JP6759873B2 - フレキシブル銅張積層板の製造方法とフレキシブル銅張積層板 - Google Patents

フレキシブル銅張積層板の製造方法とフレキシブル銅張積層板 Download PDF

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本発明は、誘電特性に優れ且つ高耐熱性のフレキシブル銅張積層板を効率的に製造することができる方法と、誘電特性に優れ且つ高耐熱性であり、効率的な製造が可能なフレキシブル銅張積層板に関するものである。
近年、電子機器においてはより一層の小型化が求められるようになってきており、それに応じて、回路基板としては、リジッド回路基板に代わって、より軽量で屈曲可能なフレキシブル回路基板が用いられるようになってきている。
従来、フレキシブル回路基板の作製に用いられるフレキシブル銅張積層板は、接着剤が誘電特性を損なう傾向があったことから、接着剤の使用を避けて、熱可塑性の絶縁フィルムと銅箔を高温ラミネータなどで直接貼り合わせることにより製造されていた。この方法は他の方法よりも安価に実施することができるという利点もある。しかし、当該方法で得られた積層板の誘電特性などの特性は絶縁フィルムの特性に大きく依存する。よって例えば、現在、フレキシブル回路基板に使用されている熱融着タイプの銅張積層板に使われている絶縁フィルムとしては液晶ポリマーフィルムなどが主流であるが、誘電特性をより一層改善しようとする場合には、絶縁フィルムの材料を液晶ポリマーからPTFEなどのフッ素樹脂に変更することが考えられる。しかしこの場合、PTFEが熱収縮率の大きい素材である為、電子回路基板として要求される寸法安定性を満たすのは困難である。
そこで、絶縁フィルムよりも誘電特性に優れ、フレキシブル銅張積層板の誘電特性をより一層向上できる接着剤も開発されている。かかる接着剤を使って絶縁フィルムと銅箔とを接着することにより、誘電特性が改善されたフレキシブル銅張積層板を製造することができる。かかる接着剤として、例えば特許文献1には、カルボキシ基含有スチレン系エラストマーとエポキシ樹脂とを含有する接着剤組成物が開示されている。また、特許文献2には、スチレンユニットを有する飽和型熱可塑性エラストマーとエポキシ樹脂などを含有する熱可塑性樹脂組成物が開示されている。
国際公開第2014/147903号パンフレット 特開2012−122046号公報
上述したように、フレキシブル銅張積層板の全体の誘電特性を改善する方法としては、誘電特性に優れた接着剤を用いて絶縁フィルムと銅箔とを接着する方法がある。この製造方法において、例えば上記の特許文献1,2に記載の接着剤を用いた場合には、絶縁フィルム、接着剤組成物層および銅箔の積層体を形成した後、接着剤組成物層を所定の温度と時間で熱処理をして十分に硬化させる必要がある。硬化が不十分であると、電子回路基板の製造工程で、回路形成時の乾燥工程やはんだリフローなど熱がかかる工程で接着剤の硬化が進み、基材が大きくカールするといった不具合を生じる。特許文献1,2で提案されている接着剤を完全に硬化させる場合の熱処理の推奨温度と推奨時間は、それぞれ100〜200℃で30〜240分間、170〜250℃で60〜150分間である。
ところで、フレキシブル銅張積層板を低コストで効率的に大量生産できる手法として、ロール・トゥ・ロール(Role to role)方式が開発されている。ロール・トゥ・ロール方式では、例えばロール状態から送り出された絶縁フィルムに接着剤を塗布し、接着剤組成物層を加熱乾燥してBステージ化した後、同じくロール状態から送り出された銅箔を積層し、接着剤組成物層を硬化して再びロール状に巻き取る。この方式では、絶縁フィルムなどは互いに連結された製造装置間を連続的に流れ、最終的にロール状に巻き取られるため、搬送に伴う手間や装置を大幅に省くことが可能である。
特許文献1,2に記載の低誘電率接着剤をロール・トゥ・ロール方式に適用すると、接着剤を十分に硬化するためには、熱処理炉が短い場合はライン速度を速くすることができず、ライン速度を速くする場合には熱処理炉を大きくする必要がある。また、例えば、接着剤組成物層が未硬化の長尺積層体を巻き取って巻物とし、その状態のままバッチ炉で熱処理することにより接着剤組成物層を硬化することも考えられる。しかしその場合には、巻物の中心部と外側部との間で温度差が発生し、硬化時の硬化収縮による収縮シワや冷却時の収縮シワといった外観不良が発生する。この場合、厚さ100μm程度のSUS箔などをスペーサーにして、積層板と一緒に巻き付けて硬化収縮時などに発生するシワの対策を施す手法がとられるが、スペーサーを巻きつける工程が必要になる為、効率的ではない。
その他、絶縁フィルムを溶融して積層することにより多層回路基板とする場合やハンダリフロー時などに、接着剤層が分解して発泡したり、樹脂流れが発生したり、銅箔との接着強度を失ったりすると回路基板の品質が低下してしまうので、フレキシブル銅張積層板には高耐熱性も要求される。
そこで本発明は、誘電特性に優れ且つ高耐熱性のフレキシブル銅張積層板を効率的に製造することができる方法と、誘電特性に優れ且つ高耐熱性であり、効率的な製造が可能なフレキシブル銅張積層板を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、接着剤組成物の構成としてカルボキシ基含有スチレン系エラストマーに特定の架橋用化合物を組み合わせることによって、エネルギー線照射を用いた短時間での硬化が可能になり、誘電特性と耐熱性に優れたフレキシブル銅張積層板を効率的に製造できるようになることを見出して、本発明を完成した。
以下、本発明を示す。
[1] フレキシブル銅張積層板を製造するための方法であって、
絶縁フィルムの少なくとも片面に、(A)カルボキシ基含有スチレン系エラストマー、並びに、(B)1以上のエポキシ基および1以上のビニル基および/またはイソプロペニル基を有する架橋用化合物を含む接着剤組成物を塗布する工程;
前記絶縁フィルム上に塗布された前記接着剤組成物を加熱することにより乾燥する工程;
前記乾燥接着剤組成物上に銅箔を積層して積層体を形成する工程;
前記積層体にエネルギー線を照射して前記乾燥接着剤組成物を硬化させる工程を含むことを特徴とする方法。
[2] 前記接着剤組成物がさらに(C)ビスマレイミド化合物を含む上記[1]に記載の方法。
[3] 前記接着剤組成物が、(A)前記カルボキシ基含有スチレン系エラストマー100質量部に対して1質量部以上、20質量部以下の(C)前記ビスマレイミド化合物を含む上記[2]に記載の方法。
[4] 前記接着剤組成物が、(A)前記カルボキシ基含有スチレン系エラストマー100質量部に対して0.1質量部以上、10質量部以下の(B)前記架橋用化合物を含む上記[1]〜[3]のいずれかに記載の方法。
[5] 前記エネルギー線として電離放射線を用いる上記[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。
[6] 前記電離放射線の加速電圧を300kV以下、総照射線量を100kGy以上、500kGy以下とする上記[5]に記載の方法。
[7] 前記接着剤組成物の硬化後の厚さを5μm以上、100μm以下とする上記[1]〜[6]のいずれかに記載の方法。
[8] 前記絶縁フィルムが液晶ポリマーフィルムである上記[1]〜[7]のいずれかに記載の方法。
[9] 前記絶縁フィルムの厚さを10μm以上、100μm以下とする上記[1]〜[8]のいずれかに記載の方法。
[10] 絶縁フィルムと銅箔を含み、
前記絶縁フィルムの少なくとも片面に、(A)カルボキシ基含有スチレン系エラストマー、並びに、(B)1以上のエポキシ基および1以上のビニル基および/またはイソプロペニル基を有する架橋用化合物を含む接着剤組成物により前記銅箔が接着されていることを特徴とするフレキシブル銅張積層板。
[11] 前記接着剤組成物がさらに(C)ビスマレイミド化合物を含む上記[10]に記載のフレキシブル銅張積層板。
[12] 前記接着剤組成物の硬化後の厚さが5μm以上、100μm以下である上記[10]または[11]に記載のフレキシブル銅張積層板。
[13] 前記絶縁フィルムの厚さが10μm以上、100μm以下である上記[10]〜[12]のいずれかに記載のフレキシブル銅張積層板。
[14] 前記絶縁フィルムが液晶ポリマーフィルムである上記[10]〜[13]のいずれかに記載のフレキシブル銅張積層板。
本発明で用いる接着剤組成物は、優れた誘電特性と高耐熱性を示すのみならず、エネルギー線の照射により短時間で硬化する。よって本発明方法は、フレキシブル銅張積層板の効率的な製造を可能にする。また、本発明方法で製造されたフレキシブル銅張積層板は、誘電特性と耐熱性に優れる。従って本発明は、近年、需要が益々増大している誘電特性に優れ且つ高耐熱性のフレキシブル銅張積層板を効率的に製造可能な技術として、産業上非常に優れている。
図1は、本発明に係るフレキシブル銅張積層板を示す模式図である。 図2は、本発明に係るフレキシブル銅張積層板と接着シートを利用して多層回路基板を作製する例を示す模式図である。 図3は、本発明に係るフレキシブル銅張積層板の絶縁フィルムを溶融させることにより多層回路基板を作製する例を示す模式図である。
以下、本発明方法を工程ごとに説明する。
1.接着剤組成物の調製工程
本発明方法においては、接着剤組成物を事前に調製しておくことが好ましい。具体的には、接着剤組成物の各成分を、均一になるまで混合する。例えば、ホモミキサー、プラネタリーミキサー、フェンシルミキサーなどの混合機に接着剤組成物の原材料を投入し、所定の時間、混合する手法が挙げられる。
本発明方法で用いる接着剤組成物は、少なくとも、(A)カルボキシ基含有スチレン系エラストマー、並びに、(B)1以上のエポキシ基および1以上のビニル基(−CH=CH2)および/またはイソプロペニル基(−C(CH3)=CH2)を有する架橋用化合物を含む。カルボキシ基含有スチレン系エラストマー(A)と架橋用化合物(B)との組み合わせにより、エネルギー線の照射による接着剤組成物層の速やかな硬化が可能になり、ひいてはフレキシブル銅張積層板の効率的な製造が可能になる。
本発明においては、接着剤組成物を構成する主成分として、その分子構造中にカルボキシ基を有するスチレン系エラストマーを用いる。カルボキシ基含有スチレン系エラストマーとは、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのブロックおよびランダム構造を主体とする共重合体、並びにその水素添加物を、不飽和カルボン酸で変性したものである。芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、p−t−ブチルスチレンなどのt−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルトルエンなどが挙げられる。また、共役ジエン化合物としては、ポリスチレンにゴム弾性を付与できるものであれば特に制限されないが、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどを挙げることができる。
不飽和カルボン酸によるスチレン系エラストマーの変性は、例えば、スチレン系エラストマーの重合時に、不飽和カルボン酸を共重合させることにより行うことができる。また、スチレン系エラストマーと不飽和カルボン酸を有機過酸化物の存在下に加熱、混合することにより行うこともできる。不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フマル酸などを挙げることができる。不飽和カルボン酸による変性量は、通常、カルボキシ基含有スチレン系エラストマー全体に対して0.1質量%以上、10質量%以下程度である。
カルボキシ基含有スチレン系エラストマーの酸価としては、0.1mgKOH/g以上、20mgKOH/g以下が好ましい。当該酸価が0.1mgKOH/g未満であると、接着剤組成物の硬化が不十分となり、良好な接着性、耐熱性が得られないおそれがあり得る。一方、前記酸価が20mgKOH/gを超えると、接着強さと誘電特性が低下するおそれがあり得る。前記酸価としては、0.5mgKOH/g以上がより好ましく、1.0mgKOH/g以上がよりさらに好ましく、また、18mgKOH/g以下がより好ましく、15mgKOH/g以下がよりさらに好ましい。
カルボキシ基含有スチレン系エラストマーの分子量は適宜調整すればよいが、例えば、重量平均分子量で1万以上、50万以下が好ましい。重量平均分子量が1万以上、50万以下の範囲内であれば、優れた接着性と誘電特性を発現することができる。当該重量平均分子量としては、3万以上がより好ましく、5万以上がよりさらに好ましく、また、30万以下がより好ましく、20万以下がよりさらに好ましい。なお、本発明における重量平均分子量は、ゲル・パーミエーションクロマトグラフィーにより測定した分子量をポリスチレン換算した値をいうものとする。
カルボキシ基含有スチレン系エラストマーを構成するスチレン系エラストマーの具体例としては、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−エチレンプロピレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体およびスチレン−エチレンプロピレン−スチレンブロック共重合体などが挙げられる。前記共重合体の中でも、接着性と誘電特性の観点から、スチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体およびスチレン−エチレンプロピレン−スチレンブロック共重合体が好ましい。また、スチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体におけるスチレン/エチレンブチレンの質量比、およびスチレン−エチレンプロピレン−スチレンブロック共重合体におけるスチレン/エチレンプロピレンの質量比は、10/90〜50/50であることが好ましい。スチレンの質量割合が10%未満の場合、接着剤組成物の接着性や耐熱性が低下するおそれがあり得る。また50%超の場合、誘電特性が低下するおそれがあり得る。
本発明で用いる架橋用化合物(B)は、1以上のエポキシ基および1以上のビニル基および/またはイソプロペニル基を有し、カルボキシ基含有スチレン系エラストマー(A)を架橋して接着剤層を硬化させる。本発明では、カルボキシ基含有スチレン系エラストマー(A)と架橋用化合物(B)を組み合わせることにより、エネルギー線照射を用いた短時間での硬化が可能になり、誘電特性と耐熱性に優れたフレキシブル銅張積層板を効率的に製造できるようになる。
本発明者の実験的知見によれば、複数のエポキシ基などを有しカルボキシ基含有スチレン系エラストマー(A)を架橋できる架橋用化合物であっても、エポキシ基とビニルおよび/またはイソプロペニル基の両方を有さなければ、短時間での効率的な硬化が難しい。架橋用化合物(B)は、主に、高分子の末端および/または側鎖にエポキシ基とビニル基および/またはイソプロペニル基を含むものと、エポキシ基とビニル基および/またはイソプロペニル基とがリンカー基を介して結合しているものに分類される。また、エポキシ基を含む基としてはグリシジル基を挙げることができ、ビニル基を含む基としてはアクリロイル基を挙げることができ、イソプロペニル基を含む基としてはメタクリロイル基を挙げることができる。
高分子の末端および/または側鎖にエポキシ基とビニル基および/またはイソプロペニル基を含む架橋用化合物(B)としては、例えばエポキシ化ポリブタジエンを挙げることができる。ポリブタジエンは、下記の通りトランス−1,4−付加単位、シス−1,4−付加単位および1,2−付加単位を含み、触媒の種類などの反応条件を調整することにより、実質的にいずれかの単位のみで構成されたポリブタジエンや、いずれかの単位が多いポリブタジエンなど、構造の制御が可能である。
Figure 0006759873
エポキシ化ポリブタジエンとは、ポリブタジエンの炭素−炭素2重結合を部分的または完全にエポキシ化(エポキシ変性)してなるポリブタジエンである。エポキシ化ポリブタジエンは、通常、液状であり、エポキシ化ポリブタジエンを構成するポリブタジエンは、1,2−ポリブタジエンおよび1,4−ポリブタジエンのいずれでもよい。但し、本発明では、1,2−付加単位を含み、且つ当該1,2−付加単位中のビニル基の一部がエポキシ化されており、エポキシ基とビニル基の両方を有するエポキシ化ポリブタジエンを用いる。
ポリブタジエンのエポキシ変性は、ポリブタジエンに対しエポキシ化剤を反応させることにより行うことができる。エポキシ化剤としては、例えば、過酸類やハイドロパーオキサイド類が挙げられる。過酸類としては、例えば、過ギ酸、過酢酸、過安息香酸およびトリフロロ過酢酸などが、ハイドロパーオキサイド類としては、例えば、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイドおよびクメンハイドロパーオキサイドなどが挙げられる。
エポキシ化ポリブタジエンの分子量は適宜調整すればよいが、例えば、重量平均分子量で250以上、20000以下とすることができる。接着剤組成物の硬化効率や塗工時の作業性の観点から500以上、10000以下が好ましい。
エポキシ基とビニル基および/またはイソプロペニル基とがリンカー基を介して結合している架橋用化合物(B)のリンカー基としては、特に制限されないが、例えば、C1-6アルキレン基、アミノ基(−NH−)、イミノ基(>C=N−または−N=C<)、エーテル基(−O−)、チオエーテル基(−S−)、カルボニル基(−C(=O)−)、チオニル基(−C(=S)−)、エステル基(−C(=O)−O−または−O−C(=O)−)、アミド基(−C(=O)−NH−または−NH−C(=O)−)、スルホキシド基(−S(=O)−)、スルホニル基(−S(=O)2−)、スルホニルアミド基(−NH−S(=O)2−または−S(=O)2−NH−)、およびこれら2以上が結合した基を挙げることができる。2以上のこれら基が結合して上記リンカー基が構成されている場合、当該結合数としては、30以下または25以下が好ましく、20以下または15以下がより好ましい。その他、リンカー基としては、シクロヘキサレンなどのC6-10シクロアルキレン基;フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基などのC6-12アリーレン基;ピリジレン基、チエニレン基、インドリレン基などのヘテロアリール基;オキサレン、ジオキサレン、1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオンなどの飽和ヘテロシクリル基を挙げることができる。
エポキシ基とビニル基および/またはイソプロペニル基とがリンカー基を介して結合している架橋用化合物(B)におけるエポキシ基とビニル基および/またはイソプロペニル基の数は、その上限がリンカー基の種類などにより決まることがあり、適宜調整すればよいが、例えば、それぞれ1以上、10以下とすることができ、5以下が好ましく、3または2がより好ましい。
架橋用化合物(B)のエポキシ当量についても特に制限する必要はないが、通常、100当量以上、1500当量以下とすることができる。接着剤組成物の接着性と誘電特性の観点からは、150当量以上、500当量以下のものが好ましい。本発明においてエポキシ当量とは、1グラム当量のエポキシ基を含むエポキシ化合物のグラム数(g/eq)であり、JIS K 7236の方法に従って測定することができる。
架橋用化合物(B)の添加量としては、カルボキシ基含有スチレン系エラストマー(A)100質量部に対して0.1質量部以上、10質量部以下の範囲とすることが好ましい。当該割合が0.1質量部未満であると、接着剤組成物の硬化効率向上の効果が発現され難いおそれがあり得る。一方、当該割合が10質量部を超えると、硬化後の接着剤組成物の比誘電率が2.5、誘電正接が0.005よりも大きくなることがあり得る。当該割合としては、0.5質量部以上がより好ましく、1質量部以上がよりさらに好ましく、また、5質量部以下がより好ましく、3質量部以下がよりさらに好ましい。
本発明方法で用いる接着剤組成物には、必須成分であるカルボキシ基含有スチレン系エラストマー(A)と架橋用化合物(B)に加え、ビスマレイミド化合物(C)を配合することが好ましい。ビスマレイミド化合物をさらに配合することによって、エネルギー線照射による接着剤組成物の硬化をより一層促進することが可能になる。
ビスマレイミド化合物は、2つのマレイミド基が2価有機基により結合されている化学構造を有する。具体的には、4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、m−フェニレンビスマレイミド、ビスフェノールAジフェニルエーテルビスマレイミド、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、1,6’−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサンなどが挙げられる。
溶剤への溶解性という点では、1,6’−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタンが好ましく、さらに誘電特性や、エネルギー線による硬化効率の点で1,6’−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサンが好ましい。
ビスマレイミド化合物の添加量としては、カルボキシ基含有スチレン系エラストマー(A)100質量部に対して1質量部以上、20質量部以下の範囲とすることが好ましい。当該割合が1質量部以上であれば、接着剤組成物の硬化促進作用がより確実に発揮される。一方、20質量部を超えると、接着強さと誘電特性が低下するおそれがあり得る。前記割合としては、3質量部以上がより好ましく、また、10質量部以下がより好ましく、5質量部以下がよりさらに好ましい。
その他、フレキシブル銅張積層板を製造するための接着剤組成物に一般的な成分を配合してもよい。例えば、溶剤を用いてもよい。本発明の接着剤組成物が溶剤を含む溶液または分散液であると、絶縁フィルムへの塗工および接着剤層の形成を円滑に行うことができ、所望の厚さの接着剤層を容易に得ることができる。
溶剤としては、少なくともカルボキシ基含有スチレン系エラストマー(A)と架橋用化合物(B)に対して適度な溶解性を示し、且つ揮発性を示し留去が比較的容易なものであれば特に制限されないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、メシチレンなどの芳香族炭化水素溶媒;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、イソブチルアルコール、n−ブチルアルコール、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジアセトンアルコールなどのアルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、イソホロンなどのケトン系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテートなどのエステル類;ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素溶媒が挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いてよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、必要に応じて、粘着付与剤、難燃剤、硬化促進剤、光重合開始剤、カップリング剤、熱老化防止剤、レベリング剤、消泡剤、無機充填剤、顔料などを、接着剤組成物の機能に影響を与えない程度に配合することができる。但し、これらの成分を添加すると誘電特性の悪化や接着剤組成物の硬化の阻害の一因となり得るので注意が必要である。例えば、重合開始剤や硬化促進剤は誘電特性を損なう原因となり得るので、十分な硬化が可能である限り使用すべきでない。
粘着付与剤としては、例えば、クマロン・インデン樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン樹脂、p−t−ブチルフェノール・アセチレン樹脂、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、キシレン・ホルムアルデヒド樹脂、石油系炭化水素樹脂、水素添加炭化水素樹脂、テレピン系樹脂などを挙げることができる。これらの粘着付与剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
難燃剤としては、有機系難燃剤または無機系難燃剤のいずれを用いてもよい。有機系難燃剤としては、例えば、リン酸メラニン、ポリリン酸メラニン、リン酸グアジニン、リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、リン酸アミドアンモニウム、ポリリン酸アミドアンモニウム、リン酸カルバメート、ポリリン酸カルバメート、トリスジエチルホスフィン酸アルミニウム、トリスメチルエチルホスフィン酸アルミニウム、トリスジフェニルホスフィン酸アルミニウム、ビスジエチルホスフィン酸亜鉛、ビスメチルエチルホスフィン酸亜鉛、ビスジフェニルホスフィン酸亜鉛、ビスジエチルホスフィン酸チタニル、テトラキスジエチルホスフィン酸チタン、ビスメチルエチルホスフィン酸チタニル、テトラキスメチルエチルホスフィン酸チタン、ビスジフェニルホスフィン酸チタニル、テトラキスジフェニルホスフィン酸チタンなどのリン系難燃剤;メラニン、メラム、メラミンシアヌレートなどのトリアジン系化合物や、シアヌル酸化合物、イソシアヌル酸化合物、トリアゾール系化合物、テトラゾール化合物、ジアゾ化合物、尿素などの窒素系難燃剤;シリコーン化合物、シラン化合物などのケイ素系難燃剤などが挙げられる。無機系難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化ジルコニウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウムなどの金属水酸化物;酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化ニッケルなどの金属酸化物;炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、ホウ酸亜鉛、水和ガラスなどが挙げられる。これら難燃剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
硬化促進剤は、接着剤組成物を絶縁フィルムに塗工した後の加熱乾燥時に、カルボキシ基含有スチレン系エラストマー(A)と架橋用化合物(B)との反応を促進させる目的で使用するものであるが、接着剤組成物にエネルギー線を照射して完全硬化させる場合、添加量が1質量部以下でも硬化を阻害する可能性がある為、添加量には特に注意が必要である。硬化促進剤としては、第三級アミン系硬化促進剤、第三級アミン塩系硬化促進剤およびイミダゾール系硬化促進剤を使用することができる。
第三級アミン系硬化促進剤としては、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、テトラメチルグアジニン、トリメタノールアミン、N,N’−ジメチルピペラジン、トリエチレンジアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセンなどが挙げられる。
第三級アミン塩系硬化促進剤としては、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセンのギ酸塩、オクチル酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、o−フタル酸塩、フェノール塩又はフェノールノボラック塩樹脂や、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネンのギ酸塩、オクチル酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、o−フタル酸塩、フェノール塩およびフェノールノボラック樹脂塩が挙げられる。
イミダゾール系硬化促進剤としては、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−メチル−4−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’ −ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールなどが挙げられる。
光重合開始剤としては、従来よりエネルギー線硬化型樹脂組成物の分野で用いられている光重合開始剤を用いることができる。例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン、オリゴ{2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン}、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン−1−オンなどのアセトフェノン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどのベンゾイン類;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6,−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリドなどのベンゾフェノン類;2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリドなどのチオキサントン類;オキシフェニル酢酸 2−[2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]エチルエステル、オキシフェニル酢酸 2−[2−ヒドロキシ−エトキシ]エチルエステル、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。
カップリング剤としては、ビニルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、イミダゾールシランなどのシランカップリング剤;チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
熱老化防止剤としては、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどのフェノール系酸化防止剤;ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−ジチオプロピオネートなどのイオウ系酸化防止剤;トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトなどのリン系酸化防止剤などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
無機充填剤としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、カーボンブラック、シリカ、銅または銀などからなる粉体が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせてもよい。
本発明に係る接着剤組成物は、硬化後における誘電特性が少なくとも絶縁フィルムより優れる必要がある。具体的には、硬化後における比誘電率が2.5以下、誘電正接が0.005以下となるものが好ましい。当該比誘電率としては2.4以下がより好ましく、当該誘電正接としては0.003以下がより好ましい。この特性を満足する為には、例えば、前記カルボキシ基含有スチレン系エラストマー(A)のスチレン/エチレンブチレン比を低くし、架橋用化合物(B)の添加量も少なくし、また、前記ビスマレイミド化合物(C)を配合しないかまたはその添加量を少なくすることが好ましい。但し、この場合には絶縁フィルムと銅箔との密着性が不十分になるおそれがあり得るので、適宜調整する必要がある。
本発明に係る接着剤組成物の固形分濃度は、塗膜形成性を含む作業性などの観点から、3質量%以上、80質量%以下の範囲とすることが好ましい。当該固形分濃度が80質量%を超えると、組成物の粘度が高くなり過ぎて均一に塗工し難くなるおそれがあり得る。当該固形分濃度としては、10質量%以上、50質量%以下の範囲がより好ましい。
2.接着剤組成物の塗布工程
次に、得られた接着剤組成物を絶縁樹脂フィルムの少なくとも片面に塗布する。
本発明で用いる絶縁フィルムは、フレキシブルな絶縁樹脂フィルムである。本発明に用いる絶縁フィルムとしては、良好な耐放射線性を有する全芳香族樹脂フィルムが好ましい。脂肪族炭化水素樹脂フィルムを用いる場合、エネルギー線の照射線量が200kGyを超える場合に、過架橋や分解により絶縁フィルムの機械強度が低下する場合がある。絶縁フィルムの材質としては、例えば、液晶ポリマー樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂が挙げられる。この中でもフレキシブル銅張積層板として要求される誘電特性や寸法変化率などの特性の観点から、液晶ポリマーフィルムとポリイミドフィルムが好ましく、低吸水性の観点から液晶ポリマーフィルムがさらに好ましい。
液晶ポリマーには、溶融状態で液晶性を示すサーモトロピック液晶ポリマーと、溶液状態で液晶性を示すレオトロピック液晶ポリマーとがある。本発明では何れの液晶ポリマーも用い得るが、熱可塑性であることと高周波特性がより優れることから、サーモトロピック液晶ポリマーを好適に用いる。
サーモトロピック液晶ポリマーのうちサーモトロピック液晶ポリエステル(以下、単に「液晶ポリエステル」という)とは、例えば、芳香族ヒドロキシカルボン酸を必須のモノマーとし、芳香族ジカルボン酸や芳香族ジオールなどのモノマーと反応させることにより得られる芳香族ポリエステルであって、溶融時に液晶性を示すものである。その代表的なものとしては、パラヒドロキシ安息香酸(PHB)と、フタル酸と、4,4’−ビフェノールから合成されるI型[下式(1)]、PHBと2,6−ヒドロキシナフトエ酸から合成されるII型[下式(2)]、PHBと、テレフタル酸と、エチレングリコールから合成されるIII型[下式(3)]が挙げられる。
Figure 0006759873
本発明においては、耐熱性や耐加水分解性により優れることから、上記のうちI型液晶ポリエステルとII型液晶ポリエステルが好ましい。また、上記式(1)において、フタル酸としてはイソフタル酸が好ましい。
本発明における絶縁フィルムの厚さは適宜調整すればよいが、10μm以上、100μm以下が好ましい。当該厚さが10μm以上であれば、基材フィルムとして十分な強度を確保することができる。また、当該厚さが12μm以上であれば、多層板にした場合などにおける層間絶縁性もより確実に確保することができる。一方、厚さの上限は特に制限されないが、厚過ぎると電子回路基板全体が重くなり、また、絞り加工などし難くなるおそれがあり得るので、100μm以下が好ましい。当該厚さとしては11μm以上がより好ましく、12μm以上がさらに好ましく、また、50μm以下がより好ましく、20μm以下がさらに好ましい。
本発明で使用する絶縁フィルムの製造方法は特に限定されず、常法を用いればよい。例えば液晶ポリマーフィルムは、溶融押出法によるTダイ法やインフレーション法などの従来公知の方法で製造すればよい。なお、これらの方法で製造された液晶ポリマーフィルムの異方性が高い場合には、二軸延伸などにより異方性を低減することが可能である。
本発明で使用する絶縁フィルムには無機フィラーを配合してもよい。例えば、本発明で絶縁フィルムとして使用する液晶ポリマーフィルムは、誘電特性などのため実質的に液晶ポリマーのみから構成することが好ましいが、液晶ポリマーは剪断応力をかけると強い異方性を示すので、必要に応じて、液晶ポリマーを溶融加工する際に生じる分子配向の異方性を緩和するための無機フィラーを添加してもよい。かかる配向緩和用の無機フィラーを導入することにより、例えば押し出された後の液晶ポリマー表面が平滑になり、また均一な配向が得られやすくなる。その他、絶縁フィルムの色調を制御するために、有色の無機フィラーを添加してもよい。
絶縁フィルムに配合してもよい配向緩和用や有色の無機フィラーは特に制限されるものではないが、例えば、タルク、マイカ、酸化アルミ、酸化チタン、酸化珪素、窒化珪素、カーボンブラックなどからなる無機フィラーを挙げることができる。当該無機フィラーの形状は特に制限されず、例えば、球状、板状、棒状、針状、不定形状などを挙げることができ、また、当該無機フィラーの大きさとしては50nm以上、10μm以下が好ましい。なお、当該無機フィラーの大きさは、粒度分布測定から求めた体積平均粒子径の値をいう。
絶縁フィルムの配向緩和用や着色用の無機フィラーは、基材フィルムの誘電特性を損なうおそれがあり得るので、絶縁フィルム全体(絶縁フィルムを構成する高分子とフィラーとの合計)に対する無機フィラーの割合は20質量%以下とすることが好ましい。上記割合を20質量%以下にすることにより、絶縁フィルムの誘電特性を優れたものにすることができる。
絶縁フィルムの平面方向の熱線膨張係数としては3ppm/℃以上、30ppm/℃以下が好ましく、また、平面方向の一方向での熱線膨張係数と、当該方向に直交する方向の熱線膨張係数との比が0.4以上、2.5以下であることが好ましい。熱線膨張係数や上記比を上記範囲内に調整すれば、平面方向で熱応力、機械的強度、誘電率の異方性をより確実に低減することができ、また、反りの発生をより確実に抑制できるなど、電子回路基板の材料として優れたものにすることができる。例えば、絶縁フィルムの反りを、10%以下に抑制することが可能である。なお、かかる「反り」は、JIS C6481に準拠して求めることができ、具体的には、フィルムを水平台上に、フィルムの中心が台に接し且つ四隅が台から浮いた状態になるように置き、四隅と台との隔りを測定して最大値を求め、この値をフィルムの辺の長さで除した百分率値をいう。また、平面方向の熱線膨張係数を測定する場合には、絶縁フィルムの押出方向(MD方向)およびMD方向と直交する方向(TD方向)のそれぞれの熱線膨張係数と、金属箔の熱線膨張係数との差が大きいと積層板に反りが発生する傾向があることから、MD方向とTD方向の両方で熱線膨張係数を測定することが好ましい。熱線膨張係数は、押出し条件や延伸操作により調整可能である。熱線膨張係数は、熱機械分析法(TMA法)により測定することができる。例えば、熱機械測定装置としてティー・エイ・インスツルメント社製の「Q400」を使用し、サンプル形状を幅4mm、チャック間距離15mmとし、0.1Nの荷重を付与しつつ、常温から170℃まで昇温速度40℃/分で昇温し、170℃で1分間保持し、降温速度10℃/分で170℃から常温まで降温する際、100℃から50℃までの間のチャック間距離の変化から熱線膨張係数を測定する。
絶縁フィルムに接着剤組成物を塗布する方法としては、例えば、グラビアコート、ダイコート、ナイフコートなどの常法を用いることができる。
接着剤組成物の塗布量は、硬化後の厚さが5μm以上、100μm以下程度となるように調整することが好ましい。硬化後の接着剤層の厚みが5μmより薄い場合、銅張積層板の誘電特性が十分なものとならないおそれがあり得る。一方、100μmより厚い場合は硬化時におけるエネルギー線の透過性を大きくする必要があり、電離放射線の場合、加速電圧を高くする必要が出てくる。硬化後の接着剤層の厚さとしては、10μm以上、50μm以下がより好ましい。
また、接着剤組成物の塗布量は、絶縁フィルムの厚さ(x)に対する接着剤組成物の硬化後の厚さ(y)の比(y/x)が1以上、5以下となるように構成することが好ましい。当該割合が1より小さい場合、銅張積層板にした時に誘電特性が十分でないおそれがあり得る。一方、5より大きい場合は、接着剤組成物の硬化収縮により大きくカールするといった不具合を生じるおそれがあり得る。当該割合としては1以上、3以下がより好ましい。
接着剤組成物は、絶縁フィルムの少なくとも片面に塗布する。即ち、製造目的物が片面銅張積層板である場合には、絶縁フィルムの片面に接着剤組成物を塗布すればよいし、両面銅張積層板の場合には、絶縁フィルムの両面に接着剤組成物を塗布する。
3.接着剤組成物の乾燥工程
次に、絶縁フィルム上に塗布された接着剤組成物を加熱することにより乾燥する。より具体的には、加熱により、各成分が積極的に反応を開始して硬化には至っていないが、粘着性がなくなる程度まで接着剤組成物に含まれる溶剤を留去する。かかる接着剤組成物の状態は、一般的に「Bステージ」ともいうが、本発明においては「乾燥接着剤組成物」という。
接着剤組成物の乾燥には、循環式熱風乾燥炉など、一般的な乾燥装置を用いればよい。また、温度や時間などの乾燥条件は、接着剤組成物に配合した溶剤の種類や量などに応じて適宜決定すればよいが、例えば、60℃以上、150℃以下程度で1分間以上、30分間以下程度とすることができる。
4.乾燥接着剤組成物層の半硬化工程
本工程の実施は任意であるが、上記乾燥工程3で乾燥した接着剤組成物層に、銅箔を積層する前にエネルギー線を照射し、完全に硬化しない程度で半硬化してもよい。
上記乾燥工程で乾燥された接着剤組成物に銅箔を積層する際、タック性(表面粘着性)が問題になる場合がある。この場合、本工程により接着剤組成物を半硬化させることにより、タック性を低減させることができる。また、接着剤組成物の完全硬化に比較的高いエネルギー線量が必要な場合、高エネルギー線量を一度に照射すると、絶縁フィルムが発熱して熱シワが発生するといった不具合が生じることがある。この場合、本工程により、一度に照射するエネルギー線量を少なくすることが可能になる。
エネルギー線とは、接着剤組成物の構成成分にエネルギーを付与して硬化反応を促進するものであり、例えば、電離放射線、γ線、紫外線などを用いることができる。前記積層体の場合、絶縁フィルムに対する透過性の観点からは電離放射線およびγ線が好ましく、硬化効率の観点からは電離放射線がより好ましい。
エネルギー線の照射量は、接着剤組成物が完全に硬化しないようにする一方で、上記効果が得られる程度に硬化できるよう調整する。具体的には、接着剤層における硬化の程度を表すゾル分率を求め、当該ゾル分率が30%以上、70%以下となるようにエネルギー線照射量を調整することが好ましい。当該ゾル分率としては40%以上、60%以下がより好ましい。
本発明においてゾル分率は、以下の手順により測定できる。即ち、測定用サンプルの接着剤組成物層を半硬化または硬化させた後、トルエンなどの溶媒に浸漬する。硬化に関与しない成分は溶媒に溶解し易いため、溶媒への浸漬前の試料と、溶媒への浸漬に続いて乾燥した試料の質量から、下記式によりゾル分率を算出することができる。なお、以降の工程により銅箔を積層した上で接着剤組成物層を硬化させた後にゾル分率を測定する場合には、銅箔をエッチングにより除去してから溶媒に浸漬するものとする。
ゾル分率[%]=[(浸漬前質量−浸漬・乾燥後質量)/(浸漬前質量)]×100
本工程においては、例えば電離放射線の場合、照射線量は25kGy以上、200kGy以下程度が好ましく、50kGy以上、150kGy以下程度がより好ましい。
5.銅箔の積層工程
次に、乾燥した接着剤組成物の上に銅箔を積層して、絶縁フィルム、乾燥接着剤組成物層または半硬化接着剤組成物層、銅箔がこの順番に積層された積層体を形成する。
銅箔は、銅張積層板で一般的に用いられるものであれば特に制限なく使用できる。例えば、5μm以上、70μm以下程度の厚さのものを用いることができる。銅箔としては、銅のみからなるものを用いてもよいし、銅合金など、銅を主成分として他の金属成分を含むものを用いてもよい。
本発明により得られる銅張積層板を使用した回路基板が良好な高周波特性を示すためには、銅箔において接着剤層に接する側の表面粗度は低い方がよい。かかる観点より、銅箔のマット面の表面粗度Rzとしては2.5μm以下が好ましく、1.5μm以下がより好ましい。
銅箔は、乾燥接着剤組成物層または半硬化接着剤組成物層に熱圧着することが好ましい。熱圧着の条件は、乾燥接着剤組成物層または半硬化接着剤組成物層の組成などに応じて適宜調整すればよいが、例えば、温度80℃以上、200℃以下程度、圧力0.5MPa以上、5MPa以下程度で0.1秒間以上、10分間以下程度とすることができ、ロール・トゥ・ロール方式で本発明方法を実施する場合には、0.1秒間以上、5秒間以下程度とすることができる。
本工程は、ロール・トゥ・ロール方式で本発明方法を実施する場合には、例えば、ロール状の銅箔を乾燥接着剤組成物層または半硬化接着剤組成物層の上に積層した後、加熱したロール間を通して行うことができる。
6.接着剤組成物の硬化工程
次に、絶縁フィルム、乾燥接着剤組成物層または半硬化接着剤組成物層、銅箔の積層体にエネルギー線を照射して、接着剤組成物を完全に硬化させる。
本工程において照射するエネルギー線の強さは、乾燥接着剤組成物層または半硬化接着剤組成物層が十分に硬化できるよう適宜調整すればよい。例えばエネルギー線として電離放射線を用いる場合、加速電圧は300kV以下が好ましい。加速電圧が300kVを超えると、電離放射線のエネルギーが大きくなることにより照射中の基材の温度が上昇し、接着剤組成物の成分の分解や熱シワなどの問題が発生するおそれがあり得る。一方、加速電圧が低過ぎると、電子が基材を透過せず基材内部に滞在し、リヒテンベルク放電(放電破壊)の要因になるおそれがあり得る。前記加速電圧としては、100kV以上、200kV以下がより好ましい。
エネルギー線の積層体への総照射線量も、乾燥接着剤組成物層または半硬化接着剤組成物層が十分に硬化できるよう適宜調整すればよい。例えば電離放射線の場合、照射線量としては100kGy以上、500kGy以下が好ましい。当該照射線量が100kGy未満の場合、接着剤組成物の硬化が不十分であり、良好な接着性と耐熱性が得られないおそれがあり得る。一方、500kGy超の場合、接着層が分解されることにより、やはり良好な接着性と耐熱性が得られないおそれがあり得る。当該照射線量としては、200kGy以上、300kGy以下がより好ましい。
本発明方法においては、本工程後における接着剤層のゾル分率が25%未満となるよう硬化条件を設定することが好ましい。
以上で説明した本発明方法により製造されたフレキシブル銅張積層板は、絶縁層をフレキシブルで誘電特性に優れた絶縁フィルムで構成すると共に、接着剤層の誘電特性も優れたものであることから、全体として低誘電率で且つ低誘電正接であるという誘電特性に優れるものであるといえる。
本発明に係るフレキシブル銅張積層板の接着剤層は、カルボキシ基含有スチレン系エラストマーを主成分とする。このカルボキシ基含有スチレン系エラストマーにおいては、スチレン含量が多いと絶縁フィルムとの密着性が向上するが、硬化効率が低下する。一方、硬化効率の向上のために酸価を高めると、絶縁フィルムの密着性が低下する。本発明においては、スチレン含量が多く絶縁フィルムとの密着性が高いカルボキシ基含有スチレン系エラストマーを用いた場合であっても、エネルギー線の照射により硬化可能な1以上のエポキシ基および1以上のビニル基および/またはイソプロペニル基を有する架橋用化合物(B)を配合して、硬化効率の向上を図っている。その結果、短時間の硬化でも耐熱性に優れた接着剤層を形成することが可能になり、フレキシブル銅張積層板をロール・トゥ・ロール方式でも製造できる。なお、従来、代表的な硬化助剤としてはトリアリルイソシアヌレート(日本化成社製「TAIC」)や不飽和の液状ゴムなどが用いられているが、本発明者の実験的知見により、これら硬化助剤ではカルボキシ基含有スチレン系エラストマーを硬化することはできず、かえって硬化を阻害する傾向にあり、カルボキシ基含有スチレン系エラストマーの効率的な硬化には架橋用化合物(B)が最適であることが見出されている。即ち、カルボキシ基含有スチレン系エラストマー(A)と架橋用化合物(B)との組み合わせにより、硬化後の本発明に係る接着剤層は誘電特性に優れるのみならず、本発明に係る接着剤組成物はエネルギー線により短時間でも十分な硬化が可能であり、硬化後の接着剤層は耐熱性にも優れる。
なお、本発明に係る硬化後の接着剤層においては、カルボキシ基含有スチレン系エラストマーが架橋用化合物(B)によりどのように架橋されているか不明であり、現在のところ、その高分子構造を解析できる方法もない。
本発明に係るフレキシブル銅張積層板の模式図を図1に示す。図1では、樹脂フィルムの全面に接着剤層が形成され、銅箔が接着されている。当該銅箔層をエッチングすることにより所望の回路を形成し、フレキシブル回路基板とすることができる。また、当該フレキシブル回路基板を積層することにより多層回路基板とすることも可能である。
例えば、図2に示すように、本発明に係るフレキシブル銅張積層板の銅箔層を所望のパターンにエッチングした後、得られたフレキシブル回路基板2枚でガラス布含浸プリプレグやボンディングシートなどの接着シートを挟み、上下より加熱加圧することにより接着シートを硬化させ、多層回路基板とすることができる。なお、図2(3)の多層回路基板における下側の回路基板としては、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂からなるフィルムを用いた既存の多層回路基板を示してある。
また、別の態様として、本発明に係るフレキシブル銅張積層板の銅箔層を所望のパターンにエッチングした後、接着シートを用いることなく、得られたフレキシブル回路基板を例えば図3のように積層し、上下より加熱加圧することにより絶縁フィルムの一部を溶融させて、絶縁フィルムと回路面および/または絶縁フィルム同士を接着することにより多層回路基板とすることができる。このように接着シートを用いない場合には、絶縁フィルムとしては熱可塑性樹脂であり高耐熱である液晶ポリマーフィルムが特に好ましい。なお、図3(3)の多層回路基板における下側の回路基板としては、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂からなるフィルムを用いた既存の多層回路基板を示してある。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実施例1〜9: フレキシブル銅張積層板の製造
(1) 接着剤組成物の調製
撹拌機付き1000mL容フラスコに、表1に示す組成で各原料を加え、室温下で6時間撹拌することにより固形分濃度20%の液状接着剤組成物を調製した。
Figure 0006759873
なお、表1中、使用した樹脂材料は以下のとおりである。
カルボキシ基含有スチレン系エラストマー1
マレイン酸変性スチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体(旭化成ケミカルズ社製「タフテック(登録商標)M1913」)を用いた。この共重合体の酸価は10mgKOH/gであり、スチレン/エチレンブチレン比は30/70であり、重量平均分子量は15万である。
カルボキシ基含有スチレン系エラストマー2
マレイン酸変性スチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体(旭化成ケミカルズ社製「タフテック(登録商標)M1911」)を用いた。この共重合体の酸価は2mgKOH/gであり、スチレン/エチレンブチレン比は30/70であり、重量平均分子量は15万である。
カルボキシ基含有スチレン系エラストマー3
マレイン酸変性スチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体(旭化成ケミカルズ社製「タフテック(登録商標)M1943」)を用いた。この共重合体の酸価は10mgKOH/gであり、スチレン/エチレンブチレン比は20/80であり、重量平均分子量は17万である。
架橋用化合物1 − エポキシ化ポリブタジエン
クレイバレー社製「RICON 657」を用いた。このエポキシ化ポリブタジエンの重量平均分子量は1500であり、エポキシ当量は230〜250である。
架橋用化合物2 − エポキシ化ポリブタジエン
日本曹達社製「NISSO−PB JP−100」を用いた。このエポキシ化ポリブタジエンの重量平均分子量は1300、エポキシ当量は190〜210、1分子当たりのエポキシ基の個数は4〜7、1分子当たりの側鎖ビニル基の個数は16〜25である。
架橋用化合物3 − アリル・エポキシ化イソシアヌル酸
1−アリル−3,5−ジグリシジル−イソシアヌル酸(四国化成社製「MA−DGIC」)を用いた。この架橋化合物の分子量は281であり、エポキシ当量は281である。
架橋用化合物4 − アリル・エポキシ化イソシアヌル酸
1,3−ジアリル−5−グリシジル−イソシアヌル酸(四国化成社製「DA−DGIC」)を用いた。この架橋化合物の分子量は265であり、エポキシ当量は132である。
架橋用化合物5 − アリル・エポキシ化アルキレングリコール
4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(日本化成社製)を用いた。この架橋化合物の分子量は200であり、エポキシ当量は200である。
ビスマレイミド化合物1
1,6’−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサン(大和化成工業社製「BMI−TMH」)を用いた。このビスマレイミド化合物の溶媒への溶解度は、溶媒が25℃のトルエンの場合、10g/100g溶媒であり、25℃のメチルエチルケトンの場合、13g/100g溶媒である。ここで、溶解度は溶媒100gに対する溶質の溶解量を示した値である。
ビスマレイミド化合物2
ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン(ケイ・アイ化成社製「BMI−70」)を用いた。このビスマレイミド化合物の溶媒への溶解度は、溶媒が25℃のトルエンの場合、8g/100g溶媒であり、25℃のメチルエチルケトンの場合、37g/100g溶媒である。
(2) 塗工
厚さ13μmの液晶ポリマーフィルムの表面に、上記の液状接着剤組成物をロール塗布した。次いで、この塗膜付きフィルムをオーブン内に静置して、110℃で10分間乾燥し、総厚さ50μmの乾燥接着剤組成物層付き絶縁フィルムを得た。
(3) 銅箔ラミネート
18μmの電解銅箔(古河電気工業社製「F1-WS」,Rz=1.5μm)を、上記
の乾燥接着剤組成物層付き絶縁フィルムの乾燥接着剤組成物層の表面に面接触するように重ね合わせ、120℃、圧力2MPaの条件で5分間加熱圧着して、銅箔ラミネートを行った。
(4) エネルギー線照射による乾燥接着剤組成物層の硬化
上記の積層体に、窒素雰囲気下、加速電圧200kVの電離放射線を100kGyずつ、総線量が表1に示す100〜300kGyとなるまで1〜3回照射し、フレキシブル銅張積層板を得た。
比較例1〜12: フレキシブル銅張積層板の製造
液状接着剤組成物の組成を表2に示すとおり変更した以外は上記実施例1〜6と同様にして、フレキシブル銅張積層板を作製した。具体的には、カルボキシ基含有スチレン系エラストマーのみを用いるか、或いはカルボキシ基含有スチレン系エラストマーと液状ゴムを併用した。
Figure 0006759873
表2中、上記実施例でも使用した樹脂材料以外の樹脂材料は以下のとおりである。
液状ゴム1
1,2−ポリブタジエンホモポリマー(日本曹達社製「NISSO−PB B3000」)を用いた。
液状ゴム2
マレイン酸変性ポリブタジエン(クレイバレー社製「RICON 131MA10」)を用いた。
液状ゴム3
メタクリレート変性液状ポリイソプレン(クラレ社製「クラプレン(登録商標) UC−203」)を用いた。
TAIC
多官能性モノマーとして、トリアリルイソシアヌレート(日本化成社製「TAIC」)を用いた。
エポキシ化合物1
ジシクロペンタジエン骨格含有エポキシ樹脂(DIC社製「EPICLON HP−7200」)を用いた。
エポキシ化合物2
1,3,5−トリグリシジル−イソシアヌル酸(日産化学社製「TEPIC−L」)を用いた。
硬化促進剤
イミダゾール系硬化促進剤(四国化成社製「キュアゾール(登録商標) C11−Z」)を用いた。
試験例1: 接着剤層の硬化度−ゾル分率測定
上記で作製したフレキシブル銅張積層板の銅箔面を塩化第二鉄にてエッチングすることにより除去し、試験片を作製した。得られた試験片を25mm角の大きさに切断し、膨潤前の質量を測定した。次いで、試験片を50mLのトルエンに40℃で8時間浸漬し、膨潤させた。膨潤平衡に達した試験片を80℃で30分間乾燥した後、質量を測定した。以下の式を用いてゾル分率を算出し、硬化度とした。算出されたゾル分率値を表3に示す。
ゾル分率[%]=[(膨潤前質量−膨潤・乾燥後質量)/(膨潤前質量)]×100
ゾル分率は、トルエン溶媒に溶ける程度のスチレン系エラストマーの未反応残渣や硬化が不十分であるスチレン系エラストマーの硬化物全体における割合を示しており、この値が低い方が硬化は進行していると判断できる。なお、ゾル分率が25%未満であれば硬化は比較的十分に進行しているといえるが、ゾル分率が25%以上であると硬化が不十分であり、はんだ耐熱性や電子回路基板を製造する際のプレス工程で接着剤層が流れ出すといった不具合が生じる。
試験例2: はんだ耐熱性−はんだ膨れ試験
上記で作製したフレキシブル銅張積層板を25mm角に切断し、プレッシャークッカーテスト(PCT)装置(ヤマト科学社製「オートクレーブSP510」)を用いて、温度121℃、圧力2atmで30分処理した。次いで、銅箔面を上にして、260℃の溶融はんだの上に20秒間浮かべた後、絶縁フィルムである液晶ポリマーフィルムおよび接着剤層の内部における膨れの有無を目視で調べた。表3中、液晶ポリマーフィルム内部と接着剤層の両方に膨れが確認されなかった場合は「無」と記載し、少なくとも一方に膨れが確認されたものを「有」と記載する。
試験例3: ピール強度測定
上記で作製したフレキシブル銅張積層板を10mm×60mmに切断して、試験片とした。接着性を評価する為に、JIS C 6481に準拠し、23℃および引張速度50mm/分の条件で、接着試験片の銅箔を液晶ポリマーフィルムから剥がす時の180°剥離接着強さ(N/mm)を測定した。結果を表3に示す。
なお、試験したフレキシブル銅張積層板の剥離界面は何れも液晶ポリマーフィルム−接着剤層間であり、銅箔−接着剤層間の剥離接着強さは、液晶ポリマーフィルム−接着剤層間よりも高いことが明らかとなった。また、ピール強度が0.5N/mm以上であれば、銅箔積層板に回路を形成する際のエッチング工程で、銅箔と接着剤層との間にエッチング液が侵入するエッチング食われと呼ばれる不具合になることはない。
試験例4: 誘電特性−比誘電率測定と誘電正接測定
厚さ18μmの銅箔の片面に各接着剤組成物を塗布した後に乾燥し、窒素雰囲気下、加速電圧200kVの電離放射線を100kGyずつ、総線量が200kGyとなるまで繰り返し照射し、接着剤組成物を硬化させた。その後、エッチングにより銅箔を除去し、測定用の試料片を作製した。次いで、ネットワークアナライザー(アジレント社製「E5071C」)を使用し、接着剤硬化物の比誘電率と誘電正接を空洞共振器摂動法により、23℃、周波数3GHzの条件で測定した。結果を表3に示す。
試験例5: 寸法変化率の測定
上記で作製したフレキシブル銅張積層板を120mm角に切断して試験片とした。得られた試験片につき、JIS C 6481に準拠して銅箔エッチング後の寸法変化率を測定した。測定時の評点間距離は100mmとした。結果を表3に示す。
Figure 0006759873
表3に示す結果のとおり、実施例と比較例を問わず、作製されたフレキシブル銅張積層板の誘電特性は優れており、また、寸法変化率は低く寸法安定性に優れるものであった。その理由としては、接着剤層の主成分であるカルボキシ基含有スチレン系エラストマーの特性によるものと考えられる。
また、液晶ポリマーフィルム−接着剤層間および銅箔−接着剤層間の剥離接着強さは、実施例と比較例とで同程度であったので、これら境界における反応はエネルギー線照射により進行したものと考えられた。
一方、比較例の接着剤層の硬化度は押し並べて不十分であり、一例を除いてはんだ膨れが認められた。これは、接着剤組成物の硬化が十分に進行しなかったために、加熱処理により成分が分解し発泡したことによると考えられる。また、はんだ膨れが認められない場合であっても、絶縁フィルムを溶融することによる多層化やハンダリフローなどのための加熱処理の際、樹脂流れが発生したり、銅箔との接着強度が低下するおそれがある。
それに対して、短時間の硬化にも関わらず、本発明に係るフレキシブル銅張積層板の接着剤層の硬化度は十分であり、よって、実際にはんだ膨れが認められない他、上記の樹脂流れや銅箔との接着強度の低下もないことが期待できる。
1:樹脂フィルム, 2:接着剤層, 3:銅箔, 4:回路基板, 5:接着シート, 6:多層回路基板

Claims (13)

  1. フレキシブル銅張積層板を製造するための方法であって、
    絶縁フィルムの少なくとも片面に、(A)酸価が0.1mg KOH/g以上、20mg KOH/g以下であるカルボキシ基含有スチレン系エラストマー(水酸基を有するものを除く)、並びに、(B)1以上のエポキシ基および1以上のビニル基および/またはイソプロペニル基を有する架橋用化合物を前記カルボキシ基含有スチレン系エラストマー100質量部に対して0.1質量部以上、10質量部以下含む接着剤組成物を塗布する工程;
    前記絶縁フィルム上に塗布された前記接着剤組成物を加熱することにより乾燥する工程;
    前記乾燥接着剤組成物上に銅箔を積層して積層体を形成する工程;
    前記積層体にエネルギー線を照射して前記乾燥接着剤組成物を硬化させる工程を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記接着剤組成物がさらに(C)ビスマレイミド化合物を含む請求項1に記載の方法。
  3. 前記接着剤組成物が、(A)前記カルボキシ基含有スチレン系エラストマー100質量部に対して1質量部以上、20質量部以下の(C)前記ビスマレイミド化合物を含む請求項2に記載の方法。
  4. 前記エネルギー線として電離放射線を用いる請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  5. 前記電離放射線の加速電圧を300kV以下、総照射線量を100kGy以上、500kGy以下とする請求項に記載の方法。
  6. 前記接着剤組成物の硬化後の厚さを5μm以上、100μm以下とする請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  7. 前記絶縁フィルムが液晶ポリマーフィルムである請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  8. 前記絶縁フィルムの厚さを10μm以上、100μm以下とする請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  9. 絶縁フィルムと銅箔を含み、
    前記絶縁フィルムの少なくとも片面に、(A)酸価が0.1mg KOH/g以上、20mg KOH/g以下であるカルボキシ基含有スチレン系エラストマー(水酸基を有するものを除く)、並びに、(B)1以上のエポキシ基および1以上のビニル基および/またはイソプロペニル基を有する架橋用化合物を前記カルボキシ基含有スチレン系エラストマー100質量部に対して0.1質量部以上、10質量部以下含む接着剤組成物により前記銅箔が接着されていることを特徴とするフレキシブル銅張積層板。
  10. 前記接着剤組成物がさらに(C)ビスマレイミド化合物を含む請求項に記載のフレキシブル銅張積層板。
  11. 前記接着剤組成物の硬化後の厚さが5μm以上、100μm以下である請求項または10に記載のフレキシブル銅張積層板。
  12. 前記絶縁フィルムの厚さが10μm以上、100μm以下である請求項11のいずれかに記載のフレキシブル銅張積層板。
  13. 前記絶縁フィルムが液晶ポリマーフィルムである請求項12のいずれかに記載のフレキシブル銅張積層板。
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