以下に、本願に係る決定装置、決定方法、決定プログラム、端末装置、及び楽曲再生プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る決定装置、決定方法、決定プログラム、端末装置、及び楽曲再生プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
(実施形態)
〔1.決定処理〕
まず、図1を用いて、実施形態に係る決定処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る決定処理の一例を示す図である。なお、本実施形態における決定処理には、決定した楽曲を配信する処理を含む。図1に示す決定装置100は、ユーザによる心理状態の指定に基づいて楽曲を配信する配信サービスを提供する。
図1に示すように、決定システム1は、端末装置10と、決定装置100とが含まれる。端末装置10と、決定装置100とは図示しない所定の通信網を介して、有線または無線により通信可能に接続される。なお、図1に示した決定システム1には、複数台の端末装置10や、複数台の決定装置100が含まれてもよい。
端末装置10は、ユーザによって利用される情報処理装置である。端末装置10は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。図1に示す例においては、端末装置10がタッチパネル機能を有するスマートフォンである場合を示す。なお、以下では、端末装置10をユーザと表記する場合がある。すなわち、以下では、ユーザを端末装置10と読み替えることもできる。
また、端末装置10は、決定装置100による楽曲の配信サービスに関するアプリケーション(以下、「楽曲アプリ」とする場合がある)がインストールされているものとする。例えば、端末装置10は、楽曲アプリを起動することにより、決定装置100による楽曲の配信サービスの提供を受ける。以下に示す図1では、端末装置10を利用するユーザU1は、腕時計型の活動量計であるウェアラブル端末WD1を身に着けている。ウェアラブル端末WD1は、ユーザの種々の生体情報を取得可能である。
また、端末装置10とウェアラブル端末WD1とは、Bluetooth(登録商標)等の所定の無線通信技術により通信可能であり、双方向に情報の送受信が可能であるものとする。なお、ユーザの生体情報を取得するウェアラブル端末は、腕時計型に限らず、所望の生体情報が取得可能であれば、どのような端末であってもよい。例えば、ウェアラブル端末は、イヤホンと一体化した耳掛け型の端末や、眼鏡型の端末や、ユーザが着る服のような形態であってもよい。
決定装置100は、端末装置10に楽曲を配信するサービスを提供する情報処理装置である。また、決定装置100は、端末装置10からユーザの生体情報を取得することにより、ユーザの心理状態の変化を判定する。以下に示す図1では、決定装置100は、ユーザの生体情報としてユーザの心拍に関する情報を取得する場合を例に説明する。なお、ユーザの生体情報は心拍に限らず、取得可能であればどのような生体情報が用いられてもよい。例えば、決定装置100は、ユーザの生体情報として、血圧や発汗量や体温変化や酸素飽和度などの種々の情報を目的に応じて適宜選択し組み合わせてもよい。
図1に示すように、ユーザU1は楽曲アプリのアプリ画面IM10において心理状態の指定を行うことにより、決定装置100へ心理状態の指定に関する情報を送信する(ステップS11)。例えば、ユーザU1は、端末装置10中のアプリ画面IM10において、心理状態メータMT10のあるメモリの位置を指す状態指定バーDE11を上下にスライドさせることにより、心理状態の指定を行う。心理状態メータMT10は、上に行くほど興奮した状態(excited)に対応し、下に行くほどユーザがリラックス状態(relax)に対応する。図1では、状態指定バーDE11は、心理状態メータMT10の最上部を指しており、ユーザが興奮した状態(excited)になりたい、すなわちユーザがテンションを上げたいと希望していることを示す。なお、図1では、端末装置10は、楽曲の配信要求として、心理状態の指定を決定装置100に送信するものとする。以下、興奮した状態(excited)を「興奮状態」とし、落ち着いた状態(relax)を「リラックス状態」とする場合がある。
端末装置10から心理状態の指定を受け付けた決定装置100は、心理状態の指定に関する情報と、端末装置10に過去に配信された楽曲に関する情報とに基づいて、端末装置10に配信する楽曲を決定する。具体的には、決定装置100は、楽曲情報記憶部121に記憶された楽曲から、端末装置10に配信する楽曲を決定する。また、決定装置100は、変化情報記憶部123に記憶されたユーザU1の端末装置10に過去に配信された楽曲に関する情報に基づいて、端末装置10に配信する楽曲を決定する。
図1に示す変化情報記憶部123の項目「心理状態」には、ユーザU1が端末装置10において過去に楽曲M11が再生された際に、心理状態が興奮状態に変化したことを示す情報が記憶されている。具体的には、ユーザU1は、ステップS11において心理状態の指定を行った時点よりも以前の2015年7月15日において楽曲M11が再生された際に、心理状態が興奮状態に変化したことを示す情報が記憶されている。ここでいう心理状態が興奮状態に変化したとは、心理状態が興奮状態の他の状態(例えばリラックス状態)から興奮状態へ変化したことを意味する。なお、心理状態の変化の判定についての詳細は後述する。
そこで、決定装置100は、ユーザU1の心理状態の指定に対応する楽曲M11を端末装置10へ配信する楽曲に決定する。また、決定装置100は、変化情報記憶部123においてユーザU1に対応する楽曲のうち、項目「心理状態」が「excited」である他の楽曲M35等を端末装置10へ配信する楽曲に決定する。図1では、決定装置100は、1回の心理状態の指定の取得に応じて、所定数(例えば、10等)の楽曲を配信するものとする。なお、決定装置100は、心理状態の指定に基づいて決定された楽曲が所定数に満たない場合、ユーザ情報記憶部122に記憶されたユーザU1のユーザ情報に基づいて、残りの楽曲を決定してもよい。また、決定装置100は、心理状態の指定に基づいて決定された楽曲が所定数に満たない場合、決定した楽曲に関連する楽曲を配信する楽曲として決定してもよい。
ステップS12において配信する楽曲を決定した後、決定装置100は、楽曲M11等を端末装置10へ配信する(ステップS13)。なお、ステップS13において、決定装置100は、楽曲のタイトルやアーティスト名等、楽曲アプリが表示する情報も楽曲の音楽データと併せて送信してもよい。
決定装置100から楽曲を受信した端末装置10は、楽曲アプリにより受信した楽曲M11等を再生する(ステップS14)。図1に示す端末装置10中のアプリ画面IM11は、楽曲M11の再生中における端末装置10の画面表示を示す。アプリ画面IM11中のスペクトラムEQ11は、再生中の楽曲M11の周波数スペクトルを示す。また、スペクトラムEQ11を示す円周内には再生中の楽曲に関する画像が表示される。また、アプリ画面IM11中の心拍パルスPL11は、楽曲M11の再生中におけるユーザU1の心拍を示す。例えば、心拍パルスPL11を表示するための情報は、ユーザU1が身に着けているウェアラブル端末WD1から端末装置10が随時取得する。また、アプリ画面IM11には、楽曲のタイトルやアーティスト名が表示される。図1では、アプリ画面IM11には、楽曲のタイトル「タイトルA」やアーティスト名「アーティストX」が表示される。
また、アプリ画面IM11中の戻るボタンPB10は、前に再生された楽曲へ戻るためのボタンである。ユーザU1が戻るボタンPB10にタッチした場合、楽曲アプリは楽曲M11の前に再生した楽曲を再生する。アプリ画面IM11中の進むボタンNB10は、次に再生される楽曲へ進むためのボタンである。ユーザU1が進むボタンNB10にタッチした場合、楽曲アプリは楽曲M11の次に再生する楽曲を再生する。また、アプリ画面IM11中の購入ボタンBT10は、再生中の楽曲を購入するためのボタンである。ユーザU1が購入ボタンBT10にタッチした場合、楽曲アプリは楽曲M11を購入するための画像を表示させたり、楽曲M11を購入するための他のアプリを起動させたりする。
また、端末装置10は、楽曲M11の再生中において、ユーザU1が身に着けているウェアラブル端末WD1から取得したユーザU1の生体情報を、決定装置100へ送信する(ステップS15)。なお、端末装置10は、例えば1時間おきや1日おき等定期的にウェアラブル端末WD1から取得したユーザU1の生体情報を決定装置100へ送信してもよい。端末装置10は、楽曲M11の再生が終了したタイミングや配信した楽曲が全て再生されたタイミング等の所定のタイミングでウェアラブル端末WD1から取得したユーザU1の生体情報を決定装置100へ送信してもよい。また、端末装置10は、ウェアラブル端末WD1から取得したユーザU1の生体情報を、随時決定装置100へ送信してもよい。また、端末装置10が決定装置100へ送信する生体情報は、楽曲再生の開始時から終了時までに取得された複数の心拍に関する情報であってもよい。また、端末装置10が決定装置100へ送信する生体情報は、楽曲の再生開始時の心拍と楽曲の再生終了時の心拍であってもよい。このように、決定装置100は、配信サービスにより楽曲が再生された端末装置10からユーザU1の生体情報を取得することにより、心理状態の変化情報を更新する。なお、心理状態の変化情報の更新についての詳細は後述する。
上述したように、決定装置100は、端末装置10を利用するユーザU1による心理状態の指定に基づいて、端末装置10へ配信する楽曲を決定する。このとき、決定装置100は、ユーザU1の端末装置10に過去に配信された楽曲に関する情報に基づいて、端末装置10に配信する楽曲を決定する。このように、決定装置100は、過去に楽曲が配信された際に、その楽曲がユーザにどのような心理状態の変化を生じさせたかに応じて、配信する楽曲を決定する。これにより、決定装置100は、ユーザの心理状態の指定に応じた楽曲を、配信する楽曲として決定することができる。すなわち、決定装置100は、配信時点におけるユーザの状態に適した楽曲を決定することができる。
決定装置100は、上述のように決定した楽曲を端末装置10へ配信することにより、端末装置10へ適切な楽曲を配信することができる。そのため、決定装置100は、楽曲アプリを利用するユーザの満足度を高めることができ、楽曲アプリの利用を促進させることができる。これにより、決定装置100は、楽曲アプリを利用するユーザ数を増加させることができる。また、決定装置100は、ユーザの状態に適した楽曲を配信することにより、ユーザが購入ボタンBT10にタッチする可能性が高くなるため、ユーザが楽曲を購入する可能性を高めることができる。
〔2.決定装置の構成〕
次に、図2を用いて、実施形態に係る決定装置100の構成について説明する。図2は、実施形態に係る決定装置100の構成例を示す図である。図2に示すように、決定装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、決定装置100は、決定装置100の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークと有線または無線で接続され、端末装置10との間で情報の送受信を行う。
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。実施形態に係る記憶部120は、図2に示すように、楽曲情報記憶部121と、ユーザ情報記憶部122と、変化情報記憶部123とを有する。
(楽曲情報記憶部121)
実施形態に係る楽曲情報記憶部121は、楽曲に関する各種情報を記憶する。図3に、実施形態に係る楽曲情報記憶部121の一例を示す。図3に示す楽曲情報記憶部121は、「楽曲ID」、「タイトル」、「アーティスト」、「ジャンル」、「テンポ」といった項目を有する。
「楽曲ID」は、楽曲を識別するための識別情報を示す。「タイトル」は、対応する楽曲の名称を示す。また、「アーティスト」は、対応する楽曲のアーティスト名を示す。「ジャンル」は、対応する楽曲が分類されるジャンルを示す。「テンポ」は、対応する楽曲拍の長さを示す。なお、図3に示す「テンポ」は、テンポを「テンポA」等の概念的な記号で示した例であり、100bpm(beats per minute)や150bpm等の具体的な数値が記憶されてもよい。
例えば、図3に示す例において、楽曲ID「M11」により識別される楽曲M11は、タイトルが「タイトルA」であり、アーティスト名が「アーティストX」であることを示す。また、楽曲ID「M11」により識別される楽曲M11は、ジャンルが「ロック」であり、テンポが「テンポA」であることを示す。
なお、楽曲情報記憶部121は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、楽曲情報記憶部121は、楽曲IDに対応する音楽データを記憶してもよい。また、例えば、楽曲情報記憶部121は、楽曲が配信された回数や楽曲の配信が開始された日時に関する情報を記憶してもよい。また、例えば、楽曲情報記憶部121は、楽曲の歌詞の文字情報を記憶してもよい。
(ユーザ情報記憶部122)
実施形態に係るユーザ情報記憶部122は、ユーザに関する各種情報を記憶する。図4に、実施形態に係るユーザ情報記憶部122の一例を示す。図4に示すユーザ情報記憶部122は、「ユーザID」、「年齢」、「性別」、「嗜好ジャンル」といった項目が含まれる。
「ユーザID」は、ユーザを識別するための識別情報を示す。例えば、ユーザID「U1」により識別されるユーザは、図1の例に示したユーザに対応する。また、「年齢」は、ユーザIDにより識別されるユーザの年齢を示す。なお、「年齢」は、例えば35歳など、ユーザIDにより識別されるユーザの具体的な年齢であってもよい。また、「性別」は、ユーザIDにより識別されるユーザの性別を示す。また、「嗜好ジャンル」は、ユーザIDにより識別されるユーザが好む音楽ジャンルを示す。なお、「嗜好ジャンル」は、複数登録されてもよい。
例えば、図4に示す例において、ユーザID「U1」により識別されるユーザの年齢は、「30代」であり、性別は、「男性」であることを示す。また、例えば、図4に示す例において、ユーザID「U1」により識別されるユーザは、嗜好ジャンルが「ロック」であることを示す。
なお、ユーザ情報記憶部122は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報、例えば上記以外のデモグラフィック属性情報やサイコグラフィック属性情報等を記憶してもよい。
(変化情報記憶部123)
実施形態に係る変化情報記憶部123は、楽曲による心理変化に関する各種情報を記憶する。例えば、変化情報記憶部123は、楽曲によるユーザの心理状態の変化情報を記憶する。図5に、実施形態に係る変化情報記憶部123の一例を示す。図5に示す変化情報記憶部123は、「ユーザID」、「楽曲ID」、「心理状態」、「再生日」、「再生前心拍」、「再生後心拍」といった項目を有する。
「ユーザID」は、ユーザを識別するための識別情報を示す。「楽曲ID」は、楽曲を識別するための識別情報を示す。「心理状態」は、ユーザが楽曲の再生により心理状態がどのように変化したかを示す。また、「再生日」は、対応する楽曲の再生日を示す。例えば、「再生日」は、対応する楽曲の最新の再生日を示す。また、「再生前心拍」は、対応する楽曲の再生開始時点におけるユーザの心拍を示す。また、「再生後心拍」は、対応する楽曲の再生終了時点におけるユーザの心拍を示す。
例えば、図5に示す例において、ユーザID「U1」により識別されるユーザは、楽曲ID「M11」により識別される楽曲M11の再生により、心拍が再生前心拍「70bpm」から再生後心拍「90bpm」へ変化したことを示す。この場合、ユーザID「U1」により識別されるユーザは、楽曲ID「M11」により識別される楽曲M11の再生により、心拍が上昇、すなわち興奮状態へ変化したことを示す。そのため、ユーザID「U1」により識別されるユーザは、楽曲ID「M11」により識別される楽曲M11の再生により、心理状態が「excited」に変化したことを示す。また、ユーザID「U1」により識別されるユーザは、楽曲ID「M11」により識別される楽曲M11の再生日は、「2015年7月15日」であることを示す。なお、図5に示す例においては、再生日は、年月日までを図示したが、再生された時分秒までを含めた日時を記憶してもよい。
なお、変化情報記憶部123は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。図5に示す例においては、変化情報記憶部123は、対応する楽曲による心理状態の変化、楽曲の最新の再生日、再生前心拍、及び再生後心拍を記憶する場合を示した。例えば、変化情報記憶部123は、楽曲IDにより識別される楽曲が再生された過去の複数回の情報を記憶してもよい。これにより、楽曲の再生により、ユーザの心理状態の変化がどのように遷移していったかを判定することができるため、各ユーザにとって最適な楽曲の配信タイミングを判定することが可能となる。
(制御部130)
図2の説明に戻って、制御部130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、決定装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(決定プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
図2に示すように、制御部130は、取得部131と、決定部132と、判定部133と、配信部134とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図2に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、図2に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
(取得部131)
取得部131は、端末装置10に過去に配信された楽曲に関する情報を取得する。例えば、取得部131は、変化情報記憶部123から端末装置10に過去に配信された楽曲に関する情報を取得する。また、取得部131は、端末装置10を利用するユーザによる心理状態の指定に関する情報を取得する。
また、取得部131は、配信部134により配信された楽曲の再生に応じたユーザの生体情報を取得する。例えば、取得部131は、ユーザの生体情報として、ユーザの心拍に関する情報を取得する。取得部131は、配信部134により配信された楽曲の再生に応じたユーザの生体情報を取得する。例えば、取得部131は、ウェアラブル端末WD1から端末装置10が取得したユーザU1の生体情報を端末装置10から取得する。また、取得部131は、取得したユーザの生体情報を変化情報記憶部123に格納してもよい。
取得部131は、配信部134により配信された楽曲の再生によるユーザの生体情報の変化に関する情報を取得する。例えば、取得部131は、変化情報記憶部123から楽曲の再生によるユーザの生体情報の変化に関する情報を取得する。取得部131は、変化情報記憶部123から楽曲の再生前心拍及び再生後心拍を取得する。
取得部131は、ユーザの位置情報を取得してもよい。この場合、決定部132は、取得部131により取得されたユーザの位置情報に基づいて、端末装置10に配信する楽曲を決定してもよい。例えば、決定部132は、ユーザの位置が所定の閾値以上の速度で幹線道路上を移動している場合、ユーザが車に乗って移動中であるとして、例えばユーザが運転中に適した楽曲を配信してもよい。また、決定部132は、ユーザの位置が所定の閾値未満の速度で移動している場合、ユーザがランニング中であるとして、例えばユーザが運動中に適した楽曲を配信してもよい。
また、取得部131は、外部の情報処理装置から楽曲に関する情報を取得してもよい。例えば、取得部131は、音楽配信サービスを行う所定の情報処理装置から楽曲の音楽データや楽曲のタイトル等の情報を取得してもよい。この場合、取得部131は、外部の情報処理装置から取得した楽曲に関する情報を楽曲情報記憶部121に格納してもよい。また、取得部131は、外部の情報処理装置からユーザに関する情報を取得してもよい。例えば、取得部131は、ユーザが利用する端末装置10からユーザに関する情報を取得してもよい。この場合、取得部131は、外部の情報処理装置から取得したユーザに関する情報をユーザ情報記憶部122に格納してもよい。
(決定部132)
決定部132は、取得部131により取得された楽曲に関する情報と、心理状態の指定に関する情報とに基づいて、端末装置10に配信する楽曲を決定する。また、決定部132は、取得部131により取得されたユーザの生体情報に基づいて、端末装置10に配信する楽曲を決定する。例えば、決定部132は、取得部131により取得されたユーザの心拍に関する情報に基づいて、端末装置10に配信する楽曲を決定する。
また、決定部132は、取得部131により取得されたユーザの生体情報の変化に関する情報に基づいて、端末装置10に配信する楽曲を決定する。決定部132は、ユーザの生体情報の変化に関する情報から推定される楽曲によるユーザの心理状態の変化に関する情報に基づいて、端末装置10に配信する楽曲を決定する。
例えば、決定部132は、ユーザが心理状態として「興奮状態」を指定した場合、変化情報記憶部123においてユーザに対応する楽曲のうち、項目「心理状態」が「excited」である楽曲を端末装置10へ配信する楽曲に決定する。また、決定部132は、心理状態の指定に基づいて決定された楽曲が所定数に満たない場合、ユーザ情報記憶部122に記憶されたユーザU1のユーザ情報に基づいて、残りの楽曲を決定してもよい。また、決定部132は、心理状態の指定に基づいて決定された楽曲が所定数に満たない場合、決定した楽曲に関連する楽曲を配信する楽曲として決定してもよい。
また、決定部132は、楽曲の配信時間に基づいて、端末装置10に配信する楽曲を決定してもよい。例えば、決定部132は、楽曲の配信時間が深夜である場合、例えば心拍を低下させるようなユーザが深夜に聴くのに適した楽曲を、端末装置10に配信する楽曲として決定してもよい。
(判定部133)
判定部133は、取得部131により取得されたユーザの生体情報により、ユーザの心理状態の変化を判定する。例えば、判定部133は、取得部131により取得されたユーザの心拍に関する情報により、ユーザの心理状態の変化を判定する。例えば、判定部133は、楽曲の再生開始時点の心拍数と再生終了時点の心拍数との差に応じて、ユーザの心理状態の変化を判定する。例えば、判定部133は、再生終了時点の心拍数から楽曲の再生開始時点の心拍数を減算することにより算出される心拍変化の値(以下、「Δpulse」とする場合がある)が、所定の上限値(以下、「第1閾値」とする場合がある)以上である場合、その楽曲の再生によりユーザの心理状態が「興奮状態」へ変化したと判定してもよい。また、例えば、判定部133は、心拍変化の値であるΔpulseが、所定の下限値(例えば所定のマイナス値。以下、「第2閾値」とする場合がある)未満である場合、その楽曲の再生によりユーザの心理状態が「リラックス状態」へ変化したと判定してもよい。また、判定部133は、Δpulseが、第1閾値未満かつ第2閾値以上である場合、その楽曲の再生によりユーザの心理状態の変化がなかったことを示す「平穏状態」であると判定してもよい。
例えば、図5に示す例において、ユーザU1は、楽曲M11の再生により、心拍が再生前の70bpmから再生後の90bpmへ変化しており、楽曲M11の再生により心拍が20bpm上昇している。この場合、判定部133は、ユーザU1が楽曲M11の再生により、心拍が上昇、すなわち興奮状態へ変化したと判定する。そして、判定部133は、ユーザU1が楽曲M11の再生により、心理状態が「excited」に変化したことを示す情報を変化情報記憶部123に記憶する。なお、判定部133による上記の判定は一例であり、判定部133は、目的に応じて種々の情報を用いてユーザの心理状態の変化を判定してもよい。
(配信部134)
配信部134は、決定部132により決定された楽曲を端末装置10に配信する。例えば、配信部134は、決定部132により決定された楽曲の音楽データを端末装置10に配信する。また、配信部134は、楽曲のタイトルやアーティスト名等、楽曲アプリが表示する情報も楽曲の音楽データと併せて送信してもよい。
〔3.端末装置の構成〕
次に、図6を用いて、実施形態に係る端末装置10の構成について説明する。図6は、実施形態に係る端末装置10の構成例を示す図である。図6に示すように、端末装置10は、通信部11と、記憶部12と、入力部13と、音声出力部14と、出力部15と、制御部16とを有する。
(通信部11)
通信部11は、例えば、通信回路等によって実現される。そして、通信部11は、図示しない所定の通信網と有線または無線で接続され、決定装置100との間で情報の送受信を行う。
(記憶部12)
記憶部12は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部12は、例えば、端末装置10にインストールされているアプリケーションに関する情報、例えばプログラム等を記憶する。
(入力部13)
入力部13は、ユーザからの各種操作を受け付ける。例えば、入力部13は、タッチパネル機能により表示面(例えば表示部164)を介してユーザからの各種操作を受け付けてもよい。また、入力部13は、端末装置10に設けられたボタンや、端末装置10に接続されたキーボードやマウスからの各種操作を受け付けてもよい。
(音声出力部14)
音声出力部14は、例えばスピーカ等によって実現される端末装置10における音声を出力するための構成であり、各種情報を音声として出力するための出力装置である。
(出力部15)
出力部15は、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって実現されるタブレット端末等の表示画面であり、各種情報を表示するための表示装置である。
(制御部16)
制御部16は、例えば、CPUやMPU等によって、端末装置10内部の記憶部12などの記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。例えば、この各種プログラムは、インストールされているアプリケーションのプログラムが含まれる。また、制御部16は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
図6に示すように、制御部16は、送信部161と、受信部162と、再生部163と、表示部164とを有し、以下に説明する決定処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部16の内部構成は、図6に示した構成に限られず、後述する決定処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部16が有する各処理部の接続関係は、図6に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
送信部161は、各種情報を外部の情報処理装置へ送信する。送信部161は、入力部13により受け付けたユーザ操作に従って、決定装置100へ配信要求を送信する。例えば、送信部161は、端末装置10を利用するユーザによる心理状態の指定に関する情報を配信要求として決定装置100へ送信する。
また、送信部161は、楽曲の再生中において、ユーザが身に着けているウェアラブル端末から取得したユーザの生体情報を、決定装置100へ送信する。例えば、送信部161は、1時間おきや1日おき等定期的にユーザの生体情報を決定装置100へ送信してもよい。また、送信部161は、楽曲の再生が終了したタイミングや配信した楽曲が全て再生されたタイミング等の所定のタイミングでユーザの生体情報を決定装置100へ送信してもよい。また、送信部161は、ウェアラブル端末から取得したユーザU1の生体情報を、随時決定装置100へ送信してもよい。また、送信部161が決定装置100へ送信する生体情報は、楽曲再生の開始時から終了時までに取得された複数の心拍に関する情報であってもよい。また、送信部161が決定装置100へ送信する生体情報は、楽曲の再生開始時の心拍と楽曲の再生終了時の心拍であってもよい。
受信部162は、各種情報を外部の情報処理装置から受信する。受信部162は、端末装置10に過去に配信された楽曲に関する情報と、端末装置10を利用するユーザによる心理状態の指定に関する情報とに基づく楽曲を受信する。また、受信部162は、楽曲の再生に応じたユーザの生体情報に基づく楽曲を受信する。例えば、受信部162は、楽曲の再生に応じたユーザの心拍に関する情報に基づく楽曲を受信する。また、受信部162は、楽曲の再生によるユーザの生体情報の変化に関する情報に基づく楽曲を受信する。例えば、受信部162は、ユーザの生体情報の変化に関する情報から推定される楽曲によるユーザの心理状態の変化に関する情報に基づく楽曲を受信する。
また、受信部162は、ユーザが身に着けているウェアラブル端末からユーザの生体情報を受信する。例えば、受信部162は、ユーザU1が身に着けているウェアラブル端末WD1から生体情報を受信する。
再生部163は、受信部162により受信された楽曲を再生する。また、再生部163は、再生中の楽曲を音声出力部14を介して音声として出力する。
表示部164は、各種情報を出力部15により表示する。表示部164は、再生中の楽曲に関する情報と、ユーザによる心理状態の指定と、ユーザの生体情報とを表示する。例えば、表示部164は、再生部163から再生中の楽曲に関する情報を取得し、再生中の楽曲に関する情報を表示する。また、表示部164は、楽曲アプリに関する各種情報を表示する。表示部164は、アプリ画面IM10やアプリ画面IM11を出力部15に表示する。
なお、上述した制御部16による再生処理や表示処理等の処理は、例えば、JavaScript(登録商標)などにより実現されてもよい。また、上述した再生処理や表示処理が所定のアプリケーションにより行われる場合や再生処理や表示処理が専用アプリにより行われる場合、制御部16は、例えば、所定のアプリや専用アプリを制御するアプリ制御部を有してもよい。
〔4.心理状態の変化の更新〕
次に、図7を用いて、実施形態に係る決定システム1における心理状態の変化の更新処理について説明する。図7は、実施形態に係る更新処理の一例を示す図である。なお、図7に示すステップS11〜ステップS15は、図1に示すステップS11〜ステップS15と同様のため説明を省略する。また、図7では、心理状態の変化の更新を示すため、更新前の変化情報記憶部を変化情報記憶部123−1とし、更新後の変化情報記憶部を変化情報記憶部123−2として、以下説明する。また、以下では、決定装置100がステップS15において、端末装置10から楽曲M11の再生における生体情報を取得した場合を説明する。
まず、更新前の変化情報記憶部123−1には、楽曲M11がユーザU1の端末装置10において再生された日が、「2015年7月15日」であり、再生前心拍が「70」であり、再生後心拍が「90」であったことが記憶されている。そして、更新前の変化情報記憶部123−1には、楽曲M11の再生前後において心拍の差が「20」であり、楽曲M11が再生によりユーザU1の心理状態が「excited」に変化したことが記憶されている。
そして、決定装置100は、ステップS15において、楽曲M11がユーザU1の端末装置10において再生された日が、「2015年7月30日」であり、再生前心拍が「75」であり、再生後心拍が「80」であったことを示す情報を端末装置10から取得する。ここで、決定装置100は、2015年7月30日における楽曲M11の再生前後において心拍の差が「5」であり、楽曲M11が再生によりユーザU1の心理状態が変化しなかった、すなわち「normal」を維持したと判定する。そのため、決定装置100は、楽曲M11によるユーザU1の心理状態の変化を「normal」に更新する(ステップS16)。
ステップS16の更新処理により、更新後の変化情報記憶部123−2には、楽曲M11がユーザU1の端末装置10において再生された日が、「2015年7月30日」であり、再生前心拍が「75」であり、再生後心拍が「80」であったことが記憶されている。そして、更新後の変化情報記憶部123−2には、楽曲M11が再生によりユーザU1の心理状態が「normal」を維持したことが記憶されている。このように、決定装置100は、楽曲が再生される毎に生体情報に基づいて、心理状態の変化を更新することにより、配信時点におけるユーザの状態に適した楽曲を決定することができる。
〔5.アプリ画面について〕
次に、図8及び図9を用いて、実施形態に係る端末装置10に表示される楽曲アプリのアプリ画面について説明する。図8は、実施形態に係る心理状態の指定の一例を示す図である。図9は、実施形態に係る心理状態の指定の一例を示す図である。
まず、図8を用いて、端末装置10を利用するユーザU1が、心理状態の指定を「normal」とした場合を説明する。例えば、ユーザU1は、端末装置10中のアプリ画面IM12において、心理状態メータMT10のあるメモリの位置を指す状態指定バーDE12を心理状態メータMT10の中央にスライドさせることにより、心理状態の指定を「normal」とする。例えば、図7に示す更新後の変化情報記憶部123−2の場合、心理状態が「normal」である楽曲M11を端末装置10へ配信する楽曲に決定する。また、決定装置100は、更新後の変化情報記憶部123−2においてユーザU1に対応する楽曲のうち、項目「心理状態」が「normal」である他の楽曲を端末装置10へ配信する楽曲に決定する。
図8に示す端末装置10中のアプリ画面IM12は、タイトルが「タイトルD」でありアーティスト名が「アーティストR」である所定の楽曲の再生中における端末装置10の画面表示を示す。アプリ画面IM12中のスペクトラムEQ12は、再生中の楽曲の周波数スペクトルを示す。また、スペクトラムEQ12を示す円周内には再生中の楽曲に関する画像が表示される。また、アプリ画面IM12中の心拍パルスPL12は、楽曲の再生中におけるユーザU1の心拍を示す。また、アプリ画面IM12には、楽曲のタイトル「タイトルD」やアーティスト名「アーティストR」が表示される。
まず、図9を用いて、端末装置10を利用するユーザU1が、心理状態の指定を「relax」とした場合を説明する。例えば、ユーザU1は、端末装置10中のアプリ画面IM13において、心理状態メータMT10のあるメモリの位置を指す状態指定バーDE13を心理状態メータMT10の下部にスライドさせることにより、心理状態の指定を「relax」とする。例えば、図7に示す更新後の変化情報記憶部123−2の場合、心理状態が「relax」である楽曲M20を端末装置10へ配信する楽曲に決定する。また、決定装置100は、更新後の変化情報記憶部123−2においてユーザU1に対応する楽曲のうち、項目「心理状態」が「relax」である他の楽曲を端末装置10へ配信する楽曲に決定する。
図9に示す端末装置10中のアプリ画面IM13は、タイトルが「タイトルE」でありアーティスト名が「アーティストS」である所定の楽曲の再生中における端末装置10の画面表示を示す。アプリ画面IM13中のスペクトラムEQ13は、再生中の楽曲の周波数スペクトルを示す。また、スペクトラムEQ13を示す円周内には再生中の楽曲に関する画像が表示される。また、アプリ画面IM13中の心拍パルスPL13は、楽曲の再生中におけるユーザU1の心拍を示す。また、アプリ画面IM13には、楽曲のタイトル「タイトルE」やアーティスト名「アーティストS」が表示される。
〔6.処理フロー〕
次に、図10〜図12を用いて、決定システム1における各種処理の手順について説明する。
〔6−1.心理状態の変化情報の更新処理フロー〕
まず、図10及び図11を用いて、決定システム1における心理状態の変化情報の更新の処理手順について説明する。図10は、実施形態に係る心理状態の変化情報の更新の一例を示すフローチャートである。具体的には、図10は、生体情報を取得した場合における心理状態の変化情報の更新の処理手順に関する概要を示す。また、図11は、実施形態に係る心理状態の変化情報の更新の一例を示すフローチャートである。具体的には、図11は、生体情報として心拍を取得する場合における心理状態の変化情報の更新の処理手順に関する詳細を示す。
まず、図10を用いて、生体情報を取得した場合における心理状態の変化情報の更新の概要を説明する。図10に示すように、決定装置100の取得部131は、楽曲再生時における生体情報を取得する(ステップS101)。例えば、取得部131は、端末装置10から楽曲再生時における生体情報を取得する。
その後、決定装置100の判定部133は、生体情報に基づいて楽曲ごとにユーザの心理状態の変化を判定する(ステップS102)。そして、判定部133は、ステップS102において判定した心理状態の変化により心理状態の変化情報を更新する(ステップS103)。例えば、判定部133は、ステップS102において判定した心理状態の変化により変化情報記憶部123に記憶された情報を更新する。
次に、図11を用いて、生体情報として心拍を取得する場合における心理状態の変化情報の更新の詳細を説明する。図11に示すように、決定装置100の取得部131は、楽曲再生時における生体情報を取得する(ステップS201)。例えば、取得部131は、端末装置10から楽曲再生時における生体情報を取得する。
その後、決定装置100の判定部133は、楽曲再生による心拍変化(Δpulse)を算出する(ステップS202)。そして、判定部133は、ステップS202において算出したΔpulseに基づいて、ユーザの心理状態の変化を判定する。
判定部133は、Δpulseが第1閾値以上の場合(ステップS203:Yes)、楽曲によるユーザの心理状態の変化を「excited」と判定する(ステップS204)。
一方、判定部133は、Δpulseが第1閾値未満の場合(ステップS203:No)、Δpulseが第2閾値未満かどうかを判定する(ステップS205)。判定部133は、Δpulseが第2閾値未満の場合(ステップS205:Yes)、楽曲によるユーザの心理状態の変化を「relax」と判定する(ステップS206)。
一方、判定部133は、Δpulseが第2閾値以上の場合(ステップS205:No)、楽曲によるユーザの心理状態の変化を「normal」と判定する(ステップS207)。
その後、判定部133は、ステップS203〜S207において判定した心理状態の変化により心理状態の変化情報を更新する(ステップS208)。例えば、判定部133は、ステップS203〜S207において判定した心理状態の変化により変化情報記憶部123に記憶された情報を更新する。
なお、上記例においては、心理状態が「excited」、「relax」、「normal」の3状態である場合を例に説明したが、心理状態は目的に応じてさらに細かく分類されてもよい。例えば、心理状態のうち「excited」について、その高低に基づいてさらに分類してもよい。また、心理状態は、興奮状態やリラックス状態に限らず、目的に応じて種々の分類を適宜用いてもよい。これにより、判定部133は、ユーザの心理状態の変化を適切に判定することが可能となる。
〔6−2.決定処理フロー〕
まず、図12を用いて、決定装置100における配信楽曲の決定処理を説明する。図12は、実施形態に係る決定処理の一例を示すフローチャートである。
図12に示すように、決定装置100の取得部131は、心理状態の指定を受け付ける(ステップS301)。例えば、取得部131は、ユーザが利用する端末装置10から心理状態の指定を受け付ける。
そして、決定装置100の決定部132は、ステップs301においてユーザから受け付けた心理状態の指定に対応する楽曲を所定の基準により配信楽曲として決定する。例えば、決定部132は、心理状態の指定に対応する楽曲のうち、Δpulseが大きい楽曲から順に配信楽曲として決定してもよい。また、例えば、決定部132は、心理状態の指定に対応する楽曲のうち、最新の再生日がもっとも古い楽曲から順に配信楽曲として決定してもよい。
その後、決定部132は、決定した配信楽曲の数が所定数(例えば10等)に達しておらず(ステップS303:No)、配信楽曲以外で心理状態の指定に対応する楽曲が未だ有る場合(ステップS304:Yes)、ステップS302の配信楽曲の決定を繰り返す。
そして、決定部132は、決定した配信楽曲の数が所定数に達した場合(ステップS303:Yes)、決定した配信楽曲を配信する(ステップS306)。
一方、決定部132は、決定した配信楽曲の数が所定数に達しておらず(ステップS303:No)、配信楽曲以外で心理状態の指定に対応する楽曲がない場合(ステップS304:No)、残りの配信楽曲を所定数になるまで他の条件により決定する(ステップS305)。ここで、決定部132は、ステップS305において、目的に応じて種々の条件に基づいて残りの配信楽曲を決定する。例えば、決定部132は、ユーザのユーザ情報に基づいて、心理状態の指定に対応すると推定された楽曲を配信楽曲として決定してもよい。また、例えば、決定部132は、心理状態の指定に対応する楽曲に基づいて、心理状態の指定に対応すると推定された楽曲を配信楽曲として決定してもよい。具体的には、決定部132は、心理状態の指定に対応する楽曲のアーティストの他の楽曲を配信楽曲として決定してもよい。また、決定部132は、心理状態の指定に対応する楽曲のアーティストに類似するアーティストの楽曲を配信楽曲として決定してもよい。また、決定部132は、ユーザの年代に基づいて、心理状態の指定に対応すると推定された楽曲を配信楽曲として決定してもよい。例えば、決定部132は、ユーザの年代が50代である場合、ユーザが20代のときに流行した楽曲のうち、心理状態の指定に対応すると推定された楽曲を配信楽曲として決定してもよい。
その後、決定部132は、決定した配信楽曲を配信する(ステップS306)。なお、上記の決定処理は一例であって、決定部132は、心理状態の指定に対応する楽曲と他の条件に基づく楽曲との両方が含まれるように配信楽曲を決定してもよい。すなわち、ステップS303における所定数を配信楽曲数よりも少なくしてもよい。これにより、決定装置100が配信する配信楽曲には、ステップS305において決定される楽曲が含まれることとなる。なお、決定装置100は、ユーザから心理状態の指定に対応する楽曲と他の条件に基づく楽曲との割合に関する指定を受け付けてもよい。この場合、ユーザが心理状態の指定に対応する楽曲と他の条件に基づく楽曲との割合を半分とする指定をした場合、決定装置100は、配信楽曲数が10であれば、心理状態の指定に対応する5個の楽曲、他の条件に基づく5個の楽曲とを配信楽曲として決定する。
上述の処理により、決定装置100が配信する配信楽曲には、心理状態の指定に対応する楽曲以外のユーザが未だ聴いた経験はないがユーザの心理状態の指定に適合すると推定される楽曲を提供することができる。これにより、決定装置100は、ユーザに対して楽曲を推奨することができる。すなわち、決定装置100は、ユーザが未だ聴いた経験がなく且つユーザの嗜好に適合しそうな楽曲を提供することにより、ユーザに対して新しい楽曲を適切に推奨することができる。
また、上述したように、心理状態は興奮状態やリラックス状態に限らず、目的に応じて種々の分類を適宜用いてもよい。例えば、心理状態は、喜怒哀楽のような感情に対応する分類であってもよい。この場合、ユーザが心理状態として「喜」を指定した場合、決定装置100は、ユーザの気分が高揚する、すなわちユーザが楽しい気分になるような楽曲を配信楽曲として配信する。また、ユーザが心理状態として「哀」を指定した場合、決定装置100は、ユーザが哀しい気分になる、すなわちユーザが泣けるような楽曲を配信楽曲として配信する。これにより、決定装置100は、心理状態の種々の分類に応じて、適切な楽曲をユーザに配信することができる。
〔7.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る決定装置100は、取得部131と、決定部132とを有する。取得部131は、端末装置10に過去に配信された楽曲に関する情報と、前記端末装置10を利用するユーザによる心理状態の指定に関する情報とを取得する。決定部132は、取得部131により取得された楽曲に関する情報と、心理状態の指定に関する情報とに基づいて、端末装置10に配信する楽曲を決定する。
これにより、実施形態に係る決定装置100は、過去に楽曲が配信された際に、その楽曲がユーザにどのような心理状態の変化を生じさせたかに応じて、配信する楽曲を決定する。これにより、決定装置100は、ユーザの心理状態の指定に応じた楽曲を、配信する楽曲として決定することができる。すなわち、決定装置100は、配信時点におけるユーザの状態に適した楽曲を決定することができる。
また、実施形態に係る決定装置100は配信部134をさらに有する。取得部131は、配信部134により配信された楽曲の再生に応じたユーザの生体情報を取得する。決定部132は、取得部131により取得されたユーザの生体情報に基づいて、端末装置10に配信する楽曲を決定する。
これにより、実施形態に係る決定装置100は、配信した楽曲の再生に応じたユーザの生体情報に基づいて、端末装置10に配信する楽曲を決定することができる。したがって、決定装置100は、配信時点におけるユーザの状態に適した楽曲を決定することができる。
また、実施形態に係る決定装置100において、取得部131は、配信部134により配信された楽曲の再生によるユーザの生体情報の変化に関する情報を取得する。決定部132は、取得部131により取得されたユーザの生体情報の変化に関する情報に基づいて、端末装置10に配信する楽曲を決定する。
これにより、実施形態に係る決定装置100は、配信された楽曲の再生によるユーザの生体情報の変化に基づいて、端末装置10に配信する楽曲を決定することができる。したがって、決定装置100は、配信時点におけるユーザの状態に適した楽曲を決定することができる。
また、実施形態に係る決定装置100において、決定部132は、ユーザの生体情報の変化に関する情報から推定される楽曲によるユーザの心理状態の変化に関する情報に基づいて、端末装置10に配信する楽曲を決定する。
これにより、実施形態に係る決定装置100は、ユーザの生体情報の変化に関する情報から推定される楽曲によるユーザの心理状態の変化に応じて楽曲を決定することができる。したがって、決定装置100は、配信時点におけるユーザの状態に適した楽曲を決定することができる。
また、実施形態に係る決定装置100において、取得部131は、ユーザの生体情報として、ユーザの心拍に関する情報を取得する。決定部132は、取得部131により取得されたユーザの心拍に関する情報に基づいて、端末装置10に配信する楽曲を決定する。
これにより、実施形態に係る決定装置100は、ユーザの心拍に基づいて、端末装置10に配信する楽曲を決定することができる。したがって、決定装置100は、配信時点におけるユーザの状態に適した楽曲を決定することができる。
また、実施形態に係る決定装置100において、取得部131は、ユーザの位置情報を取得する。決定部132は、取得部131により取得されたユーザの位置情報に基づいて、端末装置10に配信する楽曲を決定する。
これにより、実施形態に係る決定装置100は、ユーザの位置情報に基づいて、端末装置10に配信する楽曲を決定することができる。したがって、決定装置100は、配信時点におけるユーザの状態に適した楽曲を決定することができる。
また、実施形態に係る決定装置100において、決定部132は、楽曲の配信時間に基づいて、端末装置10に配信する楽曲を決定する。
これにより、実施形態に係る決定装置100は、楽曲を配信する時間に基づいて、端末装置10に配信する楽曲を決定することができる。したがって、決定装置100は、配信時点におけるユーザの状態に適した楽曲を決定することができる。
また、実施形態に係る端末装置10は、受信部162と、再生部163とを有する。受信部162は、端末装置10に過去に配信された楽曲に関する情報と、端末装置10を利用するユーザによる心理状態の指定に関する情報とに基づく楽曲を受信する。再生部163は、受信部162により受信された楽曲を再生する。
これにより、実施形態に係る端末装置10は、過去に楽曲が配信された際にその楽曲がユーザにどのような心理状態の変化を生じさせたかに応じて決定された楽曲を受信することにより、ユーザの状態に適した楽曲を再生することができる。
また、実施形態に係る端末装置10において、受信部162は、楽曲の再生に応じたユーザの生体情報に基づく楽曲を受信する。
これにより、実施形態に係る端末装置10は、ユーザの生体情報に基づいて決定された楽曲を受信することにより、ユーザの状態に適した楽曲を再生することができる。
また、実施形態に係る端末装置10において、受信部162は、楽曲の再生による前記ユーザの生体情報の変化に関する情報に基づく楽曲を受信する。
これにより、実施形態に係る端末装置10は、ユーザの生体情報の変化に基づいて決定された楽曲を受信することにより、ユーザの状態に適した楽曲を再生することができる。
また、実施形態に係る端末装置10において、受信部162は、ユーザの生体情報の変化に関する情報から推定される楽曲によるユーザの心理状態の変化に関する情報に基づく楽曲を受信する。
これにより、実施形態に係る端末装置10は、ユーザの生体情報の変化に関する情報から推定される楽曲によるユーザの心理状態の変化に応じて決定された楽曲を受信することにより、ユーザの状態に適した楽曲を再生することができる。
また、実施形態に係る端末装置10において、受信部162は、楽曲の再生に応じた前記ユーザの心拍に関する情報に基づく楽曲を受信する。
これにより、実施形態に係る端末装置10は、ユーザの心拍に基づいて決定された楽曲を受信することにより、ユーザの状態に適した楽曲を再生することができる。
また、実施形態に係る端末装置10は表示部164を有する。表示部164は、再生中の楽曲に関する情報と、ユーザによる心理状態の指定と、ユーザの生体情報とを表示する。
これにより、実施形態に係る端末装置10は、再生中の楽曲に関する情報と、ユーザによる心理状態の指定と、ユーザの生体情報とを表示することにより、楽曲再生中において適切な情報を表示することができる。
〔8.ハードウェア構成〕
上述してきた実施形態に係る決定装置100は、例えば図13に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図13は、決定装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が決定したデータをネットワークNを介して他の機器へ送信する。
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、決定したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る決定装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の行に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
〔9.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
また、上述してきた実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。