JP4572889B2 - 自動車用ユーザーもてなしシステム - Google Patents

自動車用ユーザーもてなしシステム Download PDF

Info

Publication number
JP4572889B2
JP4572889B2 JP2006313529A JP2006313529A JP4572889B2 JP 4572889 B2 JP4572889 B2 JP 4572889B2 JP 2006313529 A JP2006313529 A JP 2006313529A JP 2006313529 A JP2006313529 A JP 2006313529A JP 4572889 B2 JP4572889 B2 JP 4572889B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
user
hospitality
function
state
scene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006313529A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008126818A (ja
Inventor
昌吾 亀山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2006313529A priority Critical patent/JP4572889B2/ja
Priority to DE102007053470A priority patent/DE102007053470A1/de
Priority to US11/940,594 priority patent/US20080119994A1/en
Publication of JP2008126818A publication Critical patent/JP2008126818A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4572889B2 publication Critical patent/JP4572889B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60WCONJOINT CONTROL OF VEHICLE SUB-UNITS OF DIFFERENT TYPE OR DIFFERENT FUNCTION; CONTROL SYSTEMS SPECIALLY ADAPTED FOR HYBRID VEHICLES; ROAD VEHICLE DRIVE CONTROL SYSTEMS FOR PURPOSES NOT RELATED TO THE CONTROL OF A PARTICULAR SUB-UNIT
    • B60W40/00Estimation or calculation of non-directly measurable driving parameters for road vehicle drive control systems not related to the control of a particular sub unit, e.g. by using mathematical models
    • B60W40/08Estimation or calculation of non-directly measurable driving parameters for road vehicle drive control systems not related to the control of a particular sub unit, e.g. by using mathematical models related to drivers or passengers

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Automation & Control Theory (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)
  • Transportation (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Fittings On The Vehicle Exterior For Carrying Loads, And Devices For Holding Or Mounting Articles (AREA)

Description

この発明は、ユーザーの自動車への接近、乗車、運転、降車及び自動車からの離間、の少なくともいずれかにおいて、ユーザーによる自動車の利用を補助するための、又はユーザーを楽しませる(あるいはサービスする)ための自動車用ユーザーもてなしシステムに関する。
特開2003−312391号公報 特開2006−69296号公報
特許文献1には、携帯電話を用いた車載機器の自動調整装置が開示されている。この装置は、自動車の搭乗者が所持する携帯電話と、自動車側に搭載された無線装置との間で通信し、空調装置、カーステレオ、ヘッドライトの光軸、電動シートあるいは電動ミラーといった車載装置を、携帯電話所持者毎に予め登録された条件にて動作調整する、というものである。また、特許文献1には、携帯電話に搭載されたGPS(Global Positioning System)により車内の搭乗者の数や位置を把握し、オーディオ機器の音量バランスや周波数特性を調整する技術も開示されている。
また、特許文献2には、もてなし動作部の動作内容が、ユーザー自動車との距離に応じて変化するように制御される自動車用ユーザーもてなしシステムが開示されている。
しかし、上記の装置は、あくまで搭乗者(ユーザー)が自動車に乗り込んだ後で車載装置の調整を行なうものであり、ユーザーが乗り込む前に車載装置の調整を行なう思想を開示するものではない。このことは、該文献において、携帯電話機に対する車載側の通信装置が、近距離無線通信装置(ブルートゥース:規格に定められている通信可能距離は精々10mである)、図1においてブルートゥース端末が車内の携帯電話機とのみ通信するように描かれていることからも明らかである。また、自動車の様々な利用シーン毎に微妙に変化するはずの、ユーザーのもてなし願望内容(自動車側から見ればもてなし目的)やユーザーの状態とは無関係に、車載装置の調整内容を画一的に定めているため、ユーザーを喜ばせるポイントの外れたもてなし内容になってしまったり、何度か利用するうちにユーザーに手の内を読まれ、マンネリ化して次第に喜びも失せてしまったりする欠点がある。
本発明の課題は、種々のシーン毎にもてなし目的をより明確に特定することにより適用するもてなし機能の適正化を図り、さらにユーザーの状態加味して、当該のユーザーが最も望む(あるいは望むと思われる)形態で車載装置の動作を自律的に制御することができ、ひいては、ユーザーを主人あるいは客人として自動車側が積極的にもてなそうという心にも満ちた自動車用ユーザーもてなしシステムを提供することにある。
課題を解決するための手段及び作用・効果
上記の課題を解決するために、本発明の自動車用ユーザーもてなしシステムは、
ユーザーが自動車に向けて接近し、該自動車に乗り込み、該自動車を運転し又は車内にて滞在し、その後、降車に至るまでのユーザーの自動車利用に係る一連の動作を、予め定められた複数のシーンに区切り、区切られた複数のシーン毎にユーザーによる自動車の利用を補助するための、又はユーザーを楽しませるためのもてなし動作を行なうもてなし動作部と、
シーン毎に予め定められたユーザーの位置又は動作をシーン推定情報として取得するシーン推定情報取得手段と、取得されたシーン推定情報に基づいて個々のシーンを特定するシーン特定手段と、特定されたシーンに応じて、使用するもてなし動作部と、該もてなし動作部によるもてなし動作の内容とを定めるもてなし内容決定手段とを有するもてなし意思決定部と、
もてなし意思決定部による決定内容に従うもてなし動作を行なうように、対応するもてなし動作部の動作制御を行なうもてなし実行制御部とを備え、
もてなし意思決定部は、
シーン別に用意されたもてなし目的の種別項目と、もてなし動作部の機能種別項目とにより二次元配列された機能抽出マトリックスとして構成され、かつ各マトリックスセルに、当該マトリックスセルにかかるもてなし目的において対応する機能が当該もてなし目的に適合する機能であるか否かを識別可能な形で、該機能を動作制御する際の基準として参照する基準参照情報格納された機能抽出マトリックス記憶部と、
特定されたシーンのもてなし目的に適合する機能を機能抽出マトリックスから抽出し、抽出された機能に対応する基準参照情報を読み出す機能抽出手段と、
ユーザーの体調及び精神状態の少なくともいずれかを含むユーザー生体特性情報を取得するユーザー生体特性情報取得手段と、
取得したユーザー生体特性情報と基準参照情報とに基づいて、対応する機能の動作内容を決定する動作内容決定手段と、
を有し、さらに、
動作内容決定手段は、機能の動作指令情報を、ユーザー生体特性情報が示すユーザーの少なくとも体調と関連付けられた数値指令情報として演算する数値指令情報演算手段を有し、
もてなし実行制御部は、機能を該数値指令情報に対応する動作レベルにて動作制御することを特徴とする。
本発明においては、ユーザーの状態として、ユーザーと自動車との相対的な関係によって定まるシーンを把握する。具体的には、ユーザーが自動車に向けて接近し、該自動車に乗り込み、該自動車を運転し又は車内にて滞在し、その後、降車に至るまでのユーザーの自動車利用に係る一連の動作を、予め定められた複数のシーンに区切り、区切られた複数のシーン毎にユーザーによる自動車の利用を補助するための、又はユーザーを楽しませるためのもてなし動作を行なう。
シーンが特定可能となることで、そのシーンに特有のもてなし目的を絞り込むことができ、ユーザーが欲するもてなし機能を、上記もてなし目的から的確に特定することが可能となる。
さらに、本発明では、もてなし動作部の動作内容がユーザー生体特性情報の内容に応じて変化し、ひいては、自動車利用に際してのユーザーへサービス(もてなし)効果を、ユーザーの精神状態あるいは体調に応じさらなる適正化を図ることができる。具体的には、機能抽出マトリックスから特定される機能に対する動作制御時の基準参照情報が抽出され、この基準参照情報に別途取得されたユーザー生体特性情報に反映される体調ないし精神状態を加味して、選択された機能の動作内容の適正化を図ることができる。
以上の結果、本発明の自動車用ユーザーの自動車利用に係る様々なシーン(場面)毎に、自動車側にて行なうもてなし動作が変化するとともに、個々のシーンにて予測されるもてなし目的に適合したもてなし機能をタイムリーに、かつ、ユーザーの体調ないし精神状態に応じて適正化したレベルもしくは内容で動作させることが可能となり、適確かつきめ細かいサービスを提供できる。
シーンの決定は、「ユーザーによる自動車利用」の枠内で定めるものであり、近づいて、乗り込み、運転/滞在し、目的地に着けばドアを開けて降車する、という基本的な流れは変化しない。従って、この流れに沿ってスムーズにシーンを切り分けることが、ユーザーに対し自然で違和感のないもてなしを提供する観点において肝要である。この場合、次のような構成を採用するとよい。すなわち、現在のシーンを特定する現在シーン特定情報を記憶保持する現在シーン特定情報記憶手段を設ける。シーン特定手段は、該現在シーン特定情報の記憶内容に基づいて現在シーンを把握するとともに、該現在シーンの把握を前提として、予め定められたシーン推定情報取得手段により、その後続シーンに特有のユーザー位置又は動作が検出された場合に、当該後続シーンに移行したと判断し、該後続シーンの特定情報を現在シーン特定情報として現在シーン特定情報記憶手段に記憶させる。現在がどのシーンにあるかを把握できれば、上記のような自動車使用時のユーザーの行動流れから、次にどのようなシーンが到来するかは予測でき、その後続シーンに特有のユーザー位置又は動作を検出することで、シーン間の移行を適確に把握できる。また、ドアの開閉が乗車時と降車時との双方に生ずる事例を考慮すればわかりやすいように、複数のシーンにおいて、後続シーン特定情報(前記事例では「ドアの開閉」)の内容が同一となる場合がある。しかし、現在のシーンが何であるかを把握することで、そのような場合でも後続シーンの誤把握を防止でき、もてなし動作の切り替えを適確に行なうことができる。
シーン特定手段は、ユーザーが自動車へ接近する接近シーンと、ユーザーが該自動車内にて運転又は滞在する運転/滞在シーンとを特定するものとすることができる。もてなし内容決定手段は、これら各シーンに、使用するもてなし動作部と、該もてなし動作部によるもてなし動作の内容とを定めるものとして構成できる。自動車の運転時もしくは滞在時は、自動車利用に係るシーンとしては長時間を占め、該運転/滞在シーンでのもてなしに重点を置くことは、ユーザーが快適に自動車を使用できるかどうかの重要な鍵を握っている。他方、接近シーンは、上記運転/滞在シーンに先立つシーンとしては、これに次ぐ時間的比重を占めるものであり、これをもてなしの機会として有効に活用することで、運転/滞在シーンに臨むユーザーの精神状態を改善し、ひいては運転/滞在シーンでのもてなし効果を一層高めることにも寄与する。
シーン推定情報取得手段は、上記接近シーンを特定するために、自動車と、当該自動車外に位置するユーザーとの相対距離に基づいて、ユーザーの自動車への接近を検出する接近検出手段を有するものとして構成できる。また、運転/滞在シーンを特定するために、自動車の座席に着座したユーザーを検出する着座検出手段を有するものとして構成できる。いずれも、接近シーンないし運転/滞在シーンを適確に特定できる利点がある。
接近シーンにおいては、自動車に搭載された自動車外空間を照らし出す照明装置(ヘッドランプ、テールランプ、ハザードランプなど:車内灯も窓ガラスを介した漏洩により車外空間を照らすことができる)をもてなし動作部として定めることができる。そして、該照明装置をユーザーの出迎えのために点灯させることを、もてなし動作の内容として定めることができる。これによると、自動車に搭載された照明類を、ユーザーの出迎え演出のためのイルミネーションとして使用でき、気分高揚等に寄与する。また、夜間や暗所の場合、駐車した自動車の位置を把握しやすくできる利点も生ずる。
なお、もてなし動作部は、必ずしも自動車に搭載された設備に限られるものではなく、駐車中の自動車の周辺設備(例えば、指定された駐車場の付帯設備など)であってもよいし、自動車の利用に際してユーザーが必ず携行する携行品をもてなし動作部としてもよい。例えば後者の場合の一例として、下記のような構成を例示できる。すなわち、駐車中の自動車又は該自動車の周辺設備に設けられ、外部の端末装置と通信するホスト側通信手段と、自動車のユーザーが携帯するとともに、ホスト側通信手段と無線通信網を介して通信する端末側通信手段を有したユーザー側端末装置とを設けるとともに、上記の接近シーンにおいてもてなし動作部を、ユーザー側端末装置に設けられた音声出力部とすることができる。この場合、ホスト側通信手段がもてなし制御部であり、接近シーンにおいて、音声出力部が動作するよう、ユーザー側端末装置に対し無線指令するものとすることができる。この態様では、ユーザーが自動車に接近すると、ホスト側通信手段によってユーザー側端末装置に対し無線指令が送られ、ユーザーが携帯したユーザー側端末装置からもてなし用の音声(音楽、効果音、出迎えの言葉など)を出力させる。これにより、自動車に近づくユーザーの音声によるもてなしを、そのユーザーが携行するユーザー側端末装置により効果的に実行することができるようになる。音声による自動車側に搭載されたカーオーディオシステムを音声出力部として使用することもできるが、窓が閉じられていればもてなし音声がユーザーまで十分に届かないし、窓を開いて自動車外に音を漏出させると近所迷惑にもなる。しかし、上記のようにユーザー側端末装置をもてなし音の出力部として利用すれば、ユーザーの手元で音声出力できるのでもてなし効果が断然高められ、また、もてなし音が遠方まで及んで迷惑になるようなこともない。
この場合、音楽や出迎えの言葉を音声出力部から出力すれば、ユーザーの精神状態の向上ないし改善に寄与するが、出発前の注意確認事項を促すメッセージを音声出力する方法もある。これにより、同じ接近シーンであっても、ユーザーが注意確認を怠った場合の、不測の事態を防止する、という別の目的を達成することができる。例えば、注意確認事項を促すメッセージは、例えば忘れ物や戸締りなどの確認を促すメッセージとすることができるが、これに限られるものではない。
また、運転/滞在シーンにおいては、自動車に搭載された空調装置をもてなし動作部として定めることができる。この場合、ユーザーの精神/体調情報の内容に応じて、空調装置の設定温度を変化させることが可能であり、ユーザーの気持ちを汲んだ、より人間的で優しい空調装置調整制御が実現する。同様に、運転/滞在シーンにおいて、自動車に搭載されたカーオーディオシステムをもてなし動作部として定めることができる。
次に、より細分化されたシーン設定として、シーン特定手段は、ユーザーが自動車へ接近する接近シーンと、ユーザーが該自動車へ乗り込む乗り込みシーンと、ユーザーが該自動車内にて運転又は滞在する運転/滞在シーンと、ユーザーが自動車から降車する降車シーンとを、時系列的にこの順序で特定するものとすることができる。もてなし内容決定手段は、これら各シーンに対し、使用するもてなし動作部と、該もてなし動作部によるもてなし動作の内容とを定めるものとすることができる。この態様では、前述の構成に、新たに、乗り込みシーンと降車シーンとが追加される。これらの各シーンは、時間的に短いが、ドアの開閉や荷物の積み下ろし動作、あるいはドアの開閉に際した障害物や往来危険などに関する配慮など、体力的あるいは心理的に負担の大きい動作が関与する特徴があり、これを補佐する形で、これらのシーンにも独自のもてなし動作を設定すれば、メインとなる運転/滞在シーンの前後におけるユーザーのフォローアップをより確実に行なうことができ、また、自動車からユーザーが受けるもてなし内容に、より一貫性及び連続性がもたらされるので、ユーザーの感ずる満足感は一層大きくなる。具体例として、例えば、乗り込みシーン及び降車シーンにおいてもてなし動作部は、自動車に設けられたドアの自動開閉装置又は開閉アシスト機構とすることができ、該自動開閉装置又は開閉アシスト機構を、ユーザーの乗り込み補助のために動作させることがもてなし動作の内容として定めることができる。また、開閉アシスト機構を設ける場合は、特にドアを開く際に車外の障害物を検知し、当該障害物とドアとの干渉を回避するための、ドアの開操作を抑制するドア開抑制手段を設けておくことができる。
なお、ユーザーが降車した後にも、ユーザーが自動車から離間する離間シーンなど、さらに別のシーンを付け加えることも可能であり、対応したもてなし動作を行なうことができる。
次に、もてなし意思決定部は、シーン別に用意され、自動車利用にかかるユーザーの安全性、利便性及び快適性の分類項目と、車外ないし車内におけるユーザーの周囲環境に関与する、少なくとも触覚系、視覚系及び聴覚系の3つを含む制御対象環境項目とにより二次元配列された目的推定マトリックスとして構成され、かつ各マトリックスセルに、分類項目と制御対象環境項目とに対応する、当該シーンにおいてユーザーが所望すると推定されるもてなし目的格納された目的推定マトリックス記憶部と、
特定されたシーンに対応する目的推定マトリックスにて、制御対象環境項目別に、各分類項目に対応するもてなし目的を抽出するもてなし目的抽出手段とを有するものとすることができ、
機能抽出手段は、抽出されたもてなし目的に適合する機能を機能抽出マトリックスから抽出し、抽出された機能に対応する基準参照情報を読み出すものとすることができる。
上記の目的推定マトリックス上では、もてなし目的が、もてなし効果が直接作用するユーザーの五感に従い、触覚系、視覚系及び聴覚系の少なくとも3つに分類されているので、装置制御対象となる出力パラメータともてなし目的とを直接的に関連付けることができる。その結果、上記の機能抽出マトリックスもてなし目的に対してシーン毎に必要となるもてなし機能を容易にかつ的確に特定することが可能となる。
もてなし目的は次のようなものを例示できる。まず、触覚系のもてなし目的としては、気温を制御対象環境項目とするものを例示できる。この場合、機能抽出マトリックスにおいて、当該もてなし目的に対応する機能として空調装置を用意することができる。空調装置の機能は車内温度の調整であり、主に運転/滞在シーンに活用される。例えば、空調設定温度を低温側にシフトさせることで、高揚(あるいは興奮)した精神状態を沈静化したり、疲れ等により熱っぽくなった体調状態を和らげることができる。
また、触覚系のもてなし目的は、車内居住状態を制御対象環境項目とするものがある。車内居住状態を大きく支配するのは、やはりシート位置や高さであり、ドライバーの場合は、さらにハンドル位置も重要な因子となる。従って、機能抽出マトリックスにおいて、当該もてなし目的に対応する機能として、シート位置調整機能やハンドル位置調整機能を用意しておくことができる。主に運転/滞在シーンに活用されるものであり、例えば、体調悪化等により注意力が散漫となっている場合は、シート位置を前寄りに出してハンドル位置も多少高く設定するなど、運転に対する集中力向上を支援することができるし、逆に、興奮している場合、あるいは疲れている場合などは、シート位置を深くしハンドル位置も多少下げることで、精神的にリラックスさせたり、疲れを和らげたりする上で効果的である。
次に、視覚系のもてなし目的としては、(車内外の)明るさを制御対象環境項目とすることができる。機能抽出マトリックスにおいて、当該もてなし目的に対応する機能として、車外ないし車内の照明装置を用意することができる。車外照明光は、夜間走行時の前照灯など走行に不可欠な機能も含まれるが、ユーザーの自動車への接近シーン等においても、出迎え用のイルミネーションとして活用できる。また、車内照明光は、運転/滞在シーンにおいて、車内での操作機器の位置把握の他、車内の雰囲気形成にも重要な役割を果たす。この場合、体調や精神状態に応じて照明光量や色調を調整することが可能である。
また、視覚系のもてなし目的は、視覚情報を制御対象環境項目とすることができる。視覚情報とは、例えば運転/滞在シーンにおいて、カーナビゲーション装置に出力される地図情報であり、また、テレビやDVDなどの映像情報である。従って、機能抽出マトリックスにおいて、当該もてなし目的に対応する機能としては、上記のカーナビゲーション装置又は映像出力装置が用意される。
聴覚系のもてなし目的としては、音響を制御対象環境項目とするものを例示できる。機能抽出マトリックスにおいて、当該もてなし目的に対応する機能としてはカーオーディオシステムを用意することができる。この場合、ユーザーの体調や精神状態に応じて、カーオーディオシステムの出力音量や、出力する音楽ソースの選曲内容を変化させるものとすることができる。これにより、気分や性格に応じて、ユーザーが欲する音楽ソースが自動的に選ばれ、演奏出力されるので、運転ないし車内滞在中のユーザーをタイムリーに喜ばせることができる。一方、車内の音響環境を調える上でバックグラウンド的に動作する機能として、機能抽出マトリックスにおいて、当該もてなし目的に対応する機能として音響ノイズキャンセリングシステムを用意しておくこともできる。
次に、本発明の自動車用ユーザーもてなしシステムには、取得したユーザー生体特性情報に基づいて、ユーザーの少なくとも体調の良否を数値に反映したユーザー状態指数を算出するユーザー状態指数算出手段を設けることができる。この場合、前述の基準参照情報は、対応する機能を動作制御するための基準となるユーザー状態を反映した基準参照指数として与えることができる。また、動作内容決定手段には、機能の動作指令情報を、基準参照指数をユーザー状態指数にて補正する形で、ユーザー生体特性情報が示すユーザーの少なくとも体調と関連付けられた数値指令情報として演算する数値指令情報演算手段を設けることができる。これにより、もてなし実行制御部は、(選択された)機能を、ユーザー状態に応じた適正な動作レベルにて動作制御することができる。
なお、前述のユーザー状態指数(及び基準参照指数)は体調の良否のみを反映したパラメータとすることも可能であるが、古くから「病は気から」と称するがごとく、人間の体調と精神状態とは本来的に連動している側面もある。従って、ユーザー状態指数には、精神状態の良否に応じた補正を行うことも可能である。これにより、機能の選択及び選択された機能の動作レベル設定を、ユーザー状態に応じて一層適正に定めることができる。
基準参照指数は、対応する機能の動作レベルそのものを表わすパラメータとすることもできるが、動作レベルの決定計算に直接使用されるパラメータでありさえすれば、動作レベルそのものを表わすパラメータである必要は必ずしもない。
ユーザー状態指数は、ユーザーの体調の良否に応じて一義的に増減するパラメータとして算出することができる。この場合、数値指令情報演算手段は数値指令情報を、ユーザー状態指数と基準参照指数との差分値を反映した情報として演算するものとして構成することができる。この構成では、基準参照指数は、着目している機能を体調改善のために積極動作させるか否かのいわば分岐点を与える基準値として把握され、現実の体調レベルが反映されたユーザー状態指数との差分値は、機能効果が最も適正化された状態、すなわち、ユーザーが最も満足と感じる目標状態からの隔たりを直接的に表わすパラメータとして把握できる。従って、もてなし実行制御部は、差分値が大きいほど、ユーザー状態指数に反映された体調の改善又は悪化抑制方向への寄与が大きくなるように機能の動作レベルを設定するものとすることができ、ユーザーの体調に応じた機能動作レベルの適正化を的確に行なうことができる。
ただし、上記の思想において基準参照指数は制御値の絶対レベルを表わすものではなく、ユーザー生体特性情報に基づいて算出された、ユーザーの少なくとも体調の良否を示すユーザー状態指数の基準レベルを規定するものである。これは、いわば、現在の制御状態にてユーザーが、そのユーザー個人の体調又は精神状態を指標として、満足と感じているか否かの分岐点を(制御値の絶対レベルとは無関係に)相対的に与えるパラメータとして捉えることができる。そして、ユーザーの現実の体調又は精神状態を示すユーザー状態指数が該基準参照指数との間に、(改善の必要な向きに)差分を有している場合は、その差分が縮小される向きに、関係する機能の動作制御が行なわれることになるのである。
ユーザーの不満足原因となるのは、ユーザーにとっての何らかの適正環境条件が定義された場合に、その適正環境条件を種々の方向に逸脱させる外乱である。この適正環境条件は、従来の思想では、万人に共通した固定的な標準環境条件として統計的に与えられるものであり、その標準環境条件を唯一の目標として系全体を収束させるように制御が行なわれることになる。しかし、上記本発明の思想では、あくまでもてなし対象となる個々のユーザーの体調ないし精神状態を尺度に適正環境が定められるのであり、同じ外乱レベルであっても、適正環境からの逸脱の度合いは、固有の体調ないし精神状態を有するユーザー毎に全て異なることになる。つまり、上記のユーザー状態指数と基準参照指数との差分値は、もてなしの対象となるユーザーの非満足の度合いを数値で表わしたものであり、解消するべき外乱のレベルそのものを表わすものではない。
簡単な事例で説明すれば、車車内温度が同じ28℃であっても、それをユーザーがどの程度暑い(あるいは不快)と感じるかによって、何度温度を下げるかは皆変わるはずである。すなわち、初期温度が28℃であってももてなし実行制御部は、該差分値が比較的大きいユーザーAでは、安定化する制御値設定レベルが23℃前後となることもあれば、該差分値がやや小さいユーザーBでは制御値設定レベルが25℃で安定化することもありうる。
次に、機能抽出マトリックスにおいては、同一のもてなし目的に複数の互いに異なる機能が割り振ることができる。そして、各機能に対し基準参照指数が互いに異なる数値にて与えられている場合に、もてなし実行制御部は、機能抽出マトリックスにおいて、差分値がより大きくなる基準参照指数を有した機能ほど優先的に動作させるものとすることができる。共通のもてなし目的に対し複数の機能を関与させる余地がある場合に、上記のごとく、機能毎に基準参照指数を異なる値にて与えておくことで、個々の機能の採用優先順位を定めることができ、ひいては、ユーザー状態に応じて関与する機能の数を適宜増減させる制御を合理的に行なうことができる。この場合、もてなし実行制御部は、機能抽出マトリックスにおいて、差分値が予め定められた下限値以下となる基準参照指数を有した機能の動作を禁止するものとすることができる。差分値が下限値未満の優先度の低い機能の動作を積極禁止することで、当該のもてなし目的にて過剰な機能動作を排除することができ、もてなし動作の一層の適正化を図ることができる。
ユーザー状態指数算出手段は、取得したユーザー生体特性情報に反映されるユーザーの体調が良好であるほど、増加ないし減少のうち予め定められた向きに一義的に変化するようにユーザー状態指数を算出するものとすることができる。この場合、動作内容決定手段は、ユーザー状態指数の値に応じて機能の電気的出力レベルを調整するものとすることができる。これにより、ユーザーをよりいち早く満足状態に導くことができる。
具体的には、上記機能が空調装置である場合、動作内容決定手段は、差分値が大きいほど空調出力レベルが増大するように動作内容を決定するものとすることができる。これにより、ユーザーが体感的にどの程度「暑い」ないし「寒い」と感じているかをユーザー状態指数の値により把握でき、空調(暖房ないし冷房)の出力レベルを、ユーザーごとの適正状態にいち早く導くことができる。
また、機能がカーオーディオシステムである場合、動作内容決定手段は、差分値が大きいほど出力音量が増大するように動作内容を決定するものとすることができる。これにより、ユーザーの体調(ないし精神状態)が良好なほどオーディオ出力が増大し、ユーザーの気持ちを高めることができるとともに、疲労や倦怠感の進行を抑制することができる。一方、機能がカーオーディオシステムである場合、動作内容決定手段は、差分値に応じてカーオーディオシステムから出力させる音楽ソースの選曲内容を変更するものとすることができる。これにより、その都度体調や精神状態に応じた適正な選曲を行なうことができ、例えば、個々の体調ないし精神状態においてどのような音楽ソース(曲)が適当であるかを経験的に(例えば、別途詳述するユーザーの選曲統計などにより)見出して、曲目とユーザー状態指数(あるいは前述の差分値)との関係を一義的に定めて記憶しておけば、ユーザー状態指数(あるいは差分値)に応じた選曲内容の適正化を容易に図ることができる。
また、機能が車内照明装置である場合、動作内容決定手段は、差分値が大きいほど照明光量が増大するように動作内容を決定するものとすることができる。これにより、ユーザーの体調(ないし精神状態)が良好なほど車内照明光量が増大し、ユーザーの気持ちを高めることができる。
また、前述のごとく、体調の良否と精神状態の良否とは通常は極端に乖離することがなく、多くの場合は連動していることから、体調優先にて決定した機能内容に対し、精神状態による微調整(補正)内容とが整合しない不具合は基本的に生じにくい。これを利用して、ユーザー状態指数を主としてユーザーの体調を反映したものとして算出し、動作内容決定手段は、取得したユーザー生体特性情報に反映されるユーザーの精神状態に応じ、電気的出力レベルの調整とは独立して機能の動作出力内容を該精神状態に適合した内容に調整するものとして構成できる。体調優先にて機能の動作出力内容を概略決定し、精神状態に応じて該動作出力内容を微調整することで、体調と精神状態との双方を考慮したもてなし制御であるにも拘わらず、その制御アルゴリズムの単純化を図ることができる。
具体例を挙げれば、機能が車内照明装置である場合、動作内容決定手段は、取得したユーザー生体特性情報に反映されるユーザーの精神状態が高揚したものとなるほど短波長側の照明色(例えば、薄緑、青色、水色、青みの白色など)となるように、車内照明装置の動作出力内容を決定することができる。これらの照明色は、いわば寒色系であり、高ぶった精神状態を和らげて落ち着かせる効果があるとともに、車内滞在環境を爽快に演出することができる。一方、これとは逆に、精神状態が落ち込んでいる場合は照明色が長波長側(黄色、アンバー、赤色、ピンク、あるいはこれらの色彩を帯びた白色光)にシフトする。これらの照明色は暖色系であり、気分の高揚ないしは温かみのある演出によりリラックス効果に優れる。
一方、機能が空調装置である場合、動作内容決定手段は、取得したユーザー生体特性情報に反映されるユーザーの精神状態が高揚したものとなるほど設定温度が低くなるように、空調装置の動作出力内容を決定することができる。過度に精神状態が高揚している場合は体温も上昇しがちであり、これを空調温度の低減により、文字通りクールダウンすることが可能となる。他方、精神状態が落ち込んでいる場合は設定温度が上昇し、発汗や血行が促進され、気分ないし体調の高揚に導くことができる。
また、機能がカーオーディオシステムである場合、動作内容決定手段は、取得したユーザー生体特性情報に反映されるユーザーの精神状態に応じて、該精神状態に適合した選曲を行なうとともに、ユーザー状態指数の値に応じて出力音量が調整されるよう、カーオーディオシステムの動作出力内容を決定することができる。これにより、精神状態に応じて選曲を適正に行なうことができ、かつ選曲された音楽を体調に相応しい音量にて楽しむことができる。なお、選曲に際しては、精神状態と合わせて体調を考慮に入れることも可能である。
次に、ユーザー生体特性情報取得手段は、ユーザーの予め定められた生体状態を、当該生体状態を反映した数値パラメータである生体状態パラメータの時間的変化として検出する生体状態変化検出部と、
ユーザー生体特性情報を、検出された生体状態パラメータの時間的変化に基づいて、ユーザーの体調及び精神状態を推定する情報として生成する精神/体調推定手段とを備えるものとして構成できる。
生体状態変化検出部は、生体状態パラメータの時間的変化波形を検出するとすることができる。この場合、精神/体調推定手段は、波形の振幅情報に基づいてユーザーの体調を推定することができる。例えば、病気や疲労によりユーザーの体調が低下すると、該体調を反映する生体状態の変動も小さくなる。すなわち、生体状態パラメータの時間的変化波形の振幅が縮小する傾向となりやすく、上記病気や疲労といった、体調の異常を適確に検出することが可能となる。一方、精神/体調推定手段は、波形の周波数情報に基づいてユーザーの精神的状態を推定するものとすることもできる。精神状態の安定ないし不安定は、生体状態の変動速度に反映されることが多く、その変動速度は生体状態パラメータ波形の周波数に反映されるので、該周波数情報に基づいてユーザーの精神的状態を適確に推定することができる。
生体状態変化検出部は、生体状態パラメータの時間的変化情報として、ユーザーの体温の時間的変化状態を検出するものとすることができる。体温にはユーザーの体調(体調)や精神状態、特に体調が顕著に反映される(例えば、体調不良時には体温変動幅(波形振幅)が緩やかになる)とともに、赤外線測定(例えば顔のサーモグラフィーなど)により遠隔測定が可能であることから、運転中(あるいは車内滞在中)に限らず、自動車に対するユーザーの接近、乗り込み、降車/離脱といった種々の局面で、ユーザーの状態推定に活用できる利点があり、適確なもてなし動作を供するべきシーンの多様化にも貢献できる。
また、生体状態変化検出部は、生体状態パラメータの時間的変化状態として、ユーザーの顔の表情及び視線方向の少なくともいずれかの時間的変化状態を取得するものとすることもできる。これら2つのパラメータも、ユーザーの体調(体調)や精神状態(特に精神状態)が顕著に反映され、かつ画像撮影による遠隔測定が可能であることから、運転中(あるいは車内滞在中)に限らず、自動車に対するユーザーの接近、乗り込み、降車/離脱といった種々の局面で、ユーザーの状態推定に活用できる利点があり、適確なもてなし動作を供するべきシーンの多様化にも貢献できる。
もてなし動作部は、ユーザーが自動車の運転中にもてなし動作を行なうものとすることができる。そして、生体状態変化検出部は、ユーザーの運転中における生体状態パラメータの時間的変化を検出するものとすることができる。これにより、運転者(ユーザー)の精神状態あるいは体調に応じて、その運転中におけるもてなし動作が適正化され、快適でより安全な自動車の運転を実現することができる。
生体状態変化検出部は、生体状態パラメータの時間的変化状態として、血圧、心拍数、体温、皮膚抵抗及び発汗の1又は2以上からなる第一種生体状態パラメータの時間的変化状態を取得するものとすることができる。第一種生体状態パラメータは、運転者のいわば内部肉体的な状態変化を示すものであり、その時間的変化(波形)には、運転者の精神状態(あるいは心理状態)や体調、特に精神状態が顕著に反映されるので、これを解析することで、該運転者に対するもてなし動作の適正化をより効果的に図ることができる。また、これら第一種生体状態パラメータは、例えばハンドルの運転者による握り位置に取り付けられたセンサにより直接的な測定が可能であり、その時間的変化を鋭敏に捉えることができる利点がある。具体例を挙げれば、危険を察知して冷やりとしたり、割り込みや追い越しでカッとくれば(つまり、精神的に興奮した場合)、発汗が顕著になったり、心臓の鼓動が高鳴ったりし、血圧、心拍数、体温、皮膚抵抗(あるいは発汗)といった第一種生体状態パラメータの波形(特に振幅)に顕著な変化が現れる。また、よそ事に気を取られて注意力が散漫になっている場合も、第一種生体状態パラメータが同様の波形を示すことが知られている。この場合、精神/体調推定手段は、第一種生体状態パラメータの波形周波数が一定レベル以上に大きくなった場合に、ユーザーの精神状態に異常を来たしていると推定することが可能である。
一方、生体状態変化検出部は、生体状態パラメータの時間的変化状態として、ユーザーの運転中の姿勢、視線方向及び表情の少なくともいずれかからなる第二種生体状態パラメータの時間的変化状態を検出するものとすることができる。第二種生体状態パラメータは、運転者のいわば外的な体調変化を示すものであり、体調不良や病気、あるいは疲労などの状態を反映して、その動きの振幅が縮小される傾向にある。従って、精神/体調推定手段は、第二種生体状態パラメータの波形振幅が一定レベル以下に小さくなった場合に、ユーザーの体調に異常を来たしていると推定することができる。
一方、第二種生体状態パラメータの波形は、運転者の精神状態の把握にも有効活用することができる。例えば、運転者が興奮状態に陥ると運転者の姿勢が頻繁に変化するようになる一方、視線方向の変化は逆に減少し、いわゆる「目が据わった」状態になる。また、精神的に不安定な場合、顔の表情の変化も著しくなる。この場合、精神/体調推定手段は、第二種生体状態パラメータの波形周波数が一定レベル以上に大きくなるか、又は一定レベル以下に小さくなった場合に(どちらになるかは、パラメータの種類によって異なる)、ユーザーの精神に異常を来たしていると推定することができる。
なお、周波数及び振幅とは異なる時間変化情報により、精神状態ないし体調を把握できる生体状態パラメータも存在する。例えば、生体状態変化検出部は生体状態パラメータの時間的変化として、ユーザーの瞳孔寸法の時間的変化を検出するものとすることができる。精神/体調推定手段は、検出された瞳孔寸法に予め定められたレベル以上の変動が生じている場合に、ユーザーの体調に異常を来たしていると推定することができる。これは、目の焦点合わせや光量調整が疲れにより不安定化し、いわゆるかすみ目やチラツキなどの状態に陥ることが多いためである。一方、怒り等により異常に興奮した状態になると、運転者は目をカッと見開いた状態になることが多い。この場合、精神/体調推定手段は、検出された瞳孔寸法が予め定められたレベル以上に拡張している場合に、ユーザーの精神状態に異常を来たしていると推定することができる。
また、生体状態変化検出部は複数設けることができ、精神/体調推定手段は、それら複数の生体状態変化検出部が検出する生体状態パラメータの時間的変化状態の組み合わせに基づいて、ユーザーの精神的状態又は体調を推定するものとすることができる。複数の生体状態パラメータを組み合わせることにより、推定(すなわち識別)可能な精神的状態又は体調の種別をより多様化(あるいは細分化)することができ、また、推定精度を高めることができる。この場合、ユーザーの、推定すべき体調又は精神状態の推定レベルと、個々の推定レベルが成立するための、複数の生体状態変化検出部がそれぞれ検出しているべき生体状態パラメータの時間的変化状態の組み合わせとを対応付けて記憶した判定テーブルを設けておき、精神/体調推定手段は、検出された複数の生体状態パラメータの時間的変化状態の組み合わせを、判定テーブル上の組み合わせと照合し、照合一致した組み合わせに対応する推定レベルを現在成立している推定レベルとして特定するものとすることができる。これにより、多数の生体状態パラメータを考慮する場合でも、推定レベルの特定処理を効率的に実施することができる。
そして、前述のユーザー状態指数算出手段は、特定された体調又は精神状態の推定レベルを用いてユーザー状態指数を算出するものとすることができる。これにより、生体状態変化検出部が検出する生体状態パラメータの時間的変化を用いて、ユーザーの体調又は精神状態を、ユーザー状態指数として的確に数値化することができる。
被推定状態は、「集中力散漫」、「体調不良」及び「興奮状態」の少なくとも3つを含むものとすることができる。精神/体調推定手段によりユーザー(運転者)が「集中力散漫」と推定された場合には、もてなし制御部はもてなし動作部に対し、ユーザーを覚醒させる動作を行なわせるものとすることができる。これにより、ユーザーを運転に集中させることができる。また、精神/体調推定手段によりユーザーが「体調不良」と推定された場合に、もてなし制御部は、もてなし動作によりユーザーに与えられる外乱刺激が緩和されるように、対応するもてなし動作部の動作制御を行なうものとすることができる。外乱刺激の低減により、心理的負担からくる肉体疲労の増長を抑制でき、運転者の苦痛を軽減することができる。また、精神/体調推定手段によりユーザーが「興奮状態」と推定された場合に、もてなし制御部はもてなし動作部に対し、ユーザーの精神的緊張を緩和するための動作を行なわせるものとすることができる。これにより、運転者の熱くなった精神状態を冷却することができ、冷静で温和な運転指向に矯正することが可能である。
以下、本発明の実施の形態を添付の図面を用いて詳しく説明する。図1は、本発明の一実施形態を示す自動車用ユーザーもてなしシステム(以下、単に「システム」ともいう)100の概念ブロック図である。該システム100は、種々のもてなし動作部502〜517,534,541,548,549,550,551,552,1001Bが接続された第一のコンピュータからなるもてなし実行制御部3と、種々のセンサ・カメラ群518〜528が接続された第二のコンピュータからなるもてなし意思決定部2とからなる自動車側搭載部100を、その要部とする形で構成されている。第一のコンピュータと第二のコンピュータは、いずれもCPU,ROM,RAMを備え、ROMに格納された制御ソフトウェアを、RAMをワークメモリとして実行することにより、後述の種々の機能を実現する。
上記システム100においては、ユーザーが自動車に向けて接近し、該自動車に乗り込み、該自動車を運転し又は車内にて滞在し、その後、降車に至るまでのユーザーの自動車利用に係る一連の動作が、予め定められた複数のシーンに区切られる。そして、区切られた複数のシーン毎に、もてなし動作部502〜517,534,541,548,549,550,551,552,1001Bが、ユーザーによる自動車の利用を補助するための、又はユーザーを楽しませるためのもてなし動作を行なう。本実施形態では、車外への音波発生装置としてホーン502、ブザー503が接続されている。また、照明装置(ランプ類)としては、ヘッドランプ504(ビームをハイとローとで切り替え可)、フォグランプ505、ハザードランプ506、テールランプ507、コーナリングランプ508、バックアップランプ509、ストップランプ510、車内照明511及び床下ランプ512が接続されている。また、他のもてなし動作部として、エアコン514、カーオーディオシステム(カーステレオ)515、電動シート・ハンドル516及びサイドミラーやバックミラーなどの角度調整用の駆動部517、カーナビゲーションシステム534、ドア開閉用のアシスト機構(以下、ドアアシスト機構という)541、車内に芳香剤を放出する芳香発生部548、重度体調不良(重度の眠気を催した状態を含む)に対する気付け・覚醒用のアンモニア発生部549(例えば、運転用のハンドルの中心部に、運転者の顔付近を目指す形でアンモニアを噴出するように取り付けられる)、運転者に注意喚起したり眠気から覚醒させるためのシートバイブレータ550(シート底部あるいは背もたれ部に埋設される)、ハンドルバイブレータ551(ハンドルの軸に取り付けられている)、車内騒音低減用のノイズキャンセラ1001Bが接続されている。
図2は、車内照明511の構成例を示すもので、各々固有の照明色からなる複数の照明部(本実施形態では、赤色系照明511r、アンバー系照明511u、黄色系照明511y、白色系照明511w及び青色系照明511bからなる)を有する。これらの照明は、もてなし意思決定部2からもてなし実行制御部3を経て入力される制御指令信号を受けて、指定されたものが選択され、制御指令信号に従い種々の点灯パターンにて点灯制御される。図4は、ユーザーの性格種別に応じて定められた点灯制御データの構成例を示すもので、もてなし意思決定部2のROMに記憶され、制御ソフトウェアにより随時読み出されて使用される。例えば、活動的な性格(SKC1(図11参照))に対しては、赤色系照明511rを選んでこれをフラッシュ点灯(最初のみ、その後連続点灯)させ、おとなしい性格(SKC2)に対しては、アンバー系照明511uを選んでフェードイン点灯させる、などであるが、これはほんの一例である。また、照明光の強度及び照明色は、後述するユーザー状態指数Gの算出値に応じて調整される。
なお、照明装置は、白熱電球、蛍光ランプのほか、発光ダイオードを用いた照明装置を採用することも可能である。特に、赤色系(R)、緑色系(G)、青色系(B)の3原色の発光ダイオードを組み合わせることにより、種々の照明光を簡単に得ることができる。図4は、その回路構成の一例を示すもので、赤色系(R)、緑色系(G)、青色系(B)の各発光ダイオード3401が電源(Vs)に接続され、各々トランジスタ3402でスイッチング駆動される。このスイッチングは、コンパレータ3403に入力される三角波(のこぎり波でもよい)の周期と、指令信号の電圧レベルとによって定まるデューティ比によりPWM制御される。各色の発光ダイオード3401への指令信号の入力波形は、各々独立に変更可能であり、3つの発光色の混合比率に応じて任意の色調の照明色が得られ、また、色調や照明強度パターンを、指令信号の入力波形に応じて経時的に変化させることも可能である。なお、各色の発光ダイオード3401の発光強度は、上記のようにPWM制御する方式のほか、連続点灯を前提として駆動電流レベルにて調整することも可能であるし、これとPWM制御とを組み合わせた方式も可能である。
図5には、赤色系(R)、緑色系(G)、青色系(B)の各光の混合比(デューティ比による)と、視認される混合光の色との関係を示す(ここで示す混合比は、「1」を設定された色に対する他色の相対混合比で表わしており、この相対混合比を基準に絶対照明強度は別途設定される)。それぞれ、制御時に発光色を選択するためのインデックス(0〜14)が付与され、制御参照情報としてもてなし実行制御部3のROM(あるいは、もてなし意思決定部2側の記憶装置535:制御に必要な情報を、通信によりもてなし実行制御部3に送信すればよい)に記憶される。白色照明光は使用頻度が高く、着色された照明光との間でスムーズに制御移行できるように、白色を規定するインデックスが、該インデックスの配列上にて周期的に複数現れるように定められている。
特に中間に位置する白色(インデックス:6)を境として、その前後に、暖色系(うす橙→橙→赤)と寒色系(水色→青→青紫)の各色が配列し、ユーザーの体調状態や精神状態に応じて、白色照明光から暖色系照明光ないし寒色系照明光にスムーズに切り替えることができるようになっている。ここで、演出等を特に考慮しない通常時の照明色は白色を中心に設定され、これに精神状態指数(数値が大きいほど高揚した精神状態であることを示す)の値が対応付けられている。中庸の精神状態(精神状態指数:5)では白色が選択され、精神状態指数が大きくなるほど(つまり、高揚した精神状態となるほど)青系、すなわち短波長側に、精神状態指数が小さくなるほど(つまり、沈んだ精神状態となるほど)赤系、すなわち長波長側に照明色が変化するように定められている。この実施形態では、精神状態指数が10のとき、RGBの各相対設定値が「水色」となるように、精神状態指数が1のときは同じく「うす橙」となるとうに定められ、それらの中間の精神状態指数においては、補間によりRGBの各相対設定値が定められる。
次に、図6は、カーオーディオシステム515の構成例を示すもので、もてなし意思決定部2からもてなし実行制御部3を経て、曲特定情報やボリュームコントロール情報などの、もてなし用曲演奏制御情報が入力されるインターフェース部515aを有する。インターフェース部515aには、デジタルオーディオ制御部515e、多数の音楽ソースデータを格納した音楽ソースデータベース515b,515c(前者はMPEG3データベース、後者はMIDIデータベース)が接続されている。曲特定情報に基づいて選曲された音楽ソースデータはインターフェース部515aを経てオーディオ制御部に送られ、そこでデジタル音楽波形データにデコードされ、アナログ変換部515fでアナログ変換された後、プリアンプ515g及びパワーアンプ515hを経て、もてなし用曲演奏制御情報により指定されたボリュームにてスピーカ515jから出力される。
図1に戻り、電動ドア機構541は、乗降用のスライドドアあるいはスイング式ドアを、図示しないモータ(アクチュエータ)により自動開閉ないし開閉パワーアシストするためのものである。
図7は、ノイズキャンセラ1001Bの一構成例を示す機能ブロック図である。該ノイズキャンセラ1001Bの要部は、騒音抑制手段をなす能動的騒音制御機構本体2010と、必要音強調部(手段)2050とを含む。能動的騒音制御機構2010は、車内に侵入する騒音を検出する車内騒音検出マイク(ノイズ検知マイク)2011と、車内騒音検出マイク2011が検出する騒音波形と逆位相の騒音制御用波形を合成する騒音制御用波形合成部(制御音発生部)2015とを有する。騒音制御用波形は騒音制御用スピーカ2018から出力される。また、騒音制御用音波が重畳後の車内音に含まれる消し残し騒音成分を検出するエラー検出マイク2012と、消し残し騒音のレベルが縮小する方向にフィルタ係数が調整される適応フィルタ2014も設けられている。
車両自身に音源を有する車内騒音としては、エンジン音、路面音、風切り音などがあり、車内騒音検出マイク2011は、複数個のものが、個別の車内騒音の検知に適した位置に分散配置されている。車内騒音検出マイク2011は、搭乗者Jから見てそれぞれ違う位置にあり、マイク2011が拾う位置での騒音波形と、搭乗者Jが実際に聞く騒音波形との間には少なからぬ位相差がある。そこで、この位相差を合せこむために、車内騒音検出マイク2011の検知波形は適宜、位相調整部2013を介して制御音発生部2015に与えられる。
次に、必要音強調部2050は、強調音検知マイク2051及び必要音抽出フィルタ2053を含んで構成され、その必要音の抽出波形が制御音発生部2015に与えられる。ここでも、車内騒音検出マイク2011と同様の事情により、位相調整部2052が適宜設けられる。強調音検知マイク2051は、車外の必要音を取り込むための車外用マイク2051と、車内の必要音を取り込むための車内用マイク2051とからなる。いずれも周知の指向性マイクにて構成でき、車外用は、音検知の指向性の強い角度域が車外方向を向き、指向性の弱い角度域が車内方向を向くように取り付けられている。本実施形態では、マイク2051の全体が車外に出るように取り付けられているが、指向性の弱い角度域が車内側に位置し、指向性の強い角度域のみが車外に出るように、車内と車外とにまたがって取り付けることも可能である。他方、車内用マイク2051は、各座席に対応して、搭乗者の会話音を選択的に検知できるよう、音検知の指向性の強い角度域が搭乗者の正面側を向き、指向性の弱い角度域が反対方向を向くように取り付けられる。これら強調音検知マイク2051は、いずれも、その入力波形(検出波形)のうち必要音成分を優先的に通過させる必要音抽出フィルタ2053に接続されている。なお、図6のカーオーディオシステム515のオーディオ入力が車内必要音音源2019として利用されるようになっている。このオーディオ機器のスピーカ出力音(スピーカは騒音制御用スピーカ2018と兼用してもよいし、別途設けてもよい)は、騒音制御用波形が重畳されても相殺されないように制御される。
図8は、図7の機能ブロック図に対応したハードウェアブロック図の一例を示すものである。第一DSP(Digital Signal Processor)2100は騒音制御用波形合成部(制御音発生部)2015及び適応フィルタ2014(さらには位相調整部2013)を構成するものであり、車内騒音検出マイク2011がマイクアンプ2101及びA/D変換器2102を介して、また、騒音制御用スピーカ2018がD/A変換器2103及びアンプ2104を介してそれぞれ接続されている。他方、第二DSP2200は、抑制すべき騒音成分の抽出部を構成するものであり、エラー検出マイク2012がマイクアンプ2101及びA/D変換器2102を介して、また、オーディオ入力など抑制対象外の音声信号源、すなわち必要音音源2019がA/D変換器2102を介してそれぞれ接続されている。
必要音強調部2050は、必要音抽出フィルタ2053として機能する第三DSP2300を有し、必要音検知マイク(強調音検知マイク)2051がマイクアンプ2101及びA/D変換器2102を介して接続されている。そして、第三DSP2300はデジタル適応フィルタとして機能する。以下、フィルタ係数の設定処理について説明する。
緊急車両(救急車、消防車、パトカーなど)のサイレン音、踏み切り警報器音、後続車のクラクション音、ホイッスル音、人間の叫び声(子供の泣き声や女性の叫び声など)を、注意ないし危険認識すべき必要車外音(強調音)として定め、それらのサンプル音をディスク等に記録して、読み取り再生可能な参照強調音データとしてライブラリー化しておく。また、会話音については、複数人の個別のモデル音声を、同様に参照強調音データとしてライブラリー化しておく。なお、自動車への搭乗候補者が固定的に定められている場合には、モデル音声を、そのモデル音声自身の発声による参照強調音データとして用意しておけば、その搭乗候補者が乗車した場合の会話音の強調精度を高めることができる。
そして、フィルタ係数に適当な初期値を与え、強調音検知マイク2051による強調音検出レベルを初期値に設定する。次いで、各参照強調音を読み出して出力し、強調音検知マイク2051により検出する。そして、適応フィルタの通過波形を読み取り、参照強調音として通過できた波形のレベルを測定する。この検知レベルが目標値に達するまで上記の処理を繰り返す。このようにして、車外音及び車内音(会話音)の双方について、参照強調音を次々と取り替えて、通過波形の検知レベルが最適化されるよう、フィルタ係数を学習処理させる。上記のようにフィルタ係数が調整された必要音抽出フィルタ2053により、強調音検知マイク2051からの入力波形から必要音を抽出し、その抽出強調音波形を第二DSP2200に転送する。第二DSP2200は、車内騒音検出マイク2011の検知波形から、必要音音源(ここではオーディオ出力)2019からの入力波形と、第三DSP2300からの抽出強調音波形を差分演算する。
第一DSP2100に組み込まれるデジタル適応フィルタのフィルタ係数は、システムの使用に先立って初期化が行われる。まず、抑制対象となる種々の騒音を定め、それらのサンプル音をディスク等に録音して、再生可能な参照騒音としてライブラリー化しておく。そして、フィルタ係数に適当な初期値を与え、エラー検出マイク2012による消し残し騒音レベルを初期値に設定する。次いで、参照騒音を順次読み出して出力し、車内騒音検出マイク2011により検出する。適応フィルタを通過した車内騒音検出マイク2011の検出波形を読み取り、これを高速フーリエ変換することにより、騒音検出波形を、各々波長の異なる正弦波素波に分解する。そして、各正弦波素波の位相を反転させた反転素波を生成し、これを再度合成することにより、騒音検出波形と逆位相の騒音制御用波形が得られる。これを騒音制御用スピーカ2018から出力する。
適応フィルタの係数が適性に定められていれば、車内騒音検出マイク2011の波形からは騒音成分だけが効率良く抽出されているはずなので、これに基づいて逆相合成された騒音制御用波形により車内騒音を過不足なく相殺することができる。しかし、フィルタ係数の設定が適性でなければ相殺されない波形成分が消し残し騒音成分となって生ずる。これは、エラー検出マイク2012により検出される。消し残し騒音成分のレベルは目標値と比較され、目標値以下になっていなければフィルタ係数を更新し、これが目標値以下になるまで同様の処理を繰り返す。このようにして、参照騒音を次々と取り替えて、消し残し騒音成分が最小化されるよう、フィルタ係数を学習処理させる。そして、実使用時には、消し残し騒音成分を定常的にモニタリングし、常時これが最小化されるようにフィルタ係数をリアルタイム更新しつつ、上記と同様の処理を行なうことで、必要な音波成分を残しつつ、車内の騒音レベルのみを効果的に低減することができる。
図1に戻り、ユーザー側端末装置1は、本実施形態では周知の携帯電話として構成されている(以下、「携帯電話1」ともいう)。この携帯電話1には、着信音出力や音楽演奏のために、着信音データや音楽データ(MPEG3データあるいはMIDIデータ:着信音としても使用される)がダウンロード可能とされており、図示しない楽音合成回路にて該データに基づく演奏出力が可能である。
また、もてなし意思決定部2には、次のようなセンサ・カメラ群が接続されている。これらの一部はシーン推定情報取得手段として機能し、また、ユーザー生体特性情報取得手段として機能するものである。
・車外用カメラ518:自動車に接近してくるユーザーの姿を撮影する。ユーザーの仕草や顔の表情などを静止画ないし動画として取得する。ユーザーを拡大して撮影するために、望遠レンズを用いた光学式ズーム方式や、撮影画像をデジタル的に拡大するデジタルズーム方式を併用することができる。
・赤外線センサ519:自動車に接近するユーザー、ないし乗車したユーザーの顔部分からの放射赤外線に基づき、サーモグラフィーを撮影する。ユーザー生体特性情報取得手段である体温測定部として機能し、その時間的変化波形を測定することにより、ユーザーの体調状態ないし精神状態を推定することができる。
・着座センサ520:ユーザーが座席に着座したか否かを検出する。自動車のシートに埋設される近接スイッチ等で構成することができる。このほか、シートに着座したユーザーを撮影するカメラにより着座センサを構成することもできる。この方法であると、シートに荷物など、人以外の荷重源が載置された場合と、人が着座した場合とを相互に区別でき、例えば人が着座した場合にだけもてなし動作を行なう、といった選択制御も可能となる。また、カメラを用いれば、着座したユーザーの動作を検出することも可能であり、検出情報をより多様化することができる。なお、シート上でのユーザーの動作を検出するには、シートに装着した感圧センサを用いる方法もある。
さらに、本実施形態では、図9に示すように、シートの座部及び背もたれ部に複数分散埋設された着座センサ520A,520B,520Cの検知出力に基づいて、着座したユーザー(運転者)の姿勢変化を波形検出するようにしている。いずれも着座圧力を検出する圧力センサで構成され、具体的には、正面を向いて着座したユーザーの背中の中心に基準センサ520Aが配置される。残部のセンサは、それよりもシート左側に偏って配置された左側センサ520Bと、シート右側に偏って配置された右側センサ520Cとからなる。基準センサ520Aの出力は、差動アンプ603及び604にて、それぞれ右側センサ520Cの出力及び左側センサ520Bの出力との差分が演算され、さらにそれらの差分出力同士が、姿勢信号出力用の差動アンプ605に入力される。その、姿勢信号出力Vout(第二種生体状態パラメータ)は、ユーザーが正面を向いて着座しているときほぼ基準値(ここではゼロV)となり、姿勢が右に偏ると右側センサ520Cの出力が増加し、左側センサ520Cの出力が減少するので負側にシフトし、姿勢が左に偏るとその逆となって正側にシフトする。なお、右側センサ520C及び左側センサ520Bは、いずれも加算器601,602により、座部側のセンサ出力と背もたれ側のセンサ出力との加算値として出力されているが、残部センサ出力と背もたれセンサ出力の差分値を出力するようにしてもよい(このようにすると、運転者が前のめりになったとき背もたれセンサ側の出力が減少し、その差分値が増大するので、より大きな姿勢の崩れとして検出することができる。
・顔カメラ521:着座したユーザーの顔の表情を撮影する。例えばバックミラー等に取り付けられ、フロントグラス側から運転者を斜め上方から、シートに着座したユーザー(運転者)の顔を含む上半身を撮影する。その画像から顔部分の画像を切り出し、ユーザーの種々の表情を予め撮影して用意されたマスター画像と比較することにより、図10に示す種々の表情を特定することができる。体調状態ないし体調状態のいずれにおいても、状態が良好な順に表情の序列を決めておき、その序列に従って得点付与することにより(例えば、精神状態の場合、安定を「1」、注意散漫・不安を「2」、興奮・怒りを「3」とするなど)、表情を離散的な数値パラメータ(第二種生体状態パラメータ)として使用することができ、その時間変化を離散的な波形として測定できるので、当該波形に基づき、精神状態ないし体調状態の推定を行なうことも可能である。なお、顔を含む上半身の画像形状と、その画像上での重心位置から、運転者の姿勢の変化を検出することもできる。すなわち、重心位置の変化波形は姿勢の変化波形として使用でき(第二種生体状態パラメータ)、当該波形に基づき、精神状態ないし体調状態の推定を行なうことも可能である。なお、もてなし制御に使用するユーザー生体状態情報の取得源(ユーザー生体特性情報取得手段)としての機能以外に、バイオメトリックスによるユーザーの本人認証用にも使用される。また、目のアイリスの向きを拡大検出することで、顔や視線の方向を特定することもできる(例えば、やたらに時計の方向を見る場合は、「時間を気にして焦っている」と推定するなど)。また、視線方向の角度の時間的変化波形(真正面を向いているときを基準方向として、その基準方向に対する左右へのぶれ角度を波形変化として検出する)に基づき(第二種生体状態パラメータ)、運転者の体調状態あるいは精神状態を推定するのにも使用される。
・マイクロフォン522:ユーザーの声を検出する。これも、ユーザー生体特性情報取得手段として機能させうる。
・感圧センサ523:自動車のハンドルやシフトレバーの、ユーザーによる把握位置に取り付けられ、ユーザーの握り力や、握ったり放したりの繰り返し頻度などを検出する(ユーザー生体特性情報取得手段)。
・血圧センサ524:自動車のハンドルのユーザー把握位置に取り付けられる(ユーザー生体特性情報取得手段)。血圧センサ524の検出する血圧値はその時間的変化が波形として記録され(第一種生体状態パラメータ)、その波形に基づいて運転者の体調状態ないし精神状態の推定に使用される。
・体温センサ525:自動車のハンドルのユーザー把握位置に取り付けられた温度センサからなる(ユーザー生体特性情報取得手段)。体温センサ525の検出する体温値はその時間的変化が波形として記録され(第一種生体状態パラメータ)、その波形に基づいて運転者の体調状態ないし精神状態の推定に使用される。
・皮膚抵抗センサ545:発汗等による体表面の抵抗値を測定する周知のセンサであり、自動車のハンドルのユーザー把握位置に取り付けられる。皮膚抵抗センサ545の検出する皮膚抵抗値はその時間的変化が波形として記録され(第一種生体状態パラメータ)、その波形に基づいて運転者の体調状態ないし精神状態の推定に使用される。
・網膜カメラ526:ユーザーの網膜パターンを撮影し、バイオメトリックスによるユーザーの本人認証用に使用される。
・アイリスカメラ527:バックミラー等に取り付けられ、ユーザーのアイリス(虹彩)の画像を撮影し、バイオメトリックスによるユーザーの本人認証用に使用される。アイリスの画像を用いる場合、その模様や色の個人性を利用して照合・認証を行なう。特にアイリス模様は後天的形成要素であり、遺伝的影響度も低いので一卵性双生児でも顕著な相違があり、確実に識別できる利点がある。アイリス模様を用いた認証方式は、認識・照合を迅速に行なうことができ、他人誤認率も低い特徴がある。また、アイリスカメラにより撮影された運転者の瞳孔寸法(第二種生体状態パラメータ)の時間的変化に基づいて、体調状態あるいは精神状態の推定を行なうことができる。
・静脈カメラ528:ユーザーの静脈パターンを撮影し、バイオメトリックスによるユーザーの本人認証用に使用される。
・ドアカーテシスイッチ537:ドアの開閉を検知する。乗り込みシーン及び降車シーンへの移行を検出する、シーン推定情報取得手段として使用される。
また、もてなし意思決定部2には、エンジン始動を検知するためのイグニッションスイッチ538の出力も分岐入力されている。また、車内の明るさレベルを検出する照度センサ539、車内の音響レベルを測定する音圧センサ540も、もてなし意思決定部2に同様に接続されている。
また、もてなし意思決定部2には、タッチパネル(カーナビゲーションシステム534のモニターに重ねられたタッチパネルで兼用してもよい:この場合は、入力情報はもてなし実行制御部3からもてなし意思決定部2に転送される)等で構成された入力部529と、もてなし動作情報記憶部として機能するハードディスクドライブ等で構成された記憶装置535とが接続されている。
他方、もてなし実行制御部3には、車両位置情報を取得するためのGPS533(カーナビゲーションシステム534においても使用する)、ブレーキセンサ530、車速センサ531及び加速度センサ532も接続されている。
もてなし意思決定部2は、センサ・カメラ群518〜528の1又は2以上のものの検出情報から、ユーザーの性格、精神状態及び体調の少なくともいずれかを含むユーザー生体状態情報を取得し、その内容に応じてどのもてなし動作部にどのようなもてなし動作をさせるかを決定して、これをもてなし実行制御部3に指令する。もてなし実行制御部3は、これを受けて、対応するもてなし動作部502〜517,534,541,548,549,550,551,552,1001Bにもてなし動作を実行させる。すなわち、もてなし意思決定部2ともてなし実行制御部3とが互いに協働して、取得されたユーザー生体状態情報の内容に応じてもてなし動作部502〜517,534,541,548,549,550,551,552,1001Bの動作内容を変化させる機能を実現する。もてなし実行制御部3には、自動車側通信手段(ホスト側通信手段)をなす無線通信装置4が接続されている。該無線通信装置4は、自動車のユーザーが携帯するユーザー側端末装置(携帯電話)1と無線通信網を介して通信する。
一方、カーオーディオシステム515には、ユーザーが手動で操作する操作部515d(図6)が設けられ、ここからの選曲データの入力により、所望の音楽ソースデータを読み出して演奏することもできる。また、操作部515dからのボリューム/トーンコントロール信号は、プリアンプ515gへ入力される。この選曲データは、インターフェース部515aから、図1のもてなし実行制御部3を経てもてなし意思決定部2へ転送され、これに接続された記憶装置535の選曲実績データ403として蓄積される。その蓄積内容に基づいて、後述のユーザ−性格判定処理が行われる(つまり、カーオーディオシステム515の操作部515dは、ユーザー生体特性情報取得手段の機能を構成しているといえる)。
図11は、上記音楽ソースデータのデータベース構造の一例を示すもので、曲ID、曲名及びジャンルコードと対応付ける形で音楽ソースデータ(MPEG3又はMIDI)が記憶されている。また、各音楽ソースデータには、その音楽を選曲したユーザーについて推定される性格種別(「活動的」、「おとなしい」、「楽観的」、「悲観的」、「頽廃的」、「体育会系」、「知性派」、「ロマンチスト」など)を示す性格種別コード、同じく年齢コード(「幼児」、「子供」、「ジュニア」、「青年」、「壮年」、「中点」、「熟年」、「敬老」、「年齢無関係」など)、性別コード(「男性」、「女性」及び「性別無関係」)が個々に対応付けて記憶されている。性格種別コードはユーザー性格特定情報の一つであり、年齢コード及び性別コードは、性格とは無関係なサブ分類である。ユーザーの性格が特定できても、年齢層や性別に合わない音楽ソースを選択したのでは、ユーザーを楽しませる「もてなし」としての効果は半減する。従って、ユーザーに提供する音楽ソースの適性をより絞り込むために、上記のようなサブ分類付与は有効である。
一方、各音楽ソースデータには、曲モードコードも個々に対応付けて記憶されている。曲モードコードは、その曲を選曲したユーザーの精神状態や体調と、当該曲との連関を示すデータであり、本実施形態では、「盛り上げ系」、「爽快系」、「温和・癒し系」、「ヒーリング・α波系」等に分類されている。なお、性格種別コード、年齢コード、性別コード、ジャンルコード及び曲モードコードは、各ユーザーに固有のもてなし内容を選定する際に参照するデータなので、これらを総称してもてなし参照データと呼ぶことにする。
さらに、各音楽ソースデータには、後述する体調指数PLと精神状態指数SLとが個々に対応付けて記憶されている。これらの指数は、該指数が示す体調ないし精神状態に適合する音楽ソースデータを特定するために事前に付与されたものである。その使用方法については後述する。
次に、本実施形態においてシーンは、接近シーンSCN1、乗り込みシーンSCN2、準備シーンSCN3、運転/滞在シーンSCN4、降車シーンSCN5及び離脱シーンSCN6が、時系列的にこの順序で設定されている。接近シーンの特定は、後述するごとく、ユーザー側のGPS554と、自動車側のGPS533とにより、自動車と、当該自動車外に位置するユーザーとの相対距離及びその変化を特定し、ユーザーが自動車へ予め定められた距離以内に接近したことを検出することで行なう。乗り込みシーンと降車シーンとは、ドアカーテシスイッチ537のドア開検知出力に基づいて特定する。ただし、単にドア開の情報だけでは乗り込みシーンか降車シーンかを特定できないから、もてなし意思決定部2のRAM内に、現在シーン特定情報を記憶保持する現在シーン特定情報記憶手段として、図12に示すごとくシーンフラグ350を設けることで対応するようにしている。シーンフラグ350は各シーンに対応した個別シーンフラグを有し、時系列順に到来順序が定められた各シーンが到来する毎に、そのシーンに対応するフラグを「到来(フラグ値1)」に設定してゆく。シーンフラグ350にて、値が「1」になっているフラグの最新のもの(「1」フラグ列の末尾のもの)を特定することで、現在どのシーンまで進んできているかを特定できる。
また、準備シーンとシーン運転/滞在シーンとは、いずれも前述の着座センサがユーザーを検出しているか否かにより特定するが、自動車に乗り込んでイグニッションスイッチ538がONになるまでの間、あるいは、イグニッションスイッチ538がONにならず、かつ一定以上の着座継続が確認されるまでの間は、準備シーンとして認識される。また、離脱シーンへの移行は、降車シーンのあと、ドアカーテシスイッチ537がドア閉を検知することで識別される。
各もてなし動作は、対応するもてなし動作部の動作制御アプリケーションにより制御される。これらの動作制御アプリケーションはもてなし実行制御部3のROM(あるいは記憶装置535)内に記憶されている。
動作制御アプリケーションに基づき、各シーンにおいて、どのもてなし動作部(もてなし機能)をどのような内容で動作させるかは、次のようにして決定される。すなわち、図1のもてなし意思決定部2のROM(あるいは記憶装置535)には、自動車利用に係るユーザーの安全性、利便性及び快適性の分類項目と、車外ないし車内におけるユーザーの周囲環境に関与する、少なくとも触覚系、視覚系及び聴覚系の3つを含む制御対象環境項目とにより張られる二次元配列マトリックスとして構成された目的推定マトリックスがシーン別に用意され記憶されている。
図13は接近シーン(遠距離)にて使用する目的推定マトリックス371の一部を示すものである。該目的推定マトリックス371の各マトリックスセルには、分類項目と制御対象環境項目とに対応する、当該シーンにおいてユーザーが所望すると推定されるもてなし目的が格納されている。接近シーンでは、もてなし目的が車内用と車外用とに大別されており、次のようなもてなし目的が具体的に特定されるようになっている。
(車内)
「車内状況を把握」
分類項目:「安全」(サブ項目:「ケガ、破壊防止」→「不安を取り除く」→「車内状態を把握」/制御対象環境項目「明るさ(視覚系)」
「演出」
分類項目:「快適」(サブ項目:「やるのであれば快適に」→「気持ちの高揚」→「期待する」/制御対象環境項目「明るさ(視覚系)」
(車外)
「転倒を避ける」
分類項目:「安全」(サブ項目:「ケガ、破壊防止」→「障害を取り除く」→「回避する」/制御対象環境項目「明るさ(視覚系)」
「車の向き把握」
分類項目:「安全」(サブ項目:「ケガ、破壊防止」→「不安を取り除く」→「誘導する」/制御対象環境項目「明るさ(視覚系)」
「暗い所を見る」
分類項目:「安全」(サブ項目:「ケガ、破壊防止」→「不安を取り除く」→「状況を確認」/制御対象環境項目「明るさ(視覚系)」
また、上記ROMには、もてなし目的の種別項目と、もてなし動作部の機能種別項目とにより張られる二次元配列マトリックスとして構成された機能抽出マトリックスが記憶されている。図13は接近シーンにて使用する機能抽出マトリックス372の一部を示すものである。機能抽出マトリックス372は、各マトリックスセルに、当該マトリックスセルにかかるもてなし目的において対応する機能が当該もてなし目的に適合する機能であるか否かを識別可能な形で、該機能を動作制御する際の基準として参照する基準参照情報が格納されている。
本実施形態のシステムでは、もてなし意思決定部2において、前述のセンサないしカメラにより取得されたユーザー生体特性情報に基づき、ユーザーの少なくとも体調及び精神状態を各々数値に反映したユーザー状態指数(体調指数と精神状態指数)が算出される(ユーザー状態指数算出手段)。上記の基準参照情報は、対応する機能を動作制御するための基準となるユーザー状態を反映した基準参照指数として与えられる。また、もてなし実行制御部3では、選択すべきもてなし機能の動作指令情報が、上記基準参照指数をユーザー状態指数にて補正する形で、ユーザー生体特性情報が示すユーザーの少なくとも体調と関連付けられた数値指令情報として演算される(数値指令情報演算手段)。
具体的には、上記の数値指令情報は、ユーザー状態指数と基準参照指数との差分値として演算される。基準参照指数は、着目している機能を体調改善のために積極動作させるか否かのいわば分岐点を与える基準値として把握することができ、現実の体調レベルが反映されたユーザー状態指数との差分値は、機能効果が最も適正化された状態、すなわち、ユーザーが最も満足と感じる目標状態からの隔たりを直接的に表わすパラメータとして把握される。この差分値が大きいほど、ユーザー状態指数に反映された体調の改善又は悪化抑制方向への寄与が大きくなるように機能の動作レベルが設定される。
本実施形態では、取得したユーザー生体特性情報に反映されるユーザーの体調が良好であるほど、増加ないし減少のうち予め定められた向きに一義的に変化するものとして、ユーザー状態指数が算出される。そして、ユーザーの体調(ユーザー状態指数)に反映された、適正環境からの逸脱の度合い(差分値)が大きいほど、これを解消するために選択される機能の電気的出力レベルが増加するように制御がなされる。ユーザー状態指数は、ユーザー生体特性情報から直接算出される体調指数と等価なものを用いてもよいし、該体調指数を、ユーザー生体特性情報から算出される精神状態指数にて補正して得られるものを用いてもよい。
基準参照指数は、対応する機能を作動させるかどうかを判定する上でのユーザー状態指数の基準レベルを規定するものである。換言すれば、そのユーザー個人の体調(及び精神状態)を指標として、満足と感じているか否かの分岐点を(制御値の絶対レベルとは無関係に)相対的に与えるパラメータであり、統計的ないし実験的に把握された後述の体調指数ないし精神状態指数の算出に関与する種々の生体特性情報と、実際のユーザーの体調ないし精神状態との対応関係に基づいて定められる。そして、ユーザー状態指数と基準参照指数との間に、(改善の必要な向きに)差分が生じていれば、その差分が縮小される向きに、関係する機能の動作制御が行なわれる。
図14に基づいて具体的に説明する。すなわち、図13の目的推定マトリックス371にて接近シーン(遠距離)で特定されるもてなし目的は、図14の機能抽出マトリックス372に示すごとく、「転倒を避ける」、「車の向き把握」、「暗い所を見る」、「車内状況を把握」及び「演出」(光による演出と、音による演出との2通りがある)である。基準参照指数が与えられていないマトリックスセルについては、当該のもてなし目的に対応するもてなし機能が存在しないことを意味する。逆に、基準参照指数が与えられているマトリックスセルについては、当該のもてなし目的に対応するもてなし機能が存在し、別途算出された体調指数(ユーザー状態指数)と、この基準参照指数との差分が予め定められた基準値より大きければ(例えばゼロより大きければ)、その機能が選択されることになる。なお、同一のもてなし目的(ひいては、これと関連付けられるもてなし機能)を複数のマトリックスセルに割り当てることも可能である。
そして、上記差分値が大きいほど(つまり、ユーザーの不満足度(あるいは、欲求度)が大きいほど)、当該機能の電気的出力値が大きく設定され、ユーザーを早期に満足状態とするための機能動作制御が行なわれる。例えば、「光演出」における第一車外照明(ヘッドライト、床ランプあるいはテールランプ)については、基準参照指数が比較的小さく設定され、多少疲れていても(精神状態補正される場合は、多少落ち込んだ精神状態になっていても)、ユーザー状態指数(標準状態で「5」、数値が大きくなるほど良好であることを示す)からの差分値は正の値を示し、演出用に点灯動作することになる。この場合、ユーザー状態指数が大きいと(つまり、ユーザー状態が良好であると)、演出用の照明強度が大きくなるように動作制御が行なわれ、逆に、ユーザー状態指数が小さいと(つまり、ユーザー状態が不良であると)、演出用の照明強度が小さくなるように動作制御が行なわれる。
ユーザー状態指数の算出値は、ユーザー生体特性情報の最新の取得に基づいて常時更新されており、ユーザー状態指数が改善されれば上記差分値はさらに拡大するので、照明強度は増強される制御となる。逆にユーザー状態指数が悪化すれば差分値は縮小するので、照明強度は低減される。そして、ユーザー状態指数がほぼ安定化したところで、対応する照明強度が維持される形となる。例えば、体調良好で気分的に盛り上がっていればぎらぎらの強い照明による演出がなされるが、もてなされるユーザーがこれを過剰(つまり、不快)と感じればユーザー状態指数は減少し、演出用の照明光は和らげられる。他方、最初落ち込んでいても、柔らかい照明による演出を受けて気分が盛り上がれば、ユーザー状態指数が増加し演出用の照明光が強められる。いずれも、ユーザーが「適当」と感じたところで、照明光強度の制御値は安定化する。また、照明光をどんなに絞ってもユーザー状態指数の減少傾向が止まらない場合は、ユーザーが照明演出を却って煩わしく感じている、ということであり、上記の差分値がゼロ(あるいは定められた所定値)となったところで該当の照明演出機能は淘汰され動作が停止する。
また、「光演出」に関しては、同じもてなし目的でありながら、上記の第一車外照明のほかに、第二車外照明(スモールランプ、コーナリングランプ、ハザードランプなど)及び車内照明と、複数の互いに異なる機能が割り振られており、基準参照指数は、第一車外照明→第二車外照明→車内照明の順で大きく設定されている。その結果、算出されたユーザー状態指数との差分値は第一車外照明→第二車外照明→車内照明の順で小さくなり、機能動作の優先順位もこの順で低くなる。その結果、ユーザー状態指数が6を超える程度に良好であれば、第一車外照明、第二車外照明及び車内照明の全てが動作して演出がより盛り上がる一方、ユーザー状態指数が下がるにつれて、第二車外照明及び車内照明が順次淘汰され、演出は小規模なものとなる。
なお、もてなし目的によっては、ユーザー状態指数の値によらず一律に選択され、かつ、ユーザー状態指数の値とは無関係に制御内容が定められる機能も存在する(以下、これを「一様制御対象機能」と称する:これに対し、ユーザー状態指数の値(前述の差分値)に応じて制御内容が適正化されるように制御される機能を「状態依存型機能」と称する)。機能選択マトリックス372において、そのような機能に対応するマトリックスセルには、これを識別するための情報(「*」)が格納され、該機能が一様制御対象機能であることを判別して、定められた制御が実行されるようにしてある。
例えば、図14においては、分類項目が「安全」に対応する2つのもてなし目的「転倒を避ける」及び「暗い所を見る」の2つにつき、ユーザーの自動車へのアプローチを確保するために必要な外部照明(後述)が一様制御対象機能として指定されている。
また、1つの機能が複数のもてなし目的にて共有されることもある。この場合、当該の機能の適正制御内容が、もてなし目的によって相違することもありえるが、この場合、異なるもてなし目的の間で制御内容が競合しないように、次のような対策が施されている。
(1)当該の機能が割り振られた複数のもてなし目的のうち、1つのみが該機能を「状態依存型機能」として取り扱い(以下、第一種もてなし目的という)、残余のもてなし目的ではこれを「一様制御対象機能」として取り扱っている場合、(以下、第二種もてなし目的という)「状態依存型機能」として取り扱うもてなし目的を優先し、対応する制御を実行する。この場合、図14に示すごとく、機能抽出マトリックス372において第二種もてなし目的に対応するマトリックスセルには、第一種もてなし目的の制御を優先する旨を示す情報「δ」が格納される。マトリックスセルにこの情報が格納されている場合、当該の機能は選択するが、制御については基準参照指数が格納されているもてなし目的を優先し、該基準参照指数を用いた前述の差分値に基づく制御が実行される。図14においては、第一車外照明に対する「演出」が第一種もてなし目的となり、「車の向き把握」が第二種もてなし目的となるように定められている。
(2)当該の機能が割り振られた複数のもてなし目的のうち、2以上のものに「状態依存型機能」が割り振られている場合は、どのもてなし目的の基準参照指数を優先的に用いるかを予め定めておく(例えば、基準参照指数の最も小さいものを優先するなど)。
次に、図15は、接近シーン(近距離)における目的推定マトリックスの一部を示す事例である。内容は以下の通りである。
(車内)
「躓き、ぶつけ防止」
分類項目:「安全」(サブ項目:「ケガ、破壊防止」→「障害を取り除く」→「回避する」/制御対象環境項目「明るさ(視覚系)」
「躓き、ぶつけ防止」
分類項目:「安全」(サブ項目:「ケガ、破壊防止」→「不安を取り除く」→「状況を確認/制御対象環境項目「明るさ(視覚系)」
「初期の温感を調整」
分類項目:「快適」(サブ項目:「やるのであれば快適に」→「不快感を排除」→「対象を排除」/制御対象環境項目「気温(触覚系)」
「演出」
分類項目:「快適」(サブ項目:「やるのであれば快適に」→「気持ちの高揚」→「期待する/効果を高める」/制御対象環境項目「明るさ(視覚系)」及び「音(聴覚系)」
「アロマ(芳香)」
分類項目:「快適」(サブ項目:「やるのであれば快適に」→「気持ちの高揚」→「期待する/効果を高める」/制御対象環境項目「臭/香(嗅覚系)」
(車外)
「躓き、ぶつけ防止」
分類項目:「安全」(サブ項目:「ケガ、破壊防止」→「不安を取り除く」→「状況を確認/制御対象環境項目「明るさ(視覚系)」
「ドア(乗降口)位置把握」
分類項目:「安全」(サブ項目:「ケガ、破壊防止」→「不安を取り除く」→「状況を確認/制御対象環境項目「ドア操作(触覚系)」
「躓き、ぶつけ防止」
分類項目:「安全」(サブ項目:「ケガ、破壊防止」→「不安を取り除く」→「状況を確認/制御対象環境項目「明るさ(視覚系)」
図16は、これに対応する機能抽出マトリックス372の一部を示すものである。内容は以下のとおりである。
「躓き、ぶつけ防止」(第一種もてなし目的)
選択機能:外部照明及び床下照明(ヘッドライト)いずれも、一様制御対象機能
「ドア(乗降口)位置把握」(第二種もてなし目的)
選択機能:車内照明(光演出が優先)
「初期の温感を調整」(第一種もてなし目的)
選択機能:空調(状態依存型機能)
「アロマ(芳香)」
選択機能:芳香発生部(状態依存型機能)
「光演出」
選択機能:車内照明(状態依存型機能:漏光によりドア(乗降口)位置把握にも利用する:多少体調が悪くとも、車内が明るく照明されて漏光量が多くなるよう、基準参照指数は小さく設定されている(ここでは「1」))。
「音演出」
選択機能:カーオーディオシステム、携帯電話(状態依存型機能:ユーザーが所持する携帯電話からも出迎え音楽を流す)、パワーウィンドウ(窓を少し開け、車内のカーオーディオシステムからの演奏音を外へ漏らす)。携帯電話はカーオーディオシステムよりも基準参照指数が大きく設定され、採用優先順位が下げられている。
図17は、乗車シーンにおける目的推定マトリックスの一部を示す事例である。内容は以下の通りである。
(車内)
「適温調整」
分類項目:「快適」(サブ項目:「やるのであれば快適に」→「不快感を排除」→「対象を排除」/制御対象環境項目「気温(触覚系)」
「暗いところでも操作」
分類項目:「容易に」(サブ項目:「面倒なことはしたくない」→「手間を削減」→「作業を効率化/制御対象環境項目「明るさ(視覚系)」
「忘れ物防止」
分類項目:「容易に」(サブ項目:「面倒なことはしたくない」→「手間を削減」→「作業を効率化/制御対象環境項目「音(聴覚系)」
「(起動を)演出」
分類項目:「快適」(サブ項目:「やるのであれば快適に」→「気持ちの高揚」→「期待する」/制御対象環境項目「明るさ(視覚系)」及び「音(聴覚系)」
「アロマ(芳香)」
分類項目:「快適」(サブ項目:「やるのであれば快適に」→「気持ちの高揚」→「期待する」/制御対象環境項目「臭/香(嗅覚系)」
(車外)
「(ユーザーの)衝突防止」
分類項目:「安全」(サブ項目:「ケガ、破壊防止」→「不安を取り除く」→「状況を確認/制御対象環境項目「明るさ(視覚系)」
「操作系を把握」
分類項目:「安全」(サブ項目:「ケガ、破壊防止」→「不安を取り除く」→「状況を確認/制御対象環境項目「明るさ(視覚系)」
「楽に乗り込みたい」
分類項目:「容易に」(サブ項目:「面倒なことはしたくない」→「労力を削減」→「操作力を削減/制御対象環境項目「明るさ(視覚系)」
/制御対象環境項目「ドア操作(触覚系)」
「悪臭侵入防止」
分類項目:「快適」(サブ項目:「やるのであれば快適に」→「不快感の排除」→「対象の排除」/制御対象環境項目「臭/香(嗅覚系)」
「雑音侵入防止」
分類項目:「快適」(サブ項目:「やるのであれば快適に」→「不快感の排除」→「対象の排除」/制御対象環境項目「音(聴覚系)」
図18は、これに対応する機能抽出マトリックス372の一部を示すものである。内容は以下のとおりである。
「適温調整」(第一種もてなし目的)
選択機能:空調(状態依存型機能)
「(ユーザーの)衝突防止」(第一種もてなし目的)
選択機能:外部照明及び床下照明(いずれも、一様制御対象機能)
「操作系を把握」
選択機能:外部照明及び床下照明(いずれも、一様制御対象機能)
「暗いところでも操作」(第一種もてなし目的)
選択機能:外部照明及び床下照明(いずれも、一様制御対象機能)及び車内照明(状態依存型機能)
「忘れ物防止」(第一種もてなし目的)
選択機能:カーオーディオシステム(一様制御対象機能:忘れ物確認メッセージの出力)
「楽に乗り込みたい」
選択機能:電動ドア(一様制御対象機能)
「アロマ(芳香)」
選択機能:芳香発生部(状態依存型機能)
「(起動を)光演出」
選択機能:車内照明(状態依存型機能)
「音演出」
選択機能:カーオーディオシステム(状態依存型機能)
「悪臭侵入防止」「雑音侵入防止」
選択機能:パワーウィンドウ(一様制御対象機能;窓を締め切る)
図19は、運転/滞在シーンにおける目的推定マトリックスの一部を示す事例である。内容は以下の通りである。
(車内)
「集中力維持」
分類項目:「安全」(サブ項目:「ケガ、破壊防止」→「障害を取り除く」→「回避する/制御対象環境項目「気温(触覚系)」
「寒暑の改善」
分類項目:「快適」(サブ項目:「やるのであれば快適に」→「不快感を排除」→「対象を排除」/制御対象環境項目「気温(触覚系)」
「体調に合わせる」
分類項目:「快適」(サブ項目:「やるのであれば快適に」→「体調を向上」→「期待する」/制御対象環境項目「気温(触覚系)」
「集中力維持」
分類項目:「安全」(サブ項目:「ケガ、破壊防止」→「障害を取り除く」→「回避する/制御対象環境項目「接触型インテリア(触覚系)」
「快適にする」
分類項目:「快適」(サブ項目:「やるのであれば快適に」→「不快感を排除」→「対象を排除」/制御対象環境項目「接触型インテリア(触覚系)」
「体調に合わせる」
分類項目:「快適」(サブ項目:「やるのであれば快適に」→「体調を向上」→「期待する」/制御対象環境項目「接触型インテリア(触覚系)」
「ぶつけ防止」
分類項目:「安全」(サブ項目:「ケガ、破壊防止」→「障害を取り除く」→「回避する/制御対象環境項目「明るさ(視覚系)」
「設備状況を把握」
分類項目:「安全」(サブ項目:「ケガ、破壊防止」→「不安を取り除く」→「状況を確認/制御対象環境項目「明るさ(視覚系)」
「作業にあった明るさ設定」
分類項目:「容易に」(サブ項目:「面倒なことはしたくない」→「手間を削減」→「作業を効率化/制御対象環境項目「明るさ(視覚系)」
「快適な明るさ設定」
分類項目:「快適」(サブ項目:「やるのであれば快適に」→「不快感を排除」→「対象を排除」/制御対象環境項目「明るさ(視覚系)」
「盛り上げる(光演出)」
分類項目:「快適」(サブ項目:「やるのであれば快適に」→「気持ちの高揚」→「期待する」/制御対象環境項目「明るさ(視覚系)」
「安らぐ(光演出)」
分類項目:「快適」(サブ項目:「やるのであれば快適に」→「体調を向上」→「期待する」/制御対象環境項目「明るさ(視覚系)」
「案内情報出力」
分類項目:「容易に」(サブ項目:「面倒なことはしたくない」→「手間を削減」→「作業を効率化/制御対象環境項目「視覚情報(視覚系)」
「映像で盛り上げる」
分類項目:「快適」(サブ項目:「やるのであれば快適に」→「気持ちの高揚」→「効果を高める」/制御対象環境項目「視覚情報(視覚系)」
「会話を優先」
分類項目:「容易に」(サブ項目:「面倒なことはしたくない」→「手間を削減」→「作業を分担/制御対象環境項目「音(聴覚系)」
「会話/音を優先」
分類項目:「快適」(サブ項目:「やるのであれば快適に」→「不快感を排除」→「対象を排除」/制御対象環境項目「音(聴覚系)」
「作業を盛り上げる(音演出)」
分類項目:「快適」(サブ項目:「やるのであれば快適に」→「気持ちの高揚」→「期待する」/制御対象環境項目「音(聴覚系)」
「作業/会話を盛り上げる(音演出)」
分類項目:「快適」(サブ項目:「やるのであれば快適に」→「気持ちの高揚」→「効果を高める」/制御対象環境項目「音(聴覚系)」
「安らぐ(音演出)」
分類項目:「快適」(サブ項目:「やるのであれば快適に」→「体調を向上」→「期待する」/制御対象環境項目「音(聴覚系)」
(車外)
「外が見える」
分類項目:「快適」(サブ項目:「やるのであれば快適に」→「不快感を排除」→「対象を排除」/制御対象環境項目「明るさ(視覚系)」
「注目物を見せる」
分類項目:「快適」(サブ項目:「やるのであれば快適に」→「気持ちの高揚」→「期待する」/制御対象環境項目「明るさ(視覚系)」
「悪臭侵入防止分解」
分類項目:「快適」(サブ項目:「やるのであれば快適に」→「不快感の排除」→「対象の排除」/制御対象環境項目「臭/香(嗅覚系)」
「香りを導入」
分類項目:「快適」(サブ項目:「やるのであれば快適に」→「気持ちを高揚」→「期待する」/制御対象環境項目「臭/香(嗅覚系)」
「重要な音抽出」
分類項目:「安全」(サブ項目:「ケガ、破壊防止」→「障害を取り除く」→「回避する/制御対象環境項目「音(聴覚系)」
「雑音侵入を防止」
分類項目:「容易に」(サブ項目:「面倒なことはしたくない」→「手間を削減」→「作業を効率化」/制御対象環境項目「音(聴覚系)」
「雑音を消す」
分類項目:「快適」(サブ項目:「やるのであれば快適に」→「不快感を排除」→「対象を排除」/制御対象環境項目「音(聴覚系)」
図20は、これに対応する機能抽出マトリックス372の一部を示すものである。内容は以下の通りである。
「寒暑改善(集中力維持、体調に合わせる)」(第一種もてなし目的)
選択機能:空調(状態依存型機能)
「快適な明るさ」(第一種もてなし目的)
選択機能:車内照明(状態依存型機能)
「作業しやすい明るさ(ぶつけ防止、設備状態把握)」(第一種もてなし目的)
選択機能:外部照明及び車内照明(いずれも、一様制御対象機能)
「接触型インテリア」
選択機能:電動シート・ハンドル、シートバイブレータ(いずれも、状態依存型機能)
「光演出(盛り上げる/安らぐ)」(第一種もてなし目的)
選択機能:車内照明(いずれも、一様制御対象機能)及び車内照明(状態依存型機能)
「案内情報出力」(第一種もてなし目的)
選択機能:カーオーディオシステム(一様制御対象機能:カーナビゲーションシステムによる案内情報の出力)
「映像盛り上げ」
選択機能:映像出力装置(一様制御対象機能)、シート振動機構(一様制御対象機能)
「アロマ(悪臭侵入防止分解)」
選択機能:芳香発生部(状態依存型機能)
「香りを導入/換気」
選択機能:パワーウィンドウ(状態依存型機能)
「音演出(作業を盛り上げる、作業/会話を盛り上げる、安らぐ」
選択機能:カーオーディオシステム(状態依存型機能)
「悪臭侵入防止」「雑音侵入防止」
選択機能:パワーウィンドウ(一様制御対象機能;窓を締め切る)
「雑音を消す(重要な音抽出、会話・音を優先)」
選択機能:ノイズキャンセラ(状態依存型機能)
「雑音侵入を防止」
選択機能:パワーウィンドウ(一様制御対象機能;窓を締め切る)
「集中力維持」
選択機能:カーオーディオシステム、空調装置、シート振動、気付け、ハンドル調整機構、シート調整機構(いずれも、状態依存型機能)
「外が見える(注目物を見せる)」
選択機能:ヘッドライト(+フォグランプ)(一様制御対象機能)
以下、自動車用ユーザーもてなしシステム(以下、単に「システム」ともいう)100の動作について説明する。図21は、システム100における、もてなし意思決定からもてなし動作実行に至る一連の処理の全体アルゴリズムを概念的に示すものである(これら3つの図は、対応する丸数字を接続子として、一つながりの図として読まれるべきものである)。もてなし主処理は、「目的推定(δ1)」、「個性適合(δ2)」、「状態適合(δ3)」、「演出対応(δ4)」、「機能選択(δ5)」、「駆動(δ6)」の各ステップからなる。
まず、「目的推定(δ1)」では、ユーザー位置検出(β1)及びユーザー動作検出(β2)により、現在のシーンを推定する。ユーザー位置検出(β1)は、具体的には、ユーザーと自動車との相対的位置関係(α1)を把握・特定することにより行なう。また、本実施形態では、ユーザーの接近方向(α2)も合わせて考慮する。他方、ユーザー動作検出(β2)は、基本的には、ドアの開閉操作やシートへの着座など、シーン決定用に固定的に定められた動作を検出するセンサ類(シーン推定情報取得手段)の出力を用いて行なう(α5)。また、着座継続時間により準備シーンから運転/滞在シーンへの移行検知を行なう場合のように、特定動作の継続時間(α6)も考慮される。
図22は、シーン決定の処理の流れを示すフローチャートである。この処理は、自動車の使用中に一定の周期で繰り返し実行されるものである。まず、S1で、図12のシーンフラグ350をリードする。S2,S5,S8,S12,S16及びS20は、現在どのシーンまで進んでいるかを、上記シーンフラグ350の状態から判別する処理である。シーンフラグ350は、時系列的に先に位置するシーンのフラグから順にセットされるようになっており、先行するシーンを差し置いて後続のシーンのフラグが単発的にセットされるようなことはない。
S2〜S4は接近シーンの特定処理であり、まずS2で接近シーンに対するフラグSCN1が「1」でない(つまり、接近シーンが未到来である)ことを確認して、S3で、自動車側のGPS533(図1)と、ユーザー側のGPS(例えば、携帯電話1に内蔵されたもの)とがそれぞれ特定する位置情報から、ユーザーが自動車に対し一定距離以下(例えば50m以下)に近づいたか否かを判別する。そして、近づいていれば接近シーンに移行したと判断して、S4でSCN1を「1」にセットする(なお、本実施形態では、ユーザーと自動車との距離に応じ、「遠距離」と「近距離」とにさらに細分化している)。
S5〜S7は乗車シーンの特定処理であり、S5で乗車シーンに対するフラグSCN2が「1」でないことを確認して、S6でドアカーテシスイッチ537からの入力情報からドアが開になったかどうかを判断する。そして、ドアが開になっていれば乗車シーンに移行したと判断して、S7でSCN2を「1」にセットする。現在のシーンがSCN=1、つまり、接近シーンであることを確認しているので、この状況での「ドア開」は乗車時のものであることを容易に判別できる。
S8〜S11は準備シーンの特定処理である。S8で準備シーンに対するフラグSCN3が「1」でないことを確認して、S9で着座センサ520からの入力情報から、ユーザーが着座したかどうかを判別する。そして、ユーザーの着座が検知されれば準備シーンに移行したと判断して、S10でSCN3を「1」にセットする。この段階では着座が完了したことを検知するのみであり、ユーザーが運転ないし車内滞在へ本格的に移行する準備段階にあることを特定するに留まる。S11では、運転/滞在シーンへの移行判定に使用する着座タイマーを起動する。
S12〜S15は運転/滞在シーンの特定処理である。S12で運転/滞在シーンに対するフラグSCN4が「1」でないことを確認して、S13でイグニッションスイッチ538からの入力情報から、ユーザーがエンジンを始動したかどうかを判別する。エンジン始動されていれば、直ちに運転/滞在シーンへ移行したと判断し、S15へジャンプしてSCN4を「1」にセットする。一方、エンジン始動されていなくとも、着座タイマーが一定時間(t1)経過していれば、ユーザーが(例えば運転以外の目的で)車内に滞在するために乗車したと判断し、S15へ進んでSCN4を「1」にセットする(t1が経過していなければ、準備シーン継続のためS15をスキップする。
S16〜S19は降車シーンの特定処理である。S16で降車シーンに対するフラグSCN5が「1」でないことを確認して、S17でイグニッションスイッチ538からの入力情報から、ユーザーがエンジンを停止したかどうかを判別する。エンジン停止されていれば、S18に進み、ドアカーテシスイッチ537の入力情報から、ユーザーがドアを開いたかどうかを判別する。ドアが開いていれば降車シーンへ移行したと判断し、S19でSCN5を「1」にセットする。
S20〜S23は離間シーンの特定処理である。S20で離間シーンに対するフラグSCN6が「1」でないことを確認して、S21でイグニッションスイッチ538及び着座センサ520からの入力情報とから、ユーザーが座席から離脱しつつドアを閉じたかどうかを判断する。YesであればS22に進み、SCN6を「1」にセットする。さらに、S23では降車タイマーを起動する。なお、S20においてSCN6が1だった場合(つまり、離間シーンが既に到来している場合)にはS24以下へ移行する。降車シーンでのもてなし処理に必要な時間t2を降車タイマーにより計測し、S24でt2が既に経過していれば、S25で次回のもてなし処理のためにシーンフラグをリセットし、また、S26で着座タイマーと降車タイマーをリセットする。
図21に戻り、γ1でシーンが決定されれば、δ1にて、そのシーンでのもてなし目的を推定する。具体的には、W1に示すごとく、図13、図15、図17あるいは図19に例示した目的推定マトリックス371から特定されたシーンに対応するものを選択し、安全性、利便性及び快適性の分類項目毎に、ユーザーの体感、すなわち、触覚系、視覚系、嗅覚系及び聴覚系のそれぞれを対象とする制御対象環境項目に適合するもてなし目的が存在するか否かを検索する。もてなし目的が検索されれば、図14、図16、図18あるいは図20に例示した、対応するシーン別の機能抽出マトリックス372を参照し、検索されたもてなし目的に対応するもてなし機能を抽出する。具体的には、各もてなし目的に対応するマトリックスセルを順次検索し、基準参照指数が格納されていた場合には対応する機能を状態依存型機能として抽出し、前述の識別情報「*」が格納されていた場合には対応する機能を状態依存型機能として抽出する。
次に、δ2に進んで、もてなし内容をユーザーの個性に適合させる処理となる。これは、具体的には、後述するユーザーの性格判定処理と、判定された性格に応じて、個々のもてなし処理に適正な重み付けをすること、つまり、個々のユーザーの性格に適合するよう、複数のもてなし動作の組み合わせを適宜カスタマイズしたり、あるいは、もてなし動作の程度を変更したりすることを目的とするものである。個性の特定には性格検出処理β4が必要である。性格検出処理β4は、アンケート処理(α7)など、ユーザー自身の入力により性格分類を取得して行なう方法と、ユーザーの動作、行為や思考パターン、あるいは表情などから、より分析的に性格分類を決定する方法との双方を用いることができる。後者については、後述の実施形態に音楽選曲の統計から性格分類を決定する具体例を示している(α8:W2も参照)。
次に、δ3では、もてなし内容をユーザーの精神/体調状態に適合させる処理となる。この点についても、詳細な具体例は後述するが、ユーザー生体特性情報取得手段の検出情報に基づいて、ユーザーの精神状態及び体調を反映した精神/体調情報を取得し、その取得内容に応じてユーザーの精神状態ないし体調状態を推定する。具体的には、ユーザーから取得したユーザー生体特性情報から体調指数と精神状態指数とを算出し、さらに、それら体調指数ないし精神状態指数に基づいてユーザー状態指数Gを演算する(W3)。
ユーザー生体特性情報取得手段は、赤外線センサ519(顔色:α17)、顔カメラ521(表情:α9、姿勢:α11、視線:α12、瞳孔径:α13)、脈拍センサ524(心拍(心電):α14)などが採用可能であるが、この他にも、運転操作実績を検出するセンサ類(502w、530、531,532,532a;誤操作率:α10)、血圧センサ(α15)、着座センサ520(感圧センサによりシートにかかる体重分布を測定し、運転中の小刻みな体重移動を検出して、運転中の落ち着きが損なわれた判定を行ったり、偏った体重の掛かりかたを検出して、運転者の疲労の程度を判定したりすることができる)。詳細は後述する。
ここでも、処理の要旨は、上記のユーザー生体特性情報取得手段からの出力を精神状態や体調状態を示す数値パラメータに置き換え(β5)、その数値パラメータ及びその時間的変化からユーザーの精神状態や体調状態を推定して(γ3,γ4)、個々のもてなし処理に適正な重み付けをすること、つまり、推定されるユーザーの精神状態や体調状態に適合するよう、複数のもてなし動作の組み合わせを適宜カスタマイズしたり、あるいは、もてなし動作の程度を変更したりすることを目的とするものである。同じシーンのもてなしであっても、前述のごとく、ユーザーの性格が異なれば、その性格に適合したもてなし動作を行なうのがよいのであり、また、同じユーザーであっても精神状態や体調に応じてもてなしの種別や程度を調整することになる。
この場合、照明光の場合を例に取れば、性格によってユーザーの指向する照明色が相違し(例えば、活発なタイプは赤系を、おとなしいタイプは緑や青系を指向)、体調の良し悪しによって照明強度に対する要望(例えば、体調が悪いときは照明による刺激を抑制するため光量を落とす)が相違することが多い。前者では照明光の周波数あるいは波長(赤系→緑系→青系の順に波長が短くなる)を調整するもてなし制御となり、後者は照明光の振幅を調整するもてなし制御となる。また、精神状態は、その両方に関係する因子であり、幾分陽気な精神状態において、さらに気分を盛り上げるために赤系の照明光を採用することもありえるし(周波数調整)、照明光の色を変えず、明るさを増したりすることもありえる(振幅調整)。また、過度に興奮した状態では、気持ちを沈めるために青系の照明光を採用したり(周波数調整)、照明光の色を変えず明るさを減らしたりする(振幅調整)、といった処理が考えられる。音楽の場合は、種々の周波数成分が含まれているのでより複雑であるが、覚醒効果を高めるために、数100Hz〜10kHz程度の高音域の音波を強調したり、逆に気持ちを沈めるために、リラックス時の脳波(α波)の周波数(7〜13Hz:ヒューマンレゾナンス)に、音波の揺らぎの中心周波数を合せこんだ、いわゆるα波系音楽を採用したりするなど、周波数/振幅により制御パターンを同様に把握することができる。
車内の明るさや音波レベルに関しては、性格、精神状態及び体調を勘案して、各シーン毎に適性レベルを数値設定する。この設定を、前述の機能抽出マトリックス372を用いて行なうこととなる。
次に、δ4に進み、もてなし演出対応処理となる。例えば、図1の照度センサ539(視覚刺激:α18)、音圧センサ(聴覚刺激:α19)などの出力から、現在ユーザーがどの程度の刺激を感じているかに関しての情報(外乱刺激)を得(環境推定:β6)、その外乱刺激を、上記のユーザー状態指数G(あるいはその基準参照指数G0との差分ΔG)と比較可能な数値に変換して、外乱の数値的な推定を行なう(γ5)。なお、特定すべき外乱刺激としては、触覚刺激(α20:例えば、ハンドルに取り付けられた感圧センサ523など)、及び嗅覚刺激(α21:嗅覚センサによる)なども併用することができる。また、外乱推定に関しては、ユーザーを取り囲む空間からの間接的刺激、具体的には、高さ(α22)、距離(α23)、奥行き(α24)及び自身ないし同乗者の体格(α25)等を考慮することも可能である(空間検出:β7)。
次いで、δ5では機能選択処理となる。前述のごとく、状態依存型機能の場合はユーザー状態指数Gから基準参照指数G0を減算して差分値ΔGを演算し、ΔGが減少する向きに選択されたもてなし機能の動作が制御される。具体的には、ユーザー状態指数Gに反映された、そのユーザーにとっての適正状態G0からの逸脱の度合い、すなわち差分値ΔGが大きいほど、これを解消するための機能の電気的出力レベルを増加させることができる。他方、外乱影響解消の観点からは、検知された外乱レベルが大きいほど、これを解消するための機能の電気的出力レベルを増加させることもできる。
この両者を組み合わせた制御形態として、例えば、与えられた外乱を解消する方向への電気的出力レベルの最大値をPmaxとし、想定される外乱レベルの最大値をEmax、差分値ΔGの最大値をΔGmaxとしたとき、設定すべき電気的出力レベルPを、
P=Pmax・(E/Emax)・(ΔG/ΔGmax)
とすることができる。この方式によると、検知される外乱Eが大きいほど電気的出力レベルPも大きく設定されるが、ユーザー毎に一様ではない該外乱の不満足度への寄与が差分値ΔGにより考慮された形になっている。なお、ΔGが予め定められた下限値gs以下(例えばゼロ)となる場合は、そのもてなし機能の動作は停止(ないし、これに相当するアイドリング状態)となる。
なお、外乱レベルEが未知かあるいは一定以上の検出精度が得られない場合、初期設定では当該機能の電気的出力レベルPを、予め定められた過剰設定値としておき(例えば「暑い」場合には、空調装置の冷房出力を最大値Pmaxないしこれに近い過剰設定値Peとしておき)、以降、上記差分値ΔGの縮小傾向をユーザー生体特性情報の継続的な検知によりモニタリングしながら電気的出力レベルPを漸減させ、最終的には、上記差分値ΔGが最小化される値に電気的出力レベルPを安定化させる制御アルゴリズムを採用することも可能である。この場合も、差分値ΔGが大きくなるほど、電気的出力レベルPが大きく設定される期間は長く継続することになり、安定化までに要する電気的出力レベルの平均値は増大することになる。また、一旦安定化した状態から差分値ΔGが増大する傾向に移行した場合は、差分値ΔGの増分に応じて電気的出力レベルPを増加させる制御を行なうことができる。
次に、ユーザー性格分類は、例えば以下のような方法により決定できる。
自動車のユーザーは、図23に示すように、もてなし意思決定部2のROM(書換えが可能となるように、フラッシュROMで構成しておくことが望ましい)等に形成されたユーザー登録部600に予め登録される。このユーザー登録部は、各ユーザー名(あるいは、ユーザーID(及び暗証番号)と、その性格種別とが互いに対応付けられた形で登録されている。この性格種別は、後述のごとく、ユーザーによる自動車使用継続中に蓄積される、カーオーディオシステムの選曲統計情報に基づいて決定することも可能である。しかし、自動車の使用開始直後など、選曲統計情報の蓄積が不十分な場合、あるいは、操作履歴情報を敢えて収集せずに性格種別を推定したい場合は、性格種別情報又は該性格種別情報を特定するために必要な情報を、ユーザー自身により入力させ、その入力結果に基づいて性格種別を決定するようにしてもよい。
例えば、図1のモニター536(カーナビゲーションシステム534のモニターで代用してもよい)に性格種別を表示し、ユーザーは自分に適合する性格種別を選んで、入力部529からこれを入力することができる。また、性格種別を直接入力させる代わりに、性格種別判定のためのアンケート入力を行なう方式を採用してもよい。この場合、モニター536にはアンケートの質問事項を表示し、ユーザーは回答選択肢から回答を選ぶ形で答える(ここでは、選択ボタン529Bで選択肢を構成し、この上に重ねられたタッチパネル529の該当位置に触れて選択入力を行なう)。全ての質問に回答することで、その回答の組み合わせに応じて予め定められた性格種別群から、1つのものが一義的に決定されるようになっている。
なお、ユーザー名を含めたユーザー登録入力も、上記の入力部529からなされ、決定された性格種別とともにユーザー登録部600に記憶される。また、これらの一連の入力は、携帯電話1から行なうことも可能であり、この場合は、その入力情報を無線により自動車側に転送する。また、ユーザーが自動車購入する際に、入力部529か専用の入力ツールを用いて、ディーラー側で事前にユーザー登録入力を済ませておく方法もある。
以下、カーオーディオシステムの選曲実績の統計情報に基づいて性格種別を決定する事例について説明する。図6のカーオーディオシステム515においては、ユーザーは操作部515dからの入力により、いつでも好きな曲を選んで演奏を楽しむことができる。ユーザーが自身で選曲した場合は、図24に示すように、そのユーザーの特定情報(ユーザー名あるいはユーザーID)と、選曲された音楽ソースデータのIDと、前述のもてなし参照データRD(性格種別コード、年齢コード、性別コード、ジャンルコード及び曲モードコード)とが互いに対応付けられた形で、選曲実績記憶部403(図1の記憶装置535内に形成されている)に記憶される。本実施形態では、選曲の日時、ユーザーの性別及び年齢も合せて記憶されている。
選曲実績記憶部403には、図25に示すように、ユーザー別に、その選曲実績の統計情報404(図1の記憶装置535に記憶されている)が作成される。この統計情報404では、選曲データが、性格種別コード別(SKC)にカウントされ、どの性格種別の曲が最も多く選曲されたかが数値パラメータとして特定される。最も単純な処理としては、選曲頻度が最も高い性格種別を、そのユーザーの性格として特定することが可能である。例えば、統計情報404に蓄積されている選曲実績数が一定レベルに到達すれば、例えばユーザー入力により初期設定された性格種別を、統計情報404から上記のごとく導かれた性格種別と置き換えるようにすればよい。
ところで、ユーザーの性格の分類は実際にはもっと複雑なものであり、音楽の好みも、一律に同じ性格種別に押し込めてしまえるほど単純ではない。また、そのユーザーが置かれている生活環境(充実しているか、ストレスがたまっているか、など)によっても短期的には変動しやすいことがある。この場合は、音楽の嗜好も変動し、その統計から導かれる性格種別も変化することがあってもおかしくない。この場合、無制限に遡って選曲実績の統計を取るのではなく、図25に示すように、直近の一定期間(例えば1ヶ月〜6ヶ月)に限定して選曲実績の統計情報404を作成すれば、性格種別の短期的な変動を統計結果に反映することができ、音楽によるもてなし内容をユーザーの状態に合せて臨機応変に変更できる。
また、同じユーザーであっても、いつも同じ性格種別の音楽を選ぶとは限らず、他の性格種別の音楽にもまたがって選曲されることもありえる。この場合、選曲頻度が最も高い性格種別のみから選曲していたのでは、ユーザーの気分転換を図る上では、必ずしも望ましくない状況も生じえる。そこで、各性格種別に割り振る選曲確率期待値を、統計情報404が示す選曲頻度に応じて割り振り、その期待値に応じて重み付けされた形で、各性格種別からランダムに選曲する方式を採用することもできる。このようにすると、ユーザーが多かれ少なかれ興味を示す(つまり選曲された)音楽ソースについては、複数の性格種別にまたがる形で選曲頻度の高いものから優先的に選曲され、時折は自分の性格種別以外の音楽によるもてなしを受けることも可能となり、よい気分転換になる。具体的には、図26に示すように、一定個数の乱数値からなる乱数表を記憶しておき、各性格種別に割り振る乱数値の個数を、上記選曲頻度に比例して配分する。次いで、周知の乱数発生アルゴリズムにより乱数を発生させ、得られた乱数値が、どの性格種別に割り振られた乱数値であるかを照合することで、選択すべき性格種別を特定することが可能となる。
なお、統計情報404では、音楽のジャンル別(JC)、年齢別(AC)及び性別(SC)による選曲頻度もカウントされており、性格種別の場合の上記方式と同様にして、選曲頻度の高いジャンル、年齢層あるいは性別に属する音楽ソースデータを、優先的に選曲するように構成できる。このようにすると、ユーザーの嗜好によりマッチしたもてなし選曲を行なうことが可能となる。なお、一つの音楽ソースデータに、複数の性格種別を割り振ることも可能である。
図27は、その処理の一例を示すフローチャートである。図25のように性格種別毎の選曲頻度統計が得られた場合、図26に示すように、乱数表上の乱数値を各性格種別に対し、個々の選曲頻度に比例して配分する。次いで、フローチャートのS108にて、任意の乱数値を1個発生させ、乱数表上にて、その取得された乱数値に対応する性格種別コードを選ぶ。次いで、S109では、図3の点灯制御データ群から、その性格コードに対応したものを選択する。そして、S110では、取得した性格種別コードに対応する音楽ソースデータのうち、図25にて最も選曲頻度の高いジャンル、年齢層及び性別に該当する音楽ソースデータを全て抽出する(もちろん、ここでも性格種別の決定時と同様、各ジャンル、年齢層及び性別毎の頻度に応じた乱数比例配分により、選曲に係るジャンル、年齢層及び性別を選択するようにしてもよい)。抽出された音楽ソースデータが複数ある場合は、S111のように、その中の1つの音楽ソースデータIDを乱数により1つ選択するようにしてもよいし、音楽ソースデータの一覧表をモニター536(図1)示して、操作部515d(図6)によりユーザーにマニュアル選択させるようにしてもよい。こうして、選択された点灯制御データに従い、ユーザーにより運転中(もしくはユーザーが滞在中)の自動車内の照明装置の点灯制御が実施され、また、選択された音楽ソースデータによる音楽演奏がカーオーディオシステムにてなされる。
なお、自動車の使用に先立っては、ユーザーの認証が必要である。特にユーザーが複数登録されている場合は、ユーザーによって性格種別が異なるものに設定され、もてなしの内容も異なるものとなるからである。最も簡単な認証方式は、携帯電話1からユーザーIDと暗証番号を自動車側に送信し、これを受けたもてなし意思決定部2が、登録されているユーザーIDと暗証番号との照合を行なう方法である。また、携帯電話1に設けたカメラにより顔写真の照合を行ったり、音声認証、指紋を用いた認証など、バイオメトリックス認証方式を採用することもできる。他方、自動車へのユーザーの接近時は、ユーザーIDと暗証番号とを用いた簡略な認証に留め、開錠後、自動車に乗り込んでから、前述の顔カメラ521、マイクロフォン522、網膜カメラ526、アイリスカメラ527あるいは静脈カメラ528などによるバイオメトリックス認証を行なうようにしてもよい。
以下、個々のシーンでのもてなしの代表例について説明する。
接近シーンでは、まず、ユーザー(端末装置1)の自動車に対する接近方向を特定する。自動車側では、GPS533による位置情報と、駐車に至る自動車の進行方向変化の履歴から、自動車の位置とともに自動車の向きを特定することができる。従って、携帯電話1から送られてくるユーザーの位置情報(GPS554による)を参照することによって、自動車に対しユーザーが、例えば前方側、後方側及び側方のいずれから接近してきているか、及び自動車に対しユーザーがどの程度の距離まで接近しているかを認識できる。
また、ユーザーの精神状態あるいは体調状態については、自動車に接近するユーザーの表情(車外用カメラ518にて撮影できる)や体温(赤外線センサ519で測定できる)の時間的変化を測定し、その変化波形から推定することができる。図28は、表情変化解析処理のフローチャートの一例を示すものであり、SS151で変化カウンターNをリセットし、SS152でサンプリングタイミングが到来すればSS153に進み、顔画像を撮影する。顔画像は表情特定が可能な正面画像が得られるまで繰り返す(SS154→SS153)。正面画像が得られたら、マスター画像(記憶装置535内の生体認証用マスターデータ432(記憶装置535内)に含まれる)と順次比較することにより、表情種別を特定する(SS155)。特定された表情種別が「安定」なら、表情パラメータIに「1」をセットする(SS156→SS157)。特定された表情種別が「不安・不快」なら、表情パラメータIに「2」をセットする(SS158→SS159)。特定された表情種別が「興奮・怒り」なら、表情パラメータIに「3」をセットする(SS160→SS161)。
そして、SS162では、前回取得された表情パラメータの値I’を読み出してその変化値ΔNを演算し、SS163で、該値を変化カウンターNに加算する。以上の処理を、定められたサンプリング期間が満了するまで繰り返す(SS164→SS152)。サンプリング期間が満了すればSS165へ進み、表情パラメータIの平均値I(整数化する)を演算して、その表情値に対応する精神状態として判定を行なうことができる。また、変化カウンターNの値が大きいほど表情の変化が大きいと捕らえることができ、例えばNの値に閾値を設けて、表情変化をNの値から「変化小」、「増」、「微増」及び「急増」として判定することができる。
一方、図29は、体温波形解析処理のフローチャートの一例を示すものであり、サンプリングルーチンでは、一定時間間隔で定められたサンプリングタイミングが到来する毎に、赤外線センサ519により検出される体温値をサンプリングし、波形記録する。そして、波形解析ルーチンでは、SS53にて直近の一定期間にサンプリングされた体温値を波形として取得し、SS54で該波形に周知の高速フーリエ変換処理を行なって周波数スペクトラムを求め、SS55で、そのスペクトラムの中心周波数(あるいはピーク周波数)fを演算する。また、SS56では、図30に示すように、波形を一定数の区間σ1,σ2‥に分割し、SS57で区間別の体温平均値を演算する。そして、区間毎に、平均体温値を波形中心線として、積分振幅A1,A2‥(中心線を基準とした波形変位の絶対値を積分し、その積分値を区間幅σ1,σ2‥で除した値である)を演算する。そして、SS59では、各区間の積分振幅Aを平均し、波形振幅の代表値として決定する。
なお、以下の処理も含め、波形取得のための情報サンプリングプログラムは、シーンが特定できた場合に、そのシーンに関係するユーザー生体特性情報取得手段についてのみ、一定の時間間隔で起動されるようにスケジュール管理される。また、図面中には表れていないが、サンプリングの繰り返しについては、無制限に続くわけではなく、上記のごとく波形解析に必要なサンプリング数が得られるように定められた前述のサンプリング期間が満了すれば繰り返しが打ち切られる。
SS60では、周波数fが上限閾値fu0より大きくなっているかどうかを調べ、大きくなっていれば監視中の体温変化が「急」であると判定する。また、SS62では、周波数fが下限閾値fL0(>fu0)より小さくなっているかどうかを調べ、小さくなっていれば監視中の体温変化が「緩」であると判定する。また、fu0≧f≧fL0ならばSS64に進み、監視中の体温変化は「標準」であると判定する。次に、SS65に進み、積分振幅A(平均値)を閾値A0と比較する。A>A0であれば、監視中の平均体温レベルは「変動」状態にあると判定する。また、A≦A0であれば、監視中の平均体温レベルは「維持(安定)」状態にあると判定する。
このようにして得られた生体状態パラメータの時間的変化に係る判定結果を用いて、ユーザーの具体的な体調/精神状態の判定(推定)が行なわれる。そして、個々の具体的には、記憶装置535内には、図31に示すように、ユーザーの判定すべき精神状態又は体調状態である複数の被特定状態と、個々の被特定状態が成立していると判定するための、複数のユーザー生体特性情報取得手段がそれぞれ検出しているべき生体状態パラメータの時間的変化状態の組み合わせとを対応付けて記憶した判定テーブル1601が記憶されている。また、この判定テーブル1601には、各体調/精神状態に対応する体調指数PL及び精神状態指数SLの各値も記憶されている。
本実施形態では、被特定状態として、「正常」、「集中力散漫」、「体調不良」、「興奮状態」及び「落胆」が定められている。なお、「体調不良」は複数レベル、ここでは「軽度体調不良」と「重度体調不良」との2レベルに分割されている。なお、「集中力散漫」及び「興奮状態」についても、よりきめ細かい精神/体調状態の推定を行なうために、これを複数レベルに分けて定めることが可能である。なお、本実施形態では、上記の基本被特定状態に対し、体調系のものと精神状態系のものとの複合状態についても、生体状態パラメータの時間的変化状態の組み合わせが独自に定められ、これらの複合状態の推定精度向上を図っている。さらに、もてなし動作の不適合や程度の不足あるいは過剰等により、ユーザーがある種の不快感を感じている場合、該ユーザーは軽度体調不良と同様の生体状態を示すことが多く、本実施形態では該「不快感」と「軽度体調不良」とを被特定状態として統合している(もちろん、関与する複数のパラメータ構成の閾値変更等により、両者を分離して特定するようにしてもよい)。
個々の被特定状態に対応する体調指数PL及び精神状態指数SLの値の設定例を、判定テーブル1601内に示している。いずれも、最大値(ここでは「10」)と最小値(ここでは「0」)を有する一定の範囲内の数値として定められているが、「正常」に対応するのは、体調指数については、数値範囲の最大値(ここでは「10」)であり、ここから数値が減少するほど体調が悪いことを示す。他方、精神状態指数SLは、「正常」に対応するのが数値範囲の中間値(つまり、精神的に「安定」もしくは「中庸」であることを示す:ここでは「5」としているが、必ずしも中央値である必要はない)であり、最大値側に振れると「高揚ないし興奮」状態であることを、最小値側に振れると「沈んだ、ないし落胆」状態であることを示す。
生体状態パラメータとしては、この後のシーンで使用するものも含め、「血圧」、「体温」、「皮膚抵抗」、「表情」、「姿勢」、「視線」、「瞳孔(寸法)」及び「操舵」の各パラメータが網羅されている。同じパラメータであっても、使用するセンサあるいはカメラはシーンに応じて、目的とする生体状態パラメータの取得に有利なものが適宜選択される。
前述のごとく、この接近シーンでは、車外用カメラ518によるユーザーの表情と、赤外線センサ519によるユーザーの体温が生体状態パラメータとして採用可能である。判定テーブル1601によると、集中力散漫のときは表情の変化が急増し、体調不良や興奮状態の場合も表情の変化は増加する傾向にある。いずれも正常時とは異なる状態であることは識別できるが、個々の精神/体調状態を詳細に識別することは難しい。他方、体温の状態について見れば、集中力散漫のときは特に大きな変化がない(つまり、正常時とほぼおなじ)のに対し、体調不良時は緩やかな変化を示し、興奮状態の場合は非常に急激な変化を呈する。従って、この両者を組み合わせれば、「集中力散漫」、「体調不良」及び「興奮状態」を互いに識別することが可能となる。
この場合の処理を図32に示している(これは、シーンによらず同じ思想で判定処理可能であり、後述の運転/滞在シーンでも基本的な流れは同じである)。基本的には、複数(ここでは、表情と体温の2つ)の生体状態パラメータについて判定テーブル上の被照合情報と照合し、照合一致した組み合わせに対応する被特定状態を現在成立している被特定状態として特定する処理となる。すなわち、SS501〜SS508では、図54〜図57、図60〜図62あるいは図64、65の各フローチャートに示す解析処理による、各生体状態パラメータの時間的変化に係る判定結果(例えば、「急減」や「増加」など)をリードする。SS509では、各被特定状態が成立していると判定するためには、判定テーブル1601における個々の生体状態パラメータがどのような変化傾向を示していればよいかを表す被照合情報と、上記判定結果とを照合し、被照合情報と判定結果とが一致した被特定状態の照合カウンターをインクリメントする。この場合、例えば、全ての生体状態パラメータについて、被照合情報と判定結果とが一致した被特定状態のみを採用する処理としてもよいが、参照する生体状態パラメータが多い場合は、被照合情報と判定結果とが全ての生体状態パラメータについて一致するのが稀となり、ユーザーの体調状態あるいは精神状態の推定を柔軟に行なうことができなくなる。従って、照合カウンターの得点(N)を「一致度」とみなして、最も得点の高いもの、つまり一致度の最も高いものを、被特定状態として確定させる方法が有効である(SS510)。
なお、図44において、例えば平均血圧レベルが「変動」と判定された場合のように、同じ生体状態パラメータの状態が複数の被特定状態(「集中力散漫」あるいは「興奮状態」)への成立に肯定的に寄与する場合もあるが、この場合は、それら各被特定状態の照合カウンターをインクリメントする。例えば、平均血圧レベルが「変動」と判定された場合は、4つの照合カウンター値N1,N4,N5,N6がインクリメントされる。
他方、被照合情報と判定結果との一致不一致は、既に種々説明したごとく、生体状態パラメータ(周波数あるいは振幅等)の閾値との比較で判断されているものがほとんどであり、上記のように一致/不一致を二値的(つまり、シロかクロか)に決定する際に、実際のパラメータの指示値と閾値との偏差がどの程度であったかは情報として埋没することになる。しかし、実際には、閾値に近接した値で一致/不一致が決定される場合は、いわば「グレー」の判定であり、閾値から隔たった(例えば閾値を大幅にクリアした)形で一致/不一致が決定される場合と比較して、判定結果への寄与の度合いを小さく扱うようにすることが本来的には望ましい。
これを解決する方法としては、被照合情報と判定結果とが完全に一致した場合にのみ照合カウンターへの加算を行なうようにするのに代え、完全一致せずとも、定められた範囲内で近接した結果が得られた場合は、完全一致の場合よりも低い得点に制限しつつ、これを照合カウンターへ加算することが考えられる。例えば、被照合情報が「急増」となっている場合、判定結果も「急増」であれば3点を、「増」の場合は2点を、「微増」の場合は1点を加算する方式を例示できる。
図32に戻り、上記の結果を用いて体調指数と精神状態指数とを計算する(SS511)。具体的には、判定テーブル1601上にて個々の生体状態パラメータによる被特定状態に対応する体調指数ないし精神状態指数の平均値として、下記(a)、(b)のようにして計算できる。
Figure 0004572889
なお、被特定状態を判定する上での各パラメータからの寄与は、上記の例ではいずれも等価なものとして扱っていたが、寄与の大きいものと小さいものとを区別し、異なる重みを付与して取り扱うようにしてもよい。この場合、各生体状態パラメータに付与する重み係数をWjとして、体調指数PLと精神状態指数SLとは下記(c)、(d)のように計算できる。
Figure 0004572889
重み係数Wjが全て1のとき、つまり、重みを付与しない場合の計算式は以下の(a)’、(b)’となる(これらは、前述の式(a)、(b)と同値である)。
Figure 0004572889
上記のように決定された体調指数PLと精神状態指数SLを用いて、ユーザー状態指数Gを算出する(SS512)。例えば、体調指数PLをユーザー状態指数Gそのものとして採用することが可能である。すなわち、
G=SL ‥(e)
また、体調指数PLと精神状態指数SLとを併用する場合、例えば両者の平均値としてユーザー状態指数Gを決定することも可能である。すなわち、
G=(PL+SL)/2 ‥(f)
又は、
G=(PL×SL)1/2 ‥(g)
接近シーンでのもてなし制御の説明に戻る。例えば、ユーザーの接近方向が、例えば図33に示すごとく前方からであれば、前方用ランプ群を選択する。前方用ランプ群として、ヘッドランプ504、フォグランプ505、コーナリングランプ508を使用することができる。また、接近方向が後方からであれば、後方用ランプ群を選択する。後方用ランプ群として、本実施形態では、テールランプ507、バックアップランプ509、ストップランプ510を使用する。それ以外の場合は側方からの接近と判断し、側方用ランプ群を選択する。側方用ランプ群として、本実施形態では、ハザードランプ506、テールランプ507、床下ランプ512を使用する。また、自動車の駐車位置周辺に存在する建物等の周辺設備に設けられた外部照明(建物側照明)1161も、自動車及びその周辺をライトアップするためのもてなし機能を構成している。
自動車とユーザーとの距離が上限値(例えば20m以上に設定される)を超えていれば遠距離用照明モードとなり、20m未満であれば近距離用照明モードとなる。図13及び図14に示すように、接近シーン(遠距離)では、自動車への安全なアプローチ確保(転倒を避ける)がもてなし目的であり、外部照明1161がもてなし機能として選択される。また、第一車外照明(前方側からのアプローチであればヘッドライト504、後方側からのアプローチであればテールランプ507、側方からのアプローチであれば床ランプ512)、第二車外照明(前方側からのアプローチであればフォグランプ505、コーナリングランプ508、ハザードランプ506など)及び車内照明(車内照明)511を用いて、ユーザーを出迎えるための演出照明がなされる。また、ユーザーは、どの照明が点灯するかによって、自動車の向きを把握することができる。
前述のごとく、第一車外照明、第二車外照明及び車内照明は状態依存型機能であり、ΔGの値に応じて点灯強度が変化するように制御がなされ、ΔGの値がゼロとなる照明は動作を休止する。図14より、ユーザー状態指数が6を超えれば第一車外照明、第二車外照明及び車内照明の全てが動作し、ユーザー状態指数が4〜6の間であれば第一車外照明と第二車外照明のみが動作し、ユーザー状態指数が2〜4の間であれば第一車外照明のみが動作し、ユーザー状態指数が2未満であれば演出用の照明動作は行われない。なお、演出用の機能としてはホーン502の吹鳴も組み込むことができる。
このうち、第一車外照明をなすヘッドランプ504は、ユーザー状態指数Gが一定値(例えば4)を超える場合はハイビームで点灯し、そうでない場合にはロービームで点灯する。つまり、ユーザーによる見かけの点灯強度が変化しており、電気的出力そのものは変化してない。他方、車内照明については、図4のLED点灯制御回路により、ΔGの値に応じたデューティー比による出力制御(つまり、点灯強度制御)がなされる。また、運転中の前方視界確保に用いられるもの(ヘッドランプあるいはフォグランプ)以外の車外照明(床下照明512など)も同様のLED回路にて構成することで、ΔGの値に応じたデューティー比による出力制御が可能である。
なお、これから向う目的地をイメージした照明点灯パターンにてイルミネーションを行なう方法もある。例えば、目的地が海であれば、青色系の照明光の照度を漸増させた後漸減させる、波を連想させるイルミネーションパターンで点灯を行なうと効果的である。こうしたイルミネーションは、あるいは車内照明511を用いて行なうのが適当である。
この場合、イルミネーションの照明色は、ユーザーの精神状態に応じて変化させることができる。この場合、図5に示すごとく、前述の精神状態指数SLが大きい場合(つまり、好調側の場合)は、イルミネーションに使用する照明光を短波長側(つまり、青みや緑みがかった色)にシフトさせ、精神状態指数SLが小さい場合(つまり、低調側の場合)は、イルミネーションに使用する照明光を長波長側(つまり、黄色みや赤みがかった色)にシフトさせる。図5では、番号5,6,7に、水色、白及びうす橙に対応する精神状態指数SLの値のみを例示しているが、精神状態指数SLがこれ以外の値となった場合は、図5の番号5,6,7のRGB設定値を用いて該精神状態指数SLに対応するRGB設定値を補間により決定する。
また、接近シーンでは、上記のような照明装置以外に、携帯電話1(ユーザー側端末装置)に設けられたスピーカ(音声出力部)311をもてなし動作部として使用することもできる。この場合、自動車側の通信装置4は、携帯電話1すなわちユーザーの接近を検出し、そのユーザーに対応する性格種別(つまり、取得されたユーザー生体状態情報)に応じて異なる出力内容にてスピーカ311からもてなし用音声を出力させる。本実施形態において、もてなし用音声データは音楽ソースデータとするが、効果音や人間の声(いわゆる着声あるいは着ボイスと称されるもの)のデータであってもよい。このもてなし用音声データは、図1に示すように、自動車側の記憶装置535に記憶しておき、必要なものを携帯電話1に通信装置4を介して配信するようにしてもよいし、携帯電話1側の音データ用フラッシュROMに記憶させても、いずれでもよい。
次に、接近シーン(近距離)では、図15及び図16に示すように、ユーザーが躓いたり、自動車にぶつかったりしないように、外部照明1161と床下照明516の点灯は継続される。また、車内照明511は、接近シーン(近距離)においても演出用に使用される。該車内照明511は、接近シーン(遠距離)では体調良好時の演出補助に用いられているに過ぎなかったが、接近シーン(近距離)では、ドア位置(乗降口)把握のため、基準参照指数G0の値が小さく設定され(ここでは「4」)、採用の優先順位が高くなるように仕向けられている。
また、音による演出用として、カーオーディオ装置515による音楽演奏が重視され、携帯電話1よりも小さな基準参照指数G0が割り振られている。さらに、嗅覚系により新たな演出効果を加えるため、芳香発生部548も採用対象機能として基準参照指数G0が割り振られている。そして、カーオーディオ装置515からの演奏音と芳香発生部548からの芳香(アロマ)が車外のユーザーに届くよう、パワーウィンドウ535が採用対象機能として定められ、基準参照指数G0が割り振られている。これにより、ユーザー指数G(差分値ΔG)が大きければカーオーディオ装置515と携帯電話1との双方による音楽演出がなされ、また、ユーザー指数G(差分値ΔG)が大きいほどパワーウィンドウ535の開度が大きくなり、カーオーディオ装置515からの演奏音と、芳香発生部548からの芳香の漏出効果が高められる。他方、ユーザー指数G(差分値ΔG)が小さくなると、携帯電話1が音演出機能から外れ、パワーウィンドウ535の開度が小さくなり、カーオーディオ装置515からの演奏音と、芳香発生部548からの芳香の漏出効果が抑制される。
なお、カーオーディオ装置515から流す演奏曲については、推定される精神状態あるいは体調状態との関係では、体調不良状態では刺激的な高音域を避けた低温域主体の音楽を流すか、あるいは体調不良状態が比較的重い場合は、音量も小さくし、テンポもゆったり系に設定する。また、興奮状態の場合も、音楽のテンポをゆったり系に設定すると効果的である。一方、集中力散漫状態の場合は、音量を逆にアップしたり、パーカッション強打や絶叫歌唱あるいはピアノ不協和音など、気分覚醒に効果のある音楽(例えば、フリージャズ、ハードロック、ヘヴィーメタル、前衛系音楽など)を流すと効果的である。具体的には、図11の音楽ソースデータのデータベースにおいて、性格種別により粗選曲を行なった後、さらに、体調指数PL及び精神指数SLに応じた選曲がなされることになる。該データベースにおいて、個々の演奏曲に付与された体調指数PL及び精神指数SLは個別の数値範囲にて与えられ、前述の方法により決定された体調指数PL及び精神指数SLがいずれも上記の数値範囲内となる曲が選ばれて、演奏に供される。
続いて、乗車シーンでは、図17及び図18に示すように、ユーザーが自動車にぶつかったりしないように、外部照明1161と床下照明516の点灯は継続される。また、車内照明511は、ここでも演出用に使用されるが、車内の状態把握や暗所での操作補助のため基準参照指数G0が接近シーン(近距離)よりもさらに低く設定され(ここでは、「2」)、照明強度が相対的に大きくなるように配慮されている。また、空調制御、カーオーディオ装置515による音演出、芳香発生部548による嗅覚系演出も継続される。ただし、パワーウィンドウ535は、乗り込み直前なので、乗り込み後の悪臭侵入防止ないし雑音侵入防止のため、一様制御対象機能として全閉制御される。他方、そユーザーがドアに接近したことが検知されれば、対応するドアが電動ドア機構541により自動的に開き、ユーザーの乗り込みを補助する(これも一様制御対象機能)。従って、芳香発生部548による嗅覚系演出はドア開時にユーザーに認識されることになる。また、車外用カメラ518にてユーザーが大きな手荷物を抱えていることが検出された場合や、ユーザーが体調不良と推定される場合に、トランクルームの位置を知らせたり、そのカバーの開動作を自動で行って、積み込みを補助したりする動作も有効である。
他方、出発前の注意確認事項を促すメッセージ(音声データはもてなし実行制御部3のROMに記憶しておくことができ、カーオーディオシステムの音声出力ハードウェアを流用して出力処理が可能である)を音声出力させる。注意確認事項を促すメッセージの実例としては次のようなものがある。
・「免許証と財布は大丈夫ですか?」
・(カーナビで設定された行き先が空港ならば)「パスポートは持ちましたか?」
・「玄関の鍵をかけましたか?」
・「裏の窓は開いてませんか?」
・「車内のエアコンは切りましたか?」
・「ガスの元栓は締めましたか?」
次に、運転/滞在シーンは、自動車側のユーザーに対するもてなし処理の主要部を占めるものであり、図19及び図20に示すように最も多数のもてなし目的及びもてなし機能が関与する。まず、主要なものについて説明する。「寒暑改善(集中力維持、体調に合わせる)」に関しては、引き続き空調(エアコン514)が状態依存型機能として選択され、ユーザーが快適と感じる車内空調温度及び湿度の調整がなされる。
また、「快適な明るさ」確保と「演出」に使用される車内照明511の制御形態は、基本的には乗車シーンと同じであるが、ユーザーが車内滞在するので、明るさはやや抑えられるよう、基準参照指数G0の値は大きく設定されている。一方、ユーザーがエアコン514やカーナビゲーション装置534あるいはカーステレオ515等を操作しようとしている場合(パネル近傍を映し出すカメラやパネルに設けられたタッチセンサで検知する(図1に図示せず))は、車内照明511は一様制御対象機能に切り替わり、操作補助に十分な一定光量での照明を行なう(手元のスポット照明でもよい)。
接触型インテリアについて電動シート・ハンドル516は、モータ動作によりハンドルの位置やシートの前後位置あるいは背もたれの角度等を自動で調整するもので、ユーザー状態に応じて最も適正なシート高さ及びシート前後位置に自動調整する。例えば緊張感が薄らいできていると判定された場合は、背もたれを起こしてシートを前に出したり、ハンドル位置を高めたりして運転に集中できるようにする。また、疲れていると判定された場合は、不快感を示すユーザーの動きが静まる向きに、背もたれの角度を微調整したりすることが有効である。また、ユーザーへ刺激を与えるためにシートバイブレータ550を随時動作させる。なお、電動シート・ハンドル516の動作がシートバイブレータ550の動作よりも優先されるよう、基準参照指数G0の値は前者において後者よりも小さく設定されている。
カーナビゲーション装置534は、目的地の設定に伴い、現地や道中の様子を、無線通信ネットワークを介して取得し、モニター上に表示するもてなし動作が行われる。また、ユーザーが疲れや退屈を感じ取っている場合は、気分転換に効果のありそうなスポットに寄り道的に案内するのも効果的な方法である。また、映像については、ユーザーの気分に応じて適宜効果的な映像を出力するもてなし動作が行われる。映像出力用のモニタは、カーナビゲーション装置534のモニタと兼用してもよい。
ヘッドランプ504やフォグランプ505等の外部照明は一様制御対象機能として取り扱われ、周囲が減光した場合に、走行に必要な明るさが確保されるよう随時点灯制御される。
芳香発生部548は、乗車シーンからの動作を継続する。ユーザー状態指数G(差分値ΔG0)の値に応じて、適正な芳香発生量がその都度調整される。また、パワーウィンドウ535による窓開閉により、換気や外部からの香り導入にかかる動作を実行される。また、極度の眠気等から覚醒させるために、アンモニア発生部549から気付け用のアンモニアを発生させる動作も随時行なわれる。
また、音演出に関しても、カーステレオ(カーオーディオ)515による演奏が、乗車シーンから継続して行なわれる。なお、走行中は種々の騒音が発生するので、ノイズキャンセラ1001Bによる騒音消去処理がなされるが、騒音抑制レベルはユーザー状態指数G(差分値ΔG0)の値に応じて、適宜調整される。また、重要音や会話に対する取り込みレベルも同様に調整される。なお、外部からの雑音侵入防止を図るために、換気が必要となる状況以外はパワーウィンドウ535は全閉に固定制御される。
運転/滞在シーンにおけるもてなし機能制御に関しては、非常に多くの具体例を考えることができる。例えば、先行するシーンでも既に説明したごとく、運転者(ユーザー)の体調や精神状態に応じて音楽の選曲を変えたり、エアコンの設定温度や、車内の照明色あるいは照明強度を調整したりする。また、ハンドルやシートについては、差分値ΔGの値に応じて、例えば緊張感が薄らいできている状況と判定される場合(集中力散漫)は、背もたれを起こしてシートを前に出したり、ハンドル位置を高めたりして運転に集中できるようにする。また、疲れていると判定された場合は、不快感を示すユーザーの動きが静まる向きに、背もたれの角度を微調整したりすることが有効である。
また、上記以外にも、次のような態様がある。
・興奮状態(気分が高ぶりすぎていると判断されたとき、あるいは、怒りやストレスを感じていると判断されたとき):静かで心地よい音楽を演奏し、気持ちを落ち着かせるようにする。同様に、クールダウンに効果のある短波長系(青色系)の照明光を車内照明に用いる。また、空調温度を下げ、シートバイブレータ550によりゆっくりした(後述の集中力散漫時よりも周期の長い)リズム振動を発生させ、リラックスさせる。また、アロマテラピー効果による精神安定化を狙い、芳香の出力を増加させる。
・集中力が散漫化したとき:ハンドルバイブレータ551やシートバイブレータ550にインパルス的な強い振動を発生させ、集中を促す。また、アンモニア発生部549から気付け用の強い臭いを発生させる。さらに、車内照明にてフラッシュ光や刺激的な波長により出力し、注意を促すこともできる。また、警告音を出力させることも有効である。
・体調不良:速度抑制などの安全運転や、停車・休憩を促す。踏み切りや赤信号に接近したときに注意情報を音声出力する。最悪の場合、運転の見合わせなどを音声出力やモニター表示により通知する。また、方向発生部からリラックスを促す芳香を発生させる。眠気に関しては、集中力が散漫化したときと同じもてなし動作も有効である。また、照明光のうち、必要性の低い光を低減して、ユーザーが自動車に接近するときの視認性を向上させるようにする。例えば、赤系の照明出力を低減する。他方、指定された必要音(警告音/重要音)を残して、オーディオ出力に対し低音域を主体としたイコライジングを行なうこともできる。また、オーディオ設定に関しては音量レベルだけでなく、トーン設定に関しても制御適性値を変更可能としておき、低音の設定値を高温の設定値に対して相対的に増大させることができる。空調に関しては、空調の温度設定を上昇し、加湿器(図1には図示せず)の作動を併用することも可能である。
・落胆:景気のよい音楽を演奏したり、照明を赤系など、刺激的なものに変え、気分を盛り上げる。
なお、運転/滞在シーンにおいては、ユーザーの性格種別を、音楽ソースの選曲実績以外の情報を用いる形でも推定することができる。例えば、ユーザー毎の運転実績データを蓄積し、その運転実績データの解析結果に基づいてユーザーの性格種別を特定することができる。以下、その具体例について説明する。図34に示すように、ユーザーが運転中にストレスを感じたときに行ないやすい操作をストレス反映操作として予め定めておき、そのストレス反映操作を対応する検出部で検出し、その検出結果をストレス反映操作統計記データ405(図1:記憶装置535内)として記憶・蓄積する。そして、その蓄積結果に基づいて、ユーザーの性格種別を推定する。以下に説明する実施形態は、自動車の運転上好ましくない性格要素による影響を、如何に抑制するかに主眼をおいたものである。
ストレス反映操作は、本実施形態では、ホーン操作(いらいらして、やたらにクラクションを鳴らす)、ブレーキ回数(車間等を詰めすぎて、やたらにブレーキを踏む)、車線変更回数(前の車を追い越そうと、頻繁に車線を変える:ウィンカーの操作+ウィンカーが操作された後のハンドル操作角度で検出できる(ハンドル操作角度が一定以下であれば、車線変更とみなす))が選定され、ホーンスイッチ502a、ブレーキセンサ530、ウィンカースイッチ502W、加速度センサ532がストレス反映操作検出部として機能する。各操作が発生する毎に、ストレス反映操作統計記憶部405内の対応するカウンターがカウントアップし、その回数が記録される。これらの操作は、「危険運転」への指向を反映したものであるともいえる。
また、走行中の車速が車速センサ531により検出され、加速度が加速度センサ532により検出され、平均速度V及び平均加速度Aが算出されてストレス反映操作統計記憶部405内に記憶される。平均加速度Aは、増加方向の一定レベル以上の加速度が検出されている期間に限って平均値が取られ、加速度変動の少ない低速走行時期間は、平均値算出に組み入れられない。このようにすることで、該平均加速度Aの値は、追い越し等に伴いやたらにアクセルを踏み込んだり、あるいは急発進したりすることを好むか否かを反映した値となる。また、車速センサ531の出力積分値から走行距離が算出され、ストレス反映操作統計記憶部405内に記憶される。
さらに、上記ストレス反映操作統計は、一般道区間と高速道区間とで別々に作成される(その識別は、カーナビゲーションシステム534からの走行情報を参照することにより可能である)。つまり、高速道路走行時では、スムーズに流れている場合、普通の運転をするユーザーであれば、ホーンを吹鳴したり、ブレーキを踏んだり、車線変更したりする回数は少ないはずなので、これらのストレス反映操作の検出回数は、一般道区間よりも高い重み付けで加算されるべきだからである。また、平均速度や平均加速度は、一般道区間より必然的に高くなるので、上記のように一般道区間と高速道区間とで区別して統計を取ることで、この影響も緩和することができる。
以下に、上記ストレス反映操作統計を用いた性格判定のアルゴリズムの一例を示すが、これに限られるものではない。まず、ホーン回数Nh、ブレーキ回数N、車線変更回数NLCについては、一般道区間(添え字「O」で示している)と高速道区間(添え字「E」で示している)での各値に、それぞれ重み係数αとβ(ただし、α<β:どちらかの係数を1に固定して、他方の係数を相対値表示してもよい)を乗じて加算し、それを走行距離Lで割った値を、換算回数(添え字「Q」で示している)として算出する。他方、平均速度と平均加速度も、同様に一般道区間での値と高速道区間での値を、重み係数を乗じて加算し、換算平均速度及び換算平均加速度として算出する。これらを全て加算した値を、性格推定パラメータΣChとして求め、該ΣChの値に応じて性格推定を行なう。
本実施形態では、ΣChの値の範囲を、予め定められた互いに異なる境界値A1,A2,A3,A4で複数の区間に区切り、そのそれぞれに性格種別を割り振っている。そして、算出されたΣChの値が属する区間に対応付けて、縮小係数δ1、δ2、δ3(いずれも0より大きく1より小)を定めている。これを用いた具体的な性格分析処理の流れの一例を図35に示す。前述のごとく、S101でユーザーを認証し、S102で図24の選曲実績データ403を取得する。そして、S103で、図25の選曲実績の統計データ404を作成する。次に、S104では、図34のストレス反映操作統計記憶部405内に蓄積されている情報(走行実績データ)を読み出し、S105で上記の方法によりΣChの値を算出して、対応する性格種別を特定し、縮小係数δを取得する。S106では、選曲実績の統計情報404で、最も頻度が高い性格種別を特定し、これに縮小係数δを乗じて見かけの頻度を低減する。これにより、例えば「活動的」なユーザーにおいてΣChが高くなるような結果が得られた場合、その「活動的」性格の故にΣChが高くなるような危険運転への指向が高められていることを意味するから、これをあおるような音楽の選曲頻度を、縮小係数δを乗ずることで抑制することができ、安全運転に導くことができる。また、「おとなしい」ユーザーにおいてΣChが低くなるような結果が得られた場合、「おとなしい」に対応する音楽の選曲頻度が縮小係数δを乗ずることで抑制され、活発な音楽の選曲頻度が相対的に増大するから、ユーザーに適度な刺激が与えられ、運転にメリハリを付けることで、安全性を高めることが可能となる。
次に、運転中においては、性格とは別に、精神状態や体調について考慮する必要がより高くなる。ユーザー(運転者)が運転席に着座している状態では、生体状態パラメータを取得するためのユーザー生体特性情報取得手段(センサやカメラ類)としてさらに多くのものを採用でき、具体的には、図1の赤外線センサ519、着座センサ520、顔カメラ521、マイクロフォン522、感圧センサ523、血圧センサ524、体温センサ525、アイリスカメラ527及び皮膚抵抗センンサ545を用いることができる。これらのユーザー生体特性情報取得手段は、運転中のユーザーの生体反応を様々な角度から捉えることができ、もてなし意思決定部2は、接近シーンでの実施形態にて詳述したのと同様に、それらが検出する生体状態パラメータの時間的変化情報からユーザーの精神状態や体調を推定し、これに適合した形態でもてなし動作を行なう。
前述と同様、顔の表情の情報は、顔カメラ521により撮影した顔の静止画像から得られ、その全体(又は部分:例えば目や口)の画像を、種々の心理状態あるいは体調状態におけるマスター画像と比較することで、ユーザーが怒っているのか、平静であるのか、機嫌がよい(例えば楽しくウキウキしている)のか、機嫌が悪い(例えば落胆ないし悲嘆している)のか、あるいは不安ないし緊張にさらされているのか、などを推定することができる。また、ユーザーに固有のマスター画像を使用するのではなく、顔の輪郭、目(あるいはアイリス)、口及び鼻の位置や形状を、全てのユーザーに共通の顔面特徴量として抽出し、その特徴量を、種々の心理状態あるいは体調状態において予め測定・記憶されている標準特徴量と比較して、同様の判定を行なうことができる。なお、上記の顔面特徴量から顔の類型を性格別に分類し、照合することで、ユーザーの性格種別の特定に使用することもできる。
体の動作は、顔カメラ521により撮影したユーザーの動画像(例えば、小刻みに動いたりする、顔をしかめたりするなど)、感圧センサ523の検知状態(例えば頻繁にハンドルから手を離したりする)などの情報に基づき、例えば運転中のユーザーがいらいらしているのか、そうでないのかを判断することができる。
体温は、ハンドルに取り付けた体温センサ525や、赤外線センサ519で取得した顔のサーモグラフィーなどの体温検出部により検出・特定できる。図29に示したのと同様のアルゴリズムにより、体温変化の緩急と平均体温レベルの変動/維持を判定できる。なお、ユーザーの平熱を予め登録しておき、その平熱からの温度シフト(特に高温側)を体温検出部により測定することで、より微妙な体温変化ひいてはそれによる細かい感情の動き等も検出することが可能となる。
図36は、皮膚抵抗変化波形解析処理のフローチャートの一例を示すものであり、サンプリングルーチンでは、一定時間間隔で定められたサンプリングタイミングが到来する毎に、皮膚抵抗センサ545により検出される皮膚抵抗値をサンプリングし、波形記録する。そして、波形解析ルーチンでは、SS103にて直近の一定期間にサンプリングされた皮膚抵抗値を波形として取得し、SS104で該波形に周知の高速フーリエ変換処理を行なって周波数スペクトラムを求め、SS105で、そのスペクトラムの中心周波数(あるいはピーク周波数)fを演算する。また、SS106では、図53に示すように、波形を一定数の区間σ1,σ2‥に分割し、SS107で区間別の皮膚抵抗平均値を演算する。そして、区間毎に、平均皮膚抵抗値を波形中心線として、積分振幅A1,A2‥を演算する。そして、SS109では、各区間の積分振幅Aを時間tに対してプロットし、最小二乗回帰して勾配αを求める。
SS110では、周波数fが上限閾値fu0より大きくなっているかどうかを調べ、大きくなっていれば監視中の皮膚抵抗変化が「急」であると判定する。また、SS112では、周波数fが下限閾値fL0(>fu0)より小さくなっているかどうかを調べ、小さくなっていれば監視中の皮膚抵抗変化が「緩」であると判定する。また、fu0≧f≧fL0ならばSS114に進み、監視中の皮膚抵抗変化は「標準」であると判定する。次に、SS115に進み、勾配αの絶対値を閾値α0と比較する。|α|≦α0であれば、監視中の平均皮膚抵抗レベルは「一定」状態にあると判定する。また、|α|>α0の場合、αの符号が正であれば監視中の平均皮膚抵抗レベルは「増」状態にあると判定し、負であれば「減」状態にあると判定する。
図31に示すように、皮膚抵抗検出値の変化が急で変化の方向が「増」である場合は、精神状態が「集中力散漫」と推定できる。体調不良に関しては、軽度のものは皮膚抵抗の時間的変化にそれ程反映されないが、体調不良が進行すると、皮膚抵抗値の変化が緩やかに増加に転ずるので、「重度体調不良」の推定には有効である。また、皮膚抵抗値は急激に減少する場合は、「興奮(怒り)状態」であることを、かなり高精度に推定することができる。
次に、図37は、姿勢信号波形解析処理のフローチャートの一例を示すものであり、サンプリングルーチンでは、一定時間間隔で定められたサンプリングタイミングが到来する毎に、図9を用いて説明した姿勢信号値(Vout)をサンプリングし、波形記録するSS201,SS202)。そして、波形解析ルーチンでは、SS203にて直近の一定期間にサンプリングされた姿勢信号値を波形として取得し、SS204で該波形に周知の高速フーリエ変換処理を行なって周波数スペクトラムを求め、SS205で、そのスペクトラムの中心周波数(あるいはピーク周波数)fを演算する。また、SS206では、図30に示すように、波形を一定数の区間σ1,σ2‥に分割し、SS207で区間別の姿勢信号平均値を演算する。そして、区間毎に、平均姿勢信号値を波形中心線として、積分振幅A1,A2‥を演算する。そして、SS209では、各区間の積分振幅Aを平均し、波形振幅の代表値として決定する。また、SS210では、積分振幅Aの分散Σを演算する。
SS211では、周波数fが上限閾値fu0より大きくなっているかどうかを調べ、大きくなっていれば監視中の姿勢変化速度が「増」であると判定する。また、SS213では、周波数fが下限閾値fL0(>fu0)より小さくなっているかどうかを調べ、小さくなっていれば監視中の姿勢変化速度が「減」であると判定する。また、fu0≧f≧fL0ならばSS215に進み、監視中の姿勢変化速度が「正常」であると判定する。次に、SS216に進み、積分振幅Aの平均値Anの値を予め定められた閾値と比較して、姿勢移動量を「変化小」、「微増」および「急増」のいずれかに判定する(平均値Anが大きいほど、姿勢移動量は増加傾向にある)。また、SS217では、Aの分散Σの値が閾値以上になっている場合は、姿勢移動が増減傾向にあると判定する。
姿勢の変化は、基本被特定状態(「体調不良」、「集中力散漫」及び「興奮状態」)の相違に応じて顕著に異なる傾向を示すので、それらを相互識別する上で特に有効なパラメータである。正常であれば、運転中のユーザーは適度に姿勢を保ちながら運転に必要な緊張感を持続される。他方、体調不良が生ずると、辛さを和らげようとして時折姿勢を変える仕草が目立つようになり、姿勢移動量は微増傾向となる。しかし、体調不良がさらに進行すると(あるいは、極度の眠気に襲われた場合)、姿勢が不安定になってぐらつくようになり、姿勢移動は増減傾向となる。このときの姿勢移動は、体のコントロールが利かない不安定なものなので、姿勢移動の速度は大幅に減少する。また、集中力が散漫になっている場合も、姿勢移動はだらしなく増減するが、体のコントロールは利く状態であるから、姿勢移動速度はそれほど減少しない点に違いがある。他方、興奮状態にある場合は、落ち着きがなくなったり、いらいらしたりして姿勢移動は急増し、移動速度も大きくなる。
図38は、視線角度波形解析処理のフローチャートの一例を示すものであり、サンプリングルーチンでは、一定時間間隔で定められたサンプリングタイミングが到来する毎に、SS252で顔画像を撮影し、その画像中にて瞳孔位置と、顔中心位置とを特定し、SS253で、該顔中心位置に対する瞳孔の正面方向からのぶれを演算して、視線角度θを求めることができる。そして、波形解析ルーチンでは、SS254にて直近の一定期間にサンプリングされた視線角度値を波形として取得し、SS255で該波形に周知の高速フーリエ変換処理を行なって周波数スペクトラムを求め、SS256で、そのスペクトラムの中心周波数(あるいはピーク周波数)fを演算する。また、SS257では、図30に示すように、波形を一定数の区間σ1,σ2‥に分割し、SS258で区間別の視線角度平均値を演算する。そして、SS259では、区間毎に、平均視線角度値を波形中心線として、積分振幅A1,A2‥を演算する。そして、SS260では、各区間の積分振幅Aを平均し、波形振幅の代表値Anとして決定する。また、SS261では、積分振幅Aの分散Σを演算する。
SS262では、周波数fが上限閾値fu0より大きくなっているかどうかを調べ、大きくなっていれば監視中の視線角度θの変化速度が「増」であると判定する。また、SS264では、周波数fが下限閾値fL0(>fu0)より小さくなっているかどうかを調べ、小さくなっていれば監視中の視線角度θの変化速度が「減」であると判定する。また、fu0≧f≧fL0ならばSS266に進み、監視中の視線角度θの変化速度が「正常」であると判定する。次に、SS267に進み、積分振幅Aの平均値Anの値を予め定められた閾値と比較して、視線角度θの変化量を「変化小」、「微増」および「急増」のいずれかに判定する(平均値Anが大きいほど、視線角度θの変化量は増加傾向にある)。また、SS268では、Aの分散Σの値が閾値以上になっている場合は、視線角度θの変化が増減傾向にある状態、つまり「変調」状態(いわゆる、目がきょろきょろした状態)にあると判定する。
まず、視線角度θは、集中力が散漫になった場合に移動量が急増し、また、きょろきょろと変調を来たすようになるので、該集中力散漫と推定する上での有力な決め手となる。また、体調不良が生ずると、その不良の程度に応じて視線移動量が減少するので、体調不良の推定にも有効である。また、興奮状態でも視線移動量は減少するが、体調不良時は、視界に変化が起きた場合に視線がついてゆきにくくなり、移動速度も減少するのに対し、興奮状態では、視界の変化等に鋭敏に反応してこれを睨みつけるなど、時折生ずる視線移動の速度は非常に大きいので、互いに識別することができる。
図39は、瞳孔径変化解析処理のフローチャートの一例を示すものであり、サンプリングルーチンでは、一定時間間隔で定められたサンプリングタイミングが到来する毎に、SS302でアイリスカメラ527(図1)によりユーザーのアイリスを撮影し、SS303では、その画像上にて瞳孔径dを決定する。そして、解析ルーチンでは、SS304にて直近の一定期間にサンプリングされた瞳孔径dを波形として取得する。また、SS305では、図30に示すように、波形を一定数の区間σ1,σ2‥に分割し、SS306で区間別の瞳孔径平均値dnを演算する。そして、SS307では、区間毎に、平均瞳孔径値を波形中心線として、積分振幅A1,A2‥を演算し、SS308では、各区間について計算された積分振幅の平均値Anを演算する。また、SS309では、積分振幅Aの分散Σを演算する。
SS310では瞳孔径平均値dnが閾値d0より大きくなっているかどうかを調べ、大きくなっていればSS311に進み、「瞳孔開」と判定する。また、大きくなっていなければSS312に進み、瞳孔径変化波形の積分振幅Aの分散Σが閾値Σ0よりも大きいかどうかを調べ、大きければ「瞳孔径変動」と判定する。また、大きくなければ「正常」と判定する。
図31に示すように、瞳孔径dは、ユーザーの精神状態に応じて顕著に変化し、特に、特有の瞳孔開状態があるか否かに基づいて、ユーザーが興奮状態にあるか否かを高精度に推定することができる。また、瞳孔径が変動する場合は、集中力散漫であると推定することができる。
また、本発明においては、運転者のステアリング操作状態も、その運転者の精神ないし体調状態を推定するための生体状態パラメータとして使用する。ただし、ステアリングのサンプリング及び評価は直線走行時に限るようにし、右左折時やレーン変更時など、操舵角度が必然的に大きくなることが予め予測される期間は、ステアリング操作の監視・評価は行なわないことが望ましい(正常なのに、ステアリングが不安定と判定されてしまう惧れがある)。例えば、ウィンカー点灯操作があった場合は、そのウィンカー点灯期間と、操舵操作が予想される前後の一定期間(例えば、点灯前の約5秒、点灯後の約10秒)については、評価の対象外とするとよい。
図40は、操舵角度波形解析処理のフローチャートの一例を示すものであり、サンプリングルーチンでは、一定時間間隔で定められたサンプリングタイミングが到来する毎に、SS352で、操舵角センサ547の出力により現在の操舵角度φを読み取る(例えば、直進中立状態でφ=0°とし、左右いずれかへの触れ角として定義する(例えば右方向の角度を正、左方向の角度を負とする))。そして、操舵精度解析ルーチンでは、SS353にて直近の一定期間にサンプリングされた操舵角度値を波形として取得し、SS354で該波形に周知の高速フーリエ変換処理を行なって周波数スペクトラムを求め、SS355で、そのスペクトラムの中心周波数(あるいはピーク周波数)fを演算する。また、SS356では、図30に示すように、波形を一定数の区間σ1,σ2‥に分割し、SS357で区間別の操舵角度平均値を演算する。そして、SS358では、区間毎に、平均操舵角度値を波形中心線として、積分振幅A1,A2‥を演算する。そして、SS359では、積分振幅Aの分散Σを演算する。
SS360では、周波数fが上限閾値fu0より大きくなっているかどうかを調べ、大きくなっていればSS361に進み、監視中の操舵角度φの変化速度が「増」であると判定する。また、SS362では、周波数fが下限閾値fL0(>fu0)より小さくなっているかどうかを調べ、小さくなっていれば監視中の操舵角度φの変化速度が「減」であると判定する。また、fu0≧f≧fL0ならばSS364に進み、監視中の操舵角度φの変化速度が「正常」であると判定する。次に、SS365に進み、操舵角度φの変化波形の積分振幅Aの分散Σが閾値Σ0よりも大きいかどうかを調べ、大きければ操舵誤差が「増」と判定する(SS366)。また、大きくなければ「正常」と判定する(SS367)。
また、操舵誤差に関しては、上記のような操舵角度による検出だけでなく、図1の走行モニタカメラ546によるモニタリング画像から検出することもできる。走行モニタカメラ546は、例えば自動車の正面中央(例えば、フロントグリルの中央など)に取り付けることができ、図41に示すように、走行方向前方の視界を撮影するものである。自動車に対するカメラの取付位置が定まれば、撮影視野上での走行方向における車幅中心位置(自動車側基準位置)も定まり、例えば路肩線、中央線あるいはレーン分離線を画像上で識別することにより、自身が走行中のレーン中心位置を画像上で特定することができる。そして、上記の車幅中心位置のレーン中心位置からのずれを求めれば、自分の運転する自動車がレーンの中央をキープできているかどうかをモニタリングすることができる。図42は、その処理の流れの一例を示すフローチャートであり、SS401では走行モニター画像のフレームを取得し、SS402では、上記のごとく路肩線、中央線あるいはレーン分離線を示す白線(あるいは追い越し禁止の橙線)のレーン側エッジ線を周知の画像処理により抽出し、それぞれレーン幅位置として特定する。そして、SS403では、そのエッジ線間距離を二分する位置をレーン中心位置として演算する。他方、SS404では、上記画像フレーム上に、車幅中心位置をプロットし、上記のレーン中心位置からの道路幅員方向におけるずれ量ηを演算する。この処理を、予め定められた時間間隔で取り込まれる画像フレームに対して繰り返し、ずれ量ηの時間変化波形として記録する(SS405→SS401)。
この場合の操舵精度の解析処理は、例えば図43に示すような流れにより行なうことができる。すなわち、SS451では、直近一定期間の波形の中心線に対する積分振幅Aを演算し、また、SS453では、レーン中心位置からのずれ量η自身の平均値ηnを演算する。SS454では、積分振幅Aを予め定められている閾値A0と比較し、この閾値を超えていればSS455に進んで操舵誤差「増」と判定する。Aが大きいということは、ずれ量ηが時間に対して大きく揺らいでいることを意味し、一種のふらつき走行の傾向を示すものである。一方、レーン中央をキープできず、端に寄っていく傾向が続く場合は、SS454で積分振幅Aが閾値A0より小さくなっていても、ずれ量η自体は大きくなり、異常と判定するべきである。従って、この場合はSS456に進み、ずれ量平均値ηnが閾値ηn0を超えていればSS455に進み、操舵誤差「増」と判定する。他方、ずれ量平均値ηnが閾値ηn0より小さければSS457へ進み、「正常」と判定する。
また、操舵速度(操舵に対する反応)については、波形に周知の高速フーリエ変換処理を行なって周波数スペクトラムを求め、そのスペクトラムの中心周波数(あるいはピーク周波数)fを演算して、そのfから傾向を判定することが可能である。この場合、周波数fが上限閾値fu0より大きくなっているかどうかを調べ、大きくなっていれば、操舵速度が「増」であると判定する。また、SS362では、周波数fが下限閾値fL0(>fu0)より小さくなっているかどうかを調べ、小さくなっていれば操舵速度が「減」であると判定する。また、fu0≧f≧fL0ならば、操舵速度が「正常」であると判定する。
図30に示すように、操舵誤差の増大を検知することで、運転者が集中力散漫状態や興奮状態にあることを推定できる。他方、重度の体調不良(居眠り状態を含む)が発生した場合も、正常な操舵が妨げられるので、誤差の増大傾向からこれを推定することができる。他方、体調不良や集中力の散漫化は操舵への反応が遅れがちになり、操舵速度の減少からこれを推定することができる。また、興奮状態では、いらいらして急ハンドルを切りがちになるので、操舵速度の増加からこれを推定することができる。
運転/滞在シーンにおいても、図32の流れに従って被特定状態を特定する処理が行なわれる。この場合、参照される生体状態パラメータの数も多くなるので、照合カウンターの得点を「一致度」とみなして、最も得点の高いもの、つまり一致度の最も高いものを、被特定状態として確定させる方法がより有効である。前述のごとく、照合カウンターへの加算は、被照合情報と判定結果とが完全一致せずとも、定められた範囲内で近接した結果が得られた場合は、完全一致の場合よりも低い得点に制限しつつ、これを照合カウンターへ加算するように実施できる。
図44は、血圧波形解析処理のフローチャートの一例を示すものであり、サンプリングルーチンでは、一定時間間隔で定められたサンプリングタイミングが到来する毎に、血圧センサ524により検出される血圧をサンプリングし、波形記録する。そして、波形解析ルーチンでは、SS3にて直近の一定期間にサンプリングされた血圧を波形として取得し、SS4で該波形に周知の高速フーリエ変換処理を行なって周波数スペクトラムを求め、SS5で、そのスペクトラムの中心周波数(あるいはピーク周波数)fを演算する。また、SS6では、図53に示すように、波形を一定数の区間σ1,σ2‥に分割し、SS7で区間別の血圧平均値を演算する。そして、区間毎に、平均血圧を波形中心線として、積分振幅A1,A2‥を演算する。
SS10では、周波数fが上限閾値fu0より大きくなっているかどうかを調べ、大きくなっていれば監視中の血圧変化が「急」であると判定する。また、SS12では、周波数fが下限閾値fL0(>fu0)より小さくなっているかどうかを調べ、小さくなっていれば監視中の血圧変化が「緩」であると判定する。また、fu0≧f≧fL0ならばSS14に進み、監視中の血圧変化は「標準」であると判定する。次に、SS15に進み、振幅Aを閾値A0と比較する。A≦A0であれば、監視中の平均血圧レベルは「維持」状態にあると判定する。また、監視中の平均血圧レベルは「変動」状態にあると判定する。
図31に示すように、血圧検出値の変化が急で変化の方向が「変動」である場合は、精神状態が「集中力散漫」と推定できる。体調不良に関しては、血圧の変動が緩やかとなる。また、血圧は急激に変動する場合は、「興奮(怒り)状態」であることを推定することができる。
本発明の自動車用ユーザーもてなしシステムの、電気的構成の一例を示すブロック図。 車内照明の電気的構成の一例を示すブロック図。 照明装置の点灯制御データの構成例を示す概念図。 発光ダイオードを用いた照明装置の一例を示す回路図。 RGBフルカラー照明の、各照明光の混合比と発光色の関係を示す図。 カーオーディオシステムの電気的構成の一例を示すブロック図。 ノイズキャンセラの構成例を示す概念ブロック図。 同じくハードウェア構成の一例を示すブロック図。 姿勢信号波形の生成ハードウェアの一例を示す回路図。 種々の被特定状態のイメージ図。 音楽ソースデータベースの内容を示す概念図。 シーンフラグの内容を示す模式図。 目的推定マトリックスの第一例を示す図。 機能抽出マトリックスの第一例を示す図。 目的推定マトリックスの第二例を示す図。 機能抽出マトリックスの第二例を示す図。 目的推定マトリックスの第三例を示す図。 機能抽出マトリックスの第三例を示す図。 目的推定マトリックスの第四例を示す図。 機能抽出マトリックスの第四例を示す図。 もてなし処理の全体流れを示すフローチャート。 シーン決定処理の流れを示すフローチャート。 ユーザー登録情報の内容を示す概念図。 選曲実績記憶部の内容を示す概念図。 選曲実績の統計情報の内容を示す概念図。 選曲用乱数テーブルの一例を示す図。 もてなしソース決定処理の一例を示すフローチャート。 表情変化解析アルゴリズムの一例を示すフローチャート。 体温波形取得とその解析アルゴリズムの一例を示すフローチャート。 波形解析手法をいくつか例示して示す模式図。 判定テーブルの一例を示す図。 状態特定処理の一例を示すフローチャート。 接近シーンでのもてなし動作の一例を示す模式図。 ストレス反映操作統計記憶部の内容を示す概念図。 性格分析処理の流れを示すフローチャート。 皮膚抵抗波形取得とその解析アルゴリズムの一例を示すフローチャート。 姿勢信号波形取得とその解析アルゴリズムの一例を示すフローチャート。 視線角度波形取得とその解析アルゴリズムの一例を示すフローチャート。 瞳孔径波形取得とその解析アルゴリズムの一例を示すフローチャート。 操舵角度波形取得とその解析アルゴリズムの一例を示すフローチャート。 走行モニター画像のイメージ図。 走行モニタデータ取得処理の一例を示すフローチャート。 走行モニタデータを用いた操舵精度解析処理の一例を示すフローチャート。 血圧変化波形取得とその解析アルゴリズムの一例を示すフローチャート。
符号の説明
2 もてなし意思決定部
3 もてなし実行制御部
100 自動車用ユーザーもてなしシステム
311 スピーカ(音声出力部)
502〜517,534 もてなし動作部
515 カーオーディオシステム
511 車内照明(照明装置)
521 顔カメラ(ユーザー生体特性情報取得手段)
523 感圧センサ(ユーザー生体特性情報取得手段)
519 赤外線センサ(ユーザー生体特性情報取得手段)
525 体温センサ(ユーザー生体特性情報取得手段)
524 脈拍センサ(ユーザー生体特性情報取得手段)

Claims (25)

  1. ユーザーが自動車に向けて接近し、該自動車に乗り込み、該自動車を運転し又は車内にて滞在し、その後、降車に至るまでのユーザーの自動車利用に係る一連の動作を、予め定められた複数のシーンに区切り、区切られた複数のシーン毎に前記ユーザーによる前記自動車の利用を補助するための、又はユーザーを楽しませるためのもてなし動作を行なうもてなし動作部と、
    前記シーン毎に予め定められたユーザーの位置又は動作をシーン推定情報として取得するシーン推定情報取得手段と、取得された前記シーン推定情報に基づいて個々の前記シーンを特定するシーン特定手段と、特定されたシーンに応じて、使用するもてなし動作部と、該もてなし動作部によるもてなし動作の内容とを定めるもてなし内容決定手段とを有するもてなし意思決定部と、
    前記もてなし意思決定部による決定内容に従うもてなし動作を行なうように、対応するもてなし動作部の動作制御を行なうもてなし実行制御部とを備え、
    前記もてなし意思決定部は、
    前記シーン別に用意されたもてなし目的の種別項目と、前記もてなし動作部の機能種別項目とにより二次元配列された機能抽出マトリックスとして構成され、かつ各マトリックスセルに、当該マトリックスセルにかかるもてなし目的において対応する機能が当該もてなし目的に適合する機能であるか否かを識別可能な形で、該機能を動作制御する際の基準として参照する基準参照情報格納された機能抽出マトリックス記憶部と、
    特定されたシーンのもてなし目的に適合する機能を前記機能抽出マトリックスから抽出し、抽出された機能に対応する前記基準参照情報を読み出す機能抽出手段と、
    前記ユーザーの体調及び精神状態の少なくともいずれかを含むユーザー生体特性情報を取得するユーザー生体特性情報取得手段と、
    取得したユーザー生体特性情報と前記基準参照情報とに基づいて、対応する機能の動作内容を決定する動作内容決定手段と、
    を有し、さらに、
    前記動作内容決定手段は、前記機能の動作指令情報を、前記ユーザー生体特性情報が示す前記ユーザーの少なくとも体調と関連付けられた数値指令情報として演算する数値指令情報演算手段を有し、
    前記もてなし実行制御部は、前記機能を該数値指令情報に対応する動作レベルにて動作制御することを特徴とする自動車用ユーザーもてなしシステム。
  2. 取得した前記ユーザー生体特性情報に基づいて、前記ユーザーの少なくとも体調の良否を数値に反映したユーザー状態指数を算出するユーザー状態指数算出手段を備え、
    前記基準参照情報は、対応する前記機能を動作制御するための基準となるユーザー状態を反映した基準参照指数として与えられ、
    前記動作内容決定手段は、前記機能の動作指令情報を、前記基準参照指数を前記ユーザー状態指数にて補正する形で、前記ユーザー生体特性情報が示す前記ユーザーの少なくとも体調と関連付けられた前記数値指令情報として演算する数値指令情報演算手段を有し、
    前記もてなし実行制御部は、前記機能を該数値指令情報に対応する動作レベルにて動作制御する請求項1記載の自動車用ユーザーもてなしシステム。
  3. 前記もてなし意思決定部は、
    前記シーン別に用意され、自動車利用にかかる前記ユーザーの安全性、利便性及び快適性の分類項目と、車外ないし車内におけるユーザーの周囲環境に関与する、少なくとも触覚系、視覚系及び聴覚系の3つを含む制御対象環境項目とにより二次元配列された目的推定マトリックスとして構成され、かつ各マトリックスセルに、前記分類項目と前記制御対象環境項目とに対応する、当該シーンにおいてユーザーが所望すると推定されるもてなし目的格納された目的推定マトリックス記憶部と、
    特定されたシーンに対応する前記目的推定マトリックスにて、前記制御対象環境項目別に、各分類項目に対応するもてなし目的を抽出するもてなし目的抽出手段とを有し、
    前記機能抽出手段は、抽出されたもてなし目的に適合する機能を前記機能抽出マトリックスから抽出し、抽出された機能に対応する前記基準参照情報を読み出すものである請求項1又は請求項2に記載の自動車用ユーザーもてなしシステム。
  4. 前記もてなし目的が気温を前記制御対象環境項目とするものである場合、前記機能抽出マトリックスにおいて、当該もてなし目的に対応する前記機能として空調装置が用意されている請求項3に記載の自動車用ユーザーもてなしシステム。
  5. 前記もてなし目的が明るさを前記制御対象環境項目とするものである場合、前記機能抽出マトリックスにおいて、当該もてなし目的に対応する前記機能として車外ないし車内の照明装置が用意されている請求項3又は請求項4に記載の自動車用ユーザーもてなしシステム。
  6. 前記もてなし目的が音響を前記制御対象環境項目とするものである場合、前記機能抽出マトリックスにおいて、当該もてなし目的に対応する前記機能としてカーオーディオシステムが用意されている請求項3ないし請求項5のいずれか1項に記載の自動車用ユーザーもてなしシステム。
  7. 前記もてなし目的が音響を前記制御対象環境項目とするものである場合、前記機能抽出マトリックスにおいて、当該もてなし目的に対応する前記機能として音響ノイズキャンセリングシステムが用意されている請求項3ないし請求項6のいずれか1項に記載の自動車用ユーザーもてなしシステム。
  8. 請求項2記載の要件を備え、
    前記ユーザー状態指数はユーザーの体調の良否に応じて一義的に増減するパラメータとして算出され、前記数値指令情報演算手段は前記数値指令情報を、前記ユーザー状態指数と前記基準参照指数との差分値を反映した情報として演算するものであり、前記もてなし実行制御部は、前記差分値が大きいほど、前記ユーザー状態指数に反映された体調の改善又は悪化抑制方向への寄与が大きくなるように前記機能の動作レベルを設定するものである請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の自動車用ユーザーもてなしシステム。
  9. 前記機能抽出マトリックスにて、同一の前記もてなし目的に複数の互いに異なる機能が割り振られ、各機能に対し前記基準参照指数が互いに異なる数値にて与えられている場合に、前記もてなし実行制御部は、前記機能抽出マトリックスにおいて、前記差分値がより大きくなる基準参照指数を有した機能ほど優先的に動作させるものである請求項8記載の自動車用ユーザーもてなしシステム。
  10. 前記もてなし実行制御部は、前記機能抽出マトリックスにおいて、前記差分値が予め定められた下限値以下となる基準参照指数を有した機能の動作を禁止するものである請求項8又は請求項9に記載の自動車用ユーザーもてなしシステム。
  11. 前記ユーザー状態指数算出手段は、取得した前記ユーザー生体特性情報に反映される前記ユーザーの体調が良好であるほど、増加ないし減少のうち予め定められた向きに一義的に変化するように前記ユーザー状態指数を算出するものであり、
    前記動作内容決定手段は、前記ユーザー状態指数の値に応じて前記機能の電気的出力レベルを調整するものである請求項8ないし請求項10のいずれか1項に記載の自動車用ユーザーもてなしシステム。
  12. 前記機能が空調装置である場合、前記動作内容決定手段は、前記差分値が大きいほど空調出力レベルが増大するように動作内容を決定するものである請求項11記載の自動車用ユーザーもてなしシステム。
  13. 前記機能がカーオーディオシステムである場合、前記動作内容決定手段は、前記差分値が大きいほど出力音量が増大するように動作内容を決定するものである請求項11又は請求項12に記載の自動車用ユーザーもてなしシステム。
  14. 前記機能がカーオーディオシステムである場合、前記動作内容決定手段は、前記差分値に応じて前記カーオーディオシステムから出力させる音楽ソースの選曲内容を変更する請求項11ないし請求項13のいずれか1項に記載の自動車用ユーザーもてなしシステム。
  15. 前記機能が車内照明装置である場合、前記動作内容決定手段は、前記差分値が大きいほど照明光量が増大するように動作内容を決定するものである請求項11ないし請求項14のいずれか1項に記載の自動車用ユーザーもてなしシステム。
  16. 前記動作内容決定手段は、取得した前記ユーザー生体特性情報に反映される前記ユーザーの精神状態に応じ、前記電気的出力レベルの調整とは独立して前記機能の動作出力内容を該精神状態に適合した内容に調整する請求項11ないし請求項15のいずれか1項に記載の自動車用ユーザーもてなしシステム。
  17. 前記機能が車内照明装置である場合、前記動作内容決定手段は、取得した前記ユーザー生体特性情報に反映される前記ユーザーの精神状態が高揚したものとなるほど短波長側の照明色となるように、前記車内照明装置の動作出力内容を決定する請求項16に記載の自動車用ユーザーもてなしシステム。
  18. 前記機能が空調装置である場合、前記動作内容決定手段は、取得した前記ユーザー生体特性情報に反映される前記ユーザーの精神状態が高揚したものとなるほど設定温度が低くなるように、前記空調装置の動作出力内容を決定する請求項16又は請求項17に記載の自動車用ユーザーもてなしシステム。
  19. 前記機能がカーオーディオシステムである場合、前記動作内容決定手段は、取得した前記ユーザー生体特性情報に反映される前記ユーザーの精神状態に応じて、該精神状態に適合した選曲を行なうとともに、前記ユーザー状態指数の値に応じて出力音量が調整されるよう、前記カーオーディオシステムの動作出力内容を決定する請求項16ないし請求項18のいずれか1項に記載の自動車用ユーザーもてなしシステム。
  20. 前記ユーザー生体特性情報取得手段は、
    前記ユーザーの予め定められた生体状態を、当該生体状態を反映した数値パラメータである生体状態パラメータの時間的変化として検出する生体状態変化検出部と、
    前記ユーザー生体特性情報を、検出された前記生体状態パラメータの時間的変化に基づいて、ユーザーの体調及び精神状態を推定する情報として生成する精神/体調推定手段とを備える請求項1ないし請求項19のいずれか1項に記載の自動車用ユーザーもてなしシステム。
  21. 前記生体状態変化検出部は、前記生体状態パラメータの時間的変化波形を検出するものであり、
    前記精神/体調推定手段は、前記波形の振幅情報に基づいて前記ユーザーの体調を推定する体調推定情報を生成するものである請求項20記載の自動車用ユーザーもてなしシステム。
  22. 前記生体状態変化検出部は、前記生体状態パラメータの時間的変化波形を検出するものであり、
    前記精神/体調推定手段は、前記波形の周波数情報に基づいて前記ユーザーの精神状態を推定する精神状態推定情報を生成するものである請求項20又は請求項21に記載の自動車用ユーザーもてなしシステム。
  23. 前記生体状態変化検出部が複数設けられ、前記精神/体調推定手段は、それら複数の生体状態変化検出部が検出する前記生体状態パラメータの時間的変化状態の組み合わせに基づいて、前記ユーザーの体調又は精神状態を推定する請求項20ないし請求項22のいずれか1項に記載の自動車用ユーザーもてなしシステム。
  24. 前記ユーザーの、推定すべき前記体調又は精神状態の推定レベルと、個々の前記推定レベルが成立するための、前記複数の生体状態変化検出部がそれぞれ検出しているべき前記生体状態パラメータの時間的変化状態の組み合わせとを対応付けて記憶した判定テーブルが設けられ、
    前記精神/体調推定手段は、検出された複数の前記生体状態パラメータの時間的変化状態の組み合わせを、前記判定テーブル上の前記組み合わせと照合し、照合一致した組み合わせに対応する推定レベルを現在成立している推定レベルとして特定するものである請求項23記載の自動車用ユーザーもてなしシステム。
  25. 請求項2記載の要件を備え、前記ユーザー状態指数算出手段は、特定された前記体調又は精神状態の推定レベルを用いて前記ユーザー状態指数を算出するものである請求項24記載の自動車用ユーザーもてなしシステム。
JP2006313529A 2006-11-20 2006-11-20 自動車用ユーザーもてなしシステム Expired - Fee Related JP4572889B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006313529A JP4572889B2 (ja) 2006-11-20 2006-11-20 自動車用ユーザーもてなしシステム
DE102007053470A DE102007053470A1 (de) 2006-11-20 2007-11-09 Fahrzeug-Anwender-Behelfssystem
US11/940,594 US20080119994A1 (en) 2006-11-20 2007-11-15 Vehicular user hospitality system

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006313529A JP4572889B2 (ja) 2006-11-20 2006-11-20 自動車用ユーザーもてなしシステム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008126818A JP2008126818A (ja) 2008-06-05
JP4572889B2 true JP4572889B2 (ja) 2010-11-04

Family

ID=39326594

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006313529A Expired - Fee Related JP4572889B2 (ja) 2006-11-20 2006-11-20 自動車用ユーザーもてなしシステム

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20080119994A1 (ja)
JP (1) JP4572889B2 (ja)
DE (1) DE102007053470A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10614720B2 (en) 2016-03-01 2020-04-07 Panasonic Corporation Information presentation method and information presentation device

Families Citing this family (106)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008094297A (ja) * 2006-10-13 2008-04-24 Yamaha Corp データ変換装置
JP4470189B2 (ja) * 2007-09-14 2010-06-02 株式会社デンソー 自動車用音楽再生システム
JP5142736B2 (ja) * 2008-01-25 2013-02-13 株式会社デンソーアイティーラボラトリ 車両搭載機器の制御装置及び制御方法
CN101969850B (zh) * 2008-03-14 2016-01-20 皇家飞利浦电子股份有限公司 用于维持对象的状态的方法和系统
US20090319131A1 (en) * 2008-06-24 2009-12-24 International Business Machines Corporation Vehicle macro recording and playback system able to operate across subsystem boundaries
US8442755B2 (en) * 2008-09-29 2013-05-14 GM Global Technology Operations LLC Systems and methods for preventing motor vehicle side doors from coming into contact with obstacles
JP5242323B2 (ja) * 2008-09-30 2013-07-24 東日本メディコム株式会社 携帯端末機器による服薬管理システム
US9854995B2 (en) 2009-06-05 2018-01-02 Toyota Motor Engineering & Manufacturing North America, Inc. Non-invasive, non contact system, electronic control unit, and associated methodology for minimizing muscle stress and improving circulation
US8843553B2 (en) 2009-12-14 2014-09-23 Volkswagen Ag Method and system for communication with vehicles
US8909414B2 (en) 2009-12-14 2014-12-09 Volkswagen Ag Three-dimensional corporeal figure for communication with a passenger in a motor vehicle
US8260482B1 (en) 2010-04-28 2012-09-04 Google Inc. User interface for displaying internal state of autonomous driving system
US8346426B1 (en) 2010-04-28 2013-01-01 Google Inc. User interface for displaying internal state of autonomous driving system
US20110276156A1 (en) * 2010-05-10 2011-11-10 Continental Automotive Systems, Inc. 4D Vehicle Entertainment System
JP5558929B2 (ja) * 2010-06-04 2014-07-23 株式会社ユーシン タッチセンサ
WO2012049350A1 (en) * 2010-10-13 2012-04-19 Valkee Oy Modification of parameter values of optical treatment apparatus
JP5872764B2 (ja) * 2010-12-06 2016-03-01 富士通テン株式会社 画像表示システム
WO2012095917A1 (ja) * 2011-01-13 2012-07-19 株式会社ニコン 電子機器および電子機器の制御プログラム
JP2012146208A (ja) * 2011-01-13 2012-08-02 Nikon Corp 電子機器および電子機器の制御プログラム
JP5811537B2 (ja) * 2011-01-13 2015-11-11 株式会社ニコン 電子機器
US9542847B2 (en) * 2011-02-16 2017-01-10 Toyota Motor Engineering & Manufacturing North America, Inc. Lane departure warning/assistance method and system having a threshold adjusted based on driver impairment determination using pupil size and driving patterns
US8671068B2 (en) 2011-09-22 2014-03-11 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Content recommendation system
US20140309852A1 (en) * 2013-04-15 2014-10-16 Flextronics Ap, Llc Automatic vehicle diagnostic detection and communication
JP2013193562A (ja) * 2012-03-19 2013-09-30 Yamaha Motor Co Ltd リーン姿勢で旋回する車両用のサブヘッドライトユニット及びサブヘッドライトシステム、並びにリーン姿勢で旋回する車両
US10148374B2 (en) * 2012-04-23 2018-12-04 Toyota Motor Engineering & Manufacturing North America, Inc. Systems and methods for altering an in-vehicle presentation
DE102012212612A1 (de) * 2012-07-18 2014-05-22 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft Bestimmen eines Aufenthaltsortes eines Benutzers eines mobilen Endgeräts bezogen auf ein Fahrzeug
WO2014016719A1 (en) * 2012-07-25 2014-01-30 Koninklijke Philips N.V. An apparatus for controlling ambient stimuli to a patient
US8825258B2 (en) 2012-11-30 2014-09-02 Google Inc. Engaging and disengaging for autonomous driving
DE102012023931A1 (de) * 2012-12-06 2014-06-12 GM Global Technology Operations LLC (n. d. Gesetzen des Staates Delaware) Kraftfahrzeug mit verstellbarem Sitz
US9141187B2 (en) * 2013-01-30 2015-09-22 Panasonic Automotive Systems Company Of America, Division Of Panasonic Corporation Of North America Interactive vehicle synthesizer
CN105209297B (zh) * 2013-05-16 2017-05-17 安电株式会社 车辆接近通报装置
DE102013213491B4 (de) 2013-07-10 2022-12-15 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft Verfahren, Computerprogramm und Vorrichtung zum Betreiben einer Fahrzeugeinrichtung sowie Computerprogrammprodukt und Fahrzeugsystem
DE202013007367U1 (de) * 2013-08-14 2014-11-17 GM Global Technology Operations LLC (n. d. Ges. d. Staates Delaware) Audiosystem für ein Fahrzeug
EP2857276B1 (en) * 2013-08-20 2018-12-12 Harman International Industries, Incorporated Driver assistance system
US9363264B2 (en) * 2013-11-25 2016-06-07 At&T Intellectual Property I, L.P. Networked device access control
KR20150066739A (ko) * 2013-12-09 2015-06-17 경북대학교 산학협력단 경고 메시지를 제공하는 차량 제어 시스템 및 그 방법
KR101539302B1 (ko) * 2013-12-11 2015-07-30 현대자동차주식회사 차량 및 그 제어방법
KR20150087985A (ko) * 2014-01-23 2015-07-31 한국전자통신연구원 안전운행정보 표출 장치 및 그 방법
US9824505B2 (en) * 2014-02-25 2017-11-21 Ford Global Technologies, Llc Method for triggering a vehicle system monitor
US9539999B2 (en) * 2014-02-28 2017-01-10 Ford Global Technologies, Llc Vehicle operator monitoring and operations adjustments
DE102014004395B3 (de) * 2014-03-26 2015-06-18 Audi Ag Verfahren zum Betrieb eines Fahrerassistenzsystems und Kraftfahrzeug
JP6365229B2 (ja) * 2014-10-23 2018-08-01 株式会社デンソー 多感覚インタフェースの制御方法および多感覚インタフェース制御装置、多感覚インタフェースシステム
KR102286541B1 (ko) * 2015-01-22 2021-08-09 주식회사 만도 차량 제어 장치 및 방법
JP6596847B2 (ja) 2015-03-09 2019-10-30 富士通株式会社 覚醒度判定プログラムおよび覚醒度判定装置
US9925841B2 (en) 2015-09-14 2018-03-27 Ford Global Technologies, Llc Active vehicle suspension
US10315481B2 (en) * 2015-11-05 2019-06-11 Ford Global Technologies, Llc Systems and methods for vehicle dynamics assignment
DE102015014652B4 (de) * 2015-11-12 2023-05-17 Audi Ag Verfahren zum Betreiben eines Kraftfahrzeugs, bei welchem ein Text eines Musikstücks ausgegeben wird, und Kraftfahrzeug
US10692126B2 (en) 2015-11-17 2020-06-23 Nio Usa, Inc. Network-based system for selling and servicing cars
CN108369767B (zh) * 2015-12-06 2021-12-14 声钰科技 基于用户认知状态和/或情境状态的会话调整系统和方法
DE102015226538A1 (de) * 2015-12-22 2017-06-22 Continental Automotive Gmbh Verfahren und Vorrichtung zum Vorschlagen von Musikstücken zum Abspielen innerhalb eines Kraftfahrzeugs
US20180012196A1 (en) 2016-07-07 2018-01-11 NextEv USA, Inc. Vehicle maintenance manager
FR3054294B1 (fr) * 2016-07-18 2020-08-28 Valeo Vision Belgique Module lumineux pour un vehicule automobile avec fonction de bienvenue et d'adieu
US9928734B2 (en) 2016-08-02 2018-03-27 Nio Usa, Inc. Vehicle-to-pedestrian communication systems
DE102016218694A1 (de) * 2016-09-28 2018-03-29 Volkswagen Aktiengesellschaft Anordnung, Fortbewegungsmittel und Verfahren zur Unterstützung eines Anwenders eines Fortbewegungsmittels
US10031523B2 (en) 2016-11-07 2018-07-24 Nio Usa, Inc. Method and system for behavioral sharing in autonomous vehicles
US10694357B2 (en) 2016-11-11 2020-06-23 Nio Usa, Inc. Using vehicle sensor data to monitor pedestrian health
US10708547B2 (en) 2016-11-11 2020-07-07 Nio Usa, Inc. Using vehicle sensor data to monitor environmental and geologic conditions
US10410064B2 (en) 2016-11-11 2019-09-10 Nio Usa, Inc. System for tracking and identifying vehicles and pedestrians
US10699305B2 (en) 2016-11-21 2020-06-30 Nio Usa, Inc. Smart refill assistant for electric vehicles
US10249104B2 (en) 2016-12-06 2019-04-02 Nio Usa, Inc. Lease observation and event recording
US10074223B2 (en) 2017-01-13 2018-09-11 Nio Usa, Inc. Secured vehicle for user use only
US10031521B1 (en) 2017-01-16 2018-07-24 Nio Usa, Inc. Method and system for using weather information in operation of autonomous vehicles
US9984572B1 (en) 2017-01-16 2018-05-29 Nio Usa, Inc. Method and system for sharing parking space availability among autonomous vehicles
US10471829B2 (en) 2017-01-16 2019-11-12 Nio Usa, Inc. Self-destruct zone and autonomous vehicle navigation
US10464530B2 (en) 2017-01-17 2019-11-05 Nio Usa, Inc. Voice biometric pre-purchase enrollment for autonomous vehicles
US10286915B2 (en) 2017-01-17 2019-05-14 Nio Usa, Inc. Machine learning for personalized driving
DE102017200601B4 (de) 2017-01-17 2019-02-14 Audi Ag Verfahren zur Anregung des aufsteigenden retikulären Aktivierungssystems einer Person in einem Kraftfahrzeug sowie Vorrichtung
US10442427B2 (en) * 2017-01-23 2019-10-15 GM Global Technology Operations LLC Vehicle dynamics actuator control systems and methods
US10897469B2 (en) 2017-02-02 2021-01-19 Nio Usa, Inc. System and method for firewalls between vehicle networks
US10150351B2 (en) * 2017-02-08 2018-12-11 Lp-Research Inc. Machine learning for olfactory mood alteration
JP6673293B2 (ja) * 2017-05-24 2020-03-25 トヨタ自動車株式会社 車両システム
DE102017111443A1 (de) 2017-05-24 2018-11-29 Burmester Audiosysteme Gmbh Autiosystem und Verfahren zum Auswählen einer Inhaltsauswahl und/oder zum Einstellen einer Soundeinstellung
US10234302B2 (en) 2017-06-27 2019-03-19 Nio Usa, Inc. Adaptive route and motion planning based on learned external and internal vehicle environment
US10369974B2 (en) 2017-07-14 2019-08-06 Nio Usa, Inc. Control and coordination of driverless fuel replenishment for autonomous vehicles
US10710633B2 (en) 2017-07-14 2020-07-14 Nio Usa, Inc. Control of complex parking maneuvers and autonomous fuel replenishment of driverless vehicles
US10837790B2 (en) 2017-08-01 2020-11-17 Nio Usa, Inc. Productive and accident-free driving modes for a vehicle
US10635109B2 (en) 2017-10-17 2020-04-28 Nio Usa, Inc. Vehicle path-planner monitor and controller
US10935978B2 (en) 2017-10-30 2021-03-02 Nio Usa, Inc. Vehicle self-localization using particle filters and visual odometry
US10606274B2 (en) 2017-10-30 2020-03-31 Nio Usa, Inc. Visual place recognition based self-localization for autonomous vehicles
WO2019089019A1 (en) 2017-11-01 2019-05-09 Ford Global Technologies, Llc Vehicle mode and passenger interface
US10717412B2 (en) 2017-11-13 2020-07-21 Nio Usa, Inc. System and method for controlling a vehicle using secondary access methods
CN107845241A (zh) * 2017-12-07 2018-03-27 湖州华科信息咨询有限公司 一种用于家居环境自动检测和报警的方法和装置
US10136489B1 (en) * 2017-12-20 2018-11-20 Lumileds Llc Illumination system including tunable light engine
US10369966B1 (en) 2018-05-23 2019-08-06 Nio Usa, Inc. Controlling access to a vehicle using wireless access devices
WO2019235350A1 (ja) * 2018-06-06 2019-12-12 日本電気株式会社 情報処理システム、情報処理方法及び記憶媒体
JP7067619B2 (ja) * 2018-07-04 2022-05-16 日産自動車株式会社 疲労抑制方法及び乗員支援装置
JP7052655B2 (ja) * 2018-09-13 2022-04-12 株式会社デンソー 空間演出装置
DE102018127105A1 (de) * 2018-10-30 2020-04-30 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft Verfahren und Vorrichtung zur Beeinflussung eines Gemütszustands eines Benutzers eines Fahrzeuges
JP7206837B2 (ja) * 2018-11-20 2023-01-18 株式会社アイシン 心身状態調整支援装置、心身状態調整支援方法、および、心身状態調整支援プログラム
KR102651873B1 (ko) * 2018-12-12 2024-03-29 현대자동차주식회사 차량 및 그 제어 방법
CN111380178B (zh) * 2018-12-29 2023-01-06 大金工业株式会社 空气处理系统及空气处理系统的控制方法
WO2020160331A1 (en) * 2019-01-30 2020-08-06 Cobalt Industries Inc. Systems and methods for verifying and monitoring driver physical attention
US20200239004A1 (en) * 2019-01-30 2020-07-30 Cobalt Industries Inc. Dynamic recommendation and selection of vehicle output actions based on a profile model
CN110930547A (zh) * 2019-02-28 2020-03-27 上海商汤临港智能科技有限公司 车门解锁方法及装置、系统、车、电子设备和存储介质
DE102019106557A1 (de) * 2019-03-14 2020-09-17 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft Verfahren und Anwenderschnittstelle zur Erkennung einer Unzufriedenheit eines Anwenders mit einer MMI-Reaktion
CN113632152A (zh) * 2019-03-15 2021-11-09 本田技研工业株式会社 车辆通信装置和程序
WO2020246600A1 (ja) * 2019-06-07 2020-12-10 国立大学法人電気通信大学 学習装置、空間制御装置、学習プログラムおよび空間制御プログラム
JP2020199920A (ja) * 2019-06-11 2020-12-17 トヨタ紡織株式会社 シート制御装置およびシート制御方法
DE102019123437A1 (de) * 2019-09-02 2021-03-04 B-Horizon GmbH Verfahren zum Überwachen eines Fahrers, insbesondere eines Erschöpfungsgrades eines Fahrers, eines Fahrzeugs mittels eines Messsystems
DE102019134442A1 (de) * 2019-12-16 2021-06-17 Audi Ag Kraftfahrzeug mit zumindest einem Lautsprecher zum Abstrahlen eines akustischen Hinweissignals sowie zugehöriges Betriebsverfahren
DE102020112055A1 (de) 2020-05-05 2021-11-11 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft Verfahren zur akustischen Fahrzeuginszenierung
JP7359092B2 (ja) * 2020-07-17 2023-10-11 トヨタ自動車株式会社 車両ユーザ支援システム、及び車両ユーザ支援装置
US20230019157A1 (en) * 2021-07-19 2023-01-19 Motional Ad Llc Automatically adjusting a vehicle seating area based on the characteristics of a passenger
GB2613002A (en) * 2021-11-19 2023-05-24 Continental Automotive Gmbh Method and system of vehicle occupants stress detection by using a pressure sensor network
DE102022107293A1 (de) 2022-03-28 2023-09-28 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft Assistenzsystem und Assistenzverfahren für ein Fahrzeug
DE102022107809A1 (de) * 2022-04-01 2023-10-05 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft Interaktive Steuerung eines Fahrzeugs
CN114973155B (zh) * 2022-08-01 2022-10-21 鹰驾科技(深圳)有限公司 一种基于ai图像识别行为智能监测分析管理系统

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11314534A (ja) * 1998-05-06 1999-11-16 Nissan Motor Co Ltd 車両用注意能力低下防止装置
JP2003312391A (ja) * 2002-04-17 2003-11-06 Fujitsu Ten Ltd 車載機器の自動調整装置
JP2006069296A (ja) * 2004-08-31 2006-03-16 Denso Corp 自動車用ユーザもてなしシステム
JP2006282111A (ja) * 2005-04-04 2006-10-19 Denso Corp 自動車用ユーザーもてなしシステム

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7050606B2 (en) * 1999-08-10 2006-05-23 Cybernet Systems Corporation Tracking and gesture recognition system particularly suited to vehicular control applications
DE102006015332A1 (de) * 2005-04-04 2006-11-16 Denso Corp., Kariya Gastservice-System für Fahrzeugnutzer
JP4509042B2 (ja) * 2006-02-13 2010-07-21 株式会社デンソー 自動車用もてなし情報提供システム

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11314534A (ja) * 1998-05-06 1999-11-16 Nissan Motor Co Ltd 車両用注意能力低下防止装置
JP2003312391A (ja) * 2002-04-17 2003-11-06 Fujitsu Ten Ltd 車載機器の自動調整装置
JP2006069296A (ja) * 2004-08-31 2006-03-16 Denso Corp 自動車用ユーザもてなしシステム
JP2006282111A (ja) * 2005-04-04 2006-10-19 Denso Corp 自動車用ユーザーもてなしシステム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10614720B2 (en) 2016-03-01 2020-04-07 Panasonic Corporation Information presentation method and information presentation device

Also Published As

Publication number Publication date
US20080119994A1 (en) 2008-05-22
DE102007053470A1 (de) 2008-05-29
JP2008126818A (ja) 2008-06-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4572889B2 (ja) 自動車用ユーザーもてなしシステム
JP4332813B2 (ja) 自動車用ユーザーもてなしシステム
JP4525925B2 (ja) 自動車用ユーザーもてなしシステム
JP4509042B2 (ja) 自動車用もてなし情報提供システム
JP5152570B2 (ja) 自動車用ユーザーもてなしシステム
JP4525926B2 (ja) 自動車用ユーザーもてなしシステム
JP4535272B2 (ja) 自動車用ユーザーもてなしシステム
US8140344B2 (en) Vehicular user hospitality system
JP4535274B2 (ja) 自動車用ユーザーもてなしシステム
JP4547721B2 (ja) 自動車用情報提供システム
JP6656079B2 (ja) 情報提示装置の制御方法、及び、情報提示装置
JP4621983B2 (ja) 自動車用ユーザーもてなしシステム
JP4535273B2 (ja) 自動車用ユーザーもてなしシステム
JP2008017227A (ja) 顔認識装置及びそれを用いた自動車用ユーザーもてなしシステム
JP6115577B2 (ja) 車両用乗員感情対応制御装置
JP6213489B2 (ja) 車両用乗員感情対応制御装置
JP2016137200A (ja) 車両用乗員感情対応制御装置
CN114132328A (zh) 一种自动调节驾乘环境的辅助驾驶系统及方法、存储介质
JP4968532B2 (ja) 自動車用ユーザーもてなしシステム
JP7359092B2 (ja) 車両ユーザ支援システム、及び車両ユーザ支援装置
JP2016137201A (ja) 車両用乗員感情対応制御装置
CN118144795A (zh) 一种车内乘客状态提醒方法、系统、介质及车辆
CN114821966A (zh) 疲劳驾驶预警方法、装置、终端及疲劳驾驶预警系统

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081212

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091211

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091216

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100512

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100630

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100720

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100802

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4572889

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130827

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees