JP7093189B2 - セメント組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、セメント組成物の製造方法に関する。
石炭灰の性状(物理特性や化学成分)は、原料となる石炭の種類や該石炭の燃焼方式、あるいは得られた石炭灰の捕集方式等によって異なる。
石炭灰の性状は、該石炭灰を含むセメントや、該セメントを用いたモルタル、コンクリート等の品質に大きく影響することが知られている。
高品質で安定した石炭灰を含む混和材として、特許文献1には、真密度が2.1g/cm以上で、かつ圧縮度が30~50%の石炭灰からなる混合材が記載されている。該混和材によれば、該混和材を用いたセメントや、該セメントを用いたモルタル、コンクリート等を高品質でかつ安定したものにすることができる。
特開2006-315896号公報
性状(物理特性や化学成分)が異なる石炭灰を原料として使用しても、同等の品質を有するセメント組成物を得ることができれば、石炭灰の利用促進等の観点から好都合である。
本発明の目的は、性状(物理特性や化学成分)が異なる石炭灰を原料として使用しても、同等の品質を有するセメント組成物を製造することができ、さらには、製造に要する時間を短くすることができるセメント組成物の製造方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ポルトランドセメントクリンカと、二水石膏と、45μm篩残分が10.0質量%を超える石炭灰を、得られるセメント組成物中の石炭灰の45μm篩残分が特定の値となるまで、同時に粉砕すれば、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[5]を提供するものである。
[1] ポルトランドセメントクリンカと、二水石膏と、45μm篩残分が10.0質量%を超える石炭灰を同時に粉砕して、セメント組成物を得る粉砕工程を含むセメント組成物の製造方法であって、上記粉砕工程において、上記セメント組成物中の石炭灰の45μm篩残分が10.0質量%以下となるまで粉砕を行うことを特徴とするセメント組成物の製造方法。
[2] 上記セメント組成物中の石炭灰の含有率が0.5~30質量%である前記[1]に記載のセメント組成物の製造方法。
[3] 粉砕する前の石炭灰の45μm篩残分が15質量%以上である前記[1]又は[2]に記載のセメント組成物の製造方法。
[4] 粉砕する前の石炭灰のブレーン比表面積が4,000cm/g以下である前記[1]~[3]のいずれかに記載のセメント組成物の製造方法。
[5] 上記粉砕工程において、上記ポルトランドセメントクリンカ、上記二水石膏、及び上記45μm篩残分が10.0質量%を超える石炭灰と共に、石灰石及び高炉スラグの少なくともいずれか一方を同時に粉砕する前記[1]~[4]のいずれかに記載のセメント組成物の製造方法。
本発明のセメント組成物の製造方法によれば、原料となる石炭の種類や該石炭の燃焼方式、あるいは得られた石炭灰の捕集方式等が異なる等の理由により、性状(物理特性や化学成分)が異なる石炭灰を原料として使用しても、同等の品質を有するセメント組成物を製造することができる。
また、原料(特に、石炭灰)を、予め粉砕せずに、あるいは、予め粉砕する程度を小さくして、使用できるため、セメント組成物の製造に要する時間を短くすることができる。
本発明のセメント組成物の製造方法は、ポルトランドセメントクリンカと、二水石膏と、45μm篩残分が10.0質量%を超える石炭灰を同時に粉砕して、セメント組成物を得る粉砕工程を含むセメント組成物の製造方法であって、粉砕工程において、セメント組成物中の石炭灰の45μm篩残分が10.0質量%以下となるまで粉砕を行うものである。以下、詳しく説明する。
本発明において、セメント組成物には、粉砕工程において得られたセメント組成物に、ペースト、モルタルまたはコンクリートを調製する目的で配合される、細骨材、粗骨材、水等の材料(粉体以外の材料)は含まれないものとする。
本発明で用いられるポルトランドセメントクリンカとしては、特に限定されるものではなく、例えば、普通ポルトランドセメントクリンカ、早強ポルトランドセメントクリンカ、中庸熱ポルトランドセメントクリンカ、低熱ポルトランドセメントクリンカ、及び耐硫酸塩ポルトランドセメントクリンカ等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、セメント組成物の強度発現性等の観点から、普通ポルトランドセメントクリンカが好ましい。
二水石膏としては、特に限定されるものではなく、セメントの製造において一般的に使用されている二水石膏を使用することができる。また、使用する二水石膏の粒径に関しても、特に限定するものではなく、例えば、50%累積粒径が0.01~5mm(好ましくは0.1~3mm、より好ましくは0.2~2mm、特に好ましくは0.3~1.0mm)のものを使用することができる。なお、本明細書中、50%累積粒径とは、ふるいによる分級を行って得られた50%質量累積粒径を意味する。
本発明で用いられる石炭灰の例としては、フライアッシュ、及びクリンカアッシュ等が挙げられる。中でも、セメント組成物の流動性および強度発現性の観点から、フライアッシュが好ましい。
フライアッシュの例としては、火力発電所等での微粉炭の燃焼によって生じる石炭灰を電気集塵機等で回収したもの、もしくはそれらを分級または粉砕したもの等が挙げられる。
コンクリート用フライアッシュは、その品質(例えば、強熱減量、45μm篩残分、ブレーン比表面積、フロー値等)に応じて、「JIS A 6201:2015(コンクリート用フライアッシュ)」によって、フライアッシュI種、II種、III種、及びIV種に区分されている。このうち、フライアッシュI種は、45μm篩残分が10質量%以下であることから、本発明を適用する必要性に乏しい。
本発明で用いられる石炭灰(他の材料と同時に粉砕される前の状態のもの)の45μm篩残分は、10.0質量%を超えるものであり、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは25質量%以上、特に好ましくは30質量%以上である。上記45μm篩残分が10.0質量%を超えるものであれば、品質に劣る石炭灰(粗い粒子を含む石炭灰)の有効利用を促進することができる。また、原料である石炭灰を、予め粉砕せずにあるいは予め粉砕する程度を小さくして、使用することができるため、製造に要する時間(特に、原料の粉砕に要する時間)を短くすることができる。
また、粉砕工程における粉砕時間を短くする等の観点から、上記45μm篩残分は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは70質量%以下、特に好ましくは60質量%以下である。
本発明で用いられる石炭灰(他の材料と同時に粉砕される前の状態のもの)のブレーン比表面積は、好ましくは4,000cm/g以下、より好ましくは3,800cm/g以下、さらに好ましくは3,500cm/g以下、さらに好ましくは3,000cm/g以下、特に好ましくは2,500cm/g未満である。該比表面積が4,000cm/g以下であれば、品質が劣る石炭灰(粗い粒子を含む石炭灰)の有効活用を図ることができる。また、原料である石炭灰を、予め粉砕せずに、あるいは、予め粉砕する程度を小さくして使用することができるため、セメント組成物の製造に要する時間(特に、原料の粉砕に要する時間)を短くすることができる。
また、粉砕工程における粉砕時間を短くする等の観点から、上記ブレーン比表面積は、好ましくは1,000cm/g以上、より好ましくは1,200cm/g以上、特に好ましくは1,500cm/g以上である。
セメント組成物中の石炭灰の含有率は、好ましくは0.5~30質量%、より好ましくは0.8~25質量%、さらに好ましくは2.0~22質量%、さらに好ましくは3.0~20質量%、特に好ましくは4.0~8.0質量%である。該含有率が0.5質量%以上であれば、石炭灰の有効利用を促進することができる。該含有率が30質量%以下であれば、セメント組成物の流動性や強度発現性をより向上させることができる。
上記セメント組成物は、本発明の目的を阻害しない範囲内で、必要に応じて他の材料(他の粉体材料)を含むことができる。他の粉体材料としては、石灰石粉末、高炉スラグ粉末等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記セメント組成物が他の粉体材料を含む場合、粉砕工程において、他の粉体材料の粉砕前のもの(原料)は、ポルトランドセメントクリンカ、二水石膏、及び、石炭灰と同時に粉砕される。例えば、石灰石(例えば、破砕物)及び高炉スラグ(例えば、クリンカ状のもの、または、その粗粉砕物)の少なくともいずれか一方を、他の材料(ポルトランドセメントクリンカ、二水石膏、石炭灰)と同時に粉砕することによって、石灰石粉末、高炉スラグ粉末、またはこれらの混合物を含むセメント組成物を得ることができる。
セメント組成物中の、他の粉体材料(例えば、石灰石粉末及び高炉スラグ粉末の少なくともいずれか一方)の含有率(二種以上含む場合は合計量)は、セメント組成物の流動性や強度発現性の観点から、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、特に好ましくは5質量%以下である。
粉砕工程において、粉砕は、得られるセメント組成物中の石炭灰の45μm篩残分が10.0質量%以下となるまで行われる。
粉砕手段としては、特に限定されるものではなく、例えば、ボールミル等が挙げられる。
セメント組成物中の石炭灰の45μm篩残分が10.0質量%以下(好ましくは9.8質量%以下、より好ましくは9.5質量%以下、特に好ましくは9.0質量%以下)であれば、原料として使用した石炭灰の性状(物理特性や化学成分)が異なる場合であっても、同等の品質を有するセメント組成物を得ることができ、かつ、セメント組成物の流動性を向上させることができる。
なお、セメント組成物中の石炭灰の45μm篩残分の数値は、「JCAS K-03-2005(エア・ジェット式ふるい装置によるセメントの粉末度試験方法)」に準拠して、目開き45μmの篩を使用することで得られた残分について、「CAJS I-60-1982(普通ポルトランドセメント中の高炉スラグ、シリカ質混合材、フライアッシュ及び石灰石の含有率の推定方法)」に準拠して、上記残分中の石炭灰の比率を測定することで得ることができる。
また、「同等の品質を有するセメント組成物」とは、原料として用いた石炭灰の種類が異なる以外は同じ(換言すると、原料の配合割合や、ポルトランドセメントクリンカの鉱物組成等が同じ)であるセメント組成物の品質(例えば、モルタルフロー値やモルタルの圧縮強さ)が同等であることをいう。
本発明において、「同時に粉砕」とは、粉砕の対象物である複数の原料のすべてが、完全には粉砕されていない状態で混合物として存在する中で、この混合物を粉砕することをいう。
「同時に粉砕」の好ましい実施形態は、粉砕の対象物である複数の原料のすべてを一括で粉砕手段内に供給して、粉砕を行うことである。
従来、コンクリート用石炭灰を構成する粒子は、溶融した灰分が冷却する際に球状化することから、該粒子の表面部分は丸みを帯びた形状である。
一方、本発明の製造方法によって得られたセメント組成物に含まれる石炭灰を構成する粒子は、粉砕されていることから、丸みを帯びた形状ではなく、表面部分が角ばった形状である。
上述の従来のコンクリート用石炭灰は、該石炭灰を構成する粒子の表面部分が丸みを帯びた形状であるため、ボールベアリング効果によって、コンクリートの流動性を向上させると言われている。
この点、本発明の製造方法によって得られたセメント組成物は、該セメント組成物に含まれる石炭灰を構成する粒子の表面部分が角ばった形状であるにもかかわらず、コンクリートの流動性を向上させることができる。
上記セメント組成物中のSOの含有率は、セメント組成物の流動性及び強度発現性等の観点から、好ましくは1.8~3.5質量%、より好ましくは1.9~3.3質量%、特に好ましくは2.0~3.2質量%である。
上記セメント組成物のブレーン比表面積は、好ましくは3,000~3,400cm/g、より好ましくは3,050~3,350cm/g、特に好ましくは3,100~3,300cm/gである。該ブレーン比表面積が3,000cm/g以上であれば、セメント組成物を用いたコンクリート等の強度発現性がより向上する。該ブレーン比表面積が3,400cm/g以下であれば、セメント組成物を用いたコンクリート等の流動性がより向上する。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[使用材料]
(1)普通ポルトランドセメントクリンカA;CS:64.2質量%、CS:13.1質量%、CA:8.7質量%、CAF:9.4質量%、SO量:0.8質量%、50%累積粒径:0.3mm
(2)普通ポルトランドセメントクリンカB;CS:56.9質量%、CS:19.8質量%、CA:9.0質量%、CAF:10.4質量%、SO量:0.3質量%、50%累積粒径:0.4mm
(3)石炭灰A;不溶残分量(insol.):83.1質量%、強熱減量(ig.loss):4.1質量%、45μm篩残分:20.6質量%、ブレーン比表面積:3,730cm/g、圧縮度:50%、「JIS R 6201:2015(コンクリート用フライアッシュ)」に規定されるフライアッシュII種の規定を満たすもの
(4)石炭灰B;不溶残分量(insol.):89.2質量%、強熱減量(ig.loss):1.4質量%、45μm篩残分:38.6質量%、ブレーン比表面積:2,310cm/g、圧縮度:35%、「JIS R 6201:2015(コンクリート用フライアッシュ)」に規定されるフライアッシュIV種の規定を満たすもの
(5)石炭灰C;不溶残分量(insol.):86.0質量%、強熱減量(ig.loss):3.2質量%、45μm篩残分:47.0質量%、ブレーン比表面積:1,700cm/g、圧縮度:26%、「JIS R 6201:2015(コンクリート用フライアッシュ)」に規定されるフライアッシュIV種の規定を満たすもの
(6)二水石膏;排脱二水石膏(住友金属社製)を、最大粒径が1.2mm以下となるように解砕したもの、50%累積粒径:0.6mm
(7)石灰石;50%累積粒径:0.3mm
(8)細骨材;「JIS R 5201:2015(セメントの物理試験方法)」に規定される標準砂
(9)水;水道水
(10)減水剤;ポリカルボン酸系高性能AE減水剤、BASFジャパン社製、商品名「マスターグレニウムSP8N」
(11)消泡剤;非イオン界面活性剤、日華化学社製、商品名「フォームレックス747」
実施例、比較例におけるモルタルフロー値(表1~2中、「フロー値」と示す。)及びモルタルの圧縮強さ(表1~2中、「圧縮強さ」と示す。)の測定方法を以下に示す。
[モルタルフロー値の測定方法]
水とセメント組成物の質量比(水/セメント組成物)が0.3、細骨材とセメント組成物の質量比(細骨材/セメント組成物)が1.4、消泡剤とセメント組成物の質量比(消泡剤/セメント組成物)が0.001、減水剤とセメント組成物の質量比(減水剤/セメント組成物)が0.0065となる量で、各材料(セメント組成物、水、細骨材、消泡剤、減水剤)を混練してモルタルを調製した。混練は、ホバートミキサーを用いて、「JIS R 5201:2015(セメントの物理試験方法)」に準拠(ただし、混練時間は記載されているものよりも2分間長いものとした。)して行った。なお、混練において、減水剤及び消泡剤は水と同時にミキサー内に投入した。
得られたモルタルについて、「JIS A 1171:2016(ポリマーセメントモルタルの試験方法)」に記載されたスランプコーンを用いて、「JIS R 5201:2015(セメントの物理試験方法)」に記載されたフロー試験に準拠して、混練直後のモルタルフロー値を、15回の落下運動を行わないで測定した。
[モルタルの圧縮強さの測定方法]
「JIS R 5201:2015(セメントの物理試験方法)」に準拠して、材齢3日、7日、28日におけるモルタルの圧縮強さを測定した。
[実施例1~27]
表1~2に示す種類の上記使用材料(ポルトランドセメントクリンカ、二水石膏、石炭灰、石灰石)を、ボールミルを用いて同時に粉砕して、セメント組成物を得た。この際、各材料は、一括でボールミル内に供給した。また、粉砕助剤としてジエチレングリコールを全材料の合計量に対して200ppm添加した。
二水石膏の配合量は、得られるセメント組成物中のSOの含有率が2.2質量%となる量とした。また、石炭灰及び石灰石の配合量は、セメント組成物中の石炭灰または石灰石の含有率が表1~2に示す数値となる量とした。
粉砕した時間、セメント組成物のブレーン比表面積、セメント組成物中の石炭灰の45μm篩残分、セメント組成物を用いたモルタルのモルタルフロー値、及びセメント組成物を用いたモルタルの圧縮強さを表1~2に示す。
[実施例28~30]
二水石膏の配合量を、得られるセメント組成物中のSOの含有率が2.6質量%となる量とした以外は、実施例7~9と同様にセメント組成物を得た。
粉砕した時間、セメント組成物のブレーン比表面積、セメント組成物中の石炭灰の45μm篩残分、セメント組成物を用いたモルタルのモルタルフロー値、及びセメント組成物を用いたモルタルの圧縮強さを表2に示す。
[比較例1~3]
後述する参考例1のセメント組成物と、二水石膏(ブレーン比表面積6,500cm/gのもの)と、表2に示す種類の石炭灰を、ミキサーを用いて、粉砕せずに混合し、セメント組成物を得た。
二水石膏の配合量は、得られるセメント組成物中のSOの含有率が2.2質量%となる量とした。また、石炭灰の配合量は、セメント組成物中の石炭灰の含有率が表2に示す数値となる量とした。
得られたセメント組成物のブレーン比表面積等を表2に示す。
[比較例4~6]
セメント組成物中の石炭灰の45μm篩残分が、表2に示す数値となるまで粉砕する以外は、実施例1と同様にしてセメント組成物を得た。
粉砕時間等を表2に示す。
なお、実施例1~30、比較例4~6において、セメント組成物中の石炭灰を構成する粒子を、顕微鏡を用いて観察したところ、粒子の表面部分は角ばった形状を有していた。
[参考例1]
ポルトランドセメントクリンカAと二水石膏を、ボールミルを用いて粉砕して、セメント組成物を得た。
二水石膏の配合量は、得られるセメント組成物中のSOの含有率が2.2質量%となる量とした。
粉砕時間等を表2に示す。
Figure 0007093189000001
Figure 0007093189000002
表1~2から、実施例1~3の組み合わせ、実施例4~6の組み合わせ、実施例7~9の組み合わせ、実施例10~12の組み合わせ、実施例13~15、及び実施例28~30の組み合わせ(石炭灰の種類以外は、同じ条件で製造されたもの)の、各々の組み合わせに関して、組み合わせを構成する実施例同士のモルタルフロー値とモルタルの圧縮強さを比較すると、本発明のセメント組成物の製造方法によれば、品質の異なる石炭灰(A~C)を使用した場合であっても、同等の品質を有するセメント組成物を製造することができることがわかる。
例えば、実施例4~6の組み合わせにおいて、実施例4~6におけるモルタルフロー値は、276~285mmであるのに対して、比較例1~3(同時粉砕を行わない以外は実施例4~6と同じ条件で製造されたもの)におけるモルタルフロー値は、249~264mmであり、比較例1~3は、実施例4~6と比較して石炭灰の種類によってモルタルフロー値がばらついていることがわかる。また、実施例4~6におけるモルタルの圧縮強さ(3日:27.8~28.1N/mm、7日:44.5~44.9N/mm、28日:60.8~61.2N/mm)は、比較例1~3におけるモルタルの圧縮強さ(3日:25.9~27.6N/mm、7日:43.2~44.3N/mm、28日:58.8~60.6N/mm)と比較して、ばらつきが少ないことがわかる。
また、参考例1の粉砕時間(85分間)と比較して、実施例1~30の粉砕時間(60~84分間)は、短くなっていることがわかる。特に実施例4~30(石炭灰の含有率:2.5~20.0質量%)の粉砕時間(60~77分間)は、より短いことがわかる。
さらに、実施例1~30のフロー差(-1~19mm)は、比較例1~6のフロー差(22~44mm)よりも小さいことから、本発明のセメント組成物の製造方法によれば、流動性に優れたセメント組成物を得ることができることがわかる。
なお、フロー差とは、286mm(参考例1におけるセメント組成物のモルタルフロー値)から、実施例のセメント組成物のモルタルフロー値を減算した値である。該フロー差0に近ければ、参考例1のセメント組成物(石炭灰を使用しないもの)と比較して、同程度の流動性を有していることがわかる。

Claims (2)

  1. ポルトランドセメントクリンカと、二水石膏と、45μm篩残分が38.6~60質量%でありかつブレーン比表面積が1,500~3,000cm/gである石炭灰を同時に粉砕して、セメント組成物を得る粉砕工程を含むセメント組成物の製造方法であって、
    上記粉砕工程において、上記セメント組成物に含まれる全石炭灰(100質量%)中の45μm篩残分の割合を測定して、該割合が10.0質量%以下となるまで粉砕を行い、
    上記セメント組成物中上記石炭灰の含有率が0.5~30質量%であり、かつ、上記石炭灰以外の他の粉体材料(ただし、ポルトランドセメントクリンカ粉末及び二水石膏粉末を除く)の含有率が5質量%以下であることを特徴とするセメント組成物の製造方法。
  2. 上記粉砕工程において、上記ポルトランドセメントクリンカ、上記二水石膏、及び上記45μm篩残分が38.6~60質量%でありかつブレーン比表面積が1,500~3,000cm/gである石炭灰と共に、石灰石を同時に粉砕する請求項1に記載のセメント組成物の製造方法。
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