JP2009060818A - 植物エキスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、主として、ポリフェノール等の機能性成分を多く含み、かつ渋味が低い、バラ科アロニア属に属する植物果実の植物エキスの新規な製造方法を提供することにある。
【解決手段】本発明は、下記1)及び2)の工程を含むことを特徴とする植物エキスの製造方法に関するものである。
1)バラ科アロニア属に属する植物[特に、アロニア・メラノカルパ(Aronia melanocarpa)]の果実を搾汁し、搾汁液と搾汁残渣とを得る工程、
2)工程1で得られた搾汁残渣を溶媒に浸し、熱時抽出処理を行い、抽出液を得る工程。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規な植物エキスの製造方法に関するものである。
バラ科アロニア属に属する植物、例えば、アロニア・メラノカルパ(Aronia melanocarpa)は、北アメリカを原産地とする落葉低木であり、その植物エキスは、抗高血圧症、免疫強化、抗炎症作用、抗酸化作用等の効能を有することが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)。これらの効能は、当該植物に含まれるポリフェノール等の機能性成分によると考えられる。
ポリフェノール等の機能性成分を多く含むアロニア植物エキスは、当該植物の果実を含水アルコール等の溶媒に浸し、熱を加えて常法の抽出処理を行い、得られた抽出液を濃縮することにより得ることができる。しかし、これにより得られた植物エキスは、強い渋味を有しているため、食品の原料としては用い難い。
一方、当該植物果実の搾汁液を濃縮した植物エキスは、渋味が少ないため、食品の原料として用いられている。しかし、これにより得られた植物エキスは、ポリフェノール等の機能性成分の含有量は少ないものである。
特開2001−172191号公報 特開2005−213242号公報
本発明の目的は、主として、ポリフェノール等の機能性成分を多く含み、かつ渋味が少ない、バラ科アロニア属に属する植物果実の植物エキスの新規な製造方法を提供することにある。
本発明者は、例えば、下記(1)〜(4)に記載の発明を見出し、本発明を完成した。
(1)下記1)及び2)の工程を含むことを特徴とする植物エキスの製造方法(以下、「本発明製法」という):
1)バラ科アロニア属に属する植物の果実を搾汁し、搾汁液と搾汁残渣とを得る工程、
2)工程1で得られた搾汁残渣を溶媒に浸し、熱時抽出処理を行い、抽出液を得る工程。
(2)本発明製法により得られる植物エキス(以下、「本発明エキス」という)。
(3)本発明エキスを含有することを特徴とする製剤(以下、「本発明製剤」という)。
(4)本発明エキスを含有することを特徴とする食品(以下、「本発明食品」という)。
I.本発明製法
1.用語の定義
「植物エキス」とは、植物の果実等から得られた搾汁液や抽出液を濃縮したものをいう。
「搾汁液」には、搾汁液に含まれる果肉等の固形成分を除去する清澄化処理や酵素処理等の加工を施したものも含まれる。
「抽出液」には、抽出液に含まれる果肉等の固形成分を除去する清澄化処理や酵素処理等の加工を施したものも含まれる。
「搾汁残渣」とは、植物の果実等を搾汁した後に残った搾り滓をいう。
「抽出残渣」とは、植物の果実等に抽出処理を行った後に残った抽出滓をいう。
2.工程1
本発明に係る「バラ科アロニア属に属する植物」としては、例えば、アロニア・アルブティフォリア(Aronia arbutifolia)、アロニア・メラノカルパ(Aronia melanocarpa)、アロニア・プルニフォリア(Aronia prunifolia)を挙げることができる。それらの中で、特にアロニア・メラノカルパ(Aronia melanocarpa)が好ましい。
搾汁は、食品分野や医薬分野で用いられている搾汁機により行うことができる。かかる搾汁機としては、例えば、スクリュープレス[例えば、横型スクリュープレスMM−2(荒井鉄工所社製)]、スクリューデカンター[例えば、スクリューデカンターCA220(ウエストファリアセパレーター社製)]、圧搾機[例えば、KS−3(駒型機械製作所社製)]を挙げることができる。
上記の搾汁機を用いて、バラ科アロニア属に属する植物の果実を搾汁することにより、工程1に係る搾汁液と搾汁残渣とを得ることができる。
工程1の前に、当該植物の果実を粉砕することができる。その際、作業効率を上げるために、水を加えても良い。加える水の量は、当該植物の果実1重量部に対して、0.1〜2重量部の範囲内が適当であり、0.2〜1重量部の範囲内が好ましい。
果実の粉砕に用い得る機械としては、食品分野や医薬分野で用い得るものであれば特に制限されず、例えば、石臼式摩砕機[例えば、スーパーマスコロイダーMKZA15−40(増幸産業社製)]、ホモミキサー[例えば、TKホモミキサーMARKII(特殊機化工業社製)]を挙げることができる。
3.工程2
熱時抽出処理は、当業者に公知の方法により行うことができる。例えば、工程1で得られた搾汁残渣を適当な溶媒に浸し、加熱、必要に応じて還流しながら、適当な時間、攪拌することにより行うことができる。
抽出溶媒としては、食品分野や医薬分野で用い得るものであれば特に制限されず、例えば、水、エタノール、含水エタノールを挙げることができる。それらの中で、特に水、含水エタノールが好ましい。
含水エタノールの含水量としては、特に制限されず、例えば、20〜80重量%の範囲内が適当であり、40〜60重量%の範囲内が好ましい。
抽出溶媒の量としては、工程1で得られる搾汁残渣1重量部に対して、1〜10重量部の範囲内が適当であり、3〜5重量部の範囲内が好ましい。
熱時抽出処理における加熱温度は、例えば、40〜100℃の範囲内が適当であり、60〜100℃の範囲内が好ましく、70〜90℃の範囲内がより好ましい。40℃より低いと機能性成分の抽出が十分ではなく、100℃より高いと機能性成分の分解が著しくなるおそれがある。また、加熱時間は、10〜120分の範囲内が適当であり、30〜90分の範囲内が好ましく、40〜60分の範囲内がより好ましい。10分より短いと機能性成分の抽出が十分ではなく、120分より長いと機能性成分の分解が著しくなるおそれがある。
熱時抽出処理を行った後に、搾汁残渣を含む抽出液にペクチン分解酵素やセルロース分解酵素等を加え、酵素処理を行うことができる。
当該酵素処理における酵素の使用量は、0.001〜0.5重量%の範囲内が適当であり、0.01〜0.1重量%の範囲内が好ましい。処理時間は、15〜180分の範囲内が適当であり、30〜90分の範囲内が好ましい。また、処理温度は、15〜60℃の範囲内が適当であり、30〜45℃の範囲内が好ましい。
また、工程1で用い得る搾汁機と同様の搾汁機を用いて、抽出後の搾汁残渣に含まれる抽出液を搾り出すことができる。
4.本発明エキスの製造
本発明エキスは、少なくとも工程2で得られた抽出液を所望の濃度に濃縮することにより得ることができる。
本発明エキスとしては、工程2で得られた抽出液を所望の濃度に濃縮することにより得られる植物エキスの他、例えば、次のような植物エキスを挙げることができる。
(i)工程1で得られた搾汁液と工程2で得られた抽出液とを混合し、その混合液を所望の濃度に濃縮することにより得られる植物エキス、
(ii)工程1で得られた搾汁液と工程2で得られた抽出液とを、それぞれ所望の濃度に濃縮した後に、混合することにより得られる植物エキス、
(iii)工程1で得られた搾汁液と工程2で得られた抽出液のいずれか一方を所望の濃度に濃縮した後、他方と混合し、その混合液を所望の濃度に濃縮することにより得られる植物エキス、
(iv)工程2の後に、1又は複数回「熱時抽出処理を行った後の抽出残渣を再び溶媒に浸し、熱時抽出処理を行い、再び抽出液を得る」ことを行い、得られた再抽出液と工程2で得られた抽出液とを混合し、その混合した抽出液を所望の濃度に濃縮することにより得られる植物エキス、
(v)再抽出液と工程2で得られた抽出液とを、それぞれ所望の濃度に濃縮した後に、混合することにより得られる植物エキス、
(vi)再抽出液と工程2で得られた抽出液のいずれか一方を所望の濃度に濃縮した後、他方と混合し、その混合液を所望の濃度に濃縮することにより得られる植物エキス、
(vii)工程1で得られた搾汁液、工程2で得られた抽出液及び再抽出液とを混合し、その混合液を所望の濃度に濃縮することにより得られる植物エキス、
(viii)工程1で得られた搾汁液、工程2で得られた抽出液及び再抽出液とを、それぞれ所望の濃度に濃縮した後に、混合することにより得られる植物エキス、
(ix)再抽出液と工程2で得られた抽出液とを混合した抽出液と工程1で得られた搾汁液とを、それぞれ所望の濃度に濃縮した後に、混合することにより得られる植物エキス、
(x)工程1で得られた搾汁液、工程2で得られた抽出液及び再抽出液の中、一部の溶液を所望の濃度に濃縮した後、全ての溶液と混合し、その混合液を所望の濃度に濃縮することにより得られる植物エキス。
再度の熱時抽出処理の回数は、1〜3回の範囲内が適当である。なお、再度の熱時抽出処理における、抽出溶媒の種類や量、加熱条件は、工程2と同様である。
工程2と同様に、再度の熱時抽出処理を行った後に、抽出残渣を含む抽出液にペクチン分解酵素やセルロース分解酵素等を加えて、酵素処理を行うことができる。また、搾汁機を用いて、抽出残渣に含まれる抽出液を搾り出すこともできる。
濃縮は、当業者に公知の方法により行うことができる。例えば、食品分野や医薬分野で用いられている濃縮機[例えば、エバポールCEP1(大川原製作所社製)]を用いて行うことができる。
濃縮後の各溶液の濃度としては、例えば、Brixを指標とした場合、Brix20〜75の範囲内が適当であり、Brix30〜65の範囲内が好ましい。ここで、「Brix」とは、当業者に自明であり、ショ糖を溶解させた溶液の屈折率を基準として、試料の屈折率より算出される可溶性固形分の含有量をいう。例えば、Brix20とは、試料の屈折率が、ショ糖を20重量%で含有する溶液の屈折率と同じであることを意味する。なお、Brixの測定は、例えば、アッベ屈折計[例えば、NAR−3T(アタゴ社製)]を用いて行うことができる。
工程1で得られた搾汁液、工程2で得られた抽出液、再抽出液又はそれらの混合液に果肉等の固形成分が含まれている場合には、濃縮する前又は後に、食品分野や医薬分野で用いられている遠心分離機[例えば、クラリファイヤーSC35(ウエストファリアセパレーター社製)]等を用いて、当該固形成分を除去することができる。
本発明エキスには、その品質を安定させる等の目的のために、食品上又は医薬上許容される添加物を任意に配合することができる。当該添加物としては、例えば、pH調整剤(例えば、クエン酸、L−酒石酸、乳酸、DL−リンゴ酸)、酸化防止剤(例えば、L−アスコルビン酸、亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリウム)を挙げることができる。これらを一種又は二種以上使用することができる。当該添加物の含有量は、pH調整剤であれば0.1〜5重量%の範囲内が、酸化防止剤であれば0.01〜0.5重量%の範囲内がそれぞれ適当である。好ましくは、pH調整剤であれば0.5〜2重量%の範囲内が、酸化防止剤であれば0.02〜0.2重量%の範囲内がそれぞれ好ましい。
本発明エキスは、通常は液状のエキスであるが、当業者に公知の方法により、粉末状や顆粒状のエキスとすることができる。例えば、液状の本発明エキスを噴霧乾燥することにより、又は凍結乾燥し、得られた固形物を粉砕することにより、粉末状の本発明エキスを得ることができる。
II.本発明製剤
本発明製剤は、本発明エキスと食品上又は医薬上許容される添加物とを混合し、当業者に公知の方法により、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、液剤、シロップ剤、ドロップ剤等の各種形態に加工することにより得ることができる。
当該添加物としては、例えば、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、酵素、乾燥助剤、栄養素、賦形剤、増量剤、甘味料、香味剤、着色剤、防腐剤、乳化剤、可溶化剤、多価アルコール、有機酸、無機酸、水溶性高分子を挙げることができる。これらを一種又は二種以上使用することができる。
III.本発明食品
本発明食品は、本発明エキスを食品の材料に添加し、調理することにより得ることができる。また、既に完成された食品に本発明エキスを添加することによっても、得ることができる。
本発明食品としては、例えば、飲料、パン、ケーキ、クッキー、ウエハース、クレープ、ヨーグルト、プリン、キャンディー、アイスクリーム、キャラメル、チョコレート、ドーナツ、ようかん、ういろう、もなか、まんじゅう、大福餅、おはぎ、団子、ジャム、お酢を挙げることができる。
以下に、実施例、比較例及び試験例を掲げて、本発明を更に詳しく説明するが、本発明は実施例に示される範囲に限定されるものではない。
実施例1
工程1
アロニア・メラノカルパ(Aronia melanocarpa)の果実200kgに60kgの水を加えた後、石臼式摩砕機(スーパーマスコロイダーMKZA15−40:増幸産業社製。以下同じ。)を用いて当該果実を粉砕した。その粉砕物を、スクリューデカンター(スクリューデカンターCA220:ウエストファリアセパレーター社製。以下同じ。)を用いて搾汁し、199.2kgの搾汁液と43.0kgの搾汁残渣を得た。
得られた搾汁液を遠心分離機(クラリファイヤーSC35:ウエストファリアセパレーター社製。以下同じ。)にかけ、果肉等の固形成分を除き、搾汁液を清澄化した。その後、濃縮機(エバポールCEP1:大川原製作所社製。以下同じ。)を用いて、清澄化した搾汁液をBrix30まで濃縮し、65.0kgの植物エキスを得た。なお、Brixの測定は、アッベ屈折計(NAR−3T:アタゴ社製。以下同じ。)を用いて行った。
工程2
上記工程1で得られた搾汁残渣21.5kgを64.5kgの水に浸した後、攪拌しながら90℃で60分間熱時抽出処理を行った。45℃まで冷却した後、搾汁残渣を含む抽出液に30gのペクチナーゼHL(ヤクルト薬品工業社製。以下同じ。)を加え、60分間反応させた。その後、スクリューデカンターを用いて、搾汁残渣に含まれる抽出液を搾り出し、45.0kgの抽出液を得た。
得られた抽出液を遠心分離機にかけ、果肉等の固形成分を除き、抽出液を清澄化した。その後、濃縮機を用いて、清澄化した抽出液をBrix30まで濃縮し、3.8kgの本発明エキスを得た。なお、Brixの測定は、アッベ屈折計を用いて行った。
実施例2
実施例1の工程1で得られた植物エキス32.5kgと工程2で得られた本発明エキス3.8kgとを混合し、36.3kgの本発明エキスを得た。
比較例1
実施例1の工程1において、65.0kgの植物エキスを得た後に、その半分量を分取することにより、32.5kgの植物エキスを得た。
比較例2
実施例1の工程1で得られた搾汁残渣21.5kgを64.5kgの水に浸し、常温で60分間抽出処理を行った。その後、スクリューデカンターを用いて、搾汁残渣に含まれる抽出液を搾り出し、49.8kgの抽出液を得た。
得られた抽出液を遠心分離機にかけ、果肉等の固形成分を除き、抽出液を清澄化した。その後、濃縮機を用いて、清澄化した抽出液をBrix30まで濃縮し、3.7kgの植物エキスを得た。なお、Brixの測定は、アッベ屈折計を用いて行った。
比較例3
比較例1で得られた植物エキス32.5kgと比較例2で得られた植物エキス3.7kgとを混合し、36.2kgの植物エキスを得た。
比較例4
アロニア・メラノカルパ(Aronia melanocarpa)の果実100kgに30kgの水を加えた後、石臼式摩砕機を用いて果実を粉砕した。その粉砕物を攪拌しながら90℃で60分間熱時抽出処理を行った。45℃まで冷却した後、果実を含む抽出液に30gのペクチナーゼHLを加え、60分間反応させた。その後、スクリューデカンターを用いて、果実に含まれる抽出液を搾り出し、76.2kgの抽出液と42.1kgの抽出残渣を得た。
得られた抽出液を遠心分離機にかけ、果肉等の固形成分を除き、抽出液を清澄化した。その後、濃縮機を用いて、清澄化した抽出液をBrix30まで濃縮し、25.4kgの植物エキスを得た。なお、Brixの測定は、アッベ屈折計を用いて行った。
比較例5
比較例4で得られた抽出残渣42.1kgを126.3kgの水に浸した後、攪拌しながら90℃で60分間熱時抽出処理を行った。45℃まで冷却した後、抽出残渣を含む抽出液に30gのペクチナーゼHLを加え、60分間反応させた。その後、スクリューデカンターを用いて、抽出残渣に含まれる抽出液を搾り出し、139.0kgの抽出液を得た。
得られた抽出液を遠心分離機にかけ、果肉等の固形成分を除き、抽出液を清澄化した。その後、濃縮機を用いて、清澄化した抽出液をBrix30まで濃縮し、12.0kgの植物エキスを得た。なお、Brixの測定は、アッベ屈折計を用いて行った。
比較例6
比較例4で得られた植物エキス25.4kgと比較例5で得られた植物エキス12.0kgとを混合し、37.4kgの植物エキスを得た。
試験例1
実施例1、2、及び比較例1〜6に係る各植物エキスの色素量を比較した。
実施例1、比較例1、2、4又は5に係る植物エキス0.02mLに2%塩酸メタノール3.98mLを加え、534nmにおける吸光度を測定し、その得られた吸光度と各植物エキスの収量とを掛けた値を色素量とした。
なお、実施例1に係る植物エキスの色素量と比較例1に係る植物エキスの色素量とを合計した値を実施例2に係る植物エキスの色素量とみなした。比較例1に係る植物エキスの色素量と比較例2に係る植物エキスの色素量とを合計した値を比較例3に係る植物エキスの色素量とみなした。比較例4に係る植物エキスの色素量と比較例5に係る植物エキスの色素量とを合計した値を比較例6に係る植物エキスの色素量とみなした。
その結果、表1に示すように、実施例2、比較例3及び6に係る植物エキス間で比較した場合、実施例2に係る本発明エキスの色素量は、比較例6に係る植物エキスの色素量とほとんど差は無かった。実施例1、比較例2及び5に係る植物エキス間で比較した場合、実施例1に係る本発明エキスの色素量は、比較例5に係る植物エキスの色素量とほとんど差は無かった。
Figure 2009060818
試験例2
実施例1、2、及び比較例1〜6に係る各植物エキスのポリフェノール量を比較した。
3.2mLの水に実施例1、比較例1、2、4又は5に係る植物エキス200μLを加えた。これに、200μLのフォーリンデニス試薬を加えて攪拌した後、400μLの飽和炭酸ナトリウム溶液を加え、30分間放置した。その後、この溶液の760nmにおける吸収度を測定し、ポリフェノール量を測定した。ポリフェノール量は、(+)カテキン当量として換算した。
なお、実施例1に係る植物エキスのポリフェノール量と比較例1に係る植物エキスのポリフェノール量とを合計した値を実施例2に係る植物エキスのポリフェノール量とみなした。比較例1に係る植物エキスのポリフェノール量と比較例2に係る植物エキスのポリフェノール量とを合計した値を比較例3に係る植物エキスのポリフェノール量とみなした。比較例4に係る植物エキスのポリフェノール量と比較例5に係る植物エキスのポリフェノール量とを合計した値を比較例6に係る植物エキスのポリフェノール量とみなした。
その結果、表2に示すように、実施例2、比較例3及び6に係る植物エキス間で比較した場合、実施例2に係る本発明エキスのポリフェノール量は、比較例6に係る植物エキスのポリフェノール量とほとんど差は無かった。実施例1、比較例2及び5に係る植物エキス間で比較した場合、実施例1に係る本発明エキスのポリフェノール量は、比較例2及び4に係る植物エキスのポリフェノール量より多かった。
Figure 2009060818
試験例3
実施例2、比較例3、6に係る各植物エキスの渋味、フルーティーな甘味及び香味について、それぞれ10名の同じパネラーにより官能試験を行い評価した。
その結果、実施例2に係る本発明エキスは、比較例6に係る植物エキスより渋味は少なく、比較例3、6に係る植物エキスよりフルーティーな甘味が感じられた。香味に関しては、実施例2に係る本発明エキスの香味が最も好ましいと答えたパネラーが、最も多かった。
Figure 2009060818
総合的に、実施例2に係る本発明エキスと比較例6に係る植物エキスとを比較すると、色素量、ポリフェノール量については大差はないが、渋味、甘味、香味については大差があり、食品としては実施例2に係る本発明エキスの方が優れていることが明らかである。

Claims (10)

  1. 下記1)及び2)の工程を含むことを特徴とする植物エキスの製造方法:
    1)バラ科アロニア属に属する植物の果実を搾汁し、搾汁液と搾汁残渣とを得る工程、
    2)工程1で得られた搾汁残渣を溶媒に浸し、熱時抽出処理を行い、抽出液を得る工程。
  2. 工程2の後に、更に、工程1で得られた搾汁液又はその濃縮液と工程2で得られた抽出液又はその濃縮液とを混合する工程を有することを特徴とする、請求項1に記載の植物エキスの製造方法。
  3. 工程2の後に、下記i)の工程を1又は複数回有し、更に、下記ii)の工程を有することを特徴とする、請求項1に記載の植物エキスの製造方法:
    i)熱時抽出処理を行った後の抽出残渣を再び溶媒に浸し、熱時抽出処理を行い、再び抽出液を得る工程、
    ii)工程2で得られた抽出液又はその濃縮液と工程iで得られた抽出液又はその濃縮液とを混合する工程。
  4. 工程2の後に、下記a)の工程を1又は複数回有し、更に、下記b)の工程を有することを特徴とする、請求項1に記載の植物エキスの製造方法:
    a)熱時抽出処理を行った後の抽出残渣を再び溶媒に浸し、熱時抽出処理を行い、再び抽出液を得る工程、
    b)工程1で得られた搾汁液又はその濃縮液、工程2で得られた抽出液又はその濃縮液、及び工程aで得られた抽出液又はその濃縮液とを混合する工程。
  5. バラ科アロニア属に属する植物がアロニア・アルブティフォリア(Aronia arbutifolia)、アロニア・メラノカルパ(Aronia melanocarpa)又はアロニア・プルニフォリア(Aronia prunifolia)である、請求項1〜4のいずれかに記載の植物エキスの製造方法。
  6. 溶媒が水又は含水エタノールである、請求項1〜5のいずれかに記載の植物エキスの製造方法。
  7. 抽出処理を、40〜100℃の範囲内の加熱温度で、10〜120分の範囲内の加熱時間で行う、請求項1〜6のいずれかに記載の植物エキスの製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法により得られる植物エキス。
  9. 請求項8に記載の植物エキスを含有することを特徴とする製剤。
  10. 請求項8に記載の植物エキスを含有することを特徴とする食品。
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