる重合性単量体のうち組成物の粘度の調整の観点からは、10mPa・S以下の粘度を有する化合物が好ましく、重量平均分子量は500以下のものが好ましい。
また、硬化膜の機械特性付与の観点からは、2官能以上の多官能単量体の使用が好ましい。その様な多官能単量体は必然的に分子量が大きくなるため粘度が高く、組成物の高粘度化によりパターン精度が低下する問題がある。
そこで、重合性単量体は、粘度の調整用の低粘度モノマーと硬化膜の機械特性付与の為の多官能モノマーおよび本発明のシルセスキオキサン化合物の組合せにより、総合的に選択される。
本発明の組成物では、重合性単量体は、組成物の50〜99質量%の範囲で含むことが好ましく、60〜95質量%の範囲で含むことがより好ましい。
ビニルエーテル化合物は、適宜選択すれば良く、例えば、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ブタンジオール−1,4−ジビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、1,2−プロパンジオールジビニルエーテル、1,3−プロパンジオールジビニルエーテル、1,3−ブタンジオールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、テトラメチレングリコールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、トリメチロールエタントリビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ソルビトールテトラビニルエーテル、ソルビトールペンタビニルエーテル、エチレングリコールジエチレンビニルエーテル、トリエチレングリコールジエチレンビニルエーテル、エチレングリコールジプロピレンビニルエーテル、トリエチレングリコールジエチレンビニルエーテル、トリメチロールプロパントリエチレンビニルエーテル、トリメチロールプロパンジエチレンビニルエーテル、ペンタエリスリトールジエチレンビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリエチレンビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラエチレンビニルエーテル、1,1,1−トリス〔4−(2−ビニロキシエトキシ)フェニル〕エタン、ビスフェノールAジビニロキシエチルエーテル等が挙げられる。
1官能の重合性不飽和単量体は、通常、反応性希釈剤として用いられ、本発明の組成物の粘度を下げるのに有効であり、通常、全重合性不飽和単量体の10質量%以上添加される。好ましくは、20〜80質量%、より好ましくは、25〜70質量%、特に好ましくは、30〜60質量%の範囲で添加される。
上記1官能の重合性不飽和単量体は、反応性希釈剤としてより良好であるため、全重合性不飽和単量体の10質量%以上添加されることが好ましい。
不飽和結合含有基を2個有する単量体(2官能重合性不飽和単量体)は、全重合性不飽和単量体の好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、特に好ましくは、70質量%以下の範囲で添加される。1官能および2官能重合性不飽和単量体の割合は、全重合性不飽和単量体の、好ましくは1〜95質量%、より好ましくは3〜95質量%、特に好ましくは、5〜90質量%の範囲で添加される。不飽和結合含有基を3個以上有する多官能重合性不飽和単量体の割合は、全重合性不飽和単量体の、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、特に好ましくは、60質量%以下の範囲で添加される。重合性不飽和結合含有基を3個以上有する重合性不飽和単量体の割合を80質量%以下とすることにより、組成物の粘度を下げられるため好ましい。
なお、本発明の組成物は、調製時における水分量が好ましくは2.0質量%以下、より好ましくは1.5質量%、さらに好ましくは1.0質量%以下である。調製時における水分量を2.0質量%以下とすることにより、本発明の組成物の保存性をより安定にすることができる。
さらに、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテート等の高沸点溶剤を添加することもできる。これらは1種を単独使用してもよく、2種類以上を併用しても構わない。
これらの中でも、メトキシプロピレングリコールアセテート、2−ヒドロキシプロピン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチル、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノンなどが特に好ましい。
本発明の組成物には、光重合開始剤が含まれる。本発明に用いられる光重合開始剤は、全組成物中、例えば、0.1〜15質量%含有し、好ましくは0.2〜12質量%であり、さらに好ましくは、0.3〜10質量%である。2種類以上の光重合開始剤を用いる場合は、その合計量が前記範囲となる。
光重合開始剤の割合が0.1質量%以上とすることにより、感度(速硬化性)、解像性、ラインエッジラフネス性、塗膜強度が向上する傾向にあり好ましい。一方、光重合開始剤の割合を15質量%以下とすることにより、光透過性、着色性、取り扱い性などが向上する傾向にあり、好ましい。これまで、染料および/または顔料を含むインクジェット用組成物や液晶デイスプレイカラーフィルタ用組成物においては、好ましい光重合開始剤および/または光酸発生剤の添加量が種々検討されてきたが、ナノインプリント用等の光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物についての好ましい光重合開始剤および/または光酸発生剤の添加量については報告されていない。すなわち、染料および/または顔料を含む系では、これらがラジカルトラップ剤として働くことがあり、光重合性、感度に影響を及ぼす。その点を考慮して、これらの用途では、光重合開始剤の添加量が最適化される。一方で、本発明の組成物では、染料および/または顔料は必須成分でなく、光重合開始剤の最適範囲がインクジェット用組成物や液晶デイスプレイカラーフィルタ用組成物等の分野のものとは異なる場合がある。
本発明の組成物には、通常、界面活性剤を含む。本発明に用いられる界面活性剤は、全組成物中、例えば、0.001〜5質量%含有し、好ましくは0.002〜4質量%であり、さらに好ましくは、0.005〜3質量%である。2種類以上の界面活性剤を用いる場合は、その合計量が前記範囲となる。界面活性剤が組成物中0.001未満では、塗布の均一性の効果が不十分であり、一方、5質量%を越えると、モールド転写特性を悪化させるため、好ましくない。
界面活性剤は、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤およびフッ素・シリコーン系界面活性剤の少なくとも1種を含むことが好ましく、フッ素系界面活性剤とシリコーン系界面活性剤の両方または、フッ素・シリコーン系界面活性剤を含むことがより好ましく、フッ素・シリコーン系界面活性剤を含むことが最も好ましい。
ここで、フッ素・シリコーン系界面活性剤とは、フッ素系界面活性剤およびシリコーン系界面活性剤の両方の要件を併せ持つものをいう。
このような界面活性剤を用いることにより、本発明の組成物を、半導体素子製造用のシリコーンウェーハや、液晶素子製造用のガラス角基板、クロム膜、モリブデン膜、モリブデン合金膜、タンタル膜、タンタル合金膜、窒化珪素膜、アモルファスシリコーン膜、酸化錫をドープした酸化インジウム(ITO)膜や酸化錫膜などの、各種の膜が形成されるなど基板上の塗布時に起こるストリエーションや鱗状の模様(レジスト膜の乾燥むら)などの塗布不良の問題を解決する目的、およびモールド凹部のキャビティ内への組成物の流動性を良くし、モールドとレジスト間の剥離性を良くし、レジストと基板間の密着性を良くする、組成物の粘度を下げる等が可能になる。特に、本発明の組成物において、上記界面活性剤を添加することにより、塗布均一性を大幅に改良でき、スピンコーターやスリットスキャンコーターを用いた塗布において、基板サイズに依らず良好な塗布適性が得られる。
本発明で用いる、フッ素・シリコーン系界面活性剤の例としては、商品名X−70−090、X−70−091、X−70−092、X−70−093、(いずれも信越化学工業社製)、商品名メガフアックR−08、XRB−4(いずれも大日本インキ化学工業社製)が挙げられる。
さらに、本発明の組成物には、公知の酸化防止剤を含むことが好ましい。酸化防止剤を含むことにより、透明性を向上させることができる。本発明に用いられる酸化防止剤は、全組成物中、例えば、0.01〜10質量%含有し、好ましくは0.2〜5質量%である。2種類以上の酸化防止剤を用いる場合は、その合計量が前記範囲となる。
酸化防止剤は、熱や光照射による退色およびオゾン、活性酸素、NOx、SOx(Xは整数)などの各種の酸化性ガスによる退色を抑制するものである。特に本発明では、酸化防止剤を添加することにより、硬化膜の着色を防止できる、または分解による膜厚減少を低減できるという利点がある。このような酸化防止剤としては、ヒドラジド類、ヒンダードアミン系酸化防止剤、含窒素複素環メルカプト系化合物、チオエーテル系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、アスコルビン酸類、硫酸亜鉛、チオシアン酸塩類、チオ尿素誘導体、糖類、亜硝酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ヒドロキシルアミン誘導体などを挙げることができる。この中では、特にヒンダードフェノール系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤が硬化膜の着色、膜厚減少の観点で好ましい。
本発明の組成物には前記成分の他に必要に応じて離型剤、シランカップリング剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、老化防止剤、可塑剤、密着促進剤、熱重合開始剤、着色剤、エラストマー粒子、光酸増殖剤、光塩基発生剤、塩基性化合物、流動調整剤、消泡剤、分散剤等を添加してもよい。
一つのポリシロキサン分子に上記したような変性方法の2つ以上を行うこともできる。
上記離型剤は1種類のみ或いは2種類以上を組み合わせて添加することができる。
離型剤の割合が0.01質量%以上とすることにより、モールドと光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物層の剥離性向上効果が充分となる。一方、離型剤の割合が上記範囲を10質量%以内だと、組成物の塗工時のはじきによる塗膜面の面荒れの問題が生じにくく、製品において基材自身および近接する層、例えば、蒸着層の密着性を阻害しにくく、転写時に皮膜破壊等(膜強度が弱くなりすぎる)を引き起こしにくい等の点で好ましい。
本発明の組成物に任意成分として添加できるエラストマー粒子は、平均粒子サイズが好ましくは10nm〜700nm、より好ましくは30〜300nmである。例えばポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/イソプレン共重合体、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/α−オレフィン系共重合体、エチレン/α−オレフィン/ポリエン共重合体、アクリルゴム、ブタジエン/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン/ブタジエンブロック共重合体、スチレン/イソプレンブロック共重合体などのエラストマーの粒子である。またこれらエラストマー粒子を、メチルメタアクリレートポリマー、メチルメタアクリレート/グリシジルメタアクリレート共重合体などで被覆したコア/シェル型の粒子を用いることができる。エラストマー粒子は架橋構造をとっていてもよい。
本発明の組成物は、一般によく知られた塗布方法、例えば、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法、スピンコート方法、スリットスキャン法などにより、塗布することにより形成することができる。本発明の組成物からなる層の膜厚は、使用する用途によって異なるが、0.05μm〜30μmである。また、本発明の組成物は、多重塗布してもよい。
更に、露光に際しては、酸素によるラジカル重合の阻害を防ぐため、チッソやアルゴンなどの不活性ガスを流して、酸素濃度を100mg/L未満に制御しても良い。
光照射は、モールドを付着させた状態で行ってもよいし、モールド剥離後に行ってもよいが、本発明では、モールドを密着させた状態で行うのが好ましい。
本発明において用いられる光透過性モールド材は、特に限定されないが、所定の強度、耐久性を有するものであれば良い。具体的には、ガラス、石英、PMMA、ポリカーボネート樹脂などの光透明性樹脂、透明金属蒸着膜、ポリジメチルシロキサンなどの柔軟膜、光硬化膜、金属膜等が例示される。
また、本発明に適用される光インプリントリソグラフィにおいては、光照射の際の基板温度は、通常、室温で行われるが、反応性を高めるために加熱をしながら光照射してもよい。光照射の前段階として、真空状態にしておくと、気泡混入防止、酸素混入による反応性低下の抑制、モールドと光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物の密着性向上に効果があるため、真空状態で光照射しても良い。本発明において、好ましい真空度は、10-1Paから常圧の範囲で行われる。
実施例1〜7および比較例1、2により得られた組成物の各々について、下記評価方法に従って測定・評価した。
粘度の測定は、東機産業(株)社製のRE−80L型回転粘度計を用い、25±0.2℃で測定した。
測定時の回転速度は、0.5mPa・s以上5mPa・s未満は100rpm、5mPa・s以上10mPa・s未満は50rpm、10mPa・s以上は30mPa・s未満は20rpm、30mPa・s以上60mPa・s未満は10rpm、60mPa・s以上120mPa・s未満は5rpm、120mPa・s以上は1rpmもしくは0.5rpmで、それぞれ、行った。
下記表1または表2に示す各組成物を調整し、膜厚3.0μmとなるようにガラス基板上にスピンコートした。スピンコートした塗布基膜をORC社製の高圧水銀灯(ランプパワー2000mW/cm2)を光源とするナノインプリント装置にセットし、モールド加圧力0.8kN、露光中の真空度は10Torrで、10μmのライン/スペースパターンを有し、溝深さが4.0μmのポリジメチルシロキサン(東レ・ダウコーニング社製、SILPOT184を80℃60分で硬化させたもの)を材質とするモールドの表面から240mJ/cm2の条件で露光し、露光後、モールドを離し、レジストパターンを得た。得られたレジストパターンをオーブンで230℃、30分間加熱することにより完全に硬化させた。
転写後のパターン形状を走査型電子顕微鏡もしくは光学顕微鏡にて観察し、パターン形状を以下のように評価した。
A:モールドのパターン形状の元となる原版のパターンとほぼ同一である
B:モールドのパターン形状の元となる原版のパターン形状と一部異なる部分(原版のパターンと10%未満の範囲)がある
C:モールドのパターン形状の元となる原版のパターン形状と一部異なる部分(原版のパターンと10%以上20%未満の範囲)がある
D:モールドのパターン形状の元となる原版のパターンとはっきりと異なる、あるいはパターンの膜厚が原版のパターンと20%以上異なる
表1および表2に記載の各組成物を膜厚が3〜10μmの範囲となるようにガラス基板上にスピンコートし、モールドを圧着せず、窒素雰囲気下で露光量240mJ/cm2で露光し、その後オーブンで230℃、30分間加熱して硬化させた膜を、島津製作所製、微小硬度計試験機により押込み試験を行った。測定条件は三角錐圧子、負荷1mN、保持時間1秒とした。
弾性回復率=[(最大負荷時の変位[μm])−(抜負荷時の戻り変位[μm])}÷(最大負荷時の変位[μm])×100と定義し、下記のように評価した。
弾性回復率[%]
A:45%以上
B:40%以上、45%未満
C:30%以上、40%未満
D:30%未満
表1または表2に記載の各組成物を、膜厚3.0μmとなるように10x10cmガラス基板上に塗布した。塗布基膜をORC社製の高圧水銀灯(ランプパワー2000mW/cm2)を光源とするナノインプリント装置にセットし、モールド加圧力0.8kN、露光中の真空度は10Torrで、10μmのライン/スペースパターンを有し、溝深さが4.0μmのポリジメチルシロキサン(東レ・ダウコーニング社製、SILPOT184を80℃60分で硬化させたもの)を材質とするモールドの表面から240mJ/cm2の条件で露光し、露光後、モールドを離し、レジストパターンを得た。得られたレジストパターンをオーブンで230℃、30分間加熱することにより完全に硬化させた。
得られた硬化物について、ガラス基板中央部と中央から3cm以上離れた端部のガラス基板からライン部の高さを測定し、その厚み変化により基板面内ムラを評価した。
中央部と端部の厚み変化により、下記のように評価した。
A:〜3%未満
B:3%以上10%未満
C:10%以上20%未満
D:20%以上
各組成物を膜厚3.0μmとなるようにガラス基板上にスピンコートし、モールドを圧着せず、窒素雰囲気下で露光量240mJ/cm2で露光し、その後オーブンで230℃、30分間加熱して硬化させた膜を島津製作所製、UV−2400PCにて400nmにおける透過率を測定した。
透過率
A:97%以上
B:95%以上、97%未満
C:90以上、95%未満
D:90未満
ポリシロキサンQ−1の合成
アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−5103、信越化学社製)50質量部、メチルエチルケトン60質量部、ジイソプロポキシアセチルプロピオナートアルミニウム錯体1質量部の混合溶液に、水11.5質量部を滴下し、60℃で3.5時間攪拌した。反応溶液に酢酸エチル500質量部、飽和食塩水100質量部、水100質量部を加え、有機層を分離後、硫酸マグネシウムにより乾燥し、濾過、濃縮することによりアクリロイル基を有するシルセスキオキサン(Q−1)を30g得た。得られたシルセスキオキサン(Q−1)のGPC測定による重量平均分子量は2200であった。本化合物は、かご型構造とかご型構造以外の混合物であった。粘度は、1600(mPa・s)であった。
アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製、KBM−5103)30質量部、ビニルトリエトキシシラン20質量部、n−ヘキシルトリメトキシシラン10質量部、メチルエチルケトン60質量部の混合溶液に、水8.5質量部、36%塩酸水溶液0.5質量部の混合水溶液を滴下し、60℃で3.5時間攪拌した。反応溶液にトルエン100質量部を加え、反応溶液を110℃に加熱し、沸騰成分80質量部を留去した。反応溶液を室温に冷却し、トリメチルクロロシラン10質量部を加え、60℃で3時間攪拌した。反応溶液に酢酸エチル500質量部、飽和食塩水100質量部、水100質量部を加え、有機層を分離後、硫酸マグネシウムにより乾燥し、濾過、濃縮することによりアクリロイル基、ビニル基、n−ヘキシル基、トリメチルシリル基を有するシルセスキオキサン(Q−2)を50g得た。得られたシルセスキオキサン(Q−2)のGPC測定による重量平均分子量は2000であった。本化合物は、かご型構造とかご型構造以外の混合物であった。粘度は1400(mPa・s)であった。
Q−3:化合物 AcryloPOSS(Hybrid Plastics社製)
MW=1321、粘度=1200(mPa・s)
Q−4:化合物 AcryloIsobutylPOSS(Hybrid Plastics社製)
MW=929
Q−5:化合物 OctaIsobutylPOSS(Hybrid Plastics社製)
MW=873
Q−6:化合物 GlycidylIsobutylPOSS(Hybrid Plastics社製) MW=931
Q−7:化合物 OctavinylPOSS(アルドリッチ社製)
MW=633
Q−8:化合物 OX-SQ-H(東亜合成社製)
R−1:ベンジルアクリレート(ビスコート#160:大阪有機化学社製)、粘度=2(mPa・s)
R−2:アクリル酸ダイマー、粘度=78(mPa・s)
R−3:シクロヘキシルアクリレート(東京化成工業社試薬)、粘度=2(mPa・s)
R−4:イソボルニルアクリレート(和光純薬社試薬)、粘度=6(mPa・s)
R−5:オキセタニルアクリレート(東亞合成社製、OXE−10)、粘度=4(mPa・s)
S−01:ネオペンチルグリコールジアクリレート、粘度=5(mPa・s)
S−02:ジシクロペンタニルジアクリレート、粘度=91(mPa・s)
S−03:ジシクロペンテニルアクリレート(日立化成社製、FA-511AS)、粘度=12(mPa・s)
<その他の3官能以上の単量体>
S−10:トリメチロールプロパントリアクリレート(東亞合成社製、アロニックスM−309)粘度:73(mPa・s)
P−1:2,4,6−トリメチルベンゾイル−エトキシフェニル−ホスフィンオキシド(BASF社製、Lucirin TPO−L)
W−1:フッ素系界面活性剤(トーケムプロダクツ社製:フッ素系界面活性剤)
W−2:シリコーン系界面活性剤(大日本インキ化学工業社製:メガファックペインタッド31)
W−3:フッ素・シリコーン系界面活性剤(大日本インキ化学工業社製:メガフアックR−08)
W−4:フッ素・シリコーン系界面活性剤(大日本インキ化学工業社製:メガフアックXRB−4)
W−5:フッ素系界面活性剤(大日本インキ化学工業社製:F−173)
W−6:フッ素系界面活性剤(住友スリーエム社製:FC−430)
A−1:スミライザーGA80
A−2:アデカスタブAO503
特開2005−92099号公報に記載のポリシロキサン(H−1)を下記方法で合成し、組成物を表2に従い調整し、評価した。尚、該公報の実施例では希釈剤としてメチルエチルケトン(MEK)を用いているが、本発明では実質的に無溶剤でないとパターン形成が困難である為、組成物が析出しない範囲でMEKを揮発させ使用した。
メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン24.48g、水20ml、およびトリエチルアミン1.01gを混合し、50℃にて12時間加熱した後、酢酸エチルと食塩水を加えて分液精製を行った。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を濃縮し、ヘキサンに再沈殿させることによりシルセスキオキサンH−1を得た。
特開2007−72374号公報の実施例に記載のポリシロキサン(H−2)を下記方法で合成し、組成物を表2に従い調整し、評価した。
シルセスキオキサン(H−2)の合成
テトラエトキシシラン1モル、モノアクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.5モル、およびモノビニルシラン0.5モルをイソプロピルアルコール170gに溶解した。次いで、水190gと、硝酸0.02gを加え、室温で6時間攪拌した。反応液を濃縮することによりシルセスキオキサン(H−2)を得た。
実施例1のシルセスキオキサン化合物(Q−1)をシルセスキオキサン化合物(Q−5)に変えた以外は実施例1と同様に組成物を作成し、評価した。(反応性基を持たないシルセスキオキサン化合物)
Claims (8)
- シルセスキオキサン化合物、重合性単量体、光重合開始剤および界面活性剤を含む光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物であって、前記シルセスキオキサン化合物が、少なくとも1種の反応性基を有することを特徴とする光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物。
- 少なくとも1種の反応性基を有するシルセスキオキサン化合物、重合性単量体および光重合開始剤を含む光ナノインプリントリソグラフィ用組成物であって、該組成物の粘度が3〜18mPa・sの範囲である光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物。
- 更に酸化防止剤を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物。
- 組成物中のシルセスキオキサン化合物の含有量が1〜40質量%であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物を硬化させてなる硬化物。
- 請求項5に記載の硬化物を用いた液晶表示装置用部材。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物を、光照射および加熱を複数回行うことにより硬化させることを含む、硬化物の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物を、光照射および加熱を複数回行うことにより硬化させることを含む、液晶表示装置用部材の製造方法。
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