JP2009062586A - 暗色金属部材、および金属部材の暗色化処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属素材の表面上に微細孔を形成することによって、微細孔に入射する光を乱反射・吸収させて、金属表面の外観を灰色〜黒色にした暗色金属部材を提供する。
【解決手段】表面に平均直径が1μm以下の微細孔を平均で1×105個/mm2以上有し、該微細孔に入射した光を乱反射および/または吸収することを特徴とする暗色金属部材、並びに電解質が溶解された水溶液中で金属部材を電解処理して、該金属部材の表面に平均直径が1μm以下の微細孔を平均で1×105個/mm2以上形成するための電解処理工程を含むことを特徴とする金属部材の暗色化処理方法に関する。
【選択図】図4
【解決手段】表面に平均直径が1μm以下の微細孔を平均で1×105個/mm2以上有し、該微細孔に入射した光を乱反射および/または吸収することを特徴とする暗色金属部材、並びに電解質が溶解された水溶液中で金属部材を電解処理して、該金属部材の表面に平均直径が1μm以下の微細孔を平均で1×105個/mm2以上形成するための電解処理工程を含むことを特徴とする金属部材の暗色化処理方法に関する。
【選択図】図4
Description
本発明は、自動車部品、電気機器、複写機、情報通信機、内装建材等における外観意匠、防眩等の各種の目的に適合した暗色金属部材を提供し、並びに金属部材の暗色化処理方法をも提供するものである。
これまで、自動車の内装および外装部品、家庭用電気機器、複写機、情報通信機、家庭およびビル用の内装建材等の分野において、黒色化処理等の暗色化処理が表面に施された鋼板等の暗色金属部材がひろく利用されて来ている。
その暗色化処理方法としては、暗色塗装、暗色めっき、電解等による暗色化処理法、化学処理法等の表面処理により黒色皮膜を金属素材に施して、黒色外観を得ている事例がある。そのうちの暗色めっきには、クロムめっき、ニッケルめっき、亜鉛めっき等があり、電解等による暗色化処理法には、陽極電解、陰極処理、交番電解処理、陽極酸化等がある。尚、アルマイト、リン酸塩皮膜等の黒色化成処理による表面処理の例もある。
陽極電解による黒色化処理の例としては、特許文献1において、亜鉛系合金めっき鋼板を、塩素酸イオン(ClO3 )を5〜100g/L 、SO4 2 イオンを10〜300g/L含む溶液中で、pH0.5以上3.0未満、温度30〜75℃、電気量10〜300(クローン/dm2)で陽極処理することを特徴とする黒色化処理鋼板の製造方法が開示されている。そこでは、陽極溶解によりZn及びNiの金属複合化合物が黒色層として形成されるが、pHが上記範囲で適度にZn−Ni合金めっきをエッチングし、黒色層を形成するのに必要なZn,Niを供給して黒色化度を上げると共に、別の作用として表面を粗くし入射する光を散乱させて黒色化度に寄与していると考えられるとされている。
また、特許文献2においては、無電解ニッケルメッキ方法または無電解ニッケル合金メッキ方法を用いた黒色光輝材及びその製造方法に関して、基材の少なくとも一面に無電解ニッケルメッキによりニッケルメッキ層を形成するニッケルメッキ層形成工程と、ニッケルメッキ層表面を塩素系薬剤によりエッチングしその表面を黒色化する黒色化工程とを有することを特徴とする黒色光輝材の製造方法が開示されている。そこでは、無電解ニッケルメッキが、電解ニッケルメッキに比べ、ニッケルメッキ層の膜厚を均一にすることができ、また膜を緻密にできるので、このように緻密な膜であるニッケルメッキ層の表面を黒色化することによって、その膜厚が薄くても所望の黒色塗色を呈する黒色光輝材を得ることができ、その結果、黒色光輝材を用いた塗料の塗装仕様が、広範囲となり汎用性に富むとされている。
しかしながら、これまでの表面処理皮膜を施す技術においては、表面処理薬剤(塗料やめっき液)、一定規模以上の処理設備や排水・排気設備・ユーティリティーが必要となり、部材および加工コストの増加となっており、一方、機械加工および一般的な電解加工や化学研磨では、入射した光を乱反射および/または吸収して表面を黒色化するまでの微細な穴を表面上に形成することが困難であった。また、従来の黒色めっきにおいては、クロムやニッケルはそのままでは金属色の素材であって、それらに特殊な添加剤を加えて表面に酸化皮膜を形成して黒くする必要があり、そのような特殊な添加剤を使用することで原料素材のコスト高をまねくことにつながっていた。
本願発明は、上記のごとき従来技術における問題点に鑑み、金属素材の表面上に微細孔を形成することによって、微細孔に入射する光を乱反射・吸収させて、金属表面の外観を灰色〜黒色にした暗色金属部材を提供することを目的としている。
特に、本願発明においては、金属素材の表面における微細孔の形成が、金属部材自体を、或いは無電解ニッケル−リンめっき等のめっき処理を予め施した金属部材を、電解質を溶解した水溶液中で電解処理するという、簡単な処理工程と設備で実施可能であり、これにより塗装やめっきといった長く複雑な処理工程や、大きな設備投資、または特殊な添加剤の使用を省くことができる。
本願の請求項1に記載の発明(以下「第1発明」という)においては、金属部材の表面に存在する多数の微細孔に入射した光をその微細孔内で乱反射・吸収させることによって、金属部材表面の外観が灰色〜黒色の暗色にされた、暗色金属部材が提供される。即ち、本願の第1発明は、表面に平均直径が1μm以下の微細孔を平均で1×105個/mm2以上有し、該微細孔に入射した光を乱反射および/または吸収することを特徴とする、暗色金属部材を提供するものである。
ここで、平均直径が1μm以下で個数が平均1×105個/mm2以上の多数の微細孔は、金属部材表面上において実質上均一に分布していることが望ましい。尚、「実質上均一に分布」とは、金属部材表面の外観において暗色の程度にむらが見られないことを意味する。また、かかる金属部材の表面における微細孔の平均直径が1μmよりも大きい場合には、細孔の分布が不均一となり、十分かつ均一な暗色化が望めないため、好ましくない。尚、かかる微細孔の最小直径としては、0.05μmが好ましく、0.2μmが更に好ましく、最大直径としては、0.8μmが好ましく、0.6μmが更に好ましくい。更に、その微細孔の孔径分布としては、均一な暗色化を得る上で、このような範囲内において実質上均一が好ましい。また、金属部材の表面におけるそのような微細孔の数が平均で1×105個/mm2よりも少ない場合には、単位面先あたりの入射する光の乱反射・吸収が不十分であって、十分かつ均一な暗色化が望めないため、好ましくない。尚、微細孔の数が平均で1×105個/mm2とは、暗色化処理対象の金属表面における面積全体についての平均の微細孔数を意味し、局所的な微細孔数の最小値としては5×105個/mm2が好ましく、1×106個/mm2が更に好ましく、局所的な微細孔数の最大値としては1×107個/mm2が好ましく、4×106個/mm2が更に好ましい。
本願の第1発明の暗色金属部材によれば、金属部材表面に形成された平均孔径が1μm以下の微細孔に入射された光が微細孔内で乱反射・吸収されて、金属部材表面の外観が灰色〜黒色になる優れた効果が得られる。
本願の請求項5に記載の発明(以下「第2発明」という)においては、金属部材の外観を灰色〜黒色の暗色にする際に、金属部材の表面上に、或いは、必要に応じて金属部材の表面上に無電解ニッケル−リンめっき等のめっき処理を予め施したそのめっき表面上に、電解処理による微細孔を形成することで、その微細孔に入射した光を微細孔内で乱反射・吸収させて、金属部材表面の外観を灰色〜黒色にする黒色化処理する金属部材の暗色化処理方法が提供される。即ち、本願の第2発明は、電解質が溶解された水溶液中で金属部材を電解処理して、該金属部材の表面に平均直径が1μm以下の微細孔を平均で1×105個/mm2以上形成するための電解処理工程を含むことを特徴とする、金属部材の暗色化処理方法を提供するものである。図1には、かかる本願第2発明の金属部材の暗色化処理方法が模式的に示される。
ここで、電解質を溶解した水溶液中で金属部材を電浴極解処理する電解処理工程において使用される水溶液に溶解される電解質としては、通常電気分解用に使用されるものであって、特に限定されるものではないが、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、酢酸 等の酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム 等のアルカリ、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、珪酸ナトリウム 等の塩が好ましいものとして挙げられる。それ以外にも、必要に応じキレート剤、界面活性剤等の添加剤も必要に応じて使用され得る。また、その電解処理工程においては、被処理金属部材が陽極に、或いは被処理金属部材が交互に陽極と陰極となるように処理され得る。
また、ここでも、上記の本願の第1発明の暗色金属部材と同様に、平均直径が1μm以下で個数が平均で1×105個/mm2以上の多数の微細孔が、金属部材表面上において実質上均一に分布していることが望ましい。
本願の第2発明の金属部材の暗色化処理方法によれば、金属部材自体を電解質が溶解された水溶液中で電解処理するという簡単な処理工程と設備で実施可能であり、これにより塗装やめっきといった長く複雑な処理工程や大きな設備投資または特殊な添加剤の使用を省くことができるという優れた効果が得られる。
本願の第1発明の暗色金属部材における好ましい態様として、金属部材表面の外観の暗色が灰色〜黒色の範囲から選択される、暗色金属部材が挙げられる。かかる暗色としては、褐色〜黒色が更に好ましく、均一な黒色が特に好ましい。このような暗色の範囲を選択することによって、部材の意匠性および機能性を高める効果が得られる。
本願の第1発明の暗色金属部材における他の好ましい態様として、金属部材表面の微細孔の平均直径が0.01〜1μmである、暗色金属部材が挙げられる。かかる微細孔の平均直径としては、0.05〜0.8μmが更に好ましく、0.2〜0.6μmが特に好ましい。このような微細孔の平均直径の範囲を選択することによって、均一でより深い黒色外観となる効果が得られる。
本願の第1発明の暗色金属部材におけるもう一つの好ましい態様として、そのような微細孔が金属部材の表面に平均で1×105〜1×1010個/mm2存在する暗色金属部材が挙げられる。金属部材表面上でのかかる微細孔の個数としては、平均で1×106〜1×107個/mm2が更に好ましく、平均で1×106〜4×106個/mm2が特に好ましい。このような微細孔の平均で個数の範囲を選択することによって、均一でより深い黒色外観となる効果が得られる。
ここでの金属部材表面上の微細孔の個数と平均直径の測定は、金属部材表面の電子顕微鏡写真の解析によって行なうことが可能である。なお、微細孔の直径は、その電子顕微鏡写真において見られる微細孔の断面形状の面積を求めその面積に等しい円の直径、即ちいわゆる相当直径を意味するものである。
本願の発明における金属部材の素材としては、特に限定されるものではないが、例えば、合金鋼、銅合金、アルミニウム合金、ニッケル合金 等が好ましいものとして挙げられ、中でも無電解ニッケルめっきに代表されるニッケル合金 等が特に好ましい。また、その金属部材の形状としては、特に限定されるものではないが、例えば、板状、棒状、筒状 等が、その用途に応じて適宜選択され得る。
本願の第2発明の金属部材の暗色化処理方法の好ましい態様として、電解質の主成分が硫酸である、金属部材の暗色化処理方法が挙げられる。その硫酸の電解水溶液中の濃度としては、50〜600g/Lが好ましく、150〜300g/Lが特に好ましい。このように電解質の主成分に硫酸を選択することによって、均一でより深い黒色外観となる効果が得られる。また、電解水溶液中に含まれるその他の好ましい成分としては、キレート剤、界面活性剤等が挙げられる。
また、本願の金属部材の暗色化処理方法での電解工程における電気量としては、0.2〜20A/dm2が好ましく、1〜10A/dm2が更に好ましく、2〜6A/dm2が特に好ましい。尚、電解水溶液のpHは、主に硫酸濃度によって定まる。その電解工程における温度としては、20〜70℃が好ましく、40〜60℃が特に好ましく、電解時間としては20秒〜10分が好ましく、1〜3分が特に好ましい。また、電極としては、目的に応じて鉄、ステンレス、銅、チタン、白金、カーボン等が選択され得る。
このように、本願の第2発明の金属部材の暗色化処理方法の一つの好ましい態様では、電解質の主成分に硫酸を使用して、その硫酸の濃度を50〜600g/Lとし、電気量を0.2〜20A/dm2とし、電解水溶液の温度を20〜70℃として、電解操作を最適に制御することによって、金属部材表面に形成される微細孔が、そこに入射した光が乱反射および/または吸収されるように平均1×105個/mm2以上で平均直径が1μm以下の微細孔となることを確実にしたものである。
本願の第2発明の金属部材の暗色化処理方法のもう一つの好ましい態様として、前もってその金属部材表面にめっきを施すための予備めっき工程をさらに含む、金属部材の暗色化処理方法が挙げられる。このように予備めっき工程と上記の電解操作を組み合せることによって、平均1×105個/mm2以上で平均直径が1μm以下の微細孔となる効果がより確実に得られる。図2には、かかる本願第2発明の金属部材の暗色化処理方法が模式的に示される。
本願の第2発明の金属部材の暗色化処理方法のその好ましい態様では、その予備めっき工程としては、無電解ニッケル−リンめっきが用いられる。かかる態様の具体例として、図3にそのフローチャートの概略が示されるように、前もってその金属部材表面に無電解ニッケル−リンめっきを施した部材を使用する例が挙げられる。
その無電解ニッケル−リンめっきの条件としては、特に限定されるものではないが、例えば、めっき溶液の好ましい成分としては、電解質の主成分に硫酸を使用して、その硫酸の濃度を150〜300g/Lとし、電気量を2〜6A/dm2とし、電解水溶液の温度を40〜60℃として、電解操作を最適に制御することによって、金属部材表面に形成される微細孔が、そこに入射した光が乱反射および/または吸収されるように平均1×105 個/mm2以上で平均直径が1μm以下の微細孔となることがより確実になされ得る。
かかる予備めっき工程によって、特に無電解ニッケル−リンめっき処理によって、金属材料の表面において、通常得られるような厚さのニッケル−リン合金皮膜が形成される。このように無電解ニッケル−リンめっきによる予備めっき工程を上記の電浴極解処理なる電解処理工程と組み合せることによって、均一でより深い黒色外観となる効果がより確実に得られる。
また、本願の第2発明の金属部材の暗色化処理方法においても、本願の第1発明の暗色金属部材に関する上記の範囲と同様の範囲内で、金属部材、金属部材の暗色、金属部材表面上の微細孔の平均個数およびその平均直径などが選択され得る。
以下に本願発明についての実施例を挙げて更に具体的に本願発明を説明するが、それらの実施例によって本願発明が何ら限定されるものではない。
実施例1
図3に示すように、銅よりなる平板試料の表面に市販の無電解ニッケル−リンめっき液(上村工業(株)製:ニムデンDX)を適切な前処理およびめっき条件で施した後、その被処理物を陽極として、電解処理液の主成分として硫酸230g/Lの水溶液を用い、浴温50℃にて、電流密度6A/dm2で陽極電解処理を1分間施した。
図3に示すように、銅よりなる平板試料の表面に市販の無電解ニッケル−リンめっき液(上村工業(株)製:ニムデンDX)を適切な前処理およびめっき条件で施した後、その被処理物を陽極として、電解処理液の主成分として硫酸230g/Lの水溶液を用い、浴温50℃にて、電流密度6A/dm2で陽極電解処理を1分間施した。
電解処理の後、外観色を目視で確認し、さらに形成された微細孔の径、単位面積あたりの孔数を電子顕微鏡写真を用いて測定するとともに、微細孔の分布状態を確認した。
その結果、その電解処理物が比較的均一な黒色外観を呈した。電解処理後の被処理物の表面における微細孔の形成状態は、平均孔径が0.32μm、孔数が1.7×106個/mm2で、細孔の分布状態は均一なものであった。電解液組成および電解条件と共に、電解処理の後の外観色、さらに形成された微細孔の径、単位面積あたりの孔数、微細孔の分布状態を、表1に示した。
その結果、その電解処理物が比較的均一な黒色外観を呈した。電解処理後の被処理物の表面における微細孔の形成状態は、平均孔径が0.32μm、孔数が1.7×106個/mm2で、細孔の分布状態は均一なものであった。電解液組成および電解条件と共に、電解処理の後の外観色、さらに形成された微細孔の径、単位面積あたりの孔数、微細孔の分布状態を、表1に示した。
図4には、(A)として、無電解ニッケル−リンめっき処理された銅板(陽極電解処理前)の表面の電子顕微鏡写真(3000倍)が示され、(B)として、無電解ニッケル−リンめっき処理された銅板の陽極電解処理後の表面における微細孔の形成状態の電子顕微鏡写真(3000倍)が示される。
実施例2
実施例1と同様の無電解ニッケル−リンめっき処理された銅板を用いて、電解処理液の主成分として、硫酸230g/Lの水溶液を用い、浴温50℃にて、被処理物を陽極とし電流密度2A/dm2で陽極電解処理を1分間施した結果、比較的均一な褐色外観を呈した。電解処理後の細孔形成状態は、平均孔径が0.11μm、平均孔数が7.0×105個/mm2で、細孔の分布状態は均一なものであった。電解液組成および電解条件と共に、電解処理の後の外観色、さらに形成された微細孔の径、単位面積あたりの孔数、微細孔の分布状態を、表1に示した。
実施例1と同様の無電解ニッケル−リンめっき処理された銅板を用いて、電解処理液の主成分として、硫酸230g/Lの水溶液を用い、浴温50℃にて、被処理物を陽極とし電流密度2A/dm2で陽極電解処理を1分間施した結果、比較的均一な褐色外観を呈した。電解処理後の細孔形成状態は、平均孔径が0.11μm、平均孔数が7.0×105個/mm2で、細孔の分布状態は均一なものであった。電解液組成および電解条件と共に、電解処理の後の外観色、さらに形成された微細孔の径、単位面積あたりの孔数、微細孔の分布状態を、表1に示した。
実施例3
実施例1と同様の無電解ニッケル−リンめっき処理された銅板を用いて、電解処理液の主成分として、硫酸230g/Lの水溶液を用い、浴温50℃にて、被処理物を陽極とし電流密度10A/dm2で陽極電解処理を1分間施した結果、若干不均一な褐色〜黒色外観を呈した。電解処理後の細孔形成状態は、平均孔径が0.75μm、平均孔数が1.0×106個/mm2で、細孔の分布状態は実施例1および2に比べやや不均一であったが、実質上均一なものであった。電解液組成および電解条件と共に、電解処理の後の外観色、さらに形成された微細孔の径、単位面積あたりの孔数、微細孔の分布状態を、表1に示した。
実施例1と同様の無電解ニッケル−リンめっき処理された銅板を用いて、電解処理液の主成分として、硫酸230g/Lの水溶液を用い、浴温50℃にて、被処理物を陽極とし電流密度10A/dm2で陽極電解処理を1分間施した結果、若干不均一な褐色〜黒色外観を呈した。電解処理後の細孔形成状態は、平均孔径が0.75μm、平均孔数が1.0×106個/mm2で、細孔の分布状態は実施例1および2に比べやや不均一であったが、実質上均一なものであった。電解液組成および電解条件と共に、電解処理の後の外観色、さらに形成された微細孔の径、単位面積あたりの孔数、微細孔の分布状態を、表1に示した。
比較例1
実施例1と同様の無電解ニッケル−リンめっき処理された銅板を用いて、電解処理液の主成分として、硫酸塩200g/Lの水溶液を用い、浴温50℃にて、被処理物を陽極とし電流密度2A/dm2で陽極電解処理を1分間施した結果、若干の光沢低下による灰色を呈した。電解処理後の細孔形成状態は、平均孔径が1.3μm、平均孔数が0.6×105個/mm2で、細孔の分布状態は実施例1〜3に比べかなり不均一なものであった。電解液組成および電解条件と共に、電解処理の後の外観色、さらに形成された微細孔の径、単位面積あたりの孔数、微細孔の分布状態を、表1に示した。
図5において、ここで得られた金属部材表面の微細孔の形成状態を、電子顕微鏡写真(3000倍)を示す。
実施例1と同様の無電解ニッケル−リンめっき処理された銅板を用いて、電解処理液の主成分として、硫酸塩200g/Lの水溶液を用い、浴温50℃にて、被処理物を陽極とし電流密度2A/dm2で陽極電解処理を1分間施した結果、若干の光沢低下による灰色を呈した。電解処理後の細孔形成状態は、平均孔径が1.3μm、平均孔数が0.6×105個/mm2で、細孔の分布状態は実施例1〜3に比べかなり不均一なものであった。電解液組成および電解条件と共に、電解処理の後の外観色、さらに形成された微細孔の径、単位面積あたりの孔数、微細孔の分布状態を、表1に示した。
図5において、ここで得られた金属部材表面の微細孔の形成状態を、電子顕微鏡写真(3000倍)を示す。
Claims (11)
- 表面に平均直径が1μm以下の微細孔を平均で1×105個/mm2以上有し、該微細孔に入射した光を乱反射および/または吸収することを特徴とする、暗色金属部材。
- 前記暗色が、灰色〜黒色の範囲から選択される前記金属部材の表面外観の色である、請求項1に記載の暗色金属部材。
- 前記微細孔の平均直径が0.05〜0.8μmである、請求項1または2に記載の暗色金属部材。
- 前記微細孔が表面に平均で1×106〜1×107個/mm2存在する、請求項1〜3のいずれかに記載の暗色金属部材。
- 電解質が溶解された水溶液中で金属部材を電解処理して、該金属部材の表面に平均直径が1μm以下の微細孔を平均で1×105個/mm2以上形成するための電解処理工程を含むことを特徴とする、金属部材の暗色化処理方法。
- 前記電解質の主成分が硫酸である、請求項5に記載の金属部材の暗色化処理方法。
- 前もって前記金属部材にめっきを施すための予備めっき工程をさらに含む、請求項5または6に記載の金属部材の暗色化処理方法。
- 前記予備めっき工程が、金属部材に無電解ニッケル−リンめっきを施すものである、請求項5〜7のいずれかに記載の金属部材の暗色化処理方法。
- 前記暗色化が、前記金属部材の表面外観の色を灰色〜黒色の範囲から選択される色にするものである、請求項5〜8のいずれかに記載の金属部材の暗色化処理方法。
- 前記微細孔の平均直径が0.05〜0.8μmである、請求項5〜9のいずれかに記載の金属部材の暗色化処理方法。
- 前記微細孔が表面に平均で1×106〜1×107個/mm2存在する、請求項5〜10のいずれかに記載の金属部材の暗色化処理方法。
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