JP5799037B2 - プラズマ電解酸化による皮膜形成方法 - Google Patents

プラズマ電解酸化による皮膜形成方法 Download PDF

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本発明は、金属の表面に対して、プラズマ電解酸化処理により皮膜を形成する方法に関する。
従来、金属の表面に皮膜を形成する方法として、プラズマ電解酸化(Plasma Electrolytic Oxidation、以下「PEO」とも称する)処理が使用されている。
このPEO処理は、金属を電解液に浸漬させた状態で、金属に対して高電圧を印加することにより、金属と電解液との間にプラズマ放電を発生させて、金属の表面に酸化皮膜を形成する処理方法である。
そして、このPEO処理を使用した皮膜形成方法としては、例えば、窒素原子含有カチオンとアルミニウムに対する安定度定数が9以上のアミノカルボン酸アニオンとを含有する水性電解浴中で、PEO処理によりアルミニウム又はアルミニウム合金の表面に、酸化アルミニウムを含有するセラミックス皮膜を形成する方法が開示されている。そして、このような方法により、アルミニウム及びその合金の表面にアルカリ金属を含有しない酸化アルミニウムの平滑性に優れる皮膜が形成された金属材料を提供することができると記載されている(例えば、特許文献1参照)。
また、ジルコニウム化合物を含有する電解液中で金属を陽極としてPEO処理を行うことにより、金属の表面にセラミック皮膜を形成する方法が開示されている。そして、このような方法により、耐摩耗性及び摺動特性に優れた金属材料を提供することができると記載されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−171794号公報 国際公開第2005/118919号
ここで、上記特許文献1,2に記載の方法では、金属の平滑性や耐摩耗性等を向上することはできるものの、金属の耐食性について検討が不十分であり、例えば、マグネシウムやマグネシウム合金等の耐食性に乏しい金属において、耐食性を十分に向上することができないという問題があった。
そこで、本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、金属の表面に対して、PEO処理により耐食性の高い皮膜を形成して、耐食性に優れた金属材料を得ることができるプラズマ電解酸化による皮膜形成方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のプラズマ電解酸化による皮膜形成方法は、インジウム化合物を含有する電解液に金属を陽極として浸漬させた状態で、金属に対して電圧を印加することにより、金属と電解液との間にプラズマ放電を発生させて、金属の表面にインジウムを含有する皮膜を形成することを特徴とする。
同構成によれば、インジウム化合物を含有する電解液を使用してプラズマ電解酸化処理を行うため、金属の表面に、インジウムが取り込まれた耐食性の高い皮膜を形成することが可能になる。従って、耐食性に優れた金属材料を得ることができる。
本発明のプラズマ電解酸化による皮膜形成方法においては、インジウム化合物として、酸化インジウム粒子を使用してもよい。
同構成によれは、皮膜中にインジウムを効率よく取り込むことが可能になる。
本発明のプラズマ電解酸化による皮膜形成方法においては、インジウム化合物として、硫酸インジウムまたは硝酸インジウムを使用してもよい。
同構成によれは、皮膜中にインジウムを効率よく取り込むことが可能になる。
本発明のプラズマ電解酸化による皮膜形成方法においては、電解液中のインジウム原子の濃度を1μM〜100mMに設定してもよい。
同構成によれば、電解液におけるインジウム化合物の沈殿の発生を防止して、皮膜の耐食性を確実に向上させることができる。
本発明のプラズマ電解酸化による皮膜形成方法においては、金属として、マグネシウムまたはマグネシウム合金を使用してもよい。
同構成によれば、特に、耐食性の乏しいマグネシウムまたはマグネシウム合金の表面にインジウムが取り込まれた耐食性の高い皮膜を形成することが可能になるため、耐食性に優れたマグネシウム材料またはマグネシウム合金材料を得ることができる。
本発明によれば、金属の表面に、インジウムが取り込まれた耐食性の高い皮膜を形成することが可能になり、耐食性に優れた金属材料を得ることができる。
本発明の実施形態に係る皮膜が形成された金属材料を示す断面図である。 本発明の実施形態に係るプラズマ電解酸化による皮膜形成方法を説明するための図である。 耐食性試験後の金属材料(実施例5)を示す図である。 耐食性試験後の金属材料(比較例3)を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る皮膜が形成された金属材料を示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態の金属材料1は、金属基板2と、金属基板2の表面に形成された皮膜3とを備えている。
金属基板2を形成する金属としては、PEO処理において電圧を印加することができるものであれば特に限定されず、例えば、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、マンガン、カルシウム、イットリウム、シリコン、チタン、鉄及びこれらの合金を使用することができる。
皮膜3は、インジウム化合物を含有する電解液に金属基板2を浸漬させた状態で、金属基板2に対して高電圧を印加することにより、金属基板2と電解液との間にプラズマ放電を発生させて、金属基板2の表面に形成される。
本実施形態においては、このように、インジウム化合物を含有する電解液を使用してPEO処理を行うことにより、皮膜3中にインジウムを取り込むことが可能になるため、耐食性の高い皮膜3を形成することが可能になる。
これは、インジウムの水素結合エネルギー、及び交換電流密度が小さいため、PEO処理を行った皮膜3において、陰極反応である水素発生反応(2H+2e→H)が抑制されることに起因して、金属の腐食反応により発生する電子の消費が抑制されるため、金属基板2を形成する金属の腐食反応の進行が効果的に抑制されるためである。
電解液に含有されるインジウム化合物としては、特に限定されないが、粒状、かつ非水溶性である酸化インジウム(In2O3)や水溶性である硫酸インジウム(In2(SO4)3)や硝酸インジウム(In(NO3)3)を使用することにより、皮膜3中にインジウムを効率よく取り込むことが可能になる。
また、電解液におけるインジウム化合物の沈殿の発生を防止して、皮膜3の耐食性を確実に向上させるとの観点から、電解液中におけるインジウム化合物の濃度(即ち、電解液中のインジウム原子の濃度)は、1μM〜100mMが好ましい。
また、PEO処理において使用する電解液は、水を主成分とし、上述のインジウム化合物と、皮膜3の原料となる水溶性化合物(水溶性塩)とを含有するものが使用される。
水溶性化合物としては、特に限定はされず、例えば、リン酸ナトリウム等のリン酸塩、メタケイ酸ナトリウム等のケイ酸塩、アルミン酸ナトリウム等のアルミン酸塩、タングステン酸ナトリウム等のタングステン酸塩、及びホウ砂等のホウ酸塩を使用することができる。なお、これらの水溶性化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
なお、粘性、及び成膜性の観点から、電解液中の水溶性化合物の濃度は、0.001M〜5Mが好ましい。
また、電解液中におけるインジウムの安定性を向上させるとの観点から、電解液に、EDTA(エチレンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸)、枸櫞酸、及び酒石酸等のキレート剤(錯化剤)を含有させることが好ましい。
なお、インジウムをキレートするとの観点から、電解液中のキレート剤の濃度は、インジウム原子のモル量と等量〜2倍量が好ましい。
また、電解液には、水酸化カリウムや水酸化ナトリウム等のpH調整剤を含有させてもよい。
また、金属材料の表面を安定化させるとの観点から、電解液のpHは、7〜14の範囲が好ましく、本実施形態においては、電解液のpHが上記範囲内となるように、電解液に上記pH調整剤が添加される。
次に、本発明の実施形態に係るプラズマ電解酸化による皮膜形成方法について説明する。図2は、本発明の実施形態に係るプラズマ電解酸化による皮膜形成方法を説明するための図である。本実施形態の製造方法は、電解液作製工程、PEO処理工程を備える。
<電解液作製工程>
まず、溶媒である水に、酸化インジウム(In2O3)等のインジウム化合物と、皮膜3の原料となるリン酸三ナトリウム等の水溶性化合物と、水酸化カリウム等のpH調整剤とを加え、均一となるように攪拌して混合する。なお、必要に応じて、EDTA等のキレート剤を加えてもよい(ステップS1)。
<PEO処理工程>
次に、マグネシウム等の金属基板2を電解液に浸漬させ(ステップS2)、金属基板2を電解液に浸漬させた状態で、金属基板2に対して高電圧を印加することにより、金属基板2と電解液との間にプラズマ放電を発生させて、金属基板2の表面に皮膜3を形成する(ステップS3)。
なお、インジウム化合物として、酸化インジウム(In2O3)等の非水溶性のインジウム化合物を使用する場合は、電解液を攪拌して、インジウム化合物を分散させた状態でPEO処理を行う。
ここで、本実施形態においては、PEO処理法として、金属基板2を陽極として用いた、パルス電解法、直流電解法、交流電解法等が使用できるが、均一に皮膜を形成するとの観点から、パルス電解法を使用することが好ましい。
また、電解電圧としては、最大電圧が放電(アーク放電)電圧以上であればよいが、PEO処理の安定性を向上させるとの観点から、100〜800Vに設定することが好ましい。
また、パルス電解法を使用する場合は、均一な皮膜形成、及びエネルギー効率の観点から、周波数を100〜10000Hzに設定するとともに、デューティー比を0.5以下に設定することが好ましい。
また、PEO処理の時間は、皮膜3の耐食性の確保とエネルギー効率の観点から適宜変更することができ、例えば、1〜60分に設定することができる。
また、PEO処理を行う際の陰極を形成する材料としては、例えば、ステンレス、黒鉛、銅、チタン、白金等を使用することができる。
そして、PEO処理を開始すると、陽極である金属基板2において電解反応が発生し、まず、金属基板2を形成する金属と水中の酸素を含む化学種とが反応して、金属基板2の表面に薄い酸化皮膜(バリア層)が形成される。そして、電子雪崩現象により、酸化皮膜内で発光が生じる。
次いで、アーク放電が開始され、アーク放電の熱により金属表面に溶融が発生して、酸化皮膜上に金属成分や電解液成分の酸化物が成長し、金属基板2の表面上に数μm〜数十μmの厚みを有する多孔質のセラミック膜(即ち、皮膜3)が形成される。この際、本実施形態においては、上述のインジウムが皮膜3中に取り込まれるため、耐食性の高い皮膜3を形成することが可能になる。
以上のようにして、図1に示す金属基板2の表面上に皮膜3が形成された、耐食性に優れた金属材料1を作製することができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではなく、これらの実施例を本発明の趣旨に基づいて変形、変更することが可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
(実施例1)
(電解液の作製)
溶媒である水に、酸化インジウム(キシダ化学(株)製)と、リン酸三ナトリウム(キシダ化学(株)製)と、水酸化カリウム(キシダ化学(株)製)とを加え、均一となるように攪拌して、電解液を作製した。
なお、電解液中のインジウム原子の濃度が7mM、リン酸三ナトリウムの濃度が61mM、及び水酸化カリウムの濃度が18mMとなるように調整した。また、電解液のpHは13であった。
(PEO処理)
次に、アルミニウムを3%、亜鉛を1%添加したマグネシウム合金(AZ31)からなり、表面積が130cmであるマグネシウム合金板を陽極として使用するとともに、SUS304からなり、表面積が1300cmであるステンレス槽を陰極として使用し、マグネシウム合金板を電解液に浸漬させた状態で、3分間、マグネシウム合金板に対して高電圧を印加することにより、マグネシウム合金板と電解液との間にプラズマ放電を発生させて、マグネシウム合金板の表面に、10.0μmの厚みを有する皮膜を形成し、本実施例の金属材料を作製した。
なお、電解電圧を450V、周波数を250Hz、及びデューティー比を0.125に設定してPEO処理を行った。
(実施例2)
(電解液の作製)
溶媒である水に、硫酸インジウム(和光純薬工業(株)製)と、リン酸三ナトリウム(キシダ化学(株)製)と、水酸化カリウム(キシダ化学(株)製)と、EDTA四ナトリウム(キシダ化学(株)製)とを加え、均一となるように攪拌して、電解液を作製した。
なお、電解液中のインジウム原子の濃度が3mM、リン酸三ナトリウムの濃度が61mM、水酸化カリウムの濃度が18mM、及びEDTA四ナトリウムの濃度が5mMとなるように調整した。また、電解液のpHは13であった。
(PEO処理)
次に、アルミニウムを3%、亜鉛を1%添加したマグネシウム合金(AZ31)からなり、表面積が130cmであるマグネシウム合金板を陽極として使用するとともに、SUS304からなり、表面積が1300cmであるステンレス槽を陰極として使用し、マグネシウム合金板を電解液に浸漬させた状態で、6分40秒間、マグネシウム合金板に対して高電圧を印加することにより、マグネシウム合金板と電解液との間にプラズマ放電を発生させて、マグネシウム合金板の表面に、9.8μmの厚みを有する皮膜を形成し、本実施例の金属材料を作製した。
なお、電解電圧を400V、周波数を125Hz、及びデューティー比を0.125に設定してPEO処理を行った。
(実施例3)
(電解液の作製)
溶媒である水に、酸化インジウム(キシダ化学(株)製)と、メタケイ酸ナトリウム・9水和物(キシダ化学(株)製)と、リン酸三ナトリウム(キシダ化学(株)製)と、水酸化カリウム(キシダ化学(株)製)とを加え、均一となるように攪拌して、電解液を作製した。
なお、電解液中のインジウム原子の濃度が1.5mM、メタケイ酸ナトリウム・9水和物の濃度が42mM、リン酸三ナトリウムの濃度が31mM、及び水酸化カリウムの濃度が18mMとなるように調整した。また、電解液のpHは13であった。
(PEO処理)
次に、アルミニウムを3%、亜鉛を1%添加したマグネシウム合金(AZ31)からなり、表面積が130cmであるマグネシウム合金板を陽極として使用するとともに、SUS304からなり、表面積が1300cmであるステンレス槽板を陰極として使用し、マグネシウム合金板を電解液に浸漬させた状態で、10分間、マグネシウム合金板に対して高電圧を印加することにより、マグネシウム合金板と電解液との間にプラズマ放電を発生させて、マグネシウム合金板の表面に、11.9μmの厚みを有する皮膜を形成し、本実施例の金属材料を作製した。
なお、電解電圧を400V、周波数を400Hz、及びデューティー比を0.4に設定してPEO処理を行った。
(実施例4)
(電解液の作製)
溶媒である水に、硫酸インジウム(和光純薬(株)製)と、メタケイ酸ナトリウム・9水和物(キシダ化学(株)製)と、リン酸三ナトリウム(キシダ化学(株)製)と、水酸化カリウム(キシダ化学(株)製)と、クエン酸ナトリウム(キシダ化学(株)製)とを加え、均一となるように攪拌して、電解液を作製した。
なお、電解液中のインジウム原子の濃度が1.5mM、メタケイ酸ナトリウム・9水和物の濃度が42mM、リン酸三ナトリウムの濃度が31mM、水酸化カリウムの濃度が18mM、及びクエン酸ナトリウムの濃度が2mMとなるように調整した。また、電解液のpHは13であった。
(PEO処理)
次に、アルミニウムを3%、亜鉛を1%添加したマグネシウム合金(AZ31)からなり、表面積が130cmであるマグネシウム合金板を陽極として使用するとともに、SUS304からなり、表面積が1300cmであるステンレス槽を陰極として使用し、マグネシウム合金板を電解液に浸漬させた状態で、10分間、マグネシウム合金板に対して高電圧を印加することにより、マグネシウム合金板と電解液との間にプラズマ放電を発生させて、マグネシウム合金板の表面に、13.0μmの厚みを有する皮膜を形成し、本実施例の金属材料を作製した。
なお、電解電圧を400V、周波数を400Hz、及びデューティー比を0.4に設定してPEO処理を行った。
(実施例5)
(電解液の作製)
溶媒である水に、酸化インジウム(キシダ化学(株)製)と、メタケイ酸ナトリウム・9水和物(キシダ化学(株)製)と、リン酸三ナトリウム(キシダ化学(株)製)と、水酸化カリウム(キシダ化学(株)製)とを加え、均一となるように攪拌して、電解液を作製した。
なお、電解液中のインジウム原子の濃度が0.07mM、メタケイ酸ナトリウム・9水和物の濃度が82mM、リン酸三ナトリウムの濃度が27mM、及び水酸化カリウムの濃度が18mMとなるように調整した。また、電解液のpHは13であった。
(PEO処理)
次に、アルミニウムを3%、亜鉛を1%添加したマグネシウム合金(AZ31)からなり、表面積が130cmであるマグネシウム合金板を陽極として使用するとともに、SUS304からなり、表面積が1300cmであるステンレス槽を陰極として使用し、マグネシウム合金板を電解液に浸漬させた状態で、10分間、マグネシウム合金板に対して高電圧を印加することにより、マグネシウム合金板と電解液との間にプラズマ放電を発生させて、マグネシウム合金板の表面に、12.4μmの厚みを有する皮膜を形成し、本実施例の金属材料を作製した。
なお、電解電圧を350V、周波数を250Hz、及びデューティー比を0.25に設定してPEO処理を行った。
(比較例1)
電解液に、酸化インジウムを加えなかったこと以外は、実施例1と同様にして、電解液を作製し、PEO処理を行った。なお、マグネシウム合金板の表面に形成された皮膜の厚みは10.9μmであった。
(比較例2)
電解液に、酸化インジウムを加えなかったこと以外は、実施例3と同様にして、電解液を作製し、PEO処理を行った。なお、マグネシウム合金板の表面に形成された皮膜の厚みは11.5μmであった。
(比較例3)
電解液に、酸化インジウムを加えなかったこと以外は、実施例5と同様にして、電解液を作製し、PEO処理を行った。なお、マグネシウム合金板の表面に形成された皮膜の厚みは11.4μmであった。
(耐食性評価)
次に、実施例1〜実施例5、及び比較例1〜3で作製した各金属材料を0.1Mの塩化ナトリウム水溶液(和光純薬(株)株)に浸漬させた後、金属材料を観察し、錆、及び孔食の発生の有無を観察した。なお、目視により、錆、及び孔食が確認されない場合を耐食性が良好とした。また、実施例1,2,5、及び比較例1,3については、上述の塩化ナトリウム水溶液に100時間浸漬させ、実施例3,4、及び比較例2については、上述の塩化ナトリウム水溶液に24時間浸漬させた。以上の結果を、表1に示す。
表1に示すように、電解液にインジウム化合物が含有された実施例1〜5においては、金属材料に錆、及び孔食が発生しておらず、耐食性が良好であることが確認できた。一例として、図3に、耐食性試験後の金属材料(実施例5)を示す。
一方、電解液にインジウム化合物が含有されていない比較例1〜3においては、金属材料に錆、または孔食が発生しており、耐食性に乏しいことが確認できた。一例として、図4に、耐食性試験後の金属材料(比較例3)を示す。なお、図4において、Aの部分が、錆の発生が確認された部分である。
以上より、実施例1〜実施例5の方法により、耐食性に優れた金属材料を得ることができることが判った。
以上説明したように、本発明は、金属の表面に対して、プラズマ電解酸化処理により皮膜を形成する方法に適している。
1 金属材料
2 金属基板
3 皮膜

Claims (5)

  1. インジウム化合物を含有する電解液に金属を陽極として浸漬させた状態で、前記金属に対して電圧を印加することにより、前記金属と前記電解液との間にプラズマ放電を発生させて、前記金属の表面にインジウムを含有する皮膜を形成することを特徴とするプラズマ電解酸化による皮膜形成方法。
  2. 前記インジウム化合物が、酸化インジウム粒子であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ電解酸化による皮膜形成方法。
  3. 前記インジウム化合物が、硫酸インジウムまたは硝酸インジウムであることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ電解酸化による皮膜形成方法。
  4. 前記電解液中のインジウム原子の濃度が、1μM〜100mMであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のプラズマ電解酸化による皮膜形成方法。
  5. 前記金属が、マグネシウムまたはマグネシウム合金であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のプラズマ電解酸化による皮膜形成方法。
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