JP2009067307A - 自動車用音楽再生システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 自動車のユーザーの性格や生理状態に適合した音楽ソースを、そのユーザーの知らない世界からも選択できるようにし、初めの曲でありながら、何か自分に合っていると感じさせることができ、ひいては未知の曲との出会いに関する感動を大いに盛り上げることができる自動車用音楽再生システムを提供する。
【解決手段】 音楽ソースデータベース201,301にて、再生すべき音楽ソースを、ユーザーの性格、精神状態及び体調状態の少なくともいずれかを含むユーザー状態を反映した適合ユーザー状態データと対応付けた形で蓄積しておき、車内で取得された現在のユーザー状態に対応する音楽ソースを検索する。そして、その検索に際しては、過去の再生実績の低いものほど、その検索の優先度が高く設定する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、自動車用音楽再生システムに関する。
特開2001−306913号公報 特開2002−230316号公報 特開2003−195864号公報 特開2006−282111号公報 特開2006−155157号公報 特開2007−145225号公報 特開2007−099249号公報
また、特許文献1〜3には、車外の情報提供センターから通信により音楽ソースデータをダウンロードし、ハードディスク装置等で構成された車載音楽データベースを充実させる技術が開示されている。特許文献4〜7には、ドライバーの体調や精神状態あるいは性格を特定し、そのドライバーの状態に適合した音楽ソースデータを読み出して再生することにより、運転中のドライバーを楽しませつつ体調や精神状態の安定化を図ることができ、より快適なドライブの実現に貢献する技術が開示されている。
ところで、特許文献1〜3のごとく、新しい音楽ソースをダウンロードして楽しむ場合、どこかで聞いて気に入ったものを曲名で検索するか、あるいは好みの歌手名で検索するなど、知っている情報を手がかりに目指す音楽ソースを自分で探してダウンロードすることになる。この場合、一度以上聞いて知っている音楽は、その人の好み等には適合しているかもしれないが、選曲の意外性というものは全く得ることできず、聴取の結果得られる印象は想定の範囲内であり、大きな感動を期待することは全くできない。他方、歌手名や演奏者、あるいは作曲者等を手がかりに知らない音楽をダウンロードした場合は、たまたま好みに合っていれば感動は大きいが、外れた場合の落胆も同様に大きく、ダウンロード費用が無駄に消えてしまうことも考えればリスクが大きい。
一方、特許文献4〜7に開示されている、ユーザーの精神状態等に応じて選曲を行なう方式にしても、同じ曲を何度か再生してユーザー精神状態との適合性を解析しなければ、的確な選曲を行なうことができない。従って、ユーザーの精神状態等が仮に特定できても、これに適合した音楽ソースとして検索されるのは、ユーザーが既に聞き知っている曲がほとんどということになり、未知の曲との出会いに関する感動は期待するべくもない。
本発明の課題は、自動車のユーザーの性格や生理状態に適合した音楽ソースを、そのユーザーの知らない世界からも選択できるようにし、初めてか、あるいは余り知らない曲でありながら、何か自分に合っていると感じさせることができ、ひいては未知の曲との出会いに関する感動を大いに盛り上げることができる自動車用音楽再生システムを提供することにある。
課題を解決するための手段及び作用・効果
上記の課題を解決するために、本発明の自動車用音楽再生システムは、
自動車内に設置され、選曲された音楽ソースデータに基づいて音楽を再生出力する音楽再生出力手段と、
複数の音楽ソースデータを、個々の音楽ソースデータにより再生される音楽内容に適合する、ユーザーの性格、精神状態及び体調状態の少なくともいずれかを含むユーザー状態を反映した適合ユーザー状態データと対応付けた形で記憶する音楽ソースデータベースと、
個々の音楽ソースデータの再生実績を記録する音楽再生実績記録手段と、
自動車内のユーザーに係る現在のユーザー状態を特定するユーザー状態特定手段と、
音楽再生実績記録手段による再生実績記録を参照することにより、再生実績の低いものほど検索優先度が高くなるよう、特定されたユーザー状態に対応する適合ユーザー状態データが付与された音楽ソースデータを音楽ソースデータベース上にて検索する低実績ソース検索手段と、
検索結果を参照しつつ音楽ソースデータベース上にて再生すべき音楽ソースデータを選曲し、音楽再生出力手段に再生させる低実績ソース再生制御手段と、を備えたことを特徴とする。
上記本発明の自動車用音楽再生システムによると、音楽ソースデータベースにて、再生すべき音楽ソースを、ユーザーの性格、精神状態及び体調状態の少なくともいずれかを含むユーザー状態を反映した適合ユーザー状態データと対応付けた形で蓄積しておき、車内で取得された現在のユーザー状態に対応する音楽ソースを検索する。そして、その検索に際しては、過去の再生実績の低いものほど、その検索の優先度が高く設定される。これにより、現在のユーザー状態に適合しつつも、ユーザーの記憶に余り刷り込まれていない音楽ソースを集中的に検索することが可能となり、その検索結果を元に選曲を行なうことで、初めてか、あるいは余り知らない曲でありながら、何か自分に合っていると感じさせることができ、ひいては未知の曲との出会いに関する感動を大いに盛り上げることができる。
また、本発明の自動車用音楽再生システムには、自動車内のユーザーを特定するユーザー特定手段を設けることができる。そして、音楽再生実績記録手段は、音楽ソースデータの再生実績をユーザー別に記録するものとでき、低実績ソース検索手段は、ユーザー特定手段が特定したユーザーの再生実績記録を参照することにより、当該ユーザーのユーザー状態に対応する音楽ソースデータを、音楽ソースデータベース上にて再生実績の低いものほど検索優先度が高くなるよう検索するものとできる。異なるユーザーが同じ自動車を利用する場合においても、音楽ソースデータの再生実績がユーザー別に記録されるので、ユーザー毎に、そのユーザーの余り知らない音楽ソースがどれであるかを的確に判定でき、上記の本発明の効果を、異なる複数のユーザーに対して同等に発揮することができる。
低実績ソース検索手段は、ユーザーによる再生実績が予め定められた閾回数未満の音楽ソースデータを低実績ソースデータとして音楽ソースデータベース上にて検索するものとすることができる。そして、低実績ソース再生制御手段は、検索された低実績ソースデータの少なくともいずれかを音楽再生出力手段に再生させるものとできる。再生回数が閾値未満の音楽ソースを専ら選択して再生させることにより、新しい音楽との出会いに係る感動を一層新鮮なものとすることができる。特に、低実績ソース検索手段が、低実績ソースデータとして、ユーザーによる再生実績が過去に一度もない音楽ソースデータである未経験コンテンツを音楽ソースデータベース上にて検索するものとされ、 低実績ソース再生制御手段が、検索された再生未実績ソースデータを音楽再生出力手段に再生させるものとされる場合に、上記の効果は最も顕著となる。すなわち、それが自らの状態に適合した音楽であるばかりでなく、そのとき聴くのが初めてという点が決定的に加わり、まさに一期一会の感動を演出することができ、以降、ユーザーを病みつきにさせてしまう可能性も秘めたものとなる。
低実績ソース再生制御手段は、検索された低実績ソースデータを自動再生するものでとして構成することができる。余り知らない音楽ソースに関しては、システム任せで心の準備なく受身に享受することが、急に鳴り始めた初めての音楽に対する感動のインパクトも大きく、より効果的であるといえる。ただし、この場合、後でもう一度聴くときの手がかりが与えられるよう、低実績ソースデータの自動再生に先立って、該自動再生の内容を表示または音声によりユーザーに報知する自動演奏内容報知手段を設けておくことが望ましい。ラジオの音楽放送で、たまたま知らない曲が係る場合でも、ナレーターやDJの演奏紹介が最初にあったほうが、聞き手としても「いい曲なんだけど、なんという曲であろうか」というもやもやした気持にならずに済み、便利であろう。他方、ラジオをつけた時には、もう既に曲が始まっていて、それが気に入ってしまうようなこともある。これと同様に、曲が終わった後で曲名や歌手、演奏者のアナウンスが再度流れれば、「ああ、○○という曲か、また聴こう」とすっきりした気持になることができる。これと同様の効果は、上記とは逆に、低実績ソースデータの自動再生が終了した後で、自動再生の内容を表示または音声によりユーザーに報知することで達成できる。
一方、本発明の実施態様は上記のような自動演奏形態に限定されるものではなく、次のような手動選曲を折衷した方式とすることも可能である。すなわち、低実績ソース検索手段による検索結果を表示出力する低実績ソース検索結果出力手段と、ユーザーが、該低実績ソース検索結果出力手段による出力内容を参照して、再生するべき音楽ソースデータを選択入力するための選択入力手段とを設け、低実績ソース再生制御手段を、選択入力された音楽ソースデータを再生するものとして構成する。ユーザーによっては、知らない音楽を敢えて聴きたくはないような状況も時には存在するのであり、上記のごとく、ユーザーによる選択入力を前提として再生を開始するように構成しておけば、こうした状況にも問題なく対応できる。また、低実績の音楽ソースデータの候補が複数検索された場合には、その絞られた候補のどれを再生に委ねるかを、ユーザー自身の手によって決定することができるので便利である。
音楽ソースデータベースにおいて音楽ソースデータと対応付けられている適合ユーザー状態データは、ユーザーの精神状態及び体調状態の少なくともいずれかを反映したユーザー生理状態データを含むものとすることができる。ユーザー状態特定手段は、自動車内のユーザーの精神状態及び体調状態の少なくともいずれかを反映したユーザー生理状態を検出・監視するユーザー生理状態監視手段をするものとして構成できる。低実績ソース検索手段は、監視中のユーザー生理状態にその都度適合する音楽ソースデータを音楽ソースデータベース上にて検索するものとできる。自動車内の滞在時間が長くなるほど、ユーザーの生理状態(精神状態あるいは体調状態)は、その経過時間とともに変化しやすくなる。上記の構成によると、変化するユーザー生理状態に応じてその都度適合する音楽ソースデータが選択され、ユーザーの満足をより高めることができる。
音楽ソースデータベースにおいて音楽ソースデータと対応付けられている適合ユーザー状態データは、ユーザーの性格を特定する性格特定データを含むものとできる。そして、ユーザー状態特定手段を、自動車内のユーザーの性格特定データを取得する性格特定データ取得手段を有するものとし、低実績ソース検索手段は、取得された性格特定データに対応する音楽ソースデータを音楽ソースデータベース上にて検索するものとできる。この構成によると、ユーザーの性格を分類し、その種別に応じて、例えば当該性格種別のユーザーに適合する音楽ソースデータを個別に定める。他方、自動車側では、現在自動車を使用しているユーザーの性格を特定し、これに対応する音楽ソースデータを選択して提供する。これにより、ユーザーの性格にマッチした選曲を実施することができ、性格の異なるユーザーであっても、それぞれ固有の音楽にて適確に満足させることができる。
また、本発明の自動車用音楽再生システムには、音楽ソースデータに基づき再生された音楽に対するユーザー状態の適合度を評価する適合度評価手段と、該適合度の評価結果に基づいて、音楽ソースデータベースにおいて、当該再生された音楽ソースデータに対応する適合度をフィードバック補正する適合度補正手段とを設けることができる。実際に提供した音楽ソースデータが、そのとき特定されているユーザー状態にどの程度適合しているかを評価し、その評価結果により、該音楽ソースデータに対応する適合度をフィードバック補正することにより、以降、ユーザー状態に応じて選曲を行なう際の選曲内容の妥当性ひいてはユーザーの満足度をより高めることができる。
さらに、本発明の自動車用音楽再生システムには、
音楽ソースデータベース上の任意の音楽ソースデータを手動選曲する手動選曲手段と、
該手動選曲された音楽ソースデータを音楽再生出力手段に再生させる手動選曲再生制御手段と、
音楽再生実績記録手段による再生実績記録を参照することにより、特定されたユーザー状態に対応する音楽ソースデータのうち、一定以上の再生実績を有するものを有実績音楽ソースデータとして音楽ソースデータベース上にて検索する有実績ソース検索手段と、
検索された有実績音楽ソースデータのなかから再生すべき音楽ソースデータを自動選曲し、音楽再生出力手段に再生させる有実績ソース再生制御手段と、
有実績ソース再生制御手段又は手動選曲再生制御手段による通常選曲再生モードと、低実績ソース再生制御手段による特殊選曲再生モードとを、予め定められた期間毎に交互に切り替える選曲再生モード切替手段とを設けることができる。
上記の構成によると、あるユーザーに対して既に再生実績のある有実績音楽ソースデータを再生する通常選曲再生モードと、低実績音楽ソースデータによる特殊選曲再生モードとを交互に実施することで、既に聞いたことのあるお気に入りの曲を普通に楽しみながら、随時、余り聴いたことのない(あるいは初めての)曲を間欠的に再生することで、その感動のインパクトをより高めることができる。特に、通常選曲再生モードの継続期間を特殊選曲再生モードの継続期間よりも長く設定することで、余り聴いたことのない(あるいは初めての)曲の再生頻度が相対的に低くなり、より新鮮な感動が期待できるようになる。
次に、音楽ソースデータベースは、自動車に搭載される自動車側データベースと、複数の自動車からの無線通信アクセスが可能となるように自動車外部に設けられ、自動車側データベースに音楽ソースデータを無線配信するための配信元データベースとを有するものとして構成できる。自動車には、特定されたユーザー状態に対応する音楽ソースデータのうち、自動車側データベースに蓄積されていないものを配信元データベースからダウンロードする新規音楽ソースデータダウンロード手段を設けることができる。これにより、特定されたユーザー状態に適合し、かつ、ユーザーが経験したことのない音楽ソースデータを随時車外から取得でき、感動に結びつく新規音楽ソースデータを効率良く充実させることができる。
以下、本発明の実施の形態を添付の図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態を示す自動車用音楽再生システムの全体構成を示すブロック図である。該自動車用音楽再生システム1の要部をなすのは、それぞれマイクロプロセッサとして構成された主ECU100と、オーディオECU200である。主ECU100には生理情報取得ユニット501が接続されている。各生理情報取得ユニット201は、以下の各センサ類を含む。
・車外用カメラ518:自動車に接近してくるユーザーの姿を撮影する。
・赤外線センサ519:自動車に乗車したユーザーの顔部分からの放射赤外線に基づき、サーモグラフィーを撮影する。体温測定部として機能し、その時間的変化波形を測定することにより、ユーザーの生理状態(体調状態ないし精神状態)を推定することができる。
・着座センサ520:ユーザーが座席に着座したか否かを検出する。図2に示すように、自動車のシートに埋設される近接スイッチ等で構成することができる。
・顔カメラ521:着座したユーザーの顔を撮影する。例えばバックミラー等に取り付けられ、フロントグラス側から運転者を斜め上方から、シートに着座したユーザー(運転者)の顔を含む上半身を撮影する。その画像から顔部分の画像を切り出し、ユーザーの種々の表情を予め撮影して用意されたマスター画像と比較することにより、種々の表情を特定することができる。体調状態ないし精神状態のいずれにおいても、状態が良好な順に表情の序列を決めておき、その序列に従って得点付与することにより(例えば、精神状態の場合、安定を「1」、注意散漫・不安を「2」、興奮・怒りを「3」とするなど)、表情を離散的な数値パラメータとして使用することができ、その時間変化を離散的な波形として測定できるので、当該波形に基づき、生理状態の推定を行なうことも可能である。また、バイオメトリックスによるユーザーの本人認証用にも使用される。さらに、目のアイリスの向きを拡大検出することで、顔や視線の方向を特定することもできる(例えば、やたらに時計の方向を見る場合は、「時間を気にして焦っている」と推定するなど)。また、視線方向の角度の時間的変化波形(真正面を向いているときを基準方向として、その基準方向に対する左右へのぶれ角度を波形変化として検出する)に基づき、運転者の生理状態を推定するのにも使用される。
・マイクロフォン522:ユーザーの声を検出する。
・感圧センサ523:自動車のハンドルやシフトレバーの、ユーザーによる把握位置に取り付けられ、ユーザーの握り力や、握ったり放したりの繰り返し頻度などを検出する。
・血圧センサ524:自動車のハンドルのユーザー把握位置に取り付けられる。血圧センサ524の検出する血圧値はその時間的変化が波形として記録され、その波形に基づいて運転者の生理状態の推定に使用される。
・体温センサ525:自動車のハンドルのユーザー把握位置に取り付けられた温度センサからなる。体温センサ525の検出する体温値はその時間的変化が波形として記録され、その波形に基づいて運転者の生理状態の推定に使用される。
・皮膚抵抗センサ545:発汗等による体表面の抵抗値を測定する周知のセンサであり、自動車のハンドルのユーザー把握位置に取り付けられる。皮膚抵抗センサ545の検出する皮膚抵抗値はその時間的変化が波形として記録され、その波形に基づいて運転者の生理状態の推定に使用される。
・網膜カメラ526:ユーザーの網膜パターンを撮影し、バイオメトリックスによるユーザーの本人認証用に使用される。
・アイリスカメラ527:バックミラー等に取り付けられ、ユーザーのアイリス(虹彩)の画像を撮影し、バイオメトリックスによるユーザーの本人認証用に使用される。アイリスの画像を用いる場合、その模様や色の個人性を利用して照合・認証を行なうこともできる。また、アイリスカメラにより撮影された運転者の瞳孔寸法の時間的変化に基づいて、生理状態の特定を行なうことができる。
・静脈カメラ528:ユーザーの静脈パターンを撮影し、バイオメトリックスによるユーザーの本人認証用に使用される。
オーディオECU200には、多数の音楽ソースデータを格納した音楽ソースデータベース201、その音楽ソースデータに係るユーザー状態別の再生実績を記録した音楽再生実績データベース202(音楽ソースデータベース201とともに自動車側データベースを形成する)、選曲等のための入力部203及び選曲結果や後述の未経験コンテンツ検索結果に係る表示を行なうモニタ204、及び未経験コンテンツの再生に関連した案内情報等を音声出力するための音声データベース205、及び音楽ソースデータに基づくデジタル音楽再生のためのオーディオハードウェア(音楽再生出力手段)206が接続されている。
オーディオハードウェア206はデジタルオーディオ制御部515eを有し、音楽ソースデータベース201から読み出された音楽ソースデータは該オーディオ制御部515eに送られ、そこでデジタル音楽波形データにデコードされ、アナログ変換部515fでアナログ変換された後、プリアンプ515g及びパワーアンプ515hを経て、もてなし用曲演奏制御情報により指定されたボリュームにてスピーカ515jから出力される。
主ECU100とオーディオECU200とは、通信バス199を介して接続されている。また、通信バス199には、車両外のサーバと無線通信するための通信ECU150が接続されている。具体的には、該車両外のサーバはコンテンツ情報提供センタ300の音楽ソースデータサーバであり、契約済みの複数の自動車の自動車用音楽再生システム1に通信ECU150を介して無線通信配信するべき音楽ソースデータのデータベース301と、各自動車の自動車用音楽再生システム1から通信ECU150を介した無線通信によりフィードバック送信されてくる音楽再生実績データを蓄積する音楽再生実績データベース302(音楽ソースデータベース301とともに配信元データベースを形成する)とを有する。
一方、コンテンツ情報提供センタ300は、コンテンツサプライヤ400の音楽ソースデータサーバとの無線通信も可能とされている。このサーバには、コンテンツ情報提供センタ300に新たに有償リリースする音楽ソースデータのデータベース401と、コンテンツ情報提供センタ300を経由して買い上げた種々のユーザーの音楽再生実績データを蓄積する音楽再生実績データベース402とを有する。また、音楽ソースデータの配信や音楽再生実績データの買い上げに伴い発生する課金データを記録する課金データ記憶部403も設けられている。
主ECU100には、ユーザー登録メモリ600が設けられ、自動車の複数のユーザーが予め登録される。このユーザー登録メモリ600には、各ユーザー名(あるいは、ユーザーID)と、その性格種別(図2参照)とが互いに対応付けられた形で登録されている。この性格種別は、ユーザーによる自動車使用継続中に、特定の操作部における操作履歴情報として取得・蓄積し、その蓄積された操作履歴情報に基づいて推定することもできるが、自動車の使用開始直後など、操作履歴情報の蓄積が不十分な場合、あるいは、操作履歴情報を敢えて収集せずに性格種別を推定したい場合は、次のように、性格種別情報又は該性格種別情報を特定するために必要な情報を、ユーザー自身により入力させ、その入力結果に基づいて性格種別を決定することができる。
すなわち、図3のように、図1のモニタ204(主ECU100との情報のやり取りは通信バス199を介して行なう)に性格種別を表示し、ユーザーは自分に適合する性格種別を選んで、入力部203からこれを入力する。ここでは、入力部203はモニタ204に重ねられたタッチパネルであり、表示形成された選択ボタン203Bに触れて選択入力を行なう。なお、性格種別を直接入力させる代わりに、性格種別判定のためのアンケート入力を行なう方式とすることも可能である。この場合、モニタ204にはアンケートの質問事項を表示し、ユーザーは回答選択肢から回答を選ぶ形で答える。全ての質問に回答することで、その回答の組み合わせに応じて予め定められた性格種別群から、1つのものが一義的に決定することができる。なお、ユーザー名を含めたユーザー登録入力も、上記の入力部203からなされ、決定された性格種別とともにユーザー登録メモリ600に記憶される。
図4は、音楽ソースデータベース201の一例を示すもので、曲ID、曲名、及びリリース年等の曲特定データと対応付ける形で音楽ソースデータ(例えば、MPEGの音声ストリームデータ)が記憶されている。また、各音楽ソースデータには、選曲分類データとして、ジャンルコード、曲モードコード、曲に適合するユーザー年齢を示す年齢コード、同じく性別を示す性別コード(「男性」、「女性」及び「性別無関係」)、その音楽を選曲したユーザーについて推定される性格種別(「活動的」、「おとなしい」、「楽観的」、「悲観的」、「頽廃的」、「体育会系」、「知性派」、「ロマンチスト」など)を示す性格種別コード、同じく年齢コード(「幼児」、「子供」、「ジュニア」、「青年」、「壮年」、「中点」、「熟年」、「敬老」、「年齢無関係」など)、及び後述する方法により定義される適合生理状態εが個々に対応付けて記憶されている。この性格種別コードと適合生理状態εとが、適合ユーザー状態データを構成する。また、曲モードコードは、その曲を選曲したユーザーの精神状態や体調と、当該曲との連関を示すデータであり、本実施形態では、「盛り上げ系(のりのり)」、「爽快系」、「温和・癒し系」、「ヒーリング・α波系」等に分類されている。
次に、音楽再生実績データベース202は、図5に示すように、再生日時、ユーザー名、曲ID及び前述の選曲参照データRDが互いに対応付けられた形で、原データ202Aとして記憶される。この原データを用い、図6に示すように、ユーザー別再生実績データ202Bが作成され記憶される。具体的には、選曲参照データRDに含まれる適合ユーザー状態データの内容別に、各ユーザーによる再生実績が集計・記録される。また、個々の音楽ソース別に、後述の方法により評価・付与される、再生された音楽ソースの当該適合ユーザー状態に係る適合度も記憶される。
なお、性格種別コードはユーザー毎にユニークであるが、音楽再生時のユーザーの生理状態は種々変わりうるので、図6では、適合生理状態εの内容別に再生実績が集計されている。ただし、適合生理状態別の集計を行なわず、性格種別毎に一括して再生実績を集計してもよい。
以下、自動車用音楽再生システム1の動作についてフローチャートを用いて説明する。まず、自動車に乗り込んだユーザーを周知の方法により認証し(例えば、ユーザーに個別に配布されるIDカードを用いたID/パスワードによる認証や、顔、指紋、掌、音声、アイリス、網膜等によるバイオメトリックス認証)、ユーザーを特定する。次に、図8のS101にて、ユーザーの性格及び生理状態を特定する。性格については、図2のユーザー登録メモリ600にアクセスすることで特定できる。
次に、生理状態(精神・体調状態)の特定処理であるが、詳細は特許文献4〜7に開示されており、ここでは概略のみを説明する。基本的には、取得した生理状態パラメータの時間的変化を測定し、その変化波形から生理状態を推定する方式を採用する。生理状態パラメータとして「表情」を採用する場合は、図1の顔カメラ521を用い、所定のサンプリング間隔で顔画像を撮影し、マスター画像と順次比較することにより、表情種別(例えば、「安定」、「不安・不快」、「興奮・怒り」)を識別しつつ、その時間的変化を「変化小」、「増」、「微増」あるいは「急増」等として判定する。
生理状態パラメータとして「体温」を採用する場合は、体温センサ525(赤外線センサ519)を用いる。具体的には、一定時間間隔で定められたサンプリングタイミングが到来する毎に検出される体温値をサンプリングし、波形記録するとともに周知の高速フーリエ変換処理を行なって周波数スペクトラムを求め、そのスペクトラムの中心周波数(あるいはピーク周波数)fを演算する。また、波形を一定数の区間に分割し、区間別の体温平均値を演算する。そして、区間毎に、平均体温値を波形中心線として積分振幅を演算し、各区間の積分振幅を平均し、波形振幅の代表値として決定する。決定された周波数fが上限閾値fu0より大きくなっているかどうかを調べ、大きくなっていれば監視中の体温変化が「急」であると判定する。また、周波数fが下限閾値fL0(>fu0)より小さくなっているかどうかを調べ、小さくなっていれば監視中の体温変化が「緩」であると判定する。また、fu0≧f≧fL0ならば、監視中の体温変化は「標準」であると判定する。また、積分振幅A(平均値)の値は閾値A0と比較し、A>A0であれば、監視中の平均体温レベルは「変動」状態にあると判定する。また、A≦A0であれば、監視中の平均体温レベルは「維持(安定)」状態にあると判定する。
生理状態パラメータとして「血圧」を採用する場合は、血圧センサ524により検出される血圧波形の中心周波数(あるいはピーク周波数)fと、区間別の積分振幅A1,A2の平均値Aを演算する。周波数fが上限閾値fu0より大きくなっていれば監視中の血圧変化が「急」であると判定し、下限閾値fL0(>fu0)より小さくなっていれば「緩」であると判定し、fu0≧f≧fL0ならば「標準」であると判定する。また、振幅Aを閾値A0と比較し、A≦A0であれば、監視中の平均血圧レベルは「維持」状態にあると判定し、そうでなければ「変動」状態にあると判定する。血圧検出値の変化が急で変化の方向が「変動」である場合は、精神状態が「集中力散漫」と推定できる。体調不良に関しては、血圧の変動が緩やかとなる。また、血圧は急激に変動する場合は、「興奮(怒り)状態」であることを推定することができる。
生理状態パラメータとして「皮膚抵抗」を採用する場合は皮膚抵抗センサ545を用いる。ここでも同様に皮膚抵抗値をサンプリングし波形記録するとともに、スペクトラムの中心周波数(あるいはピーク周波数)fと区間別積分振幅A1,A2‥を演算する。そして、各区間の積分振幅Aを時間tに対してプロットし、最小二乗回帰して勾配αを求める。周波数fが上限閾値fu0より大きくなっていれば監視中の皮膚抵抗変化が「急」であると判定し、下限閾値fL0(>fu0)より小さくなっていれば「緩」であると判定する。また、fu0≧f≧fL0ならば「標準」であると判定する。さらに、勾配αの絶対値を閾値α0と比較し、|α|≦α0であれば、監視中の平均皮膚抵抗レベルは「一定」状態にあると判定する。また、|α|>α0の場合、αの符号が正であれば監視中の平均皮膚抵抗レベルは「増」状態にあると判定し、負であれば「減」状態にあると判定する。皮膚抵抗検出値の変化が急で変化の方向が「増」である場合は、精神状態が「集中力散漫」と推定できる。体調不良に関しては、軽度のものは皮膚抵抗の時間的変化にそれ程反映されないが、体調不良が進行すると、皮膚抵抗値の変化が緩やかに増加に転ずるので、「重度体調不良」の推定には有効である。また、皮膚抵抗値は急激に減少する場合は、「興奮(怒り)状態」であることを、かなり高精度に推定することができる。
生理状態パラメータとして「姿勢」を採用する場合は、シートに埋設した複数個の着座センサによる姿勢信号を用い、姿勢信号波形の中心周波数(あるいはピーク周波数)fと区間別の積分振幅A1,A2‥の平均値Anと分散Σを演算する。周波数fが上限閾値fu0より大きくなっていれば監視中の姿勢変化速度が「増」であると判定し、下限閾値fL0(>fu0)より小さくなっていれば「減」であると判定する。また、積分振幅Aの平均値Anの値を予め定められた閾値と比較して、姿勢移動量を「変化小」、「微増」および「急増」のいずれかに判定する(平均値Anが大きいほど、姿勢移動量は増加傾向にある)。また、分散Σの値が閾値以上になっている場合は、姿勢移動が増減傾向にあると判定する。姿勢の変化は、基本被特定状態(「体調不良」、「集中力散漫」及び「興奮状態」)の相違に応じて顕著に異なる傾向を示すので、それらを相互識別する上で特に有効なパラメータである。正常であれば、運転中のユーザーは適度に姿勢を保ちながら運転に必要な緊張感を持続される。他方、体調不良が生ずると、辛さを和らげようとして時折姿勢を変える仕草が目立つようになり、姿勢移動量は微増傾向となる。しかし、体調不良がさらに進行すると(あるいは、極度の眠気に襲われた場合)、姿勢が不安定になってぐらつくようになり、姿勢移動は増減傾向となる。このときの姿勢移動は、体のコントロールが利かない不安定なものなので、姿勢移動の速度は大幅に減少する。また、集中力が散漫になっている場合も、姿勢移動はだらしなく増減するが、体のコントロールは利く状態であるから、姿勢移動速度はそれほど減少しない点に違いがある。他方、興奮状態にある場合は、落ち着きがなくなったり、いらいらしたりして姿勢移動は急増し、移動速度も大きくなる。
生理状態パラメータとして「視線角度」を採用する場合は、前述の顔画像中にて瞳孔位置と顔中心位置とを特定するとともに、顔中心位置に対する瞳孔の正面方向からのぶれを演算して視線角度θを求め、その時間的変化波形を取得する。そして、同様に、波形の中心周波数(あるいはピーク周波数)fと、区間別積分振幅A1,A2の平均値An及び分散Σとを演算する。周波数fが上限閾値fu0より大きくなっていれば監視中の視線角度θの変化速度が「増」であると判定し、下限閾値fL0(>fu0)より小さくなってれば「減」であると判定し、fu0≧f≧fL0ならば「正常」であると判定する。また、積分振幅Aの平均値Anの値を予め定められた閾値と比較して、視線角度θの変化量を「変化小」、「微増」および「急増」のいずれかに判定する(平均値Anが大きいほど、視線角度θの変化量は増加傾向にある)。さらには、Aの分散Σの値が閾値以上になっている場合は、視線角度θの変化が増減傾向にある状態、つまり「変調」状態(いわゆる、目がきょろきょろした状態)にあると判定する。視線角度θは、集中力が散漫になった場合に移動量が急増し、また、きょろきょろと変調を来たすようになるので、該集中力散漫と推定する上での有力な決め手となる。また、体調不良が生ずると、その不良の程度に応じて視線移動量が減少するので、体調不良の推定にも有効である。また、興奮状態でも視線移動量は減少するが、体調不良時は、視界に変化が起きた場合に視線がついてゆきにくくなり、移動速度も減少するのに対し、興奮状態では、視界の変化等に鋭敏に反応してこれを睨みつけるなど、時折生ずる視線移動の速度は非常に大きいので、互いに識別することができる。
生理状態パラメータとして「瞳孔径」を採用する場合は、アイリスカメラ527(図1)によりユーザーのアイリスを撮影し、その画像上にて瞳孔径dを決定し、その時間変化波形を取得する。そして、その波形から区間別の瞳孔径平均値dn、区間別の積分振幅A1,A2の平均値An及び分散Σを演算する。瞳孔径平均値dnが閾値d0より大きくなっていれば「瞳孔開」と判定する。また、大きくなっていなければ分散Σが閾値Σ0よりも大きいかどうかを調べ、大きければ「瞳孔径変動」と判定する。また、大きくなければ「正常」と判定する。瞳孔径dは、ユーザーの精神状態に応じて顕著に変化し、特に、特有の瞳孔開状態があるか否かに基づいて、ユーザーが興奮状態にあるか否かを高精度に推定することができる。また、瞳孔径が変動する場合は、集中力散漫であると推定することができる。
生理状態パラメータとして「ステアリング操作状態」を用いる場合は、直線走行時にステアリングのサンプリング及び評価を行なう。具体的には、一定時間間隔で定められたサンプリングタイミングが到来する毎に、操舵角センサの出力により現在の操舵角度φを読み取る(例えば、直進中立状態でφ=0°とし、左右いずれかへの触れ角として定義する(例えば右方向の角度を正、左方向の角度を負とする)。そして、その操舵角度値を波形として取得し、中心周波数(あるいはピーク周波数)fと、区間別の積分振幅A1,A2‥及びその分散Σを演算する。周波数fが上限閾値fu0より大きくなっていれば操舵角度φの変化速度が「増」であると判定し、下限閾値fL0(>fu0)より小さくなっていれば「減」であると判定し、fu0≧f≧fL0ならば「正常」であると判定する。また、積分振幅Aの分散Σが閾値Σ0よりも大きければ操舵誤差が「増」と判定し、大きくなければ「正常」と判定する。操舵誤差の増大を検知することで、運転者が集中力散漫状態や興奮状態にあることを推定できる。他方、重度の体調不良(居眠り状態を含む)が発生した場合も、正常な操舵が妨げられるので、誤差の増大傾向からこれを推定することができる。他方、体調不良や集中力の散漫化は操舵への反応が遅れがちになり、操舵速度の減少からこれを推定することができる。また、興奮状態では、いらいらして急ハンドルを切りがちになるので、操舵速度の増加からこれを推定することができる。
このようにして得られた生理状態パラメータの時間的変化に係る判定結果を用いて、主ECU100により、ユーザーの具体的な生理状態の判定(推定)が行なわれる。具体的には、主ECU100内に、図7に示すように、ユーザーの判定すべき生理状態(精神状態と体調状態との組み合わせ)である複数の被特定状態と、個々の被特定状態が成立していると判定するための、生理情報取得ユニット501の各センサそれぞれ検出しているべき生理状態パラメータの時間的変化状態の組み合わせとを対応付けて記憶した判定テーブル1601が記憶されている。また、この判定テーブル1601には、各生理状態に対応する体調指数PL及び精神状態指数SLの各値も記憶されている(前述の適合生理状態εも、これら指数の組み合わせで特定できる)。
本実施形態では、被特定状態として、「正常」、「集中力散漫」、「体調不良」、「興奮状態」及び「落胆」が定められている。なお、「体調不良」は複数レベル、ここでは「軽度体調不良」と「重度体調不良」との2レベルに分割されている。なお、「集中力散漫」及び「興奮状態」についても、よりきめ細かい生理状態の推定を行なうために、これを複数レベルに分けて定めることが可能である。なお、本実施形態では、上記の基本被特定状態に対し、体調系のものと精神状態系のものとの複合状態についても、生理状態パラメータの時間的変化状態の組み合わせが独自に定められ、これらの複合状態の推定精度向上を図っている。さらに、もてなし動作の不適合や程度の不足あるいは過剰等により、ユーザーがある種の不快感を感じている場合、該ユーザーは軽度体調不良と同様の生理状態を示すことが多く、本実施形態では該「不快感」と「軽度体調不良」とを被特定状態として統合している(もちろん、関与する複数のパラメータ構成の閾値変更等により、両者を分離して特定するようにしてもよい)。
個々の被特定状態に対応する体調指数PL及び精神状態指数SLの値の設定例を、判定テーブル1601内に示している。いずれも、最大値(ここでは「10」)と最小値(ここでは「0」)を有する一定の範囲内の数値として定められているが、「正常」に対応するのは、体調指数については、数値範囲の最大値(ここでは「10」)であり、ここから数値が減少するほど体調が悪いことを示す。他方、精神状態指数SLは、「正常」に対応するのが数値範囲の中間値(つまり、精神的に「安定」もしくは「中庸」であることを示す:ここでは「5」としているが、必ずしも中央値である必要はない)であり、最大値側に振れると「高揚ないし興奮」状態であることを、最小値側に振れると「沈んだ、ないし落胆」状態であることを示す。
この、判定テーブル1601によると、集中力散漫のときは表情の変化が急増し、体調不良や興奮状態の場合も表情の変化は増加する傾向にある。いずれも正常時とは異なる状態であることは識別できるが、個々の精神/体調状態を詳細に識別することは難しい。他方、体温の状態について見れば、集中力散漫のときは特に大きな変化がない(つまり、正常時とほぼおなじ)のに対し、体調不良時は緩やかな変化を示し、興奮状態の場合は非常に急激な変化を呈する。従って、この両者を組み合わせれば、「集中力散漫」、「体調不良」及び「興奮状態」を互いに識別することが可能となる。
基本的には、複数(ここでは、表情と体温の2つ)の生理状態パラメータについて判定テーブル上の被照合情報と照合し、照合一致した組み合わせに対応する被特定状態を現在成立している被特定状態として特定する処理を行なう。すなわち、各生理状態パラメータの時間的変化に係る判定結果(例えば、「急減」や「増加」など)をリードする。各被特定状態が成立していると判定するためには、判定テーブル1601における個々の生理状態パラメータがどのような変化傾向を示していればよいかを表す被照合情報と、上記判定結果とを照合し、被照合情報と判定結果とが一致した被特定状態の照合カウンターをインクリメントする。この場合、例えば、全ての生理状態パラメータについて、被照合情報と判定結果とが一致した被特定状態のみを採用する処理としてもよいが、参照する生理状態パラメータが多い場合は、被照合情報と判定結果とが全ての生理状態パラメータについて一致するのが稀となり、ユーザーの体調状態あるいは精神状態の推定を柔軟に行なうことができなくなる。従って、照合カウンターの得点(N)を「一致度」とみなして、最も得点の高いもの、つまり一致度の最も高いものを、被特定状態として確定させる方法が有効である。
なお、例えば平均血圧レベルが「変動」と判定された場合のように、同じ生理状態パラメータの状態が複数の被特定状態(「集中力散漫」あるいは「興奮状態」)への成立に肯定的に寄与する場合もあるが、この場合は、それら各被特定状態の照合カウンターをインクリメントする。例えば、平均血圧レベルが「変動」と判定された場合は、4つの照合カウンター値N1,N4,N5,N6がインクリメントされる。
他方、被照合情報と判定結果との一致不一致は、既に種々説明したごとく、生理状態パラメータ(周波数あるいは振幅等)の閾値との比較で判断されているものがほとんどであり、上記のように一致/不一致を二値的(つまり、シロかクロか)に決定する際に、実際のパラメータの指示値と閾値との偏差がどの程度であったかは情報として埋没することになる。しかし、実際には、閾値に近接した値で一致/不一致が決定される場合は、いわば「グレー」の判定であり、閾値から隔たった(例えば閾値を大幅にクリアした)形で一致/不一致が決定される場合と比較して、判定結果への寄与の度合いを小さく扱うようにすることが本来的には望ましい。
これを解決する方法としては、被照合情報と判定結果とが完全に一致した場合にのみ照合カウンターへの加算を行なうようにするのに代え、完全一致せずとも、定められた範囲内で近接した結果が得られた場合は、完全一致の場合よりも低い得点に制限しつつ、これを照合カウンターへ加算することが考えられる。例えば、被照合情報が「急増」となっている場合、判定結果も「急増」であれば3点を、「増」の場合は2点を、「微増」の場合は1点を加算する方式を例示できる。
こうして、各座席のユーザーの性格及び生理状態が特定されれば、その情報が主ECU100からオーディオECU200に転送される。そして、S102に進み、オーディオECU200は現在の音楽再生モードが何であるかを特定する。そして、特定された再生モードで選曲・再生処理がなされる(S103,S104)。
すなわち、図6に示すように、音楽再生実績データベース202には、ユーザーによる各音楽ソースデータに係る選曲実績(再生実績)データが適合度の情報とともに、性格及び適合生理状態別に集計・記録されており、上記のごとく特定されたユーザーの性格及び生理状態に対応する選曲実績(再生実績)データを参照する。これにより、どの曲がユーザーにより何回再生されたかを、また、そのユーザーからフィードバックされた適合度がどの程度であるかを直ちに把握することができる。そして、音楽再生モードは、一定期間毎に、ユーザーによる再生実績が予め定められた閾回数未満の音楽ソースデータ、特に、再生実績が過去に一度もない音楽ソースデータである未経験コンテンツから優先的に再生する特殊再生モード(S103)と、一定以上の再生実績を有する有実績音楽ソースデータのみを再生するか、あるいはユーザーが手動選曲した音楽ソースデータ群を順番に再生する通常再生モード(S104)との間で切替えがなされる。期間計測は、図示しないタイマーを用いて周知の手法により実行可能である。そして、図9に示すように、通常再生モードの継続時間(あるいは連続再生曲数)は、特殊再生モードの継続時間(あるいは連続再生曲数)よりも長く設定される。具体的には、特殊再生モードでは、再生実績が閾回数未満の音楽ソースデータを1曲のみか、高々連続3曲程度までを演奏するに留め、通常再生モードではその2〜50倍程度の期間で、有実績音楽ソースデータの連続演奏を実施する。
いずれのモードにおいても、手動選曲する場合を別として、音楽再生実績データベース202上で、当該ユーザーに対する適合度の高い音楽ソースデータから順に選曲処理がなされる。特殊再生モードでは、図6において、まず、選曲実績がゼロ(記号「×」が付与されれているもの)であって、一定以上の適合度(ここでは、適合度を10段階評価しており、数値が大きいほど適合度が良好であることを示す:例えば8以上)を有する未経験コンテンツを検索する。複数の未経験コンテンツが検索されれば、適合度の高い順にこれをソートする。未経験コンテンツが尽きれば、次は、再生実績が閾回数(ここでは2回)以下(記号「△」が付与されているもの)の音楽ソースデータ(以下、低頻度コンテンツともいう)から同様の選曲を行い、適合度の高い順にこれをソートする。ソートの結果は、特殊再生モードリストとして記憶しておくことができる。なお、未経験コンテンツのみを選曲するように処理を行なうことももちろん可能である。
特殊再生モードでは、その特殊再生モードリストから順次選曲され、再生に供される。例えば、特定されたユーザーの性格が「D」であり、また生理状態がεであれば、図4にて、性格種別Dと適合生理状態εが付与された音楽ソースデータを抽出し、図5の音楽再生実績データベース202の原データ202Aを参照して、そのユーザーの選曲実績を曲毎に集計し、図6のユーザー別再生実績データ202Bを作成する。具体的には、適合度が8以上であって選曲実績がゼロ(×)の音楽ソースデータとして、ID2,ID7,ID8(以上、適合度10),ID5,ID10(以上、適合度8)を抽出できる。特に、ID2,ID7,ID8は、ユーザーの性格と、現在の生理状態εに対する適合度が最大値であり、かつ、一度も再生実績のない未経験コンテンツであるから、これを再生実績のある既知曲の連続演奏の合間に随時挿入して演奏することで、図11に示すように、ユーザーは未知の曲に対する新鮮味や感動を高いインパクトを持って体感でき、「是非、また聴こう」と思わせることができる。つまり、よい音楽との出会いは、普通であれば、ある程度無駄の多い聞き手の自発的な聴取活動と引き換えにしか達成できなかったのが、上記の方式であれば、「是非また聴きたい」と思わせるような、そのユーザーにとっての「未知の名曲」の発掘を積極的に支援することが可能となるわけである。
なお、未経験コンテンツが検索されなかった場合は、再生実績のある音楽ソースデータでなるべく過去の再生頻度が低いもの(であって、ユーザー状態との適合度のなるべく高いもの)を検索して出力することもできるし、後述のごとく、自動車外のコンテンツ提供センターから未経験コンテンツを随時ダウンロード取得し、再生することも可能である。
特殊再生モードリスト上での選曲・再生は、リスト上にて上位にあるものから順次自動で行なうことができる。この場合、ユーザーの選曲意思とは全く独立して、システム側で一方的にユーザーの知らない曲を再生することになるので、選択した曲名が「δ」であれば、図14に示すように、再生に先立ってモニタ204上にその旨を表示することができる。また、同様の内容を図1の音声データモジュール205内の音声データを用いて音声出力することができる(オーディオハードウェア206を流用可能である)。この表示や音声出力は、曲が終わった後にも行なうことができるし、表示については曲の再生中に継続させることも可能である。いずれにしても、このようにすることで、初めてでありながらまた聴こうと思わせる曲の曲名(あるいは演奏家など、その他の曲特定情報が含まれていてもよい)等をいち早くユーザーは把握することができ、次回以降の積極聴取を行なう上での手がかりとなる情報をユーザーに適確に伝授できる。
他方、特殊再生モードリスト上の曲を、図10に示すようにモニタ204に一旦表示し、ユーザーにその選曲入力を行なわせるように構成することも可能である。図10では、図6に対応する特殊再生モードリストの曲が一覧表示されており、個々の曲のタイトル表示領域を、タッチパネル203上のソフトボタン203Bとすることで、直接タッチ選曲できるようにされている。
なお、上記の処理では、ユーザーの性格だけでなく、現在の生理状態にも参酌して、対応する適合生理状態が付与された音楽ソースデータのみを絞り込んで検索するようにしている。従って、単にそのユーザーの性格や好みだけでなく、そのときのユーザーの精神状態や体調状態にも適合した音楽が提供されるので、より感動は大きくなるといえる。また、図9のように、最初の特殊再生モードでの生理状態から、次回の特殊再生モードでの生理状態が変化していた場合(例えば、最初が「興奮状態」であったのが、その次は疲れて「注意力散漫」になっていた場合など)も、特殊再生モードリストの選曲内容が変化後の生理状態に対応するものとなるので、その都度、変化する生理状態に常に適合する音楽提供が可能となる。
一方、聴きたい曲の好み等が生理状態に余り関係なく一定している場合は、選曲の幅を広げる意味で、現在の生理状態に応じた検索に絞込みを行なわず、例えば、ユーザーの性格のみでより広い検索を行なうようにすることも可能である。
次に、通常再生モードでは、音楽再生実績データベース202上で、特殊再生モードでの再生対象外となる音楽ソースデータ(未経験コンテンツないし低頻度コンテンツのいずれにも該当しないコンテンツ)のうち、当該ユーザーに対する適合度の高い音楽ソースデータから選曲処理を行なうことができる(この場合、ユーザーの生理状態を特定する必要はなくなり、生理情報取得ユニット501を省略することができる。
こうして音楽が再生されると、ユーザーのその音楽に対する適合度を評価する。適合度の評価は、例えば、演奏の途中でユーザーが別の曲に替えてしまった場合などは、その曲をユーザーが気に入らなかったことの証左でもあり、これを検出して評価を行なうことができる。また、演奏中のユーザーの表情や、演奏開始直前のユーザーの生理状態を、演奏開始後のユーザーの生理状態と比較し、生理状態がニュートラルあるいは適度な興奮状態に導かれたのであれば、「適合(つまり、気に入った)」と評価し、「不快」を示す方向に生理状態が変化したのであれば「不適合(つまり、気に入った)」と評価することができる。この評価は、例えば、精神状態指数(図7)の改善方向への変化代あるいは悪化方向への変化代により定量化でき、図6に示すように、適合度を数値により表わすことが可能である。
一方、適合度を定量化するより簡便な方法は、ユーザーにより評価結果を直接入力してもらう方式である。例えば、図12に示すように、評価項目を段階的に設定し、それぞれ適合度を示す数値を対応付けておく(例えば、「素晴らしい。すぐにでもまた聴きたい」=10、「大変気に入った。後でまた聴きたい」=8、「悪くはない」=6、「ちょっと期待外れ」=4、「つまらない」=2、「もう聴きたくない」=0)。そして、評価項目の選択画面をモニタ204に表示し、ソフトボタン203Bにより選択できるように構成する。この場合、選択された評価項目に対応する適合度数値が入力される。
こうして適合度が評価されると、図6において、対応する音楽ソースデータに既に付与されている適合度の値が、新しい評価に基づく適合度の値によって補正される。補正の方式としては、今回の適合度によって古い適合度を置換(上書き)更新する方法、今回の適合度と古い適合度との加重平均を求め新しい適合度とする方法など、種々採用することができる。
以上説明した実施形態では、ユーザーが乗車する自動車上の音楽ソースデータベース上にて選曲を行なうようになっており、上記の効果を達成するには、当該ユーザーの未経験コンテンツがある程度蓄積されている必要がある。しかし、外部のサーバを未経験コンテンツの配信元データベースとして活用することができれば、自動車上の音楽ソースデータベース201がさほど充実していない場合や、大方の音楽ソースデータが再生済みものばかりになってしまった場合でも、未経験コンテンツを外部サーバから随時ダウンロードして取得でき、ユーザーを感動させることができる。この場合、図1のコンテンツ提供センタ300の音楽ソースデータベース301(配信元データベース)を、そのような未経験コンテンツの配信元データベースして利用できる。該音楽ソースデータベース301のデータ構造は、図4の音楽ソースデータベース201と全く同じである。
注意すべきは、コンテンツ提供センタ300側にてユーザー状態(性格あるいは生理状態)を自動車側から取得すれば、音楽ソースデータベース301にてそのユーザー状態に適合する音楽ソースデータを検索できるが、ユーザーが最終的に欲しているのは、そのユーザーに固有の未経験コンテンツ(つまリ、自動車側の音楽ソースデータベース201には蓄積されていない音楽ソースデータ)である点である。そこで、コンテンツ提供センタ300の音楽ソースデータベース301(配信元データベース)にて、ユーザー状態に適合する音楽ソースデータのうち未経験コンテンツに絞りこんだ検索を、コンテンツ提供センタ側と自動車側とで連携して実施する手段が必要となる。
図13は、この場合の処理の流れを示すフローチャートである。S201、S202及びS204の処理は、図8のS101、S102及びS104の処理と全く同じである。S202で、現在の再生モードが特殊再生モードになっていた場合は、自動車側で特定されている前述のユーザー状態情報(性格コード及び生理状態)をコンテンツ提供センタ300に送信する(S203)。コンテンツ提供センタ300では、このユーザー状態情報に適合する音楽ソースデータを(未経験コンテンツであるか否かとは無関係に)音楽ソースデータベース301上にて検索し、ヒットした音楽ソースデータの特定情報(つまり、図4の曲データ以外の部分)のリストを作成して自動車側に返送する。
自動車側では該リストを受信し(S204)、自動車側の音楽ソースデータベース201に蓄積されていない音楽ソースデータの特定情報を未経験コンテンツとして選別するとともに(S205)、その選別結果をリスト化してコンテンツ提供センタ300に送信する(S206)。コンテンツ提供センタ300では、受け取ったリスト上の特定情報に対応する未経験コンテンツを音楽ソースデータベース301から読み出して、自動車側に返送する。自動車側ではこれを受信し(新規音楽ソースデータダウンロード手段:S207)、再生する(S208)。
なお、受信した未経験コンテンツは音楽ソースデータベース201に追加蓄積してもよいし、受信した未経験コンテンツをストリーミング再生するだけで音楽ソースデータベース201に追加蓄積しないように構成してもよい(例えば、前者を課金、後者を非課金とする)。例えば、コンテンツ提供センタ300から、対象となる未経験コンテンツに係るデモバージョン(例えば、部分バージョン(例えば、プロモーション用の短縮バージョンや、ワンコーラスのみの編集バージョンなど)や、圧縮率の高い低音質バージョンなど)を非課金によりストリーミング配信し、自動車側のユーザーがこれを気に入れば、入力部203から購入入力を行なうことで、購入用の正規バージョンを課金と引き換えにダウンロードできるよう構成することができる。
なお、図13に一点鎖線で示すように、自動車側からユーザー状態情報とともに、自動車側の音楽ソースデータベース201に既に蓄積されている、当該ユーザー状態に適合する音楽ソースデータのリストをコンテンツ提供センタ300に送信するようにしてもよい(S203’)。コンテンツ提供センタ300では、このユーザー状態情報に適合する音楽ソースデータのうち、送られてきたリストにない音楽ソースデータを音楽ソースデータベース301上で検索し、これを未経験コンテンツとして自動車側に返送するよう、構成することもできる(S207)。つまり、未経験コンテンツがコンテンツ提供センタ300側で選別されるので、自動車側では、S205、S206の選別/リスト送信の処理を行なうことなく、未経験コンテンツを直ちにダウンロードすることができる。
本発明に係る自動車用音楽再生システムの電気的構成の一例を示すブロック図。 ユーザー登録部の概念を示す図。 性格入力インターフェースの一例を示す模式図。 音楽ソースデータベースの一例を示す概念図。 音楽再生実績データベースにおける原データの記憶形態の一例を示す図。 音楽再生実績データベースにおけるユーザー別の選曲実績及び適合度の集計結果を示す図。 生理状態の判定テーブルの一例を示す模式図。 図1の自動車用音楽再生システムの動作の第一例の処理流れを示すフローチャート。 未経験コンテンツを再生する特殊再生モード期間を、通常再生モード期間よりも短く設定するシーケンスを示す図。 未経験コンテンツの再生案内・入力画面の一例を示す図。 未経験コンテンツ再生による効果説明図。 未経験コンテンツの適合度評価入力インターフェースの一例を示す図。 図1の自動車用音楽再生システムの動作の第二例の処理流れを示すフローチャート。 本発明の自動車用音楽再生システムの作用説明図。
符号の説明
1 自動車用音楽再生システム
200 オーディオECU(低実績ソース検索手段、低実績ソース再生制御手段、適合ユーザー状態データ補正手段、手動選曲再生制御手段、有実績ソース検索手段、有実績ソース再生制御手段、選曲再生モード切替手段、新規音楽ソースデータダウンロード手段、適合度評価手段、自動車側適合ユーザー状態データ補正手段、適合ユーザー状態データ補正内容アップロード手段)
201,301 音楽ソースデータベース
202 音楽再生実績データベース(音楽再生実績記録手段)
203 入力部(選択入力手段、手動選曲手段)
204 モニタ(自動演奏内容報知手段)
206 オーディオハードウェア(音楽再生出力手段)
501 生理情報取得ユニット(ユーザー状態特定手段)

Claims (12)

  1. 自動車内に設置され、選曲された音楽ソースデータに基づいて音楽を再生出力する音楽再生出力手段と、
    複数の前記音楽ソースデータを、個々の音楽ソースデータにより再生される音楽内容に適合する、ユーザーの性格、精神状態及び体調状態の少なくともいずれかを含むユーザー状態を反映した適合ユーザー状態データと対応付けた形で記憶する音楽ソースデータベースと、
    個々の前記音楽ソースデータの再生実績を記録する音楽再生実績記録手段と、
    前記自動車内の前記ユーザーに係る現在のユーザー状態を特定するユーザー状態特定手段と、
    前記音楽再生実績記録手段による再生実績記録を参照することにより、再生実績の低いものほど検索優先度が高くなるよう、特定されたユーザー状態に対応する適合ユーザー状態データが付与された音楽ソースデータを前記音楽ソースデータベース上にて検索する低実績ソース検索手段と、
    前記検索結果を参照しつつ前記音楽ソースデータベース上にて再生すべき音楽ソースデータを選曲し、前記音楽再生出力手段に再生させる低実績ソース再生制御手段と、
    を備えたことを特徴とする自動車用音楽再生システム。
  2. 前記自動車内のユーザーを特定するユーザー特定手段を備え、
    前記音楽再生実績記録手段は、前記前記音楽ソースデータの再生実績をユーザー別に記録するものであり、
    前記低実績ソース検索手段は、前記ユーザー特定手段が特定したユーザーの再生実績記録を参照することにより、当該ユーザーのユーザー状態に対応する音楽ソースデータを、前記音楽ソースデータベース上にて再生実績の低いものほど検索優先度が高くなるよう検索するものである請求項1記載の自動車用音楽再生システム。
  3. 前記低実績ソース検索手段は、ユーザーによる再生実績が予め定められた閾回数未満の音楽ソースデータを低実績ソースデータとして前記音楽ソースデータベース上にて検索するものであり、
    前記低実績ソース再生制御手段は、検索された低実績ソースデータの少なくともいずれかを前記音楽再生出力手段に再生させるものである請求項1または請求項2に記載の自動車用音楽再生システム。
  4. 前記低実績ソース検索手段は、前記低実績ソースデータとして、ユーザーによる再生実績が過去に一度もない音楽ソースデータである未経験コンテンツを前記音楽ソースデータベース上にて検索するものであり、
    前記低実績ソース再生制御手段は、検索された再生未実績ソースデータを前記音楽再生出力手段に再生させるものである請求項3記載の自動車用音楽再生システム。
  5. 前記低実績ソース再生制御手段は、検索された前記低実績ソースデータを自動再生するものである請求項3または請求項4に記載の自動車用音楽再生システム。
  6. 前記低実績ソースデータの自動再生に先立って、該自動再生の内容を表示または音声により前記ユーザーに報知する自動演奏内容報知手段を備える請求項5記載の自動車用音楽再生システム。
  7. 前記低実績ソース検索手段による検索結果を表示出力する低実績ソース検索結果出力手段と、
    前記ユーザーが、該低実績ソース検索結果出力手段による出力内容を参照して、再生するべき音楽ソースデータを選択入力するための選択入力手段とを備え、
    前記低実績ソース再生制御手段は、選択入力された音楽ソースデータを再生するものである請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の自動車用音楽再生システム。
  8. 前記音楽ソースデータベースにおいて前記音楽ソースデータと対応付けられている前記適合ユーザー状態データは、前記ユーザーの精神状態及び体調状態の少なくともいずれかを反映したユーザー生理状態データを含むものであり、
    前記ユーザー状態特定手段は、前記自動車内の前記ユーザーの精神状態及び体調状態の少なくともいずれかを反映したユーザー生理状態を検出・監視するユーザー生理状態監視手段を有し、
    前記低実績ソース検索手段は、監視中のユーザー生理状態にその都度適合する音楽ソースデータを前記音楽ソースデータベース上にて検索するものである請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の自動車用音楽再生システム。
  9. 前記音楽ソースデータベースにおいて前記音楽ソースデータと対応付けられている前記適合ユーザー状態データは、前記ユーザーの性格を特定する性格特定データを含むものであり、
    前記ユーザー状態特定手段は、前記自動車内の前記ユーザーの性格特定データを取得する性格特定データ手段を有し、
    前記低実績ソース検索手段は、取得された性格特定データに対応する音楽ソースデータを前記音楽ソースデータベース上にて検索するものである請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の自動車用音楽再生システム。
  10. 前記音楽ソースデータに基づき再生された音楽に対する前記ユーザー状態の適合度を評価する適合度評価手段と、
    該適合度の評価結果に基づいて、前記音楽ソースデータベースにおいて、当該再生された音楽ソースデータに対応する適合度をフィードバック補正する適合ユーザー状態データ補正手段とを備える請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の自動車用音楽再生システム。
  11. 前記音楽ソースデータベース上の任意の音楽ソースデータを手動選曲する手動選曲手段と、
    該手動選曲された前記音楽ソースデータを前記音楽再生出力手段に再生させる手動選曲再生制御手段と、
    前記音楽再生実績記録手段による再生実績記録を参照することにより、特定されたユーザー状態に対応する音楽ソースデータのうち、一定以上の再生実績を有するものを有実績音楽ソースデータとして前記音楽ソースデータベース上にて検索する有実績ソース検索手段と、
    検索された前記有実績音楽ソースデータのなかから再生すべき音楽ソースデータを自動選曲し、前記音楽再生出力手段に再生させる有実績ソース再生制御手段とを備え、
    前記有実績ソース再生制御手段又は前記手動選曲再生制御手段による通常選曲再生モードと、前記低実績ソース再生制御手段による特殊選曲再生モードとを、予め定められた期間毎に交互に切り替える選曲再生モード切替手段とを備える請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の自動車用音楽再生システム。
  12. 前記音楽ソースデータベースは、前記自動車に搭載される自動車側データベースと、複数の自動車からの無線通信アクセスが可能となるように自動車外部に設けられ、前記自動車側データベースに前記音楽ソースデータを無線配信するための配信元データベースとを有するものであり、
    前記自動車には、特定された前記ユーザー状態に対応する音楽ソースデータのうち、前記自動車側データベースに蓄積されていないものを前記配信元データベースからダウンロードする新規音楽ソースデータダウンロード手段が設けられている請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の自動車用音楽再生システム。
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