JP2009067629A - セメント添加材及びセメント組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】水粉体比の小さいセメント組成物であっても流動性を向上させることができ、さらに凝結時間を短縮させることができるセメント添加剤を提供する。
【解決手段】BET比表面積が4〜12m/gである炭酸カルシウムを含むセメント添加材。炭酸カルシウムは、乾式粉砕により得られるものであることが好ましい。炭酸カルシウム中の全有機炭素量は、好ましくは0.1質量%未満である。セメント添加材とセメントの合計量(T)に対する水(W)の質量比(W/T)が25質量%未満であるセメント組成物であっても、高いフロー値を確保することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、セメントペースト、モルタル又はコンクリート(以下、セメント組成物と称する。)の材料として用いられるセメント添加材に関する。
近年、建物の高層化に伴って、高強度コンクリートの開発が進められている。
高強度コンクリートを製造するための最も効果的で一般的な方法として、高性能減水剤や高性能AE減水剤を用いてコンクリート体を密実に成形し得る範囲内で、コンクリートの水セメント比をできるだけ小さくする方法が知られている。
しかし、水セメント比を小さくした場合、セメント組成物の粘性が増大するため、流動性が低下し、施工性が悪くなるという問題がある。特に、セメント組成物の水セメント比が小さくなり過ぎると、混練物の流動性が小さくなって、通常の流し込みや締め固めの方法ではセメント組成物を成形することができなくなるという問題がある。
ここで、セメント組成物の流動性を改善する手段として、シリカフュームを添加材として用いる方法が知られている(特許文献1)。シリカフュームは、金属シリコンやフェロシリコンの製造時に生じる副産物であり、比表面積が20m/g程度、平均粒径が0.1μm程度の、球状の超微粒子のシリカである。
また、セメント組成物の流動性を改善するための添加材として、炭酸カルシウムの微粉末を用いる方法が提案されている。
このような技術として、例えば、湿分が0.20質量%未満であるコンクリート用炭酸カルシウム微粉末が提案されている(特許文献2)。この文献には、炭酸カルシウム微粉末のBET比表面積として、0.8〜3.0m/gの数値範囲が記載されている。
また、モース硬度が1〜5の鉱物又は前記鉱物を50重量%以上含む岩石を微粉砕し分級することにより得られた、平均粒径が0.05〜0.5μmであって、前記平均粒径が重量累積粒度分布の50%径である鉱物の微粒子が提案されている(特許文献3)。この文献には、前記鉱物の例として炭酸塩鉱物が記載されている。
特公昭60−59182号公報 特開2006−298667号公報 特開2007−126304号公報
特許文献1に記載されているように、シリカフュームを使用することによって、セメント組成物の流動性を大きくすることができる。また、このシリカフュームと、高性能減水剤又は高性能AE減水剤を併用することによって、セメント組成物の粘性が小さくなり、流動性が大きくなるので、水粉体比をより小さくして、セメント組成物を製造することが可能となる。
しかし、この流動性向上の効果を大きくするためには、減水剤の使用量を増やす必要があり、この場合、セメント組成物の凝結に長時間を要し、施工の効率が劣るという問題がある。また、セメント組成物の水粉体比が20質量%未満の場合、流動性改善の効果が得られ難く、また、通常の流し込みや締め固めではセメント組成物を成形することが困難であるという問題がある。
特許文献2の技術では、特定の炭酸カルシウム微粉末を用いることによって、セメント組成物の流動性を向上させるとともに、水粉体比が比較的高い高流動コンクリートに対して、材料分離抵抗性を付与することができる。
しかし、セメント組成物の水粉体比が20質量%未満の場合、流動性改善の効果が得られ難く、また、通常の流し込みや締め固めではセメント組成物を成形することが困難であるという問題がある。
特許文献3の技術では、セメント組成物の流動性をある程度向上させることができる。
しかし、セメント組成物の水粉体比が20質量%未満の場合、流動性の向上の効果が不十分であるという問題がある。また、平均粒径0.05〜0.5μmという非常に小さな粒子を用いる必要があり、その粉砕、分級等の作業に長時間を要したり、超高圧水衝突式粉砕装置等の特殊な粉砕装置が必要であるなど、汎用性に欠けるという問題がある。
そこで、本発明は、水粉体比の小さいセメント組成物であっても流動性を向上させることができ、さらに凝結時間を短縮させることができるセメント添加材を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のBET比表面積を有する炭酸カルシウムを含むセメント添加材を用いれば、本発明の上記目的を達成することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[6]を提供するものである。
[1] BET比表面積が4〜12m/gである炭酸カルシウムを含むことを特徴とするセメント添加材。
[2] 上記炭酸カルシウムが乾式粉砕により得られるものである上記[1]に記載のセメント添加材。
[3] 上記炭酸カルシウム中の全有機炭素量が、0.1質量%未満である上記[1]又は[2]に記載のセメント添加材。
[4] 上記[1]〜[3]のいずれかに記載のセメント添加材、セメント、及び水を含み、かつ、セメント添加材とセメントの合計量(T)に対する水(W)の質量比(W/T)が25質量%未満であるセメント組成物。
[5] 上記セメント組成物は、「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)11.フロー試験」に記載される方法において、15回の落下運動を行わないで測定したフロー値が、200mm以上のモルタルである上記[4]に記載のセメント組成物。
[6] 上記セメント組成物は、「JIS A 1150(コンクリートのスランプフロー試験方法)」に準じて測定したスランプフロー値が、55cm以上のコンクリートである上記[4]に記載のセメント組成物。
本発明のセメント添加材は、特定のBET比表面積を有する炭酸カルシウムを含むため、当該セメント添加材を配合してなるセメント組成物について、流動性を向上させ、かつ、凝結時間を短縮することができる。特に、本発明のセメント添加材によれば、シリカフューム等の従来の流動性改善材と異なり、セメント添加材とセメントの合計量(T)に対する水(W)の質量比(W/T;以下、「水粉体比」ともいう。)が20質量%未満であっても、流動性の向上、及び凝結時間の短縮の効果を十分に得ることができる。
本発明のセメント添加材に用いられる炭酸カルシウムは、BET比表面積が4〜12m/gであり、通常の粉砕方法、好適には乾式の粉砕方法により容易に得られるものであるので、特殊な装置を必要とせず、汎用性に優れる。
以下、本発明のセメント添加材について説明する。
本発明のセメント添加材は、特定のBET比表面積を有する炭酸カルシウムを含む。
本発明で用いられる炭酸カルシウムのBET比表面積は、4〜12m/g、好ましくは5〜11m/g、より好ましくは6〜10m/gである。
BET比表面積が4m/g未満では、セメント組成物の水粉体比が20質量%未満である場合に、流動性を向上させることが困難となり、また、高性能減水剤や高性能AE減水剤の使用量が増えて、凝結時間が長くなる傾向がある。
BET比表面積が12m/gを超えると、粉砕等に要する時間が長くなり、本発明のセメント添加材の製造効率が低下する。また、セメント組成物の水粉体比が20質量%未満である場合に、流動性を向上させることが困難となり、また、高性能減水剤や高性能AE減水剤の使用量が増えて、凝結時間が長くなるので、好ましくない。
このようにBET比表面積を上記範囲内とすることにより、水粉体比の小さいセメント組成物(例えば、水粉体比が10質量%以上、20質量%未満であるセメント組成物)であっても、流動性を向上させることができ、さらに凝結時間も例えば、終結時間が11時間未満となるように短縮させることができる。また、BET比表面積が上記範囲内であると、通常の粉砕方法で、短時間の粉砕により得ることができるため、汎用性及び製造効率の観点からも好ましい。
なお、BET比表面積とは、吸着ガスとして窒素を用い、定容法により測定した吸着等温線にBET式を適用することで求められる炭酸カルシウムの表面積であり、JIS R 1626「ファインセラミックス粉体の気体吸着BET法による比表面積の測定方法」で求められるものである。
本発明で用いられる炭酸カルシウムの平均粒径は、BET比表面積と同様の理由により、好ましくは0.5〜2.0μm、より好ましくは0.6〜1.5μm、特に好ましくは0.7〜1.2μmである。
なお、本明細書中の「平均粒径」とは、レーザー回折・散乱型粒度分布測定装置(日機装社製:Microtrac X100)を用いて、水性スラリー(濃度70質量%で30分間超音波分散したもの)中の炭酸カルシウムの粒径を測定し、該粒径に基づいて得られた粒度分布曲線の50質量%における粒径である。
本発明で用いられる炭酸カルシウム中の全有機炭素量は、超低水粉体比(例えば、10〜20質量%)のセメント組成物の流動性を向上させること等の観点から、好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.05質量%以下、特に好ましくは0.01質量%以下である。
炭酸カルシウム中の全有機炭素量は、以下の一連の手順(a)〜(c)からなる方法で測定することができる。
(a)炭酸カルシウム粉末に濃塩酸を発泡して溢れないように少しずつ添加する。
(b)発泡がなくなるまで濃塩酸を添加した後、130℃で乾燥する。
(c)乾燥後、元素分析計で全有機炭素量を測定する。元素分析計としては、日本シイベルヘグナー社製の「vario MAX CN」等を使用することができる。
炭酸カルシウムとしては、例えば、工業用炭酸カルシウム、石灰石粉末等を使用することができる。中でも、安価である石灰石粉末を使用することが好ましい。その他、炭酸カルシウムを主成分とする貝殻やサンゴの粉砕物又はこれらの加工物を使用してもよい。ここで、主成分とは、炭酸カルシウムを60質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上含むことをいう。
炭酸カルシウムは、(a)乾式粉砕のみにより得られた炭酸カルシウム、(b)乾式粉砕と分級を組み合わせた方法により得られた炭酸カルシウム、(c)湿式粉砕により得られた炭酸カルシウム、のいずれも用いることができる。中でも、上記の(a)、(b)の炭酸カルシウムは、水粉体比が20質量%未満であっても、セメント組成物の流動性を向上させる効果が大きいことなどから、好ましく用いられる。
本発明のセメント添加材は、例えばBET比表面積が4m/g未満の炭酸カルシウムを、乾式粉砕あるいは湿式粉砕し、炭酸カルシウムのBET比表面積を上記の範囲内に調整することにより得ることができる。
セメント添加材を乾式粉砕により得る場合には、BET比表面積が4m/g未満の炭酸カルシウムと、必要に応じて配合されるアミン類、グリコール類、アルコール類、石膏や滑石等の無機物、ポリカルボン酸系やナフタレン系等のセメント分散剤等の、粉砕助剤とを乾式粉砕機に投入し、炭酸カルシウムのBET比表面積を上記範囲内となるように調整する。乾式粉砕により所定のBET比表面積に調整された炭酸カルシウムは、そのまま、セメント組成物の添加材として用いることができる。
乾式粉砕機としては、ボールミル、ロッドミル、振動ミル、竪型ミル、チューブミル、ローラーミル、ジェットミル、分級機を内蔵したハイブリットミル等が挙げられる。また、乾式粉砕の際には、必要に応じて、分級を行うことができる。分級手段としては、風力分級機や篩等が挙げられる。
粉砕助剤の添加量は、炭酸カルシウム100質量部に対して、好ましくは0〜2質量部、より好ましくは0〜1質量部、特に好ましくは0〜0.5質量部である。
セメント添加材を湿式粉砕により得る場合には、例えば、BET比表面積が4m/g未満の炭酸カルシウム、消泡剤、分散剤、及び水を湿式粉砕機に投入し、炭酸カルシウムのBET比表面積を上記範囲内となるように調整する。湿式粉砕により所定のBET比表面積に調整された炭酸カルシウムは、そのまま、セメント組成物の添加材として用いてもよいし、あるいは、乾燥させて粉体として用いてもよい。
湿式粉砕機としては、ボールミル、撹拌ミル等が挙げられる。
消泡剤としては、シリコーン系、アルコール系、ポリエーテル系などの合成物質、植物由来の天然物質又は石油精製由来の鉱物油系等の消泡剤が挙げられる。本発明のセメント添加材において、消泡剤の添加量は、炭酸カルシウム100質量部に対して、好ましくは0.001〜0.2質量部、より好ましくは0.005〜0.1質量部である。
分散剤としては、ポリカルボン酸系、ナフタリン系、メラミン系、アミノスルホン酸系、リグニンスルホン酸系、ポリスチレンスルホン酸系等の分散剤が挙げられる。
分散剤の添加量は、炭酸カルシウム100質量部に対して、固形分換算で好ましくは0.1〜3.0質量部、より好ましくは0.4〜1.0質量部である。
湿式粉砕時において、水は、炭酸カルシウム(X)に対する水(W)の質量比(X:W)が、好ましくは1:0.1〜1:2.3、より好ましくは1:0.2〜1:1.5、特に好ましくは1:0.2〜1:0.6となる量で使用される。
セメント組成物中の本発明のセメント添加材の質量割合は、目標とするセメント組成物の成分組成や水粉体比などに応じて、適宜定めることができる。
本発明のセメント添加材は、セメント組成物の全体積(m)に対する、セメント添加材中の炭酸カルシウムの量(質量;kg)が、好ましくは5〜400kg/m、より好ましくは50〜200kg/mとなるような量で配合される。
炭酸カルシウムの量が400kg/mを超えると、セメント組成物の機械的強度が低下する場合がある。一方、炭酸カルシウムの量が5kg/m未満では、セメント組成物の水粉体比が小さい場合に、流動性を向上させる効果が低下する場合がある。
本発明のセメント添加材は、水粉体比が10〜35質量%である低水粉体比のセメント組成物の材料として好適に使用することができる。特に、本発明のセメント添加材によれば、シリカフューム等の従来の流動性改善材と異なり、水粉体比が10質量%以上、20質量%未満(特に、11〜18質量%)である超低水粉体比のセメント組成物であっても、セメント組成物の流動性を向上させることができる。また、流動性改善材としてシリカフュームを配合したセメント組成物と比較して、本発明のセメント添加材によれば、セメント組成物の凝結時間も短縮することができる。
なお、本発明において、水粉体比における水は、セメント組成物に含まれる全ての水をいい、具体的には、炭酸カルシウムを湿式粉砕により得てスラリー状で使用する場合は、スラリーに含まれている水と、セメント組成物の配合水又は練り混ぜ水と称される水とを合わせたもの(合計量)をいう。
本発明のセメント組成物は、上述のセメント添加材に加えて、セメント、水、及び必要に応じて配合される他の材料を含む。
必要に応じて配合される他の材料としては、粗骨材、細骨材、減水剤(特に高性能減水剤または高性能AE減水剤)、本発明のセメント添加材以外のセメント混和材(例えば、高炉スラグ、シリカフューム、フライアッシュ等)等が挙げられる。
本発明において、粗骨材の配合量は、セメント組成物の機械的強度等の観点から、本発明のセメント添加材とセメントの合計量(100質量%)に対する割合(外割)で、好ましくは0〜150質量%、より好ましくは0〜100質量%、特に好ましくは0〜80質量%である。
細骨材の配合量は、セメント組成物の機械的強度等の観点から、本発明のセメント添加材とセメントの合計量(100質量%)に対する割合(外割)で、好ましくは5〜200質量%、より好ましくは10〜150質量%、特に好ましくは20〜100質量%である。
減水剤の配合量は、セメント組成物の流動性及び凝結時間の観点から、本発明のセメント添加材とセメントの合計量(100質量%)に対する割合(外割)で、固形分換算で、好ましくは0.1〜3質量%、より好ましくは0.2〜2質量%、特に好ましくは0.3〜1質量%である。
本発明のセメント添加材以外のセメント混和材の配合量は、セメント組成物の機械的強度等の観点から、本発明のセメント添加材とセメントの合計量(100質量%)に対する割合(外割)で、好ましくは0〜50質量%、より好ましくは0〜40質量%、特に好ましくは0〜30質量%である。
セメント組成物における、セメントと本発明のセメント添加材との合計量(100質量%)中の本発明のセメント添加材の質量割合(内割)は、好ましくは3〜50質量%、より好ましくは5〜40質量%、特に好ましくは7〜30質量%である。該割合を前記の範囲内とすれば、流動性の向上、凝結時間の短縮、機械的強度の確保等の点で優れた効果を得ることができる。
本発明のセメント組成物における水粉体比(本発明のセメント添加材とセメントの合計に対する水の質量割合)は、水粉体比が低くても高い流動性を得ようとする本発明の目的を考慮すると、好ましくは25質量%未満、より好ましくは20質量%未満、特に好ましくは18質量%未満である。
水粉体比の下限値は、特に限定されないが、通常、10質量%である。
本発明のセメント組成物がモルタルである場合、モルタルの流動性は、「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)11.フロー試験」に記載される方法において、15回の落下運動を行わないで測定したフロー値で、好ましくは200mm以上、より好ましくは220mm以上、特に好ましくは240mm以上である。
本発明のセメント組成物がコンクリートである場合、コンクリートの流動性は、「JIS A 1150(コンクリートのスランプフロー試験方法)」に準じて測定したスランプフロー値で、好ましくは55cm以上、より好ましくは58cm以上、特に好ましくは60cm以上である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[使用材料]
以下に示す材料を使用した。
(1)セメント ;低熱ポルトランドセメント(太平洋セメント社製、比重3.22)
(2)細骨材 ;小笠産陸砂
(3)粗骨材 ;岩瀬産5号砕石と岩瀬産6号砕石の混合物
(4)高性能減水剤A ;レオビルドSP−8HU(ポゾリス物産社製)
高性能減水剤B ;コアフローNF−200(太平洋マテリアル社製)
(5)消泡剤A ;マイクロエア404(ポゾリス物産社製)
消泡剤B ;AF−20(太平洋マテリアル社製)
(6)水 ;水道水
(7)添加材A ;乾式粉砕及び分級により得た、BET比表面積9.7m/g(平均粒径0.81μm)の炭酸カルシウム(炭酸カルシウムの含有量:98.5質量%、全有機炭素量:0.01質量%未満)からなる添加材
(8)添加材B ;乾式粉砕及び分級により得た、BET比表面積6.6m/g(平均粒径1.20μm)の炭酸カルシウム(炭酸カルシウムの含有量:98.5質量%、全有機炭素量:0.01質量%未満)からなる添加材
(9)添加材C ;乾式粉砕及び分級により得た、BET比表面積5.5m/g(平均粒径1.35μm)の炭酸カルシウム(炭酸カルシウムの含有量:98.5質量%、全有機炭素量:0.01質量%未満)からなる添加材
(10)添加材D ;乾式粉砕及び分級により得た、BET比表面積4.3m/g(平均粒径1.80μm)の炭酸カルシウム(炭酸カルシウムの含有量:98.5質量%、全有機炭素量:0.01質量%未満)からなる添加材
(11)添加材E ;炭酸カルシウム(炭酸カルシウムの含有量:98.5質量%、全有機炭素量:0.01質量%未満)100質量部、「高性能減水剤A」2.25質量部、「消泡剤A」0.01質量部、水41質量部を湿式粉砕することにより得た、BET比表面積9.8m/g(平均粒径0.80μm)の炭酸カルシウムを含むスラリーからなる添加材
(12)添加材F ;乾式粉砕及び分級により得た、BET比表面積3.5m/g(平均粒径2.10μm)の炭酸カルシウム(炭酸カルシウムの含有量98.5質量%、全有機炭素量:0.01質量%未満)からなる添加材
(13)添加材G ;炭酸カルシウム(炭酸カルシウムの含有量98.5質量%、全有機炭素量:0.01質量%未満)100質量部、「高性能減水剤A」2.25質量部、「消泡剤A」0.01質量部、水148質量部を湿式粉砕し、乾燥することにより得た、BET比表面積13.6m/g(平均粒径0.48μm)の炭酸カルシウムを含むスラリーからなる添加材
(14)添加材H ;BET比表面積11m/gのシリカフューム
(15)添加材I ;BET比表面積20m/gのシリカフューム
[実施例1〜6、比較例1〜4:モルタル評価試験]
モルタルの材料として、表1に記載したセメント添加材、セメント(以上、粉体)、細骨材、高性能減水剤A、消泡剤A、及び水を使用した。
セメント添加材の添加量、水/粉体の質量比、細骨材/粉体の質量比、高性能減水剤A/粉体の質量比%、及び、消泡剤A/粉体の質量比が、表1に記載の値となるようにモルタルを調製した。モルタルの調製には、ホバートミキサを使用し、各材料を個別にミキサに投入し、低速で混練した。
得られたモルタルのフロー値、及び混練時間を測定した。フロー値は、「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)の11.フロー試験」に記載される方法において、15回の落下運動を行わないで測定した値である。
結果を表1に示す。
Figure 2009067629
表1から、本発明のセメント添加材(実施例1〜6)を用いると、水粉体比が12〜13質量%の超低水粉体比のモルタルであっても、流動性を向上させることができ、また、混練時間も短縮できることがわかる。
また、実施例1と実施例6を比較すると、乾式粉砕により得られた炭酸カルシウム(実施例1)を用いると、湿式粉砕で得られた炭酸カルシウム(実施例6)を用いた場合に比べて、流動性が大きく向上することがわかる。
一方、BET比表面積が本発明の範囲外である炭酸カルシウムを用いた比較例1、2では、流動性の向上が不十分で、混練に要する時間も長いことがわかる。
シリカフュームを用いた比較例3、及びセメント添加材を用いなかった比較例4では、いずれも、13質量%の超低水粉体比では混練を行うことができなかった。
[実施例7〜10、比較例5〜7:コンクリート評価試験]
コンクリートの材料として、表1に記載したセメント添加材、セメント(以上、粉体)、粗骨材、細骨材、高性能減水剤B、消泡剤B、及び水を使用した。
細骨材/粉体の質量比が58質量%、細骨材率(粗骨材と細骨材の合計量中の細骨材の質量割合)が0.4、消泡剤B/粉体の質量比が0.05質量%、水/粉体の質量比が16質量%、セメント添加材の添加量、及び、高性能減水剤B/粉体の質量比が表2に記載の値となるようにコンクリートを調製した。コンクリートは、セメント添加材、セメント、高性能減水剤B、及び細骨材を、二軸ミキサに投入して30秒間空練りし、次に、水と消泡剤Bをミキサに投入して5分間混練し、最後に、粗骨材をミキサに投入して、1.5分間混練することにより調製した。
得られたコンクリートについて、スランプフロー、50cm到達時間、凝結時間、及び圧縮強度を下記の方法により測定した。結果を表2に示す。
[スランプフロー、50cm到達時間]
「JIS A 1150(コンクリートのスランプフロー試験方法)」に準じて測定した。
[凝結時間]
「JIS A 1147(コンクリートの凝結時間試験方法)」に準じて測定した。
[圧縮強度]
「JIS A 1108(コンクリートの圧縮強度試験方法)」に準じて、材齢28日の圧縮強度を測定した。
Figure 2009067629
表2から、本発明のセメント添加材(実施例7〜10)を用いると、水粉体比が16質量%の超低水粉体比のコンクリートにおいても、流動性を向上させることができ、また、凝結時間も短縮できることがわかる。
一方、シリカフュームを用いた比較例5、6では、流動性の向上が不十分で、凝結に要する時間も長いことがわかる。また、セメント添加材を用いなかった比較例7の場合、16質量%の超低水粉体比では、混練を行うことができなかった。

Claims (6)

  1. BET比表面積が4〜12m/gである炭酸カルシウムを含むことを特徴とするセメント添加材。
  2. 上記炭酸カルシウムが、乾式粉砕により得られるものである請求項1に記載のセメント添加材。
  3. 上記炭酸カルシウム中の全有機炭素量が、0.1質量%未満である請求項1又は2に記載のセメント添加材。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のセメント添加材、セメント、及び水を含み、かつ、セメント添加材とセメントの合計量(T)に対する水(W)の質量比(W/T)が25質量%未満であるセメント組成物。
  5. 上記セメント組成物は、「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)11.フロー試験」に記載される方法において、15回の落下運動を行わないで測定したフロー値が、200mm以上のモルタルである請求項4に記載のセメント組成物。
  6. 上記セメント組成物は、「JIS A 1150(コンクリートのスランプフロー試験方法)」に準じて測定したスランプフロー値が、55cm以上のコンクリートである請求項4に記載のセメント組成物。
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