JP2012246189A - セメント組成物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】セメントペースト、モルタル又はコンクリートのフレッシュ性状を維持しつつ、セメントペースト、モルタル又はコンクリートの硬化体の強度発現性を向上させる、セメント組成物の製造方法を提供する。
【解決手段】セメント組成物のSr含有量が0.02〜0.06質量%、Mo含有量が0.0002〜0.0023質量%、且つ、RO含有量が0.3〜0.6質量%となるように、石灰石、硅石、石炭灰、粘土、高炉スラグ、建設発生土、下水汚泥、ハイドロケーキ及び鉄源からなる群より選ばれる原料の原料原単位を調整し、調整した原料を焼成してセメントクリンカーを製造する工程(A)と、セメントクリンカーと石膏とを粉砕する工程(B)を含むことを特徴とするセメント組成物の製造方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、セメント組成物の製造方法に関する。
セメント組成物は、セメント組成物に含まれる成分と水とが反応して水和物を生成し、強度を発現する。一般的には、水和物の生成量が多くなるにつれて、セメントペースト、モルタル又はコンクリートの強度は上昇する。
セメントユーザーからは、コンクリートの流動性や凝結時間を損なわずに、強度発現性に優れたコンクリート等の硬化体を得ることが可能なセメント組成物が求められている。
コンクリートの強度発現性を向上させる方法としては、「セメント粒子の粉末度(ブレーン比表面積)を細かくする」、「セメントクリンカーのエーライト(CS)含有量を増加させる」等の手段が用いられている(例えば非特許文献1)。
社団法人セメント協会、「セメントの常識」「4.セメントの種類と用途」、セメントの常識、p.11−17、2004年発行
しかしながら、非特許文献1のように「セメント粒子の粉末度(ブレーン比表面積)を細かくする」、「セメントクリンカーのCS含有量を増加させる」等のセメント組成物の粉末度や鉱物組成を変える手段によってコンクリート等の硬化体の強度発現性を向上させると、流動性が低下し、更に凝結時間が短縮するという問題がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、セメントペースト、モルタル又はコンクリートの適正なフレッシュ性状(標準軟度水量、凝結時間)を維持しつつ、モルタル又はコンクリート等の硬化体の強度発現性を向上させることが可能なセメント組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意検討した結果、セメントペースト、モルタル又はコンクリートのフレッシュ性状を維持しつつ、モルタル又はコンクリート等の硬化体の強度発現性を向上させるためには、セメント組成物中のストロンチウム(Sr)含有量とモリブデン(Mo)含有量が影響を及ぼすことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、セメント組成物のSr含有量が0.02〜0.06質量%、Mo含有量が0.0002〜0.0023質量%、且つRO含有量が0.3〜0.6質量%となるように、石灰石、硅石、石炭灰、粘土、高炉スラグ、建設発生土、下水汚泥、ハイドロケーキ及び鉄源からなる群より選ばれる原料の原料原単位を調整し、調整した原料を焼成してセメントクリンカーを製造する工程(A)と、セメントクリンカーと石膏とを粉砕する工程(B)を含むことを特徴とするセメント組成物の製造方法に関する。更に本発明は、工程(A)におけるセメントクリンカー原料として、セメントクリンカー1トンあたり石灰石700〜1400kg、硅石20〜150kg、石炭灰0〜300kg、粘土0〜100kg、高炉スラグ0〜100kg、建設発生土10〜150kg、下水汚泥0〜100kg、ハイドロケーキ0〜100kg及び鉄源30〜80kgを配合する、上記セメント組成物の製造方法に関する。
本発明によれば、セメントペースト、モルタル又はコンクリートの適正なフレッシュ性状を維持するために、セメントペーストの標準軟度水量(一定の軟度を得るために必要な水量)及び凝結時間を維持しつつ、モルタル又はコンクリート等の硬化体の強度発現性(例えば材齢28日の強度発現性)を向上させる、セメント組成物の製造方法を提供することができる。
セメント組成物中のSr含有量と、このセメント組成物を用いた材齢28日のモルタル(硬化体)圧縮強さの関係を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
本発明のセメント組成物は、Sr含有量が0.02〜0.06質量%であり、且つMo含有量が0.0002〜0.0023質量%であることを特徴とする。
セメント組成物のSr及びMoは微量成分である。本発明者らは、セメント組成物中のSr含有量及びMo含有量が、セメント組成物を用いたセメントペースト、モルタル又はコンクリートの硬化体の強度発現性に影響を及ぼすことを突き止め、セメント組成物のSr含有量、Mo含有量が適正範囲となるようにすることにより、セメントペースト、モルタル又はコンクリートの適性なフレッシュ性状(標準軟度水量、凝結時間)を維持しつつ、それらの硬化体の強度発現性を向上できることを見出した。
セメント組成物のSr含有量及びMo含有量は、セメント組成物の全体質量に対する含有割合(質量%)である。セメント組成物のSr含有量及びMo含有量は、セメント協会標準試験方法JCAS I−52 2000「ICP発光分光分析及び電機加熱式原子吸光分析方法によるセメント中の微量成分の定量方法」に準じて測定することができる。
セメント組成物のSr含有量は、0.02〜0.06質量%であり、好ましくは0.025〜0.057質量%であり、より好ましくは0.030〜0.055質量%以下であり、更に好ましくは0.035〜0.050質量%であり、特に好ましくは0.038〜0.045質量%である。
セメント組成物のMo含有量は、0.0002〜0.0023質量%であり、好ましくは0.0003〜0.0020質量%以下であり、より好ましくは0.0004〜0.0015質量%であり、更に好ましくは0.0005〜0.0012質量%、特に好ましくは0.0006〜0.0009質量%である。
セメント組成物のSr含有量が0.02質量%未満若しくは0.06質量%を超えると、又はセメント組成物のMo含有量が0.0023質量%を超えると、セメント組成物を用いた、セメントペースト、モルタル又はコンクリートの凝結時間が遅くなり、セメント組成物を用いたセメントペースト、モルタル又はコンクリートの硬化体の適性な強度発現性が維持できない場合がある。
セメント組成物のRO(アルカリ)含有量は、下記式(1)で示される量をいう。
セメント組成物のRO含有量=NaO含有量+0.658×KO含有量 (1)
セメント組成物のRO含有量は、好ましくは0.3〜0.6質量%、より好ましくは0.35〜0.55質量%、更に好ましくは0.37〜0.54質量%であり、特に好ましくは0.38〜0.52質量%である。セメント組成物のRO含有量が、上記範囲内であると、適度な流動性、凝結時間を維持しつつ、セメント組成物を用いたセメントペースト、モルタル又はコンクリートの強度発現性を向上させることができる。セメント組成物のRO含有量は、セメント組成物の全体質量に対する含有割合(質量%)であり、この含有割合は、JIS R 5202:1998「ポルトランドセメントの化学分析方法」に準じて測定することができる。
セメント組成物のMgO含有量は、好ましくは0.7〜1.8質量%、より好ましくは0.7〜1.7質量%、更に好ましくは0.8〜1.6質量%、特に好ましくは0.9〜1.5質量%、極めて好ましくは0.9〜1.4質量%である。セメント組成物中のMgO含有量が、上記範囲内であると、適度な流動性、凝結時間を維持しつつ、セメント組成物を用いたセメントペースト、モルタル又はコンクリートの強度発現性を向上させることができる。セメント組成物のMgO含有量は、セメント組成物の全体質量に対する含有割合(質量%)であり、この含有割合は、JIS R 5202:1998「ポルトランドセメントの化学分析方法」に準じて測定することができる。
セメント組成物のSO含有量は、好ましくは1.6〜2.5質量%、より好ましくは1.6〜2.4質量%、更に好ましくは1.7〜2.35質量%であり、特に好ましくは1.8〜2.35質量%である。セメント組成物中のSO含有量が、上記範囲内であると、適度な流動性、凝結時間を維持しつつ、セメント組成物を用いたセメントペースト、モルタル又はコンクリートの強度発現性を向上させることができる。セメント組成物中のSO含有量は、セメント組成物の全体質量に対する含有割合(質量%)であり、この含有割合は、JIS R 5202:1998「ポルトランドセメントの化学分析方法」に準じて測定することができる。
セメント組成物の鉱物組成は、好ましくはCS含有量が45〜70質量%、CS含有量が5〜25質量%、CA含有量が6〜15質量%及びCAF含有量が7〜15質量%であり、より好ましくはCS含有量が48〜65質量%、CS含有量が7〜25質量%、CA含有量が8〜13質量%及びCAF含有量が8〜12質量%であり、更に好ましくはCS含有量が53〜65質量%、CS含有量が10〜23質量%、CA含有量が9〜12質量%及びCAF含有量が8〜11質量%、特に好ましくはCS含有量が55〜63質量%、CS含有量が11〜20質量%、CA含有量が9〜11質量%及びCAF含有量が8〜10質量%である。セメント組成物の鉱物組成が上記範囲内であると、モルタル及びコンクリートのフレッシュ性状を維持しつつ、強度発現性を容易に維持することができる。
ここで、セメント組成物の鉱物組成であるCS含有量(エーライト)、CS含有量(ビーライト)、CA含有量(アルミネート相)及びCAF含有量(フェライト相)は、下記のボーグ式[1]〜[4]により算出する。
S含有量(質量%)=4.07×CaO含有量(質量%)−7.60×SiO含有量(質量%)−6.72×Al含有量(質量%)−1.43×Fe含有量(質量%)−2.85×SO含有量(質量%) ・・・[1]
S含有量(質量%)=2.87×SiO含有量(質量%)−0.754×CS含有量(質量%) ・・・[2]
A含有量(質量%)=2.65×Al含有量(質量%)−1.69×Fe含有量(質量%) ・・・[3]
AF含有量(質量%)=3.04×Fe含有量(質量%) ・・・[4]
式中の「CaO含有量」、「SiO含有量」、「Al含有量」及び「Fe含有量」は、それぞれ、セメント組成物におけるCaO、SiO、Al及びFeのセメント組成物の全体質量に対する含有割合(質量%)である。これらの含有割合は、JIS R 5202「ポルトランドセメントの化学分析方法」あるいはJIS R 5204「セメントの蛍光X線分析方法」により測定することができる。
本発明のセメント組成物の製造方法は、セメント組成物のSr含有量が0.02〜0.06質量%であり、且つMo含有量が0.0002〜0.0023質量%となるように、石灰石、硅石、石炭灰、粘土、高炉スラグ、建設発生土、下水汚泥、ハイドロケーキ及び鉄源からなる群より選ばれる原料の原料原単位を調整し、調整した原料を焼成してセメントクリンカーを製造する工程(A)と、セメントクリンカーと石膏とを配合して粉砕する工程(B)を含む。
(A)工程におけるセメントクリンカーの原料としては、石灰石、硅石、石炭灰、粘土、高炉スラグ、建設発生土、下水汚泥、ハイドロケーキ及び鉄源等が挙げられる。
石炭灰は、石炭火力発電所等から発生するものであり、シンダアッシュ、フライアッシュ、クリンカアッシュ及びボトムアッシュが挙げられる。建設発生土としては、建設工事の施工に伴い副次的に発生する残土や泥土、廃土等が挙げられる。下水汚泥としては、汚泥単味のほか、これに石灰石を加えて乾粉化したものや、焼却残渣等が挙げられる。ハイドロケーキとしては、海水マグネシアクリンカーを製造する際の、海水に少量の水酸化カルシウムを加え、海水中の炭酸ガスを除去する工程で発生する副産物であり、カルシウム及びマグネシウムそれぞれの水酸化物及び炭酸塩を主成分とするものが挙げられる。鉄源としては、銅からみ、高炉ダスト等が挙げられる。なお、Srをある程度含有する原料であれば、上記の石灰石、硅石、石炭灰、粘土、高炉スラグ、建設発生土、下水汚泥、ハイドロケーキ及び鉄源以外であっても良い。
(A)工程におけるセメントクリンカー原料の原料原単位としては、セメントクリンカー1トン(t)あたり、ドライベース(水分を含まない状態)で、石灰石700〜1400kg、硅石20〜150kg、石炭灰0〜300kg、粘土0〜100kg、高炉スラグ0〜100kg、建設発生土10〜150kg、下水汚泥0〜100kg、ハイドロケーキ0〜100kg及び鉄源30〜80kgを配合することが好ましい。また、工程(A)では、セメントクリンカー原料として、セメントクリンカー1トン(t)あたり、ドライベースで、石灰石800〜1300kg、硅石20〜100kg、石炭灰10〜250kg、粘土0〜80kg、高炉スラグ5〜50kg、建設発生土20〜150kg、下水汚泥0〜70kg、ハイドロケーキ20〜80kg及び鉄源30〜60kgを配合することがより好ましい。石炭灰は、ドライベースで20〜250kgであることが更に好ましい。本明細書において、「原料原単位」とは、セメントクリンカーを1トン製造するにあたり使用される各原料の質量(kg/t−クリンカー)をいう。
(A)工程におけるセメントクリンカー原料の原料原単位を調整する方法としては、各セメントクリンカー原料中のSr含有量及びMo含有量を測定し、Sr又はMoを多く含むセメントクリンカー原料の原料原単位を主に調整して、セメントクリンカー組成物のSr含有量が0.02〜0.06質量%及びMo含有量が0.0002〜0.0023質量%になるように原料原単位を調整する。
また、セメントクリンカー原料の中でも、鉄源の使用量(原料原単位)が、セメント組成物中のMo含有量に与える影響が大きい。鉄源の中でも、銅からみはMo含有量が多く、鉄源として銅からみを使用する場合には、鉄源の原料原単位として好ましい範囲である、セメントクリンカー1トン(t)あたり、30〜80kg/tのうち、銅からみの使用量は、セメントクリンカー1トンあたり、好ましくは5〜70kg/t、より好ましくは5〜60kg/tで、更に好ましくは5〜55kg/t、特に好ましくは5〜50kg/tである。
セメント組成物のMgO含有量を特定範囲にするには、石灰石、硅石、高炉スラグ、石炭灰、建設発生土、高炉ダスト、ハイドロケーキ並びに鉄源として銅からみ及び高炉ダストのMgO含有量に基づき、これらの原料のMgO含有量の合計量が0.7〜1.8質量%になるように各原料の原料原単位を調整する。
セメントクリンカー原料は、各原料中のSr含有量、Mo含有量及びMgO含有量が、以下の範囲のものを使用することが好ましい。なお、各原料中のSr含有量、Mo含有量及びMgO含有量は、各原料全体(100質量%)に対する含有割合(質量%)である。
石灰石としては、Sr含有量が、好ましくは0.005〜0.07質量%、より好ましくは0.005〜0.06質量%、更に好ましくは0.01〜0.06質量%、特に好ましくは0.015〜0.055質量のものを使用する。石灰石としては、Mo含有量が、好ましくは0.002質量%以下、より好ましくは0.001質量%以下、更に好ましくは0.0005質量%以下、特に好ましくは0.0003質量%以下のものを使用する。石灰石としては、MgO有量が、好ましくは0.1〜1.5質量%以下、より好ましくは0.2〜1.3質量%以下、更に好ましくは0.2〜1.1質量%以下、特に好ましくは0.3〜1.0質量%のものを使用する。石灰石としては、RO含有量が、好ましくは0.05質量%以下、より好ましくは0.001〜0.04質量%、更に好ましくは0.005〜0.03質量%、特に好ましくは0.005〜0.02質量%のものを使用する。
硅石としては、Sr含有量が、好ましくは0.001〜0.04質量%、より好ましくは0.001〜0.03質量%、更に好ましくは0.001〜0.025質量%、更に好ましくは0.001〜0.02質量%のものを使用する。硅石としては、Mo含有量が、好ましくは0.002質量%以下、より好ましくは0.001質量%以下、更に好ましくは0.0005質量%以下、特に好ましくは0.0004質量%以下のものを使用する。硅石としては、MgO有量が、好ましくは0.05〜1.0質量%、より好ましくは0.1〜0.8質量%、更に好ましくは0.1〜0.6質量%、特に好ましく0.1〜0.5質量%のものを使用する。珪石としては、RO含有量が、好ましくは0.1〜4.0質量%、より好ましくは0.1〜3.0質量%、更に好ましくは0.3〜2.5質量%、特に好ましくは0.3〜2.0質量%のものを使用する。
石炭灰としては、Sr含有量が、好ましくは0.02〜0.2質量%、より好ましくは0.02〜0.15質量%、更に好ましくは0.02〜0.13質量%、特に好ましくは0.02〜0.12質量%のものを使用する。石炭灰としては、Mo含有量が、好ましくは0.004質量%以下、より好ましくは0.003質量%以下、更に好ましくは0.002質量%以下、特に好ましくは0.0015質量%以下のものを使用する。石炭灰としては、MgO有量が、好ましくは0.2〜3.0質量%、より好ましくは0.4〜3.0質量%、更に好ましくは0.4〜2.5質量%、特に好ましくは0.4〜2.3質量%のものを使用する。石炭灰としては、RO含有量が、好ましくは0.1〜3.5質量%、より好ましくは0.2〜3.0質量%、更に好ましくは0.3〜2.5質量%、特に好ましくは0.5〜2.0質量%のものを使用する。
高炉スラグとしては、Sr含有量が、好ましくは0.02〜0.08質量%、より好ましくは0.02〜0.07質量%、更に好ましくは0.02〜0.06質量%、特に好ましくは0.02〜0.05質量%以下のものを使用する。高炉スラグとしては、Mo含有量が、好ましくは0.002質量%以下、より好ましくは0.001質量%以下、更に好ましくは0.0005質量%以下、特に好ましくは0.0003質量%以下のものを使用する。高炉スラグとしては、MgO有量が、好ましくは3.0〜10質量%、より好ましくは3.0〜8.0質量%、更に好ましくは3.0〜7.0質量%、特に好ましくは4.0〜7.0質量%のものを使用する。高炉スラグとしては、RO含有量が、好ましくは0.02〜1.0質量%、より好ましくは0.04〜0.8質量%、更に好ましくは0.06〜0.6質量%、特に好ましくは0.08〜0.5質量%のものを使用する。
粘土としては、Sr含有量が、好ましくは0.001〜0.03質量%、より好ましくは0.003〜0.025質量%、更に好ましくは0.003〜0.02質量%、特に好ましくは0.004〜0.015質量%以下のものを使用する。粘土としては、Mo含有量が、好ましくは0.002質量%以下、より好ましくは0.001質量%以下、更に好ましくは0.0005質量%以下、特に好ましくは0.0004質量%以下のものを使用する。粘土としては、MgO有量が、好ましくは0.3〜6.0質量%、より好ましくは0.3〜5.0質量%、更に好ましくは0.3〜4.0質量%以下、特に好ましくは0.5〜3.0質量%のものを使用する。粘土としては、RO含有量が、好ましくは0.5〜4.0質量%、より好ましくは0.7〜3.5質量%、更に好ましくは1.0〜3.0質量%、特に好ましくは1.2〜2.8質量%のものを使用する。
建設発生土としては、Sr含有量が、好ましくは0.01〜0.4質量%、より好ましくは0.01〜0.3質量%、更に好ましくは0.01〜0.2質量%、特に好ましくは0.015〜0.1質量%のものを使用する。建設発生土としては、Mo含有量が、好ましくは0.002質量%以下、より好ましくは0.001質量%以下、更に好ましくは0.0005質量%以下、特に好ましくは0.0004質量%以下のものを使用する。建設発生土としては、MgO有量が、好ましくは0.5〜6.0質量%、より好ましくは0.5〜5.0質量%、更に好ましくは1.0〜4.0質量%、特に好ましくは1.0〜3.0質量%のものを使用する。建設発生土としては、RO含有量が、好ましくは0.5〜4.5質量%、より好ましくは0.7〜4.0質量%、更に好ましくは1.0〜3.5質量%、特に好ましくは1.2〜3.0質量%のものを使用する。
下水汚泥としては、Sr含有量が、好ましくは0.001〜0.1質量%、より好ましくは0.001〜0.07質量%、更に好ましくは0.001〜0.05質量%、特に好ましくは0.001〜0.04質量%のものを使用する。下水汚泥としては、Mo含有量が、好ましくは0.002質量%以下、より好ましくは0.0015質量%以下、更に好ましくは0.0012質量%以下、特に好ましくは0.0011質量%以下のものを使用する。下水汚泥としては、MgO有量が、好ましくは0.05〜4.0質量%、より好ましくは0.1〜3.0質量%、更に好ましくは0.1〜2.5質量%、特に好ましくは0.1〜2.0質量%のものを使用する。下水汚泥としては、RO含有量が、好ましくは0.4〜3.5質量%、より好ましくは0.6〜3.0質量%、更に好ましくは0.8〜2.5質量%、特に好ましくは1.0〜2.0質量%のものを使用する。
ハイドロケーキとしては、Sr含有量が、好ましくは0.1〜0.8質量%、より好ましくは0.1〜0.7質量%、更に好ましくは0.1〜0.6質量%、特に好ましくは0.1〜0.5質量%のものを使用する。Mo含有量が、好ましくは0.002質量%以下、より好ましくは0.001質量%以下、更に好ましくは0.0005質量%以下、特に好ましくは0.0003質量%以下のものを使用する。ハイドロケーキとしては、MgO有量が、好ましくは5.0〜30質量%、より好ましくは5.0〜25質量%、更に好ましくは10〜25質量%、特に好ましくは10〜20質量%のものを使用する。ハイドロケーキとしては、RO含有量が、好ましくは0.02〜1.5質量%、より好ましくは0.04〜1.2質量%、更に好ましくは0.06〜1.0質量%、特に好ましくは0.08〜0.8質量%のものを使用する。
鉄源として、銅からみ及び高炉ダストを使用する場合には、これらの原料のSr含有量、Mo含有量及びMgO含有量が、以下の範囲のものを使用することが好ましい。
銅からみとしては、Sr含有量が、好ましくは0.005〜0.05質量%、より好ましくは0.005〜0.04質量%、更に好ましくは0.005〜0.03質量%、特に好ましくは0.005〜0.02質量%のものを使用する。銅からみとしては、Mo含有量が、好ましくは0.0002〜0.8質量%、より好ましくは0.0002〜0.6質量%、更に好ましくは0.0002〜0.4質量%、特に好ましくは0.0002〜0.3質量%のものを使用する。銅からみとしては、MgO有量が、好ましくは0.5〜3.0質量%、より好ましくは0.5〜2.5質量%、更に好ましくは0.6〜2.0質量%、特に好ましくは0.7〜1.5質量%のものを使用する。銅からみとしては、RO含有量が、好ましくは0.04〜2.0質量%、より好ましくは0.06〜1.8質量%、更に好ましくは0.08〜1.6質量%、特に好ましくは1.0〜1.4質量%のものを使用する。
高炉ダストとしては、Sr含有量が、好ましくは0.001〜0.03質量%、より好ましくは0.001〜0.02質量%、更に好ましくは0.001〜0.015質量%、特に好ましくは0.001〜0.01質量%のものを使用する。高炉ダストとしては、Mo含有量が、好ましくは0.004質量%以下、より好ましくは0.003質量%以下、更に好ましくは0.002質量%以下、特に好ましくは0.001質量%以下のものを使用する。高炉ダストとしては、MgO有量が、好ましくは0.1〜3.0質量%、より好ましくは0.15〜2.0質量%、更に好ましくは0.15〜1.5質量%以下、特に好ましくは0.2〜1.5質量%のものを使用する。高炉ダストとしては、RO含有量が、好ましくは0.002〜1.0質量%、より好ましくは0.004〜0.8質量%、更に好ましくは0.006〜0.6質量%、特に好ましくは0.008〜0.4質量%のものを使用する。
セメントクリンカーの製造は、SP方式(多段サイクロン予熱方式)又はNSP方式(仮焼炉を併設した多段サイクロン予熱方式)等の既存のセメント製造設備を用いて製造することができる。
なお、工業スケールの製造においては、例えば、セメントクリンカー焼成時に品質管理用のサンプルを採取し、このサンプルのセメントクリンカーのSr及びMo含有量を測定し、各原料中のSr及びMo含有量に基づいて、各原料の使用比率(原料原単位)を調整し、セメントクリンカー中のSr含有量が0.02〜0.06質量%、且つMo含有量が0.0002〜0.0023質量%となるようにする。セメントクリンカー原料のうち、石炭灰はSr含有量が比較的多く、建設発生土はSr含有量が比較的少ないので、例えばサンプル用に採取したセメントクリンカー中のSr含有量が0.02質量%未満である場合には、石炭灰の原料原単位を増加し、建設発生土の原料原単位を低減する。逆に、サンプル用に採取したセメントクリンカー中のSr含有量が0.06質量%を超える場合は、石炭灰の原料原単位を低減し、建設発生土の原料原単位を増加する。このようにセメントクリンカー原料の原料原単位を調整することによって、セメントクリンカーの鉱物組成を変更せずに、Sr含有量を調整することができる。なお、セメントクリンカー原料として石炭灰を使用しない場合であっても、サンプル用に採取したセメントクリンカー中のSr含有量が0.06質量%を超える場合には、Sr含有量の少ない石灰石を選択的に用いて、セメントクリンカー中のSr含有量を低減することが好ましい。また、例えばサンプル用に採取したセメントクリンカー中のMo含有量が0.0023質量%を超える場合には、セメントクリンカー原料の鉄源のうち、Mo含有量が比較的多い銅からみの原料原単位を低減し、逆に高炉ダストの原料原単位を増加する。このようにセメントクリンカー原料のうち、鉄源となる各原料の原料原単位を調整することによって、セメントクリンカーの鉱物組成を変更せずに、Mo含有量を調整することができる。
セメント組成物のMgO含有量についても同様に、セメントクリンカー焼成時に品質管理用のサンプルを採取し、このサンプルのセメントクリンカー中のMgO含有量を測定して、各原料中のMgO含有量に基づいて、各原料の使用比率(原料原単位)を調整し、セメント組成物のMgO含有量が0.7〜1.8質量%になるようにする。セメントクリンカー原料のうち、高炉スラグ及び/又はハイドロケーキはMgO含有量が比較的多く、石炭灰及び/又は建設発生土はMgO含有量が比較的少ないので、例えばサンプル用に採取したセメントクリンカー中のSr含有量が0.7質量%未満である場合には、高炉スラグ及び/又はハイドロケーキの原料原単位を増加し、石炭灰及び/又は建設発生土の原料原単位を低減する。逆に、サンプル用に採取したセメントクリンカー中のMgO含有量が1.8質量%を超える場合は、高炉スラグ及び/又はハイドロケーキの原料原単位を低減し、石炭灰及び/又は建設発生土の原料原単位を増加する。このようにセメントクリンカー原料の原料原単位を調整することによって、セメントクリンカーの鉱物組成を変更せずに、MgO含有量を調整することができる。
次に、NSP方式の既存のセメント製造設備を用いて、本実施形態に係るセメント組成物に用いるセメントクリンカーの製造方法の一実施態様を説明する。なお、本実施形態に係るセメント組成物の製造方法は、以下の実施形態に限定されるものではない。
セメントクリンカーの各原料の混合方法は、特に限定されないが、例えば原料粉砕ミル等で粉砕混合し、更にはブレンディングサイロで混合することが好ましい。
粉砕混合されたセメントクリンカー原料は、更に既存の設備であるサスペンションプレヒータ及びロータリーキルンを用いて焼成することができる。セメントクリンカーの焼成温度、焼成時間等の焼成条件を変えることによっても、Sr含有量が0.02〜0.06質量%、且つMo含有量が0.0002〜0.0023質量%になるようにしたセメント組成物を製造するためのセメントクリンカーを得ることができる。
セメントクリンカーの焼成温度は、特に限定されないが、NSP方式のセメント製造設備を用いた場合には、ロータリーキルンの出口付近におけるセメントクリンカーの温度が、好ましくは800〜1700℃、より好ましくは900〜1600℃、更に好ましくは1000〜1500℃である。焼成時間は、20分間〜2時間、より好ましくは30分間〜2時間、更に好ましくは45分〜1.5時間である。
焼成後、得られたセメントクリンカーは、ロータリーキルンの下流側に設けられたクリンカークーラーによって、例えば100〜200℃程度まで冷却されることが好ましい。冷却速度は、好ましくは10〜60℃/分であり、より好ましくは15〜45℃/分であり、更に好ましくは15〜30℃/分である。冷却速度が10〜60℃/分の範囲であると、優れた強度発現性を有するモルタルやコンクリートの製造が可能となるセメント組成物を得ることができる。
粉砕工程において、セメント組成物は、Sr含有量が0.02〜0.06質量%、且つMo含有量が0.0002〜0.0023質量%であるセメントクリンカーと石膏とを混合して粉砕することによって製造することができる。石膏は、JIS R 9151「セメント用天然せっこう」に規定される品質を満足することが望ましく、具体的には、二水石膏、半水石膏、不溶性無水石膏が好適に用いられる。
粉砕工程において、Sr含有量が0.02〜0.06質量%、且つMo含有量が0.0002〜0.0023質量%であるセメントクリンカーに対して、セメント組成物中のSO含有量が1.6〜2.5質量%、好ましくは1.7〜2.4質量%、更に好ましくは1.8〜2.4質量%、特に好ましくは1.85〜2.35質量%となるように石膏を配合して粉砕することが好ましい。粉砕方法としては、特に制限されないが、ボールミル等の粉砕機、セパレータ等の分級機を用いる方法が挙げられる。なお、セメントクリンカーと石膏とを含有するセメント組成物では、セメントクリンカーの含有量がセメント組成物の全体質量に対して95〜97質量%であり、且つ石膏の含有量が3〜5質量%であることが好ましい。
粉砕工程において、セメント組成物は、更に混合材を含有してもよい。混合材としては、JIS R 5211「高炉セメント」で規定される高炉スラグ、JIS R 5212「シリカセメント」で規定されるシリカ質混合材、JIS A 6201「コンクリート用フライアッシュ」で規定されるフライアッシュ、石灰石微粉末を利用することができる。混合材の合計含有割合(質量%)は、セメント組成物の全体質量に対して5質量%以下であることが好ましい。混合材の含有割合は、5質量%以下と少ないため、混合材を添加した場合であってもセメント組成物のSr含有量、Mo含有量及びMgO含有量、RO含有量に殆ど影響を及ぼさない。
粉砕工程後のセメント組成物のRO含有量は、好ましくは0.3〜0.6質量%、好ましくは0.3〜0.6質量%、より好ましくは0.35〜0.55質量%、更に好ましくは0.37〜0.54質量%であり、特に好ましくは0.35〜0.52質量%である
。セメント組成物のRO含有量は、セメントクリンカー焼成時に品質管理用のサンプルを採取し、このサンプルのセメントクリンカー中のRO含有量を測定して、セメントクリンカー原料のうち、硅石、石炭灰、粘土、建設発生土や下水汚泥等の原料原単位を調整することによって、セメント組成物のRO含有量を上記範囲にすることができる。
本実施形態に係るセメント組成物のブレーン比表面積は、好ましくは2800〜4000cm/gである。ブレーン比表面積が上記範囲内であると、更に優れた強度発現性を有するモルタルやコンクリートの製造が可能となる。セメント組成物のブレーン比表面積は、より好ましくは3000〜3800cm/gであり、更に好ましくは3000〜3500cm/gである。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜4、比較例1〜7)
[セメントクリンカーの原料]
セメントクリンカー原料としては、石灰石、硅石、石炭灰、粘土、高炉スラグ、建設発生土、下水汚泥、ハイドロケーキ及び鉄源(銅からみ、高炉ダスト)のSr含有量、Mo含有量及びMgO含有量を予め測定し、更に予めセメントクリンカー焼成時に品質管理用のサンプルを採取し、このサンプルのセメントクリンカー中のSr含有量、Mo含有量、MgO含有量及びRO含有量を測定し、各原料中のSr含有量、Mo含有量、MgO含有量及びRO含有量に基づいて、Sr含有量が0.02〜0.06質量%であり、且つMo含有量が0.0002〜0.0023質量%であるセメントクリンカーが得られるように各原料の使用比率(原料原単位)を調整した。また、MgO含有量が0.7〜1.8質量%であるセメントクリンカーが得られるように各原料の使用比率(原料原単位)を調整した。更に、RO含有量が0.3〜0.6質量%であるセメントクリンカーが得られるように各原料の使用比率(原料原単位)を調整した。実施例及び比較例で使用した各原料のSr含有量、Mo含有量及びMgO含有量を表1に記載する。なお、以下に示す化学成分および原料原単位は、ドライベース(水分を含まない状態)の原料原単位である。また、表1中、「<0.00025」は、Mo含有量が0.00025質量%以下であることを示す。
セメント組成物中のSr含有量、Mo含有量、MgO含有量及びRO含有量を特定の範囲にするために、次のようにして、セメントクリンカー原料の使用比率(原料原単位)を調整した。セメントクリンカーのSr含有量は、Sr含有量が0.106質量%と多い石炭灰と、Sr含有量が0.027質量%と少ない建設発生土の使用比率を増減することで調整した。例えば、Sr含有量を低減するには、石炭灰を低減して建設発生土を増加し、セメントクリンカーのSr含有量を確認しながら調整した。また、セメントクリンカーのMo含有量は、Mo含有量が0.266質量%と多い銅からみと、Mo含有量が0.001質量%と少ない高炉ダストの使用比率を増減することで調整した。例えば、Mo含有量を低減するには、銅からみを低減して高炉ダストを増加し、セメントクリンカーのMo含有量を確認しながら調整した。更に、セメントクリンカーのMgO含有量は、MgO含有量が5.12質量%と多い高炉スラグ及びMgO含有量が14.19質量%と多いハイドロケーキの使用比率を増減することで調整した。また、セメント組成物のRO含有量を調整するために、セメントクリンカー原料のうち、RO含有量が比較的多い、硅石、石炭灰、粘土、建設発生土や下水汚泥等の使用比率を増減することで調整した。
Figure 2012246189
原料中のSr含有量、Mo含有量及びMgO含有量は、セメント協会標準試験方法JCAS I−52 2000「ICP発光分光分析及び電気加熱式原子吸光分析によるセメント中の微量成分の定量方法」に準じて測定した。
[セメントクリンカーの原料]
セメントクリンカー原料として使用した各原料の原単位は、石灰石800〜1300kg/t−クリンカー、硅石20〜100kg/t−クリンカー、石炭灰10〜250kg/t−クリンカー、粘土0〜80kg/t−クリンカー、高炉スラグ5〜50kg/t−クリンカー、建設発生土20〜150kg/t−クリンカー、下水汚泥0〜70kg/t−クリンカー、ハイドロケーキ20〜80kg/t−クリンカー及び鉄源30〜60kg/t−クリンカー(銅からみ5〜50kg/t−クリンカー、高炉ダスト25〜55kg/t−クリンカー)であった。
[セメントクリンカーの製造]
上記セメントクリンカー原料を調合し、調合した原料をNSPキルンで最高温度1200〜1500℃で焼成し、セメントクリンカーを製造した。NSPキルン出口付近におけるセメントクリンカーの温度は1000〜1500℃であった。このセメントクリンカーを、ロータリーキルンの下流側に設けられたクリンカークーラーで、1000〜1400℃から100〜200℃まで、10〜60℃/分の冷却速度で冷却した。
得られたセメントクリンカーに二水石膏をセメント組成物中のSO含有量が2質量%となるように配合し、更に混合材(石灰石、高炉スラグ)を石灰石4質量%と高炉スラグ1質量%で添加し、実機ミルでブレーン比表面積が3100〜3400cm/gになるように粉砕し、セメント組成物を得た。
[セメント組成物の化学成分(1)]
得られたセメント組成物中のSiO、Al、Fe、CaO、MgO及びSOについて、全体質量に対する含有割合(質量%)を測定した。これらの含有割合は、JIS R 5202:1998「ポルトランドセメントの化学分析方法」に準じて測定した。また、セメント組成物中のSr及びMo含有量を、セメント協会標準試験方法JCAS I−52 2000「ICP発光分光分析及び電気加熱式原子吸光分析によるセメント中の微量成分の定量方法」に準じて測定した結果を表2に示す。
Figure 2012246189
[セメント組成物の化学成分(2)]
得られたセメント組成物中のNaO、KO及びROについて、全体質量に対する含有割合(質量%)を測定した。これらの含有割合は、JIS R 5202:1998「ポルトランドセメントの化学分析方法」に準じて測定した。結果を表3に示す。
Figure 2012246189
[セメント組成物の鉱物組成]
<セメント組成物の鉱物組成>
得られたセメント組成物の鉱物組成(CS含有量、CS含有量、CA含有量及びCAF含有量)を、ボーグ式[1]〜[4]に基づいて測定した。結果を表4に示す。
Figure 2012246189
[セメント組成物の物性]
<セメント組成物の粉末特性>
セメントの粉末特性(ブレーン比表面積及び45μm残分)について、JIS R 5201:1997「セメントの物理試験方法」に準じて測定した。結果を表5に示す。
<色調b値>
セメント組成物の色調b値は、測色色差計(日本電色製Spectro Color Meter Se2000)用いて測定した結果を表5に示す。
<凝結時間、モルタル圧縮強さ>
凝結時間、モルタル圧縮強さは、得られたセメント組成物を用いて、JIS R 5201:1997「セメントの物理試験方法」に準じて測定した。結果を表5に示す。
<標準軟度水量>
標準軟度水量は、セメントペーストの軟らかさ(軟度)を一定にするために必要な水量のことであり、これが多いほどセメントの流動性が低下する。測定方法は、セメント組成物500gを練り鉢に入れ、水を加えて練り混ぜた後、セメントペーストを容器に投入し、表面を平滑にした後、標準棒を降下させて、30秒後に標準棒の先端と底板との間隔を測定し、この間隔が6±1mm(標準軟度)となる水量を測定し、標準軟度水量とした。
Figure 2012246189
図1に、Mo含有量が0.0023質量%未満(具体的には、Mo有量が0.0007〜0.0022質量%)であり、Sr含有量が0.02〜0.06質量%(具体的には、Sr含有量が0.0262〜0.058質量%)の実施例1〜4のセメント組成物のSr含有量と、このセメント組成物を用いたモルタルの圧縮強度との関係を示す。また、図1に、Mo含有量が0.0023質量%を超えて、Sr含有量が0.02〜0.06質量%の比較例1〜7のセメント組成物のSr含有量と、このセメント組成物を用いたモルタルの圧縮強度との関係を示す。
表5及び図1に示すように、セメント組成物のSr含有量が0.02〜0.06質量%の範囲では、Sr含有量が0.045〜0.05質量%程度をピークにモルタル圧縮強さは上昇する。更に表5及び図1に示す実施例1〜4(図1中の「○」)のようにセメント組成物のMo含有量が0.0002〜0.0023質量%であると、Mo含有量が0.0023質量%を超える比較例1〜7(図1中の「●」)のセメント組成物よりもモルタル圧縮強さは上昇し、強度発現性は向上し、十分なモルタル圧縮強さが確保できる。また、実施例1〜4のセメント組成物は、モルタル圧縮強さが上昇しているにもかかわらず、比較例1〜7のセメント組成物と比較して、標準軟度水量(セメントペーストの一定の軟度を得るために必要な水量)は維持されており流動性には大差なく、凝結時間も大き変化していない。
以上に示す結果から、セメント組成物のSr含有量が0.02〜0.06質量%であり、且つMo含有量が0.0002〜0.0023質量%であると、セメントペースト、モルタル又はコンクリートのフレッシュ性状(標準軟度水量、凝結時間)は維持しつつ、モルタル又はコンクリート等の硬化体の強度発現性を向上することができる。

Claims (4)

  1. セメント組成物のSr含有量が0.02〜0.06質量%、Mo含有量が0.0002〜0.0023質量%、且つRO含有量が0.3〜0.6質量%となるように、石灰石、硅石、石炭灰、粘土、高炉スラグ、建設発生土、下水汚泥、ハイドロケーキ及び鉄源からなる群より選ばれる原料の原料原単位を調整し、調整した原料を焼成してセメントクリンカーを製造する工程(A)と、セメントクリンカーと石膏とを粉砕する工程(B)を含むことを特徴とするセメント組成物の製造方法。
  2. 前記セメント組成物のMgO含有量が0.7〜1.8質量%であり、且つSO含有量が1.6〜2.5質量%である、請求項1記載のセメント組成物の製造方法。
  3. 前記セメント組成物のCS含有量が45〜70質量%、CS含有量が5〜25質量%、CA含有量が6〜15質量%及びCAF含有量が7〜15質量%である、請求項1又は2記載のセメント組成物の製造方法。
  4. 前記工程(A)におけるセメントクリンカー原料として、セメントクリンカー1トンあたり石灰石700〜1400kg、硅石20〜150kg、石炭灰0〜300kg、粘土0〜100kg、高炉スラグ0〜100kg、建設発生土10〜150kg、下水汚泥0〜100kg、ハイドロケーキ0〜100kg及び鉄源30〜80kgを配合する、請求項1〜3のいずれか1項記載セメント組成物の製造方法。
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