JP2009068015A - 熱硬化性樹脂組成物及び接着性フィルム - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物及び接着性フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】フィルム加工性及びハンダ耐熱性に優れた接着性フィルムを与える熱硬化性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】下記(A)及び(B)成分を含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
(A):アルキル置換基を有するフェノールノボラック、二重結合を含む脂肪族化合物のフェノール付加物、及び二重結合を含む脂環式化合物のフェノール付加物からなる群から選ばれる少なくとも1種のフェノール樹脂
(B):下記(b1)と(b2)とを重合して得られるエポキシ基含有エチレン系共重合体
(b1)エチレン及び/又はプロピレン
(b2)下記一般式(1)で表される単量体
Figure 2009068015

(式中、Rは二重結合を有する炭素数2〜18の炭化水素基を表し、該炭化水素基には、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基が置換していてもよい。Xは単結合又はカルボニル基を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、フェノール樹脂と、エポキシ基含有エチレン系共重合体とからなる熱硬化性樹脂組成物、該組成物から得られる接着性フィルム及び該接着性フィルムと被着体とを積層し、熱硬化して得られる積層体に関する。
近年、電気・電子部品の分野では、軽薄、短小化が進められており、半導体封止材料、太陽電池やEL(エレクトロルミネセンス)ランプなどの電子部品封止材料、集積回路/基板間のダイボンディングシート、基板間の層間絶縁層などの電気・電子部品用接着剤としては、ハンダ等に対する耐熱性(以下、ハンダ耐熱性という)に加え、低弾性率、薄膜化が求められている。そして、電気・電子部品の製造工程を簡略化するために、接着剤の硬化前の形態としては、ドライフィルム状であることが求められている。
一方、アルキル基を有しないフェノールとホルムアルデヒドとから得られるフェノールノボラックに、エポキシ基含有エチレン系共重合体を混合して得られる熱硬化性樹脂組成物が脆性破損に対して強靭な硬化物を与えることが特開昭53−126053号公報に開示されている。
本発明者らは、アルキル基を有しないフェノールとホルムアルデヒドとから得られるフェノールノボラックを用い、これにエポキシ基含有エチレン系共重合体を混合して得られた組成物を得、有機溶媒に溶解したのち、支持基材に塗工したのち、乾燥して得られた接着性フィルムについて検討したところ、該接着性フィルムは不透明であり、フィルム加工性が十分ではないことが明らかになった。続いて、該接着性フィルムに被着体として電気・電子部品を積層し熱硬化して接着したところ、得られた積層体のハンダ耐熱性が不十分であることも明らかになった。
本発明の目的は、フィルム加工性及びハンダ耐熱性に優れた接着性フィルムを与える熱硬化性樹脂組成物を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定のフェノール樹脂とエポキシ基含有エチレン系共重合体とを含有する熱硬化性樹脂組成物が、かかる課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記(A)及び(B)成分を含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物;
(A):アルキル置換基を有するフェノールノボラック、二重結合を含む脂肪族化合物のフェノール付加物、及び二重結合を含む脂環式化合物のフェノール付加物からなる群から選ばれる少なくとも1種のフェノール樹脂
(B):下記(b1)と(b2)とを重合して得られるエポキシ基含有エチレン系共重合体
(b1)エチレン及び/又はプロピレン
(b2)下記一般式(1)で表される単量体
Figure 2009068015
(式中、Rは二重結合を有する炭素数2〜18の炭化水素基を表し、該炭化水素基には、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基が置換していてもよい。Xは単結合又はカルボニル基を表す。)
該組成物を押出成形してなる接着性フィルム;該組成物と溶媒とからなる接着剤;該接着剤を支持基材に塗工し、乾燥して得られる接着性フィルム;接着性フィルムを、さらに電子線で照射してなることを特徴とする接着性フィルム;接着性フィルムと被着体とを積層し、熱硬化して得られる積層体である。
本発明の熱硬化性樹脂組成物と溶媒とからなる接着剤は、支持基材への塗布性、操作性、流動性及びフィルム加工性に優れる。
また、本発明の接着性フィルムは、薄膜においても接着性に優れ、さらに電子線を照射してなる接着性フィルムは、熱硬化の際に、樹脂分の流出が著しく抑制される。
さらに、該接着性フィルムに被着体を積層し熱硬化せしめると、接着性及びハンダ耐熱性に優れ、接着剤層が低弾性率である積層体が得られる。
このような優れた特性を利用して、本発明の積層体は、例えば、半導体封止材料、太陽電池やEL(エレクトロルミネセンス)ランプなどの電子部品封止材料、集積回路/基板間のダイボンディングシート及び基板間の層間絶縁層、プリント配線板のソルダーレジストなどに使用し得る。
本発明で用いられる(A)成分とは、アルキル置換基を有するフェノールノボラック、二重結合を含む脂肪族化合物のフェノール付加物、及び、二重結合を含む脂環式化合物のフェノール付加物からなる群から選ばれる少なくとも1種のフェノール樹脂である。
ここで、アルキル置換基を有するフェノールノボラックとは、フェノールに結合した水素原子の少なくとも1個が炭素数2〜20のアルキル基に置換されたフェノールと、炭素数1〜4程度のアルデヒドとの縮合物である。
アルキル基としては、例えば、直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基、脂環式アルキル基などが挙げられ、具体的には、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n-ウンデカニル基、n−オクタデシル基、n−ドデシル基などの直鎖状アルキル基;イソプロピル基、t-ブチル基、エチルヘキシル基などの分岐状アルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの脂環式アルキル基などが挙げられる。
アルキル基としては、中でも、炭素数4〜18程度のアルキル基が好ましい。
炭素数1〜4程度のアルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、グリオキザール、グルタルアルデヒド、グリオキシル酸、パラホルムアルデヒドなどの炭素数1〜4程度のアルデヒドが挙げられ、中でもホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、パラホルムアルデヒドが好ましく、とりわけ、ホルムアルデヒドが好適である。
得られる硬化物が相溶性を示す限り、本発明のアルキル置換基を有するフェノールノボラックには、無置換のフェノールを共重合させてもよいが、フェノールノボラックとして無置換のフェノールを実質的に含有しないことが好ましい。
本発明のアルキル置換基を有するフェノールノボラックは、通常、アルキル置換基を有するフェノールを2〜5程度有するフェノールノボラックを主成分とするものである。
アルキル置換基を有するフェノールノボラックとして、例えば、「ヒタノール1501(登録商標)」(日立化成(株)製)、「タッキロール101(登録商標)」(田岡化学工業(株)製)、「タマノル7508(登録商標)」(荒川化学工業(株)製)などの市販のアルキル置換基を有するフェノールノボラックを用いてもよい。
二重結合を含む脂肪族化合物のフェノール付加物とは、ポリブタジエンなどの共役ジエン化合物の単独重合物や、α−オレフィンと共役ジエン化合物との共重合物などの二重結合を含む脂肪族化合物にフェノール、クレゾール、レゾルシン、前記アルキル置換基を有するフェノール等のフェノール類を反応させたものである。フェノール類としては、中でもフェノールが好適である。
二重結合を含む脂肪族化合物のフェノール付加物として、例えば、日石特殊フェノール樹脂「PP」シリーズ(日本石油化学(株)製)、日石特殊フェノール樹脂「DPP」シリーズ(日本石油化学(株)製)、日石特殊フェノール樹脂「DPA」シリーズ(日本石油化学(株)製)などが市販されている。
二重結合を含む脂環式化合物のフェノール付加物とは、セスキテルペンなどのテルペン系樹脂などの二重結合を含む脂環式化合物にフェノール類を反応させたものである。付加されるフェノール類としては、フェノールが好適である。
二重結合を含む脂環式化合物のフェノール付加物として例えば、「YP−90LL」(ヤスハラケミカル(株)製)などの市販品を用いてもよい。
二重結合を含む脂環式化合物のフェノール付加物としては、ポリブタジエンとテルペン系樹脂との混合物等とフェノールとの反応生成物なども含まれる。
本発明に用いられる(B)成分とは、エチレン及び/又はプロピレンの(b1)と、下記一般式(1)
Figure 2009068015
(式中、Rは二重結合を有する炭素数2〜18の炭化水素基を表し、該炭化水素基には、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基が置換していてもよい。Xは単結合又はカルボニル基を表す。)
で表される単量体(b2)とを重合して得られるエポキシ基含有エチレン系共重合体である。
中でも、(b1)としては、エチレンが好ましい。
(b2)における、一般式(1)のRとしては、例えば、下記式(2)〜(8)などの置換基が挙げられる。
Figure 2009068015
また、一般式(1)に記載されているXは、一般式(1)中の酸素原子と置換基Rが直接結合した単結合や、カルボニル基を表す。
(b2)を具体的に例示すれば、アリルグリシジルエーテル、2-メチルアリルグリシジルエーテル、及びスチレン-p-グリシジルエーテル等の不飽和グリシジルエーテルならびにグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート及びイタコン酸グリシジルエステル等の不飽和グリシジルエステル等が挙げられる。
(B)成分における、(b2)に由来する構造単位の含有量としては、(B)成分のエポキシ基含有エチレン系共重合体100重量部に対して、通常、(b2)単位が1〜30重量部程度である。(b2)単位が1重量部以上であると、得られる接着性フィルムの接着性が向上する傾向にあることから好ましく、30重量部以下であると、接着性フィルムの機械的強度が向上する傾向にあることから好ましい。
また、(B)成分における(b1)に由来する構造単位の含有量としては、(B)成分のエポキシ基含有エチレン系共重合体100重量部に対し、(b1)単位が30〜99重量部程度であることが好ましい。
(B)成分には、(b1)及び(b2)に加えて、(b1)及び(b2)とは異なる単量体であって、ビニル基、アルキレン基などのエチレンと共重合可能な官能基を有する単量体(以下、(b3)という)を重合させてもよい。尚、(b3)には、カルボキシル基(-COOH)や酸無水物基(-CO-O-CO-)などのエポキシ基と反応し得る官能基を含有してはならないが、エステル基はエポキシ基と反応しないことから含有していてもよい。
(b3)の具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル及びメタクリル酸イソブチル等の炭素数が3〜8程度のアルキル基を有するα,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル;酢酸ビニル、酪酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、イソノナン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等の炭素数2〜8程度のカルボン酸を有するビニルエステル;プロピレン、1−ブテン、イソブテンなどの炭素数3〜20程度のα−オレフィン;ブタジエン、イソプレン、シクロペンタジエンなどのジエン化合物;塩化ビニル、スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミドなどのビニル化合物などが挙げられる。
(b3)としては、中でも、プロピレン、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸メチルが好適である。
(B)成分における(b3)に由来する構造単位の含有量としては、(B)成分のエポキシ基含有エチレン系共重合体100重量部に対して、通常、0〜70重量部程度であり、中でも、5〜60重量部程度が好ましい。この含有量が、70重量部以下であると、高圧ラジカル法等により(B)成分を容易に製造し得る傾向にあることから好ましい。
本発明における(B)成分は、ブロック共重合体、グラフト共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体のいずれであってもよく、例えば、特許第2632980号公報記載のプロピレン・エチレンブロック共重合体に(b2)をグラフトさせた共重合体、特許第2600248号公報記載のエチレン・エポキシ基含有モノマー共重合体にα,β−不飽和カルボン酸エステルをグラフトさせた共重合体等が挙げられる。
本発明における(B)成分の製造方法としては、例えば、原料となる単量体を、エチレン及びラジカル発生剤の存在下に、500〜4000気圧程度、100〜300℃程度、適当な溶媒や連鎖移動剤の存在下又は不存在下に共重合させる方法;ポリエチレン系樹脂に(b2)などの原料となる単量体をラジカル発生剤とともに混合し、押出機中で溶融グラフト共重合させる方法などが挙げられる。ここで、ポリエチレン系樹脂とは、(b1)の単独重合体、あるいは(b3)と(b1)とからなる共重合体などである。
本発明の(B)成分としては、JIS K7210に準拠して測定したMFR(メルトフローレート)が、通常、190℃、2.16kg荷重で30〜1000g/10分程度であり、とりわけ50〜500g/10分程度であることが好ましい。MFRが30以上の場合は得られる熱硬化性樹脂組成物の流動性が向上し、被着体の表面に凹凸部があってもそれを容易に埋め込む傾向にあることから好ましい。また、1000以下の場合には、得られる熱硬化性樹脂組成物のハンダ耐熱性が向上する傾向にあることから好ましい。
(B)成分として、例えば、「ボンドファースト(登録商標)」シリーズ(住友化学工業(株)製)、「セポルジョンG(登録商標)」シリーズ(住友精化(株)製)、「レクスパールRA(登録商標)」シリーズ(日本ポリオレフィン(株)製)などの市販品を使用することができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、(A)成分と(B)成分を混合してなるものであり、該熱硬化性樹脂組成物は、通常、(A)成分と(B)成分とが相溶している。
熱硬化性樹脂組成物における(A)成分及び(B)成分の重量比率としては、通常、(A)/(B)=4/96〜50/50程度である。
また、熱硬化性樹脂組成物には、(A)及び(B)成分の硬化反応を促進させるため、アミン化合物、イミダゾール類、有機リン化合物などのエポキシ樹脂の硬化促進剤を含有させてもよい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は(A)成分、(B)成分に加えて酸化防止剤(C)を含有することにより、該組成物をフィルム化した際に、「フッシュアイ」と呼ばれる不均一な異物の発生を抑制したり、該組成物及び該組成物から得られる接着性フィルムの保管安定性が向上する傾向にあることから好ましい。
本発明における(C)成分としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤等が挙げられる。酸化防止剤として2種類以上の酸化防止剤を組み合わせて使用してもよく、とりわけ、ゲル防止効果及び着色の観点からフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤及びイオウ系酸化防止剤のいずれも使用することが好適である。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジシクロヘキシル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−アミル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−オクチル−4−n−プロピルフェノール、2,6−ジシクロヘキシル−4−n−オクチルフェノール、2−イソプロピル−4−メチル−6−t−ブチルフェノール、2−t−ブチル−2−エチル−6−t−オクチルフェノール、2−イソブチル−4−エチル−6−t−ヘキシルフェノール、2−シクロヘキシル−4−n−ブチル−6−イソプロピルフェノール、dl−α−トコフェロール、t−ブチルヒドロキノン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(1−メチルシクロヘキシル)−p−クレゾール]、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、
2,2’−ブチリデンビス(2−t−ブチル−4−メチルフェノール)、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、トリエチレングリコールビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネートジエチルエステル、トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−t−ブチルベンジル)イソシアヌレート、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、トリス[(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレート、
トリス(4−t−ブチル−2,6−ジメチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)テレフタレート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、2,2−ビス[4−(2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイルオキシ))エトキシフェニル]プロパン、β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリルエステルなどが挙げられる。
これらの中では、β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリルエステル、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、dl−α−トコフェロール、トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−t−ブチルベンジル)イソシアヌレート、トリス[(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレート、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンが好ましい。
フェノール系酸化防止剤として、市販品のフェノール系酸化防止剤を使用してもよく、例えばイルガノックス1010(Irganox 1010、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)、イルガノックス1076(Irganox 1076、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)、イルガノックス1330(Irganox 1330、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)、イルガノックス3114(Irganox 3114、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)、イルガノックス3125(Irganox 3125、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)、スミライザーBHT(Sumilizer BHT、住友化学製)、シアノックス1790(Cyanox 1790、サイテック製)、スミライザーGA−80(Sumilizer GA-80、住友化学製)、ビタミンE(エーザイ製)などが挙げられる。
フェノール系酸化防止剤として、2種類以上のフェノール系酸化防止剤を使用してもよい。
本発明の組成物におけるフェノール系酸化防止剤の配合量は、成分(A)100重量部に対し、通常、0.005〜2重量部程度、好ましくは0.01〜1重量部程度、さらに好ましくは0.05〜0.5重量部程度である。
リン系酸化防止剤としては、例えばトリオクチルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリデシルホスファイト、(オクチル)ジフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(ブトキシエチル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフエニル)ブタンジホスファイト、テトラ(C12〜C15混合アルキル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)ジホスファイト、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ホスファイト、トリス(モノ・ジ混合ノニルフェニル)ホスファイト、
水素化−4,4’−イソプロピリデンジフェノールポリホスファイト、ビス(オクチルフェニル)ビス[4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)]−1,6−ヘキサンジオールジホスファイト、フェニル(4,4’−イソプロピリデンジフェノール)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス[4,4’−イソプロピリデンビス(2−t−ブチルフェノール)]ホスファイト、ジ(イソデシル)フェニルホスファイト、4,4’−イソプロピリデンビス(2−t−ブチルフェノール)ビス(ノニルフェニル)ホスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル)エチルフォスファイト、2−[{2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1.3.2]−ジオキサホスフェピン−6−イル}オキシ]−N,N−ビス〔2−[{2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1.3.2]−ジオキサホスフェピン−6−イル}オキシ]エチル〕エタンアミン、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1.3.2]−ジオキサホスフェピンなどが挙げられる。
また、ビス(ジアルキルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトエステルとしては、下記一般式(9)
Figure 2009068015
(式中、R1、R2、及びR3は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜9程度のアルキル基等を表す。)
で示されるスピロ型、又は、下記一般式(10)
Figure 2009068015
(式中、R4、R5、及びR6は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜9程度のアルキル基等を表す。)
で示されるケージ形のものなどが挙げられる。
このようなホスファイトエステルは、通常、一般式(9)と(10)の混合物が使用される。
ここで、R1〜R6がアルキル基の場合、分枝のあるアルキル基が好ましく、中でもt−ブチル基が好適である。
また、フェニル基におけるR1〜R6の置換位置は、2,4,6位が好ましい。
ホスファイトエステルの具体例としては、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられ、また、炭素とリンとが直接結合した構造を持つホスフォナイトとしては、例えば、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスフォナイトなどの化合物が挙げられる。
リン系酸化防止剤として、市販品を使用することもでき、例えばイルガフォス168(Irgafos 168、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)、イルガフォス12(Irgafos 12、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)、イルガフォス38(Irgafos 38、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)、アデカスタブ329K(ADK STAB 329K、旭電化製)、アデカスタブPEP36(ADK STAB PEP36、旭電化製)、アデカスタブPEP−8(ADK STAB PEP-8、旭電化製)、Sandstab P−EPQ(クラリアント製)、ウェストン618(Weston 618、GE製)、ウェストン619G(Weston 619G、GE製)、ウルトラノックス626(Ultranox 626、GE製)、スミライザーGP(Sumilizer GP、住友化学製)などが挙げられる。
リン系酸化防止剤として、2種類以上のリン系酸化防止剤を使用してもよい。
本発明の組成物におけるリン系酸化防止剤の配合量は、成分(A)100重量部に対して、通常、0.005〜2重量部、好ましくは0.01〜1重量部、さらに好ましくは0.05〜0.5重量部である。
リン系酸化防止剤の中では、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスフォナイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2−[{2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1.3.2]−ジオキサホスフェピン−6−イル}オキシ]−N,N−ビス〔2−[{2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1.3.2]−ジオキサホスフェピン−6−イル}オキシ]エチル〕エタンアミン、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1.3.2]−ジオキサホスフェピンが好ましい。
イオウ系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル−、ジミリスチル−、ジステアリル−などのジアルキルチオジプロピオネート及びブチル−、オクチル−、ラウリル−、ステアリル−などのアルキルチオプロピオン酸の多価アルコール(例えばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート)のエステル(例えばペンタエリスリルテトラキス−3−ラウリルチオプロピオネート)などが挙げられる。
さらに具体的には、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジブチレート、などが挙げられる。これらの中では、ペンタエリスリルテトラキス−3−ラウリルチオプロピオネートが好ましい。
イオウ系酸化防止剤としては、例えば、スミライザーTPS(Sumilizer TPS、住友化学製)、スミライザーTPL−R(Sumilizer TPL-R、住友化学製)、スミライザーTPM(Sumilizer TPM、住友化学製)、スミライザーTP−D(Sumilizer TP-D、住友化学製)などが挙げられる。
イオウ系酸化防止剤として、2種類以上のイオウ系酸化防止剤を使用してもよい。
本発明の組成物におけるイオウ系酸化防止剤の配合量は、成分(A)100重量部に対して0.005〜2重量部程度、好ましくは0.01〜1重量部程度、さらに好ましくは0.05〜0.5重量部程度とするのが望ましい。
アミン系酸化防止剤としては、例えば、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−1,4−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−1,4−フェニレンジアミンなどが挙げられる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、上記(A)成分と(B)成分を含有するものであり、その製造方法としては、例えば、(A)成分を一軸もしくは二軸のスクリュー押出し機、バンバリーミキサー、ロール、各種ニーダー等で、通常、120℃〜200℃程度で溶融混練し、(B)成分を混合する方法;(A)成分と(B)成分をドライブレンドして一軸もしくは二軸のスクリュー押出し機、バンバリーミキサー、ロール、各種ニーダー等で、通常、120℃〜150℃程度で溶融混練する方法などが挙げられる。ここで、(B)成分が塊状の場合は、フェザーミル、奈良式粉砕機、エアーミル等の粉砕機で粉体状としてから混合することにより、溶融混練が簡素化されることから好ましい。
また、前記(C)成分を(A)成分とともに溶融混練することが好ましい。
さらに、着色剤、無機フィラー、加工安定剤、耐候剤、熱安定剤、光安定剤、核剤、滑剤、離型剤、難燃剤、帯電防止剤等の添加剤を本発明の熱硬化性樹脂組成物に含有させてもよい。
熱硬化性樹脂組成物をソルダーレジストに供する場合、プリント配線板の表面の導体回路をマスクするために、着色剤として、フタロシアニングリーン、カーボンブラックなどの色素、顔料等を通常、使用する。
本発明の接着性フィルムは、熱硬化性樹脂組成物を接着剤層としてなるものであり、接着性フィルムの製造方法としては、例えば、(I)本発明の熱硬化性樹脂組成物をTダイス押出機などでフィルム状に押出成形する方法、(II)本発明の熱硬化性樹脂組成物をTダイス押出機などで支持基材にフィルム状に押出成形する方法、(III)(I)で得られたフィルムを支持基材に積層する方法、(IV)本発明の熱硬化性樹脂を有機溶媒及び/又は水に、溶解又は分散して得られる接着剤を、塗料の如く、被着体に塗工して、被着体の上に接着性フィルムを製造する方法、(V)接着剤を支持基材上に塗布、乾燥して(C)成分を除去することにより、支持基材の上に接着性フィルムを製造する方法、などが挙げられる。中でも、電気・電子部品用には、(II)、(V)で得られる接着性フィルムが好適である。
ここで、押出成形して得られるフィルムの製造方法(例えば、上記(I)及び(II)の製造方法)についてさらに説明すると、T−ダイとチルロール間の距離(エアギャップ)は、通常、約10cm以下であり好ましくは約8cm以下、特に好ましくは約6cm以下である。エアギャップが10cm以下であるとフィルム切れや、一般に「片肉」と呼ばれるフィルムの厚みがばらつく状態が抑制される傾向にあることから好ましい。
接着性フィルムを得るための溶融混練温度としては使用する樹脂の溶融温度以上で、120℃程度以下であることが好ましく、とりわけ、90℃〜110℃程度の溶融混練温度が好適である。該溶融混練温度が120℃以下であると、得られる接着性フィルムの「フィッシュアイ」が低減される傾向にあることから、好ましい。
押出成形して得られる接着性フィルムの厚みとしては、通常、5μm〜2mm程度であり、好ましくは8μm〜1mmである。
尚、本発明に用いられる支持基材としては、例えば、4−メチル−1−ペンテン共重合体からなるフィルムなどのポリオレフィン系フィルム、酢酸セルロースフィルム、熱硬化性樹脂組成物からなる層に接する面にシリコン系離型剤あるいはフッ素系離型剤が塗布された離型紙及び離型ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどが挙げられる。
次に、接着性フィルムの製造方法の例示(IV)及び(V)に記載された接着剤について説明する。
接着剤は、有機溶媒及び/又は水(以下(D)成分という)を含有する。ここで有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブルなどのエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、メタノール、ブタノール、ポリエチレングリコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコールなどのアルコール類、塩化メチレンなどの塩素化炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、石油エーテルなどの脂肪族炭化水素などが挙げられる。
(D)成分としては、2種類以上の(D)成分を使用してもよい。
(D)成分が有機溶媒である場合、芳香族炭化水素及びケトン類が好適に用いられる。
(D)成分として、水を使用する場合、(A)及び(B)成分を分散させ、熱硬化性樹脂組成物としての保存安定性を向上させるために、部分ケン化ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールなどの乳化分散剤を併用することが好ましい。
接着剤の製造方法としては、例えば、(A)及び(B)成分をそれぞれ(D)成分に溶解又は分散したのち、混合する方法、(A)及び(B)成分を一括して(D)成分に溶解又は分散する方法、乳化重合によって(A)及び/又は(B)成分の水性エマルジョンを製造し、(A)及び(B)成分の乳化水溶液の混合物を製造する方法などが挙げられる。
接着剤には、前記(C)成分である酸化防止剤の他、例えば、無機フィラー、顔料、加工安定剤、耐候剤、熱安定剤、光安定剤、核剤、滑剤、離型剤、難燃剤、帯電防止剤等の添加剤を含有していてもよい。但し熱硬化性樹脂組成物が無機フィラーを含有する場合、無機フィラーの含有量は(A)及び(B)成分の合計100重量部に対して70重量部以下が好ましい。
尚、接着剤として用いられる(A)成分及び(B)成分のそれぞれ分子量としては、通常、接着剤として均一溶解することが可能で、しかも、塗布が可能な粘度を与える分子量である。
接着剤を塗工して得られるの接着性フィルムの厚さとしては、約3μm程度以上であれば、接着性に優れる傾向があり、好ましくは3〜100μm程度、とりわけ好ましくは3〜50μm程度である。
本発明の接着剤における(A)及び(B)成分の合計重量としては、(D)成分100重量部に対して、通常、10〜150重量部である。(A)及び(B)成分の合計が10重量部以上であると、本発明の熱硬化性樹脂組成物の支持基材に対する塗工性が優れる傾向にあり、(A)及び(B)成分の合計が150重量部以下の場合、(A)、(B)及び(D)成分からなる組成物の粘度が低下して、該接着剤を支持基材に塗工した際の塗工性に優れる傾向にあることから、好ましい。
接着剤を用いる接着性フィルムの製造方法としては、例えば、リバースロールコーター、グラビアコーター、マイクロバーコーター、キスコーター、マイヤーバーコーター、エアーナイフコーターなどのロールコーター、ブレードコーターなどを塗布したのち、そのまま静置したり、加熱送風オーブンなどで乾燥する方法などが挙げられる。
中でも、ロールコーターを用いて接着性フィルムを製造すると、薄膜から厚膜に至るまで膜の厚さを容易に制御し得ることから好適である。
本発明の接着性フィルムについて、例えば、被着体と接着性フィルムとを積層したのち、熱硬化する場合、接着性フィルムの樹脂成分が流出して、被着体からはみ出す傾向を防止するために、被着体と接着性フィルムとを積層したのち、熱硬化する前に、接着性フィルムをさらに電子線で照射することが推奨される。
本発明で用いられる電子線とは、電圧によって加速された電子の束であり、50〜300kV程度の電圧で加速させる低エネルギー型、300〜5000kV程度の電圧で加速させる中エネルギー型、5000〜10000 kV 程度の電圧で加速させる高エネルギー型に分類されるが、本発明は、通常、低エネルギー型の電子線を用いる。
電子加速器としては、例えば、リニアカソード型、モジュールカソード型、薄板カソード型、低エネルギー走査型などが挙げられる。
電子線の照射方法としては、例えば、窒素などの不活性ガス雰囲気下にて、押出成形して得られたフィルムの支持基材で覆われていない片面のみに電子線を照射する方法;支持基材で覆われた面に電子線を照射する方法;支持基材を剥離して、片面又は両面に電子線を照射する方法;支持基材を剥離して、後述する被着体に予め積層したのち、電子線を照射する方法などが例示される。
所望の電子線量を1回で照射してもよいが、例えば、80kGy程度以上の電子線を照射する場合、電子線照射後の接着性フィルムの外観保持したり、電子線照射により接着性フィルムの架橋密度をより増加させるために、複数回、好ましくは2回、電子線を照射するのが好ましい。
電子線の合計照射線量は、通常、10〜300kGy程度、好ましくは、50〜250kGy程度である。照射線量が10kGy以上であると、加熱接着時および熱硬化時にフィルムを圧延した際の被着体表面の隠蔽効果が向上する傾向があることから好ましく、300kGy以下の場合には、被着体の凹凸に、接着性フィルムが埋め込まれ、密着性が向上する傾向にあることから好ましい。
本発明の積層体は、本発明の接着性フィルムと被着体とを積層したのち、熱硬化してなる積層体である。
被着体は異なる2種類以上の被着体を用いてもよい。
本発明の積層体の製造方法を支持基材が積層されている接着性フィルムを具体例として説明すると、接着性フィルムから支持基材を剥離し、接着性フィルムの両面又は片面に被着体を積層したのち熱硬化する方法;接着性フィルムの支持基材を積層していない面に被着体を積層したのち、接着性フィルムから支持基材を剥離したのち、必要に応じて、支持基材を剥離した面に該被着体とは異なる被着体を積層したのち熱硬化する方法;接着性フィルムの支持基材を積層していない面と被着体とを積層し、熱硬化したのち、接着性フィルムから支持基材を剥離する方法などが挙げられる。
積層体を製造する際の熱硬化条件としては、通常、100℃〜350℃程度、好ましくは120〜300℃程度、とりわけ好ましくは160〜200℃程度にて、約10分〜3時間程度熱硬化する。熱硬化の温度が100℃以上であるとハンダ耐熱性を得るまでの熱硬化時間が短縮される傾向にあるので好ましく、また、350℃以下であると本発明の接着剤の熱劣化が少なく好ましい。
また、熱硬化する際に、加熱可能なプレス機を用いて、0〜6MPa で加圧してもよい。
積層体に用いられる被着体の材料とは、例えば、本発明の接着性フィルムと接着し得る材料である。具体的には、例えば、金、銀、銅、鉄、錫、鉛、アルミニウム、シリコンなどの金属、ガラス、セラミックスなどの無機材料;紙、布などのセルロース系高分子材料、メラミン系樹脂、アクリル・ウレタン系樹脂、ウレタン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン・アクリロニトリル系共重合体、ポリカーボネート系樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などの合成高分子材料等が挙げられる。
被着体の材料として、異なる2種類以上の材料を混合、複合してもよい。また、積層体が本発明の接着性フィルムを介して、異なる2つの被着体が接着してなるものである場合、2つの被着体を構成する材料は、同じ種類の材料でも異なる種類の材料のいずれでもよい。
被着体の性状としては特に限定されないが、例えば、フィルム状、シート状、板状、繊維状などが挙げられる。
また、被着体には、必要に応じて、離型剤、メッキなどの被膜、本発明以外の樹脂組成物からなる塗料による塗膜、プラズマやレーザーなどによる表面改質、表面酸化、エッチングなどの表面処理等を実施してもよい。
被着体として、合成高分子材料及び金属の複合材料である集積回路、プリント配線板などの電子・電気部品等が好ましく用いられる。
以下に実施例を示して、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
(A)、(B)及び(D)成分は以下を使用した。なおMFR(メルトフローレート)はJIS−K7210に準拠し、190℃、2160g荷重の条件下で測定した値を示した。
<(A)成分>
A−1:田岡化学工業(株)製「タッキロール 101」、
炭素数11のアルキル基が置換されたフェノールを主成分とする
アルキル基置換フェノールノボラック樹脂
A−2:荒川化学工業(株)製「タマノル 7508」、
アルキル基置換フェノールノボラック樹脂
A−3:日本石油化学(株)製「PP−700−MX60」
液状ポリブタジエンのフェノール変性物、
60重量%キシレン/メチルエチルケトン溶液
A−4:荒川化学工業(株)製「タマノル 759」、
アルキル基が置換されていないフェノールノボラック樹脂
A−5:日本石油化学(株)製「PP−700−300」
液状ポリブタジエンのフェノール変性物
<(B)成分>
B−1:住友化学工業(株)製 エチレン-アクリル酸メチル-グリシジル
メタクリレート共重合体、
グリシジルメタクリレート含有量 5.4重量%、
アクリル酸メチル含有量 26.9重量%、
(MFR=253g/10分)
B−2:住友化学工業(株)製 エチレン-アクリル酸メチル-グリシジル
メタクリレート共重合体、
グリシジルメタクリレート含有量 11.2重量%、
アクリル酸メチル含有量 26.2重量%、
MFR=230g/10分
B−3:住友化学工業(株)製 エチレン-グリシジルメタクリレート
共重合体、グリシジルメタクリレート含有量 18.0重量%、
(MFR=350g/10分)
<(C)成分>
C−1:β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン
酸ステアリルエステル
(フェノール系酸化防止剤、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製
Irganox 1076)
C−2:トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト
(リン系酸化防止剤、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製
Irgafos 168)
C−3:ペンタエリスリルテトラキス−3−ラウリルチオプロピオネート
(イオウ系酸化防止剤、住友化学製 Sumilizer TP-D)
<(E)成分:硬化促進剤>
E−1:四国化成工業(株)製「キュアゾール 2E4MZ」、
2−エチル−4−メチルイミダゾール
(実施例1〜11及び比較例1)
接着剤を調製したのち、支持基材に接着剤を塗工し、乾燥して得られる接着性フィルムの製造例
(1)(A)成分含有溶液((A)成分と(D)成分の混合物)の調製
<(A−1)溶液の調製>
(A−1)成分20重量部及びトルエン80重量部をフラスコに取り、80℃で保温しながら1時間攪拌溶解して、20重量%の(A−1)成分を含有したトルエン溶液を得た。
<(A−2)溶液の調製>
(A−2)成分20重量部及びアセトン80重量部をフラスコに取り、80℃で保温しながら1時間攪拌溶解して、20重量%の(A−2)成分を含有したアセトン溶液を得た。
<(A−3)溶液の調製>
(A−3)成分20重量部及びメチルエチルケトン80重量部をフラスコに取り、80℃で保温しながら1時間攪拌溶解して、20重量%の(A−3)成分を含有したメチルエチルケトン溶液を得た。
<(A−4)溶液の調製>
市販されている60重量%の(A−4)成分を含有したキシレン/メチルエチルケトン溶液、PP−700−MX60を使用した。
(2)(B)成分含有溶液((B)成分と(D)成分の混合物)の調製
<(B−1)溶液の調製>
(B−1)成分30重量部及びトルエン70重量部をフラスコに取り、80℃で保温しながら1時間攪拌溶解して、30重量%の(B)成分を含有したトルエン溶液を得た。
<(B−2)溶液の調製>
(B)成分30重量部及びトルエン70重量部をフラスコに取り、80℃で保温しながら1時間攪拌溶解して、30重量%の(B)成分を含有したトルエン溶液を得た。
(3)(E)成分含有溶液((E)成分と(D)成分の混合物)の調製
<(E−1)溶液の調製>
(E−1)成分20重量部及びトルエン80重量部をフラスコに取り、80℃で保温しながら1時間攪拌溶解して、20重量%の(E−1)成分を含有したトルエン溶液を得た。
(4)接着剤の製造例
かくして得られた、(D)成分に溶解された(A)成分([A−1〜A−4])、(D)成分に溶解された(B)成分([B−1〜B−2])及び(D)成分に溶解された(E)成分([E−1])を、(表1〜3に記載の混合比率(固形分、重量部)で、室温にて10分間攪拌・混合することにより、接着剤を得た。尚、混合比率(固形分、重量部)とは、(A)成分、(B)成分及び(E)成分のみの重量比を表し、(D)成分の重量比は反映されていない。また、混合比率(%)とは、(D)成分を含めた(A)〜(E)の各成分の重量百分率を表す。
(5)接着性フィルム(接着前)の製造例1
上記(4)によって得られた接着剤を、マイヤーバーコーターを用いて支持基材として離型ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(ユニチカ(株)製「FF−50」、片面離型処理PETフィルム、支持基材の厚さ 50μm)の離型処理面に塗布し、90℃のオーブンにて3分間乾燥させることにより、支持基材と接着剤層との2層からなる接着性フィルムを得た。なお、接着剤を塗工する量を調整することにより、接着剤層の厚さが4μm、8μm及び20μmの3種類の接着性フィルムを製造した。ハンダ耐熱性試験には、接着剤層の厚さが20μmの接着性フィルムを供した。
(6)接着性フィルム(接着前)の製造例2
上記(4)によって得られた接着剤を、マイヤーバーコーターを用いて支持基材としてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(三菱化学(株)製「DIAFOIL T600E50 W07」、両面コートPETフィルム、支持基材の厚さ 50μm)の片面に塗布し、90℃のオーブンにて3分間乾燥させることにより、接着性フィルムを得た。なお、接着剤を塗工する量を調整することにより、接着剤層の厚さが4μm、8μm及び20μmの3種類の接着性フィルムを製造した。剥離試験には、接着剤層の厚さが20μmの接着性フィルムを供した。
(7)フィルム加工性
上記(5)及び(6)にて得られた、接着性フィルムの外観を目視にて観察した。結果を表1〜3にまとめた。
尚、接着性フィルム外観観察の判定は下記の基準に従った。
○:接着性フィルムが透明であるもの
×:接着性フィルムが不透明であるもの
(8)積層体の製造例1及びハンダ耐熱試験
上記(5)にて得られた、接着剤層の厚さが20μmの接着性フィルム(2層)の接着剤層の面と、プリント配線板(松下電工(株)製 片面銅張り積層板 R-1705(FR4プリント配線板))の配線パターンの面とを積層し、ラミネーター(大成ラミネーター(株)製「ファーストラミネーター VA−700」)を用いて上下ロール温度100℃、線圧14.5kg/cm、速度0.5m/分の条件にて熱圧着した。続いて熱プレスを用いて100℃、2MPaの条件下、10分間熱圧着した。さらに熱プレスを用いて180℃、2MPaの条件下、60分間熱硬化させた後、積層体表面の離型PETフィルムを剥がして積層体を得た。
<ハンダ耐熱試験>
得られた積層体を、タバイエスペック製 SOLDERABILITY TESTER EST−11を用い、260℃のハンダ浴へ10秒間浸漬した。これを1サイクルとして6サイクル繰返し後、表面外観を目視観察した。結果を表1〜3にまとめた。
尚、ハンダ耐熱試験の判定は下記の基準に従った。
○:熱硬化した接着剤層の外観に異常(剥離、膨れ)がなく、
ハンダもぐりがないもの
×:熱硬化した接着剤層の外観に異常(剥離、膨れ)がある、
又はハンダもぐりがあるもの
(9)積層体の製造例2及び剥離試験
上記(6)にて得られた接着性フィルムの接着剤層の面と、樹脂付銅箔及びプリント配線板(松下電工(株)製 片面銅張り積層板 R-1705(FR4プリント配線板))の非配線パターンの面とを積層し、ヒートシールテスター(テスター産業(株)製「ヒートシールテスター TP−701−B」)を用いて上下バーから、180℃、0.1MPa(ゲージ圧力)の圧力で60分間ヒートシールし、積層体を得た。得られた積層体を温度23℃、相対湿度50%の条件下にて1時間状態調製した後、積層体から10mm幅×100mm長さ(接着長さ25mm)の試験片を切り出し、温度23℃、相対湿度50%の条件下にて、剥離速度50mm/秒、剥離角度90°で剥離試験を実施した。結果を表1〜3にまとめた。
Figure 2009068015
Figure 2009068015
Figure 2009068015
(実施例12〜14)
本発明の熱硬化性樹脂組成物を押出成形して得られる接着性フィルムの製造例
<製造例1>
B−3(100部)、C−1(0.1部)、C−2(0.1部)及びC−3(0.05部)をドライブレンドし、Φ30mmの同方向二軸押出し機(L/D=42)に供給し、120℃の温度下、180rpmのスクリュー回転数、16Kg/時間の供給速度にて溶融混練して得られたもの95部とA−1を5部とをドライブレンドし熱硬化性樹脂組成物を得た。続いて、(株)東洋精機製ラボプラストミルΦ20mm押出し機T−ダイス付を用いて、押出し機シリンダー温度を100℃、T−ダイス温度を90℃、及びエアギャップは2cmに設定した。上記熱硬化性樹脂組成物を上記押出し機を用いて、約50μm厚みの接着性フィルムを作製した。
<製造例2>
B−1(100部)、C−1(0.1部)、C−2(0.1部)、C−3(0.05部)及びフェザーミルと奈良式粉砕機(三回)にて粉砕したA−5(10部)をドライブレンドし、Φ30mmの同方向二軸押出し機(L/D=42)に供給し、120℃の温度下、180rpmのスクリュー回転数、16Kg/時間の供給速度にて溶融混練し熱硬化性樹脂組成物を得た。続いて、(株)東洋精機製ラボプラストミルΦ20mm押出し機T−ダイス付を用いて、押出し機シリンダー温度を100℃、T−ダイス温度を90℃、及びエアギャップは2cmに設定した。上記熱硬化性樹脂組成物を上記押出し機を用いて、約50μm厚みの接着性フィルムを作製した。
<製造例3>
B−1(100部)、C−1(0.1部)、C−2(0.1部)、C−3(0.05部)及びフェザーミルと奈良式粉砕機(三回)にて粉砕したA−5(2.5部)をドライブレンドし、Φ30mmの同方向二軸押出し機(L/D=42)に供給し、120℃の温度下、180rpmのスクリュー回転数、16Kg/時間の供給速度にて溶融混練し熱硬化性樹脂組成物を得た。続いて、(株)東洋精機製ラボプラストミルΦ20mm押出し機T−ダイス付を用いて、押出し機シリンダー温度を100℃、T−ダイス温度を90℃、及びエアギャップは2cmに設定した。上記熱硬化性樹脂組成物を上記押出し機を用いて、約50μm厚みの接着性フィルムを作製した。
押出成形して得られる接着性フィルムから得られる積層体の製造例及び剥離試験
上からアルミ箔、補強材(50μm厚みのポリエチレンテレフタレートフィルム)、製造例1〜3で得られた接着性フィルム、被着体(銅箔付基板及びプリント配線板(松下電工(株)製 片面銅張り積層板 R-1705(FR4プリント配線板))の非配線パターンの面)及びアルミ箔を順次積層し、ヒートシールテスター(テスター産業社製)にて、上部より180℃、0.5MPaの圧力で60分間保持し積層体の一部(25mm幅)を接着し、本発明の積層体を得た。
得られた積層体のアルミ箔を剥がし、温度23℃、湿度50%にて1時間静置した。その後、積層体を10mm幅×100mm長さ(接着長さ25mm)に切り出し、温度23℃、湿度50%にて接着していない部分をつかみ、剥離速度50mm/秒、剥離角度90°でピール剥離試験を実施した。また、同様にして作成した積層体を前記と同様にハンダ耐熱試験に供した。結果は表4にまとめた。
Figure 2009068015
(実施例15)
<支持基材に押出成形して得られる接着性フィルムの製造例>
エアギャップが4cm、φ40mmのT−ダイを備えた押出し機をシリンダー温度を100℃、T−ダイ温度を90℃に設定した。続いて、 B−1(100部)、C−1(0.1部)、C−2(0.1部)、C−3(0.05部)及びフェザーミルと奈良式粉砕機(三回)にて粉砕したA−2(10部)をドライブレンドし、Φ30mmの同方向二軸押出し機(L/D=42)に供給し、120℃の温度下、180rpmのスクリュー回転数、16Kg/時間の供給速度にて溶融混練した熱硬化性樹脂組成物を、該押出し機にて溶融混練したのち、シリコン系離型剤が塗布されたポリエチレンテレフタレートフィルム(ユニチカ製SC−38)の離型剤が塗布された面に、該熱硬化性樹脂組成物を押出成形し、約10μm厚みの熱硬化性樹脂組成物から得られる層とポリエチレンテレフタレートフィルムとの二層からなる接着性フィルムを得た。
<積層体の製造例>
支持基材を含有する接着性フィルムの製造例で得られた接着性フィルムの熱硬化性樹脂組成物から得られる層に、被着体としてプリント配線板(松下電工製 両面銅張り積層板 R-1705)を積層し、支持基材の上から100℃、3MPa、10分の条件で熱圧着したのち、180℃、3MPa、60分の条件で熱硬化させて、積層体を得た。続いて、得られた積層体を温度23℃、湿度50%にて1時間静置した。その後、積層体を10mm幅×100mm長さに切り出し、温度23℃、湿度50%にて支持基材をつかみ、剥離速度100mm/秒、剥離角度180°でピール剥離試験を実施した。剥離強度0.01N/cm以下で支持基材は剥離したが、接着性フィルムは剥離しなかった。また、同様にして作成した積層体を前記と同様にハンダ耐熱試験を実施したところ、接着剤層の外観に異常(剥離、膨れ)は
認められなかった。
(実施例16)
本発明の熱硬化性樹脂組成物を押出成形した後、得られた成形物を電子線照射して得られる接着性フィルムの製造例
<製造例>
B−3(100部)、C−1(0.1部)、C−2(0.1部)及びC−3(0.05部)をドライブレンドし、Φ30mmの同方向二軸押出し機(L/D=42)に供給し、120℃の温度下、180rpmのスクリュー回転数、16Kg/時間の供給速度にて溶融混練して得られたもの100部とA−5を2.5部とをドライブレンドし、Φ30mmの同方向二軸押出し機(L/D=42)に供給し、140℃の温度下、180rpmのスクリュー回転数、16Kg/時間の供給速度にて溶融混練して熱硬化性樹脂組成物を得た。次に、Φ40mm押出し機T−ダイス付を用いて、押出し機シリンダー温度を100℃、T−ダイス温度を90℃に設定し、離型PETフィルム上に硬化性樹脂組成物を溶融押出ラミネーションすることで、接着性フィルム(厚さ105μm)/離型PETフィルム(厚さ38μm)から構成される2層フィルムを作製した。
続いて、岩崎電気(株)製、加速電圧100〜200kV、照射線幅450mmの電子線照射装置を用い、前記2層フィルムの熱硬化性樹脂組成物の側を加速電圧200kVにて100kGyの電子線にて照射したのち、再び、同様な条件で2回目の電子線照射を実施し、熱硬化性樹脂組成物の層の厚さが105μm接着性フィルムを得た。得られたフィルムは積層体の製造に供した。
電子線照射して得られた接着性フィルムを用いた積層体の製造例1及び剥離試験
熱硬化性樹脂組成物の層の厚さが105μmである、電子線照射して得られた接着性フィルム(2層)について、熱硬化性樹脂組成物の層と、銅板(JIS H 3100、タフピッチ銅、厚さ0.5mm)とを積層し、ラミネーター(大成ラミネーター(株)製「ファーストラミネーター VA−700」)を用いて上下ロール温度150℃、線圧14.5kg/cm、速度0.5m/分の条件にて熱圧着した。続いて積層体表面の離型PETフィルムを剥がし、接着フィルム側にポリイミドフィルム(宇部興産(株)製 ユーピレックスS:厚さ50μm)を積層し、ヒートシールテスター(テスター産業社製)にて、上下より200℃、0.5MPaの圧力で10秒間ポリイミドフィルムをシール幅25mmにて熱圧着した。さらに得られた積層体を150℃のオーブン中で2時間熱硬化することで剥離試験用積層体を得た。
得られた積層体から10mm幅の剥離試験用試験片を切り出し、50mm/分の剥離速度にて90度剥離を実施した結果を表5に記載した。
電子線照射して得られた接着性フィルムを用いた積層体の製造例2及び流動性試験
熱硬化性樹脂組成物の層の厚さが105μmである、電子線照射して得られた接着性フィルム(2層)から直径6mm円の試験片を打ち抜き、離型PETを剥離除去した。得られた試験片をスライドガラス(厚さ1.5mm)と銅板(JIS H 3100、タフピッチ銅、厚さ0.5mm)との間に挟み、初期の試験片直径を計測した。ここで得られた値を熱圧着前の直径とした。得られた積層体をヒートシールテスター(テスター産業社製)にて、上下より180℃、0.5MPaの圧力で10秒間25mm幅にて熱圧着し、得られた試験片の直径を測定した。ここで得られた値を熱圧着後の直径とした。得られた測定値より、下記式(I)を用いて接着性フィルムの樹脂成分が被着体からのはみ出しやすさの指標である流出生を算出し、18%の低い流動性が示された。
Figure 2009068015
(実施例17〜22)
実施例16における(A)成分(A−5 )の使用量、電子線の照射量が表5に記載のとおりである以外は実施例16と同様にして、接着性フィルム、積層体を製造し、得られた積層体について、実施例1と同様に、剥離試験及び流動性試験を実施した。結果を実施例16とともに表5にまとめた。尚、実施例22は、電子線照射を1回のみ実施した。
Figure 2009068015

Claims (15)

  1. 下記(A)及び(B)成分を含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
    (A):アルキル置換基を有するフェノールノボラック、二重結合を含む脂肪族化合物のフェノール付加物、及び二重結合を含む脂環式化合物のフェノール付加物からなる群から選ばれる少なくとも1種のフェノール樹脂
    (B):下記(b1)と(b2)とを重合して得られるエポキシ基含有エチレン系共重合体
    (b1)エチレン及び/又はプロピレン
    (b2)下記一般式(1)で表される単量体
    Figure 2009068015
    (式中、Rは二重結合を有する炭素数2〜18の炭化水素基を表し、該炭化水素基には、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基が置換していてもよい。Xは単結合又はカルボニル基を表す。)
  2. アルキル置換基を有するフェノールノボラックが、炭素数2〜20のアルキル基を置換したフェノールとホルマリンとの縮合物であることを特徴とする請求項
    1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. (b2)に由来する構造単位の含有量が(B)成分のエポキシ基含有エチレン系共重合体100重量部に対して、1〜30重量部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. (B)成分が、(b1)と(b2)と下記(b3)とを重合して得られる共重合体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
    (b3):エチレンと共重合可能な官能基を有し、エポキシ基と反応し得る官能基を有しない単量体であって、(b1)及び(b2)とは異なる単量体
  5. (B)成分のエポキシ基含有エチレン系共重合体における(b1)に由来するエチレン単位の含有量が、(B)成分100重量部に対し、30〜75重量部であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. (A)成分、及び(B)成分の重量比率が、(A)/(B)=4/96〜50/50であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組
    成物。
  7. さらに、酸化防止剤(C)を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
  8. (C)成分として、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤からなる群から選ばれる少なくとも一種の酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項7に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物と下記(D)成分とを含有する接着剤。
    (D):有機溶媒及び/又は水
  10. (D)成分100重量部に対する(A)及び(B)成分合計重量が10〜150重量部であることを特徴とする請求項9に記載の接着剤。
  11. 請求項9又は10に記載の接着剤を支持基材に塗工し、乾燥して得られる接着性フィルム。
  12. 請求項1〜8のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物を押出成形してなる接着性フィルム。
  13. 請求項11又は12に記載の接着性フィルムを、さらに電子線で照射してなることを特徴とする接着性フィルム。
  14. 請求項13の接着性フィルムが、電子線を複数回、照射してなることを特徴とする接着性フィルム。
  15. 請求項11〜14のいずれかに記載の接着性フィルムと被着体とを積層し、熱硬化して得られる積層体。
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