JP2009065725A - 減速機構付き電動モータ - Google Patents

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Koji Iwasaki
幸二 岩崎
Masayuki Shimoyama
正之 下山
Koichi Shoda
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Abstract

【課題】構成部品の成形性の向上や部品点数の増加を抑えて製造コストの上昇を抑制しつつ、十分な被水信頼性を確保する。
【解決手段】円筒部38と被水防止壁40とをギヤケース34の外部に向けて底部34aに設け、円筒部38と被水防止壁40との間に連通孔42を形成した。よって、垂直方向に移動する成形型によりギヤケース34を成形することができ、ギヤケースの成形性の向上が図れる。また、出力軸16と円筒部38との間に設けられるシール部材50を利用して、その外周に傘部52を設けて連通孔42を覆うようにし、シール部材50の傘部52が無い部分から連通孔42に向けて空気の流れを屈曲させるようにした。よって、部品点数の増加を抑制しつつ連通孔42への直接の被水を防止して、被水信頼性を確保することができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、アーマチュアを収容するヨークと減速機構を収容するギヤケースとを有する減速機構付き電動モータに係り、特に、ギヤケースの内外における差圧の発生を抑制し得る減速機構付き電動モータに関する。
従来、減速機構付き電動モータは、車載用機器のアクチュエータとして用いられており、例えば、パワーウィンド装置、サンルーフ装置、スライドドア開閉装置およびワイパ装置等に多く採用されている。この中でも、特にワイパ装置を構成する減速機構付き電動モータ(ワイパモータ)においては、高温雰囲気のエンジンルーム内に設置されるために高温となり、この状態でワイパモータに雨水等が掛かるとワイパモータは急激に冷やされることになる。これにより、ギヤケースの内部がその外部に比して相対的に低温となり、ギヤケースの内外で差圧が発生する。そこで、このようなギヤケースの内外における差圧の発生を抑制すべく、所謂呼吸機能を備えたワイパモータが、例えば特許文献1に示されている。
特許文献1に記載されたワイパモータは、回転子(アーマチュア)を収容するモータケース(ヨーク)と、ウォーム等よりなる減速機構を収容するギヤケースとを備え、ヨークとギヤケースとの間には、相互の内部を連通する屈曲した空気流路を設けている。空気流路の途中のヨーク寄りには空気流路の内外を連通する通気孔(連通孔)が設けられ、この通気孔には空気流路の内部への雨水等の浸入を抑制するブリーザキャップが装着されている。そして、空気流路、通気孔およびブリーザキャップのそれぞれを介してヨークおよびギヤケースの内外で、呼吸作用を円滑に行えるようにしている。
実公平5−6215号公報
しかしながら、上述の特許文献1に記載されたワイパモータによれば、当該ワイパモータに呼吸機能を持たせるために、ギヤケースに屈曲した空気流路および通気孔を一体に形成するとともに、連通孔にはブリーザキャップを装着する構造を採っており、ギヤケースを成形する際に用いる成形型の複雑化やブリーザキャップを有する分、部品点数が増加して製造コストの上昇が避けられない。したがって、ワイパモータを構成する既存の構成部品の形状を工夫する等して、被水信頼性の確保はもちろんのこと、構成部品の成型性の向上や部品点数の増加を抑えて製造コストの上昇を抑制することができる新規なワイパモータの開発が望まれている。
本発明の目的は、構成部品の成形性の向上や部品点数の増加を抑えて製造コストの上昇を抑制しつつ、十分な被水信頼性を確保することができる減速機構付き電動モータを提供することにある。
本発明の減速機構付き電動モータは、一端が開口した有底状のヨークと、前記ヨーク内に回動自在に設けられるアーマチュアと、駆動対象物に接続される出力軸を有し前記アーマチュアの回転を減速する減速機構と、前記ヨークに接続され前記減速機構を収容する有底状のギヤケースと、前記ギヤケースを覆うギヤカバーとを備える減速機構付き電動モータであって、前記ギヤケースの外部に向けて前記ギヤケースの底部に一体に設けられ、前記出力軸を回動自在に支持する円筒部と、前記ギヤケースの外部に向けて前記ギヤケースの底部に一体に設けられ、前記円筒部の周囲を囲う筒状の被水防止壁と、前記ギヤケースの前記円筒部と前記被水防止壁との間に設けられ、前記ギヤケースの内部と外部とを連通する連通孔と、内周が前記出力軸の外周に接触するとともに前記円筒部の外周に嵌合する本体部と、前記本体部の外周に部分的に設けられ前記円筒部と前記被水防止壁との間で前記連通孔を覆う傘部とを有するシール部材とを備えることを特徴とする。
本発明の減速機構付き電動モータは、前記ギヤケースの前記円筒部と前記被水防止壁との間に放射状に延びる複数のリブを形成し、隣り合う前記リブの間に前記連通孔を設けることを特徴とする。
本発明の減速機構付き電動モータは、前記シール部材に、前記リブと周方向から係合する係合部を設けることを特徴とする。
本発明の減速機構付き電動モータは、前記連通孔の前記ギヤケースの内部側に、外周に軸方向に延びる溝を有するキャップ部材を装着することを特徴とする。
本発明の減速機構付き電動モータは、前記キャップ部材の端部に当該キャップ部材の前記連通孔に対する装着深さを決める位置決め部を設け、前記位置決め部を、前記連通孔との間で径方向に隙間を形成する位置でかつ前記溝に対して周方向にずらした位置に配置することを特徴とする。
本発明によれば、円筒部と被水防止壁とをギヤケースの外部に向けてギヤケースの底部に一体に設けるとともに、円筒部と被水防止壁との間にギヤケースの内部と外部とを連通する連通孔を形成するので、ギヤケースの底部に対して垂直方向に移動する成形型により円筒部、被水防止壁および連通孔を成形することができ、ギヤケースの成形性の向上を図ることができる。また、出力軸と円筒部との間に塗布されるグリスの外部への漏洩を防止するシール部材を利用して、その外周に部分的に傘部を設けて当該傘部により連通孔を覆うようにし、シール部材の傘部が無い部分から連通孔に向けて空気の流れを屈曲させるので、部品点数の増加を抑制しつつ連通孔への直接の被水を防止して被水信頼性を確保することができる。
本発明によれば、ギヤケースの円筒部と被水防止壁との間に放射状に延びる複数のリブを形成し、隣り合うリブの間に連通孔を設けるので、連通孔が形成されるギヤケースの円筒部と被水防止壁との間の強度を向上させることができる。
本発明によれば、シール部材に、リブと周方向から係合する係合部を設けるので、シール部材が出力軸とともに回動することを防止することができる。したがって、シール部材の傘部が連通孔に対して周方向にずれることを確実に防止することができる。
本発明によれば、連通孔のギヤケースの内部側に、外周に軸方向に延びる溝を有するキャップ部材を装着するので、仮にシール部材を介して連通孔に向けて雨水等が浸入した場合であっても、空気の流れを確保しつつ雨水等のギヤケース内への浸入を抑制して被水信頼性の向上を図ることができる。
本発明によれば、キャップ部材の端部に当該キャップ部材の連通孔に対する装着深さを決める位置決め部を設け、位置決め部を、連通孔との間で径方向に隙間を形成する位置でかつ溝に対して周方向にずらした位置に配置するので、空気の流れをさらに屈曲させることができる。したがって、空気の流れを確保しつつ被水信頼性をより向上させることができる。
以下、本発明の一実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明に係るワイパモータを搭載した車両の一部を示す正面図を、図2は図1のワイパモータを示す正面図を、図3は図2のワイパモータの内部構造を示す構造図を、図4は図2のワイパモータの出力軸周辺の断面図を、図5(a),(b)はシール部材を示す斜視図を、図6はギヤケースへのシール部材の装着手順を説明する説明図を、図7(a),(b)はキャップ部材を示す斜視図を、図8はギヤケースへのキャップ部材の装着手順を説明する説明図を、図9は呼吸機能および被水防止機能を説明する説明図をそれぞれ表している。
図1に示すように車両10には、フロントウインドガラス11に付着した雨や前車の飛沫等を拭き取って運転者の視界を確保するためにワイパ装置12が設けられている。ワイパ装置12は、運転席側と助手席側の2本のワイパアーム(駆動対象物)13を備えており、これらのワイパアーム13は、それぞれ車両10に設けられたワイパ軸14に装着され、ワイパ軸14を中心として揺動自在となっている。
ワイパアーム13を揺動駆動するために、ワイパ装置12には減速機構付き電動モータとしてのワイパモータ15が設けられており、このワイパモータ15は、その出力軸16が車両10の下方を向くようにエンジンルーム(図示せず)内に固定され、出力軸16はリンク機構17およびワイパ軸14を介してワイパアーム13に接続されている。ワイパモータ15が作動すると、出力軸16の回転運動がリンク機構17により揺動運動に変換されてワイパ軸14に伝達され、これによりワイパアーム13は揺動するようになっている。
ワイパアーム13の先端側にはワイパブレード18が取り付けられ、これらのワイパブレード18は、フロントウインドガラス11に弾圧的に接触しており、ワイパモータ15によりワイパアーム13が揺動駆動されると、ワイパブレード18がフロントウインドガラス11上を所定の払拭範囲(図中二点鎖線の範囲)で揺動してフロントウインドガラス11が払拭される。
図2に示すようにワイパモータ15は、モータ本体20とギヤ本体30とを備えている。モータ本体20の外郭を形成するヨーク21は、一端が開口した有底状に形成されており、その内側には図3に示すように一対のマグネット22が装着されている。また、各マグネット22の内側には、所定の隙間を介してアーマチュア23が回動自在に設けられている。
アーマチュア23の回転中心にはアーマチュア軸24が固定されており、このアーマチュア軸24はアーマチュア23の回転に伴い一体回転するようになっている。アーマチュア軸24の先端側(図中左側)には、減速機構としての一対のウォーム25が一体に設けられており、各ウォーム25のねじれ方向はそれぞれ逆向きとなっている。また、アーマチュア軸24のアーマチュア23に近接する位置には整流子26が一体に設けられており、この整流子26には一対のブラシ27が摺接するようになっている。このようにワイパモータ15はブラシ付きの電動モータとなっており、エンジンルーム等に設置されるバッテリ等(図示せず)から供給される供給電流により作動するようになっている。
ギヤ本体30は中空状に形成されており、このギヤ本体30の内部には図3に示すように減速機構31が収容されている。減速機構31は、アーマチュア軸24に一体に設けられた各ウォーム25と、各ウォーム25にそれぞれ噛み合う一対のカウンタギヤ32と、各カウンタギヤ32のそれぞれに噛み合う平歯車33とから構成されている。
各カウンタギヤ32の第1歯部32aには各ウォーム25がそれぞれ噛み合っており、各カウンタギヤ32は、図中矢印に示すようにアーマチュア23の回転に伴い同一方向(図中反時計方向)に回転するようになっている。また、各カウンタギヤ32の第2歯部32bにはそれぞれ平歯車33の歯部33aが噛み合っており、平歯車33は、図中矢印に示すように各カウンタギヤ32の回転に伴い図中時計方向に回転するようになっている。
このように、アーマチュア23(アーマチュア軸24)の回転は、各ウォーム25および各カウンタギヤ32を介して平歯車33に減速された状態で伝達され、これにより高トルク化された出力が、平歯車33の回転中心に一体に設けられた出力軸16から出力されるようになっている。
ギヤ本体30は、図2および図4に示すようにアルミダイカスト製のギヤケース34と、これを覆うように設けられるプラスチック樹脂製のギヤカバー35とを備えている。ギヤケース34は、溶融したアルミ素材を鋳型に流し込むことにより鋳造加工され、底部34aを備える有底状に形成されている。また、ギヤカバー35は、溶融したプラスチック素材を射出成形することによって加工され、底部35aを備える有底状に形成されている。
ギヤカバー35は、ギヤケース34の開口側を閉塞するように、その開口側の形状がギヤケース34の開口側の形状と略同一の形状となるよう形成されている。そして、これらを組み付けることにより、ギヤ本体30の内部に中空部30aが形成されるようになっている。また、ギヤ本体30とモータ本体20とを組み付けることにより、中空部30aとヨーク21の内部とが図示しない連通孔を介して連通されるようになっている。
ギヤケース34とギヤカバー35との接続部分、および、ギヤケース34とヨーク21との接続部分は、Oリング等のシール部材(図示せず)によって相互に密封されており、これにより当該接続部分を介してワイパモータ15の外部から内部への雨水や埃等の浸入が防止されている。
ギヤケース34の底部34aには、図2に示すように3つの取り付け脚部34bが一体に設けられている。この取り付け脚部34bには、図4に示すように取り付けボルト36がねじ結合されるようになっており、これによりワイパモータ15を、取り付けブラケット37を介して取り付け対象物としての車両10(図1参照)に固定できるようになっている。
底部34aの略中心部分には、図4に示すように減速機構を構成する平歯車33の出力軸16を回動自在に支持する円筒部38が一体に設けられている。この円筒部38は、底部34aからその外部(図中下側)に向けて延びるよう形成されており、円筒部38の先端側は取り付けブラケット37の開口部37a内にまで延ばされている。また、円筒部38の内側には筒状の軸受部材39が装着されており、これにより、円筒部38は軸受部材39を介して出力軸16を円滑に回動自在に支持するようになっている。ここで、出力軸16の円筒部38に対する円滑な回動を確保するために、出力軸16と軸受部材39との間には所定量のグリス(図示せず)が塗布されている。
底部34aにおける円筒部38の周囲には、同心状に被水防止壁40が一体に設けられており、この被水防止壁40は、図4の細線矢印に示すように雨水等の円筒部38側への浸入を抑制する障壁としての役割を果たしている。被水防止壁40は、円筒部38と同様に底部34aからその外部に向けて延びるよう形成され、被水防止壁40の先端側は取り付けブラケット37の開口部37a内にまで延ばされている。また、被水防止壁40と取り付けブラケット37の開口部37aとの間には、比較的大きな寸法の隙間が形成されており、この隙間により被水防止壁40と取り付けブラケット37との間に水膜が形成されることを防止している。ここで、被水防止壁40の底部34aからの突出高さは、円筒部38の底部34aからの突出高さに比して低く設定されている。
底部34aの円筒部38と被水防止壁40との間には、図2に示すように放射状に等間隔で複数のリブ41が一体に設けられており、各リブ41は、円筒部38と被水防止壁40とを連結して、底部34a,円筒部38および被水防止壁40の強度を向上させている。
円筒部38と被水防止壁40との間で、かつ、隣り合うリブ41の間には、ギヤケース34の内部と外部とを連通する連通孔42が形成されており、この連通孔42は、底部34aの出力軸16を挟むヨーク21側とは反対側に位置して、ヨーク21から最も離間した位置に配置されている。連通孔42は、図4に示すように、円筒部38および被水防止壁40の延出方向と同一方向に底部34aを貫くよう設けられ、ギヤ本体30の中空部30aと外部とを連通する空気流路を形成している。また、連通孔42の中空部30a側、つまりギヤケース34の内部側には装着凹部42aが形成されており、この装着凹部42a内には、後述のキャップ部材60が装着されるようになっている。
このように、円筒部38,被水防止壁40,連通孔42および装着凹部42aは、何れも同一方向に延びてギヤケース34の底部34aに一体に形成されている。したがって、ギヤケース34を鋳造成形等する際に用いる成形型を、図中上下方向(底部34aの垂直方向)に各々移動する一対の図示しない成形型(上下型)により構成することができ、ひいては、成形型の構造や作動方向を従前に比して簡素化できるようになっている。
出力軸16と円筒部38との間には、出力軸16と軸受部材39との間に塗布されたグリスの外部への漏洩を防止するとともに、当該グリスを保持する機能を有するシール部材50が装着されている。このシール部材50は、ゴム等の合成樹脂材料により形成され、断面が略コ字形状に形成された有底状の本体部51と、この本体部51の外周に部分的に一体に形成される傘部52とを有している。
本体部51の底部側には、図5(a)に示すように、内周が出力軸16の外周に所定の押圧力で接触する第1環状シール部51aが一体に形成されており、この第1環状シール部51aは、出力軸16の外径よりも若干小さな内径となるよう形成されている。これにより、第1環状シール部51aは、シール性を確保しつつ出力軸16を相対回転可能に支持できるようになっている。
本体部51の開口側には、図5(b)に示すように、内周が円筒部38の外周に所定の押圧力をもって嵌合する第2環状シール部51bが一体に形成されており、この第2環状シール部51bは、円筒部38の外径よりも小さな内径となるよう形成されている。これにより、第2環状シール部51bは円筒部38の外周に密着できるようになっている。
ここで、第2環状シール部51bの円筒部38に対する締め付け力の方が第1環状シール部51aの出力軸16に対する締め付け力よりも大きくなるよう設定されており、したがって、シール部材50は、円筒部38に固定されて出力軸16の回転に伴って回転することが無い。
本体部51の開口側寄りには、図5に示すように図中左右側で対称となるよう一対の傘部52が部分的に一体に形成されている。各傘部52は、図4に示すように円筒部38と被水防止壁40との間に位置して本体部51よりも大径に設定されており、底部34aに形成された連通孔42をその軸方向から所定の隙間を介して覆うようになっている。また、各傘部52の外周側には、それぞれシール部材50の軸方向に延びるよう円弧形状の壁部52aが一体に形成されており、各壁部52aは被水防止壁40の内側に接触しつつ入り込むようになっている。これにより、両者間への雨水等の浸入を抑制することができる。
ただし、各傘部52に形成する各壁部52aは、上述のように被水防止壁40の内側に接触する構造に限らず、例えば、被水防止壁40の外側に接触する構造を採用することもできる。
シール部材50の開口側には、当該シール部材50のギヤケース34への装着状態において、その外側と内側とを連通する一対の連通孔53が一体に形成されており、各連通孔53は、連通孔42と同様にギヤ本体30の中空部30aと外部とを連通する空気流路を形成している。ここで、シール部材50の各傘部52が無い部分、つまり各傘部52が形成されていない部分は、図2に示すように被水防止壁40との間で所定寸法の隙間S1を形成するようになっており、各連通孔53はこの隙間S1を介して外部と連通するようになっている。
シール部材50の中心部を挟む各連通孔53とは反対側には、各傘部52の各壁部52aの突出高さよりも高い高さ寸法に設定された一対の脚部54が一体に設けられている。各脚部54は本発明における係合部を構成しており、各脚部54は、図6の一点鎖線矢印に示すように、隣り合うリブ41の外側にそれぞれ弾性変形された状態で嵌り込むようにして各リブと周方向から係合されている。これにより、シール部材50の円筒部38への嵌合による固定力とともにシール部材50のギヤケース34に対する相対回転をより確実に防止できるようになっている。
シール部材50は、図2および図6に示すように、少なくとも下記(1)〜(3)の条件を満たすようにギヤケース34に対して装着される。これにより、空気流路を屈曲させて被水信頼性を十分に確保することができるとともに、仮に、シール部材50の内側に雨水等が浸入したとしても、当該浸入した雨水を迅速に外部に排出することが可能となる。なお、シール部材50は、ワイパモータ15の最後の組み立て工程でギヤケース34に装着されるようになっている。
(1)各傘部52の何れか一方により連通孔42を覆うようにする。
(2)隙間S1が車両10の下方側を向くようにする。
(3)各脚部54が各リブ41間に入り込むようにする。
図4に示すように、連通孔42の装着凹部42aには、ワイパモータ15の被水信頼性をより向上させるためにキャップ部材60が装着されている。このキャップ部材60は、ゴム等の合成樹脂材料により断面が略コ字形状となった有底状に形成されており、図7に示すように装着凹部42aの内径寸法よりも大きな外形寸法に設定された段状本体部61と、この段状本体部61の端部に一体に形成された4つの位置決め部62とを有している。
段状本体部61の外周には、キャップ部材60を弾性変形させて装着凹部42aに装着した状態のもとで、装着凹部42aとの間で隙間S2(図4参照)が形成されるようキャップ部材60の軸方向に延びる4つの溝61aが等間隔(90度間隔)で形成されている。これらの溝61aにおいても、ギヤ本体30の中空部30aと外部とを連通する空気流路を形成している。
各位置決め部62は、各溝61aと同様に段状本体部61の端部に周方向に沿って等間隔(90度間隔)で設けられている。ただし、これらの位置決め部62は、各溝61aに対してその位相が45度ずれた位置で、かつ、各位置決め部62の外周と径方向に対向する装着凹部42aとの間に所定の隙間が形成される位置に配置されている。
キャップ部材60は、図8に示すようにギヤケース34の内側から、各位置決め部62の端部が装着凹部42aの底部側に当接するまで図中上側から押し込むことにより装着するようになっている。このように、各位置決め部62は、キャップ部材60を所定の装着深さで装着凹部42aに装着する役割を果たしている。なお、キャップ部材60は、ギヤケース34に減速機構31(図3参照)を組み込む前に装着凹部42aに装着されるようになっている。
次に、以上のように構成したワイパモータ15の呼吸機能および被水防止機能について、図9を用いて詳細に説明する。
まず、ワイパモータ15の呼吸機能について説明する。
エンジンルーム内に設置されたワイパモータ15を作動させると、当該ワイパモータ15の作動とエンジンルーム内の高温雰囲気とによって、ワイパモータ15の内部温度が上昇する。この状態でワイパモータ15に雨水等が掛かることにより、ワイパモータ15の内外で温度差が生じ、この場合には、ワイパモータ15の内部(中空部30a)が相対的に低温となる。すると、中空部30aが負圧となり、空気が空気流路を介してギヤケース34の外部から中空部30aに向かって図中太線矢印に示すように流れ込み、これにより、ワイパモータ15の内外での差圧の発生が抑制される。
このとき、空気はギヤケース34の外部側から、シール部材50と被水防止壁40との間の隙間S1から連通孔53,傘部52を介して連通孔42に流れ込み、その途中で空気の流れが複数回屈曲される。その後、連通孔42に到達した空気は、キャップ部材60の位置決め部62の間から溝61aに向けて流れ込み、その途中で空気の流れが複数回屈曲される。
一方、ワイパモータ15を長時間に亘り高速作動させる等してワイパモータ15の内部温度が大きく上昇し、ワイパモータ15の内部温度が外部温度を上回った場合には、中空部30aが相対的に高温となる。すると、上記とは逆に中空部30aが正圧となり、空気が空気流路を介して中空部30aからギヤケース34の外部に向かって図中太線矢印に示すように排出され、これにより、ワイパモータ15の内外での差圧の発生が抑制される。
ここで、ワイパモータ15の内外は、空気流路を介して常時連通されており、その内外で急激な空気の流動が発生することは無く、したがって、空気流路の途中での屈曲や比較的狭い空気流路の絞り効果によりワイパモータ15の内外で差圧が発生することは無い。
次に、ワイパモータ15の被水防止機能について説明する。
車両10が水溜りを勢い良く走行したり車両10(図1参照)を高圧洗浄する等してエンジンルーム内に水しぶきが浸入した場合には、図中細線矢印に示すようにワイパモータ15が被水する。このとき、被水防止壁40の端部が取り付けブラケット37の開口部37a内にまで延ばされているので、水しぶきは被水防止壁40により跳ね返されて、その内側(図中右側)への浸入が抑制される。また、被水防止壁40と取り付けブラケット37の開口部37aとの間には所定の隙間が形成されているので、被水防止壁40と取り付けブラケット37との間に水膜が形成されることは無く、被水防止壁40を伝う雨水等を当該隙間に止まらせること無く図中下側へ速やかに排出できるようになっている。
仮に、シール部材50を介して被水防止壁40と円筒部38との間に雨水等が浸入したとしても、図9のシール部材50の斜視図に示した太線矢印を図中下側に向けて辿り、車両10の下方側に位置するシール部材50と被水防止壁40との間の隙間S1を介して、迅速に外部に排出することができる。また、連通孔42には、キャップ部材60がその開口側をギヤケース34の下方側に向くよう装着されているので、仮に、勢いのある水しぶきが到達した場合には、当該水しぶきをキャップ部材60の底部で受け止めた直後に図中下側に向けて折り返させることができる。
以上詳述したように、本発明の一実施の形態に係るワイパモータ15によれば、円筒部38と被水防止壁40とをギヤケース34の外部に向けて底部34aに一体に設けるとともに、円筒部38と被水防止壁40との間にギヤケース34の内部と外部とを連通する連通孔42を形成したので、底部34aに対して垂直方向に移動する成形型により円筒部38、被水防止壁40および連通孔42を成形することができる。したがって、ギヤケースの成形性の向上を図ることができ、ひいては、製造コストの上昇を抑制することができる。
また、出力軸16と円筒部38との間に塗布されるグリスの外部への漏洩を防止するシール部材50を利用して、その外周に部分的に傘部52を設けて当該傘部52により連通孔42を覆うようにし、シール部材50の傘部52が無い部分から連通孔42に向けて空気の流れを屈曲させるようにしたので、部品点数の増加を抑制しつつ連通孔42への直接の被水を防止することができ、被水信頼性を確保することができる。
さらに、本発明の一実施の形態に係るワイパモータ15によれば、ギヤケース34の円筒部38と被水防止壁40との間に放射状に延びる複数のリブ41を形成し、隣り合うリブ41の間に連通孔42を設けたので、連通孔42が形成されるギヤケース34の円筒部38と被水防止壁40との間の強度を向上させることができる。
また、本発明の一実施の形態に係るワイパモータ15によれば、シール部材50に、リブ41と周方向から係合する脚部54を設けたので、シール部材50が出力軸16とともに回動することを防止することができる。したがって、シール部材50の傘部52が連通孔42に対して周方向にずれることを確実に防止することができる。
さらに、本発明の一実施の形態に係るワイパモータ15によれば、連通孔42のギヤケース34の内部側に、外周に軸方向に延びる溝61aを有するキャップ部材60を装着したので、仮にシール部材50を介して連通孔42に向けて雨水等が浸入した場合であっても、空気の流れを確保しつつ雨水等のギヤケース34内への浸入を抑制して被水信頼性の向上を図ることができる。
また、本発明の一実施の形態に係るワイパモータ15によれば、キャップ部材60の端部に当該キャップ部材60の連通孔42に対する装着深さを決める位置決め部62を設け、位置決め部62を、連通孔42との間で径方向に隙間を形成する位置でかつ溝61aに対して周方向にずらした位置に配置するので、空気の流れをさらに屈曲させることができる。したがって、空気の流れを確保しつつ被水信頼性をより向上させることができる。
本発明は上述した一実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、上記実施の形態においては、円筒部38と被水防止壁40との間に複数のリブ41を形成し、ギヤケース34の連通孔42が形成される部分の強度を向上させたものを示したが、本発明はこれに限らず、ギヤケース34の底部34aの厚み寸法を大きくすることによって、リブの数を減らしたり省略したりすることもできる。
また、上記実施の形態においては、シール部材50に一対の脚部54を形成して隣り合うリブ41の外側に各脚部54を嵌り込むようにしたものを示したが、本発明はこれに限らず、一対の脚部54の間隔を狭くして隣り合うリブ41の内側に入り込むようにすることもできる。さらに、シール部材50に一の脚部を形成し、隣り合うリブ41の間に当該一の脚部を嵌合させるようにすることもできる。
さらに、上記実施の形態においては、減速機構付き電動モータとしてのワイパモータを、フロントウインドガラスを払拭するフロントのワイパ装置に適用したものを示したが、本発明はこれに限らず、リヤウインドガラスを払拭するリヤワイパ装置にも適用することができる。
また、上記各実施の形態においては、減速機構付き電動モータとしてワイパモータに適用したものを示したが、本発明はこれに限らず、パワーウィンド装置やスライドドア開閉装置等、減速機構を有する他の減速機構付き電動モータにも適用することができる。
さらに、上記各実施の形態においては、減速機構付き電動モータとしてブラシ付きの電動モータに適用したものを示したが、本発明はこれに限らず、ブラシレスの電動モータ等にも適用することができる。
本発明に係るワイパモータを搭載した車両の一部を示す正面図である。 図1のワイパモータを示す正面図である。 図2のワイパモータの内部構造を示す構造図である。 図2のワイパモータの出力軸周辺の断面図である。 (a),(b)は、シール部材を示す斜視図である。 ギヤケースへのシール部材の装着手順を説明する説明図である。 (a),(b)は、キャップ部材を示す斜視図である。 ギヤケースへのキャップ部材の装着手順を説明する説明図である。 呼吸機能および被水防止機能を説明する説明図である。
符号の説明
10 車両
11 フロントウインドガラス
12 ワイパ装置
13 ワイパアーム(駆動対象物)
14 ワイパ軸
15 ワイパモータ(減速機構付き電動モータ)
16 出力軸(減速機構)
17 リンク機構
18 ワイパブレード
20 モータ本体
21 ヨーク
22 マグネット
23 アーマチュア
24 アーマチュア軸
25 ウォーム(減速機構)
26 整流子
27 ブラシ
30 ギヤ本体
30a 中空部
31 減速機構
32 カウンタギヤ(減速機構)
32a 第1歯部
32b 第2歯部
33 平歯車(減速機構)
33a 歯部
34 ギヤケース
34a 底部
34b 取り付け脚部
35 ギヤカバー
35a 底部
36 取り付けボルト
37 取り付けブラケット
37a 開口部
38 円筒部
39 軸受部材
40 被水防止壁
41 リブ
42 連通孔
42a 装着凹部
50 シール部材
51 本体部
51a 第1環状シール部
51b 第2環状シール部
52 傘部
52a 壁部
53 連通孔
54 脚部(係合部)
60 キャップ部材
61 段状本体部
61a 溝
62 位置決め部

Claims (5)

  1. 一端が開口した有底状のヨークと、前記ヨーク内に回動自在に設けられるアーマチュアと、駆動対象物に接続される出力軸を有し前記アーマチュアの回転を減速する減速機構と、前記ヨークに接続され前記減速機構を収容する有底状のギヤケースと、前記ギヤケースを覆うギヤカバーとを備える減速機構付き電動モータであって、
    前記ギヤケースの外部に向けて前記ギヤケースの底部に一体に設けられ、前記出力軸を回動自在に支持する円筒部と、
    前記ギヤケースの外部に向けて前記ギヤケースの底部に一体に設けられ、前記円筒部の周囲を囲う筒状の被水防止壁と、
    前記ギヤケースの前記円筒部と前記被水防止壁との間に設けられ、前記ギヤケースの内部と外部とを連通する連通孔と、
    内周が前記出力軸の外周に接触するとともに前記円筒部の外周に嵌合する本体部と、前記本体部の外周に部分的に設けられ前記円筒部と前記被水防止壁との間で前記連通孔を覆う傘部とを有するシール部材とを備えることを特徴とする減速機構付き電動モータ。
  2. 請求項1記載の減速機構付き電動モータにおいて、前記ギヤケースの前記円筒部と前記被水防止壁との間に放射状に延びる複数のリブを形成し、隣り合う前記リブの間に前記連通孔を設けることを特徴とする減速機構付き電動モータ。
  3. 請求項2記載の減速機構付き電動モータにおいて、前記シール部材に、前記リブと周方向から係合する係合部を設けることを特徴とする減速機構付き電動モータ。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の減速機構付き電動モータにおいて、前記連通孔の前記ギヤケースの内部側に、外周に軸方向に延びる溝を有するキャップ部材を装着することを特徴とする減速機構付き電動モータ。
  5. 請求項4記載の減速機構付き電動モータにおいて、前記キャップ部材の端部に当該キャップ部材の前記連通孔に対する装着深さを決める位置決め部を設け、前記位置決め部を、前記連通孔との間で径方向に隙間を形成する位置でかつ前記溝に対して周方向にずらした位置に配置することを特徴とする減速機構付き電動モータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110022023A (zh) * 2018-01-08 2019-07-16 罗伯特·博世有限公司 壳体组件及其装配方法、电驱动器

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