JP2009072698A - 有機溶剤の回収方法および回収溶剤の再利用方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷時に発生する有機溶剤を回収する際に、回収有機溶剤中の混入する水分および酸の量を低減し、回収後は、蒸留などの精製や中和を行なうことなく、回収有機溶剤を容易に印刷インキ組成物の原料として再利用できる方法の提供。
【解決手段】印刷時に発生する有機溶剤を含むガス中に含まれる水分を脱水装置によって除去した後に、吸着剤によって有機溶剤を吸着・捕集し、次に、加熱した不活性ガスによって有機溶剤を吸着剤から脱着し、さらに有機溶剤中に含まれる酸を中和装置によって中和した後に冷却・液化して有機溶剤を回収する工程において、エステル系溶剤を必須成分とする有機溶剤を3種類以下含有する印刷インキ組成物を用いることによって、回収有機溶剤中の混入する水分および酸の量を低減させ、回収有機溶剤を、蒸留などの精製あるいは中和することなく、容易に印刷インキ組成物の原料として再利用できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、印刷時に発生する有機溶剤を回収して再利用する方法に関する。また、本発明は回収した有機溶剤を印刷インキ組成物の原料として再利用する方法に関する。
近年、成層圏におけるオゾン層の破壊、低層圏における酸性雨による農産物への打撃や森林資源の破壊、光化学オキシダントによる人体への悪影響等の大気汚染に関する問題が深刻になってきている。そのため、PRTR法の施行、悪臭防止法の規制強化、京都議定書の二酸化炭素削減、大気汚染防止法、埼玉県生活環境保全条例など、大気環境保全に関する法律も年々厳しくなっている。特に、有機溶剤を大量に使用し放出しているグラビア印刷業界では、有機溶剤の排出量削減が急務となっている(非特許文献1〜3)。
グラビア印刷における有機溶剤の問題を解決する手段の一つとして、溶剤回収装置の設置によって有機溶剤を回収する方法が挙げられる。有機溶剤の排出量を大幅に削減する事が可能となり、大気汚染防止法対策にもなる為、近年非常に関心が高まっている。
従来の溶剤回収装置は、印刷時に発生した有機溶剤を活性炭などの吸着剤で吸着・捕集し、捕集した有機溶剤を加熱水蒸気によって脱着し、冷却・液化して有機溶剤を回収する方法が一般的である。しかしながら、加熱水蒸気によって脱着を行なう場合、回収有機溶剤に大量の水分が混入してしまう(特許文献1)。
回収有機溶剤に混入する水分量を削減する方法として、加熱窒素に代表される加熱不活性ガスや加熱空気により脱着を行なう方法も提案されている。上述の水蒸気脱着方法と比較して回収有機溶剤に混入する水分量は減るものの、空気中に含まれる水分が回収有機溶剤に混入する事は避けられない。特に空気中の水分量が多い梅雨時や夏場では回収有機溶剤に大量の水分が混入してしまう。水分が混入した回収有機溶剤をそのまま印刷インキ組成物の原料として再利用した場合、樹脂の溶解性低下などによるインキ貯蔵安定性劣化、印刷適性劣化などの悪影響を及ぼす為、回収有機溶剤中の水分を蒸留などによって除去する必要があった。
さらに印刷時に印刷インキ組成物に使用される有機溶剤としてエステル系溶剤が含まれる場合、吸脱着の工程でエステル系溶剤の加水分解により酢酸などの酸が発生し回収有機溶剤に混入してしまう。酸が混入した回収有機溶剤をそのまま印刷インキ組成物の原料として再利用した場合、印刷物や包装材料の臭気に悪影響を与えてしまう為、蒸留や中和などによって回収有機溶剤中の酸を除去する必要があった。
しかしながら、インキの貯蔵安定性や印刷適性、印刷物や包装材料の臭気に悪影響を与えないレベルまで回収有機溶剤中の水分量、酸量を低減するには、蒸留などの精製や中和を行なう必要があるが、回収した有機溶剤を再利用する為の工程が複雑になり、回収有機溶剤の再利用率も大幅に低下する為、回収有機溶剤を再利用する為のコストが掛かってしまうという問題があった。
また、印刷インキには、使用している樹脂の溶解性確保や印刷インキの乾燥速度調整などの観点から複数の有機溶剤が使用されている。通常は5種類以上の有機溶剤を使用した組成となっていのが一般的である。従来の複数の混合溶剤を含む印刷インキを用いて溶剤回収を行なった場合、回収有機溶剤も複数、例えば5種類以上の有機溶剤の混合となる。
複数の混合溶剤からなる回収有機溶剤を印刷インキ組成物の原料として再利用するためには、大規模な蒸留塔で単一溶剤またはより少ない混合溶剤成分に分離した後、必要に応じて新溶剤を配合して目的の溶剤組成に補正する必要があった。
しかしながら、上記のような蒸留には莫大なイニシャルコスト、ランニングコストが掛かってしまう。また、蒸留には大量のエネルギーを必要とするために、石油資源を多量に消費し二酸化炭素排出量を増やしてしまう結果となり、回収溶剤を再利用してもコスト削減や環境対応にならないことが問題となっていた。また、複数の混合溶剤からなる回収溶剤を成分調整して再利用する場合、目的とする溶剤組成に調整するためには新規溶剤を多量に添加する必要があり、効率的ではない。
特開2005-177650号公報 安田秀樹、日本印刷学会誌Vol.43、No.6、404-410(2006) 千本雅士、日本印刷学会誌Vol.44、No.1、8-14(2007) 社団法人 産業環境管理協会 平成17年度経済産業省委託調査報告書 「環境負荷物質対策調査(揮発性有機化合物(VOC)排出抑制対策技術調 査)報告書」平成18年3月
印刷時に発生する有機溶剤を回収する際に、回収有機溶剤中に混入する水分および酸の量を低減し、蒸留などの精製や中和を行なうことなく、回収有機溶剤を容易に印刷インキ組成物の原料として再利用できる方法を提供することにある。
本発明者らは、前記の実状を鑑み鋭意検討を重ねた結果、印刷時に発生する有機溶剤を含むガス中に含まれる水分を脱水装置によって除去した後に、吸着剤によって有機溶剤を吸着・捕集し、次いで加熱した不活性ガスによって有機溶剤を吸着剤から脱着し、さらに有機溶剤中に含まれる酸を中和装置によって中和した後に冷却・液化して有機溶剤を回収する方法であって、エステル系溶剤を必須成分とし、エステル系溶剤、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤、グリコールエーテル系溶剤からなる群のいずれかに属する有機溶剤を3種類以下含有する印刷インキ組成物を用いることによって、回収有機溶剤中に混入する水分および酸の量を低減し、蒸留などの精製や中和を行なうことなく、回収有機溶剤を容易に印刷インキ組成物の原料として再利用できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、印刷時に発生する有機溶剤を含むガス中に含まれる水分を脱水装置によって除去した後に、吸着剤によって有機溶剤を吸着・捕集し、次いで加熱した不活性ガスによって有機溶剤を吸着剤から脱着し、さらに有機溶剤中に含まれる酸を中和装置によって中和した後に冷却・液化して有機溶剤を回収する方法であって、エステル系溶剤を必須成分とし、エステル系溶剤、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤およびグリコールエーテル系溶剤からなる群のいずれかに属する有機溶剤を3種類以下含有する印刷インキ組成物を用いることを特徴とする有機溶剤の回収方法に関するものである。
さらに、脱水装置において、親水性の高分子膜またはセラミック膜を用いた蒸気透過法を用いて水分を除去することを特徴とする上記の有機溶剤の回収方法に関するものである。
また、有機溶剤を吸着・捕集する吸着剤が活性炭、多孔質シリカおよびゼオライトから選択される少なくとも1種類以上であることを特徴とする上記の有機溶剤の回収方法に関するものである。
さらに、中和装置において、酸の中和剤として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウムおよび炭酸バリウムから選択される少なくとも1種類以上を用いることを特徴とする上記の有機溶剤の回収方法に関するものである。
または、上記回収した有機溶剤中の水分量が3%以下および酸価が0.5mgKOH/g以下であることを特徴とする有機溶剤の回収方法に関するものである。
さらに、印刷インキ組成物が、高分子ジオールおよび有機イソシアネート化合物からなるポリウレタン樹脂をメインバインダーとして用いることを特徴とする上記の有機溶剤の回収方法に関するものである。
また、上記ポリウレタン樹脂が、鎖伸長剤および末端停止剤を用いてなることを特徴とする上記の有機溶剤の回収方法に関するものである。
さらに、上記回収方法により回収した有機溶剤を、印刷インキ組成物の原料として再利用する方法に関するものである。
また、回収した有機溶剤を、成分調整して使用することを特徴とする上記の再利用する方法に関するものである。
本発明により、回収した有機溶剤中の水分量および酸の量を従来よりも大幅に低減させることができるため、回収後の蒸留や中和など複雑な精製工程を行なうことなく、必要に応じて成分調整するだけで回収有機溶剤を容易に印刷インキ組成物の原料として再利用することができるようになった。
本発明における有機溶剤の回収方法とは、1台あるいは複数台の印刷機から印刷乾燥工程にて発生する揮発した有機溶剤を、共存する空気、水分および主に脱着工程において発生する酸を分離・除去し、回収する方法であり、さらに、得られた回収有機溶剤を、必要に応じて成分調整した後、印刷インキ組成物の原料として再利用する方法である。
以下、図1に従って、説明を行う。
すなわち、本発明では、印刷機から乾燥工程にて発生した有機溶剤を含むガスは必要に応じて塵芥などを除去するためのプレフィルターを通した後、脱水装置に送られる。
脱水の方法としては、逆浸透法、膜蒸留法、蒸気透過法、パーベーパレーション法などを用いた膜分離、シリカゲルなどを用いた吸着、比重差や蒸留などが挙げられるが、本発明では上記方法の中で脱水能力、耐熱性、耐溶剤性などの観点より親水性の高分子膜またはセラミック膜を用いた蒸気透過法が好適に用いられる。親水性の高分子膜に使用される材料としては、ポリビニルアルコール、ポリイミド、キトサン、ポリエチレンオキサイド、水溶性酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼオライトなどが用いられる。
この脱水工程は回収する有機溶剤中に混入する水分量を低減する効果とともに、脱着工程におけるエステル系溶剤の加水分解による酸の発生を抑制する効果もある。
脱水工程を終えた有機溶剤を含むガスは、次に共存する空気と分離される。有機溶剤を分離する方法としては、凝縮法、圧縮法、吸収法、吸着法を用いることができるが、本発明では回収率やコスト面から、吸着剤を用いたガス吸着法が好適に用いられる。
上記ガス吸着法に用いられる吸着剤としては、活性炭、シリカゲルなどの多孔質シリカ、ゼオライト、各種粘土、アルミナ、酸化鉄(水酸化鉄ゲル)、過塩素酸マグネシウム、イオン交換樹脂などが挙げられる。この中で高い比表面積を有する活性炭、シリカゲルなどの多孔質シリカ、ゼオライトを選択することが好ましい。吸着剤の形状としては、粒子状、繊維状、ハニカム状などが挙げられ、粒子状の場合は流動床、繊維状の場合は固定床と、吸着剤の形状に応じた回収システムを選択することができる。
吸着剤に吸着質として吸着・捕集された有機溶剤は、加熱空気、加熱水蒸気、加熱窒素に代表される加熱不活性ガスなど加熱ガスの導入で脱着される。本発明では、回収溶剤への水分混入量削減の観点より加熱窒素などの加熱不活性ガスを用いることが好ましい。不活性ガスの温度は回収率の観点より脱着させる有機溶剤の沸点よりも高い温度に加熱することが好ましいが、温度が高過ぎるとエステル系溶剤の加水分解を促進してしまうため、90℃から180℃が好ましく、さらに好ましくは100℃から150℃の範囲とするのが良い。
吸着剤から脱着した有機溶剤は、主に脱着工程の熱によるエステル系溶剤の加水分解によって発生した酢酸などの酸を含有する。本発明では、空気より分離した有機溶剤ガスを酸中和剤が充填された中和装置の中を通すことによって、有機溶剤ガス中に含まれる酸を中和除去する。
エステル系溶剤の加水分解によって発生した酢酸などの酸は、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウムなどの塩基によって中和除去することができるが、安全性、ハンドリング、コストの観点より本発明では酸の中和剤として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウムおよび炭酸バリウムから選択される少なくとも1種類以上を用いることが好ましい。
中和工程を経た有機溶剤ガスは、最後に冷却され液化されて回収される。
水分が大量に混入した回収有機溶剤をそのまま印刷インキ組成物の原料として再利用した場合、樹脂の溶解性低下によるインキ貯蔵安定性劣化、印刷適性劣化などの悪影響を及ぼす恐れがある。本発明では、回収有機溶剤を印刷インキ組成物の原料として再利用した場合に、インキの貯蔵安定性や印刷適性に悪影響を与えないよう回収した有機溶剤中の水分量を3%以下とすることが好ましく、より好ましくは、回収した有機溶剤中の水分量は、0%が良い。
また、酢酸などの酸が大量に混入した回収有機溶剤をそのまま印刷インキ組成物の原料として再利用した場合、印刷物や包装材料に酸臭が残留し好ましくない。本発明では、印刷物や包装材料の臭気に悪影響を与えないよう回収した有機溶剤中の酸価が0.5mgKOH/g以下とすることが好ましく、より好ましくは、回収した有機溶剤中の酸価が0mgKOH/gが良い。
本発明における印刷インキ組成物は、着色剤、樹脂、溶剤から構成され、さらに必要に応じて体質顔料、顔料分散剤、レベリング剤、消泡剤、架橋剤、硬化剤、ワックス、シランカップリング剤、防錆剤、防腐剤、可塑剤、赤外吸収剤、紫外線吸収剤、耐光性向上剤、芳香剤、難燃剤等の各種添加剤を使用することもできる。
本発明における印刷インキに使用される溶剤としては、グラビア印刷およびフレキソ印刷で一般的に使用される有機溶剤や水を用いることができる。有機溶剤としては、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタンなどの脂肪族炭化水素系溶剤、クロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタンなどの脂環族炭化水素系溶剤、トルエンなどの芳香族炭化水素系溶剤、さらにアセトン,メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、炭酸ジメチルなどのケトン系溶剤、さらに酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエステル系溶剤、さらにメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、ブタノールなどのアルコール系溶剤、さらにプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル系溶剤を使用することができる。
これらの溶剤は、印刷インキの印刷適性や印刷効果などを考慮して適宜選択することができるが、蒸留や中和など複雑な精製工程を行なうことなく、必要に応じて成分調整するだけで回収有機溶剤を容易に印刷インキ組成物の原料として再利用するためには、使用する溶剤種類はより少ない方が好ましいが、印刷インキに用いる樹脂の溶解性を確保し、且つ印刷インキの乾燥性を調整可能な溶剤を選択する必要がある。
本発明では、回収有機溶剤を容易に再利用し、且つ樹脂の溶解性確保、印刷インキの乾燥調整の観点よりエステル系溶剤を必須成分とし、エステル系溶剤、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤、グリコールエーテル系溶剤からなる群のいずれかに属する有機溶剤を3種類以下含有する印刷インキ組成物を用いることが好ましい。
3種類の有機溶剤を選択する場合、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤からそれぞれ1種類ずつ、例えば酢酸エチル、メチルエチルケトン、iso−プロパノールの3種類を選択しても良い。あるいは、エステル系溶剤から2種類、アルコール系溶剤から1種類の計3種類、例えば酢酸エチル、酢酸プロピル、n−プロパノールの3種類を選択することもできる。
なお、本発明における印刷インキ組成物に使用される溶剤を上記に記載したが、添加剤由来や印刷作業環境雰囲気中に存在する意図しない若干量の溶剤成分が回収有機溶剤に混入する場合がある。しかし、印刷や回収などの各工程を阻害しない程度であれば、上記に記載した意外の有機溶剤を含有することができる。
本発明における印刷インキ組成物に用いられる樹脂は、用途や基材によって適宜選択することができる。本発明に用いられる樹脂の例としては、ポリウレタン樹脂、ポリウレタン/ウレア樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ニトロセルロース樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ロジン系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、テルペン樹脂、フェノール変性テルペン樹脂、ケトン樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール、石油樹脂などを挙げることができる。これらの樹脂は、単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
最も主力となるラミネート用印刷インキ組成物においては、インキ印刷物への残留溶剤量の低減、押し出しラミネート加工適性などから、本発明における印刷インキ組成物に用いられる樹脂のうち、高分子ジオール、有機イソシアネート化合物、および必要に応じて鎖伸長剤、末端停止剤からなるポリウレタン樹脂をメインバインダーを用いることが好ましい。本発明に用いられるポリウレタン樹脂には、一般のインキ、塗料、および記録剤などに使用されているポリウレタン樹脂を挙げることができる。
本発明のポリウレタン樹脂は、一般に用いられる各種公知のポリオールを用いて合成することができる。ポリオールは1種、または2種類以上を併用してもよい。
ポリオールは、ポリイソシアネート、鎖延長剤と反応させてウレタン変性ポリオールにすることが好ましい。前記ウレタン変性ポリオールは、ポリオールとポリイソシアネートを必要に応じイソシアネート基に不活性な溶媒を用い、また、さらに必要であればウレタン化触媒を用いて10〜150℃の温度で反応させ、末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを製造し、次いで、このプレポリマーに鎖延長剤を反応させてポリウレタンポリオール樹脂を得るプレポリマー法、あるいは、有機ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物と鎖延長剤を一段で反応させてポリウレタンポリオール樹脂を得るワンショット法など公知の方法により製造することが出来る。
前記ポリオールの例としては酸化メチレン、酸化エチレン、テトラヒドロフランなどの重合体または共重合体のポリエーテルポリオール類(1);エチレングリコール、1,2―プロパンジオール、1,3―プロパンジオール、2メチル−1,3プロパンジオール、2エチル−2ブチル−1,3プロパンジオール、1,3―ブタンジオール、1,4―ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4−ブチンジオール、1,4―ブチレンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ソルビトール、ペンタエスリトールなどの飽和または不飽和の低分子ポリオール類(2);
これらの低分子ポリオール類(2)と、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、こはく酸、しゅう酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸あるいはこれらの無水物とを脱水縮合または重合させて得られるポリエステルポリオール類(3);
環状エステル化合物、例えばポリカプロラクトン、ポリバレロラクトン、ポリ(β−メチル−γ−バレロラクトン)等のラクトン類を開環重合して得られるポリエステルポリオール類(4);前記低分子ポリオール類(2)などと、例えばジメチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、ホスゲン等との反応によって得られるポリカーボネートポリオール類(5);
ポリブタジエングリコール類(6);ビスフェノールAに酸化エチレンまたは酸化プロピレンを付加して得られるグリコール類(7);1分子中に1個以上のヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロプル、アクリルヒドロキシブチル等、或いはこれらの対応するメタクリル酸誘導体等と、例えばアクリル酸、メタクリル酸又はそのエステルとを共重合することによって得られるアクリルポリオール(8);エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン等のオキシラン化合物を、例えば水、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の低分子量ポリオールを開始剤として重合して得られるポリエーテルポリオール(9)などが挙げられる。特にポリプロピレングリコールが好ましい。
前記ウレタン変性ポリオールに使用されるポリイソシアネートとしては、ポリウレタン樹脂の製造に一般的に用いられる各種公知の芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートなどが挙げられる。例えば、1,5―ナフチレンジイソシアネート、4,4’―ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’―ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’―ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3―フェニレンジイソシアネート、1,4―フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン―1,4―ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4―トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサン―1,4―ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジメリールジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン―4,4’―ジイソシアネート、1,3―ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、mーテトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ビス−クロロメチル−ジフェニルメタン−ジイソシアネート、2,6−ジイソシアネート−ベンジルクロライドやダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等が挙げられる。これらのジイソシアネート化合物は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
また、前記ウレタン変性ポリオールに使用される鎖伸長剤としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン―4,4’―ジアミンなどの他、2―ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2―ヒドロキシエチルプロピルジアミン、2―ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ―2―ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ―2―ヒドロキシエチレンジアミン、ジ―2―ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2―ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ―2―ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ―2―ヒドロキシプロピルエチレンジアミンなど分子内に水酸基を有するアミン類も用いることが出来る。これらの鎖伸長剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
また、反応停止を目的とした末端封鎖剤として、一価の活性水素化合物を用いることもできる。かかる化合物としては例えば、ジ−n−ブチルアミン等のジアルキルアミン類やエタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類があげられる。さらに、特にポリウレタン樹脂中にカルボキシル基を導入したいときには、グリシン、L−アラニン等のアミノ酸を反応停止剤として用いることができる。これらの末端封鎖剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
プレポリマーを製造するに当たり、ポリオールとポリイソシアネートとの量は、ポリイソシアネート(F)のイソシアネート基のモル数と有機ポリオール化合物の水酸基のモル数との比であるNCO/OH比を1.1〜3.0の範囲となるようにすることが好ましい。この比が1.1より小さいときは十分な耐アルカリ性が得られない傾向があり、また、3.0より大きい場合には得られるプレポリマーの溶解性が低下する傾向が認められる。
また、反応には溶剤を用いることが反応制御の面で好ましい。使用できる溶剤としては、ポリウレタン接着剤組成物を溶解するものが好ましく、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;クロルベンゼン、パークレンなどのハロゲン系炭化水素などが挙げられる。これらは単独で、または2種以上混合し混合溶媒として用いることもできる。
さらに、このウレタン化反応には触媒を用いることもできる。使用できる触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ジメチルアニリンなどの3級アミン系の触媒;スズ、亜鉛などの金属系の触媒などが挙げられる。これらの触媒は通常ポリオール化合物に対して0.001〜1モル%の範囲で使用される。
上記で得られた末端にイソシアネート基を有するプレポリマーと鎖延長剤であるジオール、ジアミン、トリオールなどとを10〜80℃で反応させ、末端に活性水素基を含有する高分子量のポリウレタン樹脂が得られる。
末端停止剤を用いるときには、末端停止剤と鎖延長剤とを一緒に使用して鎖延長反応を行ってもよく、また鎖延長剤によりある程度鎖延長反応を行った後に末端停止剤を単独に添加して末端停止反応を行ってもよい。一方、末端停止剤を用いなくても分子量のコントロールは可能であるが、この場合には鎖延長剤を含む溶液中にプレポリマーを添加する方法が反応制御という点で好ましい。
末端停止剤は分子量をコントロールするために用いられる。使用量が多くなると得られるポリウレタン樹脂の分子量は低くなる。これは鎖延長剤と末端停止剤のプレポリマーに対する反応性により変化するが、一般的に、末端停止剤のアミノ基や水酸基の当量に対する鎖延長剤のアミノ基や水酸基の当量の比は0.5〜5.0の範囲が好ましい。この比が5.0を越える場合には高分子量化するためドライラミネート適性が悪くなる傾向があり、0.5未満の場合には分子量ならびに初期接着力が低下する傾向が認められる。
また、プレポリマー中のイソシアネート基の当量に対する鎖延長剤および末端停止剤のアミノ基と水酸基の合計の当量の比は1.1〜3.0、好ましくは1.5〜2.0の範囲となるようにして反応させる。この比が大きく鎖延長剤または末端停止剤の使用量が多い場合にはこれらが未反応のまま残存し、臭気が残りやすくなる傾向がある。
本発明の溶剤型印刷インキ組成物を含んだ印刷インキの色相としては、使用する着色剤の種類に応じて、プロセス基本色として白の他に、黄、紅、藍、墨の合計5色があり、プロセスガマット外色として赤(橙)、草(緑)、紫の3色がある。さらに透明黄、牡丹、朱、茶、金、銀、パール、色濃度調整用のほぼ透明なメジウム(必要に応じて体質顔料を含む)などがベース色として準備される。印刷インキでは、特色として複数の色相を混合して目的の色相を得る手法があり、特に白インキにはトーニングという所作、例えば少量の藍インキを混合する場合がある。本発明における白インキも、他のインキと混合することができる。さらにインキを混合する以外に、本発明における白インキに、必要に応じて有機顔料、無機顔料、染料を混合することができる。
本発明の溶剤型印刷インキ組成物に用いることができる白色系無機顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、シリカなどが挙げられる。白インキの顔料には酸化チタンを用いることが着色力、隠ぺい力、耐薬品性、耐候性の点から好ましい。
白色系以外の無機顔料としては、カーボンブラック、アルミニウム、マイカ(雲母)などの顔料が挙げられる。アルミニウムは粉末またはペースト状であるが、取扱い性および安全性の面からペースト状で使用するのが好ましく、リーフィングまたはノンリーフィングを使用するかは輝度感および濃度の点から適宜選択される。
本発明の溶剤型印刷インキ組成物に有色系着色剤としては、一般のインキ、塗料、および記録剤などに使用されている有機、無機顔料や染料を挙げることができる。併用できる有機顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、アゾメチンアゾ系、ジクトピロロピロール系、イソインドリン系などの顔料が挙げられる。
着色剤は、印刷インキの濃度・着色力を確保するのに充分な量、すなわち印刷インキの総重量に対して1〜50重量%の割合で含まれることが好ましい。また、これらの着色剤は単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
顔料を有機溶剤に安定に分散させるには、前記樹脂単独でも分散可能であるが、さらに顔料を安定に分散するため分散剤を併用することもできる。分散剤としては、アニオン性、ノニオン性、カチオン性、両イオン性などの界面活性剤を使用することができる。分散剤は、インキの保存安定性の観点からインキの総重量に対して0.05重量%以上、かつ、ラミネート適性の観点から5重量%以下でインキ中に含まれることが好ましい。さらに、0.1〜2重量%の範囲で含まれることがより好ましい。
上記の印刷インキは、樹脂、着色剤などを有機溶剤中に溶解および/または分散することにより製造することができる。具体的には、顔料を前記併用樹脂、および前記分散剤により有機溶剤に分散させた顔料分散体を製造し、得られた顔料分散体に、必要に応じて他の化合物などを配合することによりインキを製造することができる。
顔料分散体における顔料の粒度分布は、分散機の粉砕メディアのサイズ、粉砕メディアの充填率、分散処理時間、顔料分散体の吐出速度、顔料分散体の粘度などを適宜調節することにより、調整することができる。分散機としては一般に使用される、例えばローラーミル、ボールミル、ペブルミル、アトライター、サンドミルなどを用いることができる。
インキ中に気泡や予期せずに粗大粒子などが含まれる場合は、印刷物品質を低下させるため、濾過などにより取り除くことが好ましい。濾過器は従来公知のものを使用することができる。
前記方法で製造されたインキ粘度は、顔料の沈降を防ぎ、適度に分散させる観点から10mPa・s以上、インキ製造時や印刷時の作業性効率の観点から1000mPa・s以下の範囲であることが好ましい。なお、上記粘度はトキメック社製B型粘度計で25℃において測定された粘度である。
インキの粘度は、使用される原材料の種類や量、例えば樹脂、着色剤、有機溶剤などを適宜選択することにより調整することができる。また、インキ中の顔料の粒度および粒度分布を調節することによりインキの粘度を調整することもできる。
本発明の印刷インキを塗布する方法としては、グラビア印刷、フレキソ印刷、凸版印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷などの印刷方法や、ロールコーティング、スプレーコーティング、ディップコーティングなどのコーティング方法が挙げられる。例えば、グラビア印刷の場合、印刷に適した粘度及び濃度にまで希釈溶剤で希釈され、単独でまたは混合されて各印刷ユニットに供給される。印刷インキは、これらの印刷方法で基材に塗布された後、オーブンで溶剤分を揮発させて定着される。
さらに、この印刷物の印刷面にイミン系、イソシアネート系、ポリブタジエン系、チタン系等の各種アンカーコート剤を介して、溶融ポリエチレン樹脂を積層する通常のエクストルージョンラミネート(押し出しラミネート)法、印刷面にウレタン系等の接着剤を塗工し、プラスチックフィルムを積層するドライラミネート法、印刷面に直接溶融ポリプロピレンを圧着して積層するダイレクトラミネート法等、公知のラミネート工程により、本発明のラミネート積層物が得られる。
本発明において得られた回収有機溶剤は、そのまま印刷インキ組成物の原料として再利用することができる。
さらに、本発明では、必要に応じて得られた回収有機溶剤の溶剤組成を分析した後、必要に応じて回収溶剤に溶剤を追加し成分調整した後、印刷インキ組成物の原料として再利用することもできる。
回収有機溶剤の溶剤組成を分析する方法としては、ガスクロマトグラフィー測定、液体クロマトグラフィー測定、赤外吸収スペクトル測定、屈折率測定、密度比重測定、導電率測定、核磁気共鳴吸収法および臭気試験を用いた測定方法から選択される少なくとも1種類以上の方法により行なわれることが好ましい。回収溶剤に追加し成分調整を行なうための溶剤は、新溶剤であっても良いし、上記方法によって得られた回収溶剤であっても良く、また新溶剤と回収溶剤の混合溶剤であっても良い。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、本発明中、部および%は、重量部および重量%を表わす。樹脂の分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)装置を用いて分子量分布を測定し、ポリスチレン換算分子量として求めた重量平均分子量である。ポリオールの水酸基価は、樹脂1g中に含有する水酸基を中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数である。また、樹脂のアミン価および回収有機溶剤の水分量、酸価、溶剤組成の測定方法は、下記の通りである。
[樹脂のアミン価の測定方法]
試料を0.5〜2g精秤する。(試料量:Sg)精秤した試料に中性エタノール(BDG中性)30mLを加え溶解させる。得られた溶液を0.2mol/lエタノール性塩酸溶液(力価:f)で滴定を行なう。溶液の色が緑から黄に変化した点を終点とし、この時の滴定量(AmL)を用い次の(式1)によりアミン価を求めた。
(式1) アミン価=(A×f×0.2×56.108)/S
[回収有機溶剤の水分量の測定方法]
水分量の測定は、JIS K 0068「化学製品の水分試験方法」により行ない、カールフィッシャー滴定法で測定した。
[回収有機溶剤の酸価の測定方法]
酸価とは、試料1g中に含有する遊離脂肪酸、樹脂酸などを中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数であり、酸価の測定は、JIS K 0070「化学製品の酸価、けん化価、エステル価、よう素価、水酸基価および不けん化物試験方法」により行なった。
[回収有機溶剤の溶剤組成の測定方法]
回収有機溶剤5μlを、検出器としてTCD、ガラス製カラムを有する島津製作所社製ガスクロマトグラフィー「GC−8A」にて分析。クロマトグラムのピーク面積とあらかじめ作成した検量線から溶剤組成を算出した。
[実施例1]
水酸基価56.1mgKOH/g、数平均分子量2000のポリテトラメチレングリコール27.199部、イソホロンジイソシアネート2.871部、2−エチルヘキシル酸第1錫0.005部および酢酸n−プロピル5.0部を窒素気流下に85℃で3時間反応させ、酢酸n−プロピル4.96部を加え冷却し、末端イソシアネートプレポリマーの溶剤溶液40.035部を得た。
次いで得られた末端イソシアネートプレポリマーにジ−n−ブチルアミン0.176部、酢酸n−プロピル59.789部を混合したものを50℃で徐々に添加し、次に50℃で1時間反応させ、固形分30%、重量平均分子量40000、溶剤組成が酢酸n−プロピル単一溶剤であるポリウレタン樹脂溶液(A1)を得た。
チタニックスJR−805(テイカ社製)30部、ポリウレタン樹脂溶液(A1)10部、酢酸n−プロピル10.0部を撹拌混合しサンドミルで練肉した後、ポリウレタン樹脂溶液(A1)40部、酢酸n−プロピル10.0部を混合し白色印刷インキ(B1)を得た。得られた白色印刷インキ(B1)100部に、酢酸n−プロピル50部を希釈溶剤として添加混合し、白色希釈印刷インキ(C1)を得た。ここで得られた白色希釈印刷インキの溶剤組成は、酢酸n−プロピル単一溶剤となった。
次に、NBR(ニトリルブタジエンゴム)製のゴム硬度80Hsの圧胴、刃先の厚みが60μm(母材の厚み40μm、片側セラミック層の厚み10μm)のセラミックメッキドクターブレード、東洋プリプレス株式会社製のクロム硬度1050Hvの電子彫刻版(175線/inch、スタイラス角度130度)、および上記白色希釈印刷インキ(C1)を富士機械工業株式会社製グラビア5色印刷機の5色目にセットし、片面コロナ処理OPPフィルム「パイレンP2161(東洋紡績株式会社製)」のコロナ処理面に、印圧2kg/cm2、ドクター圧2kg/cm2、乾燥風量70m3/分、乾燥温度60℃、印刷速度印刷150m/分の条件で30分間印刷を行なった。印刷中は、粘度コントローラーを用いて、希釈溶剤を適宜補充して一定の粘度を保った。印刷幅は600mm、白色希釈印刷インキの塗布量は7.5g/m2、トータルの印刷面積は2700m2であった。
乾燥機内に発生した有機溶剤を含むガスは塵芥などを除去するためのプレフィルターを通した後、ゼオライト製の高分子膜を備えた脱水装置に送られた。有機溶剤を含むガス中に含まれる水分はゼオライト膜を通過して系外へ排出された。
脱水装置を通過した有機溶剤を含むガスは、次に流動床式の粒子状活性炭を備えた吸着装置に送られ、有機溶剤が活性炭に吸着され、共存する空気と分離された。
印刷終了後、吸着装置に130℃に加熱した窒素を供給し、活性炭に吸着・捕集された有機溶剤を脱着した。
活性炭から脱着した有機溶剤は、次いで酸の中和剤として水酸化カルシウムを充填した中和装置に送られ、有機溶剤に含む酢酸が中和剤によって中和された。
中和装置を通過した有機溶剤は最後に冷却装置に送られ、40〜50℃に冷却・液化され、有機溶剤(D1)を13.2kg回収した。印刷機からの有機溶剤発生量(回収装置への投入量)の計算値14.2kgに対して回収率は93.0%であった。
得られた回収有機溶剤(D1)の溶剤組成は酢酸n−プロピル単一溶剤、水分量は0.3%、酸価は0.40mgKOH/gであった。
回収有機溶剤(D1)は、白色印刷インキ(B1)を製造する際の溶剤および/または白色希釈印刷インキ(C1)を得る際の希釈溶剤としてそのまま再利用し、回収溶剤再利用型白色印刷インキ(E1)および回収溶剤再利用型白色希釈印刷インキ(F1)を得た。
[実施例2]
アジピン酸と2−ブチル−2−エチルプロパンジオールから得られる水酸基価56.1mgKOH/g、数平均分子量2000のポリエステルジオール24.282部、イソホロンジイソシアネート4.317部、2−エチルヘキシル酸第1錫0.005部および酢酸n−プロピル5.0部を窒素気流下に85℃で3時間反応させ、酢酸n−プロピル5.0部を加え冷却し、末端イソシアネートプレポリマーの溶剤溶液38.604部を得た。次いでイソホロンジアミン1.116部、ジ−n−ブチルアミン0.28部、酢酸n−プロピル46.0部およびイソプロピルアルコール14.0部を混合したものに、得られた末端イソシアネートプレポリマーの溶剤溶液38.604部を室温で徐々に添加し、次に50℃で1時間反応させ、固形分30%、重量平均分子量60000、アミン価3.0 mgKOH/樹脂1g、溶剤組成が酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール=80/20であるポリウレタン樹脂溶液(A2)を得た。
チタニックスJR−805(テイカ社製)30部、ポリウレタン樹脂溶液(A2)10部、酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール混合溶剤(重量比80/20)10.0部を撹拌混合しサンドミルで練肉した後、ポリウレタン樹脂溶液(A2)40部、酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール混合溶剤(重量比80/20)10.0部を混合し白色印刷インキ(B2)を得た。得られた白色印刷インキ(B2)100部に、酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール混合溶剤(重量比80/20)50部を希釈溶剤として添加混合し、白色希釈印刷インキ(C2)を得た。ここで得られた白色希釈印刷インキの溶剤組成は、酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール=80:20となった。
白色希釈印刷インキ(C2)を富士機械工業株式会社製グラビア5色印刷機の5色目にセットし、実施例1と同条件にて30分間、印刷面積2700m2の印刷を行なった。
このとき実施例1と同様の条件にて脱水、吸着、脱着、冷却・液化を行ない、有機溶剤(D2)を12.8kg回収した。
得られた回収有機溶剤(D2)の溶剤組成は酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール=88/12、水分量は0.3%、酸価は0.38mgKOH/gであった。
回収有機溶剤(D2)100部に対してイソプロピルアルコールを新たに10部追加し、溶剤組成を酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール=80/20に調整した後、白色印刷インキ(B2)を製造する際の混合溶剤および/または白色希釈印刷インキ(C2)を得る際の希釈溶剤として再利用し、回収溶剤再利用型白色印刷インキ(E2)および回収溶剤再利用型白色希釈印刷インキ(F2)を得た。
[実施例3]
白色希釈印刷インキ(C1)を富士機械工業株式会社製グラビア5色印刷機の5色目にセットし、実施例1と同条件にて30分間、印刷面積2700m2の印刷を行なった。
このとき酸の中和剤として炭酸水素カリウムを充填した中和装置を用いた以外は実施例1と同様の条件にて脱水、吸着、脱着、冷却・液化を行ない、有機溶剤(D3)を13.0kg回収した。
得られた回収有機溶剤(D3)の溶剤組成は酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール=88/12、水分量は0.3%、酸価は0.08mgKOH/gであった。
回収有機溶剤(D3)100部に対してイソプロピルアルコールを新たに10部追加し、溶剤組成を酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール=80/20に調整した後、白色印刷インキ(B2)を製造する際の混合溶剤および/または白色希釈印刷インキ(C2)を得る際の希釈溶剤として再利用し、回収溶剤再利用型白色印刷インキ(E3)および回収溶剤再利用型白色希釈印刷インキ(F3)を得た。
[実施例4]
白色希釈印刷インキ(C1)を富士機械工業株式会社製グラビア5色印刷機の5色目にセットし、実施例1と同条件にて30分間、印刷面積2700m2の印刷を行なった。
このとき酸の中和剤として炭酸カリウムを充填した中和装置を用いた以外は実施例1と同様の条件にて脱水、吸着、脱着、冷却・液化を行ない、有機溶剤(D4)を13.0kg回収した。
得られた回収有機溶剤(D4)の溶剤組成は酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール=88/12、水分量は0.3%、酸価は0.06mgKOH/gであった。
回収有機溶剤(D4)100部に対してイソプロピルアルコールを新たに10部追加し、溶剤組成を酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール=80/20に調整した後、白色印刷インキ(B2)を製造する際の混合溶剤および/または白色希釈印刷インキ(C2)を得る際の希釈溶剤として再利用し、回収溶剤再利用型白色印刷インキ(E4)および回収溶剤再利用型白色希釈印刷インキ(F4)を得た。
[実施例5]
白色希釈印刷インキ(C1)を富士機械工業株式会社製グラビア5色印刷機の5色目にセットし、実施例1と同条件にて30分間、印刷面積2700m2の印刷を行なった。
このときセラミック膜を備えた脱水装置、酸の中和剤として炭酸水素カリウムを充填した中和装置を用いた以外は実施例1と同様の条件にて脱水、吸着、脱着、冷却・液化を行ない、有機溶剤(D5)を13.0kg回収した。
得られた回収有機溶剤(D5)の溶剤組成は酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール=88/12、水分量は0.3%、酸価は0.06mgKOH/gであった。
回収有機溶剤(D5)100部に対してイソプロピルアルコールを新たに10部追加し、溶剤組成を酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール=80/20に調整した後、白色印刷インキ(B2)を製造する際の混合溶剤および/または白色希釈印刷インキ(C2)を得る際の希釈溶剤として再利用し、回収溶剤再利用型白色印刷インキ(E5)および回収溶剤再利用型白色希釈印刷インキ(F5)を得た。
[実施例6]
チタニックスJR−805(テイカ社製)30部、ポリウレタン樹脂溶液(A2)10部、メチルエチルケトン10.0部を撹拌混合しサンドミルで練肉した後、ポリウレタン樹脂溶液(A2)40部、メチルエチルケトン6.5部、イソプロピルアルコール3.5部を混合し白色印刷インキ(B3)を得た。得られた白色印刷インキ(B3)100部に、酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール/メチルエチルケトン混合溶剤(重量比50/20/30)50部を希釈溶剤として添加混合し、白色希釈印刷インキ(C3)を得た。ここで得られた白色希釈印刷インキの溶剤組成は、酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール/メチルエチルケトン=50:20:30となった。
白色希釈印刷インキ(C3)を富士機械工業株式会社製グラビア5色印刷機の5色目にセットし、実施例1と同条件にて30分間、印刷面積2700m2の印刷を行なった。
このとき実施例1と同様の条件にて脱水、吸着、脱着、冷却・液化を行ない、有機溶剤(D6)を12.9kg回収した。
得られた回収有機溶剤(D6)の溶剤組成は酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール/メチルエチルケトン=58:11:31、水分量は0.4%、酸価は0.36mgKOH/gであった。
回収有機溶剤(D6)100部に対して新たにイソプロピルアルコールを12.2部、メチルエチルケトンを4.4部追加し、溶剤組成を酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール/メチルエチルケトン=50:20:30に調整した後、白色希釈印刷インキ(C3)を得る際の希釈溶剤として再利用し、回収溶剤再利用型白色希釈印刷インキ(F6)を得た。
[比較例1]
白色希釈印刷インキ(C2)を富士機械工業株式会社製グラビア5色印刷機の5色目にセットし、実施例1と同条件にて30分間、印刷面積2700m2の印刷を行なった。
このとき脱水装置、中和装置は用いず、130℃に加熱した1.9気圧の加圧水蒸気を供給し、活性炭に吸着・捕集された有機溶剤の脱着を行なった。
回収された有機溶剤(D7)は14.1kgであった。また、得られた回収有機溶剤(D7)の溶剤組成は酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール=90/10、水分量は6.2%、酸価は1.03mgKOH/gであった。
回収有機溶剤(D7)100部に対してイソプロピルアルコールを新たに12.5部追加し、溶剤組成を酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール=80/20に調整した後、白色印刷インキ(B2)を製造する際の混合溶剤および/または白色希釈印刷インキ(C2)を得る際の希釈溶剤として再利用し、回収溶剤再利用型白色印刷インキ(E7)および回収溶剤再利用型白色希釈印刷インキ(F7)を得た。
[比較例2]
白色希釈印刷インキ(C2)を富士機械工業株式会社製グラビア5色印刷機の5色目にセットし、実施例1と同条件にて30分間、印刷面積2700m2の印刷を行なった。
このとき脱水装置、中和装置は用いず、130℃に加熱した窒素を供給し、活性炭に吸着・捕集された有機溶剤の脱着を行なった。
回収された有機溶剤(D8)は13.5kgであった。また、得られた回収有機溶剤(D8)の溶剤組成は酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール=90/10、水分量は3.5%、酸価は0.85mgKOH/gであった。
回収有機溶剤(D8)100部に対してイソプロピルアルコールを新たに12.5部追加し、溶剤組成を酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール=80/20に調整した後、白色印刷インキ(B2)を製造する際の混合溶剤および/または白色希釈印刷インキ(C2)を得る際の希釈溶剤として再利用し、回収溶剤再利用型白色印刷インキ(E8)および回収溶剤再利用型白色希釈印刷インキ(F8)を得た。
[比較例3]
チタニックスJR−805(テイカ社製)30部、ポリウレタン樹脂溶液(A2)10部、メチルエチルケトン10.0部を撹拌混合しサンドミルで練肉した後、ポリウレタン樹脂溶液(A2)40部、イソプロピルアルコール4.0部、メチルエチルケトン3.2部、プロピレングリコールモノメチルエーテル2.8部を混合し白色印刷インキ(B4)を得た。得られた白色印刷インキ(B4)100部に、酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール/メチルエチルケトン/プロピレングリコールモノメチルエーテル混合溶剤(重量比50/20/25/5)50部を希釈溶剤として添加混合し、白色希釈印刷インキ(C4)を得た。ここで得られた白色希釈印刷インキの溶剤組成は、酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール/メチルエチルケトン/プロピレングリコールモノメチルエーテル=50:20:25:5となった。
白色希釈印刷インキ(C4)を富士機械工業株式会社製グラビア5色印刷機の5色目にセットし、実施例1と同条件にて30分間、印刷面積2700m2の印刷を行なった。
このとき実施例1と同様の条件にて脱水、吸着、脱着、冷却・液化を行ない、有機溶剤(D9)を12.7kg回収した。
得られた回収有機溶剤(D9)の溶剤組成は酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール/メチルエチルケトン/プロピレングリコールモノメチルエーテル=57:13:20:10、水分量は0.4%、酸価は0.40mgKOH/gであった。
回収有機溶剤(D9)100部に対して新たに酢酸n−プロピルを43部、イソプロピルアルコールを27部、メチルエチルケトンを30部追加し、溶剤組成を酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール/メチルエチルケトン/プロピレングリコールモノメチルエーテル=50:20:25:5に調整した後、白色希釈印刷インキ(C4)を得る際の希釈溶剤として再利用し、回収溶剤再利用型白色希釈印刷インキ(F9)を得た。
実施例1〜6および比較例1〜3で得た回収溶剤再利用型白色印刷インキE1〜9、回収溶剤再利用型白色希釈印刷インキF1〜9について、回収有機溶剤の再利用適性を以下の通り評価した。
[成分調整に必要な有機溶剤の量]
得られた回収有機溶剤を成分調整して白色印刷インキおよび/または白色希釈印刷インキに再利用する際に、成分調整を行なうために新たに必要となる有機溶剤の量を測定した。成分調整に必要な溶剤が少ない程、回収有機溶剤の再利用適性は良好な評価となる。
[インキ貯蔵安定性]
回収有機溶剤を再利用した回収溶剤再利用型白色印刷インキE1〜9、回収溶剤再利用型白色希釈印刷インキF1〜9を40℃の環境下で7日間静置・貯蔵した。40℃、7日間貯蔵後の分離の有無および貯蔵前後の粘度変化を測定した。
なお、白色印刷インキの粘度には離合社製ザーンカップNo.4、白色希釈印刷インキの粘度には離合社製ザーンカップNo.3を用いた。粘度測定の際には、あらかじめ白色印刷インキ、白色希釈印刷インキおよびザーンカップを25℃の恒温槽に浸し温度を一定とした。次いで、ザーンカップの上端が液面よりも下になるように、25℃に調整した白色印刷インキ、白色希釈印刷インキの中に浸し、ザーンカップのつり輪を持って素早く上に引き上げると同時にストップウォッチを始動した。ザーンカップNo.4の場合は、ザーンカップの上から見て流出孔がそのものの大きさに見えた時点を終点とし、ザーンカップNo.3の場合は、白色希釈印刷インキの流出孔からの連続した流出が最初に途切れた時点を終点とした。
40℃、7日間貯蔵後のインキ貯蔵安定性を以下の基準で評価した。
○ :白色印刷インキ、白色希釈印刷インキの分離が見られず、且つ貯蔵前後の粘度 変化が±1秒未満であった。
○△:白色印刷インキ、白色希釈印刷インキの分離が僅かに認められた(インキ液面 高さの5%未満)。または貯蔵前後の粘度変化が±1秒以上、±2秒未満であ った。
△ :白色印刷インキ、白色希釈印刷インキの分離が認められた(インキ液面高さの 5%以上、10%未満)。または貯蔵前後の粘度変化が±2秒以上、±3秒未 満であった。
△×:白色印刷インキ、白色希釈印刷インキの分離が認められた(インキ液面高さの 10%以上、20%未満)。または貯蔵前後の粘度変化が±3秒以上、±4秒 未満であった。
× :白色印刷インキ、白色希釈印刷インキの分離が認められた(インキ液面高さの 20%以上)。または貯蔵前後の粘度変化が±4秒以上であった。
[印刷物臭気]
NBR(ニトリルブタジエンゴム)製のゴム硬度80Hsの圧胴、刃先の厚みが60μm(母材の厚み40μm、片側セラミック層の厚み10μm)のセラミックメッキドクターブレード、東洋プリプレス株式会社製のクロム硬度1050Hvの電子彫刻版(175線/inch、スタイラス角度130度)および回収有機溶剤を再利用した回収溶剤再利用型白色希釈印刷インキF1〜9を富士機械工業株式会社製グラビア5色印刷機の5色目にセットし、片面コロナ処理OPPフィルム「パイレンP2161(東洋紡績株式会社製)」のコロナ処理面に、印圧2kg/cm2、ドクター圧2kg/cm2、乾燥風量70m3/分、乾燥温度60℃、印刷速度印刷150m/分の条件で5分間印刷を行ない、印刷物G1〜9を得た。印刷幅は600mm、白色希釈印刷インキの塗布量は7.5g/m2であった。
また、回収有機溶剤を使用していない白色希釈印刷インキC1〜4を用いて上記と同様の条件で印刷を行ない、標準印刷物H1〜4を得た。
作製した印刷物G1〜9およびH1〜4を0.5m3をそれぞれ入れた450ccマヨネーズ瓶を13本用意し、40℃、30分間加熱追い出し後、10人のパネラーが官能臭気を評価した。
印刷物の官能臭気を以下の基準で評価した。
○ :パネラー10人全員が標準印刷物と差異がないと判定した。
○△:パネラー10人のうち1人が標準印刷物と差異があると判定した。
△ :パネラー10人のうち2〜3人が標準印刷物と差異があり、酢酸臭を感じると 判定した。
△×:パネラー10人のうち3〜5人が標準印刷物と差異があり、酢酸臭を感じると 判定した。
× :パネラー10人のうち6人以上が標準印刷物と差異があり、酢酸臭を感じると 判定した。
Figure 2009072698
有機溶剤含有ガス処理方法の概念図である。

Claims (9)

  1. 印刷時に発生する有機溶剤を含むガス中に含まれる水分を脱水装置によって除去した後に、吸着剤によって有機溶剤を吸着・捕集し、次いで加熱した不活性ガスによって有機溶剤を吸着剤から脱着し、さらに有機溶剤中に含まれる酸を中和装置によって中和した後に冷却・液化して有機溶剤を回収する方法であって、エステル系溶剤を必須成分とし、エステル系溶剤、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤、グリコールエーテル系溶剤からなる群のいずれかに属する有機溶剤を3種類以下含有する印刷インキ組成物を用いることを特徴とする有機溶剤の回収方法。
  2. 脱水装置において、親水性の高分子膜またはセラミック膜を用いた蒸気透過法を用いて水分を除去することを特徴とする請求項1記載の有機溶剤の回収方法。
  3. 有機溶剤を吸着・捕集する吸着剤が活性炭、多孔質シリカおよびゼオライトから選択される少なくとも1種類以上であることを特徴とする請求項1または2記載の有機溶剤の回収方法。
  4. 中和装置において、酸の中和剤として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウムおよび炭酸バリウムから選択される少なくとも1種類以上を用いることを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の有機溶剤の回収方法。
  5. 回収した有機溶剤中の水分量が3%以下および酸価が0.5mgKOH/g以下であることを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載の有機溶剤の回収方法。
  6. 印刷インキ組成物が、高分子ジオールおよび有機イソシアネート化合物からなるポリウレタン樹脂をメインバインダーとして用いることを特徴とする請求項1ないし5いずれか記載の有機溶剤の回収方法。
  7. ポリウレタン樹脂が、鎖延長剤および末端停止剤を用いてなることを特徴とする請求項6記載の有機溶剤の回収方法。
  8. 請求項1ないし7いずれか記載の方法により回収した有機溶剤を、印刷インキ組成物の原料として再利用する方法。
  9. 回収した有機溶剤を、成分調整して使用することを特徴とする請求項8記載の再利用する方法。
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