JP2004059718A - 熱硬化性樹脂組成物、及び該組成物を成形して得られる接着性フィルム - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物、及び該組成物を成形して得られる接着性フィルム Download PDF

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Toru Fujiki
藤木 徹
Toshiki Mori
森 俊樹
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Abstract

【課題】有機溶剤に溶解、塗工及び乾燥の工程を経由することがなくとも、直接、ドライフィルム状に成形し得る熱硬化性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】下記(A)及び(B)成分とを必須成分として含有し、下記(C)成分を任意成分として含有する熱硬化性樹脂組成物において、(A)、(B)及び(C)成分の合計100重量部に対し、(C)成分の含有量が10重量部以下であることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
(A):イミダゾール類
(B):下記(b)と(b)とを重合して得られるエポキシ基含有エチレン系共重合体
(b)エチレン及び/又はプロピレン
(b)下記一般式(1)で表される単量体
Figure 2004059718

(式中、Rは二重結合を有する炭素数2〜18の炭化水素基を表す。Xは単結合又はカルボニル基を表す。)
(C):分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂
【選択図】     なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、イミダゾール類及びエポキシ基含有エチレン系共重合体を必須成分とする熱硬化性樹脂組成物;該組成物を成形してなる接着性フィルム;該接着性フィルムと被着体とを積層し、熱硬化してなる積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電気・電子部品の分野では、軽薄、短小化が進められており、半導体封止材料、太陽電池やEL(エレクトロルミネセンス)ランプなどの電子部品封止材料、集積回路/基板間のダイボンディングシート、基板間の層間絶縁層などの電気・電子部品用接着剤としては、ハンダ等に対する耐熱性(以下、ハンダ耐熱性という)に加え、低弾性率、薄膜化が求められている。そして、電気・電子部品の製造工程を簡略化するために、接着剤の硬化前の形態としては、ドライフィルム状であることが求められている。
一方、エポキシ樹脂、エポキシ硬化剤、エポキシ基含有エチレン共重合体およびイミダゾール類からなる樹脂組成物を有機溶剤に溶解したのち塗工し、溶剤を乾燥せしめることにより、ドライフィルム状の接着剤(接着性フィルム)を得られることが、特開2001−240838号公報に開示され、具体的には、エポキシ樹脂、エポキシ基含有エチレン共重合体及びイミダゾール類の合計100重量部に対し、エポキシ樹脂を12〜42重量部含有する樹脂組成物、該組成物を有機溶剤に溶解したのち塗工し、溶剤を乾燥せしめることにより得られる接着性フィルムが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、有機溶剤に溶解、塗工及び乾燥の工程を経由することがなくとも、直接、ドライフィルム状に成形し得る熱硬化性樹脂組成物;該組成物を押出成形してなる接着性フィルム;並びに、得られた接着性フィルムと電子・電気部品などの被着体とを接着してなる、接着性及びハンダ耐熱性に優れた積層体を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
このような状況下、本発明者らはエポキシ基含有エチレン共重合体を有する樹脂組成物について鋭意検討した結果、エポキシ基含有エチレン共重合体とは異なるエポキシ樹脂を特定量以下、好ましくは、該エポキシ樹脂を実質的に含有しない特定の熱硬化性樹脂組成物が、かかる課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成した。
【0005】
すなわち、本発明は、下記(A)及び(B)成分とを必須成分として含有し、下記(C)成分を任意成分として含有する熱硬化性樹脂組成物において、(A)、(B)及び(C)成分の合計100重量部に対し、(C)成分の含有量が10重量部以下であることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物;該組成物を押出成形してなる接着性フィルム;並びに、該接着性フィルムと被着体とを積層し、熱硬化して得られる積層体である。
(A):イミダゾール類
(B):下記(b)と(b)とを重合して得られるエポキシ基含有エチレン系共重合体
(b)エチレン及び/又はプロピレン
(b)下記一般式(1)で表される単量体
Figure 2004059718
(式中、Rは二重結合を有する炭素数2〜18の炭化水素基を表し、該炭化水素基には、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基が置換していてもよい。Xは単結合又はカルボニル基を表す。)
(C):分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられる(A)成分は、イミダゾール類である。
イミダゾール類としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、
【0007】
1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2’−ウンデシルイミダゾリル)−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン イソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾール イソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾール イソシアヌル酸付加物、
【0008】
2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−4,5−ジ(2−シアノエトキシ)メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール・塩酸塩、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−ビニル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシ−s−トリアジン、2,4―ジアミノ−6−ビニル−1,3,5−トリアジン イゾシアヌル酸付加物、2,4ジアミノ−6−メタクリロイルオキシ−1,3,5−トリアジン イソシアヌル酸付加物等が挙げられる。
また、(A)成分として、例えば、「キュアゾール」(四国化成(株)製)などの登録商標で市販されているイミダゾール類をそのまま使用してもよい。
【0009】
(A)成分の中でも、得られる熱硬化性樹脂組成物の熱安定性および経時安定性の観点から上記の中でも、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2’−ウンデシルイミダゾリル)−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン イソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾール イソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾール イソシアヌル酸付加物などが特に好ましい。
【0010】
本発明に用いられる(B)成分とは、エチレン及び/又はプロピレンの(b)と、下記一般式(1)
Figure 2004059718
(式中、Rは脂肪族炭素−炭素二重結合を有する炭素数2〜18の炭化水素基を表し、該炭化水素基には、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基が置換していてもよい。Xは単結合またはカルボニル基を表す。)
で表される単量体(b)とを重合して得られるエポキシ基含有エチレン系共重合体である。
中でも、(b)としては、エチレンが好ましい。
【0011】
ここで、一般式(1)に記載されているRとしては、例えば、下記式(2)〜(8)などの置換基が挙げられる。
Figure 2004059718
【0012】
また、一般式(1)に記載されているXは、一般式(1)中の酸素原子と置換基Rが直接結合した単結合や、カルボニル基を表す。
(b)を具体的に例示すれば、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、及びスチレン−p−グリシジルエーテル等の不飽和グリシジルエーテルならびにグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート及びイタコン酸グリシジルエステル等の不飽和グリシジルエステル等が挙げられる。
【0013】
また、一般式(1)に記載されているXは、一般式(1)中の酸素原子と置換基Rが直接結合した単結合や、カルボニル基を表す。
(b)を具体的に例示すれば、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、及びスチレン−p−グリシジルエーテル等の不飽和グリシジルエーテルならびにグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート及びイタコン酸グリシジルエステル等の不飽和グリシジルエステル等が挙げられる。
【0014】
(B)成分における、(b)に由来する構造単位の含有量としては、(B)成分のエポキシ基含有エチレン系共重合体100重量部に対し、通常、(b)単位が1〜30重量部程度である。(b)単位が1重量部以上であると、得られる接着性フィルムの接着性が向上する傾向にあることから好ましく、30重量部以下であると、接着性フィルムの機械的強度が向上する傾向にあることから好ましい。
また、(B)成分における(b)に由来する構造単位の含有量としては、(B)成分のエポキシ基含有エチレン系共重合体100重量部に対し、(b)単位が30〜99重量部程度であることが好ましい。
【0015】
(B)成分には、(b)及び(b)に加えて、(b)及び(b)とは異なる単量体であって、ビニル基、アルキレン基などのエチレンと共重合可能な官能基を有する単量体(以下、(b)という)を重合させてもよい。尚、(b)には、カルボキシル基(−COOH)や酸無水物基(−CO−O−CO−)などのエポキシ基と反応し得る官能基を含有してはならないが、エステル基はエポキシ基と反応しないことから含有していてもよい。
【0016】
(b)の具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル及びメタクリル酸イソブチル等の炭素数が3〜8程度のアルキル基を有するα,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル;酢酸ビニル、酪酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、イソノナン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等の炭素数2〜8程度のカルボン酸を有するビニルエステル;1−ブテン、イソブテンなどの炭素数4〜20程度のα−オレフィン;ブタジエン、イソプレン、シクロペンタジエンなどのジエン化合物;塩化ビニル、スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミドなどのビニル化合物などが挙げられる。
(b)としては、中でも、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸メチルが好適である。
【0017】
(B)成分における(b)に由来する構造単位の含有量としては、(B)成分のエポキシ基含有エチレン系共重合体100重量部に対して、通常、0〜70重量部程度であり、中でも、5〜60重量部程度が好ましい。この含有量が、70重量部以下であると、高圧ラジカル法等により(B)成分を容易に製造し得る傾向にあることから好ましい。
【0018】
本発明における(B)成分は、ブロック共重合体、グラフト共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体のいずれであってもよく、例えば、特許第2632980号公報記載のプロピレン・エチレンブロック共重合体に(b)をグラフトさせた共重合体、特許第2600248号公報記載のエチレン・エポキシ基含有モノマー共重合体にα,β−不飽和カルボン酸エステルをグラフトさせた共重合体等が挙げられる。
【0019】
本発明における(B)成分の製造方法としては、例えば、原料となる単量体を、エチレン及びラジカル発生剤の存在下に、500〜4000気圧程度、100〜300℃程度、適当な溶媒や連鎖移動剤の存在下又は不存在下に共重合させる方法;ポリエチレン系樹脂に(b)などの原料となる単量体をラジカル発生剤とともに混合し、押出機中で溶融グラフト共重合させる方法などが挙げられる。ここで、ポリエチレン系樹脂とは、(b)の単独重合体、あるいは(b)と(b)とからなる共重合体などである。
【0020】
本発明の(B)成分としては、JIS K7210に準拠して測定したMFR(メルトフローレート)が、通常、190℃、2.16kg荷重で30〜1000g/10分程度であり、とりわけ50〜500g/10分程度であることが好ましい。MFRが30以上の場合は得られる熱硬化性樹脂組成物の流動性が向上し、被着体の表面に凹凸部があってもそれを容易に埋め込む傾向にあることから好ましい。また、1000以下の場合には、得られる熱硬化性樹脂組成物のハンダ耐熱性が向上する傾向にあることから好ましい。
【0021】
(B)成分として、例えば、「ボンドファースト(登録商標)」シリーズ(住友化学工業(株)製)、「セポルジョンG(登録商標)」シリーズ(住友精化(株)製)、「レクスパールRA(登録商標)」シリーズ(日本ポリオレフィン(株)製)などの市販品を使用することができる。
【0022】
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、(A)成分と(B)成分を混合してなるものであり、該熱硬化性樹脂組成物は、容易に溶融混練できることから、通常、(A)成分と(B)成分とが相溶している。
熱硬化性樹脂組成物における(A)成分及び(B)成分の重量比率としては、通常、(B)成分100重量部に対して(A)成分が0.1〜10重量部程度である。(A)成分が0.1重量部以上ではハンダ耐熱性が向上することから好ましく、10重量部以下では接着性が向上することから好ましい。
【0023】
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、(C)成分として、(B)成分とは異なるエポキシ樹脂を含有させてもよいが、その含有量は、(A)、(B)及び(C)成分の合計100重量部に対し、10重量部以下、好ましくは1重量部以下含有させてもよい。とりわけ、(C)成分を実質的に含有しないことが好ましい。
ここで、(C)成分とは、分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であり、具体的には、脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、芳香族エポキシ樹脂などが挙げられる。
【0024】
本発明の熱硬化性樹脂組成物は(A)成分、(B)成分に加えて酸化防止剤(D)を含有することにより、該組成物をフィルム化した際に、「フッシュアイ」と呼ばれる不均一な異物の発生を抑制したり、該組成物及び該組成物から得られる接着性フィルムの保管安定性が向上する傾向にあることから好ましい。
本発明における(D)成分としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤等が挙げられる。酸化防止剤として2種類以上の酸化防止剤を組み合わせて使用してもよく、とりわけ、ゲル防止効果及び着色の観点からフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤及びイオウ系酸化防止剤のいずれも使用することが好適である。
【0025】
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、
2,6−ジシクロヘキシル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−アミル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−オクチル−4−n−プロピルフェノール、2,6−ジシクロヘキシル−4−n−オクチルフェノール、2−イソプロピル−4−メチル−6−t−ブチルフェノール、2−t−ブチル−2−エチル−6−t−オクチルフェノール、2−イソブチル−4−エチル−6−t−ヘキシルフェノール、2−シクロヘキシル−4−n−ブチル−6−イソプロピルフェノール、dl−α−トコフェロール、t−ブチルヒドロキノン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(1−メチルシクロヘキシル)−p−クレゾール]、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、
【0026】
2,2’−ブチリデンビス(2−t−ブチル−4−メチルフェノール)、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、トリエチレングリコールビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネートジエチルエステル、トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−t−ブチルベンジル)イソシアヌレート、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、トリス[(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレート、
【0027】
トリス(4−t−ブチル−2,6−ジメチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)テレフタレート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、2,2−ビス[4−(2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイルオキシ))エトキシフェニル]プロパン、β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリルエステルなどが挙げられる。
【0028】
これらの中では、β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリルエステル、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、dl−α−トコフェロール、トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−t−ブチルベンジル)イソシアヌレート、トリス[(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレート、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンが好ましい。
【0029】
フェノール系酸化防止剤として、市販品のフェノール系酸化防止剤を使用してもよく、例えばイルガノックス(登録商標、以下省略)1010(Irganox 1010、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)、イルガノックス1076(Irganox 1076、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)、イルガノックス1330(Irganox 1330、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)、イルガノックス3114(Irganox 3114、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)、イルガノックス3125(Irganox 3125、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)、スミライザー(登録商標、以下省略)BHT(Sumilizer BHT、住友化学製)、シアノックス(登録商標)1790(Cyanox 1790、サイテック製)、スミライザーGA−80(Sumilizer GA−80、住友化学製)、ビタミンE(エーザイ製)などが挙げられる。
【0030】
フェノール系酸化防止剤として、2種類以上のフェノール系酸化防止剤を使用してもよい。
本発明の組成物におけるフェノール系酸化防止剤の配合量は、成分(A)100重量部に対し、通常、0.005〜2重量部程度、好ましくは0.01〜1重量部程度、さらに好ましくは0.05〜0.5重量部程度である。
【0031】
リン系酸化防止剤としては、例えばトリオクチルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリデシルホスファイト、(オクチル)ジフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(ブトキシエチル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフエニル)ブタンジホスファイト、テトラ(C12〜C15混合アルキル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)ジホスファイト、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ホスファイト、トリス(モノ・ジ混合ノニルフェニル)ホスファイト、
【0032】
水素化−4,4’−イソプロピリデンジフェノールポリホスファイト、ビス(オクチルフェニル)ビス[4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)]−1,6−ヘキサンジオールジホスファイト、フェニル(4,4’−イソプロピリデンジフェノール)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス[4,4’−イソプロピリデンビス(2−t−ブチルフェノール)]ホスファイト、ジ(イソデシル)フェニルホスファイト、4,4’−イソプロピリデンビス(2−t−ブチルフェノール)ビス(ノニルフェニル)ホスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル)エチルフォスファイト、2−[{2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1.3.2]−ジオキサホスフェピン−6−イル}オキシ]−N,N−ビス〔2−[{2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1.3.2]−ジオキサホスフェピン−6−イル}オキシ]エチル〕エタンアミン、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1.3.2]−ジオキサホスフェピンなどが挙げられる。
【0033】
また、ビス(ジアルキルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトエステルとしては、下記一般式(9)
Figure 2004059718
(式中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜9程度のアルキル基等を表す。)
で示されるスピロ型、又は、下記一般式(10)
Figure 2004059718
(式中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜9程度のアルキル基等を表す。)
で示されるケージ形のものなどが挙げられる。
このようなホスファイトエステルは、通常、一般式(9)と(10)の混合物が使用される。
【0034】
ここで、R〜Rがアルキル基の場合、分枝のあるアルキル基が好ましく、中でもt−ブチル基が好適である。
また、フェニル基におけるR〜Rの置換位置は、2,4,6位が好ましい。
【0035】
ホスファイトエステルの具体例としては、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられ、また、炭素とリンとが直接結合した構造を持つホスフォナイトとしては、例えば、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスフォナイトなどの化合物が挙げられる。
【0036】
リン系酸化防止剤として、市販品を使用することもでき、例えばイルガフォス(登録商標、以下省略)168(Irgafos 168、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)、イルガフォス12(Irgafos 12、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)、イルガフォス38(Irgafos 38、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ製)、アデカスタブ(登録商標、以下省略)329K(ADK STAB 329K、旭電化製)、アデカスタブPEP36(ADK STAB PEP36、旭電化製)、アデカスタブPEP−8(ADK STAB PEP−8、旭電化製)、Sandstab  P−EPQ(登録商標、クラリアント製)、ウェストン618(Weston 618、GE製)、ウェストン619G(Weston 619G、GE製)、ウルトラノックス626(Ultranox 626、GE製)、スミライザーGP(Sumilizer GP、住友化学製)などが挙げられる。
【0037】
リン系酸化防止剤として、2種類以上のリン系酸化防止剤を使用してもよい。本発明の組成物におけるリン系酸化防止剤の配合量は、成分(A)100重量部に対して、通常、0.005〜2重量部、好ましくは0.01〜1重量部、さらに好ましくは0.05〜0.5重量部である。
【0038】
リン系酸化防止剤の中では、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスフォナイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2−[{2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1.3.2]−ジオキサホスフェピン−6−イル}オキシ]−N,N−ビス〔2−[{2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1.3.2]−ジオキサホスフェピン−6−イル}オキシ]エチル〕エタンアミン、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1.3.2]−ジオキサホスフェピンが好ましい。
【0039】
イオウ系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル−、ジミリスチル−、ジステアリル−などのジアルキルチオジプロピオネート及びブチル−、オクチル−、ラウリル−、ステアリル−などのアルキルチオプロピオン酸の多価アルコール(例えばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート)のエステル(例えばペンタエリスリルテトラキス−3−ラウリルチオプロピオネート)などが挙げられる。
【0040】
さらに具体的には、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジブチレート、などが挙げられる。
これらの中では、ペンタエリスリルテトラキス−3−ラウリルチオプロピオネートが好ましい。
【0041】
イオウ系酸化防止剤として、例えば、スミライザーTPS(Sumilizer TPS、住友化学製)、スミライザーTPL−R(Sumilizer TPL−R、住友化学製)、スミライザーTPM(Sumilizer TPM、住友化学製)、スミライザーTP−D(Sumilizer TP−D、住友化学製)などの市販品をそのまま使用してもよい。イオウ系酸化防止剤として、2種類以上のイオウ系酸化防止剤を使用してもよい。
本発明の組成物におけるイオウ系酸化防止剤の配合量は、成分(A)100重量部に対して0.005〜2重量部程度、好ましくは0.01〜1重量部程度、さらに好ましくは0.05〜0.5重量部程度とするのが望ましい。
【0042】
アミン系酸化防止剤としては、例えば、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−1,4−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−1,4−フェニレンジアミンなどが挙げられる。
【0043】
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、さらに、(A)成分とは異なるエポキシ硬化剤、着色剤、無機フィラー、加工安定剤、耐候剤、熱安定剤、光安定剤、核剤、滑剤、離型剤、難燃剤、帯電防止剤等の添加剤を本発明の熱硬化性樹脂組成物に含有させてもよい。
ここで(A)成分とは異なるエポキシ硬化剤としては、例えば、フェノール樹脂、酸無水物などが挙げられ、その含有量としては、(A)、(B)及び(C)成分の合計100重量部に対し、通常、40重量部以下、好ましくは、10重量部以下である。
熱硬化性樹脂組成物をソルダーレジストに供する場合、プリント配線板の表面の導体回路をマスクするために、着色剤として、フタロシアニングリーン、カーボンブラックなどの色素、顔料等を通常、使用する。
【0044】
本発明の熱硬化性樹脂組成物の製造方法としては、例えば、(A)成分を一軸もしくは二軸のスクリュー押出し機、バンバリーミキサー、ロール、各種ニーダー等で、通常、120℃〜200℃程度で溶融混練し、(B)成分を混合する方法;(A)成分と(B)成分をドライブレンドして一軸もしくは二軸のスクリュー押出し機、バンバリーミキサー、ロール、各種ニーダー等で、通常、120℃〜150℃程度で溶融混練する方法などが挙げられる。ここで、(B)成分が塊状の場合は、フェザーミル、奈良式粉砕機、エアーミル等の粉砕機で粉体状としてから混合することにより、溶融混練が簡素化されることから好ましい。
【0045】
本発明の接着性フィルムは、かくして得られた熱硬化性樹脂組成物を押出成形してなるフィルムであり、その製造方法としては、例えば、T−ダイ付の押出し機などにて本発明の熱硬化性樹脂組成物を溶融混練・成膜する方法などが挙げられる。この時、T−ダイとチルロール間の距離(エアギャップ)は、通常、約10cm以下であり好ましくは約8cm以下、特に好ましくは約6cm以下である。エアギャップが10cm以下であるとフィルム切れや、一般に「片肉」と呼ばれるフィルムの厚みがばらつく状態が抑制される傾向にあることから好ましい。接着性フィルムを得るための溶融混練温度としては使用する樹脂の溶融温度以上で、120℃程度以下であることが好ましく、とりわけ、90℃〜110℃程度の溶融混練温度が好適である。該溶融混練温度が120℃以下であると、得られる接着性フィルムの「フィッシュアイ」が低減される傾向にあることから、好ましい。
接着性フィルムの厚みとしては、通常、5μm〜2mm程度であり、好ましくは8μm〜1mmである。
【0046】
本発明の接着性フィルムは、取扱いや保管を容易にするために、熱硬化性樹脂組成物からなる層に支持基材を積層してなるフィルムであってもよい。支持基材としては、例えば、4−メチル−1−ペンテン共重合体からなるフィルム;熱硬化性樹脂組成物からなる層に接する面にシリコン系離型剤あるいはフッ素系離型剤が塗布されたポリエチレンテレフタレートフィルムなどが挙げられる。
【0047】
本発明の積層体は、接着性フィルムの熱硬化性樹脂組成物からなる層に被着体を接着してなるものであり、接着性フィルムが支持基材を含まない場合の製造方法としては、1)接着性フィルムに被着体を積層し、熱硬化する方法;2)接着性フィルムに被着体を接着したのち、該被着体とは異なる被着体を接着し、熱硬化する方法などが挙げられ、接着性フィルムが支持基材を含む場合の製造方法としては、3)接着性フィルムに被着体を積層し、熱硬化したのち、支持基材を剥離する方法;4)接着性フィルムに被着体を積層し、支持基材を剥離したのち、熱硬化する方法;5)接着性フィルムに被着体を接着し、支持基材を剥離したのち、該被着体とは異なる被着体を接着し、熱硬化する方法などが挙げられる。
接着性フィルムをプリント配線板などの基板上に接着して、ソルダーレジストとして用いる場合など、接着性フィルムの流動性が高くフィルムの形状を保持できない場合には、前記1)、3)および4)などで得られた積層体の接着性フィルムの層を赤外線、可視光線、紫外線などの電子線を照射して硬化する方法が推奨される。
【0048】
積層体を製造する際の熱硬化条件としては、通常、140℃〜300℃程度、好ましくは160〜200℃程度にて、約10分〜3時間程度熱硬化する。熱硬化の温度が140℃以上であるとハンダ耐熱性を得るまでの熱硬化時間が短縮される傾向にあるので好ましく、また、300℃以下であると接着性フィルムの分解が抑制される傾向にあるので好ましい。
また、熱硬化する際に、加熱されプレス機を用いて、0〜3MPa で加圧してもよい。
【0049】
積層体に用いられる被着体の材料としては、例えば、本発明の接着性フィルムと接着し得る材料である。具体的には、例えば、金、銀、銅、鉄、錫、鉛、アルミニウム、シリコンなどの金属、ガラス、セラミックスなどの無機材料;紙、布などのセルロース系高分子材料、メラミン系樹脂、アクリル・ウレタン系樹脂、ウレタン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン・アクリロニトリル系共重合体、ポリカーボネート系樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などの高分子材料等が挙げられる。
【0050】
被着体の材料として、異なる2種類以上の材料を混合、複合してもよい。また、積層体が本発明の接着性フィルムを介して、異なる2つの被着体が接着してなるものである場合、2つの被着体を構成する材料は、同じ種類の材料でも異なる種類の材料のいずれでもよい。
被着体の性状としては特に限定されないが、例えば、フィルム状、シート状、板状、繊維状などが上げられる。
また、被着体には、必要に応じて、離型剤、メッキなどの被膜、本発明以外の樹脂組成物からなる塗料による塗膜、プラズマやレーザーなどによる表面改質、表面酸化、エッチングなどの表面処理等を実施してもよい。
被着体として、極性基含有合成高分子材料および金属の複合材料である集積回路、プリント配線板などの電子・電気部品等が好ましく用いられる。
【0051】
【実施例】
以下に実施例を示して、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
(A)、(B)および(D)成分は以下を使用した。なおMFR(メルトフローレート)はJIS−K7210に準拠し、190℃、2160g荷重の条件下で測定した値を示した。
【0052】
Figure 2004059718
【0053】
Figure 2004059718
【0054】
Figure 2004059718
【0055】
(実施例1)
<熱硬化性樹脂組成物の製造例>
A−1(1部)、B−1(100部)、D−1(0.1部)、D−2(0.1部)およびD−3(0.05部)をドライブレンドし、Φ30mmの同方向二軸押出し機(L/D=42)に供給し、120℃の温度下、180rpmのスクリュー回転数、16Kg/時間の供給速度にて溶融混練して、熱硬化性樹脂組成物を得た。
【0056】
<接着性フィルムの製造例>
(株)東洋精機製ラボプラストミルΦ20mm押出し機T−ダイス付を用いて、押出し機シリンダー温度を100℃、T−ダイス温度を90℃、およびエアギャップは2cmに設定した。前項で得られた熱硬化性樹脂組成物を上記押出し機を用いて、約50μm厚みの接着性フィルムを作製した。
【0057】
<積層体の製造例>
被着体としてプリント配線板(松下電工製 両面銅張り積層板 R−1705)を用い、上記の製造例1で得られた、厚さ約50μmの接着性フィルムを100℃、3MPa、10分の条件で熱圧着したのち、180℃、3MPa、60分の条件で熱硬化させて、積層体を得た。積層体は、次に示すハンダ耐熱性試験およびピール剥離強度試験に供した。結果は表1にまとめた。
【0058】
<ハンダ耐熱試験>
得られた積層体を、タバイエスペック製 SOLDERABILITY TESTER EST−11を用い、260℃のハンダ浴へ10秒間浸漬した。これを1サイクルとして6サイクル繰返し後、表面外観を目視観察した。結果を表1〜3にまとめた。
尚、ハンダ耐熱試験の判定は下記の基準に従った。
○:熱硬化した接着剤層の外観に異常(剥離、膨れ)がなく、ハンダもぐりがないもの
×:熱硬化した接着剤層の外観に異常(剥離、膨れ)がある、またはハンダもぐりがあるもの
【0059】
<剥離試験>
上からアルミ箔、補強材(50μm厚みのポリエチレンテレフタレートフィルム)、接着性フィルム、被着材(銅箔付基板およびプリント配線板(松下電工(株)製 片面銅張り積層板 R−1705(FR4プリント配線板))の非配線パターンの面)およびアルミ箔を順次積層し、ヒートシールテスター(テスター産業社製)にて、上部より180℃、0.5MPaの圧力で60分間保持し積層体の一部(25mm幅)を接着した。得られた積層体のアルミ箔を剥がし、温度23℃、湿度50%にて1時間静置した。その後、積層体を10mm幅×100mm長さ(接着長さ25mm)に切り出し、温度23℃、湿度50%にて接着していない部分をつかみ、剥離速度50mm/秒、剥離角度90°でピール剥離試験を実施した。
【0060】
(実施例2)
(A)成分としてA−2を2部用いる以外は、実施例1と同様に熱硬化性樹脂組成物、約50μm厚みの接着性フィルム、及び積層体を得た。ハンダ耐熱試験及び剥離試験の結果は表1にまとめた。
【0061】
(比較例1)
B−1のみを用いる以外は、実施例1と同様に熱硬化性樹脂組成物、約50μm厚みの接着性フィルム、及び積層体を得た。ハンダ耐熱試験及び剥離試験の結果は表1にまとめた。
【0062】
【表1】
Figure 2004059718
【0063】
【発明の効果】
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、有機溶剤に溶解、塗工及び乾燥の工程を経由することがなくとも、熱硬化性樹脂組成物から直接、押出成形によって接着性フィルムを与える。接着性フィルムを被着体に接着して得られる積層体は、ハンダ耐熱性および接着性に優れる。
このような優れた特性を有する積層体は、例えば、半導体封止材料、太陽電池やEL(エレクトロルミネセンス)ランプなどの電子部品封止材料、集積回路/基板間のダイボンディングシートおよび基板間の層間絶縁材料として使用し得る。また、接着性フィルムは基板をハンダから保護するソルダーレジスト、電子部品の製造工程で保護シートなどに供することができる。

Claims (10)

  1. 下記(A)及び(B)成分とを必須成分として含有し、下記(C)成分を任意成分として含有する熱硬化性樹脂組成物において、(A)、(B)及び(C)成分の合計100重量部に対し、(C)成分の含有量が10重量部以下であることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
    (A):イミダゾール類
    (B):下記(b)と(b)とを重合して得られるエポキシ基含有エチレン系共重合体
    (b)エチレン及び/又はプロピレン
    (b)下記一般式(1)で表される単量体
    Figure 2004059718
    (式中、Rは二重結合を有する炭素数2〜18の炭化水素基を表し、該炭化水素基には、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基が置換していてもよい。Xは単結合又はカルボニル基を表す。)
    (C):分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂
  2. (A)及び(B)成分の重量比率が、(A)/(B)=0.1/99.9〜10/90であることを特徴とする特徴とする請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. (b)に由来する構造単位の含有量が(B)成分のエポキシ基含有エチレン系共重合体100重量部に対して、1〜30重量部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. (B)成分が、(b)と(b)と下記(b)とを重合して得られる共重合体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
    (b):エチレンと共重合可能な官能基を有し、エポキシ基と反応し得る官能
    基を有しない単量体であって、(b)及び(b)とは異なる単量体
  5. (B)成分のエポキシ基含有エチレン系共重合体における(b)に由来するエチレン単位の含有量が、(B)成分100重量部に対し、30〜99重量部であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. 熱硬化性樹脂組成物が、酸化防止剤(D)を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
  7. (D)成分として、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、及びイオウ系酸化防止剤からなる群から選ばれる少なくとも一種の酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項7に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物を押出成形してなる接着性フィルム。
  9. 請求項8に記載の接着性フィルムと被着体とを積層し、熱硬化して得られる積層体。
  10. 請求項9に記載の積層体における接着性フィルムの表面に、電子線を照射して被着体と接着することを特徴とする積層体の製造方法。
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